JP2010221766A - 航空機脚 - Google Patents

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Abstract

【課題】航空機脚1に対し、シミーダンパを後付け容易に構成する。
【解決手段】航空機脚1は、ストラットシリンダ21と、ストラットピストン22とを含んで構成されるショックストラット2と、ストラットシリンダ21及びストラットピストン22間の軸線X回りの相対回転は規制するトルクリンク4と、車輪3にシミーが発生したときに振動する所定の振動部材に対して取り付けられて、当該シミーを減衰させるダイナミックダンパ5と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、航空機脚に関する。
軸線方向に相対移動する同軸配置のストラットシリンダとストラットピストンとを含んで構成され、その軸線方向の荷重を吸収するショックストラットを備えた航空機脚においては、ストラットシリンダとストラットピストンとの間の、軸線回りの相対回転を規制するためにトルクリンクが取り付けられることが一般的である。トルクリンクは、ストラットシリンダ側に枢支結合されると共に、前記軸線に対して径方向の外方に延びて配設されたアッパリンクと、ストラットピストン側に枢支結合されると共に、軸線に対して径方向の外方に延びて配設されたロアリンクとの端部同士が枢支結合されることによって構成される。これによってトルクリンクは、端部同士の枢支部を中心として各リンクが回動することによりストラットシリンダとストラットピストンとの軸線方向の相対移動は許容する一方で、各リンクの部材剛性によってストラットシリンダとストラットピストンとの軸線回りの相対回転は規制する。
こうしたショックストラット及びトルクリンクを備えた航空機脚においては、車輪に首振り振動(シミー:shimmy)が発生する場合がある。シミーが発生する場合にはそれを減衰させるシミーダンパが航空機脚に設けられる。例えば特許文献1には、ステアリング機構を含む前脚に設けられたシミーダンパとして、そのステアリンク機構を構成する油圧回路内にオリフィスを設けた構成が開示されている。また、例えば特許文献2には、ステアリング機構を含まない主脚のシミーダンパとして、トルクリンクにおけるアッパリンクとロアリンクとの枢支部分(アペックス)に、アッパリンク及びロアリンク間のシミーに伴う差動に対し作用する粘性ダンパを取り付けた構成が開示されている。
米国特許出願公開第2006/144993号明細書 米国特許第5224668号明細書
ところで、シミーの発生は、試作機を実際に作製し、それを地上で走行させることによって確認する以外に、事前にその発生の有無を予測することは困難であり、シミーダンパは、試作機を作製後に航空機脚に設けられることが多い。このため、シミーダンパは、例えば後付けが可能な方が望ましく、チューニングも容易であることがより好ましい。
しかしながら、従来のシミーダンパは、前述したように油圧回路内に設けられたオリフィスであったり、トルクリンクのアペックスに設けられる粘性ダンパであったりするため、シミーダンパを設けるには、それらの部分の構成を、シミーダンパが設けられていない試作機からは大幅に変更しなければならないという問題がある。また従来のシミーダンパは、チューニングも容易ではない。
また、前脚は、航空機の牽引時には、トルクリンクのアペックスを切り離し可能に構成しなければならないため、例えば特許文献2に開示されているような、アペックスに設けた粘性ダンパを前脚に適用することはできない。その結果、例えば特許文献1に開示されているようなステアリングに関係する油圧回路等にシミーダンパを設ける構成が採用されることになる。すなわち、前脚はシミーダンパを後付けすることが特に困難である。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、航空機脚に対しシミーダンパを後付け容易にすることにある。
ここに開示する航空機脚は、機体側に固定されるストラットシリンダと、当該ストラットシリンダの軸線と同軸となるようにこのストラットシリンダに内挿されると共に、車輪を軸支するストラットピストンとを含んで構成されるショックストラットと、前記ショックストラットにおけるストラットシリンダ側とストラットピストン側との間に配設されて、前記ストラットシリンダ及びストラットピストン間の前記軸線方向の相対移動は許容する一方で、前記ストラットシリンダ及びストラットピストン間の前記軸線回りの相対回転は規制するトルクリンクと、前記車輪にシミーが発生したときに振動する、所定の振動部材に対して取り付けられることによって、当該シミーを減衰させるダイナミックダンパと、を備えている。
