JP2010255694A - Ball joint - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ボールジョイントに関する。 The present invention relates to a ball joint.
一般的に、ボールジョイントは、球体をなすボール部と、それに一体となって連結するスタッド部とを有するボールスタッドと、ボール部をシートを介して保持するソケットとを有している。ボールスタッドとソケットとは、ボール部の中心の回りに相対回動することができるため、ボールスタッドは、ボールスタッドのスタッド部に固定される部材と、ソケットに固定される部材とを、互いに回動可能に連結することが可能となっている。また、ボールスタッドとソケットとの相対回動においては、ボール部とシートとが互いに摺動するため、それらの部材が滑らかに摺動するように、それらの部材の間にはグリースが介在させられている。ボールジョイントは、車両用サスペンションにおいても、サスペンションアームの連結部等に用いられており、下記特許文献においても、ボールジョイントが車両用サスペンションに使用されている。 Generally, the ball joint has a ball stud having a ball portion that forms a sphere, and a stud portion that is integrally connected thereto, and a socket that holds the ball portion via a seat. Since the ball stud and the socket can be relatively rotated around the center of the ball portion, the ball stud rotates the member fixed to the stud portion of the ball stud and the member fixed to the socket to each other. It is possible to connect in a movable manner. Further, in the relative rotation of the ball stud and the socket, the ball portion and the seat slide with each other, so that grease is interposed between the members so that the members slide smoothly. ing. Ball joints are used in suspension arm connecting portions and the like in vehicle suspensions, and in the following patent documents, ball joints are used in vehicle suspensions.
ボールジョイントにおいて、ボール部とシートの内周部とが押し合う力が強い位置(以下「高負荷位置」という場合がある)では、そこからグリースが押し出されてしまう。ボールスタッドに固定される部材と、ソケットに固定される部材とが相対回動する場合には、高負荷位置からグリースが押し出されたとしても、その相対回動によって、シートにおける高負荷位置が移動させられるため、グリースが、シートの特定の部位のみから失われてしまうことはない。しかし、相対回動においてボールスタッドとソケットとの相対位置の変化が小さい場合、シートにおける高負荷位置の移動も少なくなるため、シートのある部位に高負荷位置が留まりつづけてしまう。そのため、シートの高負荷位置にある部位ではグリースが失われ、潤滑不良が発生する可能性がある。さらに、グリースが失われることで、シートのその部位がボール部と接触すれば、シートの内周部が磨耗されてしまう可能性もある。このような実情に鑑み、本発明は、ボールスタッドとソケットとの相対位置の変化が小さい場合でも、ボールスタッドとシートとの間における潤滑不良、あるいは、シートの磨耗が発生しないボールジョイントを提供することを課題とする。 In the ball joint, at a position where the force with which the ball portion and the inner peripheral portion of the seat press against each other (hereinafter sometimes referred to as “high load position”), the grease is pushed out. When the member fixed to the ball stud and the member fixed to the socket rotate relative to each other, even if grease is pushed out from the high load position, the relative load moves the high load position on the seat. Therefore, the grease is not lost only from a specific part of the sheet. However, if the change in the relative position between the ball stud and the socket is small during relative rotation, the movement of the high load position in the seat is also reduced, and the high load position continues to stay at a certain part of the seat. For this reason, grease may be lost at a portion of the seat at a high load position, resulting in poor lubrication. Furthermore, if the grease is lost and the portion of the seat comes into contact with the ball portion, the inner peripheral portion of the seat may be worn. In view of such circumstances, the present invention provides a ball joint that does not cause poor lubrication between the ball stud and the seat or wear of the seat even when the relative position change between the ball stud and the socket is small. This is the issue.
上記課題を解決するために、本発明のボールジョイントは、2つの部材を連結するためのボールジョイントであって、(A)2つの部材の他方に固定されるソケットと、(B)内周部においてボールスタッドのボール部を保持し、外周部において前記ソケットに保持されたシートとを備え、ボールスタッドとソケットとのボールスタッドの軸線回りの相対回転に関して、ボール部のシートに対する摺動抵抗を、シートの少なくとも内周部の一部分とソケットとの相対回転抵抗に比較して大きくするとともに、ソケットとシートの少なくとも内周部の一部分との一方向の相対回転を許容し反対方向の相対回転を禁止する機構を備えることを特徴とする。 In order to solve the above problems, a ball joint according to the present invention is a ball joint for connecting two members, (A) a socket fixed to the other of the two members, and (B) an inner peripheral portion. A ball stud of the ball stud, and a seat held by the socket on the outer periphery, and the ball stud and the socket with respect to relative rotation around the axis of the ball stud, the sliding resistance of the ball portion with respect to the seat, The relative rotation resistance of at least a part of the inner circumference of the seat and the socket is increased, and relative rotation in one direction between the socket and at least a part of the inner circumference of the seat is allowed and relative rotation in the opposite direction is prohibited. It is characterized by having a mechanism to perform.
