JP2010237327A - 黒色樹脂隔壁付基板の製造方法、黒色樹脂隔壁付基板及び反射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆テーパー形状を有する黒色樹脂隔壁の側面と基板とがなす角度が容易に制御される黒色樹脂隔壁付基板の製造方法、黒色樹脂隔壁付基板及び反射型表示装置を提供する。
【解決手段】基板11と、該基板11上に形成された逆テーパー形状を有する黒色樹脂隔壁14とを有する黒色樹脂隔壁付基板を製造する方法であって、黒色感光性樹脂組成物を基板11上に塗布することによって、黒色感光性樹脂組成物からなるOD値が0.3〜3.5である黒色感光性樹脂層を基板11上に形成する塗布工程と、黒色感光性樹脂層を活性光で露光する露光工程と、最小現像時間の1.1〜10倍の現像時間で黒色感光性樹脂層の未硬化部分を現像除去する現像工程とを含む黒色樹脂隔壁付基板の製造方法を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】基板11と、該基板11上に形成された逆テーパー形状を有する黒色樹脂隔壁14とを有する黒色樹脂隔壁付基板を製造する方法であって、黒色感光性樹脂組成物を基板11上に塗布することによって、黒色感光性樹脂組成物からなるOD値が0.3〜3.5である黒色感光性樹脂層を基板11上に形成する塗布工程と、黒色感光性樹脂層を活性光で露光する露光工程と、最小現像時間の1.1〜10倍の現像時間で黒色感光性樹脂層の未硬化部分を現像除去する現像工程とを含む黒色樹脂隔壁付基板の製造方法を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板上に逆テーパー形状の黒色樹脂隔壁が形成されてなる黒色樹脂隔壁付基板の製造方法、黒色樹脂隔壁付基板及び反射型表示装置に関する。
近年、紙の代替メディアとして、省資源及び低消費電力という点で省エネルギーに役立つことから、紙のように読める電子ペーパーディスプレイの研究がさかんに行われている。種々の電子ペーパー技術が研究されている中で、隔壁構造を有する反射型表示装置は、隔壁が存在することによって表示面の耐衝撃性が高く、内部に封入された帯電粒子の凝集が防止されることによって画像の繰り返しの表示及び消去に適した表示装置である(特許文献1)。その一方で、隔壁は、画像表示部としては機能しないために画像表示装置としての表示性能を低下させる要因ともなっている。従って、隔壁を有する反射型表示装置の表示性能を向上させる為には、表示面積全体に対する隔壁部分の占める割合を減少させる必要がある。
この隔壁を有する反射型表示装置の製造方法に関して、開口率を向上させるため、インプリント法によって基板上に順テーパー形状の隔壁を製造する方法が開示されている(特許文献2)。また、フォトリソ法による光透過量をマスクパターンで制御することで、同様に基板上に順テーパー形状で隔壁を製造する方法も提案されている(特許文献3)。
しかしながら、隔壁の側面と基板とのなす角度を容易に制御して隔壁を製造することは、依然として困難である。
本発明は、逆テーパー形状を有する黒色樹脂隔壁の側面と基板とがなす角度を容易に制御することが可能な、黒色樹脂隔壁付基板の製造方法、黒色樹脂隔壁付基板及び反射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、OD(Optical Density)値が所定範囲である黒色感光性樹脂組成物を用い、現像時間を所定範囲に設定して黒色樹脂隔壁を形成することによって、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)基板と、該基板上に形成された逆テーパー形状を有する黒色樹脂隔壁とを有する黒色樹脂隔壁付基板を製造する方法であって、
黒色感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって、黒色感光性樹脂組成物からなるOD値が0.3〜3.5である黒色感光性樹脂層を基板上に形成する塗布工程と、
黒色感光性樹脂層を活性光で露光する露光工程と、
最小現像時間の1.1〜10倍の現像時間で黒色感光性樹脂層の未硬化部分を現像除去する現像工程と、
を含む、黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。
黒色感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって、黒色感光性樹脂組成物からなるOD値が0.3〜3.5である黒色感光性樹脂層を基板上に形成する塗布工程と、
黒色感光性樹脂層を活性光で露光する露光工程と、
最小現像時間の1.1〜10倍の現像時間で黒色感光性樹脂層の未硬化部分を現像除去する現像工程と、
を含む、黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。
(2)上記黒色樹脂隔壁の高さが5〜100μmである、上記(1)に記載の黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。
(3)上記黒色樹脂隔壁の上記逆テーパー形状の側面と上記基板の黒色樹脂隔壁形成面とがなす角度の補角である逆テーパー角度が、50〜89°である、上記(1)又は(2)に記載の黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。
(4)上記黒色感光性樹脂組成物が
(A) バインダーポリマー、
(B) 光重合性化合物、
(C) 光重合開始剤、及び
(D) 黒色着色成分
を含む、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。
(A) バインダーポリマー、
(B) 光重合性化合物、
(C) 光重合開始剤、及び
(D) 黒色着色成分
を含む、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法により製造される黒色樹脂隔壁付基板。
(6)略平行に対向する第1透明基板及び第2基板、該第1透明基板と該第2基板との間に形成されている黒色樹脂隔壁、並びに該第1透明基板、該第2基板及び該黒色樹脂隔壁で囲まれた領域に充填された電気光学素子を有する反射型表示装置であって、
該第1透明基板及び該黒色樹脂隔壁として請求項5に記載の黒色樹脂隔壁付基板を用いてなる、反射型表示装置。
該第1透明基板及び該黒色樹脂隔壁として請求項5に記載の黒色樹脂隔壁付基板を用いてなる、反射型表示装置。
(7)上記第1透明基板、上記第2基板及び上記黒色樹脂隔壁で囲まれた上記領域内にそれぞれ複数の画素を有する、上記(6)に記載の反射型表示装置。
(8)上記領域の開口部の形状が、円形、又は六角形、長方形若しくは正方形である、上記(6)又は(7)に記載の反射型表示装置。
(9)上記領域の開口部の面積と上記黒色樹脂隔壁の上面面積との和に対する、上記開口部の面積の割合が、50%〜99%である、上記(6)〜(8)のいずれかに記載の反射型表示装置。
本発明によれば、基板上に任意の角度の逆テーパー形状を有する黒色樹脂隔壁を簡便に形成することができる。また、本発明で製造される逆テーパー形状の黒色樹脂隔壁を反射型表示装置に用いることにより、開口率が高く、耐衝撃性に優れた高反射型表示装置を提供することが可能となる。
以下、本発明について具体的に説明する。本発明は、基板と、該基板上に形成された逆テーパー形状を有する黒色樹脂隔壁とを有する黒色樹脂隔壁付基板を製造する方法であって、黒色感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって、黒色感光性樹脂組成物からなるOD値が0.3〜3.5である黒色感光性樹脂層を基板上に形成する塗布工程と、黒色感光性樹脂層を活性光で露光する露光工程と、最小現像時間の1.1〜10倍の現像時間で黒色感光性樹脂層の未硬化部分を現像除去する現像工程とを含む、黒色樹脂隔壁付基板の製造方法を提供する。本明細書において、逆テーパー形状とは、基板上に形成された黒色樹脂隔壁の基板接着面積が黒色樹脂隔壁の上部面積よりも小さい形状を意味する。
