JP2010272372A - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムにおいて、燃料電池に接続される排出管の内部における残水量を正確に推定して排水制御を行うことにより、排水に要するエネルギを節減する。
【解決手段】燃料電池と、この燃料電池から排出されるガス及び水分を上流側の入口から流入させて下流側の出口から外部に排出させる排出管と、この排出管の内部に残留した水分を強制的に外部に排出させる排水手段と、を備える燃料電池システムであって、排出管の入口付近におけるガス温度と排出管の出口付近におけるガス温度とに基づいて排出管の内部における残水量を推定する残水量推定手段と、残水量推定手段で推定された残水量が所定の許容量を超えた場合に排水手段を駆動して排出管からの排水を実現させる排水制御手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム及びその制御方法に関する。
従来より、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが提案され、実用化されている。かかる燃料電池システムの燃料電池のカソード極側には酸化ガスとしての空気が供給され、燃料電池のアノード極側には燃料ガスとしての水素ガスが供給され、これら空気と水素ガスとの電気化学反応により、電力が生成される。
このような燃料電池システムの発電の際には、燃料電池の内部に水分(水蒸気)が生成される。現在においては、このような水分の排出量を推定したり制御したりする技術が種々提案されている。例えば、燃料電池を構成する電解質膜の湿潤状態を最適に保つため、燃料電池のカソード極側に接続される排出管(排出流路)の排気弁を開閉制御する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、燃料電池システムの循環流路における水分量(アノード極側から排出されるガスに含まれる水分量)を、燃料電池の運転状態に基づいて推定する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開平9−266003号公報 特開2007−242296号公報
ところで、燃料電池のカソード極側に接続される排出管は、発電の際の生成水を重力によって効率良く排出することができるように、上流の入口側(燃料電池との接続部側)から下流の出口側に向けて漸次下方に傾斜するように配置されることが好ましい。しかし、配置スペースが限られる車両搭載用の燃料電池システム等においては、排出管をこのように傾斜させることが困難となって排水の際に重力を利用できない場合がある。かかる場合には、エアコンプレッサ等の排水装置を用いて、排出管の内部に残留した生成水を強制的に排出するようにしていた。
ところが、特許文献1や特許文献2に記載されているような従来の燃料電池システムにおいては、排出管の内部における残水量を正確に推定することができないため、排水装置を必要以上に駆動して多くのエネルギ(燃料)を消費してしまう場合があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池システムにおいて、燃料電池に接続される排出管の内部における残水量を正確に推定して排水制御を行うことにより、排水に要するエネルギを節減することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、この燃料電池から排出されるガス及び水分を上流側の入口から流入させて下流側の出口から外部に排出させる排出管と、この排出管の内部に残留した水分を強制的に外部に排出させる排水手段と、を備える燃料電池システムであって、排出管の入口付近におけるガス温度と排出管の出口付近におけるガス温度とに基づいて排出管の内部における残水量を推定する残水量推定手段と、残水量推定手段で推定された残水量が所定の許容量を超えた場合に排水手段を駆動して排出管からの排水を実現させる排水制御手段と、を備えるものである。
また、本発明に係る制御方法は、燃料電池と、この燃料電池から排出されるガス及び水分を上流側の入口から流入させて下流側の出口から外部に排出させる排出管と、この排出管の内部に残留した水分を強制的に外部に排出させる排水手段と、を備える燃料電池システムであって、排出管の入口付近におけるガス温度と排出管の出口付近におけるガス温度とに基づいて排出管の内部における残水量を推定する残水量推定工程と、残水量推定工程で推定された残水量が所定の許容量を超えた場合に排水手段を駆動させて排出管からの排水を実現させる排水制御工程と、を含むものである。
