以下に、本発明の実施形態に係る通信装置が適用された移動通信装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、装置全体の制御を行う制御部11と、移動通信網の基地局(図示せず)との間で電波の送受信を行うアンテナ12aと、通信部12bと、送受信部13と、受話に用いられるスピーカ14aと、主に送話に用いられるマイクロフォン14bと、通話部14cと、表示部15と、入力部16と、通話制御部21と、ショートメッセージ送受信部(以後、SM送受信部と称する。)22と、電子メール送受信部23と、ブラウザ部24と、発信予約部31と、予約発信処理部32と、予約発信記憶部33とからなる。
ここで、通話制御部21と、SM送受信部22と、電子メール送受信部23と、ブラウザ部24とは、移動通信網との通信を伴うアプリケーションである。なお、プログラムを実行することで実現される本発明に関する機能として、制御部11には、規制状況監視機能11−1が含まれる。また、予約発信記憶部33には、予約発信が記憶される。
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る情報処理装置の各部の動作を、図1を参照して説明する。
規制状況監視機能11−1は、基地局から送信されたAAC(Access Control Class)毎に発信が規制されているか否かを示す報知制御信号を受信する。そして、自装置のAACを参照して、自装置は発信が規制されているか否かを報知制御信号の受信の度に判断する。そして、装置の各部の照会に応じて、規制されているか否かを通知する。及び/又は、規制が解除された際、所定の動作を行う。
なお、発信の分離規制を行う移動通信網では、主に音声通話に用いられる回線交換と、主にデータ通信に用いられるパケット交換とを分離して、回線交換とパケット交換とを同時又はどちらか一方を個別に、規制/規制解除を通知するため、規制状況監視機能11−1は、回線交換と、パケット交換とのそれぞれについて自装置は発信が規制されているか否かを判断し、各部の照会に応じて規制されているか否かを通知する。
通信部12bは、アンテナ12aが受信した高周波信号を送受信部13へ出力し、また、送受信部13から出力される高周波信号をアンテナ12aより送信する。
送受信部13は、通信部12bからの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによって得られた信号を装置の各部へ、例えば、制御信号を制御部11へ送る。また、装置の各部から送信された信号、例えば、制御部11から送信された制御信号を変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを通信部12bに送る。
また、送受信部13は、基地局から着信信号を受信すると、その信号に応答し、指定された通信チャネルを用いて通信を行う。この応答の前に、入力部16の所定のキー操作を必要とすることがある。例えば、通話着信に応答する場合、着呼キーの操作を必要とする。
更に、送受信部13は、装置の各部から発信要求を受信すると、以下の手順で基地局との間の通信チャネルを確保する。ここで、回線交換の発信を行うか、又は、パケット交換の発信を行うかは、各部によって指定される。
(a)基地局へ、共通信号チャネルで発信要求を送信し、
(b)基地局から共通信号チャネルで発信可の旨及び指定された個別信号チャネルを受信し、
(c)基地局へ、指定された個別信号チャネルで回線交換の発信かパケット交換の発信かを伴って、個別トラフィックチャネルの要求を送信し、
(d)基地局から、指定された個別信号チャネルでチャネル割当て可の旨及び指定された個別トラフィックチャネルを受信する。
このように指定された個別トラフィックチャネルを通信チャネルとして、送受信部13は、各部からの発信要求に係わる通信を行う。なお、自装置が回線交換の規制対象である場合、送受信部13は、回線交換の発信に係るチャネルを要求する動作を行わない。また、自装置がパケット交換の規制対象である場合、パケット交換の発信に係るチャネルを要求する動作を行わない。また、移動通信網が輻輳状態にあると、上記手順で、基地局から発信可、又は、チャネル割当て可が送信されず、その結果、通信チャネルの確保が行われないことがある。
なお、送受信部13は、発信要求を送信した各部に対し、上記手順に従って通信チャネルの確保が行われたか否か、言い換えると、発信が成功したか失敗したかを通知する。ここで、後述するように、上記(b)の発信可を受信した後、発信要求を送信した各部から発信処理続行の指示を受信した場合に上記(c)の個別トラフィックチャネルの要求を送信することがある。
送受信部13は、このように確保された通信チャネルを介して受信されたディジタル音声信号を通話部14cへ、ショートメッセージをSM送受信部22へ、電子メール信号を電子メール送受信部23へ、インターネットコンテンツ信号をブラウザ部24へ送る。また、通話部14cから出力されるディジタル音声信号、SM送受信部22から出力されるショートメッセージ、電子メール送受信部23から出力される電子メール信号、及び、ブラウザ部24から出力されるウェブアクセス信号を通信チャネルを介して送信する。
通話部14cは、送受信部13から出力されるディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送る。また、マイクロフォン14bから出力されるアナログ音声信号を増幅し、それをディジタル音声信号に変換して送受信部13に送信する。ここで、ディジタル音声信号は、回線交換を利用して送受される信号と、パケット交換を利用して送受されるIP(Internet Protocol)パケット化された信号とのいずれか一方である。
