JP2010247119A - 混合エレメント、及び混合装置 - Google Patents

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拓也 林
Kunifumi Machino
邦文 町野
Kazunori Wakai
和憲 若井
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Abstract

【課題】混合作用が高い混合エレメント又は混合装置の構成を提供すること。
【解決手段】混合対象液を面内方向に流通させる混合面を備える板状基部を備え、前記混合面には溝状の混合流路が備えられ、前記混合対象液を前記混合流路へ流通させることにより該混合対象液を混合する混合エレメントであって、前記混合流路はせん断部を備え、該せん断部は前記混合対象液を加圧する加圧部と、該加圧部で加圧された前記混合対象液を分離する分離部とを備える、ことを特徴とする混合エレメント。
【選択図】図1

Description

本発明は、混合エレメントの改良及び該混合エレメントを備える混合装置に関する。
従来、2種類以上の混合対象液を混合する混合装置の一つとして、静的混合装置(スタティックミキサ)がある。特許文献1には、内部にねじり羽根状の混合エレメントを複数備える管に、混合対象液を流動して混合する混合装置が開示されている。当該混合装置では、ねじり羽根状の混合エレメントを着脱自在として管内の清掃を容易にしている。特許文献2には、一方の面にハニカム状の凹部で形成された多数の小室を設け、他方の面に板の中心に向かって放射状に整流部を設けた板状の混合エレメントを積層してなる混合装置が開示されている。当該混合エレメントはその小室と、対向する混合エレメントの小室とが連通するように位置を違えて積層されている。これにより混合対象液は対向する混合エレメントの間を蛇行しながら流通して混合される。
また、特許文献3には、混合対象液が流動する溝状の流体流路と、熱交換体が流動する溝状の熱交換流路とを有するプレートが積層されてなる混合装置が開示されている。当該混合装置では、流体流路と熱交換流路とが交互に配置されるようにプレートを積層することにより、混合対象液を混合するとともに流体の熱交換を行う。
特開2001−205062号公報 特再表2002−070117号公報 特開2007−136411号公報
特許文献1の構成では、ねじり羽根状の混合エレメントを複数備えるため、管が長尺となって装置が大型化する。さらに長尺の管では流体を流動させるために高い圧力が必要となる。特に粘度の高い流体を混合する際にはこれは顕著となる。また、長尺の管では管内清掃等のメンテナンスの負担が大きい。
特許文献2の構成では、流体は連通する小室を蛇行しながら、板の中心から端部へ向かって放射状に進行して板の裏面に回り込んだ後、板の裏面に放射状に設けられた整流部により板の中心に向かって直線的に流動する。このような構成では流体が小室を蛇行する際にその流速が低下するため、流体を流動させるために高い圧力が必要となる。また、板の裏面では整流部により流体は直線的に流動するため混合作用が低い。
特許文献3の構成では、各プレートの流体流路は一つの線状であるため、流体の混合作用が低い。
そこで、本発明は混合作用が高い混合エレメント又は混合装置の構成を提供することを目的の一つとする。また、小型化された混合エレメント又は混合装置を提供することを目的の一つとする。さらに、管内清掃等のメンテナンスが容易な混合エレメント又は流体混合装置の構成を提供することを目的の一つとする。
以上の目的の少なくとも一つを達成するため、本発明は次の構成からなる。即ち、
混合対象液を面内方向に流通させる混合面を備える板状基部を備え、前記混合面には溝状の混合流路が備えられ、前記混合対象液を前記混合流路へ流通させることにより該混合対象液を混合する混合エレメントであって、
前記混合流路はせん断部を備え、該せん断部は前記混合対象液を加圧する加圧部と、該加圧部で加圧された前記混合対象液を分離する分離部とを備える、ことを特徴とする混合エレメントである。
本発明の混合エレメントによれば、混合対象液は混合流路を流通する過程において、せん断部の加圧部により加圧された後、分離部へ流出されて分離される。ここで混合対象液は加圧状態で分離部に衝突して十分に分離されるため、混合対象液の混合作用が促進される。本発明の混合エレメントは板状基部からなるため、管内にねじり羽根状の混合エレメントを複数備える構成に比べて、小型に形成することができる。また、本発明の混合エレメントは板状であるため、これを複数個使用する場合には当該混合エレメントを容易に積層することができ、装置自体も小型化できる。
