JP2010273346A - 無線通信システム、及び無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】性能ベースのリアルタイム無線ネットワークフィードバックおよび視覚的表示機能に頼った、デジタルデータネットワークのサイト固有性能予測モデリングの提供。
【解決手段】所望レベルのネットワークの性能を得るために、無線または有線のネットワーク機器に最適または好適な構成設定を判断する方法を提示する。サイト固有のネットワークモデルが適応処理と併用されて、ネットワークの性能の効率的な設計および進行中の管理が行われ、費用を求め、機器の設定、位置、および向きを更新する。表示、記憶をリアルタイムに行い、常に変化しているトラフィックおよび干渉条件に対していずれのネットワークにも反復的に適応する。アラームにより、ネットワークパラメータの迅速な適応が提供され、警告がなされ、予めプログラムされているネットワークシャットダウンアクションを自律的にとることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、包括的には、無線および有線通信ネットワークまたはシステムの設計および進行中の動作のための工学技術および管理システムに関し、より詳細には、任意の環境(たとえば、建造物、建造物内の階、大学構内、市内、屋外設定等)でのパワー出力、利得、減衰、チャネル、周波数設定、スループット設定、アンテナのポジショニングまたは調整、送信パラメータまたは受信パラメータの適応制御、有効範囲ゾーンの適応制御、ハンドオフゾーン、ユーザサービス品質、ユーザクラスの全体的な性能に関して、無線または有線ネットワークハードウェアの適宜構成を判断して維持し、環境内または環境周辺で動作している無線または有線ネットワークユーザに対していくつかの最適な、事前設定された、または望ましい性能目標(たとえば、信号対干渉比(SIR)、信号対雑音比(SNR)、全ユーザ、特定のユーザクラス、または個人ユーザのサービス品質、受信信号強度(RSSI)、スループット、ビットエラーレート(BER)、パケットエラーレート(PER)、容量、課金効率等)を達成する方法に関するものである。
データ通信の使用が増えるにつれて、建造物内または周辺の高周波数(RF)有効範囲および外部送信源からの建造物内への信号侵入が緊急に、携帯電話システム、ページングシステム、無線または有線コンピュータネットワーク、あるいは個人通信ネットワークや無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)等の新規無線システムおよび技術を設計して配備しなければならないネットワーク技術者にとって重要な設計問題になった。同様の必要性が、顧客に無線接続を提供し、維持する必要のある無線インターネットサービスプロバイダ(WISP)にとっても融合しつつある。設計者は頻繁に、無線送受信器の位置または基地局となるセルサイトが市、事務所、建造物、競技場、または大学構内の全体にわたって信頼性のあるサービスを提供することができるか否かを判断することが求められる。無線ネットワークに共通した問題は、会議室等、特定の場所における非有効範囲、すなわち「死角」である。このような死角は、実際には、所望信号の欠落ではなく干渉を原因とし得る。屋内無線PBX(構内交換機)システムまたは無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)が、付近にある同様のシステムからの干渉によって無力化し得ることが理解される。
無線有効範囲を提供する建造物内およびマイクロセル装置の費用は縮小しつつあり、RF技術者および技師がこういった業務用システムを設置して管理する作業負荷は、急激に増大しつつある。マイクロセルおよび建造物内無線システムを迅速に工学設計し、配備し、かつ管理する方法が、費用効率的な拡張中および進行中の動作にとって不可欠である。進化しつつある無線インフラは、パケットベースの伝送に向かっており、屋外セルラはすぐに、建造物内無線LAN技術を補完するであろう。T. S. Rappaport等著「Wireless Communications: Past Events and a Future Perspective」IEEE Communications Magazine, June 2002(invited)、ならびにS. ShakkottaiおよびT. S. Rappaport著「Research Challenges in Wireless Networks: A Technical Overview」Proceeding of the Fifth International Symposium on Wireless Personal Multimedia Communications, Honolulu, HI, October 2002(invited)を参照のこと。
高周波信号の有効範囲侵入、ネットワークサービス品質、および干渉の解析および制御は、複数の理由により極めて重要である。配備される無線ネットワークの数が増えるにつれて、またその容量が大きくなるにつれて、干渉が多くなり、必要な管理および制御が増え、これにより、リアルタイム自律管理システムを使用するとともに、無線インフラに対して単発的または定期的な調整を行って、こういったネットワークの全体的な性能を進行ベースで適宜設計し、測定し、かつ管理する必要性が増す。ネットワークをオンにしたときに、屋内ネットワークのチャネルおよび動作パラメータを最適または賢明な設定に適宜設定する必要があるだけでなく、異なる種類の無線ユーザ(異なるユーザクラス)に対してサービス品質を保証するために、リアルタイム制御も必要である。異なる種類の無線ユーザには、データ伝送保証またはより堅牢な形態の無線ネットワークアクセスに対して割り増し料金を支払う人もいれば、より低いサービスクラスを望み、優待帯域アクセスに対する料金を支払いたくない人、またはネットワークへの断続的なアクセスしか望まない人もいる。高周波数(RF)資源の提供は、ユーザが増大し、ネットワークが普及するにつれてその重要度を増し、より単純かつより自動的で組み込み式の手段を使用してのネットワークのスケジューリング技法および自律制御が、ユビキタス無線ネットワークの成功および普及にとって極めて重要である。
サービスを移動またはセルラユーザ群に提供する無線LANまたはセルラネットワーク等の無線ネットワークを考える場合、設計技術者は、既存の屋外大規模無線システム、すなわちマクロセルが、建造物、または建造物群(すなわち、大学構内)全体にわたって十分な有効範囲および/または容量を提供するか否か、または新規のハードウェアが大学構内に必要であるか否かを判断しなければならない。別法として、ネットワーク技術者は、ローカルエリア有効範囲が他の既存のマクロセルによって適宜補われているか否か、または屋内無線送受信器(無線アクセスポイント、スマートカード、センサ、またはピコセル等)を追加しなければならないか否か、追加しなければならない場合、具体的にどこに追加しなければならないかを判断しなければならない。こういった無線装置の配置および構成は、費用および性能の両方の観点から極めて重要であり、ネットワークの進行中の維持および管理、ならびにネットワーク上のユーザの性能の管理は、ネットワークに加入するユーザまたは付近にネットワークを設置するユーザが増えるにつれての、ネットワーク品質、サービス品質(QoS)要件、ならびに無線ネットワークの信頼性の確保にとって不可欠である。
屋内無線システムが現在存在し、付近の建造物、家庭、または市街地に新規のネットワークが、意図せぬ干渉近隣によって(さらに悪い場合、意図した、すなわち悪意を持った妨害者によって)突然設置された場合、明らかに、干渉を適宜回避し、ネットワークの品質を維持するようにネットワークを適応させる必要がある。パワー制御、適応アンテナ、および周波数ホッピング等の適応技法が既知であり、セルラ無線および軍用無線コミュニティで十年以上にわたって使用されている。このテーマについてのいくつかの文献としては、LibertiおよびRappaport著「Smart Antennas」Prentice-Hall, c. 1999、ならびにT. S. Rappaport著「Wireless Communications: Principles and Practice」(2/e), c. 2002が挙げられる。
新規無線屋内ネットワークが、ネットワーク配備の開始時に、屋外マクロセルまたは他の付近の屋内ネットワークからの信号に干渉しないように適宜計画をしなければならないだけでなく、設計者は、予想することができる干渉の程度、建造物内または建造物群内のどこで干渉が顕在化するかを前もって現在の時点でできる限り予測しなければならない。また、機器のインフラ費用ならびに設置費用を最小限に抑える無線システムを提供することが、経済的にかなり重要である。
複数送信器ネットワーク(大学構内にわたって多くのアクセスポイントを備えた無線LAN等)の動作特徴を適宜求める迅速かつ適応的な方法は、ネットワークを最初に設置するとき、またネットワークのスタートアップ時に必要なだけでなく、システムまたはネットワークが設置された後でも、管理者、技師、ネットワーク所有者、および建造物所有者、世帯主等が、ネットワーク動作の記録、監視を行ってネットワークの適宜動作を常に確保することができるように、適応制御を通して適応的にリアルタイムまたは略リアルタイムベースで、また断続的または定期的ベースの両方で、時間および空間に伴って、設置されたネットワークを管理することが常に必要とされることを明確にされたい。同時に、こういった個人は、適宜、設置を記録し、時間の経過に伴って必要なネットワークの性能を調整し、システムの保守記録を追跡するとともに、システムおよびシステムを構成する構成要素の費用、修理保守、および進行中の性能を整然と追跡することが可能である必要があり、それにより、同一人による無線ネットワークおよびシステムのさらなる保守および拡張のために進行中の動作データを収集し、把握し、集計し、かつ使用することができる。屋内無線ネットワークが、世帯主または建造物所有者が動作の詳細に気付く必要さえなく、増大および変化しつつある干渉または周囲の環境変化に常に適応することができるように、このような動作記帳を自動的に行うことができる自律システムがさらによい。
多くの先行計画による研究努力では、電波伝搬のモデリングおよび予測が試みられた。AT&T Laboratories、Brooklyn Polytechnic、およびVirginia Techによる研究が以下の名称を有する論文および技術報告書に記されている。S. Kim、B. J. Guarino、Jr., T. M. Willis III、V. Erceg、S. J. Fortune、R. A. Valenzuela、L. W. Thomas、J. Ling、およびJ. D. Moore著「Radio Propagation Measurements and Predictions Using Three-dimensional Ray Tracing in Urban Environments at 908 MHZ and 1.9 GHz」IEEE Transactions on Vehicular Technology, vol. 48. no.3, May 1999(以下「電波伝搬」);L. Piazzi、H. L. Bertoni著「Achievable Accuracy of Site-Specific Path-Loss Predictions in Residential Environments」IEEE Transactions on Vehicular Technology, vol. 48, no. 3, May 1999(以下「サイト固有」);G. Durgin、T. S. Rappaport、H. Xu著「Measurements and Models for Radio Path Loss and Penetration Loss In and Around Homes and Trees at 5.85GHz」IEEE Transactions on Communications, vol. 46, no. 11, November 1998;T. S. Rappaport、M. P. Koushik、J. C. Liberti、C. Pendyala、およびT. P. Subramanian著「Radio Propagation Prediction Techniques and Computer-Aided Channel Modeling for Embedded Wireless Microsystems」ARPA Annual Report, MPRG Technical Report MPRG-TR-94-12, Virginia Tech, July 1994;T. S. Rappaport、M. P. Koushik、C. Carter、およびM. Ahmed著「Radio Propagation Prediction Techniques and Computer-Aided Channel Modeling for Embedded Wireless Microsystems」MPRG Technical Report MPRG-TR-95-08, Virginia Tech, July 1994;T. S. Rappaport、M. P. Koushik、M. Ahmed, C. Carter、B. Newhall、およびN. Zhang著「Use of Topographic Maps with Building Information to Determine Antenna Placements and GPS Satellite Coverage for Radio Detection and Tracking in Urban Environments」MPRG Technical Report MPRG-TR-95-14, Virginia Tech, September 1995;T. S. Rappaport、M. P. Koushik、M. Ahmed、 C. Carter、B. Newhall、R. Skidmore、およびN. Zhang著「Use of Topographic Maps with Building Information to Determine Antenna Placement for Radio Detection and Tracking in Urban Environments」MPRG Technical Report MPRG-TR-95-19, Virginia Tech, November 1995;S. Sandhu、M. P. Koushik、およびT. S. Rappaport著「Predicted Path Loss for Roslyn, VA, Second set of predictions for ORD Project on Site Specific Propagation Prediction」MPRG Technical Report MPRG-TR-95-03, Virginia Tech, March 1995、T. S. Rappaport等著「Indoor Path Loss Measurements for Homes and Apartments at 2.4 and 5.85GHz」 Wireless Valley Communications, Inc., December 16, 1997;Roger R. Skidmore等著Russell Senate Office Building Study, Project Update, for Joseph R. Loring & Associates;Office of the Architect of the Capitolに対して用意された「Assessment and Study of the Proposed Enhancements of the Wireless Communications Environment of the Russell Senate Office Building (RSOB) and Associated Utility Tunnels」AoC Contract # Acbr96088, February 20, 1997;R. K. Morrow Jr.およびT. S. Rappaport著「Getting In」March 1, 2000, Wireless Review Magazine;ならびにT. S. Rappaport著「Isolating Interference」May 1, 2000, Wireless Review Magazine、R. K. Morrow, Jr.著「Site Specific Indoor Planning」March 1999, Applied Microwave and Wireless Magazine、Rajkumar等著「Predicting RF coverage in large environments using ray-beam tracing and partitioning tree represented geometry」Wireless Networks, Volume 2 , 1996。
上記論文および技術報告書は、サイト固有の電波伝搬モデリングにおける先端技術の例である。上記論文の大半は、測定RF信号有効範囲と予測RF信号有効範囲の比較について述べているか、または予測性能データを表現し表示する方法について述べているが、実際に稼働中のネットワークまたは計画中のネットワークでの所望の振る舞いに影響する、環境内のパワーレベル、チャネル化、またはデータレート等の機器設定パラメータを最適化または調整する包括的な方法については報告していない。
さらに、上記伝搬についての論文は、ネットワークが、無線ネットワーク内の複数のデータユーザクラスの割り振りの適宜提供を自律的に行えるようにする方法について教示していないばかりか、性能予測結果を稼働可能な無線インフラに適宜フィードバックすることによって得られるような性能、または予測性能と実測性能の比較をいずれの種類であれ表示することを教示していない。以下列挙する他の従来技術は、シミュレーションまたは事前設定された仕様書に基づいたネットワーク適応制御およびフィードバックを考慮しているが、ユーザが、物理的環境の閲覧、ネットワークの性能パラメータの制御、適応的なネットワークの性能の閲覧を同時に行うことができるサイト固有の無線環境モデルの使用についての研究は考慮されていない。
さらに、正確なサイト固有伝搬モデリングが建造物内ネットワークの稼働ポイントの導出および設定にとっての核心である、建造物内ネットワーク内で各種同時無線データユーザクラスに適宜対処するように無線インフラの適宜構成、統制、または制御を行うことの重要性をいずれも考慮しておらず、それにより、ネットワークが時間および空間に伴って変化するにつれて適正な進行中性能をリアルタイムまたは略リアルタイムで達成することができる。ユーザ数および干渉ネットワーク数は急増しているため、明らかにこれは、進行中ネットワークの性能にとって極めて重要なことである。
「電波伝搬」および「サイト固有」論文は3Dモデリングを参照するが、3Dモデリングを利用して自動機器構成またはパラメータ調整を実行する新規の方法を提供せず、予測を用いて、リアルタイムで実際のネットワークの性能を導出するいずれの種類の自律制御またはフィードバックも考慮していない。ネットワーク通信技師または設計者、または建造物所有者が、リアルタイムで、またはシミュレートして、サイト固有データ管理システム内の無線または有線ハードウェア機器の適宜構成および設定を自動的に判断して視覚化し、最適または事前設定された望ましいネットワークの性能基準を得ることができる効率的な方法は、従来技術に存在しない。
すべての無線ネットワークおよび通信システム設計ならびに有線ネットワーク設計に共通するのは、配備費用を最小限に抑え、進行中の性能を最大化しながら、システムの性能および信頼性を最大化したいことである。費用を最小限に抑える方法としては、設置時に、またネットワーク稼働後に定期的に、設計プロセスの多くの局面を管理するコンピュータ支援設計ツールの使用が挙げられる。このようなツールはまた、技術者または技師が迅速に作業し、組織内の他の人たちのために作業を記録できるようにする方法の作成を助ける(SitePlannerおよびLANPlannerが、Wireless Valley Communications, Inc.による、こういった機能を提供するアプリケーションである)。
たとえば、無線ネットワークを考える。高周波信号有効範囲、サービス品質、容量、ハンドオフまたは有効範囲ゾーン、スループット、遅延、信号強度、または干渉の解析は、複数の理由により極めて重要なことである。設計技術者は、無線システムの候補である屋内環境に含まれる雑音または干渉が多すぎるか否か、または既存の無線システムが所望のサービスエリア全域にわたって十分な信号パワーを提供するか否かを判断しなければならない。別法として、無線技術者は、ローカルエリア有効範囲が、既存の大規模屋外無線システムすなわちマクロセルによって適宜補足されるか否か、または屋内無線送受信器、WLANアクセスポイント、リピータ、またはピコセルを追加しなければならないか否かを判断しなければならない。環境変化に応じて自動的に調整されて、干渉、容量の増大、またはユーザの追加にも拘わらず向上した性能を提供させることができるように、屋内アクセスポイントを適応制御させることができることは大幅な改良である。付近の妨害アクセスポイントを回避するようにアクセスポイントの搬送波周波数またはチャネルを調整する、有効範囲エリアを増減するようにアクセスポイントの伝送パワーを調整する、電気可動、すなわちスマートアンテナの向きまたは構成を調整する、あるいはマイクロ波オーブン干渉によるデータレートの減少を抑えるという単純なことであっても、ネットワークのユーザに大きな便益を提供することができる。
ルータ、ハブ、交換機、セルサイト、ケーブル、アンテナ、分散ネットワーク、受信器、送受信器、送信器、リピータ、またはアクセスポイント等、無線および有線機器の配置および構成は、費用および性能の両方の視点から極めて重要である。設計技術者は、他の無線システムから予測することができる干渉の程度、および環境内のどこで干渉が顕在化するかを予測しなければならない。多くの場合、無線ネットワークはそれ自体に干渉し、設計者は、適宜性能を実現するために多くの異なる機器の構成を入念に解析することが強いられる。電源ケーブルは、建造物または大学構内の限られた場所でしか利用することができない場合があるため、アクセスポイントの適切な場所および数、ならびに各アクセスポイントへの適切なチャネル割り当てを判断しなければならない。既知であり、文献に見られる予測方法は、多くの場合で有効範囲または干渉値を計算する十分に認められている方法を提供する。
設計目標または動作選好に応じて、無線通信システムの性能は、1つまたは複数の要因のトレードオフまたは組み合わせを含み得る。たとえば、特に、適正な受信または高周波信号強度(RSSI)でカバーされる全体エリア、適正なデータスループットレベルでカバーされるエリア、および所望のサービス品質、または平均もしくは瞬間帯域割り振りでシステムがサービス提供することができる顧客数が、設計技術者が無線システムを構成する通信機器の配置を計画する際に用いられる決定要因であるが、これらパラメータは時間および空間、ならびにユーザおよびユーザのトラフィック需要の数および種類に伴って変化する。
本発明まで、性能ベースのリアルタイム無線ネットワークフィードバックおよび視覚的表示機能に頼りながら、デジタルデータネットワークのサイト固有性能予測モデリングに基づいた適応制御環境は存在していなかった。
市場には、無線設計または最適化を或る様式で支援するために使用することができる多くのコンピュータ支援設計(CAD)製品があるが、建造物および大学構内、またはその周辺でのネットワークの提供およびスケジューリングにサイト固有制御および自律フィードバックを使用した建造物内データシナリオを考慮するものはない。Lucent Technology, Inc.からのWiSE、EDX(現在ではComarcoの傘下)からのSignalPro、Mobile Systems International, Inc.からのPLAnet(後にMetapath Software Internationalとして知られ、現在ではMarconi, P. L. C.の傘下)、MarconiからのdecibelPlanner、およびEricssonからのTEMS、Safco Technologies, Inc.(現在ではAgilent Technologies, Inc.の傘下)によるWizardが、無線通信システムの設計支援のために開発されたCAD製品の例である。
Agilent Tecnologiesは、無線通信システム向けの設計ツールとしてWizardを提供する。Wizardシステムは、統計的、経験的、および決定論的な予測技法を用いて、所与の環境のコンピュータモデルに基づいてマクロセルラ無線通信システムの性能を予測する。
Lucent Technologies, Inc.は、無線通信システム向けの設計ツールとしてWiSEを提供する。WiSEシステムは、レイトレーシングとして知られている決定論的な無線有効範囲予測技法を用いて、所与の環境のコンピュータモデルに基づいて無線通信システムの性能を予測する。
EDXは、無線通信システム向けの設計ツールとしてSignalProを提供する。SignalProシステムは、レイトレーシングとして知られている決定論的なRFパワー予測技法を用いて、所与の環境のコンピュータモデルに基づいて無線通信システムの性能を予測する。
WinPropは、ドイツからのAWE製の屋内ネットワークプラニング向けのWindows(登録商標)ベースの伝搬ツールを提供し、CINDOORは欧州統一建造物内設計ツールである。
Marconi, P. L. C.は、無線通信システム向けの設計ツールとしてPLAnetおよびdecibelPlannerの両方を提供する。PLAnetシステムおよびdecibelPlannerシステムは、統計的、経験的、および決定論的な予測技法を用いて、所与の環境のコンピュータモデルに基づいてマクロセルラおよびマイクロセルラ無線通信システムの性能を予測する。PLAnetは、環境内の無線送受信器のチャネル設定を最適化する機能も提供するが、チャネル設定を超えてそれ以上の適応送受信器構成を提供しない。
Ericsson Radio Quality Information Systemsは、無線通信屋内有効範囲向けの設計および確認ツールとしてTEMSを提供する。TEMSシステムは、経験的な無線有効範囲モデルを使用して、基本の送受信器位置が入力された建造物マップに基づいて屋内無線通信システムの性能を予測する。January 1999 Wireless Review Magazineで発表された自動周波数計画ツール(AFP)を開発したTeleworx、ならびにCelPlanおよびSafco等の他の企業は、セルラ無線システム内の送信器に対して良好なチャネル割り当てを繰り返し判断する自動周波数計画を実装している。
上記設計ツールは、無線通信システムの性能を予測する機能、および結果を主に平坦なカラー二次元格子または平坦な二次元等高線領域の形態で表示する機能を提供することにより、無線システム設計者を支援している。上記設計ツールのいずれも、サイト固有環境でモデリングされる無線LAN送受信器または他のデータ中心モデムに理想的な構成を判断する、または事前設定された稼働ポイントを確立して、或る最適または望ましい全体または個々のネットワークの性能を達成する自動機能を有していない。さらに、上記設計ツールのいずれも、3D環境でモデリングされる無線データ送受信器の理想的な構成を判断して、或る最適なネットワークの性能を達成し、それと同時に、物理的な環境のサイト固有モデル上にネットワーク資産の物理的な位置を表示する自動機能を考慮していない。
