以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「赤チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「白チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「白ベル」図柄(例えば、中リール32Mの15番目)の9種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、これら9個の図柄が視認可能となる各位置を結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、横方向の組合せラインとして、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1と、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2と、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3と、が設定されている。また、斜め方向の組合せラインとして、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、特殊スイカ入賞と、赤ベル入賞と、白ベル入賞と、青年入賞と、赤チェリー入賞と、白チェリー入賞と、がある。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、スイカ入賞として7枚のメダル払出が行われる。左リール32Lの「青年」図柄と中リール32M及び右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、特殊スイカ入賞として7枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、赤ベル入賞として7枚のメダル払出が行われる。左リール32L及び右リール32Rの「赤ベル」図柄と中リール32Mの「白ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、白ベル入賞として7枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「青年」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、青年入賞として7枚のメダル払出が行われる。また、左リール32Lの「赤チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、赤チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われ、左リール32Lの「白チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、白チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、赤チェリー入賞及び白チェリー入賞の場合には、中リール32Mと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、左リール32Lの「赤チェリー」図柄又は「白チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞が成立するとも言える。したがって、左リール32Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「赤チェリー」図柄又は「白チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。つまり、左リール32Lの「赤チェリー」図柄又は「白チェリー」図柄が上段又は下段に停止した場合には、2枚のメダル払出が行われ、左リール32Lの「赤チェリー」図柄又は「白チェリー」図柄が中段に停止した場合には、1枚のメダル払出が行われることとなる。
遊技状態が移行する状態移行入賞としては、第1BB入賞と第2BB入賞の2種類のBB入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、第1BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「白7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、第2BB入賞となる。第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合、メダル払出は行われないものの、遊技状態が特別遊技状態たるBB状態に移行する。
メダル払出や遊技状態の移行以外の特典が付与される入賞としては、再遊技入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、再遊技入賞として、メダル払出や遊技状態の移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、スイカ図柄の組合せとは、スイカ入賞となる図柄の組合せ、すなわち「スイカ」図柄,「スイカ」図柄,「スイカ」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、特殊スイカ図柄とは、左リール32Lにおいては「青年」図柄であり、中リール32M及び右リール32Rにおいては「スイカ」図柄である。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ42〜44には図示しないランプがそれぞれ設けられており、これらランプは、左リール32Lが回転を開始してから所定時間を経過すると停止操作可能であることを報知すべく点灯され、対応するリールの回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルのベット数と、有効化される組合せラインとの関係を、図7を用いて説明する。遊技の開始時にメダル投入口45からメダルが投入されるとベットとなる。
1枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は1となり、中ラインL2が有効化される。2枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は2となり、中ラインL2に加えて上ラインL1と下ラインL3を含む合計3本の組合せラインが有効化される。3枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は3となり、組合せラインL1〜L5の全てが有効化される。
なお、4枚以上のメダルがメダル投入口45に投入された場合、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、3枚を超える余剰メダルはスロットマシン10内部に貯留され、クレジット表示部60の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ46により貯留用通路47から排出用通路48への切替がなされ、メダル排出口49からメダル受け皿50へと余剰メダルが返却される。
また、仮想メダルが貯留記憶されており、遊技の開始時に第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合にも、仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合については、投入された仮想メダルの枚数分だけクレジット表示部60に表示されている仮想メダル数が減算されることを除き、メダル投入口45からメダルを投入した場合と同じため、説明を省略する。
ちなみに、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合に投入されるべき仮想メダルが貯留記憶されていない場合、例えばクレジット表示部60の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合等には、クレジット表示部60の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
表示制御装置81は、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。したがって、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部60〜62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図12以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。また、ROM105は、図10に示すように、オフセット指定テーブル記憶領域105a、スベリ数テーブル記憶領域105b、組合せテーブル記憶領域105c、引込ビットテーブル記憶領域105d、図柄対応テーブル記憶領域105e、役対応テーブル記憶領域105f、マスク情報記憶領域105g、回避テーブル記憶領域105h、変更テーブル記憶領域105iなどを有しており、これら各記憶領域105a〜105hには、前記各種処理を実行する際に用いる種々のデータが記憶されている。
RAM106の構成について図11を用いて説明する。RAM106には、各リール32L,32M,32Rを停止させる処理を行う際に使用する当選役判定用バッファ151、オフセット指定テーブルアドレス用バッファ152、グループ番号用バッファ153、仮想払出上限値用バッファ154、定常回転情報用バッファ155、対象リール情報用バッファ156、スベリ数テーブル番号用バッファ157、引込ビットテーブル番号用バッファ158、停止完了情報用バッファ159、停止リール特定用バッファ160、停止位置用バッファ161、第1停止後情報用バッファ162、優先順位情報用バッファ163、対象図柄番号用バッファ164、検索ライン用バッファ165、獲得枚数用バッファ166、引込ビット情報検索用バッファ167、成立判定用バッファ171、スベリ数カウンタ172等といった各種の情報を一時的に記憶するための記憶エリアが設けられている。これらの詳細については、後に説明する。
また、RAM106には、バックアップエリア175が設けられている。バックアップエリア175は、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリア175の情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア175への書き込みは停電処理(図12参照)において電源遮断時に行われ、バックアップエリア175に書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において行われる。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図12〜図49のフローチャートを参照しながら説明する。
図12は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリア175に退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリア175に保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリア175に保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドを表示制御装置81へ出力するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図13のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行うとともに、投入完了コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入完了コマンドとは、自動投入の完了を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技で再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。再遊技入賞が成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行うとともに精算コマンドをセットする。ここで、精算コマンドとは、クレジットされた仮想メダルの返却を行っていることを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、有効ラインの設定等を行うメダル投入処理を行った後に開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
ステップS205では、メダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206に進み、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作された場合(ステップS205,ステップS206が共にYESの場合)には、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合にはステップS207に進み、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS208では、役の当否判定を実行する抽選処理を行う。ステップS209では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるリール回転処理を行う。ステップS210では、ストップスイッチが操作されて停止指令が発生した場合に対応するリールを停止させるリール停止処理を行う。全リール32L,32M,32Rが停止した場合には、ステップS211にてメダル払出処理を行う。メダル払出処理では、小役入賞が成立した場合に対応する枚数のメダルを払い出したり、再遊技入賞が成立した場合に当該結果を記憶したりする処理を行う。なお、メダルを払い出すとは、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す場合の他に、貯留記憶された仮想メダル数を増加させる場合もある。続くステップS212では、BB状態処理を行う。BB状態処理では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合に遊技状態をBB状態に移行させる処理を行ったり、BB状態下で当該BB状態の終了条件が成立した場合にBB状態を終了させる処理を行ったりする。BB状態処理が終了した場合には、1回のゲームが終了したことを意味するため、ステップS203に戻る。
なお、通常処理では、投入完了コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであり、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S110にて行われる。
次に、ステップS208の抽選処理を、図14のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、現在の遊技状態等に基づいて、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、電源投入時に設定キー挿入孔73に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図15は、「設定1」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、判定対象としてのインデックス値IVが設定されており、インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する役の当選情報をRAM106の当選役判定用バッファ151に格納した後に本処理を終了する。ここで、当選役判定用バッファ151は2バイトで構成されており、初期値として「0000000000000000」が格納されている。そして、当該ステップS306では、後述する役対応情報(図35参照)のうち、今回の抽選処理にて当選となった役の役対応情報を当選情報として当選役判定用バッファ151に格納する。例えばIV=10のときに判定値DVが65535を超えた場合には、第1BB当選情報,赤チェリー当選情報及び白チェリー当選情報を当選役判定用バッファ151に格納する。
ちなみに、当選情報が第1BB当選情報及び第2BB当選情報以外の当選情報である場合、これら当選情報は、この当選情報が格納されたゲームの終了時に「0」クリアされる(通常処理のS203参照)。一方、当選情報が第1BB当選情報又は第2BB当選情報である場合、このBB当選情報は対応するBB図柄の組合せが有効ライン上に停止したことを条件の1つとして「0」クリアされる。すなわち、第1BB当選情報及び第2BB当選情報は、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、第1BB当選情報又は第2BB当選情報を持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、第1BB及び第2BB以外の役に当選となった場合、対応する当選情報を当選役判定用バッファ151に格納し、第1BB又は第2BBに当選となった場合、対応する当選情報を当選役判定用バッファ151に格納しない。例えば、当選役判定用バッファ151に第2BB当選情報が格納されている状況でIV=9の際に当選となった場合には、白チェリー当選情報のみを当選役判定用バッファ151に格納し、第1BB当選情報を当選役判定用バッファ151に格納しない。この結果、かかるゲームは、第1BB,第2BB及び白チェリーに当選しているゲームとなるのではなく、第2BB及び白チェリーに当選しているゲームとなる。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がない場合には、本処理を終了し、当否判定すべき判定対象がある場合には、ステップS304に戻って役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
次に、ステップS209のリール回転処理を、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS401では、当選役判定用バッファ151を参照し、当選役と対応するオフセット指定テーブルを特定する。ここで、オフセット指定テーブルとは、回転中のリールを停止させる場合に用いる停止情報を設定するための各種設定情報が定められたテーブルである。
オフセット指定テーブルは、ROM105のオフセット指定テーブル記憶領域105aに記憶されており、当該オフセット指定テーブル記憶領域105aには、各役と対応付けられたオフセット指定テーブルが記憶されている。また、本スロットマシン10では、例えば第1BB当選情報を持ち越した状況で小役又は再遊技に当選した場合等のように複数の役に当選となる状況が発生するため、オフセット指定テーブル記憶領域105aには、複数の役に当選した状況と対応付けられたオフセット指定テーブルも記憶されている。このように、オフセット指定テーブル記憶領域105aには、1のゲームで発生し得る役の当選状況と対応付けられたオフセット指定テーブルが記憶されている。
ここで、オフセット指定テーブルの構成について具体例を挙げて説明する。図17(a)は、27バイトで構成されたオフセット指定テーブルの一例であり、図17(b)は、7バイトで構成されたオフセット指定テーブルの一例である。
オフセット指定テーブルには、大別すると、基本設定情報と、最初にリールを停止させる場合に用いる停止情報を設定するための第1停止用設定情報と、1つのリールを停止させた後に用いる停止情報を設定するための第1停止後用設定情報と、が設定されている。
基本設定情報は、当選役のグループ番号を示すグループ番号情報と、仮想払出上限値を示す仮想払出上限値情報と、より構成されている。基本設定情報を記憶する領域は、1バイトで構成されている。
第1停止用設定情報は、左リール32Lの停止情報を設定するための左第1停止情報と、中リール32Mの停止情報を設定するための中第1停止情報と、右リール32Rの停止情報を設定するための右第1停止情報と、より構成されている。これら第1停止情報を記憶する領域はそれぞれ1バイトで構成されており、第1停止用設定情報を記憶する領域は3バイトで構成されている。各第1停止情報は、スベリ数テーブルと引込ビットテーブルのいずれを参照するかを示すテーブル種別情報と、参照すべきテーブル番号を示す番号情報とを有している。また、左第1停止情報は、オフセット指定テーブルが27バイト構成と7バイト構成のいずれであるかを示す識別情報を有している。
第1停止後用設定情報は、第1停止として左リール32Lを停止させた場合に中リール32M及び右リール32Rの停止情報を設定するための左第1停止後情報と、第1停止として中リール32Mを停止させた場合に左リール32L及び右リール32Rの停止情報を設定するための中第1停止後情報と、第1停止として右リール32Rを停止させた場合に左リール32L及び中リール32Mの停止情報を設定するための右第1停止後情報と、より構成されている。各第1停止後情報は、参照すべき組合せテーブルの種別を示すテーブル種別情報と、参照すべきテーブル番号を示す番号情報とを有している。中第1停止後情報を記憶する領域と右第1停止後情報を記憶する領域は、それぞれ1バイトで構成されている。左第1停止後情報を記憶する領域は、27バイト構成のオフセット指定テーブルにおいては21バイトで構成されており、7バイト構成のオフセット指定テーブルにおいては1バイトで構成されている。左第1停止後情報についてより詳しく説明すると、7バイト構成のオフセット指定テーブルにおいては、左第1停止後情報が1つのみ設定されているのに対し、27バイト構成のオフセット指定テーブルにおいては、0番から20番までの21個の各図柄番号に対してそれぞれ左第1停止後情報が設定されている。
リール回転処理の説明に戻り、オフセット指定テーブルを特定した後、ステップS402では、基礎情報を設定する。具体的には、特定したオフセット指定テーブルのアドレスをRAM106のオフセット指定テーブルアドレス用バッファ152に格納する。また、当該オフセット指定テーブルの基本設定情報に設定されたグループ番号情報をRAM106のグループ番号用バッファ153に格納するとともに、仮想払出上限値情報を仮想払出上限値用バッファ154に格納する。続くステップS403では、始動用割込み処理を許可する。
ここで、始動用割込み処理を図18のフローチャートに基づいて説明する。始動用割込み処理は、タイマ割込み処理(図12参照)におけるステップS106のステッピングモータ制御処理の一部を構成する処理である。そして、リール回転処理においてステップS403の処理が行われることにより、ステッピングモータ制御処理における一連の処理の一部として始動用割込み処理が行われる。上述したように、タイマ割込み処理は、1.49msec周期で起動されるため、始動用割込み処理が許可されている間は当該始動用割込み処理も約1.49msec周期で起動される。
始動用割込み処理では、先ずステップS501にて、RAM106の定常回転情報用バッファ155に定常回転情報が格納されているか否かを判定する。定常回転情報が格納されていない場合には、ステップS502にて加速処理中か否かを判定する。
加速処理中でない場合には、各リール32L,32M,32Rが回転を開始していないことを意味する。かかる場合には、さらにステップS503にてウエイト時間が経過したか否かを判定する。ウエイト時間とは、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで待機するために設定された時間である。ウエイト時間が経過していない場合には、そのまま始動用割込み処理を終了する。これにより、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。ウエイト時間が経過している場合には、ステップS504にて加速処理を開始し、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる。
ステップS502にて加速処理中であると判定した場合、又はステップS504にて加速処理を開始した場合には、ステップS505に進み、加速処理が終了して各リール32L,32M,32Rが定常回転となったか否かを判定する。定常回転となっていない場合には、そのまま始動用割込み処理を終了し、定常回転となっている場合には、ステップS506にてRAM106の定常回転情報用バッファ155に定常回転情報を格納した後に始動用割込み処理を終了する。ここで、定常回転情報とは、各リール32L,32M,32Rが定常回転していることを示す情報である。このため、ステップS501にて定常回転情報が格納されている場合には、既に加速処理が終了していることを意味するため、そのまま始動用割込み処理を終了する。
リール回転処理の説明に戻り、ステップS403にて始動用割込み処理を許可した場合には、ステップS404にて回転中のリールの停止情報を設定する停止準備処理を行う。