図1は、本発明の黒色樹脂隔壁付基板の製造方法について説明する概略図である。塗布工程においては、黒色感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって、該黒色感光性樹脂組成物からなる層である黒色感光性樹脂層12を基板11上に積層する。黒色感光性樹脂層は、基板上に液状黒色感光性樹脂液を塗布して乾燥する方法、及び別途支持フィルム上に作製された黒色感光性樹脂層をラミネーターによって基板上に熱転写する方法等によって形成できる。
上記基板は透明であることが好ましい。透明基板を用いることにより、本発明に係る黒色樹脂隔壁付基板を例えば反射型表示装置に対して好適に適用できる。透明基板としては、反射型表示装置において好適に用いられる基板が挙げられ、具体的には、無アルカリガラス基板、プラスチック基板、透明なプラスチックフィルム等が挙げられる。
上記した、別途支持フィルム上に作製された黒色感光性樹脂層を用いる方法においては、上記の液状黒色感光性樹脂液を支持フィルム上に塗布して乾燥させることにより、支持体上に黒色感光性樹脂層を形成できる。本発明においては、後述の露光工程の前に支持フィルムを剥離してもよいし、支持フィルムを通して黒色感光性樹脂層を活性光で露光してもよい。支持フィルムを剥離した後に露光工程を行う場合には、支持フィルムの厚み及び透明性は問わないが、支持フィルムを通して黒色感光性樹脂層に活性光を照射する場合は、実質的に活性光を透過させる透明な支持フィルムを使用することが必要であり、特に厚み5〜40μmの透明なフィルムであることが好ましい。
実質的に活性光を透過させる透明な支持フィルムとしては、有機ポリマーフィルムが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。これらの支持フィルムとしては、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。
本発明において用いる黒色感光性樹脂組成物は、黒色を呈する光重合性樹脂であり、市販のブラックレジストや黒色レジストを用いることができる。あるいは、市販の感光性液状レジストに黒色顔料を分散させたものを用いることができる。あるいは、黒色感光性樹脂組成物は、例えばバインダーポリマー、エチレン性二重結合を有する光重合性単量体、光重合開始剤、黒色顔料並びに必要に応じて種々の添加剤を混合して作製したものでもよく、さらに溶剤を加えて用いてもよい。市販のブラックレジストや黒色レジストとしては、東京応化工業社製のブラックレジストCFPR−BK5000シリーズや同8400シリーズ、新日鉄化学社製のアルカリ現像型ブラックレジストインキNSBKシリーズ,V−259BKおよびV−259BKISシリーズ、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製のカラーモザイクCKシリーズなどが挙げられる。
黒色感光性樹脂層のOD値は0.3〜3.5である。本明細書におけるOD値は、可視光を1μm厚の試料に透過させた時の入射強度をI0、透過光強度をIとし、OD値=−log(I/I0)により定義される値である。本発明においては、OD値が所定範囲である黒色感光性樹脂層を形成することによって、所望の高精度な逆テーパー形状を有する黒色樹脂隔壁を形成できる。露光工程において、黒色感光性樹脂層の内部の部分的な硬化度を制御することにより、逆テーパー形状を精度よく形成する観点から、該OD値は0.3以上であり、露光工程において、比較的厚膜である黒色感光性樹脂層の内部を十分に硬化させる観点から、該OD値は3.5以下である。該OD値は、好ましくは0.3〜3、より好ましくは0.3〜2.5である。本発明において上記OD値を所定範囲に制御するためには、リバースコーター等の手段を用いる。
好ましい態様において、黒色感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)黒色着色成分を含む。黒色感光性樹脂組成物は、必要に応じてさらに種々の添加剤を含むことができる。上記各成分の好ましい例について以下に説明する。
(A)バインダーポリマーとしては、側鎖にカルボキシル基を有する単量体と(メタ)アクリル系単量体とを共重合してなるポリマーが好ましい。本明細書において(メタ)アクリルとはアクリル及びメタクリルを意味する。
側鎖にカルボキシル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等が挙げられる。側鎖にカルボキシル基を有する単量体を共重合する割合(すなわち、バインダーポリマーを合成するために用いる全単量体に占める、側鎖にカルボキシル基を有する単量体の割合)は、現像性の観点から5質量%以上が好ましく、黒色顔料の分散性、現像後に黒色顔料が基板へ付着するのを抑制する観点から、30質量%以下が好ましい。上記割合は5質量%〜20質量%であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸ベンジル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジルモノ(メタ)アクリレート等、側鎖にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなど脂環式側鎖を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
側鎖にカルボキシル基を有する単量体及び(メタ)アクリル系単量体の他に、スチレン、フルオレン、ベンジル等の他の共重合成分を単量体として共重合してもよく、例えばスチレンを併用する場合には、芳香環の存在により、顔料の分散性が向上するという利点が得られる。
耐熱性、及びブラックマトリックスパターンの平坦性の観点から、スチレンとメタクリル酸メチルとメタクリル酸とを共重合させてなる重量平均分子量10000〜50000のバインダーポリマーが特に好ましい。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、3000〜50000であることが好ましい。該重量平均分子量は、密着性の観点から3000以上が好ましく、現像性の観点から50000以下が好ましい。該重量平均分子量は、10000〜40000であることがより好ましい。本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(例えば日本分光(株)製、ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプルによる検量線使用)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)として測定される値である。
バインダーポリマーは、カルボキシル基の量が酸当量で200〜2000であることが好ましい。本明細書における酸当量とは、1当量のカルボキシル基を有する重合体(線状重合体)の質量(グラム)を意味する。現像後に黒色顔料が基板へ付着するのを抑制する観点から、酸当量は200以上が好ましく、現像性の観点から酸当量は2000以下が好ましい。該酸当量は、400〜900がより好ましく、500〜800がさらに好ましい。なお、本明細書における酸当量は、自動滴定装置(例えば平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555))を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により測定される値である。
バインダーポリマーは、上記種々の単量体の混合物をアセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、加熱攪拌することにより合成することが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶媒を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、上記のような溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合を用いてもよい。
またバインダーポリマーとして、特許3754065号公報に記載されているような、エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はエステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸無水物を反応させることにより合成されるエポキシアクリレート樹脂や、特許3268771号公報の請求項1に記載されているような光重合性不飽和化合物を用いることが出来る。
