JP2010272866A - 移動体装置、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

移動体装置、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】移動体の傾斜によって生じる計測システムの計測誤差の影響を受けることがない、高精度な移動体の駆動を実現する。
【解決手段】 制御装置により、計測システム70によって計測される微動ステージWFSの計測方向に関する位置情報と、該位置情報に含まれる微動ステージWFSの傾斜に起因する計測誤差の補正情報とに基づいて、微動ステージWFSが駆動される。従って、微動ステージWFSの傾斜によって生じる計測システムの計測方向に関する位置情報に含まれる計測誤差の影響を受けることがない、高精度な微動ステージWFSの駆動が可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体装置、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、二次元平面に沿って移動可能な移動体を含む移動体装置、該移動体装置を備える露光装置及びエネルギビームを前記移動体上の物体に照射して所定のパターンを形成する露光方法、並びに前記露光装置又は露光方法を用いるデバイス製造方法に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
この種の露光装置では、一般的に、パターンが形成されるウエハ又はガラスプレート等の感応物体(以下、ウエハと総称する)を保持して2次元移動するウエハステージの位置が、レーザ干渉計により計測されていた。しかし、近年の半導体素子の高集積化に伴うパターンの微細化により、さらに高精度なウエハステージの位置制御性能が要求されるようになり、その結果、レーザ干渉計のビーム路上の雰囲気の温度変化、及び/又は温度勾配の影響で発生する空気揺らぎに起因する計測値の短期的な変動が、無視できなくなってきた。
かかる不都合を改善するものとして、レーザ干渉計と同程度以上の計測分解能を有するエンコーダを、ウエハステージの位置計測装置として採用した露光装置に係る発明が、種々提案されている(例えば特許文献1参照)。しかるに、特許文献1などに開示される液浸露光装置では、液体が蒸発する際の気加熱などの影響によりウエハステージ(ウエハステージ上面に設けられるグレーティング)が変形するおそれがあるなど、未だ改善すべき点があった。
かかる不都合を改善するものとして、例えば、特許文献2には、第5の実施形態として、光透過部材で構成されたウエハステージの上面にグレーティングを設け、ウエハステージの下方に配置されたエンコーダ本体から計測ビームをウエハステージに入射させてグレーティングに照射し、グレーティングで発生する回折光を受光することによって、グレーティングの周期方向に関するウエハステージの変位を計測するエンコーダシステムを備えた露光装置が開示されている。この装置では、グレーティングは、カバーガラスで覆われているので、気化熱などの影響は受け難く、高精度なウエハステージの位置計測が可能である。
しかしながら、特許文献2の第5の実施形態に係るエンコーダ本体の配置は、定盤上を移動する粗動ステージと、ウエハを保持して粗動ステージ上で移動する微動ステージとを含む、いわゆる粗微動構造のステージ装置において微動ステージの位置情報を計測する場合には、採用することが困難であった。定盤の上方に配置される粗動ステージがエンコーダ本体からの計測ビームがさらに上方に位置する微動ステージに照射されるのを妨害するからである。
また、ウエハステージ上のウエハに対する露光などを行う際には、ウエハ表面の露光点と同一の二次元平面内のウエハステージの位置情報を計測することが望ましいが、ウエハステージが二次元平面に対して傾斜している場合には、ウエハステージの位置を例えば下方から計測するエンコーダの計測値には、ウエハ表面とグレーティングの配置面との高さの差などに起因する計測誤差が含まれてしまう。
米国特許出願公開第2008/0088843号明細書 米国特許出願公開第2008/0094594号明細書
本発明の第1の態様によれば、物体を保持して実質的に所定平面に沿って移動可能で、前記物体の裏面側で前記所定平面に実質的に平行な面にグレーティングが配置された移動体と;前記物体の載置面とは反対側の前記移動体の外部から前記グレーティングに向けて所定波長の計測光を照射し、該計測光に由来する前記グレーティングからの回折光を受光し、前記所定平面内の計測方向に関する前記移動体の位置情報を計測する計測システムと;前記移動体の前記計測方向に関する位置情報と、該位置情報に含まれる前記移動体の傾斜によって生じる計測誤差の補正情報とに基づいて、前記移動体を駆動する駆動システムと;を備える移動体装置が、提供される。
これによれば、駆動システムにより、計測システムによって計測される移動体の計測方向に関する位置情報と、該位置情報に含まれる移動体の傾斜に起因する計測誤差の補正情報とに基づいて、移動体が駆動される。従って、移動体の傾斜によって生じる計測システムの計測方向に関する位置情報に含まれる計測誤差の影響を受けることがない高精度な移動体の駆動が可能になる。
本発明の第2の態様によれば、エネルギビームの照射によって物体にパターンを形成する露光装置であって、前記物体に前記エネルギビームを照射するパターニング装置と;エネルギビームが照射される前記物体が前記移動体に保持される本発明の移動体装置と;を備える露光装置が、提供される。
これによれば、本発明の移動体装置により、エネルギビームが照射される物体を保持する移動体が高精度に駆動されるので、その物体にパターニング装置からエネルギビームが照射されることで、物体の高精度な露光、すなわち高精度なパターンの形成が可能になる。
本発明の第3の態様によれば、本発明の露光装置を用いて基板を露光することと;露光された前記基板を現像することと;を含むデバイス製造方法が、提供される。
本発明の第4の態様によれば、エネルギビームを物体に照射して前記物体上に所定のパターンを形成する露光方法であって、前記物体を保持するとともに、前記物体の裏面側で所定平面に実質的に平行な面にグレーティングが配置された移動体を、前記所定平面に沿って移動させ、前記物体の載置面とは反対側の前記移動体の外部から前記グレーティングに向けて所定波長の計測光を照射し、該計測光に由来する前記グレーティングからの回折光を受光して前記所定平面内の計測方向に関する前記移動体の位置情報を計測することと;前記移動体の前記計測方向に関する位置情報と、該位置情報に含まれる前記移動体の傾斜によって生じる計測誤差の補正情報とに基づいて、前記移動体を駆動することと;を含む露光方法が、提供される。
これによれば、計測される移動体の計測方向に関する位置情報と、該位置情報に含まれる移動体の傾斜によって生じる計測誤差の補正情報とに基づいて、移動体が駆動される。従って、移動体の傾斜によって生じる計測システムの計測方向に関する位置情報に含まれる計測誤差の影響を受けることがない高精度な移動体の駆動が可能になる。
本発明の第5の態様によれば、本発明の露光方法を用いて基板を露光することと;露光された前記基板を現像することと;を含むデバイス製造方法が、提供される。
一実施形態の露光装置の構成を概略的に示す図である。 図2(A)は、図1の露光装置が備えるステージ装置を示す−Y方向から見た側面図、図2(B)は、ステージ装置を示す平面図である。 図1の露光装置の制御系の構成を示すブロック図である。 微動ステージ駆動系を構成する磁石ユニット及びコイルユニットの配置を示す平面図である。 図5(A)は、微動ステージを粗動ステージに対してZ軸回りに回転させる際の動作を説明するための図、図5(B)は、微動ステージを粗動ステージに対してY軸回りに回転させる際の動作を説明するための図、図5(C)は、微動ステージを粗動ステージに対してX軸回りに回転させる際の動作を説明するための図である。 微動ステージの中央部を+Z方向に撓ませる際の動作を説明するための図である。 図7(A)は、Xヘッド77xの概略構成を示す図、図7(B)は、Xヘッド77x、Yヘッド77ya、77ybそれぞれの計測アーム内での配置を説明するための図である。 図8(A)は、計測アームの先端部を示す斜視図、図8(B)は、計測アームの先端部の上面を+Z方向から見た平面図である。 ピッチング量θxにおける微動ステージのZ位置に対するエンコーダの計測誤差を示すグラフである。 図10(A)は、スキャン露光時のウエハの駆動方法を説明するための図、図10(B)は、ステッピング時のウエハの駆動方法を説明するための図である。 変形例に係るグレーティングの配置を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図10(B)に基づいて説明する。
図1には、一実施形態の露光装置100の構成が概略的に示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では、投影光学系PLが設けられており、以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内でレチクルとウエハとが相対走査される方向をY軸方向、Z軸方向及びY軸方向に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、照明系10、レチクルステージRST、投影ユニットPU、局所液浸装置8、微動ステージ(テーブルとも呼ぶ)WFSを有するステージ装置50、及びこれらの制御系等を備えている。図1において、微動ステージWFS上には、ウエハWが載置されている。
照明系10は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド等(いずれも不図示)を有する照明光学系と、を含む。照明系10は、レチクルブラインド(マスキングシステムとも呼ばれる)で規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
レチクルステージRST上には、そのパターン面(図1における下面)に回路パターンなどが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図3参照)によって、XY平面内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面内左右方向であるY軸方向)に所定の走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)13によって、レチクルステージRSTに固定された移動鏡15(実際には、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡(あるいは、レトロリフレクタ)とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計13の計測値は、主制御装置20(図1では不図示、図3参照)に送られる。なお、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号明細書などに開示されているように、エンコーダシステムによってレチクルステージRSTの位置情報を計測しても良い。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方(−Z側)に配置されている。投影ユニットPUは、不図示の支持部材によって水平に支持されたメインフレーム(メトロロジーフレームとも呼ばれる)BDによってその外周部に設けられたフランジ部を介して支持されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に保持された複数の光学素子から成る投影光学系PLと、を含む。投影光学系PLとしては、例えば、両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する屈折光学系が用いられている。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上で前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTと微動ステージWFSとの同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では照明系10、及び投影光学系PLによってウエハW上にレチクルRのパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。ここで、投影ユニットPUはメインフレームBDに保持され、本実施形態では、メインフレームBDが、それぞれ防振機構を介して設置面(床面など)に配置される複数(例えば3つ又は4つ)の支持部材によってほぼ水平に支持されている。なお、その防振機構は各支持部材とメインフレームBDとの間に配置しても良い。また、例えば国際公開第2006/038952号に開示されているように、投影ユニットPUの上方に配置される不図示のメインフレーム部材、あるいはレチクルベースなどに対して投影ユニットPUを吊り下げ支持しても良い。
