JP2010253587A - 多自由度マニピュレータおよび多自由度マニピュレータの制御プログラム - Google Patents

多自由度マニピュレータおよび多自由度マニピュレータの制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】マニピュレータ先端部に保持されるワークの質量の変動に影響されることなく、多自由度マニピュレータの滑らかで高精度な動作を実現する。
【解決手段】複数のリンク17a、リンク18a、可動アーム11bを、複数の第1関節モータ17、第2関節モータ18、第3関節モータ19によって駆動することにより、ワーク10を保持するマニピュレータ先端部11aの3次元空間での大きな自由度の動きを実現する多自由度マニピュレータ11において、マニピュレータ先端部11aの内部に流体タンク21を設け、ワーク10の質量の変動に応じて流体タンク21に貯留される流体20の量を変化させることで、ワーク10の質量の変動に影響されることなく、常に一定の負荷がマニピュレータ先端部11aに作用するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、多自由度マニピュレータおよび多自由度マニピュレータの制御プログラムに関する。
たとえば、産業用ロボット等に代表されるように、複数のリンクを関節で接続し、関節に設けられたモータ等によってリンクを屈曲させることにより、たとえば人間の腕のような複雑な動きを実現する多自由度マニピュレータが広く用いられている。
ところで、このような、多自由度マニピュレータでは、先端に把持されるワークの質量が、動作精度に影響するため、精度を維持するためには、ワークの質量の変動に応じてモータの制御パラメータを変更する等の煩雑な制御系の調整が必要となる。
そこで、このような制御系の内部的な煩雑な調整を必要とすることなく、ワークの質量の変動の影響を外的に補完して打ち消す技術として、特許文献1に開示された技術が知られている。
すなわち、この特許文献1では、複数の駆動アームおよびアームを略四辺形の平行リンクをなすように可動に接続し、水平に延長された上辺のアームの先端部に設けられた作業装置にワークを保持させる構成の工業用ロボットにおいて、重心を挟んで作業装置(ワーク)と反対側の駆動アームの内部にシリンダ室を設け、作業装置側の負荷に基づいて、このシリンダ室の内部のオイルの貯留量を変化させることで、重心の回りの総合的なバスラインを保とうとする技術が開示されている。
この特許文献1の技術は、アームの先端の作業装置に与えられた負荷の変化に応じて、ロボット全体の総合的なバランスを保とうとする構成であるが、単に重心の回りの負荷をバランスさせるだけでは、多自由度マニピュレータのようにマニピュレータ先端部の質量の変動に敏感な機構においては、水平、鉛直、斜め方向の負荷変動においては動作が乱れ、滑らかで高精度な動作を実現することが困難になる、という技術的課題があった。
また、多自由度マニピュレータは、動きの自由度が大きいため、構成部材全体の重心位置も大きく変化し、上述の特許文献1の技術を適用すること自体が困難になることも予想される。
実公平05−008068号公報
本発明の目的は、多自由度マニピュレータにおいて、マニピュレータ先端部に保持されるワークの質量の変動に影響されることなく、滑らかで高精度な動作を実現することが可能な技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、ワークが把持されるマニピュレータ先端部に配置され、流体が貯留される流体貯留手段と、
前記ワークの質量による前記マニピュレータ先端部の負荷の変動を打ち消すように前記流体貯留手段に前記流体を給排する制御手段と、
を備えた多自由度マニピュレータを提供する。
本発明の第2の観点は、ワークが把持されるマニピュレータ先端部に、流体が貯留される流体貯留手段を配置し、前記ワークの質量による前記マニピュレータ先端部の負荷の変動を打ち消すように前記流体貯留手段に前記流体を給排する多自由度マニピュレータの制御方法を提供する。
本発明の第3の観点は、ワークが把持されるマニピュレータ先端部に、流体が貯留される流体貯留手段を配置した構成の多自由度マニピュレータの制御プログラムであって、
前記ワークの質量を決定する第1ステップと、
前記ワークの前記質量による前記マニピュレータ先端部の負荷の変動を打ち消すように、前記流体貯留手段に対する前記流体の給排を制御する第2ステップと、
をコンピュータに実行させる多自由度マニピュレータの制御プログラムを提供する。
