JP2010274881A - ハイブリッド車両用駆動装置 - Google Patents

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尚樹 袴田
Masahiko Osada
正彦 長田
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Abstract

【課題】モータジェネレータでエンジンを始動可能であり装置の小型化を図ること。
【解決手段】駆動源であるエンジンE1と、トランスミッションT1との間に配設された駆動源であるモータジェネレータMG1のロータ52内に、エンジンE1とモータジェネレータMG1との係合又は離脱を切換可能な第1の係合手段としての摩擦板56,57を有する第1のクラッチC1と、トランスミッションT1とモータジェネレータMG1との係合又は離脱を切換可能な第2の係合手段としての転動体59を有する第2のクラッチC2とを備えると共に、摩擦板56,57をロータ52の回転方向に回転/非回転自在に規制する第1の連結部52aと、転動体59をロータ52の回転方向に回転/非回転自在に規制する第2の連結部52bとを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、1つのモータジェネレータと2つのクラッチとをモジュール化したハイブリッド車両用駆動装置に関し、特に、エンジンと電気モータの両方で車輪を駆動するパラレルハイブリッド方式の車両に適用されるハイブリッド車両用駆動装置に関する。
従来、上述したハイブリッド車両用駆動装置として特許文献1に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置が有る。この動力伝達装置は、エンジンのクランクシャフトとトランスミッションのメインシャフトとの間に直列に配置したモータジェネレータと、湿式多板クラッチよりなる発進クラッチとを備える。発進クラッチは、モータジェネレータのロータの内部に、そのロータの軸方向の幅内に納まるように収納されている。この構成によって、エンジンとトランスミッションとの距離を短縮して動力伝達装置の小型化を図っている。
特開2003−63261号公報
しかし、上記の特許文献1に記載の装置は、減速時やブレーキ時にモータを発電機として働かせて制動エネルギーを回収する場合、より効率よく回収するためにはエンジンの圧縮損失,摩擦損出を回避することが重要となるが、その場合、モータジェネレータとトランスミッションとを切り離す必要がある。この切り離し機構を必要とする場合、ロータの軸方向の距離が長くなるので、その分、動力伝達装置が大きくなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、モータジェネレータでエンジンを始動可能であり装置の小型化を図ることができるハイブリッド車両用駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、駆動源であるエンジンと、トランスミッションとの間に配設された駆動源であるモータジェネレータのロータに、前記エンジンと前記モータジェネレータとの係合又は離脱を切換可能な第1の係合手段を有する第1のクラッチと、前記トランスミッションと前記モータジェネレータとの係合又は離脱を切換可能な第2の係合手段を有する第2のクラッチとを備えると共に、前記第1の係合手段を前記ロータの回転方向に回転/非回転自在に規制する第1の連結部と、前記第2の係合手段を前記ロータの回転方向に回転/非回転自在に規制する第2の連結部とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、第1のクラッチのオン時には、第1の連結部によって第1の係合手段がロータに非回転状態に規制されてモータジェネレータとエンジンとが係合(連結)されるので、モータジェネレータでエンジンが始動可能となる。第1のクラッチのオフ時には、第1の連結部によって第1の係合手段がロータに回転可能状態とされてモータジェネレータがエンジンから離脱される。第2のクラッチのオン時には、第2の連結部によって第2の係合手段がロータに非回転状態に規制されてモータジェネレータとトランスミッションとが係合されるので、モータジェネレータでトランスミッションが回転可能となる。第2のクラッチのオフ時には、第2の連結部によって第2の係合手段がロータに回転可能状態とされてモータジェネレータがトランスミッションから離脱される。これによって、第1及び第2のクラッチによって、モータジェネレータでエンジンを始動できるように、モータジェネレータとトランスミッションとを切り離しすることができる。また、第1及び第2のクラッチは、モータジェネレータのロータ内に配設されているので小型化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記第1のクラッチは、前記第1の連結部が前記第1の係合手段を摩擦によって前記ロータの回転方向に回転/非回転自在に規制する摩擦式であり、第2のクラッチは、前記第2の連結部が前記第2の係合手段を噛み合わせによって前記ロータの回転方向に回転/非回転自在に規制する噛合式であることを特徴とする。
