JP2010256705A - 反射防止フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスプレイケースにハロゲンランプを照射しても白ボケしない反射防止性フィルムを提供する。
【解決手段】反射防止フィルムは、PETフィルム上にPETフィルム表面から順に接着層、ハードコート層および低屈折率層がこの順で積層されて構成されている。そして、前記低屈折率層はバインダーと平均粒子径1〜50nmの変性コロイダルシリカ微粒子とを含む屈折率が1.43〜1.50の層であり、バインダーの硬化物と変性コロイダルシリカ微粒子との屈折率差が0.04以下に設定され、かつハードコート層の屈折率は低屈折率層の屈折率よりも0.13以上0.24以下の範囲に設定される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ショーケース、ショーウィンドウ等のディスプレイケース表面に好適であり、視感度反射率が低く、ハロゲンランプを照射しても白ボケしない建築材料用等として用いられる反射防止フィルムに関する。
ショーウィンドウやショーケース等のディスプレイケースは、展示物をくっきり見せるために、外部の物の写り込みを防止し、蛍光灯などの外部光源から照射された光線の反射が少ないことが求められている。さらにケース内にて展示物を映えさせるためにハロゲンランプを照射することが多い。そのため、透明基材フィルムもしくはガラスの表面に、反射防止層を設け、写り込みを防止する方法が一般的に知られている。
従来、この反射防止フィルムにあって、反射防止層は高い反射防止性能を得るために高屈折率材料と低屈折率材料の複数層を積層させた多層構成が一般的であったが、より低屈折率である材料を用いれば、単層構成であっても広波長域において低屈折率である反射防止フィルムを得ることが可能となる。この単層構成の反射防止フィルムは、多層構成のものに比べて層構成が簡易であるため、生産性やコストパフォーマンスに優れている。
一方、単層構成の反射防止フィルムの低屈折率材料としては、内部に空洞を有する中空シリカ微粒子を用いた低屈折率層の塗布液が提案されている。すなわち、特許文献1には低屈折率層の塗布液として、(メタ)アクリロイルオキシ基を分子内に有する化合物を含む活性エネルギー線硬化型樹脂と、平均粒子径50〜200nmの中空微粒子からなる構成が記載されている。
しかしながら、平均粒子径50〜200nmの中空シリカ微粒子からなる低屈折率層の塗布液を使用した反射防止フィルムをディスプレイケースに貼合し、ハロゲンランプを照射してしまうと、中空シリカ微粒子よる拡散反射すなわち、白ボケという現象が生じ、視認性が悪くなるという問題があった。
特開2009−003354号公報
本発明は、以上のような背景技術の課題を解決しようとするものであり、ディスプレイケースにハロゲンランプを照射しても白ボケしない反射防止性フィルムを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の反射防止フィルムは、PETフィルム上にPETフィルム表面から順に接着層、ハードコート層、低屈折率層がこの順で積層されて構成されている。そして、低屈折率層はバインダーと平均粒子径1〜50nmの変性コロイダルシリカ微粒子とを含む屈折率が1.43〜1.50の層であり、バインダーの硬化物と変性コロイダルシリカ微粒子との屈折率差が0.04以下であり、ハードコート層の屈折率は低屈折率層の屈折率よりも0.13以上0.24以下であることを特徴とする。
本発明の反射防止性フィルムは、ディスプレイケースにハロゲンランプを照射しても白ボケしない反射防止性フィルムである。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
〔反射防止フィルム〕
反射防止フィルムは、PETフィルム上にPETフィルム表面から順に接着層、ハードコート層および低屈折率層がこの順で積層されて形成されている。そして、前記低屈折率層はバインダーと平均粒子径1〜50nmの変性コロイダルシリカ微粒子とを含む屈折率が1.43〜1.50の層であり、バインダーの硬化物と変性コロイダルシリカ微粒子との屈折率差が0.04以下に設定され、かつハードコート層の屈折率は低屈折率層の屈折率よりも0.13以上0.24以下に設定されている。
