JP2010276184A - フレキシブル管用断熱カバーとこれを用いたフレキシブル管の断熱構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部と固定部の間に接続するフレキシブル管に好適な断熱手段として、フレキシブル管に簡単に装着できて良好な断熱作用が得られ、断熱材の劣化損耗を生じにくく、耐久性に優れて長期間継続使用できる断熱カバーを提供する。
【解決手段】筒状形態でフレキシブル管Fに装着する断熱カバーC1であって、内外表面部11,12が耐熱クロスより構成され、内外の耐熱クロスの間に断熱材2が装填され、両端部にフレキシブル管F又はその接続部に対する締着手段としての締付ベルト3Aを備える。
【選択図】図1
【解決手段】筒状形態でフレキシブル管Fに装着する断熱カバーC1であって、内外表面部11,12が耐熱クロスより構成され、内外の耐熱クロスの間に断熱材2が装填され、両端部にフレキシブル管F又はその接続部に対する締着手段としての締付ベルト3Aを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、種々の熱処理装置や成形装置等における可動部と固定部の間に連結されるフレキシブル管、特に内部に加熱流体を流通させるフレキシブル管用の断熱カバーと、この断熱カバーを用いたフレキシブル管の断熱構造に関する。
一般的に、タイヤの如きゴム成形品の加硫機や樹脂成形用のホットプレス機等では、例えば図8で示すように、昇降駆動する加硫チャンバーや成形型等の可動部Mに熱源としての加熱蒸気や加熱オイル、加熱エアー等の加熱流体を送給するために、供給元の固定部Sの流路接続口J1と該可動部Mの流路接続口J2との間に、フレキシブル管(略称:フレキ管)Fが接続される。このようなフレキシブル管Fは、ステンレス鋼等の薄肉金属製の蛇腹管が一般的であるが、この蛇腹管の表面あるいはゴムや樹脂からなる可撓性チューブの表面に、ステンレス鋼線やステンレス鋼帯板の編組による被覆を施して補強したものもある。なお、図8のフレキシブル管Fは該編組の被覆を有するものとして図示している。
ところで、内部に加熱流体を流通させるフレキシブル管、特に全体が熱伝導性の高い金属製のフレキシブル管にあっては、稼働コストを抑える上で放熱による熱エネルギー損失を少なくする必要があると共に、作業環境面からも放熱による周辺の気温上昇を抑制することが肝要である。そこで、従来より、固定部同士の間に接続するフレキシブル管については、その断熱手段として、管表面をガラス繊維マットの如き断熱材で被包したり(特許文献1)、更に該断熱材上にアルミテープ等を巻き付けて固定する方法が試みられている(特許文献2)。
しかしながら、可動部と固定部の間に接続するフレキシブル管では、可動部の動作の都度に該フレキシブル管が屈伸変形することになるが、上記従来の断熱手段ではフレキシブル管の屈伸に対して断熱材が屈曲性や伸縮性等の特性的に追従できず、屈伸変形の反復によって断熱材の折れや断裂を生じ易い上、フレキシブル管表面との摩擦によって断熱材が早期に磨り減ると共に、発生した摩耗粉による製品への異物混入が懸念される。従って、可動部と固定部の間に接続するフレキシブル管に関しては、従来より断熱対策を講じないのが通例になっている。
本発明は、上述の事情に鑑みて、特に可動部と固定部の間に接続するフレキシブル管に好適な断熱手段として、該フレキシブル管に簡単に装着できて良好な断熱作用が得られる上、断熱材の劣化損耗を生じにくく、耐久性に優れて長期間継続使用できる断熱カバーと、これを用いた断熱構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明は、筒状形態でフレキシブル管Fに装着する断熱カバーC1,C2であって、内外表面部(内側布帛11,外側布帛12)が耐熱クロスより構成されると共に