局所液浸装置8は、液体供給装置5、液体回収装置6(いずれも図1では不図示、図3参照)、及びノズルユニット32等を含む。ノズルユニット32は、図1に示されるように、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子、ここではレンズ(以下、「先端レンズ」ともいう)191を保持する鏡筒40の下端部周囲を取り囲むように不図示の支持部材を介して、投影ユニットPU等を支持するメインフレームBDに吊り下げ支持されている。本実施形態では、主制御装置20が液体供給装置5(図3参照)を制御して、ノズルユニット32を介して先端レンズ191とウエハWとの間に液体Lq(図1参照)を供給するとともに、液体回収装置6(図3参照)を制御して、ノズルユニット32を介して先端レンズ191とウエハWとの間から液体Lqを回収する。このとき、主制御装置20は、供給される液体の量と回収される液体の量とが常に等しくなるように、液体供給装置5と液体回収装置6を制御する。従って、先端レンズ191とウエハWとの間には、一定量の液体Lq(図1参照)が常に入れ替わって保持される。本実施形態では、上記の液体Lqとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する純水を用いるものとする。
ステージ装置50は、図1に示されるように、床面上に防振機構(図示省略)によってほぼ水平に支持されたベース盤12、ウエハWを保持してベース盤12上で移動するウエハステージWST、ウエハステージWSTを駆動するウエハステージ駆動系53(図3参照)及び各種計測系(16、70(図3参照)等)等を備えている。
ベース盤12は、平板状の外形を有する部材から成り、その上面は平坦度が非常に高く仕上げられ、ウエハステージWSTの移動の際のガイド面とされている。
ウエハステージWSTは、図1及び図2(A)等に示されるように、その底面に設けられた複数の非接触軸受(例えばエアベアリング(図示省略))によりベース盤12上に浮上支持され、ウエハステージ駆動系53の一部を構成する粗動ステージ駆動系51(図3参照)により、XY二次元方向に駆動されるウエハ粗動ステージ(以下、粗動ステージと略述する)WCSと、粗動ステージWCSに非接触状態で支持され、粗動ステージWCSに対して相対移動可能なウエハ微動ステージ(以下、微動ステージと略述する)WFSとを有している。微動ステージWFSは、ウエハステージ駆動系53の一部を構成する微動ステージ駆動系52(図3参照)によって粗動ステージWCSに対してX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θx方向、θy方向及びθz方向(以下、6自由度方向、又は6自由度方向(X、Y、Z、θx、θy、θz)と記述する)に駆動される。本実施形態では、粗動ステージ駆動系51と微動ステージ駆動系52とを含んで、ウエハステージ駆動系53が構成されている。
ウエハステージWST(粗動ステージWCS)のXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報も含む)は、ウエハステージ位置計測系16によって計測される。また、微動ステージWFSの6自由度方向(X、Y、Z、θx、θy、θz)の位置情報は微動ステージ位置計測系70(図3参照)によって計測される。ウエハステージ位置計測系16及び微動ステージ位置計測系70の計測結果(計測情報)は、粗動ステージWCS及び微動ステージWFSの位置制御のため、主制御装置20(図3参照)に供給される。
上記各種計測系を含み、ステージ装置50の構成各部の構成等については、後に詳述する。
露光装置100では、投影ユニットPUの中心から+Y側に所定距離隔てた位置にウエハアライメント系ALG(図1では不図示、図3参照)が配置されている。ウエハアライメント系ALGとしては、例えば画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系が用いられる。ウエハアライメント系ALGは、主制御装置20により、ウエハアライメント(例えばエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA))の際に、後述する微動ステージWFS上の計測プレートに形成された第2基準マーク、又はウエハW上のアライメントマークの検出に用いられる。ウエハアライメント系ALGの撮像信号は、不図示の信号処理系を介して主制御装置20に供給される。主制御装置20は、ウエハアライメント系ALGの検出結果(撮像結果)と、検出時の微動ステージWFS(ウエハW)の位置情報とに基づいて、対象マークのアライメント時座標系におけるX,Y座標を算出する。
この他、本実施形態における露光装置100には、投影ユニットPUの近傍に、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示されるものと同様の構成の斜入射方式の多点焦点位置検出系(以下、多点AF系と略述する)AF(図1では不図示、図3参照)が設けられている。多点AF系AFの検出信号は、不図示のAF信号処理系を介して主制御装置20に供給される(図3参照)。主制御装置20は、多点AF系AFの検出信号に基づいて、多点AF系AFの複数の検出点それぞれにおけるウエハW表面のZ軸方向の位置情報(面位置情報)を検出し、その検出結果に基づいて走査露光中のウエハWのいわゆるフォーカス・レベリング制御を実行する。なお、ウエハアライメント系ALGの近傍に多点AF系を設けて、ウエハアライメント(EGA)時にウエハW表面の面位置情報(凹凸情報)を事前に取得し、露光時には、その面位置情報と、後述する微動ステージ位置計測系70の一部を構成するレーザ干渉計システム75(図3参照)の計測値とを用いて、ウエハWのいわゆるフォーカス・レベリング制御を実行することとしても良い。なお、レーザ干渉計システム75ではなく、微動ステージ位置計測系70を構成する後述のエンコーダシステム73の計測値を、フォーカス・レベリング制御で用いても良い。
また、レチクルステージRSTの上方には、例えば米国特許第5,646,413号明細書などに詳細に開示されるように、露光波長の光(本実施形態では照明光IL)をアライメント用照明光とする画像処理方式の一対のレチクルアライメント系RA,RA(図1においてはレチクルアライメント系RA2は、レチクルアライメント系RAの紙面奥側に隠れている)が配置されている。レチクルアライメント系RA,RAの検出信号は、不図示の信号処理系を介して主制御装置20に供給される(図3参照)。なお、レチクルアライメント系RA,RAは設けなくても良い。この場合、例えば米国特許出願公開第2002/0041377号などに開示されるように、微動ステージWFSに光透過部(受光部)が設けられる検出系を搭載して、レチクルアライメントマークの投影像を検出することが好ましい。
図3には、露光装置100の制御系の主要な構成が示されている。制御系は、主制御装置20を中心として構成されている。主制御装置20は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含み、前述の局所液浸装置8、粗動ステージ駆動系51、微動ステージ駆動系52など、露光装置100の構成各部を統括制御する。
ここで、ステージ装置50の構成等について詳述する。粗動ステージWCSは、図2(A)及び図2(B)に示されるように、平面視で(+Z方向から見て)X軸方向を長手方向とする長方形板状の粗動スライダ部91と、粗動スライダ部91の長手方向の一端部と他端部の上面にYZ平面に平行な状態でそれぞれ固定され、かつY軸方向を長手方向とする長方形板状の一対の側壁部92a,92bと、側壁部92a,92bそれぞれの上面に固定された一対の固定子部93a、93bと、を備えている。粗動ステージWCSは、全体として、上面のX軸方向中央部及びY軸方向の両側面が開口した高さの低い箱形の形状を有している。すなわち、粗動ステージWCSには、その内部にY軸方向に貫通した空間部が形成されている。
粗動ステージWCSの底面(粗動スライダ部91の底面)には、図2(A)に示されるように、マトリックス状に配置された複数の永久磁石91aから成る磁石ユニットが固定されている。磁石ユニットに対応して、ベース盤12の内部には、図1に示されるように、XY二次元方向を行方向、列方向としてマトリックス状に配置された複数のコイル14を含む、コイルユニットが収容されている。磁石ユニットは、ベース盤12のコイルユニットと共に、例えば米国特許第5,196,745号明細書などに開示されるローレンツ電磁力駆動方式の平面モータから成る粗動ステージ駆動系51(図3参照)を構成している。コイルユニットを構成する各コイル14に供給される電流の大きさ及び方向は、主制御装置20によって制御される(図3参照)。粗動ステージWCSは、上記磁石ユニットが設けられた粗動スライダ部91の底面の周囲に固定された前述のエアベアリングによって、ベース盤12上に例えば数μm程度のクリアランスを介して浮上支持され、粗動ステージ駆動系51によって、X軸方向、Y軸方向及びθz方向に駆動される。なお、粗動ステージ駆動系51としては、ローレンツ電磁力駆動方式の平面モータに限らず、例えば可変磁気抵抗駆動方式の平面モータを用いることもできる。なお、電磁力駆動方式における電磁力はローレンツ力に限られない。この他、粗動ステージ駆動系51を、磁気浮上型の平面モータによって構成しても良い。この場合、粗動スライダ部91の底面にエアベアリングを設けなくても良くなる。
一対の固定子部93a、93bそれぞれは、図2(A)及び図2(B)に示されるように、外形が板状の部材から成り、その内部に微動ステージWFSを駆動するためのコイルユニットCUa、CUbが収容されている。コイルユニットCUa、CUbを構成する各コイルに供給される電流の大きさ及び方向は、主制御装置20によって制御される。コイルユニットCUa、CUbの構成については、さらに後述する。
一対の固定子部93a,93bそれぞれは、図2(A)及び図2(B)に示されるように、Y軸方向を長手方向とする矩形板状の形状を有する。固定子部93aは、+X側の端部が側壁部92a上面に固定され、固定子部93bは、−X側の端部が側壁部92b上面に固定されている。
微動ステージWFSは、図2(A)及び図2(B)に示されるように、平面視でX軸方向を長手方向とする八角形板状の部材から成る本体部81と、本体部81の長手方向の一端部と他端部にそれぞれ固定された一対の可動子部82a、82bと、を備えている。
