JP2010239698A - 交流モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転磁石形交流モータのロータの回転位置の検出精度を高めるとともに、電気的外乱の影響を低減できる交流モータの制御装置を提供する。
【解決手段】ロータ位置検出手段と、ステータコイル電流検出手段と、要求出力とロータ回転位置およびコイル電流に基づき制御出力信号を演算する制御手段(制御装置本体)とを備え、位置検出手段はロータの回転位置に比例するとともに電気角の1回転でゼロに戻る不連続点のある出力特性を有し、制御手段は、位置検出手段の原位置信号θiに含まれる高周波成分を除去してフィルタ出力信号Foを生成するローパスフィルタ部6と、ローパスフィルタ部6による位相遅れを補償する位相遅れ補償部5と、位置検出手段の不連続点以外でフィルタ出力信号Foを最終的な補正位置信号θoとし不連続点で原位置信号θiを補正位置信号θoとする不連続点切替部(出力切替器75)と、をもつ位置補正器21を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転磁石形交流モータの制御装置に関し、より詳細には、ロータの回転位置の検出精度向上に関する。
ロータに永久磁石を設けステータにコイルを設けた回転磁石形交流モータに、インバータを制御してコイル電流を通電する制御装置が知られている。インバータを用いれば、コイル電流の周波数ならびに通電位相を制御することができ、パルス幅変調方式を始めとする制御方式が実用化されている。また、高い制御性を確保するために、必要とされる要求出力に応じて電気入力を制御するだけでなく、ロータの回転位置およびコイル電流を逐次検出してフィードバック制御することが行われている。例えば、二軸理論では、ロータ上の永久磁石のN極の向きをd軸とし、d軸から電気角90度だけ回転した向きをq軸とし、ロータの回転位置を基にして三相のコイル電流ベクトルをdq座標軸上の二軸電流に変換し、dq座標軸上で演算を行って制御量を求め、逆変換することで三相領域上の制御量を求めている。このような制御において、ロータの回転位置を高精度に検出することが重要である。位置検出手段としては、ロータ上の永久磁石に形成された磁界の変化に応じて電気的出力が変化するコイルを有するレゾルバなどが用いられている。
回転磁石形交流モータにおいてロータの回転位置の検出精度を高める技術が特許文献1〜3に開示されている。特許文献1の同期モータの検出位置補正方法では、コイルに所定の直流電流を流し、検出されたモータ位置(ロータ位置)と理論位置との差を求めて補正値としている。そして以降は、検出されたモータ位置に補正値を加算する補正を行うようにしている。特許文献2のモータにおける電気角検出装置は、電気角検出手段、記憶手段、補正手段を備え、電気角をゼロとする理論的な三相交流を印加したときの実際の電気角を検出し電気角補正データとしている。また、特許文献3の回転磁石形多相同期電動機の制御方法およびその装置では、電動機が一定の速度に到達した後に、入力されている電圧、電流および速度と機器定数を用いて二軸座標軸と多相交流座標系との位相補正値を算出している。
上記特許文献1〜3の技術はいずれも、電気的入力が既知の条件下で、ロータの実際の回転位置と理論回転位置との誤差を求めて補正値としている。この補正値は、回転位置を補正する単一の角度補正量である。そして、以降の制御において、検出された回転位置に補正値を加算あるいは減算することにより実回転位置を求めるようにしている。
特開2001−128484号公報 特開平10−201275号公報 特開平10−80188号公報
ところで、回転位置検出時の誤差は、位置検出手段とロータの相対位置関係に起因して発生する。例えば、ステータ側に位置検出手段としてレゾルバを設けロータ側の永久磁石に形成された磁界を検出する方式では、レゾルバと永久磁石の回転位置関係が正規位置から偏移していると、当然ながら偏移分の角度誤差が生じる。この角度誤差は恒常的に発生するものであり、特許文献1〜3に開示されている単一の角度補正量で補正することにより、検出精度は向上する。
