JP2010255707A - 油井管用特殊ねじ継手の設計方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ねじ干渉量を増加させる手段を採用し、高い要求トルクを満たしかつシール性能を確保した油井管用特殊ねじ継手の設計方法を提案する。
【解決手段】ピン1が内部に挿入されるボックス2内に、テーパねじ部3、シール部4およびショルダー部5を有する特殊ねじ継手の設計方法であって、要求トルクに応じて、ねじ干渉量を増加させることによるねじ干渉トルク増分を決定する工程と、あらかじめ有限要素法による数値解析(FEA)あるいは実物の締め付けテストによって、ねじ干渉量を増加させることよる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めておき、求めた減少分を、設計上のシール干渉量に反映する工程を有する。
【選択図】図1
【解決手段】ピン1が内部に挿入されるボックス2内に、テーパねじ部3、シール部4およびショルダー部5を有する特殊ねじ継手の設計方法であって、要求トルクに応じて、ねじ干渉量を増加させることによるねじ干渉トルク増分を決定する工程と、あらかじめ有限要素法による数値解析(FEA)あるいは実物の締め付けテストによって、ねじ干渉量を増加させることよる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めておき、求めた減少分を、設計上のシール干渉量に反映する工程を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ねじ干渉量を増加させる手段を採用し、高い要求トルクを満たしかつシール性能を確保した油井管用特殊ねじ継手の設計方法に関する。
近年、低深度で開発の容易な油井、ガス井が減少するとともに、より高深度でかつ高温高圧の井戸が増加している。また、傾斜井戸、水平井戸など、より複雑な形状の井戸も増加している。これに伴い、油井管の降下作業において、油井管を高トルクで回転させながら押し込む必要があり、油井管用特殊ねじ継手(単に特殊ねじ継手ともいう)に対し、要求トルクがますます高くなる傾向にある。
ここで、シール性能向上を狙った特殊ねじ継手の構造について詳述しておく(特許文献1)。
特殊ねじ継手は、図1に示したように、油井管の管端に形成された雄側のピン1が内部に挿入される雌側のボックス2からなり、ボックス内にテーパねじ部3、シール部4およびショルダー部5を有する。このねじ結合部で金属同士の干渉が生じ、さらに雄側のピン1の先端部がシール部4およびショルダー部5とメタル−メタル接触することで、金属同士の干渉が生じるようにしている。
特殊ねじ継手は、図1に示したように、油井管の管端に形成された雄側のピン1が内部に挿入される雌側のボックス2からなり、ボックス内にテーパねじ部3、シール部4およびショルダー部5を有する。このねじ結合部で金属同士の干渉が生じ、さらに雄側のピン1の先端部がシール部4およびショルダー部5とメタル−メタル接触することで、金属同士の干渉が生じるようにしている。
図1中、シールノーズ部厚さHは、シール部4とショルダー部5のそれぞれの部分の半径方向厚みを合計した値であり、特殊ねじ継手の設計上重要な寸法である。
なお、設計上のねじ干渉量(=d1−d2、d1:ピン1のねじ径、d2:ボックス2のねじ径)は、完全ねじ部の長さ中央付近で計ったねじ径で定義される(図1(b)中、*付き矢印参照)。ねじ部3は、通常長手方向全域(不完全ねじ部を除く)で傾きが一定の直線状テーパが採用されている。
なお、設計上のねじ干渉量(=d1−d2、d1:ピン1のねじ径、d2:ボックス2のねじ径)は、完全ねじ部の長さ中央付近で計ったねじ径で定義される(図1(b)中、*付き矢印参照)。ねじ部3は、通常長手方向全域(不完全ねじ部を除く)で傾きが一定の直線状テーパが採用されている。
直線状テーパが採用されている特殊ねじ継手を油井管の管端に締め付けてゆくと、ターン(締め付け時の回転数)とトルクの関係は、一般に図2に示す実線のようになる。
すなわち、O点でねじ干渉が開始し、トルクが直線的(トルク増加率=トルク増分/ターン増分=一定)に増加するねじ干渉域(OA間)が現れ、つぎにシール干渉がA点で開始し、それに次いでB点でショルダー干渉が開始する。図2中、A点をシール干渉開始ポイント、B点をショルダー干渉開始ポイント、C点をイールド開始ポイントと称する。
すなわち、O点でねじ干渉が開始し、トルクが直線的(トルク増加率=トルク増分/ターン増分=一定)に増加するねじ干渉域(OA間)が現れ、つぎにシール干渉がA点で開始し、それに次いでB点でショルダー干渉が開始する。図2中、A点をシール干渉開始ポイント、B点をショルダー干渉開始ポイント、C点をイールド開始ポイントと称する。
