JP2010266270A - 周辺物体検出装置、周辺物体検出方法 - Google Patents

周辺物体検出装置、周辺物体検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より正確に周辺物体を検出することができる周辺物体検出装置、周辺物体検出方法を提供する。
【解決手段】周辺物体検出装置1は、所定周期で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射手段2と、対象空間において発生する反射光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、受光された反射光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換手段5と、電荷に基づいて所定周期内の複数の受光期間毎の受光光量を検出する受光光量検出手段と、複数の受光期間毎の受光光量と第一換算式により照射光と反射光の位相差を算出する位相差算出手段と、第二換算式により反射光の輝度を算出する輝度算出手段と、位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出手段と、輝度が所定閾値以上であって相対距離の一定期間内の変動距離が一定変動距離以下である場合に、周辺物体が虚像であると判定する虚像判定手段とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、周辺物体を検出するにあたって、霧や光化学スモッグ、砂煙等の虚像を発生させる検出阻害要因が存在する状況下においても、周辺物体を正確に検出することができる周辺物体検出装置、周辺物体検出方法に関する。
従来から、車両の運転者の負担軽減や安全性の確保を目的として、先行車両と車両との車間距離を検出して車間距離を一定とする駆動又は制動制御を行うACC(Adaptive Cruse Control)や、先行車両や前方の障害物、歩行者との距離を検出して、車間距離が閾値以下となると警報や制動を行うPCS(Pre Crash Safety System)等のシステムが提案されており、これらのシステムにおいては、先行車両や前方の障害物、歩行者を含む周辺物体を検出することが行われている。
このような周辺物体の検出を行うにあたり近年においては、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されているように、TOF(Time Of Flight:飛行時間)が照射光と反射光の位相差に比例して、TOFから距離を換算することができることを原理として、周辺物体との距離と周辺物体の有無を主に検出する周辺物体検出装置を用いることが提案されている。
この周辺物体検出装置においては、ある程度高周波である周波数の逆数の所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射して、対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光を所定周期内において時系列的に連続して複数設定された受光期間において受光し、受光された反射光の受光光量に応じた電荷を生成して、所定周期内の複数の受光期間毎の受光光量を検出するとともに、複数の受光期間毎の受光光量と例えば振幅と位相差に基づく三角関数及び直流成分により構成される換算式に基づいて照射光と反射光の位相差を求め、位相差と光速を用いた換算式に基づいて周辺物体と車両との距離を算出し、周辺物体との相対距離及び周辺物体の有無を検出している。
特許第3906858号公報 特開2006−172210号公報
しかしながら、このような周辺物体検出装置においては、対象空間に霧や光化学スモッグ、砂煙等の検出阻害要因が存在する場合には、照射光が検出阻害要因を構成する粒子により反射されて、周辺物体が例えば先行車両や障害物、歩行者等である場合における反射によるものと同等の反射光が発生して、この反射光を受光すると周辺物体として検出してしまうこととなり、検出した周辺物体が検出阻害要因を構成する粒子によって照射光が反射されることに起因する虚像であるか否かを正確に判定することができず、虚像と実在する周辺物体を区別して検出できないという問題が生じる。
このような正確性に欠ける周辺物体の検出が行われると、例えば上述したシステムにおいて周辺物体と車両との相対距離に基づいて車間距離制御や警報及び制動を行う場合に、実際には存在しない周辺物体を検出することを招くこととなり、より正確に実在する周辺物体の検出を履行することができなくなり、周辺物体の不正確な検出に基づいて、本来必要のない車間距離制御、警報及び制動が行われてしまう事態を招くこととなり、運転者が所望する円滑な運転が実現できないという問題が生じる。
本発明は、上記問題に鑑み、より正確に周辺物体を検出することができる周辺物体検出装置と周辺物体検出方法を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明による第一の周辺物体検出装置は、
所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射手段と、
前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、受光された前記反射光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換手段と、
前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の受光光量を検出する受光光量検出手段と、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出手段と、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の輝度を算出する輝度算出手段と、
前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出手段と、
前記輝度が所定閾値以上であって前記相対距離の一定期間内の変動距離が一定変動距離以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定手段と、
を含むことを特徴とする。
なお、第一の周辺物体検出装置においては、前記輝度を振幅として処理内容を簡略化している。
また、上記の問題を解決するため、本発明による第二の周辺物体検出装置は、
所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射手段と、
前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光及び外乱光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、前記照射光が照射されない停止期間の前記対象空間における外乱光を受光して、受光された前記反射光及び外乱光の受光光量と前記外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換手段と、
前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の前記反射光及び外乱光の受光光量及び前記停止期間の前記外乱光の受光光量を検出する受光光量検出手段と、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第四換算式により前記反射光及び外乱光の直流成分を算出し、前記停止期間の受光光量から前記外乱光の直流成分を算出し、前記反射光及び外乱光の直流成分と前記外乱光の直流成分の差であるオフセット直流成分を算出する直流成分算出手段と、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出手段と、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の振幅を算出して、前記振幅に前記オフセット直流成分を加えて前記反射光の輝度を算出する輝度算出手段と、
前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出手段と、
前記輝度が所定閾値以上であって前記相対距離の一定期間内の変動距離が一定変動距離以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定手段と、
を含むことを特徴としてもよい。
なお、第二の周辺物体検出装置においては、前記輝度を前記振幅と前記オフセット直流成分を加えた値として、前記輝度をより実態に即した値として定義して算出して、前記輝度と前記所定閾値との比較による閾値判定の精度を高める構成としている。また、前記受光期間と前記停止期間は相互に重複しないものとする。
なお、前記第一換算式とは、前記所定周期内の複数の前記受光期間を例えば四つに設定する場合に、受光期間毎の受光光量は、位相差に0、π/2、π、3π/2を加えた値の正弦関数に振幅を乗じて直流成分を加えた四つの式で表され、これらの四つの式を連立方程式として直流成分を消去して位相差について解いて定まる換算式である。
さらに、前記第二換算式とは、これらの四つの式を連立方程式として振幅について解いて定まる換算式である。また、前記第三換算式は、前記相対距離が前記位相差に光速を乗じて二で除した値に相当することを示す換算式である。さらに、前記第四換算式とは、これらの四つの式を連立方程式として直流成分について解いて定まる換算式である。
また、前記相対距離の一定期間内の変動距離とは、相対速度を示す。
あるいは、上記課題を解決するため、本発明による第三の周辺物体検出装置は、
所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射手段と、
前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光及び外乱光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、前記照射光が照射されない停止期間の前記対象空間における外乱光を受光して、受光された前記反射光及び外乱光と前記外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換手段と、
前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の前記反射光及び外乱光の受光光量及び前記停止期間の前記外乱光の受光光量を検出する受光光量検出手段と、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第四換算式により前記反射光及び外乱光の直流成分を算出し、前記停止期間の受光光量から前記外乱光の直流成分を算出し、前記反射光及び外乱光の直流成分と前記外乱光の直流成分の差であるオフセット直流成分を算出する直流成分算出手段と、
前記オフセット直流成分が所定直流成分より大きい場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定手段と、
を含むことを特徴としてもよい。
