JP2010222045A - 缶体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状の缶胴1の1箇所以上に、缶胴全周に沿って突設された環状リブ2を有し、該環状リブ2は、缶胴1の一部を缶胴軸線方向で折り重ねた構造を有し、缶胴面からの環状リブ2の突出長さaが1mm以上である。環状リブ2が缶胴1のパネリング強度を高めるとともに、環状リブ2を構成する缶胴部分は缶胴軸線方向で折り重ねられ、閉じた構造となっているため、この部分から缶胴軸線方向での荷重に対して座屈することがない。このため高いパネリング強度と軸座屈強度を兼ね備えた缶体とすることができる。
【選択図】図2
Description
特許文献2では、パネリング現象および軸座屈現象の両者に対して効果があるとしている。しかし、特許文献2の技術は、缶胴に対して部分的に他の部分よりも厚い部分を設ける必要があり、3ピース缶への適用は不可能である。
[1]円筒状の缶胴の1箇所以上に、缶胴全周に沿って突設された環状リブを有し、該環状リブは、缶胴の一部を缶胴軸線方向で折り重ねた構造を有し、缶胴面からの環状リブの突出長さが1mm以上であることを特徴とする缶体。
[2]上記[1]の缶体において、缶胴面からの環状リブの突出長さが5mm以下であることを特徴とする缶体。
[3]上記[1]または[2]の缶体において、缶胴平行部において環状リブで区画された部分の缶胴軸線方向での長さが45mm以下であることを特徴とする缶体。
本発明では、金属缶のコスト低減のために金属素材の板厚を低減するゲージダウンについて、3ピース缶の場合に現在用いられている最低レベルである0.15mm程度の板厚を0.10mmまでゲージダウンすることを目標とした。
まず、従来広く用いられているビード加工により缶体強度を向上させる技術の検証を行うため、ビード構造を備えた溶接缶を試作し、缶強度を測定した。ビードを備えた缶体の外観を図7(正面図)に示す。
試作した缶体は、缶胴内径dを52.38mm、巻締め部間の長さeを80mmとし、内容量140gとなる缶に相当するものとした。また、ビードは、深さfを0.6mm、ピッチgを4mmとし、缶胴の両端に缶蓋を巻き締めた状態の缶高さの65%の範囲に成形した。比較のために、缶胴にビード加工の無い缶体も試作した。
この実施形態の缶体(金属缶)は、缶胴1の軸線方向(缶胴長手方向)のほぼ中央部に、缶胴内面の全周に沿って突設された環状リブ2を有している。この環状リブ2は、缶胴1の一部をその軸線方向で折り重ねた構造を有する。すなわち、この環状リブ2は、缶胴1の一部分を全周で缶胴内側に凸状に成形・突出させるとともに、この突出部分を、その上下の板部どうしが接するように扁平状に成形した(押し潰した)ものである。
図3は、本発明の他の実施形態を示すものであり、環状リブが形成された缶胴部位の縦断面図である。この実施形態の環状リブ2は、缶胴部分を4重に折り重ねた構造を有する。すなわち、この環状リブ2は、缶胴軸線方向で隣接した2箇所において、缶胴の一部分を全周で缶胴内側に凸状に成形・突出させるとともに、この2つの突出部分を、各々の上下の板部どうしが接し、且つ2つの突出部分どうしも接するように扁平状に成形した(押し潰した)ものである。
このように缶胴部分を多重に折り重ねた構造の環状リブ2は、特にパネリング強度の向上に有効である。
また、上述した実施形態では、環状リブ2は缶胴内面側に突出するように形成してあるが、反対に、缶胴外面側に突出するように形成してもよい。この場合には、缶胴1の一部分を全周で缶胴外側に凸状に成形・突出させるとともに、この突出部分を、その上下の板部どうしが接するように扁平状に成形する(押し潰す)ことで、缶胴1の一部をその軸線方向で折り重ねた構造の環状リブ2を形成する。また、缶胴軸線方向の複数箇所に環状リブ2を設けるとともに、一部の環状リブ2を缶胴内面側に、他の環状リブ2を缶胴外面側にそれぞれ突出するように形成してもよい。環状リブ2を缶胴内面側・外面側のいずれに突出させるかは、缶体の意匠性などを考慮して適宜決めればよい。
一方、突出長さa大きすぎるとパネリング強度の向上効果が小さくなる。これは、突出長さaが大きくなると、環状リブ2の構造が缶胴周方向で不均一になりやすくなることが原因であると考えられる。このため突出長さaは5mm以下であることが好ましい。
本発明の缶体において、環状リブ2は、缶胴1の周方向で均一な突出長で形成されることが望ましい。
このことからして、パネリング強度の面では部分pの長さLは短いほど有利である。しかし、部分pの長さを短くするには、缶胴1の長さを短くするか、環状リブ2の本数を増やす必要があるが、前者は必要な内容量を確保できなくなるという点で現実的ではなく、また、後者はコストの上昇を招く問題がある。したがって、これらの観点から、部分pの長さLは10mm以上とすることが望ましい。
