JP2010261515A - 液圧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両に設けた荷台を昇降させるための液圧アクチュエータの作動液の供給源である液圧装置において、荷台に多量の荷物を積載した場合の下降速度を抑制して荷台を一定の速度で降下させ、また、ハンチングの発生による騒音や振動を抑制しつつ、荷台が空の場合の下降速度を確保する。
【解決手段】液圧アクチュエータとタンクとの間に、第1のオリフィス21、及びこの第1のオリフィス21の前後の差圧により駆動される第1の可変絞り弁22を具備する低負荷流量制御部6と、前記低負荷流量制御部6の前記第1のオリフィス21より小径な第2のオリフィス23、及びこの第2のオリフィス23の前後の差圧により駆動される第2の可変絞り弁24を有する高負荷流量制御部7とを具備させるとともに、前記液圧アクチュエータ側の圧力が所定圧力を上回る領域では前記高負荷流量制御部7のみが機能するようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に設けた荷台を昇降させるための液圧アクチュエータへの作動液の供給源である液圧装置に関する。
従来より、車両に設けたテールゲートの荷台を昇降させるための液圧アクチュエータへ作動液を供給する液圧装置において、以下に述べるような要望が存在する。
すなわち、車両に荷物を積み込む際には、荷台を空の状態で下ろし、荷物を荷台に積載して荷台を上昇させる一連の作業が行われるが、この作業を迅速に行うには、荷台を空の状態で下ろす際の下降速度を速くすることが望まれている。その一方で、車両から荷物を下ろす際には、荷台に荷物を積載した状態で荷台を降下させ、荷物を荷台から下ろして荷台を空の状態で上昇させる一連の作業が行われるが、荷物の重さにより荷台が降下するスピードが変化すると危険であるため、荷台を一定の速度で降下させることができるようにすべく制御する必要がある。
このような液圧装置において、アクチュエータからタンクに戻す作動液に流量を調整すべく、従来より、アクチュエータとタンクとの間に流量制御弁が設けられている。従来の液圧装置に用いられる流量制御弁は、例えば図5に一例を示すような構成を有する。図5に示す構成の流量制御弁a4は、オリフィスa21と、このオリフィスa21の前後の差圧により駆動される可変絞り弁a24とを有し、前記オリフィスa21の前後の差圧の上昇につれ前記可変絞り弁a24の開度を減少させて圧力損失を一定に保つ構成を有する。より具体的には、この流量制御弁a4は、アクチュエータに連通する入力ポートa11a及びタンクに連通する出力ポートa11bを有するボディa11と、前記ボディ内a11に摺動可能に嵌装してなるスプールa12と、前記スプールa12を前記入力ポートa11a側に向け付勢する手段たるバネa15とを具備する。なお、前記バネa15の自由端側は前記スプールa12に当接させているとともに、このバネa15の固定端側はボディa11の内部に摺動可能に設けたリテーナa17に当接させている。このリテーナa17のバネa15を受ける側と反対側は、ボディa11に螺着させて設けた調整ねじ部材a18に当接させている。そして、この調整ねじ部材a18をねじ作用により進退させることによりバネa15の付勢力を調整可能にしている。
そして、前記スプールa12の前記入力ポートa11aに望む面にこのスプールa12の内部と外部とを連通する前記オリフィスa21を設けているとともに、このスプールa12の側面に前記出力ポートa11bと連通する流出口a12bを設け、この流出口a12bと前記出力ポートa11bとの相対位置、より具体的にはこれら流出口a12bと出力ポートa11bとが連通する部分の断面積を変化させることにより開度を変化させることが可能な前記可変絞り弁a24を形成している。そして、アクチュエータ側の液圧が低い場合には前記オリフィスa21によりこの流量制御弁を通過する作動液の量を制御し、アクチュエータ側の液圧が高い場合には前記可変絞り弁a24の開度を減少させて圧力損失を一定に保つようにしている(例えば、特許文献1を参照)。