<PETフィルム>
本発明の反射防止フィルムに用いる基材フィルムは、ポリエチレンテレフタラート(PET、n=1.65)である。PETフィルムの厚みは、好ましくは25〜400μm、さらに好ましくは50〜200μmである。加えて、PETフィルムには、各種の添加剤が含有されていても良い。そのような添加剤として例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤等が挙げられる。
<接着層>
本発明において接着層は、光学的な悪影響を及ぼすことなく、PETフィルムと後述するハードコート層との密着性を高める機能を有している。PETフィルムとハードコート層との密着性を高めることができる限り、接着層として任意の屈折率を有する公知の樹脂層が適用可能である。接着層の膜厚は1〜50nmとすることが好ましく、10〜30nmとすることがさらに好ましい。
このPETフィルムに接着層を形成する方法としては、公知の技術を使用することができ、たとえば、接着剤として水分散性または水溶性のポリエステル樹脂を含む塗布液をPETフィルム上に塗工した後、乾燥させる方法などがある。接着層を形成する接着剤としてはポリエステル樹脂、特に共重合ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
さらに、この接着層をPETフィルム上に設けるためには、接着剤をPETフィルムの片面または両面に塗工することで行われる。塗布は、任意の段階で実施することが可能であり、PETフィルムの製造過程で実施することができる。塗布方法としては、公知の任意の塗工法を用いることができ、例えばグラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフ法、コイルバー法、ディップコート法などである。
<ハードコート層>
本発明においてハードコート層は、表面硬度や耐擦傷性を向上できる限り、ハードコート層に用いられる公知の全ての樹脂が使用可能であり、特に電離放射線硬化型樹脂と金属酸化物微粒子とを含有する材料から形成されることが好ましい。
ハードコート層として用いることができる電離放射線硬化型樹脂は、例えば単官能(メタ)アクリレート〔ここで、本明細書では(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの双方を含む総称を意味する。〕、多官能(メタ)アクリレートおよびテトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物等を出発原料とする物が挙げられる。これらのうち生産性および硬度を両立させる観点より、紫外線硬化性多官能アクリレートを主成分として含む組成物が好ましい。そのような紫外線硬化性多官能アクリレートを含む組成物としては特に限定されるものではなく、例えば公知の紫外線硬化性多官能アクリレートを2種類以上混合したもの、紫外線硬化性ハードコート材として市販されているものが挙げられる。
紫外線硬化性多官能アクリレートとしては特に制限されず、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコールのアクリル誘導体や、ポリエチレングリコールジアクリレートおよびポリウレタンアクリレート等である。
ハードコート塗布液に添加される金属酸化物微粒子は、例えばITO(インジウム−錫複合酸化物、屈折率2.0)、ATO(アンチモン−錫複合酸化物、屈折率2.1)、酸化錫(屈折率2.0)、酸化アンチモン(屈折率2.1)、酸化亜鉛(屈折率2.1)、酸化ジルコニウム(屈折率2.1)、酸化チタン(屈折率2.4)および酸化アルミニウム(屈折率1.6)などである。これらのうち特に、酸化錫および酸化アンチモンが粒子の分散性、平均粒子径、入手の容易性および製造コストの点で好ましい。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を電離放射線硬化型樹脂中にさらに添加することができる。その他の成分としては、例えば重合体、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤およびレベリング剤等の添加剤が挙げられる。また、ウェットコーティング法において成膜後乾燥させる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。