しかしながら、回転位置の検出誤差は様々な要因によって生じ、回転位置に依存して時間的に誤差量が変動する場合も多い。例えば、ロータは、円筒状に形成された磁性体の外周面または内部に複数の永久磁石が円周方向に列設されて構成されるのが一般的である。永久磁石のN極およびS極は、径方向の内側と外側に配置され、円周方向に隣接する磁極が異なるように互い違いに配置されている。複数の永久磁石は本来、軸心から等距離に配置され、円周方向には等間隔に配置されるものであるが、部品寸法公差や組付け作業上の余裕度などに起因して微妙な配置誤差が生じ得る。ステータ側の位置検出手段が複数の検出素子を持つ場合には、同様の配置誤差が生じ得る。また、回転軸が磁性体の中心からずれて設けられ、あるいはロータとステータの軸心が完全に一致せず、いわゆる偏芯が生じていることも考えられる。さらには、レゾルバのような磁界検出形の位置検出手段では、永久磁石の個々の磁極の強さや磁性体との磁気的結合状態に依存する磁界誤差も生じ得る。モータの偏芯や、位置検出手段および永久磁石の配置誤差および磁界誤差に起因する回転位置の検出誤差は、ロータの機械的な1回転中で変動する。このような時間的に変動する回転位置の誤差量は、単一の角度補正量では補正できない。
さらには、レゾルバの電気的出力に電気的外乱(電気ノイズ)が重畳するおそれもある。電気的外乱は、一般的には回転位置の検出信号よりも高い周波数成分を有し、一時的に検出精度を低下させる。この電気的外乱に対し、従来特別な対策は施されていなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、回転磁石形交流モータのロータの回転位置の検出精度を高めるとともに、電気的外乱の影響を低減できる交流モータの制御装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る交流モータの制御装置の発明は、永久磁石を有するロータおよびステータコイルを有するステータを備えた交流モータの前記ステータコイルにインバータを制御してコイル電流を通電するために、前記ロータの回転位置を検出する位置検出手段と、前記コイル電流を検出する電流検出手段と、前記交流モータに要求される要求出力と検出した前記回転位置および前記コイル電流とに基づき所定の運転制御方式にしたがい制御出力信号を演算して前記インバータに送出する制御手段と、を備える交流モータの制御装置であって、前記位置検出手段は、前記ロータの前記回転位置に比例するとともに電気角の1回転でゼロに戻る不連続点のある出力特性を有し、前記制御手段は、前記位置検出手段から出力された原信号に含まれる高周波成分を除去してフィルタ出力信号を生成するローパスフィルタ部と、該ローパスフィルタ部による位相遅れを補償する位相遅れ補償部と、前記位置検出手段の前記不連続点以外で前記フィルタ出力信号を最終的な補正位置信号とし前記不連続点で前記原信号を前記補正位置信号とする不連続点切替部と、をもつ位置補正器を有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記位置補正器の前記位相遅れ補償部は、前記原信号および前記補正位置信号を基にして比例積分制御により位相補償信号を生成し、前記ローパスフィルタ部は、前記不連続点以外で前記位相補償信号をフィルタ入力信号とし、かつ前記補正位置信号をフィルタ帰還信号とし、前記不連続点切替部は、前記不連続点で前記ローパスフィルタ部の前記フィルタ入力信号を前記原信号に切り替えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記位置補正器の前記ローパスフィルタ部は2次以上の高次フィルタで構成され、前記位置補正器は、前記不連続点で前記フィルタ帰還信号を前記電気角の1回転相当分だけ減じる帰還補正部をもつことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、位置検出手段から出力された原信号に含まれる高周波成分がローパスフィルタ部で低減されるので、本来の信号よりも高い周波数成分を有して時間的に変動する誤差分が低減され、検出精度が高められる。同様に、電気的外乱のうち高周波成分が低減されるので、その影響が低減される。なお、ローパスフィルタ部による位相遅れは、位相遅れ補償部により補償されるので、検出遅れなどの弊害は生じない。また、位置検出手段の出力がゼロに戻る不連続点では、不連続点切替部が原信号を最終的な補正位置信号とする。したがって、ローパスフィルタ部による不連続点での波形鈍化による変歪を回避して、常に高い検出精度を維持できる。