ここで、ステップS404にて行う停止準備処理、すなわちリールの回転開始時に行う停止準備処理を、図19のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS601では、RAM106の対象リール情報用バッファ156に対象リール情報として右リール32Rを示す情報を格納する。ステップS602では、RAM106のスベリ数テーブル番号用バッファ157に格納された情報を初期化する、すなわち「0」クリアする。ステップS603では、対象リール情報の示すリール(以下、「対象リール」と言う。)に対して既に停止指令が発生しているか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS604に進み、RAM106の引込ビットテーブル番号用バッファ158に格納された情報を初期化する、すなわち「0」クリアする。ステップS605では、第1停止指令が既に発生しているか否かを判定する。リールの回転開始時に行う停止準備処理においては、第1停止指令が発生していないため否定判定をし、ステップS606に進む。ステップS606では、オフセット指定テーブルアドレス用バッファ152に格納されたアドレスのオフセット指定テーブルを参照し、対象リールと対応する第1停止用設定情報を取得する。具体的には、対象リールが右リール32Rである場合には、右第1停止情報を取得し、対象リールが中リール32Mである場合には、中第1停止情報を取得し、対象リールが左リール32Lである場合には、左第1停止情報を取得する。続くステップS607では、対象リールが左リール32Lであるか否かを判定する。対象リールが中リール32M又は右リール32Rである場合には、ステップS608にて停止情報設定処理を行い、対象リールが左リール32Lである場合には、ステップS609にてRAM106のスベリ数テーブル番号用バッファ157に番号情報を格納する。
ステップS608にて停止情報設定処理を行った後、又はステップS609にてスベリ数テーブル番号用バッファ157に番号情報を格納した後には、ステップS610にて対象リールが左リール32Lであるか否かを判定する。対象リールが左リール32Lでない場合には、ステップS611に進み、対象リール情報用バッファ156に格納された対象リール情報の更新を行う。具体的には、対象リール情報用バッファ156に右リール32Rを示す対象リール情報が格納されている場合には、中リール32Mを示す対象リール情報に更新し、対象リール情報用バッファ156に中リール32Mを示す対象リール情報が格納されている場合には、左リール32Lを示す対象リール情報に更新する。対象リール情報を更新した場合には、対象リールの停止情報を設定すべくステップS603に戻る。つまり、停止準備処理では、右リール32R→中リール32M→左リール32Lの順に停止情報を設定するための処理を行う。一方、ステップS610にて対象リールが左リール32Lであると判定した場合には、全リール32L,32M,32Rの停止情報を設定したことを意味するため、停止準備処理を終了する。
ここで、対象リールが左リール32Lである場合に停止準備処理において行う具体的な処理を説明する。
オフセット指定テーブルには、中第1停止情報及び右第1停止情報のテーブル種別情報として、スベリ数テーブルを示す情報又は引込ビットテーブルを示す情報が設定されている一方、左第1停止情報のテーブル種別情報として、必ずスベリ数テーブルを示す情報が設定されている。このため、対象リールが左リール32Lである場合、ステップS606では、特定したオフセット指定テーブルがいずれであるかに関わらず、すなわち役の当選状況に関わらず、スベリ数テーブルであることを示すテーブル種別情報とテーブル番号を示す番号情報を取得する。
スベリ数テーブルは、ROM105のスベリ数テーブル記憶領域105bに記憶されており、当該スベリ数テーブル記憶領域105bには、図20に示すように、複数個(本実施の形態では33個)のスベリ数テーブルが記憶されている。スベリ数テーブルとは、ストップスイッチが操作されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルであり、当該スベリ数テーブルには、0番から20番までの21個の各図柄番号に1対1で対応させてスベリ数が設定されている。すなわち、スベリ数テーブルには、リールを停止させるまでに基点位置を通過させる図柄数が各図柄番号に対して設定されている。さらにいうと、スベリ数テーブルには、リールの停止態様が定められており、ストップスイッチが操作された際に基点位置(本実施の形態では下段)に到達している図柄番号(以下、「到達図柄番号」と言う。)と、前記基点位置に実際に停止させる図柄番号(以下、「停止図柄番号」と言う。)との関係が定められている。本実施の形態では、ストップスイッチが操作された場合に到達図柄をそのまま停止させる場合(図20における「0」)と、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも1図柄分滑らせた後に停止させる場合(図20における「1」)と、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも2図柄分滑らせた後に停止させる場合(図20における「2」)と、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも3図柄分滑らせた後に停止させる場合(図20における「3」)と、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも4図柄分滑らせた後に停止させる場合(図20における「4」)と、の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチを操作するタイミングと、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチが操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに対応するリールを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、当選した役と対応する図柄又は図柄の組合せが有効ライン上に停止しない所謂取りこぼしの発生頻度を低減させることが可能となるとともに、役の抽選に当選していないにも関わらず入賞図柄の組合せが有効ライン上に停止する不具合を回避することが可能となる。スベリ数が「0」の図柄は、下段に実際に停止する図柄である。例えば4番のスベリ数テーブルを用いて左リール32Lを停止させる場合には、1番,2番,8番,9番,16番のいずれかの図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lを滑らせること無くそのまま停止させる。また、スベリ数が「0」でない番号の図柄は、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも設定された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば4番のスベリ数テーブルを用いて左リール32Lを停止させる場合であって、3番の図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作された場合には、スベリ数として「4」が設定されているため、左リール32Lを4図柄分だけ滑らせて7番の図柄を下段に停止させる。
番号情報を格納するRAM106のスベリ数テーブル番号用バッファ157は、左リール32L用の左スベリ数テーブル番号用バッファと、中リール32M用の中スベリ数テーブル番号用バッファと、右リール32R用の右スベリ数テーブル番号用バッファと、により構成されている。ステップS609では、ステップS606にて取得した番号情報を、左スベリ数テーブル番号用バッファに格納する。
なお、対象リールが中リール32M又は右リール32Rである場合に行う停止情報設定処理S608については、理解を容易なものとするため、後述することとする。
リール回転処理の説明に戻り、停止準備処理が終了した場合には、ステップS405にて定常回転情報用バッファ155に定常回転情報が格納されているか否かを判定する。定常回転情報が格納されていない場合には、各リール32L,32M,32Rが定常回転していないことを意味するため、そのまま待機する。各リール32L,32M,32Rが定常回転となって始動用割込み処理にて定常回転情報を格納した場合には、ステップS405にて肯定判定をし、ステップS406に進む。ステップS406では、始動用割込み処理を禁止するとともに、RAM106の定常回転情報用バッファ155に格納された定常回転情報をクリアする。その後、リール回転処理を終了する。
次に、ステップS210のリール停止処理を、図21のフローチャートに基づき説明する。
ステップS701では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的には回転中のリールと対応するストップ検出センサ42a〜44aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には、停止指令が発生するまで待機する。なお、本実施の形態では、各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから所定の速度で定常回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ42〜44が操作されても、ストップ検出センサ42a〜44aからのON信号を無効化する。停止指令が発生した場合には、ステップS702に進み、停止指令が発生したリールの停止図柄番号を決定する停止位置決定処理を行う。その後、ステップS703にて停止用割込み処理を許可する。
ここで、停止用割込み処理を図22のフローチャートに基づいて説明する。停止用割込み処理は、上述したタイマ割込み処理(図12参照)におけるステップS106のステッピングモータ制御処理の一部を構成する処理である。そして、リール停止処理においてステップS703の処理が行われることにより、ステッピングモータ制御処理における一連の処理の一部として停止用割込み処理が行われる。上述したように、タイマ割込み処理は、1.49msec周期で起動されるため、停止用割込み処理が許可されている間は当該停止用割込み処理も約1.49msec周期で起動される。
停止用割込み処理では、先ずステップS801にて、RAM106の停止完了情報用バッファ159に停止完了情報が格納されているか否かを判定する。停止完了情報が格納されていない場合には、ステップS802にて減速処理中か否かを判定する。減速処理中でない場合には、今回停止させるべきリールが定常回転していることを意味する。かかる場合には、ステップS803に進み、基点位置に到達している図柄番号が先の停止位置決定処理にて決定した停止図柄番号と一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS804にて減速処理を開始する。これにより、停止位置決定処理にて決定した停止図柄番号の図柄が基点位置に停止する。
ステップS802にて減速処理中であると判定した場合、ステップS803にて停止図柄番号が基点位置に到達していないと判定した場合、又はステップS804にて減速処理を開始した場合には、ステップS805に進み、減速処理が終了して停止指令の発生したリールが停止したか否かを判定する。停止してない場合には、そのまま停止用割込み処理を終了し、停止している場合には、ステップS806にてRAM106の停止完了情報用バッファ159に停止完了情報を格納した後に停止用割込み処理を終了する。ここで、停止完了情報とは、停止指令の発生したリールが停止していることを示す情報である。このため、ステップS801にて停止完了情報が格納されている場合には、既に減速処理が終了していることを意味するため、そのまま停止用割込み処理を終了する。
リール停止処理の説明に戻り、停止用割込み処理を許可した後、ステップS704では、停止指令の発生していないリールの停止情報を設定する停止準備処理を行う。ステップS705では、RAM106の停止完了情報用バッファ159に停止完了情報が格納されているか否かを判定する。停止完了情報が格納されていない場合には、停止完了情報が格納されるまで待機する。停止完了情報が格納されている場合には、停止指令の発生したリールが停止していることを意味するため、ステップS706に進む。ステップS706では、停止用割込み処理を禁止するとともに、停止完了情報用バッファ159に格納された停止完了情報をクリアする。続くステップS707では、全リール32L,32M,32Rの回転が停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rの回転が停止していない場合には、ステップS701に戻り、回転が停止している場合には、ステップS708にて払出判定処理を行った後にリール停止処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。メダル払出処理(ステップS211、図13参照)では、当該払出判定処理の判定結果に基づいて、成立した入賞と対応する枚数のメダルを払い出す処理を行う。
ここで、ステップS702の停止位置決定処理及びステップS704の停止準備処理を、より詳細に説明する。なお以下では、理解を容易なものとするため、遊技の進行に即した形で説明することとする。具体的には、始めに、全リール32L,32M,32Rが回転している際にストップスイッチ42〜44が操作された場合すなわち第1停止指令が発生した場合に行う停止位置決定処理及び停止準備処理を説明し、次に、3つのリール32L,32M,32Rのうち1つが停止するとともに2つが回転している際に回転中のリールと対応するストップスイッチが操作された場合すなわち第2停止指令が発生した場合に行う停止位置決定処理及び停止準備処理を説明し、最後に、3つのリール32L,32M,32Rのうち2つが停止するとともに1つが回転している際に回転中のリールと対応するストップスイッチが操作された場合すなわち第3停止指令が発生した場合に行う停止位置決定処理を説明する。また、左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合と、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第1停止指令が発生した場合(所謂変則押しがなされた場合)と、を分けて説明する。
左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合に行う停止位置決定処理及び停止準備処理を説明する。
停止位置決定処理では、図23のフローチャートに示すように、ステップS901にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。RAM106の停止リール特定用バッファ160は、第1停止指令が発生した際に停止させるリールを特定するための第1停止リール特定用バッファと、第2停止指令が発生した際に停止させるリールを特定するための第2停止リール特定用バッファと、第3停止指令が発生した際に停止させるリールを特定するための第3停止リール特定用バッファと、を有している。そして、停止指令が発生した場合(ステップS701、図21参照)には、停止させるリールを示す停止リール情報を第1停止リール特定用バッファから順番に格納する。ステップS901では、第1停止リール特定用バッファのみに停止リール情報が格納されているか否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるため肯定判定をし、ステップS902に進む。ステップS902では、第1停止リール特定用バッファに格納された停止リール情報の示すリール(以下、「停止リール」とも言う。)が左リール32Lであるか否かを判定する。
停止リールが左リール32Lである場合には、ステップS903に進み、左リール32Lの到達図柄番号を取得する。続くステップS904では、左スベリ数テーブル番号用バッファに格納された番号情報と対応するスベリ数テーブルから、到達図柄番号に設定されたスベリ数を取得する。ステップS905では、ステップS903にて取得した到達図柄番号にステップS904にて取得したスベリ数を加算し、左リール32Lの基点位置に実際に停止させる停止図柄番号を導出する。ステップS906では、導出した停止図柄番号を停止位置情報としてRAM106の停止位置用バッファ161に格納する。その後、停止位置決定処理を終了する。なお、停止用割込み処理のステップS803では、RAM106の停止位置用バッファ161に格納された停止位置情報を参照し、基点位置に到達している図柄番号が停止位置情報の示す図柄番号と一致するか否かを判定している。
左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合に行う停止準備処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップS601では、RAM106の対象リール情報用バッファ156に対象リール情報として右リール32Rを示す情報を格納する。ステップS602では、RAM106のスベリ数テーブル番号用バッファ157に格納された情報を初期化する。ステップS603では、対象リールに対して既に停止指令が発生しているか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS604に進み、RAM106の引込ビットテーブル番号用バッファ158に格納された情報を初期化する。ステップS605では、第1停止指令が既に発生しているか否かを判定する。今回の停止準備処理は第1停止指令が発生した後の処理であるため、ステップS612に進み、第1停止後処理を行う。第1停止後処理を行った場合には、ステップS610にて対象リールが左リール32Lであるか否かを判定する。対象リールが左リール32Lでない場合には、ステップS611にて対象リール情報用バッファ156に格納された対象リール情報の更新を行い、ステップS603に戻る。一方、ステップS610にて対象リールが左リール32Lであると判定した場合には、そのまま停止準備処理を終了する。
左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、対象リールが右リール32Rである場合と、対象リールが中リール32Mである場合と、にステップS612の第1停止後処理を行って停止情報を設定する。対象リールが左リール32Lである場合には、ステップS603にて肯定判定をし、左リール32Lの停止情報を設定することなくステップS610に進む。
ここで、ステップS612の第1停止後処理を、図24のフローチャートに基づき説明する。
ステップS1001では、RAM106の停止リール特定用バッファ160を参照し、今回の停止指令が第1停止指令であるか否かを判定する。今回の停止指令が第1停止指令である場合には、ステップS1002に進み、第1停止後用設定情報を既に取得しているか否かを判定する。第1停止後用設定情報を取得していない場合には、ステップS1003に進み、オフセット指定テーブルアドレス用バッファ152に格納されたアドレスのオフセット指定テーブルを参照し、第1停止後用設定情報をRAM106の第1停止後情報用バッファ162に格納する。具体的には、左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合、左第1停止後情報を第1停止後情報用バッファ162に格納する。上述したとおり、オフセット指定テーブルには、27バイト構成のものと、7バイト構成のものと、の2種類がある。そして、7バイト構成のオフセット指定テーブルにおいては、左第1停止後情報が1つのみ設定されており、27バイト構成のオフセット指定テーブルにおいては、0番から20番までの21個の各図柄番号に対してそれぞれ左第1停止後情報が設定されている。そこで、左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、左第1停止情報の識別情報を確認する。7バイト構成であることを示す識別情報であった場合には、1つのみ設定された左第1停止後情報を取得する。27バイト構成であることを示す識別情報であった場合には、停止位置用バッファ161を確認し、停止図柄番号と対応する左第1停止後情報を取得する。
ステップS1002にて第1停止後用設定情報を既に取得していると判定した場合、又はステップS1003にて第1停止後用設定情報を取得した場合には、ステップS1004に進み、使用テーブル特定処理を行う。上述したとおり、第1停止後用設定情報は、参照すべき組合せテーブルの種別を示すテーブル種別情報と、参照すべきテーブル番号を示す番号情報とを有している。
組合せテーブルは、ROM105の組合せテーブル記憶領域105cに記憶されており、当該組合せテーブル記憶領域105cには、図25に示すように、組合せテーブルとしてノーマルタイプテーブルとマルチタイプテーブルとが記憶されている。ノーマルタイプテーブルは、図25(a)に示すように、複数個(本実施の形態では44個)の共通データを有している。共通データは、第1データ及び第2データにより構成されている。第1データ及び第2データは、スベリ数テーブルと引込ビットテーブルのいずれを参照するかを示すテーブル種別情報と、参照すべきテーブル番号を示す番号情報とを有している。第1データは、停止指令の発生していない2つのリールのうち一方のリールの停止情報を設定する際に使用され、第2データは、停止指令の発生していない2つのリールのうち他方のリールの停止情報を設定する際に使用される。具体的には、第1停止リールが左リール32Lである場合には、第1データが中リール32Mの停止情報を設定する際に使用され、第2データが右リール32Rの停止情報を設定する際に使用される。第1停止リールが中リール32Mである場合には、第1データが左リール32Lの停止情報を設定する際に使用され、第2データが右リール32Rの停止情報を設定する際に使用される。第1停止リールが右リール32Rである場合には、第1データが左リール32Lの停止情報を設定する際に使用され、第2データが中リール32Mの停止情報を設定する際に使用される。マルチタイプテーブルは、図25(b)に示すように、複数個(本実施の形態では32個)の第2停止用データ及び第3停止用データを有している。これら第2停止用データ及び第3停止用データは、ノーマルタイプテーブルにおける共通データと同様、第1データ及び第2データにより構成されている。
使用テーブル特定処理では、ステップS1003にて取得した第1停止後用設定情報と対応する組合せテーブルのテーブル番号を参照し、今回の第1停止後処理においてスベリ数テーブルと引込ビットテーブルのいずれを用いるのかと、何番のスベリ数テーブル又は引込ビットテーブルを用いるのかと、を特定する。左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、以下の処理を行う。左第1停止後情報がノーマルタイプテーブルを示す識別情報を有する場合には、対象リールが右リール32Rであれば、共通データの第2データから今回の第1停止後処理において用いるテーブル種別及びテーブル番号を特定し、対象リールが中リール32Mであれば、共通データの第1データから今回の第1停止後処理において用いるテーブル種別及びテーブル番号を特定する。左第1停止後情報がマルチタイプテーブルを示す識別情報を有する場合には、対象リールが右リール32Rであれば、第2停止用データの第2データから今回の第1停止後処理において用いるテーブル種別及びテーブル番号を特定し、対象リールが中リール32Mであれば、第2停止用データの第1データから今回の第1停止後処理において用いるテーブル種別及びテーブル番号を特定する。
使用テーブル特定処理を行った場合には、ステップS1005にて停止情報設定処理を行い、第1停止後処理を終了する。
ここで、停止情報設定処理を、図26のフローチャートに基づき説明する。
ステップS1101では、先の使用テーブル特定処理にて特定したテーブルがスベリ数テーブルであるか否かを判定する。スベリ数テーブルである場合には、ステップS1102に進み、RAM106のスベリ数テーブル番号用バッファ157に、使用テーブル特定処理にて特定したテーブル番号を格納する。スベリ数テーブルでない場合には、特定したテーブルが引込ビットテーブルであることを意味するため、ステップS1103に進み、RAM106の引込ビットテーブル番号用バッファ158に、使用テーブル特定処理にて特定したテーブル番号を格納する。続くステップS1104では、今回の停止指令が第2停止指令であるか否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるため否定判定をし、ステップS1105の引込ビットテーブル変更処理を行うことなくステップS1106に進む。ステップS1106では、優先順位情報作成処理を行う。その後、停止情報設定処理を終了する。
