JP2010249492A - 換気量推定演算システムおよび換気量推定演算装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱負荷機器の影響を考慮した換気量推定演算装置を提供。
【解決手段】空気の吸込口または吹出口を有する熱負荷機器300を備えた建物内部に外部から取り込まれた換気空気の量を推定演算する演算システム1000であって、建物内部水蒸気量測定部804と建物外部水蒸気量測定部802と、熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部または熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部と、建物内部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、前記建物外部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量を使用して、単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算する換気量推定演算部102、103、104を備える。
【選択図】図1
【解決手段】空気の吸込口または吹出口を有する熱負荷機器300を備えた建物内部に外部から取り込まれた換気空気の量を推定演算する演算システム1000であって、建物内部水蒸気量測定部804と建物外部水蒸気量測定部802と、熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部または熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部と、建物内部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、前記建物外部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量を使用して、単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算する換気量推定演算部102、103、104を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、換気量推定演算システムおよび換気量推定演算装置に関するものである。
ショッピングストアや百貨店、コンビニエンスストア(以下、コンビニ)などの店舗等や、ビルなどにおけるエネルギー消費、とりわけ電力消費において省エネルギー(以下、省エネ)が求められている。特に、ビルや店舗等の建物全体における電力消費量においては、空調機器の消費電力や冷設機器の消費電力が大きな割合を占める。空調機器や冷設機器の消費電力は、空調機や冷設機器に掛かる熱負荷に大きく依存する。よって、特に、ビルや店舗等の建物全体における電力消費量の省エネを実現するためには、上述のような空調機や冷設機器に掛かる熱負荷の分析把握が必要となってくる。
建物内部の熱負荷については、建物の構造等によって建物外部から建物内部に侵入した外気、または建物外部から建物内部に取り込まれた空気(以下、まとめて「建物内部に取り込まれた空気」と称する。換気された空気とも呼ぶ)による熱負荷の割合が無視できない場合がある。このよう場合、換気された空気の量はどれくらいであるかの実態把握が必要となってくる。
しかし、実際の建物の換気量を計測することは、一般に非常に難しい。空気は様々な開口部・隙間等から出入りするので、それらを直接計測することは困難だからである。
一方、建物を設計した時の設計値(部屋などの建物内部の寸法や材質、窓の寸法など)から換気量を把握できる場合もあるが、この設計値が実態の値に対してどのくらい蓋然性の高い値であるかは定かではない。例えば、オフィスビルなどは設計値に近い値になることが一般にありうるが、店舗等の場合は売場の他に、厨房や飲食コーナー、バックヤードなどの設計値が異なる区画から構成されているので、それらが相互に複雑に影響しあっていることから実態がどうなっているのか設計値から把握する事は困難である。
そこで、建物の内部および外部における湿度の変化量を把握して、換気量を近似的に算出する方法が示されている(特許文献1)。
しかし、従来技術では建物の内部と外部の湿度を使用して換気量を推定する方法が示されているが、ビルや店舗等の場合では、建物内において空調機器や冷設機器、加熱機器、照明機器などの機器(以下、総称する場合は熱負荷機器と称する)が動作している場合も多く、従来技術ではこれら空調機器や冷設機器による影響が全く考慮されていない。
従来技術では空調機器や冷設機器から発せられる熱や空調機器や冷設機器で凝縮される水蒸気について考慮されていない、すなわち空調機器や冷設機器による熱や水蒸気に対する影響により湿度が変化した場合であっても、これに関わらず建物外部から建物内部に取り込まれた空気(以下、換気空気とも呼ぶ)の影響であるとして換気空気の量を推定していた。従って、熱負荷機器を備えた建物においては、湿度単体で換気量を算出する従来技術では、換気量の算出に誤差が生じ、換気量の推定精度が低くなるという問題があった。
そこで、本発明では、熱負荷機器の影響を考慮した換気量推定演算システムおよび換気量推定演算装置を提供する事を課題とする。
本発明に係る換気量推定演算システムは、空気の吸込口または空気の吹出口を有する熱負荷機器を備え、該熱負荷機器を有する建物内部における該建物の外部から該建物の内部に取り込まれた空気である換気空気の量を推定演算する換気量推定演算システムであって、建物内部の空気の水蒸気量を計測する建物内部水蒸気量測定部と建物外部の空気の水蒸気量を計測する建物外部水蒸気量測定部と、前記熱負荷機器の吸込口における空気の水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部または前記熱負荷機器の吹出口における空気の水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部と、前記建物内部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量(第1水蒸気量)と、前記建物外部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量(第2水蒸気量)と、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量(第3水蒸気量)または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量(第4水蒸気量)を使用して、単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算する換気量推定演算部を備える。
熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部または前記熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部を備え、吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量を使用して建物内部における換気の量を演算することで、熱負荷機器の影響を考慮した換気量推定演算を行う事ができる。
なお、前記換気量推定演算部は、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された第3水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された第4水蒸気量から算出された前記熱負荷機器の熱負荷量と、前記建物内部に加えられた印加熱量と、前記換気空気の熱量の和が一定とみなせる(以下、単に熱量の和が一定であると称する)ことに基づいて前記換気空気の熱量を算出して、該換気空気の熱量を少なくとも前記建物内部水蒸気量測定部において計測された第1水蒸気量と前記建物外部水蒸気量測定部において計測された第2水蒸気量を使用して算出した算出値で除算することで単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算してもよい。
熱負荷機器の熱負荷量と、建物内部に加えられた印加熱量と、換気空気の熱量の和が一定である事を利用する事で、熱負荷機器の影響も考慮しながら、推定された換気量についての精度のよい演算を行う事ができる。
また、換気量推定演算システムにおいて、前記熱負荷機器は空気の吸込口および空気の吹出口を有し、前記換気量推定演算部は、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された第3水蒸気量と、前記熱負荷機器の吸込口における第1温度と、前記吹出口水蒸気量測定部において計測された第4水蒸気量と、前記熱負荷機器の吹出口における第2温度とを使用して前記熱負荷機器の熱負荷量および前記建物内部に加えられた印加熱量を算出する熱負荷演算部を有し、前記熱負荷演算部で算出された前記熱負荷量および前記印加熱量と、前記建物内部水蒸気量測定部において計測された第1水蒸気量と前記建物外部水蒸気量測定部において計測された第2水蒸気量から算出された前記建物内部の空気のエンタルピを使用して単位時間における前記建物内部の前記換気空気の量を演算してもよい。
吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、熱負荷機器の吸込口における温度と、吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、熱負荷機器の吹出口における温度とを使用して熱負荷機器の熱負荷量と建物内部に加えられた印加熱量を算出し、該熱負荷量と該印加熱量と、前記建物内部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と前記建物外部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量から算出された建物内部の空気のエンタルピを使用して演算を行う事で、熱負荷機器の影響も考慮しながら、推定された換気量についての精度のよい演算を行う事ができる。
本発明に係る換気量推定演算装置は、空気の吸込口または空気の吹出口を有する熱負荷機器を備えた建物内部における該建物の外部から該建物の内部に取り込まれた空気である換気空気の量を推定演算する換気量推定演算装置であって、建物内部の空気の水蒸気量を計測する建物内部水蒸気量測定部、建物外部の空気の水蒸気量を計測する建物外部水蒸気量測定部、前記熱負荷機器の吸込口における空気の水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部または前記熱負荷機器の吹出口における空気の水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量のデータを受信する計測データ受信部を備え、前記計測データ受信部で受信した、前記建物内部水蒸気量測定部において計測された第1水蒸気量と、前記建物外部水蒸気量測定部において計測された第2水蒸気量と、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された第3水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された第4水蒸気量を使用して、単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算する換気量推定演算部を備える。
本発明に係る換気量推定演算プログラムは、空気の吸込口または空気の吹出口を有する熱負荷機器を備えた建物内部における該建物の外部から該建物の内部に取り込まれた空気である換気空気の量を推定演算する換気量推定演算装置としてコンピュータを機能させる換気量推定演算プログラムであって、建物内部の空気の湿度を計測する建物内部水蒸気量測定部、建物外部の空気の湿度を計測する建物外部水蒸気量測定部、前記熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部または前記熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量のデータを受信する計測データ受信ステップと、前記計測データ受信ステップで受信した、前記建物内部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、前記建物外部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量を使用して、単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算する換気量推定演算ステップを有する。
なお、熱負荷機器は、室外機や室内機から構成される空調機器や、ショーケースや冷凍機などから構成される冷設機器、オーブンやホットプレートなど加熱機器、照明機器などのことである。
熱負荷量とは、熱量のことを、その熱量が熱負荷機器に対して負荷となる側面から呼んだ場合の呼称である。