なお、シートの少なくとも内周部の一部分とソケットとの相対回転抵抗とは、例えば、シートが単一の部材で構成されている場合には、そのシートの内周部がソケットに対して回転する場合の抵抗であり、主に、シートの外周部とソケットとの摺動による抵抗である。また、シートが複数の部材から構成されているような場合における相対回転抵抗は、そのうちの内周部に位置する部材が、ソケットに対して回転する場合の抵抗であり、主に、シートの部材同士の摺動による抵抗や、外周部に位置する部材とソケットとの摺動による抵抗である。 The relative rotational resistance between at least a part of the inner peripheral portion of the sheet and the socket is, for example, when the sheet is formed of a single member, the inner peripheral portion of the sheet rotates with respect to the socket. The resistance due to sliding between the outer periphery of the sheet and the socket. The relative rotational resistance in the case where the sheet is composed of a plurality of members is the resistance when the member located in the inner periphery of the sheet rotates with respect to the socket. These are resistance due to sliding between each other, and resistance due to sliding between a member located on the outer peripheral portion and the socket.
また、ソケットとシートの少なくとも内周部の一部分との一方向の相対回転とは、前記説明と同様に、シートが単一の部材で構成されている場合には、そのシートがソケットに対して一方向に回転するのを意味する。また、シートが複数の部材から構成されているような場合には、そのうちの内周部に位置する部材が、ソケットに対して一方向に回転するのを意味する。 In addition, the relative rotation in one direction between the socket and at least a part of the inner peripheral portion of the sheet is similar to the above description when the sheet is composed of a single member, the sheet is relative to the socket. Means rotating in one direction. Moreover, when the sheet | seat is comprised from several members, it means that the member located in the inner peripheral part rotates in one direction with respect to a socket.
本発明のボールジョイントによれば、ボール部とソケットとが、ボールスタッドの軸線回りに互いに相対回転する際に、一方の回転(正回転)においては、シートの少なくとも内周部の一部分は、ボール部とともにソケットに対して回転することができる。また、他方の回転(逆回転)においては、シートはソケットに対して回転することができない。つまり、シートは一方向にのみ回転することができ、シートにおける高負荷位置は、一方向にのみ回転移動させられる。したがって、グリースが、シートの特定の部位のみから失われてしまうことはない。つまり、ボール部とシートとの間における潤滑不良や、シートの磨耗を防ぐことが可能となるのである。 According to the ball joint of the present invention, when the ball portion and the socket rotate relative to each other around the axis of the ball stud, in one rotation (forward rotation), at least a part of the inner peripheral portion of the seat It can rotate with respect to the socket together with the part. In the other rotation (reverse rotation), the sheet cannot rotate with respect to the socket. That is, the sheet can be rotated only in one direction, and the high load position on the sheet can be rotated only in one direction. Therefore, the grease is not lost only from a specific part of the sheet. That is, it is possible to prevent poor lubrication between the ball portion and the seat and wear of the seat.
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良が施された種々の形態で、本発明を実施することができる。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings as modes for carrying out the present invention. In addition, this invention is not limited to the following Example, This invention can be implemented with the various form to which the various change and improvement were performed based on the knowledge of those skilled in the art.
