JP2010272594A - 固体撮像素子及び撮像システム - Google Patents

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Abstract

【課題】入射光の光量の損失を抑えながら、回折光や散乱光の隣接する画素への混入、及びそれに起因する混色を低減することができる技術を提供する。
【解決手段】複数の画素が配列され、結像光学系からの光を受光する受光素子チップと、前記受光素子チップの上に形成され、前記結像光学系からの光が前記複数の画素のそれぞれに入射するように、前記結像光学系からの光を前記受光素子チップに導光するオンチップ光学系と、を有し、前記オンチップ光学系は、前記複数の画素の全てに対して共通の1つのフレネルレンズを含むことを特徴とする固体撮像素子を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像素子及び撮像システムに関する。
デジタルカメラやカメラ機能付き携帯電話などの撮像システムの普及に伴い、かかる撮像システムに搭載される固体撮像素子の多画素化、高感度化及び薄型化が進んでいる。例えば、多画素化に関しては、受光素子の画素サイズ(画素の幅)が2.0μmを下回るほど微細になってきている。高感度化に関しては、入射光量に対する受光素子からの出力電流の大きさで感度が定義されるため、入射光をロスなく受光素子に導くことが重要である。また、薄型化でカメラのレンズ光学系が短焦点化し、入射角が大きく、射出瞳距離が短くなってきている。
固体撮像素子は、一般に、光入射側から順に、マイクロレンズ、カラーフィルター、アルミニウム配線などを含む絶縁層、受光素子などを含む基板(Si基板)を有する。固体撮像素子において、マイクロレンズに対して垂直に入射する光(垂直入射光)は、カラーフィルターで色分離された後、光量の損失が少なく(即ち、高効率に)受光素子に導かれる。一方、マイクロレンズに対して大きな入射角で入射する光(斜入射光)は、アルミニウム配線などで一部が遮光されてしまうため、光量の損失が大きくなってしまう。
そこで、入射光の波長と同程度の線幅で分割された同心構造の分布屈折率レンズを、受光素子の画素ごとに配置して、斜入射光の光量ロスを回避する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、マイクロレンズに対して垂直に光が入射するように入射角を補正するレンズを配置する技術も提案されている(特許文献2参照)。
特開2006−351972号公報 特開平07−298146号公報
しかしながら、本発明者は、画素サイズの微細化に応じて画素の上に配置されるマイクロレンズのサイズも微細化されるため、マイクロレンズからの回折光や散乱光が隣接する画素に入射してしまうという新たな課題を見出した。
また、特許文献1では、微細な、例えば、サブミクロンオーダーの加工が必要となる分布屈折率レンズを、画素ごとに異なる形状で加工しなければならない。例えば、1000万画素の固体撮像素子の場合、縦4000画素、横2500画素程度となるため、横の画素の対称性を考えたとしても、少なくとも2000パターンの分布屈折率レンズを加工する必要がある。仮に、分布屈折率レンズのパターンを1/10に減らせたとしても200パターンの分布屈折率レンズを加工する必要がある。このような多くのパターンの分布屈折率レンズをサブミクロンオーダーで再現性よく加工することは現実的には非常に困難である。
また、特許文献2には、マイクロレンズに対して垂直に光が入射するように入射角を補正するレンズの具体的な形状や焦点距離などが開示されていないため、実現が困難である。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、入射光の光量の損失を抑えながら、回折光や散乱光の隣接する画素への混入、及びそれに起因する混色を低減することができる技術を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての固体撮像素子は、複数の画素が配列され、結像光学系からの光を受光する受光素子チップと、前記受光素子チップの上に形成され、前記結像光学系からの光が前記複数の画素のそれぞれに入射するように、前記結像光学系からの光を前記受光素子チップに導光するオンチップ光学系と、を有し、前記オンチップ光学系は、前記複数の画素の全てに対して共通の1つのフレネルレンズを含むことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、入射光の光量の損失を抑えながら、回折光や散乱光の隣接する画素への混入、及びそれに起因する混色を低減する技術を提供することができる。