かかる構成及び方法を採用すると、排出管の入口(燃料電池との接続部)付近及び出口(ガス及び生成水の排出口)付近におけるガス温度に基づいて、排出管における残水量を精度良く推定することができ、その推定した残水量に応じて適切に排水制御を実施することができる。従って、排水手段を適切なタイミングで駆動させることができる(すなわち余分に駆動させる必要がない)ので、排水に要するエネルギ(燃料)を節減することができる。
前記燃料電池システムにおいて、入口付近におけるガス温度と出口付近におけるガス温度との差を低減させるように排出管を構成する(例えば、断熱材で排出管を構成する)ことが好ましい。
かかる構成を採用すると、排出管の入口付近におけるガス温度と出口付近におけるガス温度との差を低減させて、排出管内の残水量を低減することができる。従って、排水装置の駆動時間や駆動回数を低減させることができるので、排水に要するエネルギをさらに節減することができる。
本発明によれば、燃料電池システムにおいて、燃料電池に接続される排出管の内部における残水量を正確に推定して排水制御を行うことにより、排水に要するエネルギを節減することが可能となる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図1に示した燃料電池システムの燃料電池及び排出管の配置構成を説明するための説明図である。 図1に示した燃料電池システムの排水制御方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示した燃料電池システムの排出管の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。本実施形態に係る燃料電池システムは、移動体としての燃料電池車両に搭載された発電システムである。
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1の構成について説明する。
本実施形態に係る燃料電池システム1は、図1に示すように、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池2、酸化ガスとしての空気を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系3、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス配管系4、システムの電力を充放電する電力系5、システム全体を統括制御する制御装置6等を備えている。
燃料電池2は、例えば車載や定置用に好適な固体高分子電解質型で構成され、反応ガスの供給を受けて発電する単電池を所要数積層して構成したスタック構造を有している。燃料電池スタックを構成する単電池は、イオン交換膜からなる電解質の一方の面にカソード極を有し、他方の面にアノード極を有し、さらにカソード極及びアノード極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。セパレータの一方に設けられた酸化ガス流路に酸化ガス(空気)が供給され、他方のセパレータに設けられた燃料ガス流路に燃料ガス(水素)が供給される。酸化ガス及び燃料ガスの供給を受けた単電池において電気化学反応が行われ、これにより燃料電池2は電力を発生する。また、燃料電池2のカソード極からはカソードオフガスが排出される。カソードオフガスには、燃料電池2の電池反応に供した後の酸素オフガスのほか、カソード極で生成される水分(生成水)が含まれる。
なお、燃料電池システム1には図示していない冷媒配管系が設けられており、この冷媒配管系を用いて燃料電池2の内部に冷媒を循環させることにより、燃料電池2の内部の温度が適度に維持される。燃料電池2としては、固体高分子電解質型のほか、燐酸型や熔融炭酸塩型のものを採用することができる。
酸化ガス配管系3は、エアコンプレッサ31、酸化ガス供給流路32、加湿モジュール33、カソードオフガス流路34、バイパス流路35、バイパス弁36、エアコンプレッサ31を駆動するモータM1等を有している。
エアコンプレッサ31は、制御装置6の制御指令で作動するモータM1の駆動力により駆動されて、図示していないエアフィルタを介して外気から取り込んだ酸素(酸化ガス)を燃料電池2のカソード極に供給するものである。酸化ガス供給流路32は、エアコンプレッサ31から供給される酸素を燃料電池2のカソード極に導くためのガス流路である。加湿モジュール33は、酸化ガス供給流路32を流れる低湿潤状態の酸化ガスと、カソードオフガス流路34を流れる高湿潤状態のカソードオフガスと、の間で水分交換を行い、燃料電池2に供給される酸化ガスを適度に加湿する。カソードオフガス流路34は、カソードオフガス及び生成水をシステム外に排気するためのガス流路であり、後述する排出管30(図2)によって形成される。なお、カソードオフガス流路34のカソード極出口付近には、図示していない背圧弁が配設されており、制御装置6がこの背圧弁の開閉動作を制御することにより、カソードオフガス流路34を流通するカソードオフガスの圧力が調整される。