表示部15は、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、装置の動作状態の表示等に用いられるバックライト付きのLCDであり、制御部11に制御されることで、カーソルを含む文字・数字を含む画像データを最高輝度で表示し、表示されているデータは、入力部16からの入力操作や着信信号に応答して制御部11からの指示を受けることで切換わる。
入力部16は、通信相手の電話番号等を指定し、また、トグル式の入力方式によってひらがな文字、アルファベット文字及び記号文字を入力するための数字キーと、カーソル移動キーやスクロールキーを含む複数の機能キーとを含むキーからなる。そして、入力部16のキーが押下されると、そのキーの識別子を制御部11に通知する。
通話制御部21は、入力部16の所定のキー操作によって入力された電話番号で識別される通信装置へ発呼し、通話部14cを制御して通話を行わせる。また、通話着信がある旨の制御信号が受信されると、その旨を報知し、入力部16の所定の着呼操作がされると、その着信に着呼して通話を行わせる。通話は、回線交換を利用して行わせるが、音声信号をIPパケット化させ、パケット交換を利用して行わせることもある。なお、通話には、装置の使用者の送話のマイクロフォン14bによる入力が当然に必要である。
なお、伝言板への音声信号の記憶は、伝言板登録サービスに対応する電話番号への発呼と、送話によって行われる。また、伝言板に記憶された音声信号の受話は、伝言板閲覧サービスに対応する電話番号への発呼と、伝言板に音声を記憶させた通信装置を識別する情報の送信によって行われる。又は、その音声を記憶した通信装置への発呼によって行われる。
SM送受信部22は、ショートメッセージサービス(Short Message Service)を行う。即ち、入力部16の所定のキー操作によって入力された電話番号で識別される通信装置へ、入力部16の所定のキー操作によって入力されたショートメッセージを送信し、また、受信されたショートメッセージを表示部15に表示させる。ショートメッセージの送受信は、回線交換を利用して行われるが、ショートメッセージ信号をIPパケット化することによって、パケット交換を利用して行われることもある。
電子メール送受信部23は、電子メールの送受信を行う。即ち、入力部16の所定のキー操作によって入力された電子メールアドレス宛ての、入力部16の所定のキー操作によって入力された電子メールをメールサーバ装置(図示せず)に対して送信し、また、メールサーバ装置から送信された電子メールを受信して、表示部15に表示させる。メールサーバ装置との通信は、パケット交換を利用して行われる。
ブラウザ部24は、入力部16の所定のキー操作によって指定されたウェブページアドレスによって識別されるウェブサーバ装置(図示せず)に記憶されるインターネットコンテンツ、即ち、ウェブサーバ装置に記憶されたウェブページにアクセスして、送受信部13を介してダウンロードし、再生する。即ち、そのコンテンツに含まれる静止画像及び動画像、並びに、文字を表示部15に表示させ、そのコンテンツに含まれる音声をスピーカ14a又はコンテンツ音声発生用の第2のスピーカ(図示せず)から発生させる。更に、入力部16の所定のキー操作に基づいて、上記のアドレスと異なるウェブページアドレスによって識別されるウェブページにアクセスして、再生する。なお、ウェブサーバ装置との通信は、パケット交換を利用して行われる。
また、ブラウザ部24は、伝言登録用のページにアクセスし、そのページに設けられた伝言板に、入力部16の所定のキー操作によって入力された文字と、自装置の識別情報とを関連付けて記憶させる。この伝言板に記憶された文字は、その文字に関連付けられた識別情報を指定することによってダウンロードされ、表示部15に表示させることができる。
発信予約部31は、通話制御部21、SM送受信部22、電子メール送受信部23、及びブラウザ部24の要求に従った送受信部13の発信が失敗した場合、その発信に係わる情報を予約発信記憶部33に予約発信として記憶させる。なお、発信の失敗は、装置が発信規制の対象であるために通信チャネルの確保がされなかった場合に発生する。
予約発信処理部32は、規制状況監視機能11−1によって自装置は発信が規制されていないとの通知がされた場合、予約発信記憶部33に記憶された予約発信に従った発信、更に、その発信に係る通信を通話制御部21、SM送受信部22、電子メール送受信部23、及びブラウザ部24に行わせる。
続いて、予約発信記憶部33に記憶される予約発信を説明する。図2は、予約発信の一例を示す。この予約発信は、発信種別33aと、発信先33bと、付属情報33cと、交換33dとが関連付けられた情報である。
発信種別33aは、失敗した発信の種別を示し、「通話」、「通話による伝言登録」、「ショートメッセージ送信」、「電子メール送信」、「ウェブサーバへのアクセス」、及び「ウェブサーバによる伝言登録」の中のいずれかである。
発信先33bは、失敗した発信の発信先であり、電話番号、電子メールアドレス、及びウェブページアドレスのいずれかである。付属情報33cは、失敗した発信に係わる通信で送信が予定されていた情報であって、音声情報、ショートメッセージ、電子メール、及び文字情報のいずれか1つであり、又は、記憶されていない。なお、付属情報33cは、記憶に大きな容量を必要とするものもある。そこで、ファイル(図示せず)として記憶させ、付属情報33cは、そのファイルの識別子を記憶するとしても良い。
交換33dは、失敗した発信に係わる通信で利用される交換システムを示し、「回線交換」、及び「パケット交換」のいずれか一方であり、又は、記憶されていない。交換33dが記憶されていない場合、発信種別33aによって識別される発信は、いずれか一方の交換システムの利用によってのみ可能であること、又は、任意の交換システムの利用によることを意味する。
図2に示す各予約発信を詳説する。発信種別33aが「通話」である予約発信は、通話制御部21による通話のための発呼であって、次に説明する発信種別33aが「通話による伝言登録」以外の発信である。発信先33bは、その発呼の際に指定された電話番号である。