本発明の実施例である混合装置100の断面図である。 混合エレメント1の上流側斜視図である。 混合エレメント1の下流側斜視図である。 図4Aは混合エレメント1の上流側混合面11の平面図であり、図4Bは混合エレメント1の下流側混合面17の平面図である。
本発明の混合エレメントにおける混合対象液としては特に限定されないが、天ぷら油等の廃油、水及び乳化剤(界面活性剤)を含む混合液を例示することができる。このような混合対象液を本発明の混合エレメントによって混合することにより、これらを良好に混合することができ、いわゆるエマルジョン燃料を製造することができる。
本発明の混合エレメントは混合対象液を面内方向に流通させる混合面を備える板状基部を備え、混合面には溝状の混合流路が備えられる。板状基部の材質は特に限定されないが、混合対象液に対する耐腐食性が高いものや、耐摩耗性が高いものや、比重の小さいものが好ましい。例えば、板状基部の材質としてセラミックを採用することができる。板状基部の形状は平板状であって、その厚さは例えば、5mm〜20mm、好ましくは8mm〜15mm、さらに好ましくは9〜12mmである。板状基部をこのように薄くすることで、装置の軽量化、小型化が図れる。板状基部の少なくともいずれか一方の平板面が混合面となる。当該混合面に耐腐食性や耐摩耗性を有する層を設けて、混合エレメントに耐腐食性や耐摩耗性を付与することができる。耐腐食性や耐摩耗性を有する層は、公知のコーティング剤をコーティングしたり、メッキにより所定の金属被膜を設けることにより形成することができる。また混合面に所定の化学処理を施して耐腐食性や耐摩耗性を付与してもよい。
混合流路は混合面に溝を設けて形成される。当該溝の深さは例えば、板状基部の厚さの0.1倍〜0.8倍、好ましくは0.2倍〜0.6倍、さらに好ましくは0.3倍〜0.5倍である。当該溝の深さ(混合流路の深さ)は一定であってもよいし、溝の一部の深さが他と異なっていてもよい。このような溝状の混合流路により、混合対象液は混合面の面内方向に流通して混合することとなる。なお、ここでいう「面内方向」とは、混合面が備える溝状の混合流路内側であって、板状基部の平面に略平行な方向をさす。混合流路を形成する方法は特に限定されず、板状基部の材質を考慮して公知の方法を採用できる。例えば、切削、型形成、エッチングなどで板状基部の混合面に混合流路を形成することができる。混合流路の壁面を平滑性の高い面とすることが好ましい。混合流路の壁面に混合対象液の一部が残留して混合流路が狭窄したり、閉塞することが防止できるからである。
混合流路はせん断部を備える。当該せん断部は混合対象液を加圧する加圧部と、該加圧部で加圧された混合対象液を分離する分離部とを備える。加圧部は混合流路の流路径を小さくして形成することが好ましい。ここでいう「流路径」とは、混合流路の幅(混合流路の対向する壁面の距離)及び/又は混合流路の深さをさす。例えば、混合流路の幅を狭くすることにより加圧部を形成することができる。混合流路の流路径は分離部に向かって徐々に小さくすることが好ましい。混合対象液が分離部に向かって流動するにつれて圧力が高まるので、分離部に到達するときに当該混合対象液は最も加圧された状態となるからである。分離部は混合流路の壁面に突出部を設けて形成することができる。当該突出部の壁面に加圧状態の混合対象液が衝突することにより、混合対象液がせん断される。即ち、当該突出部の壁面がせん断面となる。突出部の形状はせん断面が形成されるものであれば特に限定されず、例えば、加圧部に向かって突出する平面視三角形状や、加圧部に向かって湾出する形状とすることができる。突出部は加圧部の延長軸線を基準線とする線対称な一対のせん断面を備えることが好ましい。混合対象液を均等に分離できるからである。
せん断部は板状基部の混合面の中心から第1の距離に配置される第1のせん断部と該中心から第2の距離に配置される第2のせん断部とを有し、第1のせん断部の一対のそれぞれから等距離に第2のせん断部が位置することが好ましい。第2のせん断部に対して一対の第1のせん断部のそれぞれからバランスよく混合対象液が流動されるからである。第1の距離及び第2の距離は、混合面の大きさや必要とされる混合作用の程度等を考慮して適宜決定することができる。