図1は、被駆動輪である後輪に対して設けられた車両用サスペンション装置10の外観図である。サスペンション装置10は、独立懸架式であって、マルチリンク方式となっている。サスペンション装置10は、アクスルキャリア12、サスペンションスプリング14、ショックアブソーバ16、サスペンションアーム等によって構成されている。アクスルキャリア12は、図示を省略する車輪を、回転可能な状態で保持している。そのアクスルキャリア12は、第1アッパアーム18,第2アッパアーム20,第1ロアアーム22,第2ロアアーム24,トーコントロールアーム26の各サスペンションアームの一端に、それぞれ回動可能に連結されている。また、各サスペンションアームの他端は、車体にそれぞれ回動可能に支持されている。したがって、車輪およびアクスルキャリア12は、これらのサスペンションアームによって、車体に対して揺動することが可能となっている。また、第2ロアアーム24には、ショックアブソーバ16の一端が取り付けられている。したがって、車体の上下動による第2ロアアーム24の揺動に依拠して、ショックアブソーバ16は、車輪と車体との接近離間に伴う振動に対する減衰力を発生させ、ショックアブソーバ16と共に動作するサスペンションスプリング14は、車輪と車体とを弾性的に相互支持するのである。
FIG. 1 is an external view of a
このように構成されたサスペンション装置10において、アクスルキャリア12とトーコントロールアーム26との連結には、第1実施例のボールジョイントであるボールジョイント30が使用されている。図2(a)は、ボールジョイント30の断面図である。ボールジョイント30は、大まかには、ボールスタッド32とソケット34とから構成されており、ボールスタッド32は、さらに、球形をなすボール部36と、軸をなすスタッド部38とから構成されている。ボールスタッド32およびソケット34は、鋼から製作されており、ボール部36は、ソケット34に収容されている。
In the
ボール部36とソケット34との間には、樹脂製のシート40が配設されている。つまり、シート40は、内周部においてボール部36を保持し、シート40は、外周部においてソケット34に保持されている。後述するように、ボール部36とシート40とは、互いに摺動することができ、また、ソケット34とシート40とは、ボールスタッド32の軸線(以下、「スタッド軸線」という場合がある)回りに互いに摺動することができる。ボール部36とシート40との間、および、ソケット34とシート40との間には、各部材が滑らかに摺動するように、図示を省略するグリースが介在させられている。このように、ボール部36がソケット34に収容された状態で、ボール部36は、バックアップシート42によってボール部36の上部が覆われている。そのバックアップシート42は、ソケット34に嵌められたキャップ44によって保持されている。
A
車両用サスペンション装置10においては、ボールスタッド32が、スタッド部38において、アクスルキャリア12に固定されている。詳しく説明すると、スタッド部38は、先端側に形成されるねじ部46と、そのねじ部46とボール部36との間に形成されるテーパー部48とを有している。テーパー部48が、アクスルキャリア12に設けられるテーパー孔50に挿通され、ねじ部46に、図示を省略するナットが螺合させられることで、ボールジョイント30はアクスルキャリア12に固定される。一方、ソケット34は、トーコントロールアーム26の一端に固定されている。
In the
また、ボールジョイント30がアクスルキャリア12に固定された状態で、ほこりや水等が、ソケット34の下部からソケット34の内部に侵入するのを防ぐため、ダストブーツ52がソケット34の下部とアクスルキャリア12との間に配設されている。ダストブーツ52は、可撓性のゴムから製作されているため、ソケット34やアクスルキャリア12の動作に応じて変形することができる。
Further, in order to prevent dust and water from entering the inside of the
ボールジョイント30のアクスルキャリア12への固定における取付方向について、さらに説明する。トーコントロールアーム26の車体側の連結部は、トーコントロールアーム26が、ほぼ1軸線回りに揺動するように構成されている。つまり、車体の上下動に応じて、トーコントロールアーム26は、それの車体側の連結部における回動軸線にほぼ垂直な面上を揺動する。この面を揺動面と呼ぶことにすれば、ボールスタッド32は、スタッド軸線が、揺動面に対して傾くように、アクスルキャリア12に固定される。
The mounting direction in fixing the ball joint 30 to the
図2(b)は、図2(a)のA−A部におけるボールジョイント30の断面図であり、以下に図2(a)と(b)とを参照して、シート40について詳細に説明する。シート40は、下方部が若干先細りとなっている円筒形であって、ボール部36を取り巻くようにして配設される。シート40の内周部は、ボール部36の球面に沿うように成形されている。シート40は、ソケット34に対して、それの中心軸線回りに回転することのみが可能とされている。
2B is a cross-sectional view of the ball joint 30 taken along the line AA in FIG. 2A, and the
