JP2010236997A - マイクロアレイ及びこれを用いた生体情報測定方法 - Google Patents

マイクロアレイ及びこれを用いた生体情報測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光量のレンジが異なる被測定物を、一度に測定することが出来るマイクロアレイとそれを用いた測定方法を提供する。
【解決手段】基板1上に、抗原又は抗体を定着した複数のスポット2がアレイ状に配列されてなる複数のアレイ領域3〜6と、これら複数のアレイ領域3〜6の外周を覆うように壁を形成する外枠7と、各アレイ領域3〜6の表面積が等しくなるように前記外枠7の内側に設けられ、高さが前記外枠7よりも低く形成された内枠8とでマイクロアレイを構成し、希釈倍率の異なる複数の希釈物溶液をそれぞれ複数のアレイ領域3〜6に内枠を乗り越えない量添加するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗原又は抗体を測定するためのマイクロアレイと、このマイクロアレイを用いた生体情報測定方法に関する。
マイクロアレイは生体分子の解析に利用されている。その利用は、遺伝子の解析や遺伝子から発現したタンパク質の機能解析など多岐に渡っている。例えば、マイクロアレイを利用した遺伝子解析であれば、個々の細胞、組織あるいは個体での遺伝子の発現の様子を網羅的に解析することが可能である。
マイクロアレイはDNAチップとも呼ばれる。ガラスやシリコン製の1×3インチ大の小基板上に、ナノリットル単位の遺伝子溶液の液滴を高密度に点着させてマイクロメートル単位の微小なスポットを形成することで、ガラスやシリコン製の基板上に遺伝子断片を固定化する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、プレート状基板に生体試料中の複数種の被測定物質の各々に対応した特異的認識部位が設けられた測定キットが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特表平10−503841号公報 特開2002−221522号公報
これらの技術を組み合わせれば、検体中の多項目の被測定物質を同時に測定するマイクロアレイを構成することは可能である。ところが、被測定物質の定性定量を発光量で測定する場合には、被測定物質間で発光量のレンジが異なると、一度に測定することが出来ないという課題があった。
そこで本発明は、被測定物質間で発光量のレンジが異なっても、一度に測定することが出来るようにすることを目的とする。
そしてこの目的を達成するために、本発明のマイクロアレイは、基板上に、抗原又は抗体を定着した複数のスポットがアレイ状に配列されてなる複数のアレイ領域と、これら複数のアレイ領域の外周を覆うように壁を形成する外枠と、各アレイ領域の表面積が等しくなるように前記外枠の内側に設けられ、高さが前記外枠よりも低く形成された内枠とで構成されたことを特徴としたものである。
さらに本発明の生体情報測定方法は、マイクロアレイを用いて体液又は排泄物内の抗原又は抗体を測定する生体情報測定方法であって、同一検体を希釈液と混合して希釈率の異なる複数の希釈物溶液を生成する工程と、前記複数の希釈物溶液をそれぞれ複数のアレイ領域に内枠を乗り越えない量添加する工程と、複数のスポットに固定化された抗原又は抗体と前記検体とを反応させる工程と、前記複数のアレイ領域に前記内枠を乗り越えない量の洗浄剤を添加する工程と、前記洗浄剤を用いて前記複数のアレイ領域をそれぞれ洗浄する工程と、前記複数のアレイ領域に前記内枠の高さより高く外枠の高さよりも低く標識剤を添加する工程と、前記複数のスポットに固定化された抗原又は抗体と前記検体との反応物と前記標識剤とを反応させる工程と、前記複数のアレイ領域に前記内枠の高さより高く外枠の高さよりも低く洗浄剤を添加する工程と、前記洗浄剤を用いて前記複数のアレイ領域を洗浄する工程と、前記複数のアレイ領域に前記内枠の高さより高く外枠の高さよりも低く基質を添加する工程と、全てのアレイ領域における前記抗原又は抗体及び前記検体及び前記標識剤との反応物と前記基質との反応により生じる発光を同時に測定する工程と、測定した前記発光から前記検体の解析を行う工程からなることを特徴としたものである。