バイパス流路35は、酸化ガス供給流路32を流れる酸化ガスの一部を、燃料電池2をバイパスして、カソードオフガス流路34へと導くものである。バイパス流路35には、バイパス弁36が設けられている。バイパス流路35を流通する酸化ガスの流量は、バイパス弁36によって調整される。制御装置6がバイパス弁36の開閉動作を制御することにより、エアコンプレッサ31から供給される空気が酸化ガス供給流路32からバイパス流路35を経由してカソードオフガス流路34へと導入され、これにより、カソードオフガス流路34(排出管30)の内部に残留した生成水が排出される。すなわち、エアコンプレッサ31、バイパス流路35及びバイパス弁36は、本発明における排水手段を構成する。
本実施形態においては、図2に示すように、燃料電池2の側方に、カソードオフガス流路34を形成する排出管30を取り付けている。排出管30は、燃料電池2の側方から水平方向に延在するように形成された水平部30aと、水平部30aの下流側端部に連接され下流側になるに従って鉛直方向上方に延在するように形成された第一傾斜部30bと、第一傾斜部30bの下流側端部に連接され下流側になるに従って鉛直方向下方に延在するように形成された第二傾斜部30cと、から構成されている。なお、図2においては、加湿モジュール33や背圧弁の図示を省略している。
排出管30の入口(燃料電池2に接続される上流側の開口)30d付近には、この入口30d付近におけるカソードオフガスの温度(入口ガス温度)を検出するための入口ガス温度センサT1が設けられている。一方、排出管30の出口(カソードオフガスや生成水が排出される下流側の開口)30e付近には、この出口30e付近におけるカソードオフガスの温度(出口ガス温度)を検出するための出口ガス温度センサT2が設けられている。また、排出管30の水平部分30aの下流側端部には、図2に示すように、排出管30の内部に残留する生成水を一時的に溜める貯水バッファ30fが設けられている。
なお、排出管30を断熱材で構成することにより、排出管30の入口30d付近におけるガス温度(入口ガス温度)と出口30e付近におけるガス温度(出口ガス温度)との差を低減させることができる。このような断熱材の採用による残水量低減効果については、図4を用いて後述する。
燃料ガス配管系4は、燃料ガス供給源41、燃料ガス供給流路42、燃料ガス循環流路43、アノードオフガス流路44、水素循環ポンプ45、逆止弁46、水素循環ポンプ45を駆動するためのモータM2等を有している。
燃料ガス供給源41は、燃料電池2へ水素ガス等の燃料ガスを供給する手段であり、例えば高圧水素タンクや水素貯蔵タンク等によって構成される。燃料ガス供給流路42は、燃料ガス供給源41から放出される燃料ガスを燃料電池2のアノード極に導くためのガス流路であり、そのガス流路には上流から下流にかけてタンクバルブH1、水素供給バルブH2、FC入口バルブH3等の弁が配設されている。タンクバルブH1、水素供給バルブH2及びFC入口バルブH3は、燃料電池2へと燃料ガスを供給(又は遮断)するためのシャットバルブであり、例えば電磁弁によって構成されている。
燃料ガス循環流路43は、未反応燃料ガスを燃料電池2へ還流させるための帰還ガス流路であり、そのガス流路には上流から下流にかけてFC出口バルブH4、水素循環ポンプ45、逆止弁46が各々配設されている。燃料電池2から排出された低圧の未反応燃料ガスは、制御装置6の制御指令で作動するモータM2の駆動力により駆動される水素循環ポンプ45によって適度に加圧され、燃料ガス供給流路42へ導かれる。燃料ガス供給流路42から燃料ガス循環流路43への燃料ガスの逆流は、逆止弁46によって抑制される。アノードオフガス流路44は、燃料電池2から排出された水素オフガスを含むアノードオフガスをシステム外に排気するためのガス流路であり、そのガス流路にはパージバルブH5が配設されている。なお、アノードオフガス流路44内のガスは、図示されていない希釈器によって希釈されるようになっている。
電力系5は、高圧DC/DCコンバータ51、バッテリ52、トラクションインバータ53、補機インバータ54、トラクションモータM3、補機モータM4等を備えている。
