JP2010248087A - 嚢虫症診断用抗原の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アフィニティークロマトグラフィーや特殊な等電点電気泳動装置を用いることなく,嚢虫液から血清診断用抗原を精製する簡便な方法を提供すること。
【解決手段】 嚢虫液をpH8〜9の条件で陽イオン交換体に吸着させ,pH8〜9,塩濃度0−500mMの条件で溶出することを含む,嚢虫液から10−26kDaの糖蛋白質を精製する方法が開示される。また,この方法により精製された糖蛋白質を用いて嚢虫感染を検出する方法も提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は,寄生虫病を診断するための抗原の精製方法に関する。
有鉤嚢虫症は有鉤条虫の幼虫(嚢虫)の感染に起因する疾患であり,経口摂取した虫卵または腸に寄生した成虫から遊離した虫卵が孵化して,全身に多発性嚢胞を生ずる。特に,嚢虫が中枢神経系に寄生することにより生ずる脳有鉤嚢虫症は致死的であり,新興・再興感染症として非常に重要である。嚢虫症の診断は,X線などの画像解析と血清診断とを組み合わせて行われている。ヒトの血清診断用の抗原としては,感度および特異性の観点から,嚢虫液に存在する10−26kDaの糖蛋白質が世界中で用いられている。
現在,血清診断用の抗原糖蛋白質の精製方法としては,1)レンチルレクチンを用いたアフィニティークロマトグラフィーによる方法(非特許文献1),2)蛋白質の電荷を利用して,分取電気泳動装置ロトフォアにより分離する方法(非特許文献2),3)糖蛋白質に対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーによる方法(非特許文献3)が知られている。1)の方法で得られる抗原は,非特異的な反応を示す成分を含むため,イムノブロット法には使用できるが,ELISA法では使用できない。これに対し,2)および3)の方法で得られる抗原は,両方法で使用できる。しかしながら,2)の方法は,メンブレンで仕切った筒状のチャンバーを回転させながら,液体中で等電点電気泳動を行って蛋白質を分離精製する特殊な装置(例えば,BioRad社製のロトフォア)が必要であること,3)の方法は糖蛋白質に対する特異的な抗体が必要であることから,抗原精製が可能な施設が限定されてしまうという問題がある。
一方,抗原糖蛋白質をコードする遺伝子をクローニングして,抗原蛋白質を同定し,特性決定をする研究や,組換え蛋白質またはその部分配列ペプチドを用いる血清診断法の開発も進められているが,まだ実用には至っていない(特許文献1,非特許文献4)。
特開2005-265510
Tsang, V. C., J. A. Brand, and A. E. Boyer. 1989. An enzyme-linked immunoelectrotransfer blot assay and glycoprotein antigens for diagnosing human cysticercosis (Taenia solium). J. Infect. Dis. 159:50-59. Ito, A., A. Plancarte, L. Ma, Y. Kong, A. Flisser, S. Y. Cho, Y. H. Liu, S. Kamhawi, M. W. Lightowlers, and P. M. Schantz. 1998. Novel antigens for neurocysticercosis: simple method for preparation and evaluation for serodiagnosis. Am. J. Trop. Med. Hyg. 59:291-294. Sato, M. O., Y. Sako, M. Nakao, H. Yamasaki, K. Nakaya, and A. Ito. 2006. Evaluation of purified Taenia soliumglycoproteins and recombinant antigens in the serologic detection of human and swine cysticercosis. J Infect Dis. 194: 1783-90. Sako, Y., M. Nakao, T. Ikejima, X. Z. Piao, K. Nakaya, and A. Ito. 2000, Molecular Characterization and Diagnositic Value of Taenia solium Low-Molecular-Weight Antigen Genes. J. Clin. Microbiol. 38, 4439-4444