上記設計ツールの他に、最適な送受信器チャネル設定を判断する機能を提供するいくつかの市販製品がある。Schema Ltd.からのOptimizer(登録商標)、ScoreBoard Inc.からのScoreBoard(登録商標)、Agilent TechnologiesからのOPAS32、およびActixからのE−NOSが、主に携帯およびPCS環境での周波数計画の視点から無線ネットワーク最適化における先端技術の代表である。
Schema Ltd.は、所与の無線ネットワーク上の指定された送受信器のセットへのチャネルの計画および割り振りを支援するOptimizer(登録商標)ソフトウェアアプリケーションを提供する。Optimizer(登録商標)は、既存のネットワークの有効範囲エリア全体にわたってローミングする移動受信器から集められた測定情報、または既存のネットワークの各送受信器からのトラフィックを監視することを通して得られる測定情報を利用する。測定情報を解析することにより、Optimizer(登録商標)は、解析に参加しているすべての送受信器にわたってのチャネルおよび/または周波数の最適な割り振りを判断して、ネットワークの性能を向上させようとする。しかし、Optimizer(登録商標)は、ネットワークに含まれる機器の物理的な環境または詳細な仕様またはサイト固有の配置または相互接続を考慮せず、そのため、ネットワーク構成の視覚化(屋内無線アンテナは隠されていることが多いため、設計、配備、および進行中の保守に価値のある)という付加利益を提供せず、さらに、アプリケーションはサイト固有データを使用しないためモデリングの精度が低い。さらに、Optimizer(登録商標)では、既存のネットワークからの測定データが必要であるため、計画中であり、まだ配備されていないネットワークに適用することができない。
ScoreBoard Inc.は、所与の無線ネットワーク上の指定された送受信器のセットへのチャネルまたは周波数の計画および割り振りを支援する包括的なソフトウェアソリューションであるScoreBoard(登録商標)を提供する。ScoreBoardは、既存のネットワークの有効範囲エリア全体にわたってローミングする移動受信器から集められた測定情報、または既存のネットワークの各送受信器によって報告されるトラフィックを監視することを通して得られる測定情報を利用する。測定情報を解析することにより、ScoreBoardは、解析に参加しているすべての送受信器にわたってのチャネルおよび/または周波数の最適な割り振りを判断して、ネットワークの性能を向上させようとする。しかし、ScoreBoard(登録商標)は、ネットワークに含まれる機器の物理的な環境または詳細な仕様またはサイト固有の配置または相互接続を考慮せず、そのため、ネットワーク構成の視覚化(アンテナ等の屋内ネットワーク構成要素は隠されていることが多いため、設計、配備、および進行中の保守に価値のある)という付加利益を提供せず、さらに、アプリケーションはサイト固有伝搬または環境データを使用しないためモデリングの精度が低い。さらに、ScoreBoard(登録商標)では、既存のネットワークからの測定データが必要であるため、計画中であり、まだ配備されていないネットワークに適用することができない。
Agilent Technologiesは、所与の無線ネットワーク上の指定された送受信器のセットへのチャネルの計画および割り振りを支援する解析ソフトウェアであるOPAS32を提供する。OPAS32は、既存のネットワークの有効範囲エリア全体にわたってローミングする移動受信器から集められた測定情報を利用する。測定情報を解析することにより、OPAS32は、解析に参加しているすべての送受信器にわたってのチャネルおよび/または周波数の最適な割り振りを判断して、ネットワークの性能を向上させようとする。しかし、OPAS32は、ネットワークに含まれる機器の物理的な環境または詳細な仕様またはサイト固有の配置または相互接続を考慮せず、そのため、ネットワーク構成の視覚化(設計および進行中の保守に価値のある)という付加利益を提供せず、さらに、アプリケーションはサイト固有データを使用しないためモデリングの精度が低い。さらに、OPAS32では、既存のネットワークからの測定データが必要であるため、計画中であり、まだ配備されていないネットワークに適用することができない。
Actixは、所与の無線ネットワーク上の指定された送受信器のセットへのチャネルの計画および割り振りを支援するE−NOS(登録商標)解析ソフトウェアを提供する。E−NOS(登録商標)は、既存のネットワークの有効範囲エリア全体にわたってローミングする移動受信器から集められた測定情報を利用する。測定情報を解析することにより、E−NOS(登録商標)は、解析に参加しているすべての送受信器にわたってのチャネルおよび/または周波数の最適な割り振りを判断して、ネットワークの性能を向上させようとする。しかし、E−NOS(登録商標)は、ネットワークに含まれる機器の物理的な環境または詳細な仕様またはサイト固有の配置または相互接続を考慮せず、そのため、ネットワーク構成の視覚化(設計および進行中の保守に価値のある)という付加利益を提供せず、さらに、アプリケーションはサイト固有データを使用しないためモデリングの精度が低い。さらに、E−NOS(登録商標)では、既存のネットワークからの測定データが必要であるため、計画中であり、まだ配備されていないネットワークに適用することができない。
Visionaelは、有線データ通信ネットワークの監査機能および記録機能を提供するネットワーク管理ソフトウェア企業である。Visionaelは、ネットワークの性能の予測または測定にサイト固有環境情報または無線予測方法を使用せず、無線ネットワークにとって重要なパラメータを予測、測定、最適化、または制御するサポートを提供しない。さらに、Visionaelは、ネットワーク全体を通して所望の性能になるように広範な無線ネットワークユーザを制御する手段を提供しない。
さらに、無線ネットワーク上の移動資源または現在ローミングしているクライアントの位置の特定に関して、様々なシステムおよび方法が従来技術において既知である。このようなシステムおよび方法は一般に位置標定技法と呼ばれ、移動装置の位置の決定要因として、移動装置への、または移動装置からの送信信号のRF特性を使用することができることに関して、当該技術分野において既知である。P. Bahl、V. Padmanabhan、およびA. Balachandran著「A Software System for Locating Mobile Users: Design, Evaluation, and Lessons」April 2000等の各種論文に、位置標定を行う各種技法が提示されている。本発明は、網羅的な測定活動を必要とすることなく、設備内のRF伝搬およびチャネル環境を先験的に判断できるようにすることにより、位置標定の分野に大きな便益を提供する。本発明の予測機能により、位置標定アルゴリズムおよび技法において不可欠な要素であるRFチャネル特性を非常に迅速かつ正確に求めることができる。本発明の測定機能により、信号測定をポータブルクライアントユーザから行うことが可能である。予測結果および測定結果を処理し、次いで、環境のサイト固有モデル上にマッピングすることができ、これは、位置標定を表示し、位置固有データの研究または解析を行うに当たってすぐに使用することができる。
本発明まで、無線ネットワーク技師またはマネージャが、特定のサイト固有設計アプリケーションを使用してネットワークを事前に設計し、次いで、同一のアプリケーションを使用して同一のネットワークをリアルタイムまたは略リアルタイムで設計、管理、および制御することは可能でなかった。設計段階中に生み出された当初の記録および知識を何度でも、付加的な努力なしで、同一のアプリケーションにおいてネットワーク制御およびスマートネットワーク管理のために再使用することができるため、本発明はネットワーキングコミュニティに大きな価値を提供する。したがって、本発明は、進行中に、シームレスに、かつ適応的にあらゆる無線ネットワークの完全な管理、測定、設計、および保守を可能にする新しい種類のネットワークアプリケーションを提供する。
建造物内無線LANおよびマイクロセル無線システムが普及するにつれて、ネットワーク設置者、通信事業者、およびネットワーク技師が直面するすべての問題はこれより、本発明を使用して迅速、容易、かつ安価に解決することができる。技術者およびIT専門家が、ネットワークを実際に配備する前に、複数の潜在的に非関連の要因も考慮しながら、構成要素の性能を考慮することによって無線ネットワークの設計および配備にCADツールを使用するのとまったく同じように、これより、強力なCAD機能を適応アルゴリズムおよびリアルタイム通信リンクと併用して、無線データネットワークのネットワーク制御およびプロビジョニングのための計算エンジンを、ネットワークが同一のアプリケーションを使用して設置された後に提供する新規の方法およびシステムを開示する。本発明は、ネットワーク技術者または技師が容易に解釈可能なようにネットワークの性能の適応制御を提供しながら、ネットワークの性能を表示する。本発明を使用すれば、ユーザがネットワークの性能要件を視覚化し設定することが可能になり、その間、本発明は、フィードバック信号を制御下の無線ハードウェアに提供するシミュレーションを提供し、シミュレーションから導出される新たに記述されたネットワーク条件に見合うように、調整される適切なネットワーク調整がリアルタイムで、または遅れて行われる。
無線システムの動作パラメータ、所望の動作性能値および/または測度、ならびにネットワーク環境のサイト固有モデルで提供される実際に測定された動作測度の二次元(2D)および三次元(3D)視覚化により、大量のデータセットおよびそれぞれの物理的な環境への関連の迅速な同化、ならびにネットワークの性能を変更する制御機構がユーザに提供される。
無線システムが普及するにつれて、本発明は、あらゆるネットワークの設計中に使用することができ、次いで進行中のリアルタイム管理中に再び使用することができる低費用でシームレスなアプリケーションを提供することにより、ネットワーク動作の機能の大幅な向上を約束する。本発明は、あらゆるPCまたはハンドヘルドアプリケーションとバンドリングすることができ、さらには、無線集積回路またはチップセット内に埋め込むことができ、CAD制御ソフトウェアを使用してアクセスポイントおよび無線ハードウェアのサイト固有遠隔制御および自律調整を可能にして、実際に動作中のネットワークでの所望の予測または予め指定されたサイト固有性能要件を提供することができる。
本発明は、パーソナルコンピュータ等の単一ユーザコンピュータに実装することも可能であり、または別法として、本発明の制御/GUI部分が1台のコンピュータ上で動作して、本発明の特定の機器または装置の部分が別のコンピュータで動作する、または装置内で多くの方法で実装することができるように分散して実装することも可能である。たとえば、本発明の制御/GUI部分を標準PCまたはハンドヘルドコンピュータアプリケーション上の実行可能ファイルとして出荷し、本発明の一部をチップ(集積回路(複数可))上に実装してもよく、または埋め込みソフトウェアもしくはメモリに結合された一連の計算命令として実装してもよく、この場合、メモリまたはチップは、本発明により制御可能な構成要素および無線インフラのサイト固有マップを含むか、またはこれを電子的にアップロードしたものを受信することができる。2台以上のコンピュータが制御/GUI機能を提供することができることも可能であり、したがって、本発明を大量に複製して、あらゆるラップトップまたはPCで部分的に動作し、たとえば、多くのラップトップを有する顧客が配備する汎用ネットワーク内の任意の数の構成要素を制御することができるように構成することができる。ネットワークアーキテクチャレイアウトの埋め込みマップを、物理環境マップおよびインフラレイアウト、相互接続、費用データ、および保守データと共に使用して、本発明は、測度または制御信号をリアルタイムで、またはオフラインで予測モデルと比較できるようにする。さらに、本発明は、適応アルゴリズムを利用して、ネットワーク内の構成要素に、または構成要素から送信される制御信号および通信を提供する。
別法として、埋め込みソフトウェアまたはチップ実装は、遠隔無線送受信器または他のインフラハードウェアで使用するようにプログラムすることができ、このような埋め込みソフトウェアまたはチップ実装は、コンピュータ化CADアプリケーション(推察するに、ネットワークコンソールまたは他の中央位置から動作するが、CADアプリケーション自体は可搬であっても、または分散されてもよい)が、必要に応じてネットワークハードウェアと通信して、ハードウェアに設定、構成、位置、および他の制御可能パラメータを調整させ、コンピュータ化CADアプリケーションが命令したように所望のネットワークの性能に影響を及ぼせるようにする。
本発明の一実施形態は、Wireless Valleyによって開発された支援設計環境を、実際の無線装置および構成要素(無線アクセスポイント、増幅器、リピータ等)へのリアルタイムまたは略リアルタイムの通信リンクと併用し、それにより、コンピュータ支援設計環境を強力な視覚表示としてだけでなく、予測を生成し、次いでフィードバックし、無線インフラによって報告される実測性能とコンピュータ支援設計アプリケーションによって提供される予測性能との比較および系統的な評価を通して無線ネットワークインフラ内のパラメータを調整することができる計算エンジンとしても使用することができる。このようにして、CADソフトウェアにより、複数の伝送ポイントを調整して、ユーザによって指定される、またはCADソフトウェア内で設定される所望の全体的または特定の性能測度を達成することができる。サイト固有モデリングを使用したこのような適応制御は、ユーザクラスが様々である、建造物内およびその周辺の無線ネットワークに関して新規であるが、将来のネットワークは回線交換ベースばかりでなくインターネットベース(パケットベース)になるため、将来のネットワークにとって不可欠なものである。これは、オフラインシミュレーション(設計)モードで行うことができるが、リアルタイムまたは略リアルタイム制御モードで行うことも可能であり、この場合、実測信号または干渉レベル(または他の実測パラメータ)が感知され、本発明に接続された実際のネットワークハードウェアを繰り返し適宜再構成するために使用される。したがって、本発明は、建造物内または大学構内または広域無線ネットワークの適応コントローラおよびグラフィカルユーザインタフェース(GUI)として機能して、ユーザがネットワークに入出する際、または新しいテナントが新しいアクセスポイントを無秩序に設置する際に適正なネットワーク動作を確保する。
本発明はまた、たとえば、優待アクセス(たとえば、顧客が遅延を許容することができないボイスオーバーIPの場合)の料金を支払う人もいれば、低級無線アクセス(たとえば、電子メールまたはページングデータアクセス)の料金を支払う人もいる何人かの同時ユーザをサポートする無線LANネットワークを制御すること、またはネットワーク機器のパラメータを制御し適応調整して、干渉を最小化する、または適正な性能およびデータアクセスプロビジョニングに向けて建造物内または大学構内のネットワークを調整することにも価値がある。
したがって、本発明の目的は、所望のネットワークの性能要件、リアルタイム高周波数環境条件、およびネットワークでのユーザ活動、およびインフラハードウェアの仕様および機能に基づいて、通信システム内の1つまたは複数の無線送受信器および他のネットワークハードウェアに望ましい構成設定を自動的に判断することを容易にすることであり、構成設定としては、製造業者、装置の型番、送信または受信パワー設定、入出力利得設定、チャネルまたは周波数の設定、および/またはチャネルリスト、送信信号の帯域幅、受信信号の帯域幅、変調方式、データレート、シンボルレート、プロトコルスタック、符号化、ユーザ優先設定または割当量、アンテナ指向、アンテナ整相パラメータ、構成要素の位置、構成要素の向き、構成要素の費用、構成要素の保守費用、利得、損失、または所与の機器に対して構成可能な他の任意のパラメータが挙げられる。構成設定の望ましさは、全体有効範囲、全体容量、ユーザクラスに特定の有効範囲、ユーザクラスに特定の容量、ユーザサブセットの有効範囲、ユーザサブセットの容量、ハンドオフレート、コールドロップレート、コールブロックレート、パケットドロップレート、シンボルエラーレート、シンボルレート、許容可能な有効範囲ゾーン、スループット(平均、ピーク、個々、群、クラス、またはサブクラス、ビットエラーレート、パケットエラーレート、フレームエラーレート、信号レベル、サービス品質、または他の任意の測定可能な性能測度等、通信ネットワークに対して特定された性能目標によって決まり、このような性能測度は、特定のユーザ、特定のユーザクラスのユーザ群、1つまたは複数のクラスまたはサブクラスからのユーザの複合的な集まり、またはネットワーク内のユーザプールの一部または全体に対して指定、シミュレーション、設定、および適応させることができる。
本発明の別の目的は、1つまたは複数の無線送受信器および他のネットワークインフラ構成要素が制御コンピュータ(複数可)と通信するための機構を提供することであり、ネットワークの性能、保守費用、および保守記録の予測、表示、測定、および監視が可能であり、またこのようなデータの視覚機能の提供が可能なサイト固有CADアプリケーションが、スタンドアロン様式であれ、分散様式であれ、上記制御コンピュータ(複数可)でのネットワーク制御に利用することが可能である。
本発明の別の目的は、上記送受信器および通信ネットワーク内の他のインフラハードウェアの望ましい構成設定および/または実測設定の表示、ログ記録、記憶、および報告を行う機構を提供することである。
本発明の別の目的は、1つの建造物または複数の建造物構造および周囲の地形、植物、人工物、気候状況、およびさらなる静的障害物および動的障害物の一部を含むサイト固有データベース内で、通信ネットワーク内の送受信器および他のネットワークハードウェアの望ましい構成設定の上記自動判断を行うことである。
本発明の別の目的は、サイト固有電波伝搬予測技法およびサイト固有物理環境の環境モデルを利用して、性能の測度と、建造物構造および周囲の地形、植物、人工物、気候状況、およびさらなる静的障害物および動的障害物のうちの1つまたは複数の少なくとも一部と、を含むサイト固有データベース内で、通信ネットワーク内の1つまたは複数の送受信器またはハードウェア構成要素の望ましい構成設定の上記自動判断を行うことである。
本発明のさらに別の目的は、望ましい構成の1つまたは複数のパラメータを考え、かつ/または確立することができる、通信ネットワークをモデリングまたは制御する方法およびシステムを提供することであり、パラメータは、設置費用情報、機器費用情報、性能情報、相対性能情報、および保守費用情報であることができる。
本発明の別の目的は、最適、好適、または所望の構成についての解析に関わる通信ネットワーク内の実際のネットワークインフラ(無線アクセスポイント、送受信器、センサ、メモリ入力メモリ出力(MIMO)システム、交換機、ルータ、リピータ、アンテナ等)の構成(たとえば、機器設定)を更新することであり、上記構成の更新は、サイト固有CADアプリケーションと実際のネットワークインフラの間での制御信号およびデータ信号の通信を通して行われ、制御信号およびデータ信号の通信は、インターネット、SMNP、無線、赤外線、または他の或るデータ通信、通信プロトコル、または電子媒体を使用して、リアルタイムまたは非リアルタイムで、同期または非同期で行われる。
本発明の別の目的は、ソフトウェア要件の追加なしで入札前、設計、配備、および進行中のリアルタイムネットワーク管理および保守用途で使用することができ、パーソナルコンピュータへの配布を通して、かつ/または通信ネットワーク装置に埋め込んで、ユーザにまとめて提供することができる単一CAD設計、測定、保守、および最適化アプリケーションを提供することである。
本発明の別の目的は、CAD環境シミュレーションに存在するハードウェア構成要素データ、保守データ、費用データ、測定機能、性能予測機能、最適化機能、および適応制御機能のうちのいくつかまたはすべてを含むサイト固有環境モデルの、PCまたはハンドヘルドまたはチップレベル装置にダウンロード可能なモデルを提供することであり、それにより、ネットワークの進行中の管理および制御を、略あらゆる無線アクセスポイント、無線送受信器、ネットワークハードウェア装置、またはPCに出荷可能な可搬式または埋め込み式の機構を使用してリアルタイムまたは非リアルタイムで行うことができる。
本発明の別の目的は、実測ネットワークの性能特徴を1つまたは複数の遠隔ネットワークインフラ構成要素からCADソフトウェアアプリケーションに渡すことができる遠隔監視手段を提供することであり、係る遠隔監視は、実測性能測度または費用または保守データを提供し、係る測度または費用またはデータは、表示、ログ記録、記憶、またはCADソフトウェアアプリケーションによる予測シミュレーションまたは容量予測(budgetary forecast)と比較することができる。
本発明の別の目的は、CADソフトウェアアプリケーションが、ネットワークインフラハードウェアによって行われる測定から独立して、ネットワークの性能特徴の測定を得られるようにする手段を提供することである。
本発明の別の目的は、ネットワーク全体に定められた性能目標(複数可)を満足させるように、ネットワークインフラハードウェアを必要に応じて、定期的に、ユーザ要求時に、または事前設定された条件、もしくは好ましい条件によって調整できるようにする反復的かつ適応的な機構を提供することである。
本発明の別の目的は、モデリングされるネットワーク全体に定められた性能目標(複数可)を満足させるように、ネットワークインフラハードウェアのコンピュータモデルを調整または改訂できるようにする反復的かつ適応的な機構を提供することである。
本発明の別の目的は、ネットワーク機器による信号の測定、またはサイト固有伝搬予測モデルを使用しての位置標定予測を通して、無線ユーザの推定位置標定を表示することができる様式で、移動または可搬無線ユーザの位置標定決定を提供しサポートすることである。
本発明によれば、通信ネットワーク設計者、技師、または無線ネットワークユーザが、いずれの環境でも電子的に、有線または無線のシステムを動的にモデリングできるようにするシステムが提供される。この方法は、アンテナ(先端、全方向性、指向性、適応性、漏洩フィーダ、分散等)、基地局、基地局コントローラ、増幅器、ケーブル、スプリッタ、減衰器、リピータ、無線アクセスポイント、カプラ、コネクタ、接続盤、接続具、交換機、ルータ、ハブ、センサ、トランスデューサ、トランスレータ(RF周波数と光周波数との間の変換を行う、またはRF周波数とベースバンド周波数の間の変換を行う、またはベースバンド周波数と光周波数の間の変換を行う装置、および電磁スペクトルの或る部分からのエネルギーを別の部分に変換する装置等)、電源ケーブル、撚線対ケーブル、光ファイバケーブル等、ならびにMIMOシステム等の各種無線または光学またはベースバンド通信システムハードウェア構成要素のモデルの選択および配置を含み、ユーザが、モデリングされる環境全体を通してシステム全体の性能に対する配置および移動の影響を三次元で視覚化できるようにする。本発明の目的では、「送受信器」という用語は、或る種類の通信信号の生成、受信、操作、応答、転送、ルーティング、方向付け、複製、解析、および/または終端を行うことが可能な任意のネットワーク構成要素を指すために使用される。したがって、構成要素の配置を、システムまたはネットワークを実際に実装する前に改良し微調整することができ、性能予測モデリングまたは測定を設計および配備に使用することができ、所望のサービスエリアの要求される全領域が、適切な接続性、RF有効範囲、データスループットでカバーされること、または許容可能サービス品質(QoS)レベル、パケットエラーレート、パケットスループット、パケットレイテンシ、ビットエラーレート、信号対雑音比(SNR)、搬送波対雑音比(CNR)、信号強度またはRSSI、rms遅延分散、歪み、および測定もしくは予測が可能であり、有線もしくは無線通信ネットワークの適宜設置、設計、または進行中保守を行う際に技術者を支援するために有用であり得る、現在既知もしくは将来知られる他の一般に使用される通信ネットワークの性能測度等、他の要求されるネットワークシステム性能値を有することを保証する。たとえば、光またはベースバンド有線ネットワークの場合、構成要素の配置および性能を本発明内で視覚化することができ、環境の適切な部分にサービスが供給されることが保証され、それにより、環境内のユーザを直接(ハードワイヤード接続を使用して)、またはトランスレータ、コンバータ、無線アクセスポイント、および有線ネットワークからの周波数変換および無線アクセスを容易にする他の通信構成要素を使用して有線ネットワーク全体に提供することができる無線もしくは赤外線接続を介して接続することができる。システム性能の2Dおよび3D視覚化は、ネットワーク設計者および保守要員に、モデリングされる無線または有線通信システムが機能することに対して強大な洞察力を提供し、従来の視覚化技法からの著しい改良を表す。
上記を達成するために、物理環境の2Dまたは3Dサイト固有モデルが、CADモデルとして電子データベースに記憶される。このモデルは広範囲で細密であってもよく、または低費用を可能にするとともに、ネットワークの物理的なレイアウトを見たい非技術者による使い勝手が非常によいように、かなり単純であってもよい。壁、天井、ドア、窓、床、群葉、建造物、丘、および電波に影響する、または配線経路および他の有線構成要素の配線を妨げる、もしくは決定付ける他の障害物等、環境の様々な部分に属する物理的、電気的、および審美的なパラメータも、データベースに記憶することができる。環境表現が、設計者による閲覧のためにコンピュータ画面上に表示される。設計者は、3Dシミュレーションで環境全体を見る、特定の関心エリアにズームインする、または閲覧位置および視点を動的に変更して「フライスルー」効果を生み出すことができる。
マウスまたは他の入力ポジショニングデバイスを使用して、設計者は、一連のプルダウンメニューから、実際の通信システム構成要素を表す様々な通信ハードウェア装置モデルを選択し、かつ見ることができる。設計者は、任意の有線または無線通信システムまたはネットワークを構成する様々な増幅器、ケーブル、コネクタ、および上述した他のハードウェア装置を、完全な無線または有線通信システム表現を形成するのと同様にして選択し、配置し、かつ相互接続することができる。Rappaport等に付与された「Method and System for Managing a Real-Time Bill of Materials」という名称の米国特許第6,493,679号には、CADソフトウェアアプリケーションでモデリングされた通信システムインフラを作成し、操作し、かつ管理する方法の好ましい実施形態が記載されている。
