JP2010244857A - 色素増感太陽電池用電解液及び色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率が高く、ほぼ無色透明であることが可能な色素増感態様電池用電解液を提供すること。
【解決手段】少なくとも1個の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基と、ハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩を含み、さらにヨウ素分子を含み又は含まず、ハロゲン分子を含む場合にはハロゲン分子の濃度が0.0004mol/l以下である、色素増感太陽電池用電解液を使用することによって、光電変換効率が高く、ほぼ無色透明であることが可能な電解液が提供された。
【選択図】図2

Description

本発明は、ほぼ無色透明であることが可能な色素増感太陽電池用電解液および色素増感太陽電池に関する。
次世代太陽電池として、色素増感型太陽電池の開発が進められている。色素増感太陽電池は、電池交換や給電線を不要とするため、利便性の向上や他からの電力供給が困難な場所での利用等様々な用途に適用されており、非常に高いニーズがある。色素増感太陽電池、特にそれに用いる電解液については、以下の文献がある。
特許文献1は、遷移金属等の多結晶の金属酸化物半導体を有し、その表面域に渡ってフタロシアニン、ポルフィリン等の単分子発色剤層を有する再生型光電化学電池を記載する。電解質としてはヨウ化物、臭化物、ヒドロキノン等のレドックス系を用いることができると記載する。
特許文献2は、再生型光電気化学電池において、電解液として、少なくとも1種の電気化学的に活性な塩とこの塩の陰イオン又は陽イオンと共に酸化還元系を形成するように設計された少なくとも1種の分子との混合物からなる酸化還元系を含み、その酸化還元系が室温において液体状態であり、室温より低い融点を有する電気化学的に不活性な塩中の溶液であるものを記載する。
特許文献3は、電解質層が、ヨウ素系化合物を含まず、有機または無機カチオンおよびチアジアゾール系化合物、ピリジン系化合物といった芳香族、複素芳香族等の環式化合物を含む光電変換素子を記載する。
特許文献4は、カソード電極、アノード電極、非水溶媒、およびヨウ素等と、2−イミダゾリン環を有する環状アミジン化合物の4級塩を含有する色素増感型太陽電池用非水電解液を記載する。
特許文献5は、10〜35質量%の結晶性半導体ナノ粒子と、0.2〜5質量%のバインダーと、含水量が20〜60質量%の炭素数3〜5のアルコールと水との混合物を含み、少なくとも2.5Pa・sの粘度を持つフィルム型色素増感光量変換素子に用いることのできる塗膜形成用組成物を記載する。
特開平1−220380号公報 特表平9−507334号(WO95/18456)公報 特開2008−16442号公報 特許第3462115号公報 特開2006−172722号公報
公知の色素増感太陽電池用電解液のうち、I/ヨウ化物塩などのハロゲン分子/ハロゲン化物塩を酸化還元対として含む電解液が、光電変換効率に優れている。しかし、I、Brなどのハロゲン分子は、溶媒中で赤褐色などの有色であるため、上記の電解液を用いる色素増感太陽電池は有色であり、光透過性に劣り、また色に制限がある。したがって、光電変換特性を有しながら、可視域で透明ない色素増感太陽電池用電解液、及びこれを用いた色素増感太陽電池に需要がある。
本発明によれば、少なくとも1個の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基とハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩を含み、ハロゲン分子を含まないか、もしくは含む場合にはハロゲン分子の濃度が0.0004mol/l以下である、色素増感太陽電池用電解液を用いれば、上記課題が解決されることが見出された。
また、本発明の一態様によれば、上記色素増感太陽電池用電解液を用いた色素増感太陽電池も提供される。
本発明の態様により提供される色素増感太陽電池用電解液は、I、Brなどのハロゲン分子を最大でも0.0004mol/lしか含まないため、可視光線の全領域において高い光線透過率を達成でき、ほぼ無色透明とすることが可能である。ほぼ無色透明であるので幅広いデザインを可能とする。また、I、Brなどのハロゲン分子を0.0004mol/l以下しか含まないことから、太陽光下での特性の劣化が非常に小さく、サイクル耐久性に優れている上に、腐食性が非常に低い。そのため、金属板を基板に使用できるなど、材料の選択幅が広い。その上、性能面ではIを含む従来の電解液とほぼ同等のすぐれた光電変換効率、開放電圧値、短絡電流値、曲線因子などを有する。