なお、第三の前記周辺物体検出装置においては、前記オフセット直流成分の大きさそのものが前記検出阻害要因を構成する粒子が車両前方に存在していることの度合すなわち可能性を示すパラメータであることを利用するものである。
上記の問題を解決するため、本発明による第一の周辺物体検出方法は、
所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射ステップと、
前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、受光された前記反射光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換ステップと、
前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の受光光量を検出する受光光量検出ステップと、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出ステップと、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の輝度を算出する輝度算出ステップと、
前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出ステップと、
前記輝度が所定閾値以上であって前記相対距離の一定期間内の変動距離が一定変動距離以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定ステップと、
を含むことを特徴とする。
なお、第一の周辺物体検出方法においては、前記輝度を振幅として処理内容を簡略化している。
また、上記の問題を解決するため、本発明による第二の周辺物体検出方法は、
所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射ステップと、
前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光及び外乱光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、前記照射光が照射されない停止期間の前記対象空間における外乱光を受光して、受光された前記反射光及び外乱光の受光光量と前記外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換ステップと、
前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の前記反射光及び外乱光の受光光量及び前記停止期間の前記外乱光の受光光量を検出する受光光量検出ステップと、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第四換算式により前記反射光及び外乱光の直流成分を算出し、前記停止期間の受光光量から前記外乱光の直流成分を算出し、前記反射光及び外乱光の直流成分と前記外乱光の直流成分の差であるオフセット直流成分を算出する直流成分算出ステップと、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出ステップと、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の振幅を算出して、前記振幅に前記オフセット直流成分を加えて前記反射光の輝度を算出する輝度算出ステップと、前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出ステップと、
前記輝度が所定閾値以上であって前記相対距離の一定期間内の変動距離が一定変動距離以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定ステップと、
を含むことを特徴としてもよい。
なお、第二の周辺物体検出方法においては、前記輝度を前記振幅と前記オフセット直流成分を加えた値として、前記輝度をより実態に即した値として定義して算出した上で、前記輝度と前記所定閾値との比較による閾値判定の精度及び虚像判定の精度を高める構成としている。また、前記受光期間と前記停止期間は相互に重複しないものとする。
なおここでも、前記第一換算式とは、前記所定周期内の複数の前記受光期間を例えば四つに設定する場合に、受光期間毎の受光光量は、位相差に0、π/2、π、3π/2を加えた値の正弦関数に振幅を乗じて直流成分を加えた四つの式で表され、これらの四つの式を連立方程式として直流成分を消去して位相差について解いて定まる換算式であって、前記第二換算式とは、これらの四つの式を連立方程式として振幅について解いて定まる換算式である。また、前記第三換算式は、前記相対距離が前記位相差に光速を乗じて二で除した値に相当することを示す換算式である。さらに、前記第四換算式とは、これらの四つの式を連立方程式として直流成分について解いて定まる換算式である。
あるいは、上記課題を解決するため、本発明による第三の周辺物体検出方法は、
所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射ステップと、
前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光及び外乱光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、前記照射光が照射されない停止期間の前記対象空間における外乱光を受光して、受光された前記反射光及び外乱光と前記外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換ステップと、
前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の前記反射光及び外乱光の受光光量及び前記停止期間の前記外乱光の受光光量を検出する受光光量検出ステップと、
複数の前記受光期間毎の受光光量と第四換算式により前記反射光及び外乱光の直流成分を算出し、前記停止期間の受光光量から前記外乱光の直流成分を算出し、前記反射光及び外乱光の直流成分と前記外乱光の直流成分の差であるオフセット直流成分を算出する直流成分算出ステップと、
前記オフセット直流成分が所定直流成分より大きい場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定ステップと、
を含むことを特徴としてもよい。
なお、第三の前記周辺物体検出方法においては、前記オフセット直流成分の大きさそのものが前記検出阻害要因を構成する粒子が車両前方に存在していることの度合すなわち可能性を示すパラメータであることを利用するものである。
本発明によれば、より正確に周辺物体を検出することができる周辺物体検出装置、周辺物体検出方法を提供することができる。
本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態における照射光と反射光の形態を示す模式図である。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態における照射光と反射光の形態を示す模式図である。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態における照射光と反射光の形態を示す模式図である。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態における粒子の濃度が低い場合の反射光の形態を示す模式図である。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態における粒子の濃度が高い場合の反射光の形態を示す模式図である。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態の制御内容に用いられるマップである。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。 本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る周辺物体検出装置の一実施形態を示すブロック図である。図2は、本発明に係る周辺物体検出装置の照射光と反射光の関係を示す模式図である。図3は、検出阻害要因が存在しない場合の照射光と反射光の関係を示す模式図である。図4は、検出阻害要因が存在する場合の照射光と反射光の関係を示す模式図である。
図1に示すように、本実施例1の周辺物体検出装置は、車両用距離画像センサ1により構成される。車両用距離画像センサ1は、発光部2と、制御回路部3と、受光光学系4と、感光部5と、感度制御部6と、電荷集積部7と、電荷取出部8と、画像生成部9とを備えて構成される。
車両用距離画像センサ1には、車両制御ECU10(Electronic Control Unit)が接続されて、車両制御ECU10には、エンジンECU11(Engine Electronic Control Unit)と、ブレーキECU12(Brake Electronic Control Unit)と、変速機ECU13(Transmission Electronic Control Unit)とがCAN(Controller Area Network)等の通信規格により相互に接続され、さらに、車両制御ECU10にはCANを介さないで、ブザー14と警告ランプ15が接続される。ブザー14及び警告ランプ15は、車両のメータパネル又はダッシュパネル等の車両内の運転者の前方に設置される。
車両用距離画像センサ1は、車両のフロントグリル又はフロントバンパーあるいはウインドシールド等の車両の前部に設けられる、例えばレーザ、可視光、赤外線等の光線を用いたレーダであり、車両の前方に位置する先行車両や障害物、歩行者等の周辺物体との相対距離及び周辺物体の有無を以下に述べるように距離画像として検出する。
車両制御ECU10は、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、以下に述べる処理を行う車速検出手段10aと、車両制御手段10bとを構成するものである。
エンジンECU11は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、車両制御ECU10からの指令に基づき、図示しないエンジンのスロットル開度、燃料噴射量、バルブ開閉タイミング、バルブリフト量等のエンジンのクランクシャフトの回転数を変更し得るパラメータを制御して、エンジンの回転数の制御を行って車両の加減速度の制御を行うものである。
ブレーキECU12は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、車両制御ECU10からの指令に基づき、車両の各車輪に設けられた図示しないブレーキ装置を制御して車両の制動を行うとともに、図示しない車輪速センサから車速Vを検出して検出結果を、CANを介して車両制御ECU10に出力するものである。
変速機ECU13は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースとから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものであり、車両制御ECU10からの指令に基づき、ここでは図示しない変速機の変速比のシフト制御を行うものである。