請求項2に係る発明では、位相遅れ補償部は原信号および補正位置信号を基にして比例積分制御により位相補償信号を生成し、ローパスフィルタ部は不連続点以外で位相補償信号をフィルタ入力信号とするとともに自身が出力するフィルタ出力信号をフィルタ帰還信号とし、不連続点切替部は、不連続点でローパスフィルタ部のフィルタ入力信号を原信号に切り替える。このように、具体的に位置補正器を構成することができ、ディジタル演算を行うディジタル回路により実現することができる。
また、不連続点でフィルタ入力信号が原信号に切り替わるので、以降はローパスフィルタ部や位相遅れ補償部の内部に不連続点以前の不要な信号成分が残らない。したがって、不連続点の前と後の信号を用いて演算する不合理は生じず、高い検出精度が維持される。
請求項3に係る発明では、位置補正器のローパスフィルタ部は2次以上の高次フィルタで構成され、帰還補正部は不連続点でフィルタ帰還信号を電気角の1回転相当分だけ減じる補正を行う。この補正でフィルタ帰還信号は不連続点後の相当量となり、ローパスフィルタ部の内部で不連続点の前と後の信号を用いて演算する不合理は生じない。したがって、高次フィルタを用いたフィルタ効果が一層顕著となり、検出精度が格段に向上する。
本発明の実施形態の交流モータの制御装置を説明する全体構成図である。 実施形態の制御装置を用いた交流モータ制御のフローチャートである。 図1の実施形態の制御装置において、位置補正器を説明する機能ブロック図である。 図1の実施形態の制御装置において、位置補正の処理フローを説明するフローチャートである。 図3の位置補正器に入力される原位置信号、および位置補正器から出力される補正位置信号の時間波形を模式的に示した図である。 従来の回転位置補正方法を模式的に説明する図である。
本発明を実施するための形態を、図1〜図5を参考にして説明する。図1は本発明の実施形態の交流モータの制御装置を説明する全体構成図であり、図2は、実施形態の制御装置を用いた交流モータ制御のフローチャートである。実施形態の制御装置1は、パルス幅変調方式でインバータ92を制御して三相交流モータ91を駆動するために、ロータとともに回転するdq座標軸(2軸)上で制御に必要な演算を行うようになっている。制御装置1は、制御装置本体2、回転位置センサ3、2個の電流センサ4U、4V、で構成されている。本発明では、センサ3、4U、4Vも、制御装置1の構成要素として考える。
三相交流モータ91は、20極(10極対)の永久磁石を有するロータと、三相のステータコイルを有するステータとで構成されている。三相交流モータ91にコイル電流を通電するために、インバータ92とバッテリ93が配されている。インバータ92は、制御装置本体2から出力される制御出力信号である電圧指示信号VU、VV、VWにより制御され、バッテリ93の直流電圧を断続してステータコイルに印加するようになっている。
三相交流モータ91のロータの回転位置を検出する位置検出手段として、レゾルバ31およびR/D変換器32からなる回転位置センサ3が配設されている。レゾルバ31は、ロータ上の永久磁石に形成された磁界を検出し、磁界に比例する連続的なアナログ量を出力するものである。R/D変換器32は、レゾルバ31の出力を回転位置に比例したディジタル量の原位置信号θiに変換するとともに電気角の1回転でゼロに戻る出力特性を有し、出力がゼロに戻る不連続点でゼロ信号Zを出力するようになっている。
また、ステータコイルに流れるコイル電流のうち二相分IU、IVを検出する電流検出手段として、2個の電流センサ4U、4Vが配設されている。
制御装置本体2は、コンピュータを内蔵してソフトウェアで動作する電子制御装置および図略のパルス幅変調回路で構成されている。図1に示されるように、制御装置本体2は、位置補正器21、回転数演算器22、三相/dq軸変換器23、指令値演算器24、電流制御器25、dq軸/三相変換器26、の各器で構成されている。各器21〜26は、独立した装置ではなく、制御装置本体2の内部に複合化されたソフトウェアとして実現されている。
