JP2010221087A - 汚染粘性土の浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】浄化処理及び後処理の手間がかかることなく、しかも、処理土の用途が大きく制限されることもない汚染粘性土の浄化方法を提供する。
【解決手段】本発明は、有機汚染物質で汚染された汚染粘性土に栄養材を供給してから通気処理を施すことにより、その汚染粘性土内に生息する好気性微生物を活性化させて、当該汚染粘性土を浄化する汚染粘性土の浄化方法であって、汚染粘性土内に栄養材及びペーパースラッジ灰の焼却灰を混入させ、その後、汚染粘性土に通気処理を施すものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、有機汚染物質で汚染された汚染粘性土に栄養材を供給してから通気処理を施すことにより、その汚染粘性土内に生息する好気性微生物を活性化させて、当該汚染粘性土を浄化する汚染粘性土の浄化方法であって、汚染粘性土内に栄養材及びペーパースラッジ灰の焼却灰を混入させ、その後、汚染粘性土に通気処理を施すものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、汚染粘性土の浄化方法に関する。
有機汚染物質(例えば、油やベンゼン等)で汚染された汚染粘性土(以下単に「汚染粘性土」という。)を浄化する技術として、近年、汚染粘性土に栄養材(例えば、N源、P源等)を供給してから通気処理を施すことにより、その汚染粘性土内に生息する好気性微生物を活性化させて、当該汚染粘性土を浄化する発明が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、粘性土は、その土粒子間の間隙が十分でないため、汚染粘性土に通気処理を施したとしても、当該汚染粘性土内に空気が十分に行き渡った状態にならず、当該汚染粘性土内に生息する好気性微生物が十分に活性化されない。さらに、このような汚染粘性土にあっては、栄養材を十分に混ぜ込むことも困難であることから、好気性微生物が活性化されにくい。そのため、有機汚染物質(例えば、油やベンゼン等)の分解が進行せず、汚染粘性土を十分に浄化することができなかった。このように、汚染粘性土にあっては、通気条件が良くないため、空気及び栄養材が当該汚染粘性土内に十分に供給されず、汚染粘性土を十分に浄化することができなかったのである。
そこで、従来より、汚染粘性土の通気条件を改善するために、汚染粘性土にウッドチップやオガ屑を混入させてから通気処理を行う技術が知られている。
しかしながら、汚染粘性土を浄化する場合に、従来の技術の如く、当該汚染粘性土にウッドチップやオガ屑を混入させるときには、次のような問題(1)及び問題(2)がある。
すなわち、汚染粘性土の通気条件を改善するために、ウッドチップやオガ屑を用いる場合には、当該汚染粘性土にウッドチップやオガ屑を大量に混入させる必要がある。とりわけ、粘土及びシルト成分が多い汚染粘性土の通気条件を改善する場合には、当該汚染粘性土に混入させるウッドチップやオガ屑の量を増加させる必要がある。そのため、浄化処理の手間がかかってしまうとともに、当該汚染粘性土を浄化処理した後の土(「以下「処理土」という。」の量が多くなって、埋め戻し処理の手間がかかるなど、後処理の手間もかかってしまう(問題(1))。
しかも、従来の資材であるウッドチップやオガ屑は、有機資材である。そのため、処理土内に大量に混入しているウッドチップやオガ屑が、長期的には分解されることとなり、その結果、処理土の体積が減少するなど、処理土の性質が変容してしまう。従って、例えば、処理土を埋め戻し土壌として利用すると、埋め戻し後の土壌の強度が次第に弱くなってしまうなどの理由により、処理土の用途が大きく制限されてしまう(問題(2))。
本発明は、このような従来の技術の問題(1)及び(2)に鑑みてなされたものであり、浄化処理及び後処理の手間がかかることなく、しかも、処理土の用途が大きく制限されることもない汚染粘性土の浄化方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、有機汚染物質で汚染された汚染粘性土を浄化する際に、ウッドチップやオガ屑ではなく、ペーパースラッジ灰の焼却灰(以下「PS材」という。)を用いることとした。
