JP2010220621A - 癌の処置および検出において有用な98p4b6と称される、核酸および対応タンパク質 - Google Patents

癌の処置および検出において有用な98p4b6と称される、核酸および対応タンパク質 Download PDF

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Abstract

【課題】新規遺伝子98P4B6(STEAP−2とも呼ばれる)およびそのコードタンパク質、ならびにその改変体、および、その利用の提供。
【解決手段】98P4B6は、正常な成体組織における組織特異的発現を示し、これは、癌において異常に発現される。その結果、98P4B6は、癌に対する診断的、予後的、予防的および/または治療的な標的となる。98P4B6遺伝子もしくはそのフラグメント、またはそれらのコードタンパク質、それらの改変体もしくはそれらのフラグメントは、体液性免疫応答または細胞性免疫応答を惹起するために使用され、98P4B6と反応性の抗体またはT細胞が、動免疫または受動免疫において使用される。
【選択図】なし

Description

(関連出願の引用)
本願は、2003年4月4日出願の係属中の米国特許出願番号USSN10/407,
484の一部継続であり、2002年9月6日出願の米国特許出願番号USSN10/2
36,878からの優先権を主張し、1999年12月6日出願の米国特許出願番号US
SN09/455,486からの優先権を主張し、1999年6月1日出願の米国特許出
願番号USSN09/323,873(現在、米国特許第6,329,503号)からの
優先権を主張する。この出願は、2002年12月20日出願の米国特許仮出願番号US
SN60/435,480および2001年9月6日出願の米国特許仮出願番号60/3
17,840および2002年4月5日出願の米国特許仮出願番号60/370,387
からの優先権を主張する。この出願は、1998年6月1日出願の米国特許仮出願番号6
0/087,520および1998年6月30日出願の米国特許仮出願番号60/091
,183および2001年12月6日出願の米国特許出願番号10/011,095およ
び2001年12月6日出願の米国特許仮出願番号10/010,667および2001
年6月6日出願の米国特許仮出願番号60/296,656および2002年6月6日出
願の米国特許出願番号10/165,044に関連する。この段落中に列挙した出願の内
容は、本明細書中に参考として完全に援用される。
(米国政府によって支援された研究の下での、本発明に対する権利に対する陳述)
適用されない。
(発明の分野)
本明細書中に記載の発明は、遺伝子およびそれによってコードされるタンパク質に関し
、これは、98P4B6として称され、特定の癌において発現される。本発明は、98P
4B6を発現する癌の管理において有用である、診断方法および治療方法、ならびに組成
物に関する。
(発明の背景)
癌は、冠状動脈疾患に次いで、ヒトの第2位の死因である。全世界では、数百万の人々
が、毎年癌により死亡している。米国単独では、American Cancer So
cietyによって報告されるように、癌は毎年50万人をはるかに超える人々の死亡を
引き起こしており、毎年120万あまりの新たな症例が診断されている。心臓疾患による
死亡は顕著に減少している一方で、癌に起因する死亡は、一般に増加傾向にある。次世紀
の初期には、癌は主な死因になると予測されている。
全世界で、いくつかの癌が主要な死因(killer)として顕著である。特に、肺、
前立腺、胸部、結腸、膵臓、および卵巣の癌腫は、癌による主な死因を代表する。これら
および事実上全ての他の癌腫は、共通の致死的特徴を共有している。ごくわずかな例外は
あるが、癌腫が原因の転移性疾患は、致命的である。さらに、初期段階ではその原発性癌
を生き延びた癌患者についてすら、その生活が劇的に変化したという共通の経験が示され
ている。多くの癌患者は、再発または処置の失敗についての可能性を認識することによっ
て駆り立てられる、強い不安を経験する。多くの癌患者は、処置後に肉体的衰弱を経験し
ている。さらに、多くの癌患者は、再発を経験する。
全世界で、前立腺癌は、男性において4番目に最も優勢な癌である。北アメリカおよび
北欧では、前立腺癌は、男性において断然最も一般的な癌であり、そして男性における癌
による死亡の第2位の原因である。米国単独では、肺癌に次いで、30,000人をはる
かに超える男性がこの疾患で毎年死亡している。これらの数字の規模にもかかわらず、転
移性の前立腺癌に対する有効な処置は未だ存在しない。外科的前立腺切除、放射線療法、
ホルモン除去(hormone ablation)療法、外科的去勢および化学療法は
、主要な処置様式であり続けている。不運にも、これらの処置は、多くの者にとって無効
であり、かつしばしば、所望されない結果を伴う。
診断現場において、初期段階の局所腫瘍を正確に検出し得る前立腺腫瘍マーカーが存在
しないことは、この疾患の診断および管理における大きな限界を残している。血清の前立
腺特異抗原(PSA)アッセイは非常に有用なツールであるが、その特異性および一般的
有用性は、いくつかの重大な点が欠如していると広く考えられている。
前立腺癌についてのさらなる特異的マーカーを同定することにおける進歩は、マウスに
おいてこの疾患の異なる病期を再現し得る前立腺癌異種移植片の生成により改善されてき
た。LAPC(Los Angeles Prostate Cancer)異種移植片
は、重症複合型免疫不全(SCID)マウスにおける継代を生き延び、かつアンドロゲン
依存性からアンドロゲン非依存性への移行を模倣する能力を示した、前立腺癌異種移植片
である(Kleinら、1997、Nat.Med.3:402)。より近年同定された
前立腺癌マーカーとしては、以下が挙げられる:PCTA−1(Suら、1996、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7252)、前立腺特異膜(PSM
)抗原(Pintoら、Clin Cancer Res 1996年9月2日(9):
1445−51)、STEAP(Hubertら、Proc Natl Acad Sc
i USA.1999年12月7日;96(25):14523−8)および前立腺幹細
胞抗原(PSCA)(Reiterら、1998、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 95:1735)。
PSA、PSM、PCTAおよびPSCAのような以前に同定されたマーカーは、前立
腺癌を診断してこれを処置する取り組みを促進したが、診断および治療をさらに改善する
ために、前立腺癌および関連する癌に対するさらなるマーカーおよび治療標的を同定する
必要がある。
腎臓細胞癌腫(RCC)は、成人悪性疾患の約3%を占める。一旦、腺腫が直径2〜3
cmに到達すると、悪性疾患の潜在性が存在する。成人では、2つの主な悪性腎臓腫瘍は
、腎臓細胞の腺腫および腎盂または尿管の移行細胞癌腫である。腎臓細胞腺癌の発生数は
、米国で29,000症例を超えると見積もられており、そして1998年にこの疾患に
よって11,600人を超える患者が死亡した。移行細胞癌腫は、それほど頻繁ではなく
、米国において1年あたり約500症例ほどの発生数である。
手術は、何十年もの間、腎臓細胞腺癌の主な治療法であった。近年まで、転移性疾患は
、あらゆる全身性治療に対して難治性であった。全身治療(特に、免疫治療)の近年の開
発に伴い、転移性腎臓細胞癌腫は、許容可能な応答の可能性を伴って、適切な患者におい
て積極的にアプローチされ得る。それにもかかわらず、これらの患者に対する有効な治療
の必要性が存在し続けている。
米国における癌の全ての新しい症例のうち、膀胱癌は、男性において約5%(最も一般
的な新生物の5番目)および女性において3%(最も一般的な新生物の8番目)に相当す
る。発生数はゆるやかに増加し、高齢人口の増加と一致する。1998年には、男性にお
ける39,500症例および女性における15,000症例を含め、推定で54,500
症例であった。米国における年齢調整された(age−adjusted)発生率は、男
性について100,000人当たり32人、および女性において100,000人当たり
8人である。3:1の歴史的な男性/女性比は、女性における喫煙パターンに関連して減
少し得る。1998年に膀胱癌で推定11,000人が死亡した(男性7,800人およ
び女性3,900人)。膀胱癌発生率および死亡率は、年齢に伴って大きく増加し、そし
て集団がより高齢化するにつれて問題も増す。
大部分の膀胱癌は、膀胱中で再発する。膀胱癌は、膀胱の経尿道的切除術(TUR)と
膀胱内化学療法または免疫療法との組み合わせを用いて管理される。膀胱癌の多病巣性の
性質および再発性の性質は、TURの限界を指摘する。大部分の筋肉侵潤性癌は、TUR
単独では治癒しない。根治的膀胱切除術および尿再交通(urinary divers
ion)は、癌を切除するための最も効果的な手段であるが、尿の機能および性的機能に
対して否定できない影響を保有する。膀胱癌患者に有益な処置様式の顕著な必要性が存在
し続けている。
米国で2000年では、93,800症例の結腸癌および36,400症例の直腸癌を
含め、推定130,200症例の結腸直腸癌が生じた。結腸直腸癌は、男性および女性に
おける三番目に一般的な癌である。発生率は、1992年〜1996年の間、有意に減少
した(1年あたり−2.1%)。調査は、これらの減少が、ポリープが侵襲性癌へと進行
するのを予防する、スクリーニングおよびポリープ除去の増加に起因していることを示唆
する。2000年には推定56,300人が死亡(47,700人は結腸癌、8,600
人は直腸癌による)、米国での癌死亡者全体の約11%を占めた。
現在、手術が、結腸直腸癌、および広がっていない癌のための最も一般的な治療形態で
あり、これは頻繁に治癒的である。化学療法または化学療法に加えての放射線照射は、癌
が腸壁に深く穿孔しているかまたはリンパ節に広がっている大部分の患者に対して手術前
または手術後に提供される。永久的な人工肛門形成(身体の排泄物を排除するための腹部
開口部の形成)は、結腸癌について時折必要とされ、そして直腸癌については頻繁に要求
される。結腸直腸癌についての効果的な診断様式および処置様式の必要性が存在し続けて
いる。
2000年には、肺癌および気管支癌の推定164,100の新たな症例が存在し、こ
れは、米国癌診断全体の14%を占めた。肺癌および気管支癌の発生率は、1984年の
100,000人中86.5人という高さから1996年の70.0人へと、男性におい
て有意に減少している。1990年代、女性の間での増加率は低下し始めた。1996年
には、女性における発生率は、100,000人中42.3人であった。
肺癌および気管支癌は、2000年に推定156,900人の死亡者を生じ、これは、
癌死亡者全体の28%を占めた。1992年〜1996年の間、肺癌による死亡率は、男
性の間で有意に減少した(1年当たり−1.7%)一方で、女性についての死亡率は依然
として有意に増加している(1年当たり0.9%)。1987年以来、より多くの女性が
乳癌よりも肺癌によって毎年死亡しており、40年よりも長期にわたって、女性における
癌による死亡の主な原因であった。肺癌発生率および死亡率の減少は、過去30年にわた
る喫煙率の減少に起因している可能性が最も高い;しかし、女性の間での喫煙パターンの
減少は、男性の減少に遅れている。成人におけるタバコの使用の減少が鈍くなっているが
、若者におけるタバコの使用が再度増加していることは、重大である。
肺癌および気管支癌についての処置選択肢は、癌の型および病期によって決定され、選
択肢としては、手術、放射線療法および化学療法が挙げられる。多くの局所性の癌につい
ては、手術が通常選り抜きの処置である。この疾患は、通常、発見されるときまでに広が
っているので、放射線療法および化学治療が、手術と組み合わせてしばしば必要とされる
。化学治療単独または放射線療法と組み合わせた化学療法は、小細胞肺癌についての選り
抜きの処置であり;このレジメンでは、大きな%の患者が寛解を経験し、これはいくつか
の場合において長く持続する。しかし、肺癌および気管支癌についての効果的な処置アプ
ローチおよび診断アプローチの必要性が存在し続けている。
乳癌の推定182,800の新しい侵襲性症例が、2000年の間に米国の女性の間で
生じると予測された。さらに、乳癌の約1,400の新しい症例が、2000年に男性に
おいて診断されると予測された。1980年代における一年当たり約4%の増加後、女性
における乳癌発生率は、1990年代に100,000人当たり約110.6症例に頭打
ちとなった。
米国単独で、乳癌に起因して、2000年に推定41,200人が死亡した(40,8
00人が女性、400人が男性)。乳癌は、女性における癌による死亡の2番目に主要な
ものである。最近のデータによると、死亡率は、1992年〜1996年の間に有意に減
少しており、白人および黒人の両方の若い女性の間で最も大きく減少していた。これらの
減少は、おそらく、より早期の検出および処置の改善の結果であった。
医学的環境および患者の好みを考慮にいれると、乳癌の処置は、以下を含み得る:腫瘍
摘除(腫瘍の局所的な除去)および脇下リンパ節の除去;乳房切除(乳房の外科的除去)
および脇下リンパ節の除去;放射線療法;化学療法;またはホルモン療法。しばしば、2
つ以上の方法が組み合わせて使用される。多数の研究が、初期段階の疾患について、腫瘍
切除に加えた放射線療法の後の長期生存率が、改変された根本的な乳房切除後の生存率に
同様であることを示している。再建技術における顕著な進歩は、乳房切除後の乳房再建に
ついていくつかの選択肢を提供する。近年、このような再建は、乳房切除と同時に行われ
ている。
適切な量の周囲の正常胸部組織を伴うインサイチュの腺管癌腫(DCIS)の局所切除
によって、DCISの局所的な再発を防ぎ得る。胸部への放射線照射および/またはタモ
キシフェンによって、残っている胸部組織におけるDCISの発生機会が低減され得る。
未処置のままであるとDCISは発達して浸潤性乳癌になり得るので、このことは重要で
ある。それにもかかわらず、これらの処置には、深刻な副作用または後遺症が存在する。
それゆえ、有効な乳癌処置の必要性が存在する。
2000年の米国において卵巣癌の推定23,100の新症例が存在した。卵巣癌は女
性における全ての癌の4%を占め、婦人科癌において第2位に位置付けられている。19
92年〜1996年の間において、卵巣癌の発生率は、有意に低下した。卵巣癌の結果と
して、2000年には推定14,000人が死亡した。卵巣癌は、女性生殖系の他のいか
なる癌よりも多数の死亡者を生じる。
手術、放射線療法、および化学療法は、卵巣癌についての処置選択肢である。外科的手
術としては、通常、卵巣の一方または両方の切除、ファローピウス管の切除(卵管卵巣摘
出術)、および子宮の切除(子宮摘出術)が挙げられる。いくつかの非常に初期の腫瘍に
おいて、子供を持つことを望む若い女性において特に、関与する卵巣のみが除去される。
進行した疾患では、腹腔内の疾患全てを除去して化学療法の効果を増強することが試みら
れる。卵巣癌についての効果的な処置選択肢についての重要な必要性が存在し続ける。
2000年の米国において膵臓癌の推定28,300の新症例が存在した。過去20年
間にわたって、膵臓癌の割合は、男性において減少している。女性の間での割合は、おお
よそ一定のままであるが、減少し始めるかもしれない。膵臓癌により、2000年に米国
において推定28,200人が死亡した。過去20年間にわたって、男性における死亡率
は僅かであるが有意に減少している(1年間で約−0.9%)が、その一方で、その割合
が女性においては僅かに上昇した。
手術、放射線療法、および化学療法は、膵臓癌についての処置選択肢である。これらの
処置選択肢は、多くの患者において生存を長期化し得、そして/またはその症状を軽減し
得るが、大部分の人に対して治癒を生み出すようではない。膵臓癌についてのさらなる治
療選択肢および診断的選択肢に対しての重大な必要性が存在する。
(発明の要旨)
本発明は、98P4B6と称される遺伝子に関し、この遺伝子は、表Iに列挙される癌
において過剰発現されることが見出されている。正常組織における98P4B6遺伝子発
現のノーザンブロット発現分析は、成人組織における制限された発現パターンを示す。9
8P4B6のヌクレオチド配列(図2)およびアミノ酸配列(図2および図3)を提供す
る。正常成人組織における98P4B6の組織関連プロフィールは、表1で列挙された組
織において観察された過剰発現とあわせて、98P4B6が少なくともいくつかの癌にお
いて異常に過剰発現されており、従って、表Iで列挙された組織のような組織の癌につい
て有用な診断標的、予防標的、予後診断標的および/または治療標的として役立つことを
示す。
本発明は、以下を提供する:98P4B6の遺伝子、mRNAおよび/またはコード配
列(好ましくは単離された形態の)の全部または一部に対応するかまたは相補的なポリヌ
クレオチド(これらとしては、以下が挙げられる:98P4B6関連タンパク質、および
4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、1
9、20、21、22、23、24、25個以上連続するアミノ酸の98P4B6関連フ
ラグメントをコードするポリヌクレオチド);98P4B6関連タンパク質少なくとも3
0、35、40、45、50、55、60、65、70、80、85、90、95、10
0または100個を超えて連続するアミノ酸、ならびに上記ペプチド/タンパク質自体;
98P4B6の遺伝子配列もしくはmRNA配列またはそれらの一部に対して相補的であ
るかまたは少なくとも90%の相同性を有する、DNA、RNA、DNA/RNAハイブ
リッド、および関連分子、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド、ならびに98P
4B6遺伝子、mRNAまたは98P4B6コードポリヌクレオチドにハイブリダイズす
るポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド。98P4B6をコードするcDNAおよ
び遺伝子を単離するための手段もまた提供される。98P4B6ポリヌクレオチドを含む
組換えDNA分子、このような分子で形質転換または形質導入された細胞、および98P
4B6遺伝子産物の発現のための宿主−ベクター系もまた提供される。本発明はさらに、
98P4B6タンパク質およびそれらのポリペプチドフラグメントに結合する抗体を提供
し、これらの抗体としては、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、マウス抗体
および他の哺乳動物抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト抗体、ならびに検出可
能なマーカーまたは治療剤で標識された抗体が挙げられる。特定の実施形態においては、
ただし、図2の核酸配列の全体はコードされず、そして/または図2のアミノ酸配列全体
は調製されない。特定の実施形態では、図2の核酸配列全体がコードされ、そして/また
は図2のアミノ酸配列全体が調製され、これらのいずれもが、個別のヒト単位投与形態で
ある。
本発明は、種々の生物学的サンプル中での98P4B6のポリヌクレオチドおよびタン
パク質の存在および状態を検出するための方法、ならびに98P4B6を発現する細胞を
同定するための方法をさらに提供する。本発明の代表的な実施形態は、癌のような何らか
の形態の増殖調節不全を有するかまたはそれらを有する疑いのある組織サンプルまたは血
液学的サンプルにおいて、98P4B6遺伝子産物をモニタリングするための方法を提供
する。
本発明は、98P4B6を発現する癌(例えば、表Iに列挙された組織の癌)を処置す
るための種々の免疫原性組成物または治療組成物、およびストラテジー(98P4B6の
転写、翻訳、プロセシングまたは機能を阻害することを目的とした治療を含む)ならびに
癌ワクチンをさらに提供する。1つの局面において、本発明はヒト被験体において98P
4B6を発現する癌を処置するための組成物、ならびにそれらを含む方法を提供し、ここ
で、この組成物は、ヒトの用途について適切なキャリアならびに98P4B6の産生また
は機能を阻害する1つ以上の薬剤のヒトの単位用量を含む。好ましくは、このキャリアは
、特有のヒトキャリアである。本発明の別の局面において、この薬剤は、98P4B6タ
ンパク質と免疫反応性の部分である。このような部分の非限定的な例としては、抗体(例
えば、単鎖、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体または
ヒト抗体)、(天然に存在しているかまたは合成された)それらの機能的等価物ならびに
それらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。これらの抗体は、診断的部分ま
たは治療的部分に結合体化され得る。別の局面において、この薬剤は、本明細書中で定義
されるような低分子である。
別の局面において、この薬剤は、98P4B6に対するCTL応答を誘導するためのヒ
トにおけるHLAクラスI分子に結合する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エピトープを
含む1以上のペプチドおよび/またはヒトにおいてHLAクラスII分子に結合してHT
L応答を誘発するヘルパーTリンパ球(HTL)エピトープを含む1以上のペプチドを含
む。本発明のペプチドは、同一のものまたは1以上の別個のポリペプチド分子であり得る
。本発明のさらなる局面において、この薬剤は、上記のようにCTL応答またはHTL応
答を刺激するペプチドのうちの1つ以上を発現する1つ以上の核酸分子を含む。本発明の
さらに別の局面において、1つ以上の核酸分子は、上記のように98P4B6と免疫学的
に反応する部分を発現し得る。1つ以上の核酸分子はまた、98P4B6の産生を阻害す
る分子であり得るか、またはこれをコードし得る。このような分子の非限定的な例として
は、98P4B6の産生にとって必須のヌクレオチド配列に相補的な分子(例えば、アン
チセンス配列または98P4B6産生にとって必須のヌクレオチド二重らせんと三重らせ
んを形成する分子)または98P4B6 mRNAを溶解するのに効果的なリボザイムが
挙げられるが、これらに限定されない。
親タンパク質(例えば、改変体1、改変体2など)に関して表VIII−XXIおよび
XXII−XLIX(集合的にHLAペプチド表(HLA Peptides Tabl
e)とする)に示される任意のペプチドの開始位置を決定するために、以下の3つの因子
を参照することに留意すること:特定の改変体、HLAペプチド表におけるペプチド長、
および表VIIにおける検索ペプチド。一般に、固有の検索ペプチドを使用して、特定の
改変体に対する特定のHLAペプチドを得る。そのそれぞれの親分子に対する各検索ペプ
チドの位置は、表VIIに列挙される。従って、検索ペプチドが位置「X」で開始した場
合、これらの親分子におけるHLAペプチドの実際の位置を得るために表VIII−XX
IおよびXXII−XLIXにおける各位置に対して値「X−1」を加えなければならな
い。例えば、特定の検索ペプチドがその親分子の150位で開始するとき、親分子におけ
るアミノ酸の位置を計算するために、各HLAペプチドアミノ酸の位置に150−1、す
なわち149を加算しなければならない。
本発明の一つの実施形態は、集合的に表VIII〜表XXIおよび表XXIIから表X
LIXにおいて少なくとも2度現れるHLAペプチド、またはそのHLAペプチドをコー
ドするオリゴヌクレオチドを包含する。本発明の別の実施形態は、表VIII〜表XXI
に少なくとも1度現れ、かつ表XXII〜表XLIXに少なくとも1度現れるHLAペプ
チド、またはそのHLAペプチドをコードするオリゴヌクレオチドを包含する。
本発明の別の実施形態は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つ、あるいは5つを有す
るペプチド領域を含む抗体エピトープ、あるいはそのペプチド領域をコードするオリゴヌ
クレオチドである:
i)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸のペプチド領域(図3におけるその
タンパク質の全長までの任意の整数増分で、図5の親水性プロフィールにおいて、0.5
、0.6、0.7、0.8、0.9以上の値を有するかまたは1.0に等しい値を有する
アミノ酸位置を含む);
ii)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸のペプチド領域(図3におけるそ
のタンパク質の全長までの任意の整数増分で、図6のヒドロパシープロフィールにおいて
、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1以下の値を有するかまたは0.0に等しい値
を有するアミノ酸位置を含む);
iii)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸のペプチド領域(図3における
そのタンパク質の全長までの任意の整数増分で、図7の接近可能残基パーセント(Per
cent Accessible Residues)プロフィールにおいて、0.5、
0.6、0.7、0.8、0.9以上の値を有するかまたは1.0に等しい値を有するア
ミノ酸位置を含む);
iv)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸のペプチド領域(図3におけるそ
のタンパク質の全長までの任意の整数増分で、図8の平均可橈性(Average Fl
exibility)プロフィールにおいて、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9
以上の値を有するかまたは1.0に等しい値を有するアミノ酸位置を含む);
v)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸のペプチド領域(図3におけるその
タンパク質の全長までの任意の整数増分で、図9のβターンプロフィールにおいて、0.
5、0.6、0.7、0.8、0.9以上の値を有するかまたは1.0に等しい値を有す
るアミノ酸位置を含む)。
(発明の詳細な説明)
(節の概要)
I.)定義
II.)98P4B6ポリヌクレオチド
II.A.)98P4B6ポリヌクレオチドの用途
II.A.1.)遺伝的異常のモニタリング
II.A.2.)アンチセンスの実施形態
II.A.3.)プライマーおよびプライマー対
II.A.4.)98P4B6コード核酸分子の単離
II.A.5.)組換え核酸分子および宿主−ベクター系
III.)98P4B6関連タンパク質
III.A.)モチーフ保有タンパク質の実施形態
III.B.)98P4B6関連タンパク質の発現
III.C.)98P4B6関連タンパク質の改変
III.D.)98P4B6関連タンパク質の用途
IV.)98P4B6抗体
V.)98P4B6細胞免疫応答
VI.)98P4B6トランスジェニック動物
VII.)98P4B6の検出方法
VIII.)98P4B6関連遺伝子およびそれらの産物の状態をモニタリングするた
めの方法
IX.)98P4B6と相互作用する分子の同定
X.)治療法および組成物
X.A.)抗癌ワクチン
X.B.)抗体ベースの治療のための標的としての98P4B6
X.C.)細胞免疫応答についての標的としての98P4B6
X.C.1.ミニ遺伝子ワクチン
X.C.2.CTLペプチドとヘルパーペプチドとの組み合わせ
X.C.3.CTLペプチドとT細胞プライミング剤との組み合わせ
X.C.4.CTLペプチドおよび/またはHTLペプチドでパルスされたDCを
含むワクチン組成物
X.D.)養子免疫療法
X.E.)治療目的または予防目的のためのワクチンの投与
XI.)98P4B6の診断的実施形態および予後的実施形態
XII.)98P4B6タンパク質機能の阻害
XII.A.)細胞内抗体を用いた98P4B6の阻害
XII.B.)組換えタンパク質を用いた98P4B6の阻害
XII.C.)98P4B6の転写または翻訳の阻害
XII.D.)治療的ストラテジーについての一般的考慮事項
XIII.)98P4B6の調節因子の同定、特徴付け、および用途
XIV.)キット/製品の製造。
(I.)定義)
他に特に定義されていない限りは、本明細書中で使用される当該分野の全ての用語、記
号、および他の科学的用語または専門用語は、本発明が関係している当業者によって一般
的に理解されている意味を有するように意図される。いくつかの場合においては、一般的
に理解されている意味を有する用語は、明確さおよび/または容易な参照のために本明細
書中で定義され、そして本明細書中でのこのような定義の包含は、当該分野で一般的に理
解されている意味を超える実質的な差異を示すようには必ずしも解釈されないはずである
。本明細書中に記載されるかまたは参照される技術および手順(例えば、Sambroo
kら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual
、第2版、(1989)編、Cold Spring Harbor Laborato
ry Press、Cold Spring Harbor、N.Y.に記載されている
、広範囲に利用されている分子クローニング方法論)は、十分に理解されており、そして
当業者によって、従来の方法論を用いて一般的に使用される。適切である場合には、商業
的に入手可能なキットおよび試薬の使用を含む手順が、一般的には、製造業者によって定
義されるプロトコルおよび/またはそうでなければ他に記載されているパラメーターに従
って行われる。
用語「進行した前立腺癌」、「局所的に進行した前立腺癌」、「進行した疾患」、およ
び「局所的に進行した疾患」は、前立腺の莢膜を通じて拡大した前立腺癌を意味し、そし
てAmerican Urological Association(AUA)システ
ムのもとでのステージCの疾患、Whitmore−Jewettシステムのもとでのス
テージC1〜C2の疾患、およびTNM(腫瘍、節、転移(tumor、node、me
tastasis))システムのもとでのステージT3〜T4およびN+の疾患を含むよ
うに意味される。一般的には、外科手術は、局所的に進行した疾患を有する患者について
は推奨されず、そしてこれらの患者は、臨床的に局在化した(器官に限定された)前立腺
癌を有している患者と比較して、実質的にあまり好ましくない結果を有する。局所的に進
行した疾患は、前立腺の側縁を超えるしこり、あるいは前立腺の基部の上部の非対称性ま
たはしこりといった明白な証拠によって、臨床的に同定される。局所的に進行した前立腺
癌は、現在は、腫瘍が前立腺の莢膜に侵入または浸潤するか、外科的な縁に伸びるか、あ
るいは精子の小包に侵入する場合には、根治的な前立腺切除後に病理学的に診断される。
「ネイティブなグリコシル化パターンを改変すること」は、本明細書中の目的を意図し
、ネイティブ配列の98P4B6において見出される1つ以上の炭水化物部分を除去する
こと(内在するグリコシル化部位を除去することによってか、または化学的手段および/
もしくは酵素的手段によってグリコシル化を除去することによってのいずれかで)、およ
び/あるいはネイティブ配列の98P4B6に存在しない1つ以上のグリコシル化部位を
付加することを意味する。さらに、この句は、天然のタンパク質のグリコシル化の質的な
変化を含み、種々の炭水化物部分の存在の性質および比率の変化に関する。
用語「アナログ」は、構造的に類似するか、別の分子と類似する特性または一致する特
性を共有する分子をいう(例えば、98P4B6関連タンパク質)。例えば、98P4B
6タンパク質のアナログは、98P4B6に特異的に結合する抗体またはT細胞によって
特異的に結合され得る。
用語「抗体」は、最も広範な意味で使用される。従って、「抗体」は、天然に存在し得
るか、または慣習なハイブリドーマ技術によって産生されるモノクローナル抗体のように
人工生成され得る。抗98P4B6抗体は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗
体ならびに抗原結合ドメインおよび/またはこれらの抗体の1つ以上の相補的決定領域を
含むフラグメントを含む。
「抗体フラグメント」は、標的に結合する免疫グロブリン分子の可変領域の少なくとも
一部分(すなわち、抗原結合領域)として定義される。1つの実施形態において、これは
、単一の抗98P4B6抗体およびそのクローン(アゴニスト、アンタゴニストおよび中
和抗体が挙げられる)ならびにポリエピトープの(polyepitopic)特異性を
有する抗98P4B6抗体組成物を特に網羅する。
用語「コドン最適化配列」は、約20%未満の使用頻度を有する任意のコドンを置換す
ることによって特定の宿主種を最適化されたヌクレオチド配列をいう。偽ポリアデニル化
配列の除去、エキソン/イントロンスプライシングシグナルの除去、トランスポソン様反
復の除去および/またはコドン最適化に加えてGC含量の最適化によって、所定の宿主種
における発現について最適化されたヌクレオチド配列は、「発現増強配列」と本明細書中
で呼ばれる。
「コンビナトリアルライブラリー」は、多数の化学的「基礎単位」(例えば、試薬)を
組み合わせることによる化学合成または生合成のいずれかによって生成される、多様な化
合物の集合体である。例えば、ポリペプチド(例えば、ムテイン)ライブラリーのような
直鎖状のコンビナトリアル化学ライブラリーは、所定の化合物の長さ(すなわち、ポリペ
プチド化合物中のアミノ酸の数)に対して、可能なあらゆる方法でアミノ酸と呼ばれる一
連の化学的基礎単位を組み合わせることによって形成される。多数の化合物が、このよう
な化学的基礎単位のコンビナトリアル混合を通して合成される(Gallopら、J.M
ed.Chem.37(9):1233−1251(1994))。
コンビナトリアルライブラリーの調製およびスクリーニングは、当業者に周知である。
このようなコンビナトリアル化学ライブラリーとしては、ペプチドライブラリー(例えば
、米国特許第5,010,175号、Furka,Pept.Prot.Res.37:
487−493(1991)、Houghtonら、Nature、354:84−88
(1991))、ペプトイド(PCT公報番号WO91/19735)、コード化ペプチ
ド(PCT公報WO93/20242)、ランダムバイオオリゴマー(PCT公報WO9
2/00091)、ベンゾジアゼピン(米国特許第5,288,514号)、ダイバーソ
マー(diversomer)(例えば、ヒダントイン)、ベンゾジアゼピンおよびジペ
プチド(Hobbsら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 90:6909
−6913)、ビニル体(vinylogous)のポリペプチド(Hagiharaら
、J.Amer.Chem.Soc.114:6568(1992))、β−D−グルコ
ース骨格を有する非ペプチド状(nonpeptidal)のペプチド模倣物(Hirs
chmannら、J.Amer.Chem.Soc.114:9217−9218(19
92))、類似の低分子ライブラリーの有機合成(Chenら、J.Amer.Chem
.Soc.116:2661(1994))、オリゴカルバメート(Choら、Scie
nce 261:1303(1993))、および/またはペプチジルホスホネート(C
ampbellら、J.Org.Chem.59:658(1994))が挙げられるが
、これらに限定されない。一般的には、Gordonら、J.Med.Chem.37:
1385(1994)、核酸ライブラリー(例えば、Stratagene、Corp.
を参照のこと)、ペプチド核酸ライブラリー(例えば、米国特許5,539,083を参
照のこと)、抗体ライブラリー(例えば、Vaughnら、Nature Biotec
hnology 14(3):309−314(1996)、およびPCT/US96/
10287を参照のこと)、炭水化物ライブラリー(例えば、Liangら、Scien
ce 274:1520−1522(1996)、および米国特許第5,593,853
号を参照のこと)、低有機分子ライブラリー(例えば、ベンゾジアゼピン、Baum、C
&EN、1月18日、33頁(1993);イソプレノイド、米国特許第5,569,5
88号;チアゾリジノンおよびメタチアザノン、米国特許第5,549,974号;ピロ
リジン、米国特許第5,525,735号および同第5,519,134号;モルホリノ
化合物、米国特許第5,506,337号;ベンゾジアゼピン、米国特許第5,288,
514号などを参照のこと)を参照のこと。
コンビナトリアルライブラリーの調製のためのデバイスは、市販される(例えば、35
7 NIPS、390NIPS、Advanced Chem Tech、Louisv
ille KY;Symphony、Rainin、WoburnMA;433A、Ap
plied Biosystems、Foster City、CA;9050、Plu
s、Millipore、Bedford、NIAを参照のこと)。多くの周知のロボッ
トシステムもまた、液相化学のために開発されている。これらのシステムとしては、化学
者によって実施される手動合成操作を模倣する自動化ワークステーション(例えば、Ta
keda Chemical Industries,LTD.(Osaka、Japa
n)によって開発された自動化合成装置、およびロボットアームを利用する多くのロボッ
トシステム(Zymate H、Zymark Corporation、Hopkin
ton、Mass.;Orca、Hewlett−Packard、Palo Alto
、Calif.))が挙げられる。任意の上記のデバイスは、本発明で使用するのに適切
である。(必要な場合に)これらのデバイスが本明細書中に記載されるように作動し得る
ように、これらに対する性質および実施の改変は、当業者に明らかである。さらに、多数
のコンビナトリアルライブラリーそれ自体が、市販されている(例えば、ComGene
x,Princeton,NJ;Asinex,Moscow,RU;Tripos,I
nc.,St.Louis,MO;ChemStar,Ltd,Moscow,RU;3
D Pharmaceuticals,Exton,PA;Martek Biosci
ences,Columbia,MDなどを参照のこと)
用語「細胞傷害性薬剤」は、細胞の発現活性、細胞の機能を阻害するかまたは防止し、
そして/あるいは細胞の破壊を引き起こす物質をいう。この用語は、放射活性同位体化学
療法剤および毒素(例えば、低分子毒素または細菌起源、真菌起源、植物起源または動物
起源の酵素的活性毒素)(フラグメントおよび/またはその改変体を含む)を含むことが
意図される。細胞傷害性試薬の例として、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
マイタンシノイド(maytansinoid)、イットリウム、ビスマス、リシン、リ
シンA鎖、ドキソルビシン、ダウノルビシン、タキソール、エチジウムブロマイド、マイ
トマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、
ジヒドロキシアントラシンジオン、アクチノマイシン、ジフテリア毒素、Pseudom
onas外毒素(PE)A、PE40、アブリン、アブリンA鎖、モデシン(modec
cin)A鎖、α−サルシン(sarcin)、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリ
ン(mitogellin)、レトストリクトシン(retstrictocin)、フ
ェノマイシン、エノマイシン、クリシン(curicin)、クロチン(crotin)
、カリケアマイシン(calicheamicin)、sapaonaria offi
cinalisインヒビター、およびグルココルチコイド、ならびに他の化学療法剤、な
らびに放射性同位元素(例えばAt211、I131、I125、Y90、Re186
Re188、Sm153、Bi212、P32およびLuの放射性同位体)。抗体はまた
、活性形態にプロドラッグを変換し得る抗癌プロドラッグ活性化酵素に結合し得る。
「遺伝子産物」は、本明細書中で、タンパク質またはmRNAと称されることもある。
例えば、「本発明の遺伝子産物」は、本明細書中で、「癌アミノ酸配列」、「癌タンパク
質」、「表Iに列挙される癌のタンパク質」、「癌mRNA」、「表Iに列挙される癌の
mRNA」などと称されることもある。1つの実施形態において、癌タンパク質は、図2
の核酸によってコードされる。癌タンパク質は、フラグメントであり得るか、あるいは図
2の核酸によってコードされるフラグメントに対する完全長タンパク質であり得る。1つ
の実施形態において、癌アミノ酸配列は、配列同一性または配列類似性を決定するために
使用される。別の実施形態において、配列は、図2の核酸によってコードされるタンパク
質の天然に起こる突然変異体である。別の実施形態において、配列は、以下にされに記載
されるような配列変異体である。
特定の核酸産物またはタンパク質産物の存在、非存在、定量、または他の特性について
の「高スループットスクリーニング」アッセイは、当業者に周知である。同様に、結合ア
ッセイ、およびレポーターアッセイは周知である。従って、例えば、米国特許第5,55
9,410号は、タンパク質についての高スループットスクリーニング方法を開示する;
米国特許第5585639号は、核酸結合(すなわち、アレイにおいて)についての高ス
ループットスクリーニング方法を開示する;一方、米国特許第5,576,220号およ
び同第5,541,061号は、リガンド/抗体結合についての高スループットスクリー
ニング方法を開示する。
さらに、高スループットスクリーニングシステムは、市販されている(例えば、Ame
rsham Biosciences,Piscataway,NJ;Zymark C
orp.,Hopkinton,MA;Air Technical Industri
es,Mentor,OH;Beckman Instruments,Inc.Ful
lerton,CA;Precision Systems,Inc.,Natick,
MA;などを参照のこと)。これらのシステムは、代表的には、すべてのサンプルおよび
試薬をピペッティングする工程、液体を調合する工程、定時インキュベーションの工程、
および最終的にアッセイに適切な検出器でマイクロプレートを読み取る工程を包含する全
体の手順を自動化する。これらの構造化可能なシステムは、高スループットかつ速い起動
、ならびに高度な順応性および特別生産性(customization)を提供する。
このようなシステムの製造は、種々の高スループットシステムについての詳細なプロトコ
ルを提供する。従って、例えば、Zymark Corp.は、遺伝子転写、リガンド結
合などの調節を検出するためのスクリーニングシステムを記載する技術的な掲示を提供す
る。
用語「ホモログ」は、別の分子と相同性を示す(例えば、対応する位置で同様かまたは
類似である化学残基の配列を有する)分子をいう。
「ヒト白血球抗原」または「HLA」は、ヒトのクラスIまたはクラスIIの主要組織
適合抗原複合体(MHC)タンパク質である(例えば、Stitesら、IMMUNOL
OGY,第8編,Lange Publishing,Los Altos,CA(19
94)を参照のこと)。
ポリヌクレオチドの状況で使用される、用語「ハイブリダイズする(hybridiz
e)」、「ハイブリダイズする(hybridizing)」、「ハイブリダイズする(
hybridizes)」などは、従来のハイブリダイゼーション条件(好ましくは、例
えば、50%のホルムアミド/6×SSC/0.1%のSDS/100μg/mlのss
DNA中でのハイブリダイゼーション)をいうことが意味される。ここでは、ハイブリダ
イゼーションの温度は37℃を超え、そして0.1×SSC/0.1%のSDS中での洗
浄のための温度は55℃より高い。
句「単離された」または「生物学的に純粋」は、ネイティブな状態で見出されるような
物質を通常伴う構成要素を実質的にまたは本質的に含まない物質をいう。従って、本発明
に従う単離されたペプチドは、好ましくはインサイチュ環境においてペプチドに通常付随
する物質を含まない。例えば、ポリヌクレオチドは、98P4B6遺伝子以外の遺伝子に
対応するかまたは相補的であるか、または98P4B6遺伝子産物またはそのフラグメン
ト以外のポリペプチドをコードする混入物のポリヌクレオチドから実質的に分離される場
合、「単離される」と言われる。当業者は、単離された98P4B6ポリヌクレオチドを
得るために核酸単離手順を容易に利用し得る。タンパク質は、例えば、物理的方法、機械
的方法または化学的方法が、タンパク質に通常付随する細胞の成分から98P4B6タン
パク質を除するために利用される場合、「単離された」と言われる。当業者は、単離され
た98P4B6タンパク質を得るために標準的な精製方法を容易に利用し得る。あるいは
、単離されたタンパク質は、化学的手段によって調製され得る。
用語「哺乳動物」は、哺乳動物(マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマお
よびヒトを含む)に分類される任意の生物をいう。本発明の1つの実施形態において、哺
乳動物はマウスである。本発明の別の実施形態において、哺乳動物はヒトである。
用語「転移性の前立腺癌」および「転移性の疾患」は、局所的なリンパ節または離れた
部位に拡大した前立腺癌を意味し、そしてAUAシステムのもとでのステージDの疾患、
およびTNMシステムのもとでのステージT×N×M+を含むように意味される。局所的
に進行した前立腺癌の症例における場合には、外科手術は、一般的には、転移性の疾患を
有している患者については意図されず、そしてホルモン(アンドロゲンの切除)治療が、
好ましい処置様式である。転移性の前立腺癌を有している患者は、最終的には、処置の開
始の12〜18ヶ月以内のアンドロゲン治療不応性状態を発症する。これらのアンドロゲ
ン治療不応性の患者のほぼ半分が、その状態の発症後6ヶ月以内に死亡する。前立腺癌の
転移の最も一般的な部位は骨である。前立腺癌の骨転移は、しばしば、骨溶解よりもむし
ろ骨芽細胞性(すなわち、正味の骨の形成を生じる)である。骨転移は、脊椎においても
っとも頻繁に見出され、大腿骨、骨盤、肋骨郭(rib cage)、頭蓋骨、および上
腕骨が続く。他の一般的な転移の部位として、リンパ節、肺、肝臓、および脳が挙げられ
る。転移性の前立腺癌は、代表的には、開放性骨盤リンパ腺切除または腹腔鏡による骨盤
リンパ腺切除、全身の放射性核種スキャン、骨格のレントゲン撮影、および/あるいは骨
の病変の生検によって、診断される。
本明細書中で使用される場合、用語「調節因子」もしくは「試験化合物」もしくは「薬
物候補」またはそれらの同義語(grammatical equivalents)は
、癌の表現型もしくは癌配列の発現(例えば、核酸配列またはタンパク質配列)、または
癌配列の影響(例えば、シグナル伝達、遺伝子発現、タンパク質相互作用など)を直接的
または間接的に変更する能力について試験される任意の分子(例えば、タンパク質、オリ
ゴペプチド、有機低分子、多糖類、ポリヌクレオチドなど)を意味する。1つの局面にお
いて、調節因子は、本発明の癌タンパク質の影響を中和する。「中和する」は、タンパク
質の活性が、細胞に対する引き続く効果と共に、阻害またはブロックされることを意味す
る。別の局面において、調節因子は、本発明の遺伝子、およびその対応するタンパク質の
影響を、そのタンパク質レベルを正常にすることによって、中和する。好ましい実施形態
において、調節因子は、発現プロフィール、または本明細書中に提供される核酸もしくは
タンパク質の発現プロフィール、または下流のエフェクター経路を変更する。1つの実施
形態において、調節因子は、癌の表現型(例えば、正常な組織フィンガープリントに対す
る表現型)を制御する。別の実施形態において、調節因子は、癌の表現型を誘導する。一
般的に、複数のアッセイ混合物が、異なる試薬濃度で平行に実施され、種々の濃度に対す
る異なる応答が得られる。代表的には、これらの濃度のうちの1つが、ネガティブコント
ロール(すなわち、ゼロ濃度または検出レベル以下)として機能する。
調節因子、薬物候補、または試験化合物は、多くの化学クラスを含むが、代表的に、そ
れらは、有機分子、好ましくは、100ダルトンより大きく約2,500ダルトンよりも
小さい分子量を有する小さい有機化合物である。好ましい低分子は、2000D未満、ま
たは1500D未満または1000D未満または500D未満である。候補因子は、タン
パク質との構造的相互作用(特に、水素結合)に必要な官能基を含み、そして代表的には
、少なくとも1つのアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基を
含み、好ましくは、少なくとも2つの機能的化学基を含む。候補因子は、しばしば、上記
官能基の1つ以上で置換された環炭素もしくは複素環構造および/または芳香族構造もし
くは多芳香族構造を含む。調節因子はまた、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリ
ン、ピリミジン、誘導体、構造的アナログ、またはそれらの組み合わせのような生分子を
含む。ペプチドが特に好ましい。1つの調節因子のクラスは、ペプチド、例えば、約5〜
約35アミノ酸のペプチドであり、約5〜約20アミノ酸が好ましく、約7〜約15アミ
ノ酸が特に好ましい。好ましくは、癌調節因子タンパク質は、可溶生であり、非膜貫通領
域を含み、そして/または可溶性を補助するN末端Cysを有する。1つの実施形態にお
いて、フラグメントのC末端は、遊離酸として維持され、そしてN末端は、カップリング
(すなわち、システインへのカップリング)を補助するために遊離アミンである。1つの
実施形態において、本発明の癌タンパク質は、本明細書中で議論されるような免疫原性因
子に結合体化される。1つの実施形態において、癌タンパク質は、BSAに結合体化され
る。本発明のポリペプチド(例えば、好ましい長さのポリペプチド)は、互いに連結され
るか、または他のアミノ酸に連結され、より長いペプチド/タンパク質を生成し得る。調
節ペプチドは、上記のような、天然に存在するタンパク質の消化産物、ランダムペプチド
、または「偏った」ランダムペプチドであり得る。好ましい実施形態において、ペプチド
/タンパク質ベースの調節因子は、本明細書中で定義されるような抗体およびそのフラグ
メントである。
癌の調節因子は、また、核酸であり得る。核酸調節因子は、天然に存在する核酸、ラン
ダム核酸、または「偏った」ランダム核酸であり得る。例えば、原核生物ゲノムまたは真
核生物ゲノムの消化産物は、タンパク質について上述したのと類似のアプローチで使用さ
れ得る。
用語「モノクローナル抗体」は、実質的に同種の集団から得られる抗体(すなわち、少
量存在する、天然に存在する可能性を除いて同一である集団を含む抗体)をいう。
98P4B6関連タンパク質の生物学的モチーフとしての「モチーフ」は、タンパク質
の一次配列の一部を形成するアミノ酸の任意のパターン(特定の機能(例えば、タンパク
質−タンパク質相互作用、タンパク質−DNA相互作用など)、または改変(例えば、リ
ン酸化、グリコシル化、もしくはアミド化)、または局在(例えば、分泌配列、核局在化
配列など)に関連する)、あるいは免疫原性(体液性または細胞性のいずれか)と関連す
る配列をいう。モチーフは、一般的に、特定の機能または特性に関連する特定の位置に隣
接し得るか、または整列し得るかのいずれかである。HLAモチーフの文脈において、「
モチーフ」とは、特定のHLA分子によって認識される、規定された長さのペプチドにお
ける残基(通常、クラスI HLAモチーフに対する約8〜約13のアミノ酸、およびク
ラスII HLAモチーフに対する約6〜約25のアミノ酸からのペプチド)のパターン
をいう。HLA結合についてのペプチドモチーフは、代表的に、各ヒトHLA対立遺伝子
によってコードされる各タンパク質について異なり、そして一次アンカー残基および二次
アンカー残基のパターンにおいて異なる。
「薬学的な賦形剤」とは、アジュバント、キャリア、pH調整剤および緩衝剤、等張剤
、湿潤剤、保存剤などのような物質を含む。
「薬学的に受容可能な」とは、非毒性、不活性および/またはヒトもしくは他の哺乳動
物に生理学的に適合する組成物をいう。
用語「ポリヌクレオチド」は、少なくとも10個の塩基または塩基対の長さのヌクレオ
チドの多型性の形態(リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドのいずれか、あるい
はいずれかのヌクレオチドの型の改変された形態)を意味し、そして一本鎖および二本鎖
の形態のDNAおよび/またはRNAを含むことを意味する。当該分野において、この用
語は、必要であれば、しばしば「オリゴヌクレオチド」と相互に使用される。ポリヌクレ
オチドは、本明細書中で開示されたヌクレオチド配列を含み得、ここでチミジン(T)(
例えば、配列番号702に示されるような)はまたウラシル(U)であり得る。この説明
は、DNAおよびRNAの化学的構造間の違い、特に4つの主な塩基のうち1つがRNA
では、チミジン(T)の代わりにウラシル(U)であるという知見に関連する。
用語「ポリペプチド」は、少なくとも約4、5、6、7または8アミノ酸のポリマーを
意味する。本明細書を通して、アミノ酸についての標準的な3文字表記または1文字表記
が使用される。当該分野において、この用語は、しばしば「ペプチド」または「タンパク
質」と相互に使用される。
HLAの「一次アンカー残基」は、免疫ペプチドとHLA分子との間に接触点を提供す
ることが理解される、ペプチド配列に沿う特定の位置でのアミノ酸である。1〜3つ、通
常2つの、規定された長さのペプチド内の一次アンカー残基は、一般的に、免疫原性ペプ
チドに対する「モチーフ」を規定する。これらの残基は、HLA分子のペプチド結合グル
ーブと、結合グローブの特異的ポケットに埋め込まれるそれらの側鎖と密接に接触するこ
とが理解される。1つの実施形態において、例えば、HLAクラスI分子についての一次
アンカー残基は、本発明に従って、(アミノ末端位置から)2位、そしてカルボキシ末端
位置の残基ペプチドエピトープ8位、9位、10位、11位または12位に局在される。
別の実施形態において、例えば、HLAクラスII分子に結合するペプチドの一次アンカ
ー残基は、ペプチドの末端ではなく、互いに関連して間隔をおいて配置される。ここで、
ペプチドは、一般に少なくとも9アミノ酸長である。各モチーフおよびスーパーモチーフ
(supermotif)についての一次アンカー位置は、表IVに示される。例えば、
アナログペプチドは、表IVに示される、一次アンカー位置および/または二次アンカー
位置における特定の残基の存在または非存在を変更することによって作製され得る。この
ようなアナログは、特定のHLAモチーフまたはスーパーモチーフを含むペプチドの結合
親和性および/または集団範囲(population coverage)を調整する
ために使用される。
「放射性同位体」としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない(非限定的な
例示的用途もまた、以下のとおりである):
医療用アイソトープの例:
アイソトープ
使用の説明
アクチニウム−225
(AC−225)
トリウム−229(Th−229)参照のこと
アクチニウム−227
(AC−227)
癌(すなわち、乳癌および前立腺癌)および癌放射免疫療法から生じる骨格内の転移の処
置、に使用するα放射体であるラジウム−223(Ra−223)の親
ビスマス−212
(Bi−212)
トリウム−228(Th−228)参照のこと
ビスマス−213
(Bi−213)
トリウム−229(Th−229)参照のこと
カドミウム−109
(Cd−109)
癌検出
コバルト−60
(Co−60)
癌の放射線治療、食品照射、および医薬品の殺菌のための放射線源
銅−64
(Cu−64)
癌治療およびSPECT画像診断に使用される陽電子放射体
銅−67
(Cu−67)
癌放射免疫療法および診断検査(すなわち、乳癌、大腸癌およびリンパ腫)に用いられる
β/γ放射体
ジスプロシウム−166
(Dy−166)
癌放射免疫療法
エルビウム−169
(Er−169)
特に手指および足指と結合している小さな関節についての関節リウマチ治療
ユーロピウム−152
(Eu−152)
食品照射、および医薬品の殺菌のための放射線源
ユーロピウム−154
(Eu−154)
食品照射、および医薬品の殺菌のための放射線源
ガドリニウム−153
(Gd−153)
骨粗鬆症検出および原子力の医学的品質保証デバイス
金−198
(Au−198)
移植ならびに卵巣癌、前立腺癌、および脳腫瘍の腔内治療
ホルミウム−166
(Ho−166)
標的化された骨治療における多発性骨髄腫治療、癌放射免疫療法、骨髄切断、および関節
リウマチ治療
ヨウ素−125
(I−125)
骨粗鬆症検出、画像診断、追跡薬物、脳癌治療、放射標識、腫瘍画像診断、脳内の受容体
のマッピング、間質放射治療、前立腺癌治療の近接照射療法、糸球体濾過速度(GFR)
の測定、血漿量の測定、脚の深部静脈血栓の検出
ヨウ素−131
(I−131)
甲状腺機能評価、甲状腺疾患の検出、甲状腺癌および別の非悪性甲状腺疾患(すなわち、
グレーヴズ疾患、甲状腺腫、および甲状腺機能亢進症)の治療、癌放射免疫療法を用いた
白血病、リンパ腫、および別の癌の形態(例えば、乳癌)の治療
イリジウム−192
(Ir−192)
近接照射療法、脳腫瘍および脊髄腫の治療、動脈閉塞(すなわち、動脈硬化症および再狭
窄)の治療、ならびに胸部腫瘍および前立腺腫瘍のためのインプラント
ルテチウム−177
(Lu−177)
癌放射免疫療法および動脈閉塞の治療(すなわち、動脈硬化症および再狭窄)
モリブデン−99
(Mo−99)
脳、肝臓、肺、心臓、および別の器官の画像診断に使用されるテクネチウム−99m(T
c−99m)の親。現在、Tc−99は、脳、心臓、肝臓、肺を含む種々の癌および疾患
の画像診断のために使用される;また、脚の深部静脈血栓の検出に使用される放射性同位
体のうち最も広く使用されている。
オスミウム−194
(Os−194)
癌放射免疫療法
パラジウム−103
(Pd−103)
前立腺癌治療
白金−195m
(Pt−195m)
シスプラチン、化学療法薬物の体内分布および代謝の検査
リン−32
(P−32)
真性多血症(血球疾患)および白血病の治療、骨の癌の診断/治療;結腸癌、膵臓癌、お
よび肝臓癌の治療;インビトロ検査のための核酸の放射標識、表面腫瘍の診断、動脈閉塞
(すなわち、動脈硬化症および再狭窄)の治療、ならびに体腔内治療
リン−33
(P−33)
白血病治療、骨疾患の診断/治療、放射標識、および動脈閉塞(すなわち、動脈硬化症お
よび再狭窄)の治療
ラジウム−223
(Ra−223)
アクチニウム−227(Ac−227)参照
レニウム−186
(Re−186)
骨の癌の疼痛の軽減、関節リウマチ治療、ならびに放射免疫療法を用いたリンパ腫、骨の
癌、乳癌、結腸癌、および肝臓癌の診断、および治療
レニウム−188
(Re−188)
放射免疫療法を用いた癌の診断および治療、骨の癌の疼痛の軽減、慢性関節リウマチの治
療、および前立腺癌の治療
ロジウム−105
(Rh−105)
癌放射免疫療法
サマリウム−145
(Sm−145)
眼の癌の治療
サマリウム−153
(Sm−153)
癌放射免疫療法および骨の癌の疼痛の軽減
スカンジウム−47
(Sc−47)
癌放射免疫療法および骨の癌の疼痛の軽減
セレニウム−75
(Se−75)
脳の検査に用いられる放射性トレーサー、γ−シンチグラフィーを用いた副腎皮質の画像
診断、ステロイド分泌腫瘍の側方位置、膵臓のスキャンニング、副甲状腺機能亢進症の検
出、内因性プールからの胆汁酸減少率の測定
ストロンチウム−85
(Sr−85)
骨の癌の検出および脳のスキャン
ストロンチウム−89
(Sr−89)
骨の癌の疼痛の軽減,多発性骨髄腫治療、および骨芽細胞の治療
テクネチウム−99m
(Tc−99m)
モリブデン−99(Mo−99)参照のこと
トリウム−228
(Th−228)
癌放射免疫療法に用いられるα放射体であるビスマス−212(Bi−212)の親
トリウム−229
(Th−229)
癌放射免疫療法に用いられるα放射体であるアクチニウム−225(Ac−225)の親
およびビスマス−213(Bi−213)のグランドペアレント(grandparen
t)
ツリウム−170
(Tm−170)
血液照射器のためのγ線源、移植用の医学的デバイスのためのエネルギー源
スズ−117m
(Sn−117m)
癌放射免疫療法および骨の癌の疼痛の軽減
タングステン−188
(W−188)
癌の診断/治療、骨の癌の疼痛の軽減、慢性関節リウマチ治療、および動脈閉塞(すなわ
ち、動脈硬化症および再狭窄)の治療に使用されるレニウム−188(Re−188)に
対する親
キセノン−127
(Xe−127)
脳障害の神経画像診断、高解像度SPECT検査、肺機能検査、および脳血流検査
イッテルビウム−175
(Yb−175)
癌放射免疫療法
イットリウム−90
(Y−90)
肝臓癌治療ためのイットリウム−89(Y−89)の照射から得られるマイクロ種
イットリウム−91
(Y−91)
癌放射免疫療法(すなわち、リンパ腫、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌
、膵臓癌、ならびに手術不能の肝臓癌)に使用されるイットリウム−90(Y−90)の
γ放射標識
核酸およびタンパク質において本明細書中で適用される、「無作為化(ランダム化)(
された)」、またはその文法的に等価なものは、それぞれ、核酸およびペプチドの各々が
、本質的に無作為化された、ヌクレオチドおよびアミノ酸からなることを意味する。これ
らの無作為化されたペプチド(または、本明細書中で議論されるような核酸)は、任意の
位置で任意のヌクレオチドまたはアミノ酸を取り込み得る。この合成プロセスは、無作為
したタンパク質または核酸を生成して、配列の長さ部分に亘って可能な組合せの全てまた
は殆どの形成を可能にし、それによって無作為化された候補生物活性タンパク質性薬剤の
ライブラリーを形成するように設計され得る。
1つの実施形態において、ライブラリーが「完全にランダム化され」、いずれの位置に
おいても、配列の傾向または配列の一定性は存在しない。別の実施形態において、このラ
イブラリーは、「偏って無作為化」されたライブラリーである。すなわち、この配列内の
いくつかの場所は、一定となるように保持されるかまたは、限定された確率で選択される
かのいずれかである。例えば、ヌクレオチド残基またはアミノ酸残基は、例えば、核酸結
合ドメインの生成、架橋のためシステインの生成、SH3ドメインのためのプロリン、リ
ン酸化部位などのためのセリン、スレオニン、チロシンまたはヒスチジンなど、あるいは
プリンなどに対して、疎水性アミノ酸残基、親水性アミノ酸残基、空間的に偏りをもった
(小さいかまたは大きいかのいずれか)の残基である、規定されたクラスの中で無作為化
される。
「組換え」DNA分子またはRNA分子は、インビトロでの分子操作に供されるDNA
分子またはRNA分子である。
低分子の非限定的な例としては、98P4B6リガンドに結合または相互作用する化合
物(ホルモン、神経ペプチド、ケモカイン、臭気剤、リン脂質、および結合し、そして好
ましくは98P4B6タンパク質機能を阻害するそれらの機能等価物が挙げられる)が挙
げられる。このような非限定的な低分子は、好ましくは約10kDa未満の分子量、より
好ましくは約9kDa、約8kDa、約7kDa、約6kDa、約5kDaまたは約4k
Da未満の分子量を有する。特定の実施形態において、低分子は、98P4B6タンパク
質と物理的に会合するか、または98P4B6に結合する;天然に存在する代謝経路にお
いて見出されない;そして/または:非水溶液よりも水溶液により可溶性である。
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容易に決定
可能であり、そして一般的には、プローブの長さ、洗浄温度、および塩濃度に依存する経
験的な計算である。一般的には、より長いプローブは、適切なアニーリングのためにより
高い温度を必要とし、一方、より短いプローブは、より低い温度を必要とする。ハイブリ
ダイゼーションは、一般的には、それらの融解温度以下の環境下に相補鎖が存在する場合
に、変性された核酸が再度アニーリングする能力に依存する。プローブとハイブリダイズ
可能な配列との間での所望される相同性の程度が高ければ高いほど、使用され得る相対的
な温度は高くなる。結果として、より高い相対的な温度が、反応条件をよりストリンジェ
ントにする傾向があり、一方、より低い温度はあまりそうではないという結果になる。ハ
イブリダイゼーション反応のストリンジェンシーのさらなる詳細および説明については、
Ausubelら、Current Protocols in Molecular
Biology、Wiley Interscience Publishers(19
95)を参照のこと。
「ストリンジェントな条件」、または「高ストリンジェントな条件」は、本明細書中で
定義される場合は、以下によって同定され得るがこれらに限定されない:(1)洗浄のた
めに低いイオン強度および高温(例えば、0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015
Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウム、50℃)を使用する;(
2)変性剤(例えば、ホルムアミド)をハイブリダイゼーションの間に使用する(例えば
、0.1%のウシの血清アルブミンを有する50%(v/v)のホルムアミド/0.1%
のFicoll/0.1%のポリビニルピロリドン/750mMの塩化ナトリウム、75
mMのクエン酸ナトリウムを有するpH6.5の50mMの燐酸ナトリウム緩衝液、42
℃);または(3)50%のホルムアミド、5×SSC(0.75MのNaCl、0.0
75Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%
のピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、超音波処理したサケの精子のDNA(5
0μg/ml)、0.1%のSDS、および10%のデキストラン硫酸を42℃で使用し
、0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中で42℃の温度で、そして
50%のホルムアミド中で55℃の温度で洗浄し、続いて55℃でEDTAを含有してい
る0.1×SSCから構成される高ストリンジェンシーの洗浄が続く。「中程度のストリ
ンジェントな条件」は、限定されないが、Sambrookら、Molecular C
loning:A Laboratory Manual、New York:Cold
Spring Harbor Press、1989によって記載され、そして上記に
記載されているハイブリダイゼーション条件よりもストリンジェントの低い洗浄溶液およ
びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度および%SDS)の使用を含
む。中程度のストリンジェントな条件の例は、20%のホルムアミド、5×SSC(15
0mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(
pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%のデキストラン硫酸、および20mg/mL
の変性された剪断されたサケの精子のDNAを含有している溶液中で37℃での一晩のイ
ンキュベーション、続く1×SSC中での約37℃〜50℃でのフィルターの洗浄である
。当業者は、プローブの長さなどの因子に順応させることが必要とされる場合には、温度
、イオン強度などを調節するための方法を認識する。
HLAの「スーパーモチーフ」は、2つ以上のHLA対立遺伝子によってコードされる
HLA分子によって特異的に共有されるペプチド結合である。様々な民族集団におけるH
LA−スーパータイプの全体的な表現型頻度は、以下の表IV(F)に示す。種々のスー
パータイプの非限定的な構成要素は、以下の通りである:
A2:A0201、A0202、A0203、A0204、A0205、A
0206、A6802、A6901、A0207
A3:A3、A11、A31、A3301、A6801、A0301、A11
01、A3101
B7:B7、B3501−03、B51、B5301、B5401、B55
01、B5502、B5601、B6701、B7801、B0702、B
5101、B5602
B44:B3701、B4402、B4403、B60(B4001)、B
61(B4006)
A1:A0102,A2604、A3601、A4301、A8001
A24:A24、A30、A2403、A2404、A3002、A30
03
B27:B1401−02、B1503、B1509、B1510、B15
18、B3801−02、B3901、B3902、B3903−04、B
801−02、B7301、B2701−08
B58:B1516、B1517、B5701、B5702、B58
B62:B4601、B52、B1501(B62)、B1502(B75)、
1513(B77)
様々なHLA−スーパータイプの組み合わせによって得られる計算された集団範囲は、表
IV(G)に示す。
本明細書中で使用される場合、「処置すること」または「処置的な」および文法的に関
連する用語は、疾患の任意の結果(例えば、延長した生存、より少ない罹患率、および/
または副作用(代替的な治療形式の副産物;疾患の完全な撲滅が必要とされない))の任
意の改善をいう。
「トランスジェニック動物」(例えば、マウスまたはラット)は、導入遺伝子を含む細
胞を有する動物であり、この導入遺伝子は、動物に導入されたか、または出生前(例えば
、胚の段階)に動物の先祖に導入された。「導入遺伝子」は、トランスジェニック動物が
発生する細胞のゲノム中に組込まれるDNAである。
本明細書中で使用される場合、HLAまたは細胞性免疫応答「ワクチン」は、本発明の
1つ以上のペプチドを含むか、またはコードする組成物をいう。このようなワクチン(例
えば1つ以上の別個のペプチドのカクテル;ポリエピトープペプチドによって含まれる、
本発明の1つ以上のペプチド;あるいはこのような別個のペプチドまたはポリエピトープ
(例えば、ポリエピトープペプチドをコードする小遺伝子)をコードする核酸)の多数の