位置補正器21は、回転位置センサ3のR/D変換器32から伝送された原位置信号θiおよびゼロ信号Zを基に、最終的な補正位置信号θoを求めて三相/dq軸変換器23およびdq軸/三相変換器26に送出するものであり、詳細は後述する。回転数演算器22は、位置補正器21の補正位置信号θoの時間微分(差分)からロータの回転数Rpsを求め、指令値演算器24に送出する。三相/dq軸変換器23は、まず、電流センサ4U、4Vで検出され伝送されたコイル電流IU、IVを用い、電流ベクトル和がゼロであることから三相目のコイル電流IWを演算する。次いで、補正位置信号θoを用いて三相領域のコイル電流IU、IV、IWを、ロータとともに回転するdq座標軸上の2軸電流id、iqに変換し、電流制御器25に送出する。
一方、指令値演算器24は、図略の上位制御装置から指令された要求トルクTRに基づき、必要とされる要求2軸電流idR、iqRを求めて、電流制御器25に送出する。電流制御器25は、検出に基づいた2軸電流id、iqと、指令に基づいた要求2軸電流idR、iqRとを比較し、両者の差を小さくするように所定の運転制御方式にしたがい電圧指示量vd、vqをdq座標軸上で求め、dq軸/三相変換器26に送出する。dq軸/三相変換器26は、電圧指示量vd、vqを三相領域に逆変換する。これを基にして、図略のパルス幅変調回路は電圧指示信号VU、VV、VWを求め、インバータ92に送出する。
次に、実施形態の制御装置1の動作、処理内容について図2を参考にして説明する。図示されるように、ステップM1でまず、回転位置センサ3から位置補正器21に原位置信号θiが入力される。ステップM2では、後で詳述するように、位置補正器21内で原位置信号θiから補正位置信号θoが演算されて回転位置が補正される。ステップM3では、電流センサ4U、4Vから三相/dq軸変換器23にコイル電流IU、IVが入力され、三相目のコイル電流IWが演算される。ステップM4では、三相/dq軸変換器23でコイル電流IU、IV、IWが2軸電流id、iqに変換される。ステップM5では、電流制御器25で所定の運転制御方式にしたがい、コイル電流IU、IV、IWを制御する電圧指示量vd、vqがdq座標軸上で演算される。ステップM6では、dq軸/三相変換器26で電圧指示量vd、vqが三相領域に逆変換される。ステップM7では、図略のパルス幅変調回路により電圧指示量vd、vqから電圧指示信号VU、VV、VWが求められ、インバータ92に送出される。
次に、位置補正器21の機能構成および処理内容について、図3および図4を参考にして詳細に説明する。図3は、位置補正器21を説明する機能ブロック図であり、図4は、位置補正の処理フローを説明するフローチャートである。位置補正器21は、R/D変換器32から送出されたディジタル量の原位置信号θiおよびゼロ信号Zを入力として、最終的な補正位置信号θoを出力するものである。また、位置補正器21は、ディジタル演算回路で構成され、図4の処理内容を所定のサイクルタイムで繰り返して行うようになっている。位置補正器21は、図3に示されるように、位相遅れ補償部5、ローパスフィルタ部6、入力切替器71、出力切替器75、帰還補正部8、で構成されている。
位相遅れ補償部5は、原位置信号θiおよび補正位置信号θoを入力とし、両者の位相差を無くすように補償して位相補償信号θcを出力する回路である。その処理内容は、図3の機能ブロックおよび図4のステップS1の演算式に示されるとおりであり、両者の差分(θi−θo)から求めた比例項と積分項を原位置信号θiに加えて、位相補償信号θcとしている。比例項は差分(θi−θo)に乗率A3を乗じて求め、積分項は差分(θi−θo)に積分量mを加えた後に乗率A4を乗じて求めている。なお、前回の積分量に今回の差分(θi−θo)を加えて今回の積分量mを求めるようになっている。