本発明によれば、多自由度マニピュレータにおいて、マニピュレータ先端部に保持されるワークの質量の変動に影響されることなく、滑らかで高精度な動作を実現することが可能な技術を提供することができる。
本発明の一実施の形態である多自由度マニピュレータの制御方法を実施する多自由度マニピュレータの構成の一例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である多自由度マニピュレータのマニピュレータ先端部を拡大して例示した断面図である。 本発明の一実施の形態である多自由度マニピュレータにおける制御系の構成例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である多自由度マニピュレータにおける制御系で用いられるデータテーブルの構成例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である多自由度マニピュレータの制御動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施の形態である多自由度マニピュレータの制御方法を実施する多自由度マニピュレータのマニピュレータ先端部の構成例を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態の変形例を示す多自由度マニピュレータのマニピュレータ先端部の構成例を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態である多自由度マニピュレータのマニピュレータ先端部の構成例を示す断面図である。
本実施の形態では、一態様として、ワークをマニピュレータ先端部に把持する多自由度マニピュレータにおいて、ワークを認識および識別する認識識別手段と、前記認識識別手段によりワークの質量を決定する手段と、マニピュレータ先端に配置された流体を貯留するタンクに流体を供給および排出する手段と、を設け、質量の異なる個々のワークの把持時にマニピュレータ先端部に作用する負荷が一定となるように、あるいは当該負荷の変動が可能な限り小さくなるように、タンクに対する流体の供給および排出を行う。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である多自由度マニピュレータの制御方法を実施する多自由度マニピュレータの構成の一例を示す概念図である。
図2は、本実施の形態の多自由度マニピュレータの一部を拡大して例示した断面図である。
なお、本実施の形態では、図1において、底面(設置面)に対して左右方向をX方向、上下方向をZ方向、紙面に垂直な方向(奥行き方向)をY方向として説明する。また、一例として、Z方向は鉛直方向、X−Y平面は水平面とする。
(構成)
本実施の形態の多自由度マニピュレータ11は、水平な設置場所に据えつけられる設置台12と、この設置台12に載置された第3関節モータ19を備えている。
第3関節モータ19には、Z方向に中空のパイプ等からなるリンク18aの下端が接続され、このリンク18aはZ方向の回りに第3関節モータ19によって旋回される。
このリンク18aの上端には第2関節モータ18を介してパイプ等からなるリンク17aの下端が接続されている。第2関節モータ18は、リンク18aとリンク17aを含む鉛直平面内でリンク17aを屈曲させる動作を行う。
リンク17aの上端には、第1関節モータ17を介してマニピュレータ先端部11aを構成する可動アーム11bが接続されている。
第1関節モータ17は、リンク17aとマニピュレータ先端部11a(可動アーム11b)を含む鉛直平面内でマニピュレータ先端部11aを屈曲させる動作を行う。
そして、第3関節モータ19、第2関節モータ18、第1関節モータ17の駆動動作を組み合わせることで、マニピュレータ先端部11aを3次元空間内で任意の位置および姿勢に制御することができる。
マニピュレータ先端部11aを構成する可動アーム11bの先端には、たとえば、把持爪等の作業ユニット16が固定されており、ワーク10を把持する動作が可能になっている。
すなわち、本実施の形態では、作業ユニット16に把持されるワーク10の質量が負荷としてマニピュレータ先端部11aに作用する。
図1に例示されるように、本実施の形態の多自由度マニピュレータ11においては、マニピュレータ先端部11aの可動アーム11bの内部には、たとえば、剛性の大きな部材で構成された流体タンク21(流体貯留手段)が設けられている。