ダイナミックダンパは、ばね及びマスを含みかつ、主振動系に付加される副振動系であり、振動部材に対して、例えばボルト・ナットからなる締結手段等によって取り付けることが可能である。このため、ダイナミックダンパは、航空機脚に対する後付けが容易になる。また、ダイナミックダンパは、そのばねやマスの調整によってチューニングが可能であるため、チューニング作業が比較的容易であると共に、そのダイナミックダンパが取り付け容易であることは、取り外しも容易であることになるため、チューニングのために、ダイナミックダンパ交換等を行うこともまた、容易に行い得る。
前記トルクリンクは、その基端が前記ストラットシリンダ側に枢支結合されると共に、その先端が前記軸線から離れるように径方向の外方に延びて配設されたアッパリンクと、その基端が前記ストラットピストン側に枢支結合されると共に、その先端が前記軸線から離れるように径方向の外方に延びて配設されたロアリンクとを含み、前記アッパリンク及びロアリンクの先端部同士が枢支結合されることによって構成され、前記ダイナミックダンパは、前記アッパリンク及び前記ロアリンクの少なくとも一方に取り付けられている、としてもよい。
トルクリンクは、ストラットピストンに結合されているため、シミーの発生時に振動をする振動部材に相当する。トルクリンクはまた、外部に露出している部材であるため、ダイナミックダンパの取り付け及び取り外しを容易に行い得る。また、アッパリンク及び/又はロアリンクにダイナミックダンパを取り付け、その枢支部にはシミーダンパを設けないため、アッパリンクとロアリンクとの枢支部の構造を変更する必要はない。従って、既存のトルクリンクに対して後付けが容易に行い得る。さらに、アッパリンク及びロアリンクは、軸線に対して径方向の外方に突出するように配設されるため、そのアッパリンク又はロアリンクに取り付けられるダイナミックダンパは、軸線から径方向の外方位置に離れた位置に配置される。軸線に対して離れた位置は、振動による変位が大きくなることから、こうした位置にダイナミックダンパを配設することは、軸線回りの振動であるシミーを効率的に減衰し得る。つまり、この構成は、減衰効果を向上させる上で有利である。
前記ダイナミックダンパは、前記振動部材に取付固定される取付部と、前記取付部に接合されると共に、少なくとも前記振動部材の振動方向に弾性変形可能な弾性部と、前記弾性部を介して前記取付部に支持されかつ、前記弾性部の弾性変形を通じて振動する質量部と、前記質量部が振動する方向を、前記振動部材の振動方向となるように規制する規制壁と、を備えている、としてもよい。質量部の振動する方向を、規制壁によって振動部材の振動方向となるように規制することで、シミーを効率的に減衰し得る。
航空機脚は、少なくとも前記弾性部及び質量部の周囲を覆うカバー部を備え、前記規制壁は、前記カバー部において、前記質量部を挟んだ両側位置で前記振動方向に延びて配設された側壁によって構成されている、としてもよい。こうすることで、質量部は、側壁によってその振動方向が案内されるようになって、その振動方向が振動部材の振動方向となるように規制される。また、カバー部が、質量部の振動方向の規制機能を兼用することで、部品点数の低減化及び軽量化が図られると共に、弾性部及び質量部を覆うことによる耐環境性の向上が図られる。
前記取付部は、前記振動部材に対し締結部材によって締結固定されている、としてもよい。こうすることで、ダイナミックダンパを、後付けによって容易に取り付けることが可能になると共に、その取り外しも容易に行い得るから、チューニングもまた容易に行い得る。
以上説明したように、この技術によると、所定の振動部材に対してダイナミックダンパを取り付けることで航空機脚のシミーダンパを構成するため、例えばボルト・ナットからなる締結手段等によってダイナミックダンパを取り付けるようにすれば、ダイナミックダンパの取り付け及び取り外しが容易になり、シミーダンパを、航空機脚に対して簡易に後付けすることができるようになると共に、そのチューニングもまた容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、適用物或いは用途を制限することを意図するものではない。