本発明のマイクロアレイ及びこれを用いた生体情報測定方法は、基板上に、抗原又は抗体を定着した複数のスポットがアレイ状に配列されてなる複数のアレイ領域と、これら複数のアレイ領域の外周を覆うように壁を形成する外枠と、各アレイ領域の表面積が等しくなるように前記外枠の内側に設けられ、高さが前記外枠よりも低く形成された内枠とで構成されたマイクロアレイを用いて、同一検体を希釈液と混合して希釈率の異なる複数の希釈物溶液を生成する工程と、前記複数の希釈物溶液をそれぞれ複数のアレイ領域に内枠を乗り越えない量添加する工程と、複数のスポットに固定化された抗原又は抗体と前記検体とを反応させる工程と、前記複数のアレイ領域に前記内枠を乗り越えない量の洗浄剤を添加する工程と、前記洗浄剤を用いて前記複数のアレイ領域をそれぞれ洗浄する工程を含むので、被測定物質間で発光量のレンジが異なっても、一度に測定することが出来る。
以下に、本発明のマイクロアレイ及びこれを用いた生体情報測定方法の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず図1を用いてマイクロアレイの構成について説明する。図1(a)は、マイクロアレイの斜視図を、図1(b)は、マイクロアレイの上面図を示している。図1に示すようにマイクロアレイは、基板1上に、抗原又は抗体を定着した複数のスポット2がアレイ状に配列されてなる複数のアレイ領域3〜6と、これら複数のアレイ領域の外周を覆うように壁を形成する外枠7と、各アレイ領域の表面積が等しくなるように前記外枠7の内側に設けられ、高さが前記外枠よりも低く形成された内枠8とで構成されている。
本実施の形態では、複数のスポット2に固定化する抗原として、複数種のアレルゲン物質を固定化し、生体情報として、各アレルゲンに特異的に結合する人体の血液中のIgE抗体を定性定量する例を用いて説明する。
図2は、図1に示した複数のアレイ領域3〜6の各スポットへのアレルゲンのマッピングを示した例である。図2の例では、16種類のアレルゲンA〜Pを各スポットに固定化している。これらのアレルゲンは、例えば、ダニ、スギ、ムギ等である。固定化する順は、アレルゲンと検体中のIgE抗体との反応性能が最も良く、高い発光量を示すものをスポット2m〜2pに固定化し、この次に反応性能が良く、高い発光量を示すものをスポット2i〜2Lに固定化し、比較的反応性能が悪く、低い発光量を示すものをスポット2e〜2hに固定化し、反応性能が最も悪く、低い発光量を示すものをスポット2a〜2dに固定化する。
このように固定化したアレルゲンに対して、同じ希釈倍率の検体で測定を行った場合、スポット2m〜2pにおいて、最も高い発光量が検出され、スポット2i〜2L、スポット2e〜2h、スポット2a〜2dの順に発光量は低下していくことになる。しかしながら、後述するようにアレイ領域毎に異なる希釈倍率の検体を添加することにより、全てのアレイ領域において同程度の発光量に調整することが出来る。
外枠7及び内枠8は、反応液が外部に漏れ出すことが無く、抗原抗体反応、酵素反応及び発光反応に影響を示さないものであれば何でも利用可能であり、例えば、合成樹脂、ガラスや金属が利用でき、それらの表面に撥水処処理や親水処理を施した材質が利用できる。
内枠8で仕切られた各アレイ領域は、面積が等しくなるように規定される。これは、微小な検体量で攪拌操作を行った場合、面積の違いで攪拌ムラが発生し、結果的に測定値にバラツキをもたらす可能性がある。このような測定バラツキを回避するためである。