本発明では、設計者は、本発明を使用して計算を行い、環境内にモデリングされる通信ネットワークの性能を予測することができる。性能は任意の形態の測定可能な基準によって規定され、性能としては、適正な接続性、RF有効範囲、データスループット、または許容可能サービス品質(QoS)レベル、パケットエラーレート、パケットスループット、パケットレイテンシ、ビットエラーレート、信号対雑音比(SNR)、搬送波対雑音非(CNR)、信号強度またはRSSI、所望のrms遅延分散、歪み、および現在既知の、または将来知られる他の一般に使用される通信ネットワークの性能測度等の要求されるネットワークシステム性能値が挙げられるがこれらに限定されない。提示する方法は、予測性能値を環境のサイト固有モデル上にオーバーレイして、かつ/またはこのモデル内に埋め込んで視覚化する手段をさらに提供する。本発明は、設計者が環境モデルにオーバーレイされた性能データを素早く立体的に見られるようにすることにより、この分野での従来技術を拡張するものである。Rappaport等に付与された「Method and System for Automated Optimization of Antenna Positioning in 3-D」という名称の米国特許第6,317,599号には、環境のサイト固有モデル内で通信ネットワークの性能を予測する方法の好ましい実施形態が記載されている。
本発明が提供する新規の技法を通して、特定の環境内の計画される、または既存の通信ネットワークの性能を、自動解析を通して向上させることができる。ユーザが特定の所望の動作特性または基準を指定してもよく、またはこれらは、最新ユーザまたは本発明のユーザのセットアッププロファイルを確立した他の人が本発明内で事前設定または選好してもよい。本発明は、最初はすべての機器が特定の構成である、サイト固有環境にモデリングされた通信ネットワークの性能を予測する。次いで、各機器の構成が、リアルタイムまたは非リアルタイムで、ユーザによって規定される、特定の機器によって規定される、または指定機器の感知された、もしくは先験的な知識に基づいて本発明によって選択される可能な構成設定のセットを通して繰り返され、次いで、ネットワークの性能が本発明によって再計算される。
たとえば、リアルタイム制御モードではないとき、本発明は、異なるチャネルセットが割り振られるように特定の送受信器を再構成することによってネットワークをシミュレートすることができ、または送受信器を、異なる動作特性、パワーレベル、アンテナパターンもしくは向き、もしくは異なるチャネル等を有する異なる製造業者からの送受信器で置き換えることができる。反復方法、または汎用アルゴリズム、または他の或る方法を通して可能なすべての構成が解析されると、所望の動作基準が達成されるか、またはユーザが探索の終了を決定し、最も望ましいネットワークの性能を提供する機器の構成が本発明によって表示され、これはまた、記録目的のために記憶することも可能である。所望のネットワーク構成はまた、好ましくは、部品表にも記憶され、完全な原価計算を表示に提供し、後の使用のために記憶される。このデータはまた、各ネットワークインフラ構成要素に一部または全部通信して、ネットワークに記憶し後で検索することもできる。
さらに、所望のネットワーク構成情報は、作業指示書、保守命令、トラブルシューティング情報、または課金情報の生成に利用される或る外部データベースに送り記憶することができる。この場合、本発明は、自動的に、またはユーザの介入を通して、システム技術者、IT管理者、保守要員、および技師に所望のネットワーク構成変更に関する作業指示書を生成して発行し、次いで、古くなったまたは破損したネットワークハードウェアの交換または破棄、および新しいネットワークハードウェアの追加を含む、新しいネットワーク構成の費用を反映するように適切な課金記録を通知または更新することにより、組織の作業の流れを自動化することができる。
本発明が、CADアプリケーション用に構成された実際のハードウェアと併用される場合、総当たりアルゴリズムまたは遺伝アルゴリズムを使用した反復解析により、ネットワーク内の各送受信器に適切なハードウェア設定を導出することができ、次いで、実際のハードウェアが、所望のネットワークの性能を達成するように制御される。この解析は、CADアプリケーションでの環境のコンピュータ化された表現内の予測性能基準に基づく。この発明は、純粋に、機器を実際に制御することのない自動化された「what−if」設計に使用することもでき、または環境内で動作している実際のネットワークハードウェアに対して実施することもできることに留意されたい。さらに、無線ハードウェアの設定の反復調整は、リアルタイム、非リアルタイム、または遅延付きリアルタイムで行ってもよく、または実際に、所望のネットワークハードウェア設定を実装するユーザの準備が整うまで延期してもよい。また、本発明が、性能基準を満たす1回目のネットワーク構成設定を達成した後でも、さらなる反復が望ましい、または必要であり得るため、さらに改良することが賢明または必要であり得ることは明らかである。
さらに、環境のコンピュータモデル内に表現される通信ネットワークがすでに配置され、その通信ネットワーク内の機器が、或る制御手段を通して再構成される準備が整っている場合、本発明は、解析/シミュレーションの結果、特定された構成設定を有するように通信ネットワーク内の機器を構成する機能を提供する。本発明は、上述した自動プロセスを通して、または他の手段により、より望ましいレベルのネットワークの性能を可能にする所与の機器の構成設定を決定すると、無線による低速制御チャネル、高速制御チャネル、またはデータチャネルを介して、またはインターネットを介して、またはSMNPもしくは他の或るデータ通信媒体もしくはプロトコルを介してインフラ内の物理的な機器と通信し、それ自体に設定すべき新しい構成設定を機器に送信することができる。この手段を通して、別の所望性能レベルを達成するように、通信ネットワーク全体を自動的に、あるいはユーザの介入を通して再構成することができ、この手段には、ユーザの追加または干渉の増大がネットワークで発生したときに「自己回復」するという利点がある。ネットワークが、所望の性能に対する当初の基準を達成することができない場合は、デフォルトまたはフェールセーフ設定リストがCADアプリケーションまたは無線ハードウェアインフラのメモリに存在することができ、確実にネットワークが不安定にならないようにする。
本発明に採用されるプロセスステップを示す流れ図を示す。 フロア構築プランの三次元斜視図である。 送受信器および他の通信ネットワークインフラを含むフロア構築プランの上から下を見た図である。 機器の種類のピックリスト例である。 機器の構成のピックリスト例である。 機器の構成の別のピックリスト例である。 可能な(または既存の)機器の位置である規則格子がオーバーレイされたフロアプランである。 可能な(または既存の)選択機器の位置のセットを示す。 可能な(または既存の)選択機器の位置のセットを示す。 予測(または実測)有効範囲等高線を含むフロア構築プランの上から下を見た図である。 予測(または実測)干渉等高線を含むフロア構築プランの上から下を見た図である。 ネットワークの性能を予測(または測定)すべき、選択された位置格子がオーバーレイされたフロア構築プランの上から下を見た図を示す。 新しい種類のネットワークハードウェアまたは機器を含むフロア構築プランの上から下を見た図を示す。 予測(または実測)有効範囲等高線を含むフロア構築プランの上から下を見た図を示す。 予測(または実測)干渉等高線を含むフロア構築プランの上から下を見た図を示す。 機器の位置を改訂して新たに予測(または測定)された干渉等高線を含むフロア構築プランの上から下を見た図を示す。 機器の位置を改訂して新たに予測(または測定)された干渉等高線を含むフロア構築プランの上から下を見た図を示す。 向上したネットワークの性能を提供するように向き変更されたアンテナを有する機器を含むフロア構築プランの上から下を見た図を示す。 新しいネットワーク機器の配置を繰り返し決定することを含む、好ましい本発明の代替の方法を示す。 本発明による、既存のネットワーク機器を遠隔から再構成する、または再調整することができるプロセスを表す図を示す。 無線LAN(WLAN)を有する代表的なローカルエリアネットワーク(LAN)の論理図を示す。 代表的な携帯パーソナルコミュニケーションシステム(PCS)第三世代または第4世代無線ネットワークの論理図を示す。 代表的な無線周波数(RF)タグネットワークの論理図を示す。 WLANの物理的モデルを示す。 具体的な情報に対してクエリを入力するためのユーザ入力ダイアログボックスの一例を示す。 図23aで示されたものに類似のクエリダイアログを有する図22のWLANの物理的モデルを示す。 図23aで示されたものに類似するが、図23bとは異なるクエリダイアログを有する図22のWLANの物理的モデルを示す。 ユーザに対して表示されているアラートの一例を示す。 二つの無線LANアクセスポイントを有する倉庫の図である。 倉庫に表示されているアラートを示す。 倉庫に表示されている不正ユーザアラートを示す。 倉庫に表示されている誤作動装置の認識を示す。 通信ネットワークがインストールされているビルのある階を三次元で描写した図を示す。 倉庫施設内の無線ネットワークの一例を示す。 有効範囲等高線を付した図30のネットワークを示す。 RFタグが書き込まれた無線ネットワークの図を示す。 さまざまなネットワーク及びコンポーネント間の相互接続の概観図を示す。 強調表示してある特徴を備える倉庫におけるネットワークの図を示す。 本発明に盛り込まれた特徴を備える無線ネットワークインフラ設備の概略図を示す。 図33及び図35で示されている実施例の組み合わせ概略図を示す。
上記および他の目的、態様、および利点が、図面を参照する以下の発明の好適な実施形態の詳細な説明からよりよく理解されよう。
本方法を使用すれば、通信ネットワークの性能および進行中の管理を、大幅に低減した費用および複雑性で、従来可能であった精度よりもはるかに高い精度まで向上させることが可能である。本方法は、予測または実測性能測度を自動的に使用して、通信システムインフラの事前設定された、所望の、または最適な、または好適な構成を決定および導出する従来技術に対する大きな進歩である。本発明は、無線インフラの設計、性能予測、遠隔監視、適応シミュレーション、および適応制御の並行機能を提供しながら、ネットワークの多くの異なるライフサイクル段階で使用することができるソフトウェアを使用して大幅な費用の削減を提供する。通信システムの設計は、多くの場合、非常に複雑かつ骨の折れる作業であり、システム性能の結果を単に解析するだけでも相当量の努力が必要とされる。
これより図1を参照して、本方法の全体プロセスを示す。通信ネットワークの解析を開始するために、通信ネットワークが配備されている、または配備されることになる物理環境が作成される(101)。本発明は、建造物の一部、建造物、または建造物の集まり、および/または周囲の地形および群葉の2Dまたは3Dコンピュータ支援設計(CAD)表現を使用する。しかし、2Dまたは3D描画、ラスタ画像、ベクトル画像、走査画像、またはデジタル写真を含む、環境に関するいずれの情報でも事足りる。本発明はサイト固有情報を利用して、通信インフラの視覚化および比較的正確な配置を可能にするとともに、ネットワークの性能の測定および/または予測をユーザに示す視覚化を行うのに十分な環境モデルの提供を可能にする。
本発明によれば、地形海抜および土地利用、建造物位置、塔位置に関するデジタルサイト固有情報、ならびに壁、ドア、天井、床、家具、および建造物内の他の物体の幾何学的形状、高さ、および内部レイアウトが提供され、デジタル情報は、二次元または三次元ラスタまたはベクトル画像を含む、別個のデータフォーマットまたは表現であることができ、結合して単一の物理環境三次元デジタルモデルにされる。別法として、一連の2D画像を集めて、3D環境を表すことができる。結果得られる三次元デジタルモデルは、利用される別個の情報内に含まれる物理環境の諸局面を含み、無線通信システム、コンピュータネットワークシステムのいずれの形態の表示、解析、または保存用記録にもよく適し、または、市民公共施設のプラニングおよびメンテナンス目的で使用して、構成要素の位置ならびにそれぞれの費用および仕様および属性を特定することもできる。
本発明において表現された建造物環境の一例を図2に示す。外壁204、内壁201、小部屋壁202、および窓203等の環境内の各種物体がモデル内に表現される。簡略化のために、一建造物の単一階しか示さないが、任意の数の複数階建造物(またはその部分部分)および周囲の地形を、本発明内で表現することが可能である。通信ネットワークの性能または物理的なレイアウトに影響を及ぼし得る、またはこれを変更し得る任意の形態の障害物またはクラッタを本発明内で表現することができる。モデリングされる環境内のすべての障害物および物体の電気的、機械的、審美的特徴も、本発明によって入力して利用することが可能である。このようなデータは、無線ネットワークでの性能予測精度の向上に有益である。たとえば、無線通信システム設計の場合、各障害物の関連情報としては、材料組成、サイズ、位置、表面の粗さ、減衰、反射率、吸収率、および散乱係数が挙げられるがこれらに限定されない。たとえば、外壁204には10dB減衰損を与え、内壁201を通過する信号には3dB減衰損を割り当て、窓203は2dB RF透過損を示すことができる。
この発明はまた、ユーザが、三次元モデル内の任意の表面または物体の他の物理的、電気的、電磁的、機械的、および審美的特徴を指定できるようにする。こういった特徴としては、減衰、表面の粗さ、幅、材料、反射係数、吸収率、色、動き、散乱係数、重さ、償却データ、厚さ、仕切りの種類、所有者、および費用が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、大まかな位置データ、所在地住所、一続きの部屋またはアパートの部屋番、所有者、賃借人または賃貸人、テナントまたは所有権情報、型番、サービス記録、保守記録、費用、減価償却記録または購入費用、保守費用、またはライフサイクル保守費用等の会計記録、ならびに実際の物理環境の、結果得られる三次元モデル内の任意の個々の表面または建造物または物体または各インフラ機器にも関連し得る一般的なコメントまたは注釈等、広く認められた多くのフォーマットで容易に読み取るまたは書き込むことが可能な情報も、データベース構造内に記憶することができる。
先の段落で特定したこういった種類のデータはすべて、通常、事前設定された、またはユーザ指定の設計または動作ポイントに基づいて、すべてのネットワーク機器の代替の通信ネットワーク構成を繰り返し、または自律的に計算する機能を有するコンピュータCADアプリケーションに存在することに留意されたい。しかし、こういったデータ記録は、特定の各機器での記憶または処理のために、デジタル化して、ネットワーク内の個々のハードウェア機器間で受け渡し、かつ/またはこれらハードウェア機器に記憶することも可能である。
仕切り推定電気属性損値を、すでに公表されている広範な伝搬測定値から抽出することができ、これは、現地経験から演繹され、特定の物体の仕切り損は、直接測定して、参照により本明細書に援用される米国特許第6,442,507号に記載の方法と組み合わせて本発明を使用して、即座に最適化または好適化することができる。
再び図1を参照すると、環境の適正なサイト固有モデルが特定される(101)と、任意の所望の数のハードウェア構成要素、通信インフラ、または機器を、サイト固有モデルにおいて配置し、構成し、かつ相互接続することができる(102)。通信ネットワークは、手動手段または自動手段によって本発明内でサイト固有にモデリングされるため、実際の物理的なネットワークの作成に使用される実際の物理的な構成要素が、サイト固有データベースモデルにおいて図的、視覚的、かつ空間的にモデリングされ、配置され、かつ相互接続されて、実際の物理環境内でのそれぞれの実際の真の物理的な配置を表す。これは、データベースモデル内の相互接続された構成要素のネットワークのサイト固有モデルを提供する。
データベースモデル内の通信ネットワーク構成要素(インフラ機器またはハードウェアと呼称することもある)の少なくともいくつかには、インフラ情報が関連付けられ、インフラ情報は、モデリングされる環境内の空間内の個々のあらゆる構成要素に一意に関連付けられたインフラ情報を含むデータ記録、メモリデータ、ファイル、またはテキスト入力の形態であることができる。すなわち、この発明を使用して市内でモデリングされたネットワーク内の同じ種類の3つの異なる機器は、3つの別個のセットのインフラ情報記録を有することになる。インフラ情報記録は、グラフィック表現される構成要素にテキストまたは数字情報の連鎖リストとして、または或る様式でデータベースフォーマット内の特定の構成要素にタグ付けまたはリンクされたデータ構造として記憶される。
別法として、インフラ情報記録は、今述べたデータベースフォーマット以外で記憶してもよいが、これは、データベースモデル内の実際の一意のサイト固有構成要素への所望リンクを提供するにあたってより煩雑であり、オーバーヘッドの追加が必要である。以下考察するように、こういったインフラ情報記録は、資産管理システムにサイト固有にモデリングされたモデリング構成要素と、設置された、または実際の物理環境で使用されると予測される実際の物理的なインフラ機器との間の重要な対話を提供する。インフラ情報は以下の間で共有される。すなわち、(A)ネットワークのサイト固有モデルを保持して実行するとともに、予測の実行、遠隔地からの測定の収集、性能の最適化および比較、ネットワークに指定された所望の基準に達するまでのハードウェアまたはモデリングされたハードウェアの反復、ならびに費用および保守記録の追跡を行うことも可能なCADアプリケーション、(B)実際のネットワーク(動作中であり、時間の経過に伴った実測性能データをCADアプリケーションまたは他のハードウェア構成要素に提供することができる)、(C)ネットワーク構成要素自体(これもまた、CADアプリケーションに結び付いた、またはCADアプリケーションの一部であるプログラムを実行することができるとともに、ネットワークのサイト固有モデルを実行しているCADアプリケーションに組み込まれたデータのいくつかまたはすべてを記憶する、または単に、ハンドシェイキングソフトウェアおよび命令解釈を含み、CADアプリケーションと通信してもよい)、および(D)ネットワークのマネージャ:CADアプリケーションを使用するネットワーク技術者、技師、またはコールセンタまたはアラームステーション(これらは、本発明に記載のサイト固有適応制御および資産管理システムを使用して実際のネットワークの進行中の性能および品質を管理し比較することができる必要があるユーザである)である。記録に含まれるインフラ情報は、広範な方法により経時にわたり、後述するように変更、編集、変形、および解析を行うことができる。ページング/電話システム等の手段を通してアラームを送り、ネットワークの状況変化または問題を人間に警告することができるため、本発明を動作するにあたって管理者がいなくてもよい場合がある。この発明における構成要素の適応制御は、ネットワーク動作の「修復」にも同様に使用することが可能である。
コンピュータプログラムが、モデリングされるネットワーク内のモデリングされる構成要素と実際の物理的なネットワークを構成する実際の構成要素との間の接続および対話を可能にし、それにより、進行中、定期的、または散発的な通信をハードウェア構成要素とCADアプリケーションの間で行うことができ、また、進行中実測データを保持して本発明によって処理することができる。さらに、CADコンピュータプログラムは、物理的なネットワークを構成する構成要素を遠隔制御できるようにする。
たとえば、技術者は、基地局または遠隔受信器から送信されたアラームに応答して、アクセスポイントによって使用されるチャネル、またはネットワーク内の基地局アンテナに供給される電力を遠隔調整することができる。別法として、本発明は、必要に応じて機器設定を自律的に判断することができる。シミュレートまたは測定することができるすべての動作パラメータのアラーム条件は、ソフトウェアアプリケーションのフィールドを設定し、データを入力する既知の方法を用いて、マウス、キーパッド、タッチパッド、またはテキストラインエディタを介してソフトウェアに設定することができる。アラーム設定がCADアプリケーションに確立され、実測データによりアラームが送信されると、本発明は、特定の予め規定された対策を講じる(ITスタッフにページングする、セル電話をかける、電子メール警告を送信する、ネットワークの電源を切る、またはネットワークのデータレートを低減する等)。別法として、プログラム自体が、予めプログラムされた応答に基づいてこのような変更を自動的に行わせることができ、対策を講じて、制御機能に基づいてアラーム状況を解消するように試み、アラーム状況を解消することができる。時間切れ回数により、アラーム発生時に、予め規定されたフェールセーフ命令の実施に先立って本発明が自己回復を試みる限定回数または事前設定回数を提供することができる。
実際の物理的な各構成要素のインフラ情報は、物理環境の環境モデル内にサイト固有様式で表現することができ、このようなインフラ情報は、好ましくは、上述したように環境モデル182内に埋め込まれる。実際の構成要素のインフラ情報の埋め込みは、モデリングされる構成要素をデータベースモデルにサイト固有的に配置する前、その間、または後のいずれでも行うことができる。インフラ情報としては、実際の通信システムにおいて使用されるインフラ機器の実際の物理的な位置を表すグラフィックスオブジェクト、ならびに、物理的な機器の商標または種類を記述したデータ、機器の物理的な位置の記述(所在地住所、一続きの部屋またはアパートの部屋番、所有者またはテナント、緯度−経度−高度情報、階数、地階または地下表示、GPSまたはSnaptrack示度等)、機器設定または構成、機器に所望または指定の性能測度または性能ターゲット(ユーザまたは予測システムがこういった所望または指定のデータを提供することができるように)、機器が一部を成すネットワークの所望または指定の性能測度または性能ターゲット(ユーザまたは予測システムがこのような所望または指定のデータを提供することができるように)、機器によって報告される実測性能測度またはネットワーク測度、予測アラームイベント統計または故障率、実際に測定されたアラームイベント統計または故障率、アラームしきい値設定、機器、ユーザ、もしくは予測システムによって報告されるアラーム測度、機器の向き、機器の仕様およびパラメータ、機器の製造業者、機器のシリアルナンバー、機器の費用、機器の設置費用、進行中の実際の機器の維持費用および記録、進行中の機器の予測維持費用、機器の使用ログ、機器の保守履歴、機器の減価償却記録および税金記録、予測または実測性能測度、機器の保証期間またはライセンス供与情報、機器のバーコードおよび関連データ、遠隔監視および/またはアラーム目的で物理的な機器と通信する方法に関する情報、アラーム記録、誤作動記録、定期的または連続した性能または機器状態データ、以前または現在の物理的な機器のユーザまたは所有者、機器に伴った質問または問題に関する契約情報、機器のベンダー、設置者、所有者、ユーザ、賃貸人、賃借人、および保守者についての情報、ならびに高周波数識別子(RF IdタグまたはRFタグ)、インターネットプロトコル(IP)アドレス、バーコード、または他のグラフィカルアドレス、有線または無線アドレスまたはデジタル署名等の電子機器識別子が挙げられるがこれらに限定されない。
上記の「機器」または「構成要素」は、機械的または電気的または水脈的な性質のものであることができる任意の実際の物体または装置、または分散ネットワークの任意の建築的要素または構造的要素を指し、配線、配管、排給気管、上下水道管、またはインフラの他の分散構成要素が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明では、有線または無線通信ネットワークのサイト固有データベースモデル、適応制御機能、および資産管理を好ましい実施形態と考えるが、構造的なケーブル配線、配管、または空調等、分散性質の任意のインフラ機器をこのように適応的に制御することが可能であることを当業者は明確にされたい。インフラ情報をサイト固有環境モデル内に埋め込むいくつかの好ましい方法が、T. S. Rappaport等に付与された「Method and System for Managing a Real Time Bill of Materials」という名称の米国特許第6,493,679号、およびT. S. RappaportおよびR. R. Skidmoreによって出願された「Method and System for Modeling and Managing Terrain, Buildings, and Infrastructure」という名称の、同時係属中の特許出願第09/764,834号(整理番号02560041aa)に詳述されており、これらは参照により本明細書に援用される。
モデリングされたインフラおよび各構成要素の関連するインフラ情報が、サイト固有様式で環境モデルに埋め込まれ、また、実際の各機器にも埋め込まれた、結果得られる環境およびインフラ結合モデルは、次いで、様々な任意のコンピュータ媒体に記憶することができる。結合モデルは、各ネットワークハードウェアの詳細な費用データおよび保守データ、ならびに特定の性能属性および特定の動作パラメータを含むものと理解され、これらのうちのいくつかまたはすべてが、使用できるネットワークの予測、シミュレーション、および反復制御に必要とされ得る。いずれの時点でも、環境およびインフラ結合モデルをコンピュータ媒体から検索し、サイト固有様式で表示または処理することができ、環境内の構成要素の実際の位置および構成要素の相互接続がコンピュータモニタ、プリンタ、または他のコンピュータ出力装置に示され、かつ/またはコンピュータマウス、キーボード、または現在既知のまたは将来知られる他のコンピュータ入力装置を使用して編集される。さらに、結合モデルは、ハードウェア装置、ポータブルコンピュータ、無線アクセスポイント、または他の遠隔配置された装置においてリアルタイムまたは略リアルタイムで実施するために、ソフトウェアに埋め込む、または1つまたは複数の集積回路に実装することができる。
上記編集は、この発明のコンピュータCADアプリケーションの制御によって変更可能な任意の機器、または特定のハードウェアの動作パラメータを含む、モデルに含まれるインフラまたは環境情報のうちの任意のものを変更することを含むことができる。このような変更は、結合モデルがチップに実装されるか、ソフトウェアに埋め込まれるか、それともスタンドアロンの形態であるかに関わらず行うことが可能である。
さらに、コンピュータ媒体に記憶される環境およびインフラ結合モデルは、CADコンピューティングプラットフォームとリアルタイムで通信しデータを交換することが可能なインフラ機器のモデルを含むことができる。このようなモデルによって表される実際のハードウェアは、このような通信を提供することが可能なものと理解され、本発明はこの機能を利用する。これにより、本発明は、実測機器性能の測定、予測、表示、集計、反復演算、および記憶を行うことが可能になり、ここで、性能データとしては、周波数利用(占有チャネルの空間−時間記録、使用されていないチャネル、および異なる送信器に関連するチャネルのリスト、時間および/または空間にわたる空きチャネル、非空きチャネル、使用中チャネル、非使用中チャネルのリスト等、ここで、チャネルリストおよびチャネル化方法または方策は、本発明によって遠隔的に監視、確立、または調整することができる)、容量利用(データスループット性能、雑音レベル、特定のユーザクラスまたは特定のユーザクラスのサブクラスの性能データ、ブロックコール量またはブロックパケット量、遅延コール量または遅延パケット量、待ち時間データ、ドロップトラフィックデータ、瞬間または時間平均データトランスポート、および特定の空間環境にわたって提供される容量を表す他の測度等、これらのうちのいくつかは本発明によって調整、監視、または確立することができる)、受信信号強度(RSSI)、信号対干渉比(SIR)、信号対雑音比(SNR)、ビットエラーレート(BER)、負荷、容量、フレームエラーレート(FER)、毎秒当たりのフレーム解像度、トラフィック、パケットエラーレート、パケットレイテンシ、パケットジッタ、干渉レベル、パワーレベル、1人または複数のユーザのサービス品質(QoS)、データスループット、停止統計、故障率、ならびに温度、圧力、流速等の感覚データ、環境状況、消費電力および電力変動、生産レベル、ストレージレベル、サイクルタイム、または現在既知または将来知られる他の性能測度または統計等、賢明な性能メトリックが挙げられるがこれらに限定されない。さらに、インフラ情報記録を使用し、これにより、本発明が、遠隔監視、誤作動検出、および/またはアラーム発生、または現在既知または将来知られる他の形態のメッセージングの目的で機器に遠隔アクセスすることが可能になる。たとえば、本発明は、所望のネットワーク動作性能パラメータを記憶することができ、これは実際の特定の機器に通信され、その機器がネットワークの性能を常時測定し、範囲外の性能パラメータを見つけた場合には、アラームがトリガされ、本発明に報告され、本発明が機器の表示、記憶、処理、および可能な遠隔再調整を行ってネットワークを再調整し、性能を所望の範囲に戻す。
