JP2010253486A - 金属部材の接合方法 - Google Patents

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Terukazu Tokuoka
輝和 徳岡
Takao Nishioka
隆夫 西岡
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Yoshiyuki Shimada
良幸 島田
Kenji Matsunuma
健二 松沼
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Abstract

【課題】接合後にバリを除去するための加工を低減することができる金属部材の接合方法、及びこの接合方法により接合された接合金属部材を提供する。
【解決手段】この接合方法は、金属片20に設けられた円孔に金属棒10を相対的に回転させながら加圧挿入して、金属片20と金属棒10とを摩擦圧接により接合する方法である。金属棒10における円孔との接合領域に、金属棒10の軸方向に沿って複数の突起部11を設ける。各突起部11は、金属棒10の軸方向に直交する直交面12と、金属棒10における円孔への進行方向の前方側から後方側に向かって先細りする傾斜面とを有し、金属棒10の周方向に沿って連続した円環状体である。突起部11の直交面12により、接合部分に生じた余分な金属片20の構成材料を金属棒10の進行方向に押え付けながら接合して、バリ250の発生を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属部材を摩擦圧接により接合する金属部材の接合方法、及び接合金属部材に関するものである。特に、接合後にバリを除去するための加工を低減することができる金属部材の接合方法に関するものである。
金属部材の接合方法として、溶接、ロウ付け、拡散接合、圧入法などの他に、接合する金属部材を相対的に回転させ、このときの摩擦熱を利用して圧接する摩擦圧接法がある。溶接、ロウ付け、拡散接合では加熱が必要であるのに対し、摩擦圧接法では、加熱設備が不要である。また、摩擦圧接法では、圧入法よりも接合強度に優れる接合金属部材を形成することができる。
特許文献1には、金属の丸棒とブロック状の金属片とを摩擦圧接するにあたり、金属片に円筒状の貫通孔を設け、金属棒において貫通孔との接合領域を先端側に向かって先細りすると共にネジ加工を施し、このネジ部分を上記貫通孔にねじ込む構成が開示されている。
特開昭61-154780号公報
しかし、特許文献1に記載される従来の摩擦圧接法では、大きなバリが生じるという問題がある。
上述した従来の摩擦圧接法では、特許文献1に記載されるように接合後にバリを除去するための機械加工(切削加工)が必要である。特に、丸棒の接合領域を先細り形状とすると共に、ネジ加工を施すことで、特許文献1の第3図に記載されるような大きなバリが生じ易い。そして、大きなバリを除去するためには、粗加工と仕上げ加工との多段階の加工を行う必要があり、接合後の後加工の作業性を向上することが望まれる。また、バリは、丸棒と金属片との接合部分において当該丸棒の周囲に沿って環状に生成され、このバリの除去は、丸棒を損傷しないように行う必要があり、除去作業が行い難い。そのため、できるだけバリを除去するための加工を低減することが望まれる。
そこで、本発明の目的は、接合後のバリ取り作業を低減することができる金属部材の接合方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記接合方法により接合された接合金属部材を提供することにある。
本発明は、接合される金属部材の形状をバリが生じ難い形状とすることで上記目的を達成する。
本発明の金属部材の接合方法は、金属片に設けられた円孔に金属棒を相対的に回転させながら加圧挿入して、上記金属片と上記金属棒とを摩擦圧接により接合するための方法であり、上記金属棒における上記円孔との接合領域に、以下の突起部を設け、この突起部によりバリの発生を抑制する。より具体的には、上記突起部は、当該金属棒の軸方向に直交する直交面と、当該金属棒における円孔への進行方向の前方側から後方側に向かって先細りする傾斜面とを有し、当該金属棒の軸方向に沿った断面をとったとき、上記軸方向に沿って複数並ぶように設ける。そして、上記各突起部の直交面により、接合部分に生じた余分な上記金属片の構成材料を上記金属棒の進行方向に押え付けながら接合する。以下、この接合方法を突起押付方法と呼ぶ。
或いは、本発明の金属部材の接合方法は、金属片に設けられた円孔に金属棒を相対的に回転させながら加圧挿入して、上記金属片と上記金属棒とを摩擦圧接により接合するための方法であり、上記金属棒の特定の位置につば部を設け、このつば部により、つば部の外部にバリが生じることを抑制する。より具体的には、上記つば部は、上記金属棒における上記円孔との接合領域と上記円孔に接合されない非接合領域との境界から当該金属棒の軸方向に直交する方向に突出し、かつ上記円孔の最大径よりも大きな輪郭を有する直交面を具える。そして、上記つば部の直交面により、上記円孔の開口部から漏れ出た余分な上記金属片の構成材料を上記金属片側に押え付ける。以下、この接合方法をつば押付方法と呼ぶ。