実施形態が存在する。「1つ以上のペプチド」は、1〜150またはそれ以上(例えば、
本発明の少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14
、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、
28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、4
1、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70
、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、
130、135、140、145、もしくは150以上)の任意の全整数単位が挙げられ
得る。ペプチドまたはポリペプチドは、必要に応じて、(例えば、脂質化、標的化配列ま
たは他の配列の付加によって)改変され得る。本発明のHLAクラスIペプチドは、細胞
傷害性Tリンパ球およびヘルパーTリンパ球の両方の活性化を促進させるために、HLA
クラスII分子と混合または連結され得る。HLAワクチンはまた、ペプチドパルス抗原
提示細胞(例えば、樹状細胞)を含み得る。
用語「改変体」とは、記載される型または基準(例えば、特に記載されるタンパク質(
例えば、図2または図3に示される98P4B6タンパク質)の対応部分に、1つ以上の
異なるアミノ酸残基を有するタンパク質)からの改変を示す分子をいう。アナログは、改
変タンパク質の例である。スプライシングアイソフォームおよびシングルヌクレオチド多
型(SNP)は、さらなる改変体の例である。
本発明の「98P4B6関連タンパク質」としては、本明細書中で特異的に同定された
タンパク質、ならびに対立遺伝子改変体、(本明細書中に概説される方法または当該分野
で用意に利用可能な方法に従って実験を実施することなく、単離/生成され得、そして特
徴付けられ得る)保存的置換改変体、アナログおよびホモログが挙げられる。異なる98
P4B6タンパク質またはそのフラグメントの一部分に結合する融合タンパク質、ならび
に98P4B6タンパク質および異種ポリペプチドの融合タンパク質もまた、含まれる。
このような98P4B6タンパク質は、本発明のタンパク質である98P4B6関連タン
パク質、または98P4B6として集合的に称される。用語「98P4B6関連タンパク
質」とは、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17
、18、19、20、21、22、23、24、25または25より多いか、あるいは、
少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、85、90
、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、
145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、
195、200、225、250、275、300、325、350、375、400、
425、450、475、500、525または529以上のアミノ酸の、ポリペプチド
フラグメントまたは98P4B6タンパク質配列をいう。
(II.)98P4B6ポリヌクレオチド)
本発明の1つの局面は、98P4B6の遺伝子、mRNAおよび/またはコード配列の
全てまたは一部に対応するかまたは相補的な、好ましくは単離形態のポリヌクレオチドを
提供し、これには、98P4B6関連タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびそ
のフラグメント、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、および関連分子、98
P4B6の遺伝子もしくはmRNA配列に相補的なポリヌクレオチドもしくはオリゴヌク
レオチドまたはその一部、ならびに98P4B6の遺伝子、mRNA、もしくは98P4
B6コードポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドもしくはオリゴヌク
レオチド(集合的に「98P4B6ポリヌクレオチド」)が挙げられる。この節において
参照される場合、全ての例において、Tは、図2において、Uでもあり得る。
98P4B6ポリヌクレオチドの実施形態としては、以下が挙げられる:図2に示され
る配列を有する98P4B6ポリヌクレオチド、図2に示されるような98P4B6ヌク
レオチド配列(ここで、TはUである);図2に示されるような配列を有するポリヌクレ
オチドの少なくとも10個連続するヌクレオチド;または図2に示される配列を有するポ
リヌクレオチドの少なくとも10個連続するヌクレオチド(ここで、TはUである)。例
えば、98P4B6ヌクレオチドの実施形態は、限定ではなく、以下を含む:
(I)図2に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、また
はこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(II)図2Aのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コドンを
含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこの
ような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(III)図2Bのヌクレオチド番号4〜ヌクレオチド番号138(終止コドンを含む
)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこのよう
な配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(IV)図2Cのヌクレオチド番号188〜ヌクレオチド番号1552(終止コドンを
含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこの
ような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(V)図2Dのヌクレオチド番号318〜ヌクレオチド番号1682(終止コドンを含
む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるポリヌクレオチド
、またはこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(VI)図2Eのヌクレオチド番号318〜ヌクレオチド番号1577(終止コドンを
含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこの
ような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(VII)図2Fのヌクレオチド番号318〜ヌクレオチド番号1790(終止コドン
を含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなる、またはこの
ような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(VIII)図2Gのヌクレオチド番号295〜ヌクレオチド番号2025(終止コド
ンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなる、またはこ
のような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(IX)図2Hのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コドンを
含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなる、またはこのよ
うな配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(X)図2Iのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コドンを含
む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこのよ
うな配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XI)図2Jのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コドンを
含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなる、またはこのよ
うな配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XII)図2Kのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コドン
を含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこ
のような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XIII)図2Lのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コド
ンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、または
このような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XIV)図2Mのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コドン
を含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこ
のような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XV)図2Nのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コドンを
含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこの
ような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XVI)図2Oのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コドン
を含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこ
のような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XVII)図2Pのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コド
ンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、または
このような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XVIII)図2Qのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コ
ドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、また
はこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XIX)図2Rのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コドン
を含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこ
のような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XX)図2Sのヌクレオチド番号355〜ヌクレオチド番号1719(終止コドンを
含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこの
ような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXI)図2Tのヌクレオチド番号295〜ヌクレオチド番号2025(終止コドン
を含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこ
のような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXII)図2Uのヌクレオチド番号295〜ヌクレオチド番号2025(終止コド
ンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、または
このような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXIII)図2Vのヌクレオチド番号295〜ヌクレオチド番号2025(終止コ
ドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、また
はこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXIV)図2Wのヌクレオチド番号295〜ヌクレオチド番号2025(終止コド
ンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、または
このような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXV)図2Xのヌクレオチド番号295〜ヌクレオチド番号2025(終止コドン
を含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこ
のような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXVI)図2Yのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コド
ンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、または
このような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXVII)図2Zのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コ
ドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、また
はこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXVIII)図2AAのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終
止コドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、
またはこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXIX)図2ABのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コ
ドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、また
はこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXX)図ACのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コドン
を含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、またはこ
のような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXXI)図ADのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コド
ンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、または
このような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXXII)図AEのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コ
ドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、また
はこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXXIII)図AFのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止
コドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、ま
たはこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXXIV)図AGのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コ
ドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、また
はこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXXV)図AHのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コド
ンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、または
このような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXXVI)図AIのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コ
ドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、また
はこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXXVII)図AJのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止
コドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、ま
たはこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXXVIII)図AKのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終
止コドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、
またはこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XXXIX)図ALのヌクレオチド番号394〜ヌクレオチド番号1866(終止コ
ドンを含む)に示されるような配列を含むか、本質的にこのような配列からなるか、また
はこのような配列からなるポリヌクレオチド(ここで、TはまたUであり得る);
(XL)図A〜ALにおいて示されるアミノ酸配列全体に対して少なくとも90、91
、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%相同である98P
4B6関連タンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(XLI)図A〜ALにおいて示されるアミノ酸配列全体に対して少なくとも90、9
1、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一である98
P4B6関連タンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(XLII)表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXに示される少なくとも1つ
のペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(XLIII)図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A、3Gおよび3Hのペ
プチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、
17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、3
0、31、32、33、34、35アミノ酸から、454までの任意の整数の増分のペプ
チド領域をコードするポリヌクレオチド;
(XLIV)図6のヒドロパシープロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少
なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、
16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、2
9、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A、3Gおよび3H
のペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、454までの任意の整数の増分の
ペプチド領域をコードするポリヌクレオチド;
(XLV)図7の接近可能残基パーセントプロフィールにおいて0.5より大きい値を
有する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14
、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、
28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A、3Gお
よび3Hのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、2
8、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、454までの任意の整数
の増分のペプチド領域をコードするポリヌクレオチド;
(XLVI)図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少な
くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A、3Gおよび3Hの
ペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸から、454までの任意の整数の増分のペ
プチド領域をコードするポリヌクレオチド;、
(XLVII) 図9のβターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少
なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、
16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、2
9、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A、3Gおよび3H
のペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、454までの任意の整数の増分の
ペプチド領域をコードするポリヌクレオチド;
(XLVIII)図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少な
くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Bのペプチドの少なく
とも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、1
9、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32
、33、34、35アミノ酸から、45までの任意の整数の増分のペプチド領域をコード
するポリヌクレオチド;
(XLIX) 図6のヒドロパシープロフィールにおいて0.5より大きい値を有する
少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15
、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、
29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Bのペプチドの少
なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18
、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、
32、33、34、35アミノ酸から、45までの任意の整数の増分のペプチド領域をコ
ードするポリヌクレオチド;
(L) 図7の接近可能残基パーセントプロフィールにおいて0.5より大きい値を有
する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、2
8、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Bのペプチド
の少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、
18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、3
1、32、33、34、35アミノ酸から、45までの任意の整数の増分のペプチド領域
をコードするポリヌクレオチド;
(LI) 図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Bのペプチドの少なくと
も5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、
33、34、35アミノ酸から、45までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードす
るポリヌクレオチド;
(LII) 図9のβターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Bのペプチドの少なくと
も5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、
33、34、35アミノ酸から、45までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードす
るポリヌクレオチド;
(LIII)図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なくと
も1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、
17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、3
0、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Cのペプチドの少なくとも
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、
20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、3
3、34、35アミノ酸から、419までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードす
るポリヌクレオチド;
(LIV)図6のヒドロパシープロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少な
くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Cのペプチドの少なく
とも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、1
9、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32
、33、34、35アミノ酸から、419までの任意の整数の増分のペプチド領域をコー
ドするポリヌクレオチド;
(LV)図7の接近可能残基パーセントプロフィールにおいて0.5より大きい値を有
する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、2
8、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Cのペプチド
の少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、
18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、3
1、32、33、34、35アミノ酸から、419までの任意の整数の増分のペプチド領
域をコードするポリヌクレオチド;
(LVI)図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Cのペプチドの少なくと
も5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、
33、34、35アミノ酸から、419までの任意の整数の増分のペプチド領域をコード
するポリヌクレオチド;
(LVII)図9のβターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Cのペプチドの少なくと
も5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、
33、34、35アミノ酸から、419までの任意の整数の増分のペプチド領域をコード
するポリヌクレオチド;
(LVIII)図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3D、3F、および3Jの
ペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸から、490までの任意の整数の増分のペ
プチド領域をコードするポリヌクレオチド;
(LIX)図6のヒドロパシープロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少な
くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3D、3F、および3J
のペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、490までの任意の整数の増分の
ペプチド領域をコードするポリヌクレオチド;
(LX)図7の接近可能残基パーセントプロフィールにおいて0.5より大きい値を有
する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、2
8、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3D、3F、お
よび3Jのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、2
8、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、490までの任意の整数
の増分のペプチド領域をコードするポリヌクレオチド;
(LXI)図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3D、3F、および3Jの
ペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸から、490までの任意の整数の増分のペ
プチド領域をコードするポリヌクレオチド;
(LXII)図9のβターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3D、3F、および3Jの
ペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸から、490までの任意の整数の増分のペ
プチド領域をコードするポリヌクレオチド;
(LXIII)図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eおよび3Iのペプチド
の少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、
18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、3
1、32、33、34、35アミノ酸から、576までの任意の整数の増分のペプチド領
域をコードするポリヌクレオチド;
(LXIV)図6のヒドロパシープロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少
なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、
16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、2
9、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eおよび3Iのペプ
チドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30
、31、32、33、34、35アミノ酸から、576までの任意の整数の増分のペプチ
ド領域をコードするポリヌクレオチド;
(LXV)図7の接近可能残基パーセントプロフィールにおいて0.5より大きい値を
有する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14
、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、
28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eおよび3
Iのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、
16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、2
9、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、576までの任意の整数の増分
のペプチド領域をコードするポリヌクレオチド;
(LXVI)図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少な
くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eおよび3Iのペプチ
ドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17
、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、
31、32、33、34、35アミノ酸から、576までの任意の整数の増分のペプチド
領域をコードするポリヌクレオチド;
(LXVII)図9のβターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少な
くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eおよび3Iのペプチ
ドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17
、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、
31、32、33、34、35アミノ酸から、576までの任意の整数の増分のペプチド
領域をコードするポリヌクレオチド;
(LXVIII)(I)〜(LXVII)のうちのいずれか1つのポリヌクレオチドと
完全に相補的なポリヌクレオチド;
(LXIX)(I)〜(LXVIII)のいずれかによりコードされる、ペプチド;
(LXX)薬学的賦形剤と一緒であり、および/またはヒト単位投与形態である、(I
)〜(LXVIII)のいずれかによりコードされるペプチド;
(LXXI)98P4B6を発現する細胞を調節するための方法において、(I)〜(
LXVIII)いずれかのポリヌクレオチドまたは(LXIX)のペプチドもしくは(L
XX)の組成物を使用する方法;
(LXXII)98P4B6を発現する細胞を保有する個体を診断、予防、予後判定、
または処置するための方法において、(I)〜(LXVIII)いずれかのポリヌクレオ
チドまたは(LXIX)のペプチドもしくは(LXX)の組成物を使用する方法;
(LXXIII)98P4B6を発現する細胞(この細胞は、表Iに列挙される組織の
癌に由来する)を保有する個体を診断、予防、予後判定、または処置するための方法にお
いて、(I)〜(LXVIII)いずれかのポリヌクレオチドまたは(LXIX)のペプ
チドもしくは(LXX)の組成物を使用する方法;
(LXXIV)癌を診断、予防、予後判定、または処置するための方法において、(I
)〜(LXVIII)いずれかのポリヌクレオチドまたは(LXIX)のペプチドもしく
は(LXX)の組成物を使用する方法;
(LXXV)表Iに列挙される組織の癌を診断、予防、予後判定、または処置するため
の方法において、(I)〜(LXVIII)いずれかのポリヌクレオチドまたは(LXI
X)のペプチドもしくは(LXX)の組成物を使用する方法;
(LXXVI)98P4B6を発現する細胞のモジュレーターを同定または特徴付ける
ための方法において、(I)〜(LXVIII)いずれかのポリヌクレオチドまたは(L
XIX)のペプチドもしくは(LXX)の組成物を使用する方法。
本明細書中で使用する場合、ある範囲は、その全単位位置の全てを具体的に開示するこ
とが理解される。
本明細書中に開示される発明の代表的な実施形態としては、98P4B6のmRNA配
列の特定の部分をコードする98P4B6ポリヌクレオチド(およびこのような配列に相
補的なポリヌクレオチド)が挙げられる(例えば、(a)98P4B6改変体1の、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、
20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、6
5、70、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125
、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175
、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225
、250、275、300、325、350、375、400、410、420、430
、440、450または454個以上連続するアミノ酸の、タンパク質および/またはそ
のフラグメントをコードするポリヌクレオチド;他の改変体の関連する最大長は、改変体
2は44アミノ酸;改変体5は419アミノ酸;改変体6は490アミノ酸;改変体7は
576アミノ酸;改変体8は490アミノ酸;改変体13は454アミノ酸;改変体14
は454アミノ酸;改変体21は576アミノ酸;改変体25は490アミノ酸である。
例えば、本明細書中に開示される発明の代表的な実施形態としては、以下が挙げられる
:図2または図3に示されるカルボキシ末端アミノ酸の最後に、約10アミノ酸の増分で
、図2または図3に示される98P4B6タンパク質の約アミノ酸1〜約アミノ酸10を
コードする、ポリヌクレオチドおよびコードされたペプチド自体、図2または図3に示さ
れる98P4B6タンパク質の約アミノ酸10〜約アミノ酸20をコードするポリヌクレ
オチド、図2または図3に示される98P4B6タンパク質の約アミノ酸20〜約アミノ
酸30をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される98P4B6タンパク
質の約アミノ酸30〜約アミノ酸40をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に
示される98P4B6タンパク質の約アミノ酸40〜約アミノ酸50をコードするポリヌ
クレオチド、図2または図3に示される98P4B6タンパク質の約アミノ酸50〜約ア
ミノ酸60をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される98P4B6タン
パク質の約アミノ酸60〜約アミノ酸70をコードするポリヌクレオチド、図2または図
3に示される98P4B6タンパク質の約アミノ酸70〜約アミノ酸80をコードするポ
リヌクレオチド、図2または図3に示される98P4B6タンパク質の約アミノ酸90〜
約アミノ酸100をコードするポリヌクレオチド。従って、98P4B6タンパク質のア
ミノ酸100〜カルボキシル末端アミノ酸の、(約10アミノ酸の)アミノ酸配列の部分
をコードするポリヌクレオチドは、本発明の実施形態である。ここで、各特定のアミノ酸
位置は、±5アミノ酸残基の位置を開示することが理解される。
98P4B6タンパク質の比較的長い部分をコードするポリヌクレオチドもまた、本発
明の範囲内である。例えば、図2または図3に示される98P4B6タンパク質の、約ア
ミノ酸1(または20または30または40など)〜約アミノ酸20(または30または
40または50など)をコードするポリヌクレオチドは、当該分野で周知の種々の技術に
よって生成され得る。これらのポリヌクレオチドフラグメントは、図2または図3に示さ
れるような98P4B6配列の任意の部分を含み得る。
本明細書中に開示される発明のさらなる例示的実施形態としては、98P4B6タンパ
ク質配列内に含まれる1以上の生物学的モチーフをコードする98P4B6ポリヌクレオ
チドフラグメントが挙げられ、これには、表V〜XVIIIに示される98P4B6タン
パク質の、1以上のモチーフ保有部分配列が挙げられる。別の実施形態において、本発明
の代表的なポリヌクレオチドフラグメントは、既知の分子に対する相同性を示す98P4
B6のタンパク質または改変体の、1以上の領域をコードする。本発明の別の実施形態に
おいて、代表的なポリヌクレオチドフラグメントは、98P4B6のタンパク質のN−グ
リコシル化部位、cAMP依存性およびcGMP依存性のプロテインキナーゼリン酸化部
位、カゼインキナーゼIIリン酸化部位またはN−ミリストイル化部位、ならびにアミド
化部位のうち1以上をコードし得る。
親タンパク質(例えば、改変体1、改変体2など)と比較して、表VIII〜XXIお
よび表XXII〜XLIXに示される任意のペプチドの開始位置を決定するために、参照
は、3つの因子:特定の改変体、HLAペプチドの表におけるペプチドの長さおよび表V
IIに列挙される検索ペプチドに対してなされることに注意すること。一般に、独特の検
索ペプチドを使用して、特定の改変体についてのHLAペプチドを得る。そのそれぞれの
親分子に関連する各検索ペプチドは、表VIIに列挙される。従って、検索ペプチドが「
X」位で始まる場合、表VIII〜XXIおよび表XXII〜ILにおける各位に対して
値「X+1」を加え、それらの親分子のHLAペプチドの実際の位置を得なければならな
い。例えば、特定の検索ペプチドが親分子の150位で始まる場合、各HLAペプチドア
ミノ酸位に対して150−1(すなわち149)を加え、親分子のアミノ酸位を計算しな
ければならない。
(II.A.)98P4B6ポリヌクレオチドの用途)
(II.A.1.)遺伝子異常のモニタリング)
上記項目のポリヌクレオチドは、多数の異なる特定の用途を有する。ヒト98P4B6
遺伝子は、実施3に例示される染色体位置にマッピングされる。例えば、98P4B6遺
伝子は、この染色体にマッピングされるので、98P4B6タンパク質の異なる領域をコ
ードするポリヌクレオチドは、この染色体位置の細胞遺伝的異常(例えば、種々の癌に関
連するとして同定された異常)を特徴付けるために使用される。特定の遺伝子において、
再編成を含む種々の染色体異常が、多数の異なる癌における頻繁な細胞遺伝的異常として
同定されている(例えば、Krajinovicら、Mutat.Res.382(3−
4):81−83(1998);Johanssonら、Blood 86(10):3
905−3914(1995)およびFingerら、P.N.A.S.85(23):
9158−9162(1988)を参照のこと)。従って、98P4B6タンパク質の特
定の領域をコードするポリヌクレオチドは、悪性の表現型に寄与し得る、98P4B6を
コードする染色体領域における細胞遺伝的異常を説明するために使用され得る、以前に可
能であったツールよりもより正確な、新たなツールを提供する。この状況において、これ
らのポリヌクレオチドは、より微妙な染色体異常およびあまり一般的でない染色体異常を
同定するために、染色体スクリーニングの感受性を拡大することについての、当該分野に
おける必要性を満たす(例えば、Evansら、Am.J.Obstet.Gyneco
l 171(4):1055−1057(1994)を参照のこと)。
さらに、98P4B6は、前立腺癌および他の癌において高度に発現されることが示さ
れているので、98P4B6ポリヌクレオチドは、正常組織 対 癌性組織における98
P4B6遺伝子産物の状態を評価する方法において使用される。代表的に、98P4B6
タンパク質の特定の領域をコードするポリヌクレオチドは、98P4B6遺伝子の特定の
領域(例えば、1以上のモチーフを含むこのような領域)における乱れ(例えば、抗原の
喪失などを生じる欠失、挿入、点変異または変更)の存在を評価するために使用される。
例示的なアッセイとしては、RT−PCRアッセイおよび一本鎖コンホメーション多型(
SSCP)分析(例えば、Marrogiら、J.Cutan.Pathol.26(8
):369−378(1999)を参照のこと)の両方が挙げられ、これらは両方とも、
タンパク質内の特定の領域を試験するために、タンパク質内の特定の領域をコードするポ
リヌクレオチドを利用する。
(II.A.2.)アンチセンスの実施形態)
本明細書中に開示される発明の、他の具体的に企図された核酸に関する実施形態は、ゲ
ノムDNA、cDNA、リボザイムおよびアンチセンス分子、ならびに天然供給源由来で
あるか合成であるかにかかわらない、代替的骨格に基づく核酸分子または代替的塩基を含
む核酸分子であり、そしてこれには、98P4B6のRNA発現またはタンパク質発現を
阻害し得る分子が含まれる。例えば、アンチセンス分子は、塩基対依存的な様式でDNA
またはRNAに特異的に結合する、ペプチド核酸(PNA)または非核酸分子(例えば、
ホスホロチオエート誘導体)を含む、RNAまたは他の分子であり得る。当業者は、本明
細書中に開示される98P4B6のポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチド配列を使用
して、これらのクラスの核酸分子を容易に獲得し得る。
アンチセンス技術は、細胞内に位置する標的ポリヌクレオチドに結合する外因性オリゴ
ヌクレオチドの投与を伴う。用語「アンチセンス」は、このようなオリゴヌクレオチドが
、その細胞内標的(例えば、98P4B6)に相補的であるという事実をいう。例えば、
Jack Cohen、Oligodeoxynucleotides,Antisen
se Inhibitiors of Gene Expression、CRC Pr
ess、1989;およびSynthesis 1:1−5(1988)を参照のこと。
本発明の98P4B6アンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、誘導体(例えば、S−
オリゴヌクレオチド(ホスホロチオエート誘導体またはS−オリゴ、Jack Cohe
n(前出)を参照のこと)が挙げられ、これは、増強された癌細胞増殖阻害活性を示す。
S−オリゴ(ヌクレオシドホスホロチオエート)は、リン酸基の非架橋酸素原子が硫黄原
子によって置換されている、オリゴヌクレオチド(O−オリゴ)の等電子アナログである
。本発明のS−オリゴは、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキ
シド(これは、硫黄転移試薬である)での対応するO−オリゴの処理によって調製され得
る。例えば、Iyer,R.P.ら、J.Org.Chem.55:4693−4698
(1990);およびIyer,R.P.ら、J.Am.Chem.Soc.112:1
253−1254(1990)。本発明のさらなる98P4B6アンチセンスオリゴヌク
レオチドとしては、当該分野で公知のモルホリノアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げ
られる(例えば、Partridgeら、1996、Antisense & Nucl
eic Acid Drug Development 6:169−175を参照のこ
と)。
本発明の98P4B6アンチセンスオリゴヌクレオチドは、代表的に、98P4B6ゲ
ノム配列または対応するmRNAの最初の100個の5’側コドンまたは最後の100個
の3’側コドンに相補的であり、かつこれらと安定にハイブリダイズする、RNAまたは
DNAであり得る。完全な相補性は必要ないが、高度な相補性が好ましい。この領域に相
補的なオリゴヌクレオチドの使用によって、98P4B6 mRNAへの選択的なハイブ
リダイゼーションは可能になるが、プロテインキナーゼの他の調節サブユニットを指定す
るmRNAへの選択的なハイブリダイゼーションは可能にならない。1つの実施形態にお
いて、本発明の98P4B6アンチセンスオリゴヌクレオチドは、98P4B6 mRN
Aにハイブリダイズする配列を有するアンチセンスDNA分子の15〜30マーのフラグ
メントである。必要に応じて、98P4B6アンチセンスオリゴヌクレオチドは、98P
4B6の最初の10個の5’側コドンまたは最後の10個の3’側コドン中の領域に相補
的な30マーのオリゴヌクレオチドである。あるいは、このアンチセンス分子は、98P
4B6発現の阻害においてリボザイムを使用するように改変される(例えば、L.A.C
outure & D.T.Stinchcomb;Trends Genet 12:
510−515(1996)を参照のこと)。
(II.A.3.)プライマーおよびプライマー対)
本発明のこのヌクレオチドのさらに特定の実施形態としては、プライマーおよびプライ
マー対(これらは、本発明のポリヌクレオチドまたはその任意の特定の部分の特異的増幅
を可能にする)、ならびにプローブ(これは、本発明の核酸分子またはその任意の部分に
選択的にかまたは特異的にハイブリダイズする)が挙げられる。プローブは、検出可能な
マーカー(例えば、放射性同位体、蛍光化合物、生体発光化合物、化学発光化合物、金属
キレート剤または酵素)で標識され得る。このようなプローブおよびプライマーは、サン
プル中の98P4B6ポリヌクレオチドの存在を検出するため、および98P4B6タン
パク質を発現する細胞を検出するための手段として使用される。
このようなプローブの例としては、図2に示されるヒト98P4B6cDNA配列の全
てまたは一部を含むポリヌクレオチドが挙げられる。98P4B6mRNAを特異的に増
幅し得るプライマー対の例もまた、実施例に記載される。当業者によって理解されるよう
に、非常に多数の異なるプライマーおよびプローブが、本明細書中に提供される配列に基
づいて調製され得、そして98P4B6mRNAを増幅および/または検出するために有
効に使用され得る。
本発明の98P4B6ポリヌクレオチドは、種々の目的のために有用であり、その用途
としては、限定ではなく以下が挙げられる:98P4B6の遺伝子、mRNAもしくはそ
のフラグメントの増幅および/または検出のためのプローブおよびプライマーとして;前
立腺癌および他の癌の診断および/または予後のための試薬として;98P4B6ポリペ
プチドの発現を指向し得るコード配列として;98P4B6遺伝子の発現および/または
98P4B6転写産物の翻訳を調節または阻害するためのツールとして;そして治療剤と
して。
本発明は、天然に存在する供給源(例えば、ヒトまたは他の哺乳動物)由来の98P4
B6核酸配列または98P4B6関連核酸配列を同定および単離するための、本明細書中
に記載されるような任意のプローブの使用、ならびに単離された核酸配列自体(これは、
使用されるプローブ中に見出される配列の全てまたはほとんどを含む)を包含する。
(II.A.4.)98P4B6コード核酸分子の単離)
本明細書中に記載される98P4B6cDNA配列は、98P4B6遺伝子産物をコー
ドする他のポリヌクレオチドの単離、ならびに98P4B6遺伝子産物ホモログ、選択的
スプライシングされたアイソフォーム、対立遺伝子改変体および98P4B6遺伝子産物
の変異形態をコードする他のポリヌクレオチドの単離、ならびに98P4B6関連タンパ
ク質のアナログをコードするポリヌクレオチドの単離を可能にする。98P4B6遺伝子
をコードする全長cDNAを単離するために使用され得る種々の分子クローニング方法が
周知である(例えば、Sambrook,J.ら、Molecular Cloning
:A Laboratory Manual、第二版、Cold Spring Har
bor Press、New York、1989;Current Protocol
s in Molecular Biology.Ausubelら、編、Wiley
and Sons、1995を参照のこと)。例えば、λファージクローニング方法論は
、市販のクローニングシステム(例えば、Lambda ZAP Express、St
ratagene)を使用して、簡便に使用され得る。98P4B6遺伝子のcDNAを
含むファージクローンは、標識された98P4B6cDNAまたはそのフラグメントを用
いて探索することによって、同定され得る。例えば、1つの実施形態において、98P4
B6cDNA(例えば、図2)またはその一部が、合成され得、そして98P4B6遺伝
子に対する重複および98P4B6遺伝子に対応する全長cDNAを検索するためのプロ
ーブとして使用され得る。98P4B6遺伝子自体は、ゲノムDNAライブラリー、細菌
人工染色体ライブラリー(BAC)、酵母人工染色体ライブラリー(YAC)などを、9
8P4B6 DNAのプローブまたはプライマーを用いてスクリーニングすることによっ
て、単離され得る。
(II.A.5.)組換え核酸分子および宿主−ベクター系)
本発明はまた、98P4B6ポリヌクレオチド、そのフラグメント、アナログ、または
ホモログを含む組換えDNA分子またはRNA分子(ファージ、プラスミド、ファージミ
ド、コスミド、YAC、BAC、ならびに当該分野で周知の種々のウイルスベクターおよ
び非ウイルスベクターを含むがこれらに限定されない)、およびこのような組換えDNA
分子またはRNA分子で形質転換またはトランスフェクトされた細胞を提供する。このよ
うな分子を生成する方法は、周知である(例えば、Sambrookら、1989、
前出を参照のこと)。
本発明はさらに、適切な原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞中に98P4B6ポ
リヌクレオチド、そのフラグメント、アナログ、またはホモログを含む組換えDNA分子
を含む、宿主−ベクター系を提供する。適切な真核生物宿主細胞の例としては、酵母細胞
、植物細胞、または動物細胞(例えば、哺乳動物細胞または昆虫細胞(例えば、Sf9細
胞またはHighFive細胞のようなバキュロウイルス感染性細胞))が挙げられる。
適切な哺乳動物細胞の例としては、種々の前立腺癌細胞株(例えば、DU145およびT
suPr1)、他のトランスフェクト可能または形質導入可能な前立腺癌細胞株、一次細
胞(PrEC)、および組換えタンパク質の発現のために慣用的に使用される多くの哺乳
動物細胞(例えば、COS細胞、CHO細胞、293細胞、293T細胞)が挙げられる
。より詳細には、98P4B6のコード配列を含むポリヌクレオチド、またはそのフラグ
メント、アナログ、もしくはホモログは、当該分野で慣用的に使用され、そして広範に知
られている多数の宿主−ベクター系を用いて、98P4B6タンパク質またはそのフラグ
メントを生成するために使用され得る。
98P4B6タンパク質またはそのフラグメントの発現に適切な広範な範囲の宿主−ベ
クター系が利用可能である(例えば、Sambrookら、1989、前出;Curre
nt Protocols in Molecular Biology、1995、前
出を参照のこと)。哺乳動物での発現に好ましいベクターとしては、pcDNA3.1
myc−His−tag(Invitrogen)およびレトロウイルスベクターpSR
αtkneo(Mullerら、1991、MCB 11:1785)が挙げられるがこ
れらに限定されない。これらの発現ベクターを用いて、98P4B6は、いくつかの前立
腺癌細胞株および非前立腺細胞株(例えば、293、293T、rat−1、NIH3T
3、およびTsuPr1を含む)において発現され得る。本発明の宿主−ベクター系は、
98P4B6タンパク質またはそのフラグメントを生成するのに有用である。このような
宿主−ベクター系は、98P4B6および98P4B6変異体もしくはアナログの機能的
特性を研究するために使用され得る。
組換えヒト98P4B6タンパク質またはそのアナログもしくはホモログもしくはフラ
グメントは、98P4B6関連ヌクレオチドをコードする構築物でトランスフェクトされ
た哺乳動物細胞により生成され得る。例えば、293T細胞は、98P4B6またはその
フラグメント、アナログ、もしくはホモログをコードする発現プラスミドでトランスフェ
クトされ得、98P4B6または関連タンパク質が、293T細胞中で発現され、そして
組換え98P4B6タンパク質が、標準的な精製方法(例えば、抗98P4B6抗体を用
いるアフィニティー精製)を用いて単離される。別の実施形態において、98P4B6コ
ード配列は、レトロウイルスベクターpSRαMSVtkneo中にサブクローニングさ
れ、そして98P4B6発現細胞株を確立するために、種々の哺乳動物細胞株(例えば、
NIH3T3、TsuPr1、293、およびrat−1)を感染するために使用される
。当該分野で周知の種々の他の発現系もまた、使用され得る。98P4B6コード配列に
インフレームで連結されたリーダーペプチドをコードする発現構築物は、分泌形態の組換
え98P4B6タンパク質の生成のために使用され得る。
本明細書中で議論されるように、遺伝暗号の重複性は、98P4B6遺伝子配列におけ
るバリエーションを許容する。詳細には、特定の宿主種は、しばしば、特定のコドン優先
性を有することが、当該分野で公知であり、従って、当業者は、開示された配列を、所望
の宿主で優先されるよう適合し得る。例えば、優先されるアナログコドン配列は、代表的
に、より高頻度のコドンと置きかえられた稀なコドン(すなわち、所望の宿主の公知の配
列において約20%未満の使用頻度を有するコドン)を有する。特定種についての
コドン優先性は、例えば、インターネット上(例えば、URL www.dna.aff
rc.go.jp/〜nakamura/codon.html)で利用可能なコドン使
用表を用いることによって算出される。
さらなる配列の改変は、細胞性宿主におけるタンパク質発現を増強することが知られて
いる。これらとしては、偽ポリアデニル化シグナルをコードする配列の除去、エキソン/
イントロンスプライス部位シグナル、トランスポゾン様反復、および/または遺伝子発現
に対して有害な他のこのような十分特徴付けられた配列が挙げられる。配列のGC含量は
、所定の細胞性宿主について平均的なレベル(その宿主細胞において発現される公知の遺
伝子を参照することによって算出される)に調整される。可能な場合、配列は、予測され
るヘアピン二次mRNA構造を回避するよう改変される。他の有用な改変としては、Ko
zak、Mol.Cell.Biol.、9:5073−5080(1989)に記載さ
れるような、オープンリーディングフレームの開始点での翻訳開始コンセンサス配列の追
加が挙げられる。当業者は、真核生物リボソームが5’近位のAUGコドンで排他的に翻
訳を開始という一般的な役割が、稀な条件下でのみ排除されることを理解する(例えば、
Kozak PNAS 92(7):2662−2666、(1995)およびKoza
k NAR 15(20):8125−8148(1987)を参照のこと)。
(III.)98P4B6関連タンパク質)
本発明の別の局面は、98P4B6関連タンパク質を提供する。98P4B6タンパク
質の特定の実施形態は、図2または図3に示されるようなヒト98P4B6のアミノ酸配
列の全てまたは一部を有するポリペプチドを包含する。あるいは、98P4B6タンパク
質の実施形態は、図2または図3に示される98P4B6のアミノ酸配列中に変更を有す
る改変体、ホモログ、またはアナログポリペプチドを包含する。
98P4B6ポリヌクレオチドの実施形態としては、以下が挙げられる:図2に示され
る配列を有する98P4B6ポリヌクレオチド、図2に示されるような98P4B6ヌク
レオチド配列(ここで、TはUである);図2に示されるような配列を有するポリヌクレ
オチドの少なくとも10個連続するヌクレオチド;または図2に示される配列を有するポ
リヌクレオチドの少なくとも10個連続するヌクレオチド(ここで、TはUである)。例
えば、98P4B6ヌクレオチドの実施形態は、限定ではなく、以下を含む:
(I) 図2A〜ALまたは図3A〜Jに示されるようなアミノ酸配列を含む、このよ
うなアミノ酸配列から本質的になる、あるいは、このようなアミノ酸配列からなる、タン
パク質;
(II) 図2A〜ALに示されるようなアミノ酸配列全体と、少なくとも90、91
、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%相同である、98
P4B6関連タンパク質;
(III) 図2A〜ALまたは図3A〜Jに示されるようなアミノ酸配列全体と、少
なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100
%同一である、98P4B6関連タンパク質;
(IV) 表VIII〜XLIXに示される少なくとも1つのペプチドを含むタンパク
質であって、但し、必要に応じて、図2のタンパク質全体ではない、タンパク質;
(V) 表VIII〜XLIXに示される少なくとも1つのペプチド(集団的に、この
ペプチドはまた、表XXII〜XLIXに示され)を含むタンパク質であって、但し、集
団的に、必要に応じて、図2のタンパク質全体ではない、タンパク質;
(VI) 表VIII〜XLIXに示されるペプチドから選択される少なくとも2つの
ペプチドを含むタンパク質であって、但し、必要に応じて、図2のタンパク質全体ではな
い、タンパク質;
(VII) 表VIII〜XLIXに示されるペプチドから選択される少なくとも2つ
のペプチドを含むタンパク質であって、但し、集団的に、図2のタンパク質由来の構成的
な配列ではない、タンパク質;
(VIII) 表VIII〜XXIに示されるペプチドから選択される少なくとも1つ
のペプチド;および表XXII〜XLIXに示されるペプチドから選択される少なくとも
1つのペプチドを含むタンパク質であって、但し、集団的に、図2のタンパク質由来の構
成的な配列ではない、タンパク質;
(IX) 図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する、少なくと
も1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、
17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、3
0、31、32、33、35のアミノ酸位置を含む、それぞれ454、45、490、5
76、454、576、または490までの増分数での、図3A、3B、3C、3D、3
E、3F、3G、3H、3Iもしくは3Jのタンパク質の、少なくとも5、6、7、8、
9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22
、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35の
アミノ酸を含む、ポリペプチド;
(X) 図6のヒドロパシープロフィールにおいて0.5より大きい値を有する、少な
くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、30、31、32、33、35のアミノ酸位置を含む、それぞれ454、45、490
、576、454、576、または490までの増分数での、図3A、3B、3C、3D
、3E、3F、3G、3H、3Iもしくは3Jのタンパク質の、少なくとも5、6、7、
8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、
22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、3
5のアミノ酸を含む、ポリペプチド;
(XI) 図7の接近可能残基パーセントプロフィールにおいて0.5より大きい値を
有する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、1
4、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27
、28、29、30、31、32、33、35のアミノ酸位置を含む、それぞれ454、
45、490、576、454、576、または490までの増分数での、図3A、3B
、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3Iもしくは3Jのタンパク質の、少なくとも
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、
20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、3
3、34、35のアミノ酸を含む、ポリペプチド;
(XII) 図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する、少
なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、
16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、2
9、30、31、32、33、35のアミノ酸位置を含む、それぞれ454、45、49
0、576、454、576、または490までの増分数での、図3A、3B、3C、3
D、3E、3F、3G、3H、3Iもしくは3Jのタンパク質の、少なくとも5、6、7
、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21
、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、
35のアミノ酸を含む、ポリペプチド;
(XIII) 図9のβターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する、少
なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、
16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、2
9、30、31、32、33、35のアミノ酸位置を含む、それぞれ454、45、49
0、576、454、576、または490までの増分数での、図3A、3B、3C、3
D、3E、3F、3G、3H、3Iもしくは3Jのタンパク質の、少なくとも5、6、7
、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21
、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、
35のアミノ酸を含む、ポリペプチド;
(XIV) 集合的に、表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXに少なくとも2
回存在する、ペプチド;
(XV) 集合的に、表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXに少なくとも3回
存在する、ペプチド;
(XVI) 集合的に、表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXに少なくとも4
回存在する、ペプチド;
(XVII) 集合的に、表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXに少なくとも
5回存在する、ペプチド;
(XVIII) 表VIII〜XXIにおいて少なくとも1回、およびXXII〜XL
IXに少なくとも1回存在する、ペプチド;
(XIX) 表VIII〜XXIにおいて少なくとも1回、およびXXII〜XLIX
に少なくとも2回存在する、ペプチド;
(XX) 表VIII〜XXIにおいて少なくとも2回、およびXXII〜XLIXに
少なくとも1回存在する、ペプチド;
(XXI) 表VIII〜XXIにおいて少なくとも2回、およびXXII〜XLIX
に少なくとも2回存在する、ペプチド;
(XXII) 以下の特徴のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは5つを含むペプ
チド、またはそのようなペプチドをコードするオリゴヌクレオチド;
i)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるそのタンパ
ク質の全長までの任意の整数増分における)(図5の親水性プロフィールにおいて、0.