物理的な機器と、コンピュータ上のCADアプリケーションで実行される環境およびインフラ結合モデルとの間の通信は、インターネットを介して、SNMPおよびTCP/IP等の標準通信プロトコル、無線または有線電話回線、受動または能動無線RFタグ、バーコード走査、または現在既知または将来知られる他の任意の有線または無線通信システムを介して行うことができる。この通信は単方向であってもよく(この場合、情報は環境モデルから物理的な機器に、またはその逆に送信されるだけである)、双方向であってもよい(この場合、情報はCADアプリケーションと物理的な機器の間で前後に送信される)。
サイト固有環境を走らせているCADアプリケーションと、環境およびインフラモデルに表されるインフラモデルおよび物理的な機器との間の通信リンクは、リンクのいずれの側によっても確立または開始することができ、情報を交換することができるように、常時、定期的、または断続的に確立することができる。この制御およびデータ交換は、特定のアクションを取らせる、機器へのコマンドまたは命令、または特定の結果を受け取る、すなわち要求する、データベースへのコマンドまたは命令の形態をとることができる。たとえば、上述したように、技術者が、サイト固有環境モデルを走らせているCADアプリケーションと対話することにより、ネットワークを構成する物理的な機器を手動で遠隔制御することができ、またはCAPアプリケーションが自動的に(またはユーザ制御下で)、規定の、所望の、最適な、または好適な方法で物理的な機器に動作構成を調整させることができる。制御およびデータ交換は、こういった制御アクションの結果(CADアプリケーションと機器の間で提供されるフィードバック)を含むこともでき、新しい、または前の機器の性能および構成パラメータ、更新保守、または機器使用情報、検査ログ、費用情報または価格情報、物理的な位置情報、時間誤作動警告または危険警告、緊急情報、新しいまたは更新された命令セット、更新された、または新しい機器情報、あるいは機器がCADアプリケーションに、またはCADアプリケーションが機器にサポートし、生成し、記録し、または報告することができる他の任意の形態の通信を提供することもできる。
通信リンクを介して物理的な機器から受け取られた情報は次いで、CADアプリケーション上のサイト固有環境およびインフラモデル内に埋め込まれる、またはリンクされ、表示し、集計し、処理し、解析し、反復し、シミュレーションと比較し、かつ/または記憶することができる。サイト固有環境およびインフラモデルを走らせているCADアプリケーションと物理的な機器との間の通信は、本発明のユーザにより手動で開始することもでき、または本発明を組み込んだシステムまたは物理的な機器によって自動的または定期的に、たとえば、特定の日時または15分毎に開始することもでき、または或る所定のイベント、発生したイベント、または測定されたイベントに応答して物理的な機器によって自動的に開始することもできる。たとえば、特定の機器が、自己診断ルーチンを実行するように命令される機能を有するか、または自己診断ルーチンを自動的に、もしくは定期的に行い、その結果を報告することができる。本発明では、その機器がサイト固有にモデリングされ、上述した環境モデル内に埋め込まれている場合、機器に対する診断ルーチンの結果を機器から受け取り、その機器の環境モデルを走らせているCADアプリケーション内に埋め込むことができる。次いで、新しい情報が埋め込まれた、更新済みの環境およびインフラモデルを記憶することができる。同様に、物理的な機器は、サービス品質(QoS)、スループット、またはその機器が一部を成すネットワークの他の重要な性能測度等の性能測度を監視可能であることができ、このようなデータを本発明に通信し、本発明はこのようなデータを受け取り、記憶し、表示し、かつ処理することができる。
通信ネットワークのサイト固有モデルと物理的な機器との間のこの通信リンクへのアクセスおよび利用は、様々な手段によって行うことができ、そのうちの1つが、参照により本明細書に援用される同時係属中の特許出願第09/954,273号に詳述されている。
インフラ機器の配置には、ケーブル、ルータ、アンテナ、交換機、アクセスポイント等、または物理的なシステム内の構成要素の分散ネットワークに必要であり得るものが含まれ得る。説明したデータベースフォーマットを使用して本発明によってモデリングされ、本発明内に保持されるインフラ機器のいくつかまたはすべてに関連する重要な情報としては、物理的な位置(機器の実際の物理的な配置をサイト固有に表現するための、データベース内の機器の配置)、ならびに機器ベンダー、部品番号、設置情報および保守情報ならびに履歴、システムまたは機器の性能およびアラームデータおよび履歴、ならびに特定の構成要素およびサブシステムの費用および減価償却情報等のデータが挙げられる。
図3を参照して、図2に示すものと同じサイト固有環境を示す。本発明の好ましい実施形態を使用して、通信ネットワークの一例を図3に定義している。送受信器301aが、サイト固有環境内に配置され、構成(301b)されている。構成情報301bは、製造業者(「Acme」)、部品番号(「Acme01」)、送信パワー(「10.0dBm」)、チャネル設定(「1」)、および対応する周波数(「2.412GHz」)を含む。同様の送受信器302aも、サイト固有環境内に配置され、構成(302b)されている。第2の送受信器の構成情報302bは、製造業者(「Acme」)、部品番号(「Acme02」)、送信パワー(「10.0dBm」)、チャネル設定(「1」)、および対応する周波数(「2.412GHz」)を含む。さらに、第2の送受信器302aには同軸ケーブル303が取り付けられている。同軸ケーブル303は設備内に配置され、それ自体がアンテナ304に接続されている。
図1を参照すると、通信ネットワークがサイト固有環境モデル内に表現された後、本発明により、各ネットワーク構成要素の潜在的な代替機器および潜在的な代替構成を選択する(103)ことが可能である。すなわち、本発明のユーザは、規定の機器の種類および構成、サイト固有モデル内の各送受信器または通信ネットワーク構成要素に有限数の代替構成のピックリストから選択するか、または本発明は、CADアプリケーションに接続された機器を自動的に感知することができ、そして、ネットワークがリアルタイムで実行中の場合にはシミュレーションでの機器の変更を許可しない、またはシミュレーションを実行することができるが、所望の性能基準に関してのネットワークハードウェアの制御に使用することができない「オフライン」モードをユーザに選択させることができる。
代替機器および位置の選択は、CADアプリケーションが制御モードではない場合、すなわち実際のネットワークハードウェアと通信しておらず、制御していないときに許可される。このモードでは、本発明は、ユーザが特定の性能基準を単純にセットアップできるようにするスマートアルゴリズムを使用する設計システムとして機能し、そしてCADアプリケーションは、非常に多数の可能な構成、位置、設定、費用基準等を繰り返し探索して、最良の設定または最良の設定群を決定する。設計者または保守技師は、同じまたは異なる製造業者からの機器を手動で選択することも可能であり、またはCADアプリケーションに、1つまたは複数の製造業者からの機器、同じ製造業者からの異なる型の機器、異なるパワー出力設定、異なるパワー入力設定、チャネル設定または周波数設定の異なる設定、アンテナの異なる位置、指示方向、フェージング、利得パターン、または向き、異なる機器の位置、環境内の異なる費用目標、QoS目標、有効範囲目標、または容量性能目標、あるいはネットワークの性能または費用に影響を及ぼす可能性のある任意の装置固有の構成設定または情報、あるいはこれらの任意の組み合わせを自動的に選択するように求めることも可能である。
図4を参照して、本発明の好ましい実施形態内にある代替機器選択ウィンドウのサンプルを示す。望ましい機器のリストを含む表が、設計者または保守技師に表示される。図4に示す表は、機器を種類(Type)、製造業者(Manufacturer)、部品番号(Part Number)、説明(Description)、損失(Loss)(性能測度)、接続数(Number of Connections)、および物理費用(Physical Cost)によって編成している。当業者は、重さ、物理的な寸法、色、フォームファクタ、形状、構築材料、電源、可用性、または他の任意の基準を含むがこれらに限定されない、任意の数の追加基準をどのように使用して、表中に示す機器を編成することができるかを理解することができる。マウスまたは他のコンピュータポインティング/選択デバイスを使用して、ユーザは、ネットワーク内に配置するものとして検討すべき機器を表すエントリを表から選択する(401)ことができる。選択されない表中のエントリ402は、ネットワーク内に配置するものとして検討されない。選択された機器401は、図1に示す反復ループ106〜112中に解析される。
図4に示す望ましい機器のリストは、外部機器データベースからのインポート、ウェブからのダウンロード、テキストまたはファイルエディタでの作成、またはWireless ValleyのSitePlannerまたはPartsPlanner製品からの検索を含むがこれらに限定されないいくつかの手段を通して構築することができる。リストは、コンピュータ化された機器データベース内に含まれる機器のすべて、または或るサブセットを表示することができる。コンピュータ化された機器データベースは、図4に示す表と同様の表を表示するのに適した様式で、各機器についての詳細情報を含む。コンピュータ化された機器データベースは、インターネットまたはローカルコンピュータネットワークのどこに配置してもよく、また、設計者、保守技師、またはデータベースにアクセスしてその内容を変更する権限を持ついずれの人によって編集またはカスタマイズされてもよい。
本発明の好ましい実施形態では、設計者または保守技師は、機器データベース内に含まれるすべての機器の表示を選択することもでき、または単に機器のサブセットの表示を選択することもできる。機器サブセットを表示する選択基準は、設計者または保守技師によって決定され、各機器に関する機器データベース内に記憶されている任意の情報に基づくことができる。たとえば、ユーザは、特定の費用しきい値未満の機器のみ、特定の性能範囲内もしくは物理的な寸法範囲内の機器のみ、または特定の所望のアプリケーションに対する適性を有する機器のみの表示を選択することができる。これにより、設計者または保守技師は、図4に示す選択ウィンドウに表されるエントリ数を限定することができる。
さらに、ユーザは、本発明により、図4の選択ウィンドウに表示する適切な機器の種類の、好ましいベンダーからの、または過去の経験が良好であることに基づいて等の自動判断を選択することができる。この場合、本発明は、ネットワークに利用されている現在の機器(図3を参照)を解析し、現在使用されている機器に関する情報を用いて、図4の選択ウィンドウに表示するのに適切な機器を判断するために使用される選択基準を自動的に作成する。たとえば、図3に示すネットワークは、2種類の無線LANアクセスポイント301、302、同軸ケーブル303、およびアンテナ304からなる。本発明は、図3に示すネットワークを解析し、選択ウィンドウに表示するのに適切な機器が無線LANアクセスポイント、同軸ケーブル、およびアンテナであると判断することができ、他の種類の機器(たとえば、光ファイバケーブル、増幅器等)を除外することができる。次いで、本発明により自動的に選択される図4に表示する機器サブセットを、ユーザ入力に基づいてさらに限定することができる。たとえば、特定の価格範囲内にある、特定のベンダーによる、または特定のフォームファクタを有する無線LANアクセスポイントのみを表示したり、または既存の在庫内で即座に利用可能なアンテナのみを表示することができる。
図4の選択ウィンドウに表示する機器の種類を自動的に選択する代替の方法は、機器の関係データベースを使用することを含む。関係データベースの使用を通して、異なるまたは同様の種類の機器間の関連性を確立することができる。たとえば、特定の種類の無線LANアクセスポイントは、特定の種類のアンテナと互換性があるものとして識別することができる。これにより、本発明は、図4での選択においてユーザに対して表示する機器をよりインテリジェントに(intelligently)選択できるようになる。図3に示すネットワークが、特定の種類の無線LANアクセスポイント302および特定の種類の同軸ケーブル303を含み、ユーザが、同軸ケーブル303の交換または代替の識別のみを望む場合、本発明は関係データベースを探索して、既存の無線LANアクセスポイント302と互換性のあるすべての種類の同軸ケーブルを識別することができる。次いで、結果得られる同軸ケーブルのサブセットは、費用、性能、および可用性等のユーザ基準によってさらにフィルタリングすることができる。
本発明について機器の種類についての既存のデータベースを利用するものとして説明したが、当業者は、インターネットまたは他の通信媒体を介して、機器製造業者ウェブサイトまたは電子カタログとの対話を通してリアルタイムで、説明したデータベースをどのように生成することができるかを容易に理解することができることに留意されたい。したがって、機器の種類のコンピュータデータベースを探索するのではなく、本発明は、適した機器を求めて様々なベンダーウェブサイトまたは電子カタログを探索することもできる。同様に、開示する本発明の多くの態様それ自体を、ワールドワイドウェブ上に実装してもよいことが明らかである。
設計者または保守技師は、図4において選択された各機器に異なる構成または設定を特定することを選択することができる。本発明の好ましい実施形態では、各機器の構成設定選択ウィンドウが示され、次いでユーザは、望ましいと考える特定の構成または設定を選択することができる。図5を参照して、代替の機器の構成または設定選択ウィンドウのサンプルを示す。図5には、選択された機器(Cellular Specialties製増幅器、部品番号CSI−BDA110)501が示される。選択された増幅器には3つの可能な構成設定があり、各構成設定が、増幅器502の異なる損失(性能測度)に繋がる。したがって、選択された増幅器は、性能−40dB、−30dB、または−20dBに構成することが可能である。マウスまたは他のコンピュータポインティング/選択デバイスを使用して、ユーザは、表示された機器の構成の任意のものまたはすべてを選択することができる。選択された可能な機器の構成は、図1に示すステップ106〜112において本発明により繰り返される。
図6aおよび図6bを参照して、代替の機器の構成または設定選択ウィンドウの別のサンプルを示す。アンテナまたは放射要素の場合、機器自体の向きは構成設定である。この場合、本発明は、様々な向きを選択可能な構成設定として表示する。図6aおよび図6bでは、たとえば、2つの異なる向き601の同じアンテナがユーザにより選択され、最初のものは、仰角を120度回転させたアンテナであり、他方は、仰角を270度回転させたアンテナである。
ユーザに所望の機器の構成を選択するように求めるのではなく、本発明は、望ましい機器の構成を自動的に選択することもできる。これは関係データベースを使用して行うことができ、ネットワーク内の他の機器の既存の構成または設定が与えられた上で、機器の特定の構成が望ましいものとなる。たとえば、図3を参照すると、既存のアンテナ304が天井に逆さまに取り付けられている場合、本発明は、選択される可能なすべての代替アンテナを、同じ向きを有するものに自動的に限定することを選択することができる。図1における反復ループ106〜112もまた、望ましい機器の位置の自動判断を提供する。本発明は、2Dまたは3Dモデリング環境内の有限数の、反復ループで使用することが望ましい機器の位置を識別する手段を提供する。こういった有限数の望ましい機器の位置を識別するいくつかの可能な方法がある。
図7を参照すると、本発明は、2Dまたは3Dモデリング環境に、等間隔格子点701をオーバーレイする。これら点701は、ユーザによって指定された間隔で2D平面または3Dマトリックスに等間隔に配置される。次いで、反復ループにおいて、点をモデリング環境内で機器を配置することが可能な位置として使用することができる。環境内には、機器が望ましくない、または単に機器を配置することが実現不可能な位置が存在し得る。たとえば、機器を病院のX線室内または別のテナントの事務所スペース内に配置することは可能ではない、または望ましくない場合がある。本発明は、ユーザが、このような望ましくない位置を特定し、したがってこういったエリア内の位置を、機器配置の検討対象からなくせるようにする。マウスまたは他のコンピュータポインティング/選択デバイスを使用して、ユーザは、機器配置の検討対象から除外する、モデリング環境内のエリアまたは領域を選択することができる。図7を参照すると、モデリング環境内のいくつかの部屋702が、機器配置の検討対象から除外されたエリアとして特定されている。上述した手法と同じ手法を用いて、すでに設置されたネットワークの場合、図7は、機器がすでに配置されており、機器を配置すべきではないとすでに確認されている場所を表すことができることは明らかである。
モデリング環境に可能位置の等間隔格子をオーバーレイするのではなく、本発明は別法として、ユーザが、機器の位置として可能性の高い位置または可能な位置を特定できるようにする。マウスまたは他のコンピュータポインティング/選択デバイスを使用して、設計者または保守技師は、2Dまたは3Dモデリング環境内の位置を、潜在的な機器の位置として特定することができる。図8aを参照すると、ユーザは、機器を配置することができるいくつかの点801〜805を特定している。特定されたこのような位置は、特定の機器の構成を暗示または除外し得ることに留意されたい。たとえば、選択された位置801が天井にある場合、このような位置により、その位置に配置すべき機器の種類または構成がさらに限定され得る。本発明は、このような情報を利用して、機器の種類、構成、および位置の決定をよりインテリジェントにすることができる。
近代の建築用CADシステムは、建築家および配線設計者が、電気配線または他の通信インフラの位置および可用性をかなり詳細に指定することができる手段を提供することに留意されたい。たとえば、設備のCAD設計図は、電気コンセントの接近性を提供する詳細な配線図、または既存の有線ネットワークインフラの近接性を提供する詳細なイーサネット(登録商標)配線図を含み得る。本発明は、この情報が利用可能であれば利用して、電源インフラおよび/または通信インフラの可用性に基づいて、可能な機器の位置のセットを生成することができる。図8bを参照すると、本発明は、設備のイーサネット(登録商標)配線についての知識を利用して、無線LANアクセスポイントを最も容易に配置することができる可能な位置806のセットを生成している。このような情報を含む詳細なCAD設計図が利用可能ではない場合、本発明は、色分けされたラスタ画像(すなわち、電気インフラおよび/またはイーサネット(登録商標)インフラがカラーラインまたは破線で識別される)等の代替のソースに頼ることができる。当業者は、この自動位置識別プロセスを、HVACの可用性、給水管、下水管、換気ダクト、ケーブルトレイ、吊り天井、上げ床、光ファイバインフラ、電話インフラ、または現在既知または将来知られる他の任意の基準を含む、他の任意の選択基準にどのように拡張することができるかを容易に理解することができる。図8の場合、すでに設置されているネットワークの性能測度を容易に入手することができる場合、本発明は測度を処理して、機器の種類、構成、設定、および位置をよりインテリジェントに選択する方法を同様にして判断することができることに留意されたい。自律ネットワーク制御を提供することもできる。たとえば、本発明のCAD制御/GUI部分によるハードウェア機器の制御を通して「実行中」にチャネルを再調整し、アンテナパターンを再調整し、パワーレベルをリセットすることができ、特定の所望の測度(複数可)が達成され、またはネットワーク上のユーザに対する帯域幅、サービス品質等の全体品質または割り振りが向上する。
再び設計の場合を参照して、代替の機器の種類、構成もしくは設定、または位置を選択するステップのうちの任意のステップをユーザのオプションで省略可能なことに留意されたい。たとえば、ユーザは、機器の位置を選択するステップの省略を選択し、これに代えて、機器の種類および構成のみの繰り返しを選択することができる。
選択された代替機器、および/または代替の機器の構成およびパラメータ設定、および/または代替の機器の位置のセットが、自動処理ループ106〜112中に、特定の離散値(CADアプリケーションによって自動的に設定されるか、ユーザによって指定されるか、または機器または機器の仕様によって提供される)にわたって繰り返されて、機器の種類および/または構成または位置または向きのどの組み合わせが、最も望ましい全体ネットワークの性能を生み出すかが判断される。
規定の送受信器または他の機器の種類および/または構成のセットが規定される(103)と、通信ネットワークの現在の性能が予測される(104)。予測は測定(たとえば、「盲目(blind)」予測)を通して行ってもよく、または測定ツールもしくはセンサによって収集された、もしくは他の或る手段を通して提供された測定データを使用するモデルから導出してもよいことに留意されたい。本発明では、設計する、またはすでに設計されている通信システムのシミュレートされた、予測された、または測定された性能、本明細書において教示する技法を用いてモデリングされた実際の物理的な3D環境内の動作の視覚化および記録が可能であり、予測と実際とのネットワークまたはシステム性能を比較する機能、ならびに無線または有線ネットワークの作成に使用される通信システム構成要素およびケーブル等のインフラ機器の配置、表示および記憶をさらにサポートする。本発明において使用することのできるこのような予測、視覚化、測定、および比較の各機能の実施形態は、たとえば、米国特許第6,317,599号、米国特許第6,442,507号、および米国特許第6,499,006号、およびT. S. Rappaport、R. R. Skidmore、およびBen Hentyにより出願された「System and Method for Design, Tracking, Measurement, Prediction and Optimization of Data Communication Networks」という名称の同時係属中の特許出願第09/668,145号(整理番号2560038aa)に教示されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に援用される。予測性能測度としては以下を挙げることができるがこれらに限定されない。すなわち、適切な接続性、高周波信号強度、ネットワークスループット、ビットエラーレート、フレームエラーレート、信号対干渉比、信号対雑音比、毎秒当たりのフレーム解像度、トラフィック、容量、信号強度、スループット、エラーレート、パケットレイテンシ、パケットジッタ、シンボルジッタ、サービス品質、セキュリティ、有効範囲エリア、帯域幅、サーバ識別パラメータ、送信器識別パラメータ、サーバ最良位置、送信器位置パラメータ、課金情報、ネットワークの性能パラメータ、C/I、C/N、人体損、床面からの高さ、地面からの高さ、雑音指数、セキュア有効範囲の位置、伝搬損失係数、到来角、マルチパス成分、マルチパスパラメータ、アンテナ利得、雑音レベル反射率、表面の粗さ、経路損失モデル、減衰係数、スループット性能測度、パケットエラーレート、往復時間、パケットドロップレート、キューイング遅延、信号レベル、干渉レベル、サービス品質、帯域幅遅延積、ハンドオフ遅延時間、信号損失、データ損失、サービス提供するユーザ数、ユーザ密度、適正有効範囲の位置、ハンドオフ位置、適切なスループットの位置、E/I、システム性能パラメータ、機器価格、保守情報および費用情報、ユーザクラスまたはサブクラス、ユーザタイプ、位置ロケーション、および本明細書の他のどこかで述べた他の一般に使用される通信ネットワークの性能測度であり、これらはすべて絶対項あるいは相対項である。
図9を参照して、図3に定義した通信ネットワークの予測有効範囲を示す。図9では、「Acme01」送受信器901は、−60dBm 901aおよび−70dBm 901bのそれぞれで示す予測有効範囲境界を有する。同様に、「Acme02」送受信器902も、−60dBm 902aおよび−70dBm 902bのそれぞれで示す予測有効範囲境界を有する。有効範囲境界は互いに重複せず、したがって、建造物内の有効範囲がない可能性のあるエリアがあることに留意されたい。これら境界は、スループット、ビットエラーレート等の測度であってもよく、また現在既知または将来知られる等々の測度であってもよい。予測性能に加えて、同じ手法を、測定装置によって収集される、またはCAD制御/GUIソフトウェアに報告される実測性能測度に適用することも可能であることに留意されたい。すなわち、図9は、本発明によって供給される測定、他の手段により、たとえばウォークテストデータを通して提供される実測データ、交換機または他の手段(たとえば、収集されたデータがデータベースモデルに入力され、通信ネットワークの動作解析に使用される、または実測データを予測計算に使用することができ、これに加えて、予測データと実測データとの比較を行うことができ、異なる時間に行われた測定からの実測データの比較を解析することができる)によって供給されるデータから構築することも可能である。
図10を参照して、図3に定義した通信ネットワークの予測干渉を示す。図3に記すように、送受信器「Acme01」301aおよび「Acme02」302aは両方とも、同じチャネル(「1」)および周波数(「2.412GHz」)を有するように構成される。したがって、これら送受信器は互いに直接干渉する。これが図10に示され、送受信器「Acme01」1001は、30dB信号対干渉(SIR)1001aおよび10dB SIR 1001bで示される予測干渉境界をそれぞれ有する。同様に、送受信器「Acme02」1002も、30dB SIR 1002aおよび10dB SIR 1002bで示される予測干渉境界をそれぞれ有する。干渉等高線は互いに離れて突出し、2つの送受信器が互いに干渉していることを裏付けることに留意されたい。図10に示されるこのような干渉が実測であってもよいことは明らかである。たとえば、図10は、共有事務所スペース内の新規テナントが自分の無線LANネットワークを、物理環境内のその他の(既存の)送受信器についての知識なしで、または考慮することなく配備した場合での、実際の設置からの実測干渉結果を表示することができる。