本発明は,アフィニティークロマトグラフィーや特殊な等電点電気泳動装置を用いることなく,嚢虫液から血清診断用抗原を精製する簡便な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは,陽イオン樹脂を用いたイオンクロマトグラフィー法により,嚢虫液から血清診断用抗原を精製しうること,ならびにこの方法により精製された抗原は,従来の等電点電気泳動法により得られる抗原と同等の感度および特異性を示すことを見いだした。すなわち,本発明は,嚢虫液から10−26kDaの糖蛋白質を精製する方法であって,嚢虫液をpH8〜9の条件で陽イオン交換体に吸着させ,pH8〜9,塩濃度0−500mMの条件で溶出することを含む方法を提供する。好ましくは,陽イオン交換体はスルホプロピル系陽イオン交換体である。
別の観点においては,本発明は,嚢虫液をpH8〜9の条件で陽イオン交換体に吸着させ,pH8〜9,塩濃度0−500mMの条件で溶出することにより得られる10−26kDaの糖蛋白質を含む,嚢虫感染の血清診断用抗原組成物を提供する。
さらに別の観点においては,本発明は,嚢虫感染を検出する方法を提供する。この方法は,被験者から得た体液を,本発明の方法により精製した10−26kDaの糖蛋白質と接触させ,体液中の,該糖蛋白質抗原と結合する抗体の存在を測定し,抗体の存在が検出された場合には被験者が嚢虫に感染していると判定する,の各工程を含む。
本発明の方法により,市販されているカラムを用いて,血清診断用抗原を嚢虫液から簡便に精製することが可能となった。本発明の方法は,特殊な等電点分取電気泳動装置を必要としない,嚢虫症の流行地域で適用可能な簡便で安価な方法であり,嚢虫症の血清診断に極めて有用である。
図1は,本発明の方法により有鉤嚢虫の嚢虫液から精製した抗原糖蛋白質のSDS-PAGE解析結果を示す。 図2は,本発明の方法により精製した抗原糖蛋白質を用いる有鉤嚢虫症患者血清における抗体の検出を示す。 図3は,本発明の方法により無鉤嚢虫の嚢虫液から精製した抗原糖蛋白質のSDS-PAGE解析結果を示す。
嚢虫症の血清診断用の抗原としては,嚢虫液中に存在する分子量10−26kDaの,等電点9.2〜9.6の糖蛋白質が,感度および特異性の高い抗原として知られている。これは複数の糖蛋白質の混合物であり,その詳細な組成はまだ明らかになっていない。
本発明の方法においては,出発材料として嚢虫液を用いる。嚢虫とは条虫の幼虫であり、嚢虫液を満たした嚢状の構造を有している。嚢虫液は,自然感染あるいは実験的に感染させたブタより嚢虫を摘出した後、虫体を物理的に破壊するか、あるいは注射器を用いることにより、虫体内部の嚢虫液を回収し調製する。回収した嚢虫は精製を開始するまで、冷凍庫に保存しておくことが望ましい。
次に,嚢虫液を陽イオン交換カラムに吸着させる。陽イオン交換体としては,市販されている種々の陽イオン交換体のいずれを用いてもよく,例えば,スルホプロピル系陽イオン交換体,カルボキシメチル系陽イオン交換体などを用いることができる。安定性からみて,スルホプロピル系陽イオン交換体が好ましい。陽イオン交換カラムを開始バッファーで平衡化した後,嚢虫液をカラムに負荷して吸着させる。精製すべき抗原の等電点は9.2〜9.6であるため,開始バッファーのpHは,pH9.0以下となるように選択する。好ましくは開始バッファーのpHはpH8.0以上とし,このことにより,寄生虫材料に含まれるブタ抗体などが陽イオン交換体に結合することを防ぐことができる。嚢虫液は,あらかじめ透析または脱塩処理して,イオン交換クロマトグラフィーの開始バッファーと同程度のpHおよびイオン強度に調製しておくことが好ましい。バッファーとしては,糖蛋白質を溶解するために通常用いられる任意のバッファー,例えば,トリス塩酸,HEPES,リン酸バッファーなどを用いることができる。
抗原糖蛋白質をカラムに吸着させた後,陽イオン交換カラムを開始バッファーで洗浄して未吸着成分を洗い流す。洗浄には,開始バッファーとは異なるバッファーを用いてもよい。次に,塩を含む溶出バッファーを用いて,糖蛋白質を溶出する。溶出バッファーとしては,開始バッファーに0−1M NaClの塩を加えた塩濃度勾配を用いることができる。あるいは,段階的濃度勾配による溶出やアイソクラチック溶出を用いてもよい。目的とする糖蛋白質は,0−500mM NaClで溶出される。回収した抗原糖蛋白質は,必要により濃縮した後,低温または凍結保存することができる。
このようにして嚢虫液より陽イオン交換樹脂を用いたイオン交換クロマトグラフィー法により精製した糖蛋白質抗原は,抗体との反応性に関して,従来の等電点分取電気泳動装置を用いて精製した糖蛋白質抗原と同等の感度と特異性を示す。すなわち,本発明の方法により,市販のカラムを用いて嚢虫液から血清診断用抗原を簡便に精製することが可能となった。本発明の方法により得られた糖蛋白質抗原は,従来の方法で得られた抗原と同様に,イムノブロット法やELISA法による血清診断法に使用することができる。
