JP2010259146A - モータステータおよび分割ステータ - Google Patents

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功一 藏薗
Takashi Shimazu
孝 志満津
Masatoshi Suzuki
正利 鈴木
Hideo Nakai
英雄 中井
Yuko Kano
裕子 加納
Tomohiko Miyamoto
知彦 宮本
Yasuhiro Endo
康浩 遠藤
Eiji Yamada
英治 山田
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正雄 奥村
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Abstract

【課題】モータステータを効果的に冷却する。
【解決手段】複数の分割ステータ20を円周状に配置してモータステータを構成する。各分割ステータ20は、外周側の周辺分割コア部3aと、周辺コア部から中心方向に伸びるティース部3bと、ティース部に巻回されたコイル2を含む。コイル2の内周側の幅である内周長Lin、周辺コア部の外周長さである外周長Lout、前記コイルの内周側の半径である内周半径Rin、周辺コア部の半径である外周半径Routとした場合に、Lin/Rin<Lout/Routを満す。そして、複数の分割ステータ3aが、それぞれくさび形の熱伝導フィン5を介して円周状に配置されてドーナツ状になるとともに、熱伝導フィン5が熱伝導性がよい非磁性体で形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の分割ステータを円周状に配置して形成したモータステータおよび分割ステータに関する。
従来より、各種のモータが広く普及しているが、特に大出力のモータでは、高負荷、低回転域において、電流量増加に伴うコイルでの銅損発熱によるコイルの温度上昇が問題になる。例えば、コイルの絶縁被覆材として使用されているエナメルの耐熱温度などからモータには作動温度上限が存在し、作動温度をそれ以下にしなければならない。そこで、モータの駆動制御範囲を作動温度が上限温度以下になるように限定したり、モータを大型化して作動温度の上昇を抑制したりしている。しかし、このような手法では、小型で大出力のモータを得ることが難しい。
このため、冷却機構を設けて、温度上昇を抑制する手段も採られている。特許文献1には、分割ステータの軸方向両端部を保持するステータ支持部材を有し、このステータ支持部材を良熱伝導材で構成して放熱を促進すること、およびステータ支持部材内に冷却流路を設けることが示されている。
特許文献2には、ステータ内部に油の流通する流路を設け、ステータを冷却する構成が示されている。
特許文献3には、ステータのコイルを配置するスロットに冷却通路を形成する構成が示されている。
特開2001−359256号公報 特開2004−320974号公報 特開2004−320974号公報
しかし、特許文献1では、コアの中心部分についての冷却およびその部分のコイルの冷却が難しい。特許文献2においても、ステータ全体を効果的に冷却するのが難しく、コイル全体を効果的に冷却することが難しい。また、特許文献3では、冷媒である油を均一に循環することが難しく、全体として効果的に冷却することが難しいという問題があった。
本発明は、複数の分割ステータを円周状に配置して形成したモータステータであって、各分割ステータは、外周側の周辺コア部と、周辺コア部から中心方向に伸びるティース部と、ティース部に巻回されたコイルを含み、前記コイルの内周側の幅である内周長Lin、周辺コア部の外周長さである外周長Lout、前記コイルの内周側の半径である内周半径Rin、周辺コア部の半径である外周半径Routとした場合に、Lin/Rin<Lout/Routを満し、複数の分割ステータが、それぞれくさび形の熱伝導フィンを介して円周状に配置されてドーナツ状になるとともに、前記熱伝導フィンが熱伝導性がよい非磁性体で形成されることを特徴とする。
また、前記熱伝導フィンは、銅またはアルミニウムで形成することが好適である。
また、前記熱伝導フィンは、モータステータの半径方向に伸びるスリットにより、一部が軸方向において複数枚の部分に分割されており、熱伝導フィンの内部における軸方向において周回する渦電流の発生を抑制することが好適である。
また、前記熱伝導フィンは、軸方向において複数枚の部分に分割されており、熱伝導フィンの内部における軸方向において周回する渦電流の発生を抑制することが好適である。