車両制御ECU10の車速検出手段10aは、CANを介してブレーキECU12から車両の車速Vを検出して、車両用距離画像センサ1に車速Vを含むデータフレームを送信する。
車両用距離画像センサ1は、マイクロコンピュータを含み、マイクロコンピュータは、以下に述べる発光源2及び感度制御部6を制御する制御回路部3と、電荷取出部9から受け渡された電荷に基づいて以下に述べる所定の演算処理を行う画像生成部9を構成する。マイクロコンピュータは、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行うものである。
また、車両用距離画像センサ1の感光部5は感光用のCCD(Charge Coupled Device)により構成され、感度制御部6は例えば複数のトランジスタ等により構成される。電荷集積部7、電荷取出部8は水平、垂直方向の転送用のCCDと複数箇所に適宜配置された電極により構成されて、図1中において一点鎖線で示す半導体基板上で適宜組み合わせて構成され、制御回路部3により電極が適宜制御されて、ポテンシャル井戸を適宜の位置において生成することにより、電荷の受け渡し、集積、取出を行う。
発光部2は例えばLEDアレイであって、制御回路部3の制御に基づいて例えば100MHzである所定周期Tの変調信号で強度変調された図2に示すような照射光イを対象空間に照射する。発光部2は照射手段を構成する。
マトリクス状に配置された複数の感光部5は、対象空間において照射光イが反射されることにより発生する図2に示すような照射光イに対して位相差がφである反射光ロをレンズにより構成される受光光学系4を介して、所定周期T内において複数、ここでは四つに設定された受光期間Twにおいて受光し、受光された反射光ロの受光光量に応じた電荷を生成する。つまり、感光部5は光電変換手段を構成する。
感度制御部6は、感光部5で生成された電荷を、受光期間Twにおいては電荷集積部7に受け渡し、受光期間Tw以外の期間においては廃棄する。電荷集積部7は、受け渡された電荷を電荷取出部8に受け渡し、電荷取出部8は受光期間Tw毎に集積された電荷を、画像生成部9に取り出して出力する。
画像生成部9は、受光光量検出手段9a、位相差算出手段9b、輝度算出手段9c、相対距離算出手段9d、虚像判定手段9e、濃度算出手段9fを構成する。画像生成部9の受光光量検出手段9aは、電荷取出部8から受け渡された電荷に基づいて所定周期T内の時系列的にπ/2毎に連続する複数の受光期間Tw毎の受光光量A0=Asinφ+B、A1=Asin(φ+π/2)+B、A2=Asin(φ+π)+B、A3=sin(φ+3π/2)+Bを検出して、画像生成部9の位相差算出手段9bは、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第一換算式:φ=tan−1((A2−A0)/(A3−A1))により照射光イと反射光ロの位相差φを算出する。さらに、画像生成部9の輝度算出手段9cは、複数の受光期間Tw毎の受光光量と第二換算式:A=(A0−B)/sinφにより反射光ロの振幅Aを輝度Kとして算出する。なお、Bは直流成分を示す。
加えて、画像生成部9の相対距離算出手段9dは、位相差φと、位相差φと相対距離Lの関係を示す第三換算式:L=(c×Δt)/2、Δt=T×φ/2π(cは照射光及び反射光の光速、Δtは遅延時間、Tは所定周期)に基づいて周辺物体との相対距離Lを複数の感光部5毎に算出して、距離画像を生成するとともに、相対距離Lを時間について微分処理することにより一定期間内の変動距離ΔLを算出する。
さらに、画像生成部9の虚像判定手段9eは、車両制御ECU10からCANを介して受信したデータフレームから、車両の車速Vを検出し、画像生成部9の輝度算出手段9cは、複数の感光部5に対応させた反射光ロの輝度Kに基づいて、隣接する複数の感光部5における輝度差分ΔKを算出する。なお一定期間は例えば所定周期Tの整数倍の期間と定義する。
画像生成部9の虚像判定手段9eは、輝度Kが所定閾値Kth以上であって相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが一定変動距離ΔLC以下であり、かつ、車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速ΔVC以上であり、かつ、輝度差分ΔKが一定輝度差分ΔKC以下である場合に、周辺物体が虚像であると判定する。上記条件が成立しない場合は、虚像判定手段9eは、周辺物体が虚像でないと判定する。
さらに、画像生成部9は、算出した相対距離Lを含むデータフレームを車両制御ECU10に送信するとともに、虚像判定手段9eが検出された周辺物体が虚像であると判定した場合には、虚像フラグを含むデータフレームを車両制御ECU10に送信する。
さらに、虚像判定手段9eが検出された周辺物体が虚像であると判定した場合には、画像生成部9の濃度算出手段9fは、検出阻害要因を構成する霧等の粒子の濃度Dを位相差φに基づいて算出する。なお検出阻害要因を構成する粒子の濃度Dとは、対象空間の単位体積内の粒子の数で定義される。
つまり、車両用距離画像センサ1においては、図3に示すような、照射光が対象空間における先行車両により反射されて反射光が発生して、反射光を受光した場合における反射光の受光光量に対して、図4に示すような、対象空間において霧等の検出阻害要因による反射光が発生して、反射光を受光した場合においては、輝度Kは所定閾値Kth以上であって先行車両がある場合と同等の強度を有している場合であっても、検出阻害要因を構成する粒子のうち反射に寄与する粒子は、車両から所定距離だけ前方に位置する定まった範囲内に位置する反射面となって、相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが車両の前進に係わらずに一定変動距離ΔLC以下となるという性質を主に利用して、虚像判定を行う。
さらに、車両用距離画像センサ1においては、以下の原理に基づいて、検出阻害要因を構成する粒子の濃度を測定する。図5は濃度が低く薄い場合の反射波の形態を示し、図6は濃度が高く濃い場合の反射波の形態を示す。一般に、図5に示すような、検出阻害要因を構成する粒子の濃度が低い場合の反射波に較べて、図6に示すような濃度が高い場合の反射波は位相が進む性質を有する。
つまり、図7に示すように、位相差φと濃度Dとは線形の比例関係を有する。図7に示す、位相差φと濃度Dの比例関係を示すマップは、実験又はシミュレーションにより予め求め、画像生成部9を構成するマイクロコンピュータのROMに予め格納し記憶させる。虚像判定手段9eにより周辺物体が虚像であると判定された場合には、濃度算出手段9fは、図7に示したマップを用いて、位相差φに基づいて濃度Dを算出して、算出した濃度Dを含むデータフレームを車両制御ECU10に送信する。
車両制御ECU10の車両制御手段10bは、車両用距離画像センサ1から送信されデータフレームに含まれる相対距離Lに基づいて、相対距離Lが警報用閾値LW未満となる場合にはブザー13を鳴動して警報音を発生させて警告ランプ15を点灯して警報を行い、相対距離Lが制動用閾値LB未満となる場合には、エンジンECU11によりエンジンのスロットルバルブの開度を小さくし、燃料噴射量を少なくして図示しないエンジンの回転数を下げ、ブレーキECU12により図示しないブレーキを動作させて制動を行い、変速機ECU13によりシフトダウンを行ってエンジンブレーキを作動させて、車両の速度を減少させる制御を行う。
さらに、車両制御手段10bは、車両用距離画像センサ1から送信されデータフレームに虚像フラグが含まれる場合には、車両の前方には先行車両が存在しないものとみなして、上述した相対距離Lに基づく閾値判定と警報及び制動の実行すなわち車間距離制御を停止する。また、車両制御手段10bは、車両用距離画像センサ1から送信されたデータフレームに含まれる濃度Dが閾値Dthを超える場合には、運転者に徐行又は停止を促す注意音を、警報音とは異なる音色でブザー13により発生させる。
以下、本実施例1の車両用距離画像センサ1の制御内容を、フローチャートを用いて説明する。図8は、本発明による車両用距離画像センサ1の制御内容を示すフローチャートである。
ステップS1において、発光部2は制御回路部3の制御に基づいて所定周期Tの変調信号で強度変調された図2に示すような照射光イを対象空間に照射して、ステップS2において、マトリクス状に配置された複数の感光部5は、対象空間において照射光イが反射されることにより発生する図2に示すような照射光イに対して位相差がφである反射光ロをレンズにより構成される受光光学系4を介して、所定周期T内において四つに設定された受光期間Twにおいて受光し、受光された反射光の受光光量に応じた電荷を生成する。
ステップS3において、画像生成部9の受光光量検出手段9aは、電荷に基づいて所定周期T内の複数の受光期間Tw毎の受光光量A0、A1、A2、A3を検出し、ステップS4において、画像生成部9の位相差算出手段9bは、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第一換算式:
φ=tan−1((A2−A0)/(A3−A1))
により照射光と反射光の位相差φを算出し、画像生成部9の輝度算出手段9cは、複数の受光期間Tw毎の受光光量と第二換算式:
A=(A0−B)/sinφ
により反射光の輝度K=振幅Aを算出し、画像生成部9の相対距離算出手段9dは、位相差φと、位相差φと相対距離Lの関係を示す第三換算式:
L=(c×Δt)/2、Δt=T×φ/2π
に基づいて周辺物体との相対距離Lを複数の感光部5毎に算出する。
ステップS5において、画像生成部9の輝度算出手段9cは、複数の感光部5に対応させた反射光ロの輝度Kから、隣接する複数の感光部5における輝度差分ΔKを算出して、一定期間内の変動距離ΔLを算出する。なお、ステップS5における変動距離ΔLは実質的に車両と周辺物体との相対速度を指すので、相対距離Lの微分値dL/dtを相対速度として算出する。
ステップS6において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、車両制御ECU10からCANを介して、車両の車速Vを検出し、ステップS7において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、一定期間内の変動車速ΔVを算出する。
ステップS8において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、輝度Kが所定閾値Kth以上であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS9にすすみ、否定である場合にはステップS14にすすむ。
ステップS9において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが一定変動距離ΔLC以下であり、かつ、車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速ΔVC以上であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS10にすすみ、否定である場合にはステップS14にすすむ。