図1は、色素増感太陽電池の製造工程を示す図である。 図2は、実施例7〜10および比較例2の電解液の300〜800nmにおける光線透過率を表すグラフである。
色素増感太陽電池は、基材、色素を吸着させたITOなどの多孔質の半導体金属酸化物からなるフォトアノード、対向電極、電解液などを有し、可視光などの光を当てることにより、光電変換作用によって発電する太陽電池である。
本発明に係る電解液は、このような色素増感太陽電池に用いられるものである。
本発明に係る色素増感太陽電池用電解液は、少なくとも1個の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基と、ハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩を含み、ハロゲン分子を含まないか、含んでもハロゲン分子の濃度が0.0004mol/l以下である。
本発明の色素増感太陽電池用電解液において、ハロゲン分子の濃度は原料として添加されるハロゲン分子の濃度のよって規定しているが、詳しくは後述する。
、Brなどのハロゲン分子の濃度が0.0004mol/l以下(ゼロを含む)であるので、可視領域においてほぼ無色透明であることが可能であり、良好な光線透過率、高い光変換効率、美的な外観などに寄与する。本発明の色素増感太陽電池用電解液におけるハロゲン分子の濃度は、0.0004mol/l以下であればよいが、必要に応じて0.0001mol/l以下、さらには0.00005mol/l以下であることができ、特にハロゲン分子を原料として全く添加しないことができる。
本明細書中において、無色透明とは、可視光線領域380nm〜780nmの波長において可視光線透過率が60%以上、より好ましくは85%以上であることを意味する。本発明によれば、可視光線透過率は96%以上、さらには98%以上であることも可能である。
本発明の一態様の色素増感太陽電池用電解液に用いる電解質は、少なくとも1種の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基と、ハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩を含むものである。
本明細書中において、第4級窒素原子とは、炭化水素基がC−N結合により4つ窒素に結合した窒素原子をいい、ここで、この炭化水素基は、窒素原子や酸素原子などのヘテロ原子を含むことができ、C−N結合も含め飽和または不飽和、置換または無置換、脂肪族または芳香族、分枝又は直鎖であることができ、炭化水素基上に種々の置換基を有することができる。
第3級硫黄原子、第4級リン原子についても、上記の4つ、C−N結合および窒素原子が、それぞれ、3つ、C−S結合、および硫黄原子、および4つ、C−P結合、およびリン原子となる点を除き、同様に定義される。
少なくとも1個の第4級窒素原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基としては、たとえば、下記一般式
Figure 2010244857
Figure 2010244857
(式中、基R及びRは、
(a)1〜20個の炭素原子を有する直鎖若しくは枝分かれ鎖のアルキル基、
(b)1〜20個の炭素原子を有する直鎖若しくは枝分かれ鎖のアルコキシ基、
(c)1〜20個の炭素原子を有するアルキル基のフッ素置換誘導体、
(d)アルケニル基、
(e)アルキニル基、
(f)(a)〜(e)の組合せ、
(g)(a)〜(f)の対応するハロゲン化物、
(h)アルコキシアルキル基、または、
(i)ポリエーテル基、
から、それぞれ独立して選択された基であり、
基R、R及びRは、(a)〜(i)、または水素から、それぞれ独立して選択された基である。)
で表されるイミダゾリウム型基又はトリアゾリウム型基である。
少なくとも1個の第3級硫黄原子を含む1個以上の基からなる前記陽イオンの基としては、例えば、下記一般式で表されるスルホニウム基
Figure 2010244857
(式中、基R、R、Rは、上記少なくとも1個の第4級窒素原子を含む1個以上の基に記載したのと同一である)でもよい。
少なくとも1個の第4級リン原子を含む1個以上の基からなる前記陽イオンの基としては、例えば、下記一般式で表されるホスホニウム基
Figure 2010244857
(式中、基R、R、R、Rは、前記少なくとも1個の第4級窒素原子を含む1個以上の基に記載したのと同一である)、
でもよい。
ハロゲン化物イオンとしては、ヨウ化物イオン(ヨウ素イオン)、臭化物イオン(臭素イオン)がある。