本発明の一側面としての固体撮像素子の構成を示す図である。 図1に示す固体撮像素子を組み込んだ撮像システムの構成を示す図である。 図1に示す固体撮像素子の想定レイアウトについて説明するための図である。 結像光学系が可変焦点光学系を含む場合において、結像光学系の広角端及び望遠端の光路図である。 図1に示す固体撮像素子の受光素子チップの周辺部の断面図である。 図2に示す撮像システムにおいて、撮像処理を行う処理部や処理回路の構成を示す図である。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本発明者が見出した新たな課題について具体的に説明する。固体撮像素子においては、上述したように、画素サイズ(画素の幅)の微細化に応じて画素の上に配置されるマイクロレンズのサイズも微細化されるため、以下の2つの現象(第1の現象及び第2の現象)が生じる。
第1の現象:マイクロレンズからの回折光の強度が大きくなると、ある画素に入射すべき光が隣接する画素に入射してしまう。特に、カラーフィルターを有する固体撮像装置の場合、混色が生じる。
第2の現象:マイクロレンズからの散乱光がアルミニウム配線の側面などで反射してフレア光となり、ある画素に入射して、例えば、黒色を表現することができなくなる(画像にもやがかかる)。
このように、光の混入に最も大きな影響を与える部材は、受光素子から離れて配置され、微細構造を有する光透過性部材であるマイクロレンズである。ここでは、マイクロレンズからの回折光について詳細に説明する。なお、マイクロレンズからの散乱光については、以下で説明する理論と同じであるため、説明を省略する。
マイクロレンズからの回折光の理解を容易にするために、フォトリソグラフィー装置における線幅と回折との関係について説明する。フォトリソグラフィー装置は、光源からの光を用いてフォトマスクのパターンを照明し、かかるフォトマスクのパターンを、投影光学系を介して、ウエハに塗布されたレジストに投影(転写)する機能を有する。フォトマスクのパターンの線幅が大きい場合には、パターンから射出される0次回折光、1次、2次、・・・の回折光の全てが投影光学系を通過してレジスト上に結像するため、レジスト上に投影される光のコントラストが高い。一方、フォトマスクのパターンの線幅が小さい場合には、パターンの線幅が大きい場合よりもパターンでの回折角が大きくなるため、2次以上の高次回折光が投影光学系に入射せず(即ち、結像に寄与せず)、レジスト上に投影される光のコントラストが低下する。従って、フォトマスクのパターンの線幅が小さくなるほど、レジスト上に投影される光のコントラストが低下する。
内径Dの円形形状の開口から射出する波長λの光について、投影光学系を介して、投影光学系の焦点位置fに現れるフランホーファー回折を考える。0次光を0°、1次光に隣接する第1暗環が認められる角度を回折角γ(単位:ラジアン)とすると、γは以下の式1で表される。
γ=1.22×λf/D ・・・(式1)
ここで、円形形状の開口及び投影光学系をマイクロレンズ、ウエハを受光素子に置き換えてみると、マイクロレンズからの回折光が隣接する画素に入射することは、以下の2つの場合(第1の場合及び第2の場合)を含む。
第1の場合:1次の回折光が隣接する画素に直接入射する。
第2の場合:1次の回折光がアルミニウム配線などに反射して間接的に隣接する画素に入射する。
なお、第1の場合が上述した第1の現象に相当し、第2の場合が上述した第2の現象に相当する。
このような回折光の回折角γの範囲は、後述する固体撮像素子の想定レイアウト(図3)において、以下の式2又は式3で表される。