本発明によれば、熱良導体から形成された伝熱フィンをコイルに接触させることで、この伝熱フィンを介し、コイルの効果的な放熱が行える。特に、伝熱フィンは、非磁性体から構成されているため、伝熱フィンを介し磁束が漏れることを防止することができる。
分割コア部3と伝熱フィン部5の構成を示す図である。 分割コア部4にコイル2を巻回した分割ステータ20の構成を示す図である。 インシュレータ4の平面図を示す図である。 分割ステータ20を複数配置した状態を示す図である。 分割コア3と伝熱フィン部5の他の構成を示す図である。 分割コア3と伝熱フィン部5のさらに他の構成を示す図である。 締結リング1の構成を示す図である。 締結リング1内に複数の分割ステータ20を焼きばめした状態を示す図である。 締結リング1とケース6の間に冷媒流路7を形成した状態を示す図である。 冷媒流路7をオーリングでシールした状態を示す図である。 コア部3および伝熱フィン部の磁束線の状態を示す図である。 伝熱フィン部5の材質の影響を示す図である。 伝熱フィン部5の他の構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、分割ステータの分割コア部3と伝熱フィン部5の部分を軸方向から見た平面図である。分割コア部3は、外側に円周上に配置される周辺コア部3aと、この周辺コア部3aの中央部分から内側方向に伸びるティース部3bとからなっている。周辺コア部3aの両端部分には、内側に伸びるくさび型の伝熱フィン部5が形成されている。
本実施形態においては、周辺コア部3aは半径方向の厚み一定の部分であって、側部に位置するくさび型の伝熱フィン部5を含まないものとしている。すなわち、周辺分割コア部3aは、伝熱フィン部5を介して、隣の周辺分割コア部3aに接続され、所定数の分割コア部3を円周状に並べることでドーナツ状のステータコアが形成される。この例では、周辺コア部3aの両側に伝熱フィン部5が設けられているので、隣接する2つの分割ステータの伝熱フィン部5が合体して1つの伝熱フィン部5として機能することになる。
ここで、伝熱フィン部5は、分割コア部3、ティース部3bとは、別材料で構成されている。本実施形態では、分割コア部3は、電磁鋼板を積層して形成されており、伝熱フィン部5は銅で形成されている。特に、伝熱フィン部5は、熱伝導率がよい非磁性体で構成することが好ましい。従って、上述した、銅、アルミニウムなどが好適である。このように、熱伝導がよい材料を用いることによって、コイル2において発生した熱を効果的に伝導することができる。そして、伝熱フィン部5を非磁性体により構成することで、分割コア部3から伝熱フィン部5に磁束が漏れ出ることを防止でき、コイル2により発生する磁束をティース部3aからロータに有効に作用させることができる。
そして、図2に示すように、分割コア部3のティース部3bの周囲には、図3に示すインシュレータ4を介し、コイル2が巻回されて、分割ステータ20が構成される。なお、図2においては、インシュレータ4を省略して記載してある。コイル2は、薄板状の銅製平型導線からなり、これを複数回ティース部3bに巻回して形成された半径方向に伸びるコイルである。この例において、コイル2の半径方向の中心側の端面(内周側端面)は、ティース部3bの中心側の端面(内周側端面)とほぼ同一面を形成している。ティース部3bは、平面形状が内側に向けて断面積が減少する台形状である、ステータの周辺部から中心へ向く角柱状となっており、このティース部3aの周囲にインシュレータ4を介しコイル2が巻回される。
コイル2は平型導線の一重巻であり、その幅自体は一定であるため、コイル2の外側端はティース部3bの外周と同様に中心側に向けて徐々に先すぼまりとなる。本例では、コイル2のステータ中心側端面と、ティース部3bの端面はほぼ同一面となっているが、必ずしも同一面を形成する必要はない。しかし、コイル2をなるべく多く効率的に収容するためには、コイル2の中心側の面とティース部3b中心側の面はほぼ同一面であることが好ましい。
また、伝熱フィン部5は、コイル2の内周側面まで伸びて、内周側においてもある程度の大きさを持っていてもよいが、コイル2をなるべく多く収容するためには、半径方向内側のある程度の部分においてコイル2の円周方向外側が直接隣接のコイル2と接触する方がよい。
