JP2010273049A - ミリ波モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】受信されたミリ波信号のミキサまでの伝送路を極小に抑える構成を備えたミリ波モジュールを得ること。
【解決手段】樹脂基板の一方の面に、マイクロストリップ線路を給電線路とする受信用のアンテナを形成するとともに、前記受信用のアンテナの給電点の直近にミキサをフリップチップ実装し、前記ミキサへのローカル信号を、前記樹脂基板の他方の面から導波管と該導波管に接続される前記樹脂基板の一方の面上の導波管・マイクロストリップ線路変換器を介して供給し、前記ミキサで検波されたビデオ信号を前記樹脂基板の内層信号線路にビアを介して接続するように構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】樹脂基板の一方の面に、マイクロストリップ線路を給電線路とする受信用のアンテナを形成するとともに、前記受信用のアンテナの給電点の直近にミキサをフリップチップ実装し、前記ミキサへのローカル信号を、前記樹脂基板の他方の面から導波管と該導波管に接続される前記樹脂基板の一方の面上の導波管・マイクロストリップ線路変換器を介して供給し、前記ミキサで検波されたビデオ信号を前記樹脂基板の内層信号線路にビアを介して接続するように構成した。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車載ミリ波レーダで用いるミリ波モジュールに関するものである。
車載ミリ波レーダでは、受信機の低価格化を図るため、受信アンテナとミキサとの間にローノイズアンプを設けずに、受信アンテナで受信されたミリ波信号を直接ミキサに入力して検波する方式(直接検波方式)を採用しているものが知られている。
そして、受信アンテナで受信されたミリ波信号をミキサに導入する構成として、従来では、例えば特許文献1に示されるように、受信アンテナであるスロットアンテナで受信されたミリ波信号を、樹脂基板に設けた導波管を介して高周波パッケージ内のミキサに導く構成が採用されていた。
しかし、上記特許文献1に記載の構成では、受信されたミリ波信号をミキサに導くまでの経路に、伝送路や変換器が多数存在するので、線路損失や反射による損失が大きく、伝送損失が大きいという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、受信されたミリ波信号のミキサまでの伝送路を極小に抑える構成を備えたミリ波モジュールを得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明にかかるミリ波モジュールは、樹脂基板の一方の面に、受信用のマイクロストリップアンテナを形成するとともに、前記受信用のマイクロストリップアンテナの給電点の直近にミキサをフリップチップ実装により配置し、前記ミキサへのローカル信号を、前記樹脂基板の他方の面から導波管および該導波管に接続される前記受信用のマイクロストリップアンテナの給電点で使用する導波管マイクロストリップ線路変換器を介して供給し、前記ミキサで検波されたビデオ信号を前記樹脂基板の内層信号線路にビアを介して接続するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、受信されたミリ波信号のミキサまでの伝送路引き回しを最小限の長さに抑えることができるので、伝送モードの変換や反射も起こらなくなる。したがって、伝送損失が小さく、受信雑音も小さく抑えることができるミリ波モジュールが得られるという効果を奏する。
まず、本発明の理解を容易にするため、図1を参照して、直接検波方式の車載ミリ波レーダについて簡単に説明する。図1は、直接検波方式の車載ミリ波レーダの構成例を示すブロック図である。なお、図1では、車載ミリ波レーダの構成のうち本発明に関わる構成部分のみが示されている。車載ミリ波レーダでは、レーダ波をFM−CW変調波などに変調して送信し、目標物からの反射波に基づき測距や測角を行う。図1では、そのような回路部分は示されていない。
図1において、送信と受信を同時に行うため、アンテナは、送信用と受信用とに分けられる。図1では、1つの送信アンテナ1に対し、受信系を2つの受信アンテナ2a,2bによる2チャンネルとしている場合が示されている。受信系は、目標の測角精度を向上させるため、さらに多チャンネル化した例もある。
受信雑音低減のためには、受信アンテナ2a,2bとミキサ3a,3bとの間にローノイズアンプを設けることが望ましく、その実例もある。本発明が対象とする車載ミリ波レーダでは、受信系の低価格化のために、ローノイズアンプは設けず、ミキサ3a,3bで直ぐに検波する直接検波方式としている。
発振器4の発振周波数はレーダ波の2分の1である。発振器4の出力は、増幅器5にて増幅され、方向性結合器6にて、送信系(逓倍器7、増幅器8、送信アンテナ1)と、受信系(電力分配器9、ミキサ3a,3b)とに分岐供給される。
送信系は、発振器4の出力を逓倍器7にて周波数を2倍にした後、増幅器8にて増幅して送信アンテナ1に接続する。受信系は、発振器4の出力を電力分配器9にて電力分配してミキサ3a,3bにローカル信号として接続する。ミキサ3a,3bにて検波された検波信号(ビデオ信号)は、受信アンテナ2a,2bからの無線周波信号とローカル信号とのミキシング(検波)により得られた周波数差信号であり、出力端子10a,10bから処理系へ送出される。なお、電力分配後、ミキサ3a,3bに周波数を変えずにローカル信号として接続するため、ミキサ3a,3bは、ハーモニックミキサとしている。
ここで、受信アンテナ2a,2bとミキサ3a,3bとの間の給電線路の損失は、そのまま受信雑音の増大となるため、その給電線路は極力短いことが望ましい。また、給電線路の伝送モードが変化すると、導波管・マクロストリップ線路変換器による損失や反射が発生するため、伝送モードも変化させないことが望ましい。本発明は、この2点の実現を企図している。