図1は、この実施形態に係る航空機脚を示しており、この航空機脚はステアリング機構を含む前脚1に構成されている。前脚1は、図示省略の航空機の機体と車輪3との間に配置されて、当該車輪3を支持するショックストラット2を備えている。ショックストラット2は、鉛直方向に対し所定の角度で傾斜した軸線X方向に延びる概略円筒状のストラットシリンダ21と、同じく軸線X方向に延びる概略円柱状のストラットピストン22と、を含みかつ、ストラットシリンダ21に対し、ストラットピストン22が同軸となるように内挿されることによって構成されている。ストラットピストン22はストラットシリンダ21に対して相対的に進退可能であり、前記ストラットシリンダ21は、図示は省略するが、軸線X方向の衝撃荷重や振動荷重を吸収するための緩衝機構を内蔵している。ストラットシリンダ21は、前記機体に対して固定される一方、ストラットピストン22の下端部には、前記車輪3が前記軸線Xに対し直交する水平軸に対して軸支されており、これによって車輪3は水平軸回りに回転する。
ショックストラット2のストラットシリンダ21には、その下端部に、ストラットシリンダ21に対して相対的に、軸線X回りに回動可能なカラー24が取り付けられている。カラー24は、図示は省略するステアリング機構に接続されていて、そのステアリング機構によって軸線X回りに回動される。
カラー24と、ストラットピストン22との間は、トルクリンク4によって互いに連結されている。トルクリンク4は、図2にも示すように、相対的に上側に配置されるアッパリンク41と、相対的に下側に配置されるロアリンク42と、によって構成されている。アッパリンク41は、その基端部が、カラー24に対し、水平方向の軸回りに枢支結合されていて、その先端部が軸線Xから離れるように、径方向外方の斜め下方に延びるように配設されている。ロアリンク42は、その基端部が、ストラットピストン22の上端部に対し、水平方向の軸回りに枢支結合されていて、その先端部が軸線Xから離れるように、径方向外方の斜め上方に延びるように配設されている。そうして、アッパリンク41の先端部とロアリンク42の先端部とは、水平方向の軸回りに回動可能となるように、互いに枢支結合されている。これによって、トルクリンク4は、ストラットシリンダ21とストラットピストン22との軸線X方向の相対移動は、アッパリンク41とロアリンク42とがその先端部同士の枢支軸を中心として回動することによって許容しつつ、ストラットシリンダ21とストラットピストン22との軸線X回りの相対回転は、アッパリンク41及びロアリンク42の剛性によって規制するように構成されている。一方で、このトルクリンク4は、カラー24が、ステアリング機構によって回動されたときには、ストラットピストン22にトルクを伝達することによって、このストラットピストン22を軸線X回りに回動させ、それによって車輪3の舵角を変更するように構成されている。尚、詳細な図示は省略するが、航空機の牽引時に車輪3をステアリング機構から切り離すために、アッパリンク41とロアリンク42との枢支部は切り離し可能に構成されている。
ここで、この前脚1においては、車輪3にシミーが発生したときには、ストラットピストン22を通じてトルクリンク4(アッパリンク41及びロアリンク42)が、図1の紙面に対しおおよそ直交する方向に振動することになる(図3の矢印参照)。シミーを減衰させるためのシミーダンパとして、この前脚1には、トルクリンク4にダイナミックダンパ(動吸振器)5を取り付けている。
図2は、トルクリンク4及びダイナミックダンパ5の分解斜視図であり、アッパリンク41は、カラー24に枢支結合される基端部及びロアリンク42に枢支結合される先端部の双方が、その間に部材を挟み込むように二叉状に形成されているのに対し、ロアリンク42は、ストラットピストン22に枢支結合される基端部は二叉状であるのに対して、アッパリンク41に枢支結合される先端部は、そうした二叉状に形成されていない。このため、このトルクリンク4においては、アッパリンク41が相対的に広いリンク幅を有していることから、ダイナミックダンパ5をアッパリンク41の上面に取り付けるようにして、その取り付けの安定化を図っている。また、アッパリンク41の上側には干渉物がない点も、ダイナミックダンパ5の取り付けには適している。
ダイナミックダンパ5は、取付部51、弾性部52、質量部53及びカバー部54を含んで構成されている。
ここで、アッパリンク41は、軽量化のために、その上面に凹み部411がリンクの長手方向に延びるように形成されていることから、ダイナミックダンパ5を取り付けるにあたり、アッパリンク41には、この凹み部411を埋める第1ベース412と、この第1ベース412に対して固定されて、アッパリンク41よりも幅方向(後述するように、振動方向)に突出する第2ベース413と、がそれぞれ取り付けられている。ダイナミックダンパ5は、この第2ベース413上に載置されるように、この第2ベース413に対して取付固定される。