本実施形態の分割ステータ20において、コイル2の内周側(中心側)の幅である内周長をLin、伝熱フィン部5を除いた周辺分割コア部3aの外周側の幅である外周長をLout、前記コイル2の内周側の半径である内周半径をRin、周辺分割コア部3aの半径である外周半径をRoutとした場合、Lin/Rin<Lout/Routを満す。一方、伝熱フィン部5を含めた周辺分割コア部3aの外周長さを外周長Loutとした場合には、Lin/Rin=Lout/Routとなる。従って、伝熱フィン部5を含めた分割ステータを円周状に配置することで、ドーナツ状のモータステータが得られる。
ここで、上述したように、ティース部3bの周囲とコイル2の内周側との間には、合成樹脂製のインシュレータ4が配置されている。図3には、インシュレータ4の平面図が示されており、図4にも、内側から見たインシュレータ4の一部が示されている。インシュレータ4は、ティース部3bの側面を覆う部分4aと、ティース部3bの上部、下部の一部に配置した部分4c,4dと、周辺分割コア部3aの内周面に沿った部分4bとを有し、これによってコイル2をティース部3bおよび周辺分割コア部3aから隔離している。さらに、インシュレータ4の一部は、コイル2の上部にも配置され、ここがコイル2の周辺回路との接続用配線を支持する部分4eを構成している。また、インシュレータ4のティース側の部分4aの先端部は、周方向に少し広がるつばを有しており、コイル2の内周側の端面を保持するようになっている。
図4は、3つの分割ステータ20を円周状に配置した状態を示しており、1つの分割ステータ20は分割コア部3とコイル2とインシュレータ4を記載し、1つの分割ステータ20は分割コア部3とインシュレータ4を記載し、もう1つの分割ステータは、分割コア部3のみを記載している。
図5には、分割ステータ20の分割コア部3の他の構成例について示してある。この例では、伝熱フィン部5を周辺分割コア部3aの一端側のみに配置している。このような分割ステータ20を用いても、上述の場合と同様にして、これを円周状に配置して、モータステータを形成することができる。なお、図5の構成の方が、図1の構成より、製造しやすいというメリットがある。しかし、分割コア3内の磁路がティース部3bに対して対称になるという点では図1の構成の方が好適である。
図6には、伝熱フィン部5の内の別材料で形成する部分を周辺コア部3bから内側に伸びる部分にのみ形成した例を示す。すなわち、図6において伝熱フィン部5の周辺コア部3aの延長線から内側に伸びる部分5aが非磁性体(アルミニウムまたは銅)で形成され、周辺コア部3aから横方向に延長された部分は周辺コア部3aと一体の電磁鋼板で形成されている。なお、この例でも、伝熱フィン部5を周辺コア部3aの両側に分割して配置することも可能であるが、製作容易性の観点から図6のような構成の方が好ましい。
ここで、モータステータを形成する場合には、まず分割ステータ20の分割コア部3にインシュレータ4を配置する。次に、インシュレータ4にコイル2をはめ込む。そして、このようにしてできた分割ステータ20を円周状に並べ、これを締結リング1内に焼きばめする。すなわち、熱した状態の締結リング1内に分割ステータを円周状に並べたものを収容し、温度を低下させて締め付ける。図7に締結リング1の構成例を示し、図8に複数の分割ステータを焼きばめした状態を示す。
図9、図10には、冷媒流路12を締結リング1の外側に直接形成する構成を示す。すなわち、締結リング1に収容されたモータステータは、ケース10内に収められる。そして、このケース10と、締結リング1の間に、冷媒流路12が形成されている。この冷媒流路12は、ケース10または締結リング1の表面に設けた凸条や、仕切り凸条によって、螺旋流路としたり、複数の並列流路とすることができる。また、この例では、冷媒流路12の上下は、オーリング14によりシールしている。このような、オーリング14によるシールによって、簡単に冷媒流路のシールを行うことができる。なお、ケース10には、冷媒の流入管および流出管を設け、冷媒流路12に冷媒を流通すればよい。また、冷媒としては各種の液体が利用可能であるが、水や油(ATFオイルなど)が好適である。
このように、本実施形態に係るモータステータでは、1つの分割ステータ20におけるコイル2の外周が直接伝熱フィン5に接触する。このため、コイル2において発生した熱が伝熱フィンに容易に伝わる。そして、この伝熱フィン5は、分割コア部3の間にも存在し、締結リング1にまで至るくさび型をしている。従って、コイル2で発生した熱が、伝熱フィン5を介し、締結リング1にまで容易に伝達される。そして、締結リング1の外側には冷媒が流通しているため、冷媒にまで熱が効果的に放散できる。従って、コイル2の発熱量が多くても、温度上昇を抑えることができ、高出力のモータを得ることが可能になる。また、伝熱フィン5は、くさび型をしており、コイル2の熱をより多く伝達する部分の体積がより大きくなっており、熱の効果的な伝達が達成される。そして、伝熱フィン部5を非磁性体で構成することによって、伝熱フィン部5を有することによる磁力線の流れに対する影響を排除して、好適なモータ駆動を達成することが可能となる。