ネットワーク全体の性能を正確に取り込むために、本発明は、シミュレートされる環境全体にわたるネットワークの性能の予測を提供し、そしてさらに、ハードウェア構成要素のモデルを含む設計シミュレーションにフィードバックして、所望または改良された結果を達成できるようにする。サイト固有にモデリングされたネットワークの予測性能をまず達成するために必要なシミュレーションは、本発明により、自動的に、またはユーザ選択パターンで、モデリングされたサイト固有環境を格子点に離散化することによって実行される。また、本発明は、リアルタイムで測定が供給され、実際のネットワークハードウェアに接続されている場合、ネットワーク上の特定の装置から見た、または他の或る手段によって提供される環境全体の実測データを使用して、実際の動作においてネットワーク機器を再構成することができる。
各点でのネットワークの予測性能は、本発明によって計算され記憶される。図11は、上から下からの視点で、データベースに格子点1101が見えるようにオーバーレイされたものの一例を提供する。ネットワークの性能が次いで、環境内のすべての点にわたる平均ネットワークの性能に基づいて計算される。三次元格子内の個々の、または選択される点または位置のセットに、他よりも優先度の高いエリアまたは低いエリアとして重み付けすることができる。たとえば、病院の救急処置室または会議室は、トイレや階段の吹き抜けよりも、ネットワークの性能の向上に関して優先度の高いエリアであるとみなすことができる。図11を実測データから導出することも可能であることは明らかである。
図1を参照すると、ネットワークの現在の性能が求められる(104)と、本発明の処理ループ(反復処理)が開始される(105)。処理ループの開始時に、ユーザは、改良が望ましい1つまたは複数の性能基準を選択する。たとえば、ユーザは、ネットワークの有効範囲エリアの改良、ネットワーク全体の干渉の低減、CADモデル内で指定された特定の種類のユーザに対するより良好なサービスの提供、またはこのような多くの目標の組み合わせを選択することができる。ユーザは、ユーザのクラスに拘わらず、サービスがすべてのユーザに対して優待される有効範囲エリアの特定の部分を優先することを指定することもできる。本発明によって検討される利用可能な性能基準としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。すなわち、適切な接続性、RF有効範囲、データスループット、サービス品質(QoS)、パケットエラーレート、パケットスループット、パケットレイテンシ、ビットエラーレート、信号対雑音比(SNR)、搬送波対雑音比(CNR)、信号強度またはRSSI、rms遅延分散、歪み、機器費用、機器信頼性、設置費用、機器保証期間、または機器ネットワークの設計、配備、保守、トラブルシューティング、またはアップグレードにおける意思決定プロセスに直接または間接的に影響する現在既知または将来知られる他の任意の基準である。各性能基準の選択および望ましさは、本発明において定義されるコンピュータダイアログインタフェースを通して、またはテーブル索引、埋め込み設定、事前設定値、デフォルト値、または他の標準的な手段からユーザによって選択される。2つ以上の性能基準を選択することも可能であるが、各基準は重要度に従ってユーザによりランク付けされる。
1つまたは複数の性能基準が、ネットワーク内の改良目標として選択される(105)と、本発明は、反復的なユーザ指定プロセスまたは自動解析プロセスを開始する。解析プロセスは、自動化されても、自動的に時間切れしても、またはユーザによる介入または初期条件の設定を可能にすることもでき、収束問題の回避および対処、または特定の目標を、さらなる計算を必要とすることなく満たすことができる場合への対処に役立つ。
解析プロセスの一環として、推薦システムを使用することも可能である。本発明は、選択された送受信器または通信ネットワーク構成要素のそれぞれの様々な設定を通して、また特定の各構成要素(図示せず)の可能な各事前指定位置を通してループする(106)。各送受信器(または他のハードウェア構成要素または機器)毎に、本発明は順次、またはインテリジェントに、可能な代替送受信器または代用送受信器またはネットワーク構成要素(ステップ103において識別される)のそれぞれを選択し(107)、また各装置毎に、利用可能チャネル、チャネルリスト、パワー設定、しきい値、ユーザ数等のそれぞれを経ることもできる。各代替装置または代用装置毎に、本発明は、装置に可能な規定の各構成(ステップ103において識別される)をループする(108)。そして、各送受信器は次いで、ハードウェア装置と構成設定の可能な各組み合わせで置き換えられる(109)。ネットワークの全体の性能がもう一度予測され(110)、その結果が、ユーザによって選択される性能基準(ステップ105において識別される)に基づいて前の予測性能結果と比較される。送受信器の種類および/または構成が改訂された全体ネットワークの性能が、それ以前の反復での予測性能よりも良好な場合、すべての送受信器の種類および構成が記憶される(111)。1つまたは複数の「許容可能な」構成および種類を記憶することができ、複数の既知の方法が、最良結果の収集、記憶、およびソートに利用可能であることに留意されたい。アンテナならびにアンテナの位置および向きを反復することもできることを理解することができる。
反復プロセスは、考慮中の各ネットワーク構成要素の種類、構成、設定、向き、および位置の可能なすべての組み合わせが解析されるまで続けられる。したがって、反復が終了する(112)ときには、性能基準において最も著しい向上を提供する、ネットワーク内の各構成要素に理想的な種類および構成が識別されている。
この機構を通して、本発明は、最も望ましい全体のネットワークの性能を提供する、モデリングされる通信ネットワーク内の構成要素の1つまたは複数の最適または好適な種類および構成を決定する。結果は、後処理および解析のためにエンドユーザにグラフィック表示される(113)。構成の可能性および反復ステップは多数であるにも拘わらず、計算は、2GHzクロック速度を備えた今日の近代のコンピュータでは、約数秒と極めて高速であり、これら速度は、汎用アルゴリズム、推薦システム、またはツリー探索等のスマートアルゴリズムを使用することにより、また進化しつつあるより高速な計算機器およびより容量の大きなメモリを使用することによりさらに高めることができる。
本発明が実際に動作中のネットワークの制御を提供する場合、特定の機能は反復解析中の調整が許されず、たとえば、動作中のネットワークはすでに設置されているため、構成要素の向き変更もしくは位置変更が許されず、CADアプリケーションにより遠隔調整することができる既存のハードウェア構成要素のみが、反復処理(周波数、帯域幅、電気的に可動なアンテナパターン、パワーレベル等の設定)においてモデリングされる。それにも拘わらず、依然として、既存の機器の構成または調整を調整することによって多大な向上を得ることができ、反復シミュレーションを通して得られる向上した性能は、実際のハードウェアへの制御を通して実現することができる。たとえば、出現しつつあるネットワーク機器としては、ネットワークオペレータに実際のネットワークでのアプリケーション、帯域幅、およびパワートレードオフ間で前例のない柔軟性を提供するMIMO(多入力多出力)アンテナ、モデム、超広帯域装置、またはセンサが挙げられる。本発明は、説明した技法を使用して、通信ネットワークにおけるこのような将来機器にリアルタイム制御または略リアルタイム制御を提供することができる。
図12を参照して、図3に提示した通信ネットワークを本発明によって処理した結果を表示する。当初の「Acme01」送受信器1201aでは、送信パワーが「10dBm」から「7dBm」1201bに変更されている。より劇的に、図3からの当初の「Acme02」送受信器は、異なる製造業者からの新しい送受信器「Csco」1202aで置き換えられている。新しい「Csco01」送受信器1202aには、送信パワー「15dBm」1202bが構成され、チャネル「6」1202bで送受信するように設定されており、これは周波数「2.437GHz」1202bに対応する。図12が、実際に動作中のネットワークの測定から元々得られた結果によってもよいことは明らかであり、この場合、ネットワーク所有者またはテナントは次いで、機器を物理的に交換または除去して図12に示す新しい構成を得ることができる。
図13を参照して、有効範囲エリアに関する新しい予測通信ネットワークの性能を示す。図12では、「Acme01」送受信器1301は、−60dBm 1301aおよび−70dBm 1301bで示す予測有効範囲境界をそれぞれ有する。同様に、「Csco01」送受信器1302も、−60dBm 1302aおよび−70dBm 1302bで示す予測有効範囲境界をそれぞれ有する。有効範囲境界は、ここでは、所々で互いに重複し、これは、図14に示す当初のネットワーク構成に対する性能の向上を示すことに留意されたい。図13は、実際に動作中のネットワークの測定から元々得られた結果によってもよいことは明らかであり、この場合、ネットワーク所有者またはテナントは次いで、機器を物理的に交換または除去して図13に示す新しい構成を得ることができる。
同様に、図14に、図12において定義した通信ネットワークの予測干渉を示す。図12に示したように、送受信器「Acme01」1401および「Csco01」1402は、もはや同じチャネルまたは周波数を共有しないように本発明によって再計算され再構成されている。したがって、これら送受信器はもはや、当初の場合のように互いに直接干渉していない。これは図14に図で示され、送受信器「Acme01」1401は、30dB信号対干渉(SIR)1401aおよび10dB SIR 1401bで示す予測干渉境界のそれぞれを有する。同様に、送受信器「Csco01」1402も、30dB SIR 1402aおよび10dB SIR 1402bで示す予測干渉境界のそれぞれを有する。干渉等高線はここでは、信号対干渉比(SIR)に基づいて改訂されたネットワークのはるかに向上した性能を反映していることに留意されたい。上記説明は、アクティブネットワークでも容易に実施することができることは明らかであり、この場合、シミュレーションが実際に設置されている動作ネットワークを表すように、同じ送受信器が反復プロセスで使用される。このような場合では、ハードウェアの新しい設定を実際のハードウェア装置にフィードバックして、ネットワーク状況の向上に自律的な遠隔制御方法で影響を及ぼすことが可能である。
異なる機器の種類および構成および/または設定を解析して、或る望ましいネットワークの性能レベルを達成するために、本発明は、異なる機器の配置を解析することもできる。図7、図8a、および/または図8b内で特定された2Dまたは3D環境モデル内の可能な位置のセットを使用して、本発明は、機器の位置を反復し、性能予測を行って、全体ネットワークの性能に対する新しい位置の望ましさを評価することができる。図15aを参照すると、図3からの送受信器「Acme01」301aは、位置1501aに位置変更されている。図3からの送受信器「Csco01」302aは当初の位置1502aのままであり、Csco01に接続される同軸ケーブル1503aおよびアンテナ1504aも同様である。有効範囲エリアに関する新しい予測通信ネットワークの性能が示される。図15aでは、「Acme01」送受信器1501aおよび「Csco01」送受信器は、−70dBm 1505aで示す予測有効範囲境界を有する。「Acme01」送受信器1501aの有効範囲境界はここでは、図13での当初の位置にあった場合よりも悪化していることに留意されたい。
すでに検討されているか、これから検討される、図15aに示すその他の可能な機器の位置1506aに留意されたい。本発明は、最適または好適なネットワーク構成に達するまで、機器の位置の反復を続ける。図15bを参照して、送受信器「Acme01」1501b、送受信器「Csco01」1502b、同軸ケーブル1503b、およびアンテナ1504bの新しい位置に留意されたい。有効範囲エリアに関する新しい予測通信ネットワークの性能が示される。図15bでは、「Acme01」送受信器1501bおよび「Csco01」送受信器は、−70dBm 1505bで示す予測有効範囲境界を有する。有効範囲境界1505b間の大きな重複、および図9、図13、および図15aに示す前の構成に対する向上に留意されたい。反復プロセスを通して、本発明は、ネットワーク全体の性能を最大化する最適または好適な機器の配置を特定した。
図15bには、同軸ケーブル1503bが配線変更されて、送受信器「Csco01」1502bとアンテナ1504bの間に継続的な接続を提供することが示される。本発明では、この自動配線変更は、最短経路(一般に直線)、障害物を避けて(たとえば、壁を避けて)の最短経路、または最小費用に基づいて行われる。2Dまたは3D環境モデルが、ケーブルトレイ、吊り天井、または上げ床等の情報を含む場合、ケーブルを配置するこういった最適または好適な経路を、同じネットワーク内の異なる機器間の接続性を維持するために、自動ケーブル配線の目的で利用することができる。
アンテナパターンの遠隔制御に加えて、本発明は、チャネル、パワーレベル、変調、および他のパラメータの遠隔制御も可能であることを理解されたい。これにより、プレインストール機能ならびに適応リアルタイム遠隔制御機能が提供される。
図16に、アンテナの構成を(図1のステップ108に従って)最適化する一例を示す。アンテナ等の特定の機器について、主な構成手段は、装置自体の物理的な向きであることができる。この場合、本発明は、最適、好適、または略最適な性能を実現するネットワーク内の機器の向きを決定することができる。向きは、機器の三次元で可能な任意の軸の回転を中心にして行うことが可能なことに留意されたい。図16では、アンテナ1601の特定の向きでのアンテナの放射パターンが、破線1602として示される。すなわち、アンテナ1601の放射特性(たとえば、あらゆる方向でアンテナから送信されるRFパワー量)が破線1602で表される。反復処理ループ中、本発明は、選択されたアンテナを、図1のステップ103で識別され、図6においてさらに説明した様々な向きで解析する。本発明は、選択された構成の中でいずれの構成が、図1のステップ105においてユーザによって規定された最も望ましいネットワークの性能を実現するかを判断する。図16では、より望ましいネットワークの性能を実現するために、実線1603が、アンテナ1601を配置する好ましい向きとして本発明によって特定されたアンテナの向きでのアンテナ1601の放射パターンを示す。最近のアンテナ技術における技術進歩により、ハードウェアを物理的に向き変更する必要なく、放射特性を調整することができるアンテナの製造が可能になったことに留意されたい。こういったアンテナは、一般にスマートアンテナまたはアレーアンテナと呼ばれ、インターネットを通してであれ、無線であれ、または他の或る媒体を通してであれ、或る形態の通信リンクを介して遠隔制御またはプログラムすることができる場合、図18に概説する遠隔機器構成および管理プロセスを通して本発明により再構成することができる。
提供した例では、最適または好適な機器の種類、構成、および/または位置を決定する総当たりアルゴリズムについて詳述しているが、当業者は、他の任意の種類の適応アルゴリズムをどのように利用して、同じまたは同様の結果を実現することができるかを容易に理解することができる。同様に、現在既知または将来知られる位置標定方法を使用して、クライアントユーザの位置をどのようにして容易に予測または求めることができるかを即座に理解することができる。さらに、ネットワーク化された機器を通して提供される測定機能を使用することにより、位置標定の推定をリアルタイムまたは略リアルタイムで行うことができ、また、1人または複数のポータブルクライアントユーザからの実測信号レベルを、伝搬予測モデリングから求められる予測位置標定の信号レベルと比較することによって表示することもできることは明らかである。実測信号レベルを予測レベルと共に分析することにより、本発明および既知の方法を使用して、位置標定タスクを正確に行うことが可能である。
提供した例は、有効範囲エリアおよび信号対干渉比(SIR)に基づいた性能の向上に特化しているが、サービス品質(QoS)、有効範囲ゾーン、帯域幅またはスループット可用性、特定のユーザ、ユーザクラス、またはユーザサブクラスのQoS、全体ハンドオフゾーン、全体データレート可用性、または特定のユーザ、ユーザクラス、ユーザサブクラスのデータレート可用性、全体または特定のパケットエラーレート、パケットスループット、パケットレイテンシ、ビットエラーレート、信号対雑音比(SNR)、搬送波対雑音比(CNR)、信号強度またはRSSI、rms遅延分散、歪み、または現在既知または将来知られる、費用、機器ベンダーセット、低保守機器、設置が容易な機器等の他の任意の性能基準等、1つまたは複数の性能基準の任意の組み合わせを、同様のネットワーク改良を行う際に利用可能であることが当業者には明らかであるはずであることに留意されたい。
これより図17を参照して、本発明の代替の方法を示す。図17に示す方法は図1の方法に厳密に従うが、いくつかの例外がある。図17の代替の方法では、図1のステップ102および104が省かれ、本発明が、2Dまたは3Dモデリング環境内の複数の新たに選択された機器の種類の配置および構成を予測することができる。図17の方法を通して、本発明は、ステップ105において設定される所望の性能基準を最もよく満たす、有限数のネットワークインフラ機器の個数、種類、相互接続、構成、および配置を決定することができる。これは、本発明が、任意の有線または無線の機器ネットワークに関して、ネットワークを構成すべき個々の機器の、望ましい性能レベルを達成するために最適、好適、または略最適な個数、種類、構成、相互接続、および位置を自動的に(またはユーザの介入を伴って)予測できるようにする新規かつ強力な機能である。
図1および図17に概説した本発明のプロセスの最終ステップは、環境モデル内の機器のコンピュータ表現に対応する、実際の通信ネットワーク内の物理的な各機器の種類および/または構成の更新114である。このステップにおいて、リアルタイム通信リンクが、本発明と環境モデル内に表現される物理的な機器との間に確立される。この通信リンクは、インターネット、赤外線、無線、または他の任意の形態の電気媒体もしくは通信媒体、またはプロトコルサポート方法を介してのものであることができる。機器を環境モデル内に配置または配設する102際に、ユーザは、環境モデル内に表現されている物理的な機器に、通信リンクを介してコンタクトできるようにする方法を規定することができる。この方法は、機器によってサポートされる通信の種類に応じて様々である。たとえば、インターネットを介しての通信をサポートする機器は、インターネットプロトコル(IP)アドレスおよびこの機器が応答するコマンドセットによって識別することができる。通信リンクが本発明と物理的な機器との間に確立されると、本発明は、所与の装置(図1のステップ102においてユーザによって規定される)に適切なコマンド命令を送信し、また新しい最適または好適な構成情報を送信する。物理的な機器は、新しい構成情報を受信し、それに従って内部設定を調整する。この形態の機器自動更新は、遠隔構成する機能を提供する特定の装置がある場合にのみ利用可能なことに留意されたい。また、このようにして実際の機器の種類を更新することも不可能である。このような更新では、物理的な構成要素を異なる機器で完全に置き換えることが要求される。
本発明が、遠隔クライアント−サーバアプリケーション、アプリケーションサービスプロバイダモデルを使用して、またはワールドワイドウェブもしくはインターネット上もしくはこれを介して実施、閲覧、表示、または使用することが可能であることを明確にされたい。
図18は、本発明と遠隔機器(または適応または調整可能なアンテナ他の或る構成要素)との間の通信リンクの典型的な状況を示す。本発明は、機器が配備されている、またはこれから配備されるサイト固有環境モデルを保持するとともに、機器自体1801のモデルおよび説明を保持する。上述した自動方法を通して、本発明は、ネットワーク1802の或る望ましい性能目標を達成するために適切な機器の構成を決定した。本発明は、或る媒体1803を介して物理的な構成要素(たとえば、機器1805)との通信リンクを確立する。関連する構成情報1804が機器1805に送信され、機器1805はこの情報を受信し、この情報に従って設定を調整するために必要な適切なステップを踏む。
本明細書において説明するCADアプリケーションプログラムは、集積回路または埋め込みソフトウェアの形態で実装される、計算エンジンに対する簡易2Dまたは3Dフロントエンドグラフィカルユーザインタフェースとして機能する低費用ソフトウェアアプリケーションに簡易化することができる。実際に、本発明自体の一部は大量生産して、無線送受信器内またはネットワーク内で使用される他のアクティブ構成要素内で出荷されるチップまたはソフトウェア内に埋め込むことが可能であり、その一方で、本発明の別の部分は、販売された各アクセスポイントまたはアクティブ構成要素と共に、または販売もしくは送受信器およびハードウェアを制御する、もしくはこれらに接続されたコンピュータにパッケージングされたオペレーティングシステムと共に提供されるCD−ROMまたは他のソフトウェア媒体で提供することが可能である。したがって、たとえば、CD−ROMコンピュータソフトウェアと、接続された構成要素ネットワークとの組み合わせにより、ユーザは、適応ネットワーク設計シミュレーションを自分のPC(ネットワークが構築される前)に提供することができるが、実際に設置されたネットワークの適応制御を提供することも可能である。本発明の別の例では、各無線送受信器または他の構成要素に、ソフトウェアに埋め込まれて、集積回路の形態に実装されて、ファイルダウンロードを介して送信されて、またはCD−ROMもしくは他の或る媒体を使用して供給される、本発明の説明において詳述する機能のいくつかまたはすべてを実行できるようにするソフトウェアアプリケーションを備えることができ、それにより、ユーザに対して、強力な設計、予測、配備、保守、および進行中適応ネットワーク制御機能をユーザが購入した任意の無線送受信器、アクセスポイント、または機器の構成要素に持たせることを保証することができる。
本発明は無線通信ネットワークだけに限定されず、任意の種類の電磁特性を、任意の物理環境シミュレーション上に重ねて提示するために使用することが可能なことを明確にされたい。たとえば、本発明は、スマートカード、スマートタグ、またはマイクロマシンおよびナノマシン、またはMEMS(micro-electrical-mechanical machines)という次世代分野に用途を見出すであろう。こういったタグまたはマシンは非常に小型であるが、貨物コンテナ内、建造物内に埋め込まれて、人体、水道工事、ジェットエンジンにおいて等、アクセスが困難な場所で複雑なタスクを実行することが可能な極めて高度な機能素子である。
セキュリティおよび感知(sensing)ネットワークの場合、このようなタグまたはデバイスはより重要になるであろう。たとえば、MEMS機能を用いて、包装が開かれた場合、または不正開封された場合を検出するようにすることができる小型センサを構築することができる。封筒または容器が開かれる場合、小型RFデバイス(パッシブスマートカード)を使用することにより、小さなバネを起動させ、バネの起動により2進論理デバイスが反転し、それによって不正開封を示すことができ、ローカルリーダが、不正開封状態を検出し、この情報をコントローラに送る、またはこの情報をポータブル読み取り装置に保持することができる。本発明は、データレートが低い場合であっても、このようなスマートカードネットワークを、たとえば貨物船上、郵便局内、図書館内、またはセキュリティや確実な感知またはネットワーク制御を維持しなければならない他の場所へのプロビジョニング、次いで制御の提供にも使用することが可能である。開示する本発明の別の用途は、本明細書において開示する新しい種類のネットワーク、すなわちまだ存在していない新しい装置のネットワークに向けたものであり、新しい装置を本明細書では「無線ポストイット(wireless post-it)と呼び、これは、無線ネットワークおよび無線LANの不断の普及により、いつか出現すると考えられるものである。無線ポストイットは、シリコン、GaAs、または他の或る材料もしくは複合物でできた大容量メモリであり、パッシブRFスマートカードデバイスに集積され、本発明全体は、おおよそ、小型インデックスカードまたは小型ポストイットノートのサイズである。無線ポストイットは、1冊または複数冊の書籍に等しい量を収容することが可能であり、はるかに軽量であり、製造がはるかに安価であり、はるかに高い携帯性を有する。無線ポストイットは、製造業者側でプログラムすることもでき(予め記録されたCDまたはレコードのように)、またはローカルアプリケーションもしくはダウンロード可能な手段によりプログラム、書き込み、または書き換えすることもできる。ローカルRF発生リーダ装置で照明されると、通常パッシブであるポストイットノートは、RF搬送波を介して十分な電力を受け取るとともに、リーダ装置への無線または赤外線リンクを介してメモリ内容の一部またはすべてを送信する単純な命令を受け取る。各ポストイットは、一意または半一意のアドレス(著作権表示、または無線ポストイットを互いに満足のいくように識別できるようにする他の或るIDのように)を有する。こういった無線ポストイットおよびリーダ装置は、5GHzを上回る周波数で動作する傾向があり、部屋内で、非常に短い距離にわたって使用され、おそらく、58〜65GHz帯域で使用されるか、または現在、FCCにより大量の帯域幅が免許なしで提供されているさらに高い周波数帯域で使用される。このようにして、今日では通常本棚に見られる、または嵩張るためにスペースをとる書籍、百科事典、およびコンピュータハードドライブおよび他のメモリ装置等の大量のデータを記憶することが可能になり、帯域幅が広いことから非常に高速でダウンロードすることが可能である。しかし、リーダのクレードルまたは付属品に適切なパワーおよびアンテナパラメータまたは設定が提供されている、または一連のリピータが実際の無線ポストイット付近に配置されている)状態で、ポータブルリーダを部屋にそのまま残し、イーサネット(登録商標)または光学バックボーンに接続することができ、この場合、遠隔コンピュータ制御を介してリーダを遠隔制御することが可能になり、したがって、リーダが部屋内の特定の無線ポストイットの内容をダウンロードし、このようなデータを世界中に、イーサネット(登録商標)またはインターネット手段を介して送信することが可能なことに留意されたい。明らかに、リーダおよび無線ポストイットを適宜制御できるようにするために、アドレッシングを行うことができる。書籍への遠隔アクセスにより、インターネットを介して情報を検索することができ、このような検索は、部屋内のリーダへのインターネット接続を介してワイヤレスに行うことができるため、情報を読みたいときに、本棚から書籍をいちいち引っ張り出す必要がない。この新規の無線ポストイットの概念をサポートするこのようなネットワークの適応制御は、開示する本発明の潜在的な用途の一例である。
たとえば、本発明は、こういった無線ポストイットまたはセンサまたはマシンとワイヤレスに通信するとともに、RFパルス、赤外線(IR)光の形態、または他の任意の形態の電磁媒体等で、こういったマシンに電力または充電をワイヤレスに提供する必要がある場合に使用することができる。したがって、本発明は、このまたは他の任意の無線電磁システムの最適または好適な構成に役立つ。さらに、本発明について固定インフラと通信するものとして説明したが、ネットワークインフラはそれ自体、アドホックネットワークでの場合等、移動性または可搬性があってもよい。さらに、この発明は、標準プロトコルがネットワーキング機器と分散機器(家庭用機器または他の大量生産製品等)との間に配備される場合にも実施することが可能であり、したがって、費用、保守、構成、制御、および測定の各データをネットワーク構成要素に容易に渡して記憶するとともに、それ自体スタンドアロン、ソフトウェア内に埋め込まれた、または集積回路の様式で実装されたCADアプリケーションに記憶することができることを明確にされたい。