少なくとも1個の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基とハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムなどのイミダゾリウム、トリアゾリウムなどの第4級アンモニウムイオン、第3級硫黄原子を含んで成る基、第4級リン原子を含んで成る基、ホスホニウム基などの化合物の陽イオンと、Brなどのハロゲン化物イオンとのハロゲン化物塩を挙げることができる。
なお、本発明の電解液は、LiI、NaI、KIなどのハロゲン化金属を含んでいてもよい。
上記ハロゲン化物塩は、ヨウ化物の場合は、例えば、テトラブチルアンモニウムアイオダイドなどのテトラアルキルアンモニウムアイオダイド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイドなどのイミダゾリウムアイオダイド、トリアゾリウムアイオダイドなどの第4級アンモニウムアイオダイド、スルホニウムアイオダイド、ホスホニウムアイオダイドなどであることができる。
この中でも、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイドなどのイミダゾリウムアイオダイド、トリアゾリウムアイオダイドなどの第4級アンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイドなどのテトラアルキルアンモニウムアイオダイドが、光電池として高い性能を出す点で好ましい。これらのヨウ化物は、1種以上を同時に用いてもよい。
電解液中の全ハロゲン化物塩の濃度は、0.1mol/l以上、0.2mol/l以上、0.4mol/l以上、であることができ、10.0mol/l以下、2.0mol/l以下、1.8mol/l以下であることができる。
この中でも、後述するように、I、Br、などのハロゲン分子を含む電解液とほぼ同等の光電変換効率を達成するできるため、ハロゲン化物塩の濃度は、0.2mol/l以上であることが好ましい。
従来、色素増感太陽電池用電解液として用いる場合、少なくとも1個の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基とハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩は、ハロゲン分子と組み合わせて酸化還元系を構成して用いられており、ハロゲン分子の共存が必須と考えられていた。そのため、少なくとも1個の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基とハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩を用いる色素増感太陽電池用電解液は、着色が避けられなかった。
しかしながら、本発明者は、少なくとも1個の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基とハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩は、意外にも、ハロゲン分子の共存は必要がなく、しかも、ハロゲン分子が共存しなくても電解質として充分に機能することができ、その電荷輸送性能は従来のハロゲン分子が共存する場合とほぼ同等であり、これを用いた色素増感太陽電池の光変換効率等の電池性能も従来の電解液にハロゲン分子が共存する場合とほぼ同等であること、そして、ハロゲン分子が存在しないか微量であると着色がなく、ほぼ無色透明であることを可能にすること、ひいて色素増感太陽電池として多くの利点があることを見出した。
色素増感太陽電池の光電変換メカニズムは、完全には明らかでないが、色素増感太陽電池中の色素(Dye)が光を吸収すると、活性状態(Dye)に励起され、励起された色素(Dye)が基底状態に戻る際に半導体(例えば、二酸化チタン)に電子を供給して、自らはカチオン化し、電子不足の状態(Dye)になるので、下記の反応式で表されることが知られている。
Dye→Dye ・・・・・・(1)
Dye→Dye+e(TiO上) ・・・・・・(2)
一方、電解液中のハロゲン化物塩をヨウ化物塩とすると、ヨウ化物塩から電離したヨウ化物イオン(I)は、電解液に共存させられているヨウ素分子(I)と下記式
+I→I ・・・・・・(3)
のごとく反応して、電解液中ではI の形の陰イオンとして存在すると考えられている。従来の電解液にはこの陰イオンを形成させるためにヨウ素分子が添加されている。この陰イオン(I )が、対向電極表面に存在する触媒(Pt)から電子を供給されて、下記式
+2e(Pt上)→3I ・・・・・・(4)
3I+3I→3I ・・・・・・(5)