<低屈折率層>
本発明における低屈折率層は、低屈折率塗布液を塗布し、重合硬化させたものでバインダーと平均粒子径1〜50nmの変性コロイダルシリカ微粒子とを含み、屈折率が1.43〜1.50の層である。この低屈折率層の屈折率は、変性コロイダルシリカ微粒子を原料とした場合、その性質上1.43未満となるように設定することは困難である。一方、屈折率が1.50を超える場合、反射防止フィルムの反射防止性が悪化する。
バインダーとしては、フッ素原子がフッ化メチレン基またはフッ化メチン基として分子中に導入された構造を有する含フッ素モノマーや、溶媒可溶性で重合性二重結合をもつ含フッ素反応性ポリマー等が挙げられる。フッ素原子がフッ化メチレン基またはフッ化メチン基として分子中に導入された構造を有する含フッ素モノマーは、フッ素原子のほぼ全量がフッ化メチレン基またはフッ化メチン基として分子中に導入されたモノマーである限り、公知の全てのモノマーが使用可能である。すなわち、重合性二重結合が1個(単官能)のモノマーまたは2個以上(多官能)のモノマーのいずれであってもよく、それらの混合物であってもよい。
また、重合性二重結合をもつ含フッ素反応性ポリマーとしては、含フッ素エチレン性モノマーに由来する主鎖を有し、架橋硬化のための反応性基をもつものである。このような重合性二重結合をもつ含フッ素反応性ポリマーは高分子量であるため、フッ素を含有しながらも成膜性が良好で、成膜後に反応性基を利用して架橋硬化することで溶媒不溶の硬化皮膜を得ることができる。係る含フッ素反応性ポリマーとしては、公知の含フッ素反応性ポリマー(例えば、再公表特許WO02/018457号公報に開示されているもの)が用いられる。
変性コロイダルシリカ微粒子は、コロイダルシリカ微粒子の表面を下記に示す式(1)で表されるシランカップリング剤によって表面処理することなどにより製造される。また、変性コロイダルシリカ微粒子はシリカ(二酸化珪素、SiO)がほぼ球状に形成されている。変性コロイダルシリカ微粒子の平均粒子径は1〜50nmであり、屈折率は1.43〜1.48である。平均粒子径が1nm未満の場合には、変性コロイダルシリカ微粒子の製造が困難になる。一方、平均粒子径が50nmを超える場合には、光の散乱が大きくなるために反射防止フィルムのヘイズ値が高くなると同時に、ハロゲンランプを照射した際に白ボケが生じる。
バインダーと前記変性コロイダルシリカ微粒子の配合は、バインダーの硬化物の屈折率と変性コロイダルシリカ微粒子の屈折率の差が0.04以下になるように調整される。この屈折率差が0.04よりも高くなると、ヘイズ値が高くなると同時に、ハロゲンランプを照射した際に白ボケが生じてしまう。
Z−R−OSi(OR3 ・・・(1)
〔式中、Zは(メタ)アクリロイルオキシ基であり、Rは炭素数1〜4のアルキレン基であり、Rはメチル基またはエチル基である。〕
変性コロイダルシリカ微粒子はコロイダルシリカ微粒子表面のシラノール基とシランカップリング剤との加水分解反応により、コロイダルシリカ微粒子表面にオルガノシリル基(モノオルガノシリル基、ジオルガノシリル基またはトリオルガノシリル基)が結合すると共に、その表面に多数の珪素原子に直接結合した有機基を有する。
シランカップリング剤としては、たとえば、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等である。
また、低屈折率塗布液中には、塗布液の粘度調整や塗布後の表面レベリングのために、反応を阻害しない限り、溶媒を含有させても良い。該溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒等が挙げられる。さらに、低屈折率塗布液中には、フッ素を含有しない多官能(メタ)アクリル酸エステル、例えばペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を配合することができる。本発明においては、低屈折率層の屈折率が1.43〜1.50の範囲となるように配合することができる。
