JP2010230821A - トナー吸引装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像位置で発生する浮遊トナーを効率よく吸引するとともに、トナー吸引装置の吸引管の内壁へトナーが付着または堆積することを防止する。
【解決手段】感光体ドラム2の周面に対向して配置された吸引口21,31を有した第1の吸引管23及び第2の吸引管33を備える。吸引管23、33の吸引口21,31近くの上板23a,33a及び下板23b,33bに複数の電極22,32を貼付する。一の電極22a,32aを接地するとともに、これに隣り合う電極22b,32bに現像バイアス電圧の交流成分を印加して、両極間に振動電界を形成する。吸引口から吸引された浮遊トナーは、電極間に形成された振動電界により振動しながら移動するので吸引されやすくなり、吸引管への内面にトナーが付着または堆積することが防止される。
【選択図】 図2
【解決手段】感光体ドラム2の周面に対向して配置された吸引口21,31を有した第1の吸引管23及び第2の吸引管33を備える。吸引管23、33の吸引口21,31近くの上板23a,33a及び下板23b,33bに複数の電極22,32を貼付する。一の電極22a,32aを接地するとともに、これに隣り合う電極22b,32bに現像バイアス電圧の交流成分を印加して、両極間に振動電界を形成する。吸引口から吸引された浮遊トナーは、電極間に形成された振動電界により振動しながら移動するので吸引されやすくなり、吸引管への内面にトナーが付着または堆積することが防止される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、飛散するトナーを吸引して除去するトナー吸引装置及びトナー吸引装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式による複写機やプリンタ等の画像形成装置では、像保持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成する。トナーを像保持体に転移させる現像装置には、像保持体に近接して現像ロールが備えられており、この現像ロールの周面上に現像剤の薄層が形成される。そして、像保持体の表面に形成された静電潜像が現像ロールと対向する現像位置を通過するときにトナーが静電的に転移して現像されるようになっている。
このように現像ロールから像保持体にトナーが移転されるときに、トナーの一部が現像装置や像保持体の周辺に飛散して浮遊することがあり、この浮遊トナーを回収するためのトナー捕集装置を備えた画像形成装置が、例えば特許文献1に記載されている。
このように現像ロールから像保持体にトナーが移転されるときに、トナーの一部が現像装置や像保持体の周辺に飛散して浮遊することがあり、この浮遊トナーを回収するためのトナー捕集装置を備えた画像形成装置が、例えば特許文献1に記載されている。
このトナー捕集装置は、現像装置の下方に位置し、像保持体の近傍に吸引口部を有したトナー吸引手段を備えている。吸引口部にはトナーの帯電電荷とは逆極性の電位が付与されたトナー捕集用電極が設けられ、浮遊トナーをこの電極に吸着して捕集する。その後、電位の付与をOFFにしてトナー捕集用電極に対するトナーの吸着力を解除し、この状態で吸引してトナーを回収するものとなっている。
本願発明は、吸引管の内壁へのトナーの付着又はトナーの堆積を低減することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 吸引口を有する吸引管と、 該吸引管を介して飛散するトナーを吸引する吸引装置と、 前記吸引管の吸引口近くの内面に沿って配列された複数の電極と、 互いに隣り合う前記電極間に電圧を印加し、振動電界を形成する電源装置とを有することを特徴とするトナー吸引装置を提供する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のトナー吸引装置において、 前記電極は、絶縁材料からなる吸引管の内面下に埋め込まれているものとする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のトナー吸引装置において、 前記電極は、薄膜状の導電性材料を埋め込んだ絶縁材料からなるシート状部材を前記吸引管の内面に貼り付けたものとする。
請求項4に係る発明は、 静電潜像が表面に形成される像保持体と、 無端状の周面にトナーを保持して前記像保持体と対向する現像部材を備え、該現像部材から前記静電潜像にトナーを転移して可視像を形成する現像装置と、 前記像保持体と前記現像部材との間に現像バイアス電圧を印加する電源装置と、 前記像保持体と前記現像装置との対向部附近に吸引口を有する吸引管と、 該吸引管を介して前記像保持体と前記現像装置との対向部附近で飛散するトナーを吸引する吸引装置と、 前記吸引管の吸引口近くの内面に沿って配列された複数の電極と、を有し、 互いに隣り合う前記電極間には、前記電源装置から電圧が印加され、振動電界が形成されるものであることを特徴とする画像形成装置を提供する。
