JP2010267473A - 同軸線路及び同軸コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】広い周波数帯域において、信号の反射を抑制できる同軸線路及び同軸コネクタを提供することである。
【解決手段】内導体14aは、外導体12a内を延在し、かつ、外径r1を有している。内導体14bは、外導体12b内を延在し、かつ、外径r1よりも小さな外径r2を有している。内導体14cは、外導体12a内を延在し、かつ、外径r1より小さく外径r2よりも大きい外径r3を有している。内導体14dは、外導体12a内を延在し、かつ、外径r2と等しい外径r4を有している内導体であって、内導体14bと内導体14cとの間に設けられている。領域A1の特性インピーダンスZ1は、領域A2の特性インピーダンスZ2と等しく、かつ、領域A3の特性インピーダンスZ3及び領域A4の特性インピーダンスZ4よりも小さい。
【選択図】図2

Description

本発明は、同軸線路及び同軸コネクタに関し、より特定的には、筒状の外導体と、該外導体内を延在する内導体からなる同軸線路及び同軸コネクタに関する。
従来の一般的な同軸コネクタとしては、例えば、図9に示すものが挙げられる。図9は、従来の同軸コネクタ510の断面構造図である。図4(b)は、同軸コネクタ510に発生する電気力線を示した図である。図6は、同軸コネクタ510の等価回路図である。
同軸コネクタ510は、図9に示すように、外導体512、内導体514及び絶縁体516により構成されている。
外導体512は、外導体512a,512bにより構成され、接地電位が印加される。外導体512aは、内径R11を有する円筒である。外導体512bは、外導体512aに接続され、内径R11よりも小さな内径R12を有する円筒である。
内導体514は、内導体514a,514b,514cにより構成され、高周波信号が伝送される。内導体514aは、外径r11を有する円柱であり、外導体512a内を延在している。内導体514bは、外径r11よりも小さな外径r12を有する円柱であり、外導体512b内を延在している。内導体514cは、外径r12を有する円柱であり、内導体514a,514bに接続され、外導体512a内を延在している。絶縁体516は、樹脂等の絶縁性材料により形成され、外導体512と内導体514との間に設けられて、外導体512と内導体514とを絶縁している。
以上のような構成を有する同軸コネクタ510は、外導体の径が異なる2つの同軸線路を接続する際に用いられる。そこで、内導体514aが延在している領域A11と内導体514bが延在している領域A12との間で信号の反射が発生しないように、領域A11の特性インピーダンスと領域A12の特性インピーダンスとが等しくなるように構成されている。具体的には、内径R11に対する外径r11の比の値と、内径R12に対する外径r12の比の値とが等しくなるように構成されている。
ところで、同軸コネクタ510では、図9に示すように、内導体514の外径が外径r11から外径r12に変化している。そのため、内導体514には、角部E10が形成されてしまう。角部E10が形成されると、図4(b)に示すように、角部E10以外の部分から発生する電気力線e10は、内導体514に直交する方向に放射状に発生するのに対し、角部E10から発生する電気力線e11は、内導体514に直交する方向から曲がった方向に発生する。すなわち、内導体514a,514bが延在している領域A11,A12では、TMモードの電磁界が発生しているのに対して、内導体514cが延在している領域A13では、準TMモードの電磁界が発生している。領域A13にて準TMモードの電磁界が発生している原因は、角部E10と外導体512との間において容量成分Cが発生しているためである。このような容量成分Cが発生すると、領域A11,A12と領域A13との間のインピーダンス整合が崩れてしまい、領域A13において信号の反射が発生してしまう。
そこで、同軸コネクタ510では、以下に説明する方法により、信号の反射を抑制している。より詳細には、同軸コネクタ510の等価回路図は、図6(a)に示される。すなわち、領域A11,A12は、特性インピーダンスZ0(例えば、50Ω)を有している。一方、領域A13は、内導体514cの外径が外径r12であり、外導体512aの外径が内径R11あるので、特性インピーダンスZ0よりも大きな特性インピーダンスZwを有している。また、内導体514a及び内導体514cの境界と、外導体512との間には、容量成分Cが発生している。