或いは、本発明の金属部材の接合方法は、金属片に設けられた円孔に金属棒を相対的に回転させながら加圧挿入して、上記金属片と上記金属棒とを摩擦圧接により接合するための方法であり、上記金属片の形状を特定の形状としてバリの発生を抑制する。より具体的には、上記円孔の開口部に、接合により生じるバリを低減するための面取りを施してから上記金属棒を挿入する。以下、この接合方法を面取り方法と呼ぶ。
上記本発明接合方法によれば、突起押付方法、つば押付方法、及び面取り方法のいずれにおいても、接合直後において、接合された金属部材の接合部分近傍にバリが少なく、バリを除去するための加工を例えば、仕上げ加工程度にすることができ、従来の摩擦圧接方法のように多段階に亘る加工が不要である。或いは、上記本発明接合方法によれば、バリがほとんど生じず、バリ取り作業自体を不要にすることができる。このように本発明接合方法によれば、接合後にバリを除去するための加工を低減することができる。
特に、上記突起押付方法によれば、図1(II)に示すように金属棒100にその進行方向の前方側に向かって先細りする下向き突起部110を設けた摩擦圧接方法と比較して、大きなバリ250が生じ難い。図1(II)に示す摩擦圧接法では、金属棒100を金属片200の円孔に進行させると、金属片200の円孔近傍の構成材料が下向き突起部110の傾斜面130に沿って、金属棒の進行方向(図1において太い白矢印で示す方向(ここでは下向き))の後方側に黒矢印で示すように押しやられる。そして、押しやられた金属片200の構成材料は、円孔の開口部から漏れ出て大きなバリ250となる。一方、上記突起押付方法では、図1(I)に示すように金属棒10を金属片20の円孔に進行させると、金属棒10に設けられた突起部11の直交面12が、金属片20の円孔近傍の構成材料を白抜き矢印で示すように金属棒の進行方向に押し付ける。かつ、押し付けられた上記構成材料は、突起部11と金属棒10の外周面とがつくる]状の隙間に黒矢印で示すように入り込む。その結果、金属片20の構成材料は、円孔の開口部から漏れ出ることが少なく、大きなバリが生じることを抑制することができる。従って、金属片と金属棒との接合後にバリを除去するための加工を例えば、仕上げ加工程度にすることができる、或いは機械加工を不要にすることができる。
特に、上記つば押付方法によれば、金属棒を金属片の円孔に進行させることで、円孔近傍の構成材料が円孔の外部に漏れ出たとしても、つば部の直交面により金属片側に押し付けられることで、つば部の外部に当該構成材料が漏れ出ることを抑制することができる。即ち、つば部の外部にバリが生じることを抑制することができる。従って、金属片と金属棒との接合後にバリを除去するための加工を例えば、仕上げ加工程度にすることができる、或いは機械加工を不要にすることができる。
特に、面取り方法によれば、金属棒を金属片の円孔に進行させたとき、この進行に伴って円孔近傍の構成材料を円孔の開口部側に押しやったとしても、面取りにより開口部近傍における金属片の構成材料が少ないことで、結果として、開口部から漏れ出る構成材料の量を少なくすることができる。即ち、大きなバリを生じることを抑制することができる。従って、金属片と金属棒との接合後にバリを除去するための加工を例えば、仕上げ加工程度にすることができる。
上記突起押付方法の一形態として、上記各突起部が上記金属棒の周方向に沿って連続した円環状体である形態が挙げられる。
上記形態によれば、金属棒の周方向に沿って突起部が連なって存在することで、直交面も上記周方向に連なって存在することができる。そのため、金属棒には、金属片の円孔近傍の構成材料を金属棒の進行方向に押圧する箇所が十分に存在して、バリの発生をより効果的に低減することができる。
上記つば押付方法の一形態として、上記つば部が上記金属棒の周方向に沿って連続した円環状体である形態が挙げられる。
上記形態によれば、金属棒の周方向に沿ってつば部が連なって存在することで、直交面も上記周方向に連なって存在することができる。そのため、金属棒には、金属片の円孔の開口部から漏れ出た金属片の構成材料を金属片側に押圧する箇所が十分に存在して、つば部の外部にバリが生じることをより効果的に低減することができる。
なお、上記突起部やつば部が「連続した環状」とは、切れ間(スリット)なく繋がった一体物の他、多少の切れ間を有していても、即ち、各突起部やつば部が複数の小片から構成されていても、これら複数の小片が上記金属棒の周方向に沿って概ね環状に配置されている場合も含むものとする。上述のように一体物である方が、製造し易い上に、バリの発生の抑制効果が高いと期待される。
本発明接合方法の接続対象となる金属部材の一方は、円孔を有する金属片とし、他方は、上記円孔に挿通される金属棒とする。上記円孔は、代表的には円筒状の貫通孔が挙げられるが、非貫通孔でもよい。本発明接合方法は、種々の金属からなる金属部材に対して適用可能であり、接合する両金属部材の構成金属が同種の金属でも異種の金属でもよく、両金属部材が合金で構成される場合、上述のように同種の組成でもよいし、母材金属が共通し、添加元素が異なっていてもよい。上記金属片としては、例えば、鉄系粉末の成形体を焼結してなる焼結体が挙げられる。上記金属棒としては、例えば、各種の鋼からなる鋼棒が挙げられる。