本発明の方法により得られる抗原は,ヒトまたはブタやウシ等の動物における嚢虫感染の検出および診断に用いることができる。すなわち,本発明の別の観点においては,嚢虫感染を検出する方法が提供される。この方法は,被験者から得た体液を上述のようにして精製した糖蛋白質と接触させ,体液中の,該糖蛋白質抗原と結合する抗体の存在を測定することを含む。抗体の存在が検出された場合には被験者が嚢虫に感染していると判定。
本発明の方法により得られる抗原糖蛋白質を用いて,当該技術分野においてよく知られる抗原抗体反応を用いて,被験者の血液中の抗体価を測定することができる。抗原抗体反応としては,ELISA法,イムノクロマト法,イムノブロット法,ドットブロット法などが挙げられる。例えば,典型的なELISA法を用いてヒト血液中の抗体価を測定する場合には,以下のようにして行うことができる。抗原糖蛋白質を96ウエルなどの慣用のELISAプレートに結合させ,非特異的吸着を防止するためにプレートを適宜ブロッキングする。次に被験者の血液から調製した血清を適宜希釈してプレートの各ウエルに加えて,所定時間インキュベーションする。プレートを洗浄して未結合成分を除去した後,検出可能なように標識した,ヒト抗体と結合しうる抗体(例えばヤギ抗ヒト抗体)を加える。標識は,ペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼなどの酵素や,蛍光色素,化学発光物質,ビオチン,放射線化合物等を用いて,当業者によく知られる方法により行うことができる。プレートを所定時間インキュベーションした後,標識を検出する。検出は,適当な基質を加えて基質の減少もしくは生成物の増加を測定するか,または蛍光,発光,放射活性を測定することにより行うことができる。検出感度または特異性を高めるために,さらに二次抗体(例えば抗ヤギIgG)を利用してもよい。このようにして,被験者の血清における抗原糖蛋白質に対する抗体の量を測定することができる。
イムノクロマト法を用いる場合には,まずニトロセルロースなどの担体からなる試験紙のテストライン上に抗原糖蛋白質を固定化しておき,試験紙の別の場所に標識抗体を付着させておく。検体を試験紙に滴下すると,検体は試験紙上を移動して標識抗体と接触し,さらにテストラインまで移動する。検体中に抗体が存在すると,抗体と標識二次抗体との複合体がテストライン上で抗原糖蛋白質と結合して,標識が検出される。標識としては,テストラインの色で判別できるよう,発色反応を触媒する酵素や金コロイド粒子を用いることができる。イムノクロマト法は,簡便であり,特別な設備や技術を必要としないことから,ベッドサイド検査や集団検査に特に有用である。
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが,本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1 嚢虫液からの抗原蛋白質の精製
精製する出発材料として,エクアドル分離株および中国分離株由来の嚢虫液を用いた。両嚢虫液は自然感染ブタより嚢虫を摘出した後、虫体を物理的に破壊することにより得られた嚢虫液である。20mM HEPES緩衝液(pH8.0)に対して透析を行った嚢虫液2mlを,同緩衝液で平衡化したベッド体積1mlの陽イオン交換カラム(HiTrap SP XL,GEヘルスケア バイオサイエンス社)に1ml/minの流速にてアプライした。その後,同緩衝液にて洗浄後(ベッド体積の10倍以上),0〜1M NaCl含有HEPES緩衝液(pH8.0)の塩濃度勾配により,結合した蛋白質を溶出させた。溶出時には,1ml/分画の条件にて溶出画分を10画分回収した。OD280を測定することにより得られた溶出曲線はシングルピークであり,500mM NaCl以下で全ての結合蛋白質が溶出されていた。エクアドル分離株および中国分離株由来の嚢虫液のいずれについても,溶出曲線は同様であった。
500mM NaCl以下で溶出した全画分を混合し,SDS-PAGEにより精製蛋白質の解析を行った。結果を図1に示す。約10−20kDaの複数のバンドが認められる。
実施例2 ELISAによる精製糖蛋白質の評価
精製した蛋白質の診断用抗原としての有用性を確認するために,イムノブロット法およびELISA法を用いて評価を行った。