高圧DC/DCコンバータ51は、直流の電圧変換器であり、バッテリ52から入力された直流電圧を調整してトラクションインバータ53側に出力する機能と、燃料電池2又はトラクションモータM3から入力された直流電圧を調整してバッテリ52に出力する機能と、を有する。高圧DC/DCコンバータ51のこれらの機能により、バッテリ52の充放電が実現される。また、高圧DC/DCコンバータ51により、燃料電池2の出力電圧が制御される。
バッテリ52は、充放電可能な二次電池(例えばニッケル水素電池等)である。バッテリ52は、図示していないバッテリコンピュータの制御によって余剰電力を充電したり補助的に電力を供給したりすることが可能になっている。燃料電池2で発電された直流電力の一部は、高圧DC/DCコンバータ51によって昇降圧され、バッテリ52に充電される。なお、バッテリ52に代えて二次電池以外の充放電可能な蓄電器(例えばキャパシタ)を採用することもできる。
トラクションインバータ53及び補機インバータ54は、パルス幅変調方式のPWMインバータであり、与えられる制御指令に応じて燃料電池2又はバッテリ52から出力される直流電力を三相交流電力に変換してトラクションモータM3及び補機モータM4へ供給する。トラクションモータM3は、車輪7L、7Rを駆動するためのモータである。補機モータM4は、各種補機類を駆動するためのモータであり、エアコンプレッサ31を駆動するモータM1や水素循環ポンプ45を駆動するモータM2等を総称したものである。
制御装置6は、図示していない車両のアクセル信号等の要求負荷信号、各種操作信号、温度センサT1・T2等の各種センサの検出信号、等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、制御装置6は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで実行することにより、各種制御動作が実現されるようになっている。
具体的には、制御装置6は、アクセルペダル開度を検出する図示されていないアクセルペダルセンサ等から送出される各センサ信号に基づいて、燃料電池2の出力要求電力を算出する。そして、制御装置6は、この出力要求電力に対応する出力電力を発生させるように燃料電池2の出力電圧及び出力電流を制御する。また、制御装置6は、トラクションインバータ53及び補機インバータ54の出力パルス幅等を制御して、トラクションモータM3及び補機モータM4を制御する。
また、制御装置6は、入口ガス温度センサT1で検出した排出管30の入口30d付近におけるガス温度(入口ガス温度)と、出口ガス温度センサT2で検出した排出管30の出口30e付近におけるガス温度(出口ガス温度)と、に基づいて排出管30の内部における残水量を推定する。すなわち、制御装置6は、本発明における残水量推定手段として機能する。また、制御装置6は、推定した排出管30の内部における残水量が所定の許容量を超えた場合に、排水手段(エアコンプレッサ31及びバイパス弁36)を駆動して、排出管30からの排水を実現させる。すなわち、制御装置6は、本発明における排水制御手段としても機能する。
次に、図3のフローチャートを用いて、本実施形態に係る燃料電池システム1の排水制御方法について説明する。
燃料電池システム1の通常運転時においては、燃料電池2のカソード極に空気が供給され、燃料電池2のアノード極に水素ガスが供給され、これら空気と水素ガスとの電気化学反応により電力が発生する。また、かかる電気化学反応に伴い、燃料電池2のカソード極において水分が生成し、この水分が燃料電池2から排出されて排出管30(カソードオフガス流路34)内に流通する。また、燃料電池2から排出された水蒸気が排出管30の内部で凝結して水分となり、この水分が排出されずに排出管30の内部に残留する。本実施形態に係る燃料電池システム1においては、このように排出管30の内部に残留する生成水の排水制御を以下の手順で行う。
まず、制御装置6は、入口ガス温度センサT1で検出した排出管30の入口30d付近におけるガス温度(入口ガス温度)T1と、発電に伴って燃料電池2で生成された水分(生成水)の量と、に基づいて、燃料電池2から排出管30に移動した水分の量(移動水分量)Wfcを算出する(移動水分量算出工程:S1)。発電に伴う生成水量は、燃料電池2の発電量や発電時間に対応するため、これら発電量(又は発電時間)と生成水量との関係を規定したマップ等を用いて算出することができる。そして、入口ガス温度T1と、燃料電池2における生成水量と、に基づいて所定の算出式を用いて移動水分量Wfcを算出することができる。