なお、シール干渉域(AB間)およびショルダー干渉域(BC間)では、その前の領域に比べてトルク増加率が大きく、トルクが増える。また、ショルダー干渉域(BC間)の中間に通常締付域(オプチマムトルクとなる領域)が来るように特殊ねじ継手が設計されている。
ピンテーパ(ピン1のねじ部3のテーパ)とボックステーパ(ボックス2のねじ部3のテーパ)は、要求仕様に応じて種々の組み合せがあり、図1(b)には、ピンテーパ>ボックステーパとした設定例を示した。
ピンテーパ(ピン1のねじ部3のテーパ)とボックステーパ(ボックス2のねじ部3のテーパ)は、要求仕様に応じて種々の組み合せがあり、図1(b)には、ピンテーパ>ボックステーパとした設定例を示した。
ここで、油井管の降下作業において、油井管の管端から特殊ねじ継手に加わるトルクがイールド開始ポイント(C点)を越えると、ピン1の先端部とメタル−メタル接触する部分で塑性変形が生じるため、特殊ねじ継手のシールが不十分となる。
そこで、前記した特殊ねじ継手において、高い要求トルクを満たしかつシール性能を確保したものを設計したいという強い要求がある。
そこで、前記した特殊ねじ継手において、高い要求トルクを満たしかつシール性能を確保したものを設計したいという強い要求がある。
前記した特殊ねじ継手において、高い要求トルクを満たしかつシール性能を確保する手段としては、ボックス2のシールノーズ部厚さHを増加させることが考えられる(図2の一点鎖線参照)。ΔTnはシールノーズ部厚さHを増加させた分に見合うイールド・トルク(Yield Torque)上昇分である。
しかし、この対策を採用した場合、以下のような問題があつた。
(1)ボックス2のシールノーズ部厚さHを増加させた場合、その厚さ増分に見合うように、油井管の管端の縮径およびそれに続く縮径した管端の応力除去焼きなましを行うなどの追加処理が、油井管の製造工程で必要となる。このため、油井管の製造コストアップにつながる。
(2)ボックス2のシールノーズ部の厚さHを増加させた場合、特殊ねじ継手を油井管の管端に締め付ける時、ピン1の先端部とメタル−メタル接触する部分にゴーリング(かじり)が発生しやすい。このゴーリングが発生すると、前記した特殊ねじ継手において、シール性能が著しく低下してしまうという問題がある。
しかし、この対策を採用した場合、以下のような問題があつた。
(1)ボックス2のシールノーズ部厚さHを増加させた場合、その厚さ増分に見合うように、油井管の管端の縮径およびそれに続く縮径した管端の応力除去焼きなましを行うなどの追加処理が、油井管の製造工程で必要となる。このため、油井管の製造コストアップにつながる。
(2)ボックス2のシールノーズ部の厚さHを増加させた場合、特殊ねじ継手を油井管の管端に締め付ける時、ピン1の先端部とメタル−メタル接触する部分にゴーリング(かじり)が発生しやすい。このゴーリングが発生すると、前記した特殊ねじ継手において、シール性能が著しく低下してしまうという問題がある。
別な手段として、ねじ干渉量を増加させる手段も考えられる。
しかしながら、この手段を単純に採用した場合、ねじ干渉量を増加させたことによって、ピン1とボックス2の間が拡張され、設計したとおりのシール性能を確保できないという問題があつた。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、ねじ干渉量を増加させる手段を採用し、高い要求トルクを満たしかつシール性能を確保した油井管用特殊ねじ継手の設計方法を提案することを目的とする。
しかしながら、この手段を単純に採用した場合、ねじ干渉量を増加させたことによって、ピン1とボックス2の間が拡張され、設計したとおりのシール性能を確保できないという問題があつた。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、ねじ干渉量を増加させる手段を採用し、高い要求トルクを満たしかつシール性能を確保した油井管用特殊ねじ継手の設計方法を提案することを目的とする。
本発明者は、ねじ干渉量を増加させると、図4(a)に示した、設計上のシール干渉量が減少することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
以下に、本発明をなすに至った知見に関して説明する。
なお、図4(a)中、P点は、ピン1の先端部とボックス2のシール部4とが接触を開始する長手方向位置である(図4(b)参照)。
(1)設計上のシール干渉量(=ピン1のシール径−ボックス2のシール径)は、ピン1を長手方向に相対的に動かした場合に、ピン1の先端部がシール部4と重なる領域である。
以下に、本発明をなすに至った知見に関して説明する。