上記の換気量推定演算システムにおいて、前記換気量推定演算部は、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された第3水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された第4水蒸気量から算出された前記熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量と、前記建物内部で発生または吸収された水蒸気量と、前記換気空気の水蒸気量の和が一定とみなせる(以下、単に水蒸気量の和が一定であると称する)ことに基づいて、前記換気空気の水蒸気量を算出して、該換気空気の水蒸気量を少なくとも前記建物内部水蒸気量測定部において計測された第1水蒸気量と前記建物外部水蒸気量測定部において計測された第2水蒸気量を使用して算出した算出値で除算することで単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算してもよい。
熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量と、建物内部で発生または吸収された水蒸気量と、換気空気の水蒸気量の和が一定である事を利用する事で、熱負荷機器の影響も考慮しながら、推定された換気量についての精度のよい演算を行う事ができる。
また上記の換気量推定演算システムにおいて、前記熱負荷機器は空気の吸込口および空気の吹出口を有し、前記換気量推定演算部は、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された第3水蒸気量と、前記熱負荷機器の吸込口における第1温度と、前記吹出口水蒸気量測定部において計測された第4水蒸気量と、前記熱負荷機器の吹出口における第2温度とを使用して前記熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量および前記建物内部で発生または吸収された水蒸気量を算出する水蒸気量演算部を有し、前記水蒸気量演算部で算出された前記熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量および前記建物内部で発生または吸収された水蒸気量と、前記建物内部水蒸気量測定部において計測された第1水蒸気量と前記建物外部水蒸気量測定部において計測された第2水蒸気量から算出された前記建物内部および外部の空気の絶対湿度量を使用して単位時間における前記建物内部の前記換気空気の量を演算してもよい。
吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、熱負荷機器の吸込口における温度と、吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、熱負荷機器の吹出口における温度とを使用して熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量および前記建物内部で発生または吸収された水蒸気量を算出し、前記熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量と前記建物内部で発生または吸収された水蒸気量と、前記建物内部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と前記建物外部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量から算出された前記建物内部および外部の空気の絶対湿度量を使用して演算を行う事で、熱負荷機器の影響も考慮しながら、推定された換気量についての精度のよい演算を行う事ができる。
本発明によれば、熱負荷機器の影響を考慮した換気量推定演算システムおよび換気量推定演算装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1に実施の形態に係る換気量推定演算システム1000の構成を示す。なお、本実施例では建物内部に熱負荷機器を備えた店舗を例に説明する。以下の各実施形態では、熱負荷機器は室外機や室内機から構成される空調機である。なお熱負荷機器は、空調機器以外にも、ショーケースや冷凍機などから構成される冷設機器、オーブンやホットプレートなど加熱機器、照明機器などであってもよく、また空調機を含めたこれらの機器の複数から構成されていてもよい。
[第1実施形態]
図1に実施の形態に係る換気量推定演算システム1000の構成を示す。なお、本実施例では建物内部に熱負荷機器を備えた店舗を例に説明する。以下の各実施形態では、熱負荷機器は室外機や室内機から構成される空調機である。なお熱負荷機器は、空調機器以外にも、ショーケースや冷凍機などから構成される冷設機器、オーブンやホットプレートなど加熱機器、照明機器などであってもよく、また空調機を含めたこれらの機器の複数から構成されていてもよい。
図1によると、換気が存在する店舗内に、換気量推定演算装置100、統合管理装置(以下、統合コントローラ)200、空調機300、冷設機器400、内蔵ショーケース500、照明600、その他の発熱機器700が備えられている。また店舗外には、日射計801、外気温度湿度センサ802が備えられ、店舗内には、店内カメラ803、店内温度湿度センサ804が備えられている。これらの外気温度湿度センサ802、店内温度湿度センサ804には、湿度を測定するセンサが含まれており、この湿度の測定によって、水蒸気量が検出することができる。湿度は、後述の重量絶対湿度と、空気1立方メートル中に存在する水蒸気量(体積絶対湿度)に対するその温度における(空気1立方メートル当りの)飽和水蒸気量との比の百分率(相対湿度)として定義されている。従って、本実施形態およびそれ以後において、水蒸気量については、空気中の水蒸気量を表すパラメータの一つである湿度を用いて説明する。
統合コントローラ200は、空調機300、冷設機器400、内蔵ショーケース500、照明600、その他の発熱機器700などの機器(以下、各設備機器と書く)を統合的に管理し、それらの各設備機器を連携して制御を行うコントローラである。統合コントローラ200は、冷媒機器制御部201、電力計測部202、データ蓄積部203から構成されている。
冷媒機器制御部201が、各設備機器を統合的に管理し、それらの各設備機器を連携して制御する機能を主に担当する制御部である。具体的には、各設備機器から状態データや各設備機器に備えられたセンサの計測データを受信し、省エネの観点等から、各設備機器の制御方法を決定し、制御データを各設備機器に送信する。このようなセンサの計測データとしては、空調機300に設けられる温度センサ湿度センサ302(後述)が計測する湿度データ、外気温度湿度センサ802および店内温度湿度センサ804が計測する湿度データなどが挙げられ、更に詳しくは、空調機300の吸込口に設けられる吸込口水蒸気量測定部として機能するような後述する吸込湿度センサ302b(後述)が計測する湿度データ、空調機300の吹出口に設けられる吹出口水蒸気量測定部として機能するような後述する吹出湿度センサ302d(後述)が計測する湿度データ、外気温度湿度センサ802を構成する店舗の外の湿度を計測するセンサおよび店内温度湿度センサ804を構成する店舗の中の湿度を計測するセンサが計測する湿度データ等が挙げられる。
冷媒機器制御部201は、各設備機器の機器コントローラ(不図示)と通信線で接続されており、機器コントローラ通じて各設備機器と通信を行う。なお、以下では、機器コントローラの存在に言及せず、単に冷媒機器制御部201と各設備機器が通信を行う形で説明を行う。
冷媒機器制御部201は、各設備機器の機器コントローラ(不図示)と通信線で接続されており、機器コントローラ通じて各設備機器と通信を行う。なお、以下では、機器コントローラの存在に言及せず、単に冷媒機器制御部201と各設備機器が通信を行う形で説明を行う。
電力計測部202は、配電盤において各設備機器毎に備えられた電力計301、401、501、601、701から送信された電力データを受信し、各設備機器毎の時間毎の消費電力等を計測する。データ蓄積部203は、冷媒機器制御部201で得られた各設備機器の状態データや各センサの計測データを蓄積したり、電力計測部202で計測した各設備機器毎の消費電力を蓄積する。
空調機300は、室内機300aと、室内機に冷媒を送出する室外機300bから構成される空気調和機である(図2を用いて後述)。空調機300には、温度センサ湿度センサ302が備えられている(図2を用いて後述)。空調機300で消費される電力は電力計301で計測される。尚、各電力計は各機器に内蔵されたような電力計であってもよい。また、電力値は電流を計測する計測部で測定した結果を用いて計算したものであってもよい。
冷設機器400は、食品等の保存、陳列用のショーケース400a、ショーケースに冷媒を送出する冷凍機400bから構成される機器である(図3の所で説明する)。冷設機器400には、後付けで温度センサ湿度センサ402が備えられている(図3の所で説明する)。冷設機器400で消費される電力は電力計401で計測される。
内蔵ショーケース500は、食品等の保存、陳列用のショーケースであり、ショーケースで使用する冷媒を送出する冷凍機を内蔵したショーケースである。内蔵ショーケース500で消費される電力は電力計501で計測される。
照明600は、店舗内の照明、ネオン看板等である。照明600で消費される電力は電力計601で計測される。
その他の発熱機器700は、店舗内で使用されるオーブンやホットプレートなどの加熱機器である。その他の発熱機器700で消費される電力は電力計701で計測される。
日射計801は店舗の外の日射量、たとえば店舗の屋根面の日射量を計測する計測器である。なお、日射計801は窓面に設置してもよい。外気温度湿度センサ802は店舗の外の温度を計測するセンサ、および店舗の外の湿度を計測するセンサ(建物外部水蒸気量測定部のこと)から構成されている。なお、ここで言う店舗の外の湿度は本発明で言う第2水蒸気量に相当する。店内カメラ803は店舗内に存在する客の人数をカウントするために使用されるものであり、人感センサでも代用可能である。また、人数は、ドアの開閉回数やPOSデータから得られる来客数から算出してもよい。店内温度湿度センサ804は、店舗の中の温度を計測するセンサ、および店舗の中の湿度を計測するセンサ(建物内部水蒸気量測定部のこと)から構成される。なお、ここで言う店舗の中の湿度は本発明で言う第1水蒸気量に相当する。
換気量推定演算装置100は、例えば計測された湿度等である水蒸気量を使用して、単位時間における店舗建物の内部における換気量を演算する装置であり、後で述べる熱収支バランスや水蒸気バランス等の物理量の保存則を利用して演算を行う装置である。本実施形態では、単位時間を1時間とする。換気量推定演算装置100は、計測データ受信蓄積部101、加熱冷却量・除加湿量算出部102、バランス量算出部103、換気量算出部104、結果出力部105から構成されている。なお、図1では換気量推定演算装置100は統合コントローラ200と別に存在しているが、統合コントローラ200内部に存在していてもよい。また、同図では換気量推定演算装置100は店舗内に存在しているが、換気量推定演算装置100のうちの計測データ受信蓄積部101のみを店舗に設置し、それ以外の機能部を店舗外に設置していてもよく、インターネット等を通じて計測データ受信蓄積部101とそれ以外の機能部との間で通信を行ってもよい。
計測データ受信蓄積部101は、店舗内部の空気の湿度を計測する店内温度湿度センサ804を構成する店舗の中の湿度を計測するセンサ、店舗外部の空気の湿度を計測する外気温度湿度センサ802を構成する店舗の外の湿度を計測するセンサ、前記熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込湿度センサ302bまたは前記熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出湿度センサ302dにおいて計測された水蒸気量のデータを受信する計測データ受信部にデータ蓄積機能を加えた機能部である。具体的には、データ蓄積部203に蓄積された各設備機器の状態データや各センサの計測データを受信して蓄積を行い、また、日射計801、外気温度湿度センサ802、店内カメラ803、店内温度湿度センサ804や温度センサ湿度センサ302、温度センサ湿度センサ402から計測データを受信して蓄積を行う。従って、後述する吸込湿度センサ302b、吹出湿度センサ302dが計測する湿度データや、外気温度湿度センサ802を構成する店舗の外の湿度を計測するセンサおよび店内温度湿度センサ804を構成する店舗の中の湿度を計測するセンサが計測する湿度データ等がこの計測データ受信蓄積部101に蓄積されることになる。
なお、日射計801、外気温度湿度センサ802、店内カメラ803、店内温度湿度センサ804や温度センサ湿度センサ302、温度センサ湿度センサ402からの計測データは直接計測データ受信蓄積部101で受信しなくても、統合コントローラ200がそれら計測データを一元的に受信し、計測データ受信蓄積部101はデータ蓄積部203から計測データを受信をする形であっても良い。