第1のせん断部は混合面の中心を中心とする第1の仮想円周上において周方向に均等にn個分配され、第2のせん断部も混合面の中心を中心とする第2の仮想円周上において周方向に均等にn個分配されることが好ましい。第2のせん断部に対して一対の第1のせん断部のそれぞれからさらにバランスよく混合対象液が流動されるからである。混合面の中心に混合対象液を供給すれば、混合対象液は第1のせん断部に対して均等に到達するとともに、第2のせん断部に対しても第1のせん断部により混合対象液が均等にせん断されて均等に到達するため、混合対象液がさらにバランスよく流動して高い混合作用が奏されるからである。ここでnは3以上の整数であり、好ましくは3以上20以下の整数であり、さらに好ましくは3以上10以下の整数であり、さらに好ましくは3以上7以下の整数である。このようにすれば、混合対象液がさらに一層バランスよく流動して高い混合作用が奏される。
混合面は板状基部の両面に形成され、混合面である板状基部の上流側に形成される上流側混合面と板状基部の下流側に形成される下流側混合面とが板状基部を貫通する貫通孔で連通されることが好ましい。混合対象液は上流側混合面で混合された後、下流側混合面でさらに混合されることとなるため、混合作用が高まるからである。
貫通孔は板状基部の周縁に形成され、上流側混合面の中心へ混合対象液が供給されて該混合対象液は該上流側混合面を外側へ向けて流れ、貫通孔を介して下流側混合面へ供給され、該混合対象液は該下流側混合面を中心側へ向けて流れ、その中心より排出されることが好ましい。上流混合面及び下流側混合面において混合流路が十分確保され、高い混合作用が奏されるからである。
本発明の他の局面は上述の混合エレメントを複数重ねてなる混合装置である。当該混合エレメントは板状であるため、複数重ねて積層することにより混合エレメントを複数備える混合装置を小型化することができる。板状基板の両面に混合面を備える混合エレメントを使用する場合は、上流側混合面及び下流側混合面のそれぞれの混合流路が確保されるように、対向する混合エレメントの間に板状のセパレータを介在させる。セパレータは平面視で混合エレメントの混合面と略同一又は混合面よりも大きい平板状とすることができる。
以下、本発明の実施の形態につき、図例を参照しながら説明をする。
本発明の実施例である混合装置100の断面図を図1に示す。図1に示すように、混合装置100は混合エレメント1とスペーサ2とが交互に複数積層されて形成されている。混合装置100の一方の端部には端板3が設けられ、端板3の中央には注入口31が備えられる。混合装置100の他方の端部には端板4が設けられ、端板4の中央には排出口41が備えられる。また、スペーサ2の中央にも孔21が設けられる。端板3、混合エレメント1、スペーサ2及び端板4はいずれも板状で平面視正方形であって、それらの四隅に設けられる固定用孔を介して、ボルト51とナット52により積層状態で互いに密接して固定される。混合対象液は端板3の注入口31から注入されて、複数の混合エレメント1及びスペーサ2を通過して端板4の排出口41が排出される。即ち、混合装置100は端板3側が上流側となり、端板4側が下流側となる。
図2に混合エレメント1を抜き出し、上流側から見た斜視図を示す。混合エレメント1は厚さ約10mmの板状基部10を備える。板状基部10の上流側の平板面11には深さ約3.0mmの溝状に形成された混合流路12が形成されており、当該平板面11が上流側混合面となる。上流側混合面11の混合流路12は、中央せん断部13、第1せん断部14、第2せん断部15及び貫通孔16を備える。中央せん断部13は上流側混合面11の中央に設けられる。中央せん断部13の形状は十字形である。
第1せん断部14は4個備えられ、上流側混合面11の中心11aを中心とする第1の仮想円周11b上において周方向に90度間隔で均等に分配されている。第1せん断部14は加圧部141と分離部142を備える。加圧部141は分離部142よりも中心11aに近い位置に配置される。加圧部141では、混合流路12の壁面が分離部142に近づくようにテーパーして混合流路12の流路径が小さくなっている。図2に示すように加圧部出口幅141bの長さは加圧部入口幅141aの長さの約3分の1である。分離部142は混合流路12の壁面に設けられた突出部142aにより形成される。突出部142aの形状は、上流側混合面11の中心11aに向かって突出した平面視三角形状である。これにより、分離部142には加圧部141の延長軸線141cを中心とする対称な一対のせん断面142bが備えられる。