図6(a)のような等価回路では、特性インピーダンスZwは、特性インピーダンスZ0とインダクタンス成分Lwとが直列に接続されたものとみなすことができる。そして、インダクタンス成分Lwと容量成分CとからなるLC回路が特性インピーダンスZ0と等しい特性インピーダンスを有するように、同軸コネクタ510が設計される。これにより、領域A13において信号の反射が発生することが抑制される。
ところで、同軸コネクタ510では、広い周波数帯域において、信号の反射を抑制することが望まれている。
なお、従来の同軸コネクタとしては、例えば、特許文献1に記載の同軸コネクタが知られている。該同軸コネクタでは、相対的に大きな径を有する内導体の前後に相対的に小さな径を有する内導体を配置することが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の同軸コネクタでは、外導体の内径は一定である。故に、特許文献1には、広い周波数帯域において、信号の反射を抑制する構成についての記載は存在しない。
特開平7−201419号公報
そこで、本発明の目的は、広い周波数帯域において、信号の反射を抑制できる同軸線路及び同軸コネクタを提供することである。
本発明の一形態に係る同軸線路及び同軸コネクタは、筒状の外導体、及び、該外導体と絶縁された状態で該外導体内を延在する内導体からなる同軸線路であって、前記外導体は、第1の内径を有する第1の外導体と、前記第1の外導体に接続され、かつ、前記第1の内径よりも小さな第2の内径を有している第2の外導体と、を含み、前記内導体は、前記第1の外導体内を延在し、かつ、第1の外径を有している第1の内導体と、前記第2の外導体内を延在し、かつ、前記第1の外径よりも小さな第2の外径を有している第2の内導体と、前記第1の外導体内を延在し、かつ、前記第1の外径以下であって前記第2の外径よりも大きい第3の外径を有している第3の内導体であって、前記第1の内導体に接続されている第3の内導体と、前記第1の外導体内を延在し、かつ、前記第2の外径以上であって第3の外径よりも小さい第4の外径を有している第4の内導体であって、前記第2の内導体と前記第3の内導体との間に設けられている第4の内導体と、を含み、前記第1の内導体が設けられている第1の領域の第1の特性インピーダンスは、前記第2の内導体が設けられている第2の領域の第2の特性インピーダンスと等しく、かつ、前記第3の内導体が設けられている第3の領域の第3の特性インピーダンス及び前記第4の内導体が設けられている第4の領域の第4の特性インピーダンスよりも小さいこと、を特徴とする。
本発明によれば、広い周波数帯域において、信号の反射を効果的に抑制できる。
本発明の一実施形態に係る同軸コネクタの外観斜視図である。 図1の同軸コネクタのA−Aにおける断面構造図である。 図1の同軸コネクタの絶縁体及び内導体の外観斜視図である。 図4(a)は、図1の同軸コネクタに発生する電気力線を示した図である。図4(b)は、図9の同軸コネクタに発生する電気力線を示した図である。 図1の同軸コネクタの等価回路図である。 図9の同軸コネクタの等価回路図である。 変形例に係る同軸コネクタの断面構造図である。 その他の実施形態に係る同軸コネクタの断面構造図である。 従来の同軸コネクタの断面構造図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る同軸線路を備えた同軸コネクタについて図面を参照しながら説明する。
(回路基板の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係る同軸コネクタの構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る同軸コネクタ10の外観斜視図である。図2は、図1の同軸コネクタ10のA−Aにおける断面構造図である。図3は、同軸コネクタ10の絶縁体16及び内導体14の外観斜視図である。
同軸コネクタ10は、図2に示すように、外導体12、内導体14及び絶縁体16により構成されている。
外導体12は、図1及び図2に示すように、外導体12a,12bにより構成され、接地電位が印加される。外導体12aは、内径R1を有する円筒である。外導体12bは、外導体12aに接続され、内径R1よりも小さな内径R2を有する円筒である。また、外導体12aの外周面及び外導体12bの外周面にはそれぞれ、図1に示すように、ねじ山20a,20bが設けられている。これにより、同軸コネクタ10は、図示しない相手方コネクタに固定される。
