JP2010277426A - 設計支援装置、設計支援方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】フィレットが付与される際に、必要な付属形状が誤って削除されることを防止することを課題とする。
【解決手段】設計支援装置に、フィレットが付与される相貫部分で相貫する相貫面においてトリムされる部分を特定するトリム部分特定部22と、相貫面に付属形状が設定されている場合に、付属形状が設定されている部分とトリムされる部分とが重なるか否かを判定する重なり判定部23と、少なくとも重なり判定部23による判定結果に基づいて、フィレットの付与によって付属形状が失われるか否かを判定する消失判定部25と、消失判定部25によって付属形状が失われると判定された場合に、付属形状が失われることを示す通知を出力する通知出力部26と、を備えた。
【選択図】図4
【解決手段】設計支援装置に、フィレットが付与される相貫部分で相貫する相貫面においてトリムされる部分を特定するトリム部分特定部22と、相貫面に付属形状が設定されている場合に、付属形状が設定されている部分とトリムされる部分とが重なるか否かを判定する重なり判定部23と、少なくとも重なり判定部23による判定結果に基づいて、フィレットの付与によって付属形状が失われるか否かを判定する消失判定部25と、消失判定部25によって付属形状が失われると判定された場合に、付属形状が失われることを示す通知を出力する通知出力部26と、を備えた。
【選択図】図4
Description
本発明は、CAD(Computer Aided Design、コンピュータ支援設計)/CAM(Computer Aided Manufacturing、コンピュータ支援製造)に関する。
従来、CAD装置においてフィレット面を生成して付与することで角部を丸めることが行われている(特許文献1を参照)。また、CAD装置において、稜線を自動判定し、稜線にフィレット面を生成する技術や(特許文献2を参照)、フィレット面同士が干渉しているか否かを判定し、干渉している部分を表示する技術がある(特許文献3を参照)。
従来、CAD(Computer Aided Design、コンピュータ支援設計)/CAM(Computer Aided Manufacturing、コンピュータ支援製造)等のためのシステムを用いて設計された
物品形状中の角部に対して、フィレット面の付与による角部形状の丸め(面取り)が行われている。このフィレット面は、例えば、角部を形成する面の両方に接する円弧を有し、角部を形成する両面を繋ぐ面である。
物品形状中の角部に対して、フィレット面の付与による角部形状の丸め(面取り)が行われている。このフィレット面は、例えば、角部を形成する面の両方に接する円弧を有し、角部を形成する両面を繋ぐ面である。
しかし、フィレット面が付与される角部の近傍に何らかの付属形状が設定されている場合、フィレット面の付与の際に、角部を形成していた面が一部トリムされることで、角部の近傍に設定されていた付属形状が削除されてしまう可能性があった。
図13は、従来の設計支援装置において、凸状座面、凹状座面、穴、確保平面等の付属形状が設定されている角部にフィレットを自動付与した結果、角部を構成する面が一部トリムされ、これに伴って足場を失った付属形状が失われる様子を示す図である。特に、フィレット面の生成及び付与を自動で行う場合、ユーザが認識することなく角部近傍に設定されていた形状が削除されてしまう可能性がある。
本発明は、上記した問題に鑑み、フィレットが付与される際に、必要な付属形状が誤って削除されることを防止することを課題とする。
本発明は、フィレットが実際に付与される前に、フィレット付与に伴ってトリムされる部分に付属形状が存在するか否かを判断し、フィレットが実際に付与されるとこの付属形状が失われると判断された場合には、付属形状が失われる旨の通知を行うことで、必要な付属形状が誤って削除されることを防止することを可能とした。
詳細には、本発明は、物品形状データに基づいて物品形状を特定する設計支援装置であって、前記物品形状における複数の面が相貫する相貫部分に付与されるフィレットを生成するためのフィレット情報を設定するフィレット情報設定手段と、前記フィレット情報に従ってフィレットが生成および付与されると仮定した場合に、前記相貫部分で相貫する相
貫面において該フィレット付与のためにトリムされる部分を特定するトリム部分特定手段と、前記相貫面の何れかに付属形状が設定されている場合に、該付属形状が設定された基底面における付属形状が設定されている部分と前記トリムされる部分とが重なるか否かを判定する重なり判定手段と、少なくとも前記重なり判定手段による判定結果に基づいて、前記フィレットの付与によって前記付属形状が失われるか否かを判定する消失判定手段と、前記消失判定手段によって前記付属形状が失われると判定された場合に、該付属形状が失われることを示す通知を出力する通知出力手段と、を備える設計支援装置である。
貫面において該フィレット付与のためにトリムされる部分を特定するトリム部分特定手段と、前記相貫面の何れかに付属形状が設定されている場合に、該付属形状が設定された基底面における付属形状が設定されている部分と前記トリムされる部分とが重なるか否かを判定する重なり判定手段と、少なくとも前記重なり判定手段による判定結果に基づいて、前記フィレットの付与によって前記付属形状が失われるか否かを判定する消失判定手段と、前記消失判定手段によって前記付属形状が失われると判定された場合に、該付属形状が失われることを示す通知を出力する通知出力手段と、を備える設計支援装置である。
ここで、物品形状データは、設計支援装置を用いて設計される物品の形状を特定するためのデータであり、例えば、物品を構成する点、線および面等をXYZ座標空間において表現するための座標や関数等の集合である。具体的には、CAD装置において用いられるCADデータ等が、本発明に係る物品形状データに相当する。物品形状には、通常、2以上の面(平面または曲面)が相貫することで形成される相貫部分が含まれる。ここで、相貫部分とは、2以上の面が相貫する相貫線と、その相貫線で相貫する面(以下、「相貫面」と称する)のうち、相貫線近傍の部分を含む角部を指す。
従来、このような相貫部分には、角を滑らかにする(所謂面取り等)ために、フィレットが付与されることが行われている。ここで、フィレットは、例えば、円柱側面の一部形状であり、このような形状のフィレットで相貫部分が置き換えられる。なお、フィレットを生成するためのフィレット情報は、例えば、相貫面の夫々に接する円弧状のフィレット面を定義するためのR値を含むR属性情報である。