次に図3を用いて、上述したマイクロアレイを用いた生体情報測定方法について説明する。図3は本実施の形態における生体情報測定方法の処理手順を記載したフローチャートである。
まず、ステップS01において、検体(生体から採取した血液)を希釈液で希釈したものを生成する。希釈液としては、抗原抗体反応、酵素反応及び発光反応に影響しない水溶液であれば何でも良く、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液などの緩衝液、生理食塩水を用いる。そして、検体と希釈液の比を1:1にした希釈物Aと、検体と希釈液の比を1:2にした希釈物Bと、検体と希釈液の比を1:3にした希釈物Cと、検体と希釈液の比を1:4にした希釈物Dを用意する。この時、希釈倍率は、希釈物Aに対して、希釈物Bは2倍、希釈物Cは3倍、希釈物Dは4倍となる。
次に、ステップS02において、ステップS01で作成した希釈物A〜Dをマイクロアレイ上に添加する。希釈物Aをアレイ領域3、希釈物Bをアレイ領域4、希釈物Cをアレイ領域5、そして希釈物Dをアレイ領域6に添加する。この時、添加する各希釈物の量は同じにし、かつ、マイクロアレイの内枠8の高さを超えない量を添加する。内枠8を超える量を添加してしまうと、各アレイ領域での検体の希釈率が変わってしまうためである。
そして、ステップS03で、各スポットに固定化したアレルゲンと希釈物を結合させる一次反応を実施する。この一次反応は一般的な抗原抗体反応を促す手段で行われる。
一次反応が終了すると、続いて、アレルゲンと反応しなかった検体を取り除くため、洗浄工程を実施する。ステップS04は、洗浄剤を各アレイ領域に添加する工程である。この時も、ステップS02と同じく、洗浄剤は、各アレイ領域を区分けする内枠8を乗り越えないように添加する。これは、洗浄剤が他のアレイ領域と混ざると、検体の希釈倍率が異なってしまう可能性があるためである。
そして、ステップS05で各アレイ領域の洗浄を個別に行う。ここでの洗浄は、一般的な洗浄工程を用いる。これで、各スポットにアレルゲンとIgE抗体の結合物のみが残される。
次に、各スポットのアレルゲンとIgE抗体の結合物に標識を行う。標識には、IgE抗体に結合する抗IgE抗体と、この抗IgE抗体に結合する標識酵素を用いる。
まず、ステップS06で抗IgE抗体と標識酵素を混合した標識剤を外枠7内に添加する。この時、全てのアレイ領域にこの標識剤が均等に添加されるように、内枠8の高さよりも高くなるように添加量を調整する。
そして、ステップS07で、各スポットのアレルゲンとIgE抗体の結合物に、抗IgE抗体と標識酵素を結合させる二次反応を実施する。この二次反応は、一次反応と同じく一般的な抗原抗体反応を促す手段と、抗体と酵素の結合反応を促す手段で行われる。
ここで、ステップS06で添加する標識剤として、予め抗IgE抗体と標識酵素を結合したものでも良いし、IgE抗体に直接結合する標識酵素があれば、それのみを用いても良い。
二次反応が終わると、洗浄工程を実施する。ステップS08で洗浄剤を添加する。この時は、ステップS04の洗浄剤の添加とは異なり、全てのエリア領域に均等に洗浄剤が行き渡るように内枠8の高さよりも高くなるように添加量を調整する。
そして、ステップS09で未反応物の洗浄を行う。この洗浄は、ステップS05での洗浄工程と同じである。
その後、ステップS10にて、標識酵素の発光を促す基質を添加する。
基質を添加し、標識酵素と基質が反応すると、標識酵素が発光を開始するので、例えばCCD(Charge Coupled Devices)カメラ等で全てのアレイ領域を画像撮影し、発光量を輝度値として測光する(ステップS11)。
最後に、ステップS12にて、撮影した画像を解析し、各スポットに対応する画素の輝度値の大きさから、発光量を推定し、これを検量線に当てはめることで、IgE抗体の量を特定する。この時、エリア領域4〜6は、エリア領域3に比べて2〜4倍に希釈しているため、それぞれ、各スポットの輝度値を2〜4倍する。