第2せん断部15は4個備えられ、上流側混合面11の中心11aを中心とし、第1の仮想円周11cよりも半径の大きい第2の仮想円周11b上において周方向に90度間隔で、かつ第1せん断部14に対して45度ずれた位置に均等に分配されている。これにより、隣り合う第1せん断部14から等距離の位置に第2せん断部15が一個ずつ配置されることとなる。第2せん断部15は第1せん断部14と同様に、加圧部151と分離部152とを備える。加圧部151は第1せん断部14の加圧部141と同様に、混合流路12の流路径が小さくなるように形成されている。分離部152も第1せん断部14の加圧部142と同様に、混合流路12の壁面に設けられた平面視三角形状の突出部152aにより形成され、加圧部151の延長軸線151cを中心とする対称な一対のせん断面152bが備えられる。
貫通孔16は4個備えられ、板状基部10の周縁であって、上流側混合面11の中心11aを中心とし、第2の仮想円周11bよりも半径の大きい第3の仮想円周11d上において周方向に90度間隔で、かつ第2せん断部15に対して45度ずれた位置に均等に分配されている。貫通孔16は板状基部10を貫通して、上流側混合面11の反対側の面である下流側混合面17に連通している。貫通孔16に対向する混合流路12の内側壁面には突出部161が設けられている。突出部161の形状は、対向する貫通孔16に向かって突出した平面視三角形状である。これにより、突出部161には、上流側混合面11の中心11aと貫通孔16とを通る仮想線161aを中心とする対称な一対のガイド面161bが備えられる。
図3に混合エレメント1を下流側から見た斜視図を示す。板状基部10の下流側混合面17には深さ約3.0mmの溝状に形成された混合流路18が形成されている。下流側混合面17の混合流路18は、貫通孔16、第3せん断部19、第4せん断部20及びガイド部21を備える。貫通孔16は上流側混合面11の場合と同様に板状基部10の周縁であって、下流側混合面17の中心17aを中心とする第4の仮想円周17b上において周方向に90度間隔に均等に配置されている。
第3せん断部19は4個備えられ、下流側混合面17の中心17aを中心とし、第4の仮想円周17bよりも半径が小さい第5の仮想円周17c上において周方向に90度間隔で均等に分配されている。第3せん断部19は加圧部191と分離部192とを備え、加圧部191は分離部192よりも中心17aから遠い位置(対応する貫通孔16に近い位置)に配置される。加圧部191において、混合流路18の壁面が分離部192に近づくようにテーパーして混合流路18の流路径が小さくなっている。図3に示すように加圧部出口幅191bの長さは加圧部入口幅191aの長さの約3分の1である。分離部192は混合流路18の壁面に設けられた突出部192aにより形成される。突出部142aの形状は、中心17aと反対側(対応する貫通孔16側)に向かって突出した平面視三角形状である。これにより、分離部192には加圧部191の延長軸線(対応する貫通孔16と中心17aと通る仮想軸)191cを中心とする対称な一対のせん断面192bが備えられる。
第4せん断部20も4個備えられ、下流側混合面17の中心17aを中心とし、第5の仮想円周17cよりも半径が小さい第6の仮想円周17d上において周方向に90度間隔で、かつ第3せん断部19に対して45度ずれた位置に均等に分配されている。これにより、隣り合う第3せん断部19から等距離の位置に第4せん断部20が一個ずつ配置されることとなる。第4せん断部20は第3せん断部19と同様に、加圧部201と分離部202とを備える。加圧部201は第3せん断部19の加圧部191と同様に、混合流路18の流路径が小さくなるように形成されている。分離部202も第3せん断部19の加圧部192と同様に、混合流路18の壁面に設けられた平面視三角形状の突出部202aにより形成され、加圧部201の延長軸線201cを中心とする対称な一対のせん断面202bが備えられる。
ガイド部21も4個備えられ、第6の仮想円周17cよりも半径が小さい下流側混合面17の中心17aを中心とする第7の仮想円周17e上において周方向に90度間隔で、かつ第4せん断部20とは45度ずれた位置に均等に分配されている。ガイド部21は混合流路18の壁面に設けられた突出部21aを備える。突出部21aの形状は下流側混合面17の中心17aに向かって突出した平面視三角形状である。これにより、突出部21aは、中心17aと貫通孔16とを通る仮想線21bを中心とする対称な一対のガイド面21cが備えられる。
次に本発明の混合装置100による混合作用を説明する。図4Aに混合エレメント1の上流側混合面11の平面図を示し、図4Bに混合エレメント1の下流側混合面17の平面図を示す。なお、図4A及び図4Bにおいて、混合対象液の流動方向を矢印で示す。