前記特許文献1記載の構成の液圧装置において、荷台を空の状態で下ろす際の下降速度を速くするには、オリフィスa21の径を大きくする必要があるが、オリフィスa21の径を大きくした場合、荷台に荷物を積載した状態における下降速度を低くするには、バネa15による付勢力を小さくし、前記可変絞り弁a24の開度を速やかに小さくできるようにする必要がある。しかし、前記バネa15による付勢力を小さくしすぎると、液圧が高くなった場合に前記可変絞り弁a24が全閉状態となり、オリフィスa21の両側の圧力が等しくなる。このとき、前記スプールa12はバネa15の付勢力により入力ポートa11a側に移動し、結果としてハンチングが引き起されるという不具合が存在する。
その一方で、前記バネa15による付勢力を大きくした場合、荷台に多量の荷物を積載した状態で液圧が高くなった場合にこのスプールa12を通過する作動液の流量が大きくなり、荷台の降下速度が速くなりすぎるので、作動液の流量を抑制し、荷台を一定の速度で降下させることができるようにすべく、オリフィスa21の径を小さくする必要がある。しかし、オリフィスa21の径を小さくすると、荷台を空の状態で下ろす際の下降速度が低くなり、荷物の積み込み作業の効率が低下するという別の不具合が発生する。
特開平6−81970号公報
本発明はこのような課題を解決すること、すなわち、荷台に多量の荷物を積載した場合の下降速度を抑制して荷台を一定の速度で降下させ、また、ハンチングの発生による騒音や振動を抑制しつつ、荷台が空の場合の下降速度を確保することを目的とする。
本発明に係る液圧装置は、以上に述べた課題を解決すべく、車両に設けた荷台を昇降させるための液圧アクチュエータへの作動液の供給源である液圧装置であって、前記液圧アクチュエータとタンクとの間に、第1のオリフィス、及びこの第1のオリフィスの前後の差圧により駆動される第1の可変絞り弁を具備する低負荷流量制御部と、前記低負荷流量制御部の前記第1のオリフィスより小径な第2のオリフィス、及びこの第2のオリフィスの前後の差圧により駆動される第2の可変絞り弁を有する高負荷流量制御部とを具備するとともに、前記液圧アクチュエータ側の圧力が所定圧力を上回る領域では前記高負荷流量制御部のみが機能することを特徴とする。
このようなものであれば、負荷が小さく、前記液圧アクチュエータ側の圧力が所定圧力を下回る領域では前記低負荷流量制御部が機能するので、作動液の単位時間当たり流量は第1のオリフィスを通過する量により規定される。すなわち、負荷が小さい場合には比較的径が大きい第1のオリフィスを通過した作動液がそのままタンク側に導かれる。従って、負荷が小さい場合には、作動液を素早く液圧アクチュエータから排出させて荷台を素早く降下させるようにすることができる。一方、負荷が大きく、前記液圧アクチュエータ側の圧力が所定圧力を上回る領域では前記高負荷流量制御部のみが機能するので、作動液の単位時間当たり流量は第2のオリフィス、及び第2の可変絞り弁を通過する量により規定される。従って、負荷が大きい場合には、作動液の液圧アクチュエータからの排出速度、及び荷台の降下速度の抑制を図ることができる。加えて、低負荷流量制御部が機能を停止した際にハンチング現象が発生しても、このハンチング現象が発生する際の作動液圧は前述したような従来の流量調整弁においてハンチング現象が発生する際の液圧より低く、従って、ハンチング現象が発生した場合であってもその際の騒音や振動等を抑制できる。
また、車両に積載するこのような液圧装置を実現するための好適な構成として、前記液圧アクチュエータに連通する入力ポート、及び前記タンクに連通する出力ポートを有するボディと、このボディ内を進退可能に摺動し、前記高負荷流量制御部を構成する第2のオリフィスを有するスプールと、前記スプールよりも入力ポート側に設けられ、前記ボディ内を進退可能であるとともに前記低負荷流量制御部を構成する第1のオリフィスを有する可動体とを有する流量制御弁を具備するものが挙げられる。このようなものであれば、前記第1のオリフィスを有し低負荷流量制御部を構成する可動体と、前記第2のオリフィスを有し高負荷流量制御部を構成するスプールと、これら可動体及びスプールの双方を収納するボディとを利用するので、図5に示したような従来の液圧装置に対する最低限の設計変更でこのような液圧装置を実現できるとともに、1つのボディ内に低負荷流量制御部及び高負荷流量制御部を形成できるので、車両により多くの荷物を積載可能にすべくこのような液圧装置を小型化することができる。
