JP2010272773A - 気相成長装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チャンバの内壁に堆積するウォールデポの剥離を促進する気相成長装置を提供する。
【解決手段】気相成長装置10は、チャンバ3、複数のランプ41、送風手段5、及び一対の第1開閉扉を備える。チャンバ3は、ウェーハ1が設置されるサセプタ2を内部に配置し、原料ガスGを内部に導入する。チャンバ3は、サセプタ2の上方を覆う第1隔壁31、及びサセプタ2の下方を覆う第2隔壁32を有する。複数のランプ41は、第1隔壁31を介してウェーハ1及びサセプタ2を加熱する。送風手段5は、第1隔壁31の上面に冷却用空気(冷却媒体)Aを送風する。一対の第1開閉扉は、原料ガスGが導入されて、サセプタ2を越える下流側の内部領域3nと対向する外部領域3mに冷却用空気Aの送風を堰き止めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、気相成長装置に関する。特に、半導体ウェーハ(以下、ウェーハという)を熱処理するチャンバを備える気相成長装置に関する。
一般に、枚葉式の気相成長装置は、回転する円盤状のサセプタをチャンバの内部に配置している。そして、ウェーハをサセプタに載置して、ウェーハ及びサセプタを周辺から加熱している。又、原料ガスをチャンバの内部に導入し、ウェーハの表面に結晶を気相成長させている。
このようなチャンバは、ウェーハ及びサセプタを高温度で加熱するため、石英などの耐熱素材で構成されている。一方、このようなチャンバは、一般に、冷却用空気をチャンバの外部に循環させて、冷却している。又、冷却水をチャンバの外部に循環させて冷却するチャンバも出現している。
このようなチャンバとしては、その外部に冷却用空気を循環したときに、冷却用空気の供給圧力を可変とした場合であっても、冷却用空気の漏洩を瞬時に検知することができる冷却装置を備えたチャンバが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によるチャンバは、冷却装置が、冷却用空気を生成して外部に冷却用空気を供給する冷却用空気発生器と、冷却用空気の供給圧力値を検出する圧力センサと、圧力センサの検出値に基づいて冷却用空気の漏洩を検知する空気漏れ検知部と、を備えている。更に、空気漏れ検知部は、差分検出回路と比較回路を備えて構成している。
特許文献1によるチャンバは、差分検出回路が供給圧力の設定値と圧力センサで検出した供給圧力の検出値との差分をとり、比較回路が差分値と予め決められた空気漏洩の判断のための規格値との大小を比較し、冷却用空気の漏洩を瞬時に検知できる、としている。
又、このようなチャンバとしては、チャンバを構成する隔壁の温度が所定の目標温度で維持されるように、チャンバの外部を循環する冷却用空気の流量を制御する温度制御装置を備えたチャンバが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2によるチャンバは、温度制御装置が温度測定器を含み、チャンバの隔壁の温度を測定している。この測定温度は所定の目標温度と比較される。そして、温度制御装置は、チャンバの近傍の空気流量を制御し、測定温度は実質的に目標温度と等しくなる、としている。
特開2002−353143号公報 特開平9−312265号公報
特許文献2には、「チャンバを構成する壁の堆積物(ウォールデポジション:以下、ウォールデポという)を最小限にするために、石英からなるこの壁温は、狭い温度範囲内で制御されることが望ましい」と、記載されている。
又、特許文献2には、「クリーニング工程中、石英の壁温は、チャンバの内壁の上部に堆積されたウォールデポのエッチング(剥離)速度を最大にするために、異なる温度で維持されることが更に望ましい」と、記載されている。そして、特許文献2には、「そのような温度を維持することにより、ウェーハへの汚染問題が最小限に抑えられる」と、記載されている。
しかしながら、チャンバの壁温を狭い温度範囲内で適正に管理しても、ウォールデポがチャンバの内壁の上部に少しずつ堆積していくことを阻止することは、困難である。このため、現状では、塩素ガスを用いて、チャンバの内部をクリーニング(エッチング)しているが、ウォールデポの剥離が促進されないという問題がある。