に従い電解液が対向電極から電子を授受する。この電解液中の電子を授受した陰イオン(3I )が、下記式
2Dye+2I →2Dye+3I ・・・・・・(6)
のごとく、カチオン化している色素(Dye)に電子を供給することで、色素は元の状態に戻る。こうして、色素側電極で発生した電子が、電池負荷を通って、対抗電極側に流れ、さらに酸化還元系を構成する電解液中を、カチオン電極側の色素まで伝播される。
従来、必ずしも明らかではなかったが、本発明の一態様が規定するハロゲン化物塩と類似するハロゲン化物塩とハロゲン分子を含んで酸化還元系を構成する電解液を用いた色素増感太陽電池の反応は、上記のように考えられていた。しかし、本発明の一態様に従えば、本発明の一態様が規定するハロゲン化物塩(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイドなどのイミダゾリウムアイオダイド、トリアゾリウムアイオダイドなどの第4級アンモニウムアイオダイド)からなる電解液では、ハロゲン分子を供給する必要性はなく、ハロゲン分子が共存しなくても電池反応が正常に進行することから、限定するわけではないが、例えば、以下のようなメカニズムで電池反応が進行することが推測される。
Dye→Dye ・・・・・・(11)
Dye→Dye+e(TiO上) ・・・・・・(12)
2Dye+2I→2Dye+I ・・・・・・(13)
+I→I ・・・・・・(14)
+2e(Pt上)→3I ・・・・・・(15)
ここで、反応(13) (14)は下記式(13')のごとくまとめられるので、上記の式(11)〜(15)は下記の一連の式として表すことが可能である。
Dye→Dye ・・・・・・(11)
Dye→Dye+e(TiO上) ・・・・・・(12)
2Dye+3I→2Dye+I ・・・・・・(13’)
+2e(Pt上)→3I ・・・・・・(15)
すなわち、電池反応がこの一連の式で表されるとすれば、電解液中へのハロゲン分子(ヨウ素分子)の供給(共存)は必要ではないと考えられる。
そして、上記の電池反応は、従来のハロゲン分子が共存する電解液の場合も同様であったと考えられるが、少なくとも、上記のハロゲン分子を供給しない電池反応の電池性能は、従来のハロゲン分子が共存する電解液の場合の反応と比較して、ほぼ同等であることが本発明の一態様により見出された。
したがって、本発明の一態様の電解液においてハロゲン分子が含まれる必要はない。しかし、ハロゲン分子が含まれることは電池性能としては格別に劣るものではないので、本発明の一態様の電解液は、電解液を着色させない範囲のハロゲン分子の濃度、すなわち、0.0004mol/l以下の濃度であれば、ハロゲン分子を含んでもよい。
なお、本発明における電解液中のハロゲン分子の濃度(0.0004mol/l以下)は、電解液の原料組成として添加されるハロゲン分子の濃度である。添加されたハロゲン分子が、電解液中において、I、Brなどのハロゲン分子として存在するか、あるいはI ,Br などのハロゲン化物イオンとして存在するかは問わず、それらの総計である。
本明細書中における電解液中のI、Brなどのハロゲン分子の濃度は、例えば、後述するように、ハロゲン分子の量を除いて同じ組成の電解液又は溶媒を用い、ハロゲン分子の量を変えて作成した、透過スペクトルに基づく検量線を用いて測定することができる。可視光線透過率はJIS A5759 による可視光線領域380nm〜780nmの重価係数を考慮して算出する。この場合、電解液は電池から分離したものについて測定する。
また、本発明の一態様の色素増感太陽電池用電解液では、出発組成としてハロゲン分子を供給しない場合でも、上記式(13)に示されるように、過渡的にはハロゲン分子(I、Brなどのハロゲン分子又はI ,Br などのハロゲン化物イオン)が存在しえると考えられる。しかし、このようなハロゲン分子の量は微量であり、無視できるものであるか、電解液の組成分析を行ってハロゲン化物カチオン基の濃度と対比する、また透過スペクトルによる定量分析などの方法で、出発組成として生成されたハロゲン分子の量を推測することができる。すなわち、理論的には(分析可能であれば)、電解液に配合されるハロゲン化物に由来するハロゲン分子の量は除外されるべきものである。しかし、実務的には、その量は微量であるので無視してもよい(この場合、電解液に配合されるハロゲン化物に由来するハロゲン分子を含めて0.0004mol/l以下の場合に本発明の電解液に該当すると考える)。
本発明に悪影響を与えなければ、上記に挙げなかった、既に知られた一般的に使用されるその他の電解質を加えてもよい。
本発明に係る電解液は、有機溶媒電解液であることができる。この場合は、以下に示す溶媒を含むことができる。