シート40の最上部では、シート40の一部が切り込まれて、短冊状の小片が複数形成されている。小片は、それの長辺がシート40の円周方向に延び、それの短辺の一つは切り込まれていないため、シート40と一体となっている。また、小片は、シート40の径方向外側に向かって曲げ起こされている。この小片を、爪64と呼べば、爪64は、シート40の最上部において、一円周上に等間隔で複数設けられている。
In the uppermost part of the
ソケット34の内壁において、これらの爪64に向い合う部位には、爪64の幅よりも若干幅広の歯66が、一円周上に等間隔で複数成形されている。シート40とソケット34とが互いに回転する場合、ある方向に対しては、爪64の頂部が、歯66に掛止されるため、シート40はソケット34に対して回転することができない。また、その反対方向に対しては、爪64は、撓んで歯66の頂部を乗り越えることが可能であるため、シート40は、ソケット34に対して回転することができる。つまり、爪64と歯66とは、いわゆるワンウェイクラッチのように機能するラチェット機構を構成している。図2(b)におけるシート40の回転について言えば、シート40は、ソケット34に対して、右回転することは許容されているが、左回転することは禁止されている。なお、以下の説明において、シート40とソケット34とが、爪64が歯66によって掛止されない方向へ相対回転することを正回転と呼び、爪64が歯66によって掛止される方向へ相対回転することを逆回転と呼ぶことにする。
A plurality of
ちなみに、本実施例のボールジョイント30においては、爪64は7箇所に等間隔で設けられており、歯66は48箇所に等間隔で設けられている。つまり、複数の爪64のうち一つが、ある歯66に掛止される場合は、他の爪64は、どこの歯66にも掛止されないように構成されている。言い換えれば、複数の爪64のうち、2つ以上が同時に歯66に掛止されることはないのである。さらに、シート40が正回転し、掛止されている爪64の頂部が、隣の歯66に掛止される位置に移動する間に、他の6箇所の爪64は、順次、他の歯66と掛止できる位置に移動される。したがって、シート40がソケット34に対して1回転する間に、7箇所の爪64は、48箇所の歯66と、48×7=336回掛止させられることが可能となっている。
Incidentally, in the ball joint 30 of the present embodiment, the
このように構成されるボールジョイント30において、ボールスタッド32とソケット34とは、相対回動することが可能となっている。したがって、ボールジョイント30は、ボールスタッド32に固定されるアクスルキャリア12と、ソケット34に固定されるトーコントロールアーム26とを、相対回動可能に連結しているのである。ボールスタッド32とソケット34との相対回動において、互いがスタッド軸線回りに相対回転する場合、ボール部36およびシート40は、互いにスタッド軸線回りに相対回転することができ、また、ソケット34およびシート40も、互いにスタッド軸線回りに相対回転することができる。
In the ball joint 30 configured as described above, the
本実施例のボールジョイント30においては、シート40が、ボール部36とともに、ソケット34に対して回転するように、ソケット34とシート40との締め代が決定されている。つまり、締め代を調整することで、ソケット34とシート40との摩擦を調整し、ボール部36とシート40との相対回転における抵抗、つまり、摺動抵抗が、シート40とソケット34との相対回転における抵抗、つまり、相対回転抵抗よりも大きくなるように、ソケット34とシート40との締め代が決定されているのである。
In the ball joint 30 of the present embodiment, the tightening allowance between the
図3は、トーコントロールアーム26からボール部36に作用する力を示す模式図である。この力は、アーム軸線がボール部36の中心へ延びる方向に作用する。したがって、ボール部36とシート40の内周部とにおいてアーム軸線と交差する位置では、トーコントロールアーム26から作用する力が、シート40の内周部からボール部36に作用し、また、その反力が、ボール部36からシート40の内周部に作用する。したがって、ボール部36とシート40の内周部とにおけるこの位置は、ボール部36とシート40の内周部とが互いに強い力で押し合う高負荷位置となる。車両の走行中においては、トーコントロールアーム26の揺動に応じて、ボール部36とソケット34との相対位置が変化し、それに伴い、高負荷位置も移動する。シート40の内周部において、トーコントロールアーム26の揺動によって高負荷位置の移動する領域を、高負荷領域と呼ぶことにする
FIG. 3 is a schematic diagram showing the force acting on the
図2(a)には、トーコントロールアーム26の揺動に応じて、ボール部36の中心が移動する方向を矢印で示している。トーコントロールアーム26が揺動すると、ボールスタッド32とソケット34とが相対回動し、それに応じてボール部36とソケット34との相対位置が変化する。この相対位置の変化において、スタッド軸線が揺動面に対して傾いているため、ボール部36とソケット34とは、スタッド軸線回りに相対回転させられる。この相対回転の方向が正回転の方向である場合、前記の通り、ボール部36とシート40とにおける摺動抵抗が、シート40とソケット34との相対回転抵抗よりも大きいため、シート40は、ボール部36とともに、ソケット34に対して回転する。つまり、シート40は、ソケット34に対して摺動する。これに対し、相対回転の方向が逆回転の方向である場合、摺動抵抗が相対回転抵抗より大きい場合であっても、ラチェット機構により、シート40は回転することはできない。したがって、シート40はボール部36に対して摺動するのである。