ウォールデポの剥離が促進されない要因として、従来は、チャンバの内部をエッチング中にチャンバを冷却していたことが挙げられる。チャンバの構造を工夫して、ウォールデポの剥離を促進すれば、ウェーハへの汚染が最小限に抑えられる。つまり、ウェーハの品質を向上できる。
したがって、本発明は、チャンバを備える気相成長装置において、チャンバの内壁に堆積するウォールデポの剥離を促進することによって、ウェーハの品質を向上する気相成長装置を提供することを目的とする。
(1)本発明による気相成長装置は、半導体ウェーハが設置される回転可能なサセプタを内部に配置し、原料ガスを内部に導入するチャンバであって、前記サセプタの上方を覆う第1隔壁、及びこの第1隔壁の周縁を密閉する共に、前記サセプタの下方を覆う第2隔壁を有するチャンバと、前記第1隔壁を介して前記半導体ウェーハ及び前記サセプタを加熱する第1加熱手段と、前記第1隔壁の上面に冷却媒体を送風する送風手段と、前記第1隔壁の上面に配置して、前記原料ガスが導入されて前記サセプタを越える下流側の内部領域と対向する外部領域に前記冷却媒体の送風を堰き止め可能な第1遮蔽板と、を備えることを特徴とする。
(2)前記第1遮蔽板は、一対の第1開閉扉からなることが好ましい。
(3)前記第1隔壁の上面に配置して、前記一対の第1開閉扉から離間する一対の第2開閉扉であって、前記外部領域を越える下流側に前記冷却媒体の送風を堰き止め可能な一対の第2開閉扉を更に備えることが好ましい。
(4)前記第1隔壁の上面の両側部に固定して、前記冷却媒体の送風方向と略平行に配置する互いに離間する一対の固定ウイングを備え、前記一対の第1開閉扉及び前記一対の第2開閉扉を開くと、当該一対の第1開閉扉及び当該一対の第2開閉扉が前記一対の固定ウイングに重なるように向きを変えることが好ましい。
(5)前記第1隔壁は、透明な石英からなり、前記一対の第1開閉扉及び前記一対の第2開閉扉は、透明な石英からなることが好ましい。
本発明によれば、チャンバを構成する第1隔壁の上面に冷却媒体を送風する送風手段と、第1隔壁の上面に配置して、原料ガスが導入されてサセプタを越える下流側の内部領域と対向する外部領域に冷却媒体の送風を堰き止め可能な第1遮蔽板と、を備えるので、第1遮蔽板により、冷却媒体の送風を堰き止めることができ、第1隔壁の外部領域が保温される。したがって、第1隔壁の外部領域の保温熱が第1隔壁の内壁の上面から第1隔壁の外部領域への伝熱を抑制するために、第1隔壁の内壁の上面が保温されて、塩化水素(HCl)と、チャンバの内壁に付着したシリコンなどとの反応効率が上がることで、ウォールデポの剥離が促進される。
本発明の一実施形態による気相成長装置の構成を示す縦断面図である。 前記実施形態による気相成長装置の要部を拡大した縦断面図である。 前記実施形態による気相成長装置に備わるチャンバの平面図であり、一対の第1及び第2開閉扉を閉じた状態図である。 前記実施形態による気相成長装置に備わるチャンバの平面図であり、一対の第1及び第2開閉扉を開いた状態図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
最初に、本発明の一実施形態による気相成長装置の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態による気相成長装置の構成を示す縦断面図である。図2は、前記実施形態による気相成長装置の要部を拡大した縦断面図である。図3は、前記実施形態による気相成長装置に備わるチャンバの平面図であり、一対の第1及び第2開閉扉を閉じた状態図である。図4は、前記実施形態による気相成長装置に備わるチャンバの平面図であり、一対の第1及び第2開閉扉を開いた状態図である。
図1又は図2を参照すると、実施形態による気相成長装置10は、ウェーハ1が設置される回転可能なサセプタ2aを内部に配置し、原料ガスGを内部に導入するチャンバ3を備えている。チャンバ3は、サセプタ2aの上方を覆う第1隔壁31、及び第1隔壁31の周縁を密閉する共に、サセプタ2aの下方を覆う第2隔壁32を有している。
又、図1又は図2を参照すると、気相成長装置10は、第1隔壁31を介して、ウェーハ1及びサセプタ2aを加熱する第1加熱手段となる複数のランプ41を備えている。又、気相成長装置10は、第1隔壁31の上面に冷却用空気(冷却媒体)Aを送風する送風手段5を備えている。