図11には、伝熱フィン部5を周辺コア部3と同じ電磁鋼板で形成した場合の磁束線の状態(左側)と、図6に示すように伝熱フィン部5の内側に伸びる部分のみをアルミニウムで形成した場合の磁束線の状態(右側)を示してある。このように、伝熱フィン部5の一部(コイル2で挟まれる部分)をアルミで形成することで、磁束の漏れをほぼなくすことができる。このように、伝熱フィン部5の一部をアルミニウムで形成することで、モータの出力トルクを5%程度向上できることが確認されている。
図12には、伝熱フィン部5の材質の影響を示してある。標準構造は伝熱フィン部5を設けずコイル間の間隙には合成樹脂を充填したもの、Coreは伝熱フィン部5を電磁鋼板で形成したもの、Alは伝熱フィン部5のコイル2間に位置する部分をアルミニウムで形成したもの、Cuは伝熱フィン部5のコイル2間に位置する部分を銅で形成したものを示している。
このように、伝熱フィン部5を電磁鋼板(熱伝導率17W/m/K)に代えて、アルミニウム(熱伝導率165W/m/K)にすることで21°C、銅(熱伝導率400W/m/K)にすることで28°Cの低減を図ることができる。従って、本実施形態の構成を取ることによって、モータにおいてより高負荷(高出力トルク)の運転が可能となる。
図13は、伝熱フィン部5の他の構成を示す図である。この例では、伝熱フィン部5をモータの回転軸方向において複数枚の部分に分割している。図13の右上の例では、中心方向からスリットを形成して複数の板状部分5aに分割している。なお、複数の板状部分5aは、外周側において、接続されている。このような構成によって、図13の左側に示すような伝熱フィン部5の軸方向に平行な面(体積)内における渦電流の発生を防止して、軸に垂直な面内(板状部分5a内)の渦電流に限定することができる。これによって、伝熱フィン部5における渦損失を約1/10に軽減することが可能である。
1 締結リング、2 コイル、3 分割コア部、3a 周辺コア部、4 インシュレータ、5 伝熱フィン部、10 ケース、12 冷媒流路、14 オーリング、20 分割ステータ。

Claims (4)

  1. 複数の分割ステータを円周状に配置して形成したモータステータであって、
    各分割ステータは、
    外周側の周辺コア部と、周辺コア部から中心方向に伸びるティース部と、ティース部に巻回されたコイルを含み、
    前記コイルの内周側の幅である内周長Lin、周辺コア部の外周長さである外周長Lout、前記コイルの内周側の半径である内周半径Rin、周辺コア部の半径である外周半径Routとした場合に、Lin/Rin<Lout/Routを満し、
    複数の分割ステータが、それぞれくさび形の熱伝導フィンを介して円周状に配置されてドーナツ状になるとともに、前記熱伝導フィンが熱伝導性がよい非磁性体で形成されることを特徴とするモータステータ。
  2. 請求項1に記載のモータステータにおいて、
    前記熱伝導フィンは、銅またはアルミニウムで形成することを特徴とするモータステータ。
  3. 請求項1または2に記載のモータステータにおいて、
    前記熱伝導フィンは、モータステータの半径方向に伸びるスリットにより、一部が軸方向において複数枚の部分に分割されており、熱伝導フィンの内部における軸方向において周回する渦電流の発生を抑制することを特徴とするモータステータ。
  4. 請求項1または2に記載のモータステータにおいて、
    前記熱伝導フィンは、軸方向において複数枚の部分に分割されており、熱伝導フィンの内部における軸方向において周回する渦電流の発生を抑制することを特徴とするモータステータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3146621B1 (en) * 2014-05-23 2020-09-02 Qinetiq Limited An electric motor

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