JP2010236004A - 方向性電磁鋼板の製造時における焼鈍分離剤の塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】方向性電磁鋼板に対し、コイル状のまま、高温、長時間の二次再結晶焼鈍を施した場合に懸念されたコイル下面側における形状に関する問題等の解決を図る。
【解決手段】一次再結晶焼鈍後の鋼板に焼鈍分離剤を塗布するに際し、常法に従って鋼板の表面に焼鈍分離剤スラリーを塗布し、コイルに巻き取ったのち、そのコイル状のままコイル幅方向端部の少なくとも一端を、焼鈍分離剤の添加成分を含有するスラリーまたは溶液に、浸漬または接触させて、該コイルの幅方向端部に焼鈍分離剤を追加塗布する。
【選択図】図2
【解決手段】一次再結晶焼鈍後の鋼板に焼鈍分離剤を塗布するに際し、常法に従って鋼板の表面に焼鈍分離剤スラリーを塗布し、コイルに巻き取ったのち、そのコイル状のままコイル幅方向端部の少なくとも一端を、焼鈍分離剤の添加成分を含有するスラリーまたは溶液に、浸漬または接触させて、該コイルの幅方向端部に焼鈍分離剤を追加塗布する。
【選択図】図2
Description
この発明は、方向性電磁鋼板の製造時における焼鈍分離剤の塗布方法に関し、特にコイル状のまま、高温、長時間の二次再結晶焼鈍を施した場合に懸念されたコイル下面側における形状に関する問題の有利な解決を図ったものである。
電磁鋼スラブは、転炉または電気炉等により溶製した溶鋼を、必要に応じて真空脱ガス処理したのち、連続鋳造または造塊後分塊圧延を行うことによって得られる。ついで、スラブを熱間圧延したのち、得られた熱間圧延板に対し、通常、磁気特性の向上を目的として短時間の焼鈍を施す。その後、一回または焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延により最終板厚とする。冷間圧延後の鋼板には、一次再結晶焼鈍を施したのち、焼鈍分離剤を塗布し、コイル状にしてから、800〜1200℃、数10時間程度の二次再結晶焼鈍を施す。
コイル状で行う高温、長時間の焼鈍に際しては、鋼板同士の融着防止のために、二次再結晶焼鈍に先立ち、一次再結晶後の鋼板の表面に焼鈍分離剤を塗布する。塗布方法としては、焼鈍分離剤を水スラリーとしロールコーターなどで鋼板に塗布する方法、静電塗布により鋼板に粉体を付着させる方法などが公知である。いずれの方法においても、焼鈍分離剤は鋼板上に均一かつ均質に存在するように制御されている。
通常、焼鈍分離剤の塗布後、コイル状に巻取り、コイルの幅方向端部がそれぞれ上面、下面となるようにコイルを設置して、二次再結晶焼鈍が施される。コイル状で焼鈍する理由の一つとしては、上述したように、二次再結晶焼鈍が、高温、長時間の焼鈍となるため、連続焼鈍で行うことが極めて難しいことなどが挙げられる。
このように、二次再結晶焼鈍はコイル状態で行うが故に、不可避的な問題点を有している。
その一つが、コイル下面で生じる問題である。この問題は、高温、長時間の焼鈍の間に、コイルの自重によってコイル下面側が変形し、製品の歩留りを低減させたり、コイルを巻き解く際に割れの起点となり、二次再結晶焼鈍後の工程の通板性が低下するといったものである(例えば、特許文献1,2)。
その一つが、コイル下面で生じる問題である。この問題は、高温、長時間の焼鈍の間に、コイルの自重によってコイル下面側が変形し、製品の歩留りを低減させたり、コイルを巻き解く際に割れの起点となり、二次再結晶焼鈍後の工程の通板性が低下するといったものである(例えば、特許文献1,2)。
上述したように、方向性電磁鋼板の二次再結晶焼鈍は、コイル状のままコイル幅方向端部が上下面となるような姿勢で、高温長時間実施するため、コイル下面側で形状に関する問題が生じることがあった。
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、コイル状のまま、高温、長時間の二次再結晶焼鈍を施した場合であっても、コイル下面側に、変形や割れ等の形状に関する問題が発生することのない、焼鈍分離剤の塗布方法を提案することを目的とする。
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、コイル状のまま、高温、長時間の二次再結晶焼鈍を施した場合であっても、コイル下面側に、変形や割れ等の形状に関する問題が発生することのない、焼鈍分離剤の塗布方法を提案することを目的とする。
以下、本発明の解明経緯について説明する。