図3又は図4を参照すると、気相成長装置10は、第1隔壁31の上面に配置する一対の第1開閉扉61・61を備えている。一対の第1開閉扉61・61は、外部領域3mの前段に位置している。外部領域3mは、原料ガスGが導入されて、サセプタ2aを越える下流側の内部領域3nと対向している。そして、一対の第1開閉扉61・61を閉じると、外部領域3mへの冷却用空気Aの送風を堰き止めることができる。
図3又は図4を参照すると、気相成長装置10は、第1隔壁31の上面に配置する一対の第2開閉扉62・62を備えている。一対の第2開閉扉62・62は、一対の第1開閉扉61・61から離間している。一対の第2開閉扉62・62は、冷却用空気Aの送風方向に対して外部領域3mの後段に位置している。そして、一対の第2開閉扉62・62を閉じると、ウェーハ1が位置する領域へ冷却用空気Aの送風を堰き止めることができる。
第1開閉扉61・61及び第2開閉扉62・62は、それらを閉じたときに、外部領域3mのウォールデポWDの堆積領域を遮蔽できるような位置に設置することが好ましい。更に具体的には、第1開閉扉61・61及び第2開閉扉62・62は、シリコンのエピタキシャル成長における150mm以上の直径を有するサセプタにおいて、原料ガスの導入方向に対してサセプタにおける最も下流側の外周縁よりも10mm〜500mm下流側に、設置することが好ましい。
図3又は図4を参照すると、気相成長装置10は、第1隔壁31の上面の両側部に固定する一対の固定ウイング63・63を備えている。一対の固定ウイング63・63は、冷却用空気Aの送風方向と略平行に配置している。そして、一対の固定ウイング63・63は、互いに離間している。
図3又は図4を参照すると、一対の第2開閉扉62・62を閉じると、一対の第2開閉扉62・62は、一対の固定ウイング63・63に重なるように向きを変える。更に、一対の第1開閉扉61・61を閉じると、一対の第1開閉扉61・61は、一対の第2開閉扉62・62を介して、一対の固定ウイング63・63に重なるように向きを変える。
図1から図4を参照すると、第1隔壁31は、透明な石英からなっている。又、一対の第1開閉扉61・61及び一対の第2開閉扉62・62は、透明な石英からなっている。したがって、複数のランプ41の光線を遮光することなく、チャンバ3の内部領域3nを上方から加熱できる。更には、第1開閉扉61・61及び第2開閉扉62・62を設ける構造とすることで、簡単な構造でありながら、ランプ41の光線を遮光することなく、チャンバ3の内部領域3nを加熱させることができる。
更に、図1又は図2を参照すると、気相成長装置10は、第2隔壁32を介して、ウェーハ1及びサセプタ2aを加熱する第2加熱手段となる複数のランプ42及びランプ43を備えている。第2隔壁32は、透明な石英からなっている。したがって、複数のランプ42及びランプ43の光線を遮光することなく、サセプタ2aを下方から加熱できる。
図1又は図2を参照すると、チャンバ3は、一対の基板11・12に支持されている。チャンバ3は、ウェーハ1の表面に結晶を気相成長させる原料ガスGが導入される供給口3aを一端側に有している。又、チャンバ3は、内部に導入された原料ガスGが排出される排出口3bを他端側に有している。
図1を参照すると、基板11は、外部から原料ガスGが供給される通路11aを有している。通路11aの終端は、供給口3aに接続されており、チャンバ3の内部に原料ガスGを導入できる。一方、基板12は、原料ガスGを外部に回収する通路12bを有している。通路12bの始端は、排出口3bに接続されており、チャンバ3の内部の原料ガスGを外部に回収できる。
図1又は図2を参照すると、ウェーハ載置部材2は、サセプタ2aとサセプタ支持部材(回転軸)2bとで構成している。サセプタ2aには、ウェーハ1が設置される。サセプタ支持部材2bの一端部は、サセプタ2aの中心部に結合している。サセプタ支持部材2bの他端部は、図示しない回転装置に連結しており、この回転装置を駆動して、サセプタ2aに設置されたウェーハ1を回転できる。例えば、サセプタ2aは、SiCで被膜されたカーボン部材からなる。サセプタ支持部材2bは透明な石英からなる。複数のランプ42及びランプ43でサセプタ2aを加熱することにより、ウェーハ1をその裏面側からも加熱できる。
図2から図4を参照すると、第1開閉扉61は、平板状の扉体61aと回転軸61bとで構成している。回転軸61bの一端部は、扉体61aの終端部に結合している。回転軸61bの他端部は、図示しない回転装置に連結しており、一対の第1開閉扉61・61を開閉できる。