本発明接合方法の一形態として、上述した突起押付方法、つば押付方法、及び面取り方法を組み合わせた形態とすることができる。即ち、金属棒に上記突起部及びつば部を設ける形態、金属棒に上記突起部を設けると共に上記面取りした金属片を利用する形態、金属棒に上記つば部を設けると共に上記面取りした金属片を利用する形態、金属棒に上記突起部及びつば部を設けると共に上記面取りした金属片を利用する形態のいずれかとすることができる。このように上述の各接合方法を組み合わせて利用することで、バリの発生を効果的に抑制することができ、バリを除去するための加工を更に低減することができる。
本発明金属部材の接合方法によれば、接合後にバリを除去するための加工を低減することができる。本発明接合金属部材は、上記接合方法により接合されることで、バリ取り作業が軽減されて生産性に優れる。
図1(I)は、突起部を設けた金属棒を用いる本発明接合方法を説明する断面説明図、図1(II)は、下向き突起部を設けた金属棒を用いる摩擦圧接方法を説明する断面説明図である。 図2は、実施形態1の接合方法に利用する金属棒の形状を説明する断面説明図である。 図3は、摩擦圧接装置を模式的に示す概略構成図である。 図4は、実施形態2の接合方法に利用する金属棒の形状を説明する断面説明図である。 図5は、実施形態3の接合方法に利用する金属棒の形状を説明する断面説明図である。 図6は、実施形態4の接合方法に利用する金属片の形状を説明する断面説明図である。 図7は、摩擦圧接方法に利用する各種の金属部材の形状を説明する説明断面図であり、図7(I)は突起部及びつば部を有していない金属の丸棒、図7(II)は、金属棒の先端側が先細り形状であると共にネジ加工が施された金属棒、図7(III)は、円孔の開口部にバリの発生を低減するための面取りを施していない金属片を示す。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1:突起押付方法)
以下、図2,3を参照して、実施形態1の接合方法を説明する。この接合方法は、金属片20(図3)と金属棒10(図3)とを接合したT字状の接合金属部材を製造するにあたり、金属片20に設けられた円筒状の貫通孔(円孔)20h(図3)に金属棒10を相対的に回転させながら、金属片20と金属棒10とを摩擦圧接により接合する方法である。特に、この接合方法では、金属棒10を特定の形状としている。以下、金属棒10A(図2)の形状を中心に説明する。
金属棒10Aは、金属製の中実円柱材であり、一端側の領域が金属片20の貫通孔20hに接合される接合領域10jである。実施形態1の金属棒10Aでは、この接合領域10jに複数の突起部11Aを具える。
各突起部11Aは、金属棒10Aの周方向に沿って連続する円環状の一体物であり、金属棒10Aの軸方向に沿って所定の間隔をあけて並列配置されている。従って、金属棒10Aをその軸方向に沿って切断して、任意の縦断面をとると、図2に拡大して示すように、複数の突起部11Aが金属棒10Aの軸方向に沿って並ぶ。
また、各突起部11Aは、金属棒10Aの軸方向に直交する直交面12Aと、金属棒10Aにおける金属片20の貫通孔20hへの進行方向(図2に太い白矢印で示す方向)の前方側から後方側に向かって先細りする傾斜面13Aとを有する。即ち、各突起部11Aは、上述したように縦断面をとったとき、三角形状であり、傾斜面13A(三角形の斜辺)が進行方向の後方側を向くように金属棒10Aに設けられている。ここでは、各突起部11Aにおいて、金属棒10Aの接合領域10jの外周面14Aからの突出量、即ち、直交面12Aの外径φDA及び直交面12Aに対する傾斜面13Aの角度θは、いずれの突起部11Aについても等しくしている。各突起部の直交面の外径φDAや傾斜面の角度θを適宜異ならせてもよい。例えば、金属棒10Aの接合領域10jの先端側に位置する突起部11Aの直交面12Aの外径φDAを小さく、接合領域10jの後端側に向かうにつれて直交面12Aの外径φDAを大きくした径傾斜形態としたり、金属棒10Aの接合領域10jの先端側の突起部11Aの角度θを大きく、接合領域10jの後端側に向かうにつれて突起部11Aの角度θを小さくした角度傾斜形態としてもよい。上記径傾斜形態では、金属棒10Aを金属片20の貫通孔20hに挿入し始めた接合初期のバリの発生を低減できると期待される。突起部11Aの外径φDAや角度θを異ならせることで、バリの低減具合を変化することができると期待される。
なお、図2に示す金属棒10Aでは、その軸方向に並列に配置される円環状の突起部11Aを複数具える構成としているが、接合領域10jの先端側から後端側に向かって螺旋状に連続した突起部とすることができる。また、図2に示す金属棒10Aでは、各突起部11Aのそれぞれを連続した円環状体としているが、各突起部を複数の小片からなる形態とすることができる。上記円環状の突起部11Aは、上記小片の集合体である場合と比較して、金属片20の構成材料を十分に押え付けられ、バリの発生を抑制できると期待される。更に、金属棒10Aでは、直交面12Aと金属棒10Aの外周面14Aとがつくる角を90°としているが、上記角を90°±10°の範囲で変更させてもよい。上記角が90°である金属棒10Aでは、金属片20の構成材料を十分に押え付けられ、バリの発生を抑制できると期待される。
このような複数の突起部11Aを具える金属棒10Aは、例えば、所定の大きさの丸棒を溶解→鋳造→圧延→適宜、伸線及び熱処理などの工程により作製し、得られた丸棒に切削加工や研磨加工などの機械加工を施すことで製造することができる。或いは、得られた丸棒に転造などの塑性加工を施した後、切削加工などを施してもよい。
