JP2010233846A - 電気刺激装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の寿命を延ばし、さらに、一方の刺激装置が使えなくなった場合でも他方の刺激装置でそのバックアップをすることができるようにする。
【解決手段】第一、第二の神経刺激装置は、電源部と、該電源部から供給される電力により刺激信号を生成する刺激信号発生部を備えている。そして、第一の神経刺激装置と第二の神経刺激装置は、電極リードで接続され、この電極リードに各神経刺激装置からの神経刺激信号が供給される。この電極リードは絶縁物からなるリードボディで覆われ、このリードボディ上には少なくとも一つの刺激電極が設けられている。そして、第一の神経刺激装置が電池残量の不足等に事態に陥ったときには、その状態が第二の神経刺激装置に引き継がれて、円滑な神経刺激の移行が行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、刺激対象物に対し電気刺激する電気刺激装置に関し、特に、2つの刺激装置が1本の電極リードに接続された電気刺激装置の制御に関する。
痛み治療において、従来の薬物療法、神経ブロック療法、外科的療法に効果を示さなかったり、副作用などによりその治療が継続できない場合に、神経を電気刺激することにより痛みを緩和する電気刺激療法が効果を挙げている。電気刺激療法である脊髄電気刺激療法は、脊髄を覆う脊髄硬膜の外側に電極リードを留置して電気刺激を行う療法である。また、末梢神経電気刺激療法は、末梢神経に直接あるいは当該末梢神経の近くの皮下に電極リードを留置して電気刺激を行う療法である。これら脊髄電気刺激療法および末梢神経電気刺激療法では、脊髄や末梢神経を介した痛みの伝達に電気的刺激を利用して干渉することにより、痛みを緩和することができる。
近年、片頭痛や群発頭痛に対する末梢神経電気刺激療法の試みがなされている。これは、頸椎2番、3番から出て、後頭部の頭頂方向へ走行する末梢神経である後頭神経を、皮下に留置した電極で電気刺激することによってその痛みを緩和しようとするものである。また、特許文献1に記載の技術では、筋膜内部に留置した電極によって後頭神経を刺激して後頭神経痛を緩和する方法が開示されている。このような試みでは、通常、後頭神経の近くの皮下あるいは筋膜内に電極が位置するように、電極リードを頸背部に植え込み、皮下トンネルを介して電極リードを胸部に導いて、胸部皮下に植え込まれる神経刺激装置と接続している。一方、特許文献2では、後頭神経の近くに植え込むリードレスの神経刺激装置が開示されている。
米国特許第6,705,705号明細書 米国特許第6,735,475号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の技術などに用いられている、頸部に植え込んだ電極リードを皮下トンネルによって胸部まで導いた神経刺激装置では、患者の首や上肢などの動きに伴って電極リードが引っ張られ、電極位置が移動してしまう。このため、疼痛緩和効果が低下し、頸部の痛みやけいれんが起こるなどの不快感を生じるという問題があった。また、特許文献2に記載の技術では、電極リードの引き回しがないため、電極位置の移動の可能性は小さくなるが、神経刺激装置が非常に小型であるため、電池寿命が短く、頻繁に充電する必要があり、その取扱いがとても煩雑であるという問題があった。
このため、電池を長寿命化する必要があるが、電池を大容量化すると寸法が大きくなるので、生体への植え込みに適さなくなってしまう。また、単一の電気刺激装置では、万一の故障の際に、完全に機能しなくなり、全体を交換しない限り対応できないという問題もあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、装置を2つにしてそれぞれが電池(電源)を持つことで、それぞれの装置を小型化できるとともに、寿命を2倍に延ばし、さらに、一方が故障した場合でも他方がバックアップする電気刺激装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の電気刺激装置は、第一電源部と、該第一電源部から供給される電力により刺激信号を生成する第一刺激信号発生部と、を有する第一刺激装置と、第二電源部と、該第二電源部から供給される電力により刺激信号を生成する第二刺激信号発生部と、を有する第二刺激装置と、第一の端部と第二の端部を有するリードボディと、該リードボディ上に配置された少なくとも一つの刺激電極と、少なくとも一つの刺激電極に接続してリードボディ内を第一の端部に導かれる第一の少なくとも一つの導線と、少なくとも一つの刺激電極と接続してリードボディ内を第二の端部に導かれる第二の少なくとも一つの導線と、を有する電極リードと、を有し、第一の端部は第一刺激装置と接続され、第二の端部は第二刺激装置と接続され、第一刺激装置と電極リードと第二刺激装置は、接続された状態で生体内に植え込まれるものであることを特徴とする。
ここで、電気的に刺激する神経は、脊髄であるか、後頭神経等の末梢神経であることが好ましい。また、刺激信号の刺激強度を決定するパラメータとしては、周波数、パルス幅、パルス電流、パルス電圧の少なくとも1つ、もしくはこれらの中から選ばれる複数の組み合わせに依存させることが望ましい。
本発明の好ましい形態としての電気刺激装置は、自身に含まれる第一刺激装置に第一電源部の残容量を算出する第一電池容量監視部をさらに備える。そして第一電池容量監視部で算出した残容量が所定値より小さいとき、第一刺激装置を停止させ、第二刺激装置に刺激信号を発生させるようにする。このとき、第一刺激装置で生成される刺激信号及び第二刺激装置で生成される刺激信号の特性が同じになるような情報を、第一刺激装置を停止させる前に当該第一刺激装置から第二刺激装置に送信しておく。
本発明の上述した構成によれば、第一及び第二刺激装置の両方とも刺激信号を生成することができる。より好ましくは、第一刺激装置で刺激信号を生成している最中に第一電源部の残容量が低くなった場合、刺激信号を生成する刺激装置を第一刺激装置から第二刺激装置に自動的に変更することができる。