、これら内外の耐熱クロスの間に断熱材2が装填され、両端部にフレキシブル管F又はその接続部に対する締着手段(締付ベルト3A,3B)を備えることを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1のフレキシブル管用断熱カバーC1において、筒状形態の全長にわたる開裂部と、この開裂部の両側縁を結合する止着手段(オープンファスナー5)とを有し、該開裂部の結合と分離によって筒状形態と平坦シート形態とに転換可能に構成されてなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項2のフレキシブル管用断熱カバーC1において、開裂部の止着手段がオープンファスナー5である構成としている。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3の何れかのフレキシブル管用断熱カバーC1,C2において、締着手段がフレキシブル管Fに外嵌した筒状形態のカバー本体1の端部を外側から巻き締める耐熱クロス製の締付ベルト3A,3Bである構成としている。
請求項5の発明は、上記請求項1〜4の何れかのフレキシブル管用断熱カバーC1,C2において、断熱材2が内外の少なくとも一方の前記耐熱クロス(内側布帛11)に縫い付けられてなる構成としている。
請求項6の発明は、上記請求項1〜5の何れかのフレキシブル管用断熱カバーC1,C2において、断熱材2がガラス繊維マットからなると共に、このマットの長手方向の一定間隔置きに、幅方向に沿って全幅より短い長さのスリット2aが形成されてなる構成としている。
請求項7の発明は、上記請求項1〜6の何れかのフレキシブル管用断熱カバーC1,C2において、内外表面部の耐熱クロスが、ポリパラフェニレンベンゼンビスオキサゾール繊維、アラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、炭素繊維より選ばれる少なくとも一種を主成分として含む繊維材料からなる構成としている。
フレキシブル管用断熱カバー。
フレキシブル管用断熱カバー。
請求項8の発明は、少なくとも一方が可動部Mに設けられた一対の流路接続口J1,J2間に連結され、内部に加熱流体を流通させる金属製フレキシブル管Fが、請求項1〜7の何れかのフレキシブル管用断熱カバーC1,C2によって非密着状態に被包されてなる構成としている。
次に、本発明の効果について、図面を参照して具体的に説明する。まず、請求項1の発明に係るフレキシブル管用断熱カバーC1,C2は、フレキシブル管Fに対して筒状形態で装着することにより、その内外の耐熱クロス(内側布帛11,外側布帛12)間に装填されている断熱材2による良好な断熱性が得られる。しかも、該断熱材2は内外の耐熱クロスに包まれ、フレキシブル管Fと内面側の耐熱クロスとの摺接抵抗が小さいことから、該フレキシブル管Fが接続した可動部Mの動作によって屈伸変形した際、断熱カバー全体が無理なく追従変形し、断熱材2の折れや断裂を生じにくい上、該断熱材2はフレキシブル管Fの表面に対して直接に接触しないために磨滅しにくく、且つ内外表面部が耐熱クロスで熱劣化しにくいことから、カバー全体として優れた耐久性が得られ、長期にわたる継続使用が可能である。また、断熱材2の反復変形や経時的劣化によって粉状物を生じることがあっても、該粉状物は外部に飛散しないから、異物として製品に混入する懸念はない。更に、この断熱カバーC1,C2は、その両端部の締着手段(締付ベルト3A,3B)により、フレキシブル管F又はその接続部に対して容易に固定できる。
請求項2の発明に係るフレキシブル管用断熱カバーC1は、筒状形態の全長にわたる開裂部を止着手段(オープンファスナー5)で結合・分離することにより、筒状形態と平坦シート形態とに転換可能であるから、既設のフレキシブル管Fに対してその端部の連結を外すことなく簡単に装着できる上、嵩張らない平坦シート形態として省スペースで搬送や保管を行える。