さらに、ステップS10において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、輝度差分ΔKが一定輝度差分ΔKC以下であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS11にすすみ、否定である場合には、ステップS14にすすむ。
ステップS11において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、周辺物体が虚像であると判定し、ステップ12にすすんで、画像生成部9の濃度算出手段9fは、濃度Dを位相差φと図7のマップに基づいて算出し、ステップS13において、画像生成部9は、虚像フラグと濃度Dを含むデータフレームを車両制御ECU10に送信する。
ステップS14においては、画像生成部9は、周辺物体が霧等の検出阻害要因による虚像ではないと判定する。
以上述べたステップS1からステップS14の一連の処理は車両用距離画像センサ1が含むマイクロコンピュータのスペックにより定まるある演算周期毎に実行されて、本発明に係わる第一の周辺物体検出方法の、照射ステップ、光電変換ステップ、受光光量検出ステップ、位相差算出ステップ、輝度算出ステップ、相対距離算出ステップ、虚像判定ステップ、濃度算出ステップが繰り返し実行される。
以上述べた制御内容により実現される本実施例1の第一の周辺物体検出装置及びそれにより実行される第一の周辺物体検出方法によれば、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、検出した周辺物体が霧等の検出阻害要因を構成する粒子による虚像であるか否かを、輝度K、相対距離L、車速V等の既知かつ取得が容易なパラメータに基づいて容易且つ正確に判定することができるので、周辺物体が虚像、つまり、ゴーストである場合には、相対距離Lに基づく警報や制動等の車間距離制御を停止して、本来必要でない制御を予め停止することができ、より円滑な運転を実現することができる。
さらに、本実施例1の第一の周辺物体検出装置においては、虚像判定手段9eが、車両の車速Vを検出し、車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速VC以上である場合に、周辺物体が虚像であると判定することとしているので、変動距離Lが一定変動距離ΔLC以下であるか否かとの判定と併せて、以下のような作用効果を得ることができる。
つまり、照射光が対象空間において反射されて反射光が発生して、光電変換手段が反射光を受光しても、対象空間における反射が検出阻害要因を構成する複数の粒子によるものであって虚像が発生している場合においては、車両の車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速ΔVC以上であっても、相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが車両の加速又は減速を伴う前進に係わらずに一定変動距離LC以下となるという性質を利用した虚像判定を行うことができる。すなわち、変動車速ΔVが一定車速ΔVC以上で、変動距離ΔLが一定変動距離ΔLC以下である場合には、虚像判定手段9eは検出された周辺物体は虚像であると判定する。
換言すれば、周辺物体が実際に存在する先行車両、障害物、歩行者等の物体であれば、車両が加速又は減速した場合には、相対距離Lは短く又は長くなり変動距離ΔLは大きくなるが、周辺物体が検出阻害要因を構成する粒子による虚像であれば相対距離Lは変化しないという性質を利用して、変動車速ΔVが一定車速ΔVC以上で、変動距離ΔLが一定変動距離ΔLCである場合には、虚像判定手段9eは検出された周辺物体は虚像であると判定することで、虚像判定の精度を更に高めることができる。
すなわち、本実施例1の周辺物体検出装置の虚像判定手段9eは、輝度Kが所定閾値Kth以上であって相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが一定変動距離LC以下であること、に加えて、車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速VC以上である場合に、周辺物体が虚像であると判定することとして判定要素として車速Vを加味することにより、周辺物体が虚像であるか否かの判定の精度をより高めることができる。
さらに、本実施例1の周辺物体検出装置においては、光電変換手段5を複数含み、輝度算出手段9cが反射光の輝度Kを複数の光電変換手段に対応させて複数算出して、複数算出された輝度Kに基づいて隣接する複数の光電変換手段5間の輝度差分ΔKを算出するとともに、虚像判定手段9eが、輝度差分ΔKが一定輝度差分ΔKC以下である場合に、周辺物体が虚像であると判定することとしているので、以下のような作用効果が得られる。なお輝度差分ΔKはコントラストを示す。
つまり、本実施例1の周辺物体検出装置においては、照射光が対象空間において反射されて反射光が発生して、光電変換手段5が反射光を受光した場合において、対象空間における反射が検出阻害要因による場合においては、検出阻害要因を構成する粒子は先行車両や障害物、歩行者等の本来対象とすることを所望する周辺物体に較べてより広い範囲に離散的に分布しており、検出される周辺物体の外縁が不明瞭となるため、検出阻害要因以外の周辺物体を検出した場合に較べて、外縁における輝度差分ΔKが小さくなり一定輝度差分ΔKC以下となる性質を利用して、虚像判定手段9eは周辺物体が虚像であるか否かを判定することができる。
すなわち、虚像判定手段9eは、反射光が検出阻害要因によるものである場合における輝度差分ΔKが一様に小さくなることを利用して、周辺物体が検出されても輝度差分ΔKを用いた判定を行うことにより、周辺物体が虚像であると判定する判定精度をより高めることができる。
さらに、本実施例1の周辺物体検出装置においては、虚像判定手段9eが、周辺物体が虚像であると判定する場合に、検出阻害要因を構成する粒子の濃度Dを算出する濃度算出手段9fを含むこととし、濃度算出手段9fが、位相差φに基づいて検出阻害要因を構成する粒子の濃度Dを算出することとしているので、以下のような作用効果を得ることができる。なお、位相差φに換えて相対距離Lを用いてもよい。相対距離Lと濃度Dの関係も、図7に示したマップと同様の線形な比例関係を有する。
つまり本実施例1の周辺物体検出装置においては、濃度Dを算出するにあたって、位相差φと、図7に示した位相差φが濃度Dに比例する性質に基づいて濃度Dを算出することができるので、従来のコントラストを用いた濃度の算出に較べて、算出に必要なパラメータを減少させて、計算をより単純化することができる。
また、従来複雑な演算が必要であった検出阻害要因を構成する粒子の濃度Dをより簡単な手法により演算することができるので、濃度Dを含むデータフレームを車両制御ECU10に適宜伝送することにより、車両制御ECU10により車両内の運転者に対して適宜減速、徐行を促す案内を報知し、場合によっては停止を促す警報等を行い、車両制御ECU10による車両制御をより充実したものとすることができる。
なお、ここで本実施例1の周辺物体検出装置においては、以下に述べる実施例2及び実施例3と同様に、虚像を発生させる検出阻害要因は、霧、光化学スモッグ、砂煙のいずれかを含むものとしている。
なお、図8に示したフローチャートにおいて、車両用距離画像センサ1が車速VをCAN上で検出することが困難である場合、又は、制御をより簡略化する要請がある場合等には、図9に示すように、ステップS6、ステップS7を省略して、ステップS9の後段の変動車速ΔVの閾値判定を省略することもできる。
上述した実施例1においては、画像生成部9の虚像判定手段9eは、振幅Aを輝度Kとみなして、輝度Kが所定閾値Kthであるか否かの判定を行うことにより、周辺物体が虚像であるか否かの判定を行っているが、より厳密には輝度Kは、反射光の直流成分Bと外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffset=B−Boffに振幅Aが加算されたものとすることが好ましいことを考慮して、輝度K=振幅A+オフセット直流成分Boffsetと定義して、閾値判定を行うこともできる。以下それについての実施例2について述べる。
本実施例2の周辺物体検出装置の、基本的なハード構成は実施例1の図1〜図7に示したものと同様であるため、共通する構成要素については同一の符号を付して説明する。本実施例2の周辺物体検出装置においても、車両用距離画像センサ1の感光部5は感光用のCCDにより構成され、感度制御部6は例えば複数のトランジスタ等により構成される。
また、電荷集積部7、電荷取出部8は水平、垂直方向の転送用のCCDと複数箇所に適宜配置された電極により構成されて、図1中に一点鎖線で示す半導体基板上で適宜組み合わせて構成され、制御回路部3により電極が適宜制御されて、ポテンシャル井戸を適宜の位置において生成することにより、電荷の受け渡し、集積、取出を行う。
発光部2は実施例1と同様に例えばLEDアレイであって、制御回路部3の制御に基づいて例えば100MHzの変調周波数により定まる所定周期Tの変調信号で強度変調された図2に示すような照射光イを対象空間に照射する。マトリクス状に配置された複数の感光部5は、対象空間において照射光イが反射されることにより発生する図2に示すような照射光イに対して位相差がφである反射光ロを対象空間から放射される外乱光とともにレンズにより構成される受光光学系4を介して、所定周期T内において複数、ここでは四つに設定された受光期間Twにおいて受光し、受光された反射光ロ及び外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する。
また、制御回路部3の停止期間制御に基づいて、照射手段である発光部2が対象空間に照射光を照射しない停止期間Tsを設定し、この停止期間Tsを図2に示した複数の受光期間Twのうち、位相差φを算出するにあたって用いる隣接する四つの受光期間Tw以外の受光期間Twに同期させることとする。
感度制御部6は、停止期間Tsに同期されない受光期間Twにおいては感光部5で生成された電荷を、電荷集積部7に受け渡し、受光期間Tw以外の期間においては廃棄する。電荷集積部7は、受け渡された電荷を電荷取出部8に受け渡し、電荷取出部8は受光期間Tw毎に集積された電荷を、画像生成部9に取り出して出力する。
停止期間Tsに同期させた受光期間Twにおいて、対象空間から入射された外乱光を、感光部5は受光光学系4を介して受光して、受光された外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する。感度制御部6は、感光部5で生成された外乱光に対応する電荷を、電荷集積部7に受け渡し、電荷集積部7は受け渡された電荷をさらに電荷取出部8に受け渡し、電荷取出部8は停止期間Tsに同期させた受光期間Twにおいて集積された電荷を画像生成部9に取り出して出力する。
実施例2においても、発光部2は照射手段を構成し、感光部5は光電変換手段を構成する。また、実施例2においては、画像生成部9は直流成分算出手段9gを実施例1に示したものに追加して有しており、画像生成部9は受光光量検出手段9a、位相差算出手段9b、直流成分算出手段9g、輝度算出手段9c、相対距離算出手段9d、虚像判定手段9e、濃度算出手段9fを構成する。