32°≦γ≦90° ・・・(式2)
0.559ラジアン≦γ≦1.571ラジアン ・・・(式3)
式1において、λ=0.55μm(比視感度が最も高い波長)、f=4.0μmとすると、γ=2.684/D(ラジアン)となる。従って、式3を内径Dで表現すると、以下の式4で表される。
1.7μm≦D≦4.8μm ・・・(式4)
式2及び式4を参照するに、内径D=4.8μmであるときに回折角γ=32°、内径D=1.7μmであるときに回折角γ≒90°となる。回折角γ≒90°とは、1次の回折光はマイクロレンズから真横に進む(回折される)ことを意味する。90°を超える回折角は物理的に意味がないため、内径D<1.7μmであるときも回折角γ=90°とすればよい。
従って、マイクロレンズの内径が1.7μm以下である場合、1次の回折光は、マイクロレンズから真横に進んで隣接する画素の上方に入射し、隣接する画素のフレア光となる可能性が極めて高い。また、後述する固体撮像素子の想定レイアウト(図3)では、マイクロレンズの内径が4.8μm以下である場合に、1次の回折光が隣接する画素に入射することになる。ここでは、1次の回折光だけを説明したが、2次以上の高次の回折光は、強度が極端に小さくなるため、無視することができる。また、マイクロレンズに限らず、フレネルレンズなどのバイナリーオプティクスであっても光学要素のサイズが4.8μm以下であれば、同様なことが言える。
以下、本発明の一側面としての固体撮像素子について説明する。図1(a)は、本発明の一側面としての固体撮像素子100の概略上面図であり、図1(b)は、固体撮像素子100の概略断面図である。固体撮像素子100は、図1(a)及び図1(b)に示すように、カラーフィルター102と、受光素子チップ104と、オンチップ光学系106とを有する。
カラーフィルター102は、例えば、結像光学系からの光を色ごと(赤色(R)、緑色(G)、青色(B))に分離する複数のフィルターを含み、かかる複数のフィルターは、本実施形態では、ベイヤー配列で配列されている。従って、カラーフィルター102においては、ある行では、Gフィルター、Rフィルター、Gフィルター、Rフィルター、・・・が配列され、他の行では、Bフィルター、Gフィルター、Bフィルター、Gフィルター、・・・が配列されている。なお、カラーフィルター102は、原色に限らず補色など、任意の色が配置されていてもよい。
受光素子チップ104は、カラーフィルター102の複数のフィルターのそれぞれに対応して、基板(例えば、Si基板)の上に平面状に配列された複数の画素を含む。なお、複数の画素のサイズは、本実施形態では、4.8μm以下の幅(直径)を有するものとする。また、受光素子チップ104は、アルミニウム配線などを含む絶縁層、電気信号伝送部なども含む。更に、受光素子チップ104の絶縁層において、アルミニウム配線に挟まれた領域には、層内レンズや光導波路などを形成してもよい。
オンチップ光学系106は、受光素子チップ104の上に形成され、カラーフィルター102(複数のフィルターのそれぞれ)を通過した光が対応する複数の画素のそれぞれに入射するように、入射光を受光素子チップ104に導光する。オンチップ光学系106は、本実施形態では、受光素子チップ104の複数の画素の全てに対して共通の1つのフレネルレンズ106Aを含んでいる。
フレネルレンズ106Aには、図1(a)に示すように、フレネル輪帯106Aaが形成されている。図1(a)では、フレネルレンズ106Aの半分だけを図示しているが、フレネルレンズ106Aは対称形状を有しているため、フレネル輪帯106Aaは同心円となる。フレネル輪帯106Aaのピッチ(フレネル輪帯幅)は、本実施形態では、4.8μm以上になっている。これにより、上述したように、フレネルレンズ106Aからの回折光に起因する混色を抑えることができる。また、フレネル輪帯106Aaのピッチが1mm以上であれば、固体撮像素子100の製造の再現性を含めて製造を容易にすることができる。例えば、受光素子チップ104の有効画素サイズを36mm×24mmとすると、最大像高は21.6mmである。従って、フレネル輪帯106Aaのピッチが1mmであれば、フレネル輪帯106Aaの数は22となる。換言すれば、フレネル輪帯106Aaの数が22以下であれば、受光素子チップ104の有効画素サイズを36mm×24mmとする固体撮像素子100を容易に製造することが可能となる。