そして、相貫面のうち、相貫線近傍の部分は、フィレット付与に伴ってトリムされる。ここで、トリムとは、面の一部が削除されることをいい、本発明では、相貫部分がフィレットで置換されるため、相貫線まで延びていた相貫面の一部が、相貫線からフィレットの外周線まで後退するようにトリムされる。
本発明では、このようにしてフィレットが付与される場合に、相貫部分のトリムによって失われる付属形状の有無を、実際のフィレット付与に先立って判断する。ここで、付属形状とは、物品形状を構成する面(平面または曲面)の上に設定された、何らかの付属的な形状であり、例えば、座面、穴、確保平面等である。なお、本発明において、消失するか否かの検査対象となる付属形状が設定されている面を、基底面と称する。
本発明に係る設計支援装置では、フィレット情報に従ってトリム部分を特定し、特定されたトリム部分と付属形状が設定された部分が重なるか否かを判定する。そして、少なくともこの判定結果に基づいて、付属形状が失われるか否かを判定する。例えば、トリム部分と付属形状設定部分とが完全に重なる場合、トリムによって付属形状は完全に足場を失うため、付属形状はフィレット付与に伴って失われると判断出来る。トリム部分と付属形状設定部分とが一部重なる場合、基底面に直接設定された穴や確保平面の付属形状は失われるが、凸状座面や凹状座面等、基底面に対して高低差をもって設定された付属形状は、失われない可能性がある。即ち、付属形状が失われるか否かの判断は、少なくとも重なり判定手段による判定結果に基づいて行われるが、重なり判定の結果のみで付属形状の消失の有無が確定しない場合もある。
付属形状が失われると判定された場合、付属形状が失われることを示す通知が出力される。この通知は、例えば、失われる付属形状を矢印や引出線を用いて示し、「形状消失」等のメッセージを表示するものであってもよいし、失われる付属形状を強調表示するものであってもよい。また、音響等、画像表示以外の方法で通知が出力されてもよい。
また、本発明において、前記トリム部分特定手段は、前記フィレット情報に基づいて生
成されるフィレットと、前記相貫面と、が相貫する線であるフィレット外周線を算出することで、前記トリム部分を特定してもよい。
成されるフィレットと、前記相貫面と、が相貫する線であるフィレット外周線を算出することで、前記トリム部分を特定してもよい。
即ち、フィレット外周線は、フィレットが付与された場合にフィレットと面とが接合される線であり、相貫面はこのフィレット外周線までトリムされる。重なり判定手段は、このようにして特定されたトリム部分と、付属形状が設定されている部分とが重なるか否かを判定する。
また、本発明において、重なり判定手段は、トリム部分と付属形状設定部分との重なりを判定するに当たって、三次元空間上で形状を定義する技術において用いることが出来るどのような判定方法を用いてもよい。
例えば、本発明において、前記重なり判定手段は、前記相貫面が相貫する相貫線から前記付属形状までの距離と、該相貫線から前記フィレット外周線のうち前記基底面上にあるフィレット足線までの距離と、を比較することで重なりを判定してもよい。
この場合、相貫線からフィレット足線までの距離が相貫線から付属形状までの距離よりも長い場合に、フィレット付与のためのトリムが、付属形状が設定されている位置まで及び、付属形状が失われる(または、失われる可能性がある)と判断出来る。
また、本発明において、前記重なり判定手段は、前記付属形状の外縁を定める外縁線と、前記フィレット外周線のうち前記基底面上にあるフィレット足線と、の交点を算出することで重なりを判定してもよい。
この場合、付属形状の外縁線とフィレット足線との交点が有る場合に、フィレット付与のためのトリムが、付属形状が設定されている位置まで及び、付属形状が失われる(または、失われる可能性がある)と判断出来る。
また、上記した距離の比較による判定方法と、交点の有無による判定方法は、併せて判断されることで、フィレットが付与された場合の状況をより正確に判定することが可能となる。例えば、相貫線からフィレット足線までの距離が相貫線から付属形状までの距離よりも長く、且つ付属形状の外縁線とフィレット足線との交点が無い場合、フィレット付与のためのトリムは付属形状が設定されている足場を完全に消失させ、付属形状が失われると判断出来る。
また、本発明に係る設計支援装置は、前記付属形状が、前記基底面に対して高低差を有する座面である場合に、該座面と前記基底面とを繋ぐ座面側面の延長面が、前記フィレットと相貫するか否かを判定することで、フィレット付与の場合にも該座面側面が延長されることで該座面が成立するか否かを判定する、座面成立判定手段を更に備え、前記消失判定手段は、前記重なり判定手段によって前記付属形状設定部分と前記トリム部分とが重なると判定された場合であっても、前記座面成立判定手段によって前記座面側面の延長面が前記フィレットと相貫すると判定された場合に、前記フィレットの付与によっても前記座面が失われないと判定してもよい。
基底面に対して高低差をもって設定される座面は、基底面から上方または下方に延びる座面側面を介して設けられている。このため、座面および座面側面を含む付属形状設定部分のうち一部がトリム部分と重なる場合であっても、座面側面を延長してフィレットと相貫する場合には、仮にフィレットの付与が行われても、基底部およびフィレット面上に座面が成立する。
なお、以上説明した構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、可能な限り組み合わせることが出来る。更に、本発明は、設計支援装置が実行する方法、または設計支援装置としてのコンピュータに実行させるプログラムとしても把握することが可能である。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
例えば、本発明は、物品形状を特定するための物品形状データが記録される記憶装置に接続されたコンピュータが、前記物品形状における複数の面が相貫する相貫部分に付与されるフィレットを生成するためのフィレット情報を設定するフィレット情報設定ステップと、前記フィレット情報に従ってフィレットが生成および付与されると仮定した場合に、前記相貫部分で相貫する相貫面において該フィレット付与のためにトリムされる部分を特定するトリム部分特定ステップと、前記相貫面の何れかに付属形状が設定されている場合に、該付属形状が設定された基底面における付属形状が設定されている部分と前記トリムされる部分とが重なるか否かを判定する重なり判定ステップと、少なくとも前記重なり判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記フィレットの付与によって前記付属形状が失われるか否かを判定する消失判定ステップと、前記消失判定ステップにおいて前記付属形状が失われると判定された場合に、該付属形状が失われることを示す通知を出力する通知出力ステップと、を実行する設計支援方法である。