なお、内枠8をマイクロアレイの基板1から取り外し可能な構成として、ステップS05の洗浄工程が終了した後に、この内枠8を取り外すようにしても良い。
また、内枠8は、上述した合成樹脂、ガラスや金属を用いるのではなく、マイクロアレイの基板1上に直接撥水性試薬を塗布したものであっても良い。この撥水性材料の塗布幅と厚みを変えることで、各エリア領域に分注する各種溶液の量を選択可能とすることが出来る。
このようにすると、検出システムの測定レンジ幅自体が狭い場合や、固定化抗体または抗原との反応性が良いなどの理由により、検量線の傾きが良すぎて必要な測定レンジが広い場合でも測定することが可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、基板上に、抗原又は抗体を定着した複数のスポットがアレイ状に配列されてなる複数のアレイ領域と、これら複数のアレイ領域の外周を覆うように壁を形成する外枠と、各アレイ領域の表面積が等しくなるように前記外枠の内側に設けられ、高さが前記外枠よりも低く形成された内枠とで構成されたマイクロアレイを用いて、同一検体を希釈液と混合して希釈率の異なる複数の希釈物溶液を生成する工程と、前記複数の希釈物溶液をそれぞれ複数のアレイ領域に内枠を乗り越えない量添加する工程と、複数のスポットに固定化された抗原又は抗体と前記検体とを反応させる工程と、前記複数のアレイ領域に前記内枠を乗り越えない量の洗浄剤を添加する工程と、前記洗浄剤を用いて前記複数のアレイ領域をそれぞれ洗浄する工程を含むので、被測定物質間で発光量のレンジが異なっても、一度に測定することが出来る。
なお、各スポットへのアレルゲンのマッピングについては、上述したものとは別に、次のように配置しても良い。例えば、アレイ領域4のスポット2eに固定化したアレルゲンEの検量線を予め求めた際に、この検量線の、検体量に比例する発光量の傾きが大きい時は、1つの希釈倍率では、発光量が測定レンジよりも大きい、または小さくなってしまい測定困難となる可能性もある。
そこで、このアレルゲンEをスポット2a、スポット2i及びスポット2mにも固定化し、測定の際には、アレイ領域のアレルゲンEを固定化した全てのスポットの発光量を測光し、発光量が最も測定が安定するレンジに入っているものを選択して測定値とする。このためには、全てのアレイ領域における検量線の一部が重複するように、各アレイ領域に添加する検体の希釈倍率を調整する必要がある。
〔実施例1〕
上述したマイクロアレイの基板1の各スポット2にダニアレルゲンを固定化し、3通りの希釈倍率で検体を希釈した希釈物を用いて、モデル実験を行った。図4が、このモデル実験を行ったマイクロアレイの模式図を示したものである。このマイクロアレイは、基板9と3列に6個ずつ並んだスポット10と、これら1列を一つのアレイ領域11として、これら3つのアレイ領域11〜13を囲む外枠14と内枠15、16で構成した。
基板1にはアレイ領域11〜13にニトロセルロース処理が行なわれた基板(GenTel社、 PATH Protein Microarray Slide)を用いた。各スポット10への塗布溶液中には、診断用ALGスクラッチエキス ダニ(鳥居薬品株式会社)にグリセロール、BSA及びPBSを添加後、混合した。グリセロールは自身が持つ粘性のために塗布時のばらつきを抑制できるので、塗布時の再現性向上剤として添加した。BSA及びPBSは、ダニ アレルゲンの溶液時の構造安定化剤として添加した。塗布用混合液は、グリセロール、BSA及びPBSを添加することで、診断用ALGスクラッチエキス ダニが15倍希釈されるように調整した。調整した塗布用混合液を、1スポットあたりの塗布量が3nLになるように、MicroCaster(Whatman社)を用いて基板表面へ塗布を行なった。塗布サンプルは、濡らした布を敷いたタッパー中で、25℃の下、1晩放置し固定化させた。