付属情報33cには、何も記憶されない。通話の際、事前に定められた音声が送信されるだけでなく、通話の際に装置の側に使用者がいて、通話相手方の音声が受信されることによって対話が行われる。そこで、通話の際に送信が予定されていた情報は不定であり、また、使用者の受話が必須だからである。
なお、伝言板に記憶された音声信号の受話を目的とする通話は、音声の送信が伴わないにせよ、発信種別33aは「通話」である。使用者が装置の側にいて、受話が必須だからである。ここで、受話された音声が装置内に使用者の操作なしに記憶される場合、使用者の受話は不要であって、使用者は、装置の側にいる必要はない。そこで、その場合、次に説明する発信種別33aが「通話による伝言登録」である予約発信に準じて記憶させる。
交換33dは、通話は、いずれの交換システムを利用しても可能であるので、「回線交換」、又は「パケット交換」が記憶されても良く、また、何も記憶されなくとも良い。図示した例では、「回線交換」が記憶されているとした。これは、例えば、特に音質の良い通話が必要とされる場合である。
発信種別33aが「通話による伝言登録」である予約発信は、通話制御部21による伝言板登録サービスに対応する電話番号への発呼と、送話である。発信先33bは、その発呼の際に指定された電話番号である。
付属情報33cは、伝言板に記憶させる音声情報である。この記憶させる音声情報は、相手方との対話に依存して変化するものではないから、発信に先立って記憶させておくことができる。言い換えると、発信種別33aが「通話による伝言登録」である予約発信が行われる際、使用者が装置の側にいることは必ずしも必要ではない。
交換33dは、上述した発信種別33aが「通話」である予約発信の場合と同じであり、図示した例では、何も記憶されていないことにより、いずれの交換システムを利用しても良いとした。
発信種別33aが「ショートメッセージ送信」である予約発信は、SM送受信部22によるショートメッセージの送信である。発信先33bは、その送信の際に指定された電話番号である。付属情報33cは、送信されるショートメッセージである。ショートメッセージは、その送信に先立って入力されるものであるから、発信に先立って記憶させておくことができる。交換33dは、上述した発信種別33aが「通話」である予約発信の場合と同じであり、図示した例では、何も記憶されていないことにより、いずれの交換システムを利用しても良いとした。
発信種別33aが「電子メール送信」である予約発信は、電子メール送受信部23による電子メールの送信である。発信先33bは、その送信の際に指定された電子メールアドレスである。付属情報33cは、送信される電子メールである。電子メールは、その送信に先立って入力されるものであるから、発信に先立って記憶させておくことができる。交換33dは、電子メールの送信は、パケット交換の利用によってのみ可能であるから、「パケット交換」が記憶される、又は、何も記憶されない。いずれの場合でも、利用される交換システムに相違はない。
発信種別33aが「ウェブサーバへのアクセス」である予約発信は、ブラウザ部24によるウェブページであって、次に説明する「ウェブサーバによる伝言登録」に対応するウェブページ以外へのアクセスである。発信先33bは、そのアクセスの際に指定されたウェブページアドレスである。付属情報33cには、何も記憶されない。ウェブページへのアクセスの後、リンク付けられた如何なるページへアクセスされるかは事前には定めることができず、アクセスされた際の使用者の操作に依存する。交換33dは、上述した発信種別33aが「電子メール送信」である予約発信の場合と同じである。
発信種別33aが「ウェブサーバによる伝言登録」である予約発信は、ブラウザ部24による伝言登録サービスに対応するウェブページへのアクセスと、伝言の送信である。発信先33bは、そのアクセスの際に指定されたウェブページアドレスである。付属情報33cは、伝言板に記憶させる文字情報である。この記憶させる文字情報は、そのアクセスしたウェブページに依存して変化するものではないから、発信に先立って入力部16によって入力された文字を記憶させておくことができる。言い換えると、発信種別33aが「ウェブサーバによる伝言登録」である予約発信が行われる際、使用者が装置の側にいることは必ずしも必要ではない。交換33dは、上述した発信種別33aが「電子メール送信」である予約発信の場合と同じである。
次に、図3に示すフローチャートを参照して、上記構成の移動通信装置における、発信予約部31によって予約発信が予約発信記憶部33に記憶される動作を説明する。
発信予約部31は、通話制御部21、SM送受信部22、電子メール送受信部23、又はブラウザ部24が、それぞれ、発呼、ショートメッセージの送信、電子メールの送信、ウェブページへのアクセスを要求し、その要求が発信規制のために失敗した際に、動作を開始する(ステップS101)。そして、発信に失敗した部を調べ、その部からパラメータを受信し(ステップS102)、受信したパラメータを参照して、その部に依存した予約発信を予約発信記憶部33に記憶させて(ステップS103)、動作を終了する(ステップS104)。
ここで、ステップS103の発信を失敗した部に依存した予約発信を、図2に示す予約発信の一例を参照して説明する。なお、いずれの場合であっても、交換33dには何も記憶させないことを原則とする。ただし、発信を失敗した部が通話制御部21である場合、表示部15に特に音質の良い通話を希望するか否かを表示させ、希望する旨が入力部16の所定のキー操作によって入力された場合、交換33dには、「回線交換」を設定する。
発信を失敗した部が通話制御部21である場合、発信予約部31は、パラメータとして発信先の電話番号を受信する。そして、発信予約部31内に記憶された伝言登録サービスに対応する電話番号を参照して、又は、入力部16の所定のキー操作によって、失敗した発信は、伝言登録を目的としていたか否かを判断する。
