JP2010237428A - 光情報通信装置、ストロボ装置および撮像装置 - Google Patents

光情報通信装置、ストロボ装置および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発光回路の状態によらず、閃光発光の発光遅れを適切に補正し、正確に光通信を行う。
【解決手段】閃光を発光する発光手段と、受信装置への送信情報に対応させて、前記発光手段の発光制御を行う発光制御手段と、前記発光手段が発光する発光間隔を測定する測定手段と、前記測定手段の出力を基に、前記発光制御手段での発光指示のタイミングを補正する補正手段と、前記発光指示がなされてから前記発光手段が発光するまでの時間を計時する計時手段とを有し、前記補正手段は、前記計時手段にて計時された時間ΔTsと閾値Tthを比較し(S406)、前記発光指示のタイミングを補正する補正の度合を変更する(S411)。
【選択図】図4

Description

本発明は、閃光発光を用いて光情報を通信する光情報通信装置、ストロボ装置および撮像装置に関する。
光情報を伝送する光情報通信装置の代表的なものにテレビやビデオテープレコーダ等のリモートコントローラがあり、発光デバイスに赤外発光ダイオード(IRED)が用いられている。赤外発光ダイオードは応答性が速く、情報の伝送が高速かつ正確に行える反面、光出力が小さいために数メートル程度の到達距離しか得られないという課題がある。
上記到達距離を延ばすには、強力な光出力が得られる発光デバイスを用いればよく、例えば発光デバイスに光出力の大きい閃光発光管を用いた装置が提案されている。
後者のように、発光デバイスとして閃光発光管を用いることにより、発光ダイオードを用いた従来例に比べ、光信号の1パルス当たりの発光エネルギーは数百倍から数千倍以上となる。よって、非常に遠距離まで光信号を到達させることができる。
発光デバイスとして閃光発光管を用いた場合、該閃光発光管から発せられるパルス間隔が長く、情報通信速度が遅い場合には問題無いが、情報通信速度を速くすると、以下のような問題が生じる。つまり、閃光発光管が冷えている状態、すなわち、前回の発光からの間隔が長い場合、閃光発光管を発光開始させるための高い電圧のトリガ信号を印加しても、実際の閃光発光管の放電が開始されるまでに数十マイクロ秒の遅れが生じる。一方、百マイクロ秒程度の時間々隔で連続して発光させた場合、発光管の中に封入されたXe(キセノン)等のガスのイオンが十分に残っており、トリガ信号を印加すると即座に発光が開始される。したがって、最初の発光や送信中で前の発光との間隔が長い場合にはトリガ信号を印加してから発光するまでの遅れが長いが、連続して発光している間は遅れが少ないことになり、光パルスの間隔が一定にならず、正確な通信が行えなくなる。
図9は、閃光発光管の発光遅れにより、正確な情報の通信が行えなくなる例を示すタイミングチャートである。
図9(a)は、光通信を行うための基準信号となる同期クロックを示し、光情報信号はこの同期クロックに合致した間隔で送出される。図9(b)は、同期クロックに同期して通信される情報信号であり、“10001111”が送信される例を示している。なお、図9(b)に示された情報信号におけるSTARTパルス(ビット)は受信装置に対して通信開始を報知する信号であり、通信する情報信号(データD7〜D0=10001111)の前に付加される信号である。
図9(c)は、閃光放電管から発せられる実際の光パルスである。つまり、図9(b)の情報信号に同期して、閃光発光管にトリガ信号を与えた場合に該閃光放電管から発生される実際の光パルスである。前の発光との間隔が長い最初の光パルス(STARTパルス)に同期した光パルスP1や途中の光パルスP3では、図9(b)で示す、対応する各情報信号からの発光の遅れが大きい。これに対し、前回の発光との後に引き続いて発光される光パルスP2及びP4〜P6はその遅れが少ない。よって、結果的に光パルス発光間隔は一定にならない。
一方、受信装置はSTARTパルスに同期して発せられる光パルスP1を受けた後に、一定時間毎に、かつ短い時間幅の間だけ光パルスの有無をチェックする構成となっている。このため、上記のように情報信号として「10001111」が通信されたにもかかわらず、図9(d)で示すように、光パルスP3のみが受信され、「00001000」の情報信号として誤認識されていた。