優先順位情報作成処理を、図27のフローチャートに基づき説明する。詳細な説明に先だって概略を説明すると、優先順位情報作成処理では、停止指令の発生したリールの停止位置、役の当選状況等に基づいて、優先順位情報を作成する。この優先順位情報の作成に際しては、上述した引込ビットテーブル番号用バッファ158等の各バッファの他に、優先順位情報用バッファ163を使用する。
優先順位情報用バッファ163は、図28(a)に示すように、多数の判定情報用バッファBにより構成されている。判定情報用バッファBは、各リール32L,32M,32Rの各図柄番号と1対1で対応させて設けられている。また、各リール32L,32M,32Rの各図柄番号にはそれぞれ図柄が設定されているため、判定情報用バッファBは各図柄と1対1で対応させて設けられているとも言える。判定情報用バッファBは各リール32L,32M,32Rにそれぞれ21個ずつ割り当てられているため、優先順位情報用バッファ163は合計で63個の判定情報用バッファBを有する。各判定情報用バッファBはそれぞれ1バイトで構成されており、優先順位情報用バッファ163は合計63バイトで構成されている。判定情報用バッファBの各ビットは、個別に又は所定の組合せで、特有の判定用情報を格納するための機能を有する。詳細には、図28(b)に示すように、最上位の第7ビットは、不当入賞情報を格納するための不当入賞判定ビットとしての機能を有し、第6〜第3ビットは、再遊技情報を格納するための再遊技ビット、及び獲得枚数情報を格納するための獲得枚数ビットとしての機能を有し、第2ビットは、再遊技情報を格納するための再遊技ビット、役物情報を格納するための役物ビット、及び完全引込情報を格納するための完全引込ビットとしての機能を有し、第1ビットは、指定図柄情報を格納するための指定図柄判定ビットとしての機能を有し、第0ビットは、引込ビット情報を格納するための引込ビットとしての機能を有する。後述する比較判定処理(ステップS907、図23参照)では、判定情報用バッファBの各ビットの値によって形成される優先順位情報の大小を比較判定し、最も大きな優先順位情報に基づいて停止図柄番号を導出する。このため、優先順位情報が図柄を停止させる場合の優先順位となるとともに、優先順位情報が大きい図柄番号ほど基点位置に停止する優先順位が高く、優先順位情報が小さい図柄番号ほど基点位置に停止する優先順位が低くなる。上記各ビットのうち、不当入賞判定ビットと指定図柄判定ビットは初期値が「1」となっており、その他のビットは初期値が「0」となっている。
さて、優先順位情報作成処理では、ステップS1201にて対象リールの判定情報用バッファアドレスを取得する。すなわち、RAM106の対象リール情報用バッファ156に格納された対象リール情報に基づいて、優先順位情報を今回作成するリールを特定し、そのリールと対応した図柄数分(21個)の判定情報用バッファBのアドレスを取得する。ステップS1202では、RAM106の対象図柄番号用バッファ164に21を格納する。ステップS1203では、対象図柄番号用バッファ164の値を1減算し、ステップS1204では、検索ライン数を取得する。本実施の形態では5本の組合せラインを有するため、ステップS1204ではRAM106の検索ライン用バッファ165に5を格納する。ステップS1205では、初期化処理を行う。初期化処理では、21個の判定情報用バッファBのうち対象図柄番号と対応する判定情報用バッファBの初期化を行うとともに、獲得枚数バッファ166の初期化を行う。その後、ステップS1206の引込ビット情報設定処理、ステップS1207の入賞判定処理を順に行うことにより、対象図柄番号の判定情報用バッファBの各ビットに対して「0」又は「1」の情報を格納し、優先順位情報を作成する。詳細は後述するが、優先順位情報の作成に際しては、対象リールの対象図柄番号が基点位置に停止した場合を想定し、対象図柄番号と対応した判定情報用バッファBの各ビットに対して、種々の状況を考慮して「0」又は「1」の情報を格納する処理を行う。
ステップS1208では、対象図柄番号用バッファ164の値が0であるか否かを判定する。0でない場合には、ステップS1203に戻り、対象図柄番号用バッファ164の値を1減算する。そして、対象図柄番号の判定情報用バッファBの各ビットに対して「0」又は「1」の情報を格納し、優先順位情報を作成する。つまり、優先順位情報作成処理では、20番から0番までの各図柄番号が基点位置に停止した場合を想定し、これら図柄番号に対して順番に優先順位情報を作成する。そして、ステップS1208にて対象図柄番号用バッファ164の値が0であると判定した場合には、対象リールの全図柄番号に対して優先順位情報を作成したことを意味するため、優先順位情報作成処理を終了する。
ステップS1206の引込ビット情報設定処理を、図29のフローチャートに基づき説明する。上述したように、引込ビットは、判定情報用バッファBの一部を構成している。かかる引込ビットに引込ビット情報を格納することにより、いずれの役にも当選していない外れの状況において停止出目の多様化を図ることができる。また、何らかの役に当選しているゲームで入賞が成立しない、所謂取りこぼしが発生する状況においては、当選役と対応した停止出目とすることが可能となる。特に、第1BB又は第2BB(以下、第1BBと第2BBを総称して「BB」とも言う。)に当選している状況においては、所謂リーチ目(BBに当選していることを教示可能な停止出目のことをいう。但し、BBに当選していない状況であっても不当入賞を避ける場合に出現し得る。)を好適に出現させることができる。引込ビット情報設定処理では、かかる引込ビット情報を入賞判定処理にて取得するための準備を行う。
ステップS1301では、引込ビット情報展開前準備処理を行う。
引込ビット情報展開前準備処理では、先ずRAM106の引込ビット情報検索用バッファ167を初期化する。ここで、引込ビット情報検索用バッファ167とは、引込ビット情報を取得するために用意されたバッファであり、図30(a)に示すように、左リール用バッファ168、中リール用バッファ169、及び右リール用バッファ170を有し、さらに各リール用バッファ168,169,170はそれぞれ上段用バッファ168a,169a,170a、中段用バッファ168b,169b,170b、及び下段用バッファ168c,169c,170cを有する。つまり、引込ビット情報検索用バッファ167は、9つのバッファ168a〜168c,169a〜169c,170a〜170cから構成されている。そして、これら9つの各バッファ168a〜168c,169a〜169c,170a〜170cはそれぞれ1バイト構成となっている。引込ビット情報検索用バッファ167を初期化した状態では、図30(b)に示すように、各バッファ168a〜168c,169a〜169c,170a〜170cに「FF」が格納されている。
その後、既に停止指令が発生しているリールと対応したリール用バッファについて、優先ライン上にない2つのバッファの全ビットをクリアする。今回は、左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生しているので、左リール用バッファ168の各バッファ168a〜168cが対象となる。また、本実施の形態では、役の当選状況等に関わらず下ラインL3を優先ラインとして定めているため、図30(c)に示すように、下ラインL3上にない上段用バッファ168a及び中段用バッファ168bの全ビットがクリアされて「00」となり、下ラインL3上にある下段用バッファ168cが「FF」のままとなる。
引込ビット情報展開前準備処理を行った場合には、ステップS1302に進み、RAM106の引込ビットテーブル番号用バッファ158に引込ビットテーブル番号を示す情報が格納されているか否かを判定する。引込ビットテーブル番号を示す情報が格納されていない場合、すなわち、「0」が格納されている場合には、ステップS1303にて引込ビット情報検索用バッファ167における今回の対象リールと対応するリール用バッファにそれぞれ「00」を格納した後に、引込ビット情報設定処理を終了する。引込ビットテーブル番号を示す情報が格納されている場合には、ステップS1304に進む。
ステップS1304では、引込ビット情報取得処理を行う。引込ビット情報取得処理では、引込ビットテーブル番号用バッファ158に格納された情報に基づいて引込ビットテーブルを特定し、当該引込ビットテーブルから対象図柄番号の引込ビット情報(以下、下段用引込ビット情報)、対象図柄番号に対して図柄番号が1つ上の図柄番号の引込ビット情報(以下、中段用引込ビット情報)、及び対象図柄番号に対して図柄番号が2つ上の図柄番号の引込ビット情報(以下、上段用引込ビット情報)を取得する。
ここで、引込ビットテーブルについて説明する。
引込ビットテーブルは、ROM105の引込ビットテーブル記憶領域105dに記憶されており、当該引込ビットテーブル記憶領域105dには、図31に示すように、複数個(本実施の形態では112個)の引込ビットテーブルが記憶されている。引込ビットテーブルには、0番から20番までの各図柄番号に対応させて「0」又は「1」の引込ビット情報が格納されている。つまり、引込ビット情報は複数種用意されており、引込ビット情報は大小の識別が可能となっている。そして、引込ビットテーブルにおいては、役の当選状況等において優先度の高い図柄番号に対して大きい値の引込ビット情報「1」が格納されている。さらにいうと、従来の引込ビットテーブルにおいては引込ビット情報として「00」,「01」,「10」,「11」のいずれかを格納していたが、本実施の形態のように「0」又は「1」を格納する構成とすることにより、引込ビットテーブルを記憶するための記憶容量を削減することが可能となる。
ステップS1304の引込ビット情報取得処理では、例えば、対象図柄番号が0番である場合、特定した引込ビットテーブルから下段用引込ビット情報として0番の引込ビット情報を取得し、中段用引込ビット情報として1番の引込ビット情報を取得し、上段用引込ビット情報として2番の引込ビット情報を取得する。
続くステップS1305では、引込ビット情報取得処理にて取得した各引込ビット情報を、引込ビット情報検索用バッファ167の該当するリール用バッファに格納する。中リール32Mに対する引込ビット情報設定処理においては、中リール用バッファ169の下段用バッファ169cに下段用引込ビット情報を格納し、中段用バッファ169bに中段用引込ビット情報を格納し、上段用バッファ169aに上段用引込ビット情報を格納する。例えば、下段用引込ビット情報が「1」であり、中段用引込ビット情報が「1」であり、上段用引込ビット情報が「0」である場合には、引込ビット情報検索用バッファ167は図30(d)に示す状態となる。その後、引込ビット情報設定処理を終了する。
ステップS1207の入賞判定処理を、図32のフローチャートに基づき説明する。詳細な説明に先立って概略を説明すると、入賞判定処理では、設定されている対象図柄番号に対して各有効ラインにおける役の入賞判定及び引込ビット情報検索用バッファ167に格納した引込ビット情報の合成値判定を行い、その判定結果に基づいて判定情報用バッファBの各ビットに情報を格納する処理を順次行う。
先ずステップS1401では、検索ライン用バッファ165の値を1減算する。かかる処理を行うことにより、初回の入賞判定処理では検索ライン数が4となり、検索ラインが上ラインL1となる。ステップS1402では、ライン判定処理を行う。
ライン判定処理では、図33のフローチャートに示すように、先ずステップS1501にて、既に停止指令が発生しているリールについて検索ライン上の図柄番号を特定し、その図柄番号の図柄対応情報を把握する。ここで、図柄対応情報について図34を用いて詳細に説明する。
ROM105の図柄対応テーブル記憶領域105eには、各リール32L,32M,32R毎に用意された図柄対応テーブルが記憶されている。各図柄対応テーブルには、対応するリールに付された図柄種と、図柄対応情報と、が1対1で対応付けられている。図柄対応情報はそれぞれ2バイトで構成されている。当該図柄対応情報は、入賞に関する判定を行う際に使用される情報であり、役用図柄対応情報としての機能を有する。詳細には、ROM105の役対応テーブル記憶領域105fには、役対応テーブルが記憶されており、当該役対応テーブルには、図35に示すように、役と役対応情報とが1対1で対応付けられている。各役対応情報は、それぞれ2バイトで構成されており、「1」が格納されるビットの位置がそれぞれ異なっている。すなわち、本スロットマシン10では、10種類の役が設定されており、10個のビットにおいて「1」が格納される位置をそれぞれ異ならせることにより、役と役対応情報とが1対1で対応付けられている。そして、図柄対応情報は、役の図柄の組合せを構成する各図柄の図柄対応情報をAND処理した場合に、各役の役対応情報と一致するように設定されている。
例えば、特殊スイカの役対応情報は、図35に示すように「0000000000010000」となっている。これに対して、左リール32Lの特殊スイカ図柄たる「青年」図柄の図柄対応情報は「0000000000010000」となっており、中リール32M及び右リール32Rの特殊スイカ図柄たる「スイカ」図柄の図柄対応情報は「0000001100011000」となっている。そして、各リール32L,32M,32Rの特殊スイカ図柄の図柄対応情報をAND処理した場合には、「0000000000010000」となり、特殊スイカの役対応情報と一致する。ここで、図34に示すように、中リール32M及び右リール32Rの図柄対応テーブルには、全ての図柄の図柄対応情報において同一のビット(より具体的には第8ビット及び第9ビット)に「1」が格納されている。そして、このビットの位置は、左リール32Lの「赤チェリー」図柄の図柄対応情報と、左リール32Lの「白チェリー」図柄の図柄対応情報と、において「1」が格納されたビットの位置と対応しており、さらに赤チェリーの役対応情報と白チェリーの役対応情報とにおいて「1」が格納されたビットの位置と対応している。これは、赤チェリー及び白チェリーについては、当選となっている場合に有効ライン上に左リール32Lの当選役と対応する「チェリー」図柄が停止すれば入賞成立となり、中リール32M及び右リール32Rの停止図柄は任意だからである。
ライン判定処理の説明に戻り、ステップS1501にて把握した図柄対応情報はCPU102に設けられた図柄対応情報用レジスタに記憶される。この場合に、既に停止指令が発生しているリールが複数(2つ)ある場合には、各図柄対応情報が記憶される。ステップS1502では、今回の対象リールについて検索ライン上の図柄番号を特定し、その図柄番号の図柄対応情報を把握する。この把握された図柄対応情報もCPU102に設けられた図柄対応情報用レジスタに記憶される。ステップS1503では、上記把握した各図柄対応情報をAND処理する。ステップS1504では、AND処理の結果を成立判定情報としてRAM106の成立判定用バッファ171に格納する。その後、ライン判定処理を終了する。
入賞判定処理の説明に戻り、ステップS1403では、RAM106の検索ライン用バッファ165を参照し、今回の検索ラインが無効ラインであるか否か、すなわち今回の検索ラインが有効ラインとして設定されていない組合せラインであるか否かを判定する。今回の検索ラインが有効ラインである場合には、ステップS1404〜ステップS1408に示す処理を行った後にステップS1409に進み、今回の検索ラインが無効ラインである場合には、ステップS1404〜ステップS1408に示す処理を行うことなくステップS1409に進む。ステップS1404では、RAM106の対象リール情報用バッファ156を参照し、今回の対象リールが左リール32Lであるか否かを判定する。今回の対象リールが左リール32Lでない場合には、ステップS1405にて修正処理を行った後にステップS1406に進み、今回の対象リールが左リール32Lである場合には、そのままステップS1406に進む。ステップS1406では、不当入賞判定処理を行う。なお、修正処理及び不当入賞判定処理については後述することとする。
ステップS1407では、RAM106の当選役判定用バッファ151を参照し、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、そのままステップS1409に進み、いずれかの役に当選している場合には、ステップS1408の当選時処理を行った後にステップS1409に進む。
当選時処理では、図36のフローチャートに示すように、ステップS1601にて当選図柄成立判定処理を行う。当選図柄成立判定処理では、RAM106の成立判定用バッファ171に格納された成立判定情報と、RAM106の当選役判定用バッファ151に格納された当選情報(役対応情報)とをAND処理し、その結果をCPU102に設けられた当否判定用レジスタに当否判定用情報として格納する。当否判定用情報は、成立判定情報と当選情報とが一致する場合、成立判定用バッファ171に格納された成立判定情報と一致し、成立判定情報と当選情報とが一致しない場合、「0000000000000000」となる。
ステップS1602では、当否判定用レジスタを参照し、検索ライン上に再遊技図柄が並んでいるか否かを判定する。再遊技図柄が並んでいる場合には、ステップS1603にて判定情報用バッファBの再遊技ビットに「1」を格納し、当選時処理を終了する。上述したとおり、本実施の形態における判定情報用バッファBは、第6〜第3ビットが再遊技ビット及び獲得枚数ビットとしての機能を有し、第2ビットが再遊技ビット、役物ビット、及び完全引込ビットとしての機能を有する(図28参照)。そこで、ステップS1603では、判定情報用バッファBの第2ビット及び第3ビットに「1」を格納する。
ステップS1604では、当否判定用レジスタを参照し、検索ライン上に第1BB図柄又は第2BB図柄が並んでいるか否かを判定する。いずれのBB図柄も並んでいない場合には、そのままステップS1606に進み、いずれかのBB図柄が並んでいる場合には、ステップS1605にて判定情報用バッファBの役物ビットに「1」を格納した後にステップS1606に進む。上述したとおり、本実施の形態における判定情報用バッファBは、第2ビットが再遊技ビット、役物ビット、及び完全引込ビットとしての機能を有する(図28参照)。そこで、ステップS1605では、判定情報用バッファBの第2ビットに「1」を格納する。
ステップS1606では、当否判定用レジスタを参照し、検索ライン上に小役図柄が並んでいるか否かを判定する。小役図柄が並んでいない場合には、そのまま当選時処理を終了し、小役図柄が並んでいる場合には、ステップS1607に進む。ステップS1607では、並んでいる小役図柄と対応する入賞が成立した際のメダル払出枚数を、RAM106の獲得枚数バッファ166に格納されている払出枚数情報に加算する。ステップS1608では、並んでいる小役図柄が完全引込小役であるか否かを判定する。完全引込小役とは、当選となった場合に、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず入賞が成立する小役のことである。
ここで、各リール32L,32M,32Rの図柄配列を簡単に説明すると、再遊技図柄たる「リプレイ」図柄は、リールの最大スベリ数(すなわち4図柄)の範囲内で各リール32L,32M,32Rに配置されている。このため、再遊技に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、再遊技入賞を成立させることが可能である。一方、他の役と対応する図柄は、少なくとも1つのリールにおいて5図柄分以上離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、ストップスイッチ42〜44の操作順序又は操作タイミングによって取りこぼしの発生する可能性が生じる。ところが、本実施の形態では、例えば通常遊技状態において、スイカに当選となる場合には必ず特殊スイカにも当選となる(図15参照)。スイカ図柄及び特殊スイカ図柄たる「スイカ」図柄は、リールの最大スベリ数(すなわち4図柄)の範囲内で中リール32M及び右リール32Rに配置されている。また、左リール32Lにおいては、スイカ図柄たる「スイカ」図柄と、特殊スイカ図柄たる「青年」図柄と、がそれぞれ6図柄間隔で配置されている一方、「スイカ」図柄と「青年」図柄の間隔がリールの最大スベリ数以下となるようにして配置されている。このため、スイカと特殊スイカに当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、スイカ入賞又は特殊スイカ入賞が成立する。
そこで、本実施の形態ではスイカと特殊スイカを完全引込小役として設定しており、ステップS1608では、並んでいる小役図柄がスイカ図柄又は特殊スイカ図柄であるか否かを判定する。スイカ図柄又は特殊スイカ図柄である場合には、ステップS1609にて判定情報用バッファBの完全引込ビットに「1」を格納し、当選時処理を終了する。上述したとおり、本実施の形態における判定情報用バッファBは、第2ビットが再遊技ビット、役物ビット、及び完全引込ビットとしての機能を有する(図28参照)。そこで、ステップS1609では、判定情報用バッファBの第2ビットに「1」を格納する。一方、並んでいる小役図柄がスイカ図柄と特殊スイカ図柄以外の図柄である場合には、そのまま当選時処理を終了する。
入賞判定処理の説明に戻り、ステップS1409では、RAM106の停止リール特定用バッファ160を参照し、第2停止指令が発生しているか否かを判定する。第2停止指令が発生している場合には、ステップS1410にて指定図柄設定処理を行った後にステップS1411に進み、第2停止指令が発生していない場合には、そのままステップS1411に進む。今回の入賞判定処理は第1停止指令発生に基づくものであるため、そのままステップS1411に進む。ステップS1411では、RAM106の検索ライン用バッファ165を参照し、検索ライン数が0でないか否かを判定する。検索ライン数が0でない場合には、ステップS1401に戻り、検索ライン用バッファ165の値を1減算した後にステップS1402以降の処理を行う。つまり、入賞判定処理では、検索ライン数が4,3,2,1,0の各場合について、上述したステップS1402〜ステップS1410の各処理を行う。ちなみに、検索ライン数が4である場合には、検索ラインが上ラインL1となり、検索ライン数が3である場合には、検索ラインが中ラインL2となり、検索ライン数が2である場合には、検索ラインが下ラインL3となり、検索ライン数が1である場合には、検索ラインが右下がりラインL4となり、検索ライン数が0である場合には、検索ラインが右上がりラインL5となる。
検索ライン数が0である場合には、全ての組合せラインL1〜L5についてステップS1402〜ステップS1410の各処理を行ったことを意味するため、ステップS1412にて獲得枚数設定処理を行う。
獲得枚数設定処理では、図37のフローチャートに示すように、ステップS1701において、RAM106の獲得枚数バッファ166に格納されている払出枚数情報と、RAM106の仮想払出上限値用バッファ154に格納されている仮想払出上限値情報と、を比較し、払出枚数情報が仮想払出上限値情報と等しい又はそれより大きいか否かを判定する。払出枚数情報が仮想払出上限値情報よりも小さい場合には、ステップS1702に進み、払出枚数情報を判定情報用バッファBの獲得枚数ビットに格納する。また、払出枚数情報が仮想払出上限値情報と等しい又はそれより大きい場合には、ステップS1703に進み、仮想払出上限値情報を判定情報用バッファBの獲得枚数ビットに格納する。払出枚数情報又は仮想払出上限値情報を獲得枚数情報として判定情報用バッファBに格納した場合には、獲得枚数設定処理を終了する。
獲得枚数設定処理が終了した場合には、ステップS1413にて引込ビット設定処理を行う。
引込ビット設定処理では、図38のフローチャートに示すように、ステップS1801にて検索ライン数を取得する。本実施の形態では5本の組合せラインを有するため、ステップS1801ではRAM106の検索ライン用バッファ165に5を格納する。ステップS1802では、検索ライン用バッファ165の値を1減算する。ステップS1803では、引込ビット情報検索用バッファ167の合成処理を行う。かかる合成処理では、上述した引込ビット情報設定処理にて引込ビット情報が設定されているリール用バッファに関して今回の検索ライン上にある各バッファの引込ビット情報をAND処理する。
図30(e)を用いて具体的に説明すると、検索ラインが上ラインL1である場合には、左から「00」,「00」,「FF」となる。したがって、これらをAND処理すると、引込ビット情報合成値は「00」となる。一方、検索ラインが下ラインL3である場合には、左から「FF」,「01」,「FF」となる。したがって、これらをAND処理すると、引込ビット情報合成値は「01」となる。上述したとおり、引込ビットテーブルには、各図柄番号に対して引込ビット情報として「0」又は「1」が設定されている。このため、本実施の形態では、引込ビット情報合成値が「00」又は「01」のいずれかの値となる。