溶媒としては、特に制限なく、従来から公知の溶媒を使用できるが、電気化学的に不活性で、比誘電率が高く、粘度が低いことが好ましい。
こうした溶媒の例としては、メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等のニトリル系溶媒、γ−ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。
なかでも、上記特性に優れるという観点からは、メトキシプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶媒、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、およびポリエチレングリコール等のグリコール系溶媒が好ましく用いられる。これらの溶媒は、1種以上を同時に用いてもよい。
さらに、本発明一態様の電解液は、イオン性液体電解液(溶融塩電解液)などであることができる。例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム テトラフルオロボレートや1−エチル−3−メツルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド等の、イミダゾリウム塩やトリアゾリウム塩等の常温溶融塩を用いることができる。
本発明に係る電解液は、電解液に電子の授受効率、光電変換効率、耐久性の向上などの特性を与えるために加える塩基を含む。
この塩基としては、4−tert−ブチルピリジン(4−TBP)、2−ピコリン、2,6−ルチジンなどのピリジンなどの6員環中に窒素を1つ有する基、ピリミジンなどの6員環中に窒素を2つ有する基、N−メチルベンズイミダゾールなどのイミダゾールを含む5員環中に窒素を2つ有する基、グアニジニウムチオシアネート、グアニジウムイソチオシアネートなどのグアニジウム基を有する有機化合物などを挙げることができる。
この中で、4−tert−ブチルピリジン、2−ピコリン、2,6−ルチジン、N−メチルベンズイミダゾール、グアニジウム基含有基、ピリミジン環含有基などを含む塩基は、電解液と半導体電極を含む対向電極との間での電子の授受効率、光電変換効率、耐久性などを良好に向上でき好ましい。なお、これらの添加剤は、1種以上を同時に用いてもよい。
上記塩基の濃度は、0.1mol/l以上、0.2mol/l以上、0.4mol/l以上、であることができ、10.0mol/l以下、2.0mol/l以下、1.8mol/l以下であることができる。
本発明の一態様による色素増感太陽電池用電解液は、少なくとも1個の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基とハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩が単独で電解液を構成し、溶剤を必要としない場合には、そのままで電解液として使用できるが、必要に応じて、溶媒その他の構成成分を適宜混合して製造することができる。混合の順序も特に制限されない。
本発明の一態様による色素増感太陽電池に使用される基材には、特に制限なく、色素増感太陽電池に通常用いられる広範囲な導電層を有するガラスおよび/またはプラスチック基材を用いることができる。
このガラスおよび/またはプラスチック基材には、無着色で透明性が高く、耐熱性が高く、耐薬品性およびガス遮断性に優れ、かつ低コストの材料が適し、特にプラスチック基材は、柔軟であるため好ましい。ガラス基材としては、ソーダ石灰ガラス等のフロートガラスなどを用いることができる。プラスチック基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、透明ポリイミド(PI)などを用いることができる。これらの中で耐薬品性やコストの点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が、好ましい。
基材に用いる電極には、特に制限なく、色素増感太陽電池に通常用いられる広範囲なもの、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウムなどの金属、黒鉛、カーボブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素又はインジウム−スズ複合酸化物、酸化スズ、アンチモンをドープした酸化スズなどの導電性金属酸化物などを用いることができる。この中で光学的透明性をもつ点で、導電性金属酸化物が好ましく、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)および酸化亜鉛が特に好ましい。電極の厚さは、通常、色素増感太陽電池で用いられる0.01μm〜5μmであることができる。