ローパスフィルタ部6は、フィルタ入力信号Fiに含まれる高周波成分を除去してフィルタ出力信号Foを出力する回路であり、フィルタ機能を設けるためにフィルタ帰還信号Ffbを入力している。その処理内容は、図3の機能ブロックおよび図4のステップS5の演算式に示されるとおりであり、フィルタ入力信号Fiに乗率A0を乗じた項とフィルタ帰還信号Ffbに乗率A2を乗じた項との和に、さらに振幅を調節する乗率A1を乗じて、フィルタ出力信号Foとしている。
入力切替器71および出力切替器75は、不連続点切替部に相当する回路であり、不連続点でゼロ信号Zが発生したときにのみ切替動作する。図4のステップS2〜S4に示されるように、入力切替器71は、ゼロ信号Zが発生していない通常時に位相補償信号θcをフィルタ入力信号Fiとし、ゼロ信号Z発生時に原位置信号θiをフィルタ入力信号Fiとする。また、ステップS6〜S8に示されるように、出力切替器75は、通常時にフィルタ出力信号Foを補正位置信号θoとし、ゼロ信号Z発生時に原位置信号θiを補正位置信号θoとする。
帰還補正部8は、不連続点でゼロ信号Zが発生したときにのみ実働する。図4のステップS2〜S4に示されるように、帰還補正部8は、ゼロ信号Zが発生していない通常時には補正位置信号θoをそのまま通過させてフィルタ帰還信号Ffbとし、ゼロ信号Z発生時には補正位置信号θoから電気角の1回転相当分(360°)を差し引いてフィルタ帰還信号Ffbとしている。
位置補正器21の処理内容を整理すると次のようになる。
(1)ゼロ信号Zが発生していない通常時には、位相遅れ補償部5で原位置信号θiと前回の補正位置信号θoから位相補償信号θcを生成し、ローパスフィルタ部6で位相補償信号θcと前回の補正位置信号θoから今回の補正位置信号θoを生成し、今回の補正位置信号θoを外部出力するとともに、位相遅れ補償部5およびローパスフィルタ部6にフィードバックする。
(2)不連続点でゼロ信号Zが発生したときには、ローパスフィルタ部6のフィルタ入力信号Fiおよび補正位置信号θoを強制的に原位置信号θiに切り替え、この原位置信号θiを外部出力するとともに、フィルタ帰還信号Ffbにフィードバックされる前回の補正位置信号θoから電気角の1回転相当分(360°)を差し引いて不連続点後の相当量とする。
つまり、位置補正器21は、不連続点以外の原位置信号θiが連続的に変化している時間領域において通常のローパスフィルタとして作用し、不連続点では機能を一時的に停止して原位置信号θiを素通しする。ローパスフィルタは、本来連続的に変化する信号量に対して平滑化する効果を発揮するものであり、不連続点には適用できない。あえて適用すると、ローパスフィルタは不連続点の前後を無理して滑らかに結ぶので、波形鈍化による変歪が発生し、逆に精度が低下する。本実施形態は、不連続点を除いた時間領域で平滑化の効果により検出精度を高め、不連続点では原位置信号θiの精度を保つものである。
なお、不連続点において、外部出力される補正位置信号θoだけでなく、フィルタ入力信号Fiおよびフィルタ帰還信号Ffbをも切り替えたのは、ローパスフィルタ部6内に不連続点以前の信号成分が残らないようにするためである。したがって、検出精度を格段に高めるためにローパスフィルタ部6のフィルタ次数を高くする場合、入力切替器71、出力切替器75、および帰還補正部8は、ゼロ信号Zの発生直後だけでなく、フィルタ次数に応じた所定回数のサイクルタイムの間続けて動作するように構成する。
次に、実施形態の制御装置1の作用、効果について、図5を参考にして説明する。図5は、位置補正器21に入力される原位置信号θi、および位置補正器21から出力される補正位置信号θoの時間波形を模式的に示した図である。図中の横軸は時間t、縦軸は換算された電気角であり、ロータが概ね等速回転しているときの4極対分に相当する4個の略三角形状の波形が例示されている。図中の実線は原位置信号θi、一点鎖線は補正位置信号θo、破線は本来入力されるべき真値信号θtである。
