JP2010272787A - 太陽電池パネル、太陽電池ユニット、太陽電池ユニット集合体 - Google Patents
太陽電池パネル、太陽電池ユニット、太陽電池ユニット集合体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の太陽電池パネルは、可撓性を有する薄膜光電変換層を―対の電極間に備えてなる太陽電池フィルム2を、その―辺に平行な複数列の畝2aを成すように屈曲して波板状とし、この太陽電池フィルム2を支持体3上に配設してなる。
【選択図】図1
Description
結晶シリコンを用いた太陽電池は古くから開発されてきたものであって、例えばシリコンの単結晶もしくは多結晶にpn接合またはpin接合を形成したもの、ショットキー接合を形成したものなどがあり、これらは変換効率や信頼性に優れている。この反面、柔軟性がなく、平面的な構造であるために、入射した光の多くが、その表面で反射されてしまい、発電に寄与せずに、変換効率を充分に上げることができなかった。
特許文献4には、可視光を透過する円筒型の透明セルの内部に色素増感型の半導体層を設けた太陽電池の構成が開示されている。この構成によれば、円筒形状で大きな表面積を有することから、集光効率が向上することが記載されている。
これを解決するものとして、柔軟性を有するプラスチックフィルムなどの基板上にアモルファスシリコンを積層したものが提案されているが、結晶シリコン系のものに比べて、信頼性、寿命、光の変換効率に劣るという問題があった。
しかしながら、その製造にあたっては、基板によって形作られる立体の各面毎に太陽電池セルを作成し、そのセル毎の上下の各配線を互いに接続するので、製造工程とコストが増加するという問題があった。
さらに、化合物半導体材料を用いたものや、上記特許文献4に記載された有機系材料を用いた色素増感型のものは、いずれも製造コストが高く、耐候性に問題があった。
このような構成にすることで、支持体の面積に対して、波板状に屈曲した太陽電池フィルムの面積は大幅に増大するので、限られた設置面積でより多くの光を受光できる。
また、太陽電池フィルムを屈曲させて、複数列の畝を有する波板状とすることで、各畝をなす面は支持体表面に対して傾斜した側面となるので、周囲からの散乱光のみならず、自らが反射してしまい、従来は有効に利用できなかった自己散乱光をも効率良く受光することができる。よって、光の変換効率の良い太陽電池パネルとなる。
一般的には柔軟性を持たない単結晶半導体または多結晶半導体を薄膜化することで、可撓性を有する薄膜光電変換層とすることができる。これにより、信頼性、寿命、光電変換効率に優れた本発明の太陽電池パネルにおいて、更なる光の吸収効率の向上や受光面積の向上を図ることができる。
ガラス基板を薄膜化して、可撓性を有する薄膜基板とし、この上に半導体層を形成することで、半導体薄膜だけで薄膜光電変換層を構成する場合よりも、半導体層の膜特性の制御、強度の増強、太陽電池パネルとした際の設計自由度等を向上させることができる。
可撓性を有する太陽電池フィルムを屈曲して波板状とし、これを支持体と交互に少なくとも一層ずつ積層することで、いわゆるハニカム構造となり、軽量で高強度の太陽電池パネルとなる。
このような構成にすると、屈曲された太陽電池フィルム表面と、支持体表面と、筐体の内面とによって囲まれた導光路が形成される。太陽電池ユニットに入射した光は、それぞれの入射角に従って、この導光路内で反射を繰り返すこととなり、 何度も太陽電池フィルムで受光することができる。このように、入射光を効率良く太陽電池ユニット内に封じ込めることができるので、高い変換効率での発電が可能となる。
また、太陽電池ユニットヘ入射した光はその入射角度にかかわらず、導光路内で 反射されることで、必然的に太陽電池フィルムに到達するので、筐体の開口面が限 られた面積であっても、より広い角度の入射光を利用できるようになる。また、太 陽電池ユニットの受光面を太陽光に対して好適な方向に姿勢制御する必要もない。
太陽電池ユニットに入射して筐体の内側底面に到達した光を光学部材もしくは光 学部材を通した内側底面で反射させることにより再度、導光路内で反射を繰り返す ようにでき、太陽電池フィルムでの受光回数が増加する。
特に、本発明の太陽電池ユニットヘの入射光のうち、発電に利用されることなく 内側底面に到達していた筐体開口面への直角入射光を、光学部材で拡散または集束 するように反射することで、薄膜光電変換層で受光できるようになるので、入射光 の利用効率がより一層向上し、より高い光変換効率を有する太陽電池ユニットとな る。
