JP2010230596A - 地中配管ガスリーク調査方法 - Google Patents

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英昭 手塚
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Abstract

【課題】 高価なガスを用いることなく、また熟練を要することなく、比較的短時間で多数の箇所を調査可能な地下の配管系を調査する技術を提供する。
【解決手段】 調査対象となる地下の配管系の上流側から目視可能なガスを注入する注入手順と、 当該配管系を地上において連続撮影する撮影手順と、 その撮影手順にて撮影された画像データからガス漏れ箇所を探索する探索手順と、からなる地中配管ガスリーク探索方法を提供する。撮影手順にて連続撮影された画像データには、予め背景差分処理を施す。
【選択図】 図1

Description

この発明は、地中に埋められた配管系における異常箇所を調査する技術に関する。
地中配管系において、配管フランジ部の異常や配管の亀裂などが存在すると、所望の輸送が達成できなくなる。また、配管の中を通るガスが漏れ、地中を汚染したり、地上に漏れたりして悪影響を及ぼす。
地中に埋め込んだ配管について、亀裂やフランジ部分を原因とする可燃性ガス(たとえば都市ガス)の漏れが発生した場合、そのガス漏れ箇所を特定する方法は、これまでの現場では、以下の通りであった。
まず、
フレオンなどの無色透明のトレーサガスを配管内に注入する。ガス漏れ箇所があれば、そこからそのトレーサガスが漏れる。その漏れたトレーサガスを、ガス検知機で探索する、という方法である。
本件に関連する先行技術を調査したところ、特許文献1を発見した。
特許文献1に開示された技術は、漏れ検査に要する時間を短縮できるとともに、使用する密閉部材の数を減少できる漏れ検査技術である。具体的には、
『開口部を有する被検査物を収容できるとともに内部にトレースガスを供給できるトレースガス充填容器と、トレースガス充填容器内でトレースガス中に保持されたのちにトレースガス充填容器から順次取り出された被検査物の開口部を密閉するための密閉部材と、密閉部材が取り付けられた被検査物に浸入しているトレースガスを検出するための漏れ検出装置』
である。
特開2006−250789号公報
現場で用いられる、あるいは特許文献1に開示されている技術に用いるガス(たとえばフレオン)は高価である。
また、検査員による成分検査が必要であり、ガス検知器内にトレーサガスが蓄積されその反応の有無を待ちながら詳細に調べる必要があるので、多くの時間を要していた。そのため、散布からサンプリングにて有無を確認するまでに非常に時間を要することとなり、多数の箇所、広範囲な場所を調べることは困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、高価なガスを用いることなく、また熟練を要することなく、比較的短時間で多数の箇所を調査可能な地下系配管のガス漏れ検査技術を提供することを目的とする。
(第一の発明)
本願の第一の発明は、 調査対象となる地下の配管系の上流側から目視可能なガスを注入する注入手順と、 当該配管系を地上において連続撮影する撮影手順と、 その撮影手順にて撮影された画像データからガス漏れ箇所を調査する画像データ分析手順と、を含むこととした地中配管ガスリーク探索方法に係る。
(用語説明)
配管系にて運搬される流体が、凝縮性ガスや有色ガスなど希薄でない場合に採用可能な方法である。
「画像データ分析手順」は、予めガス漏れがない状態の画像データを取得しておくことによって比較する分析手法、目視可能なガス粒子の特徴的な画像を見いだす分析手法などを用いる。
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明に係る地中配管ガスリーク探索方法は、 前記撮影手順にて連続撮影された画像データから得られた画素毎の最大輝度値を用いて最大輝度画像を作成する最大輝度画像作成手順を備え、 前記画像データ分析手順は、前記最大輝度画像を用いてガス漏れ箇所を調査することとすることができる。
「最大輝度画像」を用いることにより、画像データ中から目視可能なガス粒子が発見しやすくなる。
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明に係る地中配管ガスリーク探索方法は、記撮影手順にて連続撮影された画像データには、予め背景差分処理を施すこととすることもできる。
「背景差分処理」を施すことにより、画像データ中から目視可能なガス粒子が発見しやすくなる。
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明に係る地中配管ガスリーク探索方法は、前記注入手順にて注入するガスにつき、常温の大気中では白濁するガスを用いることとしてもよい。
「常温の大気中では白濁するガス」とは、たとえば、四塩化チタンの加水分解したものや、1%のアルコールと99%の水からなる蒸気などである。常温の大気中で白濁すれば、撮影手段によっても目視によっても、ガス漏れ箇所とおぼしき箇所を発見しやすくなる。
第一の発明のバリエーション4)
第一の発明に係る地中配管ガスリーク探索方法は、 前記撮影手順について、撮影範囲を連続的に変化させることとすることもできる。
「撮影範囲を連続的に変化させる」とは、たとえば撮影手段(カメラ)を回転テーブルに設置し、その回転テーブルを一定の速度で回転させる。これによって、広範囲を連続的に撮影することができる。
請求項1から請求項5に記載の発明によれば、高価なガスを用いることなく、また熟練を要することなく、比較的短時間で多数の箇所を調査可能な地下系配管のガス漏れを探索する方法を提供することができた。