前段で述べた液圧装置を好適に実現するための具体的態様の一例として、前記低負荷流量制御部を、前記第1のオリフィスと、前記可動体たるポペットの前記スプールに対向する側に形成した突起及び前記スプールの入力ポート側に形成したバイパス流路口を利用して形成した前記第1の可変絞り弁と、前記ポペットを入力ポート側に付勢する低圧側バネとを利用して形成しているとともに、前記高負荷流量制御部を、前記第2のオリフィスと、このスプールの側壁に形成してなるとともに前記出力ポートに連通する流出口を利用して形成した前記第2の可変絞り弁と、前記スプールを入力ポート側に付勢する高圧側バネとを利用して形成しているものが挙げられる。
本発明に係る液圧装置の構造によれば、負荷が小さい場合の流量は比較的径が大きい第1のオリフィスを通過する量により規定されるので、荷台が空の場合の降下速度を速くできる。その一方で、負荷が大きい場合の流量は比較的径が小さい第2のオリフィス及び第2の可変絞り弁により規定されるので、荷台に多量の荷物を積載した場合の下降速度を抑制できる。加えて、仮に低負荷流量制御部が機能を停止した際にハンチング現象が発生した場合であっても、このハンチング現象が発生する際の作動液圧は前述したような従来の流量調整弁においてハンチング現象が発生する際の液圧より低く、従って、ハンチング現象が発生した場合であってもその際の騒音や振動等を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る液圧装置を含む液圧回路を示す図。 同実施形態に係る液圧装置の流量制御弁を示す図。 同実施形態に係る流量制御弁の作用説明図。 同実施形態に係る流量制御弁の作用説明図。 従来の液圧装置の流量制御弁を示す図。
以下、本発明の一実施形態について述べる。
本実施形態に係る液圧装置Pは、図1に示すように、車両に搭載されるテールゲートの荷台Cを昇降させるためのアクチュエータの作動液供給源である。
この液圧装置Pは、具体的には、荷台Cを上昇させる際にアクチュエータAに作動液を供給する液圧供給源であるポンプ1と、このポンプ1とアクチュエータとの間に設けられアクチュエータAからポンプへの作動液の逆流を規制する逆止弁2と、この逆止弁2と前記アクチュエータAとの間から分岐して設けられタンクTへの作動液の流出を禁止する第1の状態及びアクチュエータAとタンクTとを連通する第2の状態とを選択的にとる電磁弁3と、この電磁弁3とタンクTとの間に設けられ荷台Cを下降させる際のアクチュエータAからタンクTへの作動液の流出量を制御する流量制御弁4と、前記ポンプ1と前記逆止弁2との間の部位の液圧が所定以上に上昇した場合にのみポンプ1からの作動液をタンクに導く開成状態をとるリリーフ弁5とを具備する。
ここで、上述した液圧装置Pのうち、流量制御弁4以外の部位、すなわち、ポンプ1、逆止弁2、電磁弁3、及びリリーフ弁4は、この種の液圧装置に用いられるものとして周知のものと同様の構成を有する。
しかして本実施形態では、流量制御弁4は以下のような構成を有する。
すなわち、この流量制御弁4は、前記液圧アクチュエータAとタンクとの間に配してなり、第1のオリフィス、及びこの第1のオリフィスの前後の差圧により駆動される第1の可変絞り弁を具備する低負荷流量制御部6と、前記低負荷流量制御部の前記第1のオリフィスより小径な第2のオリフィス、及びこの第2のオリフィスの前後の差圧により駆動される第2の可変絞り弁を有する高負荷流量制御部7とを具備する。
具体的には、この流量制御弁4は、前記液圧アクチュエータAに連通する入力ポート11a、及び前記タンクTに連通する出力ポート11bを有するボディ11と、このボディ11内を進退可能に摺動するスプール12と、前記スプール12よりも入力ポート11a側に設けられ、ボディ11内を進退可能な可動体たるポペット13と、このポペット13を入力ポート11a側に付勢する低圧側の付勢手段たる低圧側バネ14と、前記スプール12を入力ポート11a側に付勢する高圧側の付勢手段たる高圧側バネ15と、前記スプール12の入力ポート11a側への移動を規制するスプール移動規制部16とを具備する。