ここで、固体撮像素子100への入射光として、本実施形態では、0.55μm(以下、「λ」とする)の波長を有する緑色の光を例として説明する。λは、比視感度が最も高い波長である。受光素子チップ104の分光感度は、比視感度の分光特性に合わせ込まれ、肉眼で見た場合と違和感がないように調整されている。従って、他の波長(λ以外の波長)は感度が低く、画像への影響も小さいと考えられるため、最も感度が高い波長λにおいて検討する。
また、4.8μmは、λを用いて8.7λと表すことが可能であり、マイクロレンズの内径が8.7λ以下である場合に、1次の回折光が隣接する画素に入射する。換言すれば、マイクロレンズの内径が8.7λを超える場合には、1次の回折光が隣接する画素に入射することが困難である。ここで、マイクロレンズをオンチップ光学系106に置き換えると、オンチップ光学系106のサイズが4.8μmを超える場合には、オンチップ光学系106からの1次の回折光による隣接画素への光の混入、即ち、混色は生じないと言える。
従って、本実施形態の固体撮像素子100においては、4.8μm以下の画素サイズを有する画素に対しては、画素単位のオンチップ光学系を形成しない。また、オンチップ光学系106に含まれるフレネルレンズ106Aのフレネル輪帯幅やフレネルレンズ106Aの分割単位を、8.7λを超えるように設定する。
なお、固体撮像素子からマイクロレンズを取り除くと、モアレが現れる場合がある。結像光学系の焦点面に配置されたマイクロレンズは、像を僅かにボケさせるため、空間周波数ドメインでMTFの高周波成分を低下させ、モアレを防止すると考えられている。このような場合には、ナイキスト周波数以上の像を形成しなければよいため、例えば、固体撮像素子100を適用した撮像システムの光学的ローパスフィルターにおいて、モアレを防止する機能を実現すればよい。
図2(a)は、固体撮像素子100を適用した撮像システム1の概略断面図、図2(b)は、撮像システム1における固体撮像素子100の近傍の部分拡大図である。撮像システム1は、結像光学系10と、絞り20と、クイックリターンミラー30と、固体撮像素子100とを有する。なお、本実施形態では、結像光学系10において、絞り20よりも受光側のレンズ群をレンズ群10Aとする。また、図2(a)において、固体撮像素子100の受光素子チップ104の中央部に入射(集光)する光を垂直入射光L1、固体撮像素子100の受光素子チップ104の周辺部に入射(集光)する光を斜入射光L2とする。
結像光学系10は、撮像システム1に対して着脱可能な光学系であって、クイックリターンミラー30が光路外に配置されている場合に、被写体からの光を受光素子チップ104に結像する。この際、結像光学系10を通過した光は、絞り30で光量が調整される。また、クイックリターンミラー30が光路に配置されている場合には、結像光学系10を通過した光は、クイックリターンミラー30で反射されてファインダー(不図示)に導光される。結像光学系10は、例えば、焦点距離が28mmの広角レンズである。
撮像システム1において、固体撮像素子100のフレネルレンズ106Aは、結像光学系10と共同して、射出テレセントリック光学系を構成する。例えば、以下の3つの手順(第1の手順乃至第3の手順)に従うことで、射出テレセントリック光学系を構成することができる。
第1の手順:絞り20よりも受光側のレンズ群10Aと受光素子チップ104との間において、受光素子チップ104から距離Lの位置にコリメーターレンズを配置する。
第2の手順:結像光学系10の射出瞳距離Pを求める。なお、射出瞳距離とは、結像光学系10の射出瞳(即ち、レンズ群10Aによって形成される絞り20の像の位置)から受光素子チップ104までの距離である。
第3の手順:コリメーターレンズの焦点距離fをf=P−Lとする。これは、コリメーターレンズの焦点位置に絞りを配置することと同じである。