上で考察したように、本発明は、ネットワークの一部として接続されるネットワークインフラおよび移動体装置またはユーザ装置を含む無線ハードウェア装置のネットワークの管理、制御、保存、および監視を行えるようにする。ポータブルコンピュータ、ユーザ装置、VoIP電話、スマートタグ、無線ポストイット、RFタグ、またはセンサ等のハードウェア装置は、エンドユーザ装置によって提供される電波による命令に基づいて、ネットワークインフラもしくはコントローラによって提供される命令に基づいて、またはネットワークコントローラもしくはインフラ機器もしくは移動体/ユーザ装置間で通信される命令を通して、無線ネットワーク上で、特定の各ユーザ、各装置、ユーザ群、または装置群に関して或る所望の性能、帯域幅割り振りまたはプロビジョン、またはネットワークセキュリティ目標を達成するように、遠隔的にアクセス、構成、さらには配置することが可能である。
ハードウェア装置は、或る所望の性能またはネットワークセキュリティ目標を達成するように、サイト固有モデル内の各装置の物理的な位置のコンテキスト内で遠隔的にアクセスし構成することが可能である。この前例のない程度のネットワーク制御および管理は、ボイスオーバーインターネットプロトコル(すなわちVoIP)の分野に直接的な恩恵および新規機能を提供する。VoIPは、有線または無線インターネットプロトコル(IP)ベースのネットワーク上での音声通信を可能にする新興技術である。本来パケットベースのプロトコルであるIPは、リアルタイムアプリケーションに特に適しているわけではないが、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)が、データのリアルタイム非保護伝送をサポートする。したがって、ネットワークインフラのネットワーク設計および進行中管理、ならびにIPデータのコーディングの効率および堅牢性が、VoIPの品質および成功にとって極めて重要である。また、Shakkottai、Rappaport、およびKarlssonがOctober 2003 IEEE Communications Magazineにおいて述べているように、レイヤ間設計も、マルチユーザ無線ネットワークでのVoIPの適宜プロビジョンおよび実装に有用であり得る。
(本発明のセキュリティ、帯域幅プロビジョニング、位置標定、および無線ポストイットへの使用法)
上述したように、無線ネットワークおよび有線インフラを使用して、ユーザ装置、ネットワークインフラ、およびコントローラの間には対話的なフィードバックが存在して、各ユーザ、ユーザ群、アクセスポイント、ネットワークノードに特定の所望の帯域幅プロビジョニングを実現することができる。さらに、ネットワーク全体を通して通信するこのような機能を使用して、各ユーザの認証、各ユーザへの割り振り、または各ユーザへの所望のセキュリティの確保が可能であり、それにより、このようなデータの表示を、ネットワークが動作する物理環境のサイト固有モデル上で行うことができることを理解することができる。IEEE802.1x、WEP(Wired Equivalent Privacy)、および無線ネットワークにおいて適切な帯域幅割り振りおよびユーザのローミングを確保する他の方法等、標準本文において既知である、または現在開発中である広範な技法を用いるセキュリティ方法を、本明細書において述べるネットワークコントローラによって実施することができ、さらに、上述したように、ネットワークコントローラコンピュータ、インフラ機器、およびエンドユーザ機器の間に埋め込まれて、または分散させて実施することもできる。Intel Technology Journal, Vol. 7, Issue 3, August, 2003および「Pick Your Wireless Solution」(著者および日付不明)に述べられている方法には、当業者に既知の方法および技法が含まれており、本出願では、これら参考文献の全体は参照により本明細書に援用される。
本発明では、WLANモデム、RFタグ、スマートタグ、移動体またはポータブルユーザ装置、WLANモデムを備えたポケットPC、統合セル電話またはVoIP通信装置、センサ、または無線ポストイット等、ネットワークに接続可能な遠隔ハードウェア装置は、散発的またはスケジュールされなくてもよく、またはネットワークでの使用をスケジュールされてもよい。このような遠隔装置は、エンドユーザ(人間)通信の提供に使用することができるが、これに加えて、またはこれに代えて、ネットワーク内のマシン同士の通信または人間とマシンの間の通信に使用することもでき、したがって、このような遠隔ハードウェア装置は、データの記憶、ネットワークの性能の測定、ソースによって送られたデータの記録または再記録、装置が見た干渉レベルまたはネットワーク使用レベル、装置のセキュリティのレベル、設定、または違反、および装置に接続している、または接続しようとしている相手、アクセス試行、装置への接続試行のIDまたは時間、認証データ、識別データ、セキュリティデータ、および観測されたネットワーク全体のアクティビティ、スペクトル品質、またはネットワークの性能等、重要データの表示に使用することができる。
さらに、ネットワーク装置は、RFタグ、センサ、または無線ポストイットとして使用することができ、価格、パレット数、発信場所および宛先場所、顧客および販促データ、部品番号、製造業者、重さ、容積、数量、品目説明、バーコードデータ、顧客または製造業者データ、出荷情報、日時、保守履歴、保証履歴、現在の動作状態、著作者名、出版日、著作権情報、透かし情報、タイトル、および他の情報フィールドまたは定量化可能な値等の追加データを含むことができ、これもまた、本発明を使用してアクセス、照会、および更新を行うことができる。これは、ハードウェア装置それ自体のみならず、管理下のハードウェア装置に関連付けることができ、埋め込むことができ、またはアクセス可能であることができる追加情報も監視し管理する機能を提供する。
本発明は、コマンドおよび制御ならびに通信接続をネットワークインフラおよびエンドユーザ装置に提供して、サイト固有インタフェースを使用して装置間での情報の制御、読み出し、書き込み、処理、変更、または調整を行う。本発明は、この情報をサイト固有のコンテキストの中で編成して提示し、エンドユーザ装置または他のハードウェアから読み出された特定のデータのサブセットを表示し、別法として、資産の位置表示もしくはピンポイント提示、ネットワーク全体の性能のユーザについてのサイト固有情報の記録保存、または特定のエンドユーザもしくはユーザ群の監視および制御プロビジョンのいずれかを提供することができる。
本発明は、広く使用することが可能であり、また今日既知または将来知られる任意の通信インフラに関連し、また任意の通信インフラと共に実現することができるため、任意の単一の通信技術に限定されない。本発明の用途は、ネットワーク制御、建造物内および大学構内通信、およびロジスティクスに見出すことができ、ロジスティックの場合、たとえば、工場またはスーパーマーケット全体にわたるバーコードリーダが、店内またはデータ監視センターに遠隔配置された1つまたは複数のネットワークコントローラに(有線または無線で)接続される。この発明に基づいたネットワークコントローラは、店または工場の階のサイト固有表示をユーザに提供するとともに、ユーザが、実際のRFタグ(RF IDタグまたは無線ポストイット等)、および1つまたは複数の個々の製品、店の棚、または店全体にわたる通路に、またはその付近に配置することができるRFタグリーダ(ここで、タグリーダはタグを読み出す、またはタグに書き込むものであることが分かっている)と対話できるようにする。
たとえば、Bahlの方法(先に引用)、またはSnapTrack、GPS、もしくは誘導感知、ならびに現在既知または将来知られる他の位置標定方法等、他の位置標定方法を用いて、本発明のユーザは、サイト固有インタフェースを使用して、ネットワークに位置照会を行う、または1つまたは複数のRFタグの特定のデータを発見することができる。上述した通信技法を通して、本発明は、探索中の特定の装置または装置群の位置表示を提供することができる。本発明は、インフラの位置を表示するのみならず、パレット、特定の製品、または製品群に接続することができる1つまたは複数のRFタグ等、所望のエンドユーザ装置(複数可)の厳密またはおおよその位置も表示する。ネットワークインフラ(この場合、RFタグリーダを含む)がネットワークコントローラにより利用可能であり、本発明により表示することができることに留意されたい。
また、エンドユーザ装置(複数可)(この場合、探索中のRFタグ)の特定の推定位置も表示することができる。ネットワークインフラ(この場合、RFタグリーダ)によっては、固定であっても、移動性または可搬性を有してもよく、人によって使用されても、カート、トラック、またはフォークリフト等に配置されてもよいことを明確にされたい。同様に、RFタグまたはモデムユーザ等のエンドユーザ装置も、固定であっても、移動性を有してもよい。ネットワークインフラとの対話とネットワークの制御機能と組み合わせながら、ユーザが、RFタグ等の装置の大規模ネットワークを迅速に照会できるようにし、タグに関連するデータを環境のサイト固有表現上に表示できるようにする能力は、在庫管理においてこれまでにまだ満たされていないニーズに応えるものであり、重要で飛躍的な進歩を提供する。本発明は、たとえば、実際の設計図または設備マップを、主要インフラ構成要素の位置および所望のエンドユーザ装置の位置と共に示すことにより、店舗マネージャが、なくなった製品または期限切れの製品を素早く見つける、または欠陥があり、交換しなければならない部品の位置を突き止められるようにする。
本発明を使用して、価格または期限切れデータの変更を反映させ、または他の機器(たとえば、店の棚を補充し、企業管理システムまたは他の在庫管理ソフトウェアを使用してこのようなデータを自動的に入力するベンダー)が使用する他の自動プロセスによる入力を反映させるように、新しいデータを、選択されたRFタグに書き込むことができ、したがって、顧客は、店の棚のRFタグ(たとえば、値札)に新しい情報が表示されているのをすぐに見ることができる。さらに、このデータは、店内または工場内で使用される他の資源管理ソリューションと共有する、または容易に入手することができることから、本発明は、特定の位置のサイト固有表示、ならびに各種ネットワーク装置およびインフラの状態を提供するため、既存の管理ソフトウェアおよびロジスティクスに使用される他の製品へのアドオンまたは価値の大きな補完的なソリューションであることができる。上記考察ではRFタグおよびリーダについて考えたが、他の無線装置および用途も本発明に適用することが可能なことを明確にされたい。RFタグに適用される、説明する本発明の一実施形態のさらなる詳細を以下に提供する。その一方で、次の図に与えられる本発明の別の用途の以下の例を考える。
図19に、無線LAN(WLAN)を含む典型的なローカルエリアネットワーク(LAN)の論理図を提示する。すべてのWLAN実施態様がこの厳密なレイアウトに従うわけではないが、当業者は、図19に示す論理ネットワークの変形が、どのようにこの発明の範囲内に存在することができるかを理解することができる。WLANネットワークは代わりに、RFカードリーダ/ライタおよびコントローラ等を使用してもよいことに留意されたい。図19中のWLANは、通常、WLANとインターネット1901との間のゲートウェイとして働くネットワークコントローラ1900(ネットワーク交換機とも呼称する)からなる。インターネット1901は、別法として、専用ダイアルアップまたは遠隔ホストまたは他のネットワークコントローラへの特別用途向けの回線交換通信ネットワーキングで置き換えてもよいことに留意されたい。ネットワークコントローラ1900は、直接または他の中間機器を通して間接的に、有線または無線接続を介して、その場または遠隔地で、ルータ1902、ネットワークサーバ1903、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション1906、およびアクセスポイント1904を含む、WLANを構成する他の様々な機器に接続される。同様に、リピータ1907を使用して、任意のアクセスポイント1904からエンドユーザ1905に無線信号を受信、増幅、および再ブロードキャストすることができる。リピータ1907も同様に、直接または他の中間機器を通して間接的に、有線または無線接続を介して、ルータ1902およびアクセスポイント1904を含む、ネットワークを構成する様々な他の機器に接続することができる。携帯電話、ラップトップ、PC、ペンタブレット、個人情報端末(PDA)、または他の無線通信装置を使用してワイヤレスにWLANに接続するネットワークユーザ1905も同様に、ネットワークにアクセスすることができる。また、ネットワークユーザは、RFタグ、無線ポストイット等、直接的なヒューマンインタフェースを有さない場合もある。ネットワークユーザは、移動性があっても、定位置に固定されてもよく、実際の生物であっても、またはパッシブであれアクティブであれ、或る形態のデータまたは情報監視、計算、記憶、記録、および報告装置であってもよい。
図20に、典型的な携帯、パーソナル通信システム(PCS)、第3世代(3G)または第4世代(4G)無線ネットワークの論理図を提示する。もちろん、すべての携帯、PCS、3G、または4Gネットワーク実施態様がこの厳密なレイアウトに従うわけではないが、当業者は、図20に示す論理ネットワークの変形が、どのようにこの発明の範囲内に存在することができるかを理解することができる。図20に示す通信ネットワークは、図19のネットワークコントローラ1900と同様の基地局2000からなる。基地局2000は、直接または他の中間機器を通して間接的に、有線または無線接続を介して、増幅器2001およびアンテナ2002を含む、ネットワークを構成する他の様々な機器に接続される。リピータ2004を使用して、任意のアンテナ2002から無線信号を受信、増幅、および再ブロードキャストすることができる。リピータ2004も同様に、直接または他の中間機器を通して間接的に、有線または無線接続を介して、増幅器2001およびアンテナ2002を含む、ネットワークを構成する様々な他の機器に接続することができる。携帯電話、ラップトップ、ペンタブレット、個人情報端末(PDA)、または他の無線通信装置を使用してワイヤレスに通信ネットワークに接続するネットワークユーザ203も同様に、ネットワークにアクセスすることができる。ネットワークユーザは、移動性があっても、定位置に固定されてもよく、実際の生物であっても、または或る形態の自動データ監視、記録、および報告装置であってもよい。
図21に、典型的な高周波数(RF)タグネットワークの論理図を提示する。もちろん、すべてのRFタグネットワーク実施態様がこの厳密なレイアウトに従うわけではないが、当業者は、図21に示す論理ネットワークの変形が、どのようにこの発明の範囲内に存在することができるかを理解することができる。ネットワークコントローラ2100は、直接または他の中間機器を通して間接的に、有線または無線接続を介して、コンピュータサーバ、ネットワークコントローラ、またはPC2102、増幅器2103、およびアンテナ2101を含む、ネットワークを構成する他の様々な機器に接続される。ネットワークコントローラは、代替の一実施形態では、RFカードリーダまたはトランスポンダまたはリーダ/ライタとして見ることができる。無線信号がアンテナ2101とパッシブまたはアクティブなRFタグ2104との間で受け渡されて、情報が交換される。アンテナ2101は、ネットワークインフラがRFタグ2104とワイヤレスに接続できるようにする。RFタグ2104自体は、単一の組立体に集積されても、または離散した構成要素であってもよい各自のアンテナ(図示せず)を有する。本明細書では、パッシブRFタグは、無線信号を独立して発信することができない、移動性がある、または固定された無線装置であり、その一方で、アクティブRFタグは、或る種類の無線信号を独立して発信することができる、移動性がある、または固定された無線装置である。パッシブであれアクティブであれ、RFタグは記憶機能、測定機能、および表示機能を含むことができ、顧客への価格の表示に使用する、または動画、明滅灯、点滅、オーディオ信号、または人間の注意を引く他の或る手段等、時間によって変化する情報の表示の受信もしくは実施に使用することができることに留意されたい。さらに、RFタグリーダ2106を使用して、任意のRFタグ2104またはアンテナ2101からの無線信号の処理、検出、および送信を行うことができる。カードリーダまたはトランスポンダ(RFタグリーダまたはトランスポンダ)2106も同様に、直接または他の中間機器を通して間接的に、有線または無線接続を介して、増幅器2103およびアンテナ2101を含む、ネットワークを構成する他の様々な機器に、またはハード配線を通してコントローラに接続される。
図19、図20、および図21を参照すると、図に示す任意の機器、装置、またはユーザが、移動性があってもよく、または固定されてもよく、他の装置または構造内に埋め込まれてもよく、または取り付けられてもよく、オプションとして、取り付けられた入力装置(キーボード、ペン、スタイラス、またはマウス等)を通してのヒューマンインタラクションおよびディスプレイまたはフィードバック装置があってもよいことは明らかである。
先に考察したように、本発明は、物理環境の二次元(2D)または三次元(3D)コンピュータ化モデルを表現することが可能である。さらに、本発明は、サイト固有物理環境モデルのコンテキスト内のネットワークインフラの種類、配置、構成、および相互接続を決定することにより、無線ネットワーク通信システムを設計し構成する機能を提供し、さらに、無線ネットワーク内のエンドユーザ装置およびネットワークインフラの対話、管理、および制御をサポートする。さらに、ネットワークトポロジのコンピュータ化モデルが生成されているため、設計者は、コンピュータ化サイト固有モデル内の各ネットワーク装置を表すグラフィカルアイコンと実際の物理的なネットワーク装置との間の通信経路を識別することができる。この識別される通信経路は、IPアドレス、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、ネットワークシリアルナンバー、電話番号、バーコード、ユーザ名、RF識別子(ID)タグ、またはネットワーク装置を一意に定義するのみならず、装置との通信リンクを確立する特定の手段を記述または暗示する他の或る識別子の形態をとることができる。たとえば、IPアドレスは、インターネットを介してIPプロトコルを使用してアクセスすることができるネットワーク装置を一意に記述する。
図22を参照して、倉庫環境に向けて設計されたWLANを示す本発明からの画面例を示す。倉庫2204は、金属製の棚2205、および本発明により表される他の物理的な障害物からなる。ネットワークコントローラ2200、ルータ2201、およびアクセスポイント2202からなるWLANが、本発明により倉庫のコンテキスト内でモデリングされる。したがって、図22は、WLANの物理モデルを提供する。図22中のWLANの物理モデルと図19中のWLANの論理モデルとの間の相関に留意されたい。図19、図20、または図21に示す任意の論理ネットワーク表現またはその変形、または他の任意の種類の通信ネットワークも同様にして、本発明内で物理モデルとして表現することができる。この例では倉庫2204を用いるが、部屋、建造物の階、建造物、建造物群、都市、または任意の屋外環境等、任意の物理環境を本発明内で表現することが可能である。倉庫設備の単一の階および単一の部屋を、簡略化して示す。図22に示すWLANが、現実世界で所与の倉庫内に実施されている場合、本発明は、図22中のアイコンで表される物理的なハードウェアと対話することができる。たとえば、図22中のネットワーク交換機2200アイコンは、コンピュータモデルによって表現された実際の倉庫内の対応する位置に物理的に配置された既知の種類の実際のネットワーク交換機に対応する。アクセスポイントまたはカードリーダAP2は、無線または有線でルータ等に接続することができる。本発明は、無線または有線の通信プロトコルを使用してハードウェア機器と通信する手段を提供する。通信媒体およびプロトコルの実際の形態は、機器の種類または設置の好みによって様々であり得るが、当業者は、この発明がどのように、実装されるプロトコルまたは媒体の形態のいずれの変更も包含するかを理解することができる。
さらに、本発明は、或る様式で物理的なネットワークインフラと対話している装置と通信する手段を提供する。たとえば、図19におけるユーザ1905、図20におけるユーザ2003、および図21におけるタグ2104は、本発明により、物理的なネットワークインフラと同様に通信することもできる。実際の形態の通信媒体およびプロトコルは機器の種類によって様々であり得るが、当業者は、この発明が、どのように実施されるプロトコルの形態のいずれの変形も包含するかを理解することができる。本発明は物理的なネットワークハードウェアおよびネットワークユーザと通信リンクを確立することができるため、情報を交換することができる。この情報はネットワークハードウェアの機能に応じて様々であり得るが、ネットワークハードウェア機器、本発明、本発明のユーザ、および/または或る様式でネットワークと対話しているユーザもしくは観測者により解釈可能な情報を表す数値および/または文字列の或る組み合わせの形態をとり得る。本発明は、ネットワーク装置を或る様式で再構成する命令をネットワークハードウェア装置に送ることができる。たとえば、本発明は、ネットワークハードウェア装置に、パワーレベル、暗号化設定、データスループットレベル、ユーザ優先レベル、通信プロトコル、許容ネットワークユーザ、チャネル設定、放射特性、セキュリティプロトコル、または他の任意の形態の構成設定を調整するように命令することができる。ネットワークユーザの場合、本発明は、ネットワークユーザが使用している通信装置に、構成を同様にして調整するように命令することができる。本発明はまた、受け取り側のネットワークハードウェアまたはネットワークユーザが記憶、操作、または表示すべき情報を送ることもできる。たとえば、本発明は、価格情報、バーコード、グラフィックス画像、テキストメッセージ、保守記録、緊急命令、または他の任意の種類の情報を送ることができる。本発明は、受け取り側のネットワークハードウェアまたはネットワークユーザが実行すべき命令を送ることもできる。たとえば、本発明は、ネットワーク装置に、ネットワークアクティビティもしくは性能の監視および報告、特定のユーザの通信の遮断、特定のユーザもしくはユーザ群の優先レベルの増減、セキュリティプロトコルの変更、帯域幅プロビジョニング(帯域幅シェーピング)の調整、または受信側装置が実行可能な他の種類の命令の実行を命令することができる。
本発明とネットワーク装置およびユーザとの間の情報の流れは、本発明により、またはネットワーク装置により開始することができ、単方向であっても、または双方向であってもよい。たとえば、ネットワーク装置は、不正ユーザがネットワークに登録しようとしていることを検出し、この不正アクティビティを本発明に報告することができる。このようにして、ネットワーク装置は、不正ユーザもしくは機器、過度の干渉もしくは他の不良性能状況、過度のネットワークトラフィックもしくは遮断状況、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)トラフィックフローもしくは課金記録、帯域幅プロビジョニング制約、ユーザ認証および認証レート、セキュリティ違反、在庫レベル、位置変更もしくは移動、または監視、追跡、保存、および表示することが有用であり得る他の任意の種類の情報等、不良または誤った状況を報告することができる。
本発明は、図19、図20、または図21に示すインフラまたは移動体装置のいずれとも通信して、各ネットワーク上のアクティビティを監視して、リアルタイムで、または保存されているネットワークアクティビティを、サイト固有のコンテキストの中で観察者に表示することができる。本発明は、図22に示す物理的なネットワークを表すこともできるため、通信ネットワークの物理的な表現と、通信ネットワークの論理的な表現と、物理的なネットワークおよびネットワークユーザとの間に橋を提供する。上述した情報フロー項目のいずれも、本発明により、サイト固有様式で積極的に監視し、保存し、表示することができる。これはオンデマンドで、リアルタイムで、または進行中ベースで行うことができる。この対話の一例を以下に示す。
図23aに、ユーザが、特定のネットワークインフラ装置またはネットワークユーザ装置に関して、本発明に表示される特定の種類の情報の照会を入力することができるユーザ入力ダイアログボックスのサンプルを示す。この照会は、本発明が、照会にマッチングする任意のネットワークインフラ装置またはネットワークユーザ装置を求めてネットワーク全体を探索する機能に役立つ。本発明では、本発明からアクセス可能なネットワーク装置内に含まれているまたは測定可能な任意の数データまたはテキストデータを照会することができる。たとえば、ユーザは、特定のユーザ優先レベル、セキュリティ分類、または帯域幅割り振りを有するユーザまたはユーザ群を照会することができる。さらに、ネットワークの性能測度、セキュリティレベルおよび違反、帯域幅プロビジョニング、ならびに価格、部品番号、位置、数量等、個々のネットワーク装置に含まれる、または測定可能な情報についての照会を生成することができる。照会によって表されるデータは検索しても、または送信してもよいことを明確にされたい。すなわち、照会は、探索および置換動作の形態をとることができ、この場合、所与のデータ種類、情報項目、または構成もしくは性能設定のすべてのインスタンスが異なる値で置換される。図23aに示す照会ダイアログウィンドウは、RFタグネットワークに基づいて選択肢を含むが、当業者は、図23aに示す照会ダイアログの形態および内容が、どのようにアクセス中のネットワークの種類に応じて異なり得るかを理解することができる。
図23aに示す照会ダイアログは、ネットワークインフラ装置またはネットワークユーザ装置から検索された情報に適用されるフィルタの形態をとることもできる。ネットワーク装置は、本発明により情報について照会される、または事前対策的に、メッセージを本発明に送るため、本発明は、ユーザカスタマイズ可能フィルタをメッセージに適用することができ、したがって、完全なメッセージまたは情報のサブセットのみが本発明のユーザに表示される。
図23bを参照して、図23aに示すものと同様の照会ダイアログから要求されたデータを提供した後、本発明によりユーザに提供される表示の見本である図22のWLANを示す。ユーザが本発明に入力した情報に基づいて、本発明のユーザは、ネットワークから情報を得ることができる。本発明のユーザがマウスカーソルまたは他のコンピュータポインティングデバイス2301をネットワーク装置2202上に渡すと、本発明は、ユーザによって選択されたネットワーク装置2202のグラフィカルアイコンと、倉庫2204内に配置されている実際の物理的な装置との間の関連性を判断する。この関連付けが行われると、本発明は、予め規定された通信方法および/または一意の装置識別子を使用して、上述したように物理的なハードウェア装置と通信リンクを確立する。通信リンクが確立されると、本発明は、ユーザが望む情報または発見法が何の種類であれ、ネットワーク装置に照会することができる。図23に示すように、特定の性能情報が、ツールチップ2300の形態でユーザに表示される。ツールチップ2300は、現在のネットワークユーザの現在の数、使用中のセキュリティプロトコル、チャネル設定、送信パワー設定、および他の性能情報等の情報を表示する。