本発明によれば、フィレットが付与される際に、必要な付属形状が誤って削除されることを防止することが可能となる。
以下、本発明に係る設計支援装置をCAD装置として実施する場合の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
<構成>
図1は、本実施形態に係るCAD装置1のハードウェア構成の概略を示す図である。CAD装置1は、本発明の設計支援装置に相当し、CPU(Central Processing Unit)1
1、RAM(Random Access Memory)12等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)
13等の補助記憶装置、ROM(Read Only Memory)14、通信インターフェース15、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイ等の表示装置16、およびキーボードやマウス等の入力装置17を有するコンピュータである。図1に示されたコンピュータは、RAM12またはROM14に展開されたプログラムをCPU11が実行することで、本発明に係るフィレット情報設定手段、トリム部分特定手段、重なり判定手段、座面成立判定手段、消失判定手段、および通知出力手段を備えるCAD装置1として機能する。
図1は、本実施形態に係るCAD装置1のハードウェア構成の概略を示す図である。CAD装置1は、本発明の設計支援装置に相当し、CPU(Central Processing Unit)1
1、RAM(Random Access Memory)12等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)
13等の補助記憶装置、ROM(Read Only Memory)14、通信インターフェース15、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイ等の表示装置16、およびキーボードやマウス等の入力装置17を有するコンピュータである。図1に示されたコンピュータは、RAM12またはROM14に展開されたプログラムをCPU11が実行することで、本発明に係るフィレット情報設定手段、トリム部分特定手段、重なり判定手段、座面成立判定手段、消失判定手段、および通知出力手段を備えるCAD装置1として機能する。
なお、本実施形態に係るCAD装置では、曲線や曲面の表現方式として、三次元CADで多く用いられているNURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)を用いる。この表
現方式では、XYZ座標値で表される制御点を基準として、曲線が制御点から受ける影響力および影響範囲を表すBスプライン関数と、曲線が制御点から受ける影響の大きさを表すウェイトによって、曲線が決定される。但し、曲線や曲面の表現に用いられる方式には、ベジエ(Bezier)等、その他の方式が用いられてもよい。
現方式では、XYZ座標値で表される制御点を基準として、曲線が制御点から受ける影響力および影響範囲を表すBスプライン関数と、曲線が制御点から受ける影響の大きさを表すウェイトによって、曲線が決定される。但し、曲線や曲面の表現に用いられる方式には、ベジエ(Bezier)等、その他の方式が用いられてもよい。
図2は、本実施形態に係るCAD装置1の機能構成の概略を示す図である。CAD装置1は、図1に示された各ハードウェアがCPU11によって制御されることで、フィレット情報設定部21、トリム部分特定部22、重なり判定部23、座面成立判定部24、消失判定部25、および通知出力部26を備えるCAD装置1として機能する。なお、本実施形態では、コンピュータを上記各手段または機能部として機能させるための各モジュールを含むプログラムを、CPU11が実行することで、本発明に係る設計支援装置を実現しているが、本発明に係る機能部の一部または本発明に係る1つ以上の機能部に相当する機能を実行するために、専用のプロセッサが用いられてもよい。
フィレット情報設定部21は、ユーザ操作に従って、または自動的に、相貫部分に付与されるフィレットを生成するためのフィレット情報を設定する。本実施形態において、フィレット情報は、相貫面の夫々に接する円弧状のフィレット面を定義するためのR値を含むR属性情報である。
本実施形態に係るCAD装置1では、フィレットの付与を行う場合、はじめに、2以上の面が相貫(交差)する相貫部分に対して、R属性(フィレットとして付与される曲面のRの度合いを決定するための情報)が設定される。なお、R属性の設定は、フィレットの付与対象となる相貫部分に対してフィレットのR属性を指定するユーザ操作に応じて行われてもよいし、CAD装置1による、予め設定された条件等に応じた自動処理によって行われてもよい。なお、R属性が自動的に設定される場合、フィレット情報設定部21は、CADデータを参照して相貫部分を抽出し、抽出された相貫部分に対して、予め設定されたR属性を設定する。
トリム部分特定部22は、フィレット情報に基づいて生成されるフィレットと相貫面とが相貫する線であるフィレット外周線を算出することで、フィレット情報に従ってフィレットが生成および付与されると仮定した場合に、相貫面においてフィレット付与のために
トリムされる部分を特定する。
トリムされる部分を特定する。
重なり判定部23は、相貫面の何れかに付属形状が設定されている場合に、基底面52における付属形状が設定されている部分とトリム部分とが重なるか否かを判定する。また、座面成立判定部24は、付属形状が、凸状または凹状の座面である場合に、座面側面の延長面が仮想フィレットと相貫するか否かを判定することで、フィレット付与の場合にも座面側面の延長により座面が成立するか否かを判定する。そして、消失判定部25は、重なり判定部23および座面成立判定部24の少なくとも何れかによる判定結果に基づいて、フィレットの付与によって付属形状が失われるか否かを判定し、通知出力部26は、消失判定部25によって付属形状が失われると判定された場合に、該付属形状が失われることを示す通知を出力する。