画像生成部9の受光光量検出手段9aは、電荷に基づいて所定周期T内の複数の受光期間Tw毎の受光光量A0=Asinφ+B、A1=Asin(φ+π/2)+B、A2=Asin(φ+π)+B、A3=sin(φ+3π/2)+Bを検出し、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第一換算式:
φ=tan−1((A2−A0)/(A3−A1))
により照射光イと反射光ロの位相差φを算出する。
さらに、画像生成部9の直流成分算出手段9gは停止期間Tsに同期させた受光期間Twにおいて集積された電荷により外乱光の直流成分Boffを算出し、第四換算式:
B=(A0+A2)/2
により反射光及び外乱光の直流成分Bを算出し、反射光及び外乱光の直流成分Bと外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffset=B−Boffを算出する。
加えて、画像生成部9の輝度算出手段9cは、複数の受光期間Tw毎の受光光量と第二換算式:
A=(A0−B)/sinφ
により反射光ロの振幅Aを算出し、振幅Aにオフセット直流成分Boffsetを加えて輝度K=A+Boffsetを算出する。
さらに、画像生成部9の相対距離算出手段9dは、位相差φと、位相差φと相対距離Lの関係を示す第三換算式:
L=(c×Δt)/2、Δt=T×φ/2π(cは照射光及び反射光の光速、Δtは遅延時間、Tは所定周期)
に基づいて周辺物体との相対距離Lを複数の感光部5毎に算出して、距離画像を生成するとともに、一定期間内の変動距離ΔLを算出する。
さらに、画像生成部9の虚像判定手段9eは車両制御ECU10からCANを介して受信したデータフレームから、車両の車速Vを検出し、画像生成部9の輝度算出手段9cは、複数の感光部5に対応させた反射光ロの輝度Kに基づいて、隣接する複数の感光部5における輝度差分ΔKを算出する。なお一定期間は例えば所定周期Tの整数倍の期間とする。
画像生成部9の虚像判定手段9eは、輝度Kが所定閾値Kth以上であって相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが一定変動距離ΔLC以下であり、かつ、車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速ΔVC以上であり、かつ、輝度差分ΔKが一定輝度差分ΔKC以下である場合に、周辺物体が虚像であると判定する。上記条件が成立しない場合には、虚像判定手段9eは周辺物体が虚像でないと判定する。
画像生成部9は、算出した相対距離Lを含むデータフレームを車両制御ECU10に送信するとともに、周辺物体が虚像であると判定した場合には、より正確な輝度Kに基づいた正確な判定に基づく虚像フラグを含むデータフレームを車両制御ECU10に送信する。
さらに、周辺物体が虚像であると判定した場合には、画像生成部9の濃度算出手段9fは、実施例1と同様に、検出阻害要因を構成する粒子の濃度Dを位相差φに基づいて算出する。なおここでも濃度Dとは、対象空間における単位体積内の検出阻害要因を構成する粒子の数で定義される。
つまり本実施例2においても、車両用距離画像センサ1においては、図3に示すような、照射光が対象空間における先行車両により反射されて反射光が発生して、反射光及び外乱光を受光した場合における反射光の受光光量に対して、図4に示すような、対象空間において霧等の検出阻害要因を構成する粒子による反射光が発生して、反射光及び外乱光を受光した場合においては、受光光量すなわち輝度Kは、ピーク値が所定閾値Kth以上であって先行車両がある場合と同等の強度を有していても、検出阻害要因を構成する粒子のうち反射に寄与する粒子は、車両の前方のある定まった範囲に分布的に位置する粒子となって、相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが車両の前進に係わらずに一定変動距離ΔLC以下となるという性質を主に利用して、虚像判定を行う。
さらに、実施例1と同様に本実施例2における車両用距離画像センサ1においても、図5に示すような、検出霜害要因を構成する粒子の濃度が低い場合の反射波に較べて、図6に示すような検出阻害要因を構成する粒子の濃度が高い場合の反射波は位相が進む性質を有しており、図7のマップに示したように、位相差φと濃度Dとは比例関係を有するため、この性質を利用して、周辺物体が虚像であると判定された場合には、図7に示したマップに基づいて、位相差φに基づいて濃度Dを算出して、算出した濃度Dを含むデータフレームを車両制御ECU10に送信する。
車両制御ECU10の車両制御手段10bは、車両用距離画像センサ1から送信されデータフレームに含まれる相対距離Lに基づいて、相対距離Lが警報用閾値LW未満となる場合にはブザー13を鳴動して警報音を発生させて警告ランプ15を点灯して警報を行い、相対距離が制動用閾値LB未満となる場合には、エンジンECU11によりエンジンのスロットルバルブの開度を小さくし、燃料噴射量を少なくしてエンジンの回転数を下げ、ブレーキECU12によりブレーキを動作させて制動を行い、変速機ECU13によりシフトダウンを実行してエンジンブレーキを作用させて、車両の速度を減少させるように車間距離制御を行う。
さらに、車両制御手段10bは、車両用距離画像センサ1から送信されデータフレームにより正確に判定された虚像フラグが含まれる場合には、上述した相対距離Lに基づく閾値判定と警報及び制動の実行を停止する。また、車両制御手段10bは、車両用距離画像センサ1から送信されたデータフレームに含まれる濃度Dが閾値Dthを超える場合には、運転者に徐行又は停止を促す警報音とは音色の異なる注意音をブザー13により発生させる。
以下、本実施例2の車両用距離画像センサ1の制御内容を、フローチャートを用いて説明する。図10は、本発明による車両用距離画像センサ1の制御内容を示すフローチャートである。
ステップS1において、発光部2は制御回路部3の制御に基づいて所定周期Tの変調信号で強度変調された図2に示すような照射光イを対象空間に照射して、停止期間Tsにおいては照射を停止する。ステップS2において、マトリクス状に配置された複数の感光部5は、対象空間において照射光イが反射されることにより発生する図2に示すような照射光イに対して位相差がφである反射光ロ及び外乱光をレンズにより構成される受光光学系4を介して、所定周期T内において四つに設定された受光期間Twにおいて受光し、所定期間T以外の受光期間Tw=停止期間Tsにおいて外乱光を受光し、受光された反射光及び外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する。
ステップS3において、画像生成部9の受光光量検出手段9aは、電荷に基づいて所定周期T内の複数の受光期間Tw毎の受光光量A0、A1、A2、A3及び停止期間Tsの受光光量Asを検出し、ステップS4において、画像生成部9の位相差算出手段9bは、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第一換算式:φ=tan−1((A2−A0)/(A3−A1))により照射光と反射光の位相差φを算出し、画像生成部9の輝度算出手段9cは、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第二換算式:A=(A0−B)/sinφにより反射光の振幅Aを算出する。
ステップS4において、画像生成部9の相対距離算出手段9dは、位相差φと、位相差φと相対距離Lの関係を示す第三換算式:L=(c×Δt)/2、Δt=T×φ/2πに基づいて周辺物体との相対距離Lを複数の感光部5毎に算出し、画像生成部9の直流成分算出手段9gは、第四換算式:B=(A0+A2)/2により反射光の直流成分Bを算出し、停止期間Tsの受光光量Asから外乱光の直流成分Boffを算出し、反射光及び外乱光の直流成分Bと外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffsetを算出して、振幅Aにオフセット直流成分Boffsetを加えて輝度K=A+Boffsetを算出する。
ステップS5において、画像生成部9の輝度算出手段9cは、複数の感光部5に対応させた反射光ロの輝度Kに基づいて、隣接する複数の感光部5における輝度差分ΔKを算出して、画像生成部9の相対距離算出手段9dは、一定期間内の変動距離ΔLを算出する。なお、ステップS5における一定時間内の変動距離ΔLは実質的に車両と周辺物体との相対速度を指すので、相対距離Lの微分値dL/dtを変動距離ΔLとして算出する。
ステップS6において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、車両制御ECU10からCANを介して、車両の車速Vを検出し、ステップS7において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、一定期間内の変動車速ΔVを算出する。
ステップS8において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、輝度Kが所定閾値Kth以上であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS9にすすみ、否定である場合にはステップS14にすすむ。ステップS9において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが一定変動距離ΔLC以下であり、かつ、車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速ΔVC以上であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS10にすすみ、否定である場合にはステップS14にすすむ。
さらに、ステップS10において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、輝度差分ΔKが一定輝度差分ΔKC以下であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS11にすすみ、否定である場合には、ステップS14にすすむ。
ステップS11において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、周辺物体が虚像であると判定し、ステップ12にすすんで、画像生成部9の濃度算出手段9fは、周辺物体が虚像と判定した場合には、検出阻害要因を構成する粒子の濃度Dを位相差φと図7のマップに基づいて算出し、ステップS13において、画像生成部9は、虚像フラグと濃度Dを含むデータフレームを車両制御ECU10に送信する。ステップS14においては、画像生成部9の虚像判定手段9eは、周辺物体が霧等の検出阻害要因を構成する粒子による虚像ではないと判定する。
以上述べたステップS1からステップS14の一連の処理はある演算周期毎に実行されて、本発明に係わる第二の周辺物体検出方法の、照射ステップ、光電変換ステップ、受光光量検出ステップ、位相差算出ステップ、直流成分算出ステップ、輝度算出ステップ、相対距離算出ステップ、虚像判定ステップ、濃度算出ステップが繰り返し実行される。