上記複数の突起部11Aを具える金属棒10Aを用意すると共に、円筒状の貫通孔20hを具える金属片20を用意する。貫通孔20hの直径は、金属棒10Aの接合領域10jにおける最大径φDAよりも若干小さくしておく。そして、金属棒10Aを相対的に回転させながら金属片20の貫通孔20hに加圧状態で挿入することで、摩擦圧接を行う。このような摩擦圧接には、例えば、図3に示す摩擦圧接装置30を利用すると、容易に行える。
摩擦圧接装置30は、金属棒10を挟持すると共に金属棒10を回転させるスピンドル31と、金属片20を把持するクランプ32c、及び金属片20を金属棒10側に移動可能にする車輪部32wを有する支持台32と、クランプ32cに把持された金属片20を押圧する加圧装置33とを具える。加圧装置33は、代表的には、ピストン33pを具える油圧シリンダやエアシリンダなどが挙げられる。スピンドル31に挟持された金属棒10の中心軸と、金属片20の貫通孔20hの中心軸と、ピストン33pのロッドの中心軸とが同一直線上に並ぶように、スピンドル31は、架台34に取り付けられ、クランプ32cは、支持台32に取り付けられ、加圧装置33は、支柱35に支持される。
上記摩擦圧接装置30により、例えば、以下のようにすることで、摩擦圧接を行える。
まず、金属棒10(実施形態1では金属棒10A)をスピンドル31に固定し、金属片20をクランプ32cで把持する。そして、金属棒10、金属片20、加圧装置33の順に並べ、金属棒10、金属片20及びピストン33pの位置を適宜調整して、上述のように金属棒10の中心軸、金属片20の貫通孔20hの中心軸及びピストン33pのロッドの中心軸が同一直線上となるようにする。
スピンドル31により、金属棒10を所定の速度で回転させながら、金属片20の背後に配置させた加圧装置33を稼動してピストン33pにより支持台32を押圧することで、金属片20を金属棒10側に移動させ、金属棒10の接合領域と金属片20の貫通孔20hとを接触させる。このとき、金属棒10の接合領域と金属片20の貫通孔20hとの両接触面に摩擦熱が発生し、この熱により、金属棒10及び金属片20は固相拡散が起こる温度まで加熱されて軟化する。また、このとき、加圧装置33から一定の加圧力が金属棒10及び金属片20に常時加えられている。そのため、金属棒10や金属片20が軟化するにつれて、加圧装置33に押圧された金属片20は金属棒10側に押し込まれていく。
そして、この実施形態1の接合方法では、上述のように金属棒10Aが複数の突起部11Aを有していることで、金属棒10Aが金属片20に押し込まれているときに、接合部分に生じた余分な金属片20の構成材料が突起部11Aの直交面12Aにより進行方向に押圧される。かつ、進行方向に押圧された上記構成材料は、進行方向の前方に位置する突起部11Aの傾斜面13Aと、金属棒10Aの外周面14Aと、上記前方に位置する突起部11Aの次の突起部11Aの直交面12Aとで囲まれる]状の隙間に押し込められる。そのため、金属棒10Aの進行に伴い余分となった金属片20の構成材料が、貫通孔20hの開口部の外側に押し出され難い。また、上記]状の隙間に金属片20の構成材料が充填されることで、金属棒10Aと金属片20との接合強度が高められる。
金属棒10が所定の位置まで金属片20に押し込まれたら、即ち、金属棒10の接合領域の途中まで金属片20に挿入されたら、スピンドル31の回転を停止すると共に、加圧装置33の荷重を大きくして圧接を行う。
金属棒10Aを利用して得られた接合金属部材は、上述のように余分となった金属片20の構成材料が、貫通孔20hの開口部の外部に押し出され難いことから大きなバリが生じ難い。そのため、バリ取りには、仕上げ加工に用いられる程度の機能を有する切削加工具を用いればよく、作業性に優れる。
(実施形態2:つば押付方法)
以下、図3,4を参照して、実施形態2の接合方法を説明する。この接合方法は、基本的構成は実施形態1の接合方法と同様であり、金属片20(図3)と金属棒10(図3)とを接合したT字状の接合金属部材を製造するにあたり、金属片20に設けられた円筒状の貫通孔(円孔)20h(図3)に金属棒10を相対的に回転させながら、金属片20と金属棒10とを摩擦圧接により接合する方法である。特に、この接合方法では、金属棒10を特定の形状としている。以下、金属棒10B(図4)の形状を中心に説明する。
金属棒10Bは、金属製の中実円柱材であり、一端側の領域が金属片20の貫通孔20hに接合される接合領域10jである。実施形態2の金属棒10Bでは、この接合領域10jと上記金属片20の貫通孔20hに接合されない非接合領域10njとの境界Bの近傍に、金属棒10Bの外周面14Bから突出するつば部11Bを具える。
つば部11Bは、金属棒10Bの周方向に沿って連続し、所定の厚さtB(金属棒の軸方向に沿った大きさ)を有する円環状の一体物である。つば部11Bの厚さtBは、金属棒10Bの周方向に沿って一様である。
上記つば部11Bは、上記境界Bから金属棒10Bの軸方向に直交する方向に突出する直交面12Bを具える。直交面12Bは、円環状面であり、その外径φDB(輪郭)は、貫通孔20hの最大径φhよりも十分に大きい。そのため、接合された金属部材において貫通孔20hは、この直交面12Bに完全に覆われて見えなくなる。直交面12Bの輪郭の大きさは、貫通孔20hの最大径φhに応じて適宜変更することができる。上記直交面の輪郭が大きいほど、つば部11Bの外部に漏れ出る金属片20の構成材料の量を低減することができるが、金属棒の構成材料の増大を招く。