まず、混合対象液を端板3の注入口31から所定の圧力で注入する(図1参照)。注入された混合対象液は最も上流側に位置する混合エレメント1の上流側混合面11の中央に到達する。上流側混合面11の中央に到達した混合対象液は混合流路12内に注入される。そして、図4Aに示すように、十字形状の中央せん断部13に沿って4方向にせん断され、混合流路12に沿って、第1せん断部14の方向に流動する(符号F1で示す矢印を参照)。
次いで、混合対象液は第1せん断部14の加圧部141に到達する。加圧部141は混合流路12の流路径が分離部142に向かうにつれて小さくなっているため、加圧部141を通過する混合対象液は混合されて加圧された状態で分離部142に流出される。加圧状態の混合対象液は分離部142のせん断面142bに衝突して、せん断面142bに沿って2方向にせん断される(矢印F2、F2’を参照)。
せん断面142bによりせん断された混合対象液は第2せん断部15の加圧部151に到達する。加圧部151においても加圧部141と同様に混合対象液は混合されて加圧された状態で分離部152に流出される(矢印F3、F3’)。加圧状態の混合対象液は分離部142のせん断面142bに衝突して、せん断面152bに沿って2方向にせん断される(矢印F4、F4’を参照)。せん断面152bによりせん断された混合対象液は突出部161に到達し、突出部161のガイド面161bに沿って貫通孔16に向かって流動する。そして、貫通孔16を介して混合対象液は混合されながら下流側混合面17の混合流路18に流入する(矢印F5、F5’を参照)。
混合対象液は第3せん断部19の加圧部191に到達する。加圧部191においても加圧部141と同様に混合対象液は混合されて加圧された状態で分離部192に流出される(矢印F6、F6’)。加圧状態の混合対象液は分離部192のせん断面192bに衝突して、せん断面192bに沿って2方向にせん断される(矢印F7、F7’を参照)。
せん断面192bによりせん断された混合対象液は第4せん断部20の加圧部201に到達する。加圧部201においても加圧部141と同様に混合対象液は混合されて加圧された状態で分離部202に流出される(矢印F8、F8’)。加圧状態の混合対象液は分離部202のせん断面202bに衝突して、せん断面202bに沿って2方向にせん断される(矢印F9、F9’を参照)。せん断面202bによりせん断された混合対象液はガイド部21に到達し、突出部21のガイド面21cに沿って混合されながら下流側混合面17の中心17aに向かって流動する(矢印F10、F10’を参照)。中心17aに向かって流動する混合対象液は下流側混合面17に対向するスペーサ2の孔から排出され、さらに下流に設けられる混合エレメント1の上流側混合面11の中央に流動される。
このように、混合対象液は上流側混合面11の中心11aへ供給されて上流側混合面11を混合流路12に沿って外側へ向けて流れ、貫通孔16を介して下流側混合面17へ供給され、下流側混合面17を混合流路18に沿って中心側へ向けて流れ、その中心より排出される。積層される複数の混合エレメント1の混合流路12、18内を順次流動することにより混合されて、最終的に端板4の排出口41から排出される。
本発明の混合装置100では、混合流路11、18内の各せん断部において、混合対象液は加圧されて加圧状態で各分離部のせん断面に衝突するため、混合対象液は十分にせん断されて混合が促進される。分離部142、152、192及び202のそれぞれの突出部142a、152a、192a及び202aはいずれも平面視三角形状であって、対応する加圧部141、151、191及び201にそれぞれ対向してその角部が突出しているため、混合対象液が一層せん断されやすく、高い混合作用を奏する。また、分離部142、152において混合対象液をせん断するせん断面142b、152bはそれぞれ、加圧部141、151の延長軸線141c、151cを中心とする対称な一対として形成されるため、混合対象液は2方向に均等にせん断されるとともに、隣り合う一対の第1せん断部14から等距離に第2せん断部15が配置されるため、混合対象液は第2せん断部15に均等に流動する。これらにより、混合対象液は混合流路11を偏りなくバランスよく流動することとなり、混合対象液に不要な圧力をかけることなく流動させることができる。
また、図1に示すように、混合エレメント1は板状であるため、管内にねじり羽根状の混合エレメントを複数備える構成に比べて、混合装置100は小型化される。さらに、混合エレメント1はスペーサ2とともに一括してボルトで固定されているものであるため、取り外しが容易である。これにより、清掃等のメンテナンスが容易である。