なお、図4(a)中、P点は、ピン1の先端部とボックス2のシール部4とが接触を開始する長手方向位置である(図4(b)参照)。
(1)設計上のシール干渉量(=ピン1のシール径−ボックス2のシール径)は、ピン1を長手方向に相対的に動かした場合に、ピン1の先端部がシール部4と重なる領域である。
このシール部4における重なり領域を、長手方向位置P点で計ったピン1とボックス2のシール径の差で定義した。
(2)ねじ干渉量を増加させる手段を採用した場合、ピン1とボックス2の間が拡張され、図4(a)に示した設計上のシール干渉量が減少することがわかった。
そこで、あらかじめ有限要素法による数値解析(FEA)あるいは実物の締め付けテストによって、ねじ干渉量を増加させることよる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めておくこととした。
(2)ねじ干渉量を増加させる手段を採用した場合、ピン1とボックス2の間が拡張され、図4(a)に示した設計上のシール干渉量が減少することがわかった。
そこで、あらかじめ有限要素法による数値解析(FEA)あるいは実物の締め付けテストによって、ねじ干渉量を増加させることよる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めておくこととした。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
1.ピンが内部に挿入されるボックス内に、テーパねじ部、シール部およびショルダー部を有する特殊ねじ継手の設計方法であって、要求トルクに応じて、ねじ干渉量を増加させることによるねじ干渉トルク増分ΔT1を決定する工程と、あらかじめ有限要素法による数値解析(FEA)あるいは実物の締め付けテストによって、ねじ干渉量を増加させることによる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めておき、求めた減少分を、設計上のシール干渉量に反映する工程を有することを特徴とする油井管用特殊ねじ継手の設計方法。
1.ピンが内部に挿入されるボックス内に、テーパねじ部、シール部およびショルダー部を有する特殊ねじ継手の設計方法であって、要求トルクに応じて、ねじ干渉量を増加させることによるねじ干渉トルク増分ΔT1を決定する工程と、あらかじめ有限要素法による数値解析(FEA)あるいは実物の締め付けテストによって、ねじ干渉量を増加させることによる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めておき、求めた減少分を、設計上のシール干渉量に反映する工程を有することを特徴とする油井管用特殊ねじ継手の設計方法。
本発明によれば、ねじ干渉量を増加させる手段を採用し、高い要求トルクを満たしかつシール性能を確保した特殊ねじ継手を設計することができる。
設計上、要求トルクに応じて、ねじ干渉量(=d1−d2、d1:ピン1のねじ径、d2:ボックス2のねじ径)を増加させるには、2とおりの手段がある。
(a)ピン1のねじ径d1を大きくするケースと、(b)ボックスのねじ径d2を小さくするケースであるが、ねじ干渉量を同じとすれば設計上は同じである。
まず、要求トルクに応じて、ねじ干渉量を増加させて得られるねじ干渉トルク増分ΔT1を決定する。次いで、有限要素法による数値解析(FEA)あるいは実物の締め付けテストを行い、ねじ干渉量を増加させることによる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めておく。求めた減少分を、設計上のシール干渉量に反映する。
(a)ピン1のねじ径d1を大きくするケースと、(b)ボックスのねじ径d2を小さくするケースであるが、ねじ干渉量を同じとすれば設計上は同じである。
まず、要求トルクに応じて、ねじ干渉量を増加させて得られるねじ干渉トルク増分ΔT1を決定する。次いで、有限要素法による数値解析(FEA)あるいは実物の締め付けテストを行い、ねじ干渉量を増加させることによる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めておく。求めた減少分を、設計上のシール干渉量に反映する。
なお、ねじ干渉トルク増分ΔT1は、特殊ねじ継手の寸法、材質が定まれば、ねじ干渉量に応じて設計上求まる。したがって、要求トルクに応じて、図3に示したように、従来に比べて上昇させたいイールド・トルク上昇分ΔT3を決定すれば、たとえばΔT1≒ΔT3に見合うねじ干渉量が設計上求まる。
また、有限要素法による数値解析(FEA)でシール部4でのシール干渉量の減少分を求めるには、ねじ干渉量を増加させる前と、ねじ干渉量を増加させた後のケースでFEA解析を行う。その際、シール部4でのシール干渉量の減少分は、図4(a)で定義した長手方向位置P点での値とする。