図2から図4を参照すると、第2開閉扉62は、平板状の扉体62aと回転軸62bとで構成している。回転軸62bの一端部は、扉体62aの端縁に結合している。回転軸62bの他端部は、図示しない回転装置に連結しており、この回転装置を駆動して、一対の第2開閉扉62・62を開閉できる。
なお、図示はしないが、第1開閉扉61及び第2開閉扉62は、それらの扉体61a・62aの外形がアルミニウム合金からなる外枠で囲われてもよく、更に、これらの外枠の内部に冷却水を循環させることが好ましい。
図1又は図2を参照すると、チャンバ3の上部は、ランプ41を配するカバー13で覆われている。又、チャンバ3の下部は、ランプ43,42を配するカバー14で覆われている。カバー13の一端側には、給気口13aを設けている。カバー14の他端側には、排気口14aを設けている。
図1において、送風手段5は、冷却用空気Aを送風する送風装置(図示せず)と、カバー13・14と、給気口13a及び排気口14aと、を含んでいる。冷却用空気Aの送風装置から冷却用空気Aが給気口13aに供給される。そして、冷却用空気Aがランプ41〜43を冷却しつつ、チャンバ3を外部から空冷して、冷却用空気Aが排気口14aから排気される。なお、チャンバ3を外部から冷却するために、水冷式の冷却流路を補助的に設けてもよい。
次に、本発明の実施形態による気相成長装置10の動作及び作用を説明する。
図1又は図2を参照すると、図示しない搬送装置からウェーハ1が搬送されて、ウェーハ1がサセプタ2aに載置される。そして、ウェーハ1は、チャンバ3の内部で加熱されると共に、チャンバ3の内部で回転される。又、気相成長装置10は、原料ガスGをチャンバ3の内部に導入し、ウェーハ1の表面に結晶を気相成長させる。
気相成長中において、ウェーハ1の温度は、複数のランプ41,42及び43の加熱によって制御されている。図3を参照すると、気相成長中において、一対の第1開閉扉61・61及び第2開閉扉62・62は、一対の固定ウイング63・63に重なるように向きを変えている。したがって、冷却用空気Aは、第1隔壁31の上面を全領域に亘り、送風しているので、冷却効率が高い。
ところで、図1を参照すると、チャンバ3に原料ガスGが導入されて、サセプタ2aを越える下流側の内部領域3nには、ウォールデポWDが付着しやすいという問題がある。より、具体的には、シリコンエピタキシャル成長において、温度と原料ガスの濃度とのバランスにより、サセプタ2aを越える下流側の内部領域3nで化学反応又は熱分解によるシリコンのエピタキシャル成長が起こりやすく、ウォールデポWDが付着しやすい状態となっている。
なお、内部領域3nでウォールデポWDが発生しやすい理由は、次の通りであると考えられる。詳述すると、チャンバの内部の温度が高い方が、エピタキシャル成長(シリコン成長)が進行しやすいが、サセプタの直上においては、シリコン成長のほとんどがシリコンウェーハの表面にて進行する。したがって、シリコン成長は、サセプタの直上に位置するチャンバの内壁では進行しにくい。一方、サセプタの直上に位置しないチャンバの内壁では、温度が高い部分においては、シリコンが付着しやすくなる。
しかし、チャンバの内壁が低温になりすぎると、チャンバの内壁に付着したシリコンは、ゲル状のシリコンポリマー(例えば、シロキサン)となるが、ゲル状のシリコンポリマーは、エッチングで除去されやすいので、ウォールデポとして残留しにくい。又、原料ガスの濃度が高いほど、シリコン成長が進行しやすく、シリコンがチャンバの内壁に付着しやすくなる。以上の理由により、シリコンの濃度が高い領域で、チャンバの内壁の温度がある程度高い領域、即ち、サセプタ2aを越える下流側の内部領域3nにおいてウォールデポWDが発生しやすい。
したがって、ウォールデポWDをエッチング(剥離)するため、チャンバ3からウェーハ1が取り出された後、原料ガスGに代えて、例えば、塩素ガスがチャンバ3の内部に導入されて、チャンバ3の内部がエッチングされる。そして、前述したエッチングプロセスでは、冷却用空気Aを送風して、加熱したチャンバ3を外部から空冷している(図3参照)。
図4を参照すると、本発明の実施形態では、前述したエッチングプロセスにおいて、一対の第1開閉扉61・61を閉じて、冷却用空気Aの送風を堰き止めている。したがって、最もウォールデポWDが付着しやすい内部領域3nと対向する外部領域3mが空冷されることなく、保温される。つまり、内部領域3nも保温されて、ウォールデポWDの剥離が促進される。