図3は、本実施形態において、相貫部分にR属性が設定された様子を示す図である。図3には、図の左から順に、相貫線51において相貫する面の一方(以下、「基底面52」と称する)に凸状の座面61が設定された角部、基底面52に凹状の座面63が設定された角部、基底面52に穴65が設定された角部、および基底面52に平面確保線66(以下、平面確保線66によって確保された平面を、「確保平面」と称する)が設定された角部、が示されている。これらの座面61,63や穴65、確保平面等は、角部の相貫部分近傍に設定された付属形状である。このため、相貫部分に設定されたR属性によっては、相貫面52,53の一部がトリムされた結果、トリムされた相貫面52に設定されていた座面61,63や穴65、確保平面等が失われてしまう可能性がある。なお、図3に示した例における平面確保線66は、確保平面の中心付近に設定された穴67の周囲を平面に保つために設定されたものである。
本実施形態に係るCAD装置1は、このようなR属性の設定が行われた場合に、設定されたR属性に従ってフィレットが実際に付与された結果、相貫部分近傍の付属形状に失われるものがないかを、後述するフィレット付与前処理を実行することで、確認する。
<処理の流れ>
図4は、本実施形態に係るCAD装置1におけるフィレット付与前処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、CAD装置1において、CADデータに含まれる相貫部分に、ユーザによる指示操作に従ってまたは自動的にR属性が設定されたことを契機として開始される。なお、本フローチャートに示された処理の内容および順序は、本発明を実施するための一例であり、処理の具体的な内容および順序は、適宜、実施の形態に応じた内容および順序が採用されることが好ましい。
図4は、本実施形態に係るCAD装置1におけるフィレット付与前処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、CAD装置1において、CADデータに含まれる相貫部分に、ユーザによる指示操作に従ってまたは自動的にR属性が設定されたことを契機として開始される。なお、本フローチャートに示された処理の内容および順序は、本発明を実施するための一例であり、処理の具体的な内容および順序は、適宜、実施の形態に応じた内容および順序が採用されることが好ましい。
ステップS101では、R属性が付与(設定)されている相貫線51を構成する相貫面52,53が抽出される。CPU11は、処理の対象となっているCADデータを参照して、本フローチャートに示された処理が開始される前にユーザによる指示操作に従ってまたは自動的にR属性が設定された相貫線51を特定し、また、この相貫線51を構成する(換言すると、この相貫線51において相貫する)相貫面52,53を抽出する。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、仮想フィレット70の外周線が算出される。ここでは、実際にCADデータに反映されない仮想フィレット70が生成され、この外周線が算出される。CPU11は、設定されたR属性に従って仮想フィレット70を生成し、この仮想フィレット70とステップS101で抽出された相貫面52,53とが相貫する線、即ち、仮想フィレット70の外周線を算出する。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、相貫面52,53に設定された穴65の有無が判定される。C
PU11は、R属性が設定された相貫線51を構成する相貫面52,53に、付属形状としての穴(例えば、図3に示された穴65を参照)が存在するか否かを判定する。相貫面52,53に穴65がある場合、処理はステップS104へ進む。穴65がない場合、処理はステップS105へ進む。
PU11は、R属性が設定された相貫線51を構成する相貫面52,53に、付属形状としての穴(例えば、図3に示された穴65を参照)が存在するか否かを判定する。相貫面52,53に穴65がある場合、処理はステップS104へ進む。穴65がない場合、処理はステップS105へ進む。
ステップS104では、穴消失判定処理が実行される。穴消失判定処理は、R属性に従って実際にフィレットが付与され、付属形状として穴65が設定された面の一部がトリムされた場合に、この付属形状が失われるか否かを判定するための処理である。穴消失判定処理の詳細な内容については、図6を用いて後述する。穴消失判定処理による付属形状の消失判定の結果が得られると、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、相貫面52,53に設定された確保平面の有無が判定される。CPU11は、R属性が設定された相貫線51を構成する相貫面52,53に、付属形状としての確保平面(例えば、図3に示された平面確保線66による確保平面)が存在するか否かを判定する。相貫面52,53に確保平面がある場合、処理はステップS106へ進む。確保平面がない場合、処理はステップS107へ進む。
ステップS106では、確保平面消失判定処理が実行される。確保平面消失判定処理は、R属性に従って実際にフィレットが付与され、付属形状として確保平面が設定された面の一部がトリムされた場合に、この付属形状が失われるか否かを判定するための処理である。確保平面消失判定処理の詳細な内容については、図6を用いて後述する。確保平面消失判定処理による付属形状の消失判定の結果が得られると、処理はステップS107へ進む。
ステップS107では、相貫面52,53に設定された座面61,63の有無が判定される。CPU11は、R属性が設定された相貫線51を構成する相貫面52,53に、付属形状としての座面(例えば、図3に示された凸状座面61、凹状座面63)が存在するか否かを判定する。相貫面52,53に座面61,63がある場合、処理はステップS108へ進む。座面61,63がない場合、処理はステップS109へ進む。
ステップS108では、座面消失判定処理が実行される。座面消失判定処理は、R属性に従って実際にフィレットが付与され、付属形状として座面61,63が設定された面の一部がトリムされた場合に、この付属形状が失われるか否かを判定するための処理である。座面消失判定処理の詳細な内容については、図9を用いて後述する。座面消失判定処理による付属形状の消失判定の結果が得られると、処理はステップS109へ進む。