請求項3の発明によれば、上記開裂部4の止着手段がオープンファスナー5a,5bであるため、既設のフレキシブル管Fに対する該断熱カバーC1の着脱操作を工具類を要することなく容易に短時間で行える。
請求項4の発明によれば、カバー本体10の両端部に締着手段として締付ベルト3A,3Bを有するから、フレキシブル管Fに筒状形態で装着した該カバー本体10を外側から当該締付ベルト3A,3Bで巻き締めることにより、段熱カバーC1,C2をフレキシブル管F又はその接続部に容易に締着固定できる。
請求項5の発明によれば、断熱材2が内外の少なくとも一方の耐熱クロス(内側布帛11)に縫い付けられているから、フレキシブル管Fと共に断熱カバーC1,C2の全体が屈伸変形する際、耐熱クロス間で断熱材2がずれ動くことがなく、もって断熱材2の偏りによる断熱作用の不均一化を回避できると共に、該断熱材2の折れや断裂もより確実に防止できる。
請求項6の発明によれば、断熱材2に用いるガラス繊維マットの長手方向の一定間隔置きに、幅方向に沿って全幅より短い長さのスリット2aが形成されているから、ガラス繊維マットの曲げ変形性がよく、もってフレキシブル管Fの屈伸変形に対して断熱カバーC1,C2がより円滑に追従変形でき、それだけ断熱カバー全体の耐久性が向上する。
請求項7の発明によれば、フレキシブル管用断熱カバーC1,C2の内外表面部の耐熱クロスが特定の繊維材料からなるため、優れた耐熱性及び難燃性に加えて高い強度及び引張弾性率が得られ、断熱カバー全体の耐久性がより向上する。
請求項8の発明に係るフレキシブル管の断熱構造によれば、少なくとも一方が可動部Mに設けられた流路接続口J1,J2間に連結されて内部に加熱流体を流通させる金属製フレキシブル管Fが、上記の断熱カバーC1,C2にて非密着状態に被包されているから、該断熱カバーC1,C2による優れた断熱効果が得られると共に、該断熱カバーC1,C2とフレキシブル管Fとが互いに拘束されずに無理なく変形でき、それだけ各々の疲労劣化が軽減されて長寿命化する。
以下に、本発明に係るフレキシブル管用断熱カバーの実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1〜図5は第一実施形態の同断熱カバーC1、図6及び図7は第二実施形態の同断熱カバーC2を示す。
第一実施形態のフレキシブル管用断熱カバーC1は、図1で示すように、偏平な矩形袋状に縫製された耐熱クロスからなるカバー本体1と、このカバー本体1内に包み込まれた帯板状の断熱材2と、耐熱クロスからなる2本の締付ベルト3A,3Aとで構成されている。なお、各部の縫い付けには耐熱糸10が使用されている。
そして、カバー本体1は、その外面側の長手方向両端部に、各々一対のベルト通し13が縫い付けられると共に、内面側の長手方向両側縁に沿って、オープンファスナー5の相互に噛合するストリンガー5a,5bが縫い付けられている。従って、このカバー本体1は、オープンファスナー5を開裂部として、両ストリンガー5a,5bが解離した平坦シート形態から、両ストリンガー5a,5bを噛合結着することにより、全体が図1(A)側を外面、図1(B)側を内面とする筒状形態になる。なお、このオープンファスナー5はストリンガー5a,5bの耐熱クロスからなる基布50以外が金属製であり、一方のストリンガー5aがカバー本体1の側縁から外側へ張出しているのに対し、他方のストリンガー5bはカバー本体1の側縁よりも内側に位置しており、該カバー本体1のストリンガー5bより外側部分は筒状形態でのファスナー隠し14を構成している。