まず、図5(A)、図6(A)に示すように、外周に断面山形状の環状凸条40(雄型)を備えた円筒状の外型4を缶胴1の外側に、外周に断面谷形状の環状溝50(雌型)を備えた円筒状の内型5を缶胴1の内側に、それぞれ配置し、これら外型4と内型5で缶胴1を挟圧し、環状凸条40と環状溝50で缶胴部分を缶胴内側に断面山形状に突出させる予備成形加工を施す(この予備成形加工部2xを図5(B)、図6(B)に示す)。そして、このように缶胴1を挟圧した状態で外型4と内型5を回転させることで、缶胴1の全周にわたり環状凸条40と環状溝50による上述したような予備成形加工がなされる。
なお、缶外面側に環状リブ2を形成する場合には、図5および図6とは逆に、内型5の外周に断面山形状の環状凸条を設け、外型4の外周に断面谷形状の環状溝を設け、これらにより缶胴部分の予備成形加工を行い、しかる後、缶胴外側に配置した挟圧型6で予備成形加工部を上下に挟圧し、これを扁平状に成形すればよい。
長方形の鋼板を素材とし、その対向する端部を接合して円筒とする方法は、十分な接合強度を備えた方法であれば特に規定しないが、溶接法、接着法、半田法などを用いことができる。これらのうち、特に接合強度の高い溶接法が好適である。溶接法としては、シーム溶接などの通電溶接や、レーザー溶接を適用することができる。
板厚0.10mm、JIS−G3303における調質度DR−8の鋼板に錫めっき付着量1.1g/m2の錫めっきを施し、この錫めっき鋼板の両面に、後に溶接される部分を除いてPETフィルムを熱融着法でラミネートしたラミネート鋼板を素材とし、缶内径52.38mm、66.25mmの溶接缶胴を製造した。この溶接缶胴に対して、溶接部の内面補修塗装およびその焼付けを行った後、図5および図6に示す方法で環状リブを成形加工した。溶接缶胴の両端に缶蓋を巻き締め、表1に関する試験と同じ方法でパネリング強度と軸座屈強度を測定した。その結果を、缶内径、環状リブの構成などとともに表2に示す。なお、表2において、環状リブの本数:0の実施例(No.7,No.9,No.15)は、環状リブを設けなかった比較例の缶体である。パネリング強度の評価は、147kPa以上を“合格”(○)、157kPa以上を“特に優れる”(◎)とした。
表2によれば、溶接缶胴に環状リブを設けた本発明例の缶体は、軸座屈強度が低下することなく、パネリング強度が向上していることが判る。なかでも、環状リブの突出長さaが5mm以下で且つ部分pの長さLが45mm以下である本発明例の缶体は、特に優れた缶強度を有している。
板厚0.21mm、JIS−G3303における調質度T−3CAの鋼板にクロムめっきを施し、金属クロム付着量とクロム水酸化物付着量がそれぞれクロム換算で120mg/m2、15mg/m2のティンフリースチールとした後、その両面にPETフィルムを熱融着法でラミネートしたラミネート鋼板を素材として用いた。このラミネート鋼板の表面に加工潤滑剤となるパラフィンワックスを塗布した後、薄肉化深絞りしごき加工により、缶内径52.38mm、66.25mmの絞り缶胴を製造した。この絞り缶胴に対し、パラフィンワックスを除去するために200℃で3分の熱処理を施した後、図5および図6に示す方法で環状リブを成形加工した。絞り缶胴の一端に缶蓋を巻き締め、表1に関する試験と同じ方法でパネリング強度と軸座屈強度を測定した。その結果を、缶内径、環状リブの構成などとともに表3に示す。なお、表3において、環状リブの本数:0の実施例(No.23,No.25,No.31)は、環状リブを設けなかった比較例の缶体である。パネリング強度の評価は、実施例1と同様とした。
表3によれば、絞り缶胴に環状リブを設けた本発明例の缶体は、軸座屈強度が低下することなく、パネリング強度が向上していることが判る。なかでも、環状リブの突出長さaが5mm以下で且つ部分pの長さLが45mm以下である本発明例の缶体は、特に優れた缶強度を有している。
2 環状リブ
2x 予備成形加工部
3a,3b 巻き締め部
4 外型
5 内型
6 挟圧型
20 基端部
21 先端部
40 環状凸条
50 環状溝
60 上型
61 下型
100 ネック部
p 部分
Claims (3)
- 円筒状の缶胴の1箇所以上に、缶胴全周に沿って突設された環状リブを有し、該環状リブは、缶胴の一部を缶胴軸線方向で折り重ねた構造を有し、缶胴面からの環状リブの突出長さが1mm以上であることを特徴とする缶体。
- 缶胴面からの環状リブの突出長さが5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の缶体。
- 缶胴平行部において環状リブで区画された部分の缶胴軸線方向での長さが45mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の缶体。
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