この点に鑑み、特許文献1では、トリガ信号を印加するまでにウエイト時間を設けることで、光パルス間隔を一定に保つ方法が提案されている。つまり、前回発光から今回発光までの時間により、基準クロックからトリガ信号印加までのウエイト時間を変化させることで、光パルス間隔を一定に保つようにしている。
特開2000−78089号公報
しかしながら、閃光発光管を繰り返し発光させると、トリガコンデンサや閃光発光管が劣化していく。そのため、図10で示すように、トリガ信号を印加してから閃光発光管が発光するまでの時間が変化するという問題が生じる。図10(A)は、使用開始直後の発光タイミングチャートを示しており、図10(B)は、繰り返し発光することでトリガコンデンサや閃光発光管が劣化した場合の発光タイミングチャートを示している。使用開始直後は、図10(A)で示すように、トリガ信号を印加するまでにウエイト時間t4を設けることで、光パルス間隔を一定に保つことができる。しかしながら、トリガコンデンサや閃光発光管が劣化していくと、図10(B)で示すように、前回の発光からの間隔が長い発光において、トリガ信号を印加してから閃光発光管が発光するまでの時間が変化する。そのため、引用文献1で提案されている方法では光パルス間隔を一定に保つことができなくなってしまう。
(発明の目的)
そこで、本発明の目的は、発光回路の状態によらず、閃光発光の発光遅れを適切に補正し、正確に光通信を行うことができる光情報通信装置、ストロボ装置および撮像装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、閃光を発光する発光手段と、受信装置への送信情報に対応させて、前記発光手段の発光制御を行う発光制御手段と、前記発光手段が発光する発光間隔を測定する測定手段と、前記測定手段の出力を基に、前記発光制御手段での発光指示のタイミングを補正する補正手段と、前記発光指示がなされてから前記発光手段が発光するまでの時間を計時する計時手段とを有し、前記補正手段が、前記計時手段にて計時された時間を基に、前記発光指示のタイミングを補正する補正の度合を変更する光情報通信装置とするものである。
本発明によれば、発光回路の状態によらず、正確に光通信を行うことができる。閃光発光の発光遅れ補正を適切に行うことができる。
本発明の一実施例に係るストロボ装置の構成を示す回路図である。 図1のストロボ装置の情報通信時の動作を示すタイミングチャートである。 図1のストロボ装置における発光処理を示すフローチャートである。 図1のストロボ装置における光通信処理を示すフローチャートである。 図4の通信パルス発光処理の詳細を示すフローチャートである。 図5の光パルス発光処理の詳細を示すフローチャートである。 図4のウエイト時間テーブル更新処理の詳細を示すフローチャートである。 校正用パルス発光の動作を示すタイミングチャートである。 従来例による閃光発光管の発光遅れを示すタイミングチャートである。 従来例による発光遅れの変化を示すタイミングチャートである。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例に示す通りである。
図1は本発明の一実施例に係る光情報通信装置の構成図である。本実施例では、ストロボ装置を光情報通信装置として用いている。
図1において、1は公知のDC/DCコンバータであり、その出力端子間にはメインコンデンサ2が接続されている。また、このメインコンデンサ2と並列にコンバータ出力電圧検出用の抵抗3,4による直列回路が接続されている。DC/DCコンバータ1の正端子にはトランジスタ5のエミッタが接続され、このトランジスタ5のベース・エミッタ間には抵抗6が接続され、更にベースには抵抗7の一端が接続されている。トランジスタ5のコレクタと接地間には抵抗8,9の直列回路が接続されている。この抵抗8,9の接続点と接地間にはトランジスタ10のコレクタ及びエミッタが接続されている。トランジスタ10のベースと接地間には抵抗11が接続され、更に、ベースには抵抗12の一端が接続されている。また、トランジスタ5のコレクタには倍圧コンデンサ13の一端が接続されている。