ステップS1804では、ステップS1803にて取得した引込ビット情報合成値が「01」であるか否かを判定する。引込ビット情報合成値が「01」でない場合には、ステップS1805に進み、検索ライン用バッファ165の値が0でないか否かを判定する。0でない場合には、ステップS1802にて検索ライン用バッファ165の値を1減算し、ステップS1803にて検索ラインと対応する引込ビット情報検索用バッファ168の合成処理を行う。一方、ステップS1804にて引込ビット情報合成値が「01」であると判定した場合には、ステップS1806に進み、判定情報用バッファBの引込ビットに「1」を格納する。上述したとおり、本実施の形態における判定情報用バッファBは、第0ビットが引込ビットとしての機能を有する(図28参照)。そこで、ステップS1806では、判定情報用バッファBの第0ビットに「1」を格納する。その後、ステップS1807にて検索ライン用バッファ165の値を0クリアし、引込ビット設定処理を終了する。
引込ビット設定処理が終了した場合には、ステップS1414にて停止エラー回避処理を行う。なお、停止エラー回避処理については、変則押しがなされた場合等の左リール32Lに対して停止指令が発生していない場合に行う処理であるため、後述することとする。
上述したように、優先順位情報作成処理(図27参照)では、対象図柄番号の更新を行うことにより、対象リールの全図柄番号について優先順位情報を作成する。また、停止準備処理(図19参照)では、未だ停止指令が発生していない各リールに対して第1停止後処理を行うとともに当該第1停止後処理において優先順位情報作成処理を行う。つまり、第1停止指令が発生した場合には、未だ停止指令が発生していない各リールの全図柄番号に対して優先順位情報を作成する。
次に、左リール32Lが停止した後に中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第2停止指令が発生した場合に行う停止位置決定処理及び停止準備処理を説明する。
停止位置決定処理では、図23のフローチャートに示すように、ステップS901にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるため否定判定をし、ステップS907にて比較判定処理を行う。その後、停止位置決定処理を終了する。
比較判定処理では、図39のフローチャートに示すように、ステップS1901にてCPU102に設けられた暫定情報レジスタを初期化する。暫定情報レジスタは1バイトで構成されており、暫定情報レジスタを初期化することにより、全てのビットの値が0となる。続くステップS1902では、CPU102に設けられた暫定スベリ数レジスタを初期化し、暫定スベリ数を0とする。ステップS1903では、RAM106のスベリ数カウンタ172に、リールの最大スベリ数と対応する値を格納する。本実施の形態では、リールの最大スベリ数を遊技状態に関わらず4図柄と設定しているため、ステップS1903にてスベリ数カウンタ172に4を格納する。なお、例えば遊技状態によってリールの最大スベリ数が変化する構成においては、ステップS1903にてそのときの遊技状態と対応する最大スベリ数を格納すれば良い。ステップS1904では、RAM106の停止リール特定用バッファ160を参照し、第2停止指令の発生しているリール(以下、「第2停止リール」とも言う。)を特定する。ステップS1905では、第2停止リールの到達図柄番号を取得する。その後、ステップS1906〜ステップS1912に示す第1比較判定処理を行う。
第1比較判定処理では、ステップS1906において、到達図柄番号にスベリ数カウンタ172の値を加算することにより、判定用図柄番号を導出する。なお、スベリ数カウンタ172の値が「0」である場合、判定用図柄番号は到達図柄番号となる。続くステップS1907では、判定用図柄番号と対応する判定情報用バッファBを参照し、優先順位情報を取得する。
ステップS1908では、優先順位情報が暫定情報レジスタに格納された暫定情報と等しい又はそれより大きいか否かを判定する。かかる判定処理では、判定情報用バッファBの各ビットを上位側から並べて8桁の2進数として仮定した数値を16進数に変換した値と、暫定情報レジスタの各ビットを上位側から並べて8桁の2進数として仮定した数値を16進数に変換した値と、を比較する。優先順位情報が暫定情報と等しい又はそれより大きい場合には、ステップS1909にて暫定情報レジスタに現在の優先順位情報を格納するとともに、ステップS1910にて暫定スベリ数レジスタに現在のスベリ数カウンタの値を格納する。その後、ステップS1911に進む。優先順位情報が暫定情報より小さい場合には、上記ステップS1909及びステップS1910の処理を行うことなくステップS1911に進む。
ステップS1911では、スベリ数カウンタ172の値が0であるか否かを判定する。スベリ数カウンタ172の値が0でない場合には、ステップS1912にてスベリ数カウンタ172の値を1減算した後にステップS1906に戻る。一方、スベリ数カウンタ172の値が0である場合には、第1比較判定処理を終了するとともにステップS1913にて第2比較判定処理を行い、比較判定処理を終了する。
このように、第1比較判定処理では、到達図柄番号に最大スベリ数を加算した図柄番号から到達図柄番号までの各優先順位情報を比較する。このため、第1比較判定処理が終了した場合、暫定情報レジスタには前記各優先順位情報のうち最も大きな優先順位情報が格納され、暫定スベリ数レジスタには暫定情報レジスタに格納された優先順位情報と対応するスベリ数が格納されることとなる。
次に、第2比較判定処理を、図40のフローチャートに基づき説明する。
ステップS2001では、RAM106のスベリ数テーブル番号用バッファ157のうち、第2停止リールと対応するスベリ数テーブル用バッファに格納されている番号情報(以下、「スベリ数テーブル番号」とも言う。)が0であるか否かを判定する。スベリ数テーブル番号が0でない場合には、ステップS2002に進み、スベリ数テーブル番号と対応するスベリ数テーブルから到達図柄番号に設定されたスベリ数を取得し、当該スベリ数をスベリ数カウンタ172の値に加算する。なお、第1比較判定処理はスベリ数カウンタの値が0となった場合に終了するため、ステップS2002の処理を行った場合には、スベリ数カウンタ172にスベリ数テーブルから取得したスベリ数が格納されることとなる。ステップS2003では、到達図柄番号にスベリ数カウンタ172の値を加算することにより、判定用図柄番号を導出する。ステップS2004では、判定用図柄番号と対応する判定情報用バッファBを参照し、優先順位情報を取得する。
ステップS2005では、優先順位情報が暫定情報と等しい又はそれより大きいか否かを判定する。かかる処理では、第1比較判定処理におけるステップS1908と同一の処理を行う。このとき、暫定情報レジスタには、第1比較判定処理において比較した各優先順位情報のうち最も大きな優先順位情報が格納されている。つまり、ステップS2005では、第1比較判定処理において最も大きいと判定した優先順位情報と、スベリ数テーブルによって指定されたスベリ数と対応する図柄番号の優先順位情報と、を比較する。そして、優先順位情報が暫定情報と等しい又はそれより大きい場合には、ステップS2006にてスベリ数カウンタ172の値をスベリ数として取得し、優先順位情報が暫定情報より小さい場合には、ステップS2007にて暫定スベリ数レジスタの値をスベリ数として取得する。また、ステップS2001にてスベリ数テーブル番号が0であると判定した場合には、上記ステップS2005において比較する対象が存在しないため、ステップS2007にて暫定スベリ数レジスタの値をスベリ数として取得する。続くステップS2008では、到達図柄番号に取得したスベリ数を加算し、第2停止リールの基点位置に実際に停止させる停止図柄番号を導出する。ステップS2009では、導出した停止図柄番号を停止位置情報としてRAM106の停止位置用バッファ161に格納する。その後、第2比較判定処理を終了する。
このように、比較判定処理では、先ず第1比較判定処理において、到達図柄番号に最大スベリ数を加算した図柄番号から到達図柄番号までの各優先順位情報を比較し、最も大きな優先順位情報と当該優先順位情報に対応するスベリ数とを特定する。そして、第1停止指令発生に基づく停止準備処理においてスベリ数テーブル番号を取得していない場合、すなわちスベリ数テーブル番号ではなく引込ビットテーブル番号を取得している場合には、第1比較判定処理にて特定したスベリ数を実際のスベリ数として停止図柄番号を導出する。一方、第1停止指令発生に基づく停止準備処理においてスベリ数テーブル番号を取得している場合には、第1比較判定処理において特定した優先順位情報と、スベリ数テーブルによって指定されたスベリ数と対応する図柄番号の優先順位情報と、を比較する。そして、後者の優先順位情報が前者の優先順位情報と等しい又はそれより大きい場合には、スベリ数テーブルによって指定されたスベリ数を実際のスベリ数として停止図柄番号を導出し、後者の優先順位情報が前者の優先順位情報より小さい場合には、第1比較判定処理にて特定したスベリ数を実際のスベリ数として停止図柄番号を導出する。
ここで、比較判定処理及び判定情報用ビットBにおける各ビットの機能の理解を容易なものとするため、第1停止指令発生に基づく停止準備処理において引込ビットテーブル番号を取得した場合を例として説明する。
第1BBと再遊技に当選している状況において、左リール32Lの12番の「赤7」図柄が下段に停止した場合を説明する。かかる場合には、図41(a)に示すように、左リール32Lにおいて第1BB図柄たる「赤7」図柄が下段に停止するとともに再遊技図柄たる「リプレイ」図柄が上段に停止している。このため、第1BB入賞と再遊技入賞のいずれも成立する可能性がある。
第1停止指令発生に基づく停止情報設定処理では、中リール32Mの10番の入賞判定処理において、図41(b)に示すように右上がりラインL5上に「赤7」図柄が並んで停止する状況となるため、検索ラインが右上がりラインL5の際に判定情報用バッファBの役物ビットたる第2ビットに「1」を格納する。この結果、中リール32Mの10番の判定情報用バッファBは「1000011A」となる。なお、「A」は、引込ビットテーブルによって定まる値であって「0」又は「1」である。中リール32Mの11番の入賞判定処理では、図41(c)に示すように上ラインL1上で「リプレイ」図柄が並んで停止する状況となるため、検索ラインが上ラインL1の際に判定情報用バッファBの再遊技ビットたる第3ビット及び第2ビットに「1」を格納する。また、下ラインL3上で「赤7」図柄が並んで停止する状況となるため、検索ラインが下ラインL3の際に判定情報用バッファBの役物ビットたる第2ビットに「1」を格納する。なお、検索ラインが上ラインL1の際に第2ビットに既に「1」を格納しているため、検索ラインが下ラインL3の際には第2ビットに「1」を再度格納することとなる。この結果、中リール32Mの11番の判定情報用バッファBは「1000111A」となる。同様にして、中リール32Mの12番の判定情報用バッファBは「1000111A」となり、中リール32Mの13番の判定情報用バッファBは「1000001A」となり、中リール32Mの14番の判定情報用バッファBは「1000111A」となる(図41(d)参照)。
ここで、中リール32Mの10番の「青年」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ43が操作されて第2停止指令が発生した場合には、中リール32Mの停止結果は以下のとおりとなる。判定情報用バッファBの引込ビットの値が全て同じ場合(すなわちAが全て0又は全て1である場合)には、11番、12番、14番の優先順位情報が最も大きくなる。比較判定処理では、到達図柄番号に最大スベリ数を加算した図柄番号の優先順位情報から到達図柄番号の優先順位情報までを順に暫定情報と比較し、優先順位情報と暫定情報が等しい場合には暫定情報レジスタ及び暫定スベリ数レジスタの値を変更する。このため、判定情報用バッファBの引込ビットの値が全て同じ場合には、図41(c)に示すように、11番の「赤7」図柄が下段に停止することとなる。かかる場合には、下ラインL3上に「赤7」図柄が並んで停止するとともに上ラインL1上に「リプレイ」図柄が並んで停止するため、第1BB入賞と再遊技入賞のいずれも成立する余地が残る。一方、判定情報用バッファBの引込ビットの値が異なる場合には、11番、12番、14番のうち、引込ビットの値が1である図柄番号の優先順位情報が最も大きくなる。12番の優先順位情報が最も大きい場合には、図41(e)に示すように、右下がりラインL4上に「リプレイ」図柄が並んで停止するため、再遊技入賞のみ成立する余地が残る。14番の優先順位情報が最も大きい場合には、図41(f)に示すように、上ラインL1上に「リプレイ」図柄が並んで停止するため、再遊技入賞のみ成立する余地が残る。
このように、中リール32Mの停止出目は、判定情報用バッファBの引込ビットの値によって変化する。判定情報用バッファBの引込ビットの値は、左第1停止後情報に設定された引込ビットテーブル番号に基づいて格納される。ここで、27バイト構成のオフセット指定テーブルにおいては、左リール32Lの各図柄番号に対して引込ビットテーブル番号を設定することができる。また、左リール32Lの12番の「赤7」図柄が下段に停止する停止出目は、例えば左リール32Lの8番〜12番の図柄が下段に到達している際に停止指令が発生すると出現させることができる。このため、これら図柄番号に対して異なる引込ビットテーブル番号を設定することにより、左リール32Lの12番の「赤7」図柄が下段に停止するという1の停止出目に対して、中リール32Mの11番、12番、14番のいずれかが下段に停止する停止出目を出現させることが可能となり、停止出目の多様化を図ることが可能となる。
また、中リール32Mの10番の「青年」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ43が操作されて第2停止指令が発生した場合には、当該10番の「青年」図柄が下段に停止して「赤7」図柄が右上がりラインL5上に並ぶ停止出目は出現しない。つまり、停止情報設定処理では、第1BB入賞よりも再遊技入賞が優先して成立するように優先順位情報が作成される。これは判定情報用バッファBの各ビットの機能によるものである。すなわち、第2ビットが再遊技ビットとしての機能を有するとともに役物ビットとしての機能を有し、第3ビットが再遊技ビットとしての機能を有するため、「リプレイ」図柄が並んで停止することとなる図柄番号の優先順位情報の方が、「赤7」図柄が並んで停止することとなる図柄番号の優先順位情報よりも大きくなるからである。
次に、第1BB、スイカ、特殊スイカに当選している状況において、左リール32Lの12番の「赤7」図柄が下段に停止した場合を説明する。かかる場合には、図42(a)に示すように、左リール32Lにおいて第1BB図柄たる「赤7」図柄が下段に停止するとともにスイカ図柄たる「スイカ」図柄が中段に停止している。このため、第1BB入賞とスイカ入賞の成立する可能性がある。
第1停止指令発生に基づく停止情報設定処理では、中リール32Mの10番の入賞判定処理において上述した処理を行う。この結果、中リール32Mの10番の判定情報用バッファBは「1000011A」となる。中リール32Mの11番の入賞判定処理では、図42(a)に示すように下ラインL3上で「赤7」図柄が並んで停止する状況となるため、検索ラインが下ラインL3の際に判定情報用バッファBの役物ビットたる第2ビットに「1」を格納する。この結果、中リール32Mの11番の判定情報用バッファBは「1000011A」となる。中リール32Mの12番の入賞判定処理では、図42(b)に示すように当選図柄が並んで停止する状況とならないため、再遊技ビット等に「1」を格納する処理を行わない。この結果、中リール32Mの11番の判定情報用バッファBは「1000001A」となる。中リール32Mの14番の入賞判定処理においても同様であり、中リール32Mの14番の判定情報用バッファBは「1000001A」となる。中リール32Mの13番の入賞判定処理では、図42(c)に示すように中ラインL2上で「スイカ」図柄が並んで停止する状況となるため、検索ラインが中ラインL2の際に判定情報用バッファBの完全引込ビットたる第2ビットに「1」を格納するとともに、獲得枚数ビットたる第6ビット〜第3ビットに「7」すなわち「0111」を格納する。この結果、中リール32Mの13番の判定情報用バッファBは「1011111A」となる。つまり、第1BB、スイカ、特殊スイカに当選している状況において、中リール32Mの10番〜14番の優先順位情報は図42(d)に示すとおりとなる。
中リール32Mの10番の「青年」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ43が操作されて第2停止指令が発生した場合には、判定情報用バッファBの引込ビットの値に関わらず、13番の優先順位情報が最も大きくなる。このため、図42(c)に示すように、13番の「リプレイ」図柄が下段に停止することとなる。かかる場合には、中ラインL2上に「スイカ」図柄が並んで停止するため、スイカ入賞のみ成立する余地が残る。つまり、停止情報設定処理では、第1BB入賞よりもスイカ入賞(すなわち小役入賞)が優先して成立するように優先順位情報が作成される。これは判定情報用バッファBの各ビットの機能によるものである。すなわち、第2ビットが完全引込ビットとしての機能を有するとともに役物ビットとしての機能を有し、第6〜第3ビットが獲得枚数ビットとしての機能を有するため、「スイカ」図柄が並んで停止することとなる図柄番号の優先順位情報の方が、「赤7」図柄が並んで停止することとなる図柄番号の優先順位情報よりも大きくなるからである。
以上のとおり、優先順位情報は、判定情報用バッファBに「1」が多く格納されているほどその値が大きくなり、上位ビットに「1」が格納されているほどその値が大きくなる。
次に、左リール32Lが停止した後に中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第2停止指令が発生した場合に行う停止準備処理を、図19のフローチャートに基づき説明する。なお、基本的な処理の流れについては、第1停止指令が発生した場合に行う停止準備処理にて説明したとおりであるため省略し、以下では、第2停止指令が発生した場合に行う特有の処理を説明することとする。
第2停止指令が発生した場合に行う停止準備処理では、停止指令の発生していないリールが1つであるため、当該リールが対象リールである場合にステップS603にて否定判定をするとともにステップS605にて肯定判定をし、ステップS612にて第1停止後処理を行う。つまり、停止指令が発生していない1つのリールに対してのみ停止情報を設定する。
第1停止後処理では、図24のフローチャートに示すように、ステップS1001にてRAM106の停止リール特定用バッファ160を参照し、今回の停止指令が第1停止指令であるか否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるため否定判定をし、ステップS1004に進む。ステップS1004では、使用テーブル特定処理を行う。使用テーブル特定処理の詳細については上述したとおりである。但し、RAM106の第1停止後情報用バッファ162にマルチタイプテーブルを示す識別情報が格納されている場合、第1停止指令発生に伴う第1停止後処理では第2停止用データからテーブル種別及びテーブル番号を特定したが、第2停止指令発生に伴う第1停止後処理では第3停止用データからテーブル種別及びテーブル番号を特定する。使用テーブル特定処理を行った場合には、ステップS1005にて停止情報設定処理を行い、第1停止後処理を終了する。
停止情報設定処理では、図26のフローチャートに示すように、今回の停止指令が第2停止指令であるためステップS1104にて肯定判定をし、ステップS1105にて引込ビットテーブル変更処理を行う。
引込ビットテーブル変更処理では、図43のフローチャートに示すように、ステップS2101にてRAM106のグループ番号用バッファ153に格納されたグループ番号情報を参照する。本実施の形態では、図44に示すように10個のグループ番号を有しており、各グループ番号に対してそれぞれ役の当選状況が対応付けられている。具体的には、グループ番号「0」は、赤チェリーと白チェリーに当選している当選状況が対応付けられており、グループ番号「1」は、いずれの役にも当選していない外れの当選状況が対応付けられており、グループ番号「2」は、スイカと特殊スイカに当選している当選状況が対応付けられており、グループ番号「3」は、青年に当選している当選状況が対応付けられており、グループ番号「4」は、赤ベルに当選している当選状況が対応付けられており、グループ番号「5」は、白ベルに当選している当選状況が対応付けられており、グループ番号「6」は、赤チェリーに当選している当選状況が対応付けられており、グループ番号「7」は、白チェリーに当選している当選状況が対応付けられており、グループ番号「8」は、再遊技に当選している当選状況が対応付けられており、グループ番号「9」は、第1BBに当選している当選状況と、第2BBに当選している状況と、が対応付けられている。上述したとおり、グループ番号を示すグループ番号情報は、オフセット指定テーブルの基本設定情報に設定されており、リール回転処理のステップS401(図16参照)では、当選役判定用バッファ151を参照し、当選役と対応するオフセット指定テーブルを特定する。したがって、例えば再遊技のみに当選している状況で特定されるオフセット指定テーブルには、グループ番号として「8」が設定されており、外れの状況で特定されるオフセット指定テーブルには、グループ番号として「1」が設定されている。なお、複数の役に当選している状況で選択されるオフセット指定テーブルには、当選役と対応する各グループ番号のうちいずれか1つが設定されている。例えば、第1BB、赤ベル、白ベル、赤チェリー、白チェリーに当選している状況(IV=12の際に当選となった状況)で特定されるオフセット指定テーブルには、グループ番号として「5」が設定されている。
続くステップS2102では、グループ番号と対応する変更テーブルが記憶されているか否かを判定する。変更テーブルは、ROM105の変更テーブル記憶領域105iに予め記憶されており、本実施の形態では、変更テーブル記憶領域105iにグループ番号「2」と対応する変更テーブルが記憶されている。このため、本実施の形態におけるステップS2102では、グループ番号が「2」であるか否かを判定する。グループ番号と対応する変更テーブルが記憶されていない場合には、そのまま引込ビットテーブル変更処理を終了し、グループ番号と対応する変更テーブルが記憶されている場合には、ステップS2103〜ステップS2105に示す処理を行った後に引込ビットテーブル変更処理を終了する。
図45は、グループ番号「2」と対応する変更テーブルを示す図である。変更テーブルには、2つのリールの図柄番号の組合せと、引込ビットテーブルのテーブル番号と、が定められている。ステップS2103では、既に停止指令が発生している2つのリールの停止図柄番号を確認する。続くステップS2104では、既に停止指令が発生している2つのリールが変更テーブルに規定された2つのリールと一致するか否かを判定するとともに、これらリールの停止図柄番号の組合せが変更テーブルに規定された図柄番号の組合せと一致するか否かを判定する。共に一致する場合には、ステップS2105に進み、RAM106の引込ビットテーブル番号用バッファ158に記憶されているテーブル番号を、変更テーブルに規定されたテーブル番号に変更する。その後、引込ビットテーブル変更処理を終了する。一方、変更テーブルに規定された2つのリールのうち一方のリールに停止指令が発生していない場合、又は変更テーブルに規定された2つのリールに既に停止指令が発生しているものの少なくとも一方の停止図柄番号が変更テーブルに規定された図柄番号と異なる場合には、引込ビットテーブル番号を変更することなく引込ビットテーブル変更処理を終了する。
かかる引込ビットテーブル変更処理を行うことにより、2つのリールの停止出目が変更テーブルに規定された所定の停止出目となった場合に、引込ビットテーブル番号を変更することでオフセット指定テーブルの引込ビットテーブル番号に基づく優先順位情報と異なる優先順位情報を作成することが可能となる。この結果、2つのリールの停止図柄が所定の組合せとなった場合に、全リール32L,32M,32R停止時の停止出目を開発者等が優先的に表示したい停止出目としたり、所謂チャンス目等の停止出目の出現を回避したりすることが可能となる。ちなみに、本実施の形態では、左リール32Lと中リール32Mに対して停止指令が発生し、スイカ入賞と特殊スイカ入賞のいずれも成立し得る停止出目となった場合に、特殊スイカ入賞ではなくスイカ入賞を優先して成立させるべく引込ビットテーブル変更処理を行っている。
引込ビットテーブル変更処理が終了した場合には、ステップS1106にて優先順位情報作成処理を行う。優先順位情報作成処理では、既に停止指令が発生している2つのリールの停止出目又は停止予定の出目に対して、残り1つのリールについて各図柄番号が基点位置に停止した場合を想定し、その想定した対象図柄番号について優先順位情報を作成する。第2停止指令が発生した場合に行う優先順位情報作成処理では、ステップS1207の入賞判定処理において特有の処理を行う。このため以下では、かかる特有の処理について説明する。