この構成によれば、摩擦式のクラッチは、摩擦面が必要なので有る程度の径が必要となってサイズが大きくなり、噛合式のクラッチは、噛み合わせるだけなので径を小さくできるのでサイズが小さい。ここで、2つのクラッチが摩擦式だと摩擦面積が必要なので回転軸方向に直列に配置しなければならずハイブリッド車両用駆動装置が大きくなる。2つのクラッチが噛合式だとエンジン側からのショックが吸収できず実情に合わない。そこで、エンジン側を摩擦式のクラッチ、トランスミッション側を噛合式のクラッチとすることで、エンジン側からのショックを吸収可能となり、尚且つ小型とすることができる。
本発明の実施形態に係るハイブリッド車両用駆動装置の概略構成を示す図である。 本実施形態のハイブリッド車両用駆動装置の詳細な構成を示す図である。 図2のA1−A2矢視図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書中の全図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適時省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両用駆動装置の概略構成を示す図である。
図1に示すハイブリッド車両用駆動装置50は、エンジンE1の出力軸であるクランクシャフトEsと、トランスミッションT1の入出力軸であるメインシャフトTsとの間に配置されたモータジェネレータMG1の内部に、第1のクラッチC1及び第2クラッチC2を収納して構成したものである。
このハイブリッド車両用駆動装置50の詳細な構成を示す断面図を図2に示し、図2のA1−A2矢視図を図3に示し、その構成を説明する。第1のクラッチC1は摩擦式としての湿式多板電磁クラッチであり、第2クラッチC2は噛合式の二方向電磁クラッチである。
モータジェネレータMG1は、回転軸51を中心に回転するロータ52と、ロータ52の外周に所定間隙を介して配置されたステータ53とを備える。ステータ53は外側のハウジング54にネジ固定されている。ロータ52は、第1のクラッチC1の第1の係合手段としての複数の摩擦板56,57を回転方向に回転/非回転自在に規制する第1の連結部52aと、第2のクラッチC2の第2の係合手段としての複数の転動体59を回転方向に回転/非回転自在に規制する第2の連結部52bとを備える。また、ロータ52は、ハウジング54にベアリングB1を介して支持されており、回転軸51を中心に回転可能となっている。
第1のクラッチC1は、モータジェネレータMG1の内周面に納められた第1のクラッチ係合部C1aと、電磁コイル63と、当該電磁コイル63と、所定の隙間G1を有して設置されたヨーク64とを備えている。第1のクラッチ係合部C1aは、複数の摩擦板56,57と、磁気回路を形成するプレート65とを備えている。また、一方の摩擦板56は、ロータ52と図示せぬスプライン(噛み合い部)にて嵌合しており、他方の摩擦板57は、回転軸51に沿ったシャフト66とスプラインにて嵌合している。
シャフト66は、ベアリングB2及びB3で支持されており、この逆端部で図示せぬダンパを介してエンジンE1のクランクシャフトEsと連結している。また、シャフト66にはヨーク64が圧入固定されており、ヨーク64、摩擦板56,57、プレート65が一体となって回転する。
第2のクラッチC2は、モータジェネレータMG1の内周面に納められた第2のクラッチ係合部C2aと、電磁コイル68と、所定の隙間G2を有して設置されたヨーク69と、摩擦板70と、連結プレート71とを備えている。第2のクラッチ係合部C2aは、内輪74と、この内輪74の外周に所定間隔で配置された複数の転動体59と、これら転動体59の保持器73と、スイッチバネ75とを備えており、第1のクラッチ係合部C1aよりもロータ52の内周側に位置し、また、回転軸51の軸方向に第1のクラッチ係合部C1aとオーバラップして配設されている。
ヨーク69は、ロータ52に圧入固定されると共にヨーク69の突起部69aにて嵌合されており、ロータ52と一体で回転する。内輪74は多角形状をしており、内輪74の回転に伴って複数の転動体59、これら転動体59の保持器73、スイッチバネ75、連結プレート71及び摩擦板70が一体で回転する。
また、第2のクラッチC2は、トランスミッションT1の入出力軸であるメインシャフトTsと図3に示すセレーション79にて嵌合している。また、ロータ52と内輪74にて、図3に示すようにくさび部77を形成している。また、メインシャフトTsと内輪74との間のセレーション79で、メインシャフトTsと内輪74を回転方向に規制している。また、回転軸51に沿って油を潤滑させる油路80が配設されている。
このような構成において、第1のクラッチC1がオンとなることによって、第1のクラッチ係合部C1aにおいてシャフト66とロータ52が連結され、これらが一体で回転し、モータジェネレータMG1でエンジンE1が始動可能となる。
第2のクラッチC2がオンとなることによって、摩擦板70がヨーク69に吸引される。これにより第2のクラッチ係合部C2aにおいて、連結プレート71及び保持器73を介して転動体59がくさび部77に移動して噛み込み、ロータ52と内輪74とが連結され、ロータ52とトランスミッションT1のメインシャフトTsが一体で回転する。一方、第2のクラッチC2がオフとなると、スイッチバネ75の復元力により転動体59がくさび部77から離れる中立位置に移動し、ロータ52とトランスミッションT1のメインシャフトTsが解放される。