DC/DCコンバータ1の正端子と接地間には抵抗14、トリガコンデンサ15及びトリガトランス16の一次巻線を直列に接続した回路が接続されている。また、DC/DCコンバータ1の正端子には発光電流を制御するコイル17が接続され、このコイル17にはダイオード18が並列接続(DC/DCコンバータ1の出力極性に対し逆向き)されている。コイル17の出力端にはダイオード19が順方向になるように接続され、その出力端はXe管(閃光発光管)20の一端に接続されている。Xe管20のトリガ電極にはトリガトランス16の二次巻線が接続されている。Xe管20の他端には、抵抗7,14の他端及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)21のコレクタが接続されている。IGBT21のエミッタは接地され、ゲートと接地間には抵抗22が接続されている。また、ゲートには抵抗23の一端が接続されている。
24は基準電圧発生回路であり、この出力端子と接地間には、フォトダイオード25と抵抗26の直列回路、及び抵抗27と抵抗28の直列回路が並列に接続されている。そして、これら並列接続された各々の直列回路の中間接続点間にはコンパレータ29の各入力端子が接続されている。コンパレータ29の出力端子、DC/DCコンバータ1のCNT端子、抵抗3,4の接続点、抵抗12の他端、及び抵抗23の他端には、光情報通信装置であるストロボ装置の全体を制御するマイクロコンピュータ30が接続されている。上記基準電圧発生回路24、フォトダイオード25及びコンパレータ29とこれらの周辺回路により発光量制御回路が形成される。マイクロコンピュータ30は、後述するCNT,HV,QC,GATE,STOP等の各種の端子の他、不図示のカメラの端子と接続される接続コネクタ31に接続される端子X,CLK,DI,DO,CHG等を備えている。
DC/DCコンバータ1は端子CNTを通して充電を制御することができ、電源電池を数百ボルトの電圧に昇圧し、エネルギー蓄積手段であるメインコンデンサ2を充電する。メインコンデンサ2の電圧は、このメインコンデンサ2と並列に接続された抵抗3,4で分圧され、その電圧がマイクロコンピュータ30で検出される。マイクロコンピュータ30はDC/DCコンバータ1の端子CNTに対し、発光に適したメインコンデンサ2の電圧が得られるように充電を制御する。トランジスタ5、抵抗6〜9、トランジスタ10、抵抗11,12、倍圧コンデンサ13はメインコンデンサ2の電圧を倍電圧化する倍電圧回路を形成し、Xe管20には「メインコンデンサ2の電圧+倍圧コンデンサ13の電圧」が印加される。
ダイオード18は発光停止時にコイル17に発生する電圧を吸収するフライホィールダイオードである。ダイオード19はXe管20での発光時に倍圧コンデンサ13により印加される倍電圧が、Xe管の陽極にのみ印加されるべく電圧を保持するためのダイオードである。接続コネクタ31はカメラとの間でシリアル通信を行うために用いられる。
次に、マイクロコンピュータ30の各端子の機能について説明する。
端子CNTはDC/DCコンバータ1の充電動作を制御するための出力端子、HV端子はメインコンデンサ2の電圧をモニターするためのアナログ/デジタル(A/D)変換用の入力端子、端子QCは倍圧コンデンサ13を急速充電を制御するための出力端子である。また、GATE端子はIGBT21のゲート制御用の出力端子、STOP端子は発光停止信号が入力する入力端子である。また、X端子はカメラからの発光指令信号の入力端子、CLK端子は周知のカメラ側とシリアル通信を行うためのシリアルクロック入力用の端子である。また、DI端子はシリアルデータ入力用の端子、DO端子はシリアルデータ出力用の端子、CHG端子はストロボの発光可否をカメラに伝達するための電流出力用の端子である。
本実施例に係る光情報通信装置の一例であるストロボ装置を、スレーブストロボ装置、つまり受信装置として使用可能な構成にしてもよい。この場合は光パルス受光部32を備える。光パルス受光部32はマイクロコンピュータ30のSLAVE_IN端子に接続されており、受光輝度が一定レベル以上になると“Hi”レベルを出力する。
次に、図1に示した回路の全体の動作について説明する。
不図示の電源スイッチがオンにされると、マイクロコンピュータ30はHV端子を介して常時メインコンデンサ2の端子電圧をモニターする。そして、その電圧がXe管20を発光させるに足る所定電圧よりも低い時にはCNT端子を介してDC/DCコンバータ1を動作させ、その電圧が高い時にはCNT端子を介してDC/DCコンバータ1の動作を停止させ、所定電圧になるように制御する。