本体部81は、その内部を後述するエンコーダシステムの計測ビーム(レーザ光)が進行可能とする必要があることから、光が透過可能な透明な素材で形成されている。また、本体部81は、その内部におけるレーザ光に対する空気揺らぎの影響を低減するため、中実に形成されている(内部に空間を有しない)。なお、透明な素材は、低熱膨張率であることが好ましく、本実施形態では一例として合成石英(ガラス)などが用いられる。なお、本体部81は、その全体が透明な素材で構成されていても良いが、エンコーダシステムの計測ビームが透過する部分のみが透明な素材で構成されていても良く、この計測ビームが透過する部分のみが中実に形成されていても良い。
微動ステージWFSの本体部81(より正確には、後述するカバーガラス)の上面中央には、ウエハWを真空吸着等によって保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。本実施形態では、例えば環状の凸部(リム部)内に、ウエハWを支持する複数の支持部(ピン部材)が形成される、いわゆるピンチャック方式のウエハホルダが用いられ、一面(表面)がウエハ載置面となるウエハホルダの他面(裏面)側に後述するグレーティングRGなどが設けられる。なお、ウエハホルダは、微動ステージWFSと一体に形成されていても良いし、本体部81に対して、例えば静電チャック機構あるいはクランプ機構等を介して、又は接着等により固定されていても良い。
さらに、本体部81の上面には、ウエハホルダ(ウエハWの載置領域)の外側に、図2(A)及び図2(B)に示されるように、ウエハW(ウエハホルダ)よりも一回り大きな円形の開口が中央に形成され、かつ本体部81に対応する八角形状の外形(輪郭)を有するプレート(撥液板)83が取り付けられている。プレート83の表面は、液体Lqに対して撥液化処理されている(撥液面が形成されている)。プレート83は、その表面の全部(あるいは一部)がウエハWの表面と同一面となるように本体部81の上面に固定されている。また、プレート83には、図2(B)に示されるように、一端部に円形の開口が形成され、この開口内にその表面がプレート83の表面と、すなわちウエハWの表面とほぼ同一面となる状態で計測プレート86が埋め込まれている。計測プレート86の表面には、前述した一対の第1基準マークと、ウエハアライメント系ALGにより検出される第2基準マークとが少なくとも形成されている(第1及び第2基準マークはいずれも図示省略)。なお、プレート83を本体部81に取り付ける代わりに、例えばウエハホルダを微動ステージWFSと一体に形成し、微動ステージWFSの、ウエハホルダを囲む周囲領域(プレート83と同一の領域(計測プレート86の表面を含んでも良い)の上面に撥液化処理を施して、撥液面を形成しても良い。
図2(A)に示されるように、本体部81の上面には、2次元グレーティング(以下、単にグレーティングと呼ぶ)RGが水平(ウエハW表面と平行)に配置されている。グレーティングRGは、透明な素材から成る本体部81の上面に、固定(あるいは形成)されている。グレーティングRGは、X軸方向を周期方向とする反射型の回折格子(X回折格子)と、Y軸方向を周期方向とする反射型回折格子(Y回折格子)と、を含む。本実施形態では、本体部81上で2次元グレーティングが固定あるいは形成される領域(以下、形成領域)は、一例として、ウエハWよりも一回り大きな円形となっている。
グレーティングRGは、保護部材、例えばカバーガラス84によって覆われて、保護されている。本実施形態では、カバーガラス84の上面に、ウエハホルダを吸着保持する前述の静電チャック機構が設けられている。なお、本実施形態では、カバーガラス84は、本体部81の上面のほぼ全面を覆うように設けられているが、グレーティングRGを含む本体部81の上面の一部のみを覆うように設けても良い。また、保護部材(カバーガラス84)は、本体部81と同一の素材によって形成しても良いが、これに限らず、保護部材を、例えば金属、セラミックスで形成しても良い。また、グレーティングRGを保護するのに十分な厚みを要するため板状の保護部材が望ましいが、素材に応じて薄膜状の保護部材を用いても良い。
なお、グレーティングRGの形成領域のうち、ウエハホルダの周囲にはみ出す領域に対応するカバーガラス84の一面には、グレーティングRGに照射されるエンコーダシステムの計測ビームがカバーガラス84を透過しないように、すなわち、ウエハホルダ裏面の領域の内外で計測ビームの強度が大きく変動しないように、例えばその形成領域を覆う反射部材(例えば薄膜など)を設けることが望ましい。
本体部81は、図2(A)からもわかるように、長手方向の一端部と他端部との下端部に外側に突出した張り出し部が形成された全体として八角形板状部材から成り、その底面の、グレーティングRGに対向する部分に凹部が形成されている。本体部81は、グレーティングRGが配置された中央の領域は、その厚さが実質的に均一な板状に形成されている。
本体部81の+X側、−X側の張り出し部それぞれの上面には、断面凸形状のスペーサ85a、85bが、それぞれの凸部89a、89bを、外側に向けてY軸方向に延設されている。
可動子部82aは、図2(A)及び図2(B)に示されるように、Y軸方向寸法(長さ)及びX軸方向寸法(幅)が、共に固定子部93aよりも短い(半分程度の)2枚の平面視矩形状の板状部材82a、82aを含む。板状部材82a、82aは、本体部81の+X側の端部に対し、前述したスペーサ85aの凸部89aを介して、Z軸方向(上下)に所定の距離だけ離間した状態でともにXY平面に平行に固定されている。この場合、板状部材82aは、スペーサ85aと本体部81の+X側の張り出し部とによって、その−X側端部が挟持されている。2枚の板状部材82a、82aの間には、固定子部93aの−X側の端部が非接触で挿入されている。板状部材82a、82aの内部には、後述する磁石ユニットMUa、MUaが、収容されている。
可動子部82bは、スペーサ85bにZ軸方向(上下)に所定の間隔が維持された2枚の板状部材82b、82bを含み、可動子部82aと左右対称ではあるが同様に構成されている。2枚の板状部材82b、82bの間には、固定子部93bの+X側の端部が非接触で挿入されている。板状部材82b、82bの内部には、磁石ユニットMUa、MUaと同様に構成された磁石ユニットMUb、MUbが、収容されている。
ここで、前述したように、粗動ステージWCSは、Y軸方向の両側面が開口しているので、微動ステージWFSを粗動ステージWCSに装着する際には、板状部材82a、82a、及び82b、82b間に固定子部93a、93bがそれぞれ位置するように、微動ステージのWFSのZ軸方向の位置決めを行い、この後に微動ステージWFSをY軸方向に移動(スライド)させれば良い。
微動ステージ駆動系52は、前述した可動子部82aが有する一対の磁石ユニットMUa、MUaと、固定子部93aが有するコイルユニットCUaと、可動子部82bが有する一対の磁石ユニットMUb、MUbと、固定子部93bが有するコイルユニットCUbと、を含む。
これをさらに詳述する。図4からわかるように、固定子部93aの内部における−X側の端部には、複数(ここでは、12個)の平面視長方形状のYZコイル(以下、適宜「コイル」と略述する)55、57が、Y軸方向に等間隔でそれぞれ配置された2列のコイル列が、X軸方向に所定間隔で配置されている。YZコイル55は、上下方向(Z軸方向)に重ねて配置された平面視矩形状の上部巻線と下部巻線(不図示)とを有する。また、固定子部93aの内部であって、上述した2列のコイル列の間には、Y軸方向を長手方向とする細長い平面視長方形状の一つのXコイル(以下、適宜「コイル」と略述する)56が、配置されている。この場合、2列のコイル列と、Xコイル56とは、X軸方向に関して等間隔で配置されている。2列のコイル列と、Xコイル56とを含んで、コイルユニットCUaが構成されている。
なお、以下では、図4を用いて、コイルユニットCUa及び磁石ユニットMUa,MUaをそれぞれ有する一方の固定子部93a及び可動子部82aについて説明するが、他方の固定子部93b及び可動子部82bは、これらと同様に構成され、同様に機能する。従って、コイルユニットCUb、磁石ユニットMUb,MUbは、コイルユニットCUa、磁石ユニットMUa,MUaと同様に構成されている。
可動子部82aの一部を構成する+Z側の板状部材82aの内部には、図4を参照するとわかるように、X軸方向を長手方向とする平面視長方形の複数(ここでは10個)の永久磁石65a、67aが、Y軸方向に等間隔で配置された2列の磁石列が、X軸方向に所定間隔を隔てて配置されている。2列の磁石列それぞれは、コイル55、57に対向して配置されている。また、板状部材82aの内部であって、上述の2列の磁石列の間には、X軸方向に離間して配置されたY軸方向を長手方向とする一対(2つ)の永久磁石66a、66aが、コイル56に対向して配置されている。
複数の永久磁石65aは、交互に極性が逆極性となるような配置で配列されている。複数の永久磁石67aから成る磁石列は、複数の永久磁石65aから成る磁石列と同様に構成されている。また、永久磁石66a、66aは、互いに逆極性となるように配置されている。複数の永久磁石65a、67a及び66a、66aによって、磁石ユニットMUaが構成されている。
−Z側の板状部材82aの内部にも、上述した板状部材82aの内部と同様の配置で、永久磁石が配置され、これらの永久磁石によって、磁石ユニットMUaが構成されている。
ここで、Y軸方向に隣接して配置された複数の永久磁石65aは、隣接する2つの永久磁石(便宜上第1、第2の永久磁石とする)65aそれぞれが、YZコイル(便宜上第1のYZコイルと呼ぶ)55の巻線部に対向したとき、第2の永久磁石65に隣接する第3の永久磁石65aが、上述の第1のYZコイル55に隣接する第2のYZコイル55の巻線部に対向しないように(コイル中央の中空部、又はコイルが巻き付けられたコア、例えば鉄芯に対向するように)、複数の永久磁石65及び複数のYZコイル55のY軸方向に関する位置関係(それぞれの間隔)が設定されている。この場合、第3の永久磁石65aに隣接する第4の永久磁石65a及び第5の永久磁石65aそれぞれは、第2のYZコイル55に隣接する第3のYZコイル55の巻線部に対向する。永久磁石67a、及び−Z側の板状部材82aの内部の2列の永久磁石列のY軸方向に関する間隔も、同様になっている。
本実施形態では、上述のような各コイルと永久磁石との配置が採用されているので、主制御装置20は、Y軸方向に配列された複数のYZコイル55、57に対して、一つおきに電流を供給することによって、微動ステージWFSをY軸方向に駆動することができる。また、これと併せて、主制御装置20は、YZコイル55、57のうち、微動ステージWFSのY軸方向への駆動に使用していないコイルに電流を供給することによって、Y軸方向への駆動力とは別に、Z軸方向への駆動力を発生させ、微動ステージWFSを粗動ステージWCSから浮上させることができる。そして、主制御装置20は、微動ステージWFSのY軸方向の位置に応じて、電流供給対象のコイルを順次切り替えることによって、微動ステージWFSの粗動ステージWCSに対する浮上状態、すなわち非接触状態を維持しつつ、微動ステージWFSをY軸方向に駆動する。また、主制御装置20は、微動ステージWFSを粗動ステージWCSから浮上させた状態で、Y軸方向に駆動するとともに、これと独立にX軸方向にも駆動可能である。
また、主制御装置20は、例えば図5(A)に示されるように、微動ステージWFSの+X側の可動子部82aと−X側の可動子部82bとに、互いに異なる大きさのY軸方向の駆動力(推力)を作用させることによって(図5(A)の黒塗り矢印参照)、微動ステージWFSをZ軸回りに回転(θz回転)させることができる(図5(A)の白抜き矢印参照)。なお、図5(A)とは反対に、+X側の可動子部82aに作用させる駆動力を−X側よりも大きくすることで、微動ステージWFSをZ軸に対して左回りに回転させることができる。
