JP2010241290A - ワイパ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水引き現象や水垂れ現象を防止することができるワイパ装置を提供すること。
【解決手段】助手席側ワイパアーム11R先端に助手席側ワイパブレード12Rが取り付けられ、運転席側ワイパアーム11L先端に運転席側ワイパブレード12Lが取り付けられたフロントワイパ装置10において、助手席側エアノズル18Rおよび運転席側エアノズル18Lをフロントウインド1上端縁に設置する。雨滴溜まり4をエアノズル18R、18Lから吹き出したエア19R、19Lによってそれぞれ吹き飛ばすことにより、水引き現象の発生を未然に防止する。
【選択図】図1

Description

本発明はワイパ装置に関し、例えば、自動車のウインドシールドガラスを払拭するワイパ装置に利用して有効なものに関する。
自動車のフロントウインドシールドガラス(以下、フロントガラスという)には、塵埃、昆虫の死骸、鳥の糞、排気ガス含有油分、車体洗浄ワックス等々が付着する。
フロントガラスを払拭するワイパブレードがこの付着物を充分に払拭しない場合には、却ってフロントガラスを汚して前方視界を低下させたり、フロントガラス表面を傷つけたりすることがある。
また、多くの車種ではフロントガラスが後方に傾斜しているので、高速走行時にはワイパブレードによって掻き落とされた水滴が、前方から受ける風圧によって逆上し、前方視界を低下させることがある。
このような問題点を解決するためのフロントガラスの清浄装置として、特許文献1に開示されているものがある。
このフロントガラスの清浄装置は、フロントガラス下端縁に沿って配設され、フロントガラス表面に沿って上方に圧搾空気を噴出するエアノズルと、該エアノズルに圧搾空気を供給する空気供給装置と、を備えている。
このフロントガラスの清浄装置によれば、エアノズルから噴出される圧搾空気による風圧に走行による風圧が加わって、フロントガラスに付着した雨滴は上方に吹き上げられ、車体後方に飛散するとともに、該フロントガラス表面を空気層で覆うことになるので、異物が付着し難くなる。
特開平7−309213号公報
しかしながら、特許文献1のワイパ装置においては、次のような問題点がある。
(1)エアノズルがフロントガラス下端縁に配設されており、圧搾空気を連続的に噴出しているので、ワイパブレードの払拭の妨げになる。
(2)ワイパブレードの水引き現象を防止することができないので、視界を妨げたり、運転者の不快感や汚れ等による外観の悪化が起こる。ワイパブレードの水引き現象とは、ワイパブレードが往きに掻き集めた雨滴を帰りに引いてしまう現象である。
(3)リアウインドシールドガラスを払拭するワイパ装置に適用した場合には、リアウインドシールドガラス上端縁に配設されたワイパブレードの水引き現象および水垂れ現象を防止することができないので、視界を妨げたり、運転者の不快感や汚れ等による外観の悪化が起こる。ワイパブレードの水垂れ現象とは、ワイパブレードがリアウインドシールドガラス上端縁に掻き集めた雨滴が、ワイパ装置の停止時に垂れてしまう現象である。
本発明の目的は、水引き現象および水垂れ現象を防止することができるワイパ装置を提供することにある。
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)ワイパモータによって往復回動されるワイパアームと、該ワイパアームの先端部に支持されてウインドのシールドガラスを払拭するワイパブレードと、を備えたワイパ装置において、
エアを噴出するエアノズルが前記ウインドの上端縁に前記ワイパブレードの反転位置に対応し前記エアノズルのエア噴出方向が前記ワイパブレードの方向となるよう設けられていることを特徴とするワイパ装置。
(2)前記ウインドがフロントウインドであり、前記ワイパアームおよびワイパブレードが左右に一対ずつ設けられており、該左右のワイパブレードに対応して前記ワイパブレードの反転位置の長手方向延長線上に前記エアノズルが前記ワイパブレードと同数それぞれ配置されていることを特徴とする(1)に記載のワイパ装置。
(3)前記ウインドがリアウインドであり、前記ワイパアームの基端が前記リアウインドの上側幅方向中央部に近接して配設されており、該ワイパブレードの上端停止位置に対応して前記エアノズルが設けられていることを特徴とする(1)に記載のワイパ装置。
本発明に係るワイパ装置によれば、水引き現象および水垂れ現象を防止することができる。