多孔質金属酸化物半導体の材質、厚さ、多孔因子などには、特に制限なく、色素増感太陽電池に通常用いられる広範囲なもの、例えば、二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンなどの酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどを用いることができる。具体的には、半導体層の厚さは、0.1〜50μmであることができる。
増感のために用いる色素分子の種類は、特に制限なく、色素増感太陽電池に通常用いられる広範囲なもの、例えば、シアニン系、メロシアニン系、オキソノール系、キサンテン系、スクワリリウム系、ポリメチン系、クマリン系、リボフラビン系、ペリレン系などの有機色素、Ru錯体や金属フタロシアニン誘導体、金属ポルフィリン誘導体、クロロフィル誘導体などの錯体系色素などや、「機能材料」、2003年6月号、第5〜18ページに記載されている合成色素と天然色素や、「ジャーナル・オブ・ケミカル・フィジックス(J.Chem.Phys.)」、B.第107巻、第597ページ(2003年)に記載されるクマリンを中心とする有機色素を使用でき、濃度は、例えば、4×10−3mol/l以上などで用いることができる。
高分子ポリマー電極、電解液の粘度など上記に記載しなかった色素増感太陽電池に関する項目については、本発明に係る電解液に含まれる成分に悪影響を及ぼさなければ、色素増感太陽電池で通常、好適に使用されるものを使用できる。
そのほか、意匠性付与などの観点から、電池を着色させてもよい。
濃度の測定法
電解液中のI、Brなどのハロゲン分子の濃度は、透過スペクトル測定することにより換算する。
具体的には、対象となる溶媒における、ヨウ素溶液の透過スペクトルを測定し、可視光線透過率とヨウ素濃度の検量腺を作製する。電解液の透過スペクトルを測定し、検量腺から換算する。可視光線透過率はJIS A5759 による可視光線領域380nm〜780nmの重価係数を考慮して算出する。
以下に、本発明の一態様の実施例で用いた、フィルム、インク、色素、対向電極、封止材、電解質の成分、溶媒などについて詳細を示す。
透明導電性フィルム(メーカー名:帝人デュポンフィルム(株)、品番:Q65FA上に透過率80%、表面抵抗15Ω/□になるようにITOをスパッタリングしたフィルム透過率80%)。
TiOインク(メーカー名:ペクセルテクノロジーズ(株)、品番:PECC−01−06)。
N719色素(メーカー名:ペクセルテクノロジーズ(株)、品番:PEDC07、ここでN719とは、具体的には、シス−ビス(イソチオシアネート)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)−ルテニウム(II)ビス−テトラブチルアンモニウムである。)
色素吸着液(上記N719色素を、アセトニトリル:t−ブチルアルコール:エタノール=2:1:1の溶媒に溶かしたものである)。
対向電極(メーカー名:ペクセルテクノロジーズ(株)、品番:PECF−CAT)
透過型対向電極(メーカー名:ペクセルテクノロジーズ(株)、品名:シースルー対向電極)。
封止材(メーカー名:デュポン、商標名:サーリン(商標)、厚み:50μm)。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド(メーカー名:東京化成工業(株)、品番:E0556)。
テトラブチルアンモニウムアイオダイド(メーカー名:東京化成工業(株)、品番:T0057)。
4−tert−ブチルピリジン(メーカー名:東京化成工業(株)、品番:B0388)。
グアニジウムイソチオシアネート(メーカー名:東京化成工業(株)、品番:G0230)。
γ−ブチロラクトン(メーカー名:和光純薬工業(株)、品番:022−07985)。
プロピレンカーボネート(メーカー名:東京化成工業(株)、品番:P0525)。
エポキシ接着剤(メーカー名:住友3M、品番:DP100クリア)。
実施例1
電解液の調製
0.47614gの1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイドと、0.73874gのテトラブチルアンモニウムアイオダイドと、0.13521gの4−tert−ブチルピリジンと、0.5908gのグアニジウムイソチオシアネートとを、室温室湿度下で、5mlのプロピレンカーボネートに溶解することにより電解液を調製し、これを以下の実施例2で使用した。さらに各成分の種類および/または濃度を変更して、他の実施例で使用した。
実施例2〜7
色素増感太陽電池の製造