また、主制御装置20は、図5(B)に示されるように、微動ステージWFS1の+X側の可動子部82aと−X側の可動子部82bとに、互いに異なる浮上力(図5(B)の黒塗り矢印参照)を作用させることによって、微動ステージWFSをY軸回りに回転(θy駆動)させること(図5(B)の白抜き矢印参照)ができる。なお、図5(B)とは反対に、可動子部82aに作用させる浮上力を可動子部82b側よりも大きくすることで、微動ステージWFSをY軸に対して左回りに回転させることができる。
さらに、主制御装置20は、例えば図5(C)に示されるように、微動ステージWFSの可動子部82a、82bそれぞれにおいて、Y軸方向の+側と−側とに、互いに異なる浮上力(図5(C)の黒塗り矢印参照)を作用させることによって、微動ステージWFSをX軸回りに回転(θx駆動)させること(図5(C)の白抜き矢印参照)ができる。なお、図5(C)とは反対に、可動子部82a(及び82b)の−Y側の部分に作用させる浮上力を+Y側の部分に作用させる浮上力よりも小さくすることで、微動ステージWFSをX軸に対して左回りに回転させることができる。
以上の説明からわかるように、本実施形態では、微動ステージ駆動系52により、微動ステージWFSを、粗動ステージWCSに対して非接触状態で浮上支持するとともに、粗動ステージWCSに対して、非接触で6自由度方向(X、Y、Z、θx、θy、θz)へ駆動することができるようになっている。
また、本実施形態では、主制御装置20は、微動ステージWFSに浮上力を作用させる際、固定子部93a内に配置された2列のコイル55、57(図4参照)に互いに反対方向の電流を供給することによって、例えば図6に示されるように、可動子部82aに対して、浮上力(図6の黒塗り矢印参照)と同時にY軸回りの回転力(図6の白抜き矢印参照)を作用させることができる。同様に、主制御装置20は、微動ステージWFSに浮上力を作用させる際、固定子部93b内に配置された2列のコイル55、57に互いに反対方向の電流を供給することによって、可動子部82aに対して、浮上力と同時にY軸回りの回転力を作用させることができる。
また、主制御装置20は、一対の可動子部82a、82bそれぞれに、互いに反対の方向のY軸回りの回転力(θy方向の力)を作用させることによって、微動ステージWFSのX軸方向に関する中央部を+Z方向又は−Z方向に撓ませることができる(図6のハッチング付き矢印参照)。従って、図6に示されるように、微動ステージWFSのX軸方向に関する中央部を+Z方向に(凸状に)撓ませることによって、ウエハW及び本体部81の自重に起因する微動ステージWFS(本体部81)のX軸方向の中間部分の撓みを打ち消して、ウエハW表面のXY平面(水平面)に対する平行度を確保できる。これにより、ウエハWが大径化して微動ステージWFSが大型化した時などに、特に効果を発揮する。
また、ウエハWが自重等により変形すると、照明光ILの照射領域(露光領域IA)内において、微動ステージWFS上に載置されたウエハWの表面が、投影光学系PLの焦点深度の範囲内に入らなくなるおそれもある。そこで、主制御装置20が、上述した微動ステージWFSのX軸方向に関する中央部を+Z方向に撓ませる場合と同様に、一対の可動子部82a、82bそれぞれに、互いに反対の方向のY軸回りの回転力を作用させることによって、ウエハWがほぼ平坦になるように変形され、露光領域IA内でウエハWの表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に入るようにすることもできる。なお、図6には、微動ステージWFSを+Z方向に(凸形状に)撓ませる例が示されているが、コイルに対する電流の向きを制御することによって、これとは反対の方向に(凹形状に)微動ステージWFSの撓ませることも可能である。
なお、自重撓み補正及び/又はフォーカス・レベリング制御のためだけでなく、例えば米国再発行特許RE37391号明細書などに開示されているように、ウエハのショット領域内の所定点が露光領域IAを横切る間に、焦点深度の範囲内でその所定点のZ軸方向の位置を変化させて実質的に焦点深度を増大させる超解像技術を採用する場合にも、微動ステージWFS(及びこれに保持されたウエハW)をY軸に垂直な面(XZ面)内で凹形状又は凸形状に変形させる手法を適用することができる。
本実施形態の露光装置100では、ウエハWに対するステップ・アンド・スキャン方式の露光動作時には、微動ステージWFSのXY平面内の位置情報(θz方向の位置情報を含む)は、主制御装置20により、後述する微動ステージ位置計測系70のエンコーダシステム73(図3参照)を用いて計測される。微動ステージWFSの位置情報は、主制御装置20に送られ、主制御装置20は、この位置情報に基づいて微動ステージWFSの位置を制御する。
これに対し、ウエハステージWST(微動ステージWFS)が微動ステージ位置計測系70の計測領域外にあるときには、ウエハステージWSTの位置情報は、主制御装置20により、ウエハステージ位置計測系16(図3参照)を用いて計測される。ウエハステージ位置計測系16は、図1に示されるように、粗動ステージWCS側面に鏡面加工により形成された反射面に測長ビームを照射してウエハステージWSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)を計測するレーザ干渉計を含んでいる。なお、ウエハステージWSTのXY平面内での位置情報は、上述のウエハステージ位置計測系16に代えて、その他の計測装置、例えばエンコーダシステムによって計測しても良い。この場合、例えばベース盤12の上面に2次元スケールを配置し、粗動ステージWCSの底面にエンコーダヘッドを取り付けることができる。
微動ステージ位置計測系70は、図1に示されるように、ウエハステージWSTが投影光学系PLの下方に配置された状態で、粗動ステージWCSの内部の空間部内に挿入される計測部材(計測アーム71)を備えている。計測アーム71は、メインフレームBDに支持部72を介して片持ち支持(一端部近傍が支持)されている。なお、計測部材は、ウエハステージの移動の妨げにならない構成を採用する場合には、片持ち支持に限らず、その長手方向の両端部で支持されても良い。
計測アーム71は、Y軸方向を長手方向とする、幅方向(X軸方向)よりも高さ方向(Z軸方向)の寸法が大きい縦長の長方形断面を有する四角柱状(すなわち直方体状)の部材であり、光を透過する同一の素材、例えばガラス部材が複数貼り合わされて形成されている。計測アーム71は、後述するエンコーダヘッド(光学系)が収容される部分を除き、中実に形成されている。計測アーム71は、前述したようにウエハステージWSTが投影光学系PLの下方に配置された状態では、先端部が粗動ステージWCSの空間部内に挿入され、図1に示されるように、その上面が微動ステージWFSの下面(より正確には、本体部81(図1では不図示、図2(A)等参照)の下面)に対向している。計測アーム71の上面は、微動ステージWFSの下面との間に所定のクリアランス、例えば数mm程度のクリアランスが形成された状態で、微動ステージWFSの下面とほぼ平行に配置される。なお、計測アーム71の上面と微動ステージWFSの下面との間のクリアランスは、数mm以上でも以下でも良い。
微動ステージ位置計測系70は、図3に示されるように、エンコーダシステム73と、レーザ干渉計システム75とを備えている。エンコーダシステム73は、微動ステージWFSのX軸方向の位置を計測するXリニアエンコーダ73x、微動ステージWFSのY軸方向の位置を計測する一対のYリニアエンコーダ73ya、73ybを含む。エンコーダシステム73では、例えば米国特許第7,238,931号明細書、及び米国特許出願公開第2007/0288121号明細書などに開示されるエンコーダヘッド(以下、適宜ヘッドと略述する)と同様の構成の回折干渉型のヘッドが用いられている。ただし、本実施形態では、ヘッドは、後述するように光源及び受光系(光検出器を含む)が、計測アーム71の外部に配置され、光学系のみが計測アーム71の内部に、すなわちグレーティングRGに対向して配置されている。以下、特に必要な場合を除いて、計測アーム71の内部に配置された光学系をヘッドと呼ぶ。
エンコーダシステム73は、微動ステージWFSのX軸方向の位置を1つのXヘッド77x(図7(A)及び図7(B)参照)で計測し、Y軸方向の位置を一対のYヘッド77ya、77yb(図7(B)参照)で計測する。すなわち、グレーティングRGのX回折格子を用いて微動ステージWFSのX軸方向の位置を計測するXヘッド77xによって、前述のXリニアエンコーダ73xが構成され、グレーティングRGのY回折格子を用いて微動ステージWFSのY軸方向の位置を計測する一対のYヘッド77ya、77ybによって、一対のYリニアエンコーダ73ya、73ybが構成されている。
ここで、エンコーダシステム73を構成する3つのヘッド77x、77ya、77ybの構成について説明する。図7(A)には、3つのヘッド77x、77ya、77ybを代表して、Xヘッド77xの概略構成が示されている。また、図7(B)には、Xヘッド77x、Yヘッド77ya、77ybそれぞれの計測アーム71内での配置が示されている。
図7(A)に示されるように、Xヘッド77xは、その分離面がYZ平面と平行である偏光ビームスプリッタPBS、一対の反射ミラーR1a,R1b、レンズL2a,L2b、四分の一波長板(以下、λ/4板と表記する)WP1a,WP1b、反射ミラーR2a,R2b、及び反射ミラーR3a,R3b等を有し、これらの光学素子が所定の位置関係で配置されている。Yヘッド77ya、77ybも同様の構成の光学系を有している。Xヘッド77x、Yヘッド77ya、77ybそれぞれは、図7(A)及び図7(B)に示されるように、ユニット化されて計測アーム71の内部に固定されている。
図7(B)に示されるように、Xヘッド77x(Xエンコーダ73x)では、計測アーム71の−Y側の端部の上面(又はその上方)に設けられた光源LDxから−Z方向にレーザビームLBxが射出され、計測アーム71の一部にXY平面に対して45°の角度で斜設された反射面RPを介してY軸方向に平行にその光路が折り曲げられる。このレーザビームLBxは、計測アーム71の内部の中実な部分を、計測アーム71の長手方向(Y軸方向)に平行に進行し、反射ミラーR3a(図7(A)参照)に達する。そして、レーザビームLBxは、反射ミラーR3aによりその光路が折り曲げられて、偏光ビームスプリッタPBSに入射する。レーザビームLBxは、偏光ビームスプリッタPBSで偏光分離されて2つの計測ビームLBx1,LBx2となる。偏光ビームスプリッタPBSを透過した計測ビームLBx1は反射ミラーR1aを介して微動ステージWFSに形成されたグレーティングRGに到達し、偏光ビームスプリッタPBSで反射された計測ビームLBx2は反射ミラーR1bを介してグレーティングRGに到達する。なお、ここで「偏光分離」とは、入射ビームをP偏光成分とS偏光成分に分離することを意味する。
計測ビームLBx1,LBx2の照射によってグレーティングRGから発生する所定次数の回折ビーム、例えば1次回折ビームそれぞれは、レンズL2a,L2bを介して、λ/4板WP1a,WP1bにより円偏光に変換された後、反射ミラーR2a,R2bにより反射されて再度λ/4板WP1a,WP1bを通り、往路と同じ光路を逆方向に辿って偏光ビームスプリッタPBSに達する。
偏光ビームスプリッタPBSに達した2つの1次回折ビームは、各々その偏光方向が元の方向に対して90度回転している。このため、先に偏光ビームスプリッタPBSを透過した計測ビームLBx1の1次回折ビームは、偏光ビームスプリッタPBSで反射される。先に偏光ビームスプリッタPBSで反射された計測ビームLBx2の1次回折ビームは、偏光ビームスプリッタPBSを透過する。これにより、計測ビームLBx1,LBx2それぞれの1次回折ビームは同軸上に合成ビームLBx12として合成される。合成ビームLBx12は、反射ミラーR3bでその光路が、Y軸に平行に折り曲げられて、計測アーム71の内部をY軸に平行に進行し、前述の反射面RPを介して、図7(B)に示される計測アーム71の−Y側の端部の上面(又はその上方)に設けられたX受光系74xに送光される。