本発明の第一実施形態であるフロントワイパ装置を示す各正面図であり、(a)はエア噴出前を示しており、(b)はエア噴出時を示している。 その各側面図である。 電気駆動回路を示す回路図である。 タイムチャートである。 水引き現象を説明する各正面図である。 本発明の第二実施形態であるリアワイパ装置を示す正面図であり、(a)はエア噴出前を示しており、(b)はエア噴出時を示している。 水垂れ現象を説明する各正面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に即して説明する。
図1〜図5は本発明の第一実施形態を示している。
本実施形態において、本発明に係るワイパ装置は、タンデムタイプのフロントワイパ装置10として構成されており、自動車のフロントウインド1のシールドガラス(以下、フロントガラスという)2を払拭するものとして構成されている。
フロントワイパ装置10は助手席側ワイパアーム11Rと運転席側ワイパアーム11Lとを備えている。助手席側ワイパアーム11Rの先端には助手席側ワイパブレード12Rが取り付けられており、運転席側ワイパアーム11Lの先端には運転席側ワイパブレード12Lが取り付けられている。
助手席側ワイパアーム11Rは基端をピボットシャフト13Rによって支持されており、ピボットシャフト13Rはフロントガラス2の下端辺における助手席に対応する位置である中央に配されている。運転席側ワイパアーム11Lは基端をピボットシャフト13Lによって支持されており、ピボットシャフト13Lは運転席に対応する位置である左端部に配されている。
助手席側ピボットシャフト13Rおよび運転席側ピボットシャフト13Lは、フロントウインド1近傍の車室内側に設置されたワイパモータ20およびリンク機構14によってそれぞれ往復回動され、この往復回動により、助手席側ワイパアーム11Rおよび運転席側ワイパアーム11Lが往復回動される。助手席側ワイパアーム11Rおよび運転席側ワイパアーム11Lの往復回動に追従して、助手席側ワイパブレード12Rおよび運転席側ワイパブレード12Lがフロントガラス2を払拭範囲15Rおよび15L内でそれぞれ払拭する。すなわち、助手席側ワイパブレード12Rおよび運転席側ワイパブレード12Lは払拭範囲15Rおよび15Lの下限位置16Rおよび16Lと、上限位置17Rおよび17Lとの間で往復動する。
フロントウインド1上端縁には、エアをそれぞれ噴出する助手席側エアノズル18Rおよび運転席側エアノズル18Lがそれぞれ設置されている。すなわち、助手席側エアノズル18Rは助手席側ワイパブレード12Rの上限位置17Rの延長線上に配置されており、エア19Rを助手席側ワイパブレード12Rの上端から下端に向けて噴出するようになっている。運転席側エアノズル18Lは運転席側ワイパブレード12Lの上限位置17Lの延長線上に配置されており、エア19Lを運転席側ワイパブレード12Lの上端から下端に向けて噴出するようになっている。
ワイパモータ20の駆動電気回路21は図3に示されているように構成されている。
ワイパモータ20は電動モータ22を備えており、電動モータ22にはバッテリー23が制御ユニット24を介して接続されている。制御ユニット24には間欠作動回路25およびリレー回路26が接続されている。リレー回路26は電動モータ22によって一方向に回転される出力ギヤ27に設置されており、ピボットシャフト13Rまたは13Lを往復回動させるとともに、ワイパブレード格納位置で自動的に停止させる。
制御ユニット24には圧力源(エアコンプレッサやアキュームレータ)28に接続された電磁弁29R、29Lのソレノイドが接続されており、制御ユニット24はワイパブレード12R、12Lの上限位置17R、17L付近において電磁弁29R、29Lを開閉させるように構成されている。電磁弁29R、29Lは圧力源28と助手席側エアノズル18Rおよび運転席側エアノズル18Lとの間にそれぞれ介設されている。
前記構成に係るフロントワイパ装置10における水引き現象防止作用を説明する。
まず、水引き現象を図5によって説明する。
図5(a)に示されているように、フロントガラス2に付着した雨滴3を、図5(b)に示されているように、ワイパブレード12R、12Lが拭くと、ワイパブレード12R、12Lの上側に雨滴溜まり4が形成される。図5(c)に示されているように、ワイパブレード12R、12Lが反転してフロントガラス2を拭き下ろす時に、ワイパブレード12R、12Lが当該上側に形成された雨滴溜まり4を引きずるために、水引きライン5が発生する。これが水引き現象である。