請求項5に係る発明は、 請求項4に記載の画像形成装置において、 前記電源装置は、前記現像ロールに現像バイアス電圧が印加されているときには、前記電極に印加する電圧はOFFとし、前記現像バイアス電圧がOFFとされた後に前記電極に電圧を印加するものとする。
請求項1に係るトナー吸引装置では、本構成を備えていないものと比較して、吸引管の内壁へのトナーの付着又はトナーの堆積を低減することができる。
請求項2に係るトナー吸引装置では、本構成を備えていないものと比較して、トナーに混在した導電物質によるリーク電流の発生を低減することができる。
請求項3に係るトナー吸引装置では、本構成を備えていないものと比較して、絶縁材料で被覆された電極を吸引管の内面に容易に取り付けることができる。
請求項4に係る画像形成装置では、現像バイアス電圧を印加するための電源装置を利用して吸引管の内壁へのトナーの付着又はトナーの堆積を低減することができる。
請求項5に係る画像形成装置では、本構成を備えていないものと比較して、少ない製造コストで、適切な現像バイアス電圧の印加による良好な現像と、吸引管に設けられた電極への電圧印加によるトナーの付着防止との双方を実現することができる。
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願に係る発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
この画像形成装置は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、これらと対向する中間転写ベルト9とを備えている。中間転写ベルト9は、これらの画像形成ユニット1のそれぞれと対向するように張架され、周方向に周回駆動されるものである。この中間転写ベルト9の周回移動方向における上流側から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kがほぼ同じ間隔で配列され、その下流側に、二次転写を行うための二次転写ロール13が中間転写ベルト9と対向するように配置されている。この二次転写ロールが設けられた二次転写部19には用紙トレイ17から搬送路18を経て記録用紙が送り込まれるようになっている。記録用紙の搬送路18における二次転写部19の下流側には、トナー像を加熱・加圧して記録用紙上に圧着する定着装置14が設けられ、さらに下流側には記録用紙を装置外に排出する排出ロール15が設けられている。
図1は、本願に係る発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
この画像形成装置は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、これらと対向する中間転写ベルト9とを備えている。中間転写ベルト9は、これらの画像形成ユニット1のそれぞれと対向するように張架され、周方向に周回駆動されるものである。この中間転写ベルト9の周回移動方向における上流側から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kがほぼ同じ間隔で配列され、その下流側に、二次転写を行うための二次転写ロール13が中間転写ベルト9と対向するように配置されている。この二次転写ロールが設けられた二次転写部19には用紙トレイ17から搬送路18を経て記録用紙が送り込まれるようになっている。記録用紙の搬送路18における二次転写部19の下流側には、トナー像を加熱・加圧して記録用紙上に圧着する定着装置14が設けられ、さらに下流側には記録用紙を装置外に排出する排出ロール15が設けられている。
上記画像形成ユニット1のそれぞれは、表面に静電潜像が形成される像保持体として機能する感光体ドラム2を有しており、各感光体ドラム2の周囲に、該感光体ドラム2の表面をほぼ一様に帯電する帯電装置3と、感光体ドラム上に形成された潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する現像装置5と、現像装置5が感光体ドラム2と対向する位置付近で浮遊するトナーを吸引するトナー吸引装置20と、感光体ドラム上のトナー像を中間転写ベルト9上に一次転写する一次転写ロール6と、転写後の感光体ドラム上に残留した転写残トナーを除去するクリーニング装置7とを備えている。また、一様に帯電された感光体ドラム2のそれぞれについて、画像信号に基づく像光を発生する露光装置4が設けられ、現像装置5が対向する位置の上流側で感光体ドラム2に像光を照射して静電潜像を書き込むものとなっている。
感光体ドラム2は、金属からなる円筒状部材の周面に有機感光体層を積層したものであり、金属部分が電気的に接地されている。また、バイアス電圧が印加されるものであってもよい。