さて、発明者らは、コイル下面で生じる変形を抑制するために種々の検討を重ねた結果、変形抑制のためには、高温条件下での強度を高めることが重要であると考えた。高温での強度を高めるには、鋼板に添加する固溶元素を増加することが考えられる。しかしながら、仮に製鋼段階で合金元素の添加を行った場合、コイル全体の磁気特性劣化につながる。
さて、発明者らは、コイル下面で生じる変形を抑制するために種々の検討を重ねた結果、変形抑制のためには、高温条件下での強度を高めることが重要であると考えた。高温での強度を高めるには、鋼板に添加する固溶元素を増加することが考えられる。しかしながら、仮に製鋼段階で合金元素の添加を行った場合、コイル全体の磁気特性劣化につながる。
そこで、変形等が問題となる箇所のみに固溶元素を増量する方法について、鋭意検討を重ねた。その結果、
a)焼鈍分離剤に添加するTiO2量を過剰にすると、Tiが鋼中に浸入する、
b)TiO2量を過剰に添加した焼鈍分離剤をコイル端部のみに塗り分けることによって、コイル端部のみで、合金元素としてのTiの増量を図ることができる
ことを見出した。
しかしながら、コイル幅方向端部のみへの別スラリー(または溶液)の塗り分けは、一度の作業で行うことは困難であり、二度に分けて行う必要があるが、二度に分けて実施した場合、コイル状に巻取る際にテーパがつくといった問題が生じた。
a)焼鈍分離剤に添加するTiO2量を過剰にすると、Tiが鋼中に浸入する、
b)TiO2量を過剰に添加した焼鈍分離剤をコイル端部のみに塗り分けることによって、コイル端部のみで、合金元素としてのTiの増量を図ることができる
ことを見出した。
しかしながら、コイル幅方向端部のみへの別スラリー(または溶液)の塗り分けは、一度の作業で行うことは困難であり、二度に分けて行う必要があるが、二度に分けて実施した場合、コイル状に巻取る際にテーパがつくといった問題が生じた。
そこで、この問題を解決すべくさらに検討を重ねた結果、コイル状に巻取った後、コイルの端部のみを、TiO2を増量したスラリーまたは溶液に漬けることで、精度よい塗り分けが可能であることを見出した。
通常、コイルは形状を保つため、タイトに巻かれている。これに対し、毛細管現象の利用により鋼板間に浸透させることを考えた。毛細管現象を利用する場合、当然のことながら、液の密度や表面張力、鋼板間の隙間間隔によって、塗布可能範囲、塗布に必要な時間は異なる。しかしながら、同一のスラリー(溶液)を利用する場合には、時間を規定することで、端部からの塗布範囲を制御できることが確認された。
通常、コイルは形状を保つため、タイトに巻かれている。これに対し、毛細管現象の利用により鋼板間に浸透させることを考えた。毛細管現象を利用する場合、当然のことながら、液の密度や表面張力、鋼板間の隙間間隔によって、塗布可能範囲、塗布に必要な時間は異なる。しかしながら、同一のスラリー(溶液)を利用する場合には、時間を規定することで、端部からの塗布範囲を制御できることが確認された。
しかも、鋼板ままの状態では、隙間間隔のばらつきにより、一定の時間浸漬したのちの塗布領域も位置によってばらつくが、予め焼鈍分離剤を塗布してからコイルに巻き取った状態で浸漬すると、先に塗布した焼鈍分離剤の存在によってばらつきが緩和され、より均一な範囲に塗布されることも併せて見出された。
以下、上記の知見を得た実験について説明する。
まず、タイトに巻いたコイルを、コイル幅方向端部が上面、下面となる配置とし、下面側をTiO2を添加したスラリー(TiO2濃度:20mass%)にそれぞれ、10秒、60秒、300秒間浸漬した(図1参照のこと)。その後、1000℃、30時間の二次再結晶(内5時間は還元雰囲気)を行ったのち、得られた二次再結晶後のコイルの幅方向エッジから5mm間隔で引張試験片を採取した。引張試験片はフォルステライト被膜を酸洗により除去し、鋼板のみとした状態で、900℃で歪速度:20%/分の引張試験により評価した。
得られた結果を図2に示す。
まず、タイトに巻いたコイルを、コイル幅方向端部が上面、下面となる配置とし、下面側をTiO2を添加したスラリー(TiO2濃度:20mass%)にそれぞれ、10秒、60秒、300秒間浸漬した(図1参照のこと)。その後、1000℃、30時間の二次再結晶(内5時間は還元雰囲気)を行ったのち、得られた二次再結晶後のコイルの幅方向エッジから5mm間隔で引張試験片を採取した。引張試験片はフォルステライト被膜を酸洗により除去し、鋼板のみとした状態で、900℃で歪速度:20%/分の引張試験により評価した。
得られた結果を図2に示す。
同図から明らかなように、いずれの場合も、コイル端部で高温強度が上昇する傾向が認められ、またスラリー状に静置した時間によって、高温強度が上昇する範囲が広くなっていくことが判明した。