第1ベース412は、平面視で概略三角形状を有すると共に、所定の厚みを有する部材であり、その下面は、アッパリンク41の凹み部411に沿うように下方に向かって膨出している一方、上面は、この第1ベース412をアッパリンク41に対して固定したときに、このアッパリンク41上面と面一となるような平坦面に構成されている。第1ベース412には、合計3つの貫通孔414が、平面視で三角形状を形成するように、貫通形成されている。また、アッパリンク41の凹み部411内おける先端側(ロアリンク42に枢支結合される端側)には、第1ベース412と同様の、平面視で三角形状を形成する3つの貫通孔415が、貫通形成されている。これらの貫通孔414,415は、後述するように第1ベース412及び第2ベース413をアッパリンク41に対して固定するときに利用される。
第2ベース413は、アッパリンク41の幅方向に延びる平板状の部材であり、前記第1ベース412に形成されている3つの貫通孔414に対応するように、その中央部に3つのボルト孔416が形成されている。第2ベース413の上面中央部には、この3つのボルト孔416を含むように、凹部417が形成されており、この凹部417は、ボルト孔416に内挿されるボルト418の頭部が、この第2ベース413の上面よりも上方に突出しないようにして、この第2ベース413の上面側に、後述するダイナミックダンパ5を配設可能にする。
第1ベース412及び第2ベース413は、アッパリンク41の上面に、前述したように、第1ベース412及び第2ベース413の順で載置され、その状態で各ボルト418が、第2ベース413のボルト孔416、第1ベース412の貫通孔414及びアッパリンク41の貫通孔415をそれぞれ貫通して配置される。そうして、アッパリンク41の下面側から、各ボルト418に対してナット419を螺合することにより、これらを共締めして、第1及び第2ベース412,413がアッパリンク41に対して取り付け固定される。
また、幅方向に延びる第2ベース413の一端部には、ダイナミックダンパ5の取り付け用の取付孔410が、2つ並んで貫通形成されている。
ダイナミックダンパ5の取付部51は、矩形ブロック状の部材であって、前記の取付孔410に対応するように、上下方向に貫通する2つの貫通孔511が形成されている。この貫通孔511は、この取付部51を第2ベース413に取付固定する(つまりダイナミックダンパ5をアッパリンク41に取付固定する)ための取付ボルト512が内挿される孔である。
弾性部52は、弾性変形可能な弾性材からなり、ここではゴムブロックによって構成されている。弾性部52は、取付部51に対して例えば接着により接合されている。弾性部52を構成するためのゴムとしては、ダイナミックダンパ5として所定の機能を発揮するための剛性、及び、航空機脚に取り付けられる部材としての耐環境性が要求される。その種類は特に限定されないが、具体例としては、例えばクロロプレンゴムや、ウレタンゴム等が挙げることができる。この弾性部52は、ダイナミックダンパ5におけるばね定数を規定するため、その硬さや大きさ等の、ばね定数を変更し得るパラメータは、後述するようにチューニングによって適宜設定されることになる。尚、弾性部52は、ゴムに限らず、例えばばね等の他の弾性材によって構成してもよい。
質量部53は、ダイナミックダンパ5におけるマスとして機能する部分であり、矩形ブロック状の金属材料より構成されている。質量部53は、取付部51とは逆側において弾性部52に対し接着により接合されており、これによって質量部53は、弾性部52を介して取付部51、ひいてはシミーにより振動する部材であるアッパリンク41に支持されることになる。この質量部の質量(例えばその大きさ等)もまた、チューニングによって適宜設定されることになる。
カバー部54は、横断面逆U字状の部材であって、前記取付部51、弾性部52及び質量部53を覆うように、アッパリンク41の幅方向に延びて配設されている。これによってカバー部54は、取付部51、弾性部52及び質量部53の耐環境性を向上させる。より詳細に、このカバー部54は、ダイナミックダンパ5の両側それぞれに、このダイナミックダンパ5に沿うように、アッパリンク41の幅方向に延びる一対の側壁541と、ダイナミックダンパ5の上方位置においてアッパリンクの幅方向に延びて配置されると共に、一対の側壁541の上端縁同士を互いに連結する上壁542と、を備えて構成されており、ダイナミックダンパ5の上方及び両側方がカバー部54によって覆われることになる。尚、ダイナミックダンパ5の下方は、第2ベース413によって覆われている。
尚、ここに示すカバー部54は、アッパリンク41の幅方向における各端部、つまり、ダイナミックダンパ5における取付部51側の端部(図2における左手前側の端部)及び質量部53側の端部(図2における右奥側の端部)がそれぞれ開放されているが、この各端部に、上壁54から下方に延びる側壁を有するようにして、ダイナミックダンパ5における取付部51側の前端や、質量部53側の後端を、その側壁によって覆うようにしてもよい。