上記帯電装置3は、被帯電体である感光体ドラム2の周面と所定の間隔で張架された電極ワイヤを備えるものであり、この電極ワイヤと感光体ドラム2との間に電圧を印加し、コロナ放電を生じさせて感光体ドラム2の表面を帯電するものである。
本実施の形態では、上記のようにスコロトロンを用いたが、固体放電器やロール形状又はブレード形状などの接触あるいは非接触帯電装置を用いることもできる。
本実施の形態では、上記のようにスコロトロンを用いたが、固体放電器やロール形状又はブレード形状などの接触あるいは非接触帯電装置を用いることもできる。
上記クリーニング装置7は、感光体ドラム2の周面に接触して配置されたクリーニング部材により、感光体ドラム2上に付着した転写残トナーを除去するものである。
上記露光装置4は、画像信号に基づいて点滅するレーザー光を発生し、これをポリゴンミラーによってそれぞれの感光体ドラム2の主走査方向(軸線方向)に走査するものである。これによりそれぞれの感光体ドラム2の表面に各色の画像に相当する静電潜像が形成される。
上記現像装置5は、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を使用するものであり、感光体ドラム2と近接する位置に現像ロール5aを備え、この現像ロール5aの周面上に二成分現像剤の薄層を形成し回転するものとなっている。そして、現像ロール5aと感光体ドラム2との間に電源装置30から現像バイアスが印加され、感光体ドラム2上の静電潜像が現像ロール5aと対向する位置である現像位置を通過するときに露光部にトナーが静電的に付着して現像されるようになっている。
また、画像形成にともない消費されたトナーは、消費量に応じて補充される。
また、画像形成にともない消費されたトナーは、消費量に応じて補充される。
上記一次転写ロール6は、金属の芯材の外周面を導電性のゴム材で被覆してロール状に形成したものであり、各画像形成ユニット1に備えられた感光体ドラム2と対向する位置の中間転写ベルト9の裏側に配置されている。そして、一次転写ロール6と感光体ドラム2との間に転写バイアス電圧が印加され、中間転写ベルト9に感光体ドラム上のトナー像を静電的に転写するものとなっている。
上記中間転写ベルト9は、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、フッ素系樹脂などの樹脂材料のフィルムを無端状としたものであり、カーボンやイオン導電物質などの導電性付与のための物質を分散させて、表面抵抗率が調整されている。そして、支持ロール10a、10b、10c及び転写対向ロール12に張架されて図1中に示す矢印Aの方向に周回移動するものとなっている。
中間転写ベルト9を挟んで転写対向ロール12と対向する位置には、用紙トレイ17から搬送される記録用紙上に中間転写ベルト9上のトナー像を転写する二次転写ロール13が設けられている。二次転写ロール13の下流には、中間転写ベルト上に残留するトナーを除去するクリーニング装置16が設けられている。
上記定着装置14は、加熱源を内蔵した加熱ロール14aと、この加熱ロール14aに圧接される加圧ロール14bとを備えており、これらが平行に配置されて互いに接触し、ニップ部を形成している。トナーが転写された記録用紙は上記ニップ部に送り込まれ、回転駆動される加熱ロール14aと加圧ロール14bとの間で加熱されるとともに加圧され、トナーが記録用紙上に圧着されるものとなっている。
上記トナー吸引装置20は、図1及び図2に示すように、現像装置5の上方に吸引口21を有する第1の吸引管23と、現像装置5の下方に吸引口31を有する第2の吸引管33と、吸引管23,33の内面に沿って配置された複数の電極22,32と、トナーを吸引する空気流を発生させ、吸引装置として機能するファン43と、ファン43によって吸引された空気流からトナーを分離するフィルタ42と、吸引されたトナーを収容するトナー回収槽41と、吸引管23,33から空気流をトナー回収槽41に導く連結管24,34及び誘導管40と、電極22,32に交流電圧を印加する電源装置30とで主要部が構成されている。
なお、電源装置30は現像ロール5aに現像バイアス電圧を印加するものでもあり、共通に用いられるものである。
なお、電源装置30は現像ロール5aに現像バイアス電圧を印加するものでもあり、共通に用いられるものである。
上記第1の吸引管23は、現像装置5の上方から現像領域に吸引口21を向けて配置され、後方端は吸引によって発生する空気流を感光体ドラム2の軸線方向に導く第1の連結管24に接続されている。また、第2の吸引管33は現像装置5の下方から現像領域に吸引口31を向け、現像装置5のハウジングの下側及び背面側に沿って配置されており、後方端が第2の連結管34に接続されている。