(B)光重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物が挙げられ、より具体的には、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソフタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テレフタル酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(C)光重合開始剤としては、オキシムエステル化合物等が挙げられる。オキシムエステル化合物としては、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、及び1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類、及び、特表2004−534797号公報に記載の化合物を挙げることが出来る。中でも、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オンオキシム−O−アセテート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製 IRGACURE OXE−02)が好ましい。
黒色感光性樹脂組成物には、上記したオキシムエステル化合物以外の光重合開始剤、さらに、増感剤、連鎖移動剤等を組み合わせて用いてもよい。光重合開始剤としては、例えば、オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(p−メトシキフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体類が挙げられる。また、p−アミノベンゾフェノン、p−ブチルアミノフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン等のp−アミノフェニルケトン類が挙げられる。また、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインエーテル類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、2−ベンジルージメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−モルフォリノ−1−(4−(メチルチオフェニル)−プロパン−1−オン等公知の種々の化合物が挙げられる。
また、硬化助剤としては、例えば、N−アリールグリシン、メルカプトトリアゾール誘導体、メルカプトテトラゾール誘導体、メルカプトチアジアゾール誘導体、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等の多官能チオールなど、公知の種々の化合物が挙げられる。
(D)黒色着色成分としては、有機顔料及び無機顔料のいずれの黒色顔料も使用できる。有機顔料としては、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられ、無機顔料としては、カーボンブラック類、チタンブラック、チタン酸窒化物、黒色低次酸化チタン、グラファイト粉末、鉄黒、酸化銅等が挙げられる。この他、Cu、Fe、Mn、Cr、Co、Ni、V、Zn、Se、Mg、Ca、Sr、Ba、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hg、Pb、Bi、Si、Al等の各種金属の酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属硫酸鉛、金属炭酸塩等の無機顔料も用いることができる。遮光性、ブラックマトリックスとしての感度、解像度及び密着性への影響の観点から、カーボンブラックが好ましい。またブラックマトリックスの絶縁性の観点からチタンブラックが好ましい。
黒色感光性樹脂組成物中のバインダーポリマー、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、光重合開始剤及び黒色着色成分(黒色顔料)の各々の好ましい含有量は以下の通りである。バインダーポリマー、エチレン性二重結合を有する光重合性化合物、光重合開始剤及び黒色着色成分の合計を100質量%とした場合、バインダーポリマーの含有量は、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。エチレン性二重結合を有する光重合性化合物の含有量は、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。光重合性開始剤の含有量は、0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。黒色顔料の含有量は、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
黒色感光性樹脂組成物は種々の添加剤、例えば、分散剤、分散助剤、可塑剤、カップラー成分等を含むことができる。例えば分散剤が含まれる場合、黒色顔料を予め該分散剤によって溶剤中に分散させ、得られた分散液を黒色感光性樹脂組成物中に含有させることができる。分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、水酸基含有ポリカルボン酸エステル及びこれらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボン酸基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等が挙げられる。また、本発明に用いられるバインダーポリマー自体、例えば上述の(メタ)アクリル酸ベンジルが共重合されたバインダーポリマー、及びその他アルカリ可溶性高分子等も分散剤として用いることが出来る。
さらに、上述の分散剤に加えて、分散助剤として、ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリスルホン酸型高分子活性剤等のアニオン性の活性剤、ポリオキシエチレン、ポリオキシレンブロックポリマー等のノニオン系の活性剤等を用いることが出来る。
また、黒色顔料とりわけカーボンブラックは、分散性、絶縁性等を考慮して、表面を樹脂で被覆したり、樹脂や低分子化合物で修飾したりしたものであることができる。表面修飾に用いられる樹脂としては、ポリカルボジイミド、エポキシ樹脂等、カーボンブラック表面のカルボキシル基と反応できる官能基を有する高分子が挙げられる。同様に低分子化合物としては、置換ベンゼンジアゾニウム化合物などが挙げられる。また、樹脂による被覆又は修飾の方法としては、特開2004−219978号公報、特開2004−217885号公報、特開2004−360723号公報、特開2003−201381号公報、特開2004−292672号公報、特開2004−29745号公報、特開2005−93965号公報、特開2004−4762号公報、米国特許第5,554,739号明細書、米国特許第5,922,118号明細書に記載の分散剤、方法等を用いることができる。
黒色感光性樹脂組成物には、必要に応じて可塑剤を含有させることもできる。可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、p−トルエンスルホンアミド、ポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物及びプロピレンオキシド付加物等のポリアルキレンオキシド変性ビスフェノールA誘導体等が挙げられる。
黒色感光性樹脂組成物は、必要により、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップラー成分を含むことができる。