ステップS109では、消失判定処理による判定の結果が表示される。図5は、本実施形態において、フィレットの付与による形状消失の虞がある場合に表示される通知画面の内容を示す図である。CPU11は、ステップS102で算出された仮想フィレット70の外周線、および付属形状のエッジ(外縁線)60を、表示装置16を介して出力する。なお、付属形状のエッジ60は、CADデータを参照して検査対象となる付属形状の外縁を定義する情報を読み出すことや、付属形状と基底面52との相貫線を算出することで得ることが出来る。更に、CPU11は、ステップS104、S106、S108における消失判定処理の結果(戻り値)を受けて、仮にフィレットが付与されると消失すると判定さされた付属形状について、表示装置16を介して注記を出力する。なお、本実施形態では、注記として「形状消失」等の警告表示が出力される。判定結果の通知が出力されると、本フローチャートに示された処理は終了する。
なお、本フローチャートに示された処理の終了後、CAD装置1は、ユーザによる確認操作を受け付けてもよい。CAD装置1は、付属形状の消失を許容することを示す操作を
ユーザから受け付けた場合、そのままフィレットの自動付与処理に進む。これに対して、CAD装置1は、付属形状の消失を許容しないことを示す操作をユーザから受け付けた場合、検査対象となった相貫線51に設定されたR属性を消去するか、新たなR属性の入力をユーザに促す出力を行う。
ユーザから受け付けた場合、そのままフィレットの自動付与処理に進む。これに対して、CAD装置1は、付属形状の消失を許容しないことを示す操作をユーザから受け付けた場合、検査対象となった相貫線51に設定されたR属性を消去するか、新たなR属性の入力をユーザに促す出力を行う。
図6は、本実施形態に係るCAD装置1における穴/確保平面消失判定処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、図4に示されたフィレット付与前処理において、ステップS104に示された穴消失判定処理またはステップS106に示された確保平面消失判定処理を実行するための関数が呼び出されたことを契機として開始される。なお、本フローチャートに示された処理の内容および順序は、本発明を実施するための一例であり、処理の具体的な内容および順序は、適宜、実施の形態に応じた内容および順序が採用されることが好ましい。
ステップS201およびステップS202では、仮想フィレット足線71(仮想フィレット70の外周線のうち、基底面52上にある線)と付属形状のエッジ60との交点の有無が判定される。図7は、本実施形態に係るCAD装置1が、仮想フィレット足線71と付属形状のエッジ60との交点計算によって重なり判定および消失判定を行う場合の相貫部分のイメージを示す図である。CPU11は、仮想フィレット足線71と、検査対象となる付属形状(ここでは、穴65または確保平面)のエッジ(外縁)60との交点を計算する(ステップS201)。
なお、付属形状のエッジ60は、CADデータを参照して検査対象となる付属形状の外縁を定義する情報を読み出すことや、付属形状と基底面52との相貫線を算出することで得ることが出来る。エッジ60との交点が計算されると、CPU11は、ステップS201における計算によって、実際の交点が算出されたか否かを判定する(ステップS202)。交点が算出された(交点がある)場合、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされると、基底面52のうち付属形状が設定された部分の一部が削除され、検査対象となっている付属形状が失われると判断できる。この場合、処理はステップS206へ進む。これに対して、交点が算出されなかった(交点が無い)場合、処理はステップS203へ進む。
ステップS203では、R属性が設定された相貫線51上の点のうち、検査対象エッジ60に最も近い点(以下、「基準点54」と称する)が特定される。CPU11は、相貫線51上の点位置(XYZ座標値)を所定のピッチで求め、求められた点のうち、この点を通り相貫線51に垂直な平面(以下、「法平面断面」と称する)における検査対象エッジ60との距離が最小となる点を、基準点54として決定する。なお、本実施形態では、1/1000mm精度のCADが用いられるため、相貫線51上の点位置1/10000mm程度のピッチで求められる。但し、基準点54を決定する方法としては、その他の方法が用いられてもよい。その後、処理はステップS204へ進む。
ステップS204およびステップS205では、相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1、および相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2が算出、比較される。図8は、本実施形態に係るCAD装置1が、相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1と相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2との距離比較によって重なり判定および消失判定を行う場合の相貫部分のイメージを示す図である。CPU11は、ステップS203で特定された基準点54を通る法平面断面における、相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1を算出する(ステップS204)。そして、CPU11は、ステップS203で算出された、相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2と、ステップS204で算出された、相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1と、を比較する(ステップS205)。
比較の結果、「相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1 > 相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2」である場合、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされると、基底面52のうち付属形状が設定された部分の一部または全部が削除され、検査対象となっている付属形状が失われると判断できる。この場合、処理はステップS206へ進む。これに対して、比較の結果、「相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1 ≦ 相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2」である場合、基底面52のうち付属形状が設定された部分は、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされても失われないため、付属形状とフィレットが両立可能であると判断出来る。この場合、処理はステップS207へ進む。