上記材料を用いて、本実施例の色素増感太陽電池を、表1に示す電解液中の各成分の濃度を使用して、図1に示す第1工程〜第5工程で製造した。
ITO−PENフィルム(1)に、TiOインク(2)を、ドクターブレード(メーカー名:ペクセルテクノロジーズ(株)、型番;PECE−DB)法を用いて、10mm×10mmの面積、湿潤膜厚70μmで塗布して、150℃の高温乾燥機内で30分乾燥した(第1工程)。次に、0.0003mol/lの色素吸着液に、40℃で、2時間浸漬して、TiOの表面に上記色素を吸着(3)させた後に、吸着液から取り出しアセトニトリルで1回洗浄した(第2工程)。上記フィルム(1)と対向電極(5)とを、封止材(4)を挟み込むように、エポキシ接着剤で接着した(第3工程)。対向電極の穴(6)から本発明に係る電解液(7)を注入した(第4工程)。対向電極の穴をエポキシ樹脂(8)で封止した(第5工程)。
実施例8
透過型色素増感太陽電池の製造
以下の点を除き、実施例7と同様の手順で、表2に示す電解液中の各成分の濃度を用いて、本実施例8の透過型色素増感太陽電池を製造した。
1,上記第3工程において、対向電極の代わりに、透過型対向電極を用いた。
2,アクティブエリアが、0.28cmと41.28cmの2種のサンプルを作製した。
比較例1
を含む透過型色素増感太陽電池の製造
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイドの濃度を0.4mol/lとし、Iの濃度を0.04mol/lとした(電解液中の各成分の濃度は表1および表2に記載されている)以外は、実施例7と同様の手順で、透過型色素増感太陽電池を製造した。
変換効率などの測定
実施例2〜8、比較例1のフィルムについて、以下の測定装置を使用して、変換効率、開放電圧(Voc)、短絡電流(Isc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)、最大出力点(Pmax)、最大電圧(Vmax)、最大電流(Imax)を測定した。
使用装置:ソーラーシミュレータ、およびIVカーブアナライザー(メーカー名:ペクセルテクノロジーズ(株)、型番;PEC−L11 , PECK2400−N)
使用測定ソフト:Peccell I−V curve analyzer (メーカー名:ペクセルテクノロジーズ(株))
結果を表1、表2に示す。
Figure 2010244857
Figure 2010244857
表2中のA,Bは表に示すように、光線の照射方向を示す。
表1、表2からわかるように、実施例2〜8の電解液は、従来のIを含む比較例1と、ほぼ同等の特性を示す。
特性劣化の測定
実施例2、および比較例1で製造した色素増感太陽電池の特性を、AM1.5、1SUNの擬似太陽光を照射し、以下の条件で劣化の度合いを、短絡電流値を用いて、室温室湿度下で経時測定した。
使用装置:ソーラーシミュレータ、およびIVカーブアナライザー(メーカー名:ペクセルテクノロジーズ(株)、型番;PEC−L11,PECK2400−N)
使用測定ソフト:Peccell I−V curve analyzer (メーカー名:ペクセルテクノロジーズ(株)
測定サンプル:色素増感太陽電池の10mm×10mmの範囲上に、直径6mmの開口部をもつマスクを用いて測定面積を一定にした。
結果を表3に示す。
Figure 2010244857
表3から分かるように、実施例2のサンプルは、400時間安定であった。
実施例9〜12および比較例2
濃度による可視領域における光線透過スペクトルへの影響測定
実施例7の電解液に、Iを0,000004(実施例9)、0.00004(実施例10)、0.0004(実施例11)、0.004(実施例12)、0.04(比較例2)(単位はいずれもmol/l)加えて、可視領域における透過スペクトルを、以下の測定装置を用いて、室温室湿度下で測定した。
使用したセル;標準10mm角の石英セル
UV可視スペクトルメーター:日立製作所(株)製、型番:U−3310。
可視光線透過率の測定においては、JIS A5759による可視光線領域380nm〜780nmの重価係数を考慮に入れた。
Figure 2010244857
表4および図2に示された結果からわかるように、I濃度が0.0004(mol/l)以下の場合のみに、目視でほぼ無色透明と認識される。
実施例13〜16および比較例3
光電変換効率へのヨウ化物の影響の測定
実施例2において、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイドと、