本発明の太陽電池ユニットは、いわゆるハニカム構造を有するものなので、その集合体は軽量で高強度のものとなる。また、光の変換効率に優れた太陽電池ユニットを連結することで、より多くの発電量を得ることができる。
[太陽電池パネル]
図1は本発明の太陽電池パネルの一実施形態を示した概略斜視図である。
符号1は太陽電池パネルであって、太陽電池フィルム2と支持体3とを一層ずつ交互に積層してなるものである。太陽電池フィルム2は、可撓性を有するフィルムであり、波板状に屈曲されている。すなわち、太陽電池フィルム2は、太陽電池フィルム2の一辺に平行な畝2aが連続的に並ぶように屈曲されている。太陽電池フィルム2と支持体3とは、畝2aの頂部もしくは底部の任意の位置を支持体3の表面に部分的に接着することで固定されている。
まず、厚さ0.5mm程度の単結晶シリコンまたは多結晶シリコンの板材を用意し、これを定盤上にワックスで固定する。定盤上の板材と対向するように研磨用ヘッドを配置し、そこで研磨用ヘッドを軸線周りに回転させる一方で、研磨用ヘッドとは異なる速度で定盤も回転させる。この状態で研磨用ヘッドと板材との間に砥粒を含む懸濁液を供給しつつ、研磨用ヘッドと板材との間に荷重をかけながら研磨することで、板材を膜厚25μmにまで薄膜化することができる。さらに、必要に応じて、研磨用ヘッドに研磨布を取り付けて、再度、上記と同様の研磨を行うことで、薄膜化された板材の表面を平滑化することができる。薄膜化された板材を洗浄した後に、定盤を加熱すると、ワックスが溶融するので、薄膜化された板材に余分な応力をかけることなく、板材を容易に研磨装置から取り外すことができる。
このようなガラス薄膜基板を用いることで、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンの薄膜のみで薄膜光電変換層を構成する場合よりも、半導体層の膜特性の制御が容易になる他、強度の増強を図ることができるので、太陽電池パネルとした際の設計自由度が上がる。
本実施形態の太陽電池パネル1にあっては、信頼性、寿命、光電変換効率に優れているものの、柔軟性がなかった単結晶シリコン、多結晶シリコン、ガラス基板を薄膜化によって屈曲可能とすることで、受光面積の向上と、更なる光の吸収効率の増大とが可能となる。
従来、立体構造を有する太陽電池パネルは、立体を構成する各面毎に太陽電池パネルを予め作成した後に、これらのパネルを互いに接続したものであったために、製造工程が煩雑になり、コストの増大が問題であった。これに対して、本実施形態の太陽電池パネル1にあっては、太陽電池フィルム2の連続面から上記方法により、非常に容易に立体構造を得ることができ、製造工程とコストが増加することがない。よって、光の変換効率、信頼性、寿命に優れた太陽電池パネル1を安価で提供可能となる。
例えば、図1中に示したように、一つの畝2aの頂部Aと、それに隣接する2つ
の底部B、Cの屈曲角度をいずれも直角にすると、畝2aの幅B−Cの中点Dを頂
点とした三角形D−A−Bと三角形D−A−Cは直角二等辺三角形になるので、辺
A−Bおよび辺A−Cの長さは、辺B−Dおよび辺C−Dの長さの√2倍になる。よって、√2倍の表面積を有する太陽電池フィルム2が支持体3に固定されることになり、受光面積が増大されるので、限られた設置面積でより多くの光を受光できる。
(第1実施形態)
図2は本発明の太陽電池ユニット5の第1実施形態を示した概略斜視図である。
本実施形態の太陽電池ユニット5は、内面が反射面(鏡面)とされた筐体4内に、上記実施形態の太陽電池パネル1を収容してなるものである。太陽電池パネル1は、各畝2aの延在方向が筐体4の側面4bと平行になり、かつ、概略波形をなす側面が筐体4の開口面4aに露出するように、筐体4内に収容されている。
この太陽電池ユニット5では、筐体4の開口面4aが受光面5aとされ、図2中に矢印で示したように、開口面4aから筐体底面へ向かって光が入射されて発電に利用される。
以下の説明において、同一の太陽電池パネル層50で隣接した3本の導光路51、52、53を例にとり、各導光路への入射光を光1、光2、光3と称するが、これらは便宜的なものであって、受光面5aの入射光が実際に光1〜光3に分離されるものではなく、その入射角度も光1〜光3のものに限定されるものでもない。
図3に示したように、光1は、導光路51の一方の側面22である太陽電池フィルム2に直接入射して光電変換される一方で、側面22で反射され、導光路51のもう一方の側面21に入射する。しかし、この側面21もまた、太陽電池フィルム2であるので、ここで光1は再度、光電変換される。さらに側面21で反射された光1は、もとの側面22に入射され、光電変換される一方で反射される。