メインコンデンサ2の電圧がXe管20を発光可能な所定電圧に到達すると、CHG端子から所定量の電流を通じて、接続コネクタ31を介して不図示のカメラに対して光情報通信が可能になったことを伝達する。これに対し、カメラは光情報通信装置であるストロボ装置を介して不図示の受信装置(例えばスレーブストロボ装置)へ光情報を送信する。詳しくは、各端子CLK,DI及びシリアルデータ出力端子DOを介して公知のシリアル通信によりマイクロコンピュータ30に送信すべき情報を伝達する。この送信情報は、例えば、受信装置がスレーブストロボ装置であった場合、発光量や発光形態(例えば、閃光発光であるか、フラット発光と称される長時間発光であるか否か等)や発光時間等の情報である。受信装置が他のカメラに接続されているレリーズ制御装置の場合は、シャッタ秒時情報や絞り情報、レリーズ開始タイミング等のいかなる情報であってもよい。
これらの情報を光情報通信装置であるストロボ装置が、カメラ側から受信した際の動作について、以下に説明する。
図2は、情報受信時の動作を示すタイミングチャートである。図2において、(a)のCLK、(b)のDI、(c)のDOは不図示のカメラとマイクロコンピュータ30の間で行われる公知のシリアル通信時の各端子の信号を示す。クロックCLKに同期してDI端子を介してカメラからマイクロコンピュータ30にデータが送られ、マイクロコンピュータ30からDO端子を通してデータがカメラに返送される。
まず、クロックCLKに同期してシリアル通信が開始され、カメラからストロボ装置のDI端子に送信すべきデータが出力され((b)参照)、所定のクロック数の通信が行われる。その後、ストロボ装置が発光中であることを示すべく、DO端子を“Lo”レベルにする。この例の場合は、マイクロコンピュータ30に対して送信信号として“10001111”が通信されるものとする。この信号は発光のタイミングを示すデータである。
次に、ストロボ装置と受信装置、例えば受光部を有するスレーブストロボ装置の間で光通信を行う所定の情報通信速度を示す発光タイミング信号((d)参照)に同期して、マイクロコンピュータ30は情報信号((e)参照)を形成する。なお、発光タイミング信号は、マイクロコンピュータ30の内部で一定周期のクロック信号として形成される。情報信号は“10001111”(データD7〜D0)に光通信のスタートを示すSTARTビットが付加されたものである。このSTARTビットの付加された信号に続くデータD7〜D0は、本実施例ではMSBファーストルールに従い、“1”の時に発光させる信号である。
受信装置であるスレーブストロボ装置は、同期クロックから一定範囲内の光パルスを受光し、通信データの解析を行うことになる。
ここで、ストロボ装置での発光処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。
ステップS301にて、マイクロコンピュータ30はGATE端子を“Hi”レベルに設定する。すると、IGBT21が導通状態になり、トリガコンデンサ15に充電されていた電荷はIGBT21のコレクタ及びエミッタ、トリガトランス16を介して流れる。そして、トリガトランス16の二次側に千数百ボルトの電圧が発生し、Xe管20が励起され、Xe管20の放電電流はIGBT21を介して流れ、発光が開始される。Xe管20が発光を開始すると、その光は光パルス受光部として作用するフォトダイオード25で受光され、発光々量に応じた電流が流れることにより、抵抗26には発光々量に応じた電圧が発生し、この電圧が抵抗27と抵抗28で分圧された電圧よりも高くなる。そのため、コンパレータ29の出力電圧は“Lo”レベルから“Hi”レベルに反転する。
次のステップS302では、マイクロコンピュータ30はSTOP端子に印加された電圧をモニターし、“Hi”レベルを検出すればXe管20の発光を停止するためにステップS304へ進む。また、“Lo”レベルであればステップS303へ進む。
STOP端子が“Lo”レベルであるとしてステップS303へ進むと、ここでは所定時間が経過(タイムアウト)しているか否かを判定する。所定時間が経過していればステップS304へ進むが、所定時間未満であればステップS302へ戻り、同様の動作を繰り返す。
ステップ304へ進むと、発光を停止するためにマイクロコンピュータ30はGATE端子を“Lo”レベルに設定する。この処理により、IGBT21はオフ状態になり、Xe管20の発光電流は遮断され、発光が停止する。その後はステップS305へ進み、次の発光を行うため、倍圧コンデンサ13を急速に充電させるべく、マイクロコンピュータ30のQC端子を“Hi”レベルに設定する。この設定によってトランジスタ10が導通状態になり、倍圧コンデンサ13が抵抗8のみによって急速に充電される。