内導体14は、図2及び図3(b)に示すように、内導体14a〜14dにより構成され、高周波信号が伝送される。内導体14は、外導体12と絶縁された状態で外導体12内を延在している。
内導体14aは、外径r1を有する円柱であり、外導体12a内を延在している。内導体14bは、外径r1よりも小さな外径r2を有する円柱であり、外導体12b内を延在している。内導体14cは、外径r1よりも小さく外径r2よりも大きい外径r3を有する円柱であり、内導体14aに接続され、外導体12a内を延在している。内導体14dは、外径r2と等しい外径r4を有する円柱であり、内導体14bと内導体14cとの間に接続され、外導体12a内を延在している。
また、内導体14aの端部は、図2及び図3(b)に示すように、その外径が外径r1よりも小さくなるように、加工されている。より詳細には、内導体14aの端部には、穴H1が形成されている。これにより、内導体14aの端部は、薄肉の円筒構造をなしている。そして、内導体14aの端部には、該内導体14aが延在している方向に延びるスリットS1が形成されている。このスリットS1は、図3(b)の上下方向から内導体14aが加圧されることにより、図2に示すように、三角形状をなしている。これにより、内導体14aの端部の外径は、外径r1よりも小さくなっている。以上のような構造を有する内導体14aでは、相手方コネクタの内導体が穴H1に挿入されたときに、内導体14aの内周面が相手方コネクタの内導体に圧接するようになる。これにより、相手方コネクタの内導体が内導体14aに確実に電気的に接続される。
また、内導体14bの端部は、図2及び図3(b)に示すように、その外径が外径r2よりも小さくなるように、加工されている。より詳細には、内導体14bの端部には、穴H2が形成されている。これにより、内導体14bの端部は、薄肉の円筒構造をなしている。そして、内導体14bの端部には、該内導体14bが延在している方向に延びるスリットS2が形成されている。このスリットS2は、図3(b)の上下方向から内導体14bが加圧されることにより、図2に示すように、三角形状をなしている。これにより、内導体14bの端部の外径は、外径r2よりも小さくなっている。以上のような構造を有する内導体14bでは、相手方コネクタの内導体が穴H2に挿入されたときに、内導体14bの内周面が相手方コネクタの内導体に圧接するようになる。これにより、相手方コネクタの内導体が内導体14bに確実に電気的に接続される。
絶縁体16は、樹脂等の絶縁性材料(例えば、PTFE)により形成され、外導体12と内導体14との間に設けられて、外導体12と内導体14とを絶縁している。より詳細には、絶縁体16は、絶縁体16a,16bにより構成されている。絶縁体16aは、図2に示すように、外径R1を有する円筒である。また、絶縁体16aは、内径r1,r3,r4を有している。絶縁体16bは、図2に示すように外径R2を有する円筒である。また、絶縁体16bは内径r2を有している。
以上のような外導体12、内導体14及び絶縁体16は、以下の手順により組み立てられる。より詳細には、絶縁体16a側の孔から内導体14を絶縁体16内に挿入する。この際、内導体14bが絶縁体16b内に位置し、内導体14a,14c,14dが絶縁体16a内に位置するように、内導体14を絶縁体16に対して押し込む。次に、外導体12a側の孔から絶縁体16を外導体12内に挿入する。この際、内導体14bが外導体12b内に位置し、内導体14a,14c,14dが外導体12a内に位置するように、絶縁体16を外導体12に対して押し込む。これにより、図1に示す同軸コネクタ10が完成する。
以上のような同軸コネクタ10では、図2に示すように、内導体14aが設けられている領域を領域A1と定義し、内導体14bが設けられている領域を領域A2と定義し、内導体14cが設けられている領域を領域A3と定義し、内導体14dが設けられている領域をA4と定義する。そして、内径R1に対する外径r1の比の値は、内径R2に対する外径r2の比の値と等しい。よって、領域A1の特性インピーダンスZ1は、領域A2の特性インピーダンスZ2と等しい。更に、内径R1に対する外径r1の比の値は、内径R1に対する外径r3,r4の比の値よりも大きい。よって、領域A1の特性インピーダンスZ1は、領域A3,A4の特性インピーダンスZ3,Z4よりも小さい。