加熱冷却量・除加湿量算出部102は、計測データ受信蓄積部101に蓄積されている計測された湿度や温度等を使用して、熱負荷機器で加熱される熱量および冷却量を算出する、または熱負荷機器での除湿量および加湿量を算出する。たとえば、後述する吸込湿度センサ302bが計測する湿度データおよび、吹出湿度センサ302dが計測する湿度データ、外気温度湿度センサ802を構成する店舗の外の湿度を計測するセンサおよび店内温度湿度センサ804を構成する店舗の中の湿度を計測するセンサが計測する湿度データ等に基づいて、熱負荷機器である空調機300における加熱される熱量および冷却量を算出する。
バランス量算出部103は、加熱冷却量・除加湿量算出部102で算出された熱負荷機器で加熱される熱量および冷却量、または熱負荷機器での除湿量および加湿量を使用して、熱収支バランスや水蒸気バランス等を考慮して、換気空気の熱負荷量、または換気空気の除湿量もしくは加湿量(以下、除加湿量と書く)の演算を行う。熱収支バランスとは、熱の収支がバランスしている事を意味し、店舗内における熱負荷機器(本実施形態では空調機)の熱負荷量、ショーケースを含む冷設機器からの熱、その他の発熱機器からの熱、伝動熱、輻射熱等の店舗内部に加えられた印加熱量などと、換気空気の熱量の和が一定であるとみなせる事を意味する(以下、単に「熱量の和が一定である」と称する)。水蒸気バランスとは、店舗内における機器などによる加湿量および除湿量と換気空気の水蒸気量の和が一定であるとみなせる事を意味する(以下、単に「水蒸気量の和熱量の和が一定である」と称する)。
なお、本実施形態ではバランス量算出部103は、店舗内、および外気のエンタルピも算出するが、加熱冷却量・除加湿量算出部102で算出された熱負荷機器で加熱される熱量および冷却量、または熱負荷機器での除湿量および加湿量を使用して、熱収支バランスや水蒸気バランス等を考慮して、換気空気の熱負荷量、または換気空気の除湿量もしくは加湿量(以下、除加湿量と書く)の演算を行うことができれば、店舗内、および外気のエンタルピの算出は必ずしも必要ではない。一方、店舗内、および外気のエンタルピを算出し、その値を使用することで、精度の高い熱負荷量を算出することができる。
換気量算出部104は、バランス量算出部103で算出された換気空気の熱負荷量、または換気空気の除加湿量を使用して、単位時間における店舗建物の内部における推定換気量を演算する。なお、本実施形態では店舗内および外気のエンタルピも使用して、単位時間における店舗建物の内部における推定換気量を演算する。
なお、加熱冷却量・除加湿量算出部102、バランス量算出部103、換気量算出部104を併せて換気量推定演算部を構成する。換気量推定演算部は、少なくとも後述する吸込湿度センサ302bまたは吹出湿度センサ302dにおいて計測された水蒸気量および、外気温度湿度センサ802を構成する店舗の外の湿度を計測するセンサおよび店内温度湿度センサ804を構成する店舗の中の湿度を計測するセンサが計測する湿度データを使用して、単位時間における建物内部における換気の量を演算する。詳しくは後述する。
結果出力部105は、換気量算出部104で算出された単位時間における店舗建物の内部における換気量を出力する。結果出力部105からの出力は、例えば、音声出力、画像表示、インターネット等へのデータ出力などである。
以上の構成により、本実施形態の換気量推定演算システム、換気量推定演算装置は、単位時間における店舗建物の内部における換気量を推定演算することができる。具体的には、本実施形態の換気量推定演算システム、換気量推定演算装置は、計測された湿度や温度等を使用して、熱負荷機器で加熱される熱量および冷却量、または熱負荷機器での除湿量および加湿量を算出して、熱収支バランスや水蒸気バランス等を考慮して、換気空気の熱負荷量、または換気空気の除加湿量の演算、また、店舗内、および外気のエンタルピを算出し、算出された換気空気の熱負荷量、または換気空気の除加湿量と店舗内および外気のエンタルピを使用して、単位時間における店舗建物の内部における換気量を推定演算することができる。
(空調機300)
図2に、空調機300に関連する機能部の構成を示す。なお、熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部たる吸込湿度センサ302bは、空調機300、詳しくは室内機300a内の吸込口303傍に取り付けられている。熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部たる吹出湿度センサ302dは、空調機300、詳しくは室内機300a内の吹出口304傍に取り付けられている。これについては、後述する。
(空調機300)
図2に、空調機300に関連する機能部の構成を示す。なお、熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部たる吸込湿度センサ302bは、空調機300、詳しくは室内機300a内の吸込口303傍に取り付けられている。熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部たる吹出湿度センサ302dは、空調機300、詳しくは室内機300a内の吹出口304傍に取り付けられている。これについては、後述する。
空調機300は、設定されている室内を冷暖房する室内機300aと、室内機300aに冷媒を送出する室外機300bとから構成されている。なお、室内機300aが複数、室外機300bに接続されていても良い。
空調機300で消費される電力は、電力計301で計測される。
室内機300aには、室内機300a内に空気を取り入れる吸込口303と、室内機300aから空気を吐き出す吹出口304を有している。冷房の場合、吸込口303から吸い込まれた空気(以下、吸込空気とも呼ぶ)は熱交換部によって空気の熱量が吸収されて温度が下がり、水蒸気が凝縮されて水蒸気量が減少した空気(以下、吹出空気とも呼ぶ)となって、吹出口304から吹き出される。暖房の場合、吸込口303から吸い込まれた吸込空気は熱交換部によって熱が付加されて、温度が上昇した吹出空気となって、吹出口304から吹き出される。なお、この空気の加熱・冷却、および水蒸気の凝縮の際に、空調機300に熱負荷がかかり、消費電力が発生することになる。
よって、冷房時は、吸込口303から吸い込まれる吸込空気に吸熱および除湿の作用が付加されることで吹出口304から吹き出される吹出空気となり、吸込口水蒸気量測定部の計測値と吹出口水蒸気量測定部の計測値にそれが表れる。また、暖房時は、吸込口303から吸い込まれる吸込空気に加熱の作用が付加されることで吹出口304から吹き出される吹出空気となり、吸込口水蒸気量測定部の計測値と吹出口水蒸気量測定部の計測値にそれが表れる。なお、暖房時は、吸込空気に対して吹出空気中の水蒸気量は変化していないが、吹出空気の温度が上昇した事で、吸込空気に対して吹出空気の湿度は低下している。
冷暖房動作の際、吸込温度センサ302aが室内機300a内の吸込口303傍に配されており、吸込温度センサ302aで吸込まれた空気の温度が計測される(熱負荷機器の吸込口における第1温度のことである)。同図中では、室内機300a内の吸込口303傍に配されているように描かれているが、吸込口303の傍であれば、室内機300aの内外は問わない。
また、空調機300(詳しくは室内機300a内の吸込口303傍)には、熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部として、吸込湿度センサ302bが配されており、冷暖房動作の際、吸込湿度センサ302bで吸込まれた空気の水蒸気量、本実施形態では湿度が計測される(熱負荷機器の吸込口における第3水蒸気量に相当する)。同図中では、室内機300a内の吸込口303傍に配されているように描かれているが、吸込口303の傍であれば、室内機300aの内外は問わない。
冷暖房動作の際、吹出温度センサ302cが室内機300a内の吹出口304傍に配されており、吸出温度センサ302cで吹き出す空気の温度が計測される(熱負荷機器の吹出口における第2温度のことである)。同図中では、室内機300a内の吹出口304傍に配されているように描かれているが、吹出口304の傍であれば、室内機300aの内外は問わない。
また、空調機300(詳しくは室内機300a内の吹出口304傍)には、熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部として、吹出湿度センサ302dが配されており、冷暖房動作の際、吹出湿度センサ302dで吹き出す空気の水蒸気量、本実施形態では湿度が計測される(熱負荷機器の吹出口における第4水蒸気量に相当する)。同図中では、室内機300a内の吹出口304傍に配されているように描かれているが、吹出口304の傍であれば、室内機300aの内外は問わない。
なお、吸込温度センサ302aは従前から室内機に備えられて出荷されている場合が多いが、吸込湿度センサ302b、吹出温度センサ302c、吹出湿度センサ302dは従前では室内機に備えられて出荷される場合は少ない。その場合は、吸込湿度センサ302b、吹出温度センサ302c、吹出湿度センサ302dは出荷後に後付の形で取り付けられる。本実施形態では、吸込湿度センサ302b、吹出温度センサ302c、吹出湿度センサ302dは出荷後に後付の形で取り付けられている例である。
また、吸込湿度センサ302b、吹出湿度センサ302dはどちらか一方だけを取り付けるものであってもよい。この場合、吸込湿度センサ302b、吹出湿度センサ302dのうちのどちらか取り付けられていない方の計測データは、店舗内部の空気の湿度を計測する店内温度湿度センサ804を構成する店舗の中の湿度を計測するセンサの値などで代用してもよい。なお本実施形態では、吸込湿度センサ302b、吹出湿度センサ302dの両方が取り付けられている例で説明を行う。
吹き出す空気の温度、水蒸気量は吹出温度センサ302c、吹出湿度センサ302dを用いて計測されなくても、吹き出す空気の温度、水蒸気量と見做しうるデータを統合コントローラ200のデータ蓄積部203から換気量推定演算装置100が得る形でも良い。
また、吸込まれた空気の温度、水蒸気量、および吹き出す空気の温度、水蒸気量の計測は、吸込口303の傍、吹出口304の傍でなくても、吸込まれた空気の温度、水蒸気量、および吹き出す空気の温度、水蒸気量を計測できると見做し得る箇所での計測であればよい。例えば、吸込まれた空気の水蒸気量を計測する箇所を天井の1箇所に定めたとしても、それが当該吸込まれた空気の蒸気量を計測できると見做し得る箇所である場合は、熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部と見做すことができる。これは、このように吸込まれた空気の水蒸気量を計測する箇所を天井の1箇所に定めたとしても、室内機300aが天井にある場合は、吸込まれた空気の蒸気量を計測できると見做し得るとして、熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部と見做すことができる場合があるからである。
吸込温度センサ302a、吸込湿度センサ302b、吹出温度センサ302c、吹出湿度センサ302dが図1、図4でいう温度センサ湿度センサ302である。
(冷設機器400)
図3に、冷設機器400に関連する機能部の構成を示す。
(冷設機器400)
図3に、冷設機器400に関連する機能部の構成を示す。
冷設機器400は、その内部に有している庫内で食品等の保存および陳列用を行い、食品等の保存のために庫内を冷却するショーケース400aと、ショーケース400aに冷媒を送出する冷凍機400bとから構成されている。なお、通常ショーケース400aは複数台が冷凍機400bに接続されている。
冷設機器400で消費される電力は、電力計401で計測される。
ショーケース400aには、ショーケース400aの庫内が外気の影響を受けないようにエアカーテンとなる空気流を送出しており、そのための吹出口と、吹出したエアカーテンの空気と庫内の空気を取り入れる吸込口を有している。なお、食品等の保存の際に冷却、および水蒸気の凝縮が発生し、冷設機器400に熱負荷がかかり、消費電力が発生することになる。
食品等の保存の動作の際、庫内温度センサ402aが庫内に配されており、庫内温度センサ402aで庫内の空気(以下、庫内空気とも呼ぶ)の温度が計測される。また、庫内湿度センサ402bが庫内に配されており、食品等の保存の動作の際、庫内湿度センサ402bで庫内の水蒸気量、本実施形態では湿度が計測される。
食品等の保存の動作の際、ショーケース外温度センサ402cがショーケース外の傍に配されており、ショーケース外温度センサ402cでショーケース外の傍の空気(以下、ショーケース外空気とも呼ぶ)の温度が計測される。また、食品等の保存の動作の際、ショーケース外湿度センサ402dがショーケース外の傍に配されており、ショーケース外湿度センサ402dでショーケース外の傍の水蒸気量、本実施形態では湿度が計測される。
なお、庫内温度センサ402aは従前からショーケースに備えられて出荷されている場合が多いが、庫内湿度センサ402b、ショーケース外温度センサ402c、ショーケース外湿度センサ402dは従前ではショーケースに備えられて出荷される場合は少ない。その場合は、庫内湿度センサ402b、ショーケース外温度センサ402c、ショーケース外湿度センサ402dは出荷後に後付の形で取り付けられる。本実施形態では、庫内湿度センサ402b、ショーケース外温度センサ402c、ショーケース外湿度センサ402dは出荷後に後付の形で取り付けられている。