ハードコート層および低屈折率層の形成方法は特に制限されず、ロールコート法、コイルバー法、ダイコート法等、一般的なウェットコート法が採用される。形成された層に対しては、必要に応じて加熱や、紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射により硬化反応を施すことができる。これらの中では、光重合開始剤を配合した塗布液を機材表面に塗布した後、不活性ガス雰囲気下で紫外線を照射して重合硬化させる方法が簡便で好ましい。
前記ハードコート層の屈折率は、特に光の散乱を抑えてハロゲンランプを照射したときの白ボケを抑制するために、低屈折率層の屈折率よりも0.13以上0.24以下の範囲に設定される。この屈折率差が0.13未満の場合には、反射防止フィルムの視感度反射率が高くなる。一方、屈折率差が0.24を超える場合には、PETフィルムとハードコート層間の干渉縞が発生する。
<反射防止フィルムの用途>
本発明の反射防止性フィルムは、例えばショーウィンドウやショーケースなどの建築材料としてのディスプレイケース表面に貼り合わせることによって、背景からの映り込みを少なくすることができる。従って、視認性を向上させることができるため、ディスプレイケース内の展示物をくっきり見せることができる。
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
<評価方法>
1)屈折率の測定
次の(1)〜(4)の工程に従って塗布液の屈折率を測定した。
(1)屈折率1.49のアクリル樹脂板〔旭化成工業(株)製、商品名:「デラグラスA」〕上に、ディップコーター〔杉山元理化学機器(株)製〕により、低屈折率層塗布液を実膜厚が100nm程度になるように層の厚みを調整して塗布した。
(2)低屈折率層塗布液中の溶媒乾燥後、必要に応じて紫外線照射装置〔岩崎電気(株)製〕により120W高圧水銀灯を用いて、出力400mJの紫外線を照射して低屈折率層塗布液を硬化させた。
(3)アクリル樹脂板の裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計〔「U−best50」、日本分光(株)製〕により、400〜650nmにおける5°、−5°正反射率を測定し、その反射率の極小値または極大値を読み取った。
(4)反射率の極値より以下の式を用いて屈折率を計算した。
最小反射率(%)={〔アクリル樹脂板の屈折率×空気の屈折率−(層の屈折率)〕/〔アクリル樹脂板の屈折率×空気の屈折率+(層の屈折率)〕}×100
但し、アクリル樹脂の屈折率は1.49および空気の屈折率は1.00である。
2)平均粒子径の測定
粒子径分布測定装置〔大塚電子(株)製、PAR−III〕を使用して、レーザー光による動的光散乱法により平均粒子径を測定した。
3)ヘイズ値の測定
日本電飾工業(株)製NDH−2000を使用し、光学特性としてのヘイズ値(%)を測定した。
4)白ボケの評価
機能層を設けた面と反対側の面からフロートガラスを貼合し、サンプルを作製した。暗室内でハロゲンランプを光源としてサンプルからの反射光を目視し、下記の評価基準で白ボケを評価した。
◎:白ボケもなく、ヘイズ値も低い。
○:白ボケはないが、ヘイズ値が高い。
×:白ボケもあり、ヘイズ値も高い。
5)視感度反射率の測定
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる380〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8701で規定されているXYZ表色系における、反射による物体色の三刺激値Yを視感度反射率とした。
<塗布液の製造例>
(ハードコート層塗布液の製造)
アンチモンドープ酸化錫の30%メチルエチルケトン分散液〔石原産業(株)製、アンチモンドープ酸化錫の平均粒子径98nm、SNS−10M〕250質量部、多官能アクリレート化合物〔6官能のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと5官能のジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物、平均官能基数5.5、日本化薬(株)製、DPHA、硬化物の屈折率:1.49〕25質量部およびUVラジカル開始剤〔チバスペシャリティケミカルズ(株)製、イルガキュア184〕5質量部を攪拌混合し、ハードコート層塗布液とした。このハードコート層塗布液を重合硬化したハードコート層の屈折率は1.65であった。