断熱材2は、ガラス繊維製のニードルマットからなり、図1(A)及び図2で示すように、その長手方向の一定間隔置きに幅方向に沿うスリット2aが各々幅方向両端部を余す形で形成されている。そして、この断熱材2は、カバー本体1の内側布帛11に対してキルティング縫製によってジグザグ状に縫い付けられ、また外側布帛12に対してもベルト通し13の縫付け部等の要所で縫い付けられている。
締付ベルト3Aは、図2でも示すように、耐熱クロスを二重にして周縁部で縫い付けたベルト本体30の一端側に、ステンレス鋼製の二個のD環31を嵌め、該一端側を輪状に縫い付けたものであり、独立部材としてカバー本体1の外面側のベルト通し13、13に挿通した状態で保持されている。
上記構成のフレキシブル管用断熱カバーC1は、例えば図4で示すように、固定部Sの流路接続口J1と該可動部Mの流路接続口J2との間に連結されたフレキシブル管Fに対し、全長にわたってカバー本体1を装着し、その両端部を締付ベルト3Aで巻き締めて締着固定する。なお、締付ベルト3Aによる締着固定は、一般的な二重D環方式であり、一端側の二個のD環31に他端側を通し、その折り返し部分を両D環31の間に通して引き締めればよい。
この断熱カバーC1の装着操作では、図3の仮想線で示すように平坦シート形態としたカバー本体1をフレキシブル管Fに被せ、オープンファスナー5を閉じることにより、同図実線で示すようにカバー本体1を筒状形態としてフレキシブル管Fを包み込めばよいから、該フレキシブル管Fの端部の連結を外す必要がない。従って、この断熱カバーC1は、既設のフレキシブル管Fに対しても、工具類を使用することなく、極めて簡単に且つ迅速に装着できる。かくしてフレキシブル管Fに断熱カバーC1を装着することにより、カバー本体1内の断熱材2による良好な断熱性が発揮されるから、フレキシブルFを通して固定部S側から可動部M側へ加熱蒸気や加熱オイル、加熱エアー等の加熱流体を送給する場合に、該フレキシブル管Fでの放熱損失が少なくなり、もって熱エネルギーコストが低減されると共に、放熱による周辺の気温上昇も抑制されて作業環境が良くなる。
そして、フレキシブル管Fは可動部Mの昇降動作に伴って屈伸変形するが、断熱材2がカバー本体1に被包され、その内側布帛11とフレキシブル管Fの表面との摺接抵抗が小さいことから、断熱カバーC1全体が無理なく追従変形すると共に、断熱材2の折れや断裂を生じにくい。また、断熱材2はフレキシブル管Fの表面に対して直接に接触しないために磨滅しにくく、且つカバー本体1が耐熱クロスで熱劣化しにくい。従って、このフレキシブル管用断熱カバーC1は、全体として優れた耐久性が得られ、長期にわたる継続使用が可能である。また、断熱材2の反復変形や経時的劣化によって粉状物を生じることがあっても、該粉状物は外部に飛散しないから、異物として製品に混入する懸念はない。一方、この断熱カバーC1は、嵩張らない平坦シート形態として省スペースで搬送や保管を行える。
加えて、この断熱カバーC1にあっては、断熱材2がカバー本体1に縫い付けられているから、フレキシブル管Fの動きに追従して屈伸変形する際、カバー本体1内で断熱材2がずれ動くことがなく、もって断熱材2の偏りによる断熱作用の不均一化を回避できると共に、該断熱材2の折れや断裂もより確実に防止できる。また、断熱材2に用いるガラス繊維マットは長手方向の一定間隔置き形成したスリット2aによって曲げ変形性がよいため、フレキシブル管Fの動きに断熱カバーC1がより円滑に追従できる。更に、断熱カバーC1とフレキシブル管Fとは、非密着状態であるため、互いに拘束されずに無理なく変形でき、それだけ各々の疲労劣化が軽減されて長寿命化する。
なお、図3では断熱カバーC1によって1本のフレキシブル管Fを包み込む構成を示したが、例えば図5で示すように近接して配置する複数本(図では3本)のフレキシブル管Fを単一の断熱カバーC1で包み込むことも可能である。