このように、本実施形態のハイブリッド車両用駆動装置50を、駆動源であるエンジンE1と、トランスミッションT1との間に配設された駆動源であるモータジェネレータMG1のロータ52内に、エンジンE1とモータジェネレータMG1との係合又は離脱を切換可能な第1の係合手段としての摩擦板56,57を有する第1のクラッチC1と、トランスミッションT1とモータジェネレータMG1との係合又は離脱を切換可能な第2の係合手段としての転動体59を有する第2のクラッチC2とを備えると共に、第1の係合手段をロータ52の回転方向に回転/非回転自在に規制する第1の連結部52aと、第2の係合手段をロータ52の回転方向に回転/非回転自在に規制する第2の連結部52bとを備えて構成した。
この構成によって、第1のクラッチC1のオン時には、第1の連結部52aによって第1の係合手段がロータ52に非回転状態に規制されてモータジェネレータMG1とエンジンE1とが係合(連結)されるので、モータジェネレータMG1でエンジンE1が始動可能となる。第1のクラッチC1のオフ時には、第1の連結部52aによって第1の係合手段がロータ52に回転可能状態とされてモータジェネレータMG1がエンジンE1から離脱される。第2のクラッチC2のオン時には、第2の連結部52bによって第2の係合手段がロータ52に非回転状態に規制されてモータジェネレータMG1とトランスミッションT1とが係合されるので、モータジェネレータMG1でトランスミッションT1が回転可能となる。第2のクラッチC2のオフ時には、第2の連結部52bによって第2の係合手段がロータ52に回転可能状態とされてモータジェネレータMG1がトランスミッションT1から離脱される。第1及び第2のクラッチC1,C2がオンのとき、エンジンE1、モータジェネレータMG1、トランスミッションT1が一体となっており、エンジンE1、モータジェネレータMG1の双方で駆動できる。
これによって、第1及び第2のクラッチC2によって、モータジェネレータMG1でエンジンE1を始動できるように、モータジェネレータMG1とトランスミッションT1とを切り離しすることができる。また、第1及び第2のクラッチC2は、モータジェネレータMG1のロータ52内に配設されているので小型化を図ることができる。なお、ロータ52は、クラッチC1,C2の噛合い部などの一部と兼用されている。
更に、第1のクラッチC1は、第1の連結部52aが第1の係合手段を摩擦によってロータ52の回転方向に回転/非回転自在に規制する摩擦式であり、第2のクラッチC2は、第2の連結部52bが第2の係合手段を噛み合わせによってロータ52の回転方向に回転/非回転自在に規制する噛合式である。
この構成によって、摩擦式のクラッチは、摩擦面が必要なので有る程度の径が必要となってサイズが大きくなり、噛合式のクラッチは、噛み合わせるだけなので径を小さくできるのでサイズが小さい。ここで、2つのクラッチが摩擦式だと摩擦面積が必要なので回転軸方向に直列に配置しなければならずハイブリッド車両用駆動装置が大きくなる。2つのクラッチが噛合式だとエンジンE1側からのショックが吸収できず実情に合わない。そこで、エンジンE1側を摩擦式の第1のクラッチC1、トランスミッションT1側を噛合式の第2のクラッチC2とすることで、がエンジンE1側からのショックを吸収可能となり、尚且つ小型とすることができる。
50 ハイブリッド車両用駆動装置
51 回転軸
52 ロータ
53 ステータ
54 ハウジング
56,57,70 摩擦板
59 転動体
52a 第1の連結部
52b 第2の連結部
B1,B2,B3 ベアリング
63 電磁コイル
64,69 ヨーク
69a ヨークの突起部
65 プレート
66 シャフト
68 電磁コイル
71 連結プレート
73 転動体の保持器
74 内輪
77 くさび部
79 セレーション
80 油路
C1 第1のクラッチ
C2 第2クラッチ
C1a 第1のクラッチ係合部
C2a 第2のクラッチ係合部
E1 エンジン
Es エンジンのクランクシャフト
MG1 モータジェネレータ
T1 トランスミッション
Ts トランスミッションのメインシャフト

Claims (2)

  1. 駆動源であるエンジンと、トランスミッションとの間に配設された駆動源であるモータジェネレータのロータに、
    前記エンジンと前記モータジェネレータとの係合又は離脱を切換可能な第1の係合手段を有する第1のクラッチと、前記トランスミッションと前記モータジェネレータとの係合又は離脱を切換可能な第2の係合手段を有する第2のクラッチとを備えると共に、
    前記第1の係合手段を前記ロータの回転方向に回転/非回転自在に規制する第1の連結部と、前記第2の係合手段を前記ロータの回転方向に回転/非回転自在に規制する第2の連結部とを備えたことを特徴とするハイブリッド車両用駆動装置。
  2. 前記第1のクラッチは、前記第1の連結部が前記第1の係合手段を摩擦によって前記ロータの回転方向に回転/非回転自在に規制する摩擦式であり、第2のクラッチは、前記第2の連結部が前記第2の係合手段を噛み合わせによって前記ロータの回転方向に回転/非回転自在に規制する噛合式であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
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