すなわち、本発明は、有機汚染物質で汚染された汚染粘性土に栄養材を供給してから通気処理を施すことにより、その汚染粘性土内に生息する好気性微生物を活性化させて、当該汚染粘性土を浄化する汚染粘性土の浄化方法であって、前記汚染粘性土内に前記栄養材及びペーパースラッジ灰の焼却灰を混入させ、その後、当該汚染粘性土に前記通気処理を施すことを特徴とする。
本発明によれば、有機汚染物質で汚染された汚染粘性土を浄化する場合において、当該汚染粘性土に少量のPS材を混入させることにより、当該汚染粘性土の通気条件を改善することができる。そのため、本発明の場合には、当該汚染粘性土に大量の資材を混入させる従来の技術の場合とは異なり、浄化処理及び後処理の手間がかかるものではない。しかも、本発明で用いるPS材は、2度焼された焼却灰であって、処理土内で分解されにくい。そのため、本発明の場合には、当該汚染粘性土に有機資材を混入させる場合とは異なり、処理土の用途が大きく制限されることもない。
また、本発明において、前記ペーパースラッジ灰の焼却灰は、ペーパースラッジを800℃以上850℃以下の温度で焼成してから、さらに850℃以上900℃以下の温度で再焼成して得られるものであることを特徴とする。
また、本発明において、前記ペーパースラッジ灰の焼却灰は、そのpHが6以上10以下であることを特徴とする。
また、本発明において、前記有機汚染物質は、油であることを特徴とする。
また、本発明において、前記ペーパースラッジ灰の焼却灰は、そのpHが6以上10以下であることを特徴とする。
また、本発明において、前記有機汚染物質は、油であることを特徴とする。
本発明によれば、浄化処理及び後処理の手間がかからず、しかも、処理土の用途が大きく制限されることもない汚染粘性土の浄化方法を提供することが可能となる。
本発明者らは、汚染粘性土の通気条件を改善するための資材として、ペーパースラッジ灰の焼却灰(以下「PS材」という。)を用いる場合には、少量の資材により、当該汚染粘性土の通気条件を改善することが可能であり、汚染粘性土、とりわけ、粘土及びシルト成分が多い汚染粘性土を浄化する場合であっても、浄化処理及び後処理の手間がかからないと考えた。そこで、本発明者らは、粘土及びシルト成分が多い汚染粘性土であっても、少量のPS材を用いることにより、当該汚染粘性土の通気条件を改善することが可能であることを確認するために、次の通り、確認試験(1)及び(2)を実施した。
===確認試験(1):観察試験===
確認試験(1)では、まず、供試土として、軽質油で汚染された砂質粘土(粘土:シルト:砂=3:3:4、含水比28%)を用意した。
次に、この供試土にPS材を混入させて、PS材の供試土に対する配合重量比が3%、4%及び5%となるように配合したサンプルをそれぞれ作製した。
確認試験(1)では、まず、供試土として、軽質油で汚染された砂質粘土(粘土:シルト:砂=3:3:4、含水比28%)を用意した。
次に、この供試土にPS材を混入させて、PS材の供試土に対する配合重量比が3%、4%及び5%となるように配合したサンプルをそれぞれ作製した。
PS材は、ペーパースラッジを800℃以上850℃以下の温度で焼成してから、さらに850℃以上900℃以下の温度で再焼成(再焼成時間:40〜60分)して得られるものであり、この確認試験では、株式会社フジタ社製の「FTマッドキラー」を用いた。また、PS材のpHは、通常、6以上10以下であり、この確認試験で実際に用いたPS材のpHは、約9であった。PS材のかさ比重は、0.6g/cm3であった。
そして、各サンプルの汚染粘性土について、通気条件が改善される様子を目視及び触感により調べた。また、PS材との比較対照としてオガ屑を用意し、このオガ屑についてもPS材と同様の試験を行った。用意したオガ屑は、主としてスギ由来の鋸くずからなり、そのかさ比重は、0.25g/cm3であった。図1に各試験結果を示す。
図1に示すように、供試土に資材を混入させなかったものは、粘性と結合性が強く、通常圧での通気性の改善は、期待し難い性状であった。一方、供試土にオガ屑を混入させたもの、及び供試土にPS材を混入させたものは、いずれも土の結合性が弱まり、通気性の改善が期待される性状であった。そして、各資材を混入させた後の供試土が微生物処理に適した性状(図1の「◎」参照)を示すようになるには、いずれも同等の配合重量比、具体的には、配合重量比が5%以上となるようにする必要があったが、かさ比重を加味した体積比率(図1中の「かさ比」参照)では、供試土にPS材を混入させた場合の方が、供試土にオガ屑を混入させた場合よりも、少量(1/2未満)で足りることが判明した。