上記吸引管23,33が接続された第1の連結管24及び第2の連結管34は誘導管40と連結されており、全ての画像形成ユニットに設けられた連結管が一つの誘導管40に接続されている。そして、誘導管40が上記トナー回収槽41に接続されている。
トナー回収槽41は後方側にフィルタ42が設けられ、その後方側に設けられたファン43によって吸引され、吸引口21,31からトナー回収槽41に至る空気流を形成するものとなっている。そしてトナー回収槽41に導かれた空気流からフィルタ42によってトナーが分離され、トナーがトナー回収槽41内に残留する。
これにより、各画像形成ユニット1の現像装置5や感光体ドラム1の周辺にクラウド状となって浮遊するトナーを各吸引口21,31から吸引してトナー回収槽41に収容するものである。
トナー回収槽41は後方側にフィルタ42が設けられ、その後方側に設けられたファン43によって吸引され、吸引口21,31からトナー回収槽41に至る空気流を形成するものとなっている。そしてトナー回収槽41に導かれた空気流からフィルタ42によってトナーが分離され、トナーがトナー回収槽41内に残留する。
これにより、各画像形成ユニット1の現像装置5や感光体ドラム1の周辺にクラウド状となって浮遊するトナーを各吸引口21,31から吸引してトナー回収槽41に収容するものである。
吸引管23,33は、感光体ドラム2の周面の幅方向に扁平な形状となっており、吸引口21,31は感光体ドラム2と現像ロール5aとが対向する現像領域の幅方向におけるほぼ全域に対応して開口するものである。これにより、現像領域の全幅において浮遊トナーを除去できるものとなっている。
上記第1の吸引管23に設けられた第1の電極22及び第2の吸引管33に設けられた電極32は、図2及び図3に示すように、吸引管23,33の吸引口21,31付近の上板23a,33aと下板23b,33bの内面に一定の間隔で複数が設けられたものであり、感光体ドラム2の周面の幅方向に伸びた帯状となっている。そして、互いに隣り合う電極間に交流電源44から交流電圧を印加できるものとなっている(図2中では交流電圧を印加するための導線を一部省略する)。本実施の形態では電気的に接地された電極22a,32aと、交流電圧が印加される電極23b,33bとが互いに隣り合い、交互に配置されている。これにより、図3中の矢印Bで示すように隣り合った電極間に振動電界が形成されるようになっている。
本実施の形態では、電極22,32の幅を1mmとし、隣り合う電極との間隔を0.5mmとしている。また、本実施の形態では帯状となった上記電極の長辺の方向を、感光体ドラム2の周面の幅方向としたが、これと直角方向つまり吸引される空気流に沿った方向としてもよいし、斜め方向に配置するものでもよい。
本実施の形態では、電極22,32の幅を1mmとし、隣り合う電極との間隔を0.5mmとしている。また、本実施の形態では帯状となった上記電極の長辺の方向を、感光体ドラム2の周面の幅方向としたが、これと直角方向つまり吸引される空気流に沿った方向としてもよいし、斜め方向に配置するものでもよい。
上記電極間に交流電圧を印加する交流電源44は、現像ロール5aに現像バイアス電圧を印加するための電源としても用いることができるものであり、現像バイアス電圧としては直流電源45による直流を重畳して印加するものとなっている。そして、吸引管23,33に設けられた電極への交流電圧の印加及び現像ロール5aへの直流重畳交流電圧の印加は、それぞれスイッチ47,46によってON/OFFを制御することができるものとなっている。
本実施の形態では、上記交流電源44としてピーク値が−0.5kv,0.5kv(ピークツーピーク電圧:1kv)の対称な矩形波を出力するものを用いている。
本実施の形態では、上記交流電源44としてピーク値が−0.5kv,0.5kv(ピークツーピーク電圧:1kv)の対称な矩形波を出力するものを用いている。
このような画像形成装置は、以下のように動作する。
感光体ドラム2の回転が開始されると、帯電装置3によって感光体ドラム2の表面が−600V〜−800V程度の電位にほぼ一様に帯電される。一方、露光装置4は、制御部(図示せず)から送られてくる画像データに基づいて点滅するレーザー光を出力し、感光体ドラム2の表面に走査される。これにより感光体ドラム2の表面のレーザー光が照射された位置の電位が減衰し、静電電位の差による静電潜像が感光体ドラム2の表面に形成される。
感光体ドラム2の回転が開始されると、帯電装置3によって感光体ドラム2の表面が−600V〜−800V程度の電位にほぼ一様に帯電される。一方、露光装置4は、制御部(図示せず)から送られてくる画像データに基づいて点滅するレーザー光を出力し、感光体ドラム2の表面に走査される。これにより感光体ドラム2の表面のレーザー光が照射された位置の電位が減衰し、静電電位の差による静電潜像が感光体ドラム2の表面に形成される。