本発明によれば、第一及び第二刺激装置という2つの刺激装置に第一及び第二電源部をそれぞれ設けたので、それぞれの刺激装置を小型化できるとともに、電池の寿命を延ばし、さらに、一方の刺激装置が故障した場合でも他方の刺激装置がバックアップすることができるという効果がある。
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置を人体に配置した様子を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る電気刺激装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る電気刺激装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る電気刺激装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための実施形態例について説明する。以下に述べる実施の形態例は、本発明の好適な具体例である。そのため、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本発明の範囲は、下記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。例えば、以下の説明で挙げる各パラメータの数値的条件は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法、形状および配置関係も概略的なものである。
<本発明の一実施形態例の説明>
本発明の一実施形態の例(以下、「本例」ということもある)を、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本例に係る電気刺激装置101を人体に配置した様子を示す説明図である。
電気刺激装置101は、疼痛を緩和するために後頭神経102等に対して電気的刺激を与える装置である。この電気刺激装置101は、電気的刺激信号を生成する、いわゆるジェネレータである第一及び第二神経刺激装置103、104と、当該第一及び第二神経刺激装置103、104を電気的かつ物理的に接続する電極リード105とを含む。この電極リード105には、電気的刺激信号で後頭神経102を刺激するための電極107が配置されており、それらの構成全体が生体の皮下に植え込まれるものである。なお、第一及び第二神経刺激装置103,104の詳細な説明は図2にて後述する。
電極リード105に設けられる電極107は、第一及び第二神経刺激装置103、104から見て後述するリードボディ106の中心から対象に配列されている。また、電極リード105は、第一及び第二神経刺激装置103、104と相互に電気的接続を行うためのコネクタ(不図示)を備えている。この電極リード105の電極107とコネクタとの間には、第一及び第二神経刺激装置103、104からの電気信号を、コネクタから電極107に伝えるための複数の導線(図2にて後述)と、これら複数の導線を覆って体液などに晒されるのを防ぐためのリードボディ106が設けられている。リードボディ106には、一般的に、シリコンやポリウレタンなどが用いられる。また、各導線はそれぞれ絶縁被覆に覆われており、各導線間は電気的に絶縁されている。
ところで、第一及び第二神経刺激装置103、104は、一般的に、チタンなどの生体適合性を有する容器に密封され、頸背部の右側と左側の皮下に植え込まれる。図1に示すように、電極107には、左後頭神経102Aと右後頭神経102Bをそれぞれ刺激するための電極が複数個設けられている。すなわち、図1に示すように、左後頭神経102Aを刺激するために、4つの電極107(a、b、c、d)のいずれかが左の後頭神経102Aの上あるいは近くに配置され、右後頭神経102Bを刺激するために、4つの電極107(e、f、g、h)のいずれかが右の後頭神経102Bの上あるいは近くに配置されるように後頭部付近に電極リード105が植え込まれる。ここで、第一及び第二神経刺激装置103,104が植え込まれる位置はそれぞれ正中からほぼ等しい距離とされる。このため、第一及び第二神経刺激装置103,104による荷重が、頸背部の右側と頸背部の左側でほぼ等しくなる。そして、このような状態で電気刺激装置は固定される。なお、本例では電極107の数を8つとしたが、これに限られるものではない。
[電気刺激装置101の構成]
図2は、本発明の一実施形態例に係る電気刺激装置101を示す機能ブロック図である。
電気刺激装置101は、図1に示したように、電極リード105と、当該電極リード105で相互に電気的に接続された第一及び第二神経刺激装置103、104を含んでいる。なお、第一及び第二神経刺激装置103、104の構成は同じなので、第一神経刺激装置103の構成についてのみ説明し、第二神経刺激装置104の構成についての説明は省略する。
第一神経刺激装置103は、第一コイル部202と、第一通信部203と、第一刺激パラメータ設定部204と、第一電極構成設定部205と、第一刺激信号発生部206と第一制御部207を含む。さらに、第一電源部としての第一充電部208と第一充電池209と、第一電池容量監視部210と、第一警報部211とを備える。
第一充電池209は、例えばリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。図2に図示はしていないが、この第一充電池209は、蓄積している電力を、第一神経刺激装置103を構成する各ブロックに供給している。
第一コイル部202は、例えばコイルとコンデンサで構成される共振回路である。第一コイル部202は、第一充電池209の充電を行う場合、図示しない体外のコントローラから送信される充電用の電波を第一コイル部202が受信する。そして、この受信に伴って第一コイル部202から発生する交流電流が第一充電部208に出力される。また、第一コイル部202は図示しない体外のコントローラから送信される、所定の情報が載せられた電波を受信し、受信した電波が当該第一コイル部202から第一通信部203に出力される。
第一充電部208は、整流回路を内蔵し、第一コイル部202から出力された交流電流を直流電流に変換して電力を取得する。そして、取得した電力で第一充電池209の充電を行う。