この流体タンク21は、中空なリンク17aおよびリンク18aの内部を引き回されるチューブ配管15を介して、設置台12の外部に設けられた外部供給タンク14に接続されている。
外部供給タンク14には流体20が貯留されており、この外部供給タンク14におけるチューブ配管15の接続部には、流体給排ポンプ14aが設けられている。
この流体給排ポンプ14aは、外部供給タンク14に貯留されている流体20を、所望の質量分だけ精密にチューブ配管15を通じて流体タンク21に与圧して供給したり、逆に、流体タンク21の内部に貯留されている流体20を、チューブ配管15を通じて、所望の質量分だけ精密に外部供給タンク14の側に吸い出して排出させる動作を行うことが可能になっている。
すなわち、流体給排ポンプ14aによる流体20の給排動作によって、マニピュレータ先端部11aに設けられた流体タンク21に貯留される流体20の質量(貯留流体質量ML)を外部から精密に制御可能になっている。
また、マニピュレータ先端部11aにおける作業ユニット16の接続部には、作業ユニット16に保持されたワーク10の種別を認識するワーク認識機構13(ワーク認識手段)が設置されている。
このワーク認識機構13としては、例えば、ワーク10に添付された図示しないICタグから情報の読み出しを行うICタグ認識機構や、ワーク10の外観形状、ワーク10に記載された文字やバーコード等を撮影するカメラなどが考えられる。
上述の本実施の形態の多自由度マニピュレータ11の全体は、コンピュータ等からなる制御装置30(制御手段)で制御される。
図3は、本実施の形態の多自由度マニピュレータ11における制御系の構成例を示す概念図である。
制御装置30には、上述の作業ユニット16、第1関節モータ17、第2関節モータ18、第3関節モータ19、流体給排ポンプ14a、ワーク認識機構13が接続され、当該制御装置30によって制御される。
制御装置30は、制御プログラム31を実行することによって後述のような本実施の形態の多自由度マニピュレータ11の制御動作を実現する。
また、本実施の形態の制御装置30には、標準質量M0およびデータテーブル40が記憶されている。
図4は、本実施の形態のデータテーブル40の構成例を示す概念図である。
本実施の形態のデータテーブル40には、ワーク識別情報41とワーク質量42が対応付けられて格納されている。
ワーク識別情報41は、個々のワーク10の種別を示すユニークな番号や特徴情報等の情報が設定される。このワーク識別情報41は、ワーク認識機構13によって特定される情報である。
なお、たとえば、ワーク質量MWの異なる複数のワーク10の多自由度マニピュレータ11による取り扱い順序が決まっており、当該順序の情報でワーク質量MWを特定できる場合や、把持前のワーク10の配列位置によってワーク質量MWを特定できる場合には、ワーク認識機構13は必ずしも必要ない。
その場合には、ワーク識別情報41として、上述の順序や配列位置座標の情報を格納しておくことにより、ソフトウェア的に個々のワーク10のワーク質量MWの特定を実現できる。
ワーク質量42は、ワーク識別情報41によって特定されるワーク10について予め計測された質量(ワーク質量MW)が格納されている。
本実施の形態の場合、標準質量M0は、マニピュレータ先端部11aに保持されるワーク10の想定質量であり、マニピュレータ先端部11aを変位させるための第1関節モータ17、第2関節モータ18、第3関節モータ19の各々のゲイン等の制御パラメータ等は、マニピュレータ先端部11aの負荷(この場合、マニピュレータ先端部11aに保持されるワーク10の質量)が標準質量M0の場合に合わせて最適化されている。
一方、個々のワーク10の質量であるワーク質量MWは、個々のワーク10の種別に応じて様々であり、そのままでは、各種のワーク10のワーク質量MWが標準質量M0から変化し、多自由度マニピュレータ11の最適化された制御条件からはずれる。
そこで、本実施の形態では、制御装置30(制御プログラム31)は、作業ユニット16に保持されたワーク10の種別をワーク認識機構13によって認識する。
そして、制御装置30は、ワーク10の認識結果によってデータテーブル40のワーク識別情報41をサーチして該当するエントリを見出し、対応するワーク質量42に設定されている値を、当該ワーク10のワーク質量MWとして用い、標準質量M0とワーク質量MWの差に相当する貯留流体質量ML(=M0−MW)の流体20が、マニピュレータ先端部11aの流体タンク21に残るように、流体20を流体タンク21に供給(または排出)することで、ワーク質量MWの変動に関係なく、マニピュレータ先端部11aに作用する負荷としての標準質量M0を一定または、ほぼ一定に維持する制御を行う。