以下に、本発明にかかるミリ波モジュールの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図2と図3は、本発明の一実施の形態によるミリ波モジュールを形成する樹脂基板の構成を示す平面図である。なお、図2は、樹脂基板のアンテナ実装面を示し、図3は、樹脂基板の部品実装面を示す。本実施の形態では、受信系を、図1に示すように、2チャネルとした場合の構成例について説明するので、図2と図3では、図1との対応関係を示すため、対応する要素には同一の符号が付されている。
図2において、樹脂基板のアンテナ実装面20aには、マイクロストリップ構成の送信アンテナ1および2つの受信アンテナ2a,2bが配置される。図2に示す例では、送信アンテナ1は、給電線路(マイクロストリップ線路)21に多数のパッチ素子22を取り付けたアレイアンテナとする。送信アンテナ1の給電点は、給電線路(マイクロストリップ線路)21のほぼ中央に設け、導波管マイクロストリップ線路変換器23を接続する。
受信アンテナ2a,2bも同様に、給電線路(マイクロストリップ線路)25a,25bに多数のパッチ素子26a,26bを取り付けたアレイアンテナとする。受信アンテナ2a,2bの給電点は、給電線路(マイクロストリップ線路)25a,25bの端部である。この受信アンテナ2a,2bの給電点の直近にミキサ3a,3bを実装する。
ミキサ3a,3bのチップは、ガリウム砒素などの半導体基板で作製する。作製する半導体基板は、ダイオード素子とその周辺回路の最小限にとどめ、可能な範囲で樹脂基板(アンテナ実装面)20a上に回路を作製する。これによって、半導体基板の面積が極小になり、低コスト化が可能となる。そして、ミキサ3a,3bの実装は、フリップチップ実装として高周波特性の改善を図る。
ミキサ3a,3bの近傍に導波管マイクロストリップ線路変換器27a,27bを配置し、樹脂基板の部品実装面20bから送られてくるローカル信号をミキサ3a,3bにマイクロストリップ線路で接続する。ミキサ3a,3bにてミキシングで得られた検波信号(ビデオ信号)は、出力端子10a,10bから、樹脂基板の表裏を貫通する同軸線路(信号ビアと、該信号ビアの周囲を囲む複数のグランドビアとで構成される)やビアを介して樹脂基板内層の信号線路を通じて、樹脂基板の部品実装面20bに伝送される。
樹脂基板の部品実装面20bに伝送された検波信号(ビデオ信号)は、該部品実装面20bに設けられた図示しない増幅器にて増幅された後、その出力側に設けられた図示しない信号処理回路に入力され、各種のレーダ信号処理に供されるようになっている。
この構成により、ミリ波の受信信号の引き回しは最小限の長さに抑えことができ、伝送モードの変換も無く反射も無いため、伝送損失を小さく抑え、受信雑音も小さく抑えることが可能となる。
なお、樹脂基板の導波管は、基板に長方形またはこれに近い楕円の穴を穿ち、穴の内面にメッキを施すことで構成できる。穴の小型化を行うため、穴に樹脂を充填しても良い。
図3において、樹脂基板の部品実装面20bには、高周波パッケージ28と電力分配器9とを実装する。高周波パッケージ28の内部には、発振器4、増幅器5、方向性結合器6、逓倍器7、増幅器8などの半導体デバイス(一般にはMMIC)を配置する。ローカル信号は、この高周波パッケージ内の方向性結合器6にて分岐して樹脂基板の部品実装面20b上を電力分配器9に導き、電力分配器9にて受信チャネルの数である2つに分割して、導波管マイクロストリップ線路変換器27a,27bに接続する。
樹脂基板の部品実装面20bでは、ミリ波の増幅器8を導波管マイクロストリップ線路変換器23の直近に配置できるようにしておけば、送信系においてもミリ波帯の伝送損失を最小に抑えることが可能である。また、高周波パッケージ28は、放熱性確保のため、セラミックを材料とすることが多く一般に高価である。しかし、送信系だけで構成するため小型であり、低コスト化が可能となる。
以上のように、本発明にかかるミリ波モジュールは、受信されたミリ波信号のミキサまでの伝送路を極小に抑え、伝送モードの変換や反射を無くし、低伝送損失化・低受信雑音化を可能にするミリ波モジュールとして有用であり、直接検波方式のミリ波レーダの受信機で使用するのに適している。
1 送信アンテナ、2a,2b 受信アンテナ、3a,3b ミキサ、4 発振器、5,8 増幅器、6 方向性結合器、7 逓倍器、9 電力分配器、10a,10b 出力端子、20a 樹脂基板のアンテナ実装面、20b 樹脂基板の部品実装面、21,25a,25b 給電線路(マイクロストリップ線路)、22,26a,26b パッチ素子、23,27a,27b 導波管マイクロストリップ線路変換器、28 高周波パッケージ。
Claims (3)
- 樹脂基板の一方の面に、受信用のマイクロストリップアンテナを形成するとともに、前記受信用のマイクロストリップアンテナの給電点の直近にミキサをフリップチップ実装により配置し、
前記ミキサへのローカル信号を、前記樹脂基板の他方の面から導波管および該導波管に接続される前記受信用のマイクロストリップアンテナの給電点で使用する導波管マイクロストリップ線路変換器を介して供給し、前記ミキサで検波されたビデオ信号を前記樹脂基板の内層信号線路にビアを介して接続するように構成した
ことを特徴とするミリ波モジュール。 - 前記受信用のマイクロストリップアンテナは、2以上設けられることを特徴とする請求項1に記載のミリ波モジュール。
- 前記樹脂基板の一方の面には、送信用のマイクロストリップアンテナも形成され、前記ローカル信号は、送信系で用いる発振器から供給されることを特徴とする請求項1または2に記載のミリ波モジュール。
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