本実施形態においては、図1および図2に示されているように、雨滴溜まり4をエアノズル18R、18Lから吹き出したエア19R、19Lによってそれぞれ吹き飛ばすことにより、水引き現象の発生を未然に防止する。すなわち、図3に示されているように、フロントワイパ装置10の制御ユニット24は、リレー回路26の上反転および下反転のタイミングにそれぞれ対応して、電磁弁29R、29Lを開閉することにより、ワイパブレード12R、12Lの反転時停止時にエアノズル18R、18Lからエア19R、19Lをそれぞれ噴出させる。
このワイパブレード12R、12Lの反転時停止時におけるエアノズル18R、18Lからのエア19R、19Lの噴出により、ワイパブレード12R、12Lの上側に形成された雨滴溜まり4をそれぞれ吹き飛ばして除去する。すなわち、ワイパブレード12R、12Lがフロントガラス2を拭き下ろす時には、ワイパブレード12R、12Lの上側には雨滴溜まり4が無いので、水引きライン5すなわち水引き現象は発生しない。
なお、以上の第一実施形態は、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、エアノズルは助手席側ワイパブレードおよび運転席側ワイパブレードの両方に配設するに限らず、助手席側ワイパブレードまたは運転席側ワイパブレードのいずれか一方に配設してもよい。
タンデムタイプのフロントワイパ装置に限らず、オポジットタイプのフロントワイパ装置についても適用することができる。
図6および図7は本発明の第二実施形態を示している。
本実施形態において、本発明に係るワイパ装置は、リアワイパ装置30として構成されており、自動車のリアウインド6のシールドガラス(以下、リアガラスという)7を払拭するものとして構成されている。
リアワイパ装置30はリアワイパアーム31を備えている。リアワイパアーム31の先端にはリアワイパブレード32が取り付けられている。リアワイパアーム31は基端をワイパシャフト33によって支持されており、ワイパシャフト33はリアガラス7の下端辺における運転席に対応する位置である中央に配されている。
ワイパシャフト33はリアウインド6近傍の車室内側に設置されたワイパモータ40によって、略180度往復回動され、この往復回動により、リアワイパアーム31が往復回動される。リアワイパアーム31の往復回動に追従して、リアワイパブレード32が払拭範囲34内でリアガラス7をそれぞれ払拭する。すなわち、リアワイパブレード32は払拭範囲34の右限位置34Rと、左限位置34Lとの間で往復動する。
なお、リアワイパ装置30のワイパモータ40の駆動電気回路は、図3に示された駆動電気回路と略同様であり、そのタイムチャートも図4に示されたものと略同様である。
リアウインド6上端縁には、エアを噴出する助手席側エアノズル38Rおよび運転席側エアノズル38Lがそれぞれ設置されている。すなわち、助手席側エアノズル38Rはワイパシャフト33の右脇においてリアワイパブレード32の右限位置34Rの延長線上に配置されており、エア39Rをリアワイパブレード32の左端から右端に向けて噴出するようになっている。運転席側エアノズル38Lはワイパシャフト33の左脇においてリアワイパブレード32の左限位置34Lの延長線上に配置されており、エア39Lをリアワイパブレード32の右端から左端に向けて噴出するようになっている。
リアワイパ装置30における水引き現象および水垂れ現象防止作用を説明する。
まず、水引き現象を図7(a)〜(c)によって説明する。
図7(a)に示されているように、リアガラス7に付着した雨滴3を、図7(b)に示されているように、リアワイパブレード32が拭くと、リアワイパブレード32の上側に雨滴溜まり4が形成される。図7(c)に示されているように、リアワイパブレード32が反転してリアガラス7を拭き下ろす時に、リアワイパブレード32が当該上側に形成された雨滴溜まり4を引きずるために、水引きライン5が発生する。これが水引き現象である。
なお、水引き現象は、右限位置34Rおよび左限位置34Lの両方で起こる。
本実施形態においては、図6に示されているように、雨滴溜まり4をエアノズル38R、38Lから吹き出したエア39R、39Lによってそれぞれ吹き飛ばすことにより、水引き現象の発生を未然に防止する。すなわち、リアワイパ装置30の制御ユニットは、リレー回路の右反転および左反転のタイミングにそれぞれ対応して電磁弁を開閉することにより(図4参照)、リアワイパブレード32の反転時停止時にエアノズル38R、38Lからエア39R、39Lをそれぞれ噴出させる。