また、領域A3の長さL3と領域A4の長さL4との合計は、内導体14内を伝送される信号の内、最も高い周波数の信号の波長の4分の1以下である。
以下に、同軸コネクタ10の設計値の一例を列挙する。
r1:1.27mm
r2:0.86mm
r3:0.98mm
r4:0.86mm
R1:4.25mm
R2:2.88mm
L3(領域A3の長さ):0.3mm
L4(領域A4の長さ):0.3mm
絶縁体16の比誘電率:2.1
(効果)
以上のように構成された同軸コネクタ10は、以下に説明するように、信号の反射を抑制できる。図4(a)は、同軸コネクタ10に発生する電気力線を示した図である。図5は、同軸コネクタ10の等価回路図である。
同軸コネクタ10では、図2に示すように、内導体14の外径が外径r4から外径r3に変化している。そのため、内導体14には、図4(a)に示すように、角部E1が形成されてしまう。角部E1が形成されると、図4(a)に示すように、角部E1以外の部分から発生する電気力線e1は、内導体14に直交する方向に放射状に発生するのに対し、角部E1から発生する電気力線e2は、内導体14に直交する方向から曲がった方向に発生する。すなわち、領域A1,A2,A3では、TMモードの電磁界が発生しているのに対して、領域A4では、準TMモードの電磁界が発生している。領域A4にて準TMモードの電磁界が発生している原因は、角部E1と外導体12との間において容量成分Cが発生しているためである。このような容量成分Cが発生すると、領域A1,A2と領域A4,A3との間のインピーダンス整合が崩れてしまい、領域A3,A4において信号の反射が発生してしまう。
そこで、同軸コネクタ10では、以下に説明する方法により、信号の反射を抑制している。より詳細には、同軸コネクタ10の等価回路図は、図5(a)に示される。すなわち、領域A1,A2はそれぞれ、特性インピーダンスZ1,Z2(例えば、50Ω)を有している。一方、領域A3,A4は、内導体14c,14dの外径が外径r3,r4であり、外導体12aの外径が内径R1あるので、特性インピーダンスZ1よりも大きな特性インピーダンスZ3,Z4を有している。また、内導体14cと内導体14dとの境界には、容量成分Cが発生している。
図5(a)のような等価回路では、特性インピーダンスZ3,Z4はそれぞれ、特性インピーダンスZ0(=Z1,Z2)とインダクタンス成分Lw1,Lw2とが直列に接続されたものとみなすことができる。インダクタンス成分Lw1,Lw2はそれぞれ、特性インピーダンスZ3,Z4から特性インピーダンスZ0を引くことによって得られる。ただし、これらは単なる引き算ではなく、スミスチャートを用いた計算により求められる。インダクタンス成分Lw1,Lw2の計算については、一般的な計算方法であるので説明を省略する。
そして、インダクタンス成分Lw1,Lw2と容量成分CとからなるT型LC回路が特性インピーダンスZ0と等しくなるように、同軸コネクタ10が設計される。すなわち、Z0=√((Lw1+Lw2)/C)が成立するように、同軸コネクタ10が設計される。これにより、領域A3,A4において信号の反射が発生することが抑制される。
なお、インダクタンス成分Lw1とインダクタンス成分Lw2とは、等しいことが望ましい。これにより、領域A3,A4における信号の反射を効果的に抑制できる。
更に、同軸コネクタ10では、以下に説明するように、同軸コネクタ510に比べて、広い周波数帯域において、信号の反射を抑制できる。より詳細には、従来の同軸コネクタ510では、図6に示すように、インダクタンス成分Lwと容量成分Cとにより、インピーダンス整合が測られている。すなわち、同軸コネクタ510では、1つのコイルと1つのコンデンサの2素子からなるLC回路により、インピーダンス整合がとられている。
一方、同軸コネクタ10では、図5に示すように、インダクタンス成分Lw1,Lw2と容量成分Cとにより、インピーダンス整合がとられている。すなわち、同軸コネクタ10では、2つのコイルと1つのコンデンサの3素子からなるLC回路により、インピーダンス整合がとられている。