5、0.6、0.7、0.8、0.9以上の値を有するかまたは1.0に等しい値を有す
るアミノ酸位置を含む);
ii)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるそのタン
パク質の全長までの任意の整数増分における)(図6の親水性プロフィールにおいて、0
.5、0.4、0.3、0.2、0.1以下の値を有するかまたは0.0に等しい値を有
するアミノ酸位置を含む);
iii)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるそのタ
ンパク質の全長までの任意の整数増分における)(図7の接近可能残基パーセントプロフ
ィールにおいて、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9以上の値を有するかまたは1
.0に等しい値を有するアミノ酸位置を含む);
iv)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるそのタン
パク質の全長までの任意の整数増分における)(図8の平均可橈性プロフィールにおいて
、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9以上の値を有するかまたは1.0に等しい値
を有するアミノ酸位置を含む);
v)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるそのタンパ
ク質の全長までの任意の整数増分における)(図9のβターンプロフィールにおいて、0
.5、0.6、0.7、0.8、0.9以上の値を有するかまたは1.0に等しい値を有
するアミノ酸位置を含む);
(XXIII) (I)〜(XXII)のペプチドまたは、薬学的賦形剤と一緒に、そ
して/またはヒト単位投与形態における、抗体もしくはその結合領域を含む、組成物;
(XXIV) (I)〜(XXII)のペプチドまたは、98P4B6を発現する細胞
を調節する方法において、(XXIII)の抗体もしくはその結合領域、または組成物の
使用方法;
(XXV) 98P4B6を発現する細胞を有する個体を診断、予防、予測、または処
置する方法における、(I)〜(XXII)のペプチドまたは(XXIII)の抗体もし
くはその結合領域または組成物の使用方法;
(XXVI) 98P4B6を発現する細胞を有する個体を診断、予防、予測、または
処置する方法における、(I)〜(XXII)のペプチドまたは(XXIII)の抗体も
しくはその結合領域または組成物の使用方法であって、この細胞は、表Iに列挙される組
織の癌由来である、方法;
(XXVII) 癌を診断、予防、予測、または処置する方法における、(I)〜(X
XII)のペプチドまたは(XXIII)の抗体もしくはその結合領域、または組成物の
使用方法;
(XLVIII) 表Iに列挙される組織の癌を診断、予防、予測、または処置する方
法における、(I)〜(XXII)のペプチドまたは(XXIII)の抗体もしくはその
結合領域、または組成物の使用方法;ならびに
(XXIX) 98P4B6を発現する細胞のモジュレーターを同定または特徴付ける
ための方法における、(I)〜(XXII)のペプチドまたは(XXIII)の抗体もし
くはその結合領域、または組成物の使用方法。
本明細書中で使用される場合、範囲は、その単位位置全体を具体的に開示することが理
解される。
本明細書中に開示される本発明の代表的な実施形態は、タンパク質および/またはその
フラグメントをコードするような、98P4B6mRNA配列(およびこのような配列に
相補的な配列)の特定の位置をコードする98P4B6を含む、例えば:
(a)98P4B6改変体1の4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、1
4、15、16、17、18、19、20、21、23、24、25、30、35、40
、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、10
5、110、115、120、125、130、135、140、145、150、15
5、160、165、170、175、180、185、190、195、200、22
5、250、275、300、325、350、375、400、410、420、43
0、440、450、もしくは454以上の連続するアミノ酸;他の改変体について関連
する最大長は:改変体52、45アミノ酸;改変体5、419アミノ酸、改変体6、49
0アミノ酸、改変体7、576アミノ酸、改変体8、490アミノ酸、改変体13、45
4アミノ酸、改変体14、454アミノ酸、改変体21、576アミノ酸および改変体2
5、490アミノ酸。
一般的に、ヒト98P4B6の天然に存在する対立遺伝子改変体は、高い程度の構造的
同一性および相同性(例えば、90%以上の相同性)を共有する。代表的に、98P4B
6タンパク質の対立遺伝子改変体は、本明細書中に記載される98P4B6配列中に保存
的アミノ酸置換を含むか、または98P4B6のホモログにおいて対応する位置からのア
ミノ酸の置換を含む。98P4B6対立遺伝子の1つのクラスは、特定の98P4B6ア
ミノ酸配列の少なくとも小部分と高い程度の相同性を共有するが、その配列由来の根本的
な逸脱(例えば、非保存的置換、短縮、挿入、またはフレームシフト)をさらに含むタン
パク質である。タンパク質配列の比較において、用語、類似性、同一性、および相同性は
、各々、遺伝学分野で理解されるのと別個の意味を有する。さらに、オルソロジーおよび
パラロジーは、ある生物における所定のタンパク質ファミリーのメンバーの、他の生物に
おける同じファミリーのメンバーに対する関係を記載する重要な概念であり得る。
アミノ酸略号は、表IIに提供される。保存的アミノ酸置換は、しばしば、そのタンパ
ク質のコンホメーションまたは機能のいずれも変更することなくタンパク質中で起こり得
る。本発明のタンパク質は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、または15の保存的置換を含み得る。このような変更としては、イソロイシ
ン(I)、バリン(V)、およびロイシン(L)のいずれかの、これらの疎水性アミノ酸
の他のいずれかでの置換;グルタミン酸(E)でのアスパラギン酸(D)の置換およびそ
の逆;アスパラギン(N)でのグルタミン(Q)の置換およびその逆;ならびにスレオニ
ン(T)でのセリン(S)の置換およびその逆が挙げられる。他の置換もまた、特定のア
ミノ酸の環境およびそのタンパク質の三次元構造におけるその役割に依存して、保存的で
あるとみなされ得る。例えば、グリシン(G)およびアラニン(A)は、しばしば、交換
可能であり、アラニン(A)およびバリン(V)も同様であり得る。比較的疎水性のメチ
オニン(M)は、しばしば、ロイシンおよびイソロイシンと交換され得、そして時々、バ
リンと交換され得る。リジン(K)およびアルギニン(R)は、しばしば、そのアミノ酸
残基の重要な特徴がその電荷であり、これら2つのアミノ酸残基の異なるpKが重要でな
い位置で交換可能である。さらに他の変更は、特定の環境で「保存的」であるとみなされ
得る(例えば、本明細書中の表III;13〜15頁「Biochemistry」第2
版、Lubert Stryer編(Stanford Unibersity);He
nikoffら、PNAS 1992 Vol89 10915−10919;Leiら
、J Biol Chem 1995 May 19;270(20):11882−6
を参照のこと)。
本明細書中に開示される発明の実施形態として、98P4B6タンパク質の広範な種々
の当該分野で受け入れられる改変体またはアナログ(例えば、アミノ酸の挿入、欠失、お
よび置換を有するポリペプチド)が挙げられる。98P4B6改変体は、当該分野で公知
の方法(例えば、部位特異的変異誘発、アラニンスキャンニング、およびPCR変異誘発
)を用いて作製され得る。部位特異的変異誘発(Carterら、Nucl.Acids
Res.、13:4331(1986);Zollerら、Nucl.Acids R
es.、10:6487(1987))、カセット変異誘発(Wellsら、Gene、
34:315(1985))、制限選択変異誘発(Wellsら、Philos.Tra
ns.R.Soc.London SerA、317:415(1986))、または他
の公知の技術が、98P4B6改変体DNAを生成するために、クローニングしたDNA
において実施され得る。
スキャンニングアミノ酸分析はまた、特定の生物学的活性(例えば、タンパク質−タン
パク質相互作用)に関連する連続配列に沿って1つ以上のアミノ酸を同定するのに使用さ
れ得る。比較的小さく、中性のアミノ酸が、好ましいスキャンニングアミノ酸に含まれる
。このようなアミノ酸としては、アラニン、グリシン、セリン、およびシステインが挙げ
られる。アラニンは、代表的に、この群の中で好ましいスキャンニングアミノ酸である。
なぜならば、アラニンは、β炭素の後ろの側鎖を排除し、そして改変体の主鎖のコンホメ
ーションを変更する可能性がより低いからである。アラニンはまた、代表的に、それが、
最も一般的なアミノ酸であるので好ましい。さらに、アラニンは、しばしば、埋もれた位
置および露出した位置の両方において見出される(Creighton、The Pro
teins、(W.H.Freeman & Co.、N.Y.);Chothia,J
.Mol.Biol.、150:1(1976))。アラニン置換が、十分な量の改変体
を生じない場合、等比体積のアミノ酸が使用され得る。
本明細書中で規定される場合、98P4B6改変体、アナログ、またはホモログは、図
3のアミノ酸配列を有する98P4B6タンパク質と「交叉反応性」である少なくとも1
つのエピトープを有するという特徴的な特性を有する。この文で使用される場合、「交叉
反応性」は、98P4B6改変体に特異的に結合する抗体またはT細胞がまた、図3に示
されるアミノ酸配列を有する98P4B6タンパク質に特異的に結合することを意味する
。ポリペプチドは、98P4B6タンパク質に特異的に結合する抗体またはT細胞により
認識され得るいかなるエピトープも含まない場合、図3に示すタンパク質の改変体でなく
なる。当業者は、タンパク質を認識する抗体が、異なる大きさのエピトープに結合し、そ
して約4または5アミノ酸オーダーの一群(連続していようとしていまいと)が、最小エ
ピトープにおける代表的な数のアミノ酸とみなされることを理解する。例えば、Nair
ら、J.Immunol 2000 165(12):6949−6955;Hebbe
sら、Mol Immunol(1989)26(9):865−73;Schwart
zら、J Immunol(1985)135(4):2598−608を参照のこと。
別のクラスの98P4B6関連タンパク質改変体は、図3のアミノ酸配列またはそのフ
ラグメントと、70%、75%、80%、85%、または90%以上の類似性を共有する
。別の特定のクラスの98P4B6タンパク質改変体またはアナログは、本明細書中に記
載されるかまたは当該分野で現在公知の98P4B6の生物学的モチーフの1つ以上を含
む。従って、最初のフラグメントと比較して変更された機能的(例えば、免疫原性)特性
を有する98P4B6フラグメント(核酸またはアミノ酸)のアナログは、本発明に包含
される。現在当該分野の一部であるかまたは当該分野の一部となるモチーフが図2または
図3の核酸配列またはアミノ酸配列に適用されることが理解される。
本明細書中で議論されるように、本発明の実施形態は、図2または図3に示される98
P4B6タンパク質の全長未満のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。例えば、本発
明の代表的な実施形態は、図2または図3に示される98P4B6タンパク質の任意の4
、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ以上の連続す
るアミノ酸を有するペプチド/タンパク質を含む。
さらに、本明細書中に開示される本発明の代表的な実施形態は、98P4B6アミノ酸
配列全体を通して、図2または図3に示される98P4B6タンパク質のアミノ酸約1〜
アミノ酸約10からなるポリペプチド、図2または図3に示される98P4B6タンパク
質のアミノ酸約10〜アミノ酸約20からなるポリペプチド、図2または図3に示される
98P4B6タンパク質のアミノ酸約20〜アミノ酸約30からなるポリペプチド、図2
または図3に示される98P4B6タンパク質のアミノ酸約30〜アミノ酸約40からな
るポリペプチド、図2または図3に示される98P4B6タンパク質のアミノ酸約40〜
アミノ酸約50からなるポリペプチド、図2または図3に示される98P4B6タンパク
質のアミノ酸約50〜アミノ酸約60からなるポリペプチド、図2または図3に示される
98P4B6タンパク質のアミノ酸約60〜アミノ酸約70からなるポリペプチド、図2
または図3に示される98P4B6タンパク質のアミノ酸約70〜アミノ酸約80からな
るポリペプチド、図2または図3に示される98P4B6タンパク質のアミノ酸約80〜
アミノ酸約90からなるポリペプチド、図2または図3に示される98P4B6タンパク
質のアミノ酸約90〜アミノ酸約100からなるポリペプチドなどを含む。さらに、図2
または図3に示される98P4B6タンパク質のアミノ酸約1(または20または30ま
たは40など)〜アミノ酸約20(または130または140または150など)からな
るポリペプチドが、本発明の実施形態である。この段落における開始位置および停止位置
は、特定の位置およびプラス5残基マイナス5残基の位置をいう。
98P4B6関連タンパク質は、標準的なペプチド合成技術を用いてかまたは当該分野
で周知の化学切断方法を用いて生成される。あるいは、組み換え方法が、98P4B6関
連タンパク質をコードする核酸分子を生成するのに使用され得る。1つの実施形態におい
て、核酸分子は、98P4B6タンパク質(またはその改変体、ホモログ、またはアナロ
グ)の規定されたフラグメントを生成する手段を提供する。
(III.A.)モチーフ保有タンパク質の実施形態)
本明細書中に開示される本発明のさらなる例示の実施形態は、図2または図3に示され
る98P4B6ポリペプチド配列中に含まれる1つ以上の生物学的モチーフのアミノ酸残
基を含む98P4B6ポリペプチドを包含する。種々のモチーフが当該分野で周知であり
、そしてタンパク質は、多くの公に利用可能なインターネットサイト(例えば、URLア
ドレス:pfam.wustl.edu/;searchlauncher.bcm.t
mc.edu/seq−search/struc−predict.html;pso
rt.ims.u−tokyo.ac.jp/;www.cbs.dtu.dk/;ww
w.ebi.ac.uk/interpro/scan.html;www.expas
y.ch/tools/scnpsitl.html;EpimatrixTMおよびE
pimerTM、Brown University、www.brown.edu/R
esearch/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.h
tml;およびBIMAS、bimas.dcrt.nih.gov/)により、このよ
うなモチーフの存在について評価され得る。
98P4B6タンパク質のモチーフ保有部分配列は、表VIII−XXIおよびXXI
I−XLIXにおいて示されそして同定される。
表Vは、pfamサーチ(URLアドレスpfam.wustl.edu/を参照のこ
と)に基づくいくつかの頻繁に生じるモチーフを示す。表Vのカラムは、(1)モチーフ
名の略称、(2)このモチーフファミリーの異なるメンバーの間で見出された同一性(%
)、(3)モチーフ名または詳細、および(4)最も一般的な機能を列挙し;位置情報は
、そのモチーフが位置に関連性がある場合に含まれる。
先に議論された1つ以上の98P4B6モチーフを含むポリペプチドは、先に議論され
た98P4B6モチーフが増殖調節不全に関連するという観察の観点で、および98P4
B6が特定の癌で過剰発現されるという理由から、悪性の表現型の特異的な特徴を解明す
るのに有用である(例えば、表Iを参照のこと)。カゼインキナーゼII、cAMPおよ
びcamp依存性プロテインキナーゼ、ならびにプロテインキナーゼCは、例えば、悪性
の表現型の発現に関連することが公知である酵素である(例えば、Chenら、Lab
Invest.、78(2):165−174(1998);Gaiddonら、End
ocrinology 136(10):4331−4338(1995);Hallら
、Nucleic Acids Research 24(6):1119−1126(
1996);Peterzielら、Oncogene 18(46):6322−63
29(1999)、およびO’Brian、Oncol.Rep.5(2):305−3
09(1998)を参照のこと)。さらに、グリコシル化およびミリストイル化の両方は
、癌および癌の進行にも関連するタンパク質修飾である(例えば、Dennisら、Bi
ochem.Biophys.Acta 1473(1):21−34(1999);R
ajuら、Exp.Cell Res.235(1):145−154(1997)を参
照のこと)。アミド化は、癌および癌の進行にも関連する別のタンパク質修飾である(例
えば、Trestonら、J.Natl.Cancer Inst.Monogr.(1
3):169−175(1992)を参照のこと)。
別の実施形態において、本発明のタンパク質は、当該分野で認知された方法に従って同
定された1つ以上の免疫反応性エピトープ(例えば、表VIII−XXIおよびXXII
−XLIXに示されるペプチド)を含む。CTLエピトープは、特定のHLA対立遺伝子
に最適に結合し得る98P4B6タンパク質中のペプチドを同定するための特別なアルゴ
リズムを用いて決定され得る(例えば、表IV:EpimatrixTMおよびEpim
erTM、Brown University、URL www.brown.edu/
Research/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.
html;およびBIMAS、URL bimas.dcrt.nih.gov/.)。
さらに、HLA分子に対して十分な結合親和性を有し、そして免疫原性エピトープである
ことに関連するペプチドを同定するためのプロセスが当該分野で周知であり、そして過度
の実験を行うことなく実施される。さらに、免疫原性エピトープであるペプチドを同定す
るためのプロセスが、当該分野で周知であり、そしてインビトロまたはインビボのいずれ
かで、過度の実験を行わずに実施される。
免疫原性を調節するために、このようなエピトープのアナログを作製するための原理も
また、当該分野で公知である。例えば、当業者は、CTLまたはHTLモチーフ(例えば
、表IVのHLAクラスIおよびHLAクラスIIモチーフ/スーパーモチーフを参照の
こと)を有するエピトープを用いて開始する。このエピトープは、特定の位置のうちの1
つのアミノ酸を置換し、そしてそれをその位置のために特定された別のアミノ酸で置き換
えることにより、アナログを作製される。例えば、当業者は、任意の他の残基(例えば、
表IVに規定されるような優先性の残基)に有利となるように、有害な残基を選択するか
;優先性の低い残基を、表IVに規定されるような優先性の残基で置換するか;または最
初から存在する優先性の残基を、表IVに規定されるような別の優先性の残基で置換し得
る。置換は、ペプチド中の主要なアンカー位置または他の位置で生じ得る;例えば、表I
Vを参照のこと。
種々の参考文献は、目的のタンパク質およびそのアナログにおけるエピトープの同定お
よび生成に関する技術を反映している。例えば、Chesnutらに対するWO97/3
3602;Sette、Immunogenetics 1999 50(3−4):2
01−212;Setteら、J.Immunol.2001 166(2):1389
−1397;Sidneyら、Hum.Immunol.1997 58(1):12−
20;Kondoら、Immunogenetics 1997 45(4):249−
258;Sidneyら、J.Immunol.1996 157(8):3480−9
0;およびFalkら、Nature 351:290−6(1991);Huntら、
Science 255:1261−3(1992);Parkerら、J.Immun
ol.149:3580−7(1992);Parkerら、J.Immunol.15
2:163−75(1994);Kastら、1994 152(8):3904−12
;Borras−Cuestaら、Hum.Immunol.2000 61(3):2
66−278;Alexanderら、J.Immunol.2000 164(3);
164(3):1625−1633;Alexanderら、PMID:7895164
、UI:95202582;O’Sullivanら、J.Immunol.1991
147(8):2663−2669;Alexanderら、Immunity 199
4 1(9):751−761、およびAlexanderら、Immunol.Res
.1998 18(2):79−92を参照のこと。
本発明の関連の実施形態は、表VIに示される異なるモチーフ、ならびに/または表V
III−XXIおよびXXII−XLIX1つ以上の推定CTLエピトープ、ならびに/
または当該分野で公知の1つ以上のT細胞結合モチーフの組み合わせを含むポリペプチド
を包含する。好ましい実施形態は、このポリペプチドのモチーフまたは介在配列のいずれ
にも、挿入、欠失、または置換を含まない。さらに、これらのモチーフのいずれかの側に
、多くのN末端および/またはC末端アミノ酸残基のいずれかを含む実施形態が、望まし
くあり得る(例えば、モチーフが位置するポリペプチド構造のより大きな部分を含むため
に)。代表的に、モチーフのいずれかの側のN末端および/またはC末端アミノ酸残基の
数は、約1〜約100アミノ酸残基の間、好ましくは、5〜約50アミノ酸残基の間であ
る。
98P4B6関連タンパク質は、多くの形態、好ましくは、単離された形態で具体化さ
れる。調製された98P4B6タンパク質分子は、抗体、T細胞または他のリガンドへの
98P4B6の結合を障害する、他のタンパク質または分子を、実質的に含まない。単離
および精製の性質および程度は、意図される用途に依存する。98P4B6関連タンパク
質の実施形態は、精製された98P4B6関連タンパク質、および機能的な可溶性98P
4B6関連タンパク質を含む。1つの実施形態において、機能的な可溶性98P4B6タ
ンパク質またはそのフラグメントは、抗体、T細胞または他のリガンドによって結合され
る能力を維持する。
本発明はまた、図2または図3に示される98P4B6アミノ酸配列の生物学的に活性
なフラグメントを含む98P4B6タンパク質を提供する。このようなタンパク質は、以
下のような出発98P4B6タンパク質の特性を示す:98P4B6タンパク質に関連す
るエピトープに特異的に結合する抗体の産生を誘発する能力;HTLまたはCTLの活性
化を誘発する能力;ならびに/あるいは、この出発タンパク質にもまた特異的に結合する
HTLまたはCTLによって認識される能力。
特定の興味深い構造を含む98P4B6関連ポリペプチドは、当該分野で周知の種々の
分析技術を使用してかまたは免疫原性に基づいて、予測および/または同定され得、これ
らの技術としては、Chou−Fasman、Garnier−Robson、Kyte
−Doolittle、Eisenberg、Karplus−SchultzまたはJ
ameson−Wolf分析の方法が挙げられる。このような構造を含むフラグメントは
、サブユニット特異的な抗98P4B6抗体またはT細胞の作製において、あるいは、9
8P4B6に結合する細胞因子の同定において特に有用である。例えば、Hopp,T.
PおよびWoods,K.R.1981,Proc.Natl.Sci.U.S.A.7
8:3824−3828の方法を使用して、親水性プロフィルが生成され得、免疫原生ペ
プチドフラグメントを同定し得る。Kyte,J.およびDoolittle,R.F.
,1982,J.Mol.Biol.157:105−132の方法を使用して、親水性
プロフィルが生成され得、免疫原生ペプチドフラグメントを同定し得る。Janin J
.,1979,Nature 277:491−492の方法を使用して、パーセント(
%)接近可能なプロフィルが生成され得、免疫原生ペプチドフラグメントを同定し得る。
Bhaskaran R.,Ponnuswamy P.K.,1988,Int.J.
Pept.Protein Res.32:242−255の方法を使用して、平均可撓
性プロフィルが生成され得、免疫原生ペプチドフラグメントを同定し得る。Deleag
e,G.,Roux B.,1987,Protein Engineering 1:
289−294の方法を使用して、ベータターンプロフィルが生成され得、免疫原生ペプ
チドフラグメントを同定し得る。
CTLエピトープは、指定されたHLA対立遺伝子に必要に応じて結合し得る98P4
B6タンパク質内のポリペプチドを同定するために、特定のアルゴリズムを使用して(例
えば、World Wide Web URL syfpeithi.bmi−heid
elberg.com/のSYFPEITHIサイト;表IV(A)〜(E)の表;Ep
imatrixTMおよびEpimerTM、Brown University,UR
L(World Wide Web URL brown.edu/Research/
TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.html);ならび
に、BIMAS,URL bimas.dcrt.nih.gov/)を使用することに
よって決定され得る。これを例示すると、ヒトMHCクラスI分子の状況において示され
る98P4B6由来のペプチドエピトープ(HLA−A1、A2、A3、A11、A24
、B7およびB35)が、予測された(例えば、表VIII−XXI、XXII−XLI
X)。具体的には、98P4B6タンパク質の完全なアミノ酸配列および他の改変体の関
連した部分(すなわち、HLAクラスIについて点変異またはエクソン接合のいずれかの
側面上の予測9フランキングフラグメント残基、およびHLAクラスIIについて、その
改変体に対応する点変異またはエクソン接合のいずれかの側面上の予測14フランキング
フラグメント残基)を、上記のBioinformatics and Molecul
ar Analysis Section(BIMAS)ウェブサイトにおいて見出され
るHLA Peptide Motif Searchアルゴリズムに入力した。
HLAペプチドモチーフ検索アルゴリズムは、HLAクラスI分子、特は、HLA−A
2のグルーブにおける特定のペプチド配列の結合に基づいて、Dr.Ken Parke
rによって開発された(例えば、Falkら、Nature 351:290−6(19
91);Huntら、Science 255:1261−3(1992);Parke
rら、J.Immunol.149:3580−7(1992);Parkerら、J.
Immunol.152:163−75(1994)を参照のこと)。このアルゴリズム
は、HLA−A2および他の多くのHLAクラスI分子への予測される結合についての完
全なタンパク質配列から、8マー、9マー、および10マーのペプチドを位置決定および
ランク付けすることを可能にする。多数のHLAクラスI結合ペプチドは、8マー、9マ
ー、10マーまたは11マーである。例えば、クラスI HLA−A2について、エピト
ープは、好ましくは、2位においてロイシン(L)またはメチオニン(M)を含み、そし
てC末端においてバリン(V)またはロイシン(L)を含む(例えば、Parkerら、
J.Immunol.149:3580−7(1992)を参照のこと)。98P4B6
予測結合ペプチドの選択結果は、本明細書中の表VIII−XXIおよびXXII−XL
IXに示される。表VIII−XXIおよびXXII−XLIXにおいて、選択される候
補物である、各ファミリーメンバーに対する9マーおよび10マーが、それらの位置、各
特定のペプチドのアミノ酸配列、および推定結合スコアとともに示される。表XLVI−
XLIXにおいて、選択される候補物である、各ファミリーメンバーに対する15マーが
、それらの位置、各特定のペプチドのアミノ酸配列、および推定結合スコアとともに示さ
れる。この結合スコアは、37℃(pH6.5)においてペプチドを含む複合体の解離の
、推定半減時間に対応する。最も高い結合スコアを有するペプチドは、最良の期間にわた
って、細胞表面上でHLAクラスIに最も密接して結合され、T細胞認識のための最良の
免疫原性標的を示すと予測される。
HLA対立遺伝子へのペプチドの実際の結合は、抗原プロセシング欠損細胞株T2上で
のHLA発現を安定化させることによって評価され得る(例えば、Xueら、Prost
ate 30:73−8(1997)およびPeshwaら、Prostate 36:
129−38(1998)を参照のこと)。特定のペプチドの免疫原性は、抗原提示細胞
(例えば、樹状細胞)の存在下におけるCD+8細胞障害性Tリンパ球(CTL)を刺激
することによって、インビトロで評価され得る。
BIMASサイト、EpimerTMサイトおよびEpimatrixTMサイトによ
って予測されるか、あるいは当該分野で利用可能であるかまたは表IVに示されるような
分野の一部である、HLAクラスIモチーフまたはHLAクラスIIモチーフによって指
定される(あるいは、World Wide Web site URL syfpei
thi.bmi−heidelberg.com/を使用して決定される)、全てのエピ
トープは、98P4B6タンパク質に「適用」されることが理解される。この文脈におい
て使用される場合、「適用される」とは、例えば、可視によってかまたは当業者によって
理解されるような、コンピューターベースのパターン認定方法によって、98P4B6タ
ンパク質が評価されることを意味する。HLAクラスIモチーフを保有する、8、9、1
0もしくは11のアミノ酸残基の98P4B6タンパク質の全ての部分配列、またはHL
AクラスIIモチーフを保有する9アミノ酸残基以上の部分配列は、本発明の範囲内であ
る。
(III.B.)98P4B6関連タンパク質の発現)
以下の実施例において記載される実施形態において、98P4B6は、市販の発現ベク
ター(例えば、C末端6×HisおよびMYCタグ(pcDNA3.1/mycHIS,
InvitrogenまたはTag5,GenHunter Corporation,
Nashville TN)を用いて98P4B6をコードする、CMV駆動発現ベクタ
ー)でトランスフェクトした細胞(例えば、293T細胞)中で簡便に発現され得る。T
ag5ベクターは、IgGK分泌シグナルを提供し、このシグナルを使用して、トランス
フェクト細胞中の分泌される98P4B6タンパク質の生成を容易にし得る。培養培地中
の分泌されたHISタグ化98P4B6は、例えば、標準技術を使用するニッケルカラム
を使用して、精製され得る。
(III.C.)98P4B6関連タンパク質の改変)
98P4B6関連タンパク質の改変(例えば、共有結合的改変)は、本発明の範囲内に
含まれる。共有結合的改変の1つの型は、98P4B6ポリペプチドの標的化アミノ酸残
基を、有機誘導体化因子(これは、98P4B6タンパク質の選択される側鎖残基または
N末端もしくはC末端の残基と反応し得る)と反応させることを包含する。本発明の範囲
内に含まれる98P4B6ポリペプチドの共有結合的改変の別の型は、本発明のタンパク
質のネイティブなグリコシル化パターンを変化させることを包含する。98P4B6の共
有結合的改変の別の型は、98P4B6ポリペプチドを、種々の非タンパク様ポリマー(
例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、またはポリオ
キシアルキレン)のうちの1つに、米国特許第4,640,835号;同第4,496,
689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第号4,791,
192;または同第4,179,337号に記載される様式で連結させることを包含する
本発明の98P4B6関連タンパク質はまた、キメラ分子を形成するように改変され得
、このキメラ分子は、別の異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列に融合された98P4B
6を含む。このようなキメラ分子は、化学的にかまたは組換え的に、合成され得る。キメ
ラ分子は、別の腫瘍関連抗原またはそのフラグメントに融合された本発明のタンパク質を
有し得る。あるいは、本発明に従うタンパク質は、98P4B6配列のフラグメントの融
合体(アミノ酸または核酸)を含み得、その結果、その長さに起因して、図2または図3
に示されるアミノ酸配列または核酸配列に直接的に相同でない分子が作製される。このよ
うなキメラ分子は、98P4B6の複数の同じ部分配列を含み得る。キメラ分子は、98
P4B6関連タンパク質の、ポリヒスチジンエピトープタグとの融合体を含み得、これは
、固定化されたニッケルが選択的に結合し得るエピトープに、サイトカインまたは増殖因
子を提供する。エピトープタグは、一般に、98P4B6のアミノ末端またはカルボキシ
ル末端に位置される。代替の実施形態において、キメラ分子は、98P4B6関連タンパ
ク質の、免疫グロブリンまたは免疫グロブリンの特定の領域との融合体を含み得る。二価
の形態のキメラ分子(「免疫接着因子(immunoadhesin)とも呼ばれる」)
について、このような融合体は、IgG分子のFc領域に対するものであり得る。このI
g融合体は、好ましくは、Ig分子内の少なくとも1つの可変領域に代わる、可溶性(膜
貫通ドメインを欠失または不活性化した)形態の98P4B6ポリペプチドでの置換を含
む。好ましい実施形態において、免疫グロブリン融合体は、IgGI分子のヒンジ領域、
CH2領域およびCH3領域、またはヒンジ領域、CH1領域、CH2領域およびCH3
領域を含む。免疫グロブリン融合体の産生については、米国特許第5,428,130号
(1995年6月27日発行)もまた参照のこと。
(III.D.)98P4B6関連タンパク質の用途)
本発明のタンパク質は、多くの異なる特定の用途を有する。98P4B6が前立腺癌お
よび他の癌において高度に発現される場合、98P4B6関連タンパク質は、癌組織に対
して、正常な98P4B6遺伝子産物の状態を評価する方法において使用され、それによ
って悪性表現型が明らかになる。代表的には、98P4B6タンパク質の特定の領域由来
のポリペプチドが、それらの領域(例えば、1つ以上のモチーフを含む領域)における摂
動(例えば、欠失、挿入、点変異など)の存在を評価するために使用される。例示的なア
ッセイは、癌性組織に対して正常な領域の特徴を評価するか、またはエピトープに対する
免疫応答を惹起させるために、抗体、または98P4B6ポリペプチド配列に含まれる1
つ以上の生物学的モチーフのアミノ酸残基を含むT細胞標的化98P4B6関連タンパク
質を用いる。あるいは、98P4B6タンパク質において1つ以上の生物学的モチーフの
アミノ酸残基を含む98P4B6関連タンパク質を使用して、98P4B6の領域と相互
作用する因子についてスクリーニングする。
98P4B6タンパク質フラグメント/部分配列は、ドメイン特異的抗体(例えば、9
8P4B6タンパク質の細胞外エピトープまたは細胞内エピトープを認識する抗体)を作
製しそして特徴付ける際に、98P4B6またはその特定の構造ドメインに結合する薬剤
または細胞因子を同定するために、そして種々の治療状況および診断状況(診断アッセイ
、癌ワクチンおよびこのようなワクチンを調製する方法が挙げられるがこれらの限定され
ない)において、特に有用である。
98P4B6遺伝子によってコードされるタンパク質、またはそれらのアナログ、ホモ
ログもしくはフラグメントによってコードされるタンパク質は、種々の用途を有し、これ
らの用途としては、抗体の作製、ならびに98P4B6遺伝子産物に結合する、リガンド
および他の薬剤および細胞構築物を同定するための方法が挙げられるがこれらに限定され
ない。98P4B6タンパク質またはそのフラグメントに対して惹起される抗体は、診断
アッセイおよび予後アッセイ、ならびに98P4B6タンパク質の発現によって特徴付け
られるヒト癌(例えば、表1に列挙されるような癌)の管理における画像化方法に有用で
ある。このような抗体は、細胞内で発現され得、そしてこのような癌を有する患者を処置
する方法において使用され得る。98P4B6関連核酸または98P4B6関連タンパク
質はまた、HTL応答またはCTL応答を生じさせる際に使用される。
98P4B6タンパク質を検出するために有用な種々の免疫学的アッセイが、使用され
、これらのアッセイとしては、種々の型の放射免疫アッセイ、酵素結合イムノソルベント
アッセイ(ELISA)、酵素結合免疫蛍光アッセイ(ELIFA)、免疫細胞化学方法
などが挙げられるがこれらに限定されない。抗体は、98P4B6発現細胞を検出し得る
免疫学的画像化試薬として(例えば、放射性核種(radioscintigraphi
c)画像化方法において)、標識および使用され得る。98P4B6タンパク質はまた、
本明細書中でさらに記載されるように、癌ワクチンを作製する際に、特に有用である。
(IV.)98P4B6抗体)
本発明の別の局面は、98P4B6関連タンパク質に結合する抗体を提供する。好まし
い抗体は、98P4B6関連タンパク質に特異的に結合し、そして生理学的な条件下では
、98P4B6関連タンパク質ではないペプチドまたはタンパク質には結合しない(また
は弱く結合する)。この文脈では、生理学的条件の例としては、1)リン酸緩衝生理食塩
水;2)25mM Trisおよび150mM NaClを含有するTris緩衝生理食
塩水;または通常の生理食塩水(0.9% NaCl);4)動物血清(例えば、ヒト血
清);または、5)1)〜4)までの任意の組合せ;これらの反応は、好ましくは、pH
7.5、あるいは、pH7.0〜8.0の範囲で、またはpH6.5〜8.5の範囲で行
われ;また、これらの反応は、4℃〜37℃の間の温度で行われる。例えば、98P4B
6に結合する抗体は、98P4B6関連タンパク質(例えば、それらのホモログまたはア
ナログ)に結合し得る。
本発明の98P4B6抗体は、癌(例えば、表1を参照のこと)の診断アッセイおよび
予後アッセイ、ならびに画像化方法論において、特に有用である。同様に、このような抗
体は、98P4B6がまた、これらの他の癌において発現されるかまたは過剰に発現され
る程度まで、これらの他の癌を処置、診断および/または予後診断する際に有用である。
さらに、細胞内で発現される抗体(例えば、一本鎖抗体)は、98P4B6の発現が関与
する癌(例えば、進行性または転移性の前立腺癌)の処置において、治療学的に有用であ
る。
本発明はまた、98P4B6タンパク質および変異98P4B6関連タンパク質の検出
および定量化のために有用な種々の免疫学的アッセイを提供する。このようなアッセイは
、適切な場合、98P4B6関連タンパク質を認識および結合し得る、1種以上の98P
4B6抗体を含み得る。これらのアッセイは、当該分野で周知の種々の免疫学的アッセイ
様式の範囲内で実施され得、これらのアッセイとしては、種々の型の放射免疫アッセイ、
酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、酵素結合免疫蛍光アッセイ(ELI
FA)などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の免疫学的非抗体アッセイはまた、T細胞免疫原性アッセイ(阻害性または刺激
性)ならびに主要組織適合性複合体(MHC)結合アッセイも含む。
さらに、98P4B6を発現する前立腺癌および他の癌を検出し得る免疫学的画像化方
法もまた、本発明によって提供され、これらとしては、標識された98P4B6抗体を使
用する、放射性核種画像化方法が挙げられるがこれらに限定されない。このようなアッセ
イは、98P4B6を発現する癌(例えば、前立腺癌)の検出、モニタリング、および予
後診断において、臨床学的に有用である。
98P4B6抗体はまた、98P4B6関連タンパク質を精製するための方法、ならび
に98P4B6ホモログおよび98P4B6関連分子を単離するための方法において使用
され得る。例えば、98P4B6関連タンパク質を精製する方法は、以下の工程を包含す
る:固体マトリクスに結合している98P4B6抗体を、溶解物または98P4B6関連
タンパク質を含有する他の溶液とともに、98P4B6抗体が98P4B6関連タンパク
質に結合することが可能な条件下でインキュベートする工程;この固体マトリクスを洗浄
して、不純物を取り除く工程;ならびに、結合している抗体から、98P4B6関連タン
パク質を溶出する工程。本発明に従う、98P4B6抗体の他の用途としては、98P4
B6タンパク質を模倣する抗イディオタイプ抗体を作製することが挙げられる。
抗体を調製するための種々の方法が、当該分野で周知である。例えば、抗体は、98P
4B6関連タンパク質、ペプチド、またはフラグメントを使用して、適切な哺乳動物宿主
を免疫することによって、単離形態または免疫結合体化形態で、調製され得る(Anti
bodies:A Laboratory Manual,CSH Press,編,H
arlow,and Lane(1988);Harlow,Antibodies,C
old Spring Harbor Press,NY(1989))。さらに、98
P4B6 GST融合タンパク質のような98P4B6融合タンパク質もまた、使用され
得る。特定の実施形態において、図2または図3のアミノ酸配列の全てまたは大部分を含
むGST融合タンパク質が生成され、次いで、これを免疫原として使用して、適切な抗体
を作製する。別の実施形態において、98P4B6関連タンパク質が合成され、そして免
疫原として使用される。
さらに、当該分野で公知の裸のDNA免疫技術が使用され(精製された98P4B6関
連タンパク質または98P4B6発現細胞を用いてかまたは用いずに)、そのコードされ
た免疫原に対する免疫応答が生じる(総説としては、Donnellyら、1997,A
nn.Rev.Immunol.15:617−648を参照のこと)。
図2または図3に示される98P4B6タンパク質のアミノ酸配列を分析して、抗体を
作製するための、98P4B6タンパク質の特定の領域を選択し得る。例えば、98P4
B6アミノ酸配列の疎水性分析および親水性分析を使用して、98P4B6構造における
親水性領域を同定する。免疫原構造を示す98P4B6タンパク質の領域、ならびに他の
領域およびドメインは、当該分野で公知の種々の他の方法(例えば、Chou−Fasm
an、Garnier−Robson、Kyte−Doolittle、Eisenbe
rg、Karplus−SchultzまたはJameson−Wolf分析)を使用し
て、容易に同定され得る。親水性プロフィールは、Hopp,T.P and Wood
s,K.R.、1981、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:
3824−3838の方法を使用して生成され得る。疎水性プロフィールは、Kyte,
J.and Doolittle,R.F.、1982、J.MOl.Biol.157
:105−132の方法を使用して生成され得る。接近可能残基プロフィール百分率(%
)は、Janin J.、1979、Nature 277:491−492の方法を使
用して生成され得る。平均可撓性プロフィールは、Bhaskaran R.、Ponn
uswamy P.K.、1988、Int.J.Pept.Protein.Res.
32:242−255の方法を使用して生成され得る。β回転(Beta−turn)プ
ロフィールは、Deleage,G.、Roux B.、1987、Protein E
ngineering 1:289−294の方法を使用して生成され得る。従って、こ
れらのプログラムまたは方法のいずれかによって同定される各領域は、本発明の範囲内で
ある。98P4B6抗体を作製するための方法は、本明細書中で提供される実施例によっ
て、さらに例示される。免疫原として使用するためのタンパク質またはポリペプチドを調
製するための方法は、当該分野で周知である。キャリア(例えば、BSA、KLHまたは
他のキャリアタンパク質)とタンパク質との免疫原性結合体を調製するための方法もまた
、当該分野で周知である。いくつかの状況において、例えば、カルボジイミド試薬を使用
する直接的結合体化が使用され;他の例においては、Pierce Chemical
Co.,Rockford,ILによって供給される結合試薬が有効である。98P4B
6免疫原の投与は、当該分野で理解されるように、適切な期間にわたって、適切なアジュ
バントを使用して注射することによって、多くの場合行われる。免疫スケジュールの間、
抗体の力価を収集して、抗体形成の妥当性を決定し得る。
98P4B6モノクローナル抗体は、当該分野で周知の種々の手段によって生成され得
る。例えば、所望なモノクローナル抗体を分泌する不死化細胞株は、Kohlerおよび
Milsteinの標準的なハイブリドーマ技術、または一般に公知のように、抗体産生
B細胞を不死化する改変を使用して、調製される。所望な抗体を分泌する不死化細胞株は
、免疫アッセイによってスクリーニングされる(このアッセイにおいて、抗原は、98P
4B6関連タンパク質である)。適切な不死化細胞培養物が同定された場合、この細胞が
拡大され得、そしてインビトロ培養物または腹水のいずれかから、抗体が生成され得る。
本発明の抗体またはフラグメントはまた、組換え手段によっても生成され得る。98P
4B6タンパク質の所望な領域に特異的に結合する領域はまた、複数の種起源のキメラ抗
体または相補性決定領域(CDR)グラフト化(grafted)抗体の状況下で産生さ
れ得る。ヒト化98P4B6抗体またはヒト98P4B6抗体もまた産生され得、そして
治療的状況下での使用のために好ましい。1つ以上の非ヒト抗体CDRを、対応するヒト
抗体配列と置換することによる、マウス抗体および他の非ヒト抗体をヒト化するための方
法は、周知である(例えば、Jonesら、1986、Nature 321:522−
525;Riechmannら、1988、Nature 332:323−327;V
erhoeyenら、1988、Science 239:1534−1536を参照の
こと)。Carterら、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
89:4285、およびSimsら、1993、J.Immunol.151:2296
もまた参照のこと。
完全なヒトモノクローナル抗体を産生するための方法としては、ファージディスプレイ
方法およびトランスジェニック方法が挙げられる(総説については、Vaughanら、
1998、Nature Biotechnology 16:535−539を参照の
こと)。完全なヒト98P4B6モノクローナル抗体は、大きいヒトIg遺伝子コンビナ
トリアルライブラリー(すなわち、ファージディスプレイ)を使用するクローニング技術
を使用して生成され得る(Protein Engineering of Antib
ody Molecules for Prophylactic and Thera
peutic Applications(Man.Clark,M.編)、Notti
ngham Academic、45−64頁(1993)のGriffithsおよび
Hoogenboom、Building an in vitro immune s
ystem:human antibodies from phage displa
y libraries;BurtonおよびBarbas、Human Antibo
dies from combinatorial libraries(同書)65−
82頁)。完全なヒト98P4B6モノクローナル抗体はまた、1997年12月3日公
開のPCT特許出願WO98/24893(KucherlapatiおよびJakob
ovitsら)に記載されるように、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むように操作され
たトランスジェニックマウスを使用して産生され得る(Jakobovits、1998
、Exp.Opin.Invest.Drugs 7(4):607−614;米国特許
第6,162,963号(2000年12月19日発行);米国特許第6,150,58
4号(2000年11月12日発行);および米国特許第6,114,598号(200
0年9月5日発行)もまた参照のこと)。この方法は、ファージディスプレイ技術に必要
とされるインビトロ操作を回避し、そして高い親和性の真正ヒト抗体を効率的に産生する
98P4B6抗体の98P4B6関連タンパク質との反応性は、多数の周知方法によっ
て確立され得、これらの方法としては、適切な場合、98P4B6関連タンパク質、98
P4B6発現細胞またはそれらの抽出物を使用する、ウェスタンブロット、免疫沈降、E
LISA、およびFACS分析が挙げられる。98P4B6抗体またはそれらのフラグメ
ントは、検出可能なマーカーで標識され得るか、または第二の分子に結合体化され得る。
適切な検出可能なマーカーとしては、放射性同位体、蛍光化合物、生物発光化合物、化学
発光化合物、金属キレート剤または酵素が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、
2つ以上の98P4B6エピトープに特異的な二重特異性(bi−specific)抗
体が、当該分野で一般に公知の方法を使用して、作製される。ホモダイマー抗体もまた、
当該分野で公知の架橋技術によって、作製され得る(例えば、Wolffら、Cance
r Res.53:2560−2565)。
(V.)98P4B6細胞免疫応答)
T細胞が抗原を認識する機構は、解明されている。本発明の有効なペプチドエピトープ
ワクチン組成物は、世界中の集団の非常に広範な区分において治療的免疫応答または予防
的免疫応答を誘導する。細胞免疫応答を誘導する本発明の組成物の価値および効力の理解
のために、免疫学関連技術の簡単な総説を示す。
HLA分子とペプチド抗原との複合体は、HLA拘束T細胞によって認識されるリガン
ドとして作用する(Buus,Sら、Cell 47:1071,1986;Babbi
tt,B.P.ら,Nature 317:359,1985;Townsend,A.
およびBodmer,H.,Annu.Rev.Immunol.7:601,1989
;Germain,R.N.,Annu.Rev.Immunol.11:403,19
93)。単一のアミノ酸が置換された抗原アナログおよび内因性結合した天然でプロセシ
ングされたペプチドの配列決定の研究を通して、HLA抗原分子への特異的結合に必要な
モチーフに対応する重要な残基が、同定されており、表IVに記載される(例えば、So
uthwoodら、J.Immunol.160:3363,1998;Rammens
eeら、Immunogenetics 41:178,1995;Rammensee
ら、SYFPEITHI(World Wide Webを介してURL(134.2.
96.221/scripts.hlaserver.dll/home.htmにアク
セスのこと);Sette,A.およびSidney,J.Curr.Opin.Imm
unol.10:478,1998;Engelhard,V.H.,Curr.Opi
n.Immunol.6:13,1994;Sette,A.およびGrey,H.M.
,Curr.Opin.Immunol.4:79,1992;Sinigaglia,
F.およびHammer,J.Curr.Biol.6:52,1994;Rupper
tら、Cell 74:929−937,1993;Kondoら、J.Immunol
.155:4307−4312,1995;Sidneyら、J.Immunol.15
7:3480−3490,1996;Sidneyら、Human Immunol.4
5:79−93,1996;Sette,A.およびSidney,J.Immunog
enetics 1999 Nov;50(3−4):201−12、総説を参照のこと
)。
さらに、HLA−ペプチド複合体のX線結晶学的分析は、対立遺伝子特異的様式におい
てペプチドリガンドにより保有される残基を収容するHLA分子のペプチド結合間隙/溝
部内のポケットを明らかにし;次いで、これらの残基は、この残基が存在するペプチドの
HLA結合能を決定する(例えば、Madden,D.R.Annu.Rev.Immu
nol.13:587,1995;Smithら、Immunity 4:203,19
96;Fremontら、Immunity 8:305,1998;Sternら、S
tructure 2:245,1994;Jones,E.Y.Curr.Opin.
Immunol.9:75,1997;Brown,J.H.ら、Nature 364
:33,1993;Guo,H.C.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 90:8053,1993;Guo,H.C.ら、Nature 360:364,
1992;Silver,M.L.ら、Nature 360:367,1992;Ma
tsumura,M.ら、Science 257:927,1992;Maddenら
、Cell 70:1035,1992;Fremont,D.H.ら、Science
257:919,1992;Saper,M.A,Bjorkman,P.J.および
Wiley,D.C.,J.Mol.Biol.219:277,1991を参照のこと
)。
従って、クラスIおよびクラスIの対立遺伝子特異的HLA結合モチーフ、またはクラ
スIもしくはクラスIIのスーパーモチーフの定義は、特定のHLA抗原への結合と関連
するタンパク質内の領域の同定を可能にする。
従って、HLAモチーフの同定プロセスによって、エピトープベースのワクチンの候補
が、同定されている;このような候補は、エピトープとその対応するHLA分子との会合
の結合親和性および/または期間を決定するために、HLA−ペプチド結合アッセイによ
りさらに評価され得る。これらのワクチン候補の中から、集団適用範囲および/または免
疫原性の観点で好ましい特徴を有するエピトープを選択するために、さらなる確証実験が
行われ得る。
種々のストラテジーが、細胞免疫原性を評価するために使用され得、これには以下が挙
げられる:
1)正常な個体由来の一次T細胞培養物の評価(例えば、Wentworth,P.A
.ら,Mol,Immunol.32:603,1995;Celis,E.ら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 91:2105,1994;Tsai,V.