入賞判定処理のステップS1406にて行う不当入賞判定処理を、図46のフローチャートに基づいて説明する。ここで、不当入賞とは、抽選の対象となっている役を構成する図柄の組合せが、その役に当選していないにも関わらず有効ライン上に停止してしまうことを言う。そして、不当入賞判定処理では、不当入賞が発生してしまう図柄番号について、不当入賞が発生しない図柄番号よりも確実に優先順位情報が小さくなるように当該優先順位情報を作成する。
ステップS2201では、RAM106の停止リール特定用バッファ160を参照し、第2停止指令が発生しているか否かを判定する。第2停止指令が発生した場合に行う入賞判定処理では、ステップS2201にて肯定判定をし、ステップS2202に進む。ステップS2202では、今回の不当入賞判定処理において不当入賞か否かの判定対象となる役の情報を設定すべく、不当入賞用のマスク情報を設定する。
不当入賞用のマスク情報について簡単に説明すると、不当入賞用のマスク情報は、成立判定情報に対応させて2バイトで構成されており、不当入賞か否かの判定対象となる全ての役の役対応情報をOR処理した情報となっている。例えば、通常遊技状態で設定される不当入賞用のマスク情報は、「0000001111111111」となっている。マスク情報は、ROM105のマスク情報記憶領域105gに記憶されており、当該マスク情報記憶領域105gには、遊技状態等に応じたマスク情報が複数記憶されている。ステップS2202では、不当入賞か否かの判定対象となる役が遊技状態等に応じたものとなるように不当入賞用のマスク情報を選択し、当該マスク情報をCPU102に設けられたマスク情報用レジスタに記憶させる。
続くステップS2203では、算出用情報を作成する処理を行う。具体的には、RAM106の当選役判定用バッファ151に格納された当選情報の各ビットを反転させ、この反転させた情報とマスク情報用レジスタに記憶されたマスク情報とをAND処理し、算出用情報を作成する。ステップS2204では、回避用情報を作成する処理を行う。具体的には、RAM106の成立判定用バッファ171に格納された成立判定情報を取得し、その取得した成立判定情報に対して上記算出用情報をAND処理し、回避用情報を作成する。その後、ステップS2205では、回避用情報に基づいて不当入賞が発生するか否かを判定する。
ここで、第1BBの不当入賞が発生しない場合に作成される回避用情報と、第1BBの不当入賞が発生する場合に作成される回避用情報と、を例示して説明する。
先ず不当入賞が発生しない場合について説明する。通常遊技状態において設定されるマスク情報は、上記のとおり「0000001111111111」となっている。また、通常遊技状態において第1BBに当選している場合には、当選情報が「0000000000000010」となる。かかる場合における算出用情報は、マスク情報の「0000001111111111」と、当選情報の反転である「1111111111111101」とをAND処理することにより、「0000000011111101」となる。また、検索ライン上に第1BB図柄が並んで停止している場合には、成立判定情報が「0000000000000010」となる。したがって、この場合における回避用情報は、「0000000011111101」と「0000000000000010」とをAND処理することにより「0000000000000000」となる。
次に不当入賞が発生する場合について説明する。通常遊技状態において設定されるマスク情報は、上記のとおり「0000001111111111」となっている。また、通常遊技状態においていずれの役にも当選していない場合、当選情報は「0000000000000000」となる。かかる場合における算出用情報は、マスク情報の「0000001111111111」と、当選情報の反転である「1111111111111111」とをAND処理することにより、「0000001111111111」となる。また、検索ライン上に第1BB図柄が並んで停止している場合には、成立判定情報が「0000000000000010」となる。したがって、この場合における回避用情報は、「0000001111111111」と「0000000000000010」とをAND処理することにより「0000000000000010」となる。
このように、不当入賞が発生しない場合には、回避用情報の各ビットの値が全て「0」となる一方、不当入賞が発生する場合には、回避用情報の各ビットのうちいずれかの値が「1」となる。そこで、ステップS2205では、回避用情報のいずれかのビットに「1」が格納されているか否かを判定することにより、不当入賞が発生するか否かを判定する。
不当入賞が発生しない場合には、そのまま不当入賞判定処理を終了し、入賞判定処理のステップS1407以降の処理を行う。一方、不当入賞が発生する場合には、ステップS2206にて今回の対象図柄番号における判定情報用バッファBの全ビットに「0」を格納し、不当入賞判定処理を終了するとともに今回の対象図柄番号における入賞判定処理を終了する。つまり、不当入賞が発生する場合には、入賞判定処理のステップS1407以降の処理を行わない。
ここで、上述したように、判定情報用バッファBにおける不当入賞判定ビットは、初期値で「1」が格納されている。これに対して、不当入賞が発生すると判定した場合、判定情報用バッファBには、不当入賞判定ビットを含めた全ビットに「0」が格納される。この結果、不当入賞が発生しない対象図柄番号の優先順位情報に対して不当入賞が発生する対象図柄番号の優先順位情報を小さくすることができる。したがって、対象リールにおいて不当入賞の発生する図柄番号が基点位置に停止することを防止でき、不当入賞の発生を防止することができる。
入賞判定処理の説明に戻り、第2停止指令が発生した場合に行う入賞判定処理では、ステップS1409にて肯定判定をし、ステップS1410にて指定図柄設定処理を行う。指定図柄設定処理では、図47のフローチャートに示すように、ステップS2301にて今回の検索ラインが無効ラインであるか否か、すなわち今回の検索ラインが有効ラインとして設定されていない組合せラインであるか否かを判定する。今回の検索ラインが有効ラインである場合には、ステップS2302に進み、0枚役に当選しているか否かを判定する。今回の検索ラインが有効ラインであって0枚役に当選していない場合には、そのまま指定図柄設定処理を終了する。一方、今回の検索ラインが無効ラインである場合、又は0枚役に当選している場合には、ステップS2303にて判定情報用バッファBの指定図柄判定ビットに「0」を格納した後に、指定図柄設定処理を終了する。
次に、第3停止指令が発生した場合に行う停止位置決定処理を説明する。
第3停止指令が発生した場合に行う停止位置決定処理は、第2停止指令が発生した場合に行う停止位置決定処理と同じである。すなわち、ステップS907にて比較判定処理を行う。
次に、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第1停止指令が発生した場合に行う各処理を説明する。なお、基本的な処理については上述したとおりであるため、以下では、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第1停止指令が発生した場合に行う特有の処理について詳細に説明する。
先ず、リール回転処理において行う停止準備処理を説明する。かかる停止準備処理では、図19のフローチャートに示すように、ステップS607において対象リールが左リール32Lであるか否かを判定する。対象リールが中リール32M又は右リール32Rである場合には、ステップS608にて停止情報設定処理を行う。
停止情報設定処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1101において今回用いるテーブルがスベリ数テーブルであるか否かを判定する。具体的には、停止準備処理のステップS606において取得した第1停止用設定情報の識別情報が、スベリ数テーブルを示す識別情報であるか否かを判定する。スベリ数テーブルである場合には、ステップS1102に進み、RAM106のスベリ数テーブル番号用バッファ157に第1停止用設定情報が示すテーブル番号を格納する。スベリ数テーブルでない場合には、ステップS1103に進み、RAM106の引込ビットテーブル番号用バッファ158に第1停止用設定情報が示すテーブル番号を格納する。続くステップS1104では、今回の停止指令が第2停止指令であるか否かを判定する。今回は停止指令が発生していないため否定判定をし、ステップS1105の引込ビットテーブル変更処理を行うことなくステップS1106の優先順位情報作成処理を行う。その後、停止情報設定処理を終了する。
優先順位情報作成処理では、図27に示すステップS1201〜ステップS1208の処理を行う。但し、停止指令の発生しているリールが存在しないので、対象リールのみについて各図柄番号が基点位置に停止した場合を想定し、その想定した対象図柄番号について優先順位情報を作成する。
ステップS1206の引込ビット情報設定処理(図29参照)では、ステップS1301の引込ビット情報展開前準備処理において、引込ビット情報検索用バッファ167の初期化のみを行う。そして、ステップS1302〜S1305の処理を行い、対象リールの引込ビット情報検索用バッファ167に引込ビット情報を格納する。
ステップS1207の入賞判定処理(図32参照)では、対象リールが左リール32Lでなく中リール32M又は右リール32Rであるため、ステップS1404にて否定判定をし、ステップS1405にて修正処理を行う。
修正処理では、図48のフローチャートに示すように、ステップS2401にて左リール32Lが既に停止しているか否かを判定する。左リール32Lが停止している場合には、修正処理を行うことなくそのまま本処理を終了する。左リール32Lが停止していない場合には、ステップS2402に進み、ラインマスク情報の指定があるか否かを判定する。ラインマスク情報は、上述したマスク情報と同様にROM105のマスク情報記憶領域105gに記憶されており、当該マスク情報記憶領域105gには、スロットマシン10の機種毎に対応させたラインマスク情報が記憶されている。本実施の形態では、ラインマスク情報の指定がなされていないため、ステップS2402にて否定判定をし、ステップS2403に進む。ステップS2403では、汎用ラインマスク情報を取得し、当該汎用ラインマスク情報をCPU102に設けられたラインマスク情報用レジスタに記憶させる。
汎用ラインマスク情報は、成立判定情報と対応させて2バイトで構成されるとともに、赤チェリー及び白チェリーの役対応情報において「1」が格納されているビットに「0」、他のビットに「1」が格納されている。つまり、汎用ラインマスク情報は、「1111110011111111」となっている。
ステップS2404では、成立判定情報の修正を行う。具体的には、上記汎用ラインマスク情報と成立判定情報とをAND処理し、当該結果を新たな成立判定情報としてRAM106の成立判定用バッファ171に格納する。かかる処理を行うことにより、成立判定情報の各ビットのうち、赤チェリー及び白チェリーの役対応情報において「1」が格納されているビットの値が「0」に変更される。かかる処理を行うのは、以下の理由による。
すなわち、上記のとおり赤チェリー及び白チェリーは、当選となっている場合に有効ライン上に左リール32Lの対応する「チェリー」図柄が停止すれば入賞成立となり中リール32M及び右リール32Rの停止図柄は任意であるため、中リール32M及び右リール32Rについては全ての図柄の図柄対応情報において赤チェリー及び白チェリーと対応したビットに「1」が格納されている(図34参照)。かかる構成においては、左リール32Lに停止指令が発生しておらず、且つ左リール32Lが対象リールでない場合、成立判定情報は常に赤チェリー及び白チェリーに対応した図柄の組合せを構成している旨の情報を含むこととなる。そうすると、ステップS1408の当選時処理において優先順位情報の作成を正確に行えなくなってしまう。これに対して、上記のとおり成立判定情報の修正処理を行うことにより、かかる不都合の発生を防止することができる。
次に、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第1停止指令が発生した場合に行う停止準備処理のうち、入賞判定処理におけるステップS1406の不当入賞判定処理とステップS1414の停止エラー回避処理を説明する。
不当入賞判定処理では、図46のフローチャートに示すように、ステップS2201において第2停止指令が発生しているか否かを判定する。第2停止指令が発生していない場合には、ステップS2207に進み、対象リールが左リール32Lであるか否かを判定する。対象リールが左リール32Lである場合には、さらにステップS2208にて検索ライン上に左リール32Lの「赤チェリー」図柄又は「白チェリー」図柄があるか否かを判定する。対象リールが左リール32Lでない場合、又は対象リールが左リール32Lであって検索ライン上に「赤チェリー」図柄と「白チェリー」図柄が無い場合には、そのまま不当入賞判定処理を終了する。一方、対象リールが左リール32Lであって検索ライン上に「赤チェリー」図柄又は「白チェリー」図柄がある場合には、ステップS2202〜ステップS2205の処理を行い、不当入賞が発生するか否かを判定する。かかる状況において不当入賞判定処理を行うことにより赤チェリーと白チェリーの不当入賞の発生を防止することができる。
上記のように、第2停止指令が発生していない場合であっても、対象リールが左リール32Lであって、検索ライン上に左リール32Lの「赤チェリー」図柄又は「白チェリー」図柄がある場合に不当入賞判定処理を行うのは、赤チェリー入賞と白チェリー入賞が有効ライン上に左リール32Lの対応する「チェリー」図柄が停止するだけで成立し、他のリール32M,32Rの停止出目と無関係だからである。
停止エラー回避処理を、図49のフローチャートに基づき説明する。
ステップS2501では、RAM106の停止リール特定用バッファ160を参照し、停止指令の発生しているリールが1つか否かを判定する。停止指令の発生しているリールが1つでない場合には、そのまま本処理を終了する。停止指令の発生しているリールが1つである場合には、ステップS2502にてRAM106の停止リール特定用バッファ160を参照し、左リール32Lが回転中であるか否かを判定する。左リール32Lが回転中である場合には、さらにステップS2503にてRAM106の対象リール情報用バッファ156を参照し、対象リールが左リール32Lであるか否かを判定する。左リール32Lが回転中でない場合、又は今回の対象リールが左リール32Lである場合には、そのまま本処理を終了する。一方、左リール32Lが回転中であって、今回の対象リールが中リール32M又は右リール32Rである場合には、ステップS2504以降の処理を行う。
ステップS2504では、RAM106のグループ番号用バッファ153に格納されたグループ番号情報を参照する。続くステップS2505では、グループ番号と対応する回避テーブルが記憶されているか否かを判定する。回避テーブルは、ROM105の回避テーブル記憶領域105hに予め記憶されており、本実施の形態では、回避テーブル記憶領域105hにグループ番号「0」、「1」、「3」、「5」、「6」、「7」、「9」、「10」と対応する回避テーブルが記憶されている。このため、本実施の形態におけるステップS2505では、グループ番号が上記各番号のいずれかであるか否かを判定する。グループ番号と対応する回避テーブルが記憶されていない場合には、そのまま停止エラー回避処理を終了し、グループ番号と対応する回避テーブルが記憶されている場合には、ステップS2506〜ステップS2509に示す処理を行った後に停止エラー回避処理を終了する。
図50(a)は、グループ番号「0」と対応する回避テーブルを示す図であり、図50(b)は、グループ番号「1」と対応する回避テーブルを示す図である。回避テーブルには、2つのリール(本実施の形態では中リール32Mと右リール32R)の図柄番号の組合せが定められている。ステップS2506では、停止指令が発生しているリールの停止図柄番号を確認し、ステップS2507では、現在の対象図柄番号を確認する。そして、ステップS2508では、停止図柄番号と対象図柄番号の組合せが回避テーブルに規定された図柄番号の組合せと一致するか否かを判定する。共に一致する場合には、ステップS2509に進み、今回の対象図柄番号における判定情報用バッファBの指定図柄判定ビットに「0」を格納する。その後、停止エラー回避処理を終了する。一方、停止図柄番号又は対象図柄番号が回避テーブルに規定された図柄番号と一致しない場合には、そのまま停止エラー回避処理を終了する。
かかる停止エラー回避処理を行うことにより、不当入賞の発生を回避できなくなる事象が発生することを回避できる。具体例を挙げて説明すると、外れの状況で中リール32Mの3番の「リプレイ」図柄を下段に停止させるとともに右リール32Rの17番の「リプレイ」図柄を下段に停止させた場合、左リール32Lの0番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42を操作されると不当入賞の発生を回避できなくなる。左リール32Lを滑らせることなくそのまま停止させた場合には、下ラインL3上に「リプレイ」図柄が並んで停止するため不当入賞が発生し、左リール32Lを1図柄〜3図柄分滑らせた後に停止させた場合には、いずれかの有効ライン上に左リール32Lの「赤チェリー」図柄が停止するため不当入賞が発生し、左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させた場合には、下ラインL3上に「リプレイ」図柄が並んで停止するため不当入賞が発生するからである。そこで、停止エラー回避処理では、左リール32Lに停止指令が発生していない状況で中リール32M又は右リール32Rに停止指令が発生した場合、停止指令の発生していない右リール32R又は中リール32Mの優先順位情報を作成する際に、不当入賞の発生を回避できない停止出目(以下、「回避停止出目」とも言う。)となる判定情報用バッファBの指定図柄判定ビットに「0」を格納する。判定情報用バッファBにおける指定図柄判定ビットは初期値で「1」が格納されているため、かかる処理を行うことにより、回避停止出目となる対象図柄番号の優先順位情報を、回避停止出目でない対象図柄番号の優先順位情報に対して小さくすることができる。この結果、第2停止指令が発生した際に回避停止出目となることを回避でき、不当入賞の発生を回避できなくなる事象が発生することを回避できる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
停止指令が発生して対応するリールの停止図柄番号を決定する場合、第1停止指令として左リール32Lを停止させる場合を除き、比較判定処理を行って停止図柄番号を決定する構成とした。比較判定処理では、先ず第1比較判定処理において、到達図柄番号に最大スベリ数を加算した図柄番号から到達図柄番号までの各優先順位情報を比較し、最も大きな優先順位情報と当該優先順位情報に対応するスベリ数とを特定する。そして、第1停止指令発生に基づく停止準備処理においてスベリ数テーブル番号を取得していない場合、すなわちスベリ数テーブル番号ではなく引込ビットテーブル番号を取得している場合には、第1比較判定処理にて特定したスベリ数を実際のスベリ数として停止図柄番号を導出する。一方、第1停止指令発生に基づく停止準備処理においてスベリ数テーブル番号を取得している場合には、第1比較判定処理において特定した優先順位情報と、スベリ数テーブルによって指定されたスベリ数と対応する図柄番号の優先順位情報と、を比較する。そして、後者の優先順位情報が前者の優先順位情報と等しい又はそれより大きい場合には、スベリ数テーブルによって指定されたスベリ数を実際のスベリ数として停止図柄番号を導出し、後者の優先順位情報が前者の優先順位情報より小さい場合には、第1比較判定処理にて特定したスベリ数を実際のスベリ数として停止図柄番号を導出する。かかる構成とすることにより、予め記憶するデータ量の増大化を抑制しつつ、停止出目の多様化を図ることが可能となる。
すなわち、第1停止指令発生に基づく停止準備処理においてスベリ数テーブル番号を取得していない場合には、第1比較判定処理にて特定したスベリ数を実際のスベリ数として停止図柄番号を導出する構成とすることにより、役の当選状況やリールの停止結果等とそれぞれ対応したスベリ数テーブルを用意する必要がなくなり、予め記憶させておくスベリ数テーブルの数を抑制することが可能となる。また、第2比較判定処理を行うことにより、スベリ数テーブルを役の抽選結果が異なる状況等において共通使用することが可能となる。かかる観点からも予め記憶させておくスベリ数テーブルの数を抑制することが可能となる。以上の結果、リールの停止制御に関して予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
ここで、具体例を挙げて説明する。なお、理解を容易なものとするため、本実施の形態と異なる図柄配列及び入賞態様を有する構成を例として説明する。具体的には、各リール32L,32M,32Rに「白7」図柄が1つのみ配置されており、有効ライン上に「白7」図柄が並んで停止した場合にBB入賞成立となり、有効ライン上に左から「白7」図柄、「青年」図柄、「白7」図柄が並んで停止した場合に小役入賞成立となる構成を説明する。BBにのみ当選している状況で特定されるオフセット指定テーブルには、左第1停止用情報として「白7」図柄が上段に停止するスベリ数テーブル番号が設定されており、中第1停止後情報として「白7」図柄が中段に停止するスベリ数テーブル番号が特定される組合せテーブル番号が設定されており、右第1停止後情報として「白7」図柄が下段に停止する引込ビットテーブル番号が特定される組合せテーブル番号が設定されている。各リール32L,32M,32Rの停止図柄番号を上述した各テーブルに基づいて導出した場合には、「白7」図柄を上述した各位置に停止させることが可能なタイミングで各ストップスイッチ42〜44が操作されれば図51(a)に示す停止出目が出現することとなる。一方、左リール32Lと右リール32Rの「白7」図柄を上述した各位置に停止させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ42と右ストップスイッチ44が操作されるとともに、中リール32Mの「白7」図柄を上段,中段,下段のいずれにも停止させることができないタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、図51(b)に示す停止出目が出現する。
先ず、第2比較判定処理を有さない構成について説明する。
左リール32Lの「白7」図柄を上段に停止させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生し、右リール32Rの「白7」図柄を下段ではなく上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44が操作されて第2停止指令が発生した場合を考える。かかる場合には、右リール32Rの「白7」図柄が上段に停止する図柄番号の優先順位情報が最も大きくなるため、図51(c)に示すように右リール32Rの「白7」図柄が上段に停止する。
図51(c)に示す状況において、中リール32Mの「白7」図柄を上段,中段,下段のいずれにも停止させることができないタイミングで中ストップスイッチ43が操作されて第3停止指令が発生した場合、中リール32Mの停止図柄番号をスベリ数テーブルに基づいて導出すると、図51(d)に示す停止出目が出現することとなる。上述したとおり、有効ライン上に「白7」図柄、「青年」図柄、「白7」図柄が並んで停止した場合には小役入賞成立である。このため、中リール32Mの停止図柄番号をスベリ数テーブルに基づいて導出した場合には、上ラインL1上で不当入賞が発生してしまう。また、図51(c)に示す状況において、例えば中リール32Mの「白7」図柄が上段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作されて第3停止指令が発生した場合、中リール32Mの停止図柄番号をスベリ数テーブルに基づいて導出すると、図51(e)に示す停止出目が出現することとなる。つまり、上ラインL1上でBB入賞を成立させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ43を操作したにも関わらずBB入賞が成立しない事象が発生する。
次に、第2比較判定処理を有する構成について説明する。
図51(c)に示す状況において、中リール32Mの「白7」図柄を上段,中段,下段のいずれにも停止させることができないタイミングで中ストップスイッチ43が操作されて第3停止指令が発生した場合には、中第1停止後情報としてスベリ数テーブル番号が特定される組合せテーブル番号が設定されているため、第1比較判定処理に加えて第2比較判定処理が行われる。ここで、図51(d)に示す中リール32Mの停止出目と対応する図柄番号の判定情報用バッファBには、不当入賞判定処理において全ビットに「0」が格納される。このため、第2比較判定処理では、第1比較判定処理において特定した優先順位情報の方が、図51(d)に示す中リール32Mの停止出目と対応する図柄番号の優先順位情報よりも大きいという判定を行う。この結果、第2比較判定処理を行う構成においては、スベリ数テーブルに設定されたスベリ数ではなく第1比較判定処理において特定されたスベリ数によって停止図柄番号が導出され、図51(d)に示す停止出目が出現することはない。