第一の実施形態の全体を示す概略的な斜視図である。 第一の実施形態の手順を(a)〜(c)にて示す側面図であり、(d)は(c)の平面図である。 第一の実施形態を実現するためのハードウェア構成図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1には、地中に埋設されたガス管のどこかにガス漏れが生じている様子、およびそのガス漏れ箇所を調査するためのカメラ等を設置した様子を示している。
地中に埋設された配管は、パイプ状のガス管10、そのつなぎ目であるフランジ11、三方バルブ12などを組み合わせて成り立っている。
本実施形態に係る地中配管ガスリーク探索方法は、各種のハードウェアを組み合わせて構成している。
まず、ガス漏れ箇所として探索したい領域の上流に位置する三方バルブ12に、探索用ガスボンベ19から、探索用のガスを注入する。この探索用のガスは、常温の大気中では白濁するガス(四塩化チタンを加水分解したガス)を採用している。常温の大気中で白濁するので、目視によってガス漏れ箇所とおぼしき箇所を発見しやすくなる。また、撮影手段を用いれば、わずかな漏れでも発見できる可能性が高くなる。
前記した三方バルブの下流側の地上部分を撮影できるようにセッティングしたカメラ20と、そのカメラ20の撮影データを画像処理装置40に送信するための撮影データ送信手段21としての携帯パソコンとを現場に設置する。画像処理装置40と撮影データ送信手段21とは、無線の電話回線を介して通信する。
なお、撮影データに撮影した時刻のデータは、タイマーによって付加する(図3参照)。カメラにタイマー(時計)を内蔵している場合には、その時計によって時刻データが撮影データに付加される。
前記カメラ20は、駆動装置を伴った回転テーブル30に載置され固定されている。そして、撮影データ送信手段21としての携帯パソコンは、カメラ20に対する撮影命令信号とともに、回転テーブル30の回転装置に対する駆動制御信号も発信する(図3において、回転テーブル駆動制御装置31として図示している)。この回転テーブル30の存在により、カメラ20を介して広範囲を自動的に撮影できる。
なお、前記の撮影命令信号や駆動制御信号は、画像処理装置40からも発信できるようにしても良い。
図2には、本実施形態の手順を示している。
図2(a)では、三方バルブ12から探索用ガスボンベ19のガスを注入している様子を示している。探索したい範囲の下流側の端部に存在する開閉バルブ13にまで探索用のガスが充満したら、開閉バルブ13を閉じる。
図2(b)では、探索したい範囲に探索用のガスが充満した後にも、更に探索用ガスを注入し続けている様子を示している。この状態で撮影手段による撮影が開始できるようにする。
図2(c)では、探索用のガスが漏れた状態を示している。漏れた状態については、カメラ20によって撮影し、その撮影データは撮影データ送信手段21を介して画像処理装置40に送られる。
図2(d)では、回転テーブル30が駆動することで、撮影範囲を連続的に変更し、探索したい範囲を全て撮影する様子を示している。探索用ガスの注入が連続して行われている場合、ガス漏れ箇所が当該探索したい範囲に複数存在していたとしても、一度の手順で発見することができることとなる。
図3は、本実施形態を実現するためのハードウェア構成図である。
図1および図2に図示したカメラ20、回転テーブル21、撮影データ送信手段(図中では通信装置)21などの他に、時刻データを撮影画像データに組み込むためのタイマー、各種の命令を入力する入力装置などを備えている。
撮影データ送信手段21によって送信される画像データは、撮影画像データベースおよび撮影画像分析装置を備えた画像処理装置40が処理する。
前記の撮影画像データベースには、撮影画像を合成する撮影画像合成部や撮影角度に関する誤差修正などを実行する撮影角度演算部などを備えた画像処理部と、処理された画像データを記録する記録部とを備えている。
撮影画像分析装置は、撮影画像変位判定部、照合部、判定部とを備える。撮影画像変位判定部には、撮影画像に付随した時刻データや撮影画像規則化処理部を備え、撮影時刻や撮影位置を認識する。
撮影画像データは、撮影画像数値化演算部によって、背景差分処理が施されたり、画素毎の最大輝度値を用いた最大輝度画像が作成されたりする。
これらの処理によって、ガス漏れしている箇所と、ガス漏れが認められない箇所との画素データにおける相違点が際だつことになる。
正常時の画像記録部に蓄積されたデータを照合部が抽出し、抽出されたデータとの比較によって、判定部がガス漏れの有無を判定する。
なお、ガス漏れの有無については、正常時の画像データとして記録されたものとの比較のみではなく、背景差分処理が施されたデータによって、白濁したガスの存在が認められるか否か、などとの組み合わせにより、アンド条件やオア条件などを適宜選択し、総合判断をするようにしてもよい。
前記の判定部による判定結果は、表示装置41に表示したり、撮影データ送信手段21の出力画面に送信したりすることができる。
図1においては、撮影データ送信手段21と画像処理装置40とが物理的に離れた状態であるとして説明したが、撮影データ送信手段21に採用するコンピュータのパフォーマンスが高ければ、そのコンピュータに画像処理装置40の機能を全て担当させることとしても良い。その場合には、全ての情報処理を現場にて完結させることができる。
本願発明は、配管系の製造業、配管系のメンテナンス業、気泡発生装置の製造業、ガス事業者などにおいて利用可能性を有する。
10 ガス管 11 フランジ
12 三方バルブ 13 開閉バルブ
19 探索用ガスボンベ
20 撮影装置(カメラ) 21 撮影データ送信手段
30 回転テーブル 31 回転テーブル駆動制御装置
40 画像処理装置 41 表示装置