ステップS206は、ステップS202またはステップS205における判定の結果、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされると、検査対象となっている付属形状が失われると判定された場合に実行される処理である。CPU11は、呼び出し元の関数(図4に示したフローチャートを実行するためのプログラムモジュール)に対して、形状消失を示す戻り値を出力する。その後、本フローチャートに示された処理は終了し、フィレット付与前処理(図4を参照)に対して形状消失を示す戻り値が戻された結果、ステップS109における「形状消失」の通知出力が行われる。
ステップS207は、ステップS202およびステップS205における判定の結果、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされても、検査対象となっている付属形状は失われないと判定された場合に実行される処理である。CPU11は、呼び出し元の関数(図4に示したフローチャートを実行するためのプログラムモジュール)に対して、フィレットを実際に付与する処理を実行しても問題ないことを示す戻り値を出力する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
なお、本実施形態では、距離の比較(ステップS203からステップS205)に先立って交点の計算を行い(ステップS201およびステップS202)、交点の有無によって干渉が判定されなかった場合には距離の比較によって付属形状が失われるか否かを判定することとしているが、交点の計算は省略し、距離の比較のみで付属形状が失われるか否かを判定することとしてもよい。
凸状または凹状の座面61,63については、フィレットを付けることにより座面61,63を有する面のうち座面61,63が設定されている部分が完全にトリムされてしまう場合に、座面61,63が失われることは、穴65や確保平面の場合と同様である。しかし、凸状または凹状の座面61,63については、フィレット足線71が座面61,63のエッジ(外縁)60と交差する場合に、穴65や確保平面の場合と異なり、座面61,63が失われずにフィレットが成立する場合がある。このため、本実施形態では、凸状または凹状の座面61,63については、穴65や確保平面の場合と一部異なる方法で、付属形状が失われるか否かを判定することとしている。
図9は、本実施形態に係るCAD装置1における凸状/凹状座面消失判定処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、図4に示されたフィレット付与前処理において、ステップS108に示された座面消失判定処理を実行するための関数が呼び出されたことを契機として開始される。なお、本フローチャートに示された処理の内容および順序は、本発明を実施するための一例であり、処理の具体的な内容および順序は、適宜、実施の形態に応じた内容および順序が採用されることが好ましい。
ステップS301では、R属性が設定された相貫線51上の点のうち、検査対象エッジ60に最も近い点(基準点54)が特定される。基準点54の特定方法は、ステップS2
03で説明した内容と概略同様であるため、説明を省略する。なお、凸状または凹状の座面61,63の検査対象エッジ(外縁)60は、CADデータを参照して検査対象となる座面61,63の座面側面62,64を定義する情報を読み出し、座面側面62,64と基底面52との相貫線を算出することで得ることが出来る。
03で説明した内容と概略同様であるため、説明を省略する。なお、凸状または凹状の座面61,63の検査対象エッジ(外縁)60は、CADデータを参照して検査対象となる座面61,63の座面側面62,64を定義する情報を読み出し、座面側面62,64と基底面52との相貫線を算出することで得ることが出来る。
ステップS302およびステップS303では、相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1、および相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2が算出、比較される。CPU11は、ステップS301で特定された基準点54を通る法平面断面における、相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1を算出する(ステップS302)。そして、CPU11は、ステップS301で算出された、相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2と、ステップS302で算出された、相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1と、を比較する(ステップS303)。
比較の結果、「相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1 ≦ 相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2」である場合、基底面52のうち付属形状が設定された部分は、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされても失われないため、付属形状とフィレットが両立可能であると判断出来る。この場合、処理はステップS309へ進む。
これに対して、比較の結果、「相貫線51から仮想フィレット足線71までの距離d1
> 相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2」である場合、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされると、基底面52のうち付属形状が設定された部分の一部または全部が削除され、検査対象となっている付属形状が失われる可能性がある。この場合、処理はステップS304へ進む。
> 相貫線51から検査対象エッジ60までの距離d2」である場合、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされると、基底面52のうち付属形状が設定された部分の一部または全部が削除され、検査対象となっている付属形状が失われる可能性がある。この場合、処理はステップS304へ進む。