第1の手順乃至第3の手順によって、絞り20を斜めに通過する光は、コリメーターレンズの焦点を通過するため、コリメーターレンズを通過した後には、光軸に対して平行に進む。即ち、射出テレセントリック光学系が構成される。但し、図2(a)に示すように、結像光学系10のレンズ群10Aと受光素子チップ104との間には、クイックリターンミラー30が配置されているため、上述したように、コリメーターレンズを配置することはできない。
そこで、本実施形態では、フレネルレンズ106Aaにコリメーターレンズと同じ機能を持たせる。図2(b)を参照して、フレネルレンズ106Aの機能について詳細に説明する。なお、図2(b)では、説明をわかりやすくするために、フレネルレンズ106Aと受光素子チップ104とを離して図示しているが、上述したように、実際には、オンチップ光学系106として受光素子チップ104の上に形成されている。具体的には、フレネルレンズ106Aと受光素子チップ104との距離は、2μm乃至5μm程度である。
フレネルレンズ106Aの厚さは、無視できる程度に薄いため、絞り20をフレネルレンズ106Aの焦点位置に配置するためには、フレネルレンズ106Aの焦点距離を結像光学系10の射出瞳距離と等しくすればよい。これにより、図2(b)に示すように、フレネルレンズ106Aを通過した斜入射光L2は光軸に平行な光となる。従って、受光素子チップ104の中央部に入射する垂直入射光L1だけではなく、受光素子チップ104の周辺部に入射する斜入射光L2も、受光素子チップ104に対して垂直に入射することになる。なお、厳密にするのであれば、フレネルレンズ106Aの屈折面の位置を正確に求め、かかる位置の厚さに応じて、結像光学系10の射出瞳距離と等しくすればよい。
上述した固体撮像素子100が実現可能であることを数値で示す。まず、受光素子チップ104の有効画素サイズを36mm×24mm(即ち、対角線が43.27mm)とすると、上述したように、最大像高は21.6mmである。結像光学系10の焦点距離を28mmとすると、受光素子チップ104の端部(最も端の位置)である像高21.6mmの点に入射する光の角度θは、被写体の距離を無限大∞とすると、tanθ=21.6/28から、θ=38°となる。
また、結像光学系10を構成するレンズ群10A以外のレンズ群が非結像系(アフォーカル、焦点距離=0mm)、即ち、ビーム幅を縮小するだけの機能を有しているとすると、レンズ群10Aの焦点距離fは28mmとなる。レンズ群10Aと絞り20との距離aを14mmとすると、a=f/2となるため、結像光学系10の射出瞳距離は、4×a=56mmとなる。従って、フレネルレンズ106Aの焦点距離fを56mmにすればよい。なお、フレネルレンズ106Aは平凸レンズであるため、かかる平凸レンズの凸部の曲率半径を求めればよく、焦点距離fに相当する曲率半径r1は、屈折率をnとして、f×(n−1)で求めることができる。
最大像高に相当するフレネルレンズ106Aの端部に入射する光の入射角θi、屈折角θrは以下の式5及び式6で表される。
θi=90−52+sin−1(21.6/R)=38+sin−1(21.6/r1) ・・・(式5)
θr=sin−1(sinθi/n) ・・・(式6)
式5及び式6において、屈折率nを、n=1.6、1.8、2.5、2.76とすると、以下に示すように、曲率半径r1、入射角θi、屈折角θrが求まる。
n=1.6のとき: r1=33.6mm、θi=78.0°、θr=37.7°
n=1.8のとき: r1=44.8mm、θi=66.9°、θr=30.7°
n=2.5のとき: r1=84.0mm、θi=52.9°、θr=18.6°
n=2.76のとき: r1=98.6mm、θi=50.7°、θr=16.3°
いずれも実現可能であるが、入射角θiが78°である場合、光が全反射する可能性もあるため、例えば、n=2.76である酸化チタンをフレネルレンズ106Aの材料として選択する。