次に本発明の混合装置100を使用した実験例について説明する。実験例として混合比率(V/V)が、水25.00%、灯油34.50%、廃食油40.00%、界面活性剤0.50%である混合対象液を混合装置100により混合して混合液を作成した。比較例として、同一組成の混合対象液をバケツに10回移し替えて混合して混合液を作成した。実験例の混合液及び比較例の混合液について、混合直後の状態と混合してから一週間経過後の状態を目視により観察した。
実験結果は次の通りである。実験例の混合液は、混合直後では混合対象液の各成分が良好に混合され乳化状態となっていた。さらに混合から一週間経過後においても混合直後の状態とほぼ同一であった。一方、比較例の混合液は、混合直後では混合液は乳化状態となっていたが、混合から一週間経過後には灯油及び廃食油と水とが分離しており乳化状態が維持されていなかった。これは灯油及び廃食油に比べて比重の大きい水が下層に、灯油及び廃食油が上層となって分離したものであった。これにより、比較例の混合液では混合対象液は十分には混合されなかったが、混合装置100による実施例の混合液の混合対象液は十分混合されたことが示された。
この発明は上記発明の実施形態に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明の混合エレメント及び混合装置は、様々な流体の混合に利用することができる。特に、エマルジョン燃料の製造に好適に利用できる。
1 混合エレメント
2 スペーサ
3、4 端板
31 注入口
41 排出口
100 混合装置
10 板状基部
11 上流側混合面
12、18 混合流路
13 中央せん断部
14 第1せん断部
15 第2せん断部
19 第3せん断部
20 第4せん断部
141、151、191、201 加圧部
141c、151c、191c、201c 延長軸線
142、152、192、202 分離部
142a、152a、192a、202a 突出部
142b、152b、192b、202b せん断面
16 貫通孔
17 下流側混合面
21 ガイド部

Claims (7)

  1. 混合対象液を面内方向に流通させる混合面を備える板状基部を備え、前記混合面には溝状の混合流路が備えられ、前記混合対象液を前記混合流路へ流通させることにより該混合対象液を混合する混合エレメントであって、
    前記混合流路はせん断部を備え、該せん断部は前記混合対象液を加圧する加圧部と、該加圧部で加圧された前記混合対象液を分離する分離部とを備える、ことを特徴とする混合エレメント。
  2. 前記混合流路の流路径を小さくして前記加圧部が形成され、前記混合流路の壁面に突出部を設けて前記分離部が形成され、該分離部は前記加圧部の延長軸線を中心とする対称な一対のせん断面を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の混合エレメント。
  3. 前記せん断部は前記混合面の中心から第1の距離に配置される第1のせん断部と該中心から第2の距離に配置される第2のせん断部とを有し、
    前記第1のせん断部の一対のそれぞれから等距離に前記第2のせん断部が位置する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の混合エレメント。
  4. 前記第1のせん断部は前記混合面の中心を中心とする第1の仮想円周上において周方向に均等にn(n=3以上の整数)個分配され、前記第2のせん断部も前記混合面の中心を中心とする第2の仮想円周上において周方向に均等にn個分配される、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の混合エレメント。
  5. 前記混合面は前記板状基部の両面に形成され、前記混合面であって前記板状基部の上流側に形成される上流側混合面と前記板状基部の下流側に形成される下流側混合面とは、前記板状基部を貫通する貫通孔で連通される、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の混合エレメント。
  6. 前記貫通孔は前記板状基部の周縁に形成され、前記上流側混合面の中心へ前記混合対象液が供給されて該混合対象液は該上流側混合面を外側へ向けて流れ、前記貫通孔を介して前記下流側混合面へ供給され、該混合対象液は該下流側混合面を中心側へ向けて流れ、その中心より排出される、ことを特徴とする請求項5に記載の混合エレメント。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の混合エレメントを複数重ねてなる混合装置。
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