外枠14は、市販品のSingle Well Incubation Chamber(Whatman社製)及びChip ClipTM Slide Holder(Whatman社製)を用い、ゴムパッキンを要するSingle Well Incubation Chamberにスライドガラスの一辺を当てて、スライドガラスとともにSingle Well Incubation ChamberをChip ClipTM Slide Holderの溝の部分に押し込むことで作成した。
内枠15、16は、撥水性材料を基板1上に塗布することで形成した。具体的には、スーパー・パップペン リキッドブロッカー(コスモバイオ株式会社)を基板1の表面上に塗布し、内枠15、16を形成した。内枠15、16として用いたリキッドブロッカー液を十分に乾燥させるために、室温で2時間乾燥させた。
次に、3%スキムミルクに25mM Tris−HCl、0.45M NaCl、0.1% Tween20を添加したものをブロッキング剤として基板1上に添加した。ブロッキング剤の添加時には、内枠を飛び越え全てのアレイ領域11〜13にブロッキング剤が満たされるように500μL添加した。ブロッキング処理は、振とう機で攪拌しながら、30分行なった。このブロッキング剤は、スポット10に固定化されたアレルゲンとは結合せず、むき出しの基板表面にのみ結合する高分子のものであるため、このブロッキングを行なうことで、検体中に含まれるタンパク質や核酸がスポット10以外へ吸着し、この後の処理で悪影響を及ぼすことを抑制することができる。このようにして、マイクロアレイを作成した。
次に、このマイクロアレイを用いて測定を行った。まず、希釈物溶液を生成する工程を行った。希釈物溶液として、次のように濃度の異なる3つを準備した。1つ目は血清5μLとCan Get Signal I(TOYOBO)を25μLとを混合したもの。
2つ目は、血清2μLと1×PBS3μLとCan Get Signal Iを25μLとを混合したもの。3つ目は血清0.5μLと1×PBS4.5μLとCan Get Signal Iを25μLとを混合したものである。Can Get Signal Iは、反応効率を高めるために添加した。
次に、希釈検体の添加と一次反応を行った。1つ目の希釈物溶液をアレイ領域13に、2つ目の希釈物溶液をアレイ領域12に、3つ目の希釈物溶液をアレイ領域11に添加した。その後、振とう機で1時間の攪拌を行った。添加から一次反応にかけて内枠15、16を希釈物溶液が越えて混合していないことを確認した。
引き続き、洗浄剤の添加と洗浄を行った。各アレイ領域11〜13から希釈物溶液を除去した後に洗浄液を50μLずつ添加し、各アレイ領域11〜13内で別々に洗浄を行った。
次に、標識剤の添加と二次反応を実施した。本実施例では、先に抗体を添加して検体と反応させた後、標識酵素を添加して、先に添加した抗体と結合させるようにした。まず、抗体として、抗IgE抗体(BECKMAN COULTER社、Cell Lab Mouse Anti−Human IgE)を含むビオチン化した抗体溶液を添加した。この時、内枠15、16を超えて全てのアレイ領域11〜13に等しく抗体溶液が行き渡る様に、450μL添加した。その後、25℃に保って、振とう機を用いて1時間攪拌しながら反応を促した。 そして、洗浄液を500μL添加して、3回の洗浄を行った。
その後、標識酵素として、ルシフェラーゼ(キッコーマン社、Intelite ABのStreptavidin−Biotinylated Luciferase Complex)を含むストレプトアビジン化した標識酵素溶液を添加した。抗体溶液と同様に450μL添加し、25℃に保ったまま振とう機で1時間攪拌を行った。そして、洗浄液を500μL添加して、3回の洗浄を行った。