次のステップS306では、倍圧コンデンサ13の充電が終了するまで待機(WAIT)する。その後、倍圧コンデンサ13の急速充電が終了するとステップS307へ進み、QC端子を“Lo”レベルに設定し、トランジスタ10をオフにし、パルス発光処理を終了する。
なお、トリガコンデンサ15はIGBT21のオフによる発光終了時には、Xe管20内にはXeのイオンが残っており、そのため、インピーダンスは数オームの低さのため、Xe管20のカソード側がアノード側とほぼ同電位に持ち上がる。よって、その電圧により自動的に急速に充電され、次回の発光の準備が完了する。
ここで、従来例で述べたように、閃光発光を繰り返し行っていると、トリガコンデンサ15や閃光発光管であるXe管20の劣化が進む。すると、図10(B)に示したように、トリガ信号を印加してからXe管20が発光するまでの時間に変化が生じてしまう。
そこで、本実施例では、適切なタイミングで発光開始タイミングの補正テーブル(後述のウエイトテーブル)の更新を行い、トリガ信号を印加してからXe管20の発光までの時間が変化しても、発光間隔をほぼ一定に保つ制御を可能にしている。以下、この詳細を図4ないし図8を用いて説明する。
図4は光通信処理シーケンスを示すフローチャートであり、ストロボ装置が起動されると、ステップS401より動作を開始する。まず、ステップS401では、マイクロコンピュータ30は内蔵する不図示のRAM内に設定してある発光ずれ回数Mを0に設定する。そして、次のステップS402にて、シリアル通信により不図示のカメラから発光指示を受信するまでこのステップで待機する。その後、発光指示を受信するとステップS403へ進み、発光処理中(BUSY)であることを示すために、マイクロコンピュータ30はDO端子を“Lo”レベルに設定し、不図示の内蔵RAMに設定してある発光間隔カウンタKをK=0とする。
次のステップS404では、GATE端子を“Hi”レベルに設定して図2(f)に示すようにGATE信号を発生し、Xe管20からSTARTパルスP1を発生させる。図3のフローチャートを用いて説明したように、図1のマイクロコンピュータ30のGATE端子を“Hi”レベルとして発光処理を行わせる。STARTパルスP1用のGATE信号を“Hi”にするタイミングで、次のパルスの発光時間を決定するためのマイクロコンピュータ30に内蔵する不図示のタイマを起動する。そして、次のステップS405にて、GATE端子を“Hi”レベルに設定してから調光用センサであるフォトダイオード25にて光パルスが受光されてSTOP端子が“Hi”レベルになるまでの時間ΔTsを測定する。
光情報通信装置であるストロボ装置が図1に示すように光パルス受光部32を具備している場合、受信装置としても使用可能とすることは上記した通りである。この場合は、GATE端子を“Hi”レベルに設定してから光パルス受光部32が光パルスを受光し、“Hi”レベルを出力するまでの時間をΔTsとしてもよい。
次のステップS406では、ΔTsと閾値Tthを比較する。その結果、ΔTs>Tthでなければステップ407へ進み、発光ずれ回数MをM=0とした後、ステップ410へと進み、後述する通信パルス発光処理シーケンスを実行する。なお、閾値Tthは、発光回路の劣化が進んだと判断するために設定される値であって、ΔTsの値は発光回路が劣化するにつれて大きくなっていくため、ΔTsが閾値Tthより大きくなることで発光回路の劣化が進んだ判断できる。また、閾値Tthは、後述する更新処理によって更新される値である。
一方、上記ステップS406にてΔTs>Tthであると判定した場合はステップS408へ進み、発光ずれ回数Mを1つカウントアップ(M=M+1)させる。そして、次のステップS409にて、発光ずれ回数Mと発光ずれ回数閾値Mthとの比較を行う。その結果、M>MthならばステップS411へ進み、後述するウエイト時間テーブル更新処理を実行し、ステップS404へ戻る。これは、発光ずれが連続して閾値Mth回を超える回数発生した場合、ウエイト時間テーブルの補正が必要なほど発光回路の劣化が進んだと判定し、ウエイト時間テーブル更新処理を行うものである。それ以外ならステップS410へ進み、後述する通信パルス発光処理シーケンスを実行する。