図51(c)に示す状況において、中リール32Mの「白7」図柄が上段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作されて第3停止指令が発生した場合についても、中第1停止後情報としてスベリ数テーブル番号が特定される組合せテーブル番号が設定されているため、第1比較判定処理に加えて第2比較判定処理が行われる。ここで、図51(e)に示す中リール32Mの停止出目と対応する図柄番号の判定情報用バッファBは、BB図柄が並んで停止しないため、役物ビットに「0」が格納されたままとなる(すなわち「10000010」となる)。一方、中リール32Mの「白7」図柄が上段に停止する図柄番号の判定情報用バッファBは、BB図柄が並んで停止するため、役物ビットに「1」が格納される(すなわち「10000110」となる)。このため、第2比較判定処理では、第1比較判定処理において特定した優先順位情報、すなわち中リール32Mの「白7」図柄が上段に停止する図柄番号の優先順位情報の方が、図51(e)に示す中リール32Mの停止出目と対応する図柄番号の優先順位情報よりも大きいという判定を行う。この結果、第2比較判定処理を行う構成においては、スベリ数テーブルに設定されたスベリ数ではなく第1比較判定処理において特定されたスベリ数によって停止図柄番号が導出され、図51(e)に示す停止出目が出現するのではなく図51(f)に示す停止出目が出現し、上ラインL1上でBB入賞が成立する。
このように、第2比較判定処理を行うことにより、不当入賞が発生することを回避したり、当選役と対応する入賞を成立させることが可能なタイミングで停止指令が発生したにも関わらず入賞を成立させない停止制御を行う事象が発生することを回避したりすることが可能となる。確かに、第2比較判定処理を行うのではなく、2つのリールの停止図柄番号に基づいてスベリ数テーブル番号を変更する構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、役の当選状況やリールの停止結果等を考慮したスベリ数テーブルを予め用意しておく必要が生じ、予め記憶させておくデータ量が増大化することとなる。一方、第2比較判定処理を行う構成においては、上記各事象が発生した場合であってもスベリ数テーブルではなく優先順位情報に基づいて停止図柄番号を導出することができるため、予め用意しておくスベリ数テーブルを少なくすることができ、予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
また、図51に示した例においては、中リール32Mのスベリ数テーブルを、例えば各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が下ラインL3上に並んで停止することを想定したオフセット指定テーブルにおいて特定されるよう設定したり、各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が中ラインL2上に並んで停止することを想定したオフセット指定テーブルにおいて特定されるよう設定したりすることができる。そして、仮にスベリ数テーブルに基づいて中リール32Mの停止図柄番号を導出した場合に不具合が発生することがあったとしても、第2比較判定処理を行うことで不具合の発生を回避することができる。つまり、スベリ数テーブルを役の抽選結果が異なる状況等において共通使用することが可能となり、予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
停止指令が発生していないリールの優先順位情報を作成する停止準備処理を、各リール32L,32M,32Rが定常回転となる前に行うとともに、停止指令が発生してから次の停止指令が発生するまでに行う構成とした。すなわち、停止指令が発生していないリールの優先順位情報を、停止指令が発生する前に作成する構成とした。かかる構成とすることにより、停止指令が発生してから停止図柄番号を導出するまでに要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。また、いずれかのリールの停止図柄番号が導出されている場合には、当該停止図柄番号に基づいて優先順位情報を作成する構成とした。かかる構成とすることにより、停止出目の多様化を図ることが可能となる。加えて、停止指令が発生していないリールの優先順位情報を作成する場合に全図柄番号の優先順位情報を作成する構成としたため、到達図柄番号がいずれの図柄番号であったとしても、優先順位情報を用いて停止図柄番号を導出することが可能となる。つまり、ストップスイッチの操作タイミングに関わらず優先順位情報に基づいて停止図柄番号を導出することが可能となる。
優先順位情報作成処理において、各判定情報用バッファBの各ビットに「0」又は「1」を格納して優先順位情報を作成し、第1比較判定処理すなわち停止指令が発生した後の処理において、スベリ数の導出を行う構成とした。かかる構成とすることにより、例えば停止準備処理において各図柄番号に対してスベリ数を導出する構成と比して、停止準備処理に要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。また、第2比較判定処理を行う構成においては、第1比較判定処理で導出したスベリ数と、スベリ数テーブルに設定されたスベリ数と、のいずれを用いて停止図柄番号を導出するかを優先順位情報の大小によって決定できるため、停止図柄番号を導出する際に要する処理時間の短縮化をも図ることが可能となる。
主制御装置101のRAM106に、各リール32L,32M,32Rの各図柄番号と1対1で対応する判定情報用バッファBを設けるとともに、当該判定情報用バッファBを1バイトで構成した。かかる構成とすることにより、判定情報用バッファBを2バイト以上で構成した場合と比して、優先順位情報作成処理の処理プログラムを簡素化することが可能となるとともに、RAM106の優先順位情報用バッファ163の容量を小さくすることが可能となる。この結果、ROM105やRAM106の容量が増大化することを抑制することが可能となる。また、判定情報用バッファBを2バイト以上で構成した場合と比して、比較判定処理において各優先順位情報を比較する際に要する時間を短縮することが可能となり、停止図柄番号を導出するまでに要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。
入賞判定処理では、対象図柄番号と、既に停止指令が発生している場合であれば停止図柄番号と、を用いて不当入賞発生の有無やBB等の入賞成立の有無を判定し、各判定情報用バッファBの各ビットに「0」又は「1」を格納する構成とした。かかる構成とすることにより、停止指令が発生した場合に上記各判定を行わずとも優先順位情報を用いることで停止図柄番号を導出することができる。故に、停止指令が発生してから比較的短時間で停止図柄番号を導出することが可能となる。
判定情報用バッファBに不当入賞判定ビットを割り当て、実際に規定位置に停止させた場合に不当入賞が発生することとなる図柄番号と対応した判定情報用バッファBの不当入賞判定ビットに「0」を格納し、不当入賞が発生しない図柄番号と対応した判定情報用バッファBの不当入賞判定ビットに「1」を格納するようにした。かかる構成とすることにより、不当入賞の発生する図柄番号の優先順位情報が不当入賞の発生しない図柄番号の優先順位情報よりも小さくなり、不当入賞の発生を回避することができる。
判定情報用バッファBに獲得枚数ビットを割り当てた。そして、実際に規定位置に停止させた場合にメダルの払出が発生する又はメダルの払出の可能性を生じさせる図柄番号の判定情報用バッファBには、払出枚数情報が仮想払出上限値情報より小さければ、払出枚数情報を獲得枚数ビットに格納するようにした。かかる構成とすることにより、例えば1の遊技回において払出枚数が異なる複数の小役に当選となった場合に、払出枚数の多い小役入賞が発生する又はその小役入賞の可能性を生じさせる図柄番号の優先順位情報を大きくすることができる。この結果、払出枚数の多い小役入賞が優先して成立するように停止図柄番号を導出することができ、遊技者の利益を担保することができる。
例えば、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞として10枚のメダル払出が行われ、有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出が行われる構成において、左リール32Lの上段に「ベル」図柄が停止すると共に下段に「スイカ」図柄が停止した場合を考える。なお、仮想払出上限値は15と設定されることとする。ベルとスイカに共に当選している遊技回で上記停止出目となった場合、中リール32Mと右リール32Rの各判定情報用バッファBには、左リール32Lと対象リールの「ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止することとなる図柄番号の獲得枚数ビットに「0101」が格納され、左リール32Lと対象リールの「スイカ」図柄が有効ライン上に並んで停止することとなる図柄番号の獲得枚数ビットに「1110」が格納されることとなる。このため、中リール32Mと右リール32Rの各優先順位情報は、不当入賞が発生する図柄番号を除き、「ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止することとなる図柄番号の優先順位情報よりも「スイカ」図柄が有効ライン上に並んで停止することとなる図柄番号の優先順位情報の方が大きくなる。この結果、ベル入賞よりもスイカ入賞が優先して成立するように停止図柄番号が導出されることとなり、遊技者の利益を担保することができる。
例えば1の遊技回において払出枚数が異なる複数の小役に当選となった場合に、払出枚数の多い小役入賞が発生する又はその小役入賞の可能性を生じさせる図柄番号の優先順位情報を大きくする構成としては、本実施の形態のように獲得枚数ビットを割り当てるのではなく、小役と対応する小役ビットを割り当てる構成が考えられる。具体的には、上述した例において、スイカと対応するスイカビットと、ベルと対応するベルビットと、を判定情報用バッファBに設けるとともに、スイカビットをベルビットよりも上位側に設ける構成とする。しかしながら、かかる構成においては、例えば払出枚数が異なる小役の数が増加した場合、判定情報用バッファBを1バイトに収められなくなる可能性が生じ得る。また、当選時処理における小役に関わる処理を、役や払出枚数が異なるスロットマシンを開発する毎に変更する必要が生じる。一方、獲得枚数ビットを割り当てた構成においては、上記各懸念を好適に解消しつつ、払出枚数の多い小役入賞が発生する又はその小役入賞の可能性を生じさせる図柄番号の優先順位情報を大きくすることが可能となる。
入賞判定処理では、各有効ラインについて当選時処理を行い、小役図柄が並んで停止していると判定した場合には、前記判定を行う度に小役図柄と対応する入賞が成立した際のメダル払出枚数を獲得枚数バッファ166に格納されている払出枚数情報に加算する構成とした。かかる構成においては、例えば小役の1つにのみ当選となった場合に払出枚数情報を獲得枚数ビットに格納することにより、複数の有効ラインにて入賞成立の可能性が残る図柄番号の優先順位情報を最も大きくすることができ、複数の有効ラインにて入賞成立の可能性が残る図柄番号を停止図柄番号として導出することができる。この結果、役の抽選に当選したにも関わらず入賞が成立しない取りこぼしの発生頻度を低減させることが可能となり、遊技者の優位性を確保することが可能となる。また、入賞が成立した際のメダル払出枚数に関する情報は、メダル払出を行うスロットマシン10において必須の情報である。そこで、獲得枚数バッファ166にメダル払出枚数を払出枚数情報として格納する構成とすることにより、主制御装置101のROM105に予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
獲得枚数設定処理では、RAM106の獲得枚数バッファ166に格納されている払出枚数情報と、RAM106の仮想払出上限値用バッファ154に格納されている仮想払出上限値情報と、を比較し、払出枚数情報が仮想払出上限値情報と等しい又はそれより大きいか否かを判定する。そして、払出枚数情報が仮想払出上限値情報よりも小さい場合には、払出枚数情報を判定情報用バッファBの獲得枚数ビットに格納し、払出枚数情報が仮想払出上限値情報と等しい又はそれより大きい場合には、仮想払出上限値情報を判定情報用バッファBの獲得枚数ビットに格納する。かかる構成とすることにより、スロットマシン10の開発者が意図する停止出目を出現させることが可能となる。
例えば、本実施の形態において、スイカと特殊スイカに共に当選し、左リール32Lの上段に「青年」図柄が停止するとともに下段に「スイカ」図柄が停止した場合を考える。かかる場合、中リール32Mの「スイカ」図柄が中段に停止することとなる図柄番号の当選時処理では、検索ラインが右下がりラインL4のときに獲得枚数バッファ166に7が加算され、検索ラインが右上がりラインL5のときに獲得枚数バッファ166に7が加算される。この結果、獲得枚数バッファ166の払出枚数情報は14となる。一方、中リール32Mの「スイカ」図柄が上段又は下段に停止することとなる図柄番号の当選時処理では、検索ラインが上ラインL1又は下ラインL3のときに獲得枚数バッファ166に7が加算されるのみであるため、獲得枚数バッファ166の払出枚数情報は7となる。したがって、仮想払出上限値として8以上の値を設定した場合には、「スイカ」図柄が中段に停止することとなる図柄番号の優先順位情報が、「スイカ」図柄が上段又は下段に停止することとなる図柄番号の優先順位情報より大きくなり、中リール32Mの「スイカ」図柄が中段に停止する。中リール32Mの「スイカ」図柄を中段に停止させた場合には、右下がりラインL4上で特殊スイカ入賞の成立する余地を残すことができるとともに、右上がりラインL5上でスイカ入賞の成立する余地を残すことができる。
ここで、中リール32Mと右リール32Rには、「スイカ」図柄が最大スベリ数の範囲内で配置されている。このため、スイカと特殊スイカに共に当選している場合には、スイカ入賞と特殊スイカ入賞のいずれも成立する余地が残るように優先順位情報を定めなくとも取りこぼしは発生しない。つまり、いずれの位置に中リール32Mの「スイカ」図柄を停止させた場合であっても遊技者の優位性は損なわれない。そこで、仮想払出上限値として7以下の値を設定する。かかる構成とした場合には、「スイカ」図柄が上段、中段、下段の各位置に停止することとなる図柄番号の獲得枚数ビットの値が等しくなる。この結果、引込ビットの値によって優先順位情報に差異をつけることが可能となり、開発者の意図する停止出目を出現させることが可能となる。
判定情報用バッファBに役物ビットを割り当てたため、第1BB又は第2BBに当選した場合に優先順位情報を用いて対応するBB入賞が成立するように停止図柄番号を導出することができる。また、判定情報用バッファBに完全引込ビットを割り当て、取りこぼしの発生しない小役入賞が発生する又はその小役入賞の可能性を生じさせる図柄番号の完全引込ビットに「1」を格納する構成とし、さらに、当該完全引込ビットを役物ビットと同一ビットに割り当てた。かかる構成とすることにより、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。確かに、獲得枚数ビットを役物ビットよりも上位側に割り当てた本実施の形態においては、小役とBBに共に当選している状況において、優先順位情報を用いて小役入賞がBB入賞よりも優先して成立するように停止図柄番号を導出することが可能である。しかしながら、例えば完全引込ビットを有さない構成とした場合には、取りこぼしの発生しない小役にのみ当選している遊技回と、取りこぼしの発生しない小役とBBに共に当選している遊技回と、において異なる停止出目が出現する可能性が高くなる。取りこぼしの発生しない小役とBBに共に当選している遊技回では、1の有効ライン上で当選小役図柄が並んで停止するとともに他の有効ライン上で当選BB図柄が並んで停止することとなる図柄番号の優先順位情報が最も大きくなるからである。このため、取りこぼしの発生しない小役にのみ当選している遊技回では、1の有効ライン上で当選小役図柄が並んで停止するとともに他の有効ライン上でBB図柄が並んで停止しない停止出目が出現し、取りこぼしの発生しない小役とBBに共に当選している遊技回では、1の有効ライン上で当選小役図柄が並んで停止するとともに他の有効ライン上で当選BB図柄が並んで停止する停止出目が出現するという事象が発生し得る。これは、取りこぼしの発生しない小役入賞が成立した場合に、停止出目によってBB当選の有無が分かってしまい、遊技が単調化することに繋がる。上記懸念を解消すべく、例えば完全引込ビットを役物ビットよりも上位側に設ける構成とすることも可能であるが、かかる構成とした場合には、判定情報用バッファBを1バイトに収めることが困難となり、記憶容量の増大化に繋がる。一方、完全引込ビットを役物ビットと同一ビットに設けた構成とした場合には、上記各懸念を好適に解消することが可能となる。
判定情報用バッファBに再遊技ビットを割り当てたため、再遊技に当選した場合に優先順位情報を用いて再遊技入賞が成立するように停止図柄番号を導出することができる。また、役物ビットを第2ビットに設けるとともに、再遊技ビットを役物ビットとしての機能を有する第2ビットに加えて第3ビットにも設ける構成とすることにより、再遊技とBBに共に当選している状況において、優先順位情報を用いて再遊技入賞がBB入賞よりも優先して成立するように停止図柄番号を導出することができるとともに、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。確かに、再遊技ビットを第3ビットにのみ割り当てる構成とした場合であっても、再遊技とBBに共に当選している状況において、優先順位情報を用いて再遊技入賞がBB入賞よりも優先して成立するように停止図柄番号を導出することが可能である。しかしながら、例えば第2ビットが再遊技ビットとしての機能を有さない構成とした場合には、再遊技にのみ当選している遊技回と、再遊技とBBに共に当選している遊技回と、において異なる停止出目が出現する可能性が高くなる。再遊技とBBに共に当選している遊技回では、1の有効ライン上で再遊技図柄が並んで停止するとともに他の有効ライン上で当選BB図柄が並んで停止することとなる図柄番号の優先順位情報が最も大きくなるからである。このため、再遊技にのみ当選している遊技回では、1の有効ライン上で再遊技図柄が並んで停止するとともに他の有効ライン上でBB図柄が並んで停止しない停止出目が出現し、再遊技とBBに共に当選している遊技回では、1の有効ライン上で再遊技図柄が並んで停止するとともに他の有効ライン上で当選BB図柄が並んで停止する停止出目が出現するという事象が発生し得る。これは、再遊技入賞が成立した場合に、停止出目によってBB当選の有無が分かってしまい、遊技が単調化することに繋がる。一方、役物ビットに再遊技ビットとしての機能を付与した場合には、上記懸念を好適に解消することが可能となる。つまり、再遊技ビットとしての機能を役物ビットを含む複数のビットに割り当てることにより、優先順位情報を用いて再遊技入賞がBB入賞よりも優先して成立するように停止図柄番号を導出することができるとともに、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
また、判定情報用バッファBの第3ビットは、再遊技ビットとしての機能に加えて獲得枚数ビットとしての機能も有している。本実施の形態では、1の遊技回において再遊技と小役に共に当選となる機会は発生しない。このため、再遊技入賞成立の可能性に関わる再遊技ビットの機能と、小役入賞成立の可能性に関わる獲得枚数ビットの機能と、を同一ビットに付与した場合であっても、優先順位情報を用いて停止図柄番号を導出した場合に小役入賞又は再遊技入賞が成立しない等の不具合が発生しない。つまり、1の遊技回において同時に当選とならない役又は役種の入賞成立の可能性に関わる機能を同一ビットに付与することにより、判定情報用バッファBの容量を小さくすることが可能となり、当該判定情報用バッファBを1バイトに収めることができる。
判定情報用バッファBに指定図柄判定ビットを割り当てた。そして、停止エラー回避処理では、実際に規定位置に停止させた場合に回避停止出目となる図柄番号と対応した判定情報用バッファBの指定図柄判定ビットに「0」を格納し、回避停止出目とならない図柄番号と対応した判定情報用バッファBの指定図柄判定ビットに「1」を格納するようにした。かかる構成とすることにより、回避停止出目となる図柄番号の優先順位情報が回避停止出目とならない図柄番号の優先順位情報よりも小さくなり、回避停止出目が出現することを回避することができる。また、停止エラー回避処理を行って回避停止出目が出現することを回避可能な構成とすることにより、データ容量の増大化を抑制するとともに、スロットマシン10を開発する際の開発負荷やデバック工数の増大化を抑制することが可能となる。
確かに、停止エラー回避処理を行うのではなく、回避停止出目が出現しないように引込ビットテーブルの引込ビット情報を設定することも可能である。しかしながら、これは、予め用意すべき引込ビットテーブル数の増加に伴うデータ容量の増大化が懸念されるのみならず、スロットマシン10を開発する際の開発負荷やデバック工数の増大化が懸念されることとなる。また、入賞成立となる図柄の組合せを多数有する構成とした場合には、前記懸念がより顕著なものとなる。一方、停止エラー回避処理を行う構成においては、例えばデバック作業の途中で回避停止出目の出現を回避できないとなった場合、当該回避停止出目を回避テーブルに記憶し、停止エラー回避処理において回避停止出目の出現を回避すれば良い。故に、データ容量の増大化を抑制するとともに、スロットマシン10を開発する際の開発負荷やデバック工数の増大化を抑制することが可能となる。
停止エラー回避処理を、停止指令の発生しているリールが1つであることに基づいて行う構成とした。かかる構成とすることにより、最初に停止させるリールの停止出目に関して自由度を確保しつつ、第2停止指令の発生に基づいて停止させるリールの停止出目によって回避停止出目の出現を回避することが可能となる。例えば停止指令が発生していない状況で回避停止出目の出現を回避するよう優先順位情報を作成することも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、例えばスイカに当選していない状況では中リール32Mと右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しないという事象が生じ得る。これは、停止出目に著しい制約が生じるのみならず、1つのリールが停止した時点で役の抽選結果が遊技者に把握されてしまう事態に陥りかねず、遊技が単調化する可能性が懸念されることとなる。
停止エラー回避処理を、左リール32Lが回転中であって対象リールが中リール32M又は右リール32Rであることに基づいて行う構成、すなわち中リール32Mと右リール32Rの停止出目を判定する構成とした。ちなみに、回避停止出目は、第3停止時に左リール32Lを停止させる場合の停止出目すなわち中リール32Mと右リール32Rによる停止出目が最も多くなる。これは、左リール32Lの「赤チェリー」図柄と「白チェリー」図柄が他のリール32M,32Rの停止出目に関わらず入賞成立となる図柄であることに起因する。そこで、停止エラー回避処理を、左リール32Lが回転中であって対象リールが中リール32M又は右リール32Rであることに基づいて行う構成とすることにより、回避停止出目の出現を好適な形で回避することができる。
回避テーブルには、2つのリールの図柄番号の組合せを記憶し、停止エラー回避処理では、中リール32Mの図柄番号と、右リール32Rの図柄番号と、の組合せにより、指定図柄判定ビットに「0」を格納するか否かを判断する構成とした。かかる構成とすることにより、停止エラー回避処理に要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。例えば、図柄番号の組合せではなく図柄の組合せによって判断する構成とした場合には、図柄番号と対応する図柄を把握する処理が別途必要となり、処理時間が長大化してしまうこととなるからである。さらにいうと、表示窓から1つのリールに対して3個の図柄が視認可能であって、上段,中段,下段の各位置に有効ラインが設定される構成においては、図柄ではなく図柄番号によって上記判断を行う構成とすることにより、全ての有効ラインにおける図柄の組合せを考慮した判断を行うことができる。故に、停止エラー回避処理に関わる処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