ここで、信号の反射を抑制できる帯域幅は、素子数とVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)との積に比例する。よって、VSWRを一定とした場合には、素子数が多いほど、信号の反射を抑制できる帯域幅が広くなる。よって、同軸コネクタ10では、同軸コネクタ510に比べて、広い周波数帯域において、信号の反射を抑制できるといえる。
また、同軸コネクタ10では、以下の理由によっても、信号の反射を抑制できる。より詳細には、同軸コネクタ10では、領域A3の長さL3と領域A4の長さL4との合計は、内導体14内を伝送される信号の内、最も高い周波数の信号の波長の4分の1以下である。そのため、領域A3,A4において、定在波が発生することが抑制される。その結果、領域A3,A4において、信号の反射が発生することが抑制される。
(変形例)
以下に、変形例に係る同軸コネクタ10aについて図面を参照しながら説明する。図7は、同軸コネクタ10aの断面構造図である。
同軸コネクタ10と同軸コネクタ10aとの相違点は、同軸コネクタ10では外導体12と内導体14との間は全て絶縁体16によって絶縁されているのに対して、同軸コネクタ10aでは外導体12と内導体14との間は絶縁体16及び空気によって絶縁されている点である。以下により詳細に説明する。
同軸コネクタ10aでは、図7に示すように、領域A3において、絶縁体16は、内径r1を有している。よって、内導体14cと絶縁体16との間に隙間Gが存在する。すなわち、外導体12aと内導体14cとの間は、絶縁体16と空気によって絶縁されている。
以上のような構成によっても、同軸コネクタ10aでは、同軸コネクタ10と同様に、同軸コネクタ510に比べて、広い周波数帯域において信号の反射を抑制できる。
また、同軸コネクタ10では、絶縁体16は、3種類の内径を有しているのに対して、同軸コネクタ10aでは、絶縁体16は、2種類の内径しか有していない。よって、同軸コネクタ10aの絶縁体16は、同軸コネクタ10の絶縁体16よりも容易に作製することが可能である。
(その他の実施形態)
本発明に係る同軸コネクタは、同軸コネクタ10,10aに限らず、その要旨の範囲内において設計変更可能である。以下に、その他の実施形態に係る同軸コネクタについて図面を参照しながら説明する。図8は、その他の実施形態に係る同軸コネクタ10b,10cの断面構造図である。
同軸コネクタ10,10aでは、領域A3の特性インピーダンスZ3を、領域A1の特性インピーダンスZ1よりも大きくするために、内導体14cの外径r3を、内導体14aの外径r1よりも小さくしていた。しかしながら、領域A3の特性インピーダンスZ3を、領域A1の特性インピーダンスZ1よりも大きくする方法はこれに限らない。
同軸コネクタ10bでは、図8(a)に示すように、内導体14cの外径r3は、内導体14aの外径r1と等しい。その代わりに、領域A3,A4における外導体12aの内径R1'は、領域A1における外導体12aの内径R1よりも大きい。これにより、内径R1に対する外径r1の比の値は、内径R1'に対する外径r3の比の値より大きくなる。よって、領域A1の特性インピーダンスZ1は、領域A3の特性インピーダンスZ3よりも小さくなる。故に、同軸コネクタ10bでも、同軸コネクタ10と同様に、同軸コネクタ510に比べて、広い周波数帯域において、信号の反射を抑制できる。
また、同軸コネクタ10cでは、図8(b)に示すように、内導体14cの外径r3は、内導体14aの外径r1と等しい。その代わりに、領域A3,A4における絶縁体16aの外径R3は、領域A1における絶縁体16aの外径R1よりも小さい。したがって、領域A3,A4において、外導体12aと絶縁体16aとの間には、隙間G'が存在している。すなわち、外導体12aと内導体14c,14dとの間は、絶縁体16aと空気によって絶縁されている。空気の比誘電率は、絶縁体16aの比誘電率よりも小さい。よって、隙間G'が存在することにより、領域A3,A4における外導体12aと内導体14c,14dとの間の比誘電率の平均値は、領域A1における外導体12aと内導体14aとの間の比誘電率の平均値よりも小さくなる。
ここで、同軸線路の特性インピーダンスは、比誘電率の平方根に反比例する。よって、同軸コネクタ10cでは、領域A1における特性インピーダンスZ1は、領域A3の特性インピーダンスZ3よりも小さくなる。故に、同軸コネクタ10cでも、同軸コネクタ10と同様に、同軸コネクタ510に比べて、広い周波数帯域において、信号の反射を抑制できる。