前記低負荷流量制御部6は、前記ポペット13に形成した前記第1のオリフィス21と、このポペット13の先端側に形成した突起13a及び前記スプール12の入力ポート11a側に形成したバイパス流路口12aを利用して形成した第1の可変絞り弁22と、前記低圧側バネ14とを利用して形成している。ここで、前記低圧側バネ14の自由端側は前記ポペット13に当接させているとともに、この低圧側バネ14の固定端側は前記スプール12の入力ポート11a側の面に当接させている。そして、アクチュエータAから吐出される作動液の液圧が上昇すると、前記第1のオリフィス21の前後に発生する差圧により前記ポペット13に作用する力が前記低圧側バネ14による付勢力に打ち勝つ。その際、第1のオリフィス21の前後の差圧と前記低圧側バネ14による付勢力とがバランスするようにすべく、前記ポペット13が前記第1の可変絞り弁22の開度を減少させる方向に移動するようにしている。すなわち、前記ポペット13の突起13aが前記バイパス流路口12aに接近してこれらの間の隙間及びこの隙間を通過する流量が小さくするようにしている。また、アクチュエータAから吐出される作動液の液圧が所定圧力以上である場合には、この第1の可変絞り弁22は全閉状態、すなわち前記バイパス流路口12aを作動液が通過しない状態となるようにしている。
一方前記高負荷流量制御部7は、前記スプール12の入力ポート11a側に形成した前記第2のオリフィス23と、このスプール12の側壁に形成してなるとともに前記出力ポート11bに連通する流出口12bを利用して形成した第2の可変絞り弁24と、前記高圧側バネ15とを利用して形成している。ここで、前記高圧側バネ15の自由端側は前記スプール12に当接させているとともに、この高圧側バネ15の固定端側はボディ11の内部に摺動可能に設けたリテーナ17に当接させている。このリテーナ17の高圧側バネ15を受ける側と反対側は、ボディ11に螺着させて設けた調整ねじ部材18に当接させている。そして、この調整ねじ部材18をねじ作用により進退させることにより高圧側バネ15の付勢力を調整可能にしている。そして、第2の可変絞り弁24は、前記出力ポート11bと前記流出口12bとが連通する部分の断面積を変化させることにより、その開度を変更可能な構成を有する。
そして、本実施形態では、前記液圧アクチュエータA側の圧力が前記所定圧力を上回る領域では前記高負荷流量制御部7のみが機能する。具体的には、この領域では、図4に示すように、前記第1の絞り弁は全閉状態、すなわち、前記ポペット13の突起13aによって前記バイパス流路口12aは完全に閉塞されている状態であり、前記ポペット13と前記スプール12とは一体的に進退するようにしている。その際、前記第1のオリフィス21を通過した作動液は、その全量が第2のオリフィス23に達し、第2のオリフィス23の前後の差圧と前記高圧側バネ15による付勢力とがバランスするようにすべく、前記スプール12が前記第2の可変絞り弁24の開度を減少させる方向に移動するようにしている。
本実施形態に係る液圧装置Pにおいて、荷台Cを下降させるべく前記電磁弁3を第2の状態としてアクチュエータAとタンクTとを連通させた際の流量制御弁4の作動を以下に示す。
まず、前記電磁弁3を第2の状態とすると、入力ポート11aを経て第1のオリフィス21の入口に作動液が導かれる。すると、作動液は第1のオリフィス21を通過し、第1のオリフィス21の前後に差圧が発生する。その際、前記ポペット13は、前記差圧による前記スプール12側へ向かう力と、前記低圧側バネ14による前記入力ポート11a側へ向かう付勢力とを受ける。
ここで、前記第1のオリフィス21の前後の差圧による前記スプール12側へ向かう力が前記低圧側バネ14による前記入力ポート11a側へ向かう付勢力を上回ると、前記ポペット13は、前記付勢力に抗して図3に示すように前記スプール12側へ移動する。
すると、このポペット13と前記スプール12との間の離間幅すなわち第1の可変絞り弁22の開度が前記差圧が大きくなるにつれて小さくなる。
前記第1の可変絞り弁22が全閉状態でない場合には、前記第1のオリフィス21を通過した作動液は前記第2のオリフィス23及び前記バイパス通路の両方に導かれるので、前記第2のオリフィス23の前後には微小な差圧しか発生せず、従って前記スプール12も移動しないので、低負荷流量制御部6のみが機能する。