以上述べた制御内容により実現される本実施例2の第二の周辺物体検出装置及び周辺物体検出方法によれば、実施例1と同様な作用効果に加えて、輝度Kがオフセット直流成分Boffsetを含むため、より正確に輝度Kの算出を行い、より正確な輝度Kに基づいた閾値判定を行って、より正確な虚像判定を行うことができる。このようなより正確な虚像判定に基づく虚像フラグにより、上述したように警報及び制動の実施を停止することができるので、周辺物体が虚像つまりゴーストである場合をより正確に判定して、相対距離Lに基づく警報や制動等の車間距離制御を停止して、本来必要でない制御を停止する場面をより厳格に限定することができ、より円滑な運転を実現することができる。
なお、実施例1を本実施例2と比較すると、実施例1の第一の周辺物体検出装置及び周辺物体検出方法においては、輝度Kを反射光の振幅Aとしているので、外乱光の影響が大きい環境下において外乱光の直流成分Boffを除去することは担保できており、本実施例2に較べて、外乱光の直流成分Boffを算出すること及び外乱光の直流成分Boffを算出するために、停止期間Tsを設定することを省略することができるので、処理内容を簡略化することができるという利点を有する。
これとは逆に、本実施例2の第二の周辺物体検出装置においては、輝度Kを反射光の振幅Aに、オフセット直流成分Boffsetを加えた値としているので、検出阻害要因による反射においてはオフセット直流成分Boffsetが発生して、輝度が高くなることを考慮した閾値判定を行った上で、より正確な虚像判定を行うことができる。
このため、実施例1と本実施例2のそれぞれで示した周辺物体検出装置及び周辺物体検出方法は想定されるオフセット直流成分Boffsetの輝度Kに対する寄与度の大きさ、要求される虚像判定の正確性に基づいて適宜選択することが好ましい。なお、外乱光の大きさが無視できる状況においては、輝度Kを、反射光の直流成分Bとしてもよく、反射光の直流成分Bからオフセット直流成分Boffsetを減じた値としてもよい。
また、本実施例2の第二の周辺物体検出装置においては、所定周期Tは、照射光の光速を所定周期Tで除した波長λが検出阻害要因と車両との検出距離に相当する波長より十分小さい波長以下となるように設定されており、検出阻害要因を構成する粒子の車両の前後方向の平均位置が数十mであって、検出距離がおよそ30mである場合を想定して、変調信号の変調周波数を100MHz以上とし、所定周期を10−8秒以下とすることにより、反射光及び外乱光の直流成分Bと照射光が照射されない停止期間Tsの外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffsetを十分に発生させて、確実に検出することができる。
このことは、対象空間における反射が検出阻害要因による反射である場合においては、検出阻害要因の存在に伴い、外乱光が存在しないとみなせる場合でも、反射光の直流成分Bは、検出阻害要因を構成する粒子が車両の前方のある定まった範囲に前後方向にある程度の距離に亘って分布しているため各粒子において反射された反射光が合計されると、各粒子の距離毎の距離に応じて定まる各反射光の直流成分が重畳されることに基づいてオフセットされ、反射光及び外乱光の直流成分Bと照射光が照射されない停止期間Tsの外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffsetは所定直流成分BC以上となるという性質を利用するにあたり、所定周期Tを十分高く設定することにより、各反射光の直流成分が重畳される効果が高く設定できて、オフセット直流成分Boffsetを検出可能なレベルに確保することができるに基づく。
上述した本実施例2においては、画像生成部9の虚像判定手段9eは、図10に示すステップS8において、輝度Kが所定閾値Kthであるか否かの判定を行うことにより、周辺物体が虚像であるか否かの判定を行っているが、ステップS8の判定は、反射光の直流成分Bと外乱光の直流成分Boffの差B−Boffつまりオフセット直流成分Boffsetの大きさそのものが検出阻害要因を構成する粒子が車両前方に存在していることの度合すなわち可能性を示すパラメータであることを利用して、オフセット直流成分Boffsetが所定直流成分BC以上であるか否かの判定に置換することができる。以下それについての実施例3について述べる。
本実施例3の周辺物体検出装置は、実施例1と同様に図1に示すように、車両用距離画像センサ1により構成されて、車両用距離画像センサ1は、発光部2と、制御回路部3と、受光光学系4と、感光部5と、感度制御部6と、電荷集積部7と、電荷取出部8と、画像生成部9とを備えて構成される。実施例1と重複する構成要素については同一の符号を付して説明する。
本実施例3においても発光部2は、制御回路部3の制御に基づいて100MHzの変調周波数により定まる所定周期Tの変調信号で強度変調された図2に示すような照射光イを対象空間に照射する。マトリクス状に配置された複数の感光部5は、対象空間において照射光イが反射されることにより発生する図2に示すような照射光イに対して位相差がφである反射光ロを外乱光とともにレンズにより構成される受光光学系4を介して、所定周期T内において複数、ここでは四つに設定された受光期間Twにおいて受光し、受光された反射光ロ及び外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する。
また、実施例2と同様に、制御回路部3の停止期間制御に基づいて、発光部2が対象空間に照射光を照射しない停止期間Tsを設定するとともに、この停止期間Tsを図2に示した複数の受光期間Twのうち、位相差φを算出するにあたって用いる時系列的に隣接する四つの受光期間Tw以外の受光期間Twに同期させる。
感度制御部6は、停止期間Tsに同期されない受光期間Twにおいては感光部5で生成された電荷を、電荷集積部7に受け渡して、受光期間Tw以外の期間においては廃棄するものとし、電荷集積部7は、受け渡された電荷を電荷取出部8に受け渡し、電荷取出部8は受光期間Tw毎に集積された電荷を、画像生成部9に取り出して出力する。
停止期間Tsに同期させた受光期間Twにおいて、対象空間から入射された外乱光のみを、感光部5は受光光学系4を介して受光して、受光された外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する。感度制御部6は、感光部5で生成された外乱光に対応する電荷を、電荷集積部7に受け渡し、電荷集積部7は受け渡された電荷をさらに電荷取出部8に受け渡し、電荷取出部8は停止期間Tsに同期させた受光期間Twにおいて集積された電荷を画像生成部9に取り出して出力する。画像生成部9の直流成分算出手段9gは停止期間Tsに同期させた受光期間Twにおいて集積された電荷により外乱光の直流成分Boffを算出する。
画像生成部9の直流成分算出手段9gは、位相差φを算出するにあたって用いる隣接する四つの受光期間Twの受光光量A0〜A3に基づいて、第四換算式:B=(A0+A2)/2により反射光及び外乱光の直流成分Bを算出する。つまり、本実施例3においても、発光部2は照射手段を構成し、感光部5は光電変換手段を構成し、画像生成部9は受光光量検出手段9a、位相差算出手段9b、直流成分算出手段9g、を構成する。加えて、本実施例3においても、画像生成部9は、輝度算出手段9c、相対距離算出手段9d、虚像判定手段9e、濃度算出手段9fを含む。
さらに、画像生成部9の位相差算出手段9bは、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第一換算式:φ=tan−1((A2−A0)/(A3−A1))により照射光と反射光の位相差φを算出し、画像生成部9の輝度算出手段9cは、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第二換算式:A=(A0−B)/sinφにより反射光の振幅Aを算出し、画像生成部6の直流成分算出手段9gは、第四換算式:B=(A0+A2)/2により反射光及び外乱光の直流成分Bを算出し、停止期間Tsの受光光量Asから外乱光の直流成分Boffを算出して、反射光及び外乱光の直流成分Bと外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffset=B−Boffを算出し、画像生成部9の輝度算出手段9cは、輝度K=振幅A+オフセット直流成分Boffsetを算出し、実施例2と同様の手法により輝度差分ΔKを算出する。
さらに、画像生成部9の相対距離算出手段9dは、実施例1及び実施例2と同様に、位相差φと、位相差φと相対距離Lの関係を示す第三換算式:L=(c×Δt)/2、Δt=T×φ/2πに基づいて周辺物体との相対距離Lを複数の感光部5毎に算出し、変動距離ΔLを算出する。
画像生成部9の虚像判定手段9eは、オフセット直流成分Boffsetが所定直流成分BC以上であって、変動距離ΔLが一定変動距離ΔLC以上であって、車速Vの変動車速ΔVが一定車速ΔVC以上であって、輝度差分ΔKが一定輝度差分ΔKC以下である場合に、周辺物体が虚像であると判定する。
以下、本実施例3の周辺物体検出装置の制御内容についてフローチャートを用いて説明する。図10は本実施例3の周辺物体検出装置が実行するフローチャートであるが、図8に示したものと類似するため、同一のステップ符号を付して説明する。
ステップS1において、発光部2は制御回路部3の制御に基づいて所定周期Tの変調信号で強度変調された図2に示すような照射光イを対象空間に照射して、停止期間Tsにおいては照射を停止する。ステップS2において、マトリクス状に配置された複数の感光部5は、対象空間において照射光イが反射されることにより発生する図2に示すような照射光イに対して位相差がφであって反射光ロ及び外乱光をレンズにより構成される受光光学系4を介して、所定周期T内において四つに設定された受光期間Twにおいて受光し、所定期間T以外の受光期間Tw=停止期間Tsにおいて外乱光を受光し、受光された反射光及び外乱光の受光光量と外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する。
ステップS3において、画像生成部9の受光光量検出手段9aは、電荷に基づいて所定周期T内の複数の受光期間Tw毎の受光光量A0、A1、A2、A3及び停止期間Tsの受光光量Asを検出し、ステップS4において、画像生成部9の位相差算出手段9bは、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第一換算式:φ=tan−1((A2−A0)/(A3−A1))により照射光と反射光の位相差φを算出し、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第二換算式:A=(A0−B)/sinφにより反射光の振幅Aを算出し、画像生成部9の相対距離算出手段9dは、位相差φと、位相差φと相対距離Lの関係を示す第三換算式:L=(c×Δt)/2、Δt=T×φ/2πに基づいて周辺物体との相対距離Lを複数の感光部5毎に算出する。