また、有限要素法による数値解析(FEA)でシール部4でのシール干渉量の減少分を求めるには、ねじ干渉量を増加させる前と、ねじ干渉量を増加させた後のケースでFEA解析を行う。その際、シール部4でのシール干渉量の減少分は、図4(a)で定義した長手方向位置P点での値とする。
このようにして設計して得た本発明の特殊ねじ継手の、ターン(締め付け時の回転数)とトルクの関係を図3に実線で示した。図3中、ΔT2は、あらかじめねじ干渉量を増加させることによる、シール部でのシール干渉量の減少分を求め、求めた減少分を、設計上のシール干渉量に反映したことによるシール干渉域でのトルク増分である。
なお、設計上、シール干渉域(DE間)でのトルク増分ΔT2、ショルダー干渉域(EF間)でのトルク増分は、従来のシール干渉域(AB間)、ショルダー干渉域(BC間)でのトルク増分と同じとした。破線は、本発明の対象とした、ねじ干渉量を増加させる前の従来の特殊ねじ継手の特性カーブである。
なお、設計上、シール干渉域(DE間)でのトルク増分ΔT2、ショルダー干渉域(EF間)でのトルク増分は、従来のシール干渉域(AB間)、ショルダー干渉域(BC間)でのトルク増分と同じとした。破線は、本発明の対象とした、ねじ干渉量を増加させる前の従来の特殊ねじ継手の特性カーブである。
本発明の特殊ねじ継手によれば、ねじ干渉量を増加させることよる、シール部でのシール干渉量の減少分をあらかじめ求めておき、求めた減少分を、設計上のシール干渉量に反映したので、シール干渉域(DE間)でトルク増分ΔT2だけ上昇している。この結果、従来の特殊ねじ継手の特性カーブに対し、設計したとおり、イールド・トルク上昇分ΔT3(≒ΔT1)が生じている。
寸法が外径100mm×肉厚12.6mmである13%Cr鋼:80ksiグレードの油井管に対し、オプチマムトルクの1.5倍のトルクに耐えられる特殊ねじ継手の要求(要求トルク=オプチマムトルク×1.5)があった。
最大締め付けトルクの検証結果によれば、ねじ干渉量を増加させる前の従来の特殊ねじ継手は、オプチマムトルクの1.4倍の締め付けトルクでピン1の先端部とメタル−メタル接触する部分に変形が起こる(イールド・トルク=オプチマムトルク×1.4)。したがって、要求トルクを満足させるには、従来の特殊ねじ継手のイールド・トルクに比べて、イールド・トルク上昇分ΔT3>オプチマムトルク×0.1とする必要がある。
最大締め付けトルクの検証結果によれば、ねじ干渉量を増加させる前の従来の特殊ねじ継手は、オプチマムトルクの1.4倍の締め付けトルクでピン1の先端部とメタル−メタル接触する部分に変形が起こる(イールド・トルク=オプチマムトルク×1.4)。したがって、要求トルクを満足させるには、従来の特殊ねじ継手のイールド・トルクに比べて、イールド・トルク上昇分ΔT3>オプチマムトルク×0.1とする必要がある。
これに対して本発明を以下のように適用した。
(1)要求トルクに応じて、オプチマムトルクの20%を余裕代とし、オプチマムトルクの30%(20%+10%)をイールド・トルク上昇分ΔT3とした。また、ねじ干渉量を増加させることで、それに見合うだけのトルク上昇分を達成することとした。つまり、ねじ干渉トルク増分ΔT1≒ΔT3とし、これに対し、ねじ干渉量の増分が+0.2mm必要であると設計上判断した。
(2)次いで、公知の有限要素法による数値解析(FEA)を行い、ねじ干渉量を+0.2mmだけ増加させることによる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めた。この結果、ねじ干渉量の増分+0.2mmの70%分(=0.14mm)が、ピンとボックスの間の拡張分として無効となることが分かった。
(3)そこで設計上のシール部におけるシール干渉量を0.14mmだけ増やした。具体的には、図4(a)で定義した長手方向位置P点でのピン1のシール径を0.14mmだけ大きくするか、またはボックス2のシール径を0.14mmだけ小さくする設計とした。
(1)要求トルクに応じて、オプチマムトルクの20%を余裕代とし、オプチマムトルクの30%(20%+10%)をイールド・トルク上昇分ΔT3とした。また、ねじ干渉量を増加させることで、それに見合うだけのトルク上昇分を達成することとした。つまり、ねじ干渉トルク増分ΔT1≒ΔT3とし、これに対し、ねじ干渉量の増分が+0.2mm必要であると設計上判断した。
(2)次いで、公知の有限要素法による数値解析(FEA)を行い、ねじ干渉量を+0.2mmだけ増加させることによる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めた。この結果、ねじ干渉量の増分+0.2mmの70%分(=0.14mm)が、ピンとボックスの間の拡張分として無効となることが分かった。