テトラブチルアンモニウムアイオダイド、4−tert-ブチルピリジン、グアニジウムイソチオシアネートの代わりに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイドのみを0.1.(比較例3)、0.2(実施例13)、0.4(実施例14)、0.8(実施例15)、1.2(実施例16)(単位はいずれもmol/l)使用した以外は、実施例7と同様の条件で、光電変換効率を、室温室湿度下で測定した。
Figure 2010244857
表5からわかるように、ヨウ化物の濃度が、0.2mol/l以上であれば、光電変換効率は1.5%以上であり、Iを酸化還元対として含む従来の色素増感太陽電池(表2、比較例1)に対してほぼ同等の値を示す。
結果
以上、本発明により、400〜700nmにおいて良好な光線透過性を有し、従来のIを有する電解液とほぼ同等の光電変換効率を有し、特性の劣化のない、すぐれた色素増感太陽電池用電解液を得ることが確認できた。
1 ITO−PENフィルム:
2 TiO
3 TiO/色素
4 封止材
5 Pt/Ti−PENの透過型対向電極
6 電解液の注入口
7 電解液
8 エポキシ樹脂

Claims (8)

  1. 少なくとも1個の、第4級窒素原子、第3級硫黄原子、または第4級リン原子を含む1個以上の基からなる陽イオンの基と、ハロゲン化物イオンの基から形成されるハロゲン化物塩を含み、ハロゲン分子を含まないかもしくは含む場合にはハロゲン分子の濃度が0.0004mol/l以下である、色素増感太陽電池用電解液。
  2. さらに溶剤又は、イオン性液体を含む、請求項1に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  3. 前記ハロゲン化物塩の濃度が0.2mol/l以上である、請求項2に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  4. 前記ハロゲン化物イオンがヨウ化物イオンであり、前記ハロゲン分子がヨウ素分子である、請求項1に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  5. 少なくとも1個の第4級窒素原子を含む1個以上の基からなる前記陽イオンの基が、下記一般式
    Figure 2010244857
    Figure 2010244857
    (式中、基R及びRは、
    (a)1〜20個の炭素原子を有する直鎖若しくは枝分かれ鎖のアルキル基、
    (b)1〜20個の炭素原子を有する直鎖若しくは枝分かれ鎖のアルコキシ基、
    (c)1〜20個の炭素原子を有するアルキル基のフッ素置換誘導体、
    (d)アルケニル基、
    (e)アルキニル基
    (f)(a)〜(e)の組合せ、
    (g)(a)〜(f)の対応するハロゲン化物、
    (h)アルコキシアルキル基、または、
    (i)ポリエーテル基、
    から、それぞれ独立して、選択された基であり、
    基R、R及びRは、(a)〜(i)、または水素から、それぞれ独立して選択された基である。)
    で表されるイミダゾリウム型基又はトリアゾリウム型基であり、
    少なくとも1個の第3級硫黄原子を含む1個以上の基からなる前記陽イオンの基が、下記一般式
    Figure 2010244857
    (式中、基R、R、Rは、前記少なくとも1個の第4級窒素原子を含む1個以上の基に記載したのと同一である)で表され、そして、
    少なくとも1個の第4級リン原子を含む1個以上の基からなる前記陽イオンの基が、下記一般式
    Figure 2010244857
    (式中、基R、R、R、Rは、前記少なくとも1個の第4級窒素原子を含む1個以上の基に記載したのと同一である)で表される、請求項1に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  6. さらに、6員環中に窒素を1つ有する基、6員環中に窒素を2つ有する基、5員環中に窒素を2つ有する基、グアニジウム基を有する塩基を1種又は複数含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  7. 前記6員環中に窒素を1つ有する基を有する塩基が、4−tert−ブチルピリジン、2−ピコリン、および/または2,6−ルチジンであり、前記6員環中に窒素を2つ有する基を有する塩基が、N−メチルベンズイミダゾールであり、前記グアニジウム基を有する塩基が、グアニジニウムチオシアネート、および/またはグアニジウムイソチオシアネートである、請求項6に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池用電解液を含む色素増感太陽電池。
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