このように、本発明の実施形態によれば、チャンバ3を構成する第1隔壁31の上面に冷却用空気Aを送風する送風手段5と、第1隔壁31の上面に配置して、原料ガスGが導入されてサセプタ2aを越える下流側の内部領域3nと対向する外部領域3mに冷却用空気Aの送風を堰き止め可能な一対の第1開閉扉61・61と、を備える。そのため、一対の第1開閉扉61・61を閉じると、冷却用空気A体の送風が堰き止められて、第1隔壁31の外部領域3mが保温される。したがって、第1隔壁31の外部領域3mが保温されて、ウォールデポWDの剥離が促進される。
更に、図4を参照すると、本発明の実施形態では、前述したエッチングプロセスにおいて、一対の第2開閉扉62・62を閉じて、冷却用空気Aの送風を堰き止めている。図4において、一対の第1開閉扉61・61及び第2開閉扉62・62が共に閉じており、第1隔壁31の外部領域3mを囲っている。
図4を参照すると、更に、一対の固定ウイング63・63も第1隔壁31の外部領域3mを囲っている。したがって、冷却用空気Aは、外部領域3mを迂回するので、外部領域3mの保温が促進される。つまり、第1隔壁31の外部領域3mが保温されて、ウォールデポWDの剥離が促進される。
実施形態による気相成長装置10を用いて、500枚のウェーハ1を気相成長させた後、ウォールデポWDの状態を目視して確認した。その結果、チャンバ3の内部を洗浄中にチャンバ3を冷却していた従来例と比較して、実施形態による気相成長装置10は、ウォールデポWDの堆積領域が1/3程度に縮小され、ウォールデポWDの堆積量も激減していた。少なくとも、本発明の実施形態による一対の第1開閉扉61・61が冷却用空気Aの送風を堰き止めることにより、ウォールデポWDの剥離が促進されたと考えられる。
以上、本発明の気相成長装置の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではない。例えば、送風手段は、冷却媒体は、少なくとも第1隔壁31の上面に送風すればよく、第1隔壁31の上面を含むチャンバの外面全体に送風してもよい。冷却媒体は、空気に制限されず、各種ガスでもよい。
1 ウェーハ(半導体ウェーハ)
2a サセプタ
3 チャンバ
3m 外部領域
3n 内部領域
5 送風手段
10 気相成長装置
31 第1隔壁(第1遮蔽板)
32 第2隔壁
41 ランプ(第1加熱手段)
A 冷却用空気(冷却媒体)
G 原料ガス

Claims (5)

  1. 半導体ウェーハが設置される回転可能なサセプタを内部に配置し、原料ガスを内部に導入するチャンバであって、前記サセプタの上方を覆う第1隔壁、及びこの第1隔壁の周縁を密閉する共に、前記サセプタの下方を覆う第2隔壁を有するチャンバと、
    前記第1隔壁を介して前記半導体ウェーハ及び前記サセプタを加熱する第1加熱手段と、
    前記第1隔壁の上面に冷却媒体を送風する送風手段と、
    前記第1隔壁の上面に配置して、前記原料ガスが導入されて前記サセプタを越える下流側の内部領域と対向する外部領域に前記冷却媒体の送風を堰き止め可能な第1遮蔽板と、を備えることを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記第1遮蔽板は、一対の第1開閉扉からなることを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
  3. 前記第1隔壁の上面に配置して、前記一対の第1開閉扉から離間する一対の第2開閉扉であって、前記外部領域を越える下流側に前記冷却媒体の送風を堰き止め可能な一対の第2開閉扉を更に備えることを特徴とする請求項2記載の気相成長装置。
  4. 前記第1隔壁の上面の両側部に固定して、前記冷却媒体の送風方向と略平行に配置する互いに離間する一対の固定ウイングを備え、
    前記一対の第1開閉扉及び前記一対の第2開閉扉を開くと、当該一対の第1開閉扉及び当該一対の第2開閉扉が前記一対の固定ウイングに重なるように向きを変えることを特徴とする請求項3記載の気相成長装置。
  5. 前記第1隔壁は、透明な石英からなり、
    前記一対の第1開閉扉及び前記一対の第2開閉扉は、透明な石英からなる請求項3又は4記載の気相成長装置。
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