その発信は、伝言登録を目的としていたと判断された場合、発信予約部31は、発信種別33aに「通話による伝言登録」を、発信先33bに受信された電話番号を設定する。そして、付属情報33cに設定する音声情報をマイクロフォン14bから入力する旨を表示部15に表示させ、その表示に応じて入力された音声情報を付属情報33cに設定する。又は、事前に発信予約部31内に記憶されていた音声情報、例えば、「○○にいます。」を付属情報33cに設定する。又は、事前に発信予約部31内に記憶されていた複数の音声情報を識別する情報の一覧を表示部15に表示させ、その一覧から入力部16の所定のキー操作によって選択された音声情報を付属情報33cに設定する。このように設定された予約発信を予約発信記憶部33に記憶させる。
その発信は、伝言登録を目的としていたと判断されない場合、発信予約部31は、発信種別33aに「通話」を、発信先33bに受信された電話番号を設定する。そして、付属情報33cには何も設定しない。そして、このように設定された予約発信を予約発信記憶部33に記憶させる。
発信を失敗した部がSM送受信部22である場合、発信予約部31は、パラメータとして発信先の電話番号と、ショートメッセージとを受信する。そして、発信種別33aに「ショートメッセージ送信」、発信先33bに受信された電話番号を、付属情報33cに受信されたショートメッセージを設定した予約発信を予約発信記憶部33に記憶させる。
発信を失敗した部が電子メール送受信部23である場合、発信予約部31は、パラメータとして発信先の電子メールアドレスと、電子メールとを受信する。そして、発信種別33aに「電子メール送信」、発信先33bに受信された電子メールアドレスを、付属情報33cに受信された電子メールを設定した予約発信を予約発信記憶部33に記憶させる。
発信を失敗した部がブラウザ部24である場合、発信予約部31は、パラメータとして発信先のウェブページアドレスを受信する。そして、予約発信記憶部33に記憶された伝言板に対応するウェブページアドレスを参照して、又は、入力部16の所定のキー操作によって、失敗した発信は、伝言登録を目的としていたか否かを判断する。
その発信は、伝言登録を目的としていたと判断された場合、発信予約部31は、発信種別33aに「ウェブサーバによる伝言登録」を、発信先33bに受信されたウェブページアドレスを設定する。そして、付属情報33cに設定する文字情報の入力部16を介した入力を促すメッセージを表示部15に表示させ、その表示に応じて入力された文字情報を付属情報33cに設定する。又は、事前に発信予約部31内に記憶されていた文字情報、例えば、「○○にいます。」を付属情報33cに設定する。又は、事前に発信予約部31内に記憶されていた複数の文字情報を識別する情報の一覧を表示部15に表示させ、その一覧から入力部16の所定のキー操作によって選択された文字情報を付属情報33cに設定する。このように設定された予約発信を予約発信記憶部33に記憶させる。
その発信は、伝言登録を目的としていたと判断されない場合、発信予約部31は、発信種別33aに「ウェブサーバへのアクセス」を、発信先33bに受信されたウェブページアドレスを設定する。そして、付属情報33cには何も設定しない。そして、このように設定された予約発信を予約発信記憶部33に記憶させる。
なお、上記動作の他、発信予約部31は、入力部16の所定のキー操作に従って動作を開始し、通話制御部21、SM送受信部22、電子メール送受信部23、及びブラウザ部24の動作と関係なく、予約発信を予約発信記憶部33に記憶させる(図示せず)。また、予約発信記憶部33に記憶された予約発信の一覧を表示部15に表示させ、また、入力部16の所定のキー操作に従って選択された予約発信を予約発信記憶部33から削除し、また、更新する(図示せず)。
次に、図4〜図6に示すフローチャートを参照して、上記構成の移動通信装置における、予約発信処理部32によって予約発信記憶部33に記憶された予約発信が発信される動作を説明する。予約発信処理部32は、予約発信が予約発信記憶部33に記憶されており、かつ、発信規制の対象であった自装置の発信規制が解除された場合、予約発信記憶部33に記憶された予約発信を発信する動作を開始する(ステップS201)。
規制が解除されたことは、予約発信処理部32が所定時間間隔で規制の状況を規制状況監視機能11−1に照会することによって判断しても良い。また、規制が解除されたと判断した規制状況監視機能11−1が予約発信処理部32を起動しても良い。なお、上記の場合に加え、予約発信処理部32は、所定時間間隔で規制の状況を規制状況監視機能11−1に照会し、自装置の発信が規制の対象でない場合、上記の動作を開始しても良い。
予約発信処理部32は、規制解除された交換が回線交換か、パケット交換かを規制状況監視機能11−1に照会して判断する(ステップS202)。その交換が回線交換のみと判断された場合、回線交換によって発信可能な予約発信が予約発信記憶部33に記憶されているかを判断する(ステップS203)。回線交換によって発信可能な予約発信は、第1に、交換33dが「回線交換」である予約発信である。第2に、交換33dに値が記憶されず、かつ、発信種別33aが「通話」、「通話による伝言登録」又は「ショートメッセージ送信」である予約発信である。
回線交換によって発信可能な予約発信が記憶されていない場合、予約発信処理部32は、予約発信を発信する動作を終了する(ステップS204)。その予約発信が記憶されている場合、予約発信処理部32は、所定の待ち時間を算出し、その時間の経過を待つ(ステップS205)。この待ち時間は、乱数であり、その乱数の平均値は、待ち回数の単調非増加関数である、即ち、概略待ち回数が少ない程長い時間であり、待ち回数が多い程短い時間である。なお、待ち回数については後述するが、装置に電源が投入された際の待ち回数の初期値は、0である。