また、支持フィルムに塗布する際の黒色感光性樹脂組成物を塗工に最適な状態に整えるために、黒色感光性樹脂組成物を適切な溶剤と組合せることができる。溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルシソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。毒性、及び支持フィルムに塗工した際の乾燥性の観点からメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンが好ましく、着色顔料、特に黒色顔料の分散安定性やアルカリ可溶性高分子の溶解性の観点からプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が好ましい。
前記の性能を両立するために、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等とPGMEAとを適当な割合で混合して用いてもよい。例えば、黒色顔料を予めPGMEAに分散させ、アルカリ可溶性高分子を予めPGMEAに溶解させて、これらと、(メタ)アクリル酸ベンジルを共重合したアルカリ可溶性高分子、エチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物、光重合開始剤、及びその他の種々の添加剤とを混合してメチルエチルケトンやPGMEA等の溶媒で適宜希釈し、支持フィルムへの塗布性及び乾燥性の良好な感光性樹脂組成物を溶液として調合することが出来る。
前記の黒色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して黒色感光性樹脂層を形成する方法としては、スピンコート、ロールコート、バーコート、ディップコート、ディップコート、スプレーコート等の手段が挙げられるが、特に限定されるものではない。基板上の黒色感光性樹脂組成物を乾燥させて製膜する方法としては、ホットプレートやオーブン等の手段が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明に係る黒色樹脂隔壁付基板を製造する典型的な手順について、支持フィルムを用いる場合を例に説明する。まず、塗布工程において、ラミネーター等を用いて上述した黒色感光性樹脂組成物を支持フィルム上に塗布し、次に該黒色感光性樹脂組成物を支持フィルムごと基板上にラミネート(熱圧着)することによって、黒色感光性樹脂層12を基板11上に塗布する。このとき、上記基板をあらかじめ60〜120℃に加熱しておくことは、黒色感光性樹脂層と基板との密着性を向上させる観点から好ましい。加熱の手段としては、熱板による加熱、熱風乾燥機による加熱、赤外線による加熱、熱ロールによるラミネートの中から選ばれた1つ以上の手法が好ましい。ラミネート(熱圧着)時のラミネートロール温度としては40〜130℃が好ましく、基板搬送速度としては分速0.2〜4mが好ましく、ラミネートロール線圧としては0.1〜10kg/cmが好ましい。また、ラミネート時に真空ラミネーターやウェットラミネーションを用いることは、支持フィルムと基板上に形成された黒色感光性樹脂組成物との間の空気を追い出し、黒色感光性樹脂組成物の感度を高める効果が得られる点で好ましい。
次いで、露光工程において、黒色感光性樹脂組成物を活性光で露光する。露光工程の前に、上記基板を60〜140℃に加熱する加熱工程を設けてもよい。加熱工程における加熱温度及び加熱時間としては、加熱温度が60〜90℃の場合、加熱時間が5〜10分、加熱温度が90〜120℃の場合、加熱時間が1〜10分、加熱温度が120〜140℃の場合、加熱時間が3秒〜10分であることが好ましい。加熱時間が10分を超えると製造におけるタクトが長くなるという観点から、加熱時間は10分以内であることが好ましい。加熱する手段については、特に限定されるものではない。
露光工程においては、マトリックスパターンを有するフォトマスク13(マスクフィルムまたはガラスマスク)を通して、基板の反対側から黒色感光性樹脂組成物に活性光を照射する。フォトマスクパターンはグレースケールを有していてもよい。この際、支持フィルムを剥離せずに支持フィルムを通して黒色感光性樹脂組成物を露光することは、黒色感光性樹脂組成物の感度を高くするという観点で好ましい。また、必要に応じて、露光中または露光後に基板を加熱することができる。この加熱は、感度や基板(例えばガラス基板)への密着性の観点から好ましい。加熱温度は60〜130℃であることが好ましく、加熱時間は1〜6分であることが好ましい。加熱は露光開始直後から露光終了後10分以内に行うことが好ましく、露光終了後、1〜5分以内に行うことがより好ましい。
次に、現像工程において、黒色感光性樹脂層の未硬化部分を現像液にて除去し、黒色感光性樹脂層の硬化部分からなる黒色樹脂隔壁14を基板11上に形成する。現像手法としては、黒色感光性樹脂層の硬化部と未硬化部とのアルカリ水溶液の溶解性の差を利用した、いわゆるアルカリ現像が挙げられる。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液を用いることができる。これらのアルカリ水溶液は黒色感光性樹脂組成物の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.1〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。現像工程において、逆テーパー形状の黒色樹脂隔壁を形成する観点から現像時間は最小現像時間の1.1倍以上であり、黒色樹脂隔壁を基板に密着させる観点から、現像時間は最小現像時間の10倍以下である。必要に応じて、完全に現像されずに残っている黒色感光性樹脂組成物を取り除くために、別の現像液において、更に現像を行ってもよい。別の現像液としては、初めの現像の際に用いる現像液とはアルカリ性の異なるアルカリ水溶液、酸性現像液、有機溶剤を含有する現像液等を使用でき、現像液に合わせて黒色感光性樹脂組成物の組成を適宜選ぶことができる。
現像液は浴液、あるいは噴霧液として使用でき、これらの現像液を用いた現像方法としては、ディップ現像、シャワー現像、スプレー現像、パドル現像等が挙げられる。
現像工程の後には、必要に応じて蒸留水、イオン交換水又は超純水を用いた水洗工程を行うことができる。水洗方法としてはディップ水洗、シャワー水洗、スプレー水洗、パドル水洗等が挙げられるが、完全に現像されずに残っている未硬化部の黒色感光性樹脂組成物は、プラズマを利用したドライデスミアやサンドブラスト等の方法により物理的に除去することもできる。
また、前記のアルカリ現像液の代替物質として、超臨界二酸化炭素、超臨界水等の超臨界流体を用いてもよい。これらの超臨界流体を用いると、表面張力が働かないため、レジストパターン倒れを防止することが可能となり、特に高精細パターンの形成時に有効である。
また、未硬化部の黒色感光性樹脂組成物を除去する手法として、アルカリ水溶液によって未硬化部を膨潤又は変性させるにとどめておき、ディップ水洗、シャワー水洗、スプレー水洗、パドル水洗等の水洗手法によって、未硬化部の黒色感光性樹脂組成物を除去することもできる。この場合、アルカリ水溶液による現像の間は未硬化部の黒色感光性樹脂組成物が基板上に残っているため、アルカリ水溶液のレジストサイドからの染み込みが少なく、黒色樹脂隔壁と基板との密着性が高く好ましい。
本発明において形成される黒色樹脂障壁の高さは、5〜100μmであることが好ましい。黒色樹脂障壁の高さが5μm以上である場合、黒色樹脂障壁付基板を表示装置に用いた場合に表示コントラストが良好で鮮明な画像を与えることができ、100μm以下である場合、該表示装置の電力消費を小さくできる。黒色樹脂障壁の高さは、10〜90μmであることがより好ましく、15〜80μmであることがさらに好ましい。上記高さは、基板の黒色樹脂隔壁形成面と黒色樹脂隔壁の上面との間の最短(すなわち垂直)距離であり、例えばレーザー顕微鏡によって測定される。
黒色樹脂隔壁の逆テーパー形状の側面と基板の黒色樹脂隔壁形成面とがなす角度の補角である逆テーパー角度は、50〜89°であることが好ましい。該逆テーパー角度は、より具体的には、黒色樹脂隔壁の逆テーパー形状方向断面(すなわち幅方向断面)における、隔壁側面がなす斜辺と基板上の黒色樹脂隔壁形成部位がなす底辺との角度(逆テーパー形状においてこの角度は90°超である)を180°から減じた角度である。該逆テーパー角度が50°以上である場合、黒色樹脂隔壁と基板との密着性を向上させる観点で好ましく、89°以下である場合、開口部を大きくする観点で好ましい。該逆テーパー角度は、50〜80°であることがより好ましく、50〜75°であることがさらに好ましい。なお上記逆テーパー角度は例えばレーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