また、これらの効果により、コイル下部の変形が抑制されることも確認された。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
また、これらの効果により、コイル下部の変形が抑制されることも確認された。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.方向性電磁鋼板の製造過程で、一次再結晶焼鈍後の鋼板に焼鈍分離剤を塗布するに当たり、該鋼板の表面に焼鈍分離剤スラリーを塗布し、ついでコイルに巻き取ったのち、そのコイル状のままコイル幅方向端部の少なくとも一端を、焼鈍分離剤の添加成分を含有するスラリーまたは溶液に、浸漬または接触させて、該コイル幅方向端部に焼鈍分離剤を追加塗布することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造時における焼鈍分離剤の塗布方法。
1.方向性電磁鋼板の製造過程で、一次再結晶焼鈍後の鋼板に焼鈍分離剤を塗布するに当たり、該鋼板の表面に焼鈍分離剤スラリーを塗布し、ついでコイルに巻き取ったのち、そのコイル状のままコイル幅方向端部の少なくとも一端を、焼鈍分離剤の添加成分を含有するスラリーまたは溶液に、浸漬または接触させて、該コイル幅方向端部に焼鈍分離剤を追加塗布することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造時における焼鈍分離剤の塗布方法。
2.前記コイル幅方向端部の少なくとも一端において、焼鈍分離剤を追加塗布する領域が、コイル幅方向エッジから3mm以上300mm以下の領域であることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造時における焼鈍分離剤の塗布方法。
この発明によれば、二次再結晶焼鈍時にコイル下部に生じる形状に関する問題を解消して、方向性電磁鋼板の製造における製品歩留りの向上と二次再結晶焼鈍以後の工程の通板性の確保の両者を併せて達成することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、二次再結晶焼鈍をコイル状で実施する一般的な方向性電磁鋼板を製造する際に、二次再結晶焼鈍前に巻き取ったコイル状態のまま焼鈍分離剤の追加塗布処理を付加することによって、コイル端部のみに新しい特性の付与を可能するものである。従って、それ以外の工程については、従来公知の方向性電磁鋼板の製造工程のいずれもが適用可能である。
本発明は、二次再結晶焼鈍をコイル状で実施する一般的な方向性電磁鋼板を製造する際に、二次再結晶焼鈍前に巻き取ったコイル状態のまま焼鈍分離剤の追加塗布処理を付加することによって、コイル端部のみに新しい特性の付与を可能するものである。従って、それ以外の工程については、従来公知の方向性電磁鋼板の製造工程のいずれもが適用可能である。
また、本発明は、過剰TiO2塗布時における鋼中浸Tiの現象をベースに開発を行ったが、必ずしもこれだけに限るものではなく、例えば酸化錫(SnO2)や酸化アンチモン(Sb2O3)などをコイル端部用の焼鈍分離剤中に添加することによって、SnやSbなどを鋼中に浸入させることもできる。これらも、Ti同様、高温強度の上昇に寄与するものである。また、コイル下部だけでなく、上下部共に実施し、コイル幅方向両端部の高温強度を高めた場合には、次工程での耳延びの抑止効果も期待される。このように、コイル端部に生じる問題に対して、コイル幅方向端部に高温焼鈍中に鋼中に拡散し浸入する元素を含有したスラリーまたは溶液を塗布することにより、コイル端部の特定の領域に新しい特性を付与することができる。
この場合、追加塗布用のスラリーや溶液における添加成分の濃度は、例えば5〜50mass%程度など、目的に応じて適宜調整すればよい。
この場合、追加塗布用のスラリーや溶液における添加成分の濃度は、例えば5〜50mass%程度など、目的に応じて適宜調整すればよい。
上記したような固溶元素の増加は、磁気特性の劣化を引き起こすおそれがあるため、かような追加塗布処理は、製品として問題のないコイル端部に限定することが肝要である。ここに、コイルエッジからの追加塗布領域が300mmを超えると、製品として使用できる板幅が減り、結果として歩留りの低下を招くことになる。一方、3mm未満では十分な効果が期待できない。それ故、焼鈍分離剤を追加塗布する領域は、コイル幅方向エッジから3mm以上300mm以下とすることが好ましい。