(変性コロイダルシリカ粒子Aの製造)
フラスコにコロイダルシリカ微粒子〔日産化学工業(株)製、商品名:IPA−ST、平均粒子径は15nm〕200部とγ‐アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン〔信越化学工業(株)製、商品名:KBM5103〕37.7部を投入して混合した。次いで、十分に撹拌しながら78℃で4時間加熱を行った。加熱終了後、反応液を常温まで冷却して変性コロイダルシリカ微粒子Aを得た。変性コロイダルシリカ微粒子Aの屈折率は1.45であった。
(変性コロイダルシリカ微粒子Bの製造)
コロイダルシリカ微粒子〔日産化学工業(株)製、商品名:IPA−ST−L、平均粒子径は50nm〕200部を用いた以外は、変性コロイダルシリカ微粒子Aの製造例に準じて変性コロイダルシリカ微粒子Bを得た。変性コロイダルシリカ微粒子Bの屈折率は1.45であった。
(変性コロイダルシリカ微粒子Cの製造)
コロイダルシリカ微粒子〔日産化学工業(株)製、商品名:IPA−ST−ZL、平均粒子径は100nm〕200部を用いた以外は、変性コロイダルシリカ微粒子Aの製造例に準じて変性コロイダルシリカ微粒子Cを得た。変性コロイダルシリカ微粒子Cの屈折率は1.45であった。
(変性中空シリカ微粒子の製造)
フラスコにイソプロパノール(IPA)分散中空シリカゾル〔商品名:ELCOM NY−1001SIV、固形分濃度20質量%、平均粒子径60nm、屈折率1.32、触媒化成(株)製〕2000部、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン〔商品名:KBM5103、信越化学工業(株)製〕70部、蒸留水80部を混合して変性中空シリカゾル用塗布液を得た。その後、4時間加熱還流(反応温度:77℃)を行い、加水分解反応および縮合反応を行い、変性中空シリカ微粒子を得た。
(低屈折率層塗布液Aの製造)
バインダーとして含フッ素モノマー(16FDA、(CH2=CHCOOCH2)2C8F16、硬化物の屈折率:1.42)80質量部と、変性コロイダルシリカ微粒子A20質量部と、光重合開始剤〔チバスペシャルティケミカルズ(株)製、イルガキュア907〕5質量部、イソプロピルアルコール3200質量部とを混合して、低屈折率層塗布液を得た。低屈折率層塗布液の塗膜(低屈折率層)の屈折率層は1.43であった。バインダーの硬化物と微粒子の屈折率差および低屈折率層塗布液を重合硬化させた低屈折率層の屈折率を表1に示す。
(低屈折率層塗布液B〜Iの製造)
変性コロイダルシリカ微粒子、バインダー、開始剤(光重合開始剤)およびIPAを表1のとおりに配合して、低屈折率層塗布液Aの製造例に準じて低屈折率層液BからIを得た。バインダーの硬化物と微粒子の屈折率差および低屈折率層塗布液を重合硬化させた低屈折率層の屈折率を表1に示す。
〔接着剤の作製〕
(共重合ポリエステル樹脂の合成)
ジメチルテレフタレート100質量部、ジメチルイソフタレート100質量部、エチレングリコール30.3質量部、ネオペンチルグリコール150質量部、酢酸亜鉛0.1質量部および三酸化アンチモン0.1質量部をエステル交換反応容器に仕込み、180℃にコントロールして加熱し4時間反応させ、エステル交換反応を行った。その後、5−ナトリウムスルホイソフタル酸5質量部を添加し、240℃で1時間エステル化反応を行った。次に、250℃まで温度を上げ、系内を1.33×10Pa(1mmHg)の減圧にして2時間重縮合反応を行ない、共重合ポリエステル樹脂を得た。
(架橋剤の合成)
フラスコにイオン交換水300質量部を仕込み、窒素気流下で60℃に加温し、過硫酸アンモニウム0.3質量部および亜硝酸水素ナトリウム0.3質量部を添加した。その後、メタクリル酸メチル20.2質量部、2−イソプロペニルー2−オキサゾリン21.2質量部、ポリエチレンオキシドメタクリル酸45.5質量部およびアクリルアミド10.2質量部の混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後1時間撹拌を継続し、架橋剤の25質量%水分散体を得た。