感光体ドラム上に形成された静電潜像は、感光体ドラム2の回転により現像ロール5aと対向する現像位置へ搬送される。現像ロール5aと感光体ドラム2との間には電源装置30の交流電源44及び直流電源45から現像バイアス電圧が印加され、現像位置で電界が形成される。感光体ドラム2の表面がこの現像位置を通過するときに感光体ドラム表面の除電された潜像部に現像ロール5aに付着しているトナーが静電的に転移しトナー像が形成される。
感光体ドラム2が回転し、現像されたトナー像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール6に一次転写バイアスが印加され、感光体ドラム表面のトナー像が中間転写ベルト9の表面に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば、+20〜30μA程度に定電流制御される。
一方、転写後の感光体ドラム2の表面に残留した転写残トナーは、クリーニング装置7により除去される。
このようにして、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト9は、矢印A方向に周回移動し、二次転写ロール13が中間転写ベルト9と接触する位置に搬送される。
このようにして、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト9は、矢印A方向に周回移動し、二次転写ロール13が中間転写ベルト9と接触する位置に搬送される。
二次転写ロール13と中間転写ベルト9との間には、所定のタイミングで記録用紙が送り込まれ、中間転写ベルト9の表面のトナー像が記録用紙に転写される。
その後、記録用紙は定着装置14へと送り込まれ、トナー像が加熱及び加圧されて記録用紙の表面に定着される。このようにして、カラー画像の定着が完了した記録用紙は、排出部(図示せず)へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了する。
その後、記録用紙は定着装置14へと送り込まれ、トナー像が加熱及び加圧されて記録用紙の表面に定着される。このようにして、カラー画像の定着が完了した記録用紙は、排出部(図示せず)へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了する。
上記画像形成動作中は、トナー吸引装置20のファン43が作動され、現像位置付近に設けられた吸引口21,31から現像位置で飛散して浮遊するトナーが吸引される。そして、吸引管23,33から連結管24,34及び誘導管40を経てトナー回収槽41に至る空気流によって搬送され、トナー回収槽41に収容される。
予め定められた枚数の画像が形成され、画像形成動作が停止されて現像バイアス電圧の印加がOFF状態とされると、上記ファン43の駆動は継続した状態で、吸引管23,33の内面に設けられた複数の電極22,32の隣り合う電極間に交流電圧が印加される。これにより隣り合う電極間に振動電界が形成され、吸引管23,33の内面や電極22,32に付着しているトナーに振動が生じ、吸引管の内面又は電極から離脱し易くなる。そして、吸引される空気流によってトナー回収槽41に搬送される。したがって、画像形成動作中に吸引されたトナーが吸引管や電極に付着することがあっても、上記電極22,32に交流電圧を印加したときに回収され、吸引管内に付着し堆積したトナーによって吸引管23,33が狭窄されたり、堆積したトナーが固まった状態で落下して画像形成装置内や感光体ドラム2の表面を汚すのが低減される。特に、現像位置の上方に吸引口21が設けられた第1の吸引管23においては、吸引口21付近に付着したトナーが堆積すると、その自重により感光体ドラム2上に落下することがあり、画像に汚れが生じることがあるが、このような汚れの発生が低減される。
このようなトナー吸引装置の効果を確認する実験を行った結果を以下に説明する。
本実験では、図1に示す上記実施形態の画像形成装置と、トナー吸引装置の2つの吸引管に電極を備えていないものとについて、高画像密度のプリントを連続して行った。そして、吸引管から落下したトナーの塊の落下個数(ボタ落ち個数)と、吸引管によって吸引されずに感光体ドラムの周辺から流出したトナーの量(クラウド量)を測定した。流出したトナー量の測定は、吸引管による吸引効率を示す指標として測定したものであり、吸引管の吸引効率が低下すると流出するトナー量が増加する。
本実験では、図1に示す上記実施形態の画像形成装置と、トナー吸引装置の2つの吸引管に電極を備えていないものとについて、高画像密度のプリントを連続して行った。そして、吸引管から落下したトナーの塊の落下個数(ボタ落ち個数)と、吸引管によって吸引されずに感光体ドラムの周辺から流出したトナーの量(クラウド量)を測定した。流出したトナー量の測定は、吸引管による吸引効率を示す指標として測定したものであり、吸引管の吸引効率が低下すると流出するトナー量が増加する。