X受光系74xでは、合成ビームLBx12として合成された計測ビームLBx1,LBx2の1次回折ビームが不図示の偏光子(検光子)によって偏光方向が揃えられ、相互に干渉して干渉光となり、この干渉光が不図示の光検出器によって検出され、干渉光の強度に応じた電気信号に変換される。ここで、微動ステージWFSが計測方向(この場合、X軸方向)に移動すると、2つのビーム間の位相差が変化して干渉光の強度が変化する。この干渉光の強度の変化は、微動ステージWFSのX軸方向に関する位置情報として主制御装置20(図3参照)に供給される。
図7(B)に示されるように、Yヘッド77ya、77ybには、それぞれの光源LDya、LDybから射出され、前述の反射面RPで光路が90°折り曲げられたY軸に平行なレーザビームLBya、LBybが入射し、前述と同様にして、Yヘッド77ya、77ybから、偏向ビームスプリッタで偏光分離された計測ビームそれぞれのグレーティングRG(のY回折格子)による1次回折ビームの合成ビームLBya12、LByb12が、それぞれ出力され、Y受光系74ya、74ybに戻される。ここで、光源LDya、LDybから射出されるレーザビームLBya、LBybとY受光系74ya、74ybに戻される合成ビームLBya12、LByb12とは、図7(B)における紙面垂直方向に重なる光路をそれぞれ通る。また、上述のように、光源から射出されるレーザビームLBya、LBybとY受光系74ya、74ybに戻される合成ビームLBya12、LByb12とが、Z軸方向に離れた平行な光路を通るように、Yヘッド77ya、77ybでは、それぞれの内部で光路が適宜折り曲げられている(図示省略)。
図8(A)には、計測アーム71の先端部が斜視図にて示されており、図8(B)には、計測アーム71の先端部の上面を+Z方向から見た平面図が示されている。図8(A)及び図8(B)に示されるように、Xヘッド77xは、X軸に平行な直線LX上で計測アーム71のセンターラインCLから等距離にある2点(図8(B)の白丸参照)から、計測ビームLBx、LBx(図8(A)中に実線で示されている)を、グレーティングRG上の同一の照射点に照射する(図7(A)参照)。計測ビームLBx、LBxの照射点、すなわちXヘッド77xの検出点(図8(B)中の符号DP参照)は、ウエハWに照射される照明光ILの照射領域(露光領域)IAの中心である露光位置に一致している(図1参照)。なお、計測ビームLBx、LBxは、実際には、本体部81と空気層との境界面などで屈折するが、図7(A)等では、簡略化して図示されている。
図7(B)に示されるように、一対のYヘッド77ya、77ybそれぞれは、センターラインCLの+X側、−X側に配置されている。Yヘッド77yaは、図8(A)及び図8(B)に示されるように、Y軸に平行な直線LYa上で直線LXからの距離が等しい2点(図8(B)の白丸参照)から、グレーティングRG上の共通の照射点に図8(A)においてそれぞれ破線で示される計測ビームLBya,LByaを照射する。計測ビームLBya,LByaの照射点、すなわちYヘッド77yaの検出点が、図8(B)に符号DPyaで示されている。
Yヘッド77ybは、センターラインCLに関して、Yヘッド77yaの計測ビームLBya,LByaの射出点に対称な2点(図8(B)の白丸参照)から、計測ビームLByb,LBybを、グレーティングRG上の共通の照射点DPybに照射する。図8(B)に示されるように、Yヘッド77ya、77ybそれぞれの検出点DPya、DPybは、X軸に平行な直線LX上に配置される。
ここで、主制御装置20は、微動ステージWFSのY軸方向の位置は、2つのYヘッド77ya、77ybの計測値の平均に基づいて決定する。従って、本実施形態では、微動ステージWFSのY軸方向の位置は、検出点DPya、DPybの中点DPを実質的な計測点として計測される。中点DPは、計測ビームLBx,LBXのグレーティングRG上の照射点と一致する。
すなわち、本実施形態では、微動ステージWFSのX軸方向及びY軸方向の位置情報の計測に関して、共通の検出点を有し、この検出点は、ウエハWに照射される照明光ILの照射領域(露光領域)IAの中心である露光位置に一致する。従って、本実施形態では、主制御装置20は、エンコーダシステム73を用いることで、微動ステージWFS上に載置されたウエハWの所定のショット領域にレチクルRのパターンを転写する際、微動ステージWFSのXY平面内の位置情報の計測を、常に露光位置の直下(微動ステージWFSの裏面側)で行うことができる。また、主制御装置20は、一対のYヘッド77ya、77ybの計測値の差に基づいて、微動ステージWFSのθz方向の回転量を計測する。
レーザ干渉計システム75は、図8(A)に示されるように、3本の測長ビームLBz、LBz、LBzを計測アーム71の先端部から、微動ステージWFSの下面に入射させる。レーザ干渉計システム75は、これら3本の測長ビームLBz、LBz、LBzそれぞれを照射する3つのレーザ干渉計75a〜75c(図3参照)を備えている。
レーザ干渉計システム75では、3本の測長ビームLBz、LBz、LBzは、図8(A)及び図8(B)に示されるように、計測アーム71の上面上の同一直線上に無い3点それぞれから、Z軸に平行に射出される。ここで、3本の測長ビームLBz、LBz、LBzは、図8(B)に示されるように、その重心が、照射領域(露光領域)IAの中心である露光位置に一致する、二等辺三角形(又は正三角形)の各頂点に相当する3点から、それぞれ射出される。この場合、測長ビームLBzの射出点(照射点)はセンターラインCL上に位置し、残りの測長ビームLBz、LBzの射出点(照射点)は、センターラインCLから等距離にある。本実施形態では、主制御装置20は、レーザ干渉計システム75を用いて、微動ステージWFSのZ軸方向の位置、θx方向及びθy方向の回転量の情報を計測する。なお、レーザ干渉計75a〜75cは、計測アーム71の−Y側の端部の上面(又はその上方)に設けられている。レーザ干渉計75a〜75cから−Z方向に射出された測長ビームLBz、LBz、LBzは、前述の反射面RPを介して計測アーム71内をY軸方向に沿って進行し、その光路がそれぞれ折り曲げられて、上述の3点から射出される。
本実施形態では、微動ステージWFSの下面に、エンコーダシステム73からの各計測ビームを透過させ、レーザ干渉計システム75からの各測長ビームの透過を阻止する、波長選択フィルタ(図示省略)が設けられている。この場合、波長選択フィルタは、レーザ干渉計システム75からの各測長ビームの反射面をも兼ねる。波長選択フィルタとして、波長選択性を有する薄膜などが用いられ、本実施形態では、波長選択フィルタは、例えば透明板(本体部81)の一面に設けられ、グレーティングRGはその一面に対してウエハホルダ側に配置される。
以上の説明からわかるように、主制御装置20は、微動ステージ位置計測系70のエンコーダシステム73及びレーザ干渉計システム75を用いることで、微動ステージWFSの6自由度方向の位置を計測することができる。この場合、エンコーダシステム73では、計測ビームの空気中での光路長が極短くかつほぼ等しいため、空気揺らぎの影響が殆ど無視できる。従って、エンコーダシステム73により、微動ステージWFSのXY平面内(θz方向も含む)の位置情報を高精度に計測できる。また、エンコーダシステム73によるX軸方向、及びY軸方向の実質的なグレーティング上の検出点、及びレーザ干渉計システム75によるZ軸方向の微動ステージWFS下面上の検出点は、それぞれ露光領域IAの中心(露光位置)にXY平面内で一致するので、検出点と露光位置とのXY平面内のずれに起因するいわゆるアッベ誤差の発生が実質的に無視できる程度に抑制される。従って、主制御装置20は、微動ステージ位置計測系70を用いることで、検出点と露光位置とのXY平面内のずれに起因するアッベ誤差なく、微動ステージWFSのX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置を高精度に計測できる。
しかし、投影光学系PLの光軸に平行なZ軸方向に関しては、ウエハWの表面の位置で、エンコーダシステム73によって微動ステージWFSのXY平面内の位置情報を計測しているわけではない、すなわちグレーティングRGの配置面とウエハWの表面とのZ位置が一致しているわけではない。従って、グレーティングRG(すなわち、微動ステージWFS)がXY平面に対して傾斜している場合、エンコーダシステム73の各エンコーダの計測値に基づいて、微動ステージWFSを位置決めすると、結果的に、グレーティングRGの配置面とウエハWの表面とのZ位置の差ΔZ(すなわちエンコーダシステム73による検出点と露光位置とのZ軸方向の位置ずれ)に起因して、グレーティングRGのXY平面に対する傾斜に応じた位置決め誤差(一種のアッベ誤差)が生じてしまう。しかるに、この位置決め誤差(位置制御誤差)は、差ΔZと、ピッチング量θx、ローリング量θyとを用いて、簡単な演算で求めることができ、これをオフセットとし、そのオフセット分だけエンコーダシステム73(の各エンコーダ)の計測値を補正した補正後の位置情報に基づいて、微動ステージWFSの位置制御を行うことで、上記の一種のアッベ誤差の影響を受けることがなくなる。
また、本実施形態のエンコーダシステム73の構成では、グレーティングRG(すなわち微動ステージWFS)の非計測方向、特に傾斜(θx,θy)・回転(θz)方向への変位に起因する計測誤差が発生し得る。そこで、主制御装置20は、計測誤差を補正するための補正情報を作成する。ここでは、一例として、Xエンコーダ73xの計測誤差を補正するための補正情報の作成方法を説明する。なお、本実施形態のエンコーダシステム73の構成では、微動ステージWFSのX,Y,Z方向への変位に起因する計測誤差は発生しないものとする。
a. 主制御装置20は、まず、ウエハステージ位置計測系16を用いてウエハステージWSTの位置情報を監視しつつ粗動ステージ駆動系51を制御して、粗動ステージWCSとともに微動ステージWFSを、Xエンコーダ73xの計測領域内に駆動する。
b. 次に、主制御装置20は、レーザ干渉計システム75及びYエンコーダ73ya、ybの計測結果に基づいて、微動ステージ駆動系52を制御して、微動ステージWFSを、ローリング量θy、ヨーイング量θzをともにゼロ、及び所定のピッチング量θx(例えば200μrad)に、固定する。
c. 次に、主制御装置20は、レーザ干渉計システム75及びYエンコーダ73ya、ybの計測結果に基づいて、微動ステージ駆動系52を制御して、上記の微動ステージWFSの姿勢(ピッチング量θx、ローリング量θy=0、ヨーイング量θz=0)を維持しつつ、微動ステージWFSを所定の範囲内、例えば−100μm〜+100μm、でZ軸方向に駆動して、Xエンコーダ73xを用いて微動ステージWFSのX軸方向に関する位置情報を計測する。
d. 次に、主制御装置20は、レーザ干渉計システム75及びYエンコーダ73ya、ybの計測結果に基づいて、微動ステージ駆動系52を制御して、微動ステージWFSのローリング量θy、ヨーイング量θzを固定したまま、ピッチング量θxを、所定の範囲内、例えば−200μrad〜+200μrad、で変更する。ここで、ピッチング量θxを、所定の刻みΔθxで変更することとする。そして、各ピッチング量θxについて、c.と同様の処理を実行する。