ステップS304およびステップS305では、仮想フィレット足線71と付属形状のエッジ60との交点の有無が判定される。CPU11は、仮想フィレット足線71(仮想フィレット70の外周線のうち、基底面52上にある線)と、検査対象となる付属形状(ここでは、座面61,63)のエッジ(外縁)60との交点を計算する(ステップS304)。エッジ60との交点が計算されると、CPU11は、ステップS304における計算によって、交点が算出されたか否かを判定する(ステップS305)。交点が算出された(交点がある)場合、付属形状が失われる可能性があるが、フィレットの位置によっては、座面側面62,64が延長されることで、付属形状である座面61,63が失われずに指定されたR属性のフィレットを付すことが出来る可能性がある。このため、処理はステップS306へ進む。これに対して、交点が算出されなかった(交点が無い)場合、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされると、基底面52のうち付属形状が設定された部分が削除され、検査対象となっている座面61,63が座面側面62,64ごと失われると判断できる。この場合、処理はステップS308へ進む。
ステップS306およびステップS307では、基準点54を通り相貫線51に垂直な平面(法平面断面)上において、座面側面62,64の延長面と仮想フィレット70とが相貫するか否かが判定される。なお、本実施形態では、座面側面62,64と法平面断面との相貫線(但し、計算に用いられるのは、座面側面62,64と法平面断面との相貫線のうち、フィレットで置換される角部寄りの相貫線である)を延長した線が、仮想フィレット70と法平面断面との相貫線との間で交点を有するか否かを計算することで、座面側面62,64の延長面と仮想フィレット70とが相貫するか否かを判定する。CPU11は、はじめに座面側面62,64と、ステップS301で特定された基準点54を通る法平面断面との相貫線を求め、更に、仮想フィレット70と同法平面断面との相貫線を求める。そして、CPU11は、これらの相貫線の交点を計算し(ステップS306)、交点が算出された場合、即ち座面側面62,64の延長面と仮想フィレット70とが相貫する
場合、座面側面62,64を延長することで、座面61,63を消失することなくフィレットを付すことが可能であると判断する。
場合、座面側面62,64を延長することで、座面61,63を消失することなくフィレットを付すことが可能であると判断する。
図10は、本実施形態において、基準点54を通る法平面断面において座面側面延長線と仮想フィレット70との間に交点が算出される場合のイメージを示す断面図である。また、図11は、本実施形態において、基準点54を通る法平面断面において座面側面延長線と仮想フィレット70との間に交点が算出される場合のイメージを示す斜視図である。図10および図11に示された例によれば、トリムによって基底面52の付属形状設定部分が一部削除される場合であっても、座面側面62を延長することで、フィレットと座面61の双方が成立することが分かる。ステップS307において交点が算出された場合、処理はステップS309へ進む。
図12は、本実施形態において、基準点54を通る法平面断面において座面側面延長線と仮想フィレット70との間に交点が算出されない場合のイメージを示す断面図である。本実施形態では、ステップS307において交点が算出されない場合、即ち座面側面62の延長面と仮想フィレット70とが相貫しない場合、座面61,63が消失すると判断する。ステップS307において交点が算出されなかった場合、処理はステップS308へ進む。
ステップS308は、ステップS305またはステップS307における判定の結果、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされると、検査対象となっている付属形状が失われると判定された場合に実行される処理である。CPU11は、呼び出し元の関数(図4に示したフローチャートを実行するためのプログラムモジュール)に対して、形状消失を示す戻り値を出力する。その後、本フローチャートに示された処理は終了し、フィレット付与前処理(図4を参照)に対して形状消失を示す戻り値が戻された結果、ステップS109における「形状消失」の通知出力が行われる。
ステップS309は、ステップS303またはステップS307における判定の結果、実際にフィレットを付与するために基底面52がトリムされても、検査対象となっている付属形状は失われないと判定された場合に実行される処理である。CPU11は、呼び出し元の関数(図4に示したフローチャートを実行するためのプログラムモジュール)に対して、フィレットを実際に付与する処理を実行しても問題ないことを示す戻り値を出力する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
本実施形態に係るCAD装置1によれば、相貫線51にフィレット情報(R属性)を付与した場合に、実際にフィレットを付与する前に、付属形状とフィレットとの両立性を判定し、問題がある場合にはユーザに注意を喚起することが出来る。特に、相貫線51にフィレット情報が付与された際や、フィレット付与の操作が行われた際に自動的に上記説明した判定処理が実行されることで、ユーザの不注意や自動処理による誤ったフィレットの付与や付属形状の削除を防止することが出来る。
1 CAD装置
51 相貫線
52 相貫面(基底面)
53 相貫面
54 基準点
60 付属形状のエッジ
61 凸状座面
62 座面側面
63 凹状座面
64 座面側面
65、67 穴
66 平面確保線
70 仮想フィレット
71 仮想フィレット足線
51 相貫線
52 相貫面(基底面)
53 相貫面
54 基準点
60 付属形状のエッジ
61 凸状座面
62 座面側面
63 凹状座面
64 座面側面
65、67 穴
66 平面確保線
70 仮想フィレット
71 仮想フィレット足線
Claims (8)
- 物品形状データに基づいて物品形状を特定する設計支援装置であって、
前記物品形状における複数の面が相貫する相貫部分に付与されるフィレットを生成するためのフィレット情報を設定するフィレット情報設定手段と、
前記フィレット情報に従ってフィレットが生成および付与されると仮定した場合に、前記相貫部分で相貫する相貫面において該フィレット付与のためにトリムされる部分を特定するトリム部分特定手段と、
前記相貫面の何れかに付属形状が設定されている場合に、該付属形状が設定された基底面における付属形状が設定されている部分と前記トリムされる部分とが重なるか否かを判定する重なり判定手段と、