図6で示す第二実施形態のフレキシブル管用断熱カバーC2は、耐熱クロス製で二重筒状をなすカバー本体1の内側布帛11と外側布帛12との間に、ガラス繊維マット等よりなる断熱材2が装填されると共に、カバー本体1の両端部に、各々一端に二個のD環31を取り付けた耐熱クロス製の締付べルト3Bが本体30の中間部で縫い付けられている。なお、カバー本体1は、内外両側の布帛11,12間に断熱材2を挟んで平坦シート状にキルティング縫製し、図7に示すように、この平坦シート状の両側縁部を重ね合わせて縫い付けて円筒状にしたものであり、各部の縫い付けには耐熱糸10が使用されている。
この第二実施形態の断熱カバーC2では、前記第一実施形態の断熱カバーC1のような平坦シート形態には転換しないため、既設のフレキシブル管Fに装着する場合、その一端側を流路接続口J1,J2から外した状態でカバー本体1を套嵌し、該一端側を再接続した上でカバー本体1の両端部を締付ベルト3Bで巻き締めて締着固定することになる。
このように断熱カバーC2をフレキシブル管Fに装着することにより、前記第一実施形態と同様に、カバー本体1内の断熱材2による良好な断熱性が発揮されるから、フレキシブルFを通して加熱流体を送給する場合に、該フレキシブル管Fでの放熱損失が少なくなり、もって熱エネルギーコストが低減されると共に、放熱による周辺の気温上昇も抑制されて作業環境が良くなる。そして、フレキシブル管Fが固定部Sと可動部Mとの間に連結されている場合、可動部の動作に伴って該フレキシブル管Fが屈伸変形するが、カバー本体1の内側布帛11がフレキシブル管Fの表面と摺接するから、断熱カバーC2全体が無理なく追従変形して断熱材2の折れや断裂を生じにくい。また、断熱材2がフレキシブル管Fの表面に直接接触しないので磨滅しにくく、カバー本体1も耐熱クロスで熱劣化しにくいため、断熱カバーC2全体として優れた耐久性が得られる。更に、断熱カバーC2とフレキシブル管Fとが非密着状態であるため、互いに拘束されずに無理なく変形できて各々の疲労劣化が軽減されて長寿命化すると共に、断熱材2の反復変形や経時的劣化によって粉状物を生じても、外部に飛散しないので製品に混入する懸念はない。
なお、図示を省略しているが、この断熱カバーC2の断熱材2についても、第一実施形態と同様に、カバー本体1の内外布帛11,12の少なくとも一方に縫い付けることにより、カバー本体1内でのずれ動きを防止すると共に、長手方向の一定間隔置きに幅方向のスリットを設けることにより、曲げ変形性を向上させることが推奨される。
カバー本体1及び締付ベルト3A,3Bを構成する耐熱クロスとしては、特に制約されないが、ポリパラフェニレンベンゼンビスオキサゾール(PBO)繊維、アラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、炭素繊維より選ばれる少なくとも一種を主成分として含む繊維材料からなるものが好適である。すなわち、このような繊維材料からなる耐熱クロスでは、優れた耐熱性及び難燃性に加えて高い強度及び引張弾性率が得られるから、断熱カバー全体の耐久性がより向上するという利点がある。なお、上記の繊維材料の中でも、ポリパラフェニレンベンゼンビスオキサゾール(PBO)繊維を主成分とする耐熱クロスは、高耐熱性に加えて摩擦及び屈曲に強い点から特に推奨される。また、耐熱糸10としても、上記同様の繊維からなるものが好適である。
第一実施形態の断熱カバーC1のようにカバー本体1が筒状形態と平坦シート形態とに転換可能な構成において、当該第一実施形態では筒状形態の全長にわたる開裂部の両側縁を結合する止着手段としてオープンファスナー5を用いているが、本発明においてはホック、ボタン穴とボタン、フック金具、圧着ファスナー等の他の種々の止着手段を採用可能である。ただし、圧着ファスナーは、劣化によって細かい鉤突起が折れて飛散する懸念があるため、フレキシブル管Fの配設部位や適用用途によっては好ましくない。