すなわち、本実施の形態の制御装置30は、マニピュレータ先端部11aに負荷として作用するワーク10のワーク質量MWの変動(増加または減少)を打ち消すように流体タンク21に流体20を給排して、流体タンク21内に貯留される流体20の貯留流体質量MLを減少または増加させる。そして、マニピュレータ先端部11aに負荷として作用する標準質量M0を一定に保つ制御を行う。
(作用)
以下、本実施の形態の多自由度マニピュレータ11の作用の一例を説明する。
まず、本実施の形態の多自由度マニピュレータ11において、制御装置30は、ワーク10を保持しない状態でのマニピュレータ先端部11aの負荷が標準質量M0となるように、外部供給タンク14から流体タンク21に貯留流体質量ML(=標準質量M0)の流体20を供給しておく。
その後、多自由度マニピュレータ11において、ワーク10が作業ユニット16にセットされると、制御装置30は、ワーク認識機構13によりワーク10の品種を識別し、あらかじめデータテーブル40に記憶されているワーク10の質量情報(ワーク質量MW)を読み出す。
そして、制御装置30は、このワーク質量MWをもとにマニピュレータ先端部11aにおける加減すべき負荷量が決定され、その負荷量分に相当する貯留流体質量ML(=M0−MW)の流体20がマニピュレータ先端部11aに設置された流体タンク21に残るように、余分な流体20を流体タンク21から外部供給タンク14に排出させる。
これによりマニピュレータ先端部11aに作用する負荷が、多自由度マニピュレータ11の制御が最適化されている標準質量M0(=ワーク質量MW+貯留流体質量ML)に一定に保たれる。
この結果、マニピュレータ先端部11aに保持されるワーク10のワーク質量MWのばらつき等に起因するマニピュレータ先端部11aの変位の制御動作のムラを軽減して、多自由度マニピュレータ11による滑らかで高精度なワーク10の取り扱い動作を実現できる。
図5のフローチャートを参照して、本実施の形態の多自由度マニピュレータ11における上述の制御装置30(制御プログラム31)の制御動作の一例を説明する。
まず、マニピュレータ先端部11aの初期化動作として、ワーク10を保持していない状態のマニピュレータ先端部11aの流体タンク21に対して、標準質量M0に相当する量の貯留流体質量MLの流体20を供給し、マニピュレータ先端部11aに作用する負荷が標準質量M0となるようにする(ステップS101)。
これにより、ワーク10を保持していない空の状態でも、マニピュレータ先端部11aは、たとえば、標準質量M0に相当する負荷の制御に最適化されている制御系によって滑らかに高精度に駆動される。
そして、制御装置30は、多自由度マニピュレータ11(作業ユニット16)にワーク10がセット(把持)されたか否かをワーク認識機構13で監視する(ステップS102)。
そして、ワーク認識機構13によってワーク10が認識されると、ワーク認識機構13によって認識された当該ワーク10の識別情報を読み取ることで取得する(ステップS103)。
次に、制御装置30は、読み取られた識別情報によってデータテーブル40のワーク識別情報41を探索し、該当するワーク識別情報41に対応したワーク質量42に格納されているワーク質量MWの値を読み出す(ステップS104)(第1ステップ)。
そして、マニピュレータ先端部11aの負荷として流体タンク21に残すべき流体20の貯留流体質量ML(=M0−MW)を演算する(ステップS104)。
次に、制御装置30は、流体給排ポンプ14aを制御して、ステップS104で得られた貯留流体質量ML分の流体20が流体タンク21に残存するように、流体20を給排する(ステップS105)(第2ステップ)。
これにより、ワーク質量MWのワーク10を保持したマニピュレータ先端部11aの負荷は、多自由度マニピュレータ11の制御系が最適化されている標準質量M0(=ワーク質量MW+貯留流体質量ML)となる。
この状態で、制御装置30は、多自由度マニピュレータ11によるワーク10の移動等の取り扱い動作を開始させる(ステップS106)。
このとき、マニピュレータ先端部11aに作用する負荷は、ワーク10のワーク質量MWの大小に関係なく、マニピュレータ先端部11aに設けられた流体タンク21の貯留流体質量MLによってほぼ標準質量M0となるように調整されるので、多自由度マニピュレータ11によるワーク10の滑らかで高精度な取り扱い動作を実現できる。