図5は、上記ステップS410で実行される通信パルス発光処理シーケンスを示すフローチャートである。まず、ステップS501では、マイクロコンピュータ30内のタイマが次のパルスの発光時間に達するまで待機する。上記タイマが所定時間の計数を終了するとステップS502へ進み、次の発光のためにタイマを再起動し、ステップS503へと進んで光パルス発光処理を実行する。
図6は、上記ステップS503で実行される光パルス発光処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS601にて、カメラから受信した情報信号における今回のビットが“1”であるか否かを判定する。つまり、発光指示がなされているか否かを判定する。その結果、発光指示がなされていると判定した場合にはステップS603へ進む。また、ステップS601で今回のビットが“0”であり、発光指示はなされていないと判定した場合はステップS602へ進む。そして、このステップS602では、前の発光から今回の発光までの時間間隔をカウントする発光間隔カウンタKを1つカウントアップ(K=K+1)し、ステップS607へと進む。
上記ステップS601で発光指示がなされたとしてステップS603へ進むと、前回の発光が何パルス前であるかを示す発光間隔カウンタKの値から以下の表1のウエイト時間テーブルを参照し、実際のトリガ信号を与えるまでのウエイト時間を決定する。
(表1)

Figure 2010237428

上記のように、前の発光から今回の発光までの時間が長いほど(Kの値が大きいほど)ウエイト時間が短くなる(補正の度合が小さくなる)ように設定する。言い換えれば、前の発光からの時間が短いほど(Kの値が小さいほど)ウエイト時間が長くなる(補正の度合が大きくなる)ように設定する。なお、表1のウエイト時間の値は、ウエイト時間テーブルの特徴を示すために例示された値であって、記載された値に限定されるものではない。
図2(f)のGATE信号については、マイクロコンピュータ30は、GATE信号中の各パルスを、情報信号(図2(e)参照)に基づいて、表1のウエイト時間テーブルによって得られるウエイト時間経過後に立ち上げる。そして、マイクロコンピュータ30がそのSTOP端子の“Hi”レベルになったことを検出すれば、GATE端子を“Lo”にすることにより、GATE信号中の各パルスを立ち下げ、Xe管20の発光を停止する。または、STOP端子が“Lo”レベルの場合でも所定時間を経過していることを検出すれば、GATE端子を“Lo”にすることにより、GATE信号中の各パルスを立ち下げ、Xe管20の発光を停止する。
図2(g)中のトリガ信号は、上記GATE端子が“Hi”レベルになった時、IGBT25が導通することによりトリガトランス16に発生するトリガ信号である。また、図2(h)はXe管20が発光する光パルスである。
図6に戻り、ステップS604では、上記ステップS603で決定されたウエイト時間が“0”の場合はステップS605をスキップしてステップS606へ進み、“0”以外であればステップS605へ進む。ステップS605へ進むと、トリガ信号を与える時間、すなわち図2(f)のGATE信号を“Hi”レベルに設定する時間を、決定された所定時間だけ遅延させる。そして、次のステップS606にて、図3に示した発光処理(情報信号のデータDに対応した光パルスの発生処理)を行い、同時に上記発光間隔カウンタKを“0”に設定する。
次のステップS607では、上記ステップS606またはステップS602の結果に対し、所定ビット数(データD7〜D0)の発光が終了したか否かを判定する。その結果、終了していなければ図5のステップS501に戻り、最終ビット、つまりデータD0まで発光処理を繰り返す。その後、終了したことを判定するとステップS608へ進み、発光時間計測用のタイマを停止し、BUSYを解除して発光処理を終了する。
なお、以上においては、説明を簡単にするため、ステップS601→S603のウエイト時間算出等は、タイマのカウントアップに続いてシーケンシャルに行っている。しかし、処理時間の遅れをなくすため、図5のステップS501のタイマカウントが終了する間に次の発光の準備処理を行うのが好ましい。
ここで、上記図5および図6での処理を、図2(b)の、カメラからの送信データ“10001111”を例として説明する。