一方、前記液圧アクチュエータA側の圧力が所定圧力を上回る領域では、前記第1の可変絞り弁22の前後の差圧が十分大きくなり、前記第1の可変絞り弁22が全閉状態となる。この場合には、前記第1のオリフィス21を通過した作動液は前記第2のオリフィス23にのみ導かれる。すると、前記第2のオリフィス23の前後に差圧が発生し、前記スプール12はこの差圧による前記入力ポート11aから離間する方向へ向かう力と、前記高圧側バネ15による前記入力ポート11a側へ向かう方向への付勢力とを受ける。そして、前記差圧による力が前記付勢力を上回ると、スプール12は前記第2の可変絞り弁24の開度を減少させるべく、図4に示すように前記入力ポート11aから離間する方向へ移動する。
その際、前記ポペット13は、前記第1のオリフィス21の前後の差圧による力と前記低圧側バネ14による付勢力とを引き続き受けるが、前記差圧による力が前記付勢力より大きいので、前記第1の可変絞り弁22は全閉状態を保つ。すなわち、低負荷流量制御部6は機能を停止し、高負荷流量制御部7のみが機能する状態となる。
本実施形態に係る液圧装置Pの流量制御弁4は、以上に述べたような構成を有するので、以下に述べるような効果を奏する。
すなわち、前記液圧アクチュエータAとタンクTとの間に、第1のオリフィス21、及びこの第1のオリフィス21の前後の差圧により駆動される第1の可変絞り弁22を具備する低負荷流量制御部6と、前記低負荷流量制御部6の前記第1のオリフィス21より小径な第2のオリフィス23、及びこの第2のオリフィス23の前後の差圧により駆動される第2の可変絞り弁24を有する高負荷流量制御部7とを具備するとともに、前記液圧アクチュエータA側の圧力が所定圧力を上回る領域では前記高負荷流量制御部7のみが機能するので、負荷が小さく、前記液圧アクチュエータA側の圧力が所定圧力を下回る領域では前記低負荷流量制御部6が機能し、作動液の流速は第1のオリフィス21を通過する量により規定される。すなわち、負荷が小さい場合には比較的径が大きい第1のオリフィス21を通過した作動液がそのままタンクT側に導かれる。従って、荷台Cが空の場合の降下速度を速くできる。この効果は、荷台Cが小型かつ軽量である場合により顕著に得ることができる。一方、負荷が大きく、前記液圧アクチュエータA側の液圧が所定圧力を上回る領域では前記高負荷流量制御部7のみが機能し、作動液の流速は第2のオリフィス23、及び第2の可変絞り弁24を通過する量により規定されるので、荷台Cに多量の荷物を積載した場合の下降速度の抑制を図り、荷台Cを一定の速度で降下させるようにすることもできる。さらに、前記第1の絞り弁22が全閉状態となった際に前記第1のオリフィス21の前後の差圧が小さくなり、この差圧によりポペット13に作用する力が前記低圧側バネ14による付勢力を下回ることにより低負荷流量制御部6側でハンチング現象が発生しても、このハンチング現象が発生した際の液圧アクチュエータA側の液圧は、図5を参照しつつ前述したような従来の流量調整弁a4においてハンチング現象が発生する際の液圧より低く、ハンチング現象が発生した際の騒音や振動等を抑制できる。
加えて、本実施形態に係る液圧装置Pの流量制御弁4は、前述したように、前記低負荷流量制御部6を、前記ポペット13に形成した前記第1のオリフィス21と、このポペット13の先端側に形成した突起13a及び前記スプール12の入力ポート11a側に形成したバイパス流路口12aを利用して形成した第1の可変絞り弁22と、前記低圧側バネ14とを利用して形成する一方で、前記高負荷流量制御部7を、前記スプール12の入力ポート11a側に形成した前記第2のオリフィス23と、このスプール12の側壁に形成してなるとともに前記出力ポート11bに連通する流出口12bを利用して形成した第2の可変絞り弁24と、前記高圧側バネ15とを利用して形成し、1つのボディ11内に、低負荷流量制御部6を構成するポペット13及び低圧バネと、高負荷流量制御部7を構成するスプール12及び高圧バネとを全て収納している。従って、図5に示したような従来の液圧装置の流量制御弁a4に対する最低限の設計変更でこのような液圧装置Pの流量制御弁4を実現できるとともに、1つのボディ11内に低負荷流量制御部6及び高負荷流量制御部7を形成できる。よって、このような液圧装置Pを小型化し車両により多くの荷物を積載可能にできる。