In FIG. 2A, the direction in which the center of the
このように構成されるボールジョイント30において、シート40とソケット34とは一方向に相対回転する。したがって、本実施例におけるボールジョイント30によれば、シート40は、ソケット34に対して一方向に回転し、それに伴い、シート40における高負荷領域は一方向に回転移動させられるのである。その結果、高負荷領域からグリースが押し出されたとしても、シート40の特定の部位のみからグリースが失われることはない。つまり、ボールジョイント30において、潤滑不良やシート40の磨耗が防止されるのである。
In the ball joint 30 configured as described above, the
また、本実施例のシート40とソケット34とにおいては、細かいピッチで、爪64が歯66に掛止される位置に移動されるため、シート40が少ししか正回転しない場合でも、爪64は歯66に掛止させられて、シート40の逆回転が禁止させられる。そのため、トーコントロールアーム26の揺動するストロークが小さく、ボール部36とソケット34とのスタッド軸線回りの相対回転が小さい場合でも、シート40とソケット34とを、正回転させつづけることができる。
Further, in the
本実施例においては、車両用サスペンション装置10において、ボールジョイント80以外の構成は同一であるため、ボールジョイント80以外の説明については省略する。また、ボールジョイント80についても、大まかには、第1実施例におけるボールジョイント30と同じ部材によって、同様に構成されているため、ボールジョイント30と同じ部材および構成については、それらの説明を省略する。
In the present embodiment, in the
図4(a)は、ボールジョイント80の側面における断面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるB−B部におけるボールジョイント80の断面図である。ボール部36は鋼製のソケット82に収容されており、ボール部36とソケット82との間には、樹脂製のシート84が配設されている。つまり、シート84は、内周部においてボール部36を保持し、シート84は、外周部においてソケット82に保持されている。シート84は、第1固定シート86、第2固定シート88、回転シート90により構成されている。第1固定シート86および第2固定シート88は、シート84の外周部であり、互いの間に隙間が設けられて、ソケット82の内周部に固定されている。第1固定シート86および第2固定シート88の内周部の一部分は、シート84の内周部の一部分であって、ボール部36と接している。また、回転シート90の内周部も、シート84の内周部の一部分であって、ボール部36と接している。回転シート90は、ボール部36と、第1固定シート86および第2固定シート88との間に挟まれている。この回転シート90は、ボール部36、第1固定シート86、第2固定シート88に対して摺動することが可能とされている。そのため、ボール部36と回転シート90との間、および、第1固定シート86および第2固定シート88と回転シート90との間には、図示を省略するグリースが介在している。このように、ボール部36がソケット82に収容された状態で、ボール部36は、第2固定シート88の上部によって覆われており、第2固定シート88は、ソケット82に嵌められたキャップ92によって保持されている。
4A is a cross-sectional view of the side surface of the ball joint 80, and FIG. 4B is a cross-sectional view of the ball joint 80 taken along the line BB in FIG. 4A. The
シート84についてさらに詳しく説明すると、第1固定シート86の内周部において、それの下方部は、ボール部36の球面に沿うように成形されており、それの上方部は、回転シート90を挟むために凹んでいる。また、第2固定シート88の内周部において、それの上方部は、ボール部36の球面に沿うように成形されており、それの下方部は、回転シート90を挟むために凹んでいる。回転シート90は、円筒状に成形されており、それの下部がボール部36と第1固定シート86とに挟まれ、それの上部がボール部36と第2固定シート88とに挟まれている。また、回転シート90の内周部は、ボール部36の球面に沿うように成形されており、外周部は、第1固定シート86および第2固定シート88のそれぞれの凹みに密着するように成形されている。
The seat 84 will be described in more detail. The lower portion of the inner periphery of the first fixed
その回転シート90の高さ方向中間部、すなわち、第1固定シート86と第2固定シート88との隙間に位置する部位では、回転シート90の一部が切り込まれて、短冊状の小片が形成されている。小片は、それの長辺が回転シート90の円周方向に延び、それの短辺の一つは切り込まれていないため、回転シート90と一体となっている。また、小片は、回転シート90の径方向外側に向かって曲げ起こされている。この小片を、爪94と呼べば、爪94は、回転シート90の中間部において、一円周上に等間隔で複数設けられている。また、第1固定シート86と第2固定シート88との間の隙間は、爪94の幅よりも若干広くなるように設けられており、爪94は、その隙間内に位置することができる。