ら、J.Immunol.158:1796,1997;Kawashima,I.ら、
Human Immunol.59:1,1998を参照のこと)。この手順は、抗原提
示細胞の存在下で、インビトロで数週間の期間にわたって、正常な被験体由来の末梢血リ
ンパ球(PBL)を試験ペプチドで刺激することを包含する。このペプチドに特異的なT
細胞は、この時間の間に活性化され、そして例えば、ペプチドで感作された標的細胞を含
むリンホカイン放出アッセイまたは51Cr放出アッセイを使用して、検出される。
2)HLAトランスジェニックマウスの免疫(例えば、Wentworth,P.Aら
、J.Immunol.26:97,1996;Wentworth,P.A.ら、In
t.Immunol.8:651,1996;Alexander,J.ら、J.Imm
unol.159:4753,1997を参照のこと)。例えば、このような方法におい
て、不完全フロイントアジュバント中のペプチドが、HLAトランスジェニックマウスに
皮下投与される。免疫の数週間後、脾細胞が取り出され、そして試験ペプチドの存在下で
、約1週間インビトロで培養される。ペプチド特異的T細胞は、例えば、ペプチドで感作
された標的細胞および内因的に生成された抗原を発現する標的細胞を含む、51Cr放出
アッセイを使用して、検出される。
3)効果的にワクチン接種された免疫個体および/または慢性的に病気の患者のいずれ
か由来のリコールT細胞応答の証明(例えば、Rehermann,B.ら、J.Exp
.Med.181:1047,1995;Doolan,D.L.ら、Immunity
7:97,1997;Bertoni,R.ら、J.Clin.Invest.100
:503,1997;Threlkeld,S.C.ら、J.Immunol.159:
1648,1997;Diepolder,H.M.ら、J.Virol.71:601
1,1997を参照のこと)。従って、リコール応答は、疾患に起因して抗原に曝露され
、従って「自然に」免疫応答を生成した被験体由来のPBL、または抗原に対してワクチ
ン接種された患者由来のPBLを培養することによって、検出される。被験体由来のPB
Lは、試験ペプチド+抗原提示細胞(APC)の存在下で1〜2週間、インビトロで培養
され、「未刺激」T細胞と比較して「記憶」T細胞の活性化を可能にする。この培養期間
の最後に、T細胞活性が、ペプチドで感作した標的を含む51Cr放出、T細胞増殖また
はリンホカイン放出を含むアッセイを使用して、検出される。
(VI.)98P4B6トランスジェニック動物)
98P4B6関連タンパク質をコードする核酸はまた、トランスジェニック動物または
「ノックアウト」動物のいずれかを作製するために使用され得、この動物は、次いで、治
療的に有用な試薬の開発およびスクリーニングにおいて有用である。確立された技術によ
って、98P4B6をコードするcDNAが、98P4B6をコードするゲノムDNAを
クローン化するために使用され得る。次いで、このクローン化されたゲノム配列は、98
P4B6をコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を作製するた
めに使用され得る。トランスジェニック動物(特に、マウスまたはラットのような動物)
を作製するための方法は、当該分野で通常になっており、そして例えば、米国特許第4,
736,866号(1988年4月12日発行)および同第4,870,009号(19
89年9月26日発行)において記載されている。代表的には、特定の細胞が、組織特異
的エンハンサーを用いる98P4B6導入遺伝子組込みのために標的化される。
98P4B6をコードする1コピーの導入遺伝子を含むトランスジェニック動物は、9
8P4B6をコードするDNAの発現を増加する効果を試験するために使用され得る。こ
のような動物は、例えば、その過剰発現に関連する病理学的状態からの防御を付与すると
考えられる試薬についてのテスター動物として使用され得る。本発明のこの局面によると
、動物は、試薬で処置され、そしてこの導入遺伝子を有する未処置の動物と比較して減少
した病理学的状態の発生率は、この病理学的状態に対する潜在的な治療的介入を示す。
あるいは、98P4B6の非ヒトホモログは、98P4B6「ノックアウト」動物を構
築するために使用され得、この98P4B6「ノックアウト」動物は、98P4B6をコ
ードする内在性遺伝子と、この動物の胚性細胞に導入された98P4B6をコードする変
化したゲノムDNAとの間の相同組換えの結果として、98P4B6をコードする欠損遺
伝子または変化した遺伝子を有する。例えば、98P4B6をコードするcDNAは、確
立された技術に従って、98P4B6をコードするゲノムDNAをクローン化するために
使用され得る。98P4B6をコードするゲノムDNAの一部は、欠失され得るか、また
は別の遺伝子(例えば、組込みをモニタリングするために使用され得る選択マーカーをコ
ードする遺伝子)で置換され得る。代表的には、数キロベースの変化していない隣接DN
A(5’末端と3’末端との両方において)が、ベクター中に含まれる(例えば、相同組
換えベクターの説明については、ThomasおよびCapecchi,Cell,51
:503(1987)を参照のこと)。このベクターは、胚性幹細胞株に(例えば、エレ
クトロポレーションによって)導入され、そしてこの導入されたDNAが内因性DNAと
相同組換えされた細胞が、選択される(例えば、Liら、Cell,69:915(19
92)を参照のこと)。ついで、この選択された細胞は、動物(例えば、マウスまたはラ
ット)の胚盤胞に注入されて、凝集キメラが形成される(例えば、Bradley,Te
ratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:
A Practical Approach,E.J.Robertson編(IRL,
Oxford,1987),pp.113−152を参照のこと)。キメラ胚は、次いで
、適切な偽妊娠雌性代理母動物に移植され得、そしてこの胚は、出産されて、「ノックア
ウト」動物が作製される。生殖細胞中に相同組換えされたDNAを有する子孫が、標準的
な技術によって同定され得、そして全ての細胞が相同組み替えされたDNAを含む動物を
育種させるために使用され得る。ノックアウト動物は、例えば、特定の病理学的状態に対
して防御する能力について、または98P4B6ポリペプチドの非存在に起因する病理学
的状態の発症について、特徴付けされ得る。
(VII.)98P4B6の検出方法)
本発明の別の局面は、98P4B6ポリヌクレオチドおよび98P4B6関連タンパク
質を検出するための方法、ならびに98P4B6を発現する細胞を同定するための方法に
関する。98P4B6の発現プロファイルは、98P4B6を、転移した疾患についての
診断マーカーにする。従って、98P4B6遺伝子産物の状態は、進行した病期の疾患に
対する感受性、進行速度および/または腫瘍の攻撃性を含む種々の因子を推定するために
有用な情報を提供する。本明細書中で詳細に議論されるように、患者サンプル中の98P
4B6遺伝子産物の状態が、当該分野で周知の種々のプロトコルによって分析され得、こ
のプロトコルとしては、免疫組織化学分析、種々のノーザンブロット技術(インサイチュ
ハイブリダイゼーションを含む)、RT−PCR分析(例えば、レーザー捕捉微小解剖サ
ンプルについて)、ウェスタンブロット分析および組織アレイ分析が挙げられる。
より詳細には、本発明は、生物学的サンプル(例えば、血清、骨、前立腺および他の組
織、尿、精液、細胞調製物など)中の98P4B6ポリヌクレオチドの検出のためのアッ
セイを提供する。検出可能な98P4B6ポリヌクレオチドとしては、例えば、98P4
B6遺伝子またはそのフラグメント、98P4B6 mRNA、選択的スプライス改変体
98P4B6 mRNA、および98P4B6ポリヌクレオチドを含む組換えDNA分子
またはRNA分子が挙げられる。98P4B6ポリヌクレオチドを増幅し、そして/また
は98P4B6ポリヌクレオチドの存在を検出するための多数の方法が、当該分野で周知
であり、本発明のこの局面の実施において用いられ得る。
一実施形態において、生物学的サンプル中の98P4B6 mRNAを検出するための
方法は、少なくとも1つのプライマーを使用して、逆転写によりこのサンプルからcDN
Aを生成する工程;センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして98P4B6
ポリヌクレオチドを使用して、このようにして生成されたcDNAを増幅して、その中の
98P4B6 cDNAを増幅する工程;およびこの増幅された98P4B6 cDNA
の存在を検出する工程、を包含する。必要に応じて、この増幅された98P4B6 cD
NAの配列が、決定され得る。
別の実施形態において、生物学的サンプル中の98P4B6遺伝子を検出する方法は、
第1に、このサンプルからゲノムDNAを単離する工程;センスプライマーおよびアンチ
センスプライマーとして98P4B6ポリヌクレオチドを使用して、この単離されたゲノ
ムDNAを増幅する工程;およびこの増幅された98P4B6遺伝子の存在を検出する工
程、を包含する。多数の適切なセンスプローブとアンチセンスプローブとの組合せが、9
8P4B6ヌクレオチド配列(例えば、図2を参照のこと)から設計され得、そしてこの
目的のために使用され得る。
本発明はまた、組織または他の生物学的サンプル(例えば、血清、精液、骨、前立腺、
尿、細胞調製物など)中の98P4B6タンパク質の存在を検出するためのアッセイを提
供する。98P4B6関連タンパク質を検出するための方法もまた、周知であり、これに
は、例えば、免疫沈降、免疫組織化学分析、ウェスタンブロット分析、分子結合アッセイ
、ELISA、ELIFAなどが挙げられる。例えば、生物学的サンプル中の98P4B
6関連タンパク質の存在を検出する方法は、第1に、このサンプルと、98P4B6抗体
、その98P4B6反応性フラグメント、または98P4B6抗体の抗原結合領域を含む
組換えタンパク質とを接触させる工程;次いで、このサンプル中の98P4B6関連タン
パク質の結合を検出する工程、を包含する。
98P4B6を発現する細胞を同定するための方法もまた、本発明の範囲内である。一
実施形態において、98P4B6遺伝子を発現する細胞を同定するためのアッセイは、こ
の細胞中の98P4B6 mRNAの存在を検出する工程を包含する。細胞中の特定のm
RNAを検出するための方法は、周知であり、そして例えば、相補的DNAプローブを使
用するハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、標識された98P4B6リボプローブ
を使用するインサイチュハイブリダイゼーション、ノーザンブロットおよび関連の技術)
、および種々の核酸増幅アッセイ(例えば、98P4B6に対して特異的な相補的プライ
マーを使用するRT−PCR、および他の増幅型検出方法(例えば、分枝状DNA、SI
SBA、TMAなど))が挙げられる。あるいは、98P4B6遺伝子を発現する細胞を
同定するためのアッセイは、この細胞中に存在するか、またはこの細胞により分泌される
98P4B6関連タンパク質の存在を検出する工程を包含する。タンパク質の検出のため
の種々の方法が、当該分野で周知であり、そして98P4B6関連タンパク質の検出のた
めおよび98P4B6関連タンパク質を発現する細胞の検出のために用いられる。
98P4B6発現分析はまた、98P4B6遺伝子発現を調節する因子を同定および評
価するための手段として有用である。例えば、98P4B6発現は、前立腺癌において有
意にアップレギュレートされ、そして表Iに列挙される組織の癌において発現される。癌
細胞における98P4B6発現または98P4B6過剰発現を阻害する分子または生物学
的因子の同定は、治療的価値を有する。例えば、このような因子は、RT−PCR、核酸
ハイブリダイゼーションまたは抗体結合により98P4B6発現を定量するスクリーニン
グを使用することによって、同定され得る。
(VIII.)98P4B6関連遺伝子およびそれらの産物の状態をモニタリングする
ための方法)
腫瘍形成は、細胞増殖が次第に調節不全になり、細胞が正常な生理学的状態から前癌状
態まで進行し、次いで癌状態まで進行する、多段階プロセスであることが知られている(
例えば、Alersら、Lab Invest.77(5):437−438(1997
)およびIsaacsら、Cancer Surv.23:19−32(1995)を参
照のこと)。この状況において、生物学的サンプルを調節不全性の細胞増殖の証拠(例え
ば、癌における異常な98P4B6発現)について試験することにより、癌のような病理
学的状態が、治療選択肢がより制限される段階まで進行する前、そして/または予後が悪
化する前に、このような異常な生理学を早期に検出することが可能になる。このような試
験において、目的の生物学的サンプル中の98P4B6の状態が、例えば、対応する正常
なサンプル(例えば、病理により影響を受けていない、この個体または代替の別の個体由
来のサンプル)中の98P4B6の状態と比較され得る。生物学的サンプル中の98P4
B6の状態における(正常なサンプルと比較した場合の)変化は、調節不全性の細胞増殖
の証拠を提供する。病理により影響を受けていない生物学的サンプルを正常なサンプルと
して使用することに加えて、所定の規範値(例えば、mRNA発現の所定の正常なレベル
)(例えば、Greverら、J.Comp.Neurol.1996 Dec 9;3
76(2):306−14および米国特許第5,837,501号を参照のこと)もまた
、サンプル中の98P4B6の状態を比較するために使用され得る。
この文脈において、用語「状態」は、当該分野で認められた意味に従って使用され、遺
伝子およびその産物の状態(conditionまたはstate)をいう。代表的には
、当業者は、多数のパラメーターを使用して、遺伝子およびその産物の状態(condi
tionまたはstate)を評価する。これには、発現された遺伝子産物の位置(98
P4B6発現細胞の位置を含む)、ならびに発現された遺伝子産物(例えば、98P4B
6 mRNA、ポリヌクレオチドおよびポリペプチド)のレベルおよび生物学的活性が挙
げられるが、これらに限定されない。代表的には、98P4B6の状態における変化は、
98P4B6および/または98P4B6発現細胞の位置における変化、ならびに/ある
いは98P4B6 mRNAおよび/または98P4B6タンパク質の発現の増加を含む
サンプル中の98P4B6の状態は、当該分野で周知の多数の手段によって分析され得
、この手段としては、免疫組織化学分析、インサイチュハイブリダイゼーション、レーザ
ー捕捉微小解剖サンプルに対するRT−PCR分析、ウェスタンブロット分析および組織
アレイ分析が挙げられるが、これらに限定されない。98P4B6遺伝子および遺伝子産
物の状態を評価するための代表的なプロトコルは、例えば、Ausubelら編、199
5,Current Protocols In Molecular Biology
,Units 2(Northern Blotting),4(Southern B
lotting),15(Immunoblotting)および18(PCR Ana
lysis)に見出される。従って、生物学的サンプル中の98P4B6の状態は、当業
者により使用される種々の方法によって評価され、これらの方法としては、ゲノムサザン
分析(例えば、98P4B6遺伝子中の変動(perturbation)を試験するた
め)、98P4B6 mRNAのノーザン分析および/またはPCR分析(例えば、ポリ
ヌクレオチド配列または98P4B6 mRNAの発現レベルにおける変化を試験するた
め)、ならびにウェスタン分析および/または免疫組織化学分析(例えば、ポリペプチド
配列における変更、サンプル内のポリペプチドの局在化における変化、98P4B6タン
パク質の発現レベルにおける変化、および/または98P4B6タンパク質とポリペプチ
ド結合パートナーとの会合を試験するため)が挙げられるが、これらに限定されない。検
出可能な98P4B6ポリヌクレオチドとしては、例えば、98P4B6遺伝子またはそ
のフラグメント、98P4B6 mRNA、選択的スプライス改変体、98P4B6 m
RNA、および98P4B6ポリヌクレオチドを含む組換えDNA分子または組換えRN
A分子が挙げられる。
98P4B6の発現プロファイルは、98P4B6を局所疾患および/または転移性疾
患についての診断マーカーとし、そして生物学的サンプルの増殖または腫瘍形成の可能性
についての情報を提供する。特に、98P4B6の状態は、特定の疾患段階、進行および
/または腫瘍の攻撃性に対する感受性を推定するために有用な情報を提供する。本発明は
、98P4B6の状態を決定し、98P4B6を発現する癌(例えば、表Iに列挙される
組織の癌)を診断するための方法およびアッセイを提供する。例えば、98P4B6 m
RNAは、正常な前立腺組織と比較して前立腺癌および他の癌において高度に発現される
ので、生物学的サンプル中の98P4B6 mRNA転写産物または98P4B6タンパ
ク質のレベルを評価するアッセイが、98P4B6の調節不全と関連する疾患を診断する
ために使用され得、そして適切な治療選択肢を規定する際に有用な予後情報を提供し得る
98P4B6の発現状態は、形成異常細胞、前癌状態の細胞および癌細胞の存在、病期
および位置を含む、種々の段階の疾患に対する感受性を予測する情報、および/または腫
瘍の攻撃性を評価するための情報を提供する。さらに、発現プロファイルは、98P4B
6を、転移性疾患のための画像化試薬として有用にする。結果的に、本発明の局面は、生
物学的サンプル(例えば、調節不全性の細胞増殖により特徴付けられる病理(例えば、癌
)に罹患している個体由来のサンプル、またはこのような病理に罹患している疑いのある
個体由来のサンプル)中の98P4B6の状態を試験するための種々の分子予後方法およ
び分子診断方法に関する。
上記のように、生物学的サンプル中の98P4B6の状態は、当該分野で周知の多数の
手順によって試験され得る。例えば、身体の特定の位置から採取された生物学的サンプル
中の98P4B6の状態は、このサンプルを、98P4B6発現細胞(例えば、98P4
B6 mRNAまたは98P4B6タンパク質を発現する細胞)の存在または非存在につ
いて評価することによって、試験され得る。この試験は、例えば、98P4B6発現細胞
が、通常ではこのような細胞を含まない生物学的サンプル(例えば、リンパ節)中に見出
された場合、調節不全性の細胞増殖の証拠を提供し得る。なぜなら、生物学的サンプル中
の98P4B6の状態におけるこのような変化は、多くの場合、調節不全性の細胞増殖に
関連するからである。詳細には、調節不全性の細胞増殖の1つの指標は、起源の器官(例
えば、前立腺)から身体の異なる領域(例えば、リンパ節)への癌細胞の転移である。こ
の状況において、調節不全性の細胞増殖の証拠は、重要である。なぜなら、例えば、前立
腺癌を有する患者のうちのかなりの比率において、潜伏性リンパ節転移が検出され得、そ
してこのような転移は、疾患の進行の既知の予測因子と関連するからである(例えば、M
urphyら、Prostate 42(4):315−317(2000);Suら、
Semin.Surg.Oncol.18(1):17−28(2000)およびFre
emanら、J Urol 1995 Aug 154(2 Pt 1):474−8を
参照のこと)。
1つの局面において、本発明は、調節不全性の細胞増殖に関連する疾患(例えば、過形
成または癌)を有すると疑われる個体由来の細胞により発現される98P4B6遺伝子産
物の状態を決定し、次いでこのように決定した状態を、対応する正常なサンプル中の98
P4B6遺伝子産物の状態と比較することによって、98P4B6遺伝子産物をモニタリ
ングするための方法を提供する。正常なサンプルと比較して、試験サンプル中の異常な9
8P4B6遺伝子産物の存在は、個体の細胞内の調節不全性の細胞増殖の存在の指標を提
供する。
別の局面において、本発明は、個体における癌の存在を決定する際に有用なアッセイを
提供し、このアッセイは、対応する正常な細胞または正常な組織における発現レベルと比
較して、試験細胞サンプルまたは試験組織サンプル中の98P4B6 mRNAまたはタ
ンパク質の発現の有意な増加を検出する工程を包含する。例えば、98P4B6 mRN
Aの存在は、表Iに列挙される組織を包含するがそれに限定されない組織において評価さ
れ得る。これらの組織のいずれかにおける有意な98P4B6発現の存在は、癌の発症、
存在および/または重篤度を示すために有用である。なぜなら、対応する正常な組織は、
98P4B6 mRNAを発現しないか、これを低レベルでしか発現しないからである。
関連の実施形態において、98P4B6の状態は、核酸レベルでよりもむしろタンパク
質レベルで決定される。例えば、このような方法は、試験組織サンプル中の細胞により発
現される98P4B6タンパク質のレベルを決定し、このように決定されたレベルを、対
応する正常なサンプルにおいて発現される98P4B6のレベルと比較する工程を包含す
る。一実施形態において、98P4B6タンパク質の存在は、例えば、免疫組織化学方法
を使用して、評価される。98P4B6タンパク質発現を検出し得る98P4B6抗体ま
たは98P4B6結合パートナーが、この目的のために、当該分野で周知の種々のアッセ
イ様式で使用される。
さらなる実施形態において、生物学的サンプル中の98P4B6ヌクレオチド配列およ
び98P4B6アミノ酸配列の状態が、これらの分子の構造における変動を同定するため
に、評価され得る。これらの変動としては、挿入、欠失、置換などが挙げられ得る。この
ような評価は、有用である。なぜなら、ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列における変
動は、増殖調節不全性の表現型と関連する多数のタンパク質において観察されるからであ
る(例えば、Marrogiら、1999,J.Cutan.Pathol.26(8)
:369−378を参照のこと)。例えば、98P4B6の配列における変異は、腫瘍の
存在または発癌補助作用を示し得る。従って、このようなアッセイは、98P4B6にお
ける変異が潜在的な機能喪失または腫瘍増殖の増加を示す場合、診断的価値および予測的
価値を有する。
ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列における変動を観察するための広範な種々のアッ
セイが、当該分野で周知である。例えば、98P4B6遺伝子産物の核酸配列またはアミ
ノ酸配列のサイズおよび構造は、本明細書中で考察されるノーザンプロトコル、サザンプ
ロトコル、ウェスタンプロトコル、PCRプロトコルおよびDNA配列決定プロトコルに
より観察される。さらに、ヌクレオチド配列および核酸配列における変動を観察するため
の他の方法(例えば、単鎖高次構造多型分析)が、当該分野で周知である(例えば、米国
特許第5,382,510号(1999年9月7日発行)および同第5,952,170
号(1995年1月17日発行)を参照のこと)。
さらに、生物学的サンプル中の98P4B6遺伝子のメチル化状態が試験され得る。遺
伝子の5’調節領域中のCpGアイランドの異常な脱メチル化および/または過剰メチル
化が、多くの場合、不死化細胞および形質転換細胞において生じ、種々の遺伝子の変化し
た発現を生じ得る。例えば、πクラスのグルタチオンS−トランスフェラーゼ(正常な前
立腺において発現されるタンパク質であり、前立腺癌の90%より多くにおいては発現さ
れない)のプロモーター過剰メチル化は、この遺伝子の転写を永久的に止めるようであり
、最も頻繁に検出される前立腺癌におけるゲノム変化である(De Marzoら、Am
.J.Pathol.155(6):1985−1992(1999))。さらに、この
変化は、高度な前立腺上皮内新形成(PIN)の症例のうちの少なくとも70%において
存在する(Brooksら、Cancer Epidemiol.Biomarkers
Prev.,1998,7:531−536)。別の例において、LAGE−I腫瘍特
異的遺伝子の発現(これは、正常な前立腺においては発現されないが、前立腺癌の20〜
50%において発現される)は、リンパ芽球細胞においてデオキシ−アザシチジンにより
誘導され、このことは、腫瘍発現が脱メチル化に起因することを示唆している(Leth
eら、Int.J.Cancer 76(6):903−908(1998))。遺伝子
のメチル化状態を試験するための種々のアッセイが、当該分野で周知である。例えば、サ
ザンハイブリダイゼーションアプローチにおいて、メチル化されたCpG部位を含む配列
を切断し得ないメチル化感受性制限酵素を使用して、CpGアイランドのメチル化状態を
評価し得る。さらに、MSP(メチル化特異的PCR)は、所定の遺伝子のCpGアイラ
ンド中に存在する全てのCpG部位のメチル化状態を容易にプロファイルし得る。この手
順は、亜硫酸水素ナトリウム(これはメチル化されていない全てのシトシンをウラシルに
変換する)によりまずDNAを改変し、続いてメチル化されていないDNAに対してメチ
ル化されたDNAに特異的なプライマーを使用して増幅することを包含する。メチル化干
渉を含むプロトコルはまた、例えば、Current Protocols In Mo
lecular Biology,Unit 12,Frederick M.Ausu
belら編、1995において見出され得る。
遺伝子増幅は、98P4B6の状態を評価するためのさらなる方法である。遺伝子増幅
は、本明細書中で提供される配列に基づいて、例えば、適切に標識されたプローブを使用
して、mRNAの転写を定量するための従来のサザンブロッティングまたはノーザンブロ
ッティング(Thomas,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
,77:5201−5205)、ドットブロッティング(DNA分析)、またはインサイ
チュハイブリダイゼーションによってサンプル中で直接測定される。あるいは、特定の二
重鎖(DNA二重鎖、RNA二重鎖、およびDNA−RNAハイブリッド二重鎖またはD
NA−タンパク質二重鎖を含む)を認識する抗体が、使用される。次いで、この抗体は、
標識され、そしてアッセイが実施され、このアッセイにおいて、この二重鎖は、表面に結
合され、その結果、この表面上で二重鎖が形成されると、この二重鎖に結合した抗体の存
在が、検出され得る。
生検組織または末梢血が、例えば、ノーザン分析、ドットブロット分析またはRT−P
CR分析を使用して、癌細胞の存在について簡便にアッセイされて、98P4B6発現が
検出され得る。RT−PCR増幅可能な98P4B6 mRNAの存在は、癌の存在の指
標を提供する。RT−PCRアッセイは、当該分野で周知である。末梢血中の腫瘍細胞の
ためのRT−PCR検出アッセイは、多数のヒト固形腫瘍の診断および管理において使用
するために、現在評価されている。前立腺癌の分野において、このアッセイには、PSA
およびPSMを発現する細胞の検出のためのRT−PCRアッセイが挙げられる(Ver
kaikら、1997,Urol.Res.25:373−384;Ghosseinら
,1995,J.Clin.Oncol.13:1195−2000;Hestonら,
1995,Clin.Chem.41:1687−1688)。
本発明のさらなる局面は、発症中の癌に対して個体が有する感受性の評価である。一実
施形態において、癌に対する感受性を予想するための方法は、組織サンプル中の98P4
B6 mRNAまたは98P4B6タンパク質(その存在は、癌に対する感受性を示す)
を検出する工程を包含し、ここで、98P4B6 mRNA発現の程度は、感受性の程度
と相関する。特定の実施形態において、前立腺または他の組織中の98P4B6の存在が
、試験され、ここで、このサンプル中の98P4B6の存在は、前立腺癌感受性(または
前立腺腫瘍の発症もしくは存在)の指標を提供する。同様に、生物学的サンプル中の98
P4B6ヌクレオチド配列および98P4B6アミノ酸配列の完全性を評価して、これら
の分子の構造における変動(例えば、挿入、欠失、置換など)を同定し得る。サンプル中
の98P4B6遺伝子産物の1つ以上の変動の存在は、癌感受性(または腫瘍の発症もし
くは存在)の指標である。
本発明はまた、腫瘍の攻撃性を評価するための方法を包含する。一実施形態において、
腫瘍の攻撃性を評価するための方法は、腫瘍細胞によって発現される98P4B6 mR
NAまたは98P4B6タンパク質のレベルを決定する工程、このように決定したレベル
を、同じ個体もしくは正常な組織参照サンプルから採取した対応する正常な組織において
発現される98P4B6 mRNAまたは98P4B6タンパク質のレベルと比較する工
程を包含し、ここで正常なサンプルに対する腫瘍サンプルにおける98P4B6 mRN
Aまたは98P4B6タンパク質の発現の程度は、攻撃性の程度を示す。特定の実施形態
において、腫瘍の攻撃性は、98P4B6が腫瘍細胞において発現される程度を決定する
ことによって評価され、ここでより高い発現レベルは、より攻撃性の腫瘍を示す。別の実
施形態は、98P4B6ヌクレオチドおよびアミノ酸の構造における変動(例えば、挿入
、欠失、置換など)を同定するための、生物学的サンプル中のこの98P4B6ヌクレオ
チドおよびアミノ酸配列の完全性の評価である。1つ以上の変動の存在は、より攻撃性の
腫瘍を示す。
本発明の別の実施形態は、個体における悪性腫瘍の進行を経時的に観察するための方法
に関する。一実施形態において、個体における悪性腫瘍の進行を経時的に観察するための
方法は、腫瘍のサンプル中の細胞により発現される98P4B6 mRNAまたは98P
4B6タンパク質のレベルを決定する工程、このようにして決定されたレベルを、異なる
時間に同じ個体から採取した同等な組織サンプルにおいて発現される98P4B6 mR
NAまたは98P4B6タンパク質のレベルと比較する工程、を包含し、ここで、経時的
な腫瘍サンプルにおける98P4B6 mRNAまたは98P4B6タンパク質の発現の
程度は、癌の進行についての情報を提供する。特定の実施形態において、癌の進行は、腫
瘍細胞における98P4B6の発現を経時的に決定することにより評価され、ここで経時
的に増加した発現は、癌の進行を示す。また、生物学的サンプル中の98P4B6ヌクレ
オチド配列および98P4B6アミノ酸配列の完全性を評価して、これらの分子の構造に
おける変動(例えば、挿入、欠失、置換など)を同定し得、ここで、1つ以上の変動の存
在は、癌の進行を示す。
上記の診断アプローチは、当該分野で公知の広範な種々の予後プロトコルおよび診断プ
ロトコルのいずれか1つと組み合わされ得る。例えば、本発明の別の実施形態は、98P
4B6遺伝子の発現および98P4B6遺伝子産物の発現(または98P4B6遺伝子の
変動および98P4B6遺伝子産物における変動)と組織サンプルの状態を診断および予
想するための手段としての悪性腫瘍に関連する因子との間の同時発生を観察するための方
法に関する。悪性腫瘍に関連する広範な種々の因子(例えば、悪性腫瘍に関連する遺伝子
の発現(例えば、前立腺癌についてのPSA、PSCAおよびPSMの発現など)、なら
びに肉眼で見える細胞学的知見が、使用され得る(例えば、Bockingら、1984
,Anal.Quant.Cytol.6(2):74−88;Epstein,199
5,Hum.Pathol.26(2):223−9;Thorsonら、1998,M
od.Pathol.11(6):543−51;Baisdenら、1999,Am.
J.Surg.Pathol.23(8);918−24を参照のこと)。98P4B6
遺伝子の発現および98P4B6遺伝子産物の発現(または、98P4B6遺伝子および
98P4B6遺伝子産物における変動)と、悪性腫瘍に関連する別の因子との間の同時発
生を観察するための方法は、有用である。なぜなら、例えば、疾患と同時に生じる特定の
因子のセットの存在は、組織サンプルの状態を診断および予測するために重要な情報を提
供するからである。
一実施形態において、98P4B6遺伝子の発現と98P4B6遺伝子産物の発現(ま
たは、98P4B6遺伝子および98P4B6遺伝子産物における変動)と、悪性腫瘍に
関連する別の因子との間の同時発生を観察するための方法は、組織サンプル中の98P4
B6 mRNAまたは98P4B6タンパク質の過剰発現を検出すること、組織サンプル
中のPSA mRNAまたはPSAタンパク質の過剰発現(またはPSCA発現もしくは
PSM発現)を検出すること、および98P4B6 mRNAもしくは98P4B6タン
パク質の過剰発現と、PSA mRNAもしくはPSAタンパク質の過剰発現(またはP
SCA発現もしくはPSM発現)との同時発生を観察することを伴う。特定の実施形態に
おいて、前立腺組織における98P4B6 mRNAおよびPSA mRNAの発現が、
試験され、ここで、このサンプル中の98P4B6 mRNA過剰発現とPSA mRN
A過剰発現との同時発生は、前立腺癌の存在、前立腺癌感受性または前立腺腫瘍の発症も
しくは状態を示す。
98P4B6 mRNAまたはタンパク質の発現を検出および定量するための方法が、
本明細書中に記載されており、そして標準核酸およびタンパク質の検出技術および定量技
術は、当該分野で周知である。98P4B6 mRNAの検出および定量するための標準
方法としては、標識98P4B6リボプローブを使用するインサイチュハイブリダイゼー
ション、98P4B6ポリヌクレオチドプローブを使用するノーザンブロットおよび関連
する技術、98P4B6に対して特異的なプライマーを使用するRT−PCR分析、なら
びに他の増幅型検出方法(例えば、分枝DNA、SISBA、TMAなど)が挙げられる
。特定の実施形態において、半定量的RT−PCRを使用して、98P4B6 mRNA
発現を検出および定量する。98P4B6を増幅し得る任意の数のプライマーを、この目
的のために使用し得、このプライマーとしては、本明細書中で具体的に記載される種々の
プライマーセットが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、野
生型98P4B6タンパク質と特異的に反応するポリクローナル抗体またはモノクローナ
ル抗体を、生検組織の免疫組織化学アッセイにおいて使用し得る。
(IX.98P4B6と相互作用する分子の同定)
本明細書中に開示される98P4B6タンパク質および核酸配列は、当業者が、98P
4B6と相互作用するタンパク質、低分子および他の薬剤、ならびに種々の分野で受け入
れられたプロトコルのうちのいずれか1つを介して、98P4B6によって活性化される
経路を同定することを可能にする。例えば、いわゆる相互作用トラップ系(「2ハイブリ
ッドアッセイ」とも呼ばれる)のうちの1つを利用し得る。このような系において、分子
は、レポーター遺伝子の発現を指向する転写因子と相互作用し、そして再構成し、一方で
このレポーター遺伝子の発現をアッセイする。他の系は、真核生物転写活性化因子の再構
築を介して、インビボでタンパク質−タンパク質相互作用を同定する(例えば、1999
年9月21日に発行された米国特許第5,955,280号、1999年7月20日に発
行された同第5,925,523号、1998年12月8日に発行された同第5,846
,722号、および1999年12月21日に発行された同第6,004,746号を参
照のこと)。アルゴリズムもまた、タンパク質機能のゲノムベースの予測のために当該分
野で利用可能である(例えば、Marcotteら,Nature 402:1999年
11月4日,83−86を参照のこと)。
あるいは、98P4B6タンパク質配列と相互作用する分子を同定するために、ペプチ
ドライブラリをスクリーニングし得る。このような方法において、98P4B6に結合す
るペプチドは、アミノ酸のランダムな収集物または制御された収集物をコードするライブ
ラリーをスクリーニングすることによって同定される。このライブラリーによってコード
されたペプチドは、バクテリオファージコートタンパク質の融合タンパク質として発現さ
れ、次いで、このバクテリオファージ粒子は、98P4B6タンパク質に対してスクリー
ニングされる。
従って、広範な種々の用途(例えば、治療剤、予後剤または診断剤)を有するペプチド
は、予想されるリガンド分子またはレセプター分子の構造に関する以前の情報なしで同定
される。98P4B6タンパク質配列と相互作用する分子を同定するために使用され得る
、代表的なペプチドライブラリおよびスクリーニング方法は、例えば、1998年3月3
日に発行された米国特許第5,723,286号、および1998年3月31日に発行さ
れた同第5,733,731号で開示される。
あるいは、98P4B6を発現する細胞株は、98P4B6によって媒介されるタンパ
ク質−タンパク質相互作用を同定するために使用される。このような相互作用は、免疫沈
降技術(例えば、Hamilton B.J.ら,Biochem.Biophys.R
es.Commun,1999,261:646−51を参照のこと)を使用して試験さ
れ得る。98P4B6タンパク質は、抗98P4B6抗体を使用する98P4B6発現細
胞株から免疫沈降され得る。あるいは、His−tagに対する抗体は、98P4B6お
よびHis−tag(上記のベクター)の融合物を発現するように操作された細胞株中で
使用され得る。この免疫沈降複合体は、ウェスタンブロット、タンパク質の35S−メチ
オニン標識、タンパク質のマイクロシークエンシング、銀染色および2次元ゲル電気泳動
のような手順によってタンパク質に関して試験され得る。
98P4B6と相互作用する低分子およびリガンドは、このようなスクリーニングアッ
セイの関連する実施形態を介して同定され得る。例えば、低分子(リン酸化および脱リン
酸化を媒介し得る98P4B6の能力に干渉する分子を含む)により、タンパク質機能と
の干渉が、細胞サイクル、第2メッセンジャーシグナル伝達、または腫瘍形成の調節の指
標としてのDNA分子またはRNA分子との相互作用として同定され得る。同様に、98
P4B6関連イオンチャネル、タンパク質ポンプ、または細胞連絡機能を調節する低分子
を、98P4B6を発現する癌を有するタンパク質を処理するために、同定および使用す
る(例えば、Hille,B.,Ionic Channels of Excitab
le Membranes 第2版,Sinauer Assoc.,Sunderla
nd,MA,1992を参照のこと)。さらに、98P4B6機能を調節するリガンドは
、98P4B6に結合し、そしてレポーター構築物を活性化するためのそれらの能力に基
づいて同定され得る。代表的な方法は、例えば、1999年7月27日に発行された米国
特許第5,928,868号において議論されており、そして少なくとも1つのリガンド
が低分子である、ハイブリッドリガンドを形成するための方法を含む。例示の実施形態に
おいて、98P4B6の融合タンパク質およびDNA結合タンパク質を発現するために操
作された細胞を使用して、ハイブリッドリガンド/低分子の融合タンパク質およびcDN
Aライブラリー転写活性化タンパク質を同時発現する。この細胞は、レポーター遺伝子(
この発現は、第1融合タンパク質および第2融合タンパク質の互いに隣接して調整される
)をさらに含み、この事象は、ハイブリッドリガンドが、両方のハイブリッドタンパク質
の標的部位に結合する場合のみ生じる。レポーター遺伝子を発現するこれらの細胞を選択
し、そして未知の低分子または未知のリガンドを同定する。この方法は、98P4B6を
活性化または阻害する、調節因子を同定する手段を提供する。
本発明の実施形態は、図2または図3に示される98P4B6アミノ酸配列と相互作用
する分子についてスクリーニングする方法を含み、この方法は、一群の分子と98P4B
6アミノ酸配列とを接触させる工程、上記一群の分子と上記98P4B6アミノ酸配列と
を、相互作用を容易にする条件下で相互作用させる工程、98P4B6アミノ酸配列と相
互作用する分子の存在を決定する工程、次いで、98P4B6アミノ酸配列と相互作用し
ない分子を、98P4B6アミノ酸配列と相互作用する分子から分離する工程を包含する
。特定の実施形態において、この方法は、98P4B6アミノ酸配列と相互作用する分子
を精製する工程、特徴付けする工程および同定する工程をさらに包含する。この同定され
た分子は、98P4B6によって実施される機能を調節するために使用され得る。好まし
い実施形態において、98P4B6アミノ酸配列は、ペプチドライブラリと接触される。
(X.治療法および組成物)
限定されたセットの組織において正常に発現されるが、癌(例えば、表1において列挙
される癌)においても発現されるタンパク質のような98P4B6の同定により、多数の
治療アプローチをこのような癌の処置に広げる。注目すべきは、標的化抗腫瘍治療が、標
的化タンパク質が正常な組織で、命にかかわる、正常な器官組織で、発現される場合でさ
えも有用であったことである。命にかかわる器官は、生命を維持するために必要な器官の
1つ(例えば、心臓または結腸)である。命にかかわる器官でない器官は、器官が取り除
かれても個体がなお生存し得る器官である。命にかかわる器官でない器官の例は、卵巣、
乳房および前立腺である。
従って、98P4B6タンパク質の活性を阻害する治療アプローチは、98P4B6を
発現する癌に罹患した患者に有用である。このような治療アプローチは、一般に、2つの
クラスに入る。一つのクラスは、98P4B6タンパク質とその結合パートナーまたは他
のタンパク質との結合または会合を阻害するための種々の方法を含む。別のクラスは、9
8P4B6遺伝子の転写または98P4B6 mRNAの翻訳を阻害するための種々の方
法を含む。
(X.A.抗癌ワクチン)
本発明は、98P4B6関連タンパク質または98P4B6関連核酸を含む、癌ワクチ
ンを提供する。98P4B6の発現に関して、癌ワクチンは、非標的組織に対して最小の
効果を有するかまたは効果を有さずに、98P4B6発現癌を予防および/または処置す
る。抗癌治療として、体液性免疫応答および/または細胞媒介免疫応答を生じるワクチン
における腫瘍抗原の使用は、当該分野で周知であり、ヒトPSMAおよびげっ歯類PAP
免疫原を使用して前立腺癌において利用されている(Hodgeら,1995,Int.
J.Cancer 63:231−237;Fongら,1997,J.Immunol
.159:3113−3117)。
このような方法は、98P4B6関連タンパク質、または98P4B6コード核酸分子
および98P4B6免疫原(これは、代表的に、多数の抗体またはT細胞エピトープを含
む)を発現および提示し得る組換えベクターを利用することによって容易に実施され得る
。当業者は、免疫反応性エピトープの送達のための広範な種々のワクチン系が当該分野で
公知であることを理解する(例えば、Herylnら,Ann Med 1999 Fe
b 31(1):66−78;Maruyamaら,Cancer Immunol I
mmunother 2000 Jun 49(3):123−32)。簡潔には、哺乳
動物において、免疫応答(例えば、体液性免疫応答および/または細胞媒介免疫応答)を
生じるこのような方法は、以下の工程を包含する:免疫反応性エピトープ(例えば、エピ
トープは、図3に示される98P4B6タンパク質、またはそのアナログもしくはホモロ
グ中に存在する)に哺乳動物の免疫系を曝露し、その結果、この哺乳動物に、エピトープ
に対して特異的な免疫応答を生じさせる(例えば、このエピトープを特異的に認識する抗
体を生じさせる)工程。好ましい方法において、98P4B6免疫原は、生物学的モチー
フを含む(例えば、表VIII〜XXI、および、XXII〜XLIXまたは図5、図6
、図7、図8、および図9に示される98P4B6由来の一定サイズ範囲のペプチドを参
照のこと)。
98P4B6タンパク質全体、免疫原性領域またはそれらのエピトープを、種々の手段
によって合わせ、そして送達し得る。このようなワクチン組成物としては、例えば、以下
が挙げられる:リポペプチド(例えば、Vitiello,A.ら,J.Clin.In
vest.95:341,1995)、ポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)(「P
LG」)ミクロスフェア中にカプセル化されたペプチド組成物(例えば、Eldridg
eら,Molec.Immunol.28:287−294,1991:Alonsoら
,Vaccine 12:299−306,1994;Jonesら,Vaccine
13:675−681,1995を参照のこと)、免疫刺激複合体(ISCOMS)に含
まれたペプチド組成物(例えば、Takahashiら,Nature 344:873
−875,1990;Huら,Clin Exp Immunol.113:235−2
43,1998を参照のこと)、多抗原ペプチド系(MAP)(例えば、Tam,J.P
.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:5409−5413,
1988;Tam,J.P.,J.Immunol.Methods 196:17−3
2,1996を参照のこと)、多価ペプチドとして処方されたペプチド、弾道送達系にお
いて使用するためのペプチド(代表的に、結晶化したペプチド)、ウイルス送達ベクター
(Perkus,M.E.ら,Concepts in vaccine develo
pment,Kaufmann,S.H.E.編,第379頁,1996;Chakra
barti,S.ら,Nature 320:535,1986;Hu,S.L.ら,N
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/Technology 4:790,1986;Top,F.H.ら,J.Infec
t.Dis.124:148,1971;Chanda,P.K.ら,Virology
175:535,1990)、ウイルス起源または合成起源の粒子(例えば、Kofl
er,N.ら,J.Immunol.Methods.192:25,1996;Eld
ridge,J.H.ら,Sem.Hematol.30:16,1993;Falo,
L.D.,Jr.ら,Nature Med.7:649,1995)、アジュバント(
Warren,H.S.,Vogel,F.R.およびChedid,L.A.Annu
.Rev.Immunol.4:369,1986;Gupta,R.K.ら,Vacc
ine 11:293,1993)、リポソーム(Reddy,R.ら,J.Immun
ol.148:1585,1992;Rock,K.L.,Immunol.Today
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;Cease,K.B.およびBerzofsky,J.A.,Annu.Rev.Im
munol.12:923,1994およびEldridge,J.H.ら,Sem.H
ematol.30:16,1993)。毒素標的送達技術(レセプター媒介標的化(例
えば、Avant Immunotherapeutics,Inc.(Needham
,Massachusetts)のレセプター媒介標的化)としても公知)もまた、使用
され得る。
98P4B6に関連する癌を有する患者において、本発明のワクチン組成物はまた、癌
のために使用される他の処置(例えば、外科手術、化学療法、薬物治療、放射線治療など
)と合わせて使用され得る(IL−2、IL−12、GM−CSFなどのような免疫アジ
ュバントと組み合わせた使用を含む)。
(細胞ワクチン)
CTLエピトープは、対応するHLA対立遺伝子に結合する98P4B6タンパク質内
のペプチドを同定するための特定のアルゴリズムを使用して決定され得る:(例えば表I
V;EpimerTMおよびEpimatrixTM,Brown Universit
y(URL brown.edu/Research/TB−HIV_Lab/epim
atrix/epimatrix.html);およびBIMAS(URL bimas
.dcrt.nih.gov/;SYFPEITHI at URL syfpeith
i.bmi−heidelberg.com/))。好ましい実施形態において、98P
4B6免疫原は、当該分野で周知の技術を使用して同定された1種以上のアミノ酸配列を
含み、これらは、表VIII〜XXIおよび表XXII〜XLIXに示される配列、また
はHLAクラスIモチーフ/スーパーモチーフ(例えば、表IV(A)、表IV(D)、
または表IV(E))によって特定された8個、9個、10個もしくは11個のアミノ酸
のペプチド、および/またはHLAクラスIIモチーフ/スーパーモチーフ(例えば、表
IV(B)、または表IV(C))を含む、少なくとも9個のアミノ酸のペプチドである
。当該分野で理解されているように、HLAクラスI結合溝は、本質的に、閉鎖的に終結
され、その結果、特定のサイズ領域のみのペプチドが、溝に適合し、かつ、結合され得、
一般に、HLAクラスIエピトープは、8個、9個、10個、または11個のアミノ酸長
である。対照的に、HLAクラスII結合溝は、本質的に、開放的に終結され、それによ
って、約9個以上のアミノ酸のペプチドは、HLAクラスII分子によって結合され得る
。HLAクラスIとHLAクラスIIとの間の結合溝の差異に起因して、HLAクラスI
モチーフは、長さ特異的である。すなわち、クラスIモチーフの2つの位置は、このペプ
チドのアミノ方向からカルボキシル方向の第2アミノ酸である。クラスIIモチーフのア
ミノ酸位置は、互いに対してのみ相関し、全体のペプチドに対して相関していない。すな
わち、さらなるアミノ酸は、モチーフ保有配列のアミノ末端および/またはカルボキシル
末端に付着され得る。HLAクラスIIエピトープは、多くの場合、9アミノ酸長、10
アミノ酸長、11アミノ酸長、12アミノ酸長、13アミノ酸長、14アミノ酸長、15
アミノ酸長、16アミノ酸長、17アミノ酸長、18アミノ酸長、19アミノ酸長、20
アミノ酸長、21アミノ酸長、22アミノ酸長、23アミノ酸長、24アミノ酸長、また
は25アミノ酸長、または25アミノ酸長よりも長い。
(抗体ベースのワクチン)
哺乳動物において免疫応答を発生するための広範な種々の方法は、(例えば、ハイブリ
ドーマの発生における第1工程として)当該分野で公知である。哺乳動物における免疫応
答を発生させる方法は、タンパク質(例えば、98P4B6タンパク質)上の免疫原性エ
ピトープに哺乳動物の免疫系を曝露し、その結果、免疫応答を発生させる工程を包含する
。代表的な実施形態は、十分な量の少なくとも1つの98P4B6B細胞もしくは細胞傷
害性T細胞エピトープまたはそれらのアナログを宿主と接触させ;そして少なくとも1回
の周期的な間隔の後、98P4B6B細胞もしくは細胞傷害性T細胞エピトープまたはそ
れらのアナログを宿主と再び接触させることによって、宿主において、98P4B6に対
する免疫応答を発生させるための方法からなる。特定の実施形態は、98P4B6関連タ
ンパク質または人工多エピトープペプチドに対して免疫応答を発生する方法からなり、こ
の方法は、98P4B6免疫原(例えば、98P4B6タンパク質またはそのペプチドフ
ラグメント、98P4B6融合タンパク質またはアナログなど)を、ヒトまたは別の哺乳
動物に対してワクチン調製物として投与する工程を包含する。代表的に、このようなワク
チン調製物は、さらに、適切なアジュバント(例えば、米国特許第6,146,635号
を参照のこと)またはPADRETMペプチドのような汎用ヘルパーエピトープ(Epi
mmune Inc.,San Diego,CA;例えば、Alexanderら,J
.Immunol.2000 164(3);164(3):1625−1633;Al
exanderら,Immunity 1994 1(9):751−761およびAl
exanderら,Immunol.Res.1998 18(2):79−92を参照
のこと)を含む。代替方法は、98P4B6免疫原をコードするDNA配列、DNA配列
の発現を制御する調節配列に作動可能に連結されたDNA配列を含むDNA分子を、個々
の身体の筋肉または皮膚にインビボで投与することによって、98P4B6免疫原に対し
て個々の免疫応答を発生させる工程を包含し;ここで、このDNA分子は、細胞によって
取り込まれ、DNA配列は、この細胞において発現され、そして免疫応答を、免疫原に対
して発生する(例えば、米国特許第5,962,428号を参照のこと)。必要に応じて
、遺伝子ワクチン促進因子(facilitator)(例えば、アニオン性脂質;サポ
ニン;レクチン;エストロゲン化合物;ヒドロキシル化低級アルキル;ジメチルスルホキ
シド;および尿素)がまた、投与される。さらに、98P4B6を模倣する抗イディオタ
イプ抗体が、標的抗原に対する応答を生じるために投与され得る。
(核酸ワクチン)
本発明のワクチン組成物は、核酸媒介様式を含む。本発明のタンパク質をコードするD
NAまたはRNAは、患者に投与され得る。遺伝子免疫方法は、98P4B6を発現する
癌細胞に対する、予防的または治療的な体液性免疫応答および細胞性免疫応答を発生させ
るために利用され得る。98P4B6関連タンパク質/免疫原をコードするDNAを含む
構成物および適切な調節配列は、個体の筋肉または皮膚に直接注射され得、その結果、筋
肉または皮膚の細胞は、この構成物を取り込み、そしてコードされた98P4B6タンパ
ク質/免疫原を発現する。あるいは、ワクチンは、98P4B6関連タンパク質を含む。
98P4B6関連タンパク質免疫原の発現は、98P4B6タンパク質を保有する細胞に
対する、予防的または治療的な体液性免疫および細胞性免疫の発生を生じる。当該分野で
公知の、種々の予防的および治療的な遺伝子免疫技術は、使用され得る(総説については
、インターネットアドレスワールドワイドウェブULR genweb.comで公開さ
れている情報および参考文献を参照のこと)。核酸ベース送達は、例えば、Wolffら
,Science 247:1465(1990)および米国特許第5,580,859
号;同第5,589,466号;同第5,804,566号;同第5,739,118号
;同第5,736,524号;同第5,679,647号;WO 98/04720に記
載されている。DNAベースの送達技術の例としては、「裸のDNA」、促進された(ブ
ピバカイン(bupivicaine)、ポリマー、ペプチド媒介)送達、カチオン性脂
質複合体、および粒子媒介送達(「遺伝子銃」)または圧力媒介送達(例えば、米国特許
第5,922,687号を参照のこと)を含む。
治療的または予防的な免疫の目的のために、本発明のタンパク質は、ウイルスベクター
または細菌ベクターを介して発現され得る。本発明の実施において使用され得る種々のウ
イルス遺伝子送達系としては、ワクシニアウイルス、鶏痘ウイルス、カナリア痘ウイルス
、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、アデノ随伴ウイルス、レ
ンチウイルス、およびシンドビスウイルス(例えば、Restifo、1996、Cur
r.Opin.Immunol.8:658−663;Tsangら,J.Natl.C
ancer Inst.87:982−990(1995)を参照のこと)が挙げられる
が、これらに限定されない。非ウイルス送達系もまた、抗腫瘍応答を誘導するために患者
に、98P4B6関連タンパク質をコードする裸のDNAを(例えば筋内または皮内で)
導入することにより利用され得る。
ワクチンウイルスは、例えば、本発明のペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現
するためのベクターとして使用される。宿主への導入の際に、組換えワクチンウイルスは
、タンパク質免疫原性ペプチドを発現し、そしてこれによって、宿主免疫応答を惹起する
。免疫プロトコルにおいて有用なワクチンベクターおよび方法は、例えば、米国特許第4
,722,848号に記載されている。別のベクターは、BCG(Bacille Ca
lmette Guerin)である。BCGベクターは、Stoverら,Natur
e 351:456−460(1991)に記載されている。本発明のペプチドの治療的
投与または免疫のための有用な、広範な種々の他のベクター(例えば、アデノウイルスベ
クターおよびアデノ関連ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、Salmonel
la typhiベクター、無毒化炭疽毒素ベクターなど)は、本明細書の記載から当業
者に明らかである。
従って、遺伝子送達系は、98P4B6関連核酸分子を送達するために使用される。一
つの実施形態において、全長ヒト98P4B6 cDNAを使用する。別の実施形態にお
いて、特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)および/または抗体エピトープをコード
する98P4B6核酸分子を使用する。
(エキソビボワクチン)
種々のエキソビボストラテジーを利用して、免疫応答もまた発生させ得る。一つのアプ
ローチは、患者の免疫系に対して98P4B6抗原を提示する樹状細胞(DC)のような
抗原提示細胞(APC)の使用に関する。樹状細胞は、MHCクラスI分子およびMHC
クラスII分子、B7補助刺激因子、ならびにIL−12を発現し、従って、高度に特異
的な抗原提示細胞である。前立腺癌において、前立腺特異的膜抗原(PSMA)のペプチ
ドによりパルスされる自己樹状細胞が、前立腺癌患者の免疫系を刺激するために、フェー
ズI臨床試験において使用される(Tjoaら,1996,Prostate 28:6
5−69;Murphyら,1996,Prostate 29:371−380)。従
って、樹状細胞は、MHCクラスI分子またはMHCクラスII分子の内容物中で、98
P4B6ペプチドをT細胞に提示するために使用され得る。一つの実施形態において、自
己樹状細胞は、MHCクラスI分子および/またはMHCクラスII分子に結合し得る9
8P4B6ペプチドでパルスされる。別の実施形態において、樹状細胞は、完全98P4
B6タンパク質でパルスされる。なお別の実施形態は、当該分野で公知の種々の実行ベク
ターを使用する樹状細胞中で、98P4B6遺伝子の過剰発現を操作することに関する(
例えば、アデノウイルス(Arthurら,1997,Cancer Gene The
r.4:17−25)、レトロウイルス(Hendersonら,1996,Cance
r Res.56:3763−3770)、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルス、DN
Aトランスフェクション(Ribasら,1997,Cancer Res.57:28
65−2869)、または腫瘍誘導RNAトランスフェクション(Ashleyら,19
97,J.Exp.Med.186:1177−1182))。98P4B6を発現する
細胞はまた、免疫調節因子(例えば、GM−CSF)を発現するように操作され得、そし
て免疫剤として使用され得る。
(X.B.抗体ベースの治療のための標的としての98P4B6)
98P4B6は、抗体ベースの治療ストラテジーのための魅力的な標的である。多数の
抗体ストラテジーは、細胞外分子と細胞内分子との両方を標的とするために、当該分野で
公知である(例えば、補体媒介性死滅およびADCC媒介性死滅ならびにイントラボディ
での使用を参照のこと)。98P4B6は、対応する正常な細胞に対する種々の系統の癌
細胞によって発現されるので、免疫活性組成物を非標的器官および組織に結合することに
よって生じる、毒性効果、非特異的効果および/または非標的効果なしで、優れた感受性
を示す、98P4B6免疫反応性組成物の全身投与を調製する。98P4B6のドメイン
と特異的に反応する抗体は、毒素または治療剤との結合体としてか、または細胞増殖また
は細胞機能を阻害し得る裸の抗体としてのいずれかで、全身的に98P4B6を発現する
癌を処置するために有用である。
98P4B6抗体は、その抗体が98P4B6に結合し、そして機能(例えば、結合パ
ートナーとの相互作用)を調節し、そして結果として腫瘍細胞の破壊を媒介し、そして/
または腫瘍細胞の増殖を阻害するように、患者に導入され得る。このような抗体が治療効
果を発揮する機構は、補体媒介性細胞溶解、抗体依存性細胞性細胞傷害、98P4B6の
生理学的機能を調節すること、リガンド結合またはシグナル伝達経路を阻害すること、腫
瘍細胞分化を調節すること、腫瘍脈管形成因子プロフィールを変化させること、および/
またはアポトーシスを包含し得る。
当業者は、抗体が、免疫原性分子(例えば、図2または図3に示される98P4B6配
列の免疫原性領域)を特異的に標的化および結合するために使用され得ることを理解する
。さらに、当業者は、抗体を細胞傷害性薬剤に結合体化することは慣用的であることを理
解する(例えば、Sleversら,Blood 93:11 3678−3684(1
999年6月1日)を参照のこと)。細胞傷害性薬剤および/または治療剤が、例えば、
この細胞(例えば、98P4B6)によって発現される分子に対して特異的な抗体にそれ
らの薬剤を結合体化させることによって、細胞に直接送達される場合、この細胞傷害性薬
剤は、それらの細胞上において公知の生物学的効果(例えば、細胞傷害性)を発揮する。
抗体−細胞傷害性薬剤結合体を使用して細胞を死滅させるための広範な種々の組成物お
よび方法が、当該分野で公知である。癌の状況において、代表的な方法は、腫瘍を有する
動物に、生物学的に有効な量の結合体を投与する工程を包含し、この結合体は、発現され
たか、結合に接触可能か、または細胞表面上に局在化された、マーカー(例えば、98P
4B6)に結合する標的薬剤(例えば、抗98P4B6抗体)に連結される、選択された
細胞傷害性薬剤および/または治療剤を含む。代表的な実施形態は、細胞傷害性薬剤およ
び/または治療剤を、98P4B6を発現する細胞に送達する方法であり、この方法は、
98P4B6エピトープに免疫特異的に結合する抗体に細胞傷害性薬剤を結合体化させる
工程、および抗体−薬剤結合体に細胞を曝露する工程を包含する。別の例示的な実施形態
は、転移癌に罹患していると疑われる個体を処置する方法であり、この方法は、細胞傷害
性薬剤および/または治療剤に結合体化された、治療有効量の抗体を含む薬学的組成物を
個体に非経口的に投与する工程を包含する。
抗98P4B6抗体を使用する癌免疫治療は、他の型の癌の処置に首尾良く使用されて
いる種々のアプローチに従ってなされ得、この癌としては、以下が挙げられるが、これら
に限定されない:結腸癌(Arlenら、1998、Crit.Rev.Immunol
.18:133〜138)、多発性骨髄腫(Ozakiら、1997、Blood 90
:3179〜3186;Tsunenariら、1997、Blood 90:2437
〜2444)、胃癌(Kasprzykら、1992、Cancer Res.52:2
771〜2776)、B細胞リンパ腫(Funakoshiら、1996、J.Immu
nother.Emphasis Tumor Immunol.19:903〜101
)、白血病(Zhongら、1996、Leuk.Res.20:581〜589)、結
腸直腸癌(Mounら、1994、Cancer Res.54:6160〜6166;
Veldersら、1995、Cancer Res.55:4398〜4403)、お
よび乳癌(Shepardら、1991、J.Clin.Immunol.11:117
〜127)。いくつかの治療アプローチは、毒素または放射性同位体への裸の抗体の結合
(例えば、抗CD20抗体へのY91またはI131の結合(例えば、Zevalin
、IDEC Pharmaceuticals Corp.、またはBexxarTM
、Coulter Pharmaceuticals)を含むが、一方他のアプローチは
、抗体と他の治療薬剤との(例えば、HerceptinTM(トラスツズマブ(tra
stuzumab)とパクリタキセル(Genentech,Inc.)との)共投与を
含む。その抗体は、治療剤と結合体化され得る。前立腺癌の処置のために、例えば、98
P4B6抗体が、照射、化学療法またはホルモン切除と組み合わせて、投与され得る。ま
た、抗体は、カリチェアミシン(例えば、MylotargTM、Wyeth−Ayer
st、Madison、NJ)(抗腫瘍抗生物質カリチェアミシンに結合体化された組換
えヒト化IgGκ抗体)のような毒素またはマイタンシノイド(例えば、タキサンベー
ス腫瘍活性プロドラッグ,TAP,platform,ImmunoGen,Gambr
idge,MA;また例えば米国特許第5,416,064号を参照)に対し、結合体化
され得る。
98P4B6抗体治療は、癌の全てのステージに対して有用であるが、抗体治療は、進
行癌または転移癌において特に適切であり得る。本発明の抗体治療を用いた処置は、1回
以上の化学療法を受けている患者のために示される。あるいは、本発明の抗体療法は、化
学療法処置を受けていない患者のために、化学療法レジメンまたは照射レジメンと組み合
わせられる。さらに、抗体療法は、減少した量の同時化学療法の使用を、特に、その化学
療法薬剤の毒性をあまり許容しない患者にとって、可能にし得る。Fanら(Cance
r Res.53:4637−4642、1993)、Prewettら(Intern
ational J.of Onco.9:217−224、1996)、およびHan
cockら(Cancer Res.51:4575−4580、1991)は、化学療
法剤とともに種々の抗体の用途を述べている。
98P4B6抗体治療は、癌の全てのステージに対して有用であるが、抗体治療は、進
行癌または転移癌において特に適切であり得る。本発明の抗体治療を用いた処置は、1回
以上の化学療法を受けている患者のために示される。あるいは、本発明の抗体療法は、化
学療法処置を受けていない患者のために、化学療法レジメンまたは放射線照射レジメンと
組み合わせられる。さらに、抗体療法は、減少した量の同時化学療法の使用を、特に、そ
の化学療法薬剤の毒性をあまり許容しない患者にとって、可能にし得る。
癌患者は、好ましくは、腫瘍組織の免疫組織化学的評価、定量的98P4B6画像化、
または98P4B6発現の存在および程度を確かに示す他の技術を使用して、98P4B
6発現の存在およびレベルについて評価され得る。腫瘍生検または外科的標本の免疫組織
化学分析が、この目的に好ましい。腫瘍組織の免疫組織化学的分析のための方法は、当該
分野で周知である。
前立腺癌および他の癌を処置する抗98P4B6モノクローナル抗体としては、その腫
瘍に対する強力な免疫応答を示す抗体、または直接細胞傷害性である抗体が挙げられる。
これに関して、抗98P4B6モノクローナル抗体(mAb)は、補体媒介性細胞傷害ま
たは抗体依存性細胞傷害(ADCC)のいずれかの機構によって、腫瘍細胞溶解を惹起し
得、これらの機構の両方が、補体タンパク質上のエフェクター細胞Fcレセプター部位と
の相互作用のために、その免疫グロブリン分子のインタクトなFc部分を必要とする。さ
らに、腫瘍増殖に対して直接の生物学的効果を発揮する抗98P4B6 mAbが、98
P4B6を発現する癌を処置するのに有用である。直接的に細胞傷害性mAbが作用する
機構としては、細胞増殖の阻害、細胞分化の調節、腫瘍脈管形成因子プロフィールの調節
、およびアポトーシスの誘導が、挙げられる。特定の抗98P4B6 mAbが抗腫瘍効
果を発揮する機構は、当該分野で一般的に公知であるように、ADCC、ADMMC、補
体媒介性細胞溶解などの細胞死を評価する、任意の数のインビトロアッセイを使用して、
評価される。
何人かの患者において、マウスモノクローナル抗体または他の非ヒトモノクローナル抗
体の使用、あるいはヒト/マウスキメラmAbの使用が、非ヒト抗体に対する中程度〜強
力な免疫応答を誘導し得る。これは、循環からの抗体のクリアランスおよび減少した効力
をもたらし得る。最も深刻な場合において、このような免疫応答は、潜在的に腎不全を引
き起こし得る、免疫複合体の広範な形成をもたらし得る。従って、本発明の治療方法にお
いて使用される好ましいモノクローナル抗体は、高い親和性で標的98P4B6抗原に特
異的に結合するが、患者において低い抗原性を示すかまたは全く抗原性を示さない、完全
ヒト抗体またはヒト化抗体のいずれかである。
本発明の治療法は、単一の抗98P4B6 mAbの投与、ならびに異なるmAbの組
み合わせまたはカクテルの投与を企図する。このようなmAbカクテルは、それらが、異
なるエピトープを標的とするmAb含むか、異なるエフェクター機構を使用するか、また
は免疫エフェクター機能に依存するmAbと直接細胞傷害性mAbを組み合わせるので、
特定の利点を有し得る。組み合わせたこのようなmAbは、相乗的治療効果を示し得る。
さらに、抗98P4B6 mAbは、種々の化学療法薬剤、アンドロゲンブロッカー、免
疫調節因子(例えば、IL−2、GM−CSF)、手術または放射線を含むがこれらに限
定されない、他の治療薬剤と同時に投与され得る。抗98P4B6 mAbは、その「裸
」の形態または非結合形態で投与され得るか、あるいはそれらに結合した治療薬剤を有し
得る。
抗98P4B6抗体処方物は、腫瘍細胞に抗体を送達し得る任意の経路を介して投与さ
れる。投与の経路としては、静脈内経路、腹腔内経路、筋肉内経路、腫瘍内経路、皮内経
路などが挙げられるが、これらに限定されない。処置は一般的に、代表的に、約0.1m
g/kg体重、0.2mg/kg体重、0,3mg/kg体重、0,4mg/kg体重、
0,5mg/kg体重、0,6mg/kg体重、0,7mg/kg体重、0,8mg/k
g体重、0,9mg/kg体重、1mg/kg体重、2mg/kg体重、3mg/kg体
重、4mg/kg体重、5mg/kg体重、6mg/kg体重、7mg/kg体重、8m
g/kg体重、9mg/kg体重、10mg/kg体重、15mg/kg体重、20mg
/kg体重または25mg/kg体重の範囲の用量で、受容可能な投与経路(例えば、静
脈内注射(IV))を介する、抗98P4B6抗体調製物の反復投与を含む。一般に、1
週間に10〜1000mg mAbの範囲の用量が、効果的であり得かつ十分に許容され
得る。
転移性乳癌の処置においてHerceptinTM mAbを用いる臨床実験に基づい
て、抗98P4B6 mAb調製物の約4mg/kg患者体重(IV)の初回負荷用量に
引き続いて、約2mg/kg(IV)の毎週の用量が、受容可能な投薬レジメンを示す。
好ましくは、この初回負荷用量が、90分以上の注入として投与される。その初回用量が
十分に許容された場合、定期的維持用量が、30分以上の注入として投与される。当業者
が理解するように、種々の因子が、特定の場合における理想的な用量レジメンに影響し得
る。このような因子としては、例えば、使用されるAbまたはmAbの結合親和性および
半減期、患者における98P4B6発現の程度、循環する放出された(shed)98P
4B6抗原の程度、所望される定常状態の抗体濃度レベル、処置の頻度、および本発明の
処置方法と組み合わせて使用される化学療法薬剤または他の因子の影響、ならびに特定の
患者の健康状態が、挙げられる。
必要に応じて、患者は、最も有効な投与レジメンなどの決定を補助するために、所定の
サンプル中の98P4B6のレベル(例えば、循環する98P4B6抗原および/または
98P4B6発現細胞のレベル)について評価されるべきである。このような評価はまた
、治療全体を通じてモニタリング目的で使用され、そして他のパラメーター(例えば、膀
胱癌治療における尿細胞学および/またはImmunoCytレベル、あるいは、類推さ
れるところによれば、前立腺癌治療における血清PSAレベル)を評価することと組合せ
て治療的成功を評価するために有用である。
抗イディオタイプ抗98P4B6抗体はまた、抗癌療法において、98P4B6関連タ
ンパク質を発現する細胞に対する免疫応答を誘導するためのワクチンとして使用され得る
。詳細には、抗イディオタイプ抗体の生成は、当該分野で周知であり;この方法論は、9
8P4B6関連タンパク質上のエピトープを模倣する抗イディオタイプ抗98P4B6抗
体を生成するように容易に適合され得る(例えば、Wagnerら、1997、Hybr
idoma 16:33〜40;Foonら、1995、J.Clin.Invest.