また、フレキシブル管Fに外嵌した筒状形態のカバー本体1の端部をフレキシブル管F又はその接続部に締着する手段としても、第一及び第二実施形態で例示したような締付ベルト以外の種々の構成を採用できる。そして、締付ベルトの締着固定方式としても、例示した二重D環方式に限らず、衣服類に用いるベルトの各種バックルを始めとする種々の方式を採用できる。ただし、二重D環方式は,構成的に極めて簡素である上、締付操作も容易で且つ弛みや外れが発生しにくいことから、最も好適である。
断熱材2としては、実施形態で例示したガラス繊維製のニードルマットに限らず、種々の材質のものを使用できるが、耐熱性及び可撓性の両面からガラス繊維製のものが推奨される。また、該断熱材2のスリット2aとしては、実施形態のように幅方向両端部を余す形に限らず、幅方向全体が断裂しないように、幅方向に沿って全幅より短い長さであればよい。
その他、カバー本体1の縫製形態やサイズ、該カバー本体1に対する断熱材2の縫い付け状態等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。更に、本発明の断熱カバーを適用するフレキシブル管Fについても、図8で例示したようなステンレス鋼線やステンレス鋼帯板の編組による被覆を施したものに限らず、一般的なステンレス鋼等の薄肉金属製の蛇腹管も適用対象となる。
1 カバー本体
10 耐熱糸
11 内側布帛(内側表面部)
12 外側布帛(外側表面部)
2 断熱材
2a スリット
3A,3B 締付ベルト(締着手段)
5 オープンファスナー(止着手段)
C1,C2 フレキシブル管用断熱カバー
F フレキシブル管
10 耐熱糸
11 内側布帛(内側表面部)
12 外側布帛(外側表面部)
2 断熱材
2a スリット
3A,3B 締付ベルト(締着手段)
5 オープンファスナー(止着手段)
C1,C2 フレキシブル管用断熱カバー
F フレキシブル管
Claims (8)
- 筒状形態でフレキシブル管に装着する断熱カバーであって、内外表面部が耐熱クロスより構成されると共に、これら内外の耐熱クロスの間に断熱材が装填され、両端部にフレキシブル管又はその接続部に対する締着手段を備えることを特徴とするフレキシブル管用断熱カバー。
- 前記筒状形態の全長にわたる開裂部と、この開裂部の両側縁を結合する止着手段とを有し、該開裂部の結合と分離によって筒状形態と平坦シート形態とに転換可能に構成されてなる請求項1に記載のフレキシブル管用断熱カバー。
- 前記開裂部の止着手段が金属製オープンファスナーである請求項2に記載のフレキシブル管用断熱カバー。
- 前記締着手段がフレキシブル管に外嵌した筒状形態のカバー本体の端部を外側から巻き締める耐熱クロス製のベルトである請求項1〜3の何れかに記載のフレキシブル管用断熱カバー。
- 前記断熱材が内外の少なくとも一方の前記耐熱クロスに縫い付けられてなる請求項1〜4の何れかに記載のフレキシブル管用断熱カバー。
- 前記断熱材がガラス繊維マットからなると共に、このマットの長手方向の一定間隔置きに、幅方向に沿って全幅より短い長さのスリットが形成されてなる請求項1〜5の何れかに記載のフレキシブル管用断熱カバー。
- 前記内外表面部の耐熱クロスが、ポリパラフェニレンベンゼンビスオキサゾール繊維、アラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、炭素繊維より選ばれる少なくとも一種を主成分として含む繊維材料からなる請求項1〜6の何れかに記載のフレキシブル管用断熱カバー。
- 少なくとも一方が可動部に設けられた一対の流路接続口間に連結され、内部に加熱流体を流通させる金属製フレキシブル管が、請求項1〜7の何れかに記載のフレキシブル管用断熱カバーによって非密着状態に被包されてなるフレキシブル管の断熱構造。
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