次いで、制御装置6は、入口ガス温度センサT1で検出した入口ガス温度T1における水蒸気分圧(入口分圧)Pt1を算出する(入口分圧算出工程:S2)。また、制御装置6は、出口ガス温度センサT2で検出した排出管30の出口30e付近におけるガス温度(出口ガス温度)T2における水蒸気分圧(出口分圧)Pt2を算出する(出口分圧算出工程:S3)。入口分圧Pt1及び出口分圧Pt2は、所定の算出式を用いて算出することができる。
次いで、制御装置6は、移動水分量算出工程S1で算出した移動水分量Wfcと、入口分圧算出工程S2で算出した入口分圧Pt1と、出口分圧算出工程S3で算出した出口分圧Pt2と、に基づいて排出管30の内部における推定残水量Wexを算出する(推定残水量算出工程:S4)。推定残水量算出工程S4においては、以下のような算出式(1)を採用している。
ex=Wfc×{(Pt1−Pt2)/Pt1} (1)
例えば、5時間の運転における移動水分量Wfcが1800cc(6cc/min)であり、入口ガス温度T1が60℃で入口分圧Pt1が19.8kPaであり、出口ガス温度T2が50℃で出口分圧Pt2が12.2kPaである場合には、推定残水量Wexは約690ccと算出される。なお、移動水分量算出工程S1、入口分圧算出工程S2、出口分圧算出工程S3及び推定残水量算出工程S4は、本発明における残水量推定工程を構成する。
続いて、制御装置6は、推定残水量算出工程S4で算出した推定残水量Wexが所定の許容量Wrefを超えたか否かを判定する(残水量判定工程:S5)。そして、制御装置6は、残水量判定工程S5において推定残水量Wexが許容量Wrefを超えたものと判定した場合に、排水手段(エアコンプレッサ31及びバイパス弁36)を駆動して、排出管30からの排水を実現させる(排水工程:S6)。一方、制御装置6は、残水量判定工程S5において推定残水量Wexが許容量Wref以下であると判定した場合に、移動水分量算出工程S1に戻ってそれ以降の工程を繰り返す。残水量判定工程S5及び排水工程S6は、本発明における排水制御工程を構成する。
残水量判定工程S5においては、許容量Wrefを貯水バッファ30fの容量と同一量に設定する(すなわち貯水バッファ30fが生成水で充填された場合に排水を開始させる)ことができる。例えば、前記したように入口ガス温度T1と出口ガス温度T2の差が10℃であり5時間の運転における推定残水量Wexが約690ccと算出された場合において、貯水バッファ30fの容量(許容量Wref)を100ccとすると、排水手段の駆動回数は約7回(約43分に1度)となる。
次に、本実施形態に係る燃料電池システム1の排出管30を断熱材で構成した場合の残水量低減効果について説明する。
排出管30を断熱材で構成することにより、排出管30の入口30d付近におけるガス温度と出口30e付近におけるガス温度との差を低減させることができる。例えば、断熱性の合成樹脂である発泡ポリスチレン(熱伝導率k:0.038W/(m・k))を用いて、押出成形により、図4に示すような円筒状の排出管30(内径r:0.02m、断熱材厚さth:0.026m、長さL:3m)を構成した場合における残水量低減効果について説明する。
排出管30の熱抵抗Rは、以下の算出式(2)を用いて算出することができる。
R=th/(k×2πrL) (2)
ここで、「th=0.026、k=0.038、r=0.02、L=3」を算出式(2)に代入すると、「R=1.82(K/W)」と算出される。
次に、排出管30の入口ガス温度をT1(℃)、外気温をT0(℃)、排出管30の内部におけるガス流量をN(mol/sec)とすると、出口ガス温度T2(℃)は以下の算出式(3)を用いて算出することができる(αは正定数)。
2={T1×(α×N×R−1)+2T0}/(1+α×N×R) (3)
ここで、「T1=60、T0=20、N=0.2、R=1.82、α=5×8.31」を算出式(3)に代入すると、「T2=328(K)=55(℃)」と算出される。
このように発泡ポリスチレン製の排出管30を採用すると、入口ガス温度T1と出口ガス温度T2の差が「5℃」に抑制されることとなった。出口ガス温度T2が55℃である場合には、出口分圧Pt2は15.6kPaと算出される。5時間の運転における移動水分量Wfcが1800cc(6cc/min)、入口ガス温度T1が60℃で入口分圧Pt1が19.8kPa、出口ガス温度T2が55℃で出口分圧Pt2が15.6kPaである場合における推定残水量Wexは、算出式(1)により、約382ccと算出される。許容量Wrefを100ccとすると、駆動回数は約4回(約75分に1度)となる。すなわち、入口ガス温度T1と出口ガス温度T2の差が10℃の場合(駆動回数が約7回)と比較すると、排水手段の駆動回数はほぼ半減されることとなる。