なお、図4に示す金属棒10Bでは、つば部11Bの厚さを一様にしているが、直交面12Bの輪郭が上述のように貫通孔20hよりも大きければ、一様でなくてもよく、例えば、直交面12Bから非接触領域10njの端部側に向かって先細る形状としてもよい。厚さが一様なつば部11Bは、上記先細り形状と比較して剛性が高くなることから、貫通孔20hの開口部から漏れ出た金属片20の構成材料を金属片20側に十分に押し付けられると期待される。また、金属棒10Bでは、直交面12Bと金属棒10Bの外周面14Bとがつくる角を90°としているが、上記角を90°±10°の範囲で変更させてもよい。上記角が90°である金属棒10Bでは、貫通孔20hの開口部から漏れ出た金属片20の構成材料を金属片20側に十分に押し付けられると期待される。
このようなつば部11Bを具える金属棒10Bも、上述した実施形態1の金属棒10Aと同様に所定の大きさの丸棒を作製した後、得られた丸棒に切削加工などの機械加工を施すことで製造することができる。
上記つば部11Bを具える金属棒10Bを用意すると共に、円筒状の貫通孔20hを具える金属片20を用意する。貫通孔20hの直径は、金属棒10Bの接合領域10jにおける最大径φdBよりも若干小さくしておく。そして、上述した実施形態1と同様に、金属棒10Bを相対的に回転させながら金属片20の貫通孔20hに加圧状態で挿入することで、摩擦圧接を行う。この摩擦圧接には、上述した図3に示す摩擦圧接装置30を利用すると、容易に行える。
まず、金属棒10Bをスピンドル31に固定し、金属片20をクランプ32cで把持する。そして、上述した実施形態1と同様に、金属棒10B、金属片20、加圧装置33の順に並べ、金属棒10Bの中心軸、金属片20の貫通孔20hの中心軸及びピストン33pのロッドの中心軸が同一直線上となるように、金属棒10B、金属片20及びピストン33pの位置を適宜調整する。
スピンドル31により、金属棒10Bを所定の速度で回転させながら、上述した実施形態1と同様に、加圧装置33により金属片20を金属棒10B側に移動させ、金属棒10Bの接合領域10jと金属片20の貫通孔20hとを接触させる。このとき、上述のように発生した摩擦熱により、金属棒10B及び金属片20は固相拡散が起こる温度まで加熱されて軟化し、金属棒10Bや金属片20が軟化するにつれて、加圧装置33に押圧された金属片20は金属棒10B側に押し込まれていく。
金属棒10Bが所定の位置まで金属片20に押し込まれたら、上述したようにスピンドル31の回転を停止すると共に、加圧装置33の荷重を大きくして圧接を行う。この実施形態2の接合方法では、上述のように金属棒10Bがつば部11Bを有していることで、金属棒10Bが金属片20に押し込まれているときに、貫通孔20h近傍の余分な構成材料が貫通孔20hの開口部から外部に押し出される。しかし、この押し出された金属片20の構成材料を上記つば部11Bの直交面12Bにより貫通孔20h側に押し付けることで、当該構成材料は、つば部11Bの外部に漏れ出難くなる。
上記接合方法により得られた接合金属部材は、金属片20の貫通孔20hを覆うようにつば部11Bが配置されており、このつば部11Bにより貫通孔20hの開口部から漏れ出た金属片20の構成材料も覆われる。従って、実施形態2の接合方法により得られた接合金属部材は、つば部11Bの外部にバリが少なく、このバリ取りには、仕上げ加工に用いられる程度の機能を有する切削加工具を用いればよく、作業性に優れる。
(実施形態3:突起及びつば押付方法)
以下、図3,5を参照して、実施形態3の接合方法を説明する。この接合方法は、基本的構成は実施形態1,2の接合方法と同様であり、金属片20(図3)と金属棒10(図3)とを接合したT字状の接合金属部材を製造するにあたり、金属片20に設けられた円筒状の貫通孔(円孔)20h(図3)に金属棒10を相対的に回転させながら、金属片20と金属棒10とを摩擦圧接により接合する方法である。特に、この接合方法では、金属棒10を特定の形状としており、具体的には、実施形態1で説明した突起部11A及び実施形態2で説明したつば部11Bを具える。以下、金属棒10C(図5)の形状を中心に説明する。
金属棒10Cは、金属製の中実円柱材であり、一端側の領域が金属片20の貫通孔20hに接合される接合領域10jである。実施形態3の金属棒10Cでは、実施形態1の金属棒10Aと同様に、この接合領域10jに複数の突起部11Aを具える。かつ、実施形態3の金属棒10Cでは、実施形態2の金属棒10Bと同様に、接合領域10jと非接合領域10njとの境界Bの近傍に、金属棒10Cの非接合領域10njの外周面14Cから突出するつば部11Bを具える。このような複数の突起部11A、及びつば部11Bを具える金属棒10Cも、上述した実施形態1の金属棒10A、実施形態2の金属棒10Bと同様に所定の大きさの丸棒を作製した後、得られた丸棒に適宜切削加工などの機械加工を施すことで製造することができる。