待ち時間の経過後、予約発信処理部32は、自装置の回線交換の発信規制の状況を規制状況監視機能11−1に照会して判断する(ステップS206)。規制が解除されている場合、予約発信処理部32は、回線交換を利用した予約発信に係る通信を行い(ステップS207)、通信が終了した予約発信を予約発信記憶部33から削除して(ステップS208)、予約発信を発信する動作を終了する(ステップS204)。なお、ステップS208で、予約発信を削除した際、又は、その削除によって全ての予約発信が削除された際、予約発信処理部32は、待ち回数を初期値とする(図示せず)。ステップS207の通信を行う動作は、後で詳述する。また、ステップS207で、予約発信に係る通信に失敗した場合、ステップS208の予約発信削除の動作を行わない(図示せず)。
ステップS206で、規制中と判断された場合、予約発信処理部32は、待ち回数Nに1を加えて(ステップS209)、予約発信を発信する動作を終了する(ステップS204)。このように、待ち回数とは、一旦規制が解除されたにも係らず、所定の待ち時間を経過した際に規制中であり、発信を行うことができないことが連続した回数である。ステップS205で、待ち時間の平均値は、待ち回数の単調非増加関数であるとしたことは、規制が解除された際に発信が集中して、装置が発信の失敗を繰り返すことを避けるためである。これは、装置が消費する電力量の削減に効果がある。
ステップS202で、規制解除された交換がパケット交換のみと判断された場合、予約発信処理部32は、パケット交換によって発信可能な予約発信が予約発信記憶部33に記憶されているかを判断する(ステップS210)。パケット交換によって発信可能な予約発信は、交換33dが「回線交換」でない予約発信である。
パケット交換によって発信可能な予約発信が記憶されていない場合、予約発信処理部32は、予約発信を発信する動作を終了する(ステップS204)。その予約発信が記憶されている場合、予約発信処理部32は、所定の待ち時間を算出し、その時間の経過を待つ(ステップS211)。
この待ち時間は、ステップS205で説明したように、乱数であり、その乱数の平均値は待ち回数の単調非増加関数であるが、ステップS205で算出される待ち時間の平均値と等しいと限るものではない。その待ち時間の平均値より短い時間であることが適切である。なぜなら、パケット用チャネルは、1つの通信で専有されることがなく、かつ、品質が低下しても通信速度が低下するものの使用できなくなることが少ない。そこで、パケット交換は、回線交換と比較して輻輳状態になることが少ないからである。
待ち時間の経過後、予約発信処理部32は、自装置のパケット交換の発信規制の状況を規制状況監視機能11−1に照会して判断する(ステップS212)。規制が解除されている場合、予約発信処理部32は、パケット交換を利用した予約発信に係る通信を行い(ステップS213)、通信が終了した予約発信を予約発信記憶部33から削除して(ステップS208)、予約発信を発信する動作を終了する(ステップS204)。ステップS213の通信を行う動作は、後で詳述する。また、ステップS213で、予約発信に係る通信に失敗した場合、ステップS208の予約発信削除の動作を行わない(図示せず)。
ステップS212で、規制中と判断された場合、予約発信処理部32は、待ち回数Nに1を加えて(ステップS209)、予約発信を発信する動作を終了する(ステップS204)。
ステップS202で、規制解除された交換が回線交換及びパケット交換と判断された場合、予約発信処理部32は、回線交換によって発信可能な予約発信が予約発信記憶部33に記憶されているかを判断する(ステップS214)。このステップS214の動作は、ステップS203の動作と同じである。回線交換によって発信可能な予約発信が記憶されている場合、予約発信処理部32は、ステップS205以降の回線交換を利用した予約発信を送信する処理に移る。
回線交換によって発信可能な予約発信が記憶されていない場合、予約発信処理部32は、ステップS211以降のパケット交換を利用した予約発信を送信する処理に移る。このように、回線交換の利用を優先する理由は、回線交換は、より発信規制が行われ易い、いわば貴重な交換であるからである。なぜなら、音声用チャネルは、1つの通話で専有され、かつ、品質が低下すると使用できなくなるからである。
次に、ステップS207の回線交換を利用した予約発信に係る通信処理を図5に示すフローチャートを参照して詳述する。予約発信処理部32は、回線交換を利用した予約発信に係る通信処理を開始し(ステップS301)、送受信部13に個別信号チャネルの指定を受信させる(ステップS302)。そして、表示部15に回線交換を利用して行われる予約発信を識別する情報の一覧を表示させて、発信可能となったことを報知する。ここで、報知は、表示に加えて、又は、代えて、報知音を第2のスピーカから発生させ、若しくは、バイブレータ(図示せず)を振動させても良い。
予約発信処理部32は、その一覧の中から、入力部16の所定のキー操作によって処理する予約発信を選択させる(ステップS303)。ここで、この選択には、発信を行わない旨の選択肢を含む。また、その一覧は1つの予約発信からなる場合、予約発信を選択させることと、発信を行うか否かを選択させることとは同じこととなる。
処理すべき予約発信が選択されたか否かを判断し(ステップS304)、選択されなかった場合、予約発信処理部32は、回線交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS305)。選択されなかったとは、一覧が表示された後、所定の時間が経過する前に入力部16のキー操作が行われなかったことを含む。