第一通信部203は、第一コイル部202が受信した電波を復調し、電波に載せられている情報を取り出す。そして、取り出した情報を第一刺激パラメータ設定部204及び第一電極構成設定部205に出力する。第一刺激パラメータ設定部204に出力される情報は電気的刺激信号の刺激強度に関する情報(以下、「刺激パラメータ」という)であり、第一電極構成設定部205に出力される情報は電極構成に関する情報(以下、「電極構成情報」という)である。この刺激パラメータや電極構成情報は、患者の痛みの分布範囲や強さ、刺激対象神経の位置等に応じて、医師や患者がコントローラを用いて変更されるものである。電気的刺激信号の刺激強度は当該電気的刺激信号のパルス電圧、パルス電流、パルス幅あるいは周波数により決定されるので、刺激パラメータはこれらパルス電圧等の値を示す信号である。また、電極構成情報は、電気的刺激信号の極性を変更するための情報と、電気的刺激信号を出力する電極を第一刺激信号発生部に選択させるための情報とを含む信号である。
第一刺激パラメータ設定部204は、第一通信部203から入力される刺激パラメータに基づいて、第一刺激信号発生部206で発生する電気的刺激信号の刺激強度を変更するための刺激強度変更信号を生成するとともに、当該刺激パラメータを第一制御部207に出力する。
第一電極構成設定部205は、第一通信部203から入力される電極構成情報に基づいて、第一刺激信号発生部206で発生する電気的刺激信号の極性を決定し、当該電気的刺激信号を出力する電極107を選択するための電極構成選択信号を生成する。また、第一通信部203から入力される電極構成情報を第一制御部207に出力する。第一刺激パラメータ設定部204から出力される刺激強度変更信号及び第一電極構成設定部205から出力される電極構成選択信号は、ともに第一刺激信号発生部206に出力される。
第一刺激信号発生部206は、第一刺激パラメータ設定部204から入力される刺激強度変更信号及び第一電極構成設定部205から入力される電極構成選択信号に基づいて、電気的刺激信号を生成して所定の電極107(a〜h)に出力する。この第一刺激信号発生部206は、第一右神経刺激波形発振部212と、第一右電極選択スイッチ213と、第一左神経刺激波形発振部214と、第一左電極選択スイッチ215とを備えている。
第一右神経刺激波形発振部212は、第一刺激パラメータ設定部204から入力される刺激強度変更信号に応じて生成された電気的刺激信号を、第一右電極選択スイッチ213に出力する。このとき、第一右神経刺激波形発振部212が生成する電気的刺激信号の極性は、第一電極構成設定部205から出力される電極構成選択信号によって決定される。
また、第一左神経刺激波形発振部214は、第一右神経刺激波形発振部212と同じものであり、第一刺激パラメータ設定部204から入力される刺激強度変更信号に応じて生成された電気的刺激信号を、第一左電極選択スイッチ215に出力する。第一左神経刺激波形発振部214が生成する電気的刺激信号の極性も、第一電極構成設定部205から出力される電極構成選択信号によって決定される。ところで、第一刺激パラメータ設定部204から入力される刺激強度変更信号及び第一電極構成設定部205から入力される電極構成選択信号は、第一右神経刺激波形発振部212と第一左神経刺激波形発振部214から生成される電気的刺激信号の刺激強度と極性をそれぞれ個別に設定することができる。なお、図1に示す左後頭神経102Aには、第一神経刺激装置103の第一右神経刺激波形発振部212で生成される電気的刺激信号を供給し、右後頭神経102Bには、第二神経刺激装置104の第二左神経刺激波形発振部228で生成される電気的刺激信号を供給するようにすることもできる。つまり、第一神経刺激装置103により右後頭神経102Bを刺激し、第二神経刺激装置104で左後頭神経102Aを刺激するようにしてもよい。
ここでは、左後頭神経102A及び右後頭神経102Bとも、一方の神経刺激装置、すなわち第一神経刺激装置103または第二神経刺激装置104のいずれかのみから発生される電気的刺激信号が供給されるという前提で、以下説明する。
すなわち、第一右電極選択スイッチ213は、右の後頭神経102Bを刺激するための電極107(e〜h)に対応する電極リード105の導線(以下、「右後頭神経用導線」という)と電気的にそれぞれ接続される右導線選択端子と、第一右神経刺激波形発振部212と電気的に接続される右発振部用端子とを備える。この第一右電極選択スイッチ213は、第一電極構成設定部205から入力される電極構成選択信号に基づいて、上述した右導線選択端子のなかの一つの端子と右発振部用端子を選択的に接続する。これにより、第一右神経刺激波形発振部212と、右発振部用端子と接続している右導線選択端子に対応する右後頭神経用導線とが電気的に接続され、当該右後頭神経用導線に接続された電極107(e〜h)のうちの一つの電極に第一右神経刺激波形発振部212で生成された電気的刺激信号が出力される。このとき、第一神経刺激装置103のチタンの容器が対極電極となる。
一方、第一左電極選択スイッチ215は、左の後頭神経102Aを刺激するための電極107(a〜d)に対応する電極リード105の導線(以下、「左後頭神経用導線」という)と電気的にそれぞれ接続される左導線選択端子と、第一左神経刺激波形発振部214と電気的に接続される左発振部用端子とを備える。この第一左電極選択スイッチ215も、第一電極構成設定部205から入力される電極構成選択信号に基づいて、左導線選択端子のなかの一つの端子と左発振部用端子とが選択的に接続される。これにより、第一左神経刺激波形発振部214と左導線選択端子に対応する左後頭神経用導線とが電気的に接続され、当該左後頭神経用導線に接続された電極107(a〜d)のうちの一つの電極に第一左神経刺激波形発振部214で生成された電気的刺激信号が出力される。同様に、第一神経刺激装置103のチタンの容器が対極電極となる。
ところで、電池はその消耗とともに電池のインピーダンスが増加するので、第一電池容量監視部210は、第一充電池209の電池インピーダンスに基づいて当該第一充電池209の残容量を算出し、算出した残容量を第一制御部207に出力する。