STARTパルスP1の発光が行われた後、ステップS501で所定時間(図2(d)の発光タイミング信号の所定周期)が経過した、図2(e)で示すビット、つまりデータD7のタイミングでのビットは“1”である。よって、図6のステップS601では発光指示がなされたとしてステップS603へ進む。この時、K=0であるので、ステップS604、S605で表1のK=0に対応するt4時間の経過を待って、次のステップS606にて、GATE端子を“Hi”レベルに設定して光パルスP2の発光を行わせる(図2(h)参照)。また、このステップS606にてK=0とする。
次のステップS607では、発光が終了したか否かを判定するが、ここでは終了していないので図5のステップS501へ戻る。次のデータD6のタイミングでのビットは“0”であり、発光指示はなされていないのでステップS601からステップS602へ進み、発光間隔カウンタKを1つカウントアップ(K+1)させる。そして、ステップS607を介してステップS501へ戻る。以後この発光間隔カウンタKのカウントアップ動作を、データD3に対応するビット“1”を検知するまで行う。
以上のようにしてデータD3に対応するビット“1”が検知されるまでにステップS602で「K+1」が3回行われているので、発光間隔カウンタKはK=3となっている。従って、上記発光タイミング信号の周期でデータD3の検知が行われると、t1時間後にステップS606で光パルスP3の発光を行わせ、K=0とした後にステップS501へ戻る。
この後は、各データD2,D1,D0に対応するビットがそれぞれ“1”であり、発光間隔カウンタKはK=0である。よって、上記発光タイミングを信号の周期の後、t4時間経過したタイミング(図2(f)参照)で、各データに応じた各光パルスP4,P5,P6の発光が行われる(図2(g),(h)参照)。
次に、図7を用いて、図4のステップS411に示したウエイト時間テーブル更新処理について説明する。
まず、ステップS701にて、所定時間のウエイト処理を行う。これは、STARTパルス発光時にイオン化されたXe管20内のガスが冷えるまで待つためである。次に、ステップS702にて、校正用パルス発光を行う。
図8に校正用パルス発光を示している。校正用パルスは、K=0〜3を全て満たすようなパルス列とし、異なる発光間隔で複数回発光を行うようにする。例えば図8(a)に示すように“10001001011”のタイミングで発光させるとすると、ビット“1”の場合に光パルスの発光を行い、発光遅延時間uiを測定する。ここでは、GATE信号を“Hi”レベルに設定してからSTOP端子が“Hi”レベルになるまでの時間を測定している。パルス発光を5回(P0〜P4)行い、それぞれの発光に対して発光遅延時間をタイマで計時し、これらをu0〜u4とする。
図7に戻り、次のステップS703では、t1〜t4、上記図2のステップ406にてΔTsとの比較に用いられる閾値Tthの更新処理を行う。t1〜t4、Tthは例えば以下のようにして求める。ここでは、スタートパルスの発光遅延時間u0とそれぞれの発光遅延時間との差分を求め、あらたなウエイト時間テーブルを作成している。なお、異なる発光間隔で複数回発光を行って複数の発光遅延時間を測定するのであれば、スタートパルス以外の発光遅延時間を基準として差分を行ってもよい。
t1 =u0−u1
t2 =u0−u2
t3 =u0−u3
t4 =u0−u4
Tth=u0+α
ここで、αは、受信装置の同期クロックからの光パルス受光許容時間内で適切な値を設定する。また、Tth=u0+αとするのは以下の理由からである。図8から明らかなように、u0はSTARTパルスにおける発光遅れを表しており、ステップS405で測定されるΔTsの値とほぼ同等の値と考えられる。そのため、Tthがu0以下であればすぐにステップS411のウエイト時間テーブル更新処理を再び行うこととなるので、u0にαを加えた値を閾値Tthとすることで更新処理が行われる頻度を調整している。
求めたt1〜t4、Tthにマイクロコンピュータ30に内蔵している不図示のRAM(補正データ保持手段)内に設定してあるウエイト時間テーブルの値を変更する。その後、図4のステップS404へ戻り、STARTパルス発光を行い、ステップS406,S407を経由してステップ410の通信パルス発光シーケンスを実行する。