96:334〜342;Herlynら、1996、Cancer Immunol.I
mmunother.43:65〜76を参照のこと)。このような抗イディオタイプ抗
体は、癌ワクチンストラテジーにおいて使用され得る。
(X.C.)細胞免疫応答についての標的としての98P4B6)
本明細書に記載される、免疫原的に有効量の1つ以上のHLA結合ペプチドを含むワク
チンおよびこのワクチンを調製する方法は、本発明のさらなる実施形態である。さらに、
本発明に従うワクチンは、本願ペプチドのうちの1つ以上の組成物を含む。ペプチドは、
ワクチンにおいて個々に存在し得る。あるいは、そのペプチドは、同じペプチドの複数コ
ピーを含むホモポリマーとして、または種々のペプチドのヘテロポリマーとして、存在し
得る。ポリマーは、増加した免疫学的反応の利点を有し、そして異なるペプチドエピトー
プがポリマーを構成するために使用される場合、免疫応答のために標的化される病原性生
物または腫瘍関連ペプチドの異なる抗原決定基と反応する抗体および/またはCTLを誘
導するというさらなる能力を有する。この組成物は、抗原の天然に存在する領域に存在し
得るか、または例えば、組換えもしくは化学合成によって調製され得る。
本発明のワクチンとともに使用され得るキャリアは、当業者に周知であり、そして例え
ば、サイログロブリン、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、破傷風トキソイド
、ポリアミノ酸(例えば、ポリL−リジン、ポリL−グルタミン酸)、インフルエンザ、
B型肝炎ウイルスコアタンパク質などが挙げられる。ワクチンは、生理学的に許容可能(
すなわち、受容可能)な希釈剤(例えば、水、または生理食塩水、好ましくは、リン酸緩
化衝生理食塩水)を含み得る。ワクチンはまた、代表的に、アジュバントを含む。不完全
フロイントアジュバント、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、またはミョウバン
のようなアジュバントは、当該分野で周知の材料の例である。さらに、本明細書中で開示
されるように、CTL応答は、本発明のペプチドを脂質(例えば、トリパルミトイル−S
−グリセリルシステイニルセリル−セリン(PCSS))に結合体化することによって
、初回刺激され得る。さらに、アジュバント(例えば、合成シトシン−ホスホロチオール
化グアニン含有(CpG)オリゴヌクレオチド)は、CTL応答を10〜100倍増加す
ることが見出された(例えば、DavilaおよびCelis、J.Immunol.1
65:539〜547(2000)を参照のこと)。
注射、エアロゾル、経口経路、経皮経路、経粘膜経路、胸内経路、髄腔内経路、または
他の適切な経路による、本発明に従うペプチド組成物での免疫に際して、宿主の免疫系は
、所望の抗原に特異的な大量のCTLおよび/またはHTLを産生することによって、ワ
クチンに応答する。結果として、宿主は、後の98P4B6抗原を発現するかまたは過剰
発現する細胞の発生に対して、少なくとも部分的に免疫になるか、あるいはその抗原が腫
瘍関連であった場合、少なくともいくつかの治療的利益を導く。
いくつかの実施形態において、クラスIペプチド成分を、標的抗原に対する中和抗体お
よび/またはヘルパーT細胞応答を誘導するかまたは促進する成分と組み合わせることが
、望ましくあり得る。このような組成物の好ましい実施形態は、本発明に従うクラスIエ
ピトープおよびクラスIIエピトープを含む。このような組成物の代替の実施形態は、交
差反応性HTLエピトープ(例えば、PADRETM(Epimmune、San Di
ego、CA)分子(例えば、米国特許第5,736,142号に記載される))ととも
に、本発明に従うクラスIエピトープおよび/またはクラスIIエピトープを含む。
本発明のワクチンはまた、抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞(DC))を、
本発明のペプチドを提示するためのビヒクルとして含み得る。樹状細胞を動員(mobi
lization)し、そして収集し、これによって、樹状細胞の負荷をインビトロで生
じさせた後に、ワクチン組成物が、インビトロで作製され得る。例えば、樹状細胞は、例
えば、本発明に従うミニ遺伝子でトランスフェクトされるか、またはペプチドでパルスさ
れる。次いで、樹状細胞は、インビボで免疫応答を惹起するために患者に投与され得る。
ワクチン組成物(DNAベースまたはペプチドベースのいずれか)はまた、樹状細胞動員
と組み合わせてインビボで投与され得、これによって、樹状細胞の負荷がインビボで生じ
る。
好ましくは、以下の原理が、ワクチンにおける使用のためにポリエピトープ組成物中に
含まれるために、あるいはワクチンに含まれるべきそして/または核酸(例えば、ミニ遺
伝子)によってコードされるべき別々のエピトープを選択するために、一群のエピトープ
を選択する場合に利用される。以下の原理のそれぞれが、選択を行うためにバランスをと
られることが好ましい。所定のワクチン組成物に組み込まれるマルチエピトープは、その
エピトープが由来するネイティブ抗原において連続した配列であり得るが、そうである必
要はない。
1.)投与のとき、腫瘍クリアランスと相関することが観測された免疫応答を模倣する
エピトープが、選択される。HLAクラスIについて、これは、少なくとも1つの腫瘍関
連抗原(TAA)に由来する3〜4個のエピトープを含む。HLAクラスIIについて、
類似の原理が使用される;再び、3〜4個のエピトープが、少なくとも1つのTAAから
選択される(例えば、Rosenbergら、Science 278:1447〜14
50を参照のこと)。1つのTAA由来のエピトープは、1つ以上のさらなるTAA由来
のエピトープと組み合わせて使用されて、頻繁に発現されるTAAの種々の発現パターン
を有する腫瘍を標的化するワクチンを産生し得る。
2.)免疫原性と関連することが確証された必須の結合親和性を有するエピトープが選
択される:HLAクラスIについて、500nM以下(しばしば、200nM以下)のI
50;およびクラスIIについて、1000nM以下のIC50
3.)十分なスーパーモチーフ保有ペプチド、または十分な群の対立遺伝子特異的モチ
ーフ保有ペプチドが、広い集団範囲を与えるように選択される。例えば、少なくとも80
%の集団範囲を有することが好ましい。モンテカルロ解析(当該分野で公知の統計的評価
)を使用して、集団範囲の幅または重複性を評価し得る。
4.)癌関連抗原由来のエピトープが選択される場合、アナログを選択することがしば
しば有用である。なぜなら、この患者は、ネイティブのエピトープに対して寛容性を発生
し得るからである。
5.)「ネスト化エピトープ(nested epitope)」と呼ばれるエピトー
プが、特に適切である。ネスト化エピトープは、少なくとも2つのエピトープが所定のペ
プチド配列で重なる場合に生じる。ネスト化ペプチド配列は、B細胞エピトープ、HLA
クラスIエピトープおよび/またはHLAクラスIIエピトープを含み得る。ネスト化エ
ピトープを提供する場合、一般的な目的は、配列当たり最も多くの数のエピトープを提供
することである。従って、1つの局面は、ペプチド中のアミノ末端エピトープのアミノ末
端およびカルボキシル末端エピトープのカルボキシル末端よりもいくらか長いペプチドを
提供することを避けることである。マルチエピトープ配列(例えば、ネスト化エピトープ
を含む配列)を提供する場合、病理学的または他の有害な生物学的特性を有さないことを
保証するために、配列をスクリーニングすることが一般的に重要である。
6.)ポリエピトープタンパク質を作製する場合、またはミニ遺伝子を作製する場合、
目的のエピトープを含む最小のペプチドを作製することが、目的である。この原理は、ネ
スト化エピトープを含むペプチドを選択する場合に使用される原理と同じでない場合、類
似する。しかし、人工ポリエピトープペプチドを用いる場合、サイズ最小化の目的は、ポ
リエピトープタンパク質中のエピトープ間に任意のスペーサー配列を組み込む必要性に対
してバランスがとられる。例えば、スペーサーアミノ酸残基は、接合エピトープ(jun
ctional epitope)(免疫系によって認識され、標的抗原中に存在せず、
かつエピトープの人工並置によってのみ作製される、エピトープ)を避けるためにか、ま
たはエピトープ間の切断を容易にし、それによって、エピトープ提示を増強するために、
導入され得る。接合エピトープは、一般的に、避けられるべきである。なぜなら、レシピ
エントは、その非ネイティブなエピトープに対する免疫応答を生成し得るからである。「
優性エピトープ」である接合エピトープが特に興味深い。優性エピトープは、他のエピト
ープに対する免疫応答が減少されるかまたは抑制されるような強い(zealous)応
答を導き得る。
7.)同じ標的タンパク質の複数の改変体の配列が存在する場合、潜在的なペプチドエ
ピトープはまた、それらの保存性に基づいて選択され得る。例えば、保存性についての基
準は、HLAクラスI結合ペプチドの配列全体またはクラスII結合ペプチドの9マーの
コア全体が、特定のタンパク質抗原について評価される配列の指定された割合で保存され
ることを規定し得る。
(X.C.1.)ミニ遺伝子ワクチン)
複数のエピトープの共送達を可能にする多くの異なるアプローチが利用可能である。本
発明のペプチドをコードする核酸は、本発明の特に有用な実施形態である。ミニ遺伝子中
へ含めるためのエピトープは、好ましくは、先の節に記載されるガイドラインに従って選
択される。本発明のペプチドをコードする核酸を投与する好ましい手段は、本発明の1つ
のエピトープまたはマルチエピトープを含むペプチドをコードするミニ遺伝子構築物を使
用する。
マルチエピトープミニ遺伝子の使用は、以下およびIshiokaら、J.Immun
ol.162:3915〜3925、1999;An,L.およびWhitton,J.
L.,J.Virol.71:2292,1997;Thomson,S.A.ら、J.
Immunol.157:822,1996;Whitton,J.L.ら、J.Vir
ol.67:348,1993;Hanke,R.ら、Vaccine 16:426,
1998に記載される。例えば、98P4B6由来のスーパーモチーフ保有エピトープお
よび/またはモチーフ保有エピトープをコードするマルチエピトープDNAプラスミド、
PADRE(登録商標)ユニバーサルヘルパーT細胞エピトープ(または98P4B6由
来の複数のHTLエピトープ)、および小胞体トランスロケーションシグナル配列が操作
され得る。ワクチンはまた、他のTAA由来のエピトープを含み得る。
マルチエピトープミニ遺伝子の免疫原性は、試験されるエピトープに対するCTL誘導
応答の大きさを評価するためにトランスジェニックマウスで確認され得る。さらに、イン
ビボでのDNAコードエピトープの免疫原性は、DNAプラスミドをトランスフェクトさ
れた標的細胞に対する特定のCTL株のインビトロ応答と相関し得る。従って、これらの
実験は、ミニ遺伝子が、1)CTL応答を生成すること、および2)誘導されたCTLが
、コードされたエピトープを発現する細胞を認識したことの両方に役立つことを示し得る
例えば、ヒト細胞における発現のために選択されたエピトープ(ミニ遺伝子)をコード
するDNA配列を作製するために、エピトープのアミノ酸配列は、逆翻訳され得る。ヒト
コドン使用頻度表は、各アミノ酸に対するコドン選択の指針のために使用され得る。これ
らのエピトープコードDNA配列は、直接隣接し得、その結果、翻訳された場合に、連続
したポリペプチド配列が作製される。発現および/または免疫原性を最適化するために、
さらなるエレメントが、ミニ遺伝子設計に組み込まれ得る。ミニ遺伝子配列に逆翻訳され
得、そして含まれ得るアミノ酸配列の例としては、以下が挙げられる:HLAクラスIエ
ピトープ、HLAクラスIIエピトープ、抗体エピトープ、ユビキチン化シグナル配列、
および/または小胞体標的化シグナル。さらに、CTLエピトープおよびHTLエピトー
プのHLA提示は、CTLエピトープまたはHTLエピトープに隣接する、合成(例えば
、ポリ−アラニン)または天然に存在する隣接配列を含むことによって改善され得る;エ
ピトープを含むこれらのより大きなペプチドは、本発明の範囲内である。
ミニ遺伝子配列は、ミニ遺伝子のプラス鎖をコードするオリゴヌクレオチドおよびマイ
ナス鎖をコードするオリゴヌクレオチドを組み立てることによって、DNAに変換され得
る。重複オリゴヌクレオチド(30〜100塩基長)は、周知技術を使用して、適切な条
件下で、合成され得、リン酸化され得、精製され得、そしてアニーリングされ得る。オリ
ゴヌクレオチドの末端は、例えば、T4 DNAリガーゼを使用して結合され得る。次い
で、この合成ミニ遺伝子(エピトープポリペプチドをコードする)は、所望の発現ベクタ
ーにクローン化され得る。
当業者に周知の標準的な調節配列は、好ましくは、標的細胞における発現を確実にする
ためにベクターに含まれる。いくつかのベクターエレメント:ミニ遺伝子挿入のための下
流クローニング部位を有するプロモーター;効率的な転写終結のためのポリアデニル化シ
グナル;E.coli複製起点;およびE.coli選択マーカー(例えば、アンピシリ
ン耐性またはカナマイシン耐性)が、望ましい。多くのプロモーター(例えば、ヒトサイ
トメガロウイルス(hCMV)プロモーター)がこの目的のために使用され得る。他の適
切なプロモーター配列について、例えば、米国特許第5,580,859号および同第5
,589,466号を参照のこと。
さらなるベクター改変は、ミニ遺伝子発現および免疫原性を最適化するために所望され
得る。いくつかの場合において、イントロンは、効率的な遺伝子発現に必要とされ、そし
て1つ以上の合成イントロンまたは天然に存在するイントロンが、ミニ遺伝子の転写領域
に組み込まれ得る。mRNA安定化配列および哺乳動物細胞における複製のための配列を
含ませることもまた、ミニ遺伝子発現を増加するために考慮され得る。
一旦、発現ベクターが選択されると、ミニ遺伝子は、プロモーターの下流のポリリンカ
ー領域にクローン化される。このプラスミドは、適切なE.coli株に形質転換され、
そしてDNAは、標準的な技術を使用して調製される。ミニ遺伝子の方向およびDNA配
列、ならびにベクターに含まれる全ての他のエレメントは、制限マッピングおよびDNA
配列分析を使用して確認される。正しいプラスミドを有する細菌細胞は、マスター細胞バ
ンクおよび作業細胞バンクとして保存され得る。
さらに、免疫刺激配列(ISSまたはCpG)は、DNAワクチンの免疫原性において
役割を果たすようである。これらの配列は、免疫原性を増強することが望ましい場合に、
ミニ遺伝子コード配列の外側で、ベクターに含まれ得る。
いくつかの実施形態において、ミニ遺伝子コードエピトープおよび第2タンパク質(免
疫原性を増強または減少するために含まれる)の両方の産生を可能にする二シストロン性
(bi−cistronic)発現ベクターが使用され得る。共発現される場合に免疫応
答を有利に増強し得るタンパク質またはポリペプチドの例としては、サイトカイン(例え
ば、IL−2、IL−12、GM−CSF)、サイトカイン誘導分子(例えば、LeIF
)、副刺激分子、または、HTL応答について、pan−DR結合タンパク質(PADR
TM、Epimmune、San Diego、CA)が挙げられる。ヘルパー(HT
L)エピトープが、細胞内標的化シグナルに結合され得、そして発現されるCTLエピト
ープから別々に発現され得る;これは、CTLエピトープとは異なる細胞区画へのHTL
エピトープの方向付けを可能にする。必要とされる場合、これは、HTLエピトープがH
LAクラスII経路へより効率的に進入するのを促進し得、それによって、HTL誘導を
改善する。HTL誘導またはCTL誘導と対照的に、免疫抑制分子(例えば、TGF−β
)の共発現によって免疫応答を特異的に減少させることは、特定の疾患において有益であ
り得る。
治療量のプラスミドDNAが、例えば、E.coliにおける発酵、続く精製によって
生成され得る。作業細胞バンクからのアリコートを使用して、増殖培地に播種し、そして
周知技術に従って振盪器フラスコまたはバイオリアクターで飽和するまで増殖させる。プ
ラスミドDNAが、QIAGEN,Inc.(Valencia,California
)によって供給される固相アニオン交換樹脂のような標準的な生物分離技術を使用して精
製され得る。必要な場合、スーパーコイルDNAが、ゲル電気泳動または他の方法を使用
して、開環状形態および直鎖状形態から単離され得る。
精製プラスミドDNAは、種々の処方物を使用して注射のために調製され得る。これら
のうち最も簡単なものは、滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中での凍結乾燥されたD
NAの再構成である。このアプローチ(「裸(naked)のDNA」として公知である
)は、臨床試験における筋肉内(IM)投与のために現在使用されている。ミニ遺伝子D
NAワクチンの免疫治療効果を最大にするために、精製プラスミドDNAを処方するため
の代替方法が、望ましくあり得る。種々の方法が記載され、そして新規な技術が利用可能
となり得る。カチオン性脂質、糖脂質、および膜融合(fusogenic)リポソーム
もまた、処方物中で使用され得る(例えば、WO93/24640;Mannino &
Gould−Fogerite、BioTechniques 6(7):682(1
988);米国特許第5,279,833号;WO91/06309;およびFelgn
erら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA84:7413(1987)
を参照のこと)。さらに、保護性の相互作用性非凝縮化合物(PINC)として総称され
るペプチドおよび化合物もまた、安定性、筋肉内分散性、あるいは特定の器官または細胞
型への輸送のような変数に影響するように、精製プラスミドDNAに複合体化され得る。
標的細胞感作は、ミニ遺伝子コードCTLエピトープの発現およびHLAクラスI提示
についての機能性アッセイとして使用され得る。例えば、プラスミドDNAは、標準的な
CTLクロム放出アッセイのための標的として適切な哺乳動物細胞株に導入される。使用
されるトランスフェクション方法は、最終処方物に依存する。エレクトロポレーションは
、「裸」のDNAのために使用され得るが、カチオン性脂質は、直接的なインビトロトラ
ンスフェクションを可能とする。緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するプラスミドは
、蛍光細胞分離分析装置(FACS)を使用して、トランスフェクトされた細胞の濃縮を
可能にするために共トランスフェクトされ得る。次いで、これらの細胞は、クロム−51
51Cr)標識され、そしてエピトープ特異的CTL株に対する標的細胞として使用さ
れる;細胞溶解(51Cr放出によって検出される)は、ミニ遺伝子コード化CTLエピ
トープの産生およびHLA提示の両方を示す。HTLエピトープの発現は、HTL活性を
評価するためのアッセイを使用して、類似の様式で評価され得る。
インビボ免疫原性は、ミニ遺伝子DNA処方物の機能試験についての第2のアプローチ
である。適切なヒトHLAタンパク質を発現するトランスジェニックマウスを、DNA産
物を用いて免疫する。用量および投与経路は、処方物依存である(例えば、PBS中のD
NAについてIM、脂質複合体化DNAについて腹腔内(i.p.))。免疫の21日後
、脾細胞を収集し、そして試験される各エピトープをコードするペプチドの存在下で1週
間、再刺激する。その後、CTLエフェクター細胞について、標準的技術を使用して、ペ
プチド負荷51Cr標識標的細胞の細胞溶解についてのアッセイを行う。ミニ遺伝子コー
ドエピトープに対応するペプチドエピトープを負荷されたHLAによって感作された標的
細胞の溶解は、CTLのインビボ導入についてのDNAワクチン機能を実証する。HTL
エピトープの免疫原性は、類似の方法で、トランスジェニックマウスにおいて確認される
あるいは、核酸は、例えば、米国特許第5,204,253号に記載されるように、弾
道的(ballistic)送達を使用して投与され得る。この技術を使用して、DNA
のみから構成される粒子が投与される。さらなる代替の実施形態において、DNAは、粒
子(例えば、金粒子)に付着され得る。
ミニ遺伝子はまた、当該分野で周知の他の細菌送達系またはウイルス送達系を使用して
送達され得る(例えば、本発明のエピトープをコードする発現構築物が、ワクシニアのよ
うなウイルスベクターに組み込まれ得る)。
(X.C.2.)CTLペプチドとヘルパーペプチドとの組合せ)
本発明のCTLペプチドを含むワクチン組成物は、所望の属性(例えば、改善された血
清半減期、広げられた集団適用範囲、または増強された免疫原性)を提供するように改変
(例えば、アナログ化)され得る。
例えば、ペプチドがCTL活性を誘導する能力は、ペプチドを、Tヘルパー細胞応答を
誘導し得る少なくとも1つのエピトープを含む配列に連結することによって増強され得る
。CTLペプチドは直接Tヘルパーペプチドに連結され得るが、しばしば、CTLエピト
ープ/HTLエピトープ結合体は、このスペーサー分子によって連結される。このスペー
サーは、代表的に、比較的小さな中性の分子(例えば、アミノ酸またはアミノ酸模倣物)
(これは、生理学的条件下において、実質的に荷電されていない)から構成される。この
スペーサーは、代表的に、例えば、Ala、Gly、あるいは非極性アミノ酸または中性
極性アミノ酸の他の中性スペーサーから選択される。必要に応じて存在するスペーサーが
同じ残基から構成される必要はなく、従って、ヘテロオリゴマーであっても、またはホモ
オリゴマーであってもよいことが、理解される。存在する場合、スペーサーは、通常、少
なくとも1つまたは2つの残基、より通常には、3〜6個の残基、ときどき、10以上の
残基である。CTLペプチドエピトープは、CTLペプチドのアミノ末端またはカルボキ
シ末端のいずれかにおいて、直接的またはスペーサーを介してのいずれかで、Tヘルパー
ペプチドに連結され得る。免疫原性ペプチドまたはTヘルパーペプチドのいずれかのアミ
ノ末端は、アシル化され得る。
特定の実施形態において、Tヘルパーペプチドは、遺伝的に多様な集団の大部分に存在
するTヘルパー細胞によって認識されるペプチドである。これは、HLAクラスII分子
の多く、ほとんど、または全てに結合するペプチドを選択することによって、達成され得
る。多くのHLAクラスII分子に結合するこのようなアミノ酸の例は、破傷風トキソイ
ドの830〜843位QYIKANSKFIGITE(配列番号44)、Plasmod
ium falciparumサーカムスポロゾイト(circumsporozoit
e)(CS)タンパク質の378〜398位DIEKKIAKMEKASSVFNVVN
S(配列番号45)、およびStreptococcus 18kDタンパク質の116
〜131位GAVDSILGGVATYGAA(配列番号46)のような抗原由来の配列
を含む。他の例としては、DR 1−4−7スーパーモチーフ、またはDR3モチーフの
いずれかを有するペプチドが挙げられる。
あるいは、天然に見出されないアミノ酸配列を使用して、緩いHLA拘束様式で、Tヘ
ルパーリンパ球を刺激し得る合成ペプチドを調製することが可能である(例えば、PCT
公開WO95/07707を参照のこと)。Pan−DR結合エピトープ(例えば、PA
DRETM、Epimmune,Inc.,San Diego,CA)と呼ばれるこれ
らの合成化合物は、大部分のHLA−DR(ヒトHLAクラスII)分子に最も好ましく
は結合するように設計される。例えば、式:XKXVAAWTLKAAX(配列番号47
)(ここで、「X」は、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、またはチロシンの
いずれかであり、そしてaは、D−アラニンまたはL−アラニンのいずれかである)を有
するpan−DR結合エピトープペプチドは、大部分のHLA−DR対立遺伝子に結合し
、そしてそれらのHLA型に関わりなく、大部分の個体由来のTヘルパーリンパ球の応答
を刺激することが見出された。pan−DR結合エピトープの代替物は、全て「L」天然
アミノ酸を含み、そしてこのエピトープをコードする核酸の形態で提供され得る。
HTLペプチドエピトープはまた、それらの生物学的特性を変更するために改変され得
る。例えば、これらは、プロテアーゼに対するそれらの耐性を増加し、従って、それらの
血清半減期を拡大するために、D−アミノ酸を含むように改変され得るか、あるいはこれ
らは、それらの生物学的活性を増加させるために、脂質、タンパク質、糖質などのような
他の分子に結合され得る。例えば、Tヘルパーペプチドは、アミノ末端またはカルボキシ
ル末端のいずれかにおいて、1つ以上のパルミチン酸に結合体化され得る。
(X.C.3.)CTLペプチドとT細胞プライミング剤との組合せ)
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物中に、Bリンパ球またはTリンパ
球をプライミングする少なくとも1つの成分を含むことが、望ましくあり得る。脂質は、
CTLをインビボでプライミングし得る薬剤として同定されている。例えば、パルミチン
酸残基は、リジン残基のε−アミノ基およびα−アミノ基に結合され得、次いで、例えば
、Gly、Gly−Gly−、Ser、Ser−Serなどのような1つ以上の連結残基
を介して、免疫原性ペプチドに連結され得る。次いで、脂質化ペプチドは、ミセルまたは
粒子状態で直接的に投与され得るか、リポソームに組み込まれ得るか、またはアジュバン
ト(例えば、不完全フロイントアジュバント)中で乳化され得るかのいずれかであり得る
。好ましい実施形態において、特に有効な免疫原性組成物は、Lysのε−アミノ基およ
びα−アミノ基に結合されたパルミチン酸(これは、免疫原性ペプチドのアミノ末端に連
結(例えば、Ser−Ser)を介して結合される)を含む。
CTL応答の脂質プライミングの別の例として、E.coliリポタンパク質(例えば
、トリパルミトイル−S−グリセリルシステイニルセリル−セリン(PCSS))は、
適切なペプチドに共有結合された場合、ウイルス特異的CTLをプライミングするために
使用され得る(例えば、Deresら、Nature 342:561,1989を参照
のこと)。本発明のペプチドは、例えば、PCSSに結合され得、そしてこのリポペプ
チドは、標的抗原に対する免疫応答を特異的にプライミングするために個体に投与され得
る。さらに、中和抗体の導入がまたPCSS結合エピトープを用いてプライミングされ
得るので、2つのこのような組成物は、体液性応答および細胞媒介性応答の両方をより効
率的に惹起するように組み合わせられ得る。
(X.C.4.)CTLペプチドおよび/またはHTLペプチドでパルスされたDCを
含むワクチン組成物)
本発明に従うワクチン組成物の実施形態は、患者血液由来のPBMC、またはそれら由
来の単離されたDCに対する、エピトープ保有ペプチドのカクテルのエキソビボ投与を含
む。DCの収集を容易にする薬物(例えば、ProgenipoietinTM(Pha
rmacia−Monsanto,St.Louis,MO)またはGM−CSF/IL
−4)が使用され得る。DCをペプチドでパルスした後、そして患者に再注入する前に、
未結合ペプチドを除去するためにDCを洗浄する。この実施形態において、ワクチンは、
それらの表面に、HLA分子を複合体化したパルスされたペプチドエピトープを提示する
、ペプチドパルス化DCを含む。
DCは、ペプチドのカクテルを用いてエキソビボでパルスされ得、これらのうちのいく
つかは、98P4B6に対するCTL応答を刺激する。必要に応じて、ヘルパーT細胞(
HTL)ペプチド(例えば、天然または人工の緩く拘束されたHLAクラスIIペプチド
)は、CTL応答を促進するために含められ得る。従って、本発明に従うワクチンは、9
8P4B6を発現するかまたは過剰発現する癌を処置するために、使用される。
(X.D.)養子免疫療法)
抗原性98P4B6関連ペプチドは、エキソビボでCTL応答および/またはHTL応
答もまた惹起するために使用される。得られるCTL細胞またはHTL細胞は、他の従来
の形式の治療に応答しない患者の腫瘍、または本発明に従う治療ワクチンペプチドにも治
療ワクチン核酸にも応答しない患者の腫瘍を処置するために、使用され得る。特定の抗原
に対するエキソビボCTL応答またはHTL応答は、組織培養物中において、患者のまた
は遺伝的に適合性の、CTL前駆細胞またはHTL前駆細胞を、抗原提示細胞(APC)
(例えば、樹状細胞)の供給源および適切な免疫原性ペプチドとともにインキュベートす
ることによって、誘導される。適切なインキュベーション時間(代表的には、約7〜28
日)(ここで、前駆細胞が、活性化され、そしてエフェクター細胞へと増殖する)後に、
細胞は、患者に注入して戻され、ここで、これらは、特定の標的細胞(例えば、腫瘍細胞
)を破壊する(CTL)か、または破壊を促進する(HTL)。トランスフェクトされた
樹状細胞はまた、抗原提示細胞として使用され得る。
(X.E.)治療目的または予防目的のためのワクチンの投与)
本発明の薬学的組成物およびワクチン組成物は、代表的に、98P4B6を発現するか
または過剰発現する癌を処置および/または予防するために使用される。治療適用におい
て、ペプチド組成物および/または核酸組成物は、抗原に対して有効なB細胞応答、CT
L応答および/またはHTL応答を誘発し、そして症状および/または合併症を治癒する
かあるいは少なくとも部分的に停止または遅延させるのに十分な量で、患者に投与される
。これを達成するのに適切な量は、「治療的有効用量」として規定される。この使用のた
めの有効量は、例えば、投与される特定の組成物、投与方法、処置される疾患の病期およ
び重篤度、患者の体重および全身状態、ならびに処方する医師の判断に依存する。
薬学的組成物について、本発明の免疫原性ペプチド、またはそれらをコードするDNA
は、一般的に、98P4B6を発現する腫瘍をすでに有する個体に投与される。ペプチド
またはそれらをコードするDNAは、個々に、または1つ以上のペプチド配列の融合物と
して、投与され得る。患者は、適切なように、別々にまたは他の処置(例えば、外科手術
)とともに、免疫原性ペプチドを用いて処置され得る。
治療的使用のために、投与は、一般的に、98P4B6関連癌の第1の診断にて開始す
べきである。この後、少なくとも症状が実質的に停止するまで、そしてその後の一定期間
の間、用量を追加免疫することが続く。患者に送達されるワクチン組成物の実施形態(す
なわち、ペプチドカクテル、ポリエピトープポリペプチド、ミニ遺伝子、またはTAA特
異的CTLまたはパルスされた樹状細胞のような実施形態を含むが、これらに限定されな
い)は、疾患の病期または患者の健康状態に従って、変化し得る。例えば、98P4B6
を発現する腫瘍を有する患者において、98P4B6特異的CTLを含むワクチンは、代
替の実施形態よりも進行した疾患を有する患者において腫瘍細胞を殺す際に、より有効で
あり得る。
細胞傷害性T細胞応答を有効に刺激するのに十分な投与の様式によって送達される一定
量のペプチドエピトープを提供することが、一般的に重要である;ヘルパーT細胞応答を
刺激する組成物はまた、本発明のこの実施形態に従って、与えられ得る。
最初の治療免疫のための投薬量は、一般的に、下限値が約1μg、5μg、50μg、
500μg、または1,000μgであり、かつ上限値が約10,000μg;20,0
00μg;30,000μg;または50,000μgである単位用量範囲で存在する。
ヒトのための投薬量値は、代表的に、70kgの患者当たり、約500μg〜約50,0
00μgの範囲である。数週間〜数ヶ月にわたるブーストレジメンに従って、約1.0μ
g〜約50,000μgの間のブースト投薬量のペプチドが、患者の血液から得られたC
TLおよびHTLの比活性を測定することによって決定されるような患者の応答および状
態に依存して、投与され得る。投与は、少なくとも臨床的症状または実験室の試験によっ
て、新生物形成が、排除されたかまたは減少されたことを示すまで、そしてその後の一定
期間、続けられるべきである。投薬量、投与の経路、および投与スケジュールは、当該分
野に公知の方法論に従って調整される。
特定の実施形態において、本発明のペプチドおよび組成物は、重篤な疾患状態(すなわ
ち、生命を脅かすかまたは潜在的に生命を脅かす状態)で使用される。このような場合、
本発明の好ましい組成物では、外来性物質が最小量でありそしてペプチドが比較的非毒性
の性質であることの結果として、これらの記載された投薬量と比較してかなり過剰のこれ
らのペプチド組成物を投与することが可能であり、そして処置する医師によって望ましく
感じられ得る。
本発明のワクチン組成物はまた、純粋に予防薬剤として使用され得る。一般的に、初回
予防免疫のための投薬量は一般に、低い値が約1μg、5μg、50μg、500μgま
たは1000μgでありかつ高い値が約10,000μg;20,000μg;30,0
00μg;または50,000μgである単位投薬量範囲で存在する。ヒトのための投薬
量の値は、代表的に、70kgの患者あたりで約500μg〜約50,000μgの範囲
である。これに続いて、初回のワクチン投与から約4週間後〜6ヵ月後の規定された間隔
で、約1.0μg〜約50,000μgの間のペプチドのブースト投薬量が投与される。
ワクチンの免疫原性は、患者の血液サンプルから得られるCTLおよびHTLの比活性を
測定することによって評価され得る。
治療処置のための薬学的組成物は、非経口投与、局所(topical)投与、経口投
与、経鼻投与、髄腔内投与、または局部(local)投与(例えば、クリームまたは局
部軟膏として)のために意図される。好ましくは、この薬学的組成物は、非経口的(例え
ば、静脈内、皮下的、皮内、または筋内)に投与される。従って、本発明は、受容可能な
キャリア(好ましくは、水性キャリア)中に溶解または懸濁された免疫原性ペプチドの溶
液を含む、非経口投与のための組成物を提供する。
種々の水性キャリア(例えば、水、緩衝化水、0.8%生理食塩水、0.3%グリシン
、ヒアルロン酸など)が使用され得る。これらの組成物は、従来からの周知の滅菌技術に
よって滅菌され得るか、または濾過滅菌され得る。得られた水溶液は、使用のためにその
状態のままでパッケージされ得るか、または凍結乾燥され得る(この凍結乾燥された調製
物は、投与前に滅菌溶液と合わせられる)。
この組成物は、必要に応じて、生理的条件に近づけるために、薬学的に受容可能な補助
物質(例えば、pH調整剤および緩衝化剤、張度調整剤、湿潤剤、防腐薬など(例えば、
酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、モ
ノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミンなど))を含み得る。
薬学的処方物における本発明のペプチドの濃度は、広範に(すなわち、重量で、約0.
1%未満から、通常は、約2%であるかもしくは少なくとも約2%から、20%〜50%
ほど多くまで、またはそれより多くまで)変動し得、そして選択された特定の投与様式に
従って、主に流体容量、粘度などにより選択される。
組成物のヒト単位用量形態は、代表的に、ヒト単位用量の受容可能なキャリア(1つの
実施形態では、水性キャリア)を含む薬学的組成物中に含まれ、そしてヒトへのこのよう
な組成物の投与のために使用されることが当業者に公知(例えば、Remington’
s Pharmaceutical Sciences,第17版,編者A.Genna
ro,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvan
ia,1985を参照のこと)の容量/量で投与される。例えば、初回免疫のためのペプ
チド用量は、70kgの患者について、約1〜約50,000μg、一般的には、100
〜5,000μgであり得る。例えば、核酸については、初回免疫は、裸の核酸の形態で
発現ベクターを使用して実施され得、複数の部位に0.5〜5mgの量でIM(またはS
CもしくはID)投与され得る。核酸(0.1〜1000μg)もまた、遺伝子銃を使用
して投与され得る。3〜4週間のインキュベーション期間後に、次いで、ブースター用量
が投与される。ブースターは、5×10〜5×10pfuの用量で投与される組換え
鶏痘ウイルスであり得る。
抗体について、処置は一般に、静脈内注射(IV)のような受容可能な投与経路を介し
て、代表的には約0.1〜約10mg/kg体重の範囲の用量で、抗98P4B6抗体調
製物を反復投与することを包含する。一般的には、1週間あたり10〜500mg mA
bの範囲の用量が有効であり、かつ十分に許容される。さらに、抗98P4B6 mAb
調製物を、IVで約4mg/kg患者体重の初回負荷用量で与え、次いで毎週、IVで約
2mg/kgの用量を与えることは、受容可能な投薬レジメンを表す。当業者に理解され
るように、種々の要因が、特定の場合における理想的な用量に影響を及ぼし得る。このよ
うな要因としては、例えば、組成物の半減期、Abの結合親和性、物質の免疫原性、患者
における98P4B6の発現程度、循環しているシェッド(shed)98P4B6抗原
の程度、所望される定常状態の濃度レベル、処置の頻度、および本発明の処置方法と組み
合わせて使用される化学療法剤または他の薬剤の影響、ならびに特定の患者の健康状態が
挙げられる。限定されない好まれるヒト単位の用量は、例えば、500μl〜1mg、1
mg〜50mg、50mg〜100mg、100mg〜200mg、200mg〜300
mg、400mg〜500mg、500mg〜600mg、600〜700mg、700
mg〜800mg、800mg〜900mg、900mg〜1g、または1mg〜700
mgである。特定の実施形態においては、用量は、以下の範囲である、2〜5mg/kg
体重(例えば、毎週1〜3mg/kgの用量);0.5mg、1、2、3、4、5、6、
7、8、9、10mg/kg体重(例えば、毎週の用量で2、3または4週間;0.5〜
10mg/kg体重(例えば、毎週の用量で2、3または4週間;毎週の体範囲の225
、250、275、300、325、350、375、400mg m;毎週の体範囲
の1〜600mg m;毎週の体範囲の225〜400mg m;これらは、2、3
、4、5、6、7、8、9、19、11、12またはそれ以上の週の間、毎週の用量によ
って実施され得る。
1つの実施形態では、ポリヌクレオチドのヒト単位投与形態は、任意の治療的効果を与
える適切な投薬量範囲または有効量を含む。当業者に理解されるように、治療的効果は、
ポリヌクレオチドの配列、ポリヌクレオチドの分子量、および投与経路を含む多数の要因
に依存する。投薬は一般的に、症状の重篤度、患者の病歴などのような、当該分野で公知
の種々のパラメーターに従って、医師または他の医療専門家により選択される。一般的に
は、約20塩基のポリヌクレオチドについて、投薬範囲は、例えば、約0.1、0.25
、0.5、1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、10
0、200、300、400または500mg/kgのような独立して選択される下限か
ら、その下限よりも大きな約60、80、100、200、300、400、500、7
50、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、70
00、8000、9000または10,000mg/kgの独立して選択される上限まで
の中から選択され得る。例えば、用量は、以下のほぼいずれかでもよい:0.1〜100
mg/kg、0.1〜50mg/kg、0.1〜25mg/kg、0.1〜10mg/k
g、1〜500mg/kg、100〜400mg/kg、200〜300mg/kg、1
〜100mg/kg、100〜200mg/kg、300〜400mg/kg、400〜
500mg/kg、500〜1000mg/kg、500〜5000mg/kg、または
500〜10,000mg/kg。一般的に、非経口的な投与経路は、疾患組織に対する
より直接的なヌクレオチドの適用(増加する長さのポリヌクレオチドで行う場合)と比較
して、より多い用量のポリヌクレオチドを必要とし得る。
1つの実施形態では、T細胞のヒト単位投与形態は、任意の治療的効果を与える適切な
投薬量範囲または有効量を含む。当業者に理解されるように、治療的効果は、多数の要因
に依存する。投薬量は一般的に、症状の重篤度、患者の病歴などのような、当該分野で公
知の種々のパラメーターに従って、医師または他の医療専門家により選択される。用量は
、約10細胞〜約10細胞、約10細胞〜約10細胞、約10細胞〜約10
細胞、または約10細胞〜約5×1010細胞であり得る。用量はまた、約10
胞/m〜約1010細胞/m、または約10細胞/m〜約10細胞/mであ
り得る。
本発明のタンパク質(1つまたは複数)および/またはそのタンパク質(1つまたは複
数)をコードする核酸はまた、リポソームを介して投与され得、それらはまた以下のため
に役立ち得る:1)リンパ系組織のような特定組織へのタンパク質(1つまたは複数)の
標的化;2)疾患細胞に対する選択的な標的化;または、3)ペプチド組成物の半減期の
増加。リポソームとしては、エマルジョン、泡沫体(foam)、ミセル、不溶性単層、
液晶、リン脂質分散体、層状層などが挙げられる。これらの調製物において、送達される
ペプチドは、単独でかあるいはリンパ系細胞に蔓延しているレセプターに結合する分子(
例えば、CD45抗原に結合するモノクローナル抗体)と組み合わせてかまたは他の治療
用組成物もしくは免疫原性組成物と組み合わせて、リポソームの部分として組み込まれる
。従って、本発明の所望のペプチドを充填しているかまたは施されているかのいずれかの
リポソームは、リンパ系細胞の部位に指向され得、次いで、このリンパ系細胞に、リポソ
ームはペプチド組成物を送達する。本発明に従って使用するためのリポソームは、標準的
な小胞形成脂質から形成され、これは一般的に、中性リン脂質および負に荷電したリン脂
質、ならびにステロール(例えば、コレステロール)を含む。脂質の選択は一般的に、例
えば、リポソームのサイズ、酸不安定性、および血流中でのリポソームの安定性の考慮に
より導かれる。リポソームを調製するためには、例えば、Szokaら、Ann.Rev
.Biophys.Bioeng.9:467(1980)ならびに米国特許第4,23
5,871号、同第4,501,728号、同第4,837,028号、および同第5,
019,369号に記載されているように、種々の方法が利用可能である。
免疫系の細胞を標的化するために、リポソームに取り込まれるべきリガンドとしては、
例えば、所望される免疫系細胞の細胞表面決定基に特異的な抗体またはそのフラグメント
が挙げられ得る。ペプチドを含むリポソーム懸濁物は、静脈内、局部的、局所的などによ
って、とりわけ投与様式、送達されるペプチド、および処置される疾患の病期に従って変
動する用量において投与され得る。
固形組成物については、従来の非毒性の固形キャリアが使用され得、これには、例えば
、製薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリ
ウムサッカリン、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなど
が挙げられる。経口投与のために、薬学的に受容可能な非毒性の組成物は、任意の通常使
用される賦形剤(例えば、先に列挙されたキャリアなど)と、一般的に10〜95%の活
性成分(すなわち、本発明の1つ以上のペプチド)そしてより好ましくは、25%〜75
%の濃度の活性成分とを組み込むことによって形成される。
エアロゾル投与のために、免疫原性ペプチドは好ましくは、界面活性剤および噴霧剤と
共に細かく分割された形態で供給される。ペプチドの代表的なパーセンテージは、約0.