第一制御部207は、第一神経刺激装置103の各ブロックを制御するとともに、その動作を監視し、例えば、サーミスタなどを用いて充電に伴う異常な温度上昇といった故障を発見すると、動作させる神経刺激装置を第一神経刺激装置103から第二神経刺激装置104に変更するための情報信号(第1情報信号)、すなわち刺激装置切換信号を電極リード105の所定の導線を介して第二神経刺激装置104に出力する。このとき、第一制御部207は、スピーカー等である第一警報部211に対して、使用する神経刺激装置の変更を示す警報(音)を出力させるように制御する。
また、第一制御部207は、第一刺激パラメータ設定部204及び第一電極構成設定部205に設定されている刺激パラメータ及び電極構成に関する情報信号(第2情報信号)を電極リード105の所定の導線を介して第二神経刺激装置104に出力する。なお、第一神経刺激装置103から第二神経刺激装置104へ、刺激パラメータ及び電極構成情報を出力するタイミングは、刺激装置切換信号を出力するときに同時に行ってもよいし、例えば、体外のコントローラから第一通信部203を介して第一刺激パラメータ設定部204及び第一電極構成設定部205に情報が入力された直後でもよい。刺激装置切換信号を受信した第二神経刺激装置104は、その後、得られた刺激パラメータ及び電極構成情報に基づいて、第一神経刺激装置103と同様の条件で神経刺激作業を引き継ぐ。
また、第一制御部207は、第一電池容量監視部210から入力される第一充電池209の残容量が所定の値より小さいか否かを検出し、所定の値より小さい場合に前述の刺激装置切換信号を電極リード105の所定の導線を介して第二神経刺激装置104に出力し、神経刺激作業を交代する。このとき、第一制御部207は、第一刺激信号発生部206からの電気的刺激信号の出力を停止させるため、第一充電池209から第一刺激信号発生部206への電力の供給、すなわち、第一右神経刺激波形発振部212及び第一左神経刺激波形発振部214への電力の供給を止める。そして同時に、刺激装置を切り換えることを装置の携帯者に知らせるための警報音を、第一警報部211から出力する。このとき、第一警報部211から出力される警報音は、故障を検出した場合のものと判別が可能である。
ところで、第一刺激信号発生部206の停止中に、第二神経刺激装置104から第一神経刺激装置103の第一制御部207に、電極リード105を介して、第二刺激パラメータ設定部218及び第二電極構成設定部219それぞれから第二制御部221に入力される刺激パラメータ及び電極構成情報が入力されることがある。このとき第一制御部207は、第二神経刺激装置104から入力された刺激パラメータ及び電極構成情報を第一刺激パラメータ設定部204及び第一電極構成設定部205にそれぞれ出力し、これら刺激パラメータ及び電極構成情報に基づいて、第一刺激信号発生部206を制御させる準備を行うようにする。これにより、後に第一充電池209が充電された場合に、第二神経刺激装置104から刺激装置切換信号が入力されると、再び、第一神経刺激装置103に切り換わることが可能となる。
なお、第一制御部207から第二神経刺激装置104に情報を送信する際に通信回路として使用する電極リード105の導線は、後頭神経の刺激に関与しない電極に対応したものを用いることが望ましいが、刺激に関与している電極に対応した導線を用いることも可能である。この第一制御部207から第二神経刺激装置104に出力される各信号の強度は、電極107に加えられる電気的刺激信号の刺激強度よりも弱く設定される。例えば、電気刺激装置101の使用者に違和感を持たせない程度の強度に、予め設定しておくことが望ましい。
以上説明したように、本例の電気刺激装置101では、電気的刺激信号を発生させる神経刺激装置を第一神経刺激装置103から第二神経刺激装置104に変更する場合に、第一神経刺激装置103における最新の刺激パラメータ及び電極構成を第二神経刺激装置104に引き継がせることができる。なお、第二神経刺激装置104から第一神経刺激装置103に変更する場合も、同様に第二神経刺激装置104における最新の刺激パラメータ及び電極構成を第一神経刺激装置103に引き継がせることができる。
[電気刺激装置101の動作]
次に、電気刺激装置101の動作について図3を参照して説明する。図3は、本例の電気刺激装置101の動作の流れを示すフローチャートである。
まず、電気刺激装置101が、図1に示したような生体内の所定の位置に植え込まれて、利用可能な状態となっているものとする。このような状態になると、第一制御部207は、予め初期値として用意しておいた刺激パラメータ及び電極構成情報を第一刺激パラメータ設定部204及び第一電極構成設定部205にそれぞれ出力する。さらに、第一制御部207は、当該第一制御部207から第二神経刺激装置104に情報を送信する際に使用する通信回路として、電極リード105の導線を初期設定のものにする(ステップS1)。そして、第一刺激パラメータ設定部204及び第一電極構成設定部205は、入力された刺激パラメータ及び電極構成情報それぞれに応じた刺激強度及び極性の電気的刺激信号を第一右神経刺激波形発振部212及び第一左神経刺激波形発振部214から発生させる。
このステップS1において、第一電極構成設定部205は、入力された電極構成情報に基づいて第一右電極選択スイッチ213及び第一左電極選択スイッチ215をそれぞれ制御する。つまり、第一右電極選択スイッチ213に右側の後頭神経102Bを刺激するための電極107(図1のe〜hを参照)に接続されている各導線の中の一本と接続される。すなわち、右後頭神経用導線の中の一本を選択させて、選択させた導線と第一右神経刺激波形発振部212とを電気的に接続する。
また、第一左電極選択スイッチ215は、左側の後頭神経102Aを刺激するための電極107(図1のa〜dを参照)に接続されている各導線の中の一本に接続される。すなわち左後頭神経用導線の中の一本が、第一左電極選択スイッチ215によって選択され、この選択された導線と第一左神経刺激波形発振部214とが電気的に接続される。