回避テーブル記憶領域105hには、グループ番号と対応する回避テーブルを予め記憶し、停止エラー回避処理では、グループ番号と対応する回避テーブルが記憶されている場合、当該回避テーブルを用いて指定図柄判定ビットに「0」を格納するか否かを判断し、グループ番号と対応する回避テーブルが記憶されていない場合、前記判断を行うことなく停止エラー回避処理を終了する構成とした。グループ番号と対応する回避テーブルが記憶されていない場合に前記判断を行うことなく停止エラー回避処理を終了する構成とすることにより、優先順位情報の作成に要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。また、グループ番号と対応する回避テーブルを予め記憶する構成とすることにより、停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。例えば役の抽選結果に関わらず1の回避テーブルを用いて前記判断を行う構成とした場合には、優先順位情報の作成に要する処理時間が長大化するのみならず、例えば赤チェリー等に当選して不当入賞とならない状況であっても中リール32Mと右リール32Rの図柄番号の組合せが回避停止出目であると判断する機会が発生し、停止出目が過剰な制約を受けることとなるからである。さらにいうと、グループ番号は、各役に対して設定されているのではなくオフセット指定テーブルに対して設定されている。つまり、グループ番号は役の当選状況と対応して設定されている。かかる構成とすることにより、予め記憶する回避テーブルの数を削減することが可能となり、予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
判定情報用バッファBに引込ビットを割り当てたため、優先順位情報を用いて停止図柄番号を導出する場合であっても停止出目の多様化を図ることが可能となる。例えば、引込ビットを割り当てない構成とした場合には、外れの状況において不当入賞が発生する図柄番号を除いて優先順位情報に差異が生じなくなる。また、何らかの役に当選した場合であっても、入賞成立の可能性が生じない図柄番号については不当入賞が発生する図柄番号を除いて優先順位情報に差異が生じなくなる。第1比較判定処理では優先順位情報が全て等しい場合にスベリ数として「0」を設定するため、引込ビットを割り当てなかった場合には、各リール32L,32M,32Rが滑ることなくそのまま停止するという事象が発生し、停止出目が単調化する。一方、引込ビットを割り当てた構成においては、上記各状況であっても優先順位情報に差異を生じさせることができ、停止出目を多様化させることが可能となる。また、引込ビットテーブル記憶領域105dに引込ビットテーブルを予め記憶し、引込ビット設定処理では、引込ビットテーブルを用いて引込ビットに引込ビット情報を格納する構成とした。かかる構成とすることにより、開発者の所望する停止出目を出現させることが可能となる。加えて、引込ビットテーブルに引込ビット情報として「0」又は「1」を設定する構成とすることにより、1つの図柄番号に対する引込ビット情報を1ビットに収めることが可能となる。この結果、1つの引込ビットテーブルを3バイトで構成することが可能となり、予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。なお、このように引込ビット情報を2種類とした構成においては、開発者の所望する停止出目に対して実際に出現させることが可能な停止出目が少なくなり得る。しかしながら、第2比較判定処理を行って停止図柄番号を導出する本実施の形態においては、役の抽選結果等に基づいて、引込ビットテーブルを用いて停止出目の多様化を図る場合と、スベリ数テーブルを用いて停止出目の多様化を図る場合と、を選択することが可能となる。故に、上記懸念を好適に解消しつつ、予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
オフセット指定テーブルには、最初にリールを停止させる場合に用いる停止情報を設定するための第1停止用設定情報と、1つのリールを停止させた後に用いる停止情報を設定するための第1停止後用設定情報と、を設定した。そして、これら設定情報には、引込ビットテーブルとスベリ数テーブルのいずれを用いるかを特定するための情報を各リール32L,32M,32Rについて設定した。かかる構成とすることにより、予め記憶するスベリ数テーブルの数を抑制するのみならず、予め記憶する引込ビットテーブルの数をも抑制することが可能となり、好適にデータ量の削減を図ることが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、停止指令が発生する前に停止準備処理を行って優先順位情報を作成する構成としたが、停止指令が発生した後に当該停止指令の発生したリールの優先順位情報を作成する構成としても良い。かかる構成とする場合には、上記実施の形態のように全図柄番号の優先順位情報を作成するのではなく、到達図柄番号から当該到達図柄番号に最大スベリ数を加算した図柄番号までの優先順位情報を作成すれば良い。
(2)上記実施の形態では、獲得枚数ビットを役物ビットより上位側に設けることにより、小役とBBに共に当選している状況において小役入賞がBB入賞より優先して成立するように優先順位情報が作成される構成としたが、小役入賞よりBB入賞を優先して成立させる構成においては、獲得枚数ビットを役物ビットより下位側に設ければ良い。また、かかる場合には、完全引込ビットを役物ビットよりも下位側に設ける、又は完全引込ビットを設けない構成とする必要がある。
(3)上記実施の形態では、獲得枚数ビットを役物ビットより上位側に設けたが、取りこぼしの発生する小役を有さない構成においては、獲得枚数ビットを役物ビットより下位側に設けても良い。役物ビットと完全引込ビットを同一ビットに割り当てることにより、獲得枚数ビットを役物ビットより下位側に設けた場合であっても、小役入賞成立の可能性がある図柄番号の優先順位情報をBB入賞成立の可能性がある優先順位情報よりも大きくすることができる。
(4)上記実施の形態では、獲得枚数ビットを設ける構成としたが、これに代えて小役入賞成立の可能性を示す小役ビットを設ける構成としても良い。例えば、第6ビットを赤チェリー又は白チェリーの入賞成立の可能性を示すチェリービットとし、第5ビットをスイカ又は特殊スイカの入賞成立の可能性を示すスイカビットとし、第4ビットを赤ベル又は白ベルの入賞成立の可能性を示すベルビットとし、第3ビットを青年の入賞成立の可能性を示す青年ビットとする。
(5)上記実施の形態では、RAM106に獲得枚数バッファ166を設け、当選時処理において小役図柄が並んでいると判定した場合にメダル払出枚数を獲得枚数バッファ166に格納する構成としたが、判定情報用バッファBの獲得枚数ビットに格納する構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、獲得枚数設定処理において獲得枚数ビットに格納されている情報を仮想払出上限値情報に変更し得る構成とすれば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(6)上記実施の形態では、判定情報用バッファBの第2ビットが再遊技ビットとしての機能を有するとともに役物ビットとしての機能を有する構成としたが、再遊技ビットとしての機能を有さない構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、第3ビットが再遊技ビットとしての機能を有するため、再遊技とBBに共に当選した場合に再遊技入賞がBB入賞より優先して成立するように優先順位情報を作成することができる。
(7)上記実施の形態では、判定情報用バッファBの第2ビットに役物ビットとしての機能と再遊技ビットとしての機能を付与し、第2ビットより上位側の第3ビットに再遊技ビットとしての機能を付与する構成としたが、再遊技ビットとしての機能を役物ビットを含む複数のビットに割り当てる構成とすれば上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。したがって、例えば第1ビットと第2ビットが再遊技ビットとしての機能を有する構成としても良いし、第2ビットと第5ビットが再遊技ビットとしての機能を有する構成としても良い。
(8)上記実施の形態では、再遊技に当選している状況で検索ライン上に再遊技図柄が並んで停止していると判定した場合、第3ビットに「1」を格納する構成としたが、第3ビット〜第6ビットの全てに「1」を格納する構成としても良い。
(9)上記実施の形態では、判定情報用バッファBに再遊技ビットを割り当てる構成としたが、再遊技ビットを割り当てない構成としても良い。再遊技入賞が成立した場合に再遊技の特典を付与するということは、再遊技入賞の成立したゲームでベットされたメダル数を払い出す特典を付与することと実質的に等しい。また、「リプレイ」図柄は各リール32L,32M,32Rに最大スベリ数の範囲内で配置されているため、再遊技に当選した場合に取りこぼしが発生することはない。加えて、再遊技と小役に同一ゲームで当選することもない。そこで、当選時処理において「リプレイ」図柄が並んで停止していると判定した場合には、獲得枚数バッファにベット数を加算するとともに、完全引込ビットに「1」を格納する構成とする。かかる構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(10)上記実施の形態では、停止位置決定処理において、スベリ数を決定した後に停止図柄番号を導出する構成としたが、スベリ数を決定するのではなく停止図柄番号を直接決定する構成としても良い。
(11)上記実施の形態では、比較判定処理において優先順位情報が大きいものと対応するスベリ数を導出する構成としたが、優先順位情報が小さいものと対応するスベリ数を導出する構成としても良い。かかる構成とする場合には、例えば、判定情報用バッファBの不当入賞判定ビットと指定図柄判定ビットの初期値を「0」とするとともに他のビットの初期値を「1」とする。そして、不当入賞判定処理及び停止エラー回避処理では、対応するビットに「0」ではなく「1」を格納する構成とし、当選時処理では、役物ビット等に「1」ではなく「0」を格納する構成とする。また、獲得枚数設定処理では、獲得枚数ビットの値から払出枚数情報等を減算する構成とする。かかる構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(12)上記実施の形態では、不当入賞が発生する図柄番号と対応する判定情報用バッファBの全ビットに「0」を格納したが、不当入賞判定ビットにのみ「0」を格納する構成としてもよい。かかる構成とした場合であっても、判定情報用バッファBにおいて不当入賞判定ビットが最上位に割り当てられているため、不当入賞が発生する図柄番号の優先順位情報を最も小さくすることができる。
(13)上記実施の形態では、引込ビットテーブルから引込ビット情報合成値を算出し、これを各判定情報用バッファBの引込ビットに格納する構成としたが、これに代えて、引込ビットテーブルに設定された引込ビット情報をそのまま引込ビットに格納する構成としても良い。
(14)判定情報用バッファBにおける各ビットの並び順は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他の並び順としてもよい。
(15)判定情報用バッファBにおける獲得枚数ビットに格納する情報は、払出枚数の情報に限定されるものではなく、払出枚数に対応した情報を格納する構成としてもよい。
(16)上記実施の形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。当該構成においては、判定情報用バッファBに関して、払い出す賞品と対応した情報を獲得枚数ビットに格納するようにする。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(17)上記実施の形態では、有効ラインが複数設定されるスロットマシン10について説明したが、有効ラインが一のラインに限定されたスロットマシン10に対して上記実施の形態におけるリール32L,32M,32Rの停止制御に関する構成を適用してもよい。また、有効ラインが5ライン以上設定されたスロットマシン10に対して上記実施の形態におけるリール32L,32M,32Rの停止制御に関する構成を適用してもよい。
(18)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。
(19)上記実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選などが挙げられる。
(20)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下、本発明の遊技機を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
遊技機1.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓26L,26M,26R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段(リールユニット31に設けられたステッピングモータ)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記各駆動手段を開始駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置101の始動用割込み処理機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記停止操作手段が操作されて停止指令が発生した場合、対応する周回体の周回を停止させるように、且つ、前記役の抽選に当選するとともに前記停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合には、当選している役と対応する当選絵柄が前記表示窓から視認できる有効位置(有効ライン)に停止するように前記各駆動手段を停止駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置101のリール停止処理機能)と、
前記有効位置に前記当選絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合、入賞成立として特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のメダル払出処理等)と
を備えた遊技機において、
前記各周回体を周方向にそれぞれ区画した複数の区画領域(図柄番号)と、各区画領域に付された絵柄との対応関係を記憶する対応関係記憶手段(ROM105の図柄対応テーブル記憶領域105e)と、
前記停止指令が発生した場合に、対応する周回体の各区画領域のうち、予め定めた規定位置(下段)に到達している到達区画領域(到達図柄番号)を把握する到達区画領域把握手段(主制御装置101の到達図柄番号取得処理機能S903,S1905)と、
前記停止指令が発生した場合、前記到達区画領域把握手段の把握結果に基づいて、対応する周回体の各区画領域のうち、前記規定位置に停止させる停止区画領域(停止図柄番号)を決定する停止区画領域決定手段(主制御装置101の停止位置決定処理機能S702)と、
前記停止指令が発生してから対応する周回体が停止するまでの間に前記規定位置を通過させる区画領域数に関わる通過情報(スベリ数)を前記区画領域毎に定めた通過情報群(スベリ数テーブル)を記憶する通過情報群記憶手段(ROM105のスベリ数テーブル記憶領域105b)と、
前記停止区画領域が決定されていない周回体を停止させる場合に用いる停止情報(優先順位情報)を導出する停止情報導出手段(主制御装置101の優先順位情報作成処理機能S1106)と、
前記停止情報を記憶する停止情報記憶手段(RAM106の優先順位情報用バッファ163)と
を備え、
前記停止駆動制御手段は、前記停止区画領域決定手段の決定した停止区画領域が前記規定位置に停止するよう対応する駆動手段を停止駆動制御し、
前記停止区画領域決定手段は、
前記停止指令が発生したことに基づいて、予め定めた規定期間に前記規定位置に到達させることが可能な到達可能区画領域を把握する到達可能区画領域把握手段(主制御装置101の第1比較判定処理における判定用図柄番号導出処理機能S1906)と、
前記停止情報記憶手段に記憶された前記到達区画領域及び前記到達可能区画領域の全停止情報を比較判定し、判定結果情報(暫定スベリ数レジスタに格納される情報)を導出する比較判定手段(主制御装置101の第1比較判定処理機能S1906〜S1912)と、
前記通過情報群記憶手段に所定の通過情報群が記憶されているか否かを判定する判定手段(主制御装置101のスベリ数テーブル番号確認処理機能S2001)と、
前記判定手段が前記所定の通過情報群が記憶されていると判定した場合、前記通過情報と前記到達区画領域とに基づいて判断用区画領域を導出する判断用区画領域導出手段(主制御装置101の第2比較判定処理における判定用図柄番号導出処理機能S2003)と、
前記判定結果情報と対応する停止情報と、前記判断用区画領域の停止情報と、を比較判定し、当該判定結果が特定結果(優先順位情報が暫定情報より小さい)である場合には、前記判定結果情報に基づいて前記停止区画領域を導出し、前記判定結果が前記特定結果でない場合には、前記通過情報に基づいて前記停止区画領域を導出する停止区画領域導出手段(主制御装置101の第2比較判定処理におけるスベリ数取得処理機能S2006,S2007及び停止図柄番号導出処理機能S2008)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、各周回体はそれぞれ複数の区画領域に区画されており、各区画領域に付された絵柄との対応関係が記憶されている。そして、停止指令が発生した場合、対応する周回体の各区画領域のうち予め定めた規定位置に到達している到達区画領域を把握し、この規定位置に停止させる停止区画領域を決定する。このとき、予め定めた規定期間に規定位置に到達させることが可能な到達可能区画領域を把握し、停止情報記憶手段に記憶された到達区画領域及び到達可能区画領域の全停止情報を比較判定し、判定結果情報を導出する。また、通過情報群記憶手段に所定の通過情報群が記憶されている場合には、通過情報と到達区画領域とに基づいて判断用区画領域を導出し、判定結果情報と対応する停止情報と、判断用区画領域の停止情報と、を比較判定し、当該判定結果が特定結果である場合には、判定結果情報に基づいて停止区画領域を導出し、判定結果が特定結果でない場合には、通過情報に基づいて停止区画領域を導出する。かかる構成とすることにより、停止情報記憶手段に記憶された停止情報を用いて周回体の停止制御を行うことが可能となり、通過情報群記憶手段に予め記憶する通過情報群の数を抑制することが可能となる。
また、判定結果情報と対応する停止情報と、判断用区画領域の停止情報と、を比較判定し、当該判定結果が特定結果である場合には、判定結果情報に基づいて停止区画領域を導出し、判定結果が特定結果でない場合には、通過情報に基づいて停止区画領域を導出する構成とすることにより、所定の通過情報群を例えば役の抽選結果が異なる状況等において共通使用することが可能となり、通過情報群記憶手段に予め記憶する通過情報群の数を抑制することが可能となる。
以上の結果、停止制御に関するデータ量の増加を抑制することによって記憶容量の増大化を回避させることが可能となる。
遊技機2.上記遊技機1において、前記判定手段が前記所定の通過情報群が記憶されていないと判定した場合、前記判定結果情報に基づいて停止区画領域を導出する停止区画領域第2導出手段(主制御装置101の第2比較判定処理におけるスベリ数取得処理機能S2007及び停止図柄番号導出処理機能S2008)を備えたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、判定手段が所定の通過情報群が記憶されていないと判定した場合、判定結果情報に基づいて停止区画領域を導出する。かかる構成とすることにより、停止情報記憶手段に記憶された停止情報を用いて周回体の停止制御を行うことが可能となり、通過情報群記憶手段に予め記憶する通過情報群の数を抑制することが可能となる。
遊技機3.上記遊技機1又は遊技機2において、前記停止情報導出手段は、前記停止区画領域を決定されている周回体がある場合、当該周回体の停止区画領域に基づいて前記停止情報を導出することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、既に決定された周回体の停止区画領域に基づいて、停止区画領域の決定されていない周回体の停止情報が導出される。かかる構成とすることにより、停止区画領域の決定結果によってその後に停止させる周回体の停止結果を変化させることが可能となり、停止出目を多様化させることが可能となる。
遊技機4.上記遊技機1乃至遊技機3のいずれかにおいて、前記停止情報導出手段は、前記停止指令が発生する前までに、前記停止区画領域が決定されていない少なくとも1つの周回体について全区画領域の停止情報を区画領域毎に導出することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、停止指令が発生する前までに、停止区画領域が決定されていない少なくとも1つの周回体について全区画領域の停止情報を区画領域毎に導出する。このように停止指令が発生する前段階で全区画領域の停止情報を区画領域毎に導出することにより、停止操作手段の操作タイミングに関わらず比較的速やかに到達区画領域及び到達可能区画領域の全停止情報を比較判定することが可能となり、停止区画領域を導出するまでに要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。
遊技機5.上記遊技機4において、前記停止情報記憶手段を、前記各区画領域と1対1で対応する情報記憶手段(判定情報用バッファB)を有する構成とし、前記情報記憶手段を1バイト以下で構成したことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、情報記憶手段を1バイト以下で構成したため、停止情報を記憶するための記憶容量が増大化することを抑制することが可能となる。また、情報記憶手段を2バイト以上で構成した場合と比して、比較的速やかに到達区画領域及び到達可能区画領域の全停止情報を比較判定することが可能となり、停止区画領域を導出するまでに要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。
遊技機6.上記遊技機5において、前記停止情報導出手段は、前記区画領域が前記規定位置に到達した場合に前記有効位置に到達する到達絵柄を区画領域毎に把握する到達絵柄把握手段(主制御装置101のライン判定処理機能S1402)と、当該到達絵柄把握手段の把握した到達絵柄と前記役の抽選結果に基づいて入賞成立の可能性を区画領域毎に判断する入賞可能性判断手段(主制御装置101の当選図柄成立判定処理機能S1601)とを備え、前記情報記憶手段には、前記入賞可能性判断手段の判断結果を示す入賞可能性情報を記憶する入賞可能性記憶領域(判定情報用バッファBにおける獲得枚数ビット,再遊技ビット,役物ビット,完全引込ビット)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、区画領域が規定位置に到達した場合に有効位置に到達する到達絵柄が区画領域毎に把握され、当該到達絵柄と役の抽選結果に基づいて入賞成立の可能性が判断される。そして、その判断結果を示す入賞可能性情報が、情報記憶手段に設けられた入賞可能性記憶領域に記憶される。入賞成立の可能性の判断結果を含む停止情報を導出することにより、前記判断を停止指令の発生後に行う必要が無くなり、当選した役と対応する絵柄を有効位置に停止させる必要がある場合であっても比較的短時間で停止区画領域を導出することが可能となる。