少なくとも前記重なり判定手段による判定結果に基づいて、前記フィレットの付与によって前記付属形状が失われるか否かを判定する消失判定手段と、
前記消失判定手段によって前記付属形状が失われると判定された場合に、該付属形状が失われることを示す通知を出力する通知出力手段と、
を備える設計支援装置。 - 前記トリム部分特定手段は、前記フィレット情報に基づいて生成されるフィレットと、前記相貫面と、が相貫する線であるフィレット外周線を算出することで、前記トリム部分を特定する、
請求項1に記載の設計支援装置。 - 前記重なり判定手段は、前記相貫面が相貫する相貫線から前記付属形状までの距離と、該相貫線から前記フィレット外周線のうち前記基底面上にあるフィレット足線までの距離と、を比較することで重なりを判定する、
請求項2に記載の設計支援装置。 - 前記重なり判定手段は、前記付属形状の外縁を定める外縁線と、前記フィレット外周線のうち前記基底面上にあるフィレット足線と、の交点を算出することで重なりを判定する、
請求項2または3に記載の設計支援装置。 - 前記付属形状が、前記基底面に対して高低差を有する座面である場合に、該座面と前記基底面とを繋ぐ座面側面の延長面が、前記フィレットと相貫するか否かを判定することで、フィレット付与の場合にも該座面側面が延長されることで該座面が成立するか否かを判定する、座面成立判定手段を更に備え、
前記消失判定手段は、前記重なり判定手段によって前記付属形状設定部分と前記トリム部分とが重なると判定された場合であっても、前記座面成立判定手段によって前記座面側面の延長面が前記フィレットと相貫すると判定された場合に、前記フィレットの付与によっても前記座面が失われないと判定する、
請求項1から4の何れか一項に記載の設計支援装置。 - 前記フィレット情報は、前記相貫面の夫々に接する円弧状のフィレット面を定義するためのR値を含むR属性情報である、
請求項1から5の何れか一項に記載の設計支援装置。 - 物品形状を特定するための物品形状データが記録される記憶装置に接続されたコンピュータが、
前記物品形状における複数の面が相貫する相貫部分に付与されるフィレットを生成するためのフィレット情報を設定するフィレット情報設定ステップと、
前記フィレット情報に従ってフィレットが生成および付与されると仮定した場合に、前記相貫部分で相貫する相貫面において該フィレット付与のためにトリムされる部分を特定するトリム部分特定ステップと、
前記相貫面の何れかに付属形状が設定されている場合に、該付属形状が設定された基底面における付属形状が設定されている部分と前記トリムされる部分とが重なるか否かを判定する重なり判定ステップと、
少なくとも前記重なり判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記フィレットの付与によって前記付属形状が失われるか否かを判定する消失判定ステップと、
前記消失判定ステップにおいて前記付属形状が失われると判定された場合に、該付属形状が失われることを示す通知を出力する通知出力ステップと、
を実行する設計支援方法。 - 物品形状を特定するための物品形状データが記録される記憶装置に接続されたコンピュータを、
前記物品形状における複数の面が相貫する相貫部分に付与されるフィレットを生成するためのフィレット情報を設定するフィレット情報設定手段と、
前記フィレット情報に従ってフィレットが生成および付与されると仮定した場合に、前記相貫部分で相貫する相貫面において該フィレット付与のためにトリムされる部分を特定するトリム部分特定手段と、
前記相貫面の何れかに付属形状が設定されている場合に、該付属形状が設定された基底面における付属形状が設定されている部分と前記トリムされる部分とが重なるか否かを判定する重なり判定手段と、
少なくとも前記重なり判定手段による判定結果に基づいて、前記フィレットの付与によって前記付属形状が失われるか否かを判定する消失判定手段と、
前記消失判定手段によって前記付属形状が失われると判定された場合に、該付属形状が失われることを示す通知を出力する通知出力手段と、
として機能させるための設計支援用プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009130802A JP2010277426A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 設計支援装置、設計支援方法およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009130802A JP2010277426A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 設計支援装置、設計支援方法およびプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010277426A true JP2010277426A (ja) | 2010-12-09 |
Family
ID=43424316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009130802A Withdrawn JP2010277426A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 設計支援装置、設計支援方法およびプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010277426A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015526779A (ja) * | 2012-06-01 | 2015-09-10 | ピーティーシー インコーポレイテッド | 特徴ベースのモデリング環境のための結果ベースのツール選択、診断、およびヘルプシステム |
-
2009
- 2009-05-29 JP JP2009130802A patent/JP2010277426A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015526779A (ja) * | 2012-06-01 | 2015-09-10 | ピーティーシー インコーポレイテッド | 特徴ベースのモデリング環境のための結果ベースのツール選択、診断、およびヘルプシステム |
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