以上の実施例によれば、STARTパルスを基準にして、前の発光から今回の発光までの時間が長い(Kの値が大)ほどウエイト時間が短くなる(補正の度合が小さくなる、例えばt1時間)ように設定しなおす。一方、前の発光からの時間が短い(Kの値が小)ほどウエイト時間が長くなる(補正の度合が大きくなる、例えばt4時間)ように設定しなおしている。換言すれば、光パルス間隔が長い場合にはXe管20の発光信号(光パルス)の遅れ補正を短くし、光パルス間隔が短い場合には遅れ補正を長くする、というようにウエイト時間テーブルを適宜更新するようにしている。
このように、Xe管20の発光遅れ補正を適切なタイミングで校正するようにしているので、閃光発光を繰り返し行い、発光タイミングがずれてきた場合でも、発光間隔をほぼ一定に保つように発光制御することが可能となる。詳しくは、Xe管20の発光に遅れに変化が生じると、光パルスの間隔に乱れを生じるが、この光パルスの間隔を基に発光間隔が一定になるようにXe管20の励起発光のタイミングを校正しているので、光パルス間隔のばらつきを防止することができる。
また、フォトダイオード25やコンパレータ29等、もしくは、光パルス受光部32が、Xe管20が発光したことを確認する手段を兼用しているので、専用の発光確認手段を設ける必要がなく、光情報通信装置を小型化できるとともにコストを抑えることができる。
なお、本実施例では、ストロボ装置を光情報通信装置として用いた例を説明したが、撮像装置の内蔵ストロボを光情報通信装置として用いてもよい。
また、ストロボ装置が撮像装置に装着されたカメラシステムにおいて、本実施例でストロボ装置が行った処理の一部を撮像装置が行うようにしてもよい。例えば、ストロボ装置のマイクロコンピュータ30の代わりに撮像装置のマイクロコンピュータが、スタートパルスの発光遅延時間u0とそれぞれの発光遅延時間との差分からウエイト時間テーブルを作成する補正データ作成手段として機能してもよい。
また、前の発光から今回の発光までの発光間隔をカウンタKの値で判断したが、タイマなどを用いて測定してもよい。
(変形例)
上記実施例においては、STARTパルスを基準にして、光パルス間隔が長い場合には遅れ補正を短くし、光パルス間隔が短い場合には遅れ補正を長くするものとした。しかし、前回と今回との光パルス間隔が長いために負の遅れ補正タイミングを長く取り、基準タイミングよりも早く発光させる。また、光パルス間隔が短いときは負の遅れ補正を短くとり、基準タイミング直前に発光させる。このようにしても、同じであることは言うまでもない。
1 DC/DCコンバータ
2 メインコンデンサ
20 Xe管(閃光発光管)
21 IGBT
24 基準電圧発生回路
25 フォトダイオード
29 コンパレータ
30 マイクロコンピュータ
32 光パルス受光部

Claims (6)

  1. 閃光を発光する発光手段と、
    受信装置への送信情報に対応させて、前記発光手段の発光制御を行う発光制御手段と、
    前記発光手段が発光する発光間隔を測定する測定手段と、
    前記測定手段の出力を基に、前記発光制御手段での発光指示のタイミングを補正する補正手段と、
    前記発光指示がなされてから前記発光手段が発光するまでの時間を計時する計時手段とを有し、
    前記補正手段は、前記計時手段にて計時された時間を基に、前記発光指示のタイミングを補正する補正の度合を変更することを特徴とする光情報通信装置。
  2. 前記発光指示のタイミングを補正する際に用いる補正データを保持する補正データ保持手段と、
    前記計時手段にて計時された時間を基に、前記補正データを作成する補正データ作成手段とを有し、
    前記補正データ保持手段は、前記補正データ作成手段によりあらたに前記補正データが作成された場合、保持する前記補正データを前記作成された補正データに更新することを特徴とする請求項1に記載の光情報通信装置。
  3. 前記補正データ作成手段は、異なる発光間隔で複数回発光したそれぞれの発光ごとに前記計時手段により計時された、前記発光指示がなされてから発光するまでの時間を基に前記補正データを作成することを特徴とする請求項2に記載の光情報通信装置。
  4. 前記補正データ作成手段は、前記計時手段により計時された複数の時間の差分を基に前記補正データを作成することを特徴とする請求項3に記載の光情報通信装置。
  5. 請求項1に記載の光情報通信装置を具備することを特徴とするストロボ装置。
  6. 請求項1に記載の光情報通信装置を具備することを特徴とする撮像装置。
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