なお、上記実験では、4エリアカバレッジ40%の高密度の画像を連続して形成するものとし、500枚の画像を形成する毎に画像形成動作を停止し、吸引を行った状態で隣り合う電極間に交流電圧を10秒間印加し、電極間に振動電界を形成した。
図4は、多数枚の画像形成を行ったときにトナーのボタ落ちが生じた個数を示した図であり、図5は、多数枚の画像形成を行ったときのクラウド量を示した図である。
図4及び図5に示すように、電極に振動電界を形成した本願発明に係るトナー吸引装置では、吸引管の内面に堆積したトナー塊の落下(ボタ落ち)は、電極を備えていないトナー吸引装置を用いたときに比べて顕著に減少している。また、浮遊トナーの量(クラウド量)も電極を備えていない場合に比べて大きく減少している。
図4及び図5に示すように、電極に振動電界を形成した本願発明に係るトナー吸引装置では、吸引管の内面に堆積したトナー塊の落下(ボタ落ち)は、電極を備えていないトナー吸引装置を用いたときに比べて顕著に減少している。また、浮遊トナーの量(クラウド量)も電極を備えていない場合に比べて大きく減少している。
以上に説明した実施の形態では、現像バイアス電圧の印加を停止したときに、吸引管の電極に交流電圧を印加するものであるが、交流電源として容量に余裕があるものを用いるときには、現像バイアス電圧の印加中つまり画像形成を行うときに吸引管の電極に交流電圧を印加することもできる。
また、吸引管の電極に交流電圧を印加する交流電源は、現像バイアス電圧を印加する交流電源とは別途に設け、現像バイアス電圧の印加時に又は現像バイアス電圧がOFF状態のときに電極に交流電圧を印加することもできる。さらに、本実施の形態では、4つの画像形成ユニットのそれぞれに設けられる吸引管のすべてについて共通に一つの交流電源が使用されているが、画像形成ユニット毎に設けても良い。
また、吸引管の電極に交流電圧を印加する交流電源は、現像バイアス電圧を印加する交流電源とは別途に設け、現像バイアス電圧の印加時に又は現像バイアス電圧がOFF状態のときに電極に交流電圧を印加することもできる。さらに、本実施の形態では、4つの画像形成ユニットのそれぞれに設けられる吸引管のすべてについて共通に一つの交流電源が使用されているが、画像形成ユニット毎に設けても良い。
上記実施形態の交流電源44は、ピークツーピーク電圧が1kvの矩形波を供給するものであるが、正弦波であってもよい。また、電圧は適宜に変更することができ、現像ロールへの導線と吸引管の電極への導線とが分岐した後に電圧を増幅又は減衰させてそれぞれに印加することもできる。
吸引管の内面に設けられる電極は、図6(a)に示すように、樹脂材料により電極52,53を内包してシート状に形成した電極内包シート51を吸引管50の内面に貼付することによって形成することもできる。さらに、図6(b)に示すように、吸引管54を絶縁性材料で形成するものとし、吸引管54の内面付近に電極55,56を予め埋め込んでおくものでもよい。
このように絶縁性材料で電極が被覆されているときには、付着したトナーによる電極間の目詰まりを抑制するとともに、導電性物質がトナーに混入されている場合であっても電流のリークを防止することができ、振動電界の形成に障害が生じるのを抑制することができる。
なお、上記絶縁性材料は、電極間のリーク電流が問題とならない程度の高抵抗材料であればよい。
このように絶縁性材料で電極が被覆されているときには、付着したトナーによる電極間の目詰まりを抑制するとともに、導電性物質がトナーに混入されている場合であっても電流のリークを防止することができ、振動電界の形成に障害が生じるのを抑制することができる。
なお、上記絶縁性材料は、電極間のリーク電流が問題とならない程度の高抵抗材料であればよい。
また、本実施の形態では、吸引管の吸引口付近における内周面の上部と下部との双方に電極を設けているが、上部にのみ又は下部にのみ設けるものであってもよい。内周面の上部に電極を設けることによって、内周面の上部に付着又は堆積したトナーが自重により塊となって落下し、感光体ドラムの表面や画像形成装置内を汚染するのが低減される。また、内周面の下部に電極を設けることによって、トナーの自重によって吸引管の下部にトナーが付着又は堆積するのを低減することができる。
また、本実施の形態では、吸引管を感光体ドラムと現像装置とが対向する現像領域の上方と下方との双方に設けているが、いずれか一方でもよいし、上方と下方との他に浮遊トナーの移動しやすい位置に設けることもできる。
1:画像形成ユニット、 2:感光体ドラム、 3:帯電装置、 4:露光装置、 5:現像装置、 6:一次転写ロール、 7:クリーニング装置、 9:中間転写ベルト、 10:支持ロール、 12:転写対向ロール、 13:二次転写ロール、 14:定着装置、 15:排出ロール、 16:中間転写ベルトのクリーニング装置、 17:用紙トレイ、 18:記録用紙の搬送路、 19:二次転写部、