ここで、図3を参照して、マイクロレンズからの回折光が混色を生じさせる原理と共に、固体撮像素子100の想定レイアウトについて説明する。図3において、130はマイクロレンズ、104aはアルミニウム配線、104bは絶縁層、104cは画素(受光素子)、104dは基板である。アルミニウム配線104a、絶縁層104b、画素104c及び基板104dは、受光素子チップ104を構成する。なお、図3では、マイクロレンズからの回折光が混色を生じさせる原理を説明するために、オンチップ光学系として、受光素子チップ104の上にマイクロレンズ130が配置されている。
カラーフィルター102のRフィルターの中央であるK点に入射した垂直入射光L1は、マイクロレンズ130で回折して隣接するGフィルターの下の画素104cに入射する。ここで、回折角γは、点線KLMと光軸とのなす角度で定義される。Rフィルターの上に配置されたマイクロレンズ130には、その面積に応じて様々な位置に光が入射し、また、それぞれの光は様々な角度で入射するが、ここでは、K点に入射する垂直入射光L1についてだけ考える。垂直入射光L1は、マイクロレンズ130に入射する光の主光線であるため、種々の光の代表と考えてよい。
以下の想定レイアウトに対して、回折角γを数値で示す。
(想定レイアウト)
(1)マイクロレンズ130の下面からアルミニウム配線104aの上面までの距離は2.2μm
(2)アルミニウム配線104aの上面から基板104dの表面までの距離は1.8μm
(3)マイクロレンズ130の下面から基板104dの表面までの距離は4.0μm
(4)マイクロレンズ130の焦点距離fは4.0μm
図3を参照するに、K点からの1次の回折光が隣接する画素104cのM点に入射するためには、直線KLMで定義される点線よりも大きな回折角γが必要となる。上述した想定レイアウトから回折光γを求めると、回折角γ=32°=0.559ラジアンとなる。
式1において、γ=0.559ラジアン、λ=0.55μm、f=4.0μmを与えてDを求めると、D=4.80μmとなる。即ち、マイクロレンズ130の内径が4.8μmである場合、1次の回折光の回折角γ=32°となる。また、式1から明らかであるが、内径Dが小さくなれればなるほど、回折角γは大きくなる。
このように、図3に示す想定レイアウトを設定すれば、オンチップ光学系106のサイズが4.8μmより小さい場合には、1次の回折光が混色を生じさせることがわかる。従って、本実施形態では、オンチップ光学系106として、受光素子チップ104の複数の画素の全てに対して共通の1つのフレネルレンズ106Aを形成し、フレネル輪帯106Aaのピッチを4.8μm以上にしている。これにより、入射光の光量の損失を抑えながら、回折光や散乱光が隣接する画素に入射すること、及びそれに起因する混色を低減することができる。なお、フレネルレンズ106Aを分割して受光素子チップ104の上に形成することも可能であり、このような場合には、フレネルレンズ106Aのサイズが4.8μm以上となる(即ち、分割単位を4.8μm以上にする)ようにすればよい。
また、従来技術ではマイクロレンズが画素の数と同じだけ存在するため、マイクロレンズ間の境界部分も画素の数と同じだけ存在し、光量損失の要因の1つとなっていた。本実施形態では、マイクロレンズ間の境界部分がないため、かかる境界部分での光量損失の可能性が低減する。
なお、結像光学系10が可変焦点光学系を含む場合には、かかる可変焦点光学系が最も短い焦点距離に設定された場合における結像光学系10の射出瞳距離と等しくなるように、フレネルレンズ106Aの焦点距離を設定すればよい。
結像光学系10が可変焦点光学系を含む場合において、結像光学系10の広角端及び望遠端のそれぞれの光路図を図4(a)及び図4(b)に示す。図4(a)において、受光素子チップ104の周辺部に入射する光の主光線と光軸とのなす角をθとする。また、図4(b)において、受光素子チップ104の周辺部に入射する光の主光線と光軸とのなす角をθとする。図4(a)及び図4(b)に示すように、θ>θである。
本実施形態では、結像光学系10が可変焦点光学系を含む場合、最も短い焦点距離(広角端)において、斜入射光が光軸に対して平行になるようにする。広角端の焦点距離が28mmのとき、フレネルレンズ106Aの作用により最大像高21.6mmに結像する斜入射光のθ=38°が光軸に対して平行になるようにする。