ネットワーク装置による測定、表示、または記憶が可能な他の任意の種類の情報も、同様に表示することができる。これには以下が挙げられるがこれらに限定されない。すなわち、価格、部品番号、製造業者、シリアルナンバー、重さ、容積、数量、品目説明、バーコード、発信場所、宛先場所、製品ベンダー、保証期限、補修データ、顧客コンタクト情報、出荷情報、日時、保守履歴、保証履歴、現在の状態、購入履歴、位置、ユーザ数、各認証ユーザの状態(位置、サービス品質、帯域幅割り振り、サービス種類、セキュリティ設定、および他の任意の品質的または定量化可能なユーザパラメータ等)、不正または誤ったユーザもしくは装置およびそれぞれの状態(位置および認識される動作特性等)、測定可能または定量化可能なデータ値(パケットエラーレート、パケットスループット、パケットレイテンシ、ビットエラーレート、信号対雑音比(SNR)、搬送波対雑音比(CNR)、信号強度もしくは受信信号強度(RSSI)、rms遅延分散、歪み、ビットエラーレート(BER)、負荷、容量、フレームエラーレート(FER)、毎秒当たりのフレーム解像度、トラフィック、パケットジッタ、干渉レベル、パワーレベル、1人または複数のユーザのサービス品質(QoS)、データスループット、停止統計、故障率、ならびに温度、圧力、流速等の感覚データ、環境状況、消費電力および電力変動、生産レベル、ストレージレベル、サイクルタイム、応力レベル、光強度、空気もしくは流体の品質、放射レベル、または他の任意の定量的な測定可能値等)、または数データフィールドまたはテキストデータフィールドとして表し、処理して或る形態のディスプレイに表示することができる他の任意の情報項目である。
図23cを参照して、図23aに示すものと同様の照会ダイアログから要求されたデータを提供した後、本発明によりユーザに提供される表示の見本である図22のWLANを示す。ユーザが本発明に入力した情報に基づいて、本発明のユーザは、ネットワークから情報を得ることができる。本発明のユーザがマウスカーソルまたは他のコンピュータポインティングデバイス2301を移動体ユーザネットワーク装置2203上に渡すと、本発明は、ユーザによって選択された移動体ユーザネットワーク装置2203のグラフィカルアイコンと、倉庫2204内に配置されている実際の物理的な装置との間の関連性を判断する。この関連付けが行われると、本発明は、予め規定された通信方法および/または一意の装置識別子を使用して、上述したようにネットワークユーザの装置と通信リンクを確立する。通信リンクが確立されると、本発明は、ユーザが望む情報または発見法が何の種類であれ、ネットワーク装置に照会することができる。図23に示すように、特定の性能情報が、ツールチップ2300の形態でユーザに表示される。ツールチップ2300は、現在のネットワークユーザの現在の数、使用中のセキュリティプロトコル、チャネル設定、送信パワー設定、および他の性能情報等の情報を表示する。
本発明は、任意のネットワーク装置またはユーザからの通信の開始に応答することもできる。たとえば、ネットワーク装置が誤ったユーザ認証要求を受け取る場合、ネットワーク装置は、本発明にメッセージを自動的に生成するように構成することができる。この場合、図24に示すような警告を本発明のユーザに表示することができ、それにより、通知している装置2401が、送信した警告メッセージ2400と共に、存在する設備のサイト固有のコンテキストの中で特定される。他の種類の警告メッセージは、以下のうちの1つまたは複数の任意の変更の通知の形態をとることができる。すなわち、価格、部品番号、製造業者、シリアルナンバー、重さ、容積、数量、品目説明、バーコード、顧客コンタクト情報、出荷情報、日時、保守履歴、保証履歴、現在の状態、購入履歴、位置、ユーザ数、各認証ユーザの状態(位置、サービス品質、帯域幅割り振り、サービス種類、セキュリティ設定、および他の任意の品質的または定量化可能なユーザパラメータ等)、開始されたネットワーク接続、不正または誤ったユーザもしくは装置およびそれぞれの状態(位置および認識される動作特性等)、測定可能または定量化可能なデータ値(パケットエラーレート、パケットスループット、パケットレイテンシ、ビットエラーレート、信号対雑音比(SNR)、搬送波対雑音比(CNR)、信号強度もしくは受信信号強度(RSSI)、rms遅延分散、歪み、ビットエラーレート(BER)、負荷、容量、フレームエラーレート(FER)、毎秒当たりのフレーム解像度、トラフィック、パケットジッタ、干渉レベル、パワーレベル、1人または複数のユーザのサービス品質(QoS)、データスループット、停止統計、故障率、ならびに温度、圧力、流速等の感覚データ、環境状況、消費電力および電力変動、生産レベル、ストレージレベル、サイクルタイム、応力レベル、光強度、空気もしくは流体の品質、放射レベル、または他の任意の定量的な測定可能値等)、または数データまたはテキストデータフィールドとして表し、或る形態のコンピュータディスプレイに表示することができる他の任意の情報項目である。
本発明では、物理的な固定ネットワークインフラ、および通信装置がネットワークに接続された移動または固定のユーザの両方の監視および対話が可能である。最後に、無線LANネットワークを図23および図24に示すが、任意の形態の通信ネットワークが本発明の要件を満たし、本発明により同様にして監視および対話することができることも明確にされたい。本発明の好ましい実施形態は、各装置に確立された上記通信リンクを通してネットワーク装置を継続して定期的にポーリングして、1つまたは複数のデータ値を定期的に検索することにより、ネットワークアクティビティを積極的に監視する手段を提供する。このプロセスを通して、本発明は、保存または報告を目的として、上記種類の所望のネットワーク情報を定期的かつ日常的に収集することができる。この場合、図23および図24に詳細に示すように、ユーザに表示される情報は、リアルタイムデータである必要はなく、代わりに、関連するネットワーク装置または装置群から特定の時点で報告または受け取られた履歴情報、集計情報、または非リアルタイム情報を表すこともできる。
本発明の好ましい実施形態には、多数の制御ソフトウェアが実装され、コンピュータサーバまたはパーソナルコンピュータ上で実行されるが、多数の制御ソフトウェアは別法として、ネットワークコントローラ/ネットワーク交換機上に実装されても、このようなコントローラもしくは交換機に一体化されても、さらには1つまたは複数の装置のソフトウェアもしくはファームウェアに埋め込まれてもよく、さらに、基地局、カードリーダ、リピータ、またはハンドヘルドポータブル装置を含む、他の装置上にばらばらに部分的に実装してもよく、この場合、このような装置の1つまたは複数には、データを視覚化した表示をユーザに提供し、ユーザがデータ入力装置(キーボードまたは音声認識方法等)および/またはマウス等のポインティングデバイスを使用してデータを入力することができる機能がある。コンピュータモニタ、LCDパネル、LEDディスプレイ、または他の或る同様の装置(または別法として、音声合成)等、或る形態のディスプレイが、ユーザへのフィードバックを生成する手段を提供する。さらに、コンピュータ化された記憶機構が好ましい実施形態において使用されて、エンドユーザ装置を含む、ネットワークハードウェアの適宜制御のために情報が保存され、適応処理および予測計算が支援される。当業者は、他の変形実施形態がこの発明の精神内に存在することが可能なことを容易に理解することができるであろう。
物理的なネットワークレイアウト、ネットワーク内で使用される物体、論理的なネットワークレイアウト、実際のネットワークハードウェア、データ記憶・検索・監視・編集システム、ならびにネットワーク内で使用される装置およびネットワークアプリケーションに使用されるハードウェアに提供されるネットワークプロビジョニングおよび位置標定データと組み合わせられた表示機能の間のこの前例のない相関は、従来技術に対する劇的な改良を提示する。本発明は、ネットワークアクティビティとネットワークおよびイベント(メッセージ、アラーム、特定の製品の位置、パレット、またはセキュリティ違反等)それ自体の物理的な位置に存在する動作中の状況との間に即時のサイト固有相関付けを提供し、これと同時に、エンドユーザ装置に関連する情報を検索、書き込み、および処理できるようにするとともに、エンドユーザのネットワーク体験、セキュリティ機能、およびネットワーク全体にわたるハードウェア装置における情報を制御できるようにすることにより、ネットワーク管理者が、通信ネットワークを監視し、管理し、保守するとともに、位置固有およびネットワーク固有の通信およびすべての種類の制御データを検索し、送信し、処理する、価値ある機能を提供する。
本発明では、ネットワークにわたって予め指定された自動性能およびセキュリティチェックが可能である。各ネットワーク装置を規則的に、ユーザ制御可能に順次ポーリングして、性能パラメータ、帯域幅プロビジョニング、ユーザトラフィック状況、ユーザ優先レベル、セキュリティ設定、および他の関連するネットワーク動作パラメータを検索することにより、本発明は、各ネットワーク装置のサイト固有位置に相関付けられた保存性能データを作成できるようにする。この情報は、報告を目的として記憶、検索、および表示することができる。たとえば、本発明は、特定のユーザが認証されたスループット監視時間期間アクセスポイントまたはアンテナ、または特定の高優先度ユーザが監視時間期間にわたって電話呼を発した位置を表示することができる。
上記技法を用いてネットワークユーザ装置のアクティビティを監視することにより、本発明は、他の既存の技術では可能ではない程度のネットワークセキュリティを提供することができる。たとえば、無線LANに伴う一般的なセキュリティ問題は、中間者問題として知られている。図25を参照して、2つの無線LANアクセスポイント2501、2502が配置された倉庫2500を示す。ネットワークユーザ2503は、設備内をローミングしている。正当なネットワークインフラの一部ではなく、ネットワークに対するセキュリティ脅威を表す不正アクセスポイント2504もある。アクセスポイント2501および2502のサービスエリアの限界を境界等高線2505で示す。境界等高線2505は、アクセスポイント2501および2502が通信信号を検出することができる最大距離を表す。不正アクセスポイント2504は境界2505の外側にあることに留意されたい。これは、アクセスポイント2501も、またアクセスポイント2502も不正アクセスポイント2504の存在を検出することができないことを示す。しかし、ネットワークユーザの装置2503は、不正アクセスポイント2504、ならびに正当アクセスポイント2501および2502を両方とも検出することができる。
本発明は、ユーザのネットワーク装置2503のアクティビティを監視するように命令されている場合、ユーザのネットワーク装置2503から警告メッセージの形態の指示を受け取り、この指示を図24と同様にして処理し、記憶し、表示して、ITマネージャまたはネットワークセキュリティ要員に、妨害アクセスポイントまたはユーザが検出されたことを通知する。さらに、関連出願への相互参照の項において述べ、参照により本明細書に援用される上記特許および特許出願に記載のように、アラームを設定する、ページをIT要員に送信する、または警告メッセージを送信することができる。ユーザのネットワーク装置2503が、本発明により、不正アクセスポイントまたは他のセキュリティ問題によるこのようないずれの妨害も自動的に報告するように命令されている場合、ユーザの装置2503は、警告メッセージを本発明に自動的に送信することができ、この時点で、警告メッセージは、上述したように処理され、記憶され、表示される。さらに、上述した処理を用いて、本発明は、不正ユーザのパワーを低減する(可能であれば)、新しいセキュリティ手続きを既存のユーザに対して開始する、適切なプロセスをシャットダウンし、セキュリティ違反を回避する手続きを実施する、ネットワーク内の不正ユーザの資源割り振りをシャットダウンする、不正ユーザを情報センターまたは保管設備に報告して、警察による適切な使用を助ける等の是正措置をとる。この程度のサイト固有監視および制御がなければ、ネットワーク管理者には、不正アクセスポイント2504の存在を自動的に検出する方法がない。
上述したように、不正アクセスポイントまたは他のネットワーク侵入者が検出されると、本発明は、ネットワーク資源を自動的に再構成して、侵入者からの脅威に有効に対処する、または最小限に抑えることができる。たとえば、図25に提示した状況では、本発明は、ユーザのネットワーク装置2503により不正アクセスポイント2504の存在を警告されると、ユーザのネットワーク装置2503に、検出された不正アクセスポイント2504についての詳細な情報を提供するように命令することができる。この詳細な情報としては、以下を挙げることができるがこれらに限定されない。すなわち、アクセスポイント名、IPアドレス、チャネル設定、技術、パワーレベル、受信信号強度レベル、または不正ネットワーク装置の性能もしくは構成に関連する他の任意の測定可能な値である。この情報を用いて、本発明は、再構成命令を、図25に示すアクセスポイント2501および2502等の他のネットワーク装置に自動的に送信して、現在のネットワークユーザの性能またはセキュリティに対する不正ネットワーク装置の悪影響を打ち消す、または最小限に抑えることができる。たとえば、本発明は、アクセスポイント2501および2502に、チャネル設定、送信パワーレベル、アンテナの向き、またはパターンステアリングを変更するように、またはデータ暗号化レベルもしくはユーザ認証要件を上げるように、またはネットワーク装置の他の任意の構成可能な動作パラメータを変更するように命令することができる。これにより、本発明は、検出されたネットワーク侵入者または問題のいずれに対しても最初の対応措置を効率的に自動化することができる。
本発明がより容易に解決することができる別の一般的なネットワークセキュリティ問題は、正当ネットワーク装置になりすます不正ネットワーク装置の問題である。たとえば、不正無線LANアクセスポイントが、それ自体を正当ネットワークアクセスポイントとしてネットワークユーザ装置に提示し得るため、本来ならば生成することができる潜在的なセキュリティ警告が迂回されてしまう。要約すれば、図25に提示した状況の場合、不正アクセスポイント2504が、正当ネットワークアクセスポイントであるように見せかけるように構成されている場合、ユーザネットワーク装置2503はセキュリティ違反があることを認識しない場合がある。本発明は、この形態のネットワーク攻撃からも同様に防衛する手段を提供する。ユーザネットワーク装置を定期的に監視することにより、本発明は、ユーザネットワーク装置が対話する他のネットワーク装置の保存記録を記憶することができる。たとえば、図25では、ユーザネットワーク装置2503が本発明によって定期的に監視されていた場合、本発明は、ユーザネットワーク装置2503が、定期的かつ日常的にアクセスポイント2501および2502を介してネットワークと対話しているという履歴記録を構築することができている。不正アクセスポイント2504がそれ自体を、ユーザに正当ネットワークアクセスポイントとして提示するが、2501とも2502とも異なるアクセスポイントとして提示する場合、本発明は、ユーザネットワーク装置が新しいネットワーク装置を検出したことを検出し、本発明により、図26に示すものと同様の警告メッセージ2600をユーザネットワーク装置から受け取り、メッセージは処理され、記憶され、表示される。次いで、ネットワーク管理者が、検出されたネットワーク装置2504が本当に正当な装置であるか否かをインテリジェントに判断することができる。
ネットワーク侵入者が、ネットワークに侵入するために正当なネットワークユーザになりすまそうとする場合に、上記セキュリティ問題の逆が発生する。これは、図25に示す不正アクセスポイントの状況と非常によく似るが、不正アクセスポイントに代えて不正ユーザの形態をとる。本発明は、この状況も識別して対処することができる。この状況では、本発明がネットワーク上のトラフィックを監視し、特定のネットワーク装置(複数可)と日常的に対話するユーザ通信を特定のユーザと相関付けている場合、ネットワークユーザの使用パターンのいずれの変更も検出し、サイト固有モデルに相関付けることができる。たとえば、図27を参照すると、不正ユーザ2700がネットワークに接続しようとし、アクセスポイント2701と対話する場合、本発明は、アクセスポイント2701に関連する登録履歴、ユーザ認証、および/またはトラフィックフロー記録を参照し、不正ユーザ2700がその特定のアクセスポイントを使用してネットワークに日常的に接続していたか否かを判断することができる。接続していなかった場合、警告メッセージ2702を図27に示すように表示することができる。
図25、図26、および図27に提示される技術およびネットワーク装置は無線ローカルエリアネットワークに関したが、任意の通信技術またはネットワークも、こういった結果を実現するために本発明との併用に適していることを明確にされたい。さらに、公衆WLAN用途の場合、一般のIPトラフィックにとって悪意のあるピアツーピアトラフィック種類等、特定のユーザアプリケーションが、公衆での(たとえば、単一のT−1ラインのみを使用して、建造物内のすべての公衆WLANユーザにサービス提供するレストラン内)帯域幅の限られたネットワークでの帯域幅過剰占有(bandwidth hogging)または干渉の発生により望ましくないであろうことは明確である。本発明は、アクセスポイントまたはネットワークコントローラを通過するトラフィックデータから、禁止または望ましくないIPアドレス、アプリケーションアドレス、ウェブサイトアドレス等を検出し、このようなユーザデータへの帯域幅資源を自動的に制限する、またはアクセスを制限することができる。本明細書において説明し、当業者に既知の方法を用いて、このような使用の統計を記憶し表示することができる。
ネットワークアクティビティおよびネットワーク機器性能を定期的に監視することにより、本発明は、故障または使用不能機器の識別も支援し、問題となっている正確なネットワーク装置を即座に示すことができる。たとえば、図28では、本発明は、ネットワーク装置2800が誤作動していると判断した。この装置の位置は、設備モデル上に、どういった問題である可能性があるかという指示と共に示される。この情報は、保守要員またはセキュリティ要員が使用するハンドヘルドネットワーク装置にダウンロードして表示することができる。問題が解決されると、このことについての情報ならびに保守要員またはセキュリティ要員によって入力された任意の注釈を、本発明により保守されるネットワーク装置の履歴記録内にログ記録することができる。
図23〜図28には、本発明において情報を伝えるために使用されるツールチップが示されているが、グラフ、チャート、画像、映像、音声、または他の任意の種類の聴覚または視覚的な媒体を使用することができる等、他の任意の形態の情報表示またはフィードバックを表示してもよいことを当業者は明確にされたい。特定のネットワーク装置が図23〜図28において識別されたが、移動性があるか、固定されているかに関わりなく、任意のネットワークハードウェア装置またはネットワーククライアント装置は問題となるネットワーク装置であってもよいことも明確にされたい。
たとえば、図29を参照して、無線データ通信ネットワークが本発明内で設置されモデリングされた特定の建造物の単一階の3D表現を示す。ユーザは、マウスカーソル2901を使用して特定の無線ネットワーク装置2900を選択し、現在アクティブなすべてのクライアントの現在の帯域幅プロビジョニングの表示を選択した。本発明は、選択されたネットワーク装置2900を照会し、所望の情報を検索して、グラフウィンドウ2902の形態で表示する。グラフウィンドウ2902は、現在2人のアクティブユーザ、ベス(Beth)およびポール(Paul)が存在し、アクティブユーザクラス、ビジター(Visitors)が、選択されたネットワーク装置を通して接続されていることを示すとともに、各ユーザの相対帯域幅使用率を示す。この特定の場合では、グラフ2902は、各ユーザに認められた割り振り最大帯域幅およびユーザが使用している平均ピーク帯域幅の両方を示す。たとえば、グラフ2902を参照すると、ユーザベスには6Mbpsが割り振られているが、平均ピーク使用率は5Mbpsであり、ユーザポールには4Mbpsが割り振られているが、平均ピーク使用率は3Mbpsであり、ユーザクラスビジターには2.5Mbpsが割り振られており、現在、平均ピーク1.5Mbpsを使用している。分、時、日、および月にわたる平均、ピーク、最繁時、および集計データおよびトラフィック使用を記憶し表示することも可能であることは明確である。このようなデータは、課金またはサービスプラン報告および監査目的で使用することも可能である。本発明に含まれる処理は、使用データの報告書を計算し生成することもできるため、個々のユーザおよびユーザ群の課金およびトラフィック報告、ならびに時間期間中にネットワーク全体にわたる全ユーザに運ばれた総トラフィックを作成し、記憶し、電子メール送信することができる。
(ボイスオーバーIPネットワークに対しての本発明の使用法)
図30を参照して、倉庫設備内に設置された典型的な無線ネットワークを示す。倉庫3000がこの例では用いられるが、部屋、建造物の階、建造物、建造物群、都市、または任意の屋外環境等、任意の物理環境を本発明内で表現することが可能である。倉庫設備の単一階を簡略化して示す。倉庫3000内には、ネットワークの性能に影響を及ぼす可能性のある複数の棚3001、壁、ドア、窓、機械、および他の障害物がある。無線ネットワークが倉庫内に設置され、アンテナ3002が倉庫内または倉庫周辺の様々な場所に配置されている。アンテナ3002は、任意の形態の全方向性アンテナ、指向性アンテナ、アレーアンテナ、または放射ケーブルアンテナ、同じ場所にアンテナが備えられた送受信器または基地局、または内蔵アンテナを備えた或る形態の自己完結型の送受信器または基地局ユニットを表すことができることに留意されたい。さらに、無線ネットワークアンテナ3002は、同軸であるか、ベースバンドであるか、それとも光ファイバケーブルであるかに関わらず、或る種類の配線ケーブルを介して、物理的に他のどこかに配置された送受信器に取り付けられた全方向性アンテナ、指向性アンテナ、またはアレーアンテナであることができる。しかし、無線ネットワークアンテナ3002は、無線通信信号を受信して、同じ、変更した、または変調した無線信号を再ブロードキャストする自己完結型のリピータ装置の形態をとることもできる。さらに、無線ネットワークアンテナ3002は、移動体であってもよく、たとえば、移動車両、コンベヤベルトに取り付けられた、またはハンドヘルド装置に接続された、または埋め込まれた自己完結型の送受信器であってもよい。無線ネットワークアンテナ3002は、自己完結型の送受信器の形態をとることもでき、この場合、アンテナは送受信器と同じ場所に配置され、送受信器自体と切り離すことができないことに留意されたい。
さらに、多くの無線VoIP装置3003が設備全体にわたって配置され、所定位置に固定されるものもあれば(たとえば、卓上電話、壁掛け式電話、公衆電話等)、移動性を有するものもある(たとえば、携帯電話、ハンドヘルドPDA等)。クライアントVoIP装置3003は、無線ネットワークアンテナ3002と共通の技術および通信プロトコルを共有し、無線通信リンクを無線ネットワーク3002と無線VoIP装置3003との間に確立できるようにする。この通信リンクの形態は、無線VoIP装置3003と無線ネットワークアンテナ3002との間で共有される技術および通信プロトコルの種類に固有である。たとえば、IEEE802.11gプロトコルに基づいた無線ネットワークは、明らかに、無線ネットワークアンテナ3002および無線VoIP装置3003が通信する手段としてIEEE802.11gプロトコルを使用する。
無線データネットワーク上のトラフィックフローの調整に示唆される一般的な技法は、帯域幅シェーピングとして知られている。帯域幅プロビジョニングまたは帯域幅制御と呼ばれることもある帯域幅シェーピングは、チャネルの全体帯域幅の特定のブロックを個々のユーザに割り振るプロセスである。帯域幅ブロックのサイズは、所与の通信プロトコルに関してユーザが実現可能な最大スループットに直接関係するため、帯域幅シェーピングは、所望の通信を実行するに十分な帯域幅を各ユーザに保証するとともに、ユーザのアプリケーションに十分な帯域幅が存在しないときには、単に、ユーザへのアクセスを許可しないことにより、ネットワークを全体の性能レベルに維持できるようにする手段を提供する。この種類の機能は、ネットワークによって伝送される各音声会話は事実上、同量の帯域幅を使用し、すなわち、異なる音声会話の帯域幅ニーズ間のばらつきが殆どないため、VoIPに有益である。
帯域幅シェーピングはまた、本来、ユーザ優先レベルとして知られている設定を提供する。すなわち、特定のユーザに、他のユーザよりも高いネットワーク帯域幅アクセス優先度を与えることができる。これを使用して、特定のユーザが常に、特定の性能レベルでデータを送受信できるようにすることを保証することができる。一例として、VoIPネットワークでは常に、救急サービスに電話を掛けているユーザに最高の優先レベルを認めることができる。優先度格付けのより低い他のユーザがネットワークを介して通信している場合、その接続は、優先度のより高いユーザの帯域幅ニーズに適応するように、終了されるか、よくても帯域幅の低下を経験し得る。たとえば、非VoIP状況では、病院において、要求があったときに、ネットワークを介してタイムクリティカルなコンピュータファイルを或る場所から別の場所に送信する必要があり得る。このような要求には、最高の優先レベルを与えることができ、この場合、他のすべてのデータネットワークユーザは、優先度の高いファイルが転送されている時間期間中、性能レベルの低下を経験する。これにより、ここでも、優先度の高いトランザクションが首尾よく適時に完了することが保証される。
本発明は、無線ネットワーク、および無線ネットワークが設置された物理環境の両方のサイト固有モデルを保持する。図30に、たとえば、本発明からの画面例を提供する。さらに、本発明は、機器費用、干渉レベル、有効範囲領域、ネットワーク容量、ネットワーク負荷、およびユーザ優先レベル等の基準を使用して、無線ネットワークを設計し配備する強力な機能を提供する。帯域幅シェーピングに対処する場合の極めて重要な考慮事項は、移動ユーザのローミング機能である。たとえば、無線LANにおいて、最高の優先レベルを有するユーザが設備の或る部分から別の部分に、WLANを介して通信しながらローミングする場合、複数のアクセスポイントが一度に1つずつ、通信をピックアップし、処理することができる。すなわち、優先度の高いユーザがサービス境界を或るアクセスポイントから別のアクセスポイントに跨ぐとき、そのユーザの通信リンクは、問題となっている2つのアクセスポイント間でハンドオフされる。これは、このようなハンドオフにより、第2のアクセスポイントが、優先度のより高いユーザが帯域幅を利用できるように、現在管理している他のユーザをネットワークから遮断しなければならなくなる場合に問題である。場合によってはこれは不可避であるが、この種の強制遮断の影響を最小限に抑えることができることが非常に望ましい。また、優先度の高いユーザが、すでに混雑しているサービスエリアにローミングすることに適応できるようにすることに伴う潜在的な問題もある。帯域幅シェーピングおよびプロビジョニングが、優先度の高いユーザがすでにサービスエリア内に入り、ハンドオフが開始された後になって初めて行われる場合には、帯域幅シェーピングを更新することができるまで、優先度の高いこのユーザが接続を失う、または少なくとも性能の低下を経験し得る危険性がある。本発明は、このような判断を下すサイト固有コンテキストを提供することにより、帯域幅シェーピング問題を管理する機能を提供する。