ショーケース外の空気の温度、水蒸気量はショーケース外温度センサ402c、吹出湿度センサ402dを用いて計測されなくても、ショーケース外の傍の温度、水蒸気量と見做しうるデータを統合コントローラ200のデータ蓄積部203から換気量推定演算装置100が得る形でも良い。
また、庫内の温度、水蒸気量、およびショーケース外の傍の温度、水蒸気量の計測は、庫内、ショーケース外の傍でなくても、庫内の温度、水蒸気量、およびショーケース外の傍の温度、水蒸気量を計測できると見做し得る箇所での計測であればよい。例えば、ショーケース外の水蒸気量を計測する箇所をショーケース付近の壁の1箇所に定めたとしても、ショーケース400aが床に設置されている事から、ショーケース外の傍の蒸気量を計測できると見做し得る箇所である場合は、ショーケース外の傍における水蒸気量を計測すると見做すことができる。
庫内温度センサ402a、庫内湿度センサ402b、ショーケース外温度センサ402c、ショーケース外湿度センサ402dが図1、図4でいう温度センサ湿度センサ402である。
(作用、効果)
以上のように、熱負荷機器が熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302b)または熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302d)を有する事から、本実施形態の換気量推定演算システム、換気量推定演算装置は、熱負荷機器の影響、上記例では熱負荷機器における湿度の影響を考慮して換気量の推定演算を行う事ができる。
(作用、効果)
以上のように、熱負荷機器が熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302b)または熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302d)を有する事から、本実施形態の換気量推定演算システム、換気量推定演算装置は、熱負荷機器の影響、上記例では熱負荷機器における湿度の影響を考慮して換気量の推定演算を行う事ができる。
よって、熱負荷機器の影響も考慮した換気量推定演算システム、換気量推定演算装置を提供することができる。
換気と密接に関係する熱収支バランスを考慮することで、または換気と密接に関係する水蒸気バランスを考慮することで、間接的に換気量を算出する換気量推定演算システムが実現できる。
次の実施形態では、熱収支バランスを考慮することで換気量を算出する換気量推定演算システムについて詳しく説明する。
[第2実施形態]
本第2実施形態における換気量推定演算システム、換気量推定演算装置は、第1実施形態で説明したものと略同じとなっている。よって、本実施形態では、第1実施形態での説明と異なる部分、追加を要する部分について主に説明する。
図4に本実施形態に係る換気量推定演算システム1000−1の構成を示す。
本実施形態では、熱収支バランスを考慮することで換気量を算出するので、本実施形態における換気量推定演算システム1000−1は、換気量推定演算装置100−1が第1実施形態で説明したとものと異なっている。すなわち、換気量推定演算装置100−1は、熱収支バランスを使用して換気量を算出するものに限定されている。なお、熱収支バランスとは、店舗内における熱負荷機器(本実施形態では空調機)の熱負荷量、ショーケースを含む冷設機器からの熱、その他の発熱機器からの熱、伝動熱、輻射熱等の店舗内部に加えられた印加熱量などと、換気空気の熱量の和が一定である事を意味する。
第1実施形態の図1で説明した加熱冷却量・除加湿量算出部102は、本実施形態では、空調機加熱量冷却量算出部102−1、ショーケース冷却量算出部102−2、伝導輻射熱量算出部102−3、他機器加熱量算出部102−4から構成されている。
第1実施形態の図1で説明したバランス量算出部103は、本実施形態では、熱収支換気熱量算出部103−1、内外空気の比エンタルピ算出部103−2から構成されている。
空調機加熱量冷却量算出部102−1は、空調機300回りで計測された計測値(例えば、空調機300から冷設機器制御部201へ送信されたデータ、および、温度センサ湿度センサ302で計測された値など)から、吸込空気および吹出空気のエンタルピを使用して、空調機における熱負荷量を演算する。
ショーケース冷却量算出部102−2は、冷設機器400回りで計測された計測値(例えば、冷設機器400から冷設機器制御部201へ送信されたデータ、および、温度センサ湿度センサ402で計測された値など)から、庫内空気およびショーケース外空気のエンタルピとショーケースの所要冷凍能力を使用して、冷設機器における熱負荷量を演算する。
伝導輻射熱量算出部102−3は、壁面、天井、窓などからの熱貫流による伝導熱の熱量を算出し、また、人体からの発熱による伝導熱の熱量も算出する。更に、窓などからの輻射熱の熱量を算出する。本実施形態では、窓からの日射による輻射熱を算出する。伝導輻射熱量算出部102−3では、この伝導熱、輻射熱の和を出力する。
他機器加熱量算出部102−4は、照明600や内蔵ケース500、その他の発熱機器700などからの発熱量を計算する。なお、本実施形態では、照明600や内蔵ケース500のみ考慮して算出する。
熱収支換気熱量算出部103−1は、上で求めた各熱量(熱負荷量)から、換気空気の熱負荷量を算出する。
内外空気の比エンタルピ算出部103−2は、店舗内、および外気のエンタルピを算出する。なお、第2実施形態でも、比エンタルピ算出部103−2において店舗内、および外気のエンタルピを算出するが、第1実施形態で述べたように、店舗内、および外気のエンタルピの算出は必ずしも必要ではない。
なお、空調機加熱量冷却量算出部102−1、ショーケース冷却量算出部102−2、伝導輻射熱量算出部102−3、他機器加熱量算出部102−4、熱収支換気熱量算出部103−1を併せて熱負荷演算部を構成する。熱負荷演算部は、上で述べた吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、熱負荷機器の吸込口における温度と、吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、熱負荷機器の吹出口における温度とを使用して熱負荷機器(本実施形態では空調機)の熱負荷量およびショーケースを含む冷設機器からの熱、その他の発熱機器からの熱、伝動熱、輻射熱等の建物内部に加えられた印加熱量を算出する。
以下において、熱負荷演算部、比エンタルピ算出部103−2、換気量算出部104における単位時間における換気量の推定演算について説明する。
(換気量の推定演算方法)
図5に、店舗内における熱収支および店舗内における熱の伝わる向きを説明する図を示す。同図中の矢印が熱の伝わる向きを示している。店舗内には、熱の発生源(発熱源)となる機器や人が存在し、熱の吸収源(吸熱源)となる機器が存在する。
(換気量の推定演算方法)
図5に、店舗内における熱収支および店舗内における熱の伝わる向きを説明する図を示す。同図中の矢印が熱の伝わる向きを示している。店舗内には、熱の発生源(発熱源)となる機器や人が存在し、熱の吸収源(吸熱源)となる機器が存在する。
発熱源は、照明機器からの熱Q8、天井からの伝導熱q4(天井)、壁からの伝導熱q4(壁)、窓からの伝導熱q4(窓)、窓からの日射による輻射熱Q5、空調機やショーケースや照明機器以外のその他の機器からの熱Q7、内蔵ショーケースからの熱Q9、店舗内に存在する人体からの熱Q6、および店舗内入口や換気口や建物の隙間から侵入する外気の熱(換気熱負荷)Q1から成る。吸熱源は、空調機による吸熱Q2、ショーケースによる吸熱Q3から成る。
今、店舗内の空気は統合コントローラ200により所定の温度、湿度にコントロールされており、店舗内の空気の温度、湿度が一定と見做せるものとする。この状態では、発熱源の熱量と吸熱源の熱量等が釣り合っており、熱の収支がバランスしているとみなせる。換気空気による熱(Q1)以外は、計測されたデータを使って算出して把握できるので、熱収支バランスに着目することで、換気による熱が算出でき、結果として換気量を算出することができる。すなわち、建物外部から建物内部に取り込まれた換気空気が存在する場合において、統合コントローラ200が各設備機器をコントロールすることで建物内部が当該所定の温度、湿度で平衡となっていると考え、その場合の各設備機器周りの温度や湿度の変化、消費電力等からその時の外部から加えられた空気による熱量が算出でき、この外部から加えられた空気による熱量や温度、湿度から換気空気の量を算出する事ができると考える。なお、この場合において、設備機器の動作状態に変化が無く、また建物内外の温度や湿度の変化が小さい時間帯である等の場合の方が換気量算出の精度の点からも望ましい。詳しくは後述する。
<空調機加熱量冷却量>
空調機加熱量冷却量算出部102−1は、以下の関係式を用いて空調機における熱負荷量を演算する。
<空調機加熱量冷却量>
空調機加熱量冷却量算出部102−1は、以下の関係式を用いて空調機における熱負荷量を演算する。
空調機における熱負荷量: Q2=(h1-h2)×w [kcal/h](冷房運転時)
Q2=(h2-h1)×w [kcal/h](暖房運転時)
h1は、吸込空気の比エンタルピ[kcal/kg]であり、t1、rh1の関数となる。但し、t1:吸込空気の温度 [℃]、rh1:吸込空気の湿度[%](相対湿度)である。
h2は、吹出空気の比エンタルピ[kcal/kg]であり、t2、rh2の関数である。但し、t2:吹出空気の温度[℃]、rh2:吹出空気の湿度[%](相対湿度)である。
なお本実施形態では、h1、h2は、具体的には以下の計算式を用いて計算される(出典:「空気調和設備の実務と知識」第2章 空気調和・衛生工学会編 オーム社)。なお、h1、h2の算出式は、これに限られるものではない。
h1=(0.24*t1+(597+0.441*t1)*ah1)*4.186
ah1=0.622*rh1/100 * Exp(-6096.9385 * (t1+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t1+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t1+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t1+273.15))/133.322 /(760-rh1/100* Exp(-6096.9385 * (t1+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t1+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t1+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t1+273.15))/133.322)
h2=(0.24*t2+(597+0.441*t2)*ah2)*4.186
ah2=0.622*rh2/100 * Exp(-6096.9385 * (t2+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t2+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t2+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t2+273.15))/133.322 /(760-rh2/100* Exp(-6096.9385 * (t2+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t2+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t2+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t2+273.15))/133.322)
なお、上記のah1、ah2は吸込空気、吹出空気の絶対湿度[kg/kg’]と呼ばれるものである。水蒸気を含む空気を湿り空気といい、湿り空気から水蒸気を除いた空気を乾き空気という。その乾き空気の重量[kg’]に対して、湿り空気中に含まれる水蒸気の重量[kg]の比のことを重量絶対湿度といい、ここでは、重量絶対湿度のことを絶対湿度と呼んでいる。また、ah1、ah2は、具体的には上記の計算式を用いて計算される(出典:JIS Z8806「湿度―測定方法」社団法人 日本計量機器工業連合会 財団法人 日本規格協会)。なお、ah1、ah2の算出式は、これに限られるものではない。
wは、空調室内機の風量[kg/h]であり、空調室内機の運転モード(弱、中、強、急速)における定格風量から風量は把握できる。なお、電力計301で計測した空調室内機300aの電力量から、空調室内機の風量(w)が推定され決定されるものであってもよい。
<ショーケース冷却量>