今仮に、ステップS1の初期化動作で、電極107の(a)に接続している左後頭神経用導線と、電極107(e)に接続している右後頭神経用導線とがそれぞれ選択されたものとする。これにより、第一右神経刺激波形発振部212で生成された電気的刺激信号が電極107(e)に出力されて右後頭神経102Bの電気的刺激が行われると共に、第一左神経刺激波形発振部214で生成された電気的刺激信号が電極107(a)に出力されて左後頭神経102Aの電気的刺激が行われる。
次に、第二神経刺激装置104の第二制御部221は、当該第二制御部221が第一神経刺激装置103の第一制御部207からの情報を受信する際に使用する通信回路として、電極リード105の導線を初期設定のものにする(ステップS2)。これらのステップS1及びステップS2の処理により、第一制御部207と第二制御部221とが初期設定の導線により電気的に接続される。
以上の初期化動作が完了すると、続いてユーザによる不図示の体外のコントローラによるプログラミング要求があるか否かが判断される(ステップS3)。すなわち第一通信部203から第一刺激パラメータ設定部204及び第一電極構成設定部205それぞれへの刺激パラメータ及び電極構成情報の入力があるか否かの確認が行われる。この判断ステップS3で刺激パラメータ及び電極構成情報の入力がないと判定された場合は(ステップS3のNO)、後述するステップS5の処理へと移行する。
一方、判断ステップS3で刺激パラメータ及び電極構成情報の入力があると判定された場合には(ステップS3のYES)、第一刺激パラメータ設定部204及び第一電極構成設定部205は、それぞれに入力された刺激パラメータ及び電極構成情報に基づいて、第一刺激信号発生部206の制御を行う(ステップS4)。つまり、第一刺激パラメータ設定部204及び第一電極構成設定部205は、入力された刺激パラメータ及び電極構成情報に応じた刺激強度及び極性の電気的刺激信号を、第一右神経刺激波形発振部212及び第一左神経刺激波形発振部214から発生させる。
また、第一電極構成設定部205は、入力された電極構成情報に基づいて、第一右電極選択スイッチ213及び第一左電極選択スイッチ215をそれぞれ制御する。つまり、右後頭神経用導線の中の一本を第一右電極選択スイッチ213で選択し、この選択した導線と第一右神経刺激波形発振部212とを電気的に接続する。さらに、左後頭神経用導線の中の一本を第一左電極選択スイッチ215で選択し、この選択した導線と第一左神経刺激波形発振部214とを電気的に接続する。
このステップS4では、ユーザのプログラミング要求により電極107(b)に接続している左後頭神経用導線と、電極107(f)に接続している右後頭神経用導線とがそれぞれ選択されたものとする。これにより、第一右神経刺激波形発振部212で生成された電気的刺激信号が電極107(f)に出力されて右後頭神経102Bの電気的刺激が行われると共に、第一左神経刺激波形発振部214で生成された電気的刺激信号が電極105(b)に出力されて左後頭神経102Aの電気的刺激が行われる。
ところで、第一電池容量監視部210は、第一充電池209の残容量を常に監視すると共に、その残容量を算出している。そして、算出した残容量を第一制御部207に出力している。その結果、第一制御部207は、第一電池の残容量が十分であるかどうか、つまり第一電池容量監視部210から入力される残容量が所定値よりも小さい否かを確認する(ステップS5)。このステップS5で、第一電池容量監視部210から入力される残容量が所定値以上、つまり第一充電池209の残容量が十分あると判断された場合(ステップS5のNO)、ステップS3の処理に戻って処理を繰り返す。
判断ステップS5で第一電池容量監視部210から入力される残容量が所定値よりも小さい(ステップS5のYES)、すなわち第一充電池209の残容量が十分残っていないと判断された場合は、第一制御部207は、第一警報部211を通して充電池の残容量が不足している旨を知らせるための警報を発生する(ステップS6)。このとき、ステップS1の処理及びステップS2の処理で選択した通信回線(電極リード105を構成する所定の導線)を介して、現時点における刺激パラメータ及び電極構成情報を第二神経刺激装置104の第二制御部221に送信する(ステップS7)。本例では、ステップS4の処理に関する刺激パラメータ及び電極構成が、第二制御部221に送信されるものとする。
第二制御部221は、受信した刺激パラメータ及び電極構成情報を第二刺激パラメータ設定部218及び第二電極構成設定部219にそれぞれ出力する。そして、第二刺激パラメータ設定部218及び第二電極構成設定部219は、それぞれに入力された刺激パラメータ及び電極構成情報に基づいて、第二刺激信号発生部220を制御する(ステップS8)。つまり、第二刺激パラメータ設定部218及び第二電極構成設定部219は、ステップS7の処理で、第一神経刺激装置103から受信した刺激パラメータ及び電極構成情報に応じた刺激強度及び極性の電気的刺激信号を、第二右神経刺激波形発振部226及び第二左神経刺激波形発振部228から発生させる。
また、第二電極構成設定部219は、ステップS7で入力された電極構成情報に基づいて、第二右電極選択スイッチ227及び第二左電極選択スイッチ229をそれぞれ制御する。つまり、右後頭神経用導線の中の一本を第二右電極選択スイッチ227で選択し、この選択した導線と第二右神経刺激波形発振部226とを電気的に接続する。さらに、左後頭神経用導線の中の一本を第二左電極選択スイッチ229で選択し、選択させた導線と第二左神経刺激波形発振部228とを電気的に接続する。
このステップS8の処理は、ステップS4の処理と同じであり、電極107(b)に接続している左後頭神経用導線と、電極107(f)に接続している右後頭神経用導線とがそれぞれ選択される。これにより、第二右神経刺激波形発振部226で生成された電気的刺激信号が電極107(f)に出力されて右後頭神経102Bの電気的刺激が行われると共に、第二左神経刺激波形発振部228で生成された電気的刺激信号が電極107(b)に出力されて左後頭神経102Aの電気的刺激が行われる。