また、コイル端部に付与する新しい特性は、高温強度のみに限られるものではない。
すなわち、コイル状態の焼鈍では上部、下部で温度のばらつきが生じる。例えば、特許文献3などには、コイル内の温度分布を小さくする方法が多数開示されているが、温度分布が完全になくなるわけではなく、これにより二次再結晶や端部被膜の劣化などが生じる場合がある。これらについても、本発明に従い、コイル端部に対して焼鈍分離剤組成とは異なる追加スラリーまたは溶液を追加塗布することにより、コイル端部における問題を解決することができる。この場合の添加成分としては、例えば特許文献4に開示の水酸化物や硫酸塩等が好適である。
さらに、本発明を適用すれば、コイル幅方向端部における二次再結晶不良などの問題を解決することもできる。この場合の添加成分としては、例えば特許文献5に記載のNb2O5等が好適である。
すなわち、コイル状態の焼鈍では上部、下部で温度のばらつきが生じる。例えば、特許文献3などには、コイル内の温度分布を小さくする方法が多数開示されているが、温度分布が完全になくなるわけではなく、これにより二次再結晶や端部被膜の劣化などが生じる場合がある。これらについても、本発明に従い、コイル端部に対して焼鈍分離剤組成とは異なる追加スラリーまたは溶液を追加塗布することにより、コイル端部における問題を解決することができる。この場合の添加成分としては、例えば特許文献4に開示の水酸化物や硫酸塩等が好適である。
さらに、本発明を適用すれば、コイル幅方向端部における二次再結晶不良などの問題を解決することもできる。この場合の添加成分としては、例えば特許文献5に記載のNb2O5等が好適である。
このように、本発明に従い、コイル形状のままコイル幅方向端部を、スラリーまたは溶液に浸漬または接触させることで、コイル端部:3〜300mmの領域に焼鈍分離剤を追加塗布することが可能である。塗布範囲を制御したい場合、コイル状のままコイル幅方向端部が上面、下面となる状態としたのち、スラリーまたは溶液にコイル下面側のみを浸漬させるようにすれば、浸漬時間による制御が可能である。
実施例1
C:0.05mass%、Si:3.3mass%、Mn:0.10mass%、Se:0.020mass%およびSb:0.01mass%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延したのち、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延にて最終板厚:0.23mmに仕上げ、ついで1次再結晶焼鈍後、鋼板表面に焼鈍分離剤(MgOにTiO2を1mass%添加)を塗布してから、張力:80MPaでコイル状に巻取った。次に、二次再結晶焼鈍炉のコイル設置場所にMgOにTiO2を10mass%添加したスラリーを設置しておき、その中にコイル幅方向端部が上下面になるような姿勢でコイル下面側を10分間浸漬したのち、二次再結晶焼鈍を開始した。また、比較のため、設置したスラリーによる追加塗布を行わず、通常どおりの焼鈍を行った。
C:0.05mass%、Si:3.3mass%、Mn:0.10mass%、Se:0.020mass%およびSb:0.01mass%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延したのち、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延にて最終板厚:0.23mmに仕上げ、ついで1次再結晶焼鈍後、鋼板表面に焼鈍分離剤(MgOにTiO2を1mass%添加)を塗布してから、張力:80MPaでコイル状に巻取った。次に、二次再結晶焼鈍炉のコイル設置場所にMgOにTiO2を10mass%添加したスラリーを設置しておき、その中にコイル幅方向端部が上下面になるような姿勢でコイル下面側を10分間浸漬したのち、二次再結晶焼鈍を開始した。また、比較のため、設置したスラリーによる追加塗布を行わず、通常どおりの焼鈍を行った。
かくして得られた2種類のコイルについて、二次再結晶後のコイル下部相当位置のコイル長手方向にわたる形状不良長さを調査した。
その結果、比較例では、コイル下部相当位置の形状不良長さが500mにも及んだが、発明例では極めて軽微なものが確認されたものの、問題となるレベルの形状不良は確認されなかった。
その結果、比較例では、コイル下部相当位置の形状不良長さが500mにも及んだが、発明例では極めて軽微なものが確認されたものの、問題となるレベルの形状不良は確認されなかった。
実施例2