選択された場合、予約発信処理部32は、選択された予約発信の発信種別33aを判断する(ステップS306)。その発信種別33aが「通話」と判断された場合、予約発信処理部32は、通話制御部21に、その発信種別33aと関連付けられた発信先33b(これは、電話番号である。)への回線交換を利用した発信をさせて(ステップS307)、呼が接続された後、通話をさせて、回線交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS305)。この発信をさせる際、ステップS302で指定を受けた個別信号チャネルを引き継いで利用させる。
選択された予約発信の発信種別33aが「通話による伝言登録」と判断された場合、予約発信処理部32は、通話制御部21に、その発信種別33aと関連付けられた発信先33b(これは、電話番号である。)への回線交換を利用した発信をさせ、呼が接続された後、その発信種別33aと関連付けられた付属情報33c(これは、音声情報である。)を送信させて(ステップS308)、通信完了を報知して、回線交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS305)。この発信をさせる際、ステップS302で指定を受けた個別信号チャネルを引き継いで利用させる。
選択された予約発信の発信種別33aが「ショートメッセージ送信」と判断された場合、予約発信処理部32は、SM送受信部22に、その発信種別33aと関連付けられた発信先33b(これは、電話番号である。)へ回線交換を利用した発信をさせ、呼が接続された後、その発信種別33aと関連付けられた付属情報33c(これは、ショートメッセージである。)を送信させて(ステップS309)、通信完了を報知して、回線交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS305)。この発信をさせる際、ステップS302で指定を受けた個別信号チャネルを引き継いで利用させる。
以上の説明で、ステップS302の個別信号チャネルの指定の受信がされない場合、並びに、ステップS307、ステップS308、及びステップS309で発信が失敗した場合(送受信部13が個別トラフィックチャネルの割り当てを受けられなかった場合である。)、予約発信処理部32は、予約発信に係る通信に失敗したとして、回線交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(図示せず)。この失敗の際、予約発信処理部32は、待ち回数に1を加えても良い。
以上の説明で、ステップS302の個別信号チャネルの指定を受信させることにより、ステップS303で発信可能となったことを報知したにも係らず、ステップS307、ステップS308、及びステップS309で発信が失敗する可能性を減らすことによって、装置の使用者が違和感を覚えることを減らすことができる。なぜなら、これらのステップで、個別信号チャネルの割り当てを受けられないために通信に失敗することがないからである。
しかし、ステップS302の個別信号チャネルの指定を受信させる動作は、必須ではなく、送受信部13への発信要求は、ステップS307、ステップS308、及びステップS309で開始されるとしても良い。このようにすれば、送受信部13がステップS302の動作に対応して個別信号チャネルの割り当てを受けてから、ステップS307、ステップS308、及びステップS309の動作に対応して個別トラフィックチャネルの要求を送信するまでの間、上記個別信号チャネルを利用しないことがなく、チャネルの活用が可能である。
以上の説明で、ステップS303の装置の使用者による予約発信の選択は、必ずしも必須ではない。例えば、回線交換を利用して行われる予約発信が1つの場合には不要である。また、その予約発信が複数の場合、予約発信処理部32は、その予約発信の1つを所定の選択基準によって選択する。選択基準は、例えば、予約発信には、予約発信記憶部33に記憶させた時刻が含まれるとし、その時刻が早いものとする。また、発信種別33aに依る。例えば、発信種別33aが「通話」であるものとする。「通話」であるものは、装置の使用者にとって重要と考えられるからである。また、ステップS304の予約発信の選択を行わない場合、ステップS303の報知は、行う必要はない。
しかしながら、発信種別33aが「通話」である予約発信が選択される場合、発信可能となったことの報知と、装置の使用者の選択の入力が強く望まれる。なぜなら、ステップS307で、呼が接続された後、装置の使用者の送話の入力なしでは、通信網を意味なく専有することになる。そこで、呼の接続の前に、装置の使用者が装置の側にいることを確認するためである。ここで、装置の使用者の選択の入力は、選択であるか、承認であるか等の名目を問わず、また、入力部16のキー操作であるか、マイクロフォン14bからの音声入力であるかを問わない。
なお、予約発信処理部32は、例えば、使用者による入力によって、使用者は装置の側にいるとの事前の確認が得られている場合に限り、上記選択の入力が行なわれないにも拘らず発信種別33aが「通話」である予約発信を選択しても良い。例えば、発信を失敗した部が通話制御部21である場合、発信予約部31は、スピーカ14aからその発信に係る通話の緊急度が特に高く、かつ、使用者は装置の側にいることを確かめる音声を発生させる。その音声に対し、マイクロフォン14bから、肯定の回答が入力されたことが予約発信として記憶されている場合、予約発信処理部32は、上記選択の入力が行なわれないにも拘らず発信種別33aが「通話」である予約発信を選択する。
一方、上記報知に応じた上記選択の入力が所定の時間が経過するまでに行なわれない場合、予約発信処理部32は、発信種別33aが「通話」でない予約発信が選択されたとしても良い。
次に、ステップS213のパケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を図6に示すフローチャートを参照して詳述する。なお、この処理は、図5を参照して説明したステップS207の処理と類似している。共通な部分は簡明な説明に止め、同じ説明を繰り返さない。