(接着剤塗布液の調製)
前記共重合ポリエステル樹脂の30質量%水分散体65質量部、前記架橋剤の25質量%水分散体40質量部およびイオン交換水450質量部を混合して接着剤とした。
〔PETフィルムの作製〕
二軸延伸ポリエステルフィルム〔片面に接着膜が設けられているポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡績(株)製、コスモシャインA4100、厚み100μm、屈折率1.65〕の接着膜のない面に、前記接着剤塗布液をグラビアコート法で塗布した。フィルム断面をSEM観察したところ、接着層の厚みは乾燥膜厚で15nmであった。
(実施例1)
上記PETフィルムの接着層上にハードコート液を、実膜厚1.0μm程度になるようにスピンコート法で塗布後、紫外線照射装置(アイグラフィック社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより、ハードコートフィルムを作製した。このハードコートフィルムの屈折率は1.64であった。
低屈折率層塗布液Aをハードコートフィルム上に乾燥膜厚がおよそ0.1μmになるようにディップコート法で塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィック社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJの紫外線を照射して硬化させ、反射防止フィルムAを得た。得られた反射防止フィルムAについて白ボケ、ヘイズ値および視感度反射率を測定し、それらの評価結果を表2に示した。
(実施例2〜5および比較例1〜4)
実施例1において、表1に示す低屈折率層塗布液B〜Iを塗布する以外は実施例1と同様にして実施例2〜5および比較例1〜4の反射防止フィルムB〜Iを作製した。得られた反射防止フィルムB〜Iについての評価結果を表2に示した。
Figure 2010256705
Figure 2010256705
実施例1では低屈折率層に平均粒子径15nmの変性コロイダルシリカ微粒子を使用し、バインダーの硬化物と変性コロイダルシリカ微粒子の屈折率差が0.03と低いので、ヘイズ値が低く、ハロゲンランプを照射しても白ボケのない反射防止フィルムを得ることができた。実施例2では、実施例1と同様の平均粒子径の変性コロイダルシリカ微粒子を使用しているが、バインダー硬化物の屈折率が高いために実施例1よりも視感度反射率が高かった。
実施例3では平均粒子径が50nmの変性コロイダルシリカ微粒子を使用しているので、実施例1と比較してヘイズ値が高くなるが、ハロゲンランプを照射しても白ボケは生じなかった。実施例4では実施例3においてバインダー硬化物の屈折率が高いために実施例3よりも視感度反射率が高かった。実施例5では、15nmと100nmの変性コロイダルシリカ微粒子を混合し使用しているが、平均粒子径が35nmと50nm以下であるため、ヘイズ値が実施例1と比較すると高いが、ハロゲンランプを照射しても白ボケは生じなかった。
比較例1および2では平均粒子径100nmの変性コロイダルシリカ微粒子を用いているので、ヘイズ値も実施例1〜5よりも高く、ハロゲンランプを照射すると白ボケが生じてしまった。比較例3および4では中空シリカ微粒子を用いているので、平均粒子径が60nmと大きく、ヘイズ値が高くなると同時に、バインダーの硬化物と微粒子の屈折率差も0.04を超え、ハロゲンランプを照射した際に白ボケが生じてしまい、建築材料用としては最も不適切であった。

Claims (1)

  1. PETフィルム上にPETフィルム表面から順に接着層、ハードコート層、低屈折率層がこの順で積層されている反射防止フィルムであって、
    低屈折率層はバインダーと平均粒子径1〜50nmの変性コロイダルシリカ微粒子とを含む屈折率が1.43〜1.50の層であり、バインダーの硬化物と変性コロイダルシリカ微粒子との屈折率差が0.04以下であり、ハードコート層の屈折率は低屈折率層の屈折率よりも0.13以上0.24以下であることを特徴とする反射防止フィルム。
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