図3は、カバー部54を取り外した状態での、アッパリンク41に取り付けられたダイナミックダンパ5の平面図である。同図に矢印で示すように、車輪3にシミーが発生したときには、アッパリンク41は、概ねその幅方向に振動をすることから、このアッパリンク41に取付固定されたダイナミックダンパ5は、その弾性部52がアッパリンク41の幅方向に伸縮変形することによって、質量部53をアッパリンク41の幅方向に振動させる。こうして、そのシミーを減衰させることになるが、図3に仮想的に示す前記カバー部54の各側壁541は、質量部53がアッパリンク41の長手方向に移動した場合には、それと干渉することから、質量部53の振動方向を、アッパリンク41の振動方向と略一致させるように、質量部53の振動方向を規制する機能を有している。
カバー部54にはまた、その一端側に2つの貫通孔543が並んで貫通形成されており、この貫通孔543に対して挿通された前記取付ボルト512が、取付部51の貫通孔511及び第2ベース413の取付孔410をそれぞれ貫通配置され、第2ベース413の下面側から、ナット513が取付ボルト512に螺合することによって共締めされて、カバー部54を含むダイナミックダンパ5が、第2ベース413ひいてはアッパリンク41に対して取り付けられる。
この構成を有する前脚1においては、シミーダンパとしてダイナミックダンパ5を採用しているため、トルクリンク4に対して、容易に後付けを行うことが可能である。つまり、例えば試作機を実際に作製し、それを地上で走行させることによってシミーの発生を確認した場合に、既存のトルクリンク4に対して後付けで取り付けることが可能である。具体的には、前述したように、トルクリンク4のアッパリンク41に対し、ボルト418・ナット419により第1ベース412及び第2ベース413をそれぞれ取り付けると共に、その第2ベース413に対し、取付ボルト512及びナット513によってダイナミックダンパ5を取付固定することになる。ダイナミックダンパ5は、ボルト・ナットからなる締結部材による取付固定が可能であると共に、シミーによって振動する部材(ここではアッパリンク41)に対して直接取り付けることが可能であるため、後付けが容易である。また、アッパリンク41は、外部に露出している部材である点も後付けに有利である。特に、ダイナミックダンパ5を、長手方向に延びるアッパリンク41の途中位置に取り付けているため、トルクリンク4の構成自体、特にアッパリンク41とロアリンク42との枢支部の構成を変更する必要がない。また、アッパリンク41とロアリンク42との枢支部にダンパが設けられないことから、この枢支部の切り離し構成はそのまま確保される。
また、ダイナミックダンパ5のチューニングは、そのばねやマスの調整によるため比較的容易である上に、この前脚1においては、ダイナミックダンパ5がボルト・ナットによってアッパリンク41に取り付けられることから、その取り外しもまた容易である。従って、ダイナミックダンパ5のばねやマスを調整すべく、ダイナミックダンパ5を交換することも、極めて容易に行い得る。つまり、チューニングが容易になる。
このチューニングに際し、弾性部52や質量部53の大きさが変更される場合には、そのサイズ変更に応じて、弾性部52及び質量部53を支持する第1及び第2ベース412,413の大きさも変更することが望ましい。ここにおいて第2ベース413は、前述したように、第1ベース412とは別体であるため、弾性部52及び質量部53の大きさに合わせて第2ベース413のみを交換すればよく、第1ベース412は交換する必要がない。これは、チューニングに際して有利な構成である。尚、前記の第1ベース412及び第2ベース413は別体にすることには限定されず、これらを一体化してもよい。
また、弾性部52や質量部53の大きさが変更される場合には、そのサイズ変更に応じて、弾性部52及び質量部53を覆うカバー部54の大きさも変更することが望ましい。ここにおいても、カバー部54は、第1及び第2ベース412,413とは別体であるため、前記と同様に、弾性部52や質量部53の大きさに合わせてカバー部54のみを交換すればよい。このこともまた、チューニングに際して有利になる。尚、前記のカバー部54と第2ベース413とを一体化するようにしてもよく、さらには、前記のカバー部54と第2ベース413と第1ベース412とを一体化するようにしてもよい。