制御装置30は、予め定められた位置および予め定められた姿勢になったか否かを判断、つまり、必要な取り扱い動作が完了するまで、ステップS106の取り扱い動作を継続し(ステップS107)、完了したら、ワーク10をマニピュレータ先端部11aの作業ユニット16から解放して(ステップS108)、上述のステップ100の処理に戻る。
(効果)
本実施の形態の多自由度マニピュレータ11によれば、ワーク10の把持前に予めデータテーブル40に記憶されたワーク質量42(ワーク質量MW)によるマニピュレータ先端部11aの負荷変動に応じて、流体タンク21に貯留される流体20の貯留流体質量MLを調整することにより、マニピュレータ先端部11aに作用する負荷を、ワーク10のワーク質量MWの変動に関係なく、制御系が最適化されている標準質量M0に一定となるように調整することができる。
この結果、多自由度のマニピュレータの動作のムラを軽減して、マニピュレータ先端部11aによる多様な質量のワーク10の取り扱いを滑らかに高精度に行うことができる。
すなわち、マニピュレータ先端部11aに保持されるワーク10の質量の変動に影響されることなく、多自由度マニピュレータ11の滑らかで高精度な動作を実現することができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の他の実施の形態である多自由度マニピュレータの制御方法を実施する多自由度マニピュレータのマニピュレータ先端部の構成例を示す断面図である。
なお、本実施の形態2では、上述の実施の形態1の構成と共通する部分については、共通の符号を付して図示および説明を省略する。
上述の実施の形態1の多自由度マニピュレータ11では、流体タンク21が剛性で変形しにくいため、内部に貯留される流体20の量が変化すると流体タンク21内に空間が生じ、マニピュレータ先端部11aの変位に伴って流体20が動揺する。
このようなマニピュレータ先端部11aに設けられた流体タンク21における流体20の動揺は、重心位置の変化が伴ってしまうがゆえ、マニピュレータ先端部11aの制御精度等に好ましくない影響を与えることが予想される。
そこで、本実施の形態2の多自由度マニピュレータ11−2では、流体20の給排に応じて空間を生じることなく膨張または収縮する軟性体流体タンク23(流体貯留手段)を用いる例を示す。
(構成)
図6に例示されるように、本実施の形態2の多自由度マニピュレータ11−2のマニピュレータ先端部11aには、たとえば、伸縮して容積が増減するように弾性変形するゴムや樹脂等の軟性体で構成された軟性体流体タンク23と、ワーク認識機構13とが設置されている。
また、マニピュレータ先端部11aのワーク把持時の負荷変動に応じた流体20を軟性体流体タンク23に給排できるように軟性体流体タンク23と外部供給タンク14とがチューブ配管15により接続されている。
また、軟性体流体タンク23の内部空間は、流体20によって完全に置換されており、軟性体流体タンク23に対する流体20の給排によって軟性体流体タンク23の内部に気泡等が混在することが防止されている。
(作用)
上述の実施の形態1の場合と同様に、ワーク10が本実施の形態2の多自由度マニピュレータ11−2にセットされると、ワーク認識機構13により品種が識別され、あらかじめ記憶されていたワーク10のワーク質量MWの情報が読み出される。
このワーク質量MWの情報をもとにマニピュレータ先端部11aの負荷量が決定され、その負荷量分の貯留流体質量MLの流体が軟性体流体タンク23に残存するように、マニピュレータ先端部11aに設置された軟性体流体タンク23から流体20を排出する。
このとき、本実施の形態2の場合には、軟性体流体タンク23は流体20の排出量の変化に追従して伸縮するため、軟性体流体タンク23の内部に気泡等の空間が生じることが防止される。
この結果、軟性体流体タンク23に残存する貯留流体質量MLの流体20は、多自由度マニピュレータ11−2の動作によってマニピュレータ先端部11aの姿勢が変化しても動揺することがなく、流体20の動揺(暴れ)が確実に抑制される。
これにより、たとえばマニピュレータ先端部11aの重心がブレることなく、負荷が標準質量M0(=貯留流体質量ML+ワーク質量MW)に一定に保たれ、多自由度マニピュレータ11−2の動作のムラの軽減や、精度低下を防止することができる。
(効果)