Claims (5)

  1. 調査対象となる地下の配管系の上流側から目視可能なガスを注入する注入手順と、
    当該配管系を地上において連続撮影する撮影手順と、
    その撮影手順にて撮影された画像データからガス漏れ箇所を調査する画像データ分析手順と、を含むこととした地中配管ガスリーク探索方法。
  2. 前記撮影手順にて連続撮影された画像データから得られた画素毎の最大輝度値を用いて最大輝度画像を作成する最大輝度画像作成手順を備え、
    前記画像データ分析手順は、前記最大輝度画像を用いてガス漏れ箇所を調査することとした請求項1に記載の地中配管ガスリーク探索方法。
  3. 前記撮影手順にて連続撮影された画像データには、予め背景差分処理を施すこととした請求項1または請求項2のいずれかに記載の地中配管ガスリーク探索方法。
  4. 前記注入手順にて注入するガスは、常温の大気中では白濁するガスを用いることとした請求項1から請求項3のいずれかに記載の地中配管ガスリーク探索方法。
  5. 前記撮影手順は、撮影範囲を連続的に変化させることとした請求項1から請求項4のいずれかに記載の地中配管ガスリーク探索方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130063063A (ko) * 2011-12-06 2013-06-14 대우조선해양 주식회사 유색기체를 이용한 선박의 배관 누설 검사방법 및 장치
CN108468948A (zh) * 2018-03-20 2018-08-31 南京邮电大学 一种基于uwb的用于检测地下管道可燃气体泄漏的定位装置
WO2022070943A1 (ja) * 2020-09-29 2022-04-07 コニカミノルタ株式会社 ガス可視化画像処理装置、ガス可視化画像処理方法、および、プログラム

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