予約発信処理部32は、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を開始し(ステップS401)、送受信部13に個別信号チャネルの指定を受信させる(ステップS402)。そして、表示部15にパケット交換を利用して行われる予約発信を識別する情報の一覧を表示させて、発信可能となったことを報知する。更に、その一覧の中から、入力部16の所定のキー操作によって処理する予約発信を選択させ(ステップS403)、処理すべき予約発信が選択されたか否かを判断する(ステップS404)。ステップS402〜ステップS404動作は、パケット交換を利用して行われる予約発信を処理対象とすることを除いて、ステップS302〜ステップS304の動作と同じである。
処理すべき予約発信が選択されなかった場合、予約発信処理部32は、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS405)。選択された場合、予約発信処理部32は、選択された予約発信の発信種別33aを判断する(ステップS406)。その発信種別33aが「通話」と判断された場合、予約発信処理部32は、その発信をパケット交換を利用して行うことの可否を判断する(ステップS407)。
この可否の判断は、その発信種別33aと関連付けられた交換33dが「パケット交換」である場合、可と判断し、それ以外の場合(値が記憶されていない場合。)、不可と判断する。及び/又は、所定のメッセージを表示部15に表示させてこの可否の入力を促し、この表示に応じて入力部16から入力されたキー操作に基づいて判断する。又は、常に可と判断する。
不可と判断された場合、予約発信処理部32は、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS405)。可と判断された場合、予約発信処理部32は、通話制御部21に、上記発信種別33aと関連付けられた発信先33bへのパケット交換を利用した発信をさせて(ステップS408)、呼が接続された後、通話をさせて、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS405)。ステップS408の動作は、利用する交換が異なる他は、ステップS307の動作と同じである。
ステップS406で選択された予約発信の発信種別33aが「通話による伝言登録」と判断された場合、予約発信処理部32は、その発信をパケット交換を利用して行うことの可否を判断する(ステップS409)。ステップS409の動作は、ステップS407の動作と同じである。そして、不可と判断された場合、予約発信処理部32は、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS405)。
可と判断された場合、通話制御部21に、その発信種別33aと関連付けられた発信先33bへのパケット交換を利用した発信をさせ、呼が接続された後、その発信種別33aと関連付けられた付属情報33cを送信させて(ステップS410)、通信完了を報知して、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS405)。ステップS410の動作は、利用する交換が異なる他は、ステップS308の動作と同じである。
ステップS406で選択された予約発信の発信種別33aが「ショートメッセージ送信」と判断された場合、予約発信処理部32は、SM送受信部22に、その発信種別33aと関連付けられた発信先33bへパケット交換を利用した発信をさせ、呼が接続された後、その発信種別33aと関連付けられた付属情報33cを送信させて(ステップS411)、通信完了を報知して、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS405)。ステップS411の動作は、利用する交換が異なる他は、ステップS309の動作と同じである。
ステップS406で選択された予約発信の発信種別33aが「電子メール送信」と判断された場合、予約発信処理部32は、電子メール送受信部23に、その発信種別33aと関連付けられた発信先33b(これは、電子メールアドレスである。)宛ての、その発信種別33aと関連付けられた付属情報33c(これは、電子メールである。)をメールサーバ装置へ送信させて(ステップS412)、通信完了を報知して、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS405)。この送信の際、ステップS402で指定を受けた個別信号チャネルを引き継いで利用させる。
ステップS406で選択された予約発信の発信種別33aが「ウェブサーバへのアクセス」と判断された場合、予約発信処理部32は、ブラウザ部24に、その発信種別33aと関連付けられた発信先33b(これは、ウェブページアドレスである。)で識別されるウェブサーバ装置へアクセスさせ、入力部16の所定のキー操作によってそのアクセスが終了すると(ステップS413)、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS405)。このアクセスの際、ステップS402で指定を受けた個別信号チャネルを引き継いで利用させる。
ステップS406で選択された予約発信の発信種別33aが「ウェブサーバによる伝言登録」と判断された場合、予約発信処理部32は、ブラウザ部24に、その発信種別33aと関連付けられた発信先33b(これは、ウェブページアドレスである。)で識別されるウェブサーバ装置へアクセスさせ、その発信種別33aと関連付けられた付属情報33c(これは、文字情報である。)を送信させて(ステップS414)、通信完了を報知して、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(ステップS405)。このアクセスの際、ステップS402で指定を受けた個別信号チャネルを引き継いで利用させる。