一方、望遠端の焦点距離135mmのとき、最大像高21.6mmに結像する斜入射光のθは9.1°である。38°の入射角の光がフレネルレンズ106Aの作用で光軸に対して平行になるようにすると、同じ位置で9.1°の入射角の光は、光軸に対して収束する方向に曲げられる。但し、フレネルレンズ106Aから受光素子チップ104までの距離が、2μm乃至5μm程度であることを考えれば、無視することができる。従って、フレネルレンズ106Aの焦点距離は、結像光学系10が可変焦点光学系を含む場合には、結像光学系10の最も短い焦点距離での射出瞳距離と等しくすればよい。
また、フレネルレンズ106Aには、図5に示すように、フレネル輪帯106Aaの側面部に光を吸収する光吸収部材108を設けるとよい。図5において、L3は、フレネルレンズ106Aのフレネル輪帯106Aaの上面部に入射する斜入射光、L4は、フレネルレンズ106Aのフレネル輪帯106Aaの側面部に入射する斜入射光である。
図5を参照するに、フレネルレンズ106Aのフレネル輪帯106Aaの側面部に入射する斜入射光L4は、点線で示すように、通過したフィルターに対応する画素104cに入射しない。その結果、アルミニウム配線104aなどで反射してフレア光(迷光)となり、隣接する画素104cなどに入射してしまう。そこで、フレネルレンズ106Aのフレネル輪帯106Aaの側面部に光吸収部材108を設けて、斜入射光L4を吸収する。同様に、アルミニウム配線104cの上面部や側面部などにも光を吸収する光吸収部材を設けてもよい。
以上のように、本実施形態の固体撮像素子100によれば、入射光の光量ロスを抑えながら、回折光や散乱光による隣接する画素への混入、及びそれに起因する混色を低減することができる。但し、カラーフィルター102の上にフレネルレンズ106Aのフレネル輪帯106Aaが重なった場合には、フレネル輪帯106Aaの段差のため入射光が遮光されて信号が全く出力しなかったり、偽信号(所謂、モアレ)が出力されてしまったりすることがある。信号が全く出力しない場合には、周囲の画素から出力される信号から電気的に補償するように予め設定すればよい。また、偽信号が出力される場合には、偽信号を電気的に除去し、周囲の画素から出力される信号から電気的に補償するように予め設定してもよいし、フレネルレンズ106Aを溝などで分割して偽信号の発生を光学的に除去してもよい。本実施形態では、ベイヤー配列のカラーフィルター102を用いたが、それ以外のカラーフィルター102でも本発明は適用でき、カラーフィルター102が配置されていない場合にも本発明は適用できる。
図6を参照して、撮像システム1の動作について説明する。図6は、撮像システム1において、撮像処理を行う処理部や処理回路の構成を示す図である。
被写体の光学像は、結像光学系10によって固体撮像素子100(の受光素子チップ104)に結像する。固体撮像素子100から複数チャンネルで出力される撮像信号は、撮像信号処理回路42によって各種の補正、クランプ等の処理が施される。撮像信号処理回路42から複数チャンネルで出力される撮像信号は、A/D変換器44でアナログ−ディジタル変換される。A/D変換器44から出力される画像データは、信号処理部46によって各種の補正、データ圧縮などがなされる。固体撮像素子100、撮像信号処理回路42、A/D変換器44及び信号処理部46は、タイミング発生部48が発生するタイミング信号にしたがって動作する。なお、撮像信号処理回路42、A/D変換器44、信号処理部46及びタイミング発生部48は、固体撮像素子100と同一チップ上に形成されてもよい。
撮像システム1の各部は、全体制御・演算部50によって制御される。撮像システム1は、画像データなどを一時的に記憶するためのメモリ部52と、記録媒体への画像の記録又は読み出しのための記録媒体制御インターフェース(I/F)部54とを備える。記録媒体58は、半導体メモリ等を含んで構成され、着脱が可能である。撮像システム1は、外部のコンピュータ等と通信するための外部インターフェース(I/F)部56を備えてもよい。