加えて、前記第1の可変絞り弁22を、前記ポペット13の先端側に形成した突起13a及び前記スプール12の入力ポート11a側に形成したバイパス流路口12aを利用して形成しているので、ボディ11の側にはこの第1の可変絞り弁22を設けるための特別な作動液流通路等を設ける必要がなく、従来の流量制御弁a4のボディa11に前記スプールの移動を制限するスプール移動規制部16を設けるのみの最低限の設計変更によりこのような液圧装置Pの流量制御弁4を実現できる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
例えば、高負荷流量制御部を構成するスプールの上流側に、ボディ内を摺動可能な可動体たる低圧側スプールを設け、この低圧側スプールを利用して低負荷流量制御部を形成してもよい。より具体的には、低圧側スプールに形成した第1のオリフィスと、この低圧側スプールの側壁に設けた流出口及びこの流出口と前記高負荷流量制御部を構成するスプールの側面に設けたバイパス流路口とを連通させるべくボディに設けたバイパス流路とを利用して設けた第1の可変絞りとにより低負荷流量制御部を形成するとともに、前記液圧アクチュエータ側の圧力が所定圧力を上回る領域では前記第1の可変絞りが全閉状態となり第1のオリフィスを通過した作動液の全量が第2のオリフィスに達するように構成してもよい。
このような構成であっても、前記液圧アクチュエータ側の圧力が所定圧力を上回る領域では低負荷流量制御部のみを機能させ、その一方で前記液圧アクチュエータ側の圧力が所定圧力を上回る領域では高負荷流量制御部をのみを機能させることができるからである。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
6…低負荷流量制御部
7…高負荷流量制御部
21…第1のオリフィス
22…第1の可変絞り弁
23…第2のオリフィス
24…第2の可変絞り弁

Claims (3)

  1. 車両に設けた荷台を昇降させるための液圧アクチュエータへの作動液の供給源である液圧装置であって、
    前記液圧アクチュエータとタンクとの間に、第1のオリフィス、及びこの第1のオリフィスの前後の差圧により駆動される第1の可変絞り弁を具備する低負荷流量制御部と、前記低負荷流量制御部の前記第1のオリフィスより小径な第2のオリフィス、及びこの第2のオリフィスの前後の差圧により駆動される第2の可変絞り弁を有する高負荷流量制御部とを具備するとともに、前記液圧アクチュエータ側の圧力が所定圧力を上回る領域では前記高負荷流量制御部のみが機能することを特徴とする液圧装置。
  2. 前記液圧アクチュエータに連通する入力ポート、及び前記タンクに連通する出力ポートを有するボディと、このボディ内を進退可能に摺動し、前記高負荷流量制御部を構成する第2のオリフィスを有するスプールと、前記スプールよりも入力ポート側に設けられ、前記ボディ内を進退可能であるとともに前記低負荷流量制御部を構成する第1のオリフィスを有する可動体とを有する流量制御弁を具備する請求項1記載の液圧装置。
  3. 前記低負荷流量制御部を、前記第1のオリフィスと、前記可動体たるポペットの前記スプールに対向する側に形成した突起及び前記スプールの入力ポート側に形成したバイパス流路口を利用して形成した前記第1の可変絞り弁と、前記ポペットを入力ポート側に付勢する低圧側バネとを利用して形成しているとともに、
    前記高負荷流量制御部を、前記第2のオリフィスと、このスプールの側壁に形成してなるとともに前記出力ポートに連通する流出口を利用して形成した前記第2の可変絞り弁と、前記スプールを入力ポート側に付勢する高圧側バネとを利用して形成している請求項2記載の液圧装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014147739A1 (ja) * 2013-03-19 2014-09-25 株式会社 島津製作所 流量制御弁
CN107120455A (zh) * 2017-04-28 2017-09-01 中国石化集团华北石油局三普石油工程公司 一种稳压阀

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