本発明は、上述した製造方法によって得られる黒色樹脂隔壁付基板をも提供する。該黒色樹脂隔壁付基板は、例えば反射型表示装置等に好適に適用することができる。
本発明は、略平行に対向する第1透明基板及び第2基板、該第1透明基板と該第2基板との間に形成されている黒色樹脂隔壁、並びに該第1透明基板、該第2基板及び該黒色樹脂隔壁で囲まれた領域に充填された電気光学素子を有する反射型表示装置であって、該第1透明基板及び該黒色樹脂隔壁として、上述した本発明の黒色樹脂隔壁付基板を用いてなる反射型表示装置をも提供する。
本発明が提供する反射型表示装置の典型的な構造について説明する。図2は、本発明の反射型表示装置の典型的な態様について説明する概略図である。図2を参照し、第1透明基板21と第2基板22とは、略平行に対向して所定の間隔で設置されており、第1透明基板21と第2基板22との間に黒色樹脂隔壁23が形成され、第1透明基板21、第2基板22及び黒色樹脂隔壁23で囲まれた領域24に、電気光学素子として、1種以上の色の帯電粒子及び1種以上の着色絶縁性液体が充填、封入されている。
第1透明基板は、反射型表示装置の外側から帯電粒子及び着色絶縁性液体の色が確認できる透明基板であって、画像の表示面である。第1透明基板としては、可視光の透過率が高くかつ耐熱性が良好な材料が好ましい。軽量であることがより好ましい。第1透明基板の材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート等のポリマー材料や、ガラス、石英等の無機材料が挙げられる。基板の厚みは、好ましくは5〜3000μm、より好ましくは10μm〜1000μmである。基板の厚みが5μm未満である場合、強度及び基板間距離を均一に保持することが困難である傾向があり、3000μmを超える場合、反射型の画像表示装置における鮮明さやコントラストが低下する傾向がある。
第1透明基板及び第2基板の上にはそれぞれ公知の態様で電極(図示せず)が設けられ、電極は、可視光の透過率が高く透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成されている。電極材料の例としては、酸化インジウム、アルミニウム等の金属類、及びポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子類が挙げられ、これらは真空蒸着法、塗布法等で形成できる。電極の厚みは、好ましくは10〜5000nm、より好ましくは50〜2000nmである。電極の厚みが薄すぎると導電性の確保が困難になる傾向があり、厚すぎると反射型の画像表示装置における鮮明さ及びコントラストが低下する傾向がある。
電極は、透明樹脂膜を形成可能な樹脂組成物から形成された樹脂膜で被覆されていることが好ましい。透明樹脂膜としては薄膜でピンホールが生じにくいものが好ましく、可視光の透過率が高い材料で形成されることが好ましい。透明樹脂膜を形成可能な上記樹脂組成物の例としては、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート等のポリマー材料が挙げられ、塗布法等で形成できる。透明樹脂膜を形成可能な樹脂組成物の厚みは、好ましくは10〜10000nm、より好ましくは50〜5000nmである。該厚みが薄すぎるとピンホールが生じて絶縁不良が発生しやすい傾向があり、厚すぎると反射型の画像表示装置における鮮明さ及びコントラストが低下する傾向がある。
逆テーパー形状の黒色樹脂隔壁は、略平行に対向する第1透明基板と第2基板との間に、電極(好ましくは上記の樹脂膜で被覆されたもの)を介して形成されている。
第1透明基板及び第2基板と逆テーパー形状黒色樹脂隔壁とによって隔てられた領域内には、それぞれ複数の画素を有することが好ましい。各領域が複数の画素を有することにより、内部に存在する帯電粒子の凝集及び沈降を生じにくくすることができる。
画素の開口部の形状は、円形、又は六角形、長方形、正方形等の多角形であることが好ましい。より開口部を大きくするために、該形状は正方形又は正六角形であることが好ましい。
画素の開口部の形状は、円形、又は六角形、長方形、正方形等の多角形であることが好ましい。より開口部を大きくするために、該形状は正方形又は正六角形であることが好ましい。
第1透明基板、第2基板及び黒色樹脂隔壁で囲まれた領域の開口部面積と黒色樹脂隔壁の上面面積との和に対する該開口部面積の割合は、50%〜99%であることが好ましい。ここで上記上面面積とは、画素の表示側とは反対部分の黒色樹脂隔壁の面積である。黒色樹脂隔壁で隔てられた1つの領域内に複数の画素を形成する場合、上記割合は、開口部面積の総和/(黒色樹脂隔壁の上面面積の総和+開口部面積の総和)のようにして算出する。上記領域の開口部面積と黒色樹脂隔壁の上面面積との和に対する開口部面積の上記割合が50%未満である場合、表示コントラストが低下し、鮮明な画像を得るのが難しい傾向がある。一方該割合が99%を超える場合、黒色樹脂隔壁の強度、及び黒色樹脂隔壁と基板との密着性が低くなる傾向がある。上記割合は、70%〜95%であることがさらに好ましい。なお上記割合は例えばレーザー顕微鏡を用いて測定される黒色樹脂隔壁のライン幅から算出できる。
黒色樹脂隔壁の高さは、約5μm〜約100μmであることが好ましく、約5μm〜約50μmであることがより好ましい。黒色樹脂隔壁の高さが小さすぎると、電圧を印加して帯電粒子が表地面から奥に移動しても帯電粒子が常に見える状態となり、表示コントラストが低下し、鮮明な画像を得るのが難しい傾向がある。一方黒色樹脂隔壁の高さが大きすぎると、帯電粒子を移動させるために必要な印加電圧が増加してしまい、電力消費が大きい傾向がある。
着色絶縁性液体は、粘度が低く(2〜100cps)、誘電率が低い(2〜20)ことが好ましい。着色絶縁性液体は、例えば、絶縁性液体と、染料、顔料等の着色成分とからなることができる。絶縁性液体の例としては、炭化水素系液体(デカヒドロナフタレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、パラフィン油、トルエン、キシレン、ドデシルベンゼン、アルキルナフタレン等)、フルオロカーボン系液体(、パーフルオロキシレン、ジクロロノナン、ペンタクロロベンゼン、パーフルオロプロピレンオキサイド等)、シリコーン系液体等が挙げられる。
着色成分としては、染料又は顔料として、例えばノニオン性アゾ及びアントラキノン染料が有用である。染料の例としては、オイルレッド、スーダンレッド、スーダンブルー、オイルブルー、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7、アントロキノンブルー、アントロキノンイエロー、アントロキノンレッド、アントロキノングリーン等が挙げられる。また、顔料の例としては、カーボンブラック類、チタンブラック等の無機顔料が挙げられる。
上記着色成分は、画素ごとに異なる色となるように絶縁性液体中へ添加し、インクジェット法等によって基板上に塗布してもよい。画素を各々赤色、緑色又は青色に着色し、これを規則正しく整列させることで、マルチカラー表示が可能となる。同様にして、画素を各々シアン、マゼンタ又はイエローに着色し、これを規則正しく整列させることで、マルチカラー表示が可能となる。
1種以上の色の異なる色の帯電粒子は、例えば、所望の樹脂、帯電制御剤、着色剤、その他添加剤を混練り粉砕する方法、モノマーを重合する方法、粒子表面に樹脂、帯電制御剤、着色剤、その他添加剤をコーティングする方法のいずれかの方法で作製できる。帯電粒子としては球形で比重の小さい粒子が好ましい。
上記樹脂の例としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらは単独又は2種以上の混合物として使用できる。
上記帯電制御剤の例として、静電荷付与の場合には4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール誘導体等が挙げられる。また負電荷付与の場合には含金属アゾ染料、サリチル酸金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。