e. 上述のb.〜d.の処理によって、θy=θz=0における、θx,Zに対するXエンコーダ73xの計測結果が得られる。この計測結果を、図9に示されるように、微動ステージWFSのZ位置を横軸に、Xエンコーダ73xの計測値を縦軸にとり、そしてこれらの関係を各ピッチング量θxに対してプロットする。これにより、ピッチング量θx毎にプロット点を結ぶことで傾きの異なる複数の直線が得られ、これらの直線の交点が、真のXエンコーダ73xの計測値を示す。そこで、交点を原点に選ぶことにより、縦軸がXエンコーダ73xの計測誤差に読み替えられる。ここで、原点でのZ位置をZx0とする。以上の処理によって得られたθy=θz=0における、θx,Zに対するXエンコーダ73xの計測誤差を、θx補正情報とする。
f. 上述のb.〜d.の処理と同様に、主制御装置20は、微動ステージWFSのピッチング量θx及びヨーイング量θzをともにゼロに固定し、微動ステージWFSのローリング量θyを変化させる。そして、各θyに対し、微動ステージWFSをZ軸方向に駆動し、Xエンコーダ73xを用いて微動ステージWFSのX軸方向に関する位置情報を計測する。得られた結果を用いて、図9と同様に、θx=θz=0における、各θyに対する微動ステージWFSのZ位置とXエンコーダ73xの計測値との関係を、プロットする。さらに、ローリング量θy毎にプロット点を結んで得られる傾きの異なる複数の直線交点を原点に選ぶ、すなわち交点に対応するXエンコーダ73xの計測値を真の計測値とし、この真の計測値からのずれを計測誤差とする。ここで、原点でのZ位置をzy0とする。以上の処理によって得られたθx=θz=0における、θy,Zに対するXエンコーダ73xの計測誤差を、θy補正情報とする。
g. 上述のb.〜d.及びf.の処理と同様に、主制御装置20は、θx=θy=0における、θz,Zに対するXエンコーダ73xの計測誤差を求める。なお、先と同様に、原点でのZ位置をzz0とする。この処理によって得られる計測誤差を、θz補正情報とする。
なお、θx補正情報は、ピッチング量θxとZ位置の各計測点における離散的なエンコーダの計測誤差からなるテーブルデータ、あるいはエンコーダの計測誤差を表すピッチング量θx、Z位置の試行関数の形でメモリ内に記憶しておいても良い。後者では、その試行関数の未定係数を、エンコーダの計測誤差を用いて例えば最小二乗法により予め決定する。θy補正情報及びθz補正情報についても同様である。
なお、エンコーダの計測誤差は、一般に、ピッチング量θx、ローリング量θy、及びヨーイング量θzのすべてに依存する。しかし、その依存度は小さいことが知られている。従って、グレーティングRGの姿勢変化に起因するエンコーダの計測誤差は、θx,θy,及びθzのそれぞれに独立に依存するとみなすことができる。すなわち、グレーティングRGの姿勢変化に起因するエンコーダの計測誤差(全計測誤差)を、θx,θy,及びθzのそれぞれに対する計測誤差の線形和、例えば次式(1)の形で与えることができる。
Δx=Δx(Z,θx,θy,θz)
=θx(Z−Zx0)+θy(Z−Zy0)+θz(Z−Zz0) …(1)
主制御装置20は、上述の補正情報の作成手順と同様の手順に従って、Yエンコーダ73a、73ybの計測誤差を補正するための補正情報(θx補正情報、θy補正情報、θz補正情報)を作成する。全計測誤差Δy=Δy(Z,θx,θy,θz)は、上式(1)と同様の形で与えることができる。
主制御装置20は、以上の処理を、露光装置100の起動時、アイドル中、あるいは所定枚数、例えば単位数のウエハ交換時、などに実行して、上記Xエンコーダ73x、Yエンコーダ73ya、73ybの補正情報(θx補正情報、θy補正情報、θz補正情報)を作成しておく。そして、主制御装置20は、露光装置100の稼働中は、微動ステージWFSのθx,θy,θz,Z位置を監視し、これらの計測結果を用いて、補正情報(θx補正情報、θy補正情報、θz補正情報)からXエンコーダ73x及びYエンコーダ73ya、73ybの誤差補正量Δx,Δyを求める。
そして、主制御装置20は、これらの誤差補正量Δx,Δyを用いて、Xエンコーダ73x及びYエンコーダ73ya、73ybの計測値を前述したオフセット分補正した補正後の計測値をさらに補正することにより、傾斜(θx,θy)・回転(θz)方向への微動ステージWFSの変位に起因するエンコーダシステム73の計測誤差を補正する。あるいは、これらの誤差補正量及びオフセットを用いて、微動ステージWFSの目標位置を補正しても良い。この取り扱いにおいても、エンコーダシステム73の計測誤差を補正する場合と同様の効果を得ることができる。なお、Xエンコーダ73x及びYエンコーダ73ya、73ybの計測値は、誤差補正量を用いて補正した後、さらに前述したオフセット分を補正しても良いし、誤差補正量とオフセットとを同時に用いて、Xエンコーダ73x及びYエンコーダ73ya、73ybの計測値を補正しても良い。
上述のようにして構成された本実施形態の露光装置100では、デバイスの製造に際し、まず、主制御装置20により、ウエハアライメント系ALGを用いて、微動ステージWFSの計測プレート86上の第2基準マークが検出される。次いで、主制御装置20により、ウエハアライメント系ALGを用いてウエハアライメント(例えば米国特許第4,780,617号明細書などに開示されるエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)など)などが行われる。なお、本実施形態の露光装置100では、ウエハアライメント系ALGは、投影ユニットPUからY軸方向に離間して配置されているので、ウエハアライメント行う際、微動ステージ位置計測系70のエンコーダシステム(計測アーム)による微動ステージWFSの位置計測ができない。そこで、前述したウエハステージ位置計測系16と同様のレーザ干渉計システム(不図示)を介してウエハW(微動ステージWFS)の位置を計測しながらウエハのアライメントを行うものとする。また、ウエハアライメント系ALGと投影ユニットPUとが離間しているので、主制御装置20は、ウエハアライメントの結果得られたウエハW上の各ショット領域の配列座標を、第2基準マークを基準とする配列座標に変換する。
そして、主制御装置20は、露光開始に先立って、前述の一対のレチクルアライメント系RA,RA、及び微動ステージWFSの計測プレート86上の一対の第1基準マークなどを用いて、通常のスキャニング・ステッパと同様の手順(例えば、米国特許第5,646,413号明細書などに開示される手順)で、レチクルアライメントを行う。そして、主制御装置20は、レチクルアライメントの結果と、ウエハアライメントの結果(ウエハW上の各ショット領域の第2基準マークを基準とする配列座標)とに基づいて、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作を行い、ウエハW上の複数のショット領域にレチクルRのパターンをそれぞれ転写する。この露光動作は、前述したレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期移動を行う走査露光動作と、ウエハステージWSTをショット領域の露光のための加速開始位置に移動するショット間移動(ステッピング)動作とを交互に繰り返すことで行われる。この場合、液浸露光による走査露光が行われる。本実施形態の露光装置100では、上述の一連の露光動作中、主制御装置20により、微動ステージ位置計測系70を用いて、微動ステージWFS(ウエハW)の位置が計測され、エンコーダシステム73の各エンコーダの計測値が、上述したようにして補正され、その補正後のエンコーダシステム73の各エンコーダの計測値に基づいてウエハWのXY平面内の位置が制御される。また、露光中のウエハWのフォーカス・レベリング制御は、前述の如く、主制御装置20により、多点AF系AFの計測結果に基づいて行われる。
なお、上述の走査露光動作時は、ウエハWをY軸方向に高加速度で走査する必要があるが、本実施形態の露光装置100では、主制御装置20は、走査露光動作時には、図10(A)に示されように、原則的に粗動ステージWCSを駆動せず、微動ステージWFSのみをY軸方向に(必要に応じて他の5自由度方向にも併せて)駆動する(図10(A)の黒塗り矢印参照)ことで、ウエハWをY軸方向に走査する。これは、粗動ステージWCSを駆動する場合に比べ、微動ステージWFSのみを動かす方が駆動対象の重量が軽い分、高加速度でウエハWを駆動できて有利だからである。また、前述のように、微動ステージ位置計測系70は、その位置計測精度がウエハステージ位置計測系16よりも高いので、走査露光時には微動ステージWFSを駆動した方が有利である。なお、この走査露光時には、微動ステージWFSの駆動による反力(図10(A)の白抜き矢印参照)の作用により、粗動ステージWCSが微動ステージWFSと反対側に駆動される。すなわち、粗動ステージWCSがカウンタマスとして機能し、ウエハステージWSTの全体から成る系の運動量が保存され、重心移動が生じないので、微動ステージWFSの走査駆動によってベース盤12に偏荷重が作用するなどの不都合が生じることがない。
一方、X軸方向にショット間移動(ステッピング)動作を行う際には、微動ステージWFSのX軸方向への移動可能量が少ないことから、主制御装置20は、図10(B)に示されるように、粗動ステージWCSをX軸方向に駆動することによって、ウエハWをX軸方向に移動させる。
以上説明したように、本実施形態の露光装置100によると、微動ステージWFSのXY平面内の位置情報は、主制御装置20により、前述の計測アーム71を有する微動ステージ位置計測系70のエンコーダシステム73を用いて計測される。この場合、微動ステージ位置計測系70の各ヘッドは、粗動ステージWCSの空間部内に配置されているので、微動ステージWFSとそれらのヘッドとの間には、空間が存在するのみである。従って、各ヘッドを微動ステージWFS(グレーティングRG)に近接して配置することができ、これにより、微動ステージ位置計測系70による微動ステージWFSの位置情報の高精度な計測、ひいては主制御装置20による微動ステージ駆動系52(及び粗動ステージ駆動系51)を介した微動ステージWFSの高精度な駆動が可能になる。また、この場合、計測アーム71から射出される、微動ステージ位置計測系70を構成するエンコーダシステム73、レーザ干渉計システム75の各ヘッドの計測ビームのグレーティングRG上の照射点は、ウエハWに照射される露光光ILの照射領域(露光領域)IAの中心(露光位置)に一致している。ここで、全ての計測ビームの照射点が露光中心と一致しているわけではないが、アッベ誤差の影響を抑制、あるいは無視し得る程度である。従って、主制御装置20は、検出点と露光位置とのXY平面内のずれに起因するいわゆるアッベ誤差の影響を受けることなく、微動ステージWFSの位置情報を高精度に計測することができる。
また、主制御装置20は、グレーティングRGの配置面とウエハWの表面とのZ位置の差ΔZと、グレーティングRG(すなわち微動ステージWFS)の傾斜角θx、θyと、を用いて、差ΔZに起因するグレーティングRGのXY平面に対する傾斜に応じた位置決め誤差(位置制御誤差、一種のアッベ誤差)を求め、これをオフセットとして、そのオフセット分だけエンコーダシステム73(の各エンコーダ)の計測値を補正する。さらに、主制御装置20は、補正情報(θx補正情報、θy補正情報、θz補正情報)からXエンコーダ73x及びYエンコーダ73ya、73ybの誤差補正量Δx,Δyを求め、Xエンコーダ73x及びYエンコーダ73ya、73ybの計測値をさらに補正する。従って、エンコーダシステム73によって、微動ステージWFSの位置情報を高精度に計測することができる。また、計測アーム71をグレーティングRGの直下に配置することによって、エンコーダシステム73の各ヘッドの計測ビームの大気中の光路長を極短くできるので、空気揺らぎの影響が低減され、この点においても、微動ステージWFSの位置情報を高精度に計測することができる。