01重量%〜20重量%、好ましくは、約1%〜10%である。当然ながら、界面活性剤
は非毒性でなければならず、そして好ましくは、噴霧剤に可溶性でなければならない。こ
のような薬剤の代表例は、脂肪族多価アルコールまたはその環状無水物を有する、約6〜
22個の炭素原子を含む脂肪酸(例えば、カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリック酸(olesteri
c acid)、およびオレイン酸)のエステルおよび部分エステルである。混合エステ
ル(例えば、混合グリセリドまたは天然のグリセリド)が使用され得る。界面活性剤は、
その組成物の約0.1重量%〜20重量%、好ましくは、約0.25〜5%を構成し得る
。組成物の残りは通常、噴霧剤である。キャリアもまた、例えば、鼻腔内送達のためのレ
シチンの場合のように、所望の場合に含まれ得る。
(XI.)98P4B6の診断的実施形態および予後的実施形態)
本明細書中で開示されるように、98P4B6ポリヌクレオチド、98P4B6ポリペ
プチド、98P4B6反応性の細胞傷害性T細胞(CTL)、98P4B6反応性のヘル
パーT細胞(HTL)および抗ポリペプチド抗体は、癌のような調節不全性の細胞増殖と
関連した状態、特に、表Iに列挙された癌(例えば、その組織発現の特異的パターン、な
らびに、例えば、「正常組織、および患者標本における98P4B6の発現分析」と表題
を付けられた実施例に記載されているような特定の癌におけるその過剰発現の両方を参照
のこと)を試験する周知の診断的アッセイ、予後的アッセイ、および治療的アッセイにお
いて使用される。
98P4B6は、前立腺関連抗原であるPSAに類似し得る。PSAは、前立腺癌の存
在を同定およびモニターするために数年間にわたり医療従事者により使用されてきた原型
マーカーである(例えば、Merrillら,J.Urol.163(2):503−5
120(2000);Polascikら,J.Urol.Aug;162(2):29
3−306(1999)およびFortierら,J.Nat.Cancer Inst
.91(19):1635−1640(1999)を参照のこと)。種々の他の診断マー
カーもまた、同様の状況下で使用され、これらにはp53およびK−rasが挙げられる
(例えば、Tulchinskyら,Int J Mol Med 1999 Jul
4(1):99−102およびMinimotoら,Cancer Detect Pr
ev 2000;24(1):1−12を参照のこと)。従って、98P4B6ポリヌク
レオチドおよび98P4B6ポリペプチド(ならびに、これらの分子の存在を同定するた
めに使用される98P4B6ポリヌクレオチドプローブおよび抗98P4B6抗体)なら
びにそれらの特性に関する本開示により、当業者は、使用された方法と類似した方法にお
いて(例えば、癌に関連した状態を試験することに関する種々の診断アッセイにおいて)
これらの分子を利用することが可能となる。
98P4B6ポリヌクレオチド、98P4B6ポリペプチド、98P4B6と反応性の
T細胞および抗体を利用する診断方法の代表的な実施形態は、例えば、PSAポリヌクレ
オチド、PSAポリペプチドならびにPSAと反応性のT細胞および抗体を使用する十分
に確立された診断アッセイ由来の方法と類似する。例えば、PSAの過剰発現または前立
腺癌の転移をモニターする方法において、PSA mRNAの存在および/またはレベル
を観察するために、まさしくPSAポリヌクレオチドを、プローブ(例えば、ノーザン分
析において(例えば、Shariefら、Biochem.Mol.Biol.Int.
33(3):567〜74(1994)を参照のこと))およびプライマー(例えば、P
CR分析において(例えば、Okegawaら、J.Urol.163(4):1189
〜1190(2000)を参照のこと))として使用するように、本明細書中に記載され
る98P4B6ポリヌクレオチドは、98P4B6の過剰発現またはこの遺伝子を発現す
る前立腺癌および他の癌の転移を検出するために、同じ様式で利用され得る。あるいは、
まさしくPSAポリペプチドを使用してPSAに特異的な抗体を生成し、次いで、この抗
体を、PSAタンパク質の過剰発現(例えば、Stephanら、Urology 55
(4):560〜3(2000)を参照のこと)または前立腺細胞の転移(例えば、Al
anenら、Pathol.Res.Pract.192(3):233〜7(1996
)を参照のこと)をモニターする方法においてPSAタンパク質の存在および/またはレ
ベルを観察するために使用し得るように、本明細書中に記載される98P4B6ポリペプ
チドは、98P4B6の過剰発現またはこの遺伝子を発現する前立腺細胞および他の癌細
胞の転移の検出する際に使用するための抗体を生成するために使用され得る。
詳細には、転移は、元々の器官(例えば、肺または前立腺など)から身体の異なる領域
(例えば、リンパ節)への癌細胞の移動を包含するので、98P4B6ポリヌクレオチド
および/または98P4B6ポリペプチドを発現する細胞の存在について生物学的サンプ
ルを試験するアッセイが、転移の証拠を提供するために使用され得る。例えば、98P4
B6発現細胞を通常含まない組織(リンパ節)由来の生物学的サンプルが、LAPC4お
よびLAPC9(それぞれ、リンパ節および骨の転移から単離された異種移植片)に見ら
れる98P4B6発現のような、98P4B6発現細胞を含むことが見出される場合、こ
の発見は転移を示す。
あるいは、98P4B6ポリヌクレオチドおよび/または98P4B6ポリペプチドは
、例えば、通常98P4B6を発現しないかまたは異なるレベルで98P4B6を発現す
る生物学的サンプル中の細胞が、98P4B6を発現するかまたは98P4B6の増加し
た発現を有することが見出された場合(例えば、表Iに列挙された癌および添付の図面に
示される患者サンプルなどにおける98P4B6の発現を参照のこと)に、癌の証拠を提
供するために使用され得る。このようなアッセイにおいて、当業者は、(98P4B6に
加えて)第二の組織制限マーカー(例えば、PSA、PSCAなど)の存在について生物
学的サンプルを試験することによって、転移に関する補足的な証拠を生み出すことをさら
に所望し得る(例えば、Alanenら、Pathol.Res.Pract.192(
3):233−237(1996)を参照のこと)。
まさしくPSAポリヌクレオチドフラグメントおよびPSAポリヌクレオチド改変体が
、PSAをモニターする方法における使用のために当業者によって利用されるように、9
8P4B6ポリヌクレオチドフラグメントおよび98P4B6ポリヌクレチド改変体は、
類似の様式で使用される。特に、PSAをモニターする方法において使用される代表的な
PSAポリヌクレオチドは、PSA cDNA配列のフラグメントから構成されるプロー
ブまたはプライマーである。これを例にとると、PSAポリヌクレオチドをPCR増幅す
るために使用されるプライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応において機能するように、PS
A配列全体よりも短い配列を含まなくてはならない。このようなPCR反応の状況におい
て、当業者は一般に、目的のポリヌクレオチドの異なる部分を増幅するためにかまたは増
幅反応を最適化するためにプライマーとして使用され得る、種々の異なるポリヌクレオチ
ドフラグメントを作製する(例えば、Caetano−Anolles,G.Biote
chniques 25(3):472−476,478−480(1998);Rob
ertsonら,Methods Mol.Biol.98:121−154(1998
)を参照のこと)。このようなフラグメントの使用のさらなる例示が、「正常組織、およ
び患者被験体における98P4B6の発現分析」と表題を付けられた実施例に提供され、
ここで、98P4B6ポリヌクレオチドフラグメントは、癌細胞における98P4B6
RNAの発現を示すためのプローブとして使用される。さらに、改変体ポリヌクレオチド
配列は、代表的に、PCR分析およびノーザン分析において、対応するmRNAについて
のプライマーおよびプローブとして使用される(例えば、Sawaiら,Fetal D
iagn.Ther.1996 Nov−Dec;11(6):407−13およびCu
rrent Protocols In Molecular Biology,Vol
ume 2,Unit 2,Frederick M.Ausubelら編,1995を
参照のこと)。ポリヌクレオチドフラグメントおよび改変体は、それらが、高ストリンジ
ェンシー条件下で、標的ポリヌクレオチド配列(例えば、図2に示される98P4B6ポ
リヌクレオチドまたはその改変体)に結合し得る状況下において有用である。
さらに、抗体によって認識され得るエピトープを含むPSAポリペプチドまたはそのエ
ピトープに特異的に結合するT細胞が、PSAをモニターする方法において使用される。
98P4B6ポリペプチドフラグメント、および98P4B6ポリペプチドアナログまた
は改変体もまた、類似の様式で使用され得る。ポリペプチドフラグメントまたはポリペプ
チド改変体を使用して抗体(例えば、抗PSA抗体またはT細胞)を生成するこの実施は
、開業医によって使用されている融合タンパク質のような広範な種々の系と共に当該分野
の技術において代表的である(例えば、Current Protocols In M
olecular Biology,Volume 2,Unit 16,Freder
ick M.Ausubelら編,1995を参照のこと)。この状況において、各エピ
トープ(単数または複数)は、抗体またはT細胞と反応性である構造体を提供するように
機能する。代表的に、当業者は、目的のポリペプチドの異なる部分に特異的な免疫応答を
生成するために使用され得る種々の異なるポリペプチドフラグメントを生成する(例えば
、米国特許第5,840,501号および米国特許第5,939,533号を参照のこと
)。例えば、本明細書中に考察される98P4B6の生物学的モチーフまたは当該分野で
利用可能なモチーフに基づいて当業者により容易に同定されるモチーフ保有部分配列の1
つを含むポリペプチドを利用することが好適であり得る。ポリペプチドのフラグメント、
改変体またはアナログは代表的に、これらが標的ポリペプチド配列(例えば、図3に示さ
れる98P4B6ポリペプチド)に特異的な抗体またはT細胞を生成し得るエピトープを
含む限りにおいて、この状況で有用である。
本明細書中に示されるように、98P4B6ポリヌクレオチドおよび98P4B6ポリ
ペプチド(ならびに、これらの分子の存在を同定するために使用される98P4B6ポリ
ヌクレオチドプローブおよび抗98P4B6抗体またはT細胞)は、表Iに列挙された癌
のような癌を診断することにおいてそれらを有用なものとする特異的特性を示す。前立腺
癌のような、本明細書中に記載の疾患状態の存在または発症を評価するために、98P4
B6遺伝子産物の存在を測定する診断アッセイは、PSAを用いて非常に首尾よく行われ
ているように、予防的な測定またはさらなるモニタリングのための患者を同定するために
使用される。さらに、これらの物質は、例えば、前立腺起源の転移の明確な診断がPSA
のみについての試験に基づいてなされ得ず(例えば、Alanenら、Pathol.R
es.Pract.192(3):233−237(1996)を参照のこと)、そして
その結果、98P4B6ポリヌクレオチドおよび98P4B6ポリペプチド(ならびに、
これらの分子の存在を同定するために使用される98P4B6ポリヌクレオチドプローブ
および抗98P4B6抗体)のような物質が、前立腺起源の転移を確認するために使用さ
れることが必要である状況において、PSAに対して類似した特徴または補足的な特徴を
有する分子についての当該分野での必要性を満たす。
最後に、診断アッセイにおけるそれらの使用に加えて、本明細書中に開示される98P
4B6ポリヌクレオチドは、98P4B6遺伝子がマッピングされる染色体領域(「98
P4B6の染色体マッピング」と表題を付けられた以下の実施例を参照のこと)における
オンコジーン関連染色体異常の同定におけるそれらの使用のような、多くの他の用途を有
する。さらに、診断アッセイにおけるそれらの使用に加えて、本明細書中に開示される9
8P4B6関連タンパク質および98P4B6関連ポリヌクレオチドは、起源未知の組織
の法医学的分析におけるそれらの使用のような他の有用性を有する(例えば、Takah
ama K Forensic Sci Int 1996 Jun 28;80(1−
2):63−9を参照のこと)。
さらに、本発明の98P4B6関連タンパク質または98P4B6関連ポリヌクレオチ
ドを使用して、98P4B6の過剰発現により特徴付けられる病理学的状態を処置し得る
。例えば、図2もしくは図3のアミノ酸配列もしくは核酸配列、またはいずれかのフラグ
メントを使用して、98P4B6抗原に対する免疫応答を生成し得る。98P4B6と反
応性の抗体または他の分子を使用して、この分子の機能を調節し得、それにより治療的利
益を提供し得る。
(XII.)98P4B6タンパク質機能の阻害)
本発明は、98P4B6のその結合パートナーへの結合を阻害するためまたは他のタン
パク質(単数または複数)とのその結合を阻害するための種々の方法および組成物、なら
びに、98P4B6の機能を阻害するための方法を含む。
(XII.A.)細胞内抗体を用いた98P4B6の阻害)
1つのアプローチにおいて、98P4B6に特異的に結合する単鎖抗体をコードする組
換えベクターが、98P4B6を発現する細胞へと遺伝子移入技術を介して導入される。
それにより、そのコードされた単鎖抗98P4B6抗体は細胞内で発現され、98P4B
6タンパク質に結合し、そしてそれによりその機能を阻害する。このような細胞内単鎖抗
体を操作するための方法は周知である。このような細胞内抗体(「内部抗体(intra
body)」としても公知)は、その細胞内の特定の区画に特異的に標的化され、その処
置の阻害活性が焦点をあわせられる箇所に対する制御を与える。この技術は、当該分野で
首尾良く適用されている(概説として、RichardsonおよびMarasco、1
995、TIBTECH、第13巻を参照のこと)。内部抗体は、他の豊富な細胞表面レ
セプターの発現を実質的に排除することが示されている(例えば、Richardson
ら、1995、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:3137〜31
41;Beerliら、1994、J.Biol.Chem.289:23931〜23
936;Deshaneら、1994、Gene Ther.1:332〜337を参照
のこと)。
単鎖抗体は、可撓性のリンカーポリペプチドにより連結された重鎖および軽鎖の可変ド
メインを含み、そして単一のポリペプチドとして発現される。必要に応じて、単鎖抗体は
、その軽鎖定常領域に連結された単鎖可変領域フラグメントとして発現される。周知の細
胞内輸送シグナルが、内部抗体を所望の細胞内区画に対して正確に標的化するために、こ
のような単鎖抗体をコードする組換えポリヌクレオチドベクター中に操作される。例えば
、小胞体(ER)に標的化された内部抗体は、リーダーペプチドを組み込むように、そし
て必要に応じて、C末端ER保持シグナル(例えば、KDELアミノ酸モチーフ)を組み
込むように、操作される。核において活性を発揮することが意図される内部抗体は、核局
在化シグナルを含むように操作される。脂質部分が、形質膜の細胞質ゾル側に内部抗体を
つなぐために、その内部抗体に連結される。内部抗体はまた、細胞質ゾルにおいて機能を
発揮するように標的化され得る。例えば、細胞質ゾル内部抗体を使用して、細胞質ゾル内
に因子を隔離し、それによりそれらの因子がその天然での細胞中の目的地に輸送されるこ
とを防ぐ。
1つの実施形態では、内部抗体を使用して、核に98P4B6を捕捉し、それにより核
内でその活性を妨げる。核標的化シグナルが、所望の標的化を達成するために、このよう
な98P4B6内部抗体に操作される。このような98P4B6内部抗体は、特定の98
P4B6ドメインに特異的に結合するように設計される。別の実施形態において、98P
4B6タンパク質に特異的に結合する細胞質ゾル内部抗体を使用して、98P4B6が核
に近づくことを妨げ、それにより、98P4B6が、核内においていかなる生物学的活性
を発揮することをも妨げる(例えば、98P4B6が他の因子と転写複合体を形成するの
を妨げる)。
このような内部抗体の発現を特定の細胞に特異的に指向するために、その内部抗体の転
写は、適切な腫瘍特異的プロモーターおよび/またはエンハンサーの調節制御下に配置さ
れる。内部抗体の発現を前立腺に特異的に標的化するために、例えば、PSAプロモータ
ーおよび/またはプロモーター/エンハンサーが、利用され得る(例えば、1999年7
月6日付けで発行された、米国特許第5,919,652号を参照のこと)。
(XII.B.)組換えタンパク質を用いた98P4B6の阻害)
別のアプローチにおいて、組換え分子は、98P4B6に結合し、それにより98P4
B6の機能を妨げる。例えば、このような組換え分子は、98P4B6が、その結合パー
トナー(単数または複数)に接近/結合すること、または他のタンパク質(1つまたは複
数)と結合することを防止または阻害する。このような組換え分子は、例えば、98P4
B6特異的抗体分子の反応性部分(単数または複数)を含み得る。特定の実施形態におい
て、98P4B6結合パートナーの98P4B6結合ドメインは、二量体融合タンパク質
へと操作され、これによってこの融合タンパク質は、ヒトIgG(例えば、ヒトIgG1
)のFc部分に連結された2つの98P4B6リガンド結合ドメインを含む。このような
IgG部分は、例えば、C2ドメインおよびC3ドメインならびにヒンジ領域を含み
得るが、C1ドメインは含まない。このような二量体融合タンパク質は、98P4B6
の発現と関連する癌に罹患している患者に可溶性形態で投与され、それによりこの二量体
融合タンパク質は98P4B6に特異的に結合し、そして98P4B6の結合パートナー
との相互作用をブロックする。このような二量体融合タンパク質はさらに、公知の抗体連
結技術を使用して、多量体タンパク質へと組み合わされる。
(XII.C.)98P4B6の転写または翻訳の阻害)
本発明はまた、98P4B6遺伝子の転写を阻害するための種々の方法および組成物を
含む。同様に、本発明はまた、98P4B6 mRNAからタンパク質への翻訳を阻害す
るための方法および組成物を提供する。
1つのアプローチにおいて、98P4B6遺伝子の転写を阻害する方法は、98P4B
6遺伝子を98P4B6アンチセンスポリヌクレオチドと接触させる工程を包含する。別
のアプローチにおいて、98P4B6 mRNAの翻訳を阻害する方法は、98P4B6
mRNAをアンチセンスポリヌクレオチドと接触させる工程を包含する。別のアプロー
チにおいて、98P4B6特異的リボザイムが、98P4B6メッセージを切断し、それ
により翻訳を阻害するために使用される。このようなアンチセンスに基づく方法およびリ
ボザイムに基づく方法はまた、98P4B6遺伝子の調節領域(例えば、98P4B6プ
ロモーターエレメントおよび/またはエンハンサーエレメント)に関し得る。同様に、9
8P4B6遺伝子転写因子を阻害し得るタンパク質が、98P4B6 mRNAの転写を
阻害するために使用される。上述の方法において有用な種々のポリヌクレオチドおよび組
成物が、上記で記載されている。転写および翻訳を阻害するためのアンチセンス分子およ
びリボザイム分子の使用は、当該分野で周知である。
98P4B6の転写活性化を妨害することにより98P4B6の転写を阻害する他の因
子もまた、98P4B6を発現する癌を処置するために有用である。同様に、98P4B
6のプロセシングに干渉する因子は、98P4B6を発現する癌を処置するために有用で
ある。このような因子を利用する癌の処置方法もまた、本発明の範囲内である。
(XII.D.)治療的ストラテジーについての一般的な考慮事項)
遺伝子移入および遺伝子治療の技術が、98P4B6を合成している腫瘍細胞に、治療
用ポリヌクレオチド分子(すなわち、アンチセンス、リボザイム、内部抗体をコードする
ポリヌクレオチド、および他の98P4B6阻害分子)を送達するために使用され得る。
多数の遺伝子治療アプローチが、当該分野で公知である。98P4B6アンチセンスポリ
ヌクレオチド、リボザイム、98P4B6の転写に干渉し得る因子などをコードする組換
えベクターが、このような遺伝子治療アプローチを使用して標的腫瘍細胞に送達され得る
上記の治療的アプローチは、広範な種々の外科的レジメン、化学療法的レジメンまたは
放射線療法レジメンのいずれか1つと組み合わされ得る。本発明の治療的アプローチは、
すべての患者に対して、そして特に、化学療法剤の毒性に十分に耐性ではない患者に対し
て利点となる、化学療法(または他の療法)の減少した投薬量の使用および/またはより
低頻度の投与の使用を可能にし得る。
特定の組成物(例えば、アンチセンス、リボザイム、内部抗体)、またはこのような組
成物の組合せの抗腫瘍活性は、種々のインビトロアッセイ系およびインビボアッセイ系を
使用して評価され得る。治療的活性を評価するインビトロアッセイとしては、細胞増殖ア
ッセイ、軟寒天アッセイおよび腫瘍促進活性を示す他のアッセイ、治療用組成物が結合パ
ートナーへの98P4B6の結合を阻害する程度を決定し得る結合アッセイなどが挙げら
れる。
インビボでは、98P4B6治療用組成物の効力は、適切な動物モデルにおいて評価さ
れ得る。例えば、異種間前立腺癌モデル(ここで、ヒト前立腺癌の外植片または継代され
た異種移植片組織が、免疫無防備状態の動物(例えば、ヌードマウスまたはSCIDマウ
ス)に導入される)が使用され得る(Kleinら、1997,Nature Medi
cine 3:402〜408)。例えば、PCT特許出願WO98/16628および
米国特許第6,107,540号は、原発性腫瘍の発生、微小転移、および疾患の後期段
階に特徴的な骨芽細胞性転移の形成を反復し得るヒト前立腺癌の種々の異種移植片モデル
を記載する。効力は、腫瘍形成、腫瘍後退または転移などの阻害を測定するアッセイを使
用して予測され得る。
アポトーシスの促進を評価するインビボアッセイが、治療用組成物の評価において有用
である。1つの実施形態において、治療用組成物で処置された腫瘍保有マウス由来の異種
移植片は、アポトーシス性病巣の存在について試験され得、そして未処置のコントロール
異種移殖片保有マウスと比較され得る。アポトーシス性病巣が処置マウスの腫瘍に見出さ
れる度合いが、この組成物の治療的効力の指標を提供する。
前述の方法の実施において使用される治療用組成物は、所望の送達方法に適切なキャリ
アを含む薬学的組成物に処方され得る。適切なキャリアとしては、治療用組成物と組み合
わされる場合に、その治療用組成物の抗腫瘍機能を保持し、かつ患者の免疫系と一般に無
反応性である、任意の物質が挙げられる。例としては、任意の多数の標準的な薬学的キャ
リア(例えば、滅菌リン酸緩衝化生理食塩水溶液、静菌水など)が挙げられるがこれに限
定されない(一般には、Remington’s Pharmaceutical Sc
iences(第16版),A.Osal.編、1980を参照のこと)。
治療用処方物は、可溶化され得、そして腫瘍部位に治療用組成物を送達し得る任意の経
路を介して投与され得る。潜在的に有効な投与経路としては、静脈内、非経口、腹腔内、
筋内、腫瘍内、皮内、器官内、同所性(orthotopic)などが挙げられるがこれ
らに限定されない。静脈内注射に好ましい処方物は、保存静菌水、滅菌非保存水の溶液中
および/または注射用0.9%滅菌塩化ナトリウムを含むポリビニルクロリド製またはポ
リエチレン製のバッグ(USP)に希釈された治療用組成物を含む。治療用タンパク質調
製物は、凍結乾燥され得、そして滅菌粉末として、好ましくは減圧下で保存され得、次い
で注射する前に、静菌水(例えば、ベンジルアルコール防腐剤を含む)または滅菌水中で
再構成され得る。
前述の方法を使用する癌の処置についての投薬量および投与プロトコルは、方法および
標的の癌とともに変動し、そして一般に、当該分野で理解される多数の他の要因に依存す
る。
(XIII.)98P4B6の調節因子の同定、性質決定、および使用)
(同定の方法および調節因子の使用)
1つの実施形態において、特定の発現プロフィールを誘導または抑制する、特定の経路
を誘導または抑制する、好ましくは、それによって関連する表現型を生成する、調節因子
を同定するためにスクリーニングを行う。別の実施形態において、特定の状態において重
要な、差次的に発現する遺伝子を同定する場合;個々の遺伝子の発現を変更する(増大さ
せるかまたは減少させる)調節因子を同定するためにスクリーニングを実行する。別の実
施形態において、差次的に発現した遺伝子の発現産物の生物学的機能を変更する調節因子
を同定するためにスクリーニングを実施する。再度、特定の状態での遺伝子の重要性を同
定する際に、その遺伝子産物に結合し、そして/またはその遺伝子産物の生物学的活性を
調節する因子を同定するためにスクリーニングを実施する。
さらに、スクリーニングを、候補薬剤に応答して誘導される遺伝子に対して行う。調節
因子(正常な発現パターンを引き起こす癌発現パターンを抑制する調節因子、または正常
な組織におけるように、遺伝子の発現を引き起こす癌遺伝子の調節因子)を同定した後、
スクリーニングを実施して、薬剤に応答して特異的に調節される遺伝子を同定する。正常
な組織と薬剤で処置した癌組織との間の発現プロフィールの比較により、正常な組織でも
癌組織でも発現されないが、薬剤で処置した組織において発現される、またはその逆の遺
伝子が明らかとなる。これらの薬剤特異的配列は、癌遺伝子または癌タンパク質について
本明細書中で記載される方法により、同定および使用される。特に、これらの配列および
この配列がコードするタンパク質が、薬剤で処置した細胞の作製または同定において使用
される。さらに、抗体が、薬剤誘導性タンパク質に対して惹起され、そして新規の治療剤
を処置した癌組織サンプルに標的化するために使用される。
(調節因子に関連する同定およびスクリーニングアッセイ)
(遺伝子発現に関連するアッセイ)
本発明のタンパク質、核酸および抗体が、スクリーニングアッセイに使用される。癌関
連のタンパク質、抗体、核酸、改変されたタンパク質およびこれらの配列を含む細胞が、
スクリーニングアッセイ(例えば、「遺伝子発現プロフィール」、ポリペプチドの発現プ
ロフィールまたは生物学的機能の変更に対する薬物候補の効果の評価)において使用され
る。一実施形態において、発現プロフィールは、好ましくは、候補薬剤で処置した後の遺
伝子を、発現プロフィールについてモニタリングするために、ハイスループットスクリー
ニング技術と組合せて使用される(例えば、Davis,GFら、J Biol Scr
een 7:69(2002);Zlokarnikら,Science 279:84
−8(1998);Heid,Genome Res 6:986−94,1996)。
癌タンパク質、抗体、核酸、改変されたタンパク質、およびネイティブまたは改変され
た癌タンパク質または遺伝子を含む細胞が、スクリーニングアッセイにおいて使用される
。すなわち、本発明は、本発明の癌タンパク質の癌表現型または生理学的機能を調節する
組成物についてスクリーニングするための方法を包含する。これは、遺伝子自体について
行われるか、あるいは「遺伝子発現プロフィール」または生物学的機能に対する薬物候補
の効果を評価することによって行われる。一実施形態において、発現プロフィールは、好
ましくは、候補薬剤で処理した後のモニタリングを可能にするハイスループットスクリー
ニング技術と組み合わせて使用される。Zlokamik(前出)を参照のこと。
種々のアッセイが、本発明の遺伝子およびタンパク質に対して実施される。個々の核酸
またはタンパク質のレベルについて、アッセイが行われる。すなわち、一旦、特定の遺伝
子が癌においてアップレギュレートされると同定されると、試験化合物が、遺伝子発現を
調節する能力について、または本発明の癌タンパク質への結合についてスクリーニングさ
れる。この状況に置いて、「調節」は、遺伝子発現の増加または減少を含む。調節の好ま
しい量は、正常な組織 対 癌に罹患した組織における遺伝子発現の本来の変化に基づき
、この変化は、少なくとも10%、好ましくは50%、より好ましくは100〜300%
、およびいくつかの実施形態においては300〜1000%またはそれ以上である。従っ
て、遺伝子が、正常な組織と比較して、癌組織において4倍の増加を示す場合、約4倍の
減少が、しばしば所望され;同様に、遺伝子が、正常な組織と比較して、癌組織において
10倍の減少を示す場合、試験化合物による発現における10倍の増加の目標値が、しば
しば所望される。癌において観察される遺伝子発現の型を悪化する調節因子もまた、例え
ば、さらなる分析において、上方制御される標的として有用である。
遺伝子発現の量は、核酸プローブおよび遺伝子発現レベルの定量化を使用してモニタリ
ングされるか、あるいは、遺伝子産物自体が、例えば、癌タンパク質に対する抗体および
標準的な免疫アッセイを使用することによって、モニタリングされる。プロテオミクスお
よび分離技術もまた、発現の定量を可能にする。
(遺伝子発現を改変する化合物を同定するための発現モニタリング)
一実施形態において、遺伝子発現のモニタリング(すなわち、発現プロフィール)は、
多数の実体について同時にモニタリングされる。このようなプロフィールは、代表的に、
図2の遺伝子の1つ以上を含む。この実施形態において、例えば、癌核酸プローブは、特
定の細胞における癌配列を検出および定量化するために、バイオチップに結合される。あ
るいは、PCRが、使用され得る。従って、例えば、一連のマイクロタイタープレートの
ウェルが、所望のウェルに分配されたプライマーと共に使用され得る。次いで、PCR反
応が実施され、そして各ウェルについて分析される。
発現モニタリングは、1つ以上の癌関連配列(例えば、図2に記載のポリヌクレオチド
配列)の発現を改変する化合物を同定するために実施される。一般に、試験調節因子は、
分析の前に、細胞に加えられる。さらに、スクリーンもまた、癌を調節するか、本発明の
癌タンパク質を調節するか、本発明の癌タンパク質に結合するか、または本発明の癌タン
パク質および抗体もしくは他の結合パートナーの結合を妨害する薬剤を同定するために提
供される。
一実施形態において、ハイスループットスクリーニング方法は、多数の潜在的な治療化
合物(候補化合物)を含むライブラリーを提供する工程を包含する。次いで、このような
「コンビナトリアルケミカルライブラリー」が、1つ以上のアッセイにおいてスクリーニ
ングされて、所望の特徴的な活性を示すライブラリーメンバー(特定の化学種またはサブ
クラス)が同定される。このように同定された化合物は、都合良い「リード化合物」とし
て、スクリーニングのための化合物として、または治療剤として働き得る。
特定の実施形態において、潜在的な調節因子のコンビナトリアルライブラリーは、癌ポ
リペプチドに結合する能力、または活性を調節する能力についてスクリーニングされる。
都合良くは、有用な特性を有する新たな化学実体が、所望の特性または活性(例えば、阻
害活性)を有する化合物(「リード化合物」と呼ばれる)を同定し、このリード化合物の
改変体を作製し、そしてこれらの改変体化合物の特性および活性を評価することによって
、生成される。しばしば、ハイスループットスクリーニング(HTS)法が、このような
分析のために用いられる。
上記のように、遺伝子発現モニタリングは、候補調節因子(例えば、タンパク質、核酸
または低分子)を試験するために、都合良く用いられる。候補化合物を加え、そして細胞
をある期間インキュベートした後、分析されるべき標的配列を含むサンプルが、例えば、
バイオチップに添加される。
所望の場合、標的配列は、公知の技術を使用して調製される。例えば、サンプルは、公
知の溶解緩衝液、エレクトロポレーションなどを使用して、細胞を溶解するために処理さ
れ、精製および/増幅(例えば、PCR)が、必要に応じて実施される。例えば、ヌクレ
オチドに共有結合された標識を用いるインビトロ転写が実施される。一般に、これらの核
酸は、ビオチン−FITCまたはPEで、あるいはcy3またはcy5で、標識される。
標的配列は、プローブへの標的配列の特異的結合を検出する手段を提供するために、例
えば、蛍光シグナル、化学発光シグナル、化学シグナルまたは放射性シグナルで標識され
得る。この標識はまた、酵素(例えば、アルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオ
キシダーゼ)であり得、これは、適切な基質が提供された場合、生成物を生成し、この生
成物が検出される。あるいは、この標識は、標識された化合物または低分子(例えば、エ
ピトープタグ、またはストレプトアビジンに特異的に結合するビオチン)であり得る。ビ
オチンの例について、ストレプトアビジンは、上記のようにして標識され、それにより、
検出可能なシグナルを結合した標的配列に提供する。未結合の標識ストレプトアビジンは
、代表的に、分析の前に除去される。
当業者により理解されるように、これらのアッセイは、直接ハイブリダイゼーションア
ッセイであり得るか、または「サンドイッチアッセイ」を含み得、この「サンドイッチア
ッセイ」は、複数のプローブの使用を含み、一般に、以下の米国特許に概説される:米国
特許第5,681,702号;同第5,597,909号;同第5,545,730号;
同第5,594,117号;同第5,591,584号;同第5,571,670号;同
第5,580,731号;同第5,571,670号;同第5,591,584号;同第
5,624,802号;同第5,635,352号;同第5,594,118号;同第5
,359,100号;同第5,124,246号;および同第5,681,697号。こ
の実施形態において、一般的に、標的核酸は、上で概説されたように調製され、次いで、
ハイブリダイゼーション複合体の形成を可能にする条件下で、複数の核酸プローブを含む
バイオチップに添加される。
上で概説されるような様々なハイブリダイゼーション条件(高ストリンジェンシー条件
、中程度のストリンジェンシー条件および低ストリンジェンシー条件を含む)が、使用さ
れる。これらのアッセイは、一般的に、標的のみの存在下で、標的プローブハイブリダイ
ゼーション複合体の形成を可能にするストリンジェンシー条件下で実施される。ストリン
ジェンシーは、熱力学的変数である工程パラメーター(温度、ホルムアミドの濃度、塩濃
度、カオトロピック塩の濃度、pH、有機溶媒の濃度などが挙げられるが、これらに限定
されない)を変更することによって、制御され得る。これらのパラメーターはまた、米国
特許第5,681,697号に一般的に概説されるように、非特異的結合を制御するため
に使用され得る。従って、特定の工程を、より高いストリンジェンシー条件で実施して、
非特異的結合を減少することが所望され得る。
本明細書中で概説される反応は、種々の様式で達成され得る。これらの反応成分は、同
時にまたは異なる順序で連続的に加えられ得、好ましい実施形態は、以下に概説される。
さらに、この反応は、種々の他の試薬を含み得る。これらとしては、塩、緩衝液、中性タ
ンパク質(例えば、アルブミン)、界面活性剤などが挙げられ、これらは、最適なハイブ
リダイゼーションおよび検出を容易にするため、そして/または非特異的相互作用もしく
はバックグラウンド相互作用を減少するために使用され得る。他の様式でアッセイの効率
を改善する試薬(例えば、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌
剤など)もまた、サンプル調製方法および標的の純度に依存して、必要に応じて使用され
得る。アッセイデータが分析されて、個々の遺伝子の発現レベル、および状態間の発現レ
ベルの変化が決定されて、遺伝子発現プロフィールが形成される。
(生物学的活性に関連するアッセイ)
本発明は、本発明の癌関連遺伝子または癌関連タンパク質の活性を調節する化合物を同
定またはスクリーニングする方法を提供する。この方法は、上記に規定されるような試験
化合物を、本発明の癌タンパク質を含む細胞に添加する工程を包含する。これらの細胞は
、本発明の癌タンパク質をコードする組換え核酸を含む。別の実施形態において、候補薬
剤のライブラリーが、複数の細胞について試験される。
1つの局面において、このアッセイは、生理学的シグナル(例えば、ホルモン、抗体、
ペプチド、抗原、サイトカイン、増殖因子、活動電位、化学療法剤を含む薬理学的薬剤、
放射線、発癌剤または他の細胞(すなわち、細胞−細胞接触))の事前曝露または後の曝
露の存在下あるいは非存在下で評価される。別の例において、この決定は、細胞周期プロ
セスの異なる段階で行われる。この様式において、本発明の遺伝子またはタンパク質を調
節する化合物が、同定される。薬理学的活性を有する化合物は、本発明の癌タンパク質の
活性を増大し得るか、本発明の癌タンパク質の活性を干渉し得る。一旦同定されると、類
似の構造が、この化合物の重要な構造特性を同定するために評価される。
一実施形態において、癌細胞の分裂を調節(例えば、阻害)する方法が、提供され;こ
の方法は、癌調節因子の投与を包含する。別の実施形態において、癌を調節(例えば、阻
害)する方法が提供され;この方法は、癌調節因子の投与を包含する。さらなる実施形態
において、癌を有する細胞または個体を処置する方法が提供され;この方法は、癌調節因
子の投与を包含する。
一実施形態において、本発明の遺伝子を発現する細胞の状態を調節するための方法が提
供される。本明細書中で使用される場合、状態は、細胞の、成長、増殖、生存、機能、ア
ポトーシス、老化、位置、酵素的活性、シグナル伝達などのような、当該分野で受け入れ
られたパラメーターを含む。一実施形態において、癌インヒビターは、上で考察されたよ
うな抗体である。別の実施形態において、癌インヒビターは、アンチセンス分子である。
種々の細胞成長アッセイ、細胞増殖アッセイ、および細胞転移アッセイが、本明細書中に
記載されるように、当業者に公知である。
(調節因子を同定するためのハイスループットスクリーニング)
適切な調節因子を同定するためのアッセイは、ハイスループットスクリーニングに適合
される。従って、好ましいアッセイは、癌遺伝子の転写の増大または阻害、ポリペプチド
発現の阻害または増大、およびポリペプチド活性の阻害または増大を検出する。
一実施形態において、ハイスループットスクリーニング法において評価される調節因子
は、タンパク質であり、しばしば、天然に存在するタンパク質、または天然に存在するタ
ンパク質のフラグメントである。従って、例えば、タンパク質を含む細胞抽出物、または
タンパク質性細胞抽出物のランダム消化物もしくは指向された消化物が、使用される。こ
の様式において、タンパク質のライブラリーが、本発明の方法におけるスクリーニングの
ために作製される。細菌タンパク質、真菌タンパク質、ウイルスタンパク質および哺乳動
物タンパク質のライブラリーが、この実施形態において特に好ましく、後者が、好ましく
、そしてヒトタンパク質が、特に好ましい。特に有用な試験化合物は、標的が属するクラ
スのタンパク質(例えば、酵素に対する基質、またはリガンドおよびレセプター)に関す
る。
(調節因子を同定および特徴付けするための軟寒天増殖およびコロニー形成の使用)
正常な細胞は、結合および増殖するために固体基材を必要とする。細胞が形質転換され
る場合、これらは、その表現型を失い、そして成長して、この基材から脱離する。例えば
、形質転換細胞は、撹拌懸濁培養液中で増殖し得るか、または半固体培地(例えば、半固
体寒天または軟寒天)中に懸濁され得る。この形質転換細胞は、腫瘍抑制遺伝子でトラン
スフェクトされた場合、正常な表現型を再生し得、そして再び、結合して増殖するために
、固体支持体を必要とし得る。アッセイにおける軟寒天増殖またはコロニー形成は、宿主
細胞において発現した場合、異常な細胞増殖および形質転換を阻害する癌配列の調節因子
を同定するために使用される。調節因子は、固体または半固体の培地(例えば、寒天)中
に懸濁された宿主細胞が増殖する能力を軽減または排除する。
懸濁アッセイにおける軟寒天増殖またはコロニー形成のための技術は、Freshne
y,Culture of Animal Cells a Manual of Ba
sic Technique(第3版、1994)に記載される。Garkavtsev
ら(1996)(前出)の方法の節もまた参照のこと。
(調節因子を同定および特徴付けするための接触阻害および増殖密度制限の評価)
正常な細胞は、代表的に、細胞培養中で平らな組織化されたパターンで、この細胞が他
の細胞と接触するまで増殖する。これらの細胞が互いに接触した場合、これらは、接触阻
害され、そして増殖を停止する。しかし、形質転換細胞は、接触阻害されず、そして、組
織化されていない病巣において高密度まで増殖し続ける。従って、形質転換細胞は、対応
する正常な細胞よりも高い飽和密度まで増殖する。これは、病巣における細胞の方向付け
されていない単層の形成によって、形態学的に検出される。あるいは、飽和密度における
H)−チミジンでの標識指標が、増殖の密度制限を測定するために使用され、同様に
、MTTアッセイまたはAlamarブルーアッセイが、細胞の増殖能および調節因子が
この細胞の増殖能に影響する能力を証明する。Freshney(1994)(前出)を
参照のこと。形質転換細胞は、腫瘍抑制因子でトランスフェクトされた場合、正常な表現
型を再生し、そして接触阻害されて、低密度まで増殖する。
このアッセイにおいて、飽和密度における(H)−チミジンでの標識指標は、増殖の
密度制限を測定する好ましい方法である。形質転換宿主脂肪は、癌関連配列でトランスフ
ェクトされ、そして非制限培地条件で、飽和密度で24時間増殖される。(H)−チミ
ジンでの細胞標識の割合は、取り込まれたcpmによって決定される。
接触非依存性増殖は、異常な細胞増殖および形質転換を生じた癌配列の調節因子を同定
するために使用される。調節因子は、接触非依存性増殖を減少または排除し、そして細胞
を正常な表現型に戻す。
(調節因子を同定および特徴付けするための増殖因子依存性または血清依存性の評価)
形質転換細胞は、その正常な対応物よりも低い血清依存性を有する(例えば、Temi
n,Natl.J.Cancer Inst.37:167−175(1966);Ea
gleら,J.Exp.Med 131:836−879(1970);Freshne
y,(前出)を参照のこと)。このことは、形質転換細胞による種々の増殖因子の放出に
部分的に起因する。形質転換宿主細胞の増殖因子依存性または血清依存性の程度は、制御
下にあるものと比較され得る。例えば、細胞の増殖因子依存性または血清依存性は、本発
明の癌関連配列を調節する化合物を同定および特徴付けするための方法においてモニタリ
ングされる。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、腫瘍特異的マーカーレベルの使用)
腫瘍細胞は、それらの正常な対応物より増加した量の特定の因子(本明細書中以下にお
いて「腫瘍特異的マーカー」)を放出する。例えば、プラスミノゲンアクチベーター(P
A)は、正常な脳細胞からより高レベルで、ヒト神経膠腫から放出される(例えば、Gu
llino,Angiogenesis,Tumor Vascularization
,and Potential interference with Tumor G
rowth,Biological Responses in Cancer,178
−184頁(Mihich(編)1985)を参照のこと)。同様に、腫瘍脈管形成因子
(TAF)は、正常な対応物より高レベルで、腫瘍細胞において放出される。例えば、F
olkman,Angiogenesis and Cancer,Sem Cance
r Biol.(1992))を参照のこと。一方で、bFGFは、内皮細胞腫瘍から放
出される(Ensoli,Bら)。
これらの因子の放出を測定する種々の技術が、Freshney(1994)(前出)
に記載されている。Unklessら,J.Biol.Chem.249:4295−4
305(1974);Strickland & Beers,J.Biol.Chem
.251:5694−5702(1976);Whurら,Br.J.Cancer 4
2:305 312(1980);Gullino,Angiogenesis,Tum
or Vascularization,and Potential Interfe
rence with Tumor Growth,Biological Respo
nses in Cancer,178−184頁(Mihich(編)1985);F
reshney,Anticancer Res.5:111−130(1985)もま
た参照のこと。例えば、腫瘍特異的マーカーレベルは、本発明の癌関連配列を調節する化
合物を同定および特徴付けるための方法でモニターされる。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、マトリゲル(Matrigel)への浸
潤性)
マトリゲルまたは細胞外マトリックス成分への浸潤性の程度は、癌関連配列を調節する
化合物を同定および特徴付けするためのアッセイとして使用され得る。腫瘍細胞は、悪性
と、マトリゲル内または何らかの他の細胞外マトリックス構成成分内への細胞の浸潤性と
の間の正の相関を示す。このアッセイにおいて、腫瘍形成性細胞が、代表的に、宿主細胞
として使用される。これらの宿主細胞中での腫瘍抑制因子の発現は、宿主細胞の浸潤性を
減少させる。Cancer Res.1999;59:6010;Freshney(1
994)(前出)に記載される技術が使用され得る。簡単にいえば、宿主細胞の浸潤のレ
ベルは、マトリゲルまたは何らかの他の細胞外マトリックス構成成分でコーティングされ
たフィルターを使用することによって、測定される。ゲル内への浸透、またはフィルター
の遠位側を通しての浸透は、浸潤性として評点付けされ、そして細胞の数および移動した
距離によってか、または細胞を125Iで予め標識し、そしてフィルターの遠位側または
ディッシュの底部の放射能を計数することによって、組織学的に評点付けされる。例えば
、Freshney(1984)(前出)を参照のこと。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、インビボでの腫瘍増殖の評価)
細胞増殖に対する癌関連配列の影響は、トランスジェニック生物または免疫抑制された
生物において試験される。トランスジェニック生物は、当該分野で認容された種々の様式
で調製される。例えば、癌遺伝子が破壊されたかまたは癌遺伝子が挿入された、ノックア
ウトトランスジェニック生物(例えば、マウスのような哺乳動物)が作製される。ノック
アウトトランスジェニックマウスは、マーカー遺伝子または他の異種遺伝子を、相同組換
えを介して、マウスゲノム中の内因性癌遺伝子部位に挿入することによって、作製される
。このようなマウスはまた、内因性癌遺伝子を変異バージョンの癌遺伝子で置き換えるこ
とによって、または内因性癌遺伝子を、例えば発癌物質に曝露することによって変異させ
ることによって、作製され得る。
トランスジェニックキメラ動物(例えば、マウス)を調製するためには、DNA構築物
が、胚幹細胞の核に導入される。新たに操作された遺伝的損傷を含む細胞が、宿主マウス
胚に注入され、これが、レシピエントの雌に再移植される。これらの胚のいくつかは、生
殖細胞を有するキメラマウスに発育する。この生殖細胞のうちのいくつかは、変異体細胞
株由来である。従って、このキメラマウスを繁殖させることによって、導入された遺伝的
損傷を含む新たなマウス系統を得ることが可能である(例えば、Capecchiら,S
cience 244:1288(1989)を参照のこと)。キメラマウスは、200
2年4月2日に発行された米国特許第6,365,797号;2000年8月22日に発
行された米国特許第6,107,540号;Hoganら,Manipulating
the Mouse Embryo:A laboratory Manual,Col
d Spring Harbor Laboratory(1988)およびTerat
ocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A P
ractical Approach,Robertson編,IRL Press,W
ashington,D.C.,(1987)に従って、誘導され得る。
あるいは、種々の免疫抑制宿主動物または免疫不全宿主動物が、使用され得る。例えば
、遺伝的に無胸腺の「ヌード」マウス(例えば、Giovanellaら,J.Natl
.Cancer Inst.52:921(1974)を参照のこと)、SCIDマウス
、胸腺切除されたマウス、または照射されたマウス(例えば、Bradleyら,Br.
J.Cancer 38:263(1978);Selbyら,Br.J.Cancer
41:52(1980)を参照のこと)が、宿主として使用され得る。同系の宿主に注
入された、移植可能な腫瘍細胞(代表的に、約10個の細胞)は、高い割合の場合にお
いて、浸潤性の腫瘍を産生し、一方で、類似の起源の正常細胞は、浸潤性の腫瘍を産生し
ない。浸潤性の腫瘍を発生させた宿主において、癌関連配列を発現する細胞が、皮下注射
または正常位で注射される。次いで、マウスが、コントロール群および処理実験群(例え
ば、調節因子で処理された)を含む群に分離される。適切な長さの時間(好ましくは、4
〜8週間)の後に、(例えば、体積またはその2つの最大寸法、もしくは重量によって)
腫瘍増殖が測定され、そしてコントロールと比較される。(例えば、スチューデントt検
定を使用して)統計学的に有意な減少を有する腫瘍は、阻害された増殖を有するといわれ
る。
(調節因子を同定しそして特徴付けるためのインビトロアッセイ)
調節活性を有する化合物を同定するためのアッセイは、インビトロで実施され得る。例
えば、癌ポリペプチドがまず潜在的な調節因子と接触され、そして適切な量の時間(例え
ば、0.5〜48時間)にわたってインキュベートされる。1つの実施形態において、癌
ポリペプチドのレベルは、タンパク質またはmRNAのレベルを測定することによって、
インビトロで決定される。タンパク質のレベルは、癌ポリペプチドまたはそのフラグメン
トに選択的に結合する抗体を用いる、免疫アッセイ(例えば、ウェスタンブロッティング
、ELISAなど)を使用して測定される。mRNAの測定のためには、増幅(例えば、
PCR、LCRを使用する)、またはハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ノーザ
ンハイブリダイゼーション、RNアーゼプロテクション、ドットブロッティング))が好
ましい。タンパク質またはmRNAのレベルは、直接的にか、または標識された検出試薬
(例えば、本明細書中に記載されるような、蛍光標識された核酸または放射性標識された
核酸、放射性標識された抗体または酵素標識された抗体など)を使用して間接的に、検出
される。
あるいは、レポーター遺伝子系が、レポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ、緑色
蛍光タンパク質、CAT、またはP−gal)に作動可能に連結された癌タンパク質プロ
モーターを使用して、開発され得る。レポーター構築物は、代表的に、細胞内にトランス
フェクトされる。潜在的な調節因子での処理後、レポーター遺伝子の転写、翻訳、または
活性の量が、当業者に公知である標準的な技術に従って測定される(Davis GF,
前出;Gonzalez,J.& Negulescu,P.Curr.Opin.Bi
otechnol.1998:9:624)。
上で概説されたように、インビトロスクリーニングが、個々の遺伝子および遺伝子産物
に対してなされる。すなわち、特定の差次的に発現される遺伝子が特定の状態において重
要であると同定されると、この遺伝子または遺伝子産物自体の発現の調節因子のスクリー
ニングが実施される。
1つの実施形態において、特定の遺伝子の発現の調節因子についてのスクリーニングが
実施される。代表的に、ほんの1つまたは少数の遺伝子の発現が、評価される。別の実施
形態において、スクリーニングは、差次的に発現されるタンパク質に結合する化合物をま
ず発見するように、設計される。次いで、これらの化合物が、差次的に発現される活性を
調節する能力について評価される。さらに、一旦、最初の候補化合物が同定されると、構
造と活性の関係をよりよく評価するために、改変体が、さらにスクリーニングされ得る。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、結合アッセイ)
本発明に従う結合アッセイにおいて、精製されたかまたは単離された本発明の遺伝子産
物が、一般に使用される。例えば、抗体が、本発明のタンパク質に対して生成され、そし
て免疫アッセイが実施されて、タンパク質の量および/または位置が決定される。あるい
は、癌タンパク質を含む細胞が、アッセイにおいて使用される。
従って、これらの方法は、本発明の癌タンパク質を、リガンドのような候補化合物と混
合する工程、および本発明の癌タンパク質に対するこの化合物の結合を決定する工程を包
含する。好ましい実施形態は、ヒト癌タンパク質を利用する;ヒト疾患の動物モデルもま
た、開発および使用され得る。また、他の類似の哺乳動物タンパク質もまた、当業者によ
って理解されるように、使用され得る。さらに、いくつかの実施形態において、改変体癌
タンパク質または誘導癌タンパク質が、使用される。
一般に、本発明の癌タンパク質またはリガンドは、不溶性支持体に拡散不可能に結合さ
れる。この支持体は、例えば、単離されたサンプルを受容する領域を有するもの(マイク
ロタイタープレート、アレイなど)であり得る。不溶性の支持体は、上記組成物が結合さ
れ得る任意の組成物から作製され得、可溶性材料から容易に分離され、そしてスクリーニ
ングの方法全体とその他の点で適合性である。このような支持体の表面は、中実または多
孔性であり得、そして任意の好都合な形状であり得る。
適切な不溶性の支持体の例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、膜およびビ
ーズが挙げられる。これらは代表的に、ガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン)
、多糖類、ナイロン、ニトロセルロース、またはTeflonTMなどで作製される。マ
イクロタイタープレートおよびアレイは、特に好都合である。なぜなら、少量の試薬およ
びサンプルを使用して、多数のアッセイが同時に実施され得るからである。組成物を支持
体に結合させる特定の様式は、本発明の試薬および方法全体と適合性であり、その組成物
の活性を維持し、そして拡散不可能である限り、重要ではない。結合の好ましい方法とし
ては、タンパク質を支持体に付着させる場合にリガンド結合部位も活性化配列もいずれも
立体的にブロックしない抗体の使用、「粘着性」支持体またはイオン性支持体への直接結
合、化学架橋、表面上でのタンパク質または薬剤の合成など、が挙げられる。タンパク質
またはリガンド/結合剤の支持体への結合に続いて、過剰の未結合物質が、洗浄によって
除去される。次いで、サンプル受容領域は、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインま
たは他の無害なタンパク質もしくは他の部分と共にインキュベーションすることによって
、ブロックされ得る。
一旦、本発明の癌タンパク質が支持体に結合すると、試験化合物がアッセイに添加され
る。あるいは、候補結合剤が支持体に結合され、次いで、本発明の癌タンパク質が添加さ
れる。結合剤としては、特異的抗体、化学ライブラリーのスクリーニングによって同定さ
れた非天然結合剤、ペプチドアナログなどが挙げられる。
ヒト細胞に対して低い毒性を有する薬剤を同定するためのアッセイが、特に興味深い。
広範な種々のアッセイが、この目的で使用され得、このアッセイとしては、増殖アッセイ
、cAMPアッセイ、標識されたインビトロでのタンパク質−タンパク質結合アッセイ、
電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合についての免疫アッセイ、機能的アッセ
イ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。
試験化合物(リガンド、結合剤、調節因子など)の、本発明の癌タンパク質への結合の
決定は、多数の様式でなされ得る。試験化合物が標識され得、そして結合が、例えば、本
発明の癌タンパク質のすべてまたは一部を固体支持体に付着させ、標識された候補化合物
(例えば、蛍光標識)を添加し、過剰の試薬を洗浄除去し、そして標識が固体支持体上に
存在するか否かを決定することによって、直接決定され得る。種々のブロック工程および
洗浄工程が、適切なように利用され得る。
特定の実施形態において、成分の1つのみが標識される。例えば、本発明のタンパク質
またはリガンドが標識される。あるいは、1つより多い成分が、異なる標識で標識される
(例えば、タンパク質に対してI125、および化合物に対して発蛍光団)。近接試薬(
例えば、クエンチング剤またはエネルギー移動剤)もまた、有用である。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、競合結合)
1つの実施形態において、「試験化合物」の結合は、「競合物質」を用いる競合結合ア
ッセイによって決定される。競合物質とは、標的分子(例えば、本発明の癌タンパク質)
に結合する結合部分である。競合物質としては、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガ
ンドなどのような化合物が挙げられる。特定の状況下では、試験化合物と競合物質との間
の競合結合は、試験化合物に取って代わる。1つの実施形態において、試験化合物が標識
される。試験化合物、競合物質のいずれか、または両方が、結合を可能にするために十分
な時間にわたって、タンパク質に添加される。インキュベーションが、最適な活性を容易
にする温度(代表的に、4℃と40℃との間)で実施される。インキュベーション時間は
、代表的に、例えば、スクリーニングの迅速なハイスループットを容易にするように、最
適化される;代表的に、0時間と1時間との間で十分である。過剰の試薬が、一般に、除
去または洗浄除去される。次いで、第二の成分が添加され、そして標識された成分の存在
または非存在が、結合を示すために追跡される。
1つの実施形態において、競合物質がまず添加され、次いで試験化合物が添加される。
競合物質の置き換えは、試験化合物が癌タンパク質に結合することの指標であり、従って
、癌タンパク質に結合し得、そして癌タンパク質の活性を潜在的に調節し得る。この実施
形態において、いずれかの成分が標識され得る。従って、例えば、競合物質が標識される
場合、試験後化合物洗浄溶液中の標識の存在が、試験化合物による置き換えを示す。ある
いは、試験化合物が標識される場合、支持体上の標識の存在が、置き換えの指標である。
代替の実施形態において、試験化合物がまず添加され、インキュベーションおよび洗浄
され、次いで、競合物質が添加される。競合物質による結合の非存在は、試験化合物が、
競合物質より高い親和性で、癌タンパク質に結合することを示す。従って、試験化合物が
標識される場合、支持体上の標識の存在(競合物質の結合の欠如と組み合わせられる)が
、試験化合物が本発明の癌タンパク質に結合し、従って潜在的に調節することの指標であ
る。
従って、競合結合方法は、本発明の癌タンパク質の活性を調節し得る薬剤を同定するた
めの、差次的スクリーニングを包含する。この実施形態において、この方法は、癌タンパ
ク質および競合物質を、第一のサンプル中で混合する工程を包含する。第二のサンプルは
、試験化合物、癌タンパク質、および競合物質を含有する。競合物質の結合が、両方のサ
ンプルについて決定され、そしてこれら2つのサンプル間での結合の変化、または差異が
、癌タンパク質に結合し得、そしてその活性を潜在的に調節し得る薬剤の存在を示す。す
なわち、競合物質の結合が、第一のサンプルに対して第二のサンプルにおいて異なる場合
、この薬剤は、癌タンパク質に結合し得る。
あるいは、示差的スクリーニングが、ネイティブの癌タンパク質に結合するが改変癌タ
ンパク質に結合し得ない薬物候補を同定するために用いられる。例えば、癌タンパク質の
構造はモデル化されて、合理的薬物設計において、その部位と相互作用する因子、すなわ
ち部位改変タンパク質(site−modified protein)に一般的に結合
しない因子を合成するために用いられる。さらに、ネイティブの癌タンパク質の活性に影
響するような薬物候補はまた、そのようなタンパク質の活性の増強または減少のいずれか
をする能力について薬物をスクリーニングすることによって同定される。
陽性コントロールおよび陰性コントロールが、このアッセイにおいて用いられ得る。好
ましくは、コントロールおよび試験サンプルは、統計的に有意な結果を得るために少なく
とも三連で実施される。全てのサンプルのインキュベーションは、タンパク質へのこの因
子の結合を可能にするのに十分な時間、行われる。インキュベーションに続いて、サンプ
ルを洗浄して非特異的結合物質を含まないようにし、そして結合した、遺伝的に標識した
因子の量を決定する。例えば、放射標識を用いる場合、これらのサンプルをシンチレーシ
ョンカウンターを用いて計数して、結合した化合物の量を決定し得る。
種々の他の試薬がこのスクリーニングアッセイに関与し得る。これらの試薬としては、
最適なタンパク質−タンパク質結合を容易にし、そして/または非特異的相互作用もしく
はバックグラウンド相互作用を減少するために用いられる塩、中性タンパク質(例えば、
アルブミン)界面活性剤などのような試薬が挙げられる。このアッセイの効率を他の方法
で改善する試薬(例えば、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌
剤など)もまた用いられ得る。成分の混合物が、必須の結合を提供する順番で添加される
(本発明のタンパク質をダウンレギュレートまたは阻害するためのポリヌクレオチドの
使用)
癌のポリヌクレオチド調節因子が、WO 91/04753に記載されるように、リガ
ンド結合分子との結合体の形成によって、標的ヌクレオチド配列を含む細胞へと導入され
得る。適切なリガンド結合分子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
細胞表面レセプター、増殖因子、他のサイトカイン、または細胞表面レセプターに結合す
る他のリガンド。好ましくは、リガンド結合分子の結合体は、リガンド結合分子がその対
応する分子またはレセプターに結合する能力を十分には干渉せず、細胞へのセンスオリゴ
ヌクレオチドもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその結合体バージョンの進
入を十分にはブロックしない。あるいは、癌のポリヌクレオチド調節因子が、例えば、W
O 90/10448に記載されるように、ポリヌクレオチド−脂質複合体の形成によっ
て標的核酸配列を含む細胞内に導入され得る。アンチセンス分子またはノックアウトモデ
ルおよびノックインモデルの使用もまた、処理方法に加えて、上で議論されるようなスク
リーニングアッセイにおいて用いられ得ることが理解される。
(阻害およびアンチセンスヌクレオチド)
特定の実施形態において、癌関連タンパク質の活性が、アンチセンスポリヌクレオチド
または阻害性小核RNA(snRNA)(すなわちコードmRNA核酸配列(例えば、本
発明の癌タンパク質、mRNA、またはそれらの部分配列)に相補的であり、そして好ま
しくは、これらに特異的にハイブリダイズし得る核酸)の使用により、ダウンレギュレー
トされるか、または完全に阻害される。mRNAへのアンチセンスポリヌクレオチドの結
合は、mRNAの翻訳および/または安定性を減少させる。
本発明の文脈において、アンチセンスポリヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオチ
ド、または天然に存在するサブユニットもしくはこれらの近縁のホモログから形成される
合成種を含み得る。アンチセンスポリヌクレオチドはまた、変化した糖部分または糖間の
連結を有し得る。当該分野において使用されることが公知のホスホロチオエートおよび他
の硫黄含有種が、例示的にこれらの中に含まれる。アナログは、これらが本発明のヌクレ
オチドとハイブリダイズするように有効に機能する限り本発明に含まれる。例えば、Is
is Pharmaceuticals、Carlsbad、CA;Sequitor、
Inc.、Natick、MAを参照のこと。
そのようなアンチセンスポリヌクレオチドは、組換え手段を用いて容易に合成され得る
か、またはインビトロで合成され得る。そのような合成についての装置は、種々の販売者
(Applied Biosystemsが挙げられる)から販売されている。他のオリ
ゴヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエートおよびアルキル化誘導体)の調製もまた、
当業者に周知である。
本明細書中で使用される場合、アンチセンス分子は、アンチセンスオリゴヌクレオチド
またはセンスオリゴヌクレオチドを含む。センスオリゴヌクレオチドは、例えば、アンチ
センス鎖への結合により転写をブロックするために用いられ得る。このアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドおよびセンスオリゴヌクレオチドは、癌分子についての標的mRNA(セ
ンス)配列または標的DNA(アンチセンス)配列に結合し得る一本鎖核酸配列(RNA
またはDNAのいずれか)を含む。本発明によるアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは
センスオリゴヌクレオチドは、一般的に、少なくとも約12ヌクレオチド、好ましくは、
約12ヌクレオチド〜約30ヌクレオチドのフラグメントを含む。所定のタンパク質をコ
ードするcDNA配列に基づくアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌク
レオチドを誘導する能力は、例えば、Stein&Cohen(Cancer Res.