ショーケース冷却量算出部102−2は、以下の関係式を用いて冷設機器における熱負荷量を演算する。
冷設機器における熱負荷量: Q3=sum(q_sc) [kcal/h]
sum()は全q_scの加算を意味し、q_sc は各ショーケース毎の熱負荷量であり、
q_sc =α×q1×(e_sc2 − e_sc1)/ (e_spec − e_sc2)
である。なお、α:(例えば実験から得られる)ショーケース置換空気熱負荷率、q1: カタログ値によるショーケースの所要冷凍能力[kcal/h]、e_sc1:ショーケース庫内空気の比エンタルピ[kcal/kg]のことでt3とrh3の関数である、e_spec:定格動作時のショーケース庫内空気の比エンタルピ [kcal/kg]、e_sc2:ショーケース周辺空気の比エンタルピ[kcal/kg]のことでt4とrh4の関数である。なお、t3:ショーケース庫内空気の温度[℃]、rh3:ショーケース庫内空気の湿度[%](相対湿度)、t4:ショーケース周辺空気の温度[℃]、rh4:ショーケース周辺空気の湿度[%](相対湿度)である。
sum()は全q_scの加算を意味し、q_sc は各ショーケース毎の熱負荷量であり、
q_sc =α×q1×(e_sc2 − e_sc1)/ (e_spec − e_sc2)
である。なお、α:(例えば実験から得られる)ショーケース置換空気熱負荷率、q1: カタログ値によるショーケースの所要冷凍能力[kcal/h]、e_sc1:ショーケース庫内空気の比エンタルピ[kcal/kg]のことでt3とrh3の関数である、e_spec:定格動作時のショーケース庫内空気の比エンタルピ [kcal/kg]、e_sc2:ショーケース周辺空気の比エンタルピ[kcal/kg]のことでt4とrh4の関数である。なお、t3:ショーケース庫内空気の温度[℃]、rh3:ショーケース庫内空気の湿度[%](相対湿度)、t4:ショーケース周辺空気の温度[℃]、rh4:ショーケース周辺空気の湿度[%](相対湿度)である。
なお本実施形態では、e_sc1、e_sc2は、具体的には以下の計算式を用いて計算される(出典:「空気調和設備の実務と知識」第2章 空気調和・衛生工学会編 オーム社)。因みにe_specの値は、67.2[kcal/kg](店内温度27℃、店内湿度70%定格条件の時の値)の固定値を用いる。なお、e_sc1、e_sc2の算出式、およびe_specの値は、これに限られるものではない。
e_sc1 =(0.24*t3+(597+0.441*t3)*ah3)*4.186
ah3=0.622*rh3/100 * Exp(-6096.9385 * (t3+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t3+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t3+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t3+273.15))/133.322 /(760-rh3/100* Exp(-6096.9385 * (t3+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t3+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t3+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t3+273.15))/133.322)
e_sc2=(0.24*t4+(597+0.441*t4)*ah4)*4.186
ah4=0.622*rh4/100 * Exp(-6096.9385 * (t4+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t4+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t4+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t4+273.15))/133.322 /(760-rh4/100* Exp(-6096.9385 * (t4+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t4+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t4+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t4+273.15))/133.322)
なお、上記において、ah3:ショーケース庫内空気の絶対湿度[kg/kg’]、ah4:ショーケース周辺空気の絶対湿度[kg/kg’]と呼ばれるものである。また、ah3、ah4は、具体的には上記の計算式を用いて計算される(出典:JIS Z8806「湿度―測定方法」社団法人 日本計量機器工業連合会 財団法人 日本規格協会)。なお、ah3、ah4の算出式は、これに限られるものではない。
<伝導輻射熱量、>
伝導輻射熱量算出部102−3は、以下の関係式を用いて伝導熱、輻射熱を算出する。本実施形態では、具体的には以下の計算式を用いて計算されるが(出典:「空気調和設備の実務と知識」第3章 空気調和・衛生工学会編 オーム社)、算出式は、これに限られるものではない。また、算出の際に使用する要素は、伝導熱や輻射熱、人体からの発熱だけに限られず、さらに伝導熱は壁面、天井、窓のみに限られるものではない。
伝導熱(壁面、天井、窓等):
Q4[kcal/h]= q4(壁)+q4(窓)+q4(天井)
なお、
q4(壁)[kcal/h]:A1×K1×T1
A1:外壁面積[m2]
K1:外壁の材質によって決まる外壁の熱貫流率[kcal/h/m2/℃]
T1:店内と店外の温度差[℃]
q4(窓)[kcal/h]:A2×K2×T2
A2:ガラス窓の面積[m2]
K2:ガラスの種類によって決まるガラス窓の熱貫流率[kcal/h/m2/℃]
T2:店内と店外の温度差[℃]
q4(天井)[kcal/h]:A3×K3×T3
A3:天井の面積[m2]
K3:天井の材質によって決まる天井の熱貫流率[kcal/h/m2/℃]
T3:店内と天井裏の温度差[℃]
また、
輻射熱:Q5[kcal/h]=A×Sn×SC
なお、
A:窓ガラス面積[m2]、SC:しゃへい係数(ガラスの種類によって決定)
Sn:窓ガラス面の方角、時刻、水平日射量から算出される窓ガラスからの日射熱取得[kcal/m2/h]
また、
人体からの発熱:Q6[kcal/h]=A×K
なお、
A:実験等で得られた人体からの発熱量[kcal/h・人]
K:店内の平均滞在人数[人]
伝導輻射熱量算出部102−3からは、Q4+Q6+Q5[kcal/h]の値が出力される。
<他機器加熱量>
他機器加熱量算出部102−4は、以下の関係式を用いて照明600や内蔵ケース500の発熱量を計算する。本実施形態では、具体的には以下の計算式を用いて計算されるが(出典:「機械工学便覧」A1 社団法人 日本機械学会 社団法人 日本機械学会)、算出式は、これに限られるものではない。また、算出の際に使用する要素は、照明、内蔵ケースからの発熱だけに限られるものではない。
その他の機器(照明、内蔵ケース)からの熱量:
Q7[kcal/h]= Q8+Q9
なお、
照明機器の加熱量:Q8[kcal/h]=E_light×860
内蔵型ショーケースの加熱量:Q9[kcal/h]=E_sc2×860
であり、また、E_light[kWh]:照明機器全体の消費電力量、E_sc2[kWh]:内蔵型ショーケース全体の消費電力量であり、860は電力(kWh)から熱量(kcal/h)へ変換する係数である。
<熱収支換気熱量>
熱収支換気熱量算出部103−1は、店舗内に放出される熱量および店舗内で吸収される熱量は一定とみなせる事、すなわち加熱量=冷却熱量とみなせることから(熱収支バランス)、以下の関係式が成り立ち、この式を変形させて換気空気の熱負荷量(Q1[kcal/h])を算出する。
・空調機が冷房運転の時(夏など外気温が店内温度よりも高い時)
Q1+Q4+Q5+Q6+Q7=Q2+Q3
上式を変形させる事で、以下の式が得られる。
Q1=Q2+Q3−(Q4+Q5+Q6+Q7)
なお、上式においてQ2とQ3の符号を変えて(すなわち発熱方向が正となる)Q2’、Q3’とすると(すなわち、Q2’=-Q2、Q3’=-Q3)
Q1+Q2’+Q3’+Q4+Q5+Q6+Q7=(一定;この例では零である)
となる。この場合、上式の左辺は印加熱量や発熱量の総計を表し、これが一定である事を表している。
なお、上式においてQ2とQ3の符号を変えて(すなわち発熱方向が正となる)Q2’、Q3’とすると(すなわち、Q2’=-Q2、Q3’=-Q3)
Q1+Q2’+Q3’+Q4+Q5+Q6+Q7=(一定;この例では零である)
となる。この場合、上式の左辺は印加熱量や発熱量の総計を表し、これが一定である事を表している。
・空調機が暖房運転の時(冬など外気温が店内温度よりも低い時)
Q5+Q2+Q6+Q7=Q3+Q1+Q4
上式を変形させる事で、以下の式が得られる。
Q1=Q5+Q2+Q6+Q7−(Q3+Q4)
なお、上式においてQ1とQ3、Q4の符号を変えて(すなわち発熱方向が正となる)Q1’、Q3’、Q4’とすると(すなわち、Q1’=-Q1、Q3’=-Q3、Q4’=-Q4)
Q1’+Q2+Q3’+Q4’+Q5+Q6+Q7=(一定;この例では零である)
となる。この場合、上式の左辺は印加熱量や発熱量の総計を表し、これが一定である事を表している。
なお、上式においてQ1とQ3、Q4の符号を変えて(すなわち発熱方向が正となる)Q1’、Q3’、Q4’とすると(すなわち、Q1’=-Q1、Q3’=-Q3、Q4’=-Q4)
Q1’+Q2+Q3’+Q4’+Q5+Q6+Q7=(一定;この例では零である)
となる。この場合、上式の左辺は印加熱量や発熱量の総計を表し、これが一定である事を表している。
<内外空気のエンタルピ>
内外空気の比エンタルピ算出部103−2は、以下の関係式を用いて店内、および外気のエンタルピを算出(出典:「空気調和設備の実務と知識」第2章 空気調和・衛生工学会編 オーム社)。なお、店内、および外気のエンタルピの算出式は、これに限られるものではない。
店内空気の比エンタルピ:H1[kcal/kg]=(0.24*T1+(597+0.441*T1)*AH1)*4.186
AH1=0.622*RH1/100 * Exp(-6096.9385 * (T1+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (T1+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (T1+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(T1+273.15))/133.322 /(760-RH1/100* Exp(-6096.9385 * (T1+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (T1+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (T1+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(T1+273.15))/133.322)
なお、店内空気の温度T1[℃]、店内空気の湿度RH1[%](相対湿度)であり、AH1 [kg/kg’]は店内空気の絶対湿度である。また、AH1は、具体的には上記の計算式を用いて計算される(出典:JIS Z8806「湿度―測定方法」 社団法人 日本計量機器工業連合会 財団法人 日本規格協会)。なお、AH1の算出式は、これに限られるものではない。
外気の比エンタルピ:H2[kcal/kg] =(0.24*T2+(597+0.441*T2)*AH2)*4.186
AH2=0.622*RH2/100 * Exp(-6096.9385 * (T2+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (T2+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (T2+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(T2+273.15))/133.322/(760-RH2/100* Exp(-6096.9385 * (T2+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (T2+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (T2+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(T2+273.15))/133.322)
なお、外気の温度T2[℃]、外気の湿度RH2[%](相対湿度)であり、AH2 [kg/kg’]は外気の絶対湿度である。また、AH2は、具体的には上記の計算式を用いて計算される(出典:JIS Z8806「湿度―測定方法」 社団法人 日本計量機器工業連合会 財団法人 日本規格協会)。なお、AH2の算出式は、これに限られるものではない。