C:0.08mass%、Si:3.1mass%およびMn:0.02mass%を含有し、かつAl,S,N,Oは全て30ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延したのち、1回の冷間圧延にて最終板厚:0.35mmに仕上げ、ついで1次再結晶焼鈍後、鋼板表面に焼鈍分離剤(Al2O3)を塗布してから、コイル状に巻取った。次に、二次再結晶焼鈍炉に装入する前に、Sn酸化物(Sn含有量:25mass%)をスラリー状としたものの上に、コイル端部が上下面になるような姿勢でコイルを5分間放置した。その後、一旦200℃の炉内に1時間装入した後、コイルの上下を反転させてから、同様の処理を施した。また、比較例に対しては、このような処理は行わなかった。その後、得られたコイルを1000℃で焼鈍し、二次再結晶させた。
C:0.08mass%、Si:3.1mass%およびMn:0.02mass%を含有し、かつAl,S,N,Oは全て30ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延したのち、1回の冷間圧延にて最終板厚:0.35mmに仕上げ、ついで1次再結晶焼鈍後、鋼板表面に焼鈍分離剤(Al2O3)を塗布してから、コイル状に巻取った。次に、二次再結晶焼鈍炉に装入する前に、Sn酸化物(Sn含有量:25mass%)をスラリー状としたものの上に、コイル端部が上下面になるような姿勢でコイルを5分間放置した。その後、一旦200℃の炉内に1時間装入した後、コイルの上下を反転させてから、同様の処理を施した。また、比較例に対しては、このような処理は行わなかった。その後、得られたコイルを1000℃で焼鈍し、二次再結晶させた。
かくして得られた2種類のコイルについて、二次再結晶後コイル下端部のつぶれ具合を目視で判定すると共に、コイル上端部より10mmの位置から、コイル長手方向が引張方向となるようにJIS 13号−B試験片を採取して、900℃で引張試験を行い、引張強度を測定した。
その結果、発明例では下端部のつぶれが著しく軽減されており、引張強度も18MPaと、比較例の11MPaに対して、大幅に改善されていた。
その結果、発明例では下端部のつぶれが著しく軽減されており、引張強度も18MPaと、比較例の11MPaに対して、大幅に改善されていた。
この発明に従い、方向性電磁鋼板の製造において、二次再結晶焼鈍をコイル状で行う場合に懸念された変形や割れ等の問題が解消される。従って、本発明によれば、方向性電磁鋼板を、工業的に安定して製造することが可能となり、その工業的価値は極めて大きい。
Claims (2)
- 方向性電磁鋼板の製造過程で、一次再結晶焼鈍後の鋼板に焼鈍分離剤を塗布するに当たり、該鋼板の表面に焼鈍分離剤スラリーを塗布し、ついでコイルに巻き取ったのち、そのコイル状のままコイル幅方向端部の少なくとも一端を、焼鈍分離剤の添加成分を含有するスラリーまたは溶液に、浸漬または接触させて、該コイル幅方向端部に焼鈍分離剤を追加塗布することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造時における焼鈍分離剤の塗布方法。
- 前記コイル幅方向端部の少なくとも一端において、焼鈍分離剤を追加塗布する領域が、コイル幅方向エッジから3mm以上300mm以下の領域であることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造時における焼鈍分離剤の塗布方法。
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---|---|---|---|---|
JP2017095735A (ja) * | 2015-11-18 | 2017-06-01 | 新日鐵住金株式会社 | 方向性電磁鋼板とその製造方法 |
CN113801983A (zh) * | 2020-06-15 | 2021-12-17 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种薄规格取向硅钢的防粘结处理方法 |
RU2823165C1 (ru) * | 2020-01-31 | 2024-07-18 | Публичное акционерное общество "Северсталь" | Модифицированные композиции из стали и способы их получения |
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