遊技機7.上記遊技機6において、前記役の種別として、入賞が成立した場合に遊技者に有利な特別遊技状態に移行する特典が付与される特別役種(第1BB、第2BB)と、入賞が成立した場合に再遊技の特典が付与される再遊技役種(再遊技)と、を有し、1の遊技回において前記再遊技役種にのみ当選となる機会と、1の遊技回において前記再遊技役種と前記特別役種に共に当選となる機会と、が生じる遊技機であって、前記情報記憶手段は、前記入賞可能性記憶領域として、前記特別役種に関する前記入賞可能性判断手段の判断結果を示す特別役種入賞可能性情報が記憶される特別役種情報記憶領域(役物ビット)と、前記再遊技役種に関する前記入賞可能性判断手段の判断結果を示す再遊技役種入賞可能性情報が記憶される再遊技役種情報記憶領域(再遊技ビット)と、を有し、前記再遊技役種情報記憶領域は、前記特別役種情報記憶領域を含むとともに当該特別役種情報記憶領域より大きいことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、再遊技役種情報記憶領域は、特別役種情報記憶領域を含むとともに当該特別役種情報記憶領域より大きい。かかる構成とすることにより、再遊技役種と特別役種に共に当選している状況において、停止情報を比較判定することで再遊技役種入賞が特別役種入賞よりも優先して成立するように停止区画領域を導出することが可能となる。また、再遊技役種情報記憶領域が特別役種情報記憶領域を含む構成とすることにより、再遊技役種にのみ当選している遊技回と、再遊技役種と特別役種に共に当選している遊技回と、において同一の停止出目を出現させることが可能となる。この結果、再遊技役種入賞が成立した場合であっても特別役種に当選していることを遊技者に期待させることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技機8.上記遊技機6又は遊技機7において、前記役の種別として、入賞が成立した場合に遊技者に有利な特別遊技状態に移行する特典が付与される特別役種(第1BB、第2BB)と、役の抽選に当選した場合に前記停止操作手段の操作順序及び操作タイミングに関わらず入賞が成立する入賞成立役種(スイカ、特殊スイカ)と、を有し、1の遊技回において前記入賞成立役種にのみ当選となる機会と、1の遊技回において前記入賞成立役種と前記特別役種に共に当選となる機会と、が生じる遊技機であって、前記情報記憶手段には、前記入賞可能性記憶領域として、前記特別役種に関する前記入賞可能性判断手段の判断結果を示す特別役種入賞可能性情報が記憶される特別役種情報記憶領域(役物ビット)と、前記入賞成立役種に関する前記入賞可能性判断手段の判断結果を示す入賞成立役種入賞可能性情報が記憶される入賞成立役種情報記憶領域(完全引込ビット)と、を同一記憶領域に設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、特別役種情報記憶領域と入賞成立役種情報記憶領域は情報記憶手段の同一記憶領域に設けられている。特別役種情報記憶領域と入賞成立役種情報記憶領域を異なる記憶領域に設けた場合には、入賞成立役種と特別役種に共に当選している状況において、特別役種と対応する入賞が成立する可能性のある区画領域の停止情報と、入賞成立役種と対応する入賞が成立する可能性のある区画領域の停止情報と、に入賞可能性情報の記憶された位置によって差異が生じることとなる。これは、入賞成立役種にのみ当選している遊技回と、入賞成立役種と特別役種に共に当選している遊技回と、で異なる停止出目が出現する可能性が高くなり、遊技が単調化する可能性が懸念される。しかしながら、特別役種情報記憶領域と入賞成立役種情報記憶領域を同一記憶領域に設けた構成においては、上記各遊技回において同一の停止出目を出現させることが可能となる。この結果、入賞成立役種と対応する入賞が成立した場合であっても特別役種に当選していることを遊技者に期待させることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技機9.上記遊技機6において、前記役の種別として、入賞が成立した場合に遊技媒体を払い出す特典が付与される払出役種(スイカ、特殊スイカ、赤ベル、白ベル、赤チェリー、白チェリー、青年)を有し、前記停止情報導出手段は、前記入賞可能性判断手段が前記払出役種と対応する入賞成立の可能性があると判断した場合、前記入賞成立時に付与される特典と対応する数値情報(払出枚数情報)を導出する特典導出手段(主制御装置101の獲得枚数バッファ加算処理機能S1607)を備え、前記情報記憶手段には、前記入賞可能性記憶領域として、前記特典導出手段の導出した数値情報を記憶可能な特典記憶領域(獲得枚数ビット)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、払出役種と対応する入賞成立の可能性がある場合には、当該入賞成立時に付与される特典と対応する数値情報が導出される。そして、情報記憶手段には、導出された数値情報を記憶可能な特典記憶領域が設けられている。かかる構成とすることにより、払出役種に属する役を複数設定した場合であっても、停止情報記憶手段の記憶容量が増大化することを抑制することが可能となる。故に、遊技機の内部仕様に関する設計自由度を高めることが可能となる。また、例えば払出役種に属する複数の役に当選し、当選役の1つが入賞成立時に付与される特典が異なる場合であって、いずれの役と対応する絵柄も有効位置に停止させることが可能なタイミングで停止指令が発生した場合等において、入賞成立時に有利度合いの大きな特典の付与される役と対応する絵柄が有効位置に停止するよう停止区画領域を導出することも可能となる。故に、遊技者の優位性を確保することも可能となる。
遊技機10.上記遊技機9において、前記有効位置を複数設定することが可能な有効位置設定手段(主制御装置101の開始待ち処理機能S204)を備え、前記入賞可能性判断手段は、前記有効位置設定手段の設定した各有効位置について入賞成立の可能性を順次判断し、前記特典導出手段は、前記入賞可能性判断手段が入賞成立の可能性があると判断する毎に前記数値情報を導出するとともに先に導出した数値情報を更新することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、有効位置が複数設定された場合には、各有効位置について入賞成立の可能性が判断され、入賞成立の可能性がある場合には、数値情報が順次更新される。かかる構成とすることにより、例えば1の役に当選した場合等において、複数の有効位置にて入賞成立の可能性が残るよう停止区画領域を導出することが可能となる。故に、役の抽選に当選したにも関わらず入賞が成立しない取りこぼしの発生機会を低減させることが可能となり、遊技者の優位性を確保することが可能となる。
遊技機11.上記遊技機10において、前記役の抽選結果に基づいて前記特典記憶領域に記憶可能な限界値情報(仮想払出上限値)を設定する限界値情報設定手段(主制御装置101の基礎情報設定処理機能S402)を備え、前記特典記憶領域には、前記入賞可能性判断手段が全ての有効位置について入賞成立の可能性の判断を終了した際に、前記特典導出手段の導出した数値情報が前記特典記憶領域の初期値情報(0)から前記限界値情報の範囲内にある場合、前記特典導出手段の導出した数値情報が記憶され、前記特典導出手段の導出した数値情報が前記範囲内にない場合、前記限界値情報が記憶される構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、役の抽選結果に基づいて特典記憶領域に記憶可能な限界値情報が設定される。そして、特典記憶領域には、入賞可能性判断手段が全ての有効位置について入賞成立の可能性の判断を終了した際に、特典導出手段の導出した数値情報が特典記憶領域の初期値情報から限界値情報の範囲内にある場合、特典導出手段の導出した数値情報が記憶され、特典導出手段の導出した数値情報が範囲内にない場合、限界値情報が記憶される。かかる構成とすることにより、例えば取りこぼしの発生しない複数の役に当選した場合等において、遊技機を開発する開発者等の所望する停止出目が出現するように停止区画領域を導出することが可能となる。
遊技機12.上記遊技機9乃至遊技機11のいずれかにおいて、前記特典導出手段は、前記数値情報として入賞成立時に払い出す遊技媒体数と対応した情報を導出することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、数値情報として入賞成立時に払い出される遊技媒体数が導出される。入賞成立時に払い出される遊技媒体数を定めたデータは特典付与に関するデータとして必須のデータであるため、数値情報として遊技媒体数に対応した情報を導出することにより、予め記憶させるデータ量の削減を図ることが可能となる。
遊技機13.上記遊技機9乃至遊技機12のいずれかにおいて、前記役の種別として、入賞が成立した場合に遊技者に有利な特別遊技状態に移行する特典が付与される特別役種(第1BB、第2BB)と、前記払出役種の一種であって役の抽選に当選した場合に前記停止操作手段の操作順序及び操作タイミングに関わらず入賞が成立する入賞成立役種(スイカ、特殊スイカ)と、を有し、1の遊技回において前記入賞成立役種にのみ当選となる機会と、1の遊技回において前記入賞成立役種と前記特別役種に共に当選となる機会と、が生じる遊技機であって、前記情報記憶手段には、前記入賞可能性記憶領域として、前記特別役種に関する前記入賞可能性判断手段の判断結果を示す特別役種入賞可能性情報が記憶される特別役種情報記憶領域(役物ビット)と、前記入賞成立役種に関する前記入賞可能性判断手段の判断結果を示す入賞成立役種入賞可能性情報が記憶される入賞成立役種情報記憶領域(完全引込ビット)と、を前記特典記憶領域と異なる記憶領域に設けるとともに、前記特別役種情報記憶領域と前記入賞成立役種情報記憶領域を同一記憶領域に設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、情報記憶手段には、特別役種情報記憶領域と入賞成立役種情報記憶領域が特典記憶領域と異なる記憶領域に設けられている。そして、当該情報記憶手段には、同一記憶領域に特別役種情報記憶領域と入賞成立役種情報記憶領域が設けられている。かかる構成とすることにより、入賞成立役種と特別役種に共に当選している状況において、停止情報を比較判定することで入賞成立役種入賞が特別役種入賞よりも優先して成立するように停止区画領域を導出することが可能となる。また、同一記憶領域に特別役種情報記憶領域と入賞成立役種情報記憶領域を設けることにより、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。例えば、特別役種情報記憶領域と入賞成立役種情報記憶領域を異なる記憶領域に設けた場合には、入賞成立役種と特別役種に共に当選している状況において、特別役種入賞が成立する可能性のある区画領域の停止情報と、入賞成立役種入賞が成立する可能性のある区画領域の停止情報と、に入賞可能性情報の記憶された位置によって差異が生じることとなる。これは、入賞成立役種にのみ当選している遊技回と、入賞成立役種と特別役種に共に当選している遊技回と、で異なる停止出目が出現する可能性が高くなり、遊技が単調化する可能性が懸念される。しかしながら、特別役種情報記憶領域と入賞成立役種情報記憶領域を同一記憶領域に設けた構成においては、上記各遊技回において同一の停止出目を出現させることが可能となる。この結果、入賞成立役種入賞が成立した場合であっても特別役種に当選していることを遊技者に期待させることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技機14.上記遊技機13において、前記役の種別として、入賞が成立した場合に再遊技の特典が付与される再遊技役種(再遊技)を有し、1の遊技回において前記再遊技役種にのみ当選となる機会と、1の遊技回において前記再遊技役種と前記特別役種に共に当選となる機会と、が生じる遊技機であって、前記情報記憶手段は、前記入賞可能性記憶領域として、前記再遊技役種に関する前記入賞可能性判断手段の判断結果を示す再遊技役種入賞可能性情報が記憶される再遊技役種情報記憶領域(再遊技ビット)を有し、前記再遊技役種情報記憶領域は、前記特別役種情報記憶領域を含むとともに当該特別役種情報記憶領域より大きいことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、再遊技役種情報記憶領域は、特別役種情報記憶領域を含むとともに当該特別役種情報記憶領域より大きい。かかる構成とすることにより、再遊技役種と特別役種に共に当選している状況において、停止情報を比較判定することで再遊技役種入賞が特別役種入賞よりも優先して成立するように停止区画領域を導出することが可能となる。また、再遊技役種情報記憶領域が特別役種情報記憶領域を含む構成とすることにより、再遊技役種にのみ当選している遊技回と、再遊技役種と特別役種に共に当選している遊技回と、において同一の停止出目を出現させることが可能となる。この結果、再遊技役種入賞が成立した場合であっても特別役種に当選していることを遊技者に期待させることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技機15.上記遊技機14において、1の遊技回において前記再遊技役種と前記払出役種に共に当選となる機会が生じない遊技機であって、前記情報記憶手段には、前記再遊技役種情報記憶領域を、その少なくとも一部の記憶領域を前記特典記憶領域と重複させて設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、情報記憶手段には、再遊技役種情報記憶領域が、その少なくとも一部の記憶領域が特典記憶領域と重複させて設けられている。再遊技役種と払出役種は1の遊技回において共に当選とならないため、かかる構成とすることにより、情報記憶手段が1バイト以下という限られた記憶領域であっても停止情報を用いて停止区画領域を導出することが可能となる。
遊技機16.上記遊技機9乃至遊技機13のいずれかにおいて、前記役の種別として、入賞が成立した場合に再遊技の特典が付与される再遊技役種(再遊技)を有し、1の遊技回において前記再遊技役種と前記払出役種に共に当選となる機会が生じない遊技機であって、前記情報記憶手段は、前記入賞可能性記憶領域として、前記再遊技役種に関する前記入賞可能性判断手段の判断結果を示す再遊技役種入賞可能性情報が記憶される再遊技役種情報記憶領域(再遊技ビット)を有し、前記再遊技役種情報記憶領域の少なくとも一部の記憶領域が前記特典記憶領域と重複することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、情報記憶手段には、再遊技役種情報記憶領域が、その少なくとも一部の記憶領域を特典記憶領域と重複させて設けられている。再遊技役種と払出役種は1の遊技回において共に当選とならないため、かかる構成とすることにより、情報記憶手段が1バイト以下という限られた記憶領域であっても停止情報を用いて停止区画領域を導出することが可能となる。
遊技機17.上記遊技機5乃至遊技機16のいずれかにおいて、前記停止情報導出手段は、前記停止区画領域決定手段の決定結果と、前記停止情報を導出している区画領域と、の組合せに基づいて、前記区画領域が前記規定位置に停止することを回避させるか否かの回避判断を実行する回避判断手段(主制御装置101の停止エラー回避処理機能S1414)を備え、前記情報記憶手段には、前記回避判断手段の判断結果を示す回避判断情報を記憶する回避判断記憶領域(指定図柄判定ビット)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、停止区画領域決定手段の決定結果と、停止情報を導出している区画領域と、の組合せに基づいて、区画領域が規定位置に停止することを回避させるか否かの回避判断が実行される。そして、その判断結果を示す回避判断情報が、情報記憶手段に設けられた回避判断記憶領域に記憶される。かかる構成とすることにより、回避判断情報に基づいて不当入賞等が発生する停止出目を回避することが可能となる。また、停止区画領域決定手段の決定結果と、停止情報を導出している区画領域と、の組合せに基づいて回避判断を実行する構成とすることにより、少なくとも最初に停止させる周回体の停止出目に関して自由度を確保することが可能となる。この結果、停止出目の単調化を抑制することが可能となる。
遊技機18.上記遊技機17において、前記回避判断手段は、第1停止指令が発生するとともに前記停止区画領域決定手段が前記停止区画領域を決定したことに基づいて、前記回避判断を実行することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1停止指令が発生するとともに停止区画領域決定手段が停止区画領域を決定したことに基づいて、区画領域が規定位置に停止することを回避させるか否かの回避判断が実行される。かかる構成とすることにより、最初に停止させる周回体の停止出目に関して自由度を確保しつつ、その後に停止させる周回体の停止出目によって不当入賞等の発生を回避することが可能となる。
遊技機19.上記遊技機17又は遊技機18において、前記回避判断手段は、前記各周回体のうち少なくとも2つの周回体に対して前記停止区画領域が決定されておらず、前記各周回体のうち少なくとも1つの周回体に対して前記停止区画領域が決定されていることに基づいて、前記回避判断を実行することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、各周回体のうち少なくとも2つの周回体に対して停止区画領域が決定されておらず、各周回体のうち少なくとも1つの周回体に対して停止区画領域が決定されていることに基づいて、区画領域が規定位置に停止することを回避させるか否かの回避判断が実行される。かかる構成とすることにより、少なくとも1つの周回体の停止出目に関して自由度を確保しつつ、その後に停止させる周回体の停止出目によって不当入賞等の発生を回避することが可能となる。
遊技機20.上記遊技機17乃至遊技機19のいずれかにおいて、前記各周回体のうち規定周回体(左リール32L)には、前記有効位置に停止すれば他の周回体の停止結果に関わらず全周回体の停止後に入賞成立となる単独入賞絵柄(「赤チェリー」図柄、「白チェリー」図柄)を配置し、前記回避判断手段は、前記規定周回体を含む複数の周回体が周回していることに基づいて、前記回避判断を実行することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、規定周回体には、有効位置に停止すれば他の周回体の停止結果に関わらず全周回体の停止後に入賞成立となる単独入賞絵柄が配置されている。かかる構成においては、例えば規定周回体を停止させる前段階において他の周回体の停止出目を前記単独入賞以外の入賞が成立し得る停止出目とした場合、役の抽選結果によっては不当入賞等の発生を回避できなくなる事象が生じ得る。一方、本遊技機に上記遊技機17乃至遊技機19のいずれかの構成を適用した場合には、前記不具合を回避することができる。
遊技機21.上記遊技機17乃至遊技機20のいずれかにおいて、前記回避判断手段が前記規定位置に停止することを回避させると判断する区画領域に関わる回避区画領域情報(回避テーブル)を予め記憶する回避区画領域情報記憶手段(ROM105の回避テーブル記憶領域105h)を備えたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、回避判断手段によって規定位置に停止することを回避させると判断される区画領域に関わる回避区画領域情報が予め記憶されている。かかる構成とすることにより、停止情報を導出するために必要な処理時間の短縮化を図ることが可能となる。例えば、回避判断手段が規定位置に停止することを回避させると判断する絵柄の組合せに関わる情報を予め記憶し、停止区画領域決定手段の決定結果と対応する絵柄と、停止情報を導出している区画領域の絵柄と、の組合せが前記情報と一致するか否かを判断する構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、区画領域と対応する絵柄を把握する処理が必要となり、停止情報を導出するために必要な処理時間が長大化してしまうこととなるからである。
遊技機22.上記遊技機21において、前記役の抽選結果に基づいて特定情報(グループ番号)を設定する特定情報設定手段(主制御装置101の基礎情報設定処理機能S402)を備え、前記回避区画領域情報記憶手段には、前記特定情報と対応する回避区画領域情報を予め記憶させ、前記回避判断手段は、前記特定情報設定手段の設定した特定情報と対応する回避区画領域情報を用いて前記回避判断を行うことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、回避区画領域情報記憶手段には、特定情報と対応する回避区画領域情報が予め記憶されており、回避判断手段は、特定情報設定手段の設定した特定情報と対応する回避区画領域情報を用いて回避判断を行う。かかる構成とすることにより、停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。例えば、役の抽選結果に関わらず1の回避区画領域情報を用いて回避判断を行う構成とした場合には、所定の役に当選して不当入賞等が発生しない状況であっても区画領域が規定位置に停止することを回避させると判断する場合が発生し、停止出目が過剰な制約を受けることとなるからである。また、役と対応する回避区画領域情報を予め記憶する構成と比して、予め記憶させておくデータ量の削減を図ることも可能となる。
遊技機23.上記遊技機17乃至遊技機22のいずれかにおいて、前記有効位置を複数設定することが可能な有効位置設定手段(主制御装置101の開始待ち処理機能S204)を備えたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、有効位置が複数設定されることがある。かかる構成において、停止区画領域決定手段の決定結果と、停止情報を導出している区画領域と、の組合せに基づいて回避判断を実行する構成とすることにより、絵柄の組合せを有効位置毎に判断せずとも、絵柄の組合せを有効位置毎に判断した場合と同一の判断結果を得ることができる。故に、回避判断に関わる処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
遊技機24.上記遊技機5乃至遊技機23のいずれかにおいて、前記停止情報導出手段は、前記区画領域毎に優先度を導出する優先度導出手段(主制御装置101の引込ビット設定処理機能S1413)を備え、前記情報記憶手段には、前記優先度導出手段の導出結果を示す優先度情報を記憶する優先度記憶領域(引込ビット)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、区画領域毎に優先度が導出され、その導出結果を示す優先度情報が、情報記憶手段に設けられた優先度記憶領域に記憶される。かかる構成とすることにより、停止指令が発生した場合には到達区画領域及び到達可能区画領域について導出された優先度情報を含む停止情報を比較判定すればよく、比較的短時間で停止区画領域を導出することが可能となる。また、区画領域毎に優先度を導出することにより、停止出目を多様化させることが可能となる。
遊技機25.上記遊技機24において、前記優先度を導出するための優先度準備情報を区画領域毎に定めた優先度準備情報群(引込ビットテーブル)を予め記憶する優先度準備情報群記憶手段(ROM105の引込ビットテーブル記憶領域105d)を備えたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、優先度準備情報を区画領域毎に定めた優先度準備情報群を予め記憶することにより、遊技機を開発する開発者等の所望する停止出目となるように優先度を導出させることが可能となる。
遊技機26.上記遊技機24又は遊技機25において、前記優先度準備情報群には、前記優先度準備情報として第1情報(0)と第2情報(1)のいずれかを区画領域毎に定めたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、優先度準備情報を第1情報と第2情報の2種類としたため、1つの区画領域に対する優先度準備情報を1ビットに収めることが可能となる。この結果、1つの優先度準備情報群を3バイトで構成することが可能となり、予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。さらにいうと、このように優先度準備情報を2種類とした構成においては、遊技機を開発する開発者等の所望する停止出目に対して実際に出現させることが可能となる停止出目が少なくなり得る。しかしながら、判定結果情報と対応する停止情報と、判断用区画領域の停止情報と、を比較判定して停止区画領域を決定する構成においては、役の抽選結果等に基づいて、優先度準備情報群を用いて停止出目の多様化を図る場合と、通過情報群を用いて停止出目の多様化を図る場合と、を選択することが可能となる。故に、上記懸念を好適に解消しつつ、予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
遊技機27.上記遊技機24乃至遊技機26のいずれかにおいて、前記役の抽選結果に基づいて、前記周回体毎に前記優先度準備情報群と前記通過情報群とのいずれかを指定する情報群指定手段(主制御装置101の第1停止用設定情報取得処理機能S606及び第1停止後用設定情報取得処理機能S1003)を備えたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、役の抽選結果に基づいて、周回体毎に優先度準備情報群と通過情報群とのいずれかが指定される。かかる構成とすることにより、通過情報群記憶手段に予め記憶する通過情報群の数を抑制するのみならず、優先度準備情報群記憶手段に予め記憶する優先度準備情報群の数をも抑制することが可能となり、好適にデータ量の削減を図ることが可能となる。
遊技機28.上記遊技機1乃至遊技機27のいずれかにおいて、前記停止情報導出手段は、読み出し専用の第1記憶装置(ROM105)に記憶された処理プログラムであり、前記停止情報記憶手段は、読み書き可能な第2記憶装置(RAM106)に設けられた記憶領域であることを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、停止情報を導出する処理プログラムが読み出し専用の第1記憶装置に記憶されており、停止情報を記憶する記憶領域が読み書き可能な第2記憶装置に設けられている。かかる構成とすることにより、停止制御に関して第1記憶装置に記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。この結果、例えば遊技性に関わるデータ等を第1記憶装置に記憶させて遊技性の多様化を図ること等が可能となる。