<推定換気量>
換気量算出部104は、以下の関係式を用いて単位時間における換気量の推定演算を行う。
単位時間における推定換気量[kg/h]:Q1=(H2-H1)×W_換気量
よって、以下の式が得られる。
W_換気量= Q1/(H2-H1)
これまでの説明により、Q1、店内空気の比エンタルピH1、外気の比エンタルピ:H2が得られているので、W_換気量[kg/h]が求まる。
これまでの説明により、Q1、店内空気の比エンタルピH1、外気の比エンタルピ:H2が得られているので、W_換気量[kg/h]が求まる。
以上に示した実施形態においては、空調機加熱量冷却量算出部102−1、ショーケース冷却量算出部102−2、伝導輻射熱量算出部102−3、他機器加熱量算出部102−4、熱収支換気熱量算出部103−1、比エンタルピ算出部103−2、換気量算出部104を併せて換気量推定演算部を構成するものであり、この熱収支換気熱量算出部103−1の上述の演算処理について、整理すると以下のとおりである。
即ち、熱収支換気熱量算出部103−1の上述の働きによって、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量から算出された前記熱負荷機器の熱負荷量に該当する前述のQ2(Q2’)と、前記建物内部に加えられた印加熱量に該当する前述のQ3(Q3’)、Q4(Q4’)、Q5、Q6、Q7と、前記換気空気の熱量に該当する前述のQ1(Q1’)との和が一定であることに基づいて前記換気空気の水蒸気量であるQ1を算出する。そして、該換気空気の熱量を少なくとも前記建物内部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と前記建物外部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量から算出された店内空気の絶対湿度AH1と外気の絶対湿度AH2から算出される前記建物内部の空気のエンタルピH2、H1で除算することで単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量である換気空気の量を演算して推定するものである。
このように、熱負荷機器の熱負荷量に該当する前述のQ2を演算の要素とすることによって、熱負荷機器の影響を考慮した換気空気の量の推定を行っている。
(作用、効果)
以上のように、熱負荷機器が熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302b)または熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302d)を有する事から、本実施形態の換気量推定演算システム、換気量推定演算装置は、熱負荷機器の影響、上記例では熱負荷機器における湿度の影響を考慮して換気量の推定演算を行う事ができる。
よって、熱負荷機器の影響を考慮した換気量推定演算システム、換気量推定演算装置を提供することができる。
[第3実施形態]
上の実施形態では、熱収支バランスを考慮することで換気量を算出する換気量推定演算システムについて説明したが、水蒸気バランスを考慮することで換気量を算出する換気量推定演算システムであってもよい。水蒸気バランスとは、熱負荷機器によって加湿される水蒸気量または除湿される水蒸気量と、建物内部で発生または吸収された水蒸気量と、換気空気の水蒸気量の和が一定であることである。この場合について、以下に述べる。
店舗内の水蒸気量に着目した場合、店舗内の水蒸気量に影響を及ぼすものは、空調機、ショーケース、店内の加湿要素(人、機器など)、換気であり、これらを考慮して水蒸気バランスを考える。よって、照明、輻射熱、伝導熱など、店舗内の水蒸気量に影響を及ぼすとは考え難いものは、考慮しない。
水蒸気がバランスしていると言う事は、
(店舗内の加湿量)―(店舗内の除湿量)=(水蒸気の増加量)
と言う意味である。なお、ここで店舗内には空調機が働いているなどしているので、店舗内の水蒸気量が常に一定とみなす事ができるとすると、すなわち、水蒸気の増加量をゼロと見做すことができるので、以下の関係式が成り立つ。
(店舗内の加湿量)―(店舗内の除湿量)=(水蒸気の増加量)
と言う意味である。なお、ここで店舗内には空調機が働いているなどしているので、店舗内の水蒸気量が常に一定とみなす事ができるとすると、すなわち、水蒸気の増加量をゼロと見做すことができるので、以下の関係式が成り立つ。
(店舗内の加湿量)=(店舗内の除湿量)
よって、より詳しくは、上の水蒸気バランスの式を使用する。なお、店舗内の加湿量や除湿量を考える際は、単位体積あたりの水蒸気量を考えてもよいし、店舗内の湿度を考えてもよい。
よって、より詳しくは、上の水蒸気バランスの式を使用する。なお、店舗内の加湿量や除湿量を考える際は、単位体積あたりの水蒸気量を考えてもよいし、店舗内の湿度を考えてもよい。
上記のように店舗内の水蒸気量が常に一定とみなす事ができるのは、建物外部から建物内部に取り込まれた換気空気が存在する場合において、統合コントローラ200が各設備機器(特に熱負荷機器、空調機、ショーケースなど)をコントロールすることで建物内部が当該一定の湿度となっていると考え、その場合の各設備機器周りの温度や湿度の変化、消費電力等からその時の外部から加えられた空気中の水分量が算出でき、この外部から加えられた空気中の水分量や湿度から換気空気の量を算出する事ができると考える。
より詳しく説明すると、空調機の室内機やショーケース内部のエバボレータなどの熱交換部では、熱交換部(およびその周辺の空気)の温度における飽和水蒸気量以上の水蒸気は凝縮されて液化し氷となる(霜の発生)。すなわち建物内部の空気が除湿される。建物内部には、換気空気だけではなく、少なくとも人間や食品などの加湿源があって常に加湿されており、その加湿された分は熱交換部において霜となることで(この時の単位時間当たりの霜の発生量をz[g]とする)空気中の水分が除去されて上述のように建物内部が一定の湿度で保たれる。この一定の状態では、換気空気による加湿(または除湿)も発生しており、換気空気による影響も含めて一定の状態となっている。この場合において、換気空気中の水蒸気量が上記の店舗内の水蒸気量(一定値)より多い場合には、建物内部を一定の湿度とすることができるのは、この熱交換部において霜がz[g]よりも多く発生することにより、平衡状態となって達成されているからと考える(なお、この場合の一定の湿度は、上記の一定値とは異なる場合がおこりうる)。換気空気中の水蒸気量が上記の店舗内の水蒸気量(一定値)より少ない場合には、建物内部を一定の湿度とすることができるのは、この熱交換部において霜の発生がz[g]よりも少なくなることにより、平衡状態となって達成されているからと考える(なお、この場合の一定の湿度は、上記の一定値とは異なる場合がおこりうる)。この一定の湿度は、計測された建物内部の湿度等から把握できる。因みに、この場合において、設備機器の動作状態に変化が無く、また建物内外の温度や湿度の変化が小さい時間帯などである方が換気量算出の精度の点からも望ましい。
店舗内を加湿する要素としては、例えば、加湿器や店内の客(人)や生鮮食品、水洗式洗浄機などが考えられ、店舗内を除湿する要素としては、冷設機器などがある。空調機は冷房運転時には、空調機は除湿する機器として機能するが、暖房運転時には、除湿にも加湿にも寄与しない。なお、室内機内の吸込口付近には、熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部として吸込湿度センサを有し、室内機内の吹出口付近には、熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部として吹出湿度センサを有しており、これらにより空調機による除湿量が把握される。
換気空気は、季節に応じて店舗内と外気の湿度の大小関係が違ってくるので、季節に応じて除湿側に寄与するか、加湿側に寄与するか変える。夏などの空調機が冷房運転する季節では、換気空気は加湿側に寄与し、冬などの空調機が暖房運転する季節では、換気空気は除湿側に寄与する。
以上の加湿側要素、除湿側要素を用いて上記の「(店舗内の加湿量)=(店舗内の除湿量)」の式を勘案する事で換気空気の加湿量または除湿量が得られるので、これを元に、単位時間における推定換気量等を算出する事ができる。なお、外気温度湿度センサおよび店内温度湿度センサを備えており、外気温度湿度センサを構成する店舗の外の湿度を計測するセンサおよび店内温度湿度センサを構成する店舗の中の湿度を計測するセンサが計測する湿度データを使用する。
さて、本第3実施形態における換気量推定演算システム、換気量推定演算装置は、第1実施形態で説明したものと略同じとなっている。よって、本実施形態では、第1実施形態での説明と異なる部分、追加を要する部分について主に説明する。また、本実施形態では、第2実施形態で説明した部分については同じ符号を用いて、また説明については省略する。
図6に本実施形態に係る換気量推定演算システム1000−2の構成を示す。
本実施形態では、水蒸気の収支バランスを考慮することで換気量を算出するので、本実施形態における換気量推定演算システム1000−2は、換気量推定演算装置100−2が第1実施形態、第2実施形態で説明したとものと異なっている。すなわち、換気量推定演算装置100−2は、水蒸気収支バランスを使用して換気量を算出するものに限定されている。
第1実施形態の図1で説明した加熱冷却量・除加湿量算出部102は、本実施形態では、空調機除湿量算出部102−5、ショーケース除湿量算出部102−6、店内加湿量算出部102−7、他機器加湿量算出部102−8から構成されている。
第1実施形態の図1で説明したバランス量算出部103は、本実施形態では、水蒸気収支量算出部103−3、店内外水蒸気量算出部103−4から構成されている。
空調機除湿量算出部102−5は、空調機300回りで計測された計測値(例えば、空調機300から冷設機器制御部201へ送信されたデータ、および、温度センサ湿度センサ302で計測された値など)から、吸込空気および吹出空気の絶対湿度を算出して、空調機における除湿量を演算する。
ショーケース除湿量算出部102−6は、冷設機器400回りで計測された計測値(例えば、冷設機器400から冷設機器制御部201へ送信されたデータ、および、温度センサ湿度センサ402で計測された値など)から、庫内空気およびショーケース外空気(ショーケース周辺空気)の絶対湿度と、ショーケース周辺空気を巻き込む量を表すショーケースの巻き込み風量を使用して、冷設機器における除湿量を演算する。
店内加湿量算出部102−7は、人体や生鮮食品、観葉植物、販売されているペットなどから蒸発した水蒸気量を算出する。なお、本実施形態では、人体、生鮮食品のみ考慮して算出する。
他機器加湿量算出部102−8は、加熱調理機で調理されている料理や水洗式洗浄機で清掃された床面からの蒸発水蒸気、加湿器量からの蒸発水蒸気など、加湿に関わる空調機、冷設機器以外の機器(その他の加湿機器)700に関する蒸発水蒸気量を計算する。なお、本実施形態では、加熱調理機700−1(図7参照)や水洗式洗浄機700−2(図7参照)に関係する蒸発水蒸気量のみ考慮して算出する。
水蒸気収支量算出部103−3は、上で求めた各水蒸気量から、店内の空気の全体の水蒸気量を算出する。
店内外水蒸気量算出部103−4は、店舗内外の空気の水蒸気量を算出する。
なお、空調機除湿量算出部102−5、ショーケース除湿量算出部102−6、店内加湿量算出部102−7、他機器加湿量算出部102−8、水蒸気収支量算出部103−3を併せて水蒸気量演算部を構成する。水蒸気量演算部は、上で述べた吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、熱負荷機器の吸込口における温度と、吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と、熱負荷機器の吹出口における温度とを使用して熱負荷機器の熱負荷量および建物内部で発生または吸収された水蒸気量を算出する。
以下において、水蒸気量演算部、店内外水蒸気量算出部103−4、換気量算出部104における単位時間における換気量の推定演算について説明する。
(換気量の推定演算方法)
図7に、店舗内における水蒸気量の収支および店舗内における加湿、除湿の向きを説明する図を示す。同図中の矢印が加湿、除湿の向き(水蒸気の異動する向き)を示している。店舗内には、水蒸気の発生源(加湿源)となる機器や人が存在し、水蒸熱の吸収源(除湿源)となる機器が存在する。
(換気量の推定演算方法)
図7に、店舗内における水蒸気量の収支および店舗内における加湿、除湿の向きを説明する図を示す。同図中の矢印が加湿、除湿の向き(水蒸気の異動する向き)を示している。店舗内には、水蒸気の発生源(加湿源)となる機器や人が存在し、水蒸熱の吸収源(除湿源)となる機器が存在する。
加湿源は、空調機やショーケースや照明機器以外のその他の機器700からの水蒸気量(加熱調理機に関してはH4、水洗式洗浄機に関してはH7とする)、店舗内に存在する人体からの水蒸気量H6、店舗内に存在する生鮮食料品からの水蒸気量H5、および店舗内入口や換気口や建物の隙間から侵入する水蒸気(換気における水蒸気量)H1から成る。除湿源は、空調機による除湿H2、ショーケースによる除湿H3から成る。