At the intermediate portion in the height direction of the rotating sheet 90, that is, at the portion located in the gap between the first fixed
ソケット82の内壁において、これらの爪94に向い合う部位には、爪94の幅よりも若干幅広の歯96が、一円周上に等間隔で複数成形されている。回転シート90とソケット82とが互いに回動する場合、ある方向に対しては、爪94の頂部が、歯96に掛止されるため、回転シート90はソケット82に対して回転することができない。また、その反対方向に対しては、爪94は、撓んで歯96の頂部を乗り越えることが可能であるため、回転シート90は、ソケット82に対して回転することができる。つまり、爪94と歯96とは、いわゆるワンウェイクラッチのように機能するラチェット機構を構成している。図4(b)における回転シート90の回転について言えば、回転シート90は、ソケット82に対して、右回転することは許容されているが、左回転することは禁止されている。なお、以下の説明において、回転シート90とソケット82とが、爪94が歯96によって掛止されない方向へ相対回転することを正回転と呼び、爪94が歯96によって掛止される方向へ相対回転することを逆回転と呼ぶことにする。
A plurality of
ちなみに、本実施例のボールジョイント80においては、爪94は4箇所に設けられており、歯96は31箇所に設けられている。また、第1実施例と同様に、回転シート90とソケット82とは、複数の爪94のうち一つが、ある歯96に掛止される場合は、他の爪94は、どこの歯96にも掛止されないように構成されている。
Incidentally, in the ball joint 80 of the present embodiment, the
このように構成されるボールジョイント80において、ボールスタッド32とソケット82とは、相対回動することが可能となっている。したがって、ボールジョイント80は、ボールスタッド32に固定されるアクスルキャリア12と、ソケット82に固定されるトーコントロールアーム26とを、相対回動可能に連結しているのである。ボールスタッド32とソケット82との相対回動において、互いがスタッド軸線回りに相対回転する場合、ボール部36および回転シート90は、互いにスタッド軸線回りに相対回転することができ、また、ソケット82および回転シート90も、互いにスタッド軸線回りに相対回転することができる。
In the ball joint 80 configured as described above, the
本実施例のボールジョイント80においては、後述する理由により、回転シート90が、ボール部36とともに、ソケット82に対して回転するように構成されている。つまり、ボール部36と回転シート90との相対回転における抵抗、つまり、摺動抵抗が、回転シート90とソケット82との相対回転における抵抗、つまり、相対回転抵抗よりも大きくされている。
In the ball joint 80 of the present embodiment, the rotating seat 90 is configured to rotate with respect to the
第1実施例のボールジョイント30においては、ソケット34とシート40との締め代を調整することで、ボール部36とシート40の内周部との摺動抵抗が、ソケット34とシート40との相対回転抵抗よりも大きくなるように、各部材間の摩擦が調整されていた。各部材間の摩擦においては、それらの部材の素材によっても、摩擦の調整をすることができる。つまり、各部材の素材によって、それらの部材間の摩擦係数が異なるため、摩擦を調整することができるのである。第1実施例では、ソケット34とボール部36とが鋼製であり、シート40が樹脂製となっているため、ボール部36とシート40とにおける摩擦係数と、ソケット34とシート40とにおける摩擦係数が同じとなってしまう。そのため、摩擦力の差によって摺動抵抗を相対回転抵抗よりも大きくするためには、ソケット34とシート40との締め代を小さくする必要がある。
In the ball joint 30 of the first embodiment, the sliding resistance between the
本実施例のボールジョイント80においては、ボール部36と回転シート90との摩擦係数を、回転シート90と、第1固定シート86および第2固定シート88との摩擦係数より大きくさせるために、素材の組合せを異ならせている。詳しく説明すると、本実施例のボールジョイント80においては、ソケット82とボール部36とが鋼製であり、第1固定シート86、第2固定シート88、回転シート90が樹脂製となっている。鋼と樹脂との接触における摩擦係数は、樹脂同士接触における摩擦係数よりも大きくなるため、ボール部36と回転シート90の内周部とによる摩擦係数は、回転シート90と第1固定シート86および第2固定シート88とによる摩擦係数よりも大きくなる。したがって、ボールジョイント80においては、ボール部36と回転シート90との摩擦を、回転シート90と第1固定シート86および第2固定シート88との摩擦よりも大きくすることができるため、ボール部36と回転シート90との摺動抵抗を、回転シート90とソケット82との相対回転抵抗よりも大きくすることができる。