上記突起部11A及びつば部11Bを具える金属棒10Cを用意すると共に、円筒状の貫通孔20hを具える金属片20を用意する。貫通孔20hの直径は、金属棒10Cの接合領域10jにおける最大径φdBよりも若干小さくしておく。そして、上述した実施形態1,2と同様に、金属棒10Cを相対的に回転させながら金属片20の貫通孔20hに加圧状態で挿入することで、摩擦圧接を行う。この摩擦圧接には、上述した図3に示す摩擦圧接装置30を利用すると、容易に行える。
まず、金属棒10Cをスピンドル31に固定し、金属片20をクランプ32cで把持する。そして、上述した実施形態1,2と同様に、金属棒10C、金属片20、加圧装置33の順に並べ、金属棒10Cの中心軸、金属片20の貫通孔20hの中心軸及びピストン33pのロッドの中心軸が同一直線上となるように、金属棒10C、金属片20及びピストン33pの位置を適宜調整する。
スピンドル31により、金属棒10Cを所定の速度で回転させながら、上述した実施形態1,2と同様に、加圧装置33により金属片20を金属棒10C側に移動させ、金属棒10Cの接合領域10jと金属片20の貫通孔20hとを接触させる。このとき、上述のように発生した摩擦熱により、金属棒10C及び金属片20は固相拡散が起こる温度まで加熱されて軟化し、金属棒10Cや金属片20が軟化するにつれて、加圧装置33に押圧された金属片20は金属棒10C側に押し込まれていく。
そして、この実施形態3の接合方法では、上述した実施形態1の金属棒10Aと同様に金属棒10Cが複数の突起部11Aを有していることで、上述のように金属棒10Cの進行に伴い、接合部分に生じた余分な金属片20の構成材料を突起部11Aの直交面12Aにより進行方向に押圧することができる。かつ、上述したように進行方向に押圧された上記構成材料は、金属棒10Cの軸方向に隣り合う突起部11Aと金属棒10Cの外周面14Cとで囲まれる]状の隙間に押し込められる。そのため、上記余分な金属片20の構成材料が、貫通孔20hの開口部の外側に押し出され難い。また、上記]状の隙間に金属片20の構成材料が充填されることで、金属棒10Cと金属片20との接合強度が高められる。
金属棒10Cが所定の位置まで金属片20に押し込まれたら、上述したようにスピンドル31の回転を停止すると共に、加圧装置33の荷重を大きくして圧接を行う。この実施形態3の接合方法では、上述した実施形態2の金属棒10Bと同様に金属棒10Cがつば部11Bを有していることで、金属棒10Cの進行に伴い貫通孔20hの開口部から外部に押し出された余分な金属片20の構成材料は、つば部11Bの直交面12Bにより貫通孔20h側に押し付けられる。従って、当該構成材料は、つば部11Bの外部に漏れ出難くなる。
上記接合方法により得られた接合金属部材は、実施形態1の接合方法により得られた接合金属部材と同様に、余分となった金属片20の構成材料が貫通孔20hの開口部から外部に押し出される量が少ない。かつ、上記接合方法により得られた接合金属部材は、実施形態2の接合方法により得られた接合金属部材と同様に、上記貫通孔20hの開口部から漏れ出た金属片20の構成材料がつば部11Bに覆われる。従って、実施形態3の接合方法により得られた接合金属部材は、つば部11Bの外部に漏れ出て除去が必要なバリが実施形態1,2に比較して更に少なく、簡単なバリ取り作業で済む、或いはバリ取り作業が不要であり、作業性に更に優れる。
(実施形態4:面取り方法)
以下、図3,6を参照して、実施形態4の接合方法を説明する。この接合方法は、金属片20(図3)と金属棒10(図3)とを接合したT字状の接合金属部材を製造するにあたり、金属片20に設けられた円筒状の貫通孔(円孔)20h(図3)に金属棒10を相対的に回転させながら、金属片20と金属棒10とを摩擦圧接により接合する方法である。特に、この接合方法では、金属片20を特定の形状としている。以下、金属片20Dの形状を中心に説明する。
金属片20Dは、金属製の中空円環状材であり、中央部に金属棒10が挿入される円筒状の貫通孔20hを有する。貫通孔20hは、一様な直径φhを有する円孔である。この貫通孔20hの開口部に、金属片20Dと金属棒10との接合により生じるバリを低減するための面取りを施している。従って、開口部の直径は、貫通孔20hの中心部分の直径φhよりも若干大きい。また、貫通孔20hの直径φhは、金属棒10の接合領域10jにおける最大径よりも若干小さくしており、金属棒10を圧入することで接合強度を高める。貫通孔の直径φhと、金属棒の接合領域における最大径とは、摩擦圧接が可能な範囲で適宜選択することができる。
上記面取りの量(面取り量C)は、適宜選択することができる。例えば、金属片20Dが焼結体である場合、圧粉成形の際に金型から抜き出し易くするための面取りを施す場合がある。この離型のための面取りは通常非常に少ない量(軸方向の長さ及び径方向の長さのいずれも0.2mm程度)であり、このような量では、バリの低減効果が得られない。一方、面取り量Cが多いほど、バリを効果的に低減することができるが、面取り量Cが過剰になると、金属片20Dの構成材料が不足して貫通孔20hと金属棒10と間に隙間が生じる恐れがある。このような隙間が生じず、かつバリを低減できる範囲で面取り量Cを適宜選択するとよい。