今、店舗内の空気は統合コントローラ200により所定の温度にコントロールされており、店舗内の空気の温度、湿度が一定と見做せるものとする。なお、所定の温度にコントロールされていることから、湿度も間接的に一定にコントロールされる。この状態では、加湿量と除湿量とが釣り合っており、水蒸気の収支がバランスしている。換気による水蒸気量(H1)以外は、計測されたデータを使って算出して把握できるので、水蒸気バランスに着目することで、換気による水蒸気量が算出でき、結果として換気量を算出することができる。詳しくは後述する。
<空調機除湿量>
空調機除湿量算出部102−5は、以下の関係式を用いて空調機における水蒸気量を演算する。吸込空気の温度・湿度、吹出空気の温度・湿度と室内機風量から算出する。
空調機における除湿量:H_2[kg/s] =
(吸込空気の絶対湿度ah5[kg/kg’] − 吹出空気の絶対湿度ah6[kg/kg’]) × 室内機風量[kg/s] (冷房運転時)
ah5=0.622*rh5/100 * Exp(-6096.9385 * (t5+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t5+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t5+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t5+273.15))/133.322 / (760-rh5/100* Exp(-6096.9385 * (t5+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t5+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t5+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t5+273.15))/133.322)
ah6=0.622*rh6/100 * Exp(-6096.9385 * (t6+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t6+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t6+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t6+273.15))/133.322 /(760-rh6/100* Exp(-6096.9385 * (t6+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t6+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t6+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t6+273.15))/133.322)
なお、上式において、吸込空気の温度t5[℃]、吸込空気の湿度rh5[%](相対湿度)、吹出空気の温度t6[℃]、吹出空気の湿度rh6[%](相対湿度)である。また、上式において、Logは自然対数関数、Expはオイラー数eの指数関数であり、絶対湿度の算出には、Sonntagの式を用いた(以下、同じ)。
式の出典は、前出の、“JIS Z8806「湿度―測定方法」社団法人 日本計量機器工業連合会 財団法人 日本規格協会”である(以下、同じ)。なお、この出願で挙げた各算出式は、記載したものに限られるものではない。
<ショーケース除湿量>
ショーケース除湿量算出部102−6は、以下の関係式を用いて冷設機器における熱負荷量を演算する。ショーケース周囲空気の温度・湿度、庫内空気の温度・湿度とショーケース巻き込み風量からの算出する。
ショーケースにおける除湿量:H_3 [kg/s] =
(ショーケース周辺空気の絶対湿度ah7[kg/kg’] − ショーケース庫内空気の絶対湿度ah8[kg/kg’])×ショーケース巻き込み風量[kg/s]
ah7=0.622*rh7/100 * Exp(-6096.9385 * (t7+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t7+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t7+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t7+273.15))/133.322 /(760-rh7/100* Exp(-6096.9385 * (t7+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t7+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t7+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t7+273.15))/133.322)
ah8=0.622*rh8/100 * Exp(-6096.9385 * (t8+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t8+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t8+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t8+273.15))/133.322 /(760-rh8/100* Exp(-6096.9385 * (t8+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (t8+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (t8+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(t8+273.15))/133.322)
なお、ショーケース周辺空気の温度t7[℃]、ショーケース周辺空気の湿度rh7[%](相対湿度)、ショーケース庫内空気の温度t8[℃]、ショーケース庫内空気の湿度rh8[%](相対湿度)である。ショーケース巻き込み風量[kg/s]は、ショーケースの動作時間と実験から求められた定数から算出される。
H_3は、ショーケースが複数台の場合、全ショーケースについて上式で計算された値を加算した値となる。
<店内のその他の機器による加湿量>
他機器加湿量算出部102−8は、以下の関係式を用いて空調機、ショーケース以外の機器に関する水蒸気量を演算する。加熱調理機700−1をおでん調理器、水洗式洗浄機700−2を床洗浄機として、それぞれの加湿量を計算する式を述べる。
おでん調理器では、調理器の消費電力(kwh)[加熱熱量(Kcal/h))]を用いて、おでんからの蒸発水蒸気量を算出する。
加熱調理機に関する加湿量:H_4 = E_おでん × α
ここで、E_おでん[kWh]はおでん調理器の消費電力量であり、αは単位消費電力量あたりの加湿量[Kg/S/(kWh)]である。
床洗浄機では、洗浄機の消費電力データから床洗浄機の稼働時間を割り出して、床からの水蒸気量を算出する。
水洗式洗浄機に関する加湿量:H_7 = T_床洗浄機 × Wt
なお、T_床洗浄機[S]は床洗浄機の稼働時間であり、Wtは単位時間あたりの加湿量[Kg/S]である。
<店内存在物の加湿量>
店内加湿量算出部102−7は、以下の関係式を用いて店舗内に存在する生物などの存在物における水蒸気量を演算する。ここでは、人体と生鮮食料品のそれぞれから蒸発する水蒸気量(加湿量)を計算する式について述べる。
人体からの加湿量については、カメラ画像その他から算出した人数と人体からの潜熱負荷を基にした一人当たりの水蒸気量から算出を行う。
人体からの加湿量:H_6 = A×K
なお、Aは人体からの水蒸気量[Kg/s/人]であり、文献に記載された値や実験で求めた加湿量が用いられる。Kは、店内の平均滞在人数[人]である。
生鮮食料品からの加湿量:H_5 = B×S
なお、Bは生鮮食料品からの水蒸気量[Kg/s/Kg]で、実験等から求められる加湿量であり、Sは各時間帯における生鮮食料品の在庫量の和[Kg]である。
<店内外水蒸気量>
店内外空気の絶対湿度の差は、店内外水蒸気量算出部103−4において求められる。店内外空気の絶対湿度の差を求める算出式は、以下の通りである。なお、式中の「ABS(x)」はxの絶対値を表す。
店内外空気の絶対湿度の差:AH_io = ABS(AH1-AH2)
AH1=0.622*RH1/100 * Exp(-6096.9385 * (T4+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (T4+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (T4+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(T4+273.15))/133.322 /(760-RH1/100* Exp(-6096.9385 * (T4+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (T4+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (T4+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(T4+273.15))/133.322)
AH1 [kg/kg’]は店内空気の絶対湿度であり、店内空気の温度T4[℃]、店内空気の湿度RH1[%](相対湿度)である。
AH2=0.622*RH2/100 * Exp(-6096.9385 * (T2+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (T2+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (T2+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(T2+273.15))/133.322/(760-RH2/100* Exp(-6096.9385 * (T2+273.15) ^ (-1) + 21.2409642 -2.711193 * 10 ^ (-2) * (T2+273.15) + 1.673952 * 10 ^ (-5) * (T2+273.15) ^ 2 + 2.433502 * Log(T2+273.15))/133.322)
AH2 [kg/kg’]は外気の絶対湿度であり、外気の温度T2[℃]、外気の湿度RH2[%](相対湿度)である。
<水蒸気収支量および推定換気量>
水蒸気収支量算出部103−3は、店舗内に放出される水蒸気量および店舗内で吸収される水蒸気量は一定とみなせる事、すなわち加湿量=除湿量とみなせることから(水蒸気収支バランス)、以下の関係式が成り立ち、この式を変形させて換気空気の水蒸気量(H_1[kg/s])を算出できる。
・空調機が冷房運転の時(夏など外気温が店内温度よりも高い時)
H_1[kg/s] + 店内の加湿量の和(H_4 + H_5 + H_6 + H_7)[kg/s]
= H_2[kg/s] + H_3[kg/s]
上式では、熱負荷機器等によって加湿または除湿される水蒸気量、建物内部等で発生または吸収された水蒸気量の和が一定である事を表している。
なお、上式においてH_2とH_3の符号を変えて(すなわち加湿方向が正となる)H_2’、H_3’とすると(すなわち、H_2’=- H_2、H_3’=- H_3)
H_1+H_2’+H_3’+H_4+ H_5+ H_6+H_7=(一定;この例では零である)
となる。この場合、上式の左辺は加湿された量の総計を表し、これが一定である事を表している。
H_1+H_2’+H_3’+H_4+ H_5+ H_6+H_7=(一定;この例では零である)
となる。この場合、上式の左辺は加湿された量の総計を表し、これが一定である事を表している。
・空調機が暖房運転の時(冬など外気温が店内温度よりも低い時)
店内の加湿量の和(H_4 + H_5 + H_6 + H_7)[kg/s] = H_1[kg/s] + H_3[kg/s]
上式では、熱負荷機器等によって加湿または除湿される水蒸気量、建物内部等で発生または吸収された水蒸気量の和が一定である事を表している。
なお、上式においてH_1とH_3の符号を変えて(すなわち加湿方向が正となる)H_1’、H_3’とすると(すなわち、H_1’=- H_1、H_3’=- H_3)
H_1’+H_3’+H_4+ H_5+ H_6+H_7=(一定;この例では零である)
となる。この場合、上式の左辺は加湿された量の総計を表し、これが一定である事を表している。
H_1’+H_3’+H_4+ H_5+ H_6+H_7=(一定;この例では零である)