以上の説明で、ステップS402の個別信号チャネルの指定の受信がされない場合、及び、ステップS408、ステップS410、ステップS411、ステップS412、ステップS413、及びステップS414で発信が失敗した場合、予約発信処理部32は、予約発信に係る通信に失敗したとして、パケット交換を利用した予約発信に係る通信処理を終了する(図示せず)。この失敗の際、予約発信処理部32は、待ち回数に1を加えても良い。
なお、ステップS402の個別信号チャネルの指定を受信させる動作は、必須ではない。また、ステップS403の装置の使用者による予約発信の選択は、必ずしも必須ではない。しかしながら、発信種別33aが「通話」であるものが選択される場合、及び、「ウェブサーバへのアクセス」である予約発信が選択される場合、発信可能となったことの報知と、選択であるか、承認であるか等の名目を問わず、装置の使用者の選択の入力とは強く望まれる。
なお、予約発信処理部32は、例えば、使用者による入力部16の所定のキー操作によって、使用者は装置の側にいるとの事前の確認が得られている場合に限り、上記選択の入力が行なわれないにも拘らず発信種別33aが「通話」である、又は、「ウェブサーバへのアクセス」である予約発信を選択しても良い。
これらの理由等は、図5を参照して説明したステップS207の動作説明で述べた通りである。また、上記選択の入力が所定の時間が経過するまでに行なわれない場合、予約発信処理部32は、発信種別33aが「通話」でなく、かつ、「ウェブサーバへのアクセス」でない予約発信が選択されたとしても良い。
以上の説明で、発信先33bと、付属情報33cとは、予約発信記憶部33に記憶されるとしたが、これに限るものではない。それぞれの予約発信に係る通信を行う処理部内に記憶されるとしても良い。特に、SM送受信部22と、電子メール送受信部23とは、それぞれ未送信のショートメッセージ、未送信の電子メールを記憶する機能を有していることが通常であり、これらを記憶させることは容易である。
更に、発信種別33aが「ショートメール送信」及び「電子メール送信」である予約発信は予約発信記憶部33に記憶させず、予約発信処理部32は、予約発信記憶部33を参照することなくSM送受信部22と、電子メール送受信部23とに、それぞれが記憶する未送信のショートメッセージ、未送信の電子メールを送信させても良い。
以上の説明で、予約発信記憶部33に記憶される予約発信は、それぞれが独立であるとしたが、これに限るものではない。複数の予約発信が1つのグループをなし、そのグループの一方の予約発信に係る通信が終了した場合、予約発信処理部32は、そのグループに属する全ての予約発信は予約発信記憶部33から削除されるとしても良い。
1つのグループをなす予約発信は、入力部16の所定のキー操作に従い、発信予約部31によって決定され、予約発信記憶部33に記憶される。このように、予約発信をグループとなすことにより、装置の使用者は、複数の予約発信を同じ目的の連絡のために記憶させ、かつ、同じ目的のための通信を重ねて行わないことが可能である。
1つのグループをなす予約発信の一例は、発信種別33aが「通話」である予約発信と、「通話による伝言登録」である予約発信とであり、例えば、専ら通話制御部21による通話を利用する使用者は、通話を望むものの、伝言によって連絡が取れるなら、通話は不要と考える場合に相当する。また、別の例は、発信種別33aが「通話による伝言登録」である予約発信と、「ウェブサーバによる伝言登録」である予約発信とであり、使用者は、いずれの通信によってでも伝言がされれば良いと考える場合に相当する。
以上の説明で、発信操作が行われた際、発信が規制されていたために失敗した発信を記憶し、発信規制が解除された際、記憶された発信を行うとしたが、これに限るものではない。規制が行われていたか否かを問わず、発信操作が行われた際に失敗した発信を記憶し、その後、記憶された発信を行うとしても良い。規制が行われていない場合であっても、通信網が輻輳状態にある場合、発信が失敗することがある。また、発信が規制されていず、かつ、輻輳状態でないにも係わらず発信が失敗する一例として、移動通信装置が移動通信網のサービス圏外に位置している場合がある。
以上の説明で、発信が分離規制されているとしたが、これに限るものではない。回線交換と、パケット交換とが一体として規制され、また、規制解除されるとしても良い。このように、一体として規制される場合、発信種別33aが「通話」及び「通話による伝言登録」である予約発信の処理の際、予約発信処理部32は、送受信部13に個別信号チャネルを受信させた後、使用者の選択に従っていずれの交換を利用するかを決定し、その決定された交換の発信のための個別トラフィックチャネルの割り当てを要求させても良い。この処理は、発信が分離規制されており、かつ、上記の2つの交換が同時に規制解除された際に行われても良い。
以上の説明で、全ての予約発信は予約発信記憶部33に記憶され、予約発信処理部32によって処理されるとしたが、これに限るものではない。通話制御部21、SM送受信部22、電子メール送受信部23、及びブラウザ部24のそれぞれが記憶し、処理するとしても良い。
以上の説明は、本発明を移動通信装置に適用した形態を例にとって行ったが、これに限るものではない。本発明は、パソコンを含む、あらゆる通信装置に適用することが当然に可能である。また、通信を伴うアプリケーションは、通話制御部21と、SM送受信部22と、電子メール送受信部23と、ブラウザ部24とであるとしたが、これらに限るものではない。これら以外のアプリケーションであっても、通信の際に装置の使用者が装置の側にいる必要の有無と、利用する交換とによって分類すれば、本発明の適用が当然に可能である。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。