図31に、図30に示すネットワークと同じネットワークであるが、2つのアンテナ3002のそれぞれに予測有効範囲等高線3100、3101を示したネットワークを提供する。図31を参照して、2つの無線ネットワーク送受信器3103、3104を示す。各送受信器3103、3104のサービスエリアが本発明により予測されており、図31に変動する等高線として同様に表示されている。所与の無線ネットワーク送受信器のサービスエリアは、図31では、移動無線装置が無線ネットワーク送受信器に首尾よく接続することができる境界である。所与の無線ネットワーク送受信器サービスエリア外では、移動無線装置は送受信器に首尾よく接続することができない。2つの無線ネットワーク送受信器3103、3104のサービスエリアは、1つのエリア3102において交わり重複する。重複エリア3102内では、移動無線装置は、図31における無線ネットワーク送受信器3103、3104のいずれにも接続することができる。
図31における情報を用いて、本発明は、図31に示す無線ネットワークの帯域幅シェーピングプロセスをより効率的に管理することができる。本発明は、無線ネットワーク資源の構成をリアルタイムで監視し制御することにより、優先度のより高いユーザのためにスペースを空けるために、優先度のより低いユーザをネットワークから遮断しなければならないときを調整することができる。これは、問題となっている環境内のすべての無線ネットワーク送受信器の重複サービスエリアの位置、エリア、およびサイズについてのサイト固有知識を有する本発明の機能による。この情報を用いることにより、本発明は、どの送受信器が移動クライアントとの通信を管理しているかという点で、移動クライアントを或る無線送受信器から別の送受信器にいつシフトするべきかをより効率的に判断することができ、また、付近の無線送受信器での帯域幅シェーピングをより効率的に計画することができる。たとえば、最高優先度の移動クライアントが設備をローミングし、現在の無線送受信器のサービス限界の既知の境界に達しつつある場合、本発明は、移動クライアントの相対位置を、周囲の無線送受信器の各種サービスエリアに相関付けることによってこれを検出することができる。最高優先度の移動クライアントが或るサービスエリアから別のサービスエリアに移ろうとしている場合、本発明は、そのクライアントがエリアに実際に移る前に、移動クライアントが適正な帯域幅を利用することができることを保証する処置を講じることができる。これは、遷移がすでに行われた直後に帯域幅を解放する必要があるのではなく、クライアントが到着したときには、適正な帯域幅プロビジョニングがクライアントにすでに確立されているため、移動クライアントにより信頼性の高い接続を保証する。
たとえば、図31を参照して、「VoIP_1」3105という名称の移動VoIPクライアントを考える。VoIP_1が優先度の高いユーザである場合、そのユーザの電話での会話は、ネットワーク上の他の優先度のより低いユーザよりも優先される。VoIP_1が、無線送受信器3103のサービスエリア3100内にある間に電話での会話を開始する場合、無線送受信器3103は、VoIP_1のニーズを満たすに十分な帯域幅を割り振らなければならない。次いで、VoIP_1が、無線送受信器3103と3104のサービスエリア間の小さな交差エリア3102内にローミングすると、本発明は、無線ネットワーク上のアクティビティを監視する機能を使用して、現在、無線送受信器3103および3104の両方がVoIP_1と通信可能であることを検出することができる。この時点で、VoIP_1によって開始された会話は依然として、無線送受信器3103によって処理されている。しかし、本発明は、強力な予測エンジンを通して、図31に示すように交差サービスエリア3102のサイズおよび基本的な形状を認識する。本発明は次いで、VoIP_1が、無線送受信器3103のサービスエリアの限界に急速に近づきつつある可能性があり、近いうちに無線送受信器3104にハンドオフしなければならないと判断することができる。来るべきハンドオフに備えるために、本発明は、オプションとして、無線送受信器3104での新規トラフィックを認めないようにしてVoIP_1が十分な帯域幅を有することを保証する場合もあれば、またはVoIP_1の差し迫ったハンドオフを見越して帯域幅を解放するために、事前に処置を講じて現在通信中のユーザを遮断する必要がある場合もある。本発明に固有のこの機能なしでは、無線ネットワークは、プリエンプティブ処置を講じて、VoIP_1へのサービスが失われる可能性を回避することができない。
上記と同一であり、無線送受信器3104がVoIP_1の最低帯域幅ニーズに対応することができない第2のシナリオを考える。たとえば、無線送受信器3104にすでに、VoIP_1に等しい優先レベルの他のユーザに対応するために最大帯域幅が割り振られている場合を考える。本発明に固有のサイト固有の知識およびネットワーク制御なしでは、VoIP_1は、無線送受信器3103のサービスエリアを出て、無線送受信器3104のサービスエリアに入るとすぐに電話呼が途切れると考えられる。しかし、本発明は、この差し迫った(かつ不可避な)イベントの事前知識を有し、VoIP_1にこのイベントを通知する機能を有する。たとえば、本発明は、現在のエリアを出た場合、接続を維持することができなくなることをユーザに通知するメッセージをVoIP_1に送信することができる。この通知は、無線装置に送信されるテキストメッセージ、ビープ、またはトーンの形態をとることができる。
現実世界の大半の無線ネットワークで発生している実際の状況は、図31に提示する状況よりも複雑である。一般に、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の無線送受信器間にはかなりのサービス重複があり、設備をローミングする優先レベルの高い複数のユーザも存在する。しかし、状況がより複雑になるにつれて、サイト固有情報を帯域幅シェーピングアルゴリズムと組み合わせる本発明の機能により、ネットワーク全体の性能を向上させることができる。たとえば、2人の最高優先度ユーザが、逆方向から同じ無線送受信器サービスエリアに向かってローミングしている状況を考える。本発明により利用される無線ネットワークトポロジおよび交差サービスエリアのサイト固有知識なしでは、無線ネットワークは、このイベントに備えて何の処置も講じることができない。
サイト固有ネットワークトポロジおよびサービスエリアに、各無線送受信器の現在負荷および高優先度ユーザの相対位置を相関付ける機能は、VoIP、帯域幅シェーピング、および無線ネットワーク管理の分野において新規の概念である。全地球測位システム(GPS)データを通して、または他の或る位置標定アルゴリズムを通して正確なユーザ位置評定を追加することにより、本発明は非常によく補完される。本発明は、要件として正確にユーザの位置を識別する必要がないものとして設計されたが、当業者は、位置標定アルゴリズムまたは技法をどのように本発明内に組み込むことができるかを容易に理解することができる。
(本発明のRFタグ用途)
図32を参照して、倉庫設備内に設置された典型的な無線ネットワークを示す。倉庫3200がこの例で使用されるが、部屋、建造物の階、建造物、建造物群、都市、または任意の屋外環境等の任意の物理的な環境を本発明内で表現することが可能である。倉庫設備の単一の階を簡略化して示す、倉庫3200内には、複数の棚3201があり、棚3201には様々な在庫品を配置することができる。無線ネットワークが倉庫内に設置され、アンテナ3202が倉庫内および倉庫周辺の様々な場所に配置されている。アンテナ3202は、任意の形態の全方向性アンテナ、指向性アンテナ、アレーアンテナ、または放射ケーブルアンテナ、同じ場所にアンテナが備えられた送受信器または基地局、または内蔵アンテナを備えた或る形態の自己完結型の送受信器または基地局ユニットを表すことができることに留意されたい。さらに、無線ネットワークアンテナ3202は、同軸であるか、ベースバンドであるか、それとも光ファイバケーブルであるかに関わらず、或る種類の配線ケーブルを介して、物理的に他のどこかに配置された送受信器に取り付けられた全方向性アンテナ、指向性アンテナ、またはアレーアンテナであることができる。しかし、無線ネットワークアンテナ3202は、無線通信信号を受信して、同じ、変更した、または変調した無線信号を再ブロードキャストする自己完結型のリピータ装置の形態をとることもできる。さらに、無線ネットワークアンテナ3202は、移動体であってもよく、たとえば、移動車両、コンベヤベルトに取り付けられた、またはハンドヘルド装置内に埋め込まれた自己完結型の送受信器であってもよい。無線ネットワークアンテナ3202は、自己完結型の送受信器の形態をとることもでき、この場合、アンテナは送受信器と同じ場所に配置され、送受信器自体と切り離すことができないことに留意されたい。
さらに、多くの無線ハードウェア装置3203が設備全体にわたって配置され、所定位置に固定されるものもあれば(たとえば、棚、壁、不動機器、または他の非移動構造に取り付けられる)、移動性を有するものもある(たとえば、在庫品、パレット、移動車両、コンベヤベルト等の、機械または組立ラインの可動部に取り付けられる、在庫要員、保守要員、またはセキュリティ要員が使用しているハンドヘルド装置内に組み込まれる、従業員が装着する識別バッジ内に組み込まれる、または他の任意の種類の移動または繋がれていないプラットフォーム)。無線ハードウェア装置3203は、パッシブまたはアクティブ電波周波数タグ(RFタグ)、超広帯域(UWB)送受信器、ブルートゥース送受信器、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)装置、携帯またはパーソナル通信システム(PCS)送受信器、または他の同様の無線ネットワーキング技術のいずれの形態をとることもできる。RFタグの場合、パッシブRFタグは以下ようにアクティブRFタグと区別される。パッシブRFタグは、無線信号を能動的に発信も送信もせず、その一方でアクティブRFタグは含む、能動的に信号を発信し、送信することができる。
無線ハードウェア装置3203は、無線ネットワーク3202と共通の技術および通信プロトコルを共有し、無線通信リンクを無線ネットワーク3202と無線装置3203との間に確立できるようにする。この通信リンクの形態は、無線ハードウェア装置3203と無線ネットワーク3202との間で共有される技術および通信プロトコルの種類に固有である。たとえば、アンテナ3202およびRFタグ3203からなる無線ネットワークは、RFタグに固有のデータの送受信に適した通信プロトコルを利用する。
無線ハードウェア装置3203は、個々人が使用する追加情報を含むか、または少なくともアクセスすることができる。上述したように、この情報としては以下を挙げることができるがこれらに限定されない。すなわち、価格、部品番号、シリアルナンバー、製造業者、重さ、容積、数量、品目説明、バーコード、顧客コンタクト情報、出荷情報、日時、保守履歴、保証履歴、購入履歴、出荷履歴、現在の状態、または他の任意の情報フィールドである。この情報は、無線ハードウェア装置3203自体内に、或る形態の電気媒体で含むことができる。同様に、無線ハードウェア装置3203は、所望の情報が含まれたコンピュータデータベース等の外部情報ソースに接続することもできる。問題となっている情報ソースは、温度計、応力ゲージ、流量計、光センサ、スケール、RF信号強度計、スループット測定装置、または他の数量または品質測定装置等のアクティブ監視装置またはパッシブ監視装置であることができる。後者の場合、無線ハードウェア装置3203が測定示度更新を求めて情報ソースをポーリングしてもよく、または情報ソースが常時、測定示度を、無線ハードウェア装置3203に送信してもよい。
無線ハードウェア装置3203は、コンピュータモニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、または他の表示装置等、或る形態のコンピュータ化されたグラフィカルディスプレイに取り付けることも可能である。表示装置が無線ハードウェア装置3203に接続される場合、表示装置を使用して、情報データを観測者に視覚的に伝達することができる。表示されるデータの種類および形態は、無線ハードウェア装置3203がアクセス可能であり、無線ハードウェア装置3203に分かっている情報、および表示装置自体の性能によって制限される。しかし、一般的に表示される情報としては、費用、製造業者名、品名、部品番号、シリアルナンバー、バーコード、状態、ラスタグラフィック画像、またはベクトルグラフィック画像を挙げることができる。他の種類の情報を表示することももちろん可能であり、当業者は、他の情報種類変形をこの発明のコンテキスト内でどのように表示することができるかを理解することができる。
図33に、これまでに述べた各種装置間の相互接続の概観を図で提供する。図33では、本発明の実施形態の一例が、或る様式で無線ネットワークに接続された或るコンピュータプラットフォーム3303を実行している。本発明は、無線ネットワーク3202のインフラについての知識を、機器の種類、配置、および構成に関して有するとともに、無線ネットワーク装置3203についての知識を、各ネットワーク装置の種類、配置、構成、性能、および/または機能に関して有する。本発明は、無線ネットワークアンテナ3202を通して働き、無線ネットワーク装置3203との通信リンクを確立することができる。この通信リンクは、単方向であっても、双方向であっても、一対一であっても、ブロードキャストであってもよく、無線ネットワーク3202およびネットワーク装置3203へ、またはこれらの間で情報を流せるようにすることができる。ネットワーク装置3203は、1つまたは複数の他の装置に接続することができる。ネットワーク装置3203は、コンピュータデータベース等の外部情報ソース3300にアクセス可能であり得る。ネットワーク装置3203は、或る測定可能な値を報告することができる或る形態の外部数量測定装置3301にアクセス可能であり得る。コンピュータ化ディスプレイ3302をネットワーク装置3203に接続することができる。ネットワーク装置3203と外部情報ソース3300、数量測定装置3301、および/またはコンピュータ化ディスプレイ3302との間の情報の流れは、単方向であっても、または双方向であってもよい。コンピュータ化ディスプレイ3302の場合、コンピュータ化ディスプレイ3302が、観察者がアクセス可能な或る種類のタッチスクリーンパネルの形態をとるときに、双方向の情報の流れが発生することができる。この後者の状況では、タッチスクリーンパネルディスプレイ3302と対話している観察者の行動により、ネットワーク装置3302に或る行動をとらせる、またはネットワーク装置3302に或る行動を要求させることができる。たとえば、タッチスクリーンパネルのユーザは、ディスプレイ上のボタンまたは選択項目を使用して、特定の品目の在庫数を要求することができる。ディスプレイは、要求を無線装置3203に転送し、無線装置3203はローカル情報ソース3300を調べるか、または無線ネットワーク3202を通して照会を送信し、応答を待つ。
本発明は、ネットワーク内の情報の流れおよびネットワーク全体の性能を制御し管理する。無線ネットワーク3202とネットワーク装置3203との間の通信リンクは、本発明が情報を無線ネットワーク3202とネットワーク装置3203との間で伝達する手段を提供する。この情報は、命令、コマンド、または応答の形態をとることができる。たとえば、本発明は、RFタグ等の特定のネットワーク装置3203に、価格変更を表す新しい情報を伝達することができる。ネットワーク装置3203は、無線ネットワーク3202と共有する通信プロトコルを介して情報を受け取り、通信プロトコルの特性に応じて、無線ネットワーク3202に確認応答を返送することができる。ネットワーク装置3203がコンピュータ化ディスプレイ3302に接続されている場合、新しい価格を反映するようにディスプレイを更新することができる。別の例として、本発明は、数量の更新または測定示度の更新を要求する照会を1つまたは複数のネットワーク装置3203に送ることができる。この場合、照会を受け取った各ネットワーク装置3203は、無線ネットワーク3202を介して、所望の情報を本発明に返送する。別法として、ネットワーク装置3203は、無線ネットワーク3202との通信を開始することができる。ネットワーク装置3203は、特定のイベントが発生した場合にアラームまたは或る形態の更新メッセージを生成するようにプログラムされる場合、通信プロトコルを介してメッセージを無線ネットワーク3202に送ることができ、無線ネットワーク3202はこれに応えて、対応する或る処置を講じる。たとえば、ネットワーク装置3203は、棚に現在配置されている品物の個数についての或る形態の自動表示器を含む場合、品物の個数が特定のレベル未満になるときに、これを示すメッセージを、無線ネットワーク3202を介して本発明に送る。本発明はイベントを記録し、コンピュータデータベースまたは在庫追跡システム等の或る他の情報システムにメッセージを返送し、可能であれば、適切な要員に或る様式で通知することができる。
本発明は、サイト固有情報を観察者およびネットワーク装置3203に伝達する手段を提供する。本発明は、環境のサイト固有表現を提供するとともに、環境内のネットワーク装置と通信する手段も提供するため、各ネットワーク装置に環境内の特定の位置を関連付けることができる。すなわち、本発明は、物理的なネットワークハードウェア装置と、分かっている位置との間の関連性を含む。本発明は、物理環境のコンピュータ化表現を保持するため、機器の位置情報をコンピュータ表示装置上に表示することができる。図23に示す図は、この機能を表したものである。さらに、本発明は、無線ネットワークアンテナ3202に加えて、ネットワーク装置3203の位置を表すこともできる。すなわち、本発明は、図32の無線ネットワーク装置3203を、無線ネットワークアンテナ3202および他のインフラとまったく同じように取り扱うことができる。無線ネットワーク装置3203は単に、無線ネットワーク自体の延長になり、他の任意のネットワークハードウェア装置と同じように遠隔からアクセス、制御、および構成することが可能である。したがって、本発明は、任意の無線ネットワーク装置3203を遠隔から、問題について診断し、再構成または再較正し、場合によってはさらに向き変更して、ネットワーク全体の性能を向上させることができる。
各無線ネットワーク装置3203の位置についての知識により、本発明に機能を追加することができる。無線ネットワーク装置3203の位置についての知識、およびIPアドレス、シリアルナンバー、または他の識別マークもしくは識別コード等、ネットワーク装置の或る形態の一意の識別子についての知識を利用して、本発明は、コンピュータディスプレイ上にその位置を強調表示することができる。図34を参照して、図32の倉庫を示す。無線ネットワーク装置3203は、倉庫全体にわたって分散している。保守要員または他の許可を受けた個人が特定のネットワーク装置3203を見つけたい場合、無線ネットワーク装置3203の一意の識別子を本発明に入力することができ、本発明は、上記ネットワーク装置3203の位置を画面上に或る様式で表示する。図34では、この表示位置は強調表示された、または点滅する円3400の形態をとる。このような表示により、保守要員は問題となっているネットワーク装置の位置をすぐに見つけることができる。別法として、ネットワーク装置3203が、注意を喚起する、または本発明に送られる或る種類の通知を生成するイベントを検出した場合、本発明は、図34に示すようなネットワーク装置3203の位置を、ネットワーク装置3203またはイベントに関連する特定の情報と共に表示することができる。単に装置の位置を表示することに加えて、図23b、図23c、図24、図26、図27、および図29に示すように、追加情報を表示することもできる。
さらに、サイト固有情報を、無線ネットワークインフラおよびネットワーク装置への/からのイベントおよび情報の流れを通信する能力と組み合わせることにより、サイト固有情報を観察者およびエンドユーザに即座に伝達する前例のない能力が提供される。図33を参照すると、問題となっているネットワーク装置3203が移動パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、またはハンドヘルドコンピューティング装置である場合、本発明は、無線ネットワーク3202を介してサイト固有情報をネットワーク装置3203に瞬時に送信することができ、サイト固有情報を移動コンピューティングプラットフォームディスプレイ3302上で見ることができる。たとえば、火災警報が建造物内で発動した場合、本発明は、警報イベントについての知識を有する場合、無線ネットワーク3202を介して非常口マップ画像を各ネットワーク装置3203に送信することができる。次いで、ネットワーク装置3203は、非常口マップ画像を観察者またはエンドユーザに向けて表示することができる。さらに、本発明は、各無線ネットワークアンテナ3202の位置についての知識を有するため、各アンテナ3202から異なる非常口画像をブロードキャストするように指示することができる。すなわち、各無線ネットワークアンテナ3202は、現在サービス提供しているネットワーク装置3203に最も近い非常口の画像を送信することができる。移動ネットワーク装置3203にアクセスすることができるエンドユーザまたは個人は、設備全体にわたって移動し、或るアンテナのサービスエリアから別のアンテナのサービスエリアへと移るにつれて、新しい非常口画像をネットワーク装置3203に送信し、ディスプレイが更新される。
代替の例示では、本発明を、別個のコンピューティングプラットフォーム上で実行するのではなく、無線ネットワーク機器に組み込む、さらには無線ネットワーク機器内に直接埋め込むことができることに留意されたい。図35に、本発明のこの実施形態の論理図の全体像を示す。図35を参照すると、無線ネットワークインフラ機器3202内には本発明が埋め込まれており、実行されている。たとえば、無線ネットワーク機器3202が無線LANアクセスポイントである場合、アクセスポイントハードウェア内で、本発明を実施するソフトウェアが走っている。この場合、図33に示す情報の流れは、無線ネットワーク機器3202がもはや外部コンピューティングプラットフォームと通信する必要がないという例外を除き、略変わらないままである。代わりに、本発明はハードウェア3303に直接統合される。これにより、たとえば、各無線ハードウェア装置3202が各自のサイト固有情報、保守履歴、および他の関連情報を格納できるようになる。これは、サイト固有情報および他の関連情報が、RFタグおよび他のネットワーク装置と通信し、情報を交換することができる別個のコンピューティングプラットフォーム3303上の本発明により一元的に保持されていた図33のシナリオとは非常に異なるシナリオである。図35に示す本発明の実施形態は、各ネットワーク機器が各自のサイト固有情報、保守履歴、性能履歴、および他の関連情報を保持する情報分散モデルを提供する。
本発明のこの実施形態は、緊急事態が建造物内で発生した場合に、上述した状況において特に有用である。緊急事態が建造物内で検出された場合、図35に示す本発明の具体例では、各無線ネットワーク機器3202は、非常口マップまたは他の指示を無線ネットワーク装置3203に独立して提供することができる。
最後に、図36に、本発明の第3の種類の実施形態を提示する。図36は、図33および図35に提示した実施形態を組み合わせたものを表す。図36では、無線ネットワークハードウェア機器3202は、各自本発明のバージョン、サイト固有情報、および管理システムを備え、別個の各無線ネットワーク機器3202に接続することができる別個のコンピュータプラットフォーム3303も本発明の具体例を有する。
本発明について好ましい実施形態に関して説明したが、当業者は、本発明を添付の特許請求の範囲の精神および範囲内でかなりの変更を行って実施することが可能なことを認識するであろう。

Claims (8)

  1. 通信システムが配備される物理環境を表示するディスプレイと、
    前記物理環境内の複数の異なる位置に配置される複数の無線通信構成要素であって、前記表示は、グラフィカルアイコンとして、前記物理環境において前記無線通信構成要素のうちの少なくともいくつかおよびそれぞれの位置または存在を識別する、複数の無線通信構成要素と、
    前記ディスプレイに関連付けられ、前記複数の無線通信構成要素のそれぞれを説明する情報を検索、記憶、または処理し、前記複数の無線通信構成要素のうちの少なくともいくつかの予め規定された通信方法を識別するデータプロセッサと、を備え、
    前記ディスプレイは、前記複数の無線通信構成要素のうちの1つまたは複数に関連する1つまたは複数のグラフィカルアイコンが、前記ディスプレイ上で選択的に特定されるときに、前記複数の無線通信構成要素のうちの前記1つまたは複数に関連する前記データプロセッサからグラフィックス情報、テキスト情報、またはグラフィックス情報とテキスト情報の組み合わせを選択的に提示する、無線通信システム。
  2. 前記データプロセッサは、無線通信構成要素が前記物理環境に追加される、または該物理環境から除去されるときを認識し、前記ディスプレイは、前記グラフィカルアイコンの追加または除去により、無線通信構成要素の追加または除去を反映する、請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記複数の無線通信構成要素のうちの少なくとも1つは移動体であり、前記データプロセッサを使用して特定の帯域幅がプロビジョニングされる、請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 無線通信方法であって、
    通信システムが配備される物理環境を表示するステップと、
    複数の無線通信構成要素を前記物理環境内の複数の異なる位置に配置するステップであって、前記表示は、グラフィカルアイコンとして、前記物理環境において前記無線通信構成要素のうちの少なくともいくつかおよびそれぞれの位置または存在を識別する、配置するステップと、
    前記ディスプレイに関連付けられるデータプロセッサを使用するステップであって、それにより前記複数の無線通信構成要素のそれぞれを説明する情報を検索、記憶、または処理し、前記複数の無線通信構成要素のうちの少なくともいくつかの予め規定された通信方法を識別する、使用するステップと、
    前記複数の無線通信構成要素のうちの1つまたは複数に関連する1つまたは複数のグラフィカルアイコンが、前記ディスプレイ上で選択的に特定されるときに、前記複数の無線通信構成要素のうちの前記1つまたは複数に関連する前記データプロセッサからグラフィックス情報、テキスト情報、またはグラフィックス情報とテキスト情報の組み合わせを選択的に提示するステップと、
    を含む、無線通信方法。
  5. 前記複数の無線通信構成要素のうちの1つまたは複数と通信するステップをさらに含む、請求項4に記載の無線通信方法。
  6. 前記通信するステップは、VoIPによって行われる、請求項5に記載の無線通信方法。
  7. 前記複数の無線通信構成要素のうちの少なくとも1つは移動体であり、前記ディスプレイ上に、移動体である前記少なくとも1つの無線通信構成要素の移動を図で表すステップをさらに含む、請求項4に記載の無線通信方法。
  8. 前記データプロセッサを使用して、前記物理環境内の前記無線通信構成要素のうちの1つまたは複数の帯域幅をプロビジョニングするステップをさらに含む、請求項4に記載の無線通信方法。
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