48:2659(1988)およびvan der Krolら、(BioTechni
ques 6:958(1988)に記載されている。
(リボザイム)
アンチセンスポリヌクレオチドに加えて、リボザイムが、癌関連ヌクレオチド配列の転
写を標的化または阻害するために用いられ得る。リボザイムは、他のRNA分子を触媒的
に切断するRNA分子である。種々の種類のリボザイムが記載されている。これらのリボ
ザイムとしては、グループIリボザイム、ハンマーヘッドリボザイム、ヘアピンリボザイ
ム、RNase P、およびアックスヘッドリボザイムが挙げられる(例えば、種々のリ
ボザイムの特性の一般的な概説についてはCastanottoら、Adv.in Ph
armacology 25:289〜317(1994)を参照のこと)。
ヘアピンリボザイムの遺伝的特徴は、例えば、Hampelら、Nucl.Acid
Res.18:299〜304(1990);欧州特許出願番号0360257;米国特
許第5,254,678号に記載されている。調製方法は、当業者に周知である(例えば
、WO 94/26877;Ojwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 90:6340〜6344(1993);Yamadaら、Human Gen
e Therapy 1:39〜45(1994);Leavittら、Proc.Na
tl.Acad Sci.USA 92:699〜703(1995);Leavitt
ら、Human Gene Therapy 5:1151〜120(1994);およ
びYamadaら、Virology 205:121〜126(1994)を参照のこ
と)。
(表現型スクリーニングにおける調節因子の使用)
1つの実施形態において、試験化合物が、関連する癌発現プロフィールを有する癌細胞
の集団に投与される。本明細書において「投与する」または「接触させる」とは、調節因
子を、取り込み作用および細胞内作用によってか、または細胞表面での作用によって、細
胞に対して作用させるような様式で、この調節因子をその細胞に添加することを意味する
。いくつかの実施形態において、タンパク質様因子(すなわち、ペプチド)をコードする
核酸がウイルス構築物(例えば、アデノウイルス構築物またはレトロウイルス構築物)へ
と付加され、そして細胞へと添加されてこのペプチド因子の発現が達成される(例えば、
PCT US97/01019)。調節可能な遺伝子治療系もまた、用いられ得る。一旦
、調節因子を細胞に投与した後、これらの細胞を、所望の場合洗浄し、そして好ましい生
理学的条件下で、いくらかの期間インキュベートする。次いで、これらの細胞を、収集し
、そして新しい遺伝子発現プロフィールを作製する。従って、例えば、癌組織を、癌の表
現型を調節(例えば、誘導または抑制)する因子についてスクリーニングする。発現プロ
フィールの少なくとも1つの遺伝子、好ましくは多くの遺伝子における変化は、この因子
が、癌の活性に対して効果を有することを示す。同様に、生物学的機能またはシグナル伝
達経路を変化させることは、調節因子の活性を示す。癌の表現型についてのそのようなシ
グネチャーを規定することにより、表現型を変化させる新規の薬物についてのスクリーニ
ングが考案される。このアプローチにおいて、薬物標的は既知である必要はなく、元の遺
伝子/タンパク質発現スクリーニングプラットフォームにおいて表されている必要もなく
、標的タンパク質に対する転写物のレベルが変化する必要もない。機能を阻害する調節因
子は、代理マーカーとしての役割を果たす。
上で概説したとおり、遺伝子または遺伝子産物を評価するために、スクリーニングを実
施する。すなわち、特定の示差的に発現された遺伝子を、特定の状態において重要である
と同定する工程、遺伝子または遺伝子産物自体の発現のいずれかの調節因子をスクリーニ
ングする工程を実施する。
(本発明のペプチドに影響する調節因子の使用)
癌ポリペプチドの活性、または癌表現型の測定を、種々のアッセイを用いて実施する。
例えば、癌ポリペプチドの機能に対する調節因子の効果を、上記のパラメーターを試験す
ることにより測定する。活性に影響する生理学的変化が、本発明のポリペプチドに対する
試験化合物の影響を評価するために用いられる。インタクトな細胞または動物を用いて機
能的結果が決定される場合、種々の効果が、(例えば、固形腫瘍、腫瘍増殖、腫瘍転移、
新生血管形成、ホルモン放出、(例えば、ノーザンブロットによる)既知の遺伝マーカー
および特徴付けられていない遺伝マーカーの両方に対する転写の変化に関連する癌の場合
、細胞代謝における変化(例えば、細胞増殖またはpH変化)および細胞内二次的メッセ
ンジャー(例えば、cGNIP)の変化の場合に)評価され得る。
(癌関連配列を同定、特徴付けする方法)
種々の遺伝子配列の発現が、癌に関連する。従って、変異体癌遺伝子または改変体癌遺
伝子に基づく障害を決定する。1つの実施形態において、本発明は、改変体癌遺伝子を含
む細胞を同定する(例えば、細胞内の少なくとも1つの内因性癌遺伝子の配列の全てまた
は一部の存在を決定する)ための方法を提供する。これは、任意の数の配列決定技術を用
いて達成される。本発明は、個体の癌の遺伝子型を同定する(例えば、個体における少な
くとも1つの本発明の遺伝子の配列の全てまたは一部を決定する)方法を包含する。これ
は、一般的に、個体の少なくとも1つの組織(例えば、表1に示される組織)において行
われ、そして多数の組織または同じ組織の異なるサンプルの評価を含み得る。この方法は
、配列決定した遺伝子の配列を、既知の癌遺伝子(すなわち、野生型遺伝子)の配列と比
較して、ファミリーメンバー、ホモログ、変異体、または改変体の存在を決定する工程を
包含し得る。次いで、この遺伝子の全てまたは一部の配列を、既知の癌遺伝子の配列と比
較して、任意の差異が存在するか否かを決定し得る。これは、任意の数の既知の相同性プ
ログラム(例えば、BLAST、Bestfitなど)を用いて行われる。患者の癌遺伝
子と既知の癌遺伝子との間の配列の差異の存在は、本明細書中で概説されるように、疾患
状態または疾患状態についての傾向に関連する。
好ましい実施形態において、これらの癌遺伝子は、ゲノム中の癌遺伝子のコピー数を決
定するためのプローブとして用いられる。これらの癌遺伝子は、癌遺伝子の染色体位置を
決定するためのプローブとして用いられる。染色体位置のような情報は、特に、染色体異
常(例えば、転座など)が癌遺伝子座において同定された場合、診断または予後診断にお
ける使用を見出す。
(XIV.)キット/製造の物品)
本明細書中に記載される診断適用および治療適用における使用のために、キットもまた
、本発明の範囲内である。そのようなキットは、キャリア、パッケージまたは1つ以上の
容器(例えば、バイアル、チューブなど)を受容するように区画に分けられた容器を備え
得、これらの容器の各々は、この方法において用いられる1つの別個のエレメントを含む
。例えば、容器は、検出可能に標識されているかまたは標識され得るプローブを含み得る
。そのようなプローブは、それぞれ、図2に関連するタンパク質または図2の遺伝子また
はメッセージに特異的な抗体またはポリヌクレオチドであり得る。この方法が、標的核酸
を検出するための核酸ハイブリダイゼーションを使用する場合、このキットはまた、標的
核酸配列を増幅するためのヌクレオチドを含む容器および/またはレポーター手段(例え
ば、レポーター分子(例えば、酵素標識、蛍光標識、または放射標識)に結合したビオチ
ン結合タンパク質(例えば、アビジンまたはストレプトアビジン))を含む容器も有し得
る。このキットは、図2または図3におけるアミノ酸配列の全てもしくは一部またはこれ
らのアナログ、あるいはそのようなアミノ酸配列をコードする核酸分子を含み得る。
本発明のキットは、代表的に、上記の容器および商業的立場およびの使用者の立場から
所望される物質(緩衝液、希釈液、ろ紙、針、シリンジ;キャリア、パッケージ、容器、
バイアルおよび/またはチューブ、内容物を列挙したラベル、および/または使用のため
の指示書、ならびに使用のための指示書を有するパッケージ挿入物)を含む1つ以上の他
の容器を含む。
ラベルは、容器上に存在して、この組成物が特定の治療または非治療適用(例えば、診
断適用または研究適用)に用いられることを示し得、そしてインビボまたはインビトロで
の使用(例えば、本明細書中に記載される使用)のための指示を示し得る。指示および/
または他の情報はまた、このキットと共にかまたはこのキット上に備えられた挿入物また
はラベル上に含まれ得る。
用語「キット」および「製造の物品」は、類義語として用いられ得る。
本発明の別の実施形態において、組成物(例えば、アミノ酸配列、低分子、核酸配列、
および/または抗体(例えば、表1に示されるような組織の新形成の診断、予後診断、予
防および/または処置のために有用な物質)を備える製造の物品が提供される。製造の物
品は、代表的に、少なくとも1つの容器および少なくとも1つのラベルを備える。適切な
容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が挙げられる。これ
らの容器は、種々の材料(例えば、ガラスまたはプラスチック)から形成され得る。この
容器は、アミノ酸配列、低分子、核酸配列、および/または抗体を保持し得、1つの実施
形態において、この容器は、細胞のmRNA発現プロフィールの試験において用いるため
のポリヌクレオチドを、この目的のために用いられる試薬とともに保持し得る。
この容器は、代替的に、特定の状態を処置、診断、予後診断または予防するために有効
な組成物を含み得、そして滅菌アクセスポートを備え得る(例えば、この容器は、静脈内
溶液バッグまたは皮下注射針により貫通可能なストッパーを有するバイアルであり得る)
。この組成物中の活性因子は、98P4B6を特異的に結合し得、かつ98P4B6の機
能を調節し得る抗体であり得る。
このラベルは、容器上にあるか、または容器に添えられ得る。このラベルを形成する文
字、番号または他の特徴が容器自体に形成されているかまたはエッチングされている場合
、ラベルは、容器上にあり得;それがこの容器をまた保持する容器(receptacl
e)またはキャリアの中に存在する場合(例えば、パッケージ挿入物)、ラベルは、容器
に添えられ得る。このラベルは、この組成物が、ある状態(例えば、表1に示す組織の新
形成)を診断、処置、予防または予後診断するために用いられることを示し得る。製造の
物品は、さらに、第二の容器を備え得、この第二の容器は、薬学的に受容可能な緩衝液(
例えば、リン酸緩衝化生理食塩水、リンガー溶液、および/またはデキストロース溶液)
を含む。その容器は、商業的立場および使用者の立場から所望される他の物質(他の緩衝
液、希釈液、ろ紙、攪拌子、針、シリンジ、ならびに/または指示を有するパッケージ挿
入物および/もしくは使用のための指示書)をさらに備える。
本発明の種々の局面が、以下の複数の実施例によりさらに記載および例示される。これ
らの実施例が、本発明の範囲を限定することは意図されない。
(実施例1:98P4B6遺伝子のcDNAフラグメントのSSH生成単離)
前立腺癌において過剰発現される遺伝子を単離するために、本発明者らは、前立腺臓癌
組織由来のcDNAを使用する抑制サブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)
手順を使用した。この98P4B6 SSH cDNA配列を、正常前立腺からLAPC
−4AD前立腺異種移植片を引いたものから誘導した。98P4B6cDNAが、前立腺
癌において高度に発現していることを同定した。
(材料および方法)
(ヒト組織)
患者の癌および正常組織を、別々の供給元(例えば、NDRI(Philadelph
ia,PA))から購入した。幾つかの正常組織についてのmRNAを、Clontec
h,Palo Alto,CAから購入した。
(RNAの単離)
組織を、Trizol試薬(Life Technologies,Gibco BR
L)中で、10ml/gの組織を用いてホモジナイズして、総RNAを単離した。ポリA
RNAを、QiagenのOligotex mRNA MiniおよびMidiキッ
トを使用して、総RNAから精製した。総RNAおよびmRNAを、分光光度分析(O.
D.260/280nm)によって定量し、そしてゲル電気泳動によって分析した。
(オリゴヌクレオチド)
以下のHPLCで精製したオリゴヌクレオチドを使用した。
Figure 2010220621
Figure 2010220621
(抑制サブトラクティブハイブリダイゼーション)
抑制サブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)を使用して、前立腺癌におい
て差次的に発現し得る遺伝子に対応するcDNAを同定した。このSSH反応は、前立腺
癌異種移植片および正常組織由来のcDNAを使用した。
遺伝子98P4B6は、正常前立腺組織から前立腺癌異種移植片LAPC−4AD
cDNAを差引いたもの由来のcDNAを利用した。SSH DNA配列(図1)を同定
した。
LAPC−4AD由来のcDNAを、「ドライバー」cDNAの供給源として使用し、
一方、正常前立腺由来のcDNAを、「テスター」cDNAの供給源として使用した。テ
スターcDNAおよびドライバーcDNAに対応する二重鎖cDNAを、上記のようにし
て、CLONTECHのPCR−Select cDNA Subtraction K
it、およびプライマーとして1ngのオリゴヌクレオチドDPNCDNを使用して、関
連異種移植片組織から単離されたポリ(A)RNA(2μg)から合成した。第1およ
び第2の鎖合成を、キットの使用者マニュアルプロトコル(CLONTECHプロトコル
番号PT1117−1、カタログ番号K1804−1)に記載されるようにして行った。
得られたcDNAを、37℃で3時間、Dpn IIで消化した。消化されたcDNAを
、フェノール/クロロホルム(1:1)で抽出し、そしてエタノールで沈殿させた。
ドライバーcDNAを、関連の組織供給源(上記を参照のこと)由来の、DpnIIで
消化したcDNAを、正常組織由来の消化cDNA混合物と1:1の比率で混合すること
により、作製した。
テスターcDNAを、関連の組織供給源(上記を参照のこと)(400ng)由来の、
DpnIIで消化したcDNA(1μl)を、5μlの水中に希釈することによって、作
製した。次いで、この希釈したcDNA(2μl、160ng)を、400uのT4 D
NAリガーゼ(CLONTECH)を使用して、別個のライゲーション反応で、10μl
の全容量で、16℃で一晩、2μlのAdaptor 1およびAdaptor 2(1
0μM)へとライゲーションした。1μlの0.2M EDTAを用いて、72℃で5分
間加熱して、ライゲーションを終了させた。
第1のハイブリダイゼーションを、ドライバーcDNA(1.5μl、600ng)を
、1.5μl(20ng)のAdaptor 1連結テスターcDNAおよびAdapt
or 2連結テスターcDNAを含む2つのチューブのそれぞれに添加することによって
実施した。4μlの最終容量で、これらのサンプルを鉱油で覆い、MJ Researc
hサーマルサイクラーで、98℃で1.5分間変性し、次いで68℃で8時間ハイブリダ
イズさせた。次いで、2つのハイブリダイゼーション産物を、追加の新たな変性ドライバ
ーcDNA(1μl)と混合し、そして68℃で一晩ハイブリダイズさせた。次いで、こ
の第2のハイブリダイゼーション産物を、20mM Hepes(pH8.3)、50m
M NaCl、0.2mM EDTA(200μl)中で希釈し、70℃で7分間加熱し
、そして−20℃で貯蔵した。
(SSHにより作製した遺伝子フラグメントのPCR増幅、クローニングおよび配列決
定)
SSH反応から得られた遺伝子フラグメントを増幅するために、2回のPCR増幅を行
った。第1のPCR反応において、希釈した最終ハイブリダイゼーション混合物(1μl
)を、1μlのPCRプライマー1(10μM)、0.5μlのdNTP混合物(10μ
M)、2.5μlの10×反応緩衝液(CLONTECH)および0.5μlの50×A
dvantage cDNAポリメラーゼ混合物(CLONTECH)に、最終容量25
μlで添加した。PCR1を、以下の条件を使用して実施した。75℃で5分間、94℃
で25秒、次いで、94℃で10秒、66℃で30秒、75℃で1.5分を27サイクル
。5つの別個の第1のPCR反応を、各実験について実施した。その生成物をプールし、
そして水で1:10に希釈した。第2のPCR反応について、このプールして希釈した第
1のPCR反応からの1μlを、PCRプライマー1の代わりにプライマーNP1および
NP2(10μM)を使用した以外は、PCR1について使用したのと同じ反応混合物に
添加した。PCR2を、94℃で10秒、68℃で30秒および72℃で1.5分の10
〜12サイクルを使用して実施した。このPCR生成物を、2%アガロースゲル電気泳動
を使用して分析した。
このPCR生成物を、T/Aベクタークローニングキット(Invitrogen)を
使用して、pCR2.1に挿入した。形質転換したE.coliを、青/白選別およびア
ンピシリン選別に供した。白色コロニーを、選択して採取し、そして96ウェルプレート
に配置し、そして液体培養液中で一晩増殖させた。挿入物を同定するために、PCR増幅
を、PCR1の条件を使用し、NP1およびNP2をプライマーとして使用して、細菌培
養液1μlについて実施した。PCR生成物を、2%アガロースゲル電気泳動を使用して
分析した。
細菌クローンを、96ウェル様式で、20%グリセロール中で貯蔵した。プラスミドD
NAを調製し、配列決定し、そしてGenBank、dBestおよびNCI−CGAP
データベースの核酸相同性検索にかけた。
(RT−PCR発現分析)
Gibco−BRL Superscript Preamplificationシ
ステムを使用するオリゴ(dT)12−18のプライミングを用いて、第1の鎖cDNA
を、1μgのmRNAから作製し得る。逆転写酵素と共に42℃で50分間インキュベー
トし、次いで、37℃で20分間、RNAse H処理を行うことを含む製造者のプロト
コルを使用した。この反応が完了した後、その容量を、正規化の前に、水で200μlま
で増やし得た。16の異なる正常なヒト組織由来の第1の鎖cDNAを、Clontec
hから入手し得る。
複数の組織由来の第1の鎖cDNAの正規化を、以下のプライマー:5’atatcg
ccgcgctcgtcgtcgacaa3’(配列番号109)および5’agcca
cacgcagctcattgtagaagg3’(配列番号110)を使用して、β−
アクチンを増幅することにより実施した。第1の鎖cDNA(5μl)を、50μlの総
容量(0.4μMのプライマー、各々0.2μMのdNTP、1×PCR緩衝液(Clo
ntech,10mM Tris−HCl、1.5mM MgCl、50mM KCl
、pH8.3)および1×Klentaq DNAポリメラーゼ(Clontech)を
含む)で増幅した。5μlのPCR反応物を、18サイクル、20サイクルおよび22サ
イクルで取り出し、そしてアガロースゲル電気泳動に使用し得る。PCRを、MJ Re
searchサーマルサイクラーを使用して、以下の条件下で実施した:最初の変性工程
が、94℃で15秒間、続いて、94℃で15分間、65℃で2分間、72℃で5秒間を
18サイクル、20サイクルおよび22サイクルであり得る。72℃での最後の伸長工程
を、2分間行った。アガロースゲル電気泳動の後、複数の組織由来の283b.p.のβ
−アクチンのバンドのバンド強度を、目視検査により比較した。第1の鎖cDNAの希釈
因数を、計算して、22サイクルのPCR後の全ての組織において等しいβ−アクチンバ
ンド強度を得た。22サイクルのPCR後の全ての組織において、等しいバンド強度を達
成するために、3ラウンドの正規化が必要であり得る。
98P4B6遺伝子の発現レベルを決定するために、5μlの正規化した第1の鎖cD
NAを、26サイクルおよび30サイクルの増幅を使用するPCRによって分析した。半
定量的発現分析を、軽いバンド強度を与えるサイクル数において、PCR産物を比較する
ことによって達成し得る。RT−PCRに使用したプライマーを、98P4B6 SSH
配列を使用して設計し、このプライマーを以下に示す:
Figure 2010220621
(実施例2:全長98P4B6コードcDNAの単離)
98P4B6 SSH cDNA配列を、正常な前立腺から癌異種移植片を差し引いた
ものからなるサブトラクションから誘導した。このSSH DNA配列(図1)を、98
P4B6と呼んだ。
183bpの98P4B6 SSH DNA配列が、図1に示される。2453bpの
全長98P4B6 v.1(クローンGTD3)を、前立腺cDNAライブラリーからク
ローン化し、454アミノ酸のORFを明らかにした(図2および図3)。98P4B6
v.6もまた、正常前立腺ライブラリーからクローン化した。98P4B6の他の改変
体もまた同定した。これらを図2および図3に列挙する。
98P4B6 v.2、v.3、v.4、v.5、v.6、v.7およびv.8は、9
8P4B6 v.1のスプライス改変体である。98P4B6 v.9〜v.19は、S
NP改変体であり、v.1と一アミノ酸だけ異なる。98P4B6 v.20〜v.24
は、v.7のSNP改変体である。98P4B6 v.25〜v.38は、v.8のSN
P改変体である。これらのSNP改変体は、別個に示されたが、これらは、任意の組み合
わせで任意の転写物改変体において存在し得る。
(実施例3:98P4B6の染色体マッピング)
染色体の位置決定は、疾患の病因における遺伝子と関連し得る。いくつかの染色体マッ
ピングアプローチが利用可能であり、これには、蛍光インサイチュハイブリダイゼーショ
ン(FISH)、ヒト/ハムスター放射線ハイブリッド(RH)パネル(Walterら
、1994;Nature Genetics 7:22;Research Gene
tics,Huntsville A1)、ヒト−げっ歯類体細胞ハイブリッドパネル(
例えば、Cornell Institute(Camden,New Jersey)
から入手可能なようなもの)、および配列決定されそしてマッピングされたゲノムクロー
ンに対するBLAST相同性を使用するゲノムビュアー(NCBI,Bethesda,
Maryland)が挙げられる。
98P4B6は、98P4B6配列およびNCBI BLASTツール(ワールドワイ
ドウェブ(.ncbi.nlm.nih.gov/genome/seq/page.c
gi?F=HsBlast.html&&ORG=Hs)にある)を使用して、染色体1
q22−q23.2にマッピングする。
(実施例4:正常組織および患者標本における98P4B6の発現分析)
RT−PCRによる発現分析は、前立腺癌患者標本において98P4B6が強く発現さ
れることを実証した(図14)。第1鎖cDNAを、正常胃、正常脳、正常心臓、正常肝
臓、正常骨格筋、正常精巣、正常前立腺、正常膀胱、正常腎臓、正常結腸、正常肺、正常
膵臓、ならびに前立腺癌患者からの癌標本プール、膀胱癌患者からの癌標本プール、腎臓
癌患者からの癌標本プール、結腸癌患者からの癌標本プール、肺癌患者からの癌標本プー
ル、前立腺癌患者からの癌標本プール、ならびにリンパ節への2人の患者前立腺転移のプ
ールから、調製した。正規化を、アクチンに対するプライマーを使用してPCRによって
実施した。98P4B6 v.1、v.13もしくは/およびv.14に対するプライマ
ーを使用する(A)か、またはスプライス改変体98P4B6 v.6およびv.8に特
異的に対するプライマーを使用する(B)半定量的PCRを、26サイクルおよび30サ
イクルの増幅で行った。(A)において、サンプルをアガロースゲル上で泳動し、PCR
産物をAlphaImagerソフトウェアを使用して定量した。結果は、正常前立腺お
よび前立腺癌において、98P4B6およびそのスプライス改変体v.6およびv.8の
強い発現を示す。98P4B6の発現はまた、膀胱癌、腎臓癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌
、乳癌、癌転移、ならびにリンパ節への前立腺癌転移の標本において、試験したすべての
正常組織と比較して検出された。下記(例えば、実施例6)において示されるように、9
8P4B6 v.1は、表1に列挙されるような癌組織において発現されるので、他のタ
ンパク質コード98P4B6改変体もまた、これらの組織において発現される。この原理
は、98P4B6 v.6もしくはv.8と本明細書中で呼ばれるタンパク質について図
14におけるデータにより実証され、前立腺、肺、卵巣、膀胱、乳、結腸、腎臓、および
膵臓、癌、ならびに文献(Porkkaら、Lab Invest,2002およびKo
rkmazら、JBC,2002)において見出され、ここでこのタンパク質98P4B
6 v.8は、正常前立腺および前立腺癌において同定される。
遺伝子がマッピングされるゲノム領域が特定の癌において調節される場合、その遺伝子
の選択的転写物またはスプライス改変体もまた、調節される。本明細書中で開示されるの
は、98P4B6が、癌に関連する特定の発現プロフィールを有することである。98P
4B6の選択的転写物およびスプライス改変体もまた、同じ組織またはさらなる組織にお
いて癌と関係し、それにより、腫瘍関連マーカー/抗原として役立つ。
98P4B6 v.1、v.13および/またはv.14の発現が、前立腺、膀胱、子
宮頸部、子宮および膵臓の癌患者標本において検出された(図15)。第1鎖cDNAを
、一グの患者癌標本から調製した。正規化を、アクチンに対するプライマーを使用するP
CRにより実施した。98P4B6に対するプライマーを使用する半定量PCRを、26
サイクルおよび30サイクルの増幅で実施した。サンプルをアガロースゲル上で泳動した
。PCR産物を、AlphaImagerソフトウェアを使用して定量した。発現を、な
い、低い、中程度、または強いとして記録した。結果は、試験したすべての患者癌標本の
大部分における98P4B6の発現を示す。
図16は、98P4B6が胃癌患者標本において発現されることを示す。(A)RNA
を、正常胃(N)から抽出し、そして10の異なる胃癌患者標本(T)から抽出した。1
0μgの全RNA/レーンを用いるノーザンブロットを、98P4B6配列でプローブし
た。結果は、胃腫瘍組織における98P4B6の発現、および正常胃におけるより低い発
現を示す。下図は、RNAサンプルの量を示すブロットのエチジウムブロミド染色を示す
。(B)98P4B6の発現を、ヒト胃癌(T)群およびその個々の一致する正常組織(
N)において、RNAドットブロットにてアッセイした。98P4B6を、8つの胃腫瘍
のうちの7つにおいて検出されたが、一致する正常組織においては検出されなかった。
(実施例5:98P4B6の転写物改変体)
転写物改変体は、選択的転写または選択的スプライシングによる同一遺伝子からの成熟
mRNAの改変体である。選択的転写産物は、同一遺伝子からの転写産物であるが、異な
る点で転写を開始する。スプライシング改変体は、同一転写産物から差示的にスプライシ
ングされたmRNA改変体である。真核生物において、複数のエキソンを有する遺伝子(
multi−exon gene)が、ゲノムDNAから転写される場合、最初のRNA
がスプライシングされて、エキソンのみを有しかつアミノ酸配列への翻訳に使用される機
能的mRNAを産生する。従って、所定の遺伝子は、0から多くの選択的転写産物を有し
得、そして各転写産物は、0から多くのスプライシング改変体を有し得る。各転写産物改
変体は、独特のエキソン構成(makeup)を有し、そしてオリジナルの転写産物由来
の異なるコード部分および/または非コード部分(5’末端または3’末端)を有し得る
。転写産物改変体は、同一または同様の機能を有する同様または異なるタンパク質をコー
ドしても、異なる機能を有するタンパク質をコードしてもよく、そして同一の時点で同一
組織に発現しても、同一の時点で異なる組織に発現しても、異なる時点で同一の組織に発
現しても、異なる時点で異なる組織に発現してもよい。転写産物改変体によりコードされ
るタンパク質は、同様または異なる細胞内局在または細胞外局在(例えば、分泌型対細胞
内)を有し得る。
転写産物改変体は、当該分野において受容された種々の方法によって同定される。例え
ば、選択的な転写産物およびスプライシング改変体は、全長クローニング実験によって、
または全長転写産物およびEST配列の使用によって、同定される。第1に、全てのヒト
ESTを、互いに直接的または間接的に同一性を示すクラスターにグループ化した。第2
に、同一クラスター中のESTをさらに、サブクラスターにグループ化し、そしてコンセ
ンサス配列に集合させた。オリジナルの遺伝子配列を、コンセンサス配列または他の全長
配列と比較する。各コンセンサス配列は、その遺伝子についての潜在的なスプライシング
改変体である。全長クローンではない改変体が同定された場合でさえ、その改変体のその
部分は、当該分野において公知の技術を使用する抗原生成および全長スプライシング改変
体のさらなるクローニングに非常に有用である。
さらに、ゲノム配列に基づいて転写産物改変体を同定するコンピュータープログラムが
当該分野において利用可能である。ゲノムベースの転写産物改変体同定プログラムとして
は、FgenesH(A.SalamovおよびV.Solovyev,「Ab ini
tio gene finding in Drosophila genomic D
NA,」Genome Research.2000 April;10(4):516
−22);Grail(URL compbio.ornl.gov/Grail−bi
n/EmptyGrailForm)およびGenScan(URL genes.mi
t.edu/GENSCAN.html)が挙げられる。スプライシング改変体同定プロ
トコルの一般的議論については、例えば、以下を参照のこと:Southan,C.,A
genomic perspective on human proteases,
FEBS Lett.2001 Jun 8;498(2−3):214−8;de S
ouza,S.J.ら,Identification of human chrom
osome 22 transcribed sequences with ORF
expressed sequence tags,Proc.Natl Acad S
ci USA.2000 Nov 7;97(23):12690−3。
転写産物改変体のパラメーターをさらに確認するために、種々の技術(例えば、全長ク
ローニング、タンパク質確認(proteomic validation)、PCRベ
ースの確認、および5’RACE確認など)が当該分野において利用可能である(例えば
、タンパク質確認:Brennan,S.O.ら,Albumin banks pen
insula:a new termination variant charact
erized by electrospray mass spectrometry
,Biochem Biophys Acta.1999 Aug 17;1433(1
−2):321−6;Ferranti Pら,Differential splic
ing of pre−messenger RNA produces multip
le forms of mature caprine alpha(sl)−cas
ein,Eur J Biochem.1997 Oct 1;249(1):1〜7を
、PCRベースの確認については:Wellmann Sら,Specific rev
erse transcription−PCR quantification of
vascular endothelial growth factor(VEGF
) splice variants by LightCycler technol
ogy, Clin Chem.2001 Apr;47(4):654−60;Jia
,H.P.ら,Discovery of new human beta−defen
sins using a genomics−based approach,Gen
e.2001 Jan 24;263(1−2):211〜8を、PCRベースの確認お
よび5’RACE確認については:Brigle,K.E.ら,Organizatio
n of the murine reduced folate carrier g
ene and identification of variant splice
forms,Biochem Biophys Acta.1997 Aug 7;1
353(2):191−8を参照のこと)。
ゲノム領域が癌において調節されることは、当該分野において公知である。最近、Po
rkkaら(2002)は、STEAP−2の転写物改変体が、発現され、正常前立腺お
よび悪性前立腺組織の両方において見出されたことを報告した(Porkka,K.P.
ら、Cloning and characterization of a nove
l six−transmembrane protein STEAP2,expre
ssed in normal and malignant prostate.La
boratory Investigation 2002 Nov;82(11):1
573〜1582)。別の科学者グループもまた、STEAP2の転写改変体(本明細書
中では98P4B6 v.6)もまた、正常前立腺よりも前立腺癌において有意に高く発
現されたことを報告した(Korkmaz,K.S.ら、Molecular clon
ing and characterizaton of STAPM1,a high
ly prostate−specific sic transmembrane p
rotein taht is overexpressed in prostate
cancer.The Journal of Biological Chemis
try.2002 Sept.277(39):36689〜36696)。遺伝子がマ
ッピングされるゲノム領域が特定の癌において調節される場合、その遺伝子の選択的な転
写産物またはスプライシング改変体もまた調節される。98P4B6は癌に関連する特定
の発現プロフィールを有するということが、本明細書中に開示される。98P4B6の選
択的な転写産物およびスプライシング改変体はまた、同一または異なる組織における癌に
関与し得、従って腫瘍関連マーカー/抗原として働く。
全長遺伝子およびEST配列を使用して、7つのさらなる転写物改変体が同定され、図
12で示すように、98P4B6 v.2、98P4B6 v.3、98P4B6 v.
4、98P4B6 v.5、98P4B6 v.6、98P4B6 v.7および98P
4B6 v.8と名付けた。元の転写物のエキソンの境界は、98P4B6 v.1を表
LIに示す。v.1の最初の22塩基は、ヒトゲノムの現在のアセンブリにおいてv.1
の5’領域近傍にはなかった。98P4B6 v.1と比較して、改変体v.2は、37
部分がv.1の最後のエキソンと同じである一エキソン転写物であった。v.3の最初の
2つのエキソンは、v.1のイントロン中にあった。改変体v.4、v.5およびv.6
は、v.1の最初のエキソン中の224〜334をスプライシングにより除去した。さら
に、v.5は、エキソン5をスプライシングにより除去し、v.6は、エキソン6をスプ
ライシングにより除去したが、v.1のエキソン5に延びた。改変体v.7は、選択的転
写開始および異なる3’エキソンを使用した。改変体v.8は、5’末端に延び、v.1
のイントロン全体を維持した。理論上、空間的に順序立ったエキソンの各々異なる組み合
わせ(例えば、エキソン2および3)は、潜在的なスプライス改変体である。
表LII〜LVは、改変体ごとに基づいて記載される。表LII(a)−(g)は、転
写物改変体のヌクレオチド配列を示す。表LIII(a)−(g)は、転写物改変体と9
8P4B6 v.1の核酸配列とのアライメントを示す。LIV(a)−(g)は、同定
されたリーディングフレーム方向について転写物改変体のアミノ酸翻訳を説明する。LV
(a)−(g)は、スプライシング改変体によってコードされるアミノ酸配列とこの98
P4B6 v.1のアミノ酸配列とのアライメントを示す。さらに、一塩基多型(SNP
)が、このアライメントにおいて注記される。
(実施例6:98P4B6の一塩基多型)
一塩基多型(SNP)は、ヌクレオチド配列中の特定の位置での単一塩基対改変である
。ゲノムの特定の点で、可能性のある4つのヌクレオチド塩基対(A/T、C/G、G/
CおよびT/A)が存在する。遺伝子型とは、個々のゲノム中の1つ以上の位置の塩基対
配列をいう。ハプロタイプとは、しばしば、1つの遺伝子の文脈でまたはいくつかの密接
に連結する遺伝子の文脈で、同一のDNA分子(高等生物における染色体)上の1つより
多い変更された位置の塩基対構成をいう。cDNA上に生じるSNPは、cSNPと呼ば
れる。これらのcSNPは、その遺伝子によってコードされるタンパク質のアミノ酸を変
化し得、従ってそのタンパク質の機能を変化し得る。いくつかのSNPは、遺伝的疾患を
生じ、そして他は、個体間の表現型および環境因子(食餌および薬物を含む)に対する応
答における定量的バリエーションに寄与する。従って、SNPおよび/または対立遺伝子
の組合わせ(ハプロタイプと呼ばれる)は、多くの適用(遺伝的疾患の診断、薬物反応お
よび投薬量の決定、疾患に応答性の遺伝子の同定、および個体間での遺伝的関係を含む)
を有する(P.Nowotny,J.M.KwonおよびA.M.Goate,「SNP
analysis to dissect human traits」Curr.O
pin.Neurobiol.2001 Oct;11(5):637−641;M.P
irmohamedおよびB.K.Park,「Genetic susceptibi
lity to adverse drug reactions」Trends Ph
armacol.Sci.2001 Jun;22(6):298−305;J.H.R
iley,C.J.Allan,E.LaiおよびA.Roses,「The use
of single nucleotide polymorphisms in th
e isolation of common disease genes」Phar
macogenomics.2000 Feb;1(1):39−47;R.Judso
n,J.C.StephensおよびA.Windemuth,「The predic
tive power of haplotypes in clinical res
ponse」Pharmacogenomics.2000 feb;1(1): 15
−26)。
SNPは、当該分野において受容された種々の方法によって同定される(P.Bean
,「The promising voyage of SNP target dis
covery」Am.Clin.Lab.2001 Oct−Nov;20(9):18
−20;K.M.Weiss,「In search of human variat
ion」Genome Res.1998 Jul;8(7):691−697:M.M
.She,「Enabling large−scale pharmacogenet
ic studies by high−throughput mutation d
etection and genotyping technologies」Cli
n.Chem.2001 Feb;47(2):164−172)。例えば、SNPは、
ゲルベースの方法(例えば、制限フラグメント長多型(RFLP)および変性勾配ゲル電
気泳動(DGGE))によって多型を示すDNAフラグメントを配列決定することによっ
て同定される。これらはまた、異なる個体からプールされたDNAサンプルの直接配列決
定によってか、または異なるDNAサンプルからの配列を比較することによって、見出さ
れ得る。公的データベースおよび私的データベースにおける配列データの迅速な蓄積を用
いて、コンピュータープログラム(Z.Gu,L.HillierおよびP.Y.Kwo
k,「Single nucleotide polymorphism huntin
g in cyberspace」Hum.Mutat.1998;12(4):221
−225)を使用して配列を比較することによってSNPが見出され得る。SNPが確認
され得、そして個々の遺伝型またはハプロタイプは、直接配列決定およびハイスループッ
トマイクロアレイを含む種々の方法によって決定され得る(P.Y.Kwok,「Met
hods for genotyping single nucleotide po
lymorphisms」Annu.Rev.Genomics Hum.Genet.
2001;2:235−258;M.Kokoris,K.Dix,K.Moyniha
n,J.Mathis,B.Erwin,P.Grass,B.HinesおよびA.D
uesterhoeft,「High−throughput SNP genotyp
ing with the Masscode system」Mol.Diagn.2
000 Dec;5(4):329−340)。
上記の方法を使用して、11個のSNPが、元の転写物98P4B6 v.1において
、位置46(A/G)、179(C/T)、180(A/G)、269(A/G)、40
4(G/T)、985(C/T)、1170(T/C)、1497(A/G)、1746
(T/G)、2046(T/G)および2103(T/C)において同定された。代替的
対立遺伝子を有する転写物またはタンパク質は、図10aに示すように、改変体98P4
B6 v.9v.19名付けられる。図11は、ヌクレオチド改変体に対応する、タンパ
ク質改変体の概略的アライメントを示す。v.1と同じアミノ酸配列をコードするヌクレ
オチド配列改変体は、図11に示されない。ここでは、別に示されているが、SNPのこ
れらの対立遺伝子は、異なる組合せ(ハプロ型)で、そして転写物改変体のいずれか1つ
(例えば、98P4B6 v.5(SNPの部位を含む)で、存在し得る。さらに、v.