In the ball joint 80 of the present embodiment, in order to make the friction coefficient between the
図4(a)には、トーコントロールアーム26の揺動に応じて、ボール部36の中心が移動する方向を矢印で示している。トーコントロールアーム26が揺動すると、ボールスタッド32とソケット82とが相対回動し、それに応じてボール部36とソケット82との相対位置が変化する。この相対位置の変化において、スタッド軸線が揺動面に対して傾いているため、ボール部36とソケット82とは、スタッド軸線回りに相対回転させられる。この相対回転の方向が正回転の方向であれば、前記の通り、ボール部36と回転シート90とにおける摺動抵抗は、回転シート90とソケット82との相対回転抵抗よりも大きいため、回転シート90は、ボール部36とともに、ソケット82に対して回転する。つまり、回転シート90は、第1固定シート86および第2固定シート88に対して摺動する。これに対し、相対回転の方向が逆回転の方向である場合、摺動抵抗が相対回転抵抗より大きい場合であっても、ラチェット機構により、回転シート90は回転することはできない。したがって、回転シート90はボール部36に対して摺動するのである。
In FIG. 4A, the direction in which the center of the
このように構成されるボールジョイント80において、回転シート90とソケット82とは一方向に相対回転する。したがって、本実施例におけるボールジョイント30によれば、回転シート90は、ソケット82に対して一方向に回転し、それに伴い、回転シート90における高負荷領域は一方向に回転移動させられるのである。その結果、高負荷領域からグリースが押し出されたとしても、回転シート90の特定の部位のみからグリースが失われることはない。つまり、ボールジョイント80において、潤滑不良や回転シート90の磨耗が防止されるのである。
In the ball joint 80 configured as described above, the rotating seat 90 and the
30:ボールジョイント 32:ボールスタッド 34:ソケット 36:ボール部 40:シート 30: Ball joint 32: Ball stud 34: Socket 36: Ball part 40: Seat
Claims (1)
前記2つの部材の他方に固定されるソケットと、
内周部において前記ボールスタッドのボール部を保持し、外周部において前記ソケットに保持されたシートと
を備え、
前記ボールスタッドと前記ソケットとの前記ボールスタッドの軸線回りの相対回転に関して、前記ボール部の前記シートに対する摺動抵抗を、前記シートの少なくとも内周部の一部分と前記ソケットとの相対回転抵抗に比較して大きくするとともに、前記ソケットと前記シートの少なくとも内周部の一部分との一方向の相対回転を許容し反対方向の相対回転を禁止する機構を備えることを特徴とするボールジョイント。 A ball joint for connecting two members,
A socket fixed to the other of the two members;
Holding a ball portion of the ball stud at an inner peripheral portion, and a sheet held by the socket at an outer peripheral portion;
Regarding the relative rotation of the ball stud and the socket around the axis of the ball stud, the sliding resistance of the ball portion with respect to the seat is compared with the relative rotational resistance of at least a part of the inner peripheral portion of the seat and the socket. And a mechanism for allowing relative rotation in one direction and prohibiting relative rotation in the opposite direction between the socket and at least a part of the inner periphery of the seat.
Priority Applications (1)
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JP2009104437A JP2010255694A (en) | 2009-04-22 | 2009-04-22 | Ball joint |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011086459A1 (en) | 2010-11-16 | 2012-05-16 | Hitachi, Ltd. | RUNNING DEVICE FOR ELECTRIC VEHICLES |
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