撮像システム1においては、ユーザからの撮像の指示に応じて、メイン電源、コントロール系の電源、A/D変換器44等の撮像系回路の電源が順にオンする。その後、露光量を制御するために、全体制御・演算部50が絞り20を開放にする。固体撮像素子100から出力された信号は、撮像信号処理回路42をスルーしてA/D変換器44へ提供される。A/D変換器44は、その信号をA/D変換して信号処理部46に出力する。信号処理部46は、そのデータを処理して全体制御・演算部50に提供し、全体制御・演算部50において露出量を決定する演算を行う。全体制御・演算部50は、決定した露出量に基づいて絞り20を制御する。
次に、全体制御・演算部50は、固体撮像素子100から出力され信号処理部46で処理された信号にから高周波成分を取り出して、高周波成分に基づいて被写体までの距離を演算する。その後、結像光学系10に含まれるレンズを駆動して、合焦か否かを判断する。合焦していないと判断したときは、再びレンズを駆動し、距離を演算する。
そして、合焦が確認された後に本露光が始まる。露光が終了すると、固体撮像素子100から出力された撮像信号は、撮像信号処理回路42において補正等がされ、A/D変換器44でA/D変換され、信号処理部46で処理される。信号処理部46で処理された画像データは、全体制御・演算部50によりメモリ部52に蓄積される。
その後、メモリ部52に蓄積された画像データは、全体制御・演算部50の制御により記録媒体制御I/F部54を介して記録媒体58に記録される。また、画像データは、外部I/F部56を通してコンピュータ等に提供されて処理される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (8)

  1. 複数の画素が配列され、結像光学系からの光を受光する受光素子チップと、
    前記受光素子チップの上に形成され、前記結像光学系からの光が前記複数の画素のそれぞれに入射するように、前記結像光学系からの光を前記受光素子チップに導光するオンチップ光学系と、
    を有し、
    前記オンチップ光学系は、前記複数の画素の全てに対して共通の1つのフレネルレンズを含むことを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記複数の画素のそれぞれは、4.8μm以下の幅を有することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記フレネルレンズの焦点距離は、前記結像光学系の射出瞳から前記受光素子チップまでの距離と等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記結像光学系は、可変焦点光学系を含み、
    前記フレネルレンズの焦点距離は、前記可変焦点光学系が最も短い焦点距離に設定された場合における前記結像光学系の射出瞳から前記受光素子チップまでの距離と等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体撮像素子。
  5. 前記フレネルレンズは、光を吸収する光吸収部材をフレネル輪帯の側面部に有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  6. 前記フレネルレンズのフレネル輪帯幅は、4.8μm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  7. 前記オンチップ光学系と前記受光素子チップとの間に、前記結像光学系からの光を色ごとに分離する複数のフィルターを含むカラーフィルターを更に有することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  8. 被写体の光学像を撮像する撮像システムであって、
    請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子から出力された信号を処理する信号処理部と、
    を有することを特徴とする撮像システム。
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