ステップS4において、画像生成部9の直流成分算出手段9gは、第四換算式:B=(A0+A2)/2により反射光及び外乱光の直流成分Bを算出し、停止期間Tsの受光光量Asから外乱光の直流成分Boffを算出して、反射光及び外乱光の直流成分Bと外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffset=B−Boffを算出する。
ステップS5において、画像生成部9は複数の感光部5に対応させた反射光ロ及び外乱光の輝度K=振幅A+オフセット直流成分Boffsetを算出して、画像生成部9の輝度算出手段9cは、隣接する複数の感光部5における輝度差分ΔKを算出して、一定期間内の変動距離ΔLを算出する。なおここでも、ステップS5における変動距離ΔLは実質的に車両と周辺物体との相対速度を指すので、相対距離Lの微分値dL/dtを変動距離ΔLとして算出する。
ステップS6において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、車両制御ECU10からCANを介して、車両の車速Vを検出し、ステップS7において、画像生成部9は、一定期間内の変動車速ΔVを算出する。
ステップS8において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、反射光及び外乱光の直流成分Bと外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffset=B−Boffが所定直流成分BC以上であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS9にすすみ、否定である場合にはステップS14にすすむ。
ステップS9において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが一定変動距離ΔLC以下であり、かつ、車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速ΔVC以上であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS10にすすみ、否定である場合にはステップS14にすすむ。
さらに、ステップS10において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、輝度差分ΔKが一定輝度差分ΔKC以下であるか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS11にすすみ、否定である場合には、ステップS14にすすむ。
ステップS11において、画像生成部9の虚像判定手段9eは、周辺物体が虚像であると判定し、ステップ12にすすんで、画像生成部9の濃度算出手段9fは、検出阻害要因を構成する粒子の濃度Dを位相差φと図7のマップに基づいて算出し、ステップS13において、画像生成部9は、虚像フラグと粒子の濃度Dを含むデータフレームを車両制御ECU10に送信する。ステップS14においては、画像生成部9の虚像判定手段9eは、周辺物体が霧等の検出阻害要因による虚像ではないと判定する。
以上述べたステップS1からステップS14の一連の処理はある演算周期毎に実行されて、本発明に係わる第三の周辺物体検出方法の、照射ステップ、光電変換ステップ、受光光量検出ステップ、位相差算出ステップ、直流成分算出ステップ、輝度算出ステップ、相対距離算出ステップ、虚像判定ステップ、濃度算出ステップが繰り返し実行される。
以上述べた制御内容により実現される本実施例3の周辺物体検出装置によれば、検出した周辺物体が霧等の検出阻害要因による虚像であるか否かを、反射光の直流成分Bと外乱光の直流成分Boffの差B−Boffであるオフセット直流成分Boffsetに基づいて、容易且つ正確に判定することができるので、周辺物体が虚像、つまり、ゴーストである場合には、相対距離Lに基づく警報や制動の制御を停止して、本来必要でない制御を予め停止することができ、より円滑な運転を実現することができる。
つまり、本実施例3に示した第三の周辺物体検出装置においては、照射光が対象空間において反射されて反射光が発生して光電変換手段が反射光及び外乱光を受光し、照射手段が照射光を照射しない停止期間Tsにおいて光電変換手段5が外乱光を受光した場合において、対象空間における反射が検出阻害要因による反射である場合においては、外乱光が存在しないとみなせる場合でも、検出阻害要因の存在に伴い、反射光の直流成分Bは、検出阻害要因を構成する粒子が車両の前方のある定まった範囲に前後方向にある程度の距離に亘って分布しているため各粒子において反射された反射光が合計されると、各粒子の距離毎の距離に応じて定まる各反射光の直流成分が重畳されることに基づいてオフセットされ、反射光及び外乱光の直流成分Bと照射光が照射されない停止期間Tsの外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffsetは所定直流成分BC以上となるという性質を利用して、周辺物体が虚像であるか否かを正確に判定することができる。なお、所定直流成分BCは実験又はシミュレーションにより予め定まる正の値である。
また、本実施例3の第三の周辺物体検出装置においては、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第一換算式により照射光イと反射光ロの位相差φを算出する位相差算出手段と、複数の受光期間Tw毎の受光光量A0〜A3と第二換算式により反射光の振幅Aを算出して、振幅Aにオフセット直流成分Boffsetを加えて輝度Kを算出する輝度算出手段9cと、位相差φと第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出手段9dとを含むことで、ステップS9、S10に示した判定要素の追加と制御を併せて実行することを可能としている。
また、本実施例3の第三の周辺物体検出装置においても、所定周期Tは、照射光の光速を所定周期Tで除した波長λが検出阻害要因と車両との検出距離に相当する波長以下となるように設定されている。このため、検出阻害要因を構成する粒子の車両からの前後方向の平均位置が数十mであって、検出距離がおよそ30mである場合を想定して、変調信号の変調周波数を100MHz以上とし、所定周期を10−8秒以下とすることによって、前述した重畳効果を高めて、反射光及び外乱光の直流成分Bと照射光が照射されない停止期間Tsの外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffsetを十分に発生させて、確実に検出することができる。
さらに、本実施例3の周辺物体検出装置においても、虚像判定手段9eが、車両の車速Vを検出し、車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速VC以上である場合に、周辺物体が虚像であると判定することとしているので、反射光及び外乱光の直流成分Bと外乱光の直流成分Boffの差であるオフセット直流成分Boffsetが所定直流成分BC以上であること、相対距離Lの一定期間内の変動距離ΔLが一定変動距離LC以下であること、に加えて、車速Vの一定期間内の変動車速ΔVが一定車速VC以上である場合に、周辺物体が虚像であると判定することとしているので、判定要素として車速Vを加味することとなり、判定精度をより高めることができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
例えば、上述した実施例においては、相対距離Lに基づいて車両の制動制御、車間距離制御を実施するPCSについて本発明の周辺物体検出装置及び周辺物体検出方法を適用することについて述べたが、本発明の周辺物体検出装置及び方法はACC等の駆動、制動を伴って車両を制御する他のシステムに適用することももちろん可能であり、さらに、周辺物体が虚像であるか否かを判定することが重要となる車載機器、その他の機器に適用することも可能である。
本発明は、PCSやACCに適用して好適な周辺物体検出装置及び周辺物体検出方法に関するものであり、霧や光化学スモッグ、砂煙等の検出阻害要因となるある程度広範囲に分布している粒子により虚像つまりゴーストの発生により周辺物体の正確な検出が困難となる状況下においても、より正確に実在する周辺物体と虚像を判別する虚像判定を可能なものとし、より正確に周辺物体を検出することができる周辺物体検出装置及び周辺物体検出方法を提供することができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用して有益なものである。
1 車両用距離画像センサ
2 発光部(照射手段)
3 制御回路部
4 受光光学系
5 感光部(光電変換手段)
6 感度制御部
7 電荷集積部
8 電荷取出部
9 画像生成部
9a 受光光量検出手段
9b 位相差算出手段
9c 輝度算出手段
9d 相対距離算出手段
9e 虚像判定手段
9f 濃度算出手段
9g 直流成分算出手段
10 車両制御ECU
10a 車速検出手段
10b 車両制御手段
11 エンジンECU
12 ブレーキECU
13 変速機ECU
14 ブザー
15 警告ランプ

Claims (20)

  1. 所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射手段と、前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、受光された前記反射光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換手段と、前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の受光光量を検出する受光光量検出手段と、複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出手段と、複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の輝度を算出する輝度算出手段と、前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出手段と、前記輝度が所定閾値以上であって前記相対距離の一定期間内の変動距離が一定変動距離以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定手段とを含むことを特徴とする周辺物体検出装置。