さらに、ダイナミックダンパ5は、長手方向に延びるアッパリンク41において、アッパリンク41とロアリンク42との枢支部側に配置されており、これによりダイナミックダンパ5は、図1に符号Dで示すように、軸線Xに対して径方向の外方に離れた位置に配置されている。このことは、軸線X回りの振動を効率的に減衰させる上で有効である。
加えて、カバー部54の側壁541によって、質量部53の振動方向が、アッパリンク41の振動方向に概略一致するため、ダイナミックダンパ5によるシミーの減衰効果を効率的に向上させることが可能になる。しかもそうしたガイド機能を、カバー部54に兼用させていることで、部品点数の低減化及び軽量化が図られる。
尚、前記の構成では、ダイナミックダンパ5を、トルクリンク4のアッパリンク41に取り付けているが、ダイナミックダンパ5をロアリンク42に、例えばその下面に取り付けるようにしてもよい。また、アッパリンク41とロアリンク42との双方にダイナミックダンパ5を取り付けてもよい。
またトルクリンク4に限らず、車輪3にシミーが発生したときに振動し得る部分、例えばストラットピストン22側の部材に対してダイナミックダンパ5を取り付けるようにしてもよい。
また、前記の構成は、航空機の前脚の例であったが、シミーダンパとしてのダイナミックダンパ5を主脚に取り付けるようにしてもよい。
以上説明したように、この技術は、シミーダンパを、その調整をも含めて後付け容易に構成することができるから、シミーダンパが設けられた前脚及び主脚構造として有用である。
ダイナミックダンパを取り付けた前脚の側面図である。 ダイナミックダンパ及びトルクリンクの分解斜視図である。 トルクリンクに取り付けたダイナミックダンパの平面図である。
1 前脚(航空機脚)
2 ショックストラット
21 ストラットシリンダ
22 ストラットピストン
3 車輪
4 トルクリンク
41 アッパリンク
42 ロアリンク
5 ダイナミックダンパ
51 取付部
52 弾性部
53 質量部
54 カバー部
541 側壁(規制壁)

Claims (5)

  1. 機体側に固定されるストラットシリンダと、当該ストラットシリンダの軸線と同軸となるようにこのストラットシリンダに内挿されると共に、車輪を軸支するストラットピストンとを含んで構成されるショックストラットと、
    前記ショックストラットにおけるストラットシリンダ側とストラットピストン側との間に配設されて、前記ストラットシリンダ及びストラットピストン間の前記軸線方向の相対移動は許容する一方で、前記ストラットシリンダ及びストラットピストン間の前記軸線回りの相対回転は規制するトルクリンクと、
    前記車輪にシミーが発生したときに振動する、所定の振動部材に対して取り付けられることによって、当該シミーを減衰させるダイナミックダンパと、
    を備えている航空機脚。
  2. 請求項1に記載の航空機脚において、
    前記トルクリンクは、その基端が前記ストラットシリンダ側に枢支結合されると共に、その先端が前記軸線から離れるように径方向の外方に延びて配設されたアッパリンクと、その基端が前記ストラットピストン側に枢支結合されると共に、その先端が前記軸線から離れるように径方向の外方に延びて配設されたロアリンクとを含み、前記アッパリンク及びロアリンクの先端部同士が枢支結合されることによって構成され、
    前記ダイナミックダンパは、前記アッパリンク及び前記ロアリンクの少なくとも一方に取り付けられている航空機脚。
  3. 請求項1又は2に記載の航空機脚において、
    前記ダイナミックダンパは、前記振動部材に取付固定される取付部と、前記取付部に接合されると共に、少なくとも前記振動部材の振動方向に弾性変形可能な弾性部と、前記弾性部を介して前記取付部に支持されかつ、前記弾性部の弾性変形を通じて振動する質量部と、前記質量部が振動する方向を、前記振動部材の振動方向となるように規制する規制壁と、を備えている航空機脚。
  4. 請求項3に記載の航空機脚において、
    少なくとも前記弾性部及び質量部の周囲を覆うカバー部を備え、
    前記規制壁は、前記カバー部において、前記質量部を挟んだ両側位置で前記振動方向に延びて配設された側壁によって構成されている航空機脚。
  5. 請求項3又は4に記載の航空機脚において、
    前記取付部は、前記振動部材に対し締結部材によって締結固定されている航空機脚。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9714689B2 (en) 2014-04-16 2017-07-25 Spp Canada Aircraft, Inc. Aircraft shock absorber redundant seal assembly

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