以上の処理が完了すると、今度は第二通信部217から第二刺激パラメータ設定部218及び第二電極構成設定部219に対してプログラミング要求があるかどうか、つまり、第二刺激パラメータ設定部218及び第二電極構成設定部219に対して刺激パラメータ及び電極構成情報の入力があるか否かの確認が行われる(ステップS9)。この判断ステップS9で刺激パラメータ及び電極構成情報の入力がないと判定された場合は(ステップS9のNO)、ステップS8の処理に戻る。
一方、判断ステップS9で、刺激パラメータ及び電極構成情報の入力があると判定された場合には(ステップS9のYES)、第二刺激パラメータ設定部218及び第二電極構成設定部219は、それぞれに入力された刺激パラメータ及び電極構成情報に基づいて、第二刺激信号発生部220の制御を行う(ステップS10)。つまり、第二刺激パラメータ設定部218及び第二電極構成設定部219は、入力された刺激パラメータ及び電極構成情報に基づいて、第二右神経刺激波形発振部226及び第二左神経刺激波形発振部228から発生される電気的刺激信号を制御する。
そして、ステップS10で入力された電極構成情報に基づいて、第二右電極選択スイッチ227により右後頭神経用導線の中の一本を選択し、選択した導線と第二右神経刺激波形発振部226とを電気的に接続する。また、第二左電極選択スイッチ229により左後頭神経用導線の中の一本を選択し、選択した導線と第二左神経刺激波形発振部228とを電気的に接続する。
ここでは、電極107(c)に接続している左後頭神経用導線と、電極107(g)に接続している右後頭神経用導線とがそれぞれ選択されたものとする。これにより、第二右神経刺激波形発振部226で生成された電気的刺激信号が電極107(g)に出力されて右後頭神経102Bの電気的刺激が行われると共に、第二左神経刺激波形発振部228で生成された電気的刺激信号が電極107(c)に出力されて左後頭神経102Aの電気的刺激が行われる。
本例では、電気的刺激信号を発生させる装置を第一神経刺激装置103から第二神経刺激装置104に変更する際の電気刺激装置101の動作について説明したが、この逆の場合もあることは言うまでもない。すなわち、電気的刺激信号を発生させる神経刺激装置を第二神経刺激装置104から第一神経刺激装置103に変更する際には、図3のフローチャートのステップS1、ステップS3〜ステップS6及びステップS7の送信処理が第二神経刺激装置104で行われ、ステップS2、ステップS7の受信処理及びステップS8〜ステップS10が第一神経刺激装置103で行われることになる。
以上説明したように、本例では、第一及び第二神経刺激装置103,104という2つの刺激装置に第一充電池209及び第二充電池223をそれぞれ設けている。そのため、それぞれの刺激装置を小型化できるとともに、電池の寿命を2倍に延ばすことができ、更に、一方の刺激装置が故障した場合でも他方の刺激装置でバックアップすることができるという効果も奏する。
また、本例では、第一神経刺激装置103から第二神経刺激装置104に切り換える場合に、第一神経刺激装置103が現時点で生成している電気的刺激信号と同じ信号を第二神経刺激装置104に生成させるための情報を、第一神経刺激装置103から第二神経刺激装置104に送信するようにしている。また、第一充電池209の残容量が所定値より小さいときあるいは第一神経刺激装置103が故障したときに、第一神経刺激装置103における電気的刺激信号の生成を停止させ、第一神経刺激装置103から送信される情報に基づいて第二神経刺激装置104に電気的刺激信号を生成させるようにする。そして、第一神経刺激装置103が停止前まで生成していた電気的刺激信号と同じ信号を、第二神経刺激装置104で生成することを可能としている。これにより、患者の後頭神経を刺激する電気的刺激信号を生成する神経刺激装置を、第一神経刺激装置103から第二神経刺激装置104に変更しても、患者の後頭神経に加わる電気的刺激信号は変わらないので、患者に対する不快感を低減するという効果がある。
また、本例では、電気的刺激信号を生成する装置が第一神経刺激装置103から第二神経刺激装置104に変更された際、第一警報部211からアラームを発生させるようにした。このため、患者は、自分の神経を電気的刺激信号で刺激している神経刺激装置が変更されたタイミングを確認することができる。また、電池が消耗した場合と故障を検出した場合で発生させるアラームを異ならせることにより、電池の消耗の場合は充電の、故障の場合は検診を受ける必要性を患者に知らせることができる。
さらに、本例では、第一及び第二神経刺激装置103,104からみて、電極リード105の中心から対象になるように各電極107が配列されるようにしている。また、第一及び第二神経刺激装置103,104は、同じ装置であるため、その重量も等しいものとなる。したがって、電極107を、例えば左右の後頭神経102A、B上に配置した際に、第一神経刺激装置103及び第二神経刺激装置104による荷重が、頸背部の右側と左側でほぼ等しくなる。そのため、例え患者の首や上肢などの動きに伴って電極リード105が引っ張られたとしても、電極107を左右の後頭神経102A、B上に固定させることができる。これにより、電極107位置の移動による疼痛緩和効果が低下することがなく、さらに、頸部の痛みやけいれんといった不快感をもたらすということもない。
<2.他の実施形態の説明>
次に、本発明の他の実施形態の例を、図4を参照して説明する。
図4は、本発明の他の実施形態に係る電気刺激装置401の構成を示すブロック図である。
図4で説明する他の実施形態例に係る電気刺激装置も、図2の実施形態例の電気刺激装置とその構成はほとんど変わらないので、共通部分については同一符号を付して、説明を省略することとする。
図2に示す実施形態例と異なる点は、図4に示すものでは、第一神経刺激装置402及び第二神経刺激装置403の間で情報交換がなされる、刺激パラメータ、電極構成情報及び刺激装置切換信号の送受信の際に使用するための特別な通信用導線406を含むようにした点である。つまり、電極リード404には、各電極107に電気刺激信号を供給するための導線に加えて、通信用導線406が特別に用意されている。