その後、2次測光用の基質溶液と同じ組成で基質だけ除いた溶液を基板上に内枠を飛び越え外枠全面に満たされるように500μL添加することでバッファ交換を1回行なった。ここで、バッファ交換とは、次の反応(発光反応)を行うときの効率の良いpHで反応を行うための下準備である。具体的な処理としては、発光基質のみを除いた試薬溶液で基板表面を洗浄することで、基板表面にそれまでの洗浄操作で存在していた化合物を、より効率の良い化合物に置き換える操作を実施する。
その後、基質添加と測光を実施した。基質を添加すると発光が始まるので、基質を添加する前にマイクロアレイをCCDカメラと対向したステージに固定した。そして、基質溶液として、ルシフェリン溶液(キッコーマン社、Intelite ABのLuminescence Substrate)を450μL添加した。添加開始と共にCCDカメラでマイクロアレイを5分間撮影し、CCDカメラの各画素の輝度の5分間の積算値をマッピングした画像を生成した。
そして、画像解析の工程で、マイクロアレイの各スポットに対応する画素を特定し、その輝度値を測定値とした。
図5は、測光の工程で出力された、各画素の輝度の5分間の積算値をマッピングした画像を示す図である。輝度値が大きいほど、白くなっている。図内の白い四角枠17〜19は、アレイ領域11〜13を視覚的に判別しやすいように画像に後付けしたものであり、実際の画像の輝度値を表した物ではない。四角枠17がアレイ領域11、四角枠18がアレイ領域12、四角枠19がアレイ領域13に対応している。
図5から明らかなように、検体量に比例して発光量が多いことが分かる。図6にこの発光量とIgE値の関係をプロットしたグラフを示す。本実施例で用いた血清は予めダニIgE抗体の割合が既知のものを用いたので、希釈倍率から実際のダニIgE抗体量は自明である。よって、横軸は希釈倍率ではなくダニIgE抗体量を示した。左から順にアレイ領域11、アレイ領域12、アレイ領域13の輝度値の総和をプロットしており、この3点から、回帰法の決定係数Rが得られるが、これがR=0.9985であり、このことから、検体量に比例した発光量が得られていることが分かる。
〔実施例2〕
実施例1と同様の実験を行ったが、希釈物溶液を作成する際の添加物として、Can Get Signal Iの代わりにTBST(25mM Tris−HCl、0.45M NaCl、0.1%(v/v) Tween−20)を添加した。
この時の希釈物溶液の希釈度合いは次の通りである。1つ目の希釈物溶液は、血清2μLとTBST28μL。2つ目の希釈物溶液は、血清1μLと1XPBS1μLとTBST28μL。3つ目の希釈物溶液は、血清0.5μLと1XPBS1.5μLとTBST28μLである。
図7に測定結果をプロットしたグラフを示す。図7のプロットは、左から3つ目の希釈物溶液を添加したアレイ領域、2つ目の希釈物溶液を添加したアレイ領域、1つ目の希釈物溶液を添加したアレイ領域の発光量となっている。実施例1で用いた血清と同じであり、ダニIgE抗体量を横軸に示した。この3点から、回帰法の決定係数Rが得られるが、これがR=0.9994であり、このことから、実施例1と同様に検体量に比例した発光量が得られていることが分かる。
但し、実施例1に比較して全体的に発光量が低い傾向がある。これは希釈物溶液に加えた、Can Get Signal IとTBSTとの違いによる検体の定着度の違いであると考えられる。このように、添加物によって発光量の相対値が変わる時には、本発明を用いれば、希釈倍率を変更することで、同じ測定レンジに収めることが可能である。
本発明にかかるマイクロアレイ及びこれを用いた生体情報測定方法は、相対的な発光量の差から同じ測定レンジで測定するものが困難な測定対象物も同時に測定出来るようにしたので、さまざまな生体情報を同時に測定する装置等にも有用である。