また、本実施形態の露光装置100によると、主制御装置20は、微動ステージWFSの位置情報の高精度な計測結果に基づいて、微動ステージWFSを精度良く駆動することができる。従って、主制御装置20は、微動ステージWFSに載置されたウエハWをレチクルステージRST(レチクルR)に同期して精度良く駆動し、走査露光により、レチクルRのパターンをウエハW上に精度良く転写することが可能になる。
なお、上記実施形態では、主制御装置20は、露光の際、エンコーダシステム73の各エンコーダの計測値に含まれる、差ΔZに起因するグレーティングRGのXY平面に対する傾斜に応じた位置決め誤差(位置制御誤差、一種のアッベ誤差)とともに、グレーティングRG(すなわち微動ステージWFS)の非計測方向、特に傾斜(θx,θy)・回転(θz)方向への変位に起因する計測誤差をも補正する場合について説明した。しかし、後者の計測誤差は、通常前者の計測誤算に比べて小さいので、前者の計測誤差のみを補正しても良い。
なお、上記実施形態では、レーザ干渉計システム(不図示)を介してウエハW(微動ステージWFS)の位置を計測しながらウエハのアライメントを行うものとしたが、これに限らず、上述した微動ステージ位置計測系70の計測アーム71と同様の構成の計測アームを含む第2の微動ステージ位置計測系をウエハアライメント系ALGの近傍に設け、これを用いてウエハアライメント時における微動ステージのXY平面内の位置計測を行うものとしても良い。また、この場合、アッベ誤差の補正を前述と同様に行っても良い。
なお、上記実施形態では、微動ステージを、粗動ステージに対して移動可能に支持すると共に、6自由度方向に駆動する微動ステージ駆動系52として、コイルユニットを一対の磁石ユニットで上下から挟み込むサンドイッチ構造が採用される場合について例示した。しかし、これに限らず、微動ステージ駆動系は、磁石ユニットを一対のコイルユニットで上下から挟み込む構造であっても良いし、サンドイッチ構造でなくても良い。また、コイルユニットを微動ステージに配置し、磁石ユニットを粗動ステージに配置しても良い。
また、上記実施形態では、微動ステージ駆動系52により、微動ステージを、6自由度方向に駆動するものとしたが、必ずしも6自由度に駆動できなくても良い。例えば、微動ステージ駆動系はθx方向に関して微動ステージを駆動できなくても良い。
なお、上記実施形態では、微動ステージWFSは、電磁力(ローレンツ力)の作用により粗動ステージWCSに非接触支持されたが、これに限らず、例えば微動ステージWFSに真空予圧空気静圧軸受等を設けて、粗動ステージWCSに対して浮上支持しても良い。また、微動ステージ駆動系52は、上述したムービングマグネット型のものに限らず、ムービングコイル型のものであっても良い。さらに微動ステージWFSは、粗動ステージWCSに接触支持されていても良い。従って、微動ステージWFSを粗動ステージWCSに対して駆動する微動ステージ駆動系52としては、例えばロータリモータとボールねじ(又は送りねじ)とを組み合わせたものであっても良い。
なお、ウエハステージWSTの移動範囲全域でその位置計測が可能となるように微動ステージ位置計測系を構成しても良い。この場合にはウエハステージ位置計測系16が不要になる。また、上記実施形態において、ベース盤12をウエハステージの駆動力の反力の作用により移動可能なカウンタマスとしても良い。この場合、粗動ステージをカウンタマスとして使用してもしなくても良いし、粗動ステージを上記実施形態と同様にカウンタマスとして使用するときでも粗動ステージを軽量化することができる。
また、上記実施形態では、微動ステージ位置計測系が、全体が例えばガラスによって形成され、内部を光が進行可能な計測アームを備える場合を説明したが、これに限らず、計測アームは、少なくとも前述の各レーザビームが進行する部分が、光を透過可能な中実な部材によって形成されていれば良く、その他の部分は、例えば光を透過させない部材であっても良いし、中空構造であっても良い。
また、例えば計測アームとしては、グレーティングに対向する部分から計測ビームを照射できれば、例えば計測アームの先端部に光源や光検出器等を内蔵していても良い。この場合、計測アームの内部にエンコーダの計測ビームを進行させる必要は無い。また、計測アームは、各レーザビームが進行する部分(ビーム光路部分)が中空などでも良い。あるいは、エンコーダシステムとして、格子干渉型のエンコーダシステムを採用する場合には、回折格子が形成される光学部材を、セラミックス又はインバーなどの低熱膨張性のアームに設けるだけでも良い。これは、特にエンコーダシステムでは、空気揺らぎの影響を極力受けないように、ビームが分離している空間が極めて狭く(短く)なっているからである。さらに、この場合、温度制御した気体を、微動ステージ(ウエハホルダ)とアームとの間(及びビーム光路)に供給して温度安定化を図っても良い。さらに、計測アームは、その形状は特に問わない。
また、微動ステージ位置計測系は、必ずしも、計測アームを備えている必要はなく、粗動ステージの空間部内にグレーティングRGに対向して配置され、該グレーティングRGに少なくとも1本の計測ビームを照射し、該計測ビームのグレーティングRGからの回折光を受光するヘッドを有し、該ヘッドの出力に基づいて微動ステージWFSの少なくともXY平面内の位置情報を計測できれば足りる。
また、上記実施形態では、エンコーダシステム73が、Xヘッドと一対のYヘッドを備える場合について例示したが、これに限らず、例えばX軸方向及びY軸方向の2方向を計測方向とする2次元ヘッド(2Dヘッド)を、1つ又は2つ設けても良い。2Dヘッドを2つ設ける場合には、それらの検出点がグレーティング上で露光位置を中心として、X軸方向に同一距離離れた2点になるようにしても良い。
なお、微動ステージ位置計測系70は、レーザ干渉計システム75を備えることなく、エンコーダシステム73のみで微動ステージの6自由度方向に関する位置情報を計測できるようにしても良い。この場合、例えばX軸方向及びY軸方向の少なくとも一方とZ軸方向に関する位置情報を計測可能なエンコーダを用いることができる。この場合のエンコーダとしては、例えば米国特許第7,561,280号明細書に開示される変異計測センサヘッドシステムを用いることができる。そして、例えば、2次元のグレーティングRG上の同一直線上に無い3つの計測点に、X軸方向とZ軸方向に関する位置情報を計測可能なエンコーダ(上記変異計測センサヘッドシステムなど)と、Y軸方向とZ軸方向に関する位置情報を計測可能なエンコーダ(上記変異計測センサヘッドシステムなど)とを含む合計3つのエンコーダから計測ビームを照射し、グレーティングRGからのそれぞれの戻り光を受光することで、グレーティングRGが設けられた移動体の6自由度方向の位置情報を計測することとすることができる。また、エンコーダシステム73の構成は上記実施形態に限られないで任意で構わない。例えばX軸、Y軸及びZ軸の各方向に関する位置情報を計測可能な3Dヘッドを用いても良い。
なお、上記実施形態では、微動ステージの上面、すなわちウエハに対向する面にグレーティングが配置されているものとしたが、これに限らず、例えば図11に示されるように、グレーティングRGは、ウエハWを保持するウエハホルダWHの下面に形成されていても良い。この場合、露光中にウエハホルダWHが膨張したり、微動ステージWFSに対する装着位置がずれたりした場合であっても、これに追従してウエハホルダ(ウエハ)の位置を計測することができる。グレーティングRGは、ウエハホルダWHの下面に固定されていても良い。この場合、グレーティングRGが固定又は形成される透明板の一面をウエハホルダの裏面に接触又は近接して配置しても良い。
また、グレーティングRGは、微動ステージの下面に配置されていても良く、この場合、セラミックスなどの不透明な部材にグレーティングRGを固定又は形成しても良い。また、この場合、エンコーダヘッドから照射される計測ビームが微動ステージの内部を進行しないので、微動ステージを光が透過可能な中実部材とする必要がなく、微動ステージを中空構造にして内部に配管、配線等を配置することができ、微動ステージを軽量化できる。この場合、グレーティングRGの表面に保護部材(カバーガラス)を設けても良い。あるいは、従来の微動ステージにウエハホルダとグレーティングRGを保持するだけでも良い。また、ウエハホルダを、中実のガラス部材によって形成し、該ガラス部材の上面(ウエハ載置面)にグレーティングRGを配置しても良い。
なお、上記実施形態では、露光装置が液浸型の露光装置である場合について説明したが、これに限られるものではなく、液体(水)を介さずにウエハWの露光を行うドライタイプの露光装置にも上記実施形態は好適に適用することができる。
なお、上記実施形態では、露光装置が、スキャニング・ステッパである場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に上記実施形態を適用しても良い。ステッパなどであっても、露光対象の物体が搭載されたステージの位置をエンコーダで計測することにより、干渉計を用いてこのステージの位置を計測する場合と異なり、空気揺らぎに起因する位置計測誤差の発生を殆ど零にすることができ、エンコーダの計測値に基づいて、ステージを高精度に位置制御することが可能になり、結果的に高精度なレチクルパターンの物体上への転写が可能になる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置にも上記実施形態は適用することができる。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、この投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、照明光ILは、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光として、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を用いるEUV露光装置に上記実施形態を適用することができる。その他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、上記実施形態は適用できる。
また、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。かかる可変成形マスクを用いる場合には、ウエハ又はガラスプレート等が搭載されるステージが、可変成形マスクに対して走査されるので、このステージの位置をエンコーダシステム及びレーザ干渉計システムを用いて計測することで、上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
また、例えば国際公開第2001/035168号に開示されているように、干渉縞をウエハW上に形成することによって、ウエハW上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも上記実施形態を適用することができる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記実施形態を適用できる。
なお、本発明の移動体装置は、露光装置に限らず、その他の基板の処理装置(例えば、レーザリペア装置、基板検査装置その他)、あるいはその他の精密機械における試料の位置決め装置、ワイヤーボンディング装置等の移動ステージを備えた装置にも広く適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
以上説明したように、本発明の移動体装置は、所定平面内で移動体を駆動するのに適している。また、本発明の露光装置及び露光方法は、エネルギビームを物体上に照射して物体上にパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、電子デバイスを製造するのに適している。