この通信用導線406は、第一神経刺激装置402の第一制御部405と第二神経刺激装置403の第二制御部407とを電気的に接続する導線である。この通信用導線406は、電極リード404に含まれる他の導線と同じ導線であるが、上述のように電極107とは接続されていない。そのため、図1のように電気刺激装置401が人体に配置された状態において、通信用導線406に信号が流れたとしても、人体には当該信号による電気的刺激が加えられることはない。
つまり、第一神経刺激装置402の第一制御部405は、電極リード404の通信用導線406を介して刺激パラメータ、電極構成情報及び刺激装置切換信号を、第二神経刺激装置403の第二制御部407に送信する。そして、第二制御部407は、通信用導線406を介して、第一制御部405から送られた刺激パラメータ、電極構成情報及び刺激装置切換信号を受信する。
図4の例でも、電池の残容量の不足などにより、第一神経刺激装置402から第二神経刺激装置403に変更する場合に、第一神経刺激装置402における最新の刺激パラメータ及び電極構成を第二神経刺激装置403に引き継がせることができる。
なお、図4に示す電気刺激装置においても、第一制御部405と第二制御部407間での、刺激パラメータ、電極構成情報及び刺激装置切換信号の送受信に、特別な通信用導線406を使用するという点以外は、図2に示す電気刺激装置の動作と同じであるので、繰り返して説明することはしない。
このように、図4の例では、第一及び第二神経刺激装置402,403間における通信に、電極107に接続されていない通信用導線406を用いるようにした。また、この通信用導線406は、リードボディ106により外部と絶縁するようにしている。このため、通信用導線406に刺激パラメータ、電極構成情報及び刺激装置切換信号を流しても患者に電気的刺激を加えることがない。したがって、電気的刺激信号を発生させる装置を、第一刺激信号発生装置から第二刺激信号発生装置に変更するに際して、通信用導線406に電圧を与えても、患者に対して不快感を与えないという効果がある。
<3.変形例の説明>
上述したように、本発明の一実施形態例(図2)及び他の実施形態例(図4)の電気刺激装置は、第一神経刺激装置あるいは第二神経刺激装置のいずれか片方で電気的刺激信号を生成し、左右2本ある後頭神経102A、Bの両方を当該電気的刺激信号で刺激するものであった。しかしながら、第一及び第二神経刺激装置の両方を使用し、左右2本の後頭神経102A、Bを、それぞれ別の神経刺激装置で刺激するようにしてもよい。例えば、左の後頭神経102Aを刺激するための電気的刺激信号を第二刺激信号発生装置で生成し、右の後頭神経102Bを刺激するための電気的刺激信号を第一刺激信号発生装置で生成するようにすることも可能である。
この場合、図2に示す第二神経刺激装置104の第二制御部221は、第二刺激信号発生部220における第二左神経刺激波形発振部228及び第二左電極選択スイッチ229のみを動作させるようにする。そして、第二左神経刺激波形発振部228で生成された電気的刺激信号を第二左神経切換スイッチ229及び電極107(a〜d)のいずれか1つを介して左の後頭神経102Aに与えるようにする。
また、第一神経刺激装置103の第一制御部207は、第一刺激信号発生部206における第一右神経刺激波形発振部212及び第一右電極選択スイッチ213のみを動作させるようにする。そして、第一右神経刺激波形発振部212で生成された電気的刺激信号が、第一右神経切換スイッチ213及び電極107(e〜h)のいずれか1つを介して右の後頭神経102Bに与えるようにする。
このような変形例を考えたとき、例えば、一方の神経刺激装置に故障等が発生した場合には、故障が発生していない方の神経刺激装置だけで、右左両方の後頭神経102A、Bに電気的刺激信号を与えるようにする。なお、このような制御は、第一制御部207と第二制御部221により行われる。
以上説明したように、変形例では、第一及び第二神経刺激装置という2つの刺激装置に第一及び第二充電池209,223をそれぞれ設けた。そのため、それぞれの刺激装置を小型化できるとともに、寿命を2倍に延ばし、さらに、一方が故障した場合でも他方がバックアップすることができるという一実施形態と同様の効果がある。
ところで、上述した各実施の形態例では、右頸背部側に位置する電極107(e〜h)のうち、右後頭神経102B上あるいはその近くにある1つの電極と、左頸背部側に位置する電極107(a〜d)のうち、左後頭神経102A上あるいはその近くにある1つの電極に対して、チタンのケースを対極として左右それぞれの電極に電気的刺激信号を印加する単極刺激の構成とした。これ以外に、右頸背部側に位置する電極107(e〜h)のうち、例えば、右後頭神経102Bを挟む位置にある2つの電極と、左頸背部側に位置する電極107(a〜d)のうち、例えば、左後頭神経102Aを挟む位置にある2つの電極を選択し、この選択した二つの電極間でそれぞれ電気的刺激信号を印加する双極刺激の構成とすることも可能である。また、上述した各実施の形態例では、電源部を充電部と充電池とからなるものとして説明したが、これを一次電池で置き換えることも可能である。さらに、上述した各実施の形態例では、電気的刺激信号での刺激対象を左右の後頭神経102A、Bとしたが、この左右の後頭神経102A、Bの分枝である、大後頭神経、小後頭神経、第三後頭神経の少なくとも1つを刺激するようにしても良い。また、脊髄硬膜外に電極107を留置し、左右後頭神経102A、Bが発する領域の脊髄を刺激することも可能である。この場合、第一頸椎から第三頸椎の領域にある脊髄が好適である。さらに、刺激を行うことで片頭痛や群発頭痛の痛みを和らげることが知られている迷走神経や、片頭痛や群発頭痛に関連した脳領域の刺激に対しても適応が可能である。
以上、本発明の各実施形態の例について説明したが、本発明は上記各実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含むことはいうまでもない。
例えば、一方の神経刺激装置の故障や電池切れを他方が検知する方法としては、刺激作業を行っている活動中の神経刺激装置が、他方に対して定期的に通信信号を定時連絡として送信し、当該通信信号が予定時刻になっても受診されない場合に他方の神経刺激装置が、故障が発生したと判断する構成であってもよい。