図示されるように、真値信号θtは、時間の経過に伴いゼロから単調増加する右肩上がりの直線で、360°に到達した直後ゼロに戻る不連続点を有する特性で示される。これに対し、原位置信号θiは、製作上の公差などに起因して時間的に変動する誤差量を含んでおり、真値信号θtに対して上下に偏移して波打っている。この波打ちの様子は、ロータの回転位置により様々に変化している。また、原位置信号θiに、一過性の電気的外乱Nが重畳する場合もある。原位置信号θiの波打ちや電気的外乱Nは、真値信号θtよりも高周波成分を多く含んでおり、図中の不連続点T1〜T5を除いては、位置補正器21のローパスフィルタ部6で低減される。また、不連続点T1〜T5では、補正位置信号θoは原位置信号θiに切り替えられて、検出精度が維持される。
この結果、補正位置信号θoの波形は真値信号θtの波形に近づく。したがって、位置補正器21を用いずに原位置信号θiを直接電気角に換算する場合と比較して、補正位置信号θoを電気角に換算する本実施形態のほうが、誤差量が低減されて検出精度が高められる。
一方、特許文献1〜3の従来技術では、図6に示される補正方法を用いている。図6は、従来の回転位置補正方法を模式的に説明する図である。図示されるように、従来は、原位置信号αiが真値信号θtに対して平行に移動する形態の誤差を想定していた。そして、この誤差分を特定の測定条件下で求めて補正値Aとし、原位置信号αiに加減する補正を行っていた。この従来方法では、時間的に変動する誤差量や電気的外乱Nを除去できず、本発明の効果は明らかである。
なお、本実施形態においてパルス幅変調方式とdq座標軸上の演算を組み合わせた運転制御方式を用いているが、これは必要条件ではなく、ロータの回転位置検出を行う各種の運転制御方式に適用できる。
1:実施形態の交流モータの制御装置
2:制御装置本体(制御手段)
21:位置補正器 22:回転数演算器 23:三相/dq軸変換器
24:指令値演算器 25:電流制御器 26:dq軸/三相変換器
3:回転位置センサ(位置検出手段)
31:レゾルバ 32:R/D変換器
4U、4V:電流センサ(電流検出手段)
5:位相遅れ補償部
6:ローパスフィルタ部
71:入力切替器 75:出力切替器
8:帰還補正部
91:三相交流モータ 92:インバータ 93:バッテリ
θi:原位置信号 Z:ゼロ信号
θo:補正位置信号 θc:位相補償信号
Fi:フィルタ入力信号 Fo:フィルタ出力信号 Ffb:フィルタ帰還信号

Claims (3)

  1. 永久磁石を有するロータおよびステータコイルを有するステータを備えた交流モータの前記ステータコイルにインバータを制御してコイル電流を通電するために、前記ロータの回転位置を検出する位置検出手段と、前記コイル電流を検出する電流検出手段と、前記交流モータに要求される要求出力と検出した前記回転位置および前記コイル電流とに基づき所定の運転制御方式にしたがい制御出力信号を演算して前記インバータに送出する制御手段と、を備える交流モータの制御装置であって、
    前記位置検出手段は、前記ロータの前記回転位置に比例するとともに電気角の1回転でゼロに戻る不連続点のある出力特性を有し、
    前記制御手段は、前記位置検出手段から出力された原信号に含まれる高周波成分を除去してフィルタ出力信号を生成するローパスフィルタ部と、該ローパスフィルタ部による位相遅れを補償する位相遅れ補償部と、前記位置検出手段の前記不連続点以外で前記フィルタ出力信号を最終的な補正位置信号とし前記不連続点で前記原信号を前記補正位置信号とする不連続点切替部と、をもつ位置補正器を有することを特徴とする交流モータの制御装置。
  2. 請求項1において、前記位置補正器の前記位相遅れ補償部は、前記原信号および前記補正位置信号を基にして比例積分制御により位相補償信号を生成し、前記ローパスフィルタ部は、前記不連続点以外で前記位相補償信号をフィルタ入力信号とし、かつ前記補正位置信号をフィルタ帰還信号とし、前記不連続点切替部は、前記不連続点で前記ローパスフィルタ部の前記フィルタ入力信号を前記原信号に切り替えることを特徴とする交流モータの制御装置。
  3. 請求項2において、前記位置補正器の前記ローパスフィルタ部は2次以上の高次フィルタで構成され、前記位置補正器は、前記不連続点で前記フィルタ帰還信号を前記電気角の1回転相当分だけ減じる帰還補正部をもつことを特徴とする交流モータの制御装置。
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