リアワイパブレード32の反転時停止時におけるエアノズル38R、38Lからのエア39R、39Lの噴出により、右限位置34Rおよび左限位置34Lにおけるリアワイパブレード32の上側に形成された雨滴溜まり4をそれぞれ吹き飛ばして除去する。すなわち、右限位置34Rおよび左限位置34Lにおけるリアワイパブレード32がリアガラス7を拭き下ろす時には、リアワイパブレード32の上側には雨滴溜まり4が無いので、水引きライン5すなわち水引き現象は発生しない。
次に、水垂れ現象を図7(d)によって説明する。
図7(d)に示されているように、リアワイパ装置30がリレー回路(図3参照)によって左限位置34Lの上方のオートストップ位置で自動的に停止すると、リアワイパブレード32の上方に形成された雨滴溜まり4から水垂れ8が発生する。これが水垂れ現象である。水垂れ現象は、オートストップ位置においてだけ発生する。
本実施形態においては、オートストップ位置のリアワイパブレード32に対向する運転席側エアノズル38Lからエア39Lを噴出することにより、オートストップ位置のリアワイパブレード32に形成された雨滴溜まり4を吹き飛ばし、水垂れ現象の発生を未然に防止する。すなわち、図4のAS部で示されているように、リアワイパ装置30の制御ユニットは、リレー回路のオートストップ位置において電磁弁を開閉することにより、運転席側エアノズル38Lからエア39Lを噴出させる。なお、オートストップ位置での電磁弁の閉作動はタイマによって実行する。
このオートストップ自動停止時における運転席側エアノズル38Lからのエア39Lの噴出により、オートストップ位置におけるリアワイパブレード32の上側に形成された雨滴溜まり4は無くなるので、水垂れ現象は発生しない。
なお、以上の第二実施形態は、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、エアノズルはリアワイパブレードの右限位置および左限位置の両方に配設するに限らず、右限位置または左限位置のいずれか一方に配設してもよい。
1…フロントウインド、2…フロントガラス、3…雨滴、4…雨滴溜まり、5…水引きライン、
10…フロントワイパ装置、11R…助手席側ワイパアーム、11L…運転席側ワイパアーム、12R…助手席側ワイパブレード、12L…運転席側ワイパブレード、13R…助手席側ピボットシャフト、13L…運転席側ピボットシャフト、14…リンク機構、15R、15L…払拭範囲、16R、16L…下限位置、17R、17L…上限位置、
18R…助手席側エアノズル、18L…運転席側エアノズル、19R、19L…エア、
20…ワイパモータ、21…駆動電気回路、22…電動モータ、23…バッテリー、24…制御ユニット、25…間欠作動回路、26…リレー回路、27…出力ギヤ、28…圧力源、29R、29L…電磁弁、
6…リアウインド、7…リアガラス、8…水垂れ、
30…リアワイパ装置、31…リアワイパアーム、32…リアワイパブレード、33…ワイパシャフト、34…払拭範囲、34R…右限位置、34L…左限位置、
38R…助手席側エアノズル、38L…運転席側エアノズル、39R、39L…エア。

Claims (3)

  1. ワイパモータによって往復回動されるワイパアームと、該ワイパアームの先端部に支持されてウインドのシールドガラスを払拭するワイパブレードと、を備えたワイパ装置において、
    エアを噴出するエアノズルが前記ウインドの上端縁に前記ワイパブレードの反転位置に対応し前記エアノズルのエア噴出方向が前記ワイパブレードの方向となるよう設けられていることを特徴とするワイパ装置。
  2. 前記ウインドがフロントウインドであり、前記ワイパアームおよびワイパブレードが左右に一対ずつ設けられており、該左右のワイパブレードに対応して前記ワイパブレードの反転位置の長手方向延長線上に前記エアノズルが前記ワイパブレードと同数それぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパ装置。
  3. 前記ウインドがリアウインドであり、前記ワイパアームの基端が前記リアウインドの上側幅方向中央部に近接して配設されており、該ワイパブレードの上端停止位置に対応して前記エアノズルが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイパ装置。
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