本発明の実施の形態におけるマイクロアレイの構成を示す図 アレルゲンのマッピングを説明する図 生体情報測定方法のフローチャート 実施例1及び2におけるマイクロアレイの構成を示す図 実施例1における測光画像を示す図 実施例1における輝度値のグラフ 実施例2における輝度値のグラフ
1 基板
2 複数のスポット
3、4、5、6 アレイ領域
7 外枠
8 内枠
9 基板
10 スポット
11、12、13 アレイ領域
14 外枠
15、16 内枠
17、18、19 四角枠

Claims (9)

  1. 基板上に、
    抗原又は抗体を定着した複数のスポットがアレイ状に配列されてなる複数のアレイ領域と、
    これら複数のアレイ領域の外周を覆うように壁を形成する外枠と、
    各アレイ領域の表面積が等しくなるように前記外枠の内側に設けられ、高さが前記外枠よりも低く形成された内枠とで構成されたマイクロアレイ。
  2. 複数のスポットは、それぞれ結合対象の異なる抗原又は抗体を固定化した請求項1に記載のマイクロアレイ。
  3. 一つのアレイ領域の中に、発光量差が小さい複数のスポットを配置した請求項1または2に記載のマイクロアレイ。
  4. 一つのアレイ領域の中に、発光量差が大きい複数のスポットを配置した請求項1または2に記載のマイクロアレイ。
  5. 内枠は、撥水性材料を基板表面に塗布して形成する請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロアレイ。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載されたマイクロアレイを用いて体液又は排泄物内の抗原又は抗体を測定する生体情報測定方法であって、
    同一検体を希釈液と混合して希釈率の異なる複数の希釈物溶液を生成する工程と、
    前記複数の希釈物溶液をそれぞれ複数のアレイ領域に内枠を乗り越えない量添加する工程と、
    複数のスポットに固定化された抗原又は抗体と前記検体とを反応させる工程と、
    前記複数のアレイ領域に前記内枠を乗り越えない量の洗浄剤を添加する工程と、
    前記洗浄剤を用いて前記複数のアレイ領域をそれぞれ洗浄する工程と、
    前記複数のアレイ領域に前記内枠の高さより高く外枠の高さよりも低く標識剤を添加する工程と、
    前記複数のスポットに固定化された抗原又は抗体と前記検体との反応物と前記標識剤とを反応させる工程と、
    前記複数のアレイ領域に前記内枠の高さより高く外枠の高さよりも低く洗浄剤を添加する工程と、
    前記洗浄剤を用いて前記複数のアレイ領域を洗浄する工程と、
    前記複数のアレイ領域に前記内枠の高さより高く外枠の高さよりも低く基質を添加する工程と、
    全てのアレイ領域における前記抗原又は抗体及び前記検体及び前記標識剤との反応物と前記基質との反応により生じる発光を同時に測定する工程と、
    測定した前記発光から前記検体の解析を行う工程からなる生体情報測定方法。
  7. 前記解析を行う工程は、
    第一に最も希釈率の低い検体が添加されたアレイ領域の発光を測定したデータを用いて解析を行い、
    前記発光の輝度が飽和したスポットがある場合は、
    次に2番目に希釈率が低いアレイ領域の発光を測定したデータの前記飽和したスポットに対応するスポットの情報を用いて解析を行う請求項4に記載の生体情報測定方法。
  8. 複数のアレイ領域をそれぞれ洗浄する工程と標識剤を添加する工程の間に、内枠を取り除く工程を設けた請求項6または7に記載の生体情報測定方法。
  9. 希釈物溶液を生成する工程において、
    前記複数の希釈物溶液の希釈率が、検体中の測定対象物のうち、最も発光量が少ないスポットの発光を測定可能な希釈率になるように調製する請求項6から8のいずれか一項に記載の生体情報測定方法。
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