本実施の形態2の多自由度マニピュレータ11−2によれば、上述の実施の形態1の多自由度マニピュレータ11と同様の効果が得られるとともに、さらに、流体タンクとして軟性体からなる軟性体流体タンク23を用いることにより、軟性体流体タンク23に貯留された流体20の動揺等に起因するマニピュレータ先端部11aの重心ブレを確実に抑制して、多自由度マニピュレータ11−2の動作のムラの軽減や、制御精度の低下を防止し、滑らかで高精度な制御を実現することができる。
また、軟性体流体タンク23の柔軟性および設置空間の大きさが許す範囲で、軟性体流体タンク23の容積の上限に制限がなくなり、軟性体流体タンク23に貯留される流体20の貯留流体質量MLによる標準質量M0の制御範囲が広くなる、という利点もある。また、膨張する軟性体流体タンク23は、可動アーム11bの内部の内周形状に沿って変形するので、可動アーム11bの内部空間を軟性体流体タンク23の容積として有効に利用できる。
図7は、本実施の形態2の変形例を示す多自由度マニピュレータのマニピュレータ先端部の構成例を示す断面図である。
この図7の変形例の多自由度マニピュレータ11−3では、軟性体流体タンク23の代わりに、シリンダ形タンク22(流体貯留手段)を用いて同様の効果を実現する例を示す。
すなわち、この多自由度マニピュレータ11−3では、マニピュレータ先端部11aの可動アーム11bの内部に、シリンダ形タンク22を設けている。
このシリンダ形タンク22は、両端が閉止された筒形のシリンダ22aと、このシリンダ22aの内部を、流体室22bおよびバネ室22cに仕切るように配置された遊動ピストン22dを備えている。
そして、バネ室22cには、遊動ピストン22dを、流体室22bの容積を減少させる方向に常時押圧する与圧バネ22eが配置されている。
また、バネ室22cの側のシリンダ22aの端面には図示しない通気孔が設けられ、遊動ピストン22dの変位が与圧バネ22eの付勢力のみによって行われるようになっている。
一方、シリンダ22aの流体室22bの側の閉止された端面には、チューブ配管15が接続され、外部供給タンク14との間で流体20の給排が行われるようになっている。
この場合、遊動ピストン22dが与圧バネ22eによって流体室22bの容積を減少させる方向に常時付勢されている。
これにより、流体室22bに対して流体20の給排が行われる場合、遊動ピストン22dは、当該給排による流体室22bの内部の流体20の容積変化に追随して変位し、流体室22bに空間が生じることが防止される。
この結果、軟性体流体タンク23の場合と同様に、シリンダ形タンク22に残存する流体20の動揺を確実に防止して、軟性体流体タンク23の場合と同様の効果を実現できる。
(実施の形態3)
図8は、本発明のさらに他の実施の形態である多自由度マニピュレータの制御方法を実施する多自由度マニピュレータのマニピュレータ先端部の構成例を示す断面図である。
この実施の形態3では、マニピュレータ先端部11aの可動アーム11bに対して、ゴム等の軟性体からなる円環形状の円形チューブ形タンク24(流体貯留手段)を装着した点が、上述の実施の形態1と異なり、他は同様である。
この軟性体からなる円形チューブ形タンク24は円環内径が可動アーム11bの外径よりも小さく設定されており、当該円環内径を拡張変形させて緊張状態で可動アーム11bに脱落しないように圧入されて装着されている。
これにより、円形チューブ形タンク24が空の状態でも、マニピュレータ先端部11aに変位等に伴って、円形チューブ形タンク24がマニピュレータ先端部11aから脱落することはない。
そして、この円形チューブ形タンク24の内部の密閉された中空部24aに外部からチューブ配管15を接続して、外部供給タンク14との間で流体20の給排を行わせる。
これにより、可動アーム11bに緊張状態に装着されている円形チューブ形タンク24は、中空部24aに対する流体20の給排に追随して膨張収縮し、上述の実施の形態2の軟性体流体タンク23の場合と同様の効果を実現できる。
さらに、この実施の形態3の場合には、円形チューブ形タンク24は、既存の様々な形状のマニピュレータ先端部11a(可動アーム11b)を有する多自由度マニピュレータに対して、いわゆる後付けで容易に実装できる利点がある。
すなわち、本実施の形態3の円形チューブ形タンク24、チューブ配管15、および外部供給タンク14等の構成を、既存の多自由度マニピュレータ11−4に外部から任意の部位に装着するとともに、制御プログラムを上述の実施の形態1の制御プログラム31に変更するだけで、多自由度マニピュレータ自体に大きな改造等を必要とすることなく、簡便かつ低コストにて、上述の実施の形態1〜2の効果を既存の多自由度マニピュレータに対して容易に実現できる。