4-20%ポリアクリルアミドグラジエントゲル(TEFCO社:SDS-PAGE mini)を用いて、抗原を50-60 μg/ゲルで電気泳動した後、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜に電気的に転写した。PVDF膜はブロッキング緩衝液(20mM Tris-HCl, 1% カゼイン, 150mM NaCl, pH7.4)で室温にて1時間処理した。その後、ブロッキング緩衝液にて20倍希釈した被検血清と室温にて2時間反応させた後、洗浄液(リン酸緩衝生理食塩水に界面活性剤Tween20を0.05%の濃度で加えた。)にて洗浄した(5分間洗浄を3回)。最終洗浄液を捨てた後、ペルオキシダーゼ標識プロテインG溶液(Zymed社製、ブロッキング緩衝液にて1000倍希釈したもの)で室温1時間反応させた後、洗浄液にて洗浄した(5分間洗浄を4回)。その後、発色基質(4-クロロ-1-ナフトールを100mM リン酸緩衝液(pH 7.4)に0.6mg/mlの濃度に溶かし、0.003% 過酸化水素を加えたもの。)を反応させた。室温に静置した後(30分程度)、蒸留水で洗浄することにより反応を停止させた。結果を図2に示す。イムノブロット解析により,精製した蛋白質が有鉤嚢虫症患者血清で認識されることが明らかとなった。なお,患者血清のうち,陰性の結果を示すものは,抗体をもたないか,あるいは抗体量が検出限界以下であると考えられる。従来法によっても,抗体が検出されない患者が一定の割合で存在することが知られている。
次に,陰性コントロールヒト血清,エキノコックス症患者血清および有鉤嚢虫症患者血清を用いてELISAを行った。抗原を96穴プラスチックプレート(Nalge Nunc社:MaxiSorpPlate)に100ng/穴で吸着させた。抗原液を捨てた後、リン酸緩衝生理食塩水にて洗浄した。各穴にブロッキング緩衝液(20mM Tris-HCl, 1% カゼイン, 150mM NaCl, pH7.4)を300μL加えた後、再びシールし、37℃で1時間静置した。ブロッキング緩衝液を捨て、各穴にブロッキング緩衝液にて200倍希釈した被検血清を100μL加えた。軽くプレートを揺すり、血清を混和した。その後、37℃で1時間反応させ、被検血清を捨てた。洗浄液(リン酸緩衝生理食塩水に界面活性剤Tween20を0.05%の濃度で加えた)を各穴に加え洗浄した。以上の工程を3回繰り返した。洗浄液を捨てた後、ペルオキシダーゼ標識プロテインG溶液(Zymed社製、ブロッキング緩衝液にて4000倍希釈したもの)を100μLずつ各穴に加えた。軽くプレートを揺すり、ペルオキシダーゼ標識プロテインG溶液を混和した。その後、37℃で1時間反応させた。その後、ペルオキシダーゼ標識プロテインG溶液を捨て、洗浄液を各穴に加え洗浄した。以上を4回繰り返した。各穴に発色基質(2,2'-アジノ-ジ-(エチル-ベンズチアゾリンスルホン酸)を100mM クエン酸緩衝液(pH4.7)に0.4mMの濃度に溶かし、0.003% 過酸化水素を加えたもの。)を100μLずつ加えた。室温に静置した後(30分程度)、1%SDS溶液を各穴に加え(100μL/穴)反応を停止させた。
ELISAリーダーで吸光度(OD値)を測定し、OD値を基に判定した。解析にはロトフォアで精製した抗原をスタンダード抗原として用い,本法で精製したエクアドル分離株由来および中国分離株由来抗原を比較した。結果を表1に示す。その結果,本法で精製した抗原はスタンダード抗原と感度および特異性に差は無く(p>0.1、ピアソンのカイ二乗テスト),本法が血清診断用抗原の精製に有用であることが示された。また、エクアドル分離株由来とロトフォア精製抗原、中国分離株由来とロトフォア精製抗原のカッパ係数は、それぞれ0.92と0.87を示し、強い相関を有していることが明らかとなった。
実施例3 無鉤嚢虫の嚢虫液からの抗原糖蛋白質の精製
実施例1と同様にして,無鉤嚢虫の嚢虫液から抗原糖蛋白質を精製し,SDS-PAGEにより解析したところ,有鉤嚢虫の場合と同様に,約10−20kDaの複数のバンドが認められた(図3)。
本発明の方法によれば,嚢虫症の流行地域で簡便で安価に抗原糖蛋白質を精製することができ,嚢虫症の血清診断に有用である。

Claims (4)

  1. 嚢虫液から10−26kDaの糖蛋白質を精製する方法であって,嚢虫液をpH8〜9の条件で陽イオン交換体に吸着させ,pH8〜9,塩濃度0−500mMの条件で溶出することを含む方法。
  2. 陽イオン交換体がスルホプロピル系陽イオン交換体である,請求項1記載の方法。
  3. 嚢虫液をpH8〜9の条件で陽イオン交換体に吸着させ,pH8〜9,塩濃度0−500mMの条件で溶出することにより得られる10−26kDaの糖蛋白質を含む,嚢虫感染の血清診断用抗原組成物。
  4. 嚢虫感染を検出する方法であって,被験者から得た体液を糖蛋白質と接触させ,体液中の,該糖蛋白質抗原と結合する抗体の存在を測定し,抗体の存在が検出された場合には被験者が嚢虫に感染していると判定する,の各工程を含み,該糖蛋白質は,嚢虫液をpH8〜9の条件で陽イオン交換体に吸着させ,pH8〜9,塩濃度0−500mMの条件で溶出することにより得られる10−26kDaの糖蛋白質であることを特徴とする方法。

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