光1は光電変換されるよりも反射される割合の方が多い訳であるが、本実施形態の太陽電池ユニット5によれば、光を導光路51内で繰り返し反射させて、その都度、太陽電池フィルム2面に入射させるような構成となっているので、光1を導光路51内に封じ込めて、有効に発電に利用することができる。
導光路53においては、光3は受光面5aに対して直角に入射するので、導光路53を形成する2つの側面23、24に入射することなく、筐体4の内側底面4cに達して反射されるので、ほとんど発電に利用することができない。
以下、本発明の太陽電池ユニットの第2実施形態について、図4を参照して説明するが、上記第1実施形態と異なるところについてのみ説明し、その他の構成の同一の部材には同一の符号を付して、説明を省略する。
図4は、本実施形態の太陽電池ユニット55を支持体3に平行な平面で切断した概略部分断面図である。
本実施形態の太陽電池ユニット55が上記第1実施形態と異なるのは、筐体4の内側底面4cに凸面鏡6を配し、筐体4の底部に到達した入射光を凸面鏡6で拡散させるようにしたところである。
受光面5aに対して鋭角で入射した光1は、第1実施形態においても、導光路51内での反射回数が多く、充分に光電変換に利用可能であるが、凸面鏡6によって拡散されることにより、側面21、22に対して深い入射角を持つようになるので、さらに反射回数が増加する。光1と同様に、光2も凸面鏡6によって、導光路52内での反射回数が増加する。
本実施形態においては、内側底面4cに凸面鏡6を配したが、本実施形態の太陽電池ユニット55はこれに限定されるものではなく、内側底面4cに入射した光を拡散または集束させて反射できる部材であればよく、凹面鏡、凹レンズ、凸レンズ、フレネルレンズ等の各種の光学部材を利用することができる。なお、レンズを用いた場合には、入射光はレンズを通した内側底部4cで反射されることになるが、本実施形態と同様の作用、効果が得られる。
図5は、本発明の太陽電池ユニット集合体7を示した概略構成図である。
この太陽電池ユニット集合体7は、本発明の太陽電池ユニット5を複数積層してなり、その各受光面5aが同一平面となるように連結されている。本実施形態の太陽電池ユニット集合体7は中空構造の所謂ハニカム構造であり、軽量で高強度であるので、このような多数の集合体とした際にも、自重が大きくなり過ぎて、機械的強度が不足する心配がない。よって、変換効率に優れた多数の太陽電池ユニット5を連結することができるので、より多くの発電量を得ることができる。
また、本発明の太陽電池パネルにおける立体構造は、太陽電池フィルムを屈曲した単一部材の連続面から構成されるので、立体化に際しての製造工程と製造コストの増加がなく、光電変換効率の高い太陽電池パネルを安価で提供できる。
また、本発明の太陽電池ユニット集合体は、光の変換効率の高い太陽電池ユニットを連結したものであるので、軽量かつ高強度であり、大出力の電力を得ることができる。
Claims (7)
- 可撓性を有する薄膜光電変換層を一対の電極間に備えてなる太陽電池フィルムと、
前記太陽電池フィルムを支持する支持体と、を備え、
前記太陽電池フィルムが、該太陽電池フィルムの一辺に略平行な複数列の畝をなす屈曲状態で前記支持体上に配設されていることを特徴とする太陽電池パネル。 - 前記薄膜光電変換層は、単結晶半導体薄膜または多結晶半導体薄膜からなることを特徴とする請求項1記載の太陽電池パネル。
- 前記薄膜光電変換層は、ガラス基板上に単結晶半導体層または多結晶半導体層が積層されてなることを特徴とする請求項1記載の太陽電池パネル。
- 前記太陽電池フィルムと前記支持体とが、少なくとも1層ずつ交互に積層されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の太陽電池パネル。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の太陽電池パネルを、内面が反射面とされた筐体内に収容してなり、前記太陽電池パネルの前記各畝の延在方向と前記筐体の内面とが略平行とされていることを特徴とする太陽電池ユニット。
- 前記筐体の内側底面に、前記筐体への入射光を拡散または集束させる光学部材を備えてなることを特徴とする請求項5記載の太陽電池ユニット。
- 請求項5または請求項6記載の太陽電池ユニットを複数個連結させてなることを特徴とする太陽電池ユニット集合体。
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