以上説明したように、本発明の各実施の形態によれば、ワーク10の把持前に、データテーブル40に予め記憶されたワーク質量42の情報により、マニピュレータ先端部11aへ作用する負荷の変動を算出し、マニピュレータ先端部11aの負荷を、予め想定されている所定の標準質量M0に一定調整することができ、たとえば、第1関節モータ17、第2関節モータ18、第3関節モータ19等のモータのゲイン調整等の煩雑な操作を必要とすることなく、多自由度マニピュレータの安定した動作を実現することができる。
これにより、マニピュレータ先端部に保持されるワークの質量等の負荷の変動に影響されることなく、多自由度マニピュレータの滑らかで高精度な動作を実現することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、マニピュレータ先端部に保持されるワークの質量を実測するロードセル等の質量測定機構をマニピュレータ先端部に設け、この質量測定機構にて実測されたワーク質量MWと標準質量M0との差分を補うように、マニピュレータ先端部に設けられた流体タンクに対する流体の供給および排出を制御してもよい。
[付記1]
流体を貯蔵するタンクが配置されたマニピュレータにおいて、前記マニピュレータ先端部にはワークを認識および識別する認識識別手段を設け、前記認識識別手段により各ワーク質量によるマニピュレータの負荷量を決定し、前記貯蔵タンク内の流体を供給・排出することを特徴とする多自由度マニピュレータ。
10 ワーク
11 多自由度マニピュレータ
11−2 多自由度マニピュレータ
11−3 多自由度マニピュレータ
11−4 多自由度マニピュレータ
11a マニピュレータ先端部
11b 可動アーム
12 設置台
13 ワーク認識機構
14 外部供給タンク
14a 流体給排ポンプ
15 チューブ配管
16 作業ユニット
17 第1関節モータ
17a リンク
18 第2関節モータ
18a リンク
19 第3関節モータ
20 流体
21 流体タンク
22 シリンダ形タンク
22a シリンダ
22b 流体室
22c バネ室
22d 遊動ピストン
22e 与圧バネ
23 軟性体流体タンク
24 円形チューブ形タンク
24a 中空部
30 制御装置
31 制御プログラム
40 データテーブル
41 ワーク識別情報
42 ワーク質量
M0 標準質量
ML 貯留流体質量
MW ワーク質量

Claims (5)

  1. ワークが把持されるマニピュレータ先端部に配置され、流体が貯留される流体貯留手段と、
    前記ワークの質量による前記マニピュレータ先端部の負荷の変動を打ち消すように前記流体貯留手段に前記流体を給排する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする多自由度マニピュレータ。
  2. 前記制御手段は、前記ワークの前記質量と前記流体貯留手段内の前記流体の質量の和が一定となるように、前記ワークの前記質量の前記変動に応じて前記流体貯留手段に前記流体を給排することを特徴とする請求項1記載の多自由度マニピュレータ。
  3. さらに、前記マニピュレータ先端部に把持されるワークを認識するワーク認識手段を備え、
    前記制御手段は、前記ワーク認識手段によって認識された前記ワークの種別に基づいて決定された当該ワークの前記質量と、前記流体貯留手段内の前記流体の質量の和が一定となるように、前記流体貯留手段に前記流体を給排することを特徴とする請求項1記載の多自由度マニピュレータ。
  4. 前記流体貯留手段は、前記流体の給排に応じて伸縮する軟性体からなることを特徴とする請求項1記載の多自由度マニピュレータ。
  5. ワークが把持されるマニピュレータ先端部に、流体が貯留される流体貯留手段を配置した構成の多自由度マニピュレータの制御プログラムであって、
    前記ワークの質量を決定する第1ステップと、
    前記ワークの前記質量による前記マニピュレータ先端部の負荷の変動を打ち消すように、前記流体貯留手段に対する前記流体の給排を制御する第2ステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする多自由度マニピュレータの制御プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102011849A (zh) * 2010-11-25 2011-04-13 北京航空航天大学 一种静液连续可变传动方法及装置

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