なお、同軸コネクタ10,10a〜10cでは、外径r4は、外径r2と等しいものとした。しかしながら、外径r4の大きさはこれに限らない。外径r4は、外径r2以上であって外径r3よりも小さければよい。ただし、外径r2と外径r4とが等しい場合には、内導体14の加工が容易となる。
なお、同軸コネクタ10,10a〜10cの構造は、同軸コネクタ以外の同軸線路に対して適用されてもよい。
本発明は、同軸線路及び同軸コネクタに有用であり、特に、広い周波数帯域において、信号の反射を抑制できる点において優れている。
A1〜A4 領域
C 容量成分
G,G' 隙間
Lw1,Lw2 インダクタンス成分
10,10a〜10c 同軸コネクタ
12,12a,12b 外導体
14,14a〜14d 内導体
16,16a,16b 絶縁体

Claims (10)

  1. 筒状の外導体、及び、該外導体と絶縁された状態で該外導体内を延在する内導体からなる同軸線路であって、
    前記外導体は、
    第1の内径を有する第1の外導体と、
    前記第1の外導体に接続され、かつ、前記第1の内径よりも小さな第2の内径を有している第2の外導体と、
    を含み、
    前記内導体は、
    前記第1の外導体内を延在し、かつ、第1の外径を有している第1の内導体と、
    前記第2の外導体内を延在し、かつ、前記第1の外径よりも小さな第2の外径を有している第2の内導体と、
    前記第1の外導体内を延在し、かつ、前記第1の外径以下であって前記第2の外径よりも大きい第3の外径を有している第3の内導体であって、前記第1の内導体に接続されている第3の内導体と、
    前記第1の外導体内を延在し、かつ、前記第2の外径以上であって第3の外径よりも小さい第4の外径を有している第4の内導体であって、前記第2の内導体と前記第3の内導体との間に設けられている第4の内導体と、
    を含み、
    前記第1の内導体が設けられている第1の領域の第1の特性インピーダンスは、前記第2の内導体が設けられている第2の領域の第2の特性インピーダンスと等しく、かつ、前記第3の内導体が設けられている第3の領域の第3の特性インピーダンス及び前記第4の内導体が設けられている第4の領域の第4の特性インピーダンスよりも小さいこと、
    を特徴とする同軸線路。
  2. 前記第3の外径は、前記第1の外径よりも小さいこと、
    を特徴とする請求項1に記載の同軸線路。
  3. 前記第3の領域における第1の内径は、前記第1の領域における前記第1の内径よりも大きいこと、
    を特徴とする請求項1に記載の同軸線路。
  4. 前記第3の領域における前記内導体と前記外導体との間の誘電率の平均値は、前記第1の領域における該内導体と該外導体との間の誘電率の平均値よりも小さいこと、
    を特徴とする請求項1に記載の同軸線路。
  5. 前記第3の外径は前記第1の外径と等しいこと、
    を特徴とする請求項3又は請求項4のいずれかに記載の同軸線路。
  6. 前記第3の領域の長さと前記第4の領域の長さとの合計は、前記内導体内を伝送される信号の内、最も高い周波数の信号の波長の4分の1以下であること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の同軸線路。
  7. 前記第3の特性インピーダンスから前記第1の特性インピーダンスを引いて得られる第1のインダクタンス成分、前記第4の特性インピーダンスから該第1の特性インピーダンスを引いて得られる第2のインダクタンス成分、及び、前記第3の領域と前記第4の領域との境界にて発生する容量成分からなるT型LC回路のインピーダンスは、前記第1の特性インピーダンスと等しいこと、
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の同軸線路。
  8. 前記第1のインダクタンス成分と前記第2のインダクタンス成分とは、等しいこと、
    を特徴とする請求項7に記載の同軸線路。
  9. 前記第4の外径は、前記第2の外径と等しいこと、
    を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の同軸線路。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の同軸線路を備えたことを特徴とする同軸コネクタ。
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