また、活動中の神経刺激装置が行なっている神経刺激信号を休止中の他方の神経刺激装置がリードを介して検知し、当該神経刺激信号が途切れた際に他方の神経刺激装置が活動を開始する構成としても良い。この場合、刺激パラメータなどの情報信号は、活動中の神経刺激装置が設定を受けた時に両神経刺激装置間で共有化しておくものとすることができる。
101…電気刺激装置、102…後頭神経、103、402…第一神経刺激装置、104、403…第二神経刺激装置、105、404…電極リード、106…リードボディ、107…電極、202…第一コイル部、203…第一通信部、204…第一刺激パラメータ設定部、205…第一電極構成設定部、206…第一刺激信号発生部、207、405…第一制御部、208…第一充電部、209…第一充電池、210…第一電池容量監視部、211…第一警報部、212…第一右神経刺激波形発振部、213…第一右電極選択スイッチ、214…第一左神経刺激波形発振部、215…第一左電極選択スイッチ、216…第二コイル部、217…第二通信部、218…第二刺激パラメータ設定部、219…第二電極構成設定部、220…第二刺激信号発生部、221、407…第二制御部、222…第二充電部、223…第二充電池、224…第二電池容量監視部、225…第二警報部、226…第二右神経刺激波形発振部、227…第二右電極選択スイッチ、228…第二左神経刺激波形発振部、229…第二左電極選択スイッチ、406…通信用導線

Claims (15)

  1. 第一電源部と、該第一電源部から供給される電力により刺激信号を生成する第一刺激信号発生部と、を有する第一刺激装置と、
    第二電源部と、該第二電源部から供給される電力により刺激信号を生成する第二刺激信号発生部と、を有する第二刺激装置と、
    第一の端部と第二の端部を有するリードボディと、該リードボディ上に配置された少なくとも一つの刺激電極と、前記少なくとも一つの刺激電極に接続して前記リードボディ内を前記第一の端部に導かれる第一の少なくとも一つの導線と、前記少なくとも一つの刺激電極と接続して前記リードボディ内を前記第二の端部に導かれる第二の少なくとも一つの導線と、を有する電極リードと、を有し、
    前記第一の端部は前記第一刺激装置と接続され、前記第二の端部は前記第二刺激装置と接続され、
    前記第一刺激装置と前記電極リードと前記第二刺激装置は、接続された状態で生体内に植え込まれるものであることを特徴とする電気刺激装置。
  2. 前記第一刺激装置は、前記第一電源部の残容量を算出する第一電池容量監視部と、前記第一電池容量監視部で算出した残容量が所定量以下になったとき、情報信号を、前記第二刺激装置に前記電極リードを介して送信するための第一制御部と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電気刺激装置。
  3. 前記第一電池容量監視部は、前記第一電源部の残容量を前記第一電源部の電池インピーダンスに基づいて算出することを特徴とする請求項2に記載の電気刺激装置。
  4. 前記第一制御部は、前記第一刺激装置の故障を検出したとき、情報信号を、前記第二刺激装置に前記電極リードを介して送信することを特徴とする請求項1に記載の電気刺激装置。
  5. 前記第二刺激装置は、前記第一制御部から受信した情報信号に基づき、前記該第一刺激装置をバックアップすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電気刺激装置。
  6. 前記情報信号の強度は、前記刺激信号の強度よりも小さいことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の電気刺激装置。
  7. 前記情報信号によって送信される情報は、前記第一刺激信号発生部が生成する前記刺激信号のパラメータであることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の電気刺激装置。
  8. 前記刺激信号のパラメータは、周波数、パルス幅、パルス電流、パルス電圧に係る値のいずれか一つまたは複数であることを特徴とする請求項7に記載の電気刺激装置。
  9. 前記情報信号によって送信される情報は、前記第一刺激信号発生部の生成する前記刺激信号が印加される電極構成であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の電気刺激装置。
  10. 前記電極構成が、前記刺激信号の極性及び/又は前記刺激信号が印加される前記刺激電極の組み合わせであることを特徴とする請求項9に記載の電気刺激装置。
  11. 前記第一刺激装置は、アラームを発生する第一警報部をさらに備え、前記情報信号を前記第二刺激装置に送信する際、前記第一警報部にアラームを発生させることを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載の電気刺激装置。
  12. 前記第一刺激装置は、前記情報信号を前記第二刺激装置に送信した際、前記第一刺激装置を構成する各部への電力の供給を停止することを特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載の電気刺激装置。
  13. 前記電極リードが、前記刺激電極と接続しない、前記電極リードの第一の端部と第二の端部を結ぶ第三の導線を有し、前記情報信号が、前記第一の端部と第二の端部を結ぶ前記第三の導線を介して行われることを特徴とする請求項2〜12のいずれかに記載の電気刺激装置。
  14. 前記電極リードが、複数の前記刺激電極を有している場合に、前記第一及び第二刺激装置からみて、前記電極リードの中心から対象に配列されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の電気刺激装置。
  15. 前記第二刺激装置が、前記第一刺激装置と同一構成であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の電気刺激装置。
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