10…照明系、20…主制御装置、50…ステージ装置、51…粗動ステージ駆動系、52…微動ステージ駆動系、70…微動ステージ位置計測系、71…計測アーム、73…エンコーダシステム、75…レーザ干渉計システム、77x…Xヘッド、77ya,77yb…Yヘッド、100…露光装置、IL…照明光、PL…投影光学系、R…レチクル、RG…グレーティング、W…ウエハ、WFS…微動ステージ、WCS…粗動ステージ、WH…ウエハホルダ。

Claims (41)

  1. 物体を保持して実質的に所定平面に沿って移動可能で、前記物体の裏面側で前記所定平面に実質的に平行な面にグレーティングが配置された移動体と;
    前記物体の載置面とは反対側の前記移動体の外部から前記グレーティングに向けて所定波長の計測光を照射し、該計測光に由来する前記グレーティングからの回折光を受光し、前記所定平面内の計測方向に関する前記移動体の位置情報を計測する計測システムと;
    前記移動体の前記計測方向に関する位置情報と、該位置情報に含まれる前記移動体の傾斜によって生じる計測誤差の補正情報とに基づいて、前記移動体を駆動する駆動システムと;を備える移動体装置。
  2. 前記移動体の前記所定平面に対する傾斜情報を計測する傾斜計測系をさらに備える請求項1に記載の移動体装置。
  3. 前記補正情報は、前記物体の表面と前記移動体の前記グレーティングが配置された面との間隔に応じ、前記移動体の傾斜によって生じる計測誤差の第1補正情報を含む請求項2に記載の移動体装置。
  4. 前記補正情報は、前記移動体の前記グレーティングが配置された面の傾斜によって生じる計測誤差の第2補正情報をさらに含む請求項3に記載の移動体装置。
  5. 前記位置情報と前記傾斜情報とに基づいて、前記移動体を、複数の異なる姿勢に変化させ、各姿勢を維持しつつ前記所定平面に垂直な方向に関する異なる位置で前記移動体の前記計測方向に関する位置情報を計測し、該位置情報に基づいて前記第2補正情報を作成又は更新する制御装置をさらに備える請求項4に記載の移動体装置。
  6. 前記傾斜計測系は、前記移動体の前記所定平面に実質的に平行な面に前記所定波長とは異なる波長の少なくとも3本の計測ビームを照射し、該計測ビームそれぞれの前記移動体からの反射光を受光する請求項2〜5のいずれか一項に記載の移動体装置。
  7. 前記駆動システムは、前記補正情報に基づいて、前記移動体を駆動するための目標位置及び前記位置情報のいずれかを補正する請求項1〜6のいずれか一項に記載の移動体装置。
  8. 前記グレーティングは、前記所定平面内で互いに直交する第1軸及び第2軸にそれぞれ平行な第1及び第2方向の一方の方向を周期方向とする回折格子を含み、
    前記計測システムは、前記移動体の前記一方の方向の位置情報を計測する請求項1〜7のいずれか一項に記載の移動体装置。
  9. 前記グレーティングは、前記所定平面内の前記第1及び第2方向の他方の方向を周期方向とする回折格子をさらに含み、
    前記計測システムは、前記他方の方向に関する前記移動体の位置情報をも計測する請求項8に記載の移動体装置。
  10. 前記グレーティングは、前記第1及び第2方向を周期方向とする2次元格子である請求項9に記載の移動体装置。
  11. 前記移動体は、前記所定波長の光が内部を進行可能であり、
    前記グレーティングは、前記移動体の前記物体の載置面と該載置面と反対側の前記所定平面と平行な一面との間に配置され、
    前記計測システムは、前記移動体の前記一面を介して前記計測光を前記移動体の内部に入射させて前記グレーティングに照射する請求項1〜10のいずれか一項に記載の移動体装置。
  12. 前記移動体は、前記物体を保持するとともに、その裏面に前記グレーティングが配置された保持部材と、該保持部材が搭載されかつ内部を前記計測光が透過するテーブルとを含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の移動体装置。
  13. 前記保持部材は、前記テーブルに対して着脱自在である請求項12に記載の移動体装置。
  14. 前記移動体は、前記計測光が入射しかつ前記所定平面と実質的に平行な一面に前記グレーティングが形成される透明部材と、前記物体を保持しかつ前記透明部材に対してその一面側に設けられる保持部材とを含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の移動体装置。
  15. 前記移動体を少なくとも前記所定平面に平行な面内で相対移動可能に支持し、少なくとも前記所定平面に沿って移動可能な移動部材をさらに備え、
    前記駆動システムは、前記移動体を単独で若しくは前記移動部材と一体で駆動する請求項1〜14のいずれか一項に記載の移動体装置。
  16. 前記計測光は、前記所定平面内で前記移動体を位置決めすべき所定点又はその近傍に照射される請求項1〜15のいずれか一項に記載の移動体装置。
  17. 前記移動体は、内部に空間部を有し、
    前記計測システムは、前記移動体が前記所定点を含む所定範囲の領域内にあるときに前記空間部内に位置する計測アームを有し、該計測アームには、前記計測光を前記グレーティングに照射し、前記計測光に由来する前記グレーティングからの回折光を受光するヘッドの少なくとも一部が設けられている請求項16に記載の移動体装置。
  18. エネルギビームの照射によって物体にパターンを形成する露光装置であって、
    前記物体に前記エネルギビームを照射するパターニング装置と;
    前記エネルギビームが照射される前記物体が前記移動体に保持される請求項1〜17のいずれか一項に記載の移動体装置と;を備える露光装置。
  19. 前記計測光は、前記エネルギビームの照射領域内の所定点に照射される請求項18に記載の露光装置。
  20. 前記所定点は、前記パターニング装置の露光中心である請求項19に記載の露光装置。
  21. 請求項18〜20のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光することと;
    露光された前記基板を現像することと;を含むデバイス製造方法。
  22. エネルギビームを物体に照射して前記物体上に所定のパターンを形成する露光方法であって、
    前記物体を保持するとともに、前記物体の裏面側で所定平面に実質的に平行な面にグレーティングが配置された移動体を、前記所定平面に沿って移動させ、前記物体の載置面とは反対側の前記移動体の外部から前記グレーティングに向けて所定波長の計測光を照射し、該計測光に由来する前記グレーティングからの回折光を受光して前記所定平面内の計測方向に関する前記移動体の位置情報を計測することと;
    前記移動体の前記計測方向に関する位置情報と、該位置情報に含まれる前記移動体の傾斜によって生じる計測誤差の補正情報とに基づいて、前記移動体を駆動することと;を含む露光方法。
  23. 前記移動体の前記所定平面に対する傾斜情報を計測することをさらに含み、
    前記駆動することでは、前記移動体の前記計測方向に関する位置情報と、計測された前記傾斜情報に対応する前記計測誤差の補正情報とに基づいて、前記移動体を駆動する請求項22に記載の露光方法。
  24. 前記補正情報は、前記物体の表面と前記移動体の前記グレーティングが配置された面との間隔に応じ、前記移動体の傾斜によって生じる計測誤差の第1補正情報を含む請求項23に記載の露光方法。
  25. 前記補正情報は、前記移動体の前記グレーティングが配置された面の傾斜によって生じる計測誤差の第2補正情報をさらに含む請求項24に記載の露光方法。
  26. 前記位置情報と前記傾斜情報とに基づいて、前記移動体を、複数の異なる姿勢に変化させ、各姿勢を維持しつつ前記所定平面に垂直な方向に関する異なる位置で前記移動体の前記計測方向に関する位置情報を計測し、該位置情報に基づいて前記第2補正情報を作成又は更新することをさらに含む請求項25に記載の露光方法。
  27. 前記傾斜情報を計測することでは、前記移動体の前記所定平面に実質的に平行な面に前記所定波長とは異なる波長の少なくとも3本の計測ビームを照射し、該計測ビームそれぞれの前記移動体からの反射光を受光する計測系を用いる請求項23〜26のいずれか一項に記載の露光方法。
  28. 前記駆動することでは、前記補正情報に基づいて、前記移動体を駆動するための目標位置及び前記位置情報のいずれかを補正する請求項22〜27のいずれか一項に記載の露光方法。
  29. 前記グレーティングは、前記所定平面内で互いに直交する第1軸及び第2軸にそれぞれ平行な第1及び第2方向の一方の方向を周期方向とする回折格子を含み、
    前記計測することでは、前記移動体の前記一方の方向の位置情報を計測する請求項22〜28のいずれか一項に記載の露光方法。
  30. 前記グレーティングは、前記所定平面内の前記第1及び第2方向の他方の方向を周期方向とする回折格子をさらに含み、
    前記計測することでは、前記他方の方向に関する前記移動体の位置情報をも計測する請求項29に記載の露光方法。
  31. 前記グレーティングは、前記第1及び第2方向を周期方向とする2次元格子である請求項30に記載の露光方法。
  32. 前記移動体は、前記所定波長の光が内部を進行可能であり、
    前記グレーティングは、前記移動体の前記物体の載置面と該載置面と反対側の前記所定平面と平行な一面との間に配置され、
    前記計測することでは、前記移動体の前記一面を介して前記計測光を前記移動体の内部に入射させて前記グレーティングに照射し、該計測光に由来する前記グレーティングからの回折光を受光する請求項22〜31のいずれか一項に記載の露光方法。
  33. 前記移動体は、前記物体を保持するとともに、その裏面に前記グレーティングが配置された保持部材と、該保持部材が搭載されかつ内部を前記計測光が透過するテーブルとを含む請求項22〜32のいずれか一項に記載の露光方法。
  34. 前記保持部材は、前記テーブルに対して着脱自在である請求項33に記載の露光方法。
  35. 前記移動体は、前記計測光が入射しかつ前記所定平面と実質的に平行な一面に前記グレーティングが形成される透明部材と、前記物体を保持しかつ前記透明部材に対してその一面側に設けられる保持部材とを含む請求項22〜32のいずれか一項に記載の露光方法。
  36. 少なくとも前記所定平面に沿って移動可能な移動部材により、前記移動体を少なくとも前記所定平面に平行な面内で相対移動可能に支持することをさらに含み、
    前記駆動することでは、前記移動体を単独で若しくは前記移動部材と一体で駆動する請求項22〜35のいずれか一項に記載の露光方法。
  37. 前記計測光は、前記所定平面内で前記移動体を位置決めすべき所定点又はその近傍に照射される請求項22〜36のいずれか一項に記載の露光方法。
  38. 前記移動体は、内部に空間部を有し、
    前記計測することでは、前記移動体が前記所定点を含む所定範囲の領域内にあるときに前記空間部内に位置する計測アームにその少なくとも一部が設けられ、前記計測光を前記グレーティングに照射し、前記計測光に由来する前記グレーティングからの回折光を受光するヘッドを用いて前記計測を行う請求項37に記載の露光方法。
  39. 前記計測光は、前記エネルギビームの照射領域内の所定点に照射される請求項22〜38のいずれか一項に記載の露光方法。
  40. 前記所定点は、露光中心である請求項39に記載の露光方法。
  41. 請求項22〜40のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板を露光することと;
    前記露光された基板を現像することと;を含むデバイス製造方法。
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