以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1においては、排出管30の入口30d付近及び出口30e付近におけるガス温度に基づいて、排出管30の内部における残水量を精度良く推定することができ、その推定した残水量に応じて適切に排水制御を実施することができる。従って、排水手段を適切なタイミングで駆動させることができる(すなわち余分に駆動させる必要がない)ので、排水に要するエネルギ(燃料)を節減することができる。
また、以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1において、発泡ポリスチレン等の断熱材で排出管30を構成すると、排出管30の入口30d付近におけるガス温度と出口30e付近におけるガス温度との差を低減させることができ、排出管30内の残水量を低減させることができる。従って、排水手段の駆動回数を低減させることができるので、排水に要するエネルギをさらに節減することができる。
なお、以上の実施形態においては、断熱材として発泡ポリスチレンを採用した例を示したが、断熱材はこれに限られるものではない。また、以上の実施形態においては、排水手段として、エアコンプレッサ31とバイパス流路35とバイパス弁36とを採用した例を示したが、排出管30の内部に残留した生成水を外部に排出することができるものであれば、いかなる構成を採用してもよい。
また、以上の実施形態においては、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両に搭載した例を示したが、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)に本発明に係る燃料電池システムを搭載することもできる。また、本発明に係る燃料電池システムを、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用してもよい。
また、以上の実施形態においては、発電に伴って水分を生成する燃料電池と、この燃料電池から排出される水分を流通させる排出管と、を備えるシステムに本発明を適用した例を示したが、燃料電池の他にも、作動時に発熱して水蒸気を発生するような装置(例えば原動機等)を備えるシステムにも本発明を適用することが可能である。
1…燃料電池システム、2…燃料電池、6…制御装置(残水量推定手段、排水制御手段)、30…排出管、30d…(排出管の)入口、30e…(排出管の)出口、31…エアコンプレッサ(排水手段)、35…バイパス流路(排水手段)、36…バイパス弁(排水手段)。

Claims (4)

  1. 燃料電池と、前記燃料電池から排出されるガス及び水分を上流側の入口から流入させて下流側の出口から外部に排出させる排出管と、前記排出管の内部に残留した水分を強制的に外部に排出させる排水手段と、を備える燃料電池システムであって、
    前記排出管の前記入口付近におけるガス温度と前記排出管の前記出口付近におけるガス温度とに基づいて前記排出管の内部における残水量を推定する残水量推定手段と、
    前記残水量推定手段で推定された残水量が所定の許容量を超えた場合に前記排水手段を駆動させて前記排出管からの排水を実現させる排水制御手段と、を備える、
    燃料電池システム。
  2. 前記排出管は、前記入口付近におけるガス温度と前記出口付近におけるガス温度との差を低減させるように構成されてなる、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記排出管は、断熱材で構成されてなる、
    請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 燃料電池と、前記燃料電池から排出されるガス及び水分を上流側の入口から流入させて下流側の出口から外部に排出させる排出管と、前記排出管の内部に残留した水分を強制的に外部に排出させる排水手段と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    前記排出管の前記入口付近におけるガス温度と前記排出管の前記出口付近におけるガス温度とに基づいて前記排出管の内部における残水量を推定する残水量推定工程と、
    前記残水量推定工程で推定された残水量が所定の許容量を超えた場合に前記排水手段を駆動させて前記排出管からの排水を実現させる排水制御工程と、を含む、
    燃料電池システムの制御方法。
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