(3)そこで設計上のシール部におけるシール干渉量を0.14mmだけ増やした。具体的には、図4(a)で定義した長手方向位置P点でのピン1のシール径を0.14mmだけ大きくするか、またはボックス2のシール径を0.14mmだけ小さくする設計とした。
このようにして設計したことで、オプチマムトルク×1.5のトルクで、油井管の管端と特殊ねじ継手とを締め付けても、ピン1の先端部とメタル−メタル接触する部分になんらの変形もなく、シール性能が良好である特殊ねじ継手を実現できた。
d1 ピンのねじ径
d2 ボックスのねじ径
ΔT1 ねじ干渉トルク増分
ΔT2 シール干渉域でのトルク増分
ΔT3、ΔTn イールド・トルク上昇分
A点、D点 シール干渉開始ポイント
B点、E点 ショルダー干渉開始ポイント
C点、F点 イールド開始ポイント
P点 ピン1の先端部とボックス2のシール部4とが接触を開始する長手方向位置
1 ピン
2 ボックス(又は特殊ねじ継手)
3 ねじ部
4 シール部
5 ショルダー部
d2 ボックスのねじ径
ΔT1 ねじ干渉トルク増分
ΔT2 シール干渉域でのトルク増分
ΔT3、ΔTn イールド・トルク上昇分
A点、D点 シール干渉開始ポイント
B点、E点 ショルダー干渉開始ポイント
C点、F点 イールド開始ポイント
P点 ピン1の先端部とボックス2のシール部4とが接触を開始する長手方向位置
1 ピン
2 ボックス(又は特殊ねじ継手)
3 ねじ部
4 シール部
5 ショルダー部
Claims (1)
- ピンが内部に挿入されるボックス内に、テーパねじ部、シール部およびショルダー部を有する特殊ねじ継手の設計方法であって、要求トルクに応じて、ねじ干渉量を増加させることによるねじ干渉トルク増分ΔT1を決定する工程と、あらかじめ有限要素法による数値解析(FEA)あるいは実物の締め付けテストによって、ねじ干渉量を増加させることによる、シール部でのシール干渉量の減少分を求めておき、求めた減少分を、設計上のシール干渉量に反映する工程を有することを特徴とする油井管用特殊ねじ継手の設計方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009104856A JP2010255707A (ja) | 2009-04-23 | 2009-04-23 | 油井管用特殊ねじ継手の設計方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009104856A JP2010255707A (ja) | 2009-04-23 | 2009-04-23 | 油井管用特殊ねじ継手の設計方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010255707A true JP2010255707A (ja) | 2010-11-11 |
Family
ID=43316852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009104856A Pending JP2010255707A (ja) | 2009-04-23 | 2009-04-23 | 油井管用特殊ねじ継手の設計方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010255707A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106446361A (zh) * | 2016-09-08 | 2017-02-22 | 河海大学常州校区 | 一种油套管螺纹接头的密封性评价方法 |
CN107402109A (zh) * | 2017-09-06 | 2017-11-28 | 重庆科技学院 | 一种连续测试特殊螺纹密封面气体泄漏率的方法 |
-
2009
- 2009-04-23 JP JP2009104856A patent/JP2010255707A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106446361A (zh) * | 2016-09-08 | 2017-02-22 | 河海大学常州校区 | 一种油套管螺纹接头的密封性评价方法 |
CN107402109A (zh) * | 2017-09-06 | 2017-11-28 | 重庆科技学院 | 一种连续测试特殊螺纹密封面气体泄漏率的方法 |
CN107402109B (zh) * | 2017-09-06 | 2023-06-23 | 重庆科技学院 | 一种连续测试特殊螺纹密封面气体泄漏率的方法 |
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