なお、図6に示す金属片20Dでは、貫通孔20hの両開口部とも、バリを低減するための面取りを行っているが、いずれか一方の開口部のみにバリを低減するための面取りを行ってもよい。いずれか一方の開口部のみに上記面取りを行う場合、当該面取りを行っていない開口部を金属棒10の進行方向の前方に配置し、当該面取りを行った開口部を金属棒10の進行方向の後方に配置するとよい。貫通孔20hの両開口部に上記面取りを行うことで、バリを低減できると共に、摩擦圧接装置30などに取り付ける際に配置が容易であり、作業性に優れる。
上記特定の面取りが施された金属片20Dは、例えば、焼結体とする場合、上記特定の面取り形状の金型を利用して成形体を作製し、この成形体を焼結することで容易に形成することができる。焼結体を作製した後、切削や研磨などの機械加工により、面取りを行ったり、面取り量Cを調整してもよい。
上記特定の面取りがなされた貫通孔20hを具える金属片20Dを用意すると共に、金属棒10を用意する。そして、上述した実施形態1〜3と同様に、金属棒10を相対的に回転させながら金属片20Dの貫通孔20hに加圧状態で挿入することで、摩擦圧接を行う。この摩擦圧接には、上述した図3に示す摩擦圧接装置30を利用すると、容易に行える。
まず、金属棒10をスピンドル31に固定し、金属片20Dをクランプ32cで把持する。そして、上述した実施形態1〜3と同様に、金属棒10、金属片20D、加圧装置33の順に並べ、金属棒10の中心軸、金属片20Dの貫通孔20hの中心軸及びピストン33pのロッドの中心軸が同一直線上となるように、金属棒10、金属片20D及びピストン33pの位置を適宜調整する。
スピンドル31により、金属棒10を所定の速度で回転させながら、上述した実施形態1と同様に、金属片20Dの背後に配置させた加圧装置33を稼動して、金属片20Dを金属棒10側に移動させ、金属棒10の接合領域と金属片20Dの貫通孔20hとを接触させる。このとき、上述のように発生した摩擦熱により、金属棒10及び金属片20Dは固相拡散が起こる温度まで加熱されて軟化し、金属棒10や金属片20Dが軟化するにつれて、加圧装置33に押圧された金属片20Dは金属棒10側に押し込まれていく。
金属棒10が所定の位置まで金属片20Dに押し込まれたら、上述したようにスピンドル31の回転を停止すると共に、加圧装置33の荷重を大きくして圧接を行う。この実施形態4の接合方法では、上述のように金属片20Dの貫通孔20hの開口部が比較的大きく面取りされていることで、金属棒10が金属片20Dに押し込まれているときに、貫通孔20hの開口部の外側に押し出される余分な金属片20Dの構成材料が少ない。
上記接合方法により得られた接合金属部材は、上述のように余分となった金属片20Dの構成材料が貫通孔20hの開口部から外部に押し出される量が少ない。従って、実施形態4の接合方法により得られた接合金属部材は、除去が必要なバリが少なく、このバリ取りには、仕上げ加工に用いられる程度の機能を有する切削加工具を用いればよく、作業性に優れる。
なお、金属棒は、実施形態1〜3で説明した特定の形状のものの他、上述した突起部及びつば部の双方を具えていない単純な丸棒でもよい。上記突起部及びつば部の少なくとも一方を具える金属棒を利用すると、バリの発生を更に押えて、バリを除去するための加工を更に低減することができる。
(試験例)
種々の形状の金属片及び金属棒を用意して摩擦圧接を行い、バリの発生状態を評価した。
金属棒は、上記実施形態1で説明した複数の突起部を有する丸棒(棒No.1)、上記実施形態2で説明したつば部を有する丸棒(棒No.2)、上記実施形態3で説明した複数の突起部及びつば部を有する丸棒(棒No.3)、その他、図7(I)に示すように突起部及びつば部の双方を有しておらず、一様な直径φdを有する丸棒(棒No.4)、図7(II)に示すように金属片の貫通孔との接合領域が一端側に向かって先細りしており、この接合領域にネジ加工を施したネジつき丸棒(棒No.5)を用意した。いずれの金属棒も、JIS規格S45Cの炭素鋼棒であり、公知の条件により製造したものを用意し、棒No.1〜3,5には、適宜切削加工を施して突起部やつば部の形成やネジ加工を行った。この試験で用いた各金属棒の仕様を以下に示す。
棒No.1 金属棒の長さlA:40mm、接合領域の長さlj:10mm、接合領域の最大径φDA:8.5mm、接合領域の外周面の直径φdA:8.0mm、接合領域の外周面から直交面の突出量:0.25mm、突起部の長さlt:0.5mm、突起部のピッチlp:1.0mm
棒No.2 金属棒の長さlB:40mm、接合領域の長さlj:10mm、接合領域の最大径φdB:8mm、つば部の外径φDB:14mm、つば部の厚さtB:3mm
棒No.3 金属棒の長さlC:40mm、接合領域の長さlj:10mm、接合領域の最大径φdB:8.5mm、接合領域の外周面の直径φdA:8.0mm、接合領域の外周面から直交面の突出量:0.25mm、突起部の長さlt:0.5mm、突起部のピッチlp:1.0mm、つば部の外径φDB:14mm、つば部の厚さtB:3mm
棒No.4 金属棒の長さl:40mm、接合領域の直径φd:8mm
棒No.5 金属棒の長さl:40mm、接合領域の長さlj:10mm、接合領域の傾斜角α:10°、非接合領域の直径φ:8mm、ねじ山の高さ:0.2mm、ねじ山のピッチ:0.2mm