となる。この場合、上式の左辺は加湿された量の総計を表し、これが一定である事を表している。
よって、以上で求めた換気空気の水蒸気量(H_1[kg/s])から換気量[kg/s]が以下の式で求まる。
換気量[kg/s] = H_1[kg/s] / 店内外空気の絶対湿度の差AH_io[kg/kg’]
以上に示した実施形態においては、空調機除湿量算出部102−5、ショーケース除湿量算出部102−6、店内加湿量算出部102−7、他機器加湿量算出部102−8、水蒸気収支量算出部103−3、店内外水蒸気量算出部103−4、換気量算出部104を併せて換気量推定演算部を構成するものであり、この水蒸気収支量算出部103−3の上述の演算処理について、整理すると以下のとおりである。
即ち、水蒸気収支量算出部103−3の上述の働きによって、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量から算出された前記熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量に該当する前述のH_2(H_2’)と、前記建物内部で発生または吸収された水蒸気量に該当する前述のH_3(H_3’)、H_4、H_5、H_6、H_7と、前記換気空気の水蒸気量に該当する前述のH_1(H_1’)との和が一定であることに基づいて前記換気空気の水蒸気量であるH_1を算出する。そして、該換気空気の水蒸気量を少なくとも前記建物内部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量と前記建物外部水蒸気量測定部において計測された水蒸気量を使用して算出した店内空気の絶対湿度AH1と外気の絶対湿度AH2から算出される算出値(店内外空気の絶対湿度の差AH_io)で除算することで単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量である換気空気の量を演算して推定するものである。
このように、熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量に該当する前述のH_2 (H_2’)を演算の要素とすることによって、熱負荷機器の影響を考慮した換気空気の量の推定を行っている。
(作用、効果)
以上のように、熱負荷機器が熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302b)または熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302d)を有する事から、本実施形態の換気量推定演算システム、換気量推定演算装置は、熱負荷機器の影響、上記例では熱負荷機器における湿度の影響を考慮して換気量の推定演算を行う事ができる。
(作用、効果)
以上のように、熱負荷機器が熱負荷機器の吸込口における水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302b)または熱負荷機器の吹出口における水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部(上記例では、吸込湿度センサ302d)を有する事から、本実施形態の換気量推定演算システム、換気量推定演算装置は、熱負荷機器の影響、上記例では熱負荷機器における湿度の影響を考慮して換気量の推定演算を行う事ができる。
以上により、熱負荷機器の影響を考慮した換気量推定演算システムおよび換気量推定演算装置を提供することができる。
以上における、熱収支換気熱量算出では、店内の熱収支に関係する要因の実測値を収集していることにより、換気量の推定だけではなく、実態に基づいた建物のエネルギー消費分析まで行える利点がある。一方、水蒸気収支量算出では、換気量推定に必要な計測項目が、熱収支ベースに比べ少なく、計算量も少なくて済む利点がある。
[その他の実施形態]
熱負荷機器は、上記の空調機器以外にも、ショーケースや冷凍機などから構成される冷設機器、オーブンやホットプレートなど加熱機器、照明機器などであってもよく、また空調機を含めたこれらの機器の複数から構成されていてもよい。これらの実施形態は、熱負荷機器における空気の吸い込み口または吹き出し口と考えられる部分にその水蒸気量や温度を計測するセンサが備えられていれば、上記空調機の実施形態から容易に想到されるので、説明は省略する。
なお、本実施の形態における換気量推定演算装置は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどで実現できる。また、ソフトウェア的には、メモリにロードされた換気量推定演算機能のあるプログラムなどによって実現される。図1および図4には、ハードウェアおよびソフトウェアによって実現される換気量推定演算装置の機能ブロックが含まれている。ただし、これらの機能ブロックが、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、あるいは、それらの組合せ等、いろいろな形態で実現できることは言うまでもない。図1および図4は、機能部で表されているのでハードウェア的に捉えられがちであるが、当該機能部を機能ステップに置き換えて考えることで容易にソフトウエア的に捉えることができる。
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。上で述べた各熱量の算出式も、これに限られたものではない。
建物内部に侵入する換気量を推定できる事により、より現実に近い換気量を建物の所有者等に提供する事ができる。また、推定換気量を使用して空調機や冷設機器に掛かる熱負荷の分析把握を行う事ができることから、空調機や冷設機器の制御にフィードバックする事ができ、省エネ等に寄与できる。また、推定換気量を使用して空調機や冷設機器を有する事業者に省エネ等のためのソリューション情報を提供できる。
1000、1000−1、1000−2 換気量推定演算システム
100、100−1、100−2 換気量推定演算装置
101 計測データ受信蓄積部
102 加熱冷却量・除加湿量算出部
102−1 空調機加熱量冷却量算出部
102−2 ショーケース冷却量算出部
102−3 伝導輻射熱量算出部
102−4 他機器加熱量算出部
102−5 空調機除湿量算出部
102−6 ショーケース除湿量算出部
102−7 店内加湿量算出部
102−8 他機器加湿量算出部
103 バランス量算出部
103−1 熱収支換気熱量算出部
103−2 比エンタルピ算出部
103−3 水蒸気収支量算出部
103−4 店内外水蒸気量算出部
104 換気量算出部
200 統合管理装置
300 空調機
302 温度センサ湿度センサ
400 冷設機器
402 温度センサ湿度センサ
500 内蔵ショーケース
600 照明
700 その他加湿機器
802 外気温度湿度センサ
804 店内温度湿度センサ
100、100−1、100−2 換気量推定演算装置
101 計測データ受信蓄積部
102 加熱冷却量・除加湿量算出部
102−1 空調機加熱量冷却量算出部
102−2 ショーケース冷却量算出部
102−3 伝導輻射熱量算出部
102−4 他機器加熱量算出部
102−5 空調機除湿量算出部
102−6 ショーケース除湿量算出部
102−7 店内加湿量算出部
102−8 他機器加湿量算出部
103 バランス量算出部
103−1 熱収支換気熱量算出部
103−2 比エンタルピ算出部
103−3 水蒸気収支量算出部
103−4 店内外水蒸気量算出部
104 換気量算出部
200 統合管理装置
300 空調機
302 温度センサ湿度センサ
400 冷設機器
402 温度センサ湿度センサ
500 内蔵ショーケース
600 照明
700 その他加湿機器
802 外気温度湿度センサ
804 店内温度湿度センサ
Claims (6)
- 空気の吸込口または空気の吹出口を有する熱負荷機器を備え、該熱負荷機器を有する建物内部における該建物の外部から該建物の内部に取り込まれた空気である換気空気の量を推定演算する換気量推定演算システムであって、
建物内部の空気の水蒸気量を計測する建物内部水蒸気量測定部と建物外部の空気の水蒸気量を計測する建物外部水蒸気量測定部と、
前記熱負荷機器の吸込口における空気の水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部または前記熱負荷機器の吹出口における空気の水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部と、
前記建物内部水蒸気量測定部において計測された第1水蒸気量と、前記建物外部水蒸気量測定部において計測された第2水蒸気量と、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された第3水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された第4水蒸気量を使用して、単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算する換気量推定演算部を備える
換気量推定演算システム。
- 前記換気量推定演算部は、
前記第3水蒸気量または前記第4水蒸気量から算出された前記熱負荷機器の熱負荷量と、前記建物内部に加えられた印加熱量と、前記換気空気の熱量の和が一定であることに基づいて前記換気空気の熱量を算出して、該換気空気の熱量を少なくとも前記第1水蒸気量と前記第2水蒸気量を使用して算出した算出値で除算することで単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算する
請求項1に記載の換気量推定演算システム。
- 前記熱負荷機器は空気の吸込口および空気の吹出口を有し、
前記換気量推定演算部は、
前記吸込口水蒸気量測定部において計測された第3水蒸気量と、前記熱負荷機器の吸込口における第1温度と、前記吹出口水蒸気量測定部において計測された第4水蒸気量と、前記熱負荷機器の吹出口における第2温度とを使用して前記熱負荷機器の熱負荷量および前記建物内部に加えられた印加熱量を算出する熱負荷演算部を有し、
前記熱負荷演算部で算出された前記熱負荷量および前記印加熱量と、前記第1水蒸気量と前記第2水蒸気量から算出された前記建物内部の空気のエンタルピを使用して単位時間における前記建物内部の前記換気空気の量を演算する
請求項1または2に記載の換気量推定演算システム。
- 空気の吸込口または空気の吹出口を有する熱負荷機器を備えた建物内部における該建物の外部から該建物の内部に取り込まれた空気である換気空気の量を推定演算する換気量推定演算装置であって、
建物内部の空気の水蒸気量を計測する建物内部水蒸気量測定部、建物外部の空気の水蒸気量を計測する建物外部水蒸気量測定部、前記熱負荷機器の吸込口における空気の水蒸気量を計測する吸込口水蒸気量測定部または前記熱負荷機器の吹出口における空気の水蒸気量を計測する吹出口水蒸気量測定部において計測された水蒸気量のデータを受信する計測データ受信部を備え、
前記計測データ受信部で受信した、前記建物内部水蒸気量測定部において計測された第1水蒸気量と、前記建物外部水蒸気量測定部において計測された第2水蒸気量と、前記吸込口水蒸気量測定部において計測された第3水蒸気量または前記吹出口水蒸気量測定部において計測された第4水蒸気量を使用して、単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算する換気量推定演算部を備える
換気量推定演算装置。
- 前記換気量推定演算部は、
前記第3水蒸気量または前記第4水蒸気量から算出された前記熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量と、前記建物内部で発生または吸収された水蒸気量と、前記換気空気の水蒸気量の和が一定であることに基づいて前記換気空気の水蒸気量を算出して、該換気空気の水蒸気量を少なくとも前記第1水蒸気量と前記第2水蒸気量を使用して算出した算出値で除算することで単位時間における前記建物内部における前記換気空気の量を演算する
請求項1に記載の換気量推定演算システム。
- 前記熱負荷機器は空気の吸込口および空気の吹出口を有し、
前記換気量推定演算部は、
前記吸込口水蒸気量測定部において計測された第3水蒸気量と、前記熱負荷機器の吸込口における第1温度と、前記吹出口水蒸気量測定部において計測された第4水蒸気量と、前記熱負荷機器の吹出口における第2温度とを使用して前記熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量および前記建物内部で発生または吸収された水蒸気量を算出する水蒸気量演算部を有し、
前記水蒸気量演算部で算出された前記熱負荷機器によって加湿または除湿される水蒸気量および前記建物内部で発生または吸収された水蒸気量と、前記第1水蒸気量と前記第2水蒸気量から算出された前記建物内部および外部の空気の絶対湿度量を使用して単位時間における前記建物内部の前記換気空気の量を演算する
請求項1または5に記載の換気量推定演算システム。
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