上記着色剤としては、塩基性、酸性等の染料が挙げられ、ニグロシン、メニレンブルー、キノリンイエロー、ローズベンガル等が挙げられる。またその他添加剤として、無機系添加剤としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドニウムレッド、カドニウムオレンジ、チタンイエロー、コバルトブルー、コバルトイエロー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック等が挙げられる。
上記粒子の材料の例として、無機系粒子としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドニウムレッド、カドニウムオレンジ、チタンイエロー、コバルトブルー、コバルトイエロー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック等が挙げられる。有機ポリマー粒子としては、ウレタン系、ナイロン系、フッ素系、シリコーン系、メラミン系、スチレン系、スチレンアクリル系、ウレタンアクリル系等が挙げられる。
本発明においては、表示装置における白表示を明確にするために、1種以上の色の異なる色の帯電粒子のうち1つの色が白色であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
黒色感光性樹脂組成物溶液の作製
バインダーポリマーの溶液、光重合性化合物、光重合開始剤、及び添加剤を次に示す割合で混合し、固形成分が10質量%の、黒色感光性樹脂組成物のメチルエチルケトン溶液を得た。
<バインダーポリマー>
A:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=8/2(質量比)の共重合体で重量平均分子量20000、酸当量430、固形分濃度50質量%の、バインダーポリマーのメチルエチルケトン溶液
<光重合性化合物>
B:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
C:コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成社製 アニロックス TO−756)
<光重合開始剤>
D:1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オンオキシムO−アセテート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 IRGACURE OXE−02)
E:トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−ターシャリブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 IRGANOX245)
<黒色着色成分>
F:カーボンブラック
Aを100質量部、Bを15質量部、Cを5質量部、Dを5質量部、Eを0.3質量部、Fを1質量部混合し、固形分量が10質量%の黒色感光性樹脂組成物のメチルエチルケトン溶液を調製した。
黒色感光性樹脂組成物溶液の作製
バインダーポリマーの溶液、光重合性化合物、光重合開始剤、及び添加剤を次に示す割合で混合し、固形成分が10質量%の、黒色感光性樹脂組成物のメチルエチルケトン溶液を得た。
<バインダーポリマー>
A:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=8/2(質量比)の共重合体で重量平均分子量20000、酸当量430、固形分濃度50質量%の、バインダーポリマーのメチルエチルケトン溶液
<光重合性化合物>
B:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
C:コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成社製 アニロックス TO−756)
<光重合開始剤>
D:1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オンオキシムO−アセテート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 IRGACURE OXE−02)
E:トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−ターシャリブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 IRGANOX245)
<黒色着色成分>
F:カーボンブラック
Aを100質量部、Bを15質量部、Cを5質量部、Dを5質量部、Eを0.3質量部、Fを1質量部混合し、固形分量が10質量%の黒色感光性樹脂組成物のメチルエチルケトン溶液を調製した。
黒色光重合性積層体の作製
上記のように調製した黒色感光性樹脂組成物溶液を、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレート製支持フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製AT301)上に、バーコーターを用いて均一に25μm厚で塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥し、黒色感光性樹脂組成物からなる黒色感光性樹脂層を形成した。次いで、該黒色感光性樹脂層上に厚み25μmのポリエチレン製保護フィルム(タマポリ(株)製GF85)を貼り合せ、黒色感光性樹脂積層体を得た。
上記のように調製した黒色感光性樹脂組成物溶液を、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレート製支持フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製AT301)上に、バーコーターを用いて均一に25μm厚で塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥し、黒色感光性樹脂組成物からなる黒色感光性樹脂層を形成した。次いで、該黒色感光性樹脂層上に厚み25μmのポリエチレン製保護フィルム(タマポリ(株)製GF85)を貼り合せ、黒色感光性樹脂積層体を得た。
透明基板上へのブラックマトリックス層の形成
上記の黒色感光性樹脂積層体の保護フィルムを剥がして、厚み0.7mmの10センチ角の無アルカリガラス基板に95℃で毎分1mの速度でラミネートした後、支持フィルムを剥がして、ブラックマトリックス層を透明基板上に形成した。
上記の黒色感光性樹脂積層体の保護フィルムを剥がして、厚み0.7mmの10センチ角の無アルカリガラス基板に95℃で毎分1mの速度でラミネートした後、支持フィルムを剥がして、ブラックマトリックス層を透明基板上に形成した。
ブラックマトリックスパターン付き透明ガラス基板の形成
ライン幅/スペース幅が30μm/200μmのパターンのガラス製フォトマスクを通して、超高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製HMW−801)により、支持フィルム側から黒色感光性樹脂層を露光した。支持フィルムを剥離した後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を25℃でスプレーし、未硬化部分の黒色感光性樹脂層を溶解除去して現像した。この時の現像時間は、未硬化部分の黒色感光性樹脂層がガラス基板から除去されるのに必要な時間、すなわち最小現像時間(BP)の5倍とした。その後、240℃で60分ポストベークし、黒色樹脂隔壁として、高さ25μmのブラックマトリックスパターンが形成された、ブラックマトリックスパターン付き透明ガラス基板を形成した。