金属片は、上記実施形態4で説明した貫通孔の開口部に大きな面取りを施した円環状体(部材No.I)、図7(III)で示すように上記のような大きな面取りを施していない円環状体(部材No.II)を用意した。いずれの金属片も、「Fe-2質量%Cu-0.8質量%C」の組成の焼結体であり、焼結体の密度は7.0Mg(メガグラム)/m3である。焼結体は、公知の条件により作製した。この試験で用いた各金属片の仕様を以下に示す。
部材No.I:金属片の外径φD:30mm、貫通孔の直径φh:7.6mm、面取り量C(軸方向の長さ及び径方向の長さ):1.0mm、厚さt:10mm
部材No.II:金属片の外径φD:30mm、貫通孔の直径φh:7.6mm、厚さt:10mm
用意した金属棒及び金属片を適宜組み合わせて、図3に示す摩擦圧接装置30を利用して摩擦圧接を行った後のバリの存在状態を評価した。その結果を表1に示す。表1において、×は、バリを除去するにあたり、粗加工及び仕上げ加工の双方が必要であった状態、△は、バリを除去するにあたり、粗加工及び仕上げ加工が必要であったが、除去量が少なかった状態、○は、バリを除去するに当たり、仕上げ加工のみが必要であった状態、◎は、バリの除去加工が不要であった状態を示す。
Figure 2010253486
表1に示すように、金属棒を特定の形状にしたり、金属片の貫通孔を特定の形状に形成しておくことで、接合後においてバリを除去するための加工を軽減できることが分かる。特に、この試験から、金属棒を特定の形状にしておくことで、バリの除去作業の軽減効果が大きいと言える。また、金属棒及び金属片の双方を特定の形状にしておくことで、バリ取り作業を不要にすることができ、接合金属部材の生産性の向上に寄与することができると期待される。
得られた接合金属部材は、金属片と金属棒とを焼結により一体にした場合と異なり、接合界面に厚い拡散層が見られない。具体的には、摩擦圧接により得られた接合金属部材の接合部分を切断し、断面を観察すると、金属棒の接合領域と金属片の貫通孔との接合界面に、接合の際の摩擦熱により生じた溶融金属層が若干観察される。例えば、突起部を有していた金属棒を利用した場合では、突起部の外形を概ね観察することができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。例えば、金属片及び金属棒の仕様(組成、形状、サイズ)などを適宜変更することができる。
本発明金属部材の接合方法は、各種の金属材料からなり、棒状の部材と、この棒状の部材が挿入される円孔を有する部材とを接合する際に好適に利用することができる。本発明接合金属部材は、金属片と金属棒とが接合されてなる各種の部材に好適に利用することができる。
10,10A,10B,10C 金属棒 10j 接合領域 10nj 非接合領域
11,11A 突起部 11B つば部 12,12A,12B 直交面 13A 傾斜面
14A,14B,14C 金属棒の外周面 20,20D 金属片 20h 貫通孔
30 摩擦圧接装置 31 スピンドル 32 支持台 32c クランプ
32w 車輪部 33 加圧装置 33p ピストン 34 架台 35 支柱
100 金属棒 110 下向き突起部 130 傾斜面 200 金属片 250 バリ

Claims (7)

  1. 金属片に設けられた円孔に金属棒を相対的に回転させながら加圧挿入して、前記金属片と前記金属棒とを摩擦圧接により接合するための金属部材の接合方法であって、
    前記金属棒における前記円孔との接合領域に、当該金属棒の軸方向に直交する直交面と、当該金属棒における円孔への進行方向の前方側から後方側に向かって先細りする傾斜面とを有する突起部を、当該金属棒の軸方向に沿った断面において、前記軸方向に沿って複数並ぶように設けたことを特徴とする金属部材の接合方法。
  2. 前記各突起部は、前記金属棒の周方向に沿って連続した円環状体であることを特徴とする請求項1に記載の金属部材の接合方法。
  3. 金属片に設けられた円孔に金属棒を相対的に回転させながら加圧挿入して、前記金属片と前記金属棒とを摩擦圧接により接合するための金属部材の接合方法であって、
    前記金属棒における前記円孔との接合領域と前記円孔に接合されない非接合領域との境界から当該金属棒の軸方向に直交する方向に突出し、かつ前記円孔の最大径よりも大きな輪郭の直交面を有するつば部を当該金属棒に設けたことを特徴とする金属部材の接合方法。
  4. 前記つば部は、前記金属棒の周方向に沿って連続した円環状体であることを特徴とする請求項3に記載の金属部材の接合方法。
  5. 金属片に設けられた円孔に金属棒を相対的に回転させながら加圧挿入して、前記金属片と前記金属棒とを摩擦圧接により接合するための金属部材の接合方法であって、
    前記円孔の開口部に面取りを施してから、前記金属棒を挿入することを特徴とする金属部材の接合方法。
  6. 前記金属片は、鉄系粉末の成形体を焼結してなる焼結体であり、
    前記金属棒は、鋼棒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属部材の接合方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属部材の接合方法により接合されたことを特徴とする接合金属部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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