このような確認試験(1)の結果から、汚染粘性土の通気条件を改善するための資材として、PS材を用いることにより、大量の資材を用いることなく汚染粘性土の通気条件を改善することが可能であるといえる。
===確認試験(2):液塑性限界===
次に、確認試験(2)では、確認試験(1)の観察結果を数値で確認するために、資材を添加する前の供試土、及びPS材(4%,5%)を添加した後の供試土について、それぞれ、含水比、及び液塑性限界を調べた。その結果を表1に示す。なお、含水比が塑性限界に近づくほど、つまり、含水比と塑性限界との差が小さくなるほど、粘性土が団粒化した状態にあることを意味する。
次に、確認試験(2)では、確認試験(1)の観察結果を数値で確認するために、資材を添加する前の供試土、及びPS材(4%,5%)を添加した後の供試土について、それぞれ、含水比、及び液塑性限界を調べた。その結果を表1に示す。なお、含水比が塑性限界に近づくほど、つまり、含水比と塑性限界との差が小さくなるほど、粘性土が団粒化した状態にあることを意味する。
表1に示すように、供試土にPS材を添加すると、含水比が下がる一方で、液性限界及び塑性限界が上がり、さらに、PS材の添加量が多いほど、含水比が減少し、塑性限界は上昇する傾向が見られた。そして、含水比と塑性限界との差は、供試土に資材を添加する前では、9.3%であったが、供試土にPS材を4%添加したときには、4.3%まで減少し、さらに、供試土にPS材を5%添加したときには、2.7%まで大幅に減少した。このことから、粘性土である供試土にPS材を添加することにより、供試土の粘性が軽減され、パサパサな状態になり易くなり、通気条件が改善されることがわかる。
以上の通り、汚染粘性土の通気条件を改善するための資材として、PS材を用いた場合には、少量の資材により、当該汚染粘性土の通気条件を改善することが可能であることが判明した。従って、本発明のようにPS材を用いる場合には、当該汚染粘性土に大量の資材を混入させる従来の技術の場合とは異なり、汚染粘性土を浄化する場合においても、浄化処理及び後処理の手間がかからないといえる。
Claims (4)
- 有機汚染物質で汚染された汚染粘性土に栄養材を供給してから通気処理を施すことにより、その汚染粘性土内に生息する好気性微生物を活性化させて、当該汚染粘性土を浄化する汚染粘性土の浄化方法であって、
前記汚染粘性土内に前記栄養材及びペーパースラッジ灰の焼却灰を混入させ、その後、当該汚染粘性土に前記通気処理を施すことを特徴とする汚染粘性土の浄化方法。 - 請求項1において、
前記ペーパースラッジ灰の焼却灰は、ペーパースラッジを800℃以上850℃以下の温度で焼成してから、さらに850℃以上900℃以下の温度で再焼成して得られるものであることを特徴とする汚染粘性土の浄化方法。 - 請求項1又は2において、
前記ペーパースラッジ灰の焼却灰は、そのpHが6以上10以下であることを特徴とする汚染粘性土の浄化方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項において、
前記有機汚染物質は、油であることを特徴とする汚染粘性土の浄化方法。
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---|---|---|---|---|
JP2003211147A (ja) * | 2002-01-17 | 2003-07-29 | Ohbayashi Corp | 微生物による汚染土の浄化方法 |
JP2005054022A (ja) * | 2003-08-01 | 2005-03-03 | Fujita Corp | 土質改質材およびこれを用いた土質改質方法 |
JP2007044636A (ja) * | 2005-08-11 | 2007-02-22 | Tochi Kairyo Center:Kk | 土壌改良工法 |
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JPN6012059866; 環境にやさしいFTマッドキラー工法 , 200603, p.1-6, 株式会社フジタ * |
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