ライン幅/スペース幅が30μm/200μmのパターンのガラス製フォトマスクを通して、超高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製HMW−801)により、支持フィルム側から黒色感光性樹脂層を露光した。支持フィルムを剥離した後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を25℃でスプレーし、未硬化部分の黒色感光性樹脂層を溶解除去して現像した。この時の現像時間は、未硬化部分の黒色感光性樹脂層がガラス基板から除去されるのに必要な時間、すなわち最小現像時間(BP)の5倍とした。その後、240℃で60分ポストベークし、黒色樹脂隔壁として、高さ25μmのブラックマトリックスパターンが形成された、ブラックマトリックスパターン付き透明ガラス基板を形成した。
OD値の測定
用いた黒色感光性樹脂層のOD値は、透過濃度計(GretagMacbeth社製)を用いて測定した。OD値は、可視光を1μm厚の試料に透過させた時の入射強度をI0、透過光強度をIとし、OD値=−log(I/I0)により定義される。
用いた黒色感光性樹脂層のOD値は、透過濃度計(GretagMacbeth社製)を用いて測定した。OD値は、可視光を1μm厚の試料に透過させた時の入射強度をI0、透過光強度をIとし、OD値=−log(I/I0)により定義される。
黒色樹脂隔壁の高さの測定
黒色樹脂隔壁の高さは、レーザー顕微鏡(島津製作所、オリンパス光学社製、OLS1100)を用い、基板の黒色樹脂隔壁形成面と黒色樹脂隔壁の上面との間の最短(すなわち垂直)距離として測定した。
黒色樹脂隔壁の高さは、レーザー顕微鏡(島津製作所、オリンパス光学社製、OLS1100)を用い、基板の黒色樹脂隔壁形成面と黒色樹脂隔壁の上面との間の最短(すなわち垂直)距離として測定した。
開口面積比(%)の算出
逆テーパー形状の黒色樹脂隔壁のライン幅を測定し、黒色樹脂隔壁の上面面積の総和を算出した。続いて、第1透明基板、第2基板及び黒色樹脂隔壁で囲まれた領域の開口部面積と黒色樹脂隔壁の上面面積との面積和に対する該開口部面積の割合を算出した。測定にはレーザー顕微鏡(島津製作所、オリンパス光学社製、OLS1100)を用いた。
逆テーパー形状の黒色樹脂隔壁のライン幅を測定し、黒色樹脂隔壁の上面面積の総和を算出した。続いて、第1透明基板、第2基板及び黒色樹脂隔壁で囲まれた領域の開口部面積と黒色樹脂隔壁の上面面積との面積和に対する該開口部面積の割合を算出した。測定にはレーザー顕微鏡(島津製作所、オリンパス光学社製、OLS1100)を用いた。
逆テーパー形状(逆テーパー角度)の観察
黒色樹脂隔壁の側面と基板の黒色樹脂隔壁形成面とがなす角度(逆テーパー角度)を測定し、その平均値を評価した。測定にはレーザー顕微鏡(島津製作所、オリンパス光学社製、OLS1100)を用いた。
黒色樹脂隔壁の側面と基板の黒色樹脂隔壁形成面とがなす角度(逆テーパー角度)を測定し、その平均値を評価した。測定にはレーザー顕微鏡(島津製作所、オリンパス光学社製、OLS1100)を用いた。
強度の評価
薄膜硬度計(DUH−201、島津製作所製)を用いて強度を測定し、以下の基準で評価した。
○:0.1Gpa以上である。
×:0.1Gpa以下である。
薄膜硬度計(DUH−201、島津製作所製)を用いて強度を測定し、以下の基準で評価した。
○:0.1Gpa以上である。
×:0.1Gpa以下である。
密着性の評価
クロスカット法(JIS K5600−5−6)用いてはがれの程度を測定し、以下の基準で評価した。
○:分類0又は1である。
×:分類2,3及び4のいずれかである。
クロスカット法(JIS K5600−5−6)用いてはがれの程度を測定し、以下の基準で評価した。
○:分類0又は1である。
×:分類2,3及び4のいずれかである。
[実施例2]
黒色感光性樹脂組成物溶液の作製と、黒色感光性樹脂積層体の作製は実施例1と同様に行った。
黒色感光性樹脂組成物溶液の作製と、黒色感光性樹脂積層体の作製は実施例1と同様に行った。
ブラックマトリックスパターン付きITO付着ポリエチレンテレフタラート基板の形成
ライン幅/スペース幅が30μm/200μmのパターンのガラス製フォトマスクを通して、超高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製HMW−801)により、支持フィルム側から黒色感光性樹脂層を露光した。支持フィルムを剥離した後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を25℃でスプレーし、未硬化部分の黒色感光性樹脂層を溶解除去して現像した。この時の現像時間は、未硬化部分の黒色感光性樹脂層がガラス基板から除去されるのに必要な時間、すなわち最小現像時間の5倍とした。その後、120℃で60分ポストベークし、黒色樹脂隔壁として、高さ25μmのブラックマトリックスパターンが形成された、ブラックマトリックスパターン付きITO付着ポリエチレンテレフタラート基板を形成した。
ライン幅/スペース幅が30μm/200μmのパターンのガラス製フォトマスクを通して、超高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製HMW−801)により、支持フィルム側から黒色感光性樹脂層を露光した。支持フィルムを剥離した後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を25℃でスプレーし、未硬化部分の黒色感光性樹脂層を溶解除去して現像した。この時の現像時間は、未硬化部分の黒色感光性樹脂層がガラス基板から除去されるのに必要な時間、すなわち最小現像時間の5倍とした。その後、120℃で60分ポストベークし、黒色樹脂隔壁として、高さ25μmのブラックマトリックスパターンが形成された、ブラックマトリックスパターン付きITO付着ポリエチレンテレフタラート基板を形成した。
逆テーパー形状の観察及び開口面積比の算出
実施例1と同様の手法を用いて行った。
実施例1と同様の手法を用いて行った。
[実施例3]
黒色感光性樹脂組成物溶液の塗布膜厚を40μmに変更すること以外は、実施例1と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
黒色感光性樹脂組成物溶液の塗布膜厚を40μmに変更すること以外は、実施例1と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
[実施例4]
黒色感光性樹脂組成物溶液の塗布膜厚を40μmに変更すること以外は、実施例2と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
黒色感光性樹脂組成物溶液の塗布膜厚を40μmに変更すること以外は、実施例2と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
[実施例5]
黒色感光性樹脂組成物のOD値を1に変更すること以外は、実施例3と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
黒色感光性樹脂組成物のOD値を1に変更すること以外は、実施例3と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
[比較例1]
カーボンブラックを用いない以外は、実施例1と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは25μmであった。
カーボンブラックを用いない以外は、実施例1と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは25μmであった。
[比較例2]
現像時間を最小現像時間の15倍へと変更する以外は実施例1と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは25μmであった。
現像時間を最小現像時間の15倍へと変更する以外は実施例1と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは25μmであった。
[比較例3]
黒色感光性樹脂組成物のOD値を4.0に変更すること以外は、実施例3と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
黒色感光性樹脂組成物のOD値を4.0に変更すること以外は、実施例3と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
[比較例4]