20:トナー吸引装置、 21:第1の吸引口、 22:第1の電極, 23:第1の吸引管、 24:第1の連結管、 30:電源装置、 31:第2の吸引口、 32:第2の電極, 33:第2の吸引管、 34:第2の連結管、
40:誘導管、 41:トナー回収槽、 42:フィルタ、 43:ファン、 44:交流電源、 45:直流電源、 46:第1のスイッチ、 47:第2のスイッチ、
50:吸引管、 51:電極内包シート、 52,53:電極、 54:吸引管、 55,56:電極
20:トナー吸引装置、 21:第1の吸引口、 22:第1の電極, 23:第1の吸引管、 24:第1の連結管、 30:電源装置、 31:第2の吸引口、 32:第2の電極, 33:第2の吸引管、 34:第2の連結管、
40:誘導管、 41:トナー回収槽、 42:フィルタ、 43:ファン、 44:交流電源、 45:直流電源、 46:第1のスイッチ、 47:第2のスイッチ、
50:吸引管、 51:電極内包シート、 52,53:電極、 54:吸引管、 55,56:電極
Claims (5)
- 吸引口を有する吸引管と、
該吸引管を介して飛散するトナーを吸引する吸引装置と、
前記吸引管の吸引口近くの内面に沿って配列された複数の電極と、
互いに隣り合う前記電極間に電圧を印加し、振動電界を形成する電源装置とを有することを特徴とするトナー吸引装置。 - 前記電極は、絶縁材料からなる吸引管の内面下に埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載のトナー吸引装置。
- 前記電極は、薄膜状の導電性材料を埋め込んだ絶縁材料からなるシート状部材を前記吸引管の内面に貼り付けたものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー吸引装置。
- 静電潜像が表面に形成される像保持体と、
無端状の周面にトナーを保持して前記像保持体と対向する現像部材を備え、該現像部材から前記静電潜像にトナーを転移して可視像を形成する現像装置と、
前記像保持体と前記現像部材との間に現像バイアス電圧を印加する電源装置と、
前記像保持体と前記現像装置との対向部附近に吸引口を有する吸引管と、
該吸引管を介して前記像保持体と前記現像装置との対向部附近で飛散するトナーを吸引する吸引装置と、
前記吸引管の吸引口近くの内面に沿って配列された複数の電極と、を有し、
互いに隣り合う前記電極間には、前記電源装置から電圧が印加され、振動電界が形成されるものであることを特徴とする画像形成装置。 - 前記電源装置は、前記現像ロールに現像バイアス電圧が印加されているときには、前記電極に印加する電圧はOFFとし、前記現像バイアス電圧がOFFとされた後に前記電極に電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009076269A JP2010230821A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | トナー吸引装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009076269A JP2010230821A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | トナー吸引装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010230821A true JP2010230821A (ja) | 2010-10-14 |
Family
ID=43046732
Family Applications (1)
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JP2009076269A Withdrawn JP2010230821A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | トナー吸引装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010230821A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015125281A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 現像剤回収装置および画像形成装置 |
JP2019028347A (ja) * | 2017-08-01 | 2019-02-21 | 富士ゼロックス株式会社 | 現像装置および画像形成装置 |
-
2009
- 2009-03-26 JP JP2009076269A patent/JP2010230821A/ja not_active Withdrawn
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