  2. 所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射手段と、前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光及び外乱光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、前記照射光が照射されない停止期間の前記対象空間における外乱光を受光して、受光された前記反射光及び外乱光の受光光量と前記外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換手段と、前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の前記反射光及び外乱光の受光光量及び前記停止期間の前記外乱光の受光光量を検出する受光光量検出手段と、複数の前記受光期間毎の受光光量と第四換算式により前記反射光及び外乱光の直流成分を算出し、前記停止期間の受光光量から前記外乱光の直流成分を算出し、前記反射光及び外乱光の直流成分と前記外乱光の直流成分の差であるオフセット直流成分を算出する直流成分算出手段と、複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出手段と、複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の振幅を算出して、前記振幅に前記オフセット直流成分を加えて前記反射光の輝度を算出する輝度算出手段と、前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出手段と、前記輝度が所定閾値以上であって前記相対距離の一定期間内の変動距離が一定変動距離以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定手段とを含むことを特徴とする周辺物体検出装置。
  3. 所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射手段と、前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光及び外乱光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、前記照射光が照射されない停止期間の前記対象空間における外乱光を受光して、受光された前記反射光及び外乱光と前記外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換手段と、前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の前記反射光及び外乱光の受光光量及び前記停止期間の前記外乱光の受光光量を検出する受光光量検出手段と、複数の前記受光期間毎の受光光量と第四換算式により前記反射光及び外乱光の直流成分を算出し、前記停止期間の受光光量から前記外乱光の直流成分を算出し、前記反射光及び外乱光の直流成分と前記外乱光の直流成分の差であるオフセット直流成分を算出する直流成分算出手段と、前記オフセット直流成分が所定直流成分より大きい場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定手段とを含むことを特徴とする周辺物体検出装置。
  4. 前記複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出手段と、複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の輝度を算出する輝度算出手段と、前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出手段とを含むことを特徴とする請求項3に記載の周辺物体検出装置。
  5. 前記所定周期は、前記照射光の光速を前記所定周期で除した波長が前記検出阻害要因と車両との検出距離に相当する波長以下となるように設定されることを特徴とする請求項2又は4に記載の周辺物体検出装置。
  6. 前記虚像判定手段が、車両の車速を検出し、前記車速の前記一定期間内の変動車速が一定車速以上である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定することを特徴とする請求項1又は5に記載の周辺物体検出装置。
  7. 前記光電変換手段を複数含み、前記輝度算出手段が前記反射光の輝度を複数の前記光電変換手段に対応させて複数算出して、前記複数算出された前記輝度に基づいて隣接する複数の前記光電変換手段間の輝度差分を算出するとともに、前記虚像判定手段が、前記輝度差分が一定輝度差分以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定することを特徴とする請求項6に記載の周辺物体検出装置。
  8. 前記虚像判定手段が、前記周辺物体が虚像であると判定する場合に、前記検出阻害要因を構成する粒子の濃度を算出する濃度算出手段を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の周辺物体検出装置。
  9. 前記濃度算出手段が、前記位相差又は前記相対距離に基づいて前記検出阻害要因を構成する粒子の濃度を算出することを特徴とする請求項8に記載の周辺物体検出装置。
  10. 前記虚像を発生させる検出阻害要因は、霧、光化学スモッグ、砂煙のいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の周辺物体検出装置。
  11. 所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射ステップと、前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、受光された前記反射光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換ステップと、前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の受光光量を検出する受光光量検出ステップと、複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出ステップと、複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の輝度を算出する輝度算出ステップと、前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出ステップと、前記輝度が所定閾値以上であって前記相対距離の一定期間内の変動距離が一定変動距離以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定ステップとを含むことを特徴とする周辺物体検出方法。
  12. 所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射ステップと、前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光及び外乱光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、前記照射光が照射されない停止期間の前記対象空間における外乱光を受光して、受光された前記反射光及び外乱光の受光光量と前記外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換ステップと、前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の前記反射光及び外乱光の受光光量及び前記停止期間の前記外乱光の受光光量を検出する受光光量検出ステップと、複数の前記受光期間毎の受光光量と第四換算式により前記反射光及び外乱光の直流成分を算出し、前記停止期間の受光光量から前記外乱光の直流成分を算出し、前記反射光及び外乱光の直流成分と前記外乱光の直流成分の差であるオフセット直流成分を算出する直流成分算出ステップと、複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出ステップと、複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の振幅を算出して、前記振幅に前記オフセット直流成分を加えて前記反射光の輝度を算出する輝度算出ステップと、前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出ステップと、前記輝度が所定閾値以上であって前記相対距離の一定期間内の変動距離が一定変動距離以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定ステップとを含むことを特徴とする周辺物体検出方法。
  13. 所定周期の変調信号で強度変調された照射光を対象空間に照射する照射ステップと、前記対象空間において照射光が反射されることにより発生する反射光及び外乱光を所定周期内において複数設定された受光期間において受光し、前記照射光が照射されない停止期間の前記対象空間における外乱光を受光して、受光された前記反射光及び外乱光と前記外乱光の受光光量に応じた電荷を生成する光電変換ステップと、前記電荷に基づいて前記所定周期内の複数の前記受光期間毎の前記反射光及び外乱光の受光光量及び前記停止期間の前記外乱光の受光光量を検出する受光光量検出ステップと、複数の前記受光期間毎の受光光量と第四換算式により前記反射光及び外乱光の直流成分を算出し、前記停止期間の受光光量から前記外乱光の直流成分を算出し、前記反射光及び外乱光の直流成分と前記外乱光の直流成分の差であるオフセット直流成分を算出する直流成分算出ステップと、前記オフセット直流成分が所定直流成分より大きい場合に、前記周辺物体が虚像であると判定する虚像判定ステップとを含むことを特徴とする周辺物体検出方法。
  14. 前記複数の前記受光期間毎の受光光量と第一換算式により前記照射光と前記反射光の位相差を算出する位相差算出ステップと、複数の前記受光期間毎の受光光量と第二換算式により前記反射光の輝度を算出する輝度算出ステップと、前記位相差と第三換算式に基づいて周辺物体との相対距離を算出する相対距離算出ステップとを含むことを特徴とする請求項13に記載の周辺物体検出方法。
  15. 前記所定周期は、前記照射光の光速を前記所定周期で除した波長が前記検出阻害要因と車両との検出距離に相当する波長以下となるように設定されることを特徴とする請求項12又は14に記載の周辺物体検出方法。
  16. 前記虚像判定ステップにおいて、車両の車速を検出し、前記車速の前記一定期間内の変動車速が一定車速以上である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定することを特徴とする請求項11又は15に記載の周辺物体検出方法。
  17. 前記輝度算出ステップにおいて、前記反射光の輝度を複数算出して、前記複数算出された前記輝度に基づいて隣接する複数の前記輝度の輝度差分を算出するとともに、前記虚像判定ステップにおいて、前記輝度差分が一定輝度差分以下である場合に、前記周辺物体が虚像であると判定することを特徴とする請求項16に記載の周辺物体検出方法。
  18. 前記虚像判定ステップにおいて、前記周辺物体が虚像であると判定する場合に、前記検出阻害要因を構成する粒子の濃度を算出する濃度算出ステップを含むことを特徴とする請求項16又は17に記載の周辺物体検出方法。
  19. 前記濃度算出ステップにおいて、前記位相差又は前記相対距離に基づいて前記検出阻害要因を構成する粒子の濃度を算出することを特徴とする請求項18に記載の周辺物体検出方法。
  20. 前記虚像を発生させる検出阻害要因は、霧、光化学スモッグ、砂煙のいずれかを含むことを特徴とする請求項11〜19のいずれか一項に記載の周辺物体検出方法。
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