黒色感光性樹脂組成物のOD値を0.25に変更し、現像時間を最小現像時間の15倍へと変更する以外は実施例3と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
黒色感光性樹脂組成物のOD値を0.25に変更し、現像時間を最小現像時間の15倍へと変更する以外は実施例3と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
[比較例5]
現像時間を最小現像時間の15倍へと変更する以外は実施例3と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
現像時間を最小現像時間の15倍へと変更する以外は実施例3と同様に行った。形成されたブラックマトリックスパターンの高さは40μmであった。
[実施例6]
約0.5μm厚みの酸化インジウム電極を形成したガラス基板上に、シリカ微粒子を混入して分散させた架橋型アクリル樹脂被膜が約2μmとなるように塗工し、透明樹脂膜を形成した。その透明樹脂膜上に、高さ約50μm、線幅約30μm、ピッチ約200μmである格子状の黒色樹脂隔壁を形成した。黒色樹脂隔壁の形成は実施例1と同様の手法で実施した。次に、上記の手法で作製した格子状の黒色樹脂隔壁で隔てられた領域内に、酸化チタン粒子、分散剤、荷電制御剤、着色剤、分散媒を次に示す割合で分散、混合した。
A:ウレタンアクリル樹脂修飾した酸化チタン
B:Span85
C:Solsperse17000
D:オイルレッド
E:IsoparG
約0.5μm厚みの酸化インジウム電極を形成したガラス基板上に、シリカ微粒子を混入して分散させた架橋型アクリル樹脂被膜が約2μmとなるように塗工し、透明樹脂膜を形成した。その透明樹脂膜上に、高さ約50μm、線幅約30μm、ピッチ約200μmである格子状の黒色樹脂隔壁を形成した。黒色樹脂隔壁の形成は実施例1と同様の手法で実施した。次に、上記の手法で作製した格子状の黒色樹脂隔壁で隔てられた領域内に、酸化チタン粒子、分散剤、荷電制御剤、着色剤、分散媒を次に示す割合で分散、混合した。
A:ウレタンアクリル樹脂修飾した酸化チタン
B:Span85
C:Solsperse17000
D:オイルレッド
E:IsoparG
Aを10質量部、Bを0.5質量部、Cを0.5質量部、Dを0.05質量部、Eを95質量部混合した溶液を、黒色樹脂隔壁で隔てられた領域内に充填した。封止は、約0.5μm厚みの酸化インジウム電極を形成したガラス基板上に架橋型アクリル樹脂被膜を約2μm厚みとなるように塗工し透明樹脂膜を形成した面へ、位置合わせをしてエポキシ系接着剤にて加圧熱圧着することで実施し、画像表示装置を作製した。
以上のように作製した画像表示装置の透明電極と駆動回路を接続し、±100Vの電圧を印加して駆動したところ、粒子が動いたことを確認した。
本発明によって形成される黒色樹脂隔壁を有する基板は、例えば反射型表示装置、プラズマ表示装置、等に好ましく適用できる。
11 基板
12 黒色感光性樹脂組成物
13 フォトマスク
14,23 黒色樹脂隔壁
21 第1透明基板
22 第2基板
24 領域
12 黒色感光性樹脂組成物
13 フォトマスク
14,23 黒色樹脂隔壁
21 第1透明基板
22 第2基板
24 領域
Claims (9)
- 基板と、該基板上に形成された逆テーパー形状を有する黒色樹脂隔壁とを有する黒色樹脂隔壁付基板を製造する方法であって、
黒色感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって、黒色感光性樹脂組成物からなるOD値が0.3〜3.5である黒色感光性樹脂層を基板上に形成する塗布工程と、
黒色感光性樹脂層を活性光で露光する露光工程と、
最小現像時間の1.1〜10倍の現像時間で黒色感光性樹脂層の未硬化部分を現像除去する現像工程と、
を含む、黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。 - 前記黒色樹脂隔壁の高さが5〜100μmである、請求項1に記載の黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。
- 前記黒色樹脂隔壁の前記逆テーパー形状の側面と前記基板の黒色樹脂隔壁形成面とがなす角度の補角である逆テーパー角度が50〜89°である、請求項1又は2に記載の黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。
- 前記黒色感光性樹脂組成物が
(A) バインダーポリマー、
(B) 光重合性化合物、
(C) 光重合開始剤、及び
(D) 黒色着色成分
を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の黒色樹脂隔壁付基板の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により製造される黒色樹脂隔壁付基板。
- 略平行に対向する第1透明基板及び第2基板、該第1透明基板と該第2基板との間に形成されている黒色樹脂隔壁、並びに該第1透明基板、該第2基板及び該黒色樹脂隔壁で囲まれた領域に充填された電気光学素子を有する反射型表示装置であって、
該第1透明基板及び該黒色樹脂隔壁として請求項5に記載の黒色樹脂隔壁付基板を用いてなる、反射型表示装置。 - 前記第1透明基板、前記第2基板及び前記黒色樹脂隔壁で囲まれた前記領域内にそれぞれ複数の画素を有する、請求項6に記載の反射型表示装置。
- 前記領域の開口部の形状が、円形、又は六角形、長方形若しくは正方形である、請求項6又は7に記載の反射型表示装置。
- 前記領域の開口部の面積と前記黒色樹脂隔壁の上面面積との和に対する、前記開口部の面積の割合が、50%〜99%である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の反射型表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009083590A JP2010237327A (ja) | 2009-03-30 | 2009-03-30 | 黒色樹脂隔壁付基板の製造方法、黒色樹脂隔壁付基板及び反射型表示装置 |
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JP2009083590A JP2010237327A (ja) | 2009-03-30 | 2009-03-30 | 黒色樹脂隔壁付基板の製造方法、黒色樹脂隔壁付基板及び反射型表示装置 |
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JP (1) | JP2010237327A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9634041B2 (en) | 2014-01-14 | 2017-04-25 | Samsung Display Co., Ltd. | Display apparatus and method of manufacturing the same |
JP2018041077A (ja) * | 2016-09-05 | 2018-03-15 | 三菱ケミカル株式会社 | 隔壁形成用感光性樹脂組成物、隔壁、有機電界発光素子、画像表示装置及び照明 |
KR101896703B1 (ko) * | 2012-02-17 | 2018-10-04 | 리쿠아비스타 비.브이. | 전기 습윤 표시 장치 및 그 제조 방법 |
-
2009
- 2009-03-30 JP JP2009083590A patent/JP2010237327A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101896703B1 (ko) * | 2012-02-17 | 2018-10-04 | 리쿠아비스타 비.브이. | 전기 습윤 표시 장치 및 그 제조 방법 |
US9634041B2 (en) | 2014-01-14 | 2017-04-25 | Samsung Display Co., Ltd. | Display apparatus and method of manufacturing the same |
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