1とは共有されない領域中の他の転写物改変体中のSNPが存在した。例えば、v.1の
5番目のイントロン中で14個のSNPが存在した。このイントロンは、改変体v.2、
v.6およびv.8の一部であった。これらのSNPは、図10cにおいて示され、以下
のように列挙される(v.8に対する数字):1760(G/A)、1818(G/
T)、1870(C/T)、2612(T/C)、2926(T/A)、4241(T/
A)、4337(A/G)、4338(A/C)、4501(A/G)、4506(C/
T)、5434(C/A)、5434(C/G)、5434(C/T)および5589(
G/T)。図10bは、転写物改変体v.7の特有の領域におけるSNPを示す:195
6(A/C)、1987(T/A)、2010(G/C)、2010(G/T)および2
059(G/A)(数字は、v.7のヌクレオチド配列に対応する)。。
(実施例7:原核生物系における組換え98P4B6の産生)
原核生物細胞において組換え98P4B6および98P4B6改変体を発現させるため
に、全長または部分長の98P4B6および98P4B6改変体のcDNA配列を、当該
分野において公知の種々の発現ベクターのいずれか1つ中にクローニングし得る。98P
4B6の以下の領域の1つ以上を、これらの構築物中に発現させる:図2および図3にお
いて存在する全長配列、あるいは、98P4B6、その改変体もしくはアナログ由来の任
意の8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、
18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、
28個、29個、30個、またはそれより多く連続するアミノ酸。
(A.インビトロでの転写構築物および翻訳構築物)
pCRII:RNAインサイチュ研究のための98P4B6のセンスおよびアンチセン
スのRNAプローブを作製するために、pCRII構築物(Invitrogen,Ca
rlsbad CA)を作製する(これは、98P4B6cDNAの全体またはフラグメ
ントのいずれかをコードする)。pCRIIベクターは、挿入物に隣接するSp6プロモ
ーターおよびT7プロモーターを有し、RNAインサイチュハイブリダイゼーション実験
におけるプローブとして使用するための98P4B6RNAの転写を駆動する。これらの
プローブは、RNAレベルでの98P4B6の細胞発現および組織発現を分析するために
用いられる。98P4B6遺伝子のcDNAアミノ酸コード領域を表す、転写された98
P4B6RNAを、98P4B6タンパク質を合成するためのTnTTM Couple
d Reticulolysate System(Promega,Corp.,Ma
dison,WI)のようなインビトロでの翻訳系において用いる。
(B.細菌構築物)
pGEX構築物:細菌において組換え98P4B6タンパク質(これは、グルタチオン
S−トランスフェラーゼ(GST)タンパク質に融合される)を産生するために、この9
8P4B6cDNAタンパク質コード配列の全てまたは一部を、GST−融合ベクターの
pGEXファミリー(Amersham Pharmacia Biotech,Pis
cataway,NJ)中にクローニングする。これらの構築物は、アミノ末端で融合し
たGSTおよびカルボキシル末端の6つのヒスチジンエピトープ(6×His)を有する
組換え98P4B6タンパク質配列の制御された発現を可能にする。このGSTおよび6
×Hisタグは、適切なアフィニティーマトリクスを用いて誘導された細菌からの組換え
融合タンパク質の精製を可能にし、そして抗GST抗体および抗His抗体を用いる融合
タンパク質の認識を可能にする。6×Hisタグは、例えば、オープンリーディングフレ
ーム(ORF)の3’末端のクローニングプライマーへの6つのヒスチジンコドンの付加
により作製される。タンパク質切断部位(例えば、pGEX−6P−1中のPreSci
ssionTM認識部位)を用いて、98P4B6関連タンパク質からGSTタグの切断
を可能にし得る。アンピシリン耐性遺伝子およびpBR322起点は、E.coli中で
のpGEXプラスミドの選択および維持を可能にする。
pMAL構築物:細菌において、マルトース結合タンパク質(MBP)に融合される組
換え98P4B6タンパク質を産生するために、この98P4B6cDNAタンパク質コ
ード配列の全てまたは一部は、pMAL−c2XベクターおよびpMAL−p2Xベクタ
ー(New England Biolabs,Beverly,MA)へとクローニン
グすることによりMBP遺伝子に融合される。これらの構築物は、アミノ末端で融合した
MBPおよびカルボキシル末端の6× Hisエピトープタグを有する組換え98P4B
6タンパク質配列の制御された発現を可能にする。このMBPおよび6×Hisタグは、
適切なアフィニティーマトリクスを用いて誘導された細菌からの組換えタンパク質の精製
を可能にし、そして抗MBP抗体および抗His抗体を用いる融合タンパク質の認識を可
能にする。6×Hisエピトープタグは、3’クローニングプライマーへの6つのヒスチ
ジンコドンの付加により作製される。Xa因子認識部位は、98P4B6からのpMAL
タグの切断を可能にする。pMAL−c2XベクターおよびpMAL−p2Xベクターは
、それぞれ、細胞質または周辺質において組換えタンパク質を発現するように最適化され
る。周辺質発現は、ジスルフィド結合を有するタンパク質の折畳みを増大させる。
pET構築物:細菌細胞において、98P4B6を発現させるために、98P4B6c
DNAタンパク質コード配列の全てまたは一部は、pETファミリーのベクター(Nov
agen,Madison,WI)へとクローニングされる。これらのベクターは、可溶
性を増大させるタンパク質(例えば、NusAおよびチオレドキシン(Trx))、およ
び組換えタンパク質の精製および検出を補助するエピトープタグ(例えば、6×Hisお
よびS−TagTM)への融合を用いておよび用いずに、細菌における組換え98P4B
6タンパク質の緊密に制御された発現を可能にする。例えば、構築物を、pET Nus
A融合系43.1を利用して作製して、その結果、98P4B6タンパク質の領域が、N
usAへのアミノ末端融合物として発現される。
(C.酵母構築物)
pESC構築物:組換えタンパク質の作製および機能の研究のために、酵母種Sacc
haromyces cerevisiaeにおいて98P4B6を発現させるために、
この98P4B6cDNAタンパク質コード配列の全てまたは一部を、pESCファミリ
ーのベクター(これらの各々は、HIS3、TRP1、LEU2、およびURA3という
4つの選択マーカーの内1つを含む)(Stratagene,La Jolla,CA
)中にクローニングする。これらのベクターは、同じ酵母細胞中にFlagTMまたはM
ycエピトープタグのいずれかを含む、2つまでの異なる遺伝子またはクローニングされ
た配列の同じプラスミドからの、制御された発現を可能にする。この系は、98P4B6
のタンパク質−タンパク質相互作用を確認するために有用である。さらに、酵母における
発現は、真核生物細胞において発現される場合に見出される翻訳後修飾に類似の翻訳後修
飾(例えば、グリコシル化およびリン酸化)を生じる。
pESP構築物:酵母種Saccharomyces pombeにおいて98P4B
6を発現させるために、この98P4B6cDNAタンパク質コード配列の全てまたは一
部を、pESPファミリーのベクターにクローニングする。これらのベクターは、アミノ
末端またはカルボキシル末端のいずれかにおいて、組換えタンパク質の精製を補助するG
STへ融合される、98P4B6タンパク質配列の制御された高レベル発現を可能にする
。FlagTMエピトープタグは、抗FlagTM抗体を用いる組換えタンパク質の検出
を可能にする。
(実施例8:高等真核生物系における組換え98P4B6の産生)
(A.哺乳動物構築物)
真核生物細胞において組換え98P4B6を発現させるために、この98P4B6cD
NA配列の全長または部分長を、当該分野で公知の種々の発現ベクターのいずれか1つの
中にクローニングし得る。98P4B6の以下の領域の1つ以上が、これらの構築物にお
いて発現される:アミノ酸1〜255;または98P4B6 v.1〜v.11由来の任
意の8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、2
1、22、23、24、25、26、27、28、29、30以上の連続するアミノ酸;
アミノ酸1〜1266または98P4B6 v.12およびv.13由来の任意の8、9
、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、
23、24、25、26、27、28、29、30以上の連続するアミノ酸。
これらの構築物を、293T細胞のような広範な種々の哺乳動物細胞のいずれか1つの
中にトランスフェクトした。トランスフェクトされた293T細胞溶解物を、本明細書中
に記載される抗98P4B6ポリクローナル血清を用いてプローブした。
pcDNA4/HisMax構築物:哺乳動物細胞において98P4B6を発現させる
ために、98P4B6の、この98P4B6ORFまたはその一部を、pcDNA4/H
isMax Version A(Invitrogen,Carlsbad,CA)中
にクローニングした。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター
およびSP16翻訳エンハンサーから駆動される。この組換えタンパク質は、アミノ末端
に融合されたXpressTMおよび6つのヒスチジン(6×His)エピトープを有す
る。このpcDNA4/HisMaxベクターはまた、ラージT抗原を発現する細胞株に
おけるエピソーム複製および単純なベクターレスキューのためのSV40起源と共に、m
RNA安定性を増大するための、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルお
よび転写終結配列を含む。ゼオシン耐性遺伝子は、タンパク質を発現する哺乳動物細胞の
選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子およびColE1起源は、E.coli
におけるプラスミドの選択および維持を可能にする。
pcDNA3.1/MycHis構築物:哺乳動物細胞において98P4B6を発現さ
せるために、コンセンサスKozak翻訳開始部位を有する98P4B6の、この98P
4B6ORFまたはその一部を、pcDNA3.1/MycHis Version A
(Invitrogen,Carlsbad,CA)中にクローニングした。タンパク質
発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターから駆動される。この組換えタン
パク質は、そのカルボキシル末端に融合されたmycエピトープおよび6×Hisエピト
ープを有する。pcDNA3.1/MycHisベクターはまた、ラージT抗原を発現す
る細胞株におけるエピソーム複製および単純なベクターレスキューのためのSV40起源
と共に、mRNA安定性を増大するための、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化
シグナルおよび転写終結配列を含む。ネオマイシン耐性遺伝子を用い得る。なぜならば、
ネオマイシン耐性遺伝子は、タンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そし
てアンピシリン耐性遺伝子およびColE1起源は、E.coliにおけるプラスミドの
選択および維持を可能にするからである。
pcDNA3.1/CT−GFP−TOPO構築物:哺乳動物細胞において98P4B
6を発現し、そして蛍光を用いる組換えタンパク質の検出を可能にするために、コンセン
サスKozak翻訳開始部位を有する98P4B6ORFまたはその一部を、pcDNA
3.1/CT−GFP−TOPO(Invitrogen、CA)中にクローニングする
。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターから駆動される。組
換えタンパク質は、非侵襲的にインビボでの検出および細胞生物学研究を容易にする、カ
ルボキシル末端に融合された緑色蛍光タンパク質(GFP)を有する。pcDNA3.1
/CT−GFP−TOPOベクターはまた、ラージT抗原を発現する細胞株におけるエピ
ソーム複製および単純なベクターレスキューのためのSV40起源と共に、mRNA安定
性を増大するための、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルおよび転写終
結配列を含む。ネオマイシン耐性遺伝子は、タンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を
可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子およびColE1起源は、E.coliにおけ
るプラスミドの選択および維持を可能にする。
293T細胞中への98P4B6.GFP.pcDNA3.1のトランスフェクション
を、図17および図18に示されるように実施した。結果は、ウェスタンブロット分析(
図17)、フローサイトメトリー(図18A)および蛍光顕微鏡法(図18B)によって
、上記融合タンパク質の強力な発現を示す。
アミノ末端GFP融合物を含むさらなる構築物を、98P4B6タンパク質の全長に広
がるpcDNA3.1/NT−GP−TOPO中で作製する。
PAPtag:98P4B6ORF、またはその一部を、pAPtag−5(GenH
unter Corp.Nashville,TN)中にクローニングする。この構築物
は、98P4B6タンパク質のカルボキシル末端のアルカリホスファターゼ融合物(これ
は、一方で、アミノ末端にIgGκシグナル配列を融合している)を生成する。アミノ末
端IgGκシグナル配列を有するアルカリホスファターゼが98P4B6タンパク質のア
ミノ末端に融合されている構築物もまた作製する。得られた組換え98P4B6タンパク
質は、トランスフェクトされた哺乳動物細胞の培地への分泌について最適化され、そして
98P4B6タンパク質と相互作用するリガンドまたはレセプターのようなタンパク質を
同定するために用いられ得る。タンパク質発現は、CMVプロモーターから駆動され、そ
して組換えタンパク質はまた、検出および精製を容易にするカルボキシル末端で融合され
たmycおよび6×Hisエピトープを含む。ベクター中に存在するゼオシン耐性遺伝子
は、組換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐
性遺伝子は、E.coli中のプラスミドの選択を可能にする。
pTag5:98P4B6 v.1細胞外ドメインを、pTag−5中にクローニング
する。このベクターは、pAPtagに類似するが、アルカリホスファターゼ融合物を含
まない。この構築物は、アミノ末端IgGκシグナル配列、ならびに検出およびアフィニ
ティー精製を容易にするカルボキシル末端のmycおよび6×Hisエピトープタグを有
する、98P4B6タンパク質を産生する。得られた組換え98P4B6タンパク質を、
トランスフェクトした哺乳動物細胞の培地への分泌のために最適化し、そして免疫原また
はリガンドとして使用して、98P4B6タンパク質と相互作用するリガンドまたはレセ
プターのようなタンパク質を同定した。タンパク質発現は、CMVプロモーターから駆動
される。ベクター中に存在するゼオシン(Zeocin)耐性遺伝子は、タンパク質を発
現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子は、E.coli
中のプラスミドの選択を可能にする。
PsecFc:98P4B6 ORF、またはその一部をまた、psecFc中にクロ
ーニングする。このpsecFcベクターをヒト免疫グロブリンG1(IgG)Fc(ヒ
ンジ領域、CH2領域、CH3領域)をpSecTag2(Invitrogen,Ca
lifornia)中にクローニングすることにより、アセンブリした。この構築物は、
98P4B6タンパク質のカルボキシ末端においてIgG1 Fc融合物を生成する一方
で、IgGKシグナル配列をN末端に融合する。マウスIgG1 Fc領域を利用する9
8P4B6融合物もまた使用する。得られた組換え98P4B6タンパク質を、トランス
フェクトした哺乳動物細胞の培地への分泌について最適化し、そして免疫原としてか、ま
たは98P4B6タンパク質と相互作用するリガンドまたはレセプターのようなタンパク
質を同定するために用い得る。タンパク質発現は、CMVプロモーターから駆動される。
ベクター中に存在するハイグロマイシン耐性遺伝子は、組換えタンパク質を発現する哺乳
動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子は、E.coli中のプラス
ミドの選択を可能にする。
pSRα構築物:98P4B6を発現する哺乳動物細胞株を、構成的に作製するために
、98P4B6の98P4B6 ORFまたはその一部を、pSRα構築物中にクローニ
ングする。両栄養性のレトロウイルスおよび環境栄養性のレトロウイルスを、それぞれ、
293T−10A1パッケージング株中へのpSRα構築物のトランスフェクション、ま
たはpSRαおよびヘルパープラスミド(欠失したパッケージング配列を含む)の293
細胞中への共トランスフェクションにより作製した。このレトロウイルスを用いて、種々
の哺乳動物細胞株を感染させ、クローニングされた遺伝子である98P4B6の宿主細胞
株への組みこみを生じさせる。タンパク質発現は、長い末端反復配列(LTR)から駆動
される。ベクター中に存在するネオマイシン耐性遺伝子は、タンパク質を発現する哺乳動
物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子およびColE1起点は、E.
coli中のプラスミドの選択および維持を可能にする。その後、このレトロウイルスベ
クターを、例えば、PC3細胞、NIH 3T3細胞、TsuPr1細胞、293細胞ま
たはrat−1細胞を用いる、種々の細胞株の感染および産生のために用いた。
さらなるpSRa構築物を作製した。これらは、FLAGTMタグのようなエピトープ
タグを98P4B6配列のカルボキシ末端に融合して、抗Flag抗体を使用する検出を
可能にする。例えば、FLAGTM配列5’gat tac aag gat gac
gac gat aag3’(配列番号60)をそのORFの3’末端においてクローニ
ングベクターに付加する。さらなるpSRα構築物を全長98P4B6タンパク質のアミ
ノ末端GFPおよびカルボキシ末端GFPの両方ならびにmyc/6×His融合タンパ
ク質を生成するために作製する。
さらなるウイルスベクター:さらなる構築物を、98P4B6のウイルス媒介性送達お
よび発現のために構築した。98P4B6の高レベル発現をもたらす高いウイルス力価を
、アデノウイルスベクターおよびヘルペスアンプリコンベクターのようなウイルス送達系
において達成する。98P4B6コード配列またはそのフラグメントを、PCRによって
増幅し、AdEasyシャトルベクター(Stratagene)にサブクローニングす
る。組換えおよびウイルスパッケージングを、製造業者の指示に従って行って、アデノウ
イルスベクターを生成する。あるいは、98P4B6コード配列またはそのフラグメント
を、HSV−1ベクター(Imgenex)にクローニングして、ヘルペスウイルスベク
ターを生成する。その後、そのウイルスベクターを、PC3細胞、NIH 3T3細胞、
293細胞またはrat−1細胞のような種々の細胞株の感染のために使用する。
調節された発現系:哺乳動物細胞における98P4B6の発現を制御するために、98
P4B6のコード配列またはその一部を、T−Rex System(Invitrog
en)、GeneSwitch System(Invitrogen)、およびtig
htly−regulated Ecdysone System(Stratagen
e)のような調節された哺乳動物発現系中にクローニングする。これらの系は、組換え9
8P4B6の時間依存効果および濃度依存効果の研究を可能にする。その後、これらのベ
クターは、PC3細胞、NIH 3T3細胞、293細胞、またはrat−1細胞のよう
な種々の細胞株における98P4B6の発現を制御するために用いられる。
(B.バキュロウイルス発現系)
バキュロウイルス発現系において組換え98P4B6タンパク質を産生するために、9
8P4B6 ORF、またはその一部を、バキュロウイルス移入ベクターであるpBlu
eBac 4.5(Invitrogen)(これは、N末端にHisタグを提供する)
中にクローニングする。具体的には、pBlueBac−98P4B6は、ヘルパープラ
スミドpBac−N−Blue(Invitrogen)を用いて、SF9(Spodo
ptera frugiperda)昆虫細胞へと共トランスフェクトされて、組換えバ
キュロウイルスを作製する(詳細については、Invitrogenの指示マニュアルを
参照のこと)。次いで、バキュロウイルスを、細胞上清から収集し、そしてプラークアッ
セイにより精製する。
次いで、組換え98P4B6タンパク質を、精製したバキュロウイルスを用いるHig
hFive昆虫細胞(Invitrogen)の感染により、作製する。組換え98P4
B6タンパク質を、抗98P4B6または抗Hisタグ抗体を用いて検出し得る。98P
4B6タンパク質を精製し、そして種々の細胞ベースのアッセイにおいて、または98P
4B6に特異的なポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を作製するための免疫原
として用い得る。
(実施例9 抗原性プロフィールおよび二次構造)
図5(A〜E)、図6(A〜E)、図7(A〜E)、図8(A〜E)および図9(A〜
E)は、98P4B6改変体1、2、5〜7の5つのアミノ酸プロフィール(各評価は、
ExPasy分子生物学サーバのワールドワイドウェブサイト(.expasy.ch/
cgi−bin/protscale.pl)に位置するProscaleウェブサイト
にアクセスすることにより利用可能である)を図示する。
これらのプロフィール:図5、親水性、(Hopp T.P.,Woods K.R.
,1981.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3
828);図6、ヒドロパシー、(Kyte J.,Doolittle R.F.,1
982.J.Mol.Biol.157:105−132);図7、接近可能残基パーセ
ント、(Janin J.,1979 Nature 277:491−492);図8
、平均可撓性、(Bhaskaran R.,およびPonnuswamy P.K.1
988.Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255);図
9、βターン(Deleage,G.,Roux B.1987 Protein En
gineering 1:289−294);および、必要に応じて、例えば、Prot
Scaleウェブサイトにあるような、当該分野で利用可能な他のプロフィールを用いて
、98P4B6改変体タンパク質の抗原領域を同定した。98P4B6の上記のアミノ酸
プロフィールの各々を、分析のために以下のProtScaleパラメーターを用いて作
製した:1)9のウィンドウサイズ;2)ウィンドウセンターと比較したウィンドウエッ
ジの100%ウェイト;および3)0と1との間にあるように正規化されたアミノ酸プロ
フィール値。
疎水性プロフィール(図5)、ヒドロパシープロフィール(図6)および接近可能残基
パーセントのプロフィール(図7)を使用して、親水性アミノ酸(すなわち、ヒドロパシ
ープロフィールおよび接近可能残基パーセントのプロフィールにて値が0.5より大きく
、ヒドロパシープロフィールにて値が0.5より小さい)のストレッチを決定した。その
ような領域は、水性環境に曝される可能性があり、タンパク質表面上に存在する可能性が
あり、したがって、(例えば、抗体による)免疫認識に利用可能である。
平均可撓性プロフィール(図8)およびβターンプロフィール(図9)は、二次構造(
例えば、βシートおよびαヘリックス)に拘束されていないアミノ酸(すなわち、βター
ンプロフィールおよび平均可撓性プロフィールにて値が0.5より大きい)のストレッチ
を決定する。そのような領域はまた、タンパク質上の露出した部分である可能性が高く、
従って、(例えば、抗体による)免疫認識に利用可能である。
例えば、図5(A〜E)、図6(A〜E)、図7(A〜E)、図8(A〜E)、および
/または図9(A〜E)に示されるプロフィールにより示される、98P4B6改変体タ
ンパク質の抗原性配列を使用して、免疫原(ペプチド、またはペプチドをコードする核酸
のいずれか)を調製して、治療用および診断用の抗98P4B6抗体を生成する。その免
疫原は、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、1
5個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、2
5個、30個、35個、40個、45個、50個、または50個より長く連続する、図2
および3に列挙される98P4B6タンパク質改変体由来の任意のアミノ酸、またはそれ
をコードする対応核酸であり得る。そのうち、アミノ酸プロフィールは、図9に示され、
図9に示される改変体と同じ改変体配列に同一である。特に、本発明のペプチド免疫原は
、以下を含み得る:図5の親水性プロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ
酸位置を含む、図2の少なくとも5個から、任意の整数の増分のペプチド領域;図6のヒ
ドロパシープロフィールにおいて0.5未満の値を有するアミノ酸位置を含む、図2およ
び3の少なくとも5個から、任意の整数の増分のアミノ酸のペプチド領域;図7の接近可
能残基パーセントのプロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置を含む
、図2および3の少なくとも5個から、任意の整数の増分のアミノ酸のペプチド領域;図
8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置を含む、図
2および3の少なくとも5個から、任意の整数の増分のアミノ酸のペプチド領域;および
図9のβ−ターンプロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置を含む、
図2およびの少なくとも5個から、任意の整数の増分のアミノ酸のペプチド領域。本発明
のペプチド免疫原はまた、上記のいずれかをコードする核酸を含み得る。
本発明の免疫原、ペプチド、または核酸はすべて、ヒト単位用量形態で実施され得るか
、またはヒトの生理に適合する薬学的賦形剤を含む組成物により含有され得る。
98P4B6タンパク質改変体1、2、5〜7の二次構造(すなわち、推定されるαヘ
リックス、伸長鎖、およびランダムコイルの存在および位置)は、HNN−Hierar
chical Neural Network法(Guermeur,1997,htt
p://pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl
?page=npsa_nn.html)(ExPasy分子生物学サーバ(ワールドワ
イドウェブURL:expasy.ch/tools/)からアクセスされる)を使用し
て、一次アミノ酸配列から推定される。この分析は、98P4B6改変体1が、54.4
1%のαヘリックス、12.33%の伸長鎖、および33.26%のランダムコイルから
構成されることを示す(図13A)。改変体2は、17.78%のαヘリックス、6.6
7%の伸長鎖、および75.56%のランダムコイルから構成されることを示す(図13
B)。改変体5は、51.55%のαヘリックス、13.13%の伸長鎖、および35.
52%のランダムコイルから構成されることを示す(図13C)。改変体6は、54.4
9%のαヘリックス、11.84%の伸長鎖、および33.67%のランダムコイルから
構成されることを示す(図13D)。改変体7は、48.26%のαヘリックス、15.
28%の伸長鎖、および36.46%のランダムコイルから構成されることを示す(図1
3E)。
98P4B6改変体タンパク質中の膜貫通ドメインの潜在的存在についての分析を、E
xPasy分子生物学サーバ(ワールドワイドウェブ.expasy.ch/tools
/に位置する)からアクセスされる種々の膜貫通推定アルゴリズムを使用して実行した。
図13Fおよび13Gに図示されるのは、TMpredプログラムを使用した改変体1の
分析の結果であり、6つの膜貫通ドメインの存在および位置を示し(図13F)、TMH
MMプログラムを使用した分析の結果であり、5つの膜貫通ドメインの存在および位置を
示す(図13G)。図13Hおよび13Iに図示されるのは、TMpredプログラムを
使用した改変体2の分析の結果であり、1つの膜貫通ドメインの存在および位置を示し(
図13H)、TMHMMプログラムを使用した分析の結果であり、膜貫通ドメインが存在
しないことを示す(図13I)。図13Jおよび13Kに図示されるのは、TMpred
プログラムを使用した改変体5の分析の結果であり、6つの膜貫通ドメインの存在および
位置を示し(図13J)、TMHMMプログラムを使用した分析の結果であり、4つの膜
貫通ドメインの存在および位置を示す(図13K)。図13Lおよび13Mに図示される
のは、TMpredプログラムを使用した改変体6の分析の結果であり、6つの膜貫通ド
メインの存在および位置を示し(図13L)、TMHMMプログラムを使用した分析の結
果であり、6つの膜貫通ドメインの存在および位置を示す(図13M)。図13Nおよび
13Oに図示されるのは、TMpredプログラムを使用した改変体7の分析の結果であ
り、6つの膜貫通ドメインの存在および位置を示し(図13N)、TMHMMプログラム
を使用した分析の結果であり、4つの膜貫通ドメインの存在および位置を示す(図13O
)。各プログラムの結果、すなわち、膜貫通ドメインをコードするアミノ酸は、表VIに
まとめられる。
(実施例10:98P4B6ポリクローナル抗体の生成)
ポリクローナル抗体を、例えば、免疫因子および(所望される場合は)アジュバントの
1回以上の注射によって、哺乳動物において惹起し得る。代表的には、その免疫因子およ
び/またはアジュバントを、複数回の皮下注射または腹腔内注射によって、その哺乳動物
中に注射する。全長98P4B6タンパク質改変体で免疫することに加えて、アミノ酸配
列分析に基づいて、抗原性でありかつ免疫される宿主の免疫系による認識に利用可能であ
る特性を備える免疫原の設計において、コンピューターアルゴリズムが使用される(「抗
原性プロフィールおよび二次構造」と題する実施例を参照のこと)。そのような領域は、
疎水性であり、可撓性であり、β−ターン立体構造であり、そしてそのタンパク質の表面
上に露出されていると推定される(例えば、98P4B6タンパク質改変体のそのような
領域を示すアミノ酸プロフィールについて、図5(A〜E)、図6(AおよびE)、図7
(A〜E)、図8(A〜E)、または図9(A〜E)を参照のこと)。
例えば、98P4B6タンパク質改変体の疎水性、可撓性、β−ターン領域を含む、細
菌組換え融合タンパク質または細菌組換え融合ペプチドを、New Zealand白色
ウサギにおいてポリクローナル抗体または実施例11に記載されるモノクローナル抗体を
生成するための抗原として使用する。例えば、98P4B6改変体1において、このよう
な領域としては、アミノ酸153〜165、アミノ酸240〜260、およびアミノ酸3
45〜358が挙げられるがこれらに限定されない。改変体2に特有の配列おいて、この
ような領域としては、アミノ酸26〜38が挙げられるがこれらに限定されない。改変体
5に特有の配列おいて、このような領域としては、アミノ酸400〜410が挙げられる
がこれらに限定されない。改変体6に特有の配列おいて、このような領域としては、アミ
ノ酸455〜490が挙げられるがこれらに限定されない。改変体7に特有の配列おいて
、このような領域としては、アミノ酸451〜465およびアミノ酸472〜498が挙
げられるがこれらに限定されない。免疫される哺乳動物において免疫原性であることが公
知のタンパク質に、その免疫因子を結合体化することが有用である。そのような免疫原性
タンパク質の例としては、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミ
ン、ウシサイログロブリン、およびダイズトリプシンインヒビターが挙げられるが、これ
らに限定されない。1つの実施形態において、98P4B6タンパク質改変体1のアミノ
酸153〜165をコードするペプチドを、KLHに結合体化し、ウサギを免疫するため
に使用する。あるいは、その免疫因子は、98P4B6改変体タンパク質、そのアナログ
または融合タンパク質のすべてもしくは一部を含み得る。例えば、98P4B6改変体1
アミノ酸配列を、当該分野で周知の種々の融合タンパク質パートナー(例えば、グルタチ
オン−S−トランスフェラーゼ(GST)タグ化融合タンパク質およびHISタグ化融合
タンパク質)のいずれか1つに、組換えDNA技術を使用して融合し得る。別の実施形態
において、98P4B6改変体1のアミノ酸2〜204を、組換え技術およびpGEX発
現ベクターを使用してGSTに融合し、発現し、精製して、ウサギを免役するために使用
した。そのような融合タンパク質を、適切な親和性マトリックスを使用して誘導した細菌
から精製する。
使用し得る他の組換え細菌融合タンパク質としては、マルトース結合タンパク質、La
cZ、チオレドキシン、NusA、または免疫グロブリン定常領域が挙げられる(「原核
生物系における98P4B6の生成」と題する節、ならびにCurrent Proto
cols In Molecular Biology,Volume 2,Unit
16,Frederick M.Ausubulら編、1995;Linsley,P.
S.,Brady,W.,Urnes,M.,Grosmaire,L.,Damle,
N.,およびLedbetter,L.(1991)J.Exp.Med.174,56
1〜566を参照のこと)。
細菌由来融合タンパク質に加えて、哺乳動物により発現されるタンパク質抗原もまた、
使用する。これらの抗原を、哺乳動物発現ベクター(例えば、Tag5融合ベクターおよ
びFc融合ベクター)から発現させる(「真核生物系における組換え98P4B6の生成
」と題する節を参照のこと)。これらの抗原は、ネイティブタンパク質で見出される翻訳
後修飾(例えば、グリコシル化)を保持する。1つの実施形態において、膜貫通ドメイン
の間の細胞外ループをコードする改変体1のアミノ酸324〜359を、Tag5哺乳動
物分泌ベクター中にクローニングする。その組換えタンパク質を、その組換えベクターを
安定に発現する293T細胞の組織培養上清から、金属キレートクロマトグラフィーによ
って精製する。その後、精製Tag5 98P4B6タンパク質を、免疫原として使用す
る。
この免疫プロトコルの間、宿主動物の免疫応答を増強するアジュバント中に抗原を混合
または乳濁することが、有用である。アジュバントの例としては、完全フロイントアジュ
バント(CFA)およびMPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成ト
レハロースジコリノミコレート)が挙げられるが、これらに限定されない。
代表的プロトコルにおいて、ウサギに、完全フロイントアジュバント(CFA)中に混
合したKLHに結合体化した、200μgまで(代表的には、100〜200μg)の融
合タンパク質または融合ペプチドを、まず皮下免疫する。その後、ウサギに、不完全フロ
イントアジュバント(IFA)中の200μgまで(代表的には、100〜200μg)
の免疫原を、2週間ごとに皮下注射する。各免疫の約7〜10日後に、試験採血を採取し
、そしてELISAにより抗血清の力価をモニターするために使用する。
免疫血清(例えば、Tag5 98P4B6改変体1タンパク質による免疫で誘導され
たウサギ血清)の反応性および特異性を試験するために、全長98P4B6改変体1 c
DNAを、pCDNA3.1 myc−his発現ベクター(Invitrogen)中
にクローニングする(「真核生物系における組換え98P4B6の生成」と題する実施例
を参照のこと)。293T細胞中にその構築物をトランスフェクションした後、細胞溶解
物を、抗98P4B6血清および抗His抗体(Santa Cruz Biotech
nologies,Santa Cruz,CA)でプローブし、ウェスタンブロット技
術を使用して変性98P4B6タンパク質に対する特異的反応性を決定する。GST−融
合タンパク質およびペプチドに対して惹起されたポリクローナル抗体を用いる、293T
において発現される98P4B6改変体1タンパク質の検出が、それぞれ、図17Bおよ
び図17Cに示される。さらに、293T細胞および他の組換え98P4B6発現細胞の
蛍光顕微鏡、フローサイトメトリー、および免疫沈降により、その免疫血清を試験して、
ネイティブタンパク質の特異的認識を決定する。98P4B6を内因的に発現する細胞を
使用して、ウェスタンブロット、免疫沈降、蛍光顕微鏡、およびフローサイトメトリー技
術もまた実行して、反応性および特異性を試験する。
98P4B6融合タンパク質(例えば、GST融合タンパク質およびMBP融合タンパ
ク質)で免疫したウサギ由来の抗血清を、融合パートナーを単独でかまたは無関係の融合
タンパク質の状況で含む親和性カラムを通すことにより、融合パートナー配列に対して反
応性である抗体を除去することによって精製する。例えば、GST−98P4B6改変体
1融合タンパク質から誘導された抗血清を、Affigelマトリクス(BioRad,
Hercules,Calif.)に共有結合したGSTタンパク質のカラムを通すこと
によって、まず精製する。その抗血清を、次いで、Affigelマトリクスに共有結合
したMBP−98P4B6融合タンパク質から構成されるカラムを通すことにより精製す
る。次いで、その血清を、プロテインGアフィニティークロマトグラフィーによりさらに
精製して、IgG画分を単離する。他のHisタグ化抗原およびペプチド免疫ウサギ由来
の血清、ならびに融合パートナー除去血清を、もとのタンパク質免疫原または遊離ペプチ
ド(例えば、図17Cにおいて使用される抗ペプチドポリクローナル抗体)から構成され
るカラムマトリックスを通すことによって親和性精製する。
(実施例11:98P4B6モノクローナル抗体(mAb)の生成)
1つの実施形態において、98P4B6改変体に対する治療的mAbは、各改変体タン
パク質に特異的な、または98P4B6改変体の生物学的機能を破壊または調節する改変
体(例えば、リガンドおよび結合パートナーとの相互作用を破壊するものを含む)間に共
通した配列に特異的なエピトープと反応するmAbを含む。このようなmAbの生成のた
めの免疫原は、98P4B6改変体全体、アミノ酸配列のコンピューター分析によって抗
原性であることが推定される98P4B6タンパク質改変体の領域(例えば、図5(A〜
E)、図6(A〜E)、図7(A〜E)、図8(A〜E)、または図9(A〜E)、およ
び「抗原性プロフィール」と題された実施例を参照のこと)をコードするかまたは含むよ
うに設計された免疫原である。免疫原としては、ペプチド、組換え細菌タンパク質、およ
びTag5タンパク質ならびにヒトおよびマウスのIgG Fc融合タンパク質を発現し
た哺乳動物タンパク質が挙げられる。さらに。それぞれの98P4B6改変体の高レベル
を発現するように操作された細胞(例えば、293T−98P4B6改変体1または30
0.19−98P4B6改変体1マウスPreB細胞)を、マウスを免疫するために使用
される。
98P4B6改変体に対するmAbを生成するために、マウスを、代表的には、完全フ
ロイントアジュバント中に混合した、10〜50μgのタンパク質免疫原または10
98P4B6発現細胞で、まず腹腔内(IP)免疫した。その後、マウスを、代表的には
、不完全フロイントアジュバント中に混合した、10〜50μgのタンパク質免疫原また
は10の細胞で、2〜4週間毎にIP免疫した。あるいは、MPL−TDMアジュバン
トを、免疫に使用する。上記のタンパク質および細胞ベースの免疫ストラテジーに加えて
、DNAベースの免疫プロトコルを使用する。このプロトコルにおいて、98P4B6改
変体配列をコードする哺乳動物発現ベクターを使用して、プラスミドDNAの直接注射に
よりマウスを免疫する。例えば、アミノ酸31〜347をTag5哺乳動物分泌ベクター
にクローニングし、次いで、組換えベクターを免疫原として使用する。別の例において、
同じアミノ酸をFc−融合分泌ベクターにクローニングし、この分泌ベクターにおいて、
98P4B6改変体1配列を、アミノ末端においてIgKリーダー配列に、およびカルボ
キシ末端においてヒトまたはマウスのIgG Fc領域のコード配列に融合する。次いで
、その組換えベクターを免疫原として使用する。プラスミド免疫プロトコルを、同じベク
ターから発現される精製タンパク質と、およびそれぞれの98P4B6改変体を発現する
細胞と組み合わせて使用する。
免疫プロトコルの間に、試験採血を注射して7〜10日後に行い、免疫応答の力価およ
び特異性をモニターする。一旦適切な反応性および特異性を、ELISA、ウェスタンブ
ロッティング、免疫沈降、蛍光顕微鏡、およびフローサイトメトリー分析で決定されるよ
うに得ると、当該分野で周知の確立された手順により、融合物およびハイブリドーマ生成
を行う(例えば、HarlowおよびLane,1998を参照のこと)。
98P4B6モノクローナル抗体を生成するための一実施形態において、アミノ酸31
〜347をコードするTag5−98P4B6改変体1抗原を、発現し、次いで、安定に
トランスフェクトした293T細胞から精製した。BalbCマウスを最初に、完全フロ
イントアジュバント中で混合した、25μgの98P4B6改変体1タンパク質で腹腔内
免疫する。マウスを、その後、不完全フロイントアジュバント中に混合した、25μgの
抗原で、2週間毎に合計3回免疫した。Tag5抗原を使用するELISAは、免疫マウ
スに由来する血清の力価を決定する。全長98P4B6改変体1タンパク質に対する血清
の反応性および特異性を、98P4B6改変体1 cDNAをコードする発現ベクターで
トランスフェクトした293細胞を使用するウェスタンブロッティング、免疫沈降および
フローサイトメトリーによりモニターする(例えば、「真核生物系における組換え98P
4B6の生成」と題する節および図20を参照のこと)。他の組換え98P4B6改変体
1発現細胞または内因的に98P4B6改変体1を発現する細胞もまた使用する。最も強
い反応性を示すマウスを休ませ、PBS中のTag5抗原の最後の注射を与え、次いで、
4日後に屠殺した。屠殺したマウスの脾臓を採取し、標準的な手順(Harlowおよび
Lane,1998)に従ってSPO/2骨髄腫細胞に融合させる。HAT選択した増殖
ウェルからの上清を、ELISA、ウェスタンブロッティング、免疫沈降、蛍光顕微鏡、
およびフローサイトメトリーによりスクリーニングして、98P4B6特異的抗体精製ク
ローンを同定する。
各98P4B6改変体タンパク質に特異的なモノクローナル抗体を作製するために、免
疫原が、各改変体に独特の配列をコードするように設計される。1つの実施形態において
、98P4B6改変体2(AA1−45)の全長配列をコードするGST融合抗原が作製
され、精製され、そして98P4B6改変体2に特異的なモノクローナル抗体を誘導する
ために免疫源として使用される。別の実施形態において、98P4B6改変体5のアミノ
酸400〜410から構成される抗原性ペプチドは、KLHに結合され、免疫源として使
用される。別の実施形態において、98P4B6改変体6のアミノ酸455〜490から
構成される抗原性ペプチドは、改変体6特異的モノクローナル抗体を誘導するための免疫
源として使用される。別の実施形態において、改変体7のアミノ酸472〜498から構
成される抗原性ペプチドは、KLHに結合され、改変体7特異的モノクローナル抗体を生
成するための免疫源として使用される。次いで、ハイブリドーマ上清を、それぞれの抗原
でスクリーニングし、次いで、さらに、特異的改変体を発現する細胞をスクリーニングし
、そして他の改変体を発現する細胞を交差スクリーニングして、改変体特異的モノクロー
ナル抗体を誘導する。
98P4B6モノクローナル抗体の結合親和性を、標準的技術を使用して決定する。親
和性測定によって、エピトープ結合に対する抗体の強度を定量し、そしてその親和性測定
を使用して、どの98P4B6モノクローナル抗体が、当業者により認識されるような診
断用途または治療用途のために好ましいかを規定するのを補助する。BIAcoreシス
テム(Uppsala,Sweden)は、結合親和性を決定するために好ましい方法で
ある。このBIAcoreシステムは、表面プラスモン共鳴(SPR,Welford
K.1991,Opt.Quant.Elect.23:1;MortonおよびMys
zka,1998,Methods in Enzymology 295:268)を
使用して、リアルタイムで生体分子相互作用をモニターする。BIAcore分析は、会
合速度定数、解離速度定数、平衡解離定数、および親和性定数を簡便に生じる。
(実施例12:HLAクラスI結合アッセイおよびHLAクラスII結合アッセイ)
精製HLA分子を使用するHLAクラスI結合アッセイおよびHLAクラスII結合ア
ッセイを、開示されたプロトコル(例えば、PCT公開WO94/20127およびWO
94/03205;Sidneyら、Current Protocols in Im
munology 18.3.1(1998);Sidneyら、J.Immunol.
154:247(1995);Setteら、Mol.Immunol.31:813(
1994))に従って、実施する。簡単に述べると、記載されるように、精製MHC分子
(5〜500nM)を、種々の非標識ペプチドインヒビターおよび1〜10nMの125
I放射標識プローブペプチドとともにインキュベートする。インキュベーション後、MH
C−ペプチド複合体を、ゲル濾過により遊離ペプチドから分離し、そして結合ペプチドの
画分を、測定する。代表的には、予備実験において、各MHC調製物を、一定量の放射標
識ペプチドの存在下で力価決定して、全放射能のうちの10〜20%を結合するのに必要
なHLA分子の濃度を決定する。その後のすべての阻害アッセイおよび直接結合アッセイ
を、これらのHLA濃度を使用して実施する。
これらの条件下では[標識]<[HLA]かつIC50≧[HLA]であるので、測定
したIC50値は、真のK値の妥当な近似である。ペプチドインヒビターを、代表的に
は、120μg/ml〜1.2ng/mlの範囲の濃度で試験し、そして完全に独立した
2つ〜4つの実験において試験する。種々の実験において得られたデータの比較を可能に
するために、相対的結合数を、各ペプチドについて計算する。この計算は、阻害について
のポジティブコントロールのIC50を、試験した各ペプチドについてのIC50(代表
的には、放射標識プローブペプチドの非標識バージョン)で除算することによる。データ
ベース目的のため、そして実験間比較のために、相対的結合値を集計する。これらの値を
、その後、IC50nM値へと変換して戻し得る。この変換は、阻害についてのポジティ
ブコントロールのIC50nMを、目的のペプチドの相対的結合によって除算することに
よる。このデータ集計方法は、正確であり、そして異なる日に試験したペプチドまたは異
なるロットの精製MHCを用いて試験したペプチドの比較について、一貫性がある。
上記に概略したような結合アッセイを使用して、HLAスーパーモチーフ保有ペプチド
および/またはHLAモチーフ保有ペプチドを分析し得る(表IVを参照のこと)。
(実施例13:HLAスーパーモチーフ保有CTL候補エピトープおよびHLAモチー
フ保有CTL候補エピトープの同定)
本発明のHLAワクチン組成物は、複数のエピトープを含み得る。その複数のエピトー
プは、広範な集団範囲を達成するために、複数のHLAスーパーモチーフまたはHLAモ
チーフを含み得る。本実施例は、そのようなワクチン組成物中に含めるための、スーパー
モチーフ保有エピトープおよびモチーフ保有エピトープの同定および確認を示す。集団範
囲の計算を、下記のストラテジーを使用して実施する。
(スーパーモチーフ保有エピトープおよび/またはモチーフ保有エピトープの同定のた
めのコンピューター検索およびアルゴリズム)
「抗原性プロフィール」と題する実施例ならびに表VIII〜XXIおよびXXII〜
XLIXにおいてモチーフ保有ペプチド配列を同定するために実施する検索は、図2およ
び図3に示される98P4B6の遺伝子産物からのタンパク質配列データを使用し、表を
作成するのに使用された特定の検索ペプチドを、表VIIに列挙する。
HLAクラスIスーパーモチーフもしくはHLAクラスIモチーフまたはHLAクラス
IIスーパーモチーフもしくはHLAクラスIIモチーフを保有するエピトープについて
のコンピューター検索を、以下のように実施する。翻訳される全ての98P4B6タンパ
ク質配列を、文字列検索ソフトウェアプログラムを使用して分析して、適切なHLA結合
モチーフを含む可能性のあるペプチド配列を同定する;そのようなプログラムを、公知の
モチーフ/スーパーモチーフの開示を考慮して、当該分野における情報に従って容易に作
成する。さらに、そのような計算は、頭でなし得る。
同定したA2スーパーモチーフ配列、A3スーパーモチーフ配列、およびDRスーパー
モチーフ配列を、多項アルゴリズムを使用してスコア付けして、それらのモチーフが、特
定のHLA−クラスI分子またはHLA−クラスII分子に結合する能力を推測する。こ
れらの多項アルゴリズムは、異なる位置にある異なるアミノ酸の影響を考慮する。これら
の多項アルゴリズムは、ペプチド−HLA分子相互作用の全親和性(すなわちΔG)が、
「ΔG」=a1i×a2i×a3i...×ani
の型の線形多項関数として近似し得るという前提に本質的に基づき、ここで、ajiは、
nアミノ酸のペプチド配列に沿って所定の位置(i)にある所定のアミノ酸(j)の存在
の効果を示す係数である。この方法の重大な仮定は、各位置での効果が、互いに本質的に
独立している(すなわち、個々の側鎖の独立した結合である)ということである。残基j
が、そのペプチド中の位置iに存在する場合、そのペプチドの残りの配列とは関係なく、
そのペプチドの結合の自由エネルギーに一定量jを寄与すると仮定する。
特定のアルゴリズム係数の誘導方法は、Gulukotaら、J.Mol.Biol.
267:1258〜126,1997に記載されている(Sidneyら、Human
Immunol.45:79〜93,1996;およびSouthwoodら、J.Im
munol.160:3363〜3373,1998もまた参照のこと)。簡単に述べる
と、全てのi位置について、アンカーおよび非アンカーも同様に、jを保有する全てのペ
プチドの平均相対結合(ARB)の相乗平均を、その群の残りに対して計算し、そしてj
の推定値として使用する。クラスIIペプチドについて、多重アライメントが可能であ
る場合、反復手順に従って、最高スコアリングアライメントのみを利用する。試験セット
中の所定のペプチドのアルゴリズムスコアを計算するために、そのペプチドの配列に対応
するARB値を乗算する。この積が、選択した閾値を超える場合、そのペプチドは結合す
ると推定される。適切な閾値を、望ましい推定のストリンジェンシーの程度の関数として
選択する。
(HLA−A2スーパータイプ交叉反応性ペプチドの選択)
98P4B6由来のタンパク質配列を、モチーフ同定ソフトウェアを利用してスキャン
して、HLA−A2スーパーモチーフ主要アンカー特異性を含む、8マー配列、9マー配
列、10マー配列、および11マー配列を同定する。代表的には、次いで、これらの配列
を、上記のプロトコルを使用してスコア付けし、そして正のスコアを持つ配列に対応する
ペプチドを合成し、これらのインビトロでの精製HLA−A0201分子を結合する能
力について試験する(HLA−A0201は、プロトタイプA2スーパータイプ分子と
みなされる)。
次いで、これらのペプチドを、さらなるA2スーパータイプ分子(A0202、A
0203、A0206、およびA6802)に結合する能力について試験する。試験
した5つのA2スーパータイプ対立遺伝子のうちの少なくとも3つに結合するペプチドを
、代表的には、A2スーパータイプ交叉反応性結合体と見なす。好ましいペプチドは、3
つ以上のHLA−A2スーパータイプ分子に500nM以下の親和性で結合する。
(HLA−A3スーパーモチーフ保有エピトープの選択)
上記でスキャンする98P4B6タンパク質配列を、HLA−A3スーパーモチーフ主
要アンカーを有するペプチドの存在についても試験する。次いで、HLA−A3スーパー
モチーフ保有配列に対応するペプチドを合成し、そしてHLA−A0301分子および
HLA−A1101分子(最も有力な2つのA3スーパータイプ対立遺伝子によりコー
ドされる分子)への結合について試験する。次いで、≦500nM、しばしば≦200n
Mの結合親和性でその2つの対立遺伝子のうちの少なくとも1つに結合するペプチドを、
他の一般的なA3スーパータイプ対立遺伝子(例えば、A3101、A3301およ
びA6801)に対する結合交叉反応性について試験して、試験する5つのHLA−A
3スーパータイプ分子のうちの少なくとも3つに結合し得る分子を同定する。
(HLA−B7スーパーモチーフ保有エピトープの選択)
上でスキャンした98P4B6タンパク質を、HLA−B7スーパーモチーフを含む、
8マーペプチド、9マーペプチド、10マーペプチド、または11マーペプチドの存在に
ついても分析する。対応するペプチドを合成し、そしてHLA−B0702(最も一般
的なB7スーパータイプ対立遺伝子(すなわち、プロトタイプB7スーパータイプ対立遺
伝子)によりコードされる分子)への結合について試験する。IC50≦500nMでB
0702を結合するペプチドを、標準的方法を使用して同定する。次いで、これらのペ
プチドを、他の一般的なB7スーパータイプ分子(例えば、B3501、B5101
、B5301およびB5401)への結合について試験する。それによって、試験す
る5つのB7スーパータイプ対立遺伝子のうちの3つ以上に結合し得るぺプチドを、同定
する。
(A1モチーフ保有エピトープおよびA24モチーフ保有エピトープの選択)
集団範囲をさらに増大するために、HLA−A1エピトープおよびHLA−A24エピ
トープもまた、ワクチン組成物中に組み込み得る。98P4B6タンパク質の分析もまた
、HLA−A1モチーフ含有配列およびHLA−A24モチーフ含有配列を同定するため
に実施し得る。
他のモチーフおよび/またはスーパーモチーフを保有する、高親和性結合エピトープお
よび/または交叉反応性結合エピトープを、類似する方法論を使用して同定する。
(実施例14:免疫原性の確認)
本明細書中に記載されるように同定される交叉反応性候補CTL A2スーパーモチー
フ保有ペプチドを、インビトロでの免疫原性を確認するために選択する。以下の方法論を
使用して確認を実施する。
(細胞スクリーニングのための標的細胞株)
HLA−A2.1遺伝子を、HLA−A、HLA−B、HLA−Cヌル変異体ヒトBリ
ンパ芽球細胞株である721.221に移入することによって生成した.221A2.1
細胞株を、HLA−A2.1拘束CTLの活性を測定するためのペプチド負荷標的として
使用する。この細胞株を、抗生物質、ピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、および1
0%(v/v)熱不活化FCSを補充したRPMI−1640培地中で増殖させる。目的
の抗原を発現する細胞、または目的の抗原をコードする遺伝子を含むトランスフェクタン
トを、ペプチド特異的CTLが内因性抗原を認識する能力を確認するための標的細胞とし
て使用し得る。
(一次CTL誘導培養)
(樹状細胞(DC)の産生) PBMCを、30μg/mlのDNAseを含むRPM
I中で解凍し、完全培地(RPMI−1640+5% ABヒト血清、非必須アミノ酸、
ピルビン酸ナトリウム、L−グルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシン)で2回
洗浄し、この完全培地中に再懸濁する。その単球を、6ウェルプレート中に10×10
PBMC/ウェルでプレートすることによって精製する。37℃にて2時間後、そのプレ
ートを穏やかに振盪し、その上清を吸引することによって、非接着細胞を除去する。ウェ
ルを、3mlのRPMIで合計3回洗浄して、非接着細胞および緩く接着する細胞のほと
んどを除去する。その後、50ng/mlのGM−CSFおよび1,000U/mlのI
L−4を含む3mlの完全培地を、各ウェルに添加する。6日目に、75ng/mlにて
TNFαを、DCに添加し、7日目に、その細胞を、CTL誘導培養に使用する。
(DCおよびペプチドを用いてのCTLの誘導) CD8+T細胞を、Dynal免疫
磁気ビーズ(Dynabeads(登録商標)M−450)およびdetacha−be
ad(登録商標)試薬を用いるポジティブ選択によって単離する。代表的には、約200
×10個〜250×10個のPBMCを、24×10個のCD8T細胞(48ウ
ェルプレート培養のために十分である)を得るために処理する。簡単に述べると、PBM
Cを、30μg/mlのDNAseを含むRPMI中で解凍し、そして1%ヒトAB血清
を含むPBSで1回洗浄し、そしてPBS/1%AB血清中に、濃度20×10細胞/
mlで再懸濁する。磁気ビーズを、PBS/AB血清を用いて3回洗浄し、細胞(140
μlビーズ/20×10細胞)に添加し、そして継続して混合しながら4℃で1時間イ
ンキュベートする。そのビーズおよび細胞を、PBS/AB血清を用いて4回洗浄して、
非接着細胞を除去し、そして100μl/ml detacha−bead(登録商標)
試薬および30μg/ml DNAseを含むPBS/AB血清中に、100×10
胞/ml(もとの細胞数に基づく)で再懸濁する。その混合物を、継続して混合しながら
室温にて1時間インキュベートする。そのビーズを、PBS/AB/DNAseで再び洗
浄し、CD8+T細胞を収集する。DCを収集し、そして1300rpmにて5〜7分間
遠心分離し、1%BSAを含むPBSで1回洗浄し、計数し、そして3μg/mlのβ
−ミクログロブリンの存在下で、20℃で4時間、細胞濃度1×10〜2×10/m
lで、40μg/mlのペプチドを用いてパルスする。その後、そのDCを照射(4,2
00rad)し、培地で1回洗浄し、そして再び計数する。
(誘導培養の設定) 0.25mlのサイトカイン産生DC(1×10細胞/ml)
を、10ng/mlのIL−7の存在下で、48ウェルプレートの各ウェル中で0.25
mlのCD8+T細胞(2×10細胞/ml)とともに共培養する。翌日、組換えヒト
IL−10を、最終濃度10ng/mlで添加し、48時間後に、rヒトIL−2を、1
0IU/mlで添加する。
(ペプチドでパルスした接着細胞を用いる、誘導培養物の再刺激) 一次誘導の7日後
および14日後に、その細胞を、ペプチドでパルスした接着細胞を用いて再刺激する。そ
のPBMCを解凍し、RPMIおよびDNAseで2回洗浄する。その細胞を、5×10
細胞/mlで再懸濁し、そして約4200radで照射する。PBMCを、1ウェルあ
たり0.5ml完全培地中2×10にてプレートし、37℃で2時間インキュベートす
る。そのプレートを穏やかにタッピングすることによってRPMIで2回洗浄して非接着
細胞を除去し、0.25mlのRPMI/5%AB/ウェル中3μg/mlのβミクロ
グロブリンの存在下で10μg/mlのペプチドで接着細胞を、37℃で2時間パルスす
る。各ウェルからペプチド溶液を吸引し、そのウェルを、RPMIで1回洗浄する。その
培地のほとんどを、誘導培養物(CD8+細胞)から吸引し、そして新鮮な培地で0.5
mlにする。その後、その細胞を、ペプチドでパルスした接着細胞を含むウェルへと移す
。24時間後に、組換えヒトIL−10を、最終濃度10ng/mlで添加し、そして翌
日および2〜3日後に再度、組換えヒトIL2を、50IU/mlで添加する(Tsai
ら、Critical Reviews in Immunology 18(1〜2)
:65〜75,1998)。7日後に、その培養物を、51Cr放出アッセイにおいてC
TL活性についてアッセイする。いくつかの実験において、その培養物を、2回目の再刺
激の際にインサイチュIFNγ ELISAにおいてペプチド特異的認識についてアッセ
イし、7日後に、内因的認識のアッセイを行う。増殖後、並列比較のために両方のアッセ
イにおいて活性を測定する。
51Cr放出によるCTL溶解活性の測定)
2回目の再刺激の7日後、単一のE:Tにて個々のウェルをアッセイすることによって
、標準的(5時間)51Cr放出アッセイにおいて細胞傷害性を決定する。細胞を10μ
g/mlペプチドとともに37℃で一晩インキュベートすることによって、ペプチドでパ
ルスした標的を調製する。
接着標的細胞を、トリプシン−EDTAを用いて培養フラスコから除去する。標的細胞
を、200μCiの51Crクロム酸ナトリウム(Dupont,Wilmington
,DE)を用いて37℃で1時間標識する。標識した標的細胞を、1mlあたり10
再懸濁し、K562細胞(非特異的溶解を減少するために使用されるNK感受性赤芽球腫
株)を用いて濃度3.3×10/mlで1:10希釈する。標的細胞(100μl)お
よびエフェクター(100μl)を、96ウェル丸底プレート中にプレートし、そして3
7℃で5時間インキュベートする。その時、100μlの上清を各ウェルから収集し、そ
して式:
[(試験サンプルのcpm−自然発生51Cr放出サンプルのcpm)/(最大51
r放出サンプルのcpm−自然発生51Cr放出サンプルのcpm)]×100
に従って、溶解パーセントを決定する。
最大放出および自然発生放出を、それぞれ、標識標的を、1%Triton X−10
0および培地単独とともにインキュベートすることによって、決定する。特異的溶解(サ
ンプル−バックグラウンド)が個々のウェルの場合に10%以上であり、増殖した培養物
をアッセイする場合には最高の2つのE:T比にて15%以上である培養物として、ポジ
ティブ培養物を規定する。
(ペプチド特異的かつ内因性認識の指標としてのヒトIFNγ生成のインサイチュ測定

Immulon2プレートを、マウス抗ヒトIFNγモノクローナル抗体(4μg/m
l 0.1M NaHCO、pH8.2)を使用して、4℃にて一晩コーティングする
。このプレートをCa2+、Mg2+非含有PBS/0.05% Tween20で洗浄
し、PBS/10% FCSを使用して2時間ブロッキングし、その後、CTL(100
μl/ウェル)および標的(100μl/ウェル)を各ウェルに添加し、標準物質および
ブランクのためのウェルは、(培地のみを入れ)空にしておく。標的細胞(ペプチドパル
スまたは内因性標的いずれか)を1×10細胞/mlの濃度にて使用する。プレートを
、5% COにより37℃にて48時間インキュベートする。
組換えヒトIFN−γを、400pg/100μl/ウェルまたは1200pg/10
0μl/ウェルにて開始して標準ウェルに添加し、プレートを37℃にて2時間インキュ
ベートする。プレートを洗浄し、100μlのビオチン化マウス抗ヒトIFN−γモノク
ローナル抗体(PBS/3%FCS/0.05%Tween20中に2μg/ml)を添
加し、室温にて2時間インキュベートする。再び洗浄した後、100μlのHRP−スト
レプトアビジン(1:4000)を添加し、プレートを室温にて1時間インキュベートす
る。次いで、このプレートを洗浄緩衝液で6回洗浄し、100μl/ウェルの発色溶液(
TMB 1:1)を添加し、プレートを5〜15分間、発色させる。50μl/ウェル
1M HPOを使用して反応を停止し、OD450にて読み取る。少なくとも50p
gのIFN−γ/ウェルが、バックグラウンドより上で測定されかつ発現のバックグラウ
ンドレベルの2倍である場合、培養物をポジティブとみなす。
(CTL増殖)
ペプチドパルスした標的および/または腫瘍標的に対する特異的溶解活性を示す培養物
を、抗CD3とともに2週間にわたり増殖させる。簡潔には、5×10 CD8細胞
を、以下を含むT25フラスコに添加する:RPMI−1640(10%(v/v)ヒト
AB血清、非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、25μM 2−メルカプトエタノー
ル、L−グルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシンを含有する)1ml中、1×
10照射(4,200rad)PBMC(自己または同種異系)/ml、2×10
射(8,000rad)EBV形質転換細胞/ml、および30ng/mlのOKT3(
抗CD3)。組換えヒトIL2を200IU/mlの最終濃度にて24時間後に添加し、
その後3日間毎に、50IU/mlにて新たな培地を加える。細胞濃度が1×10/m
lを超えたら細胞を分け、培養物を、51Cr放出アッセイにて30:1、10:1、3
:1および1:1のE:T比で13〜15日の間にアッセイするか、または増殖前と同じ
標的を使用してインサイチュIFNγアッセイにて1×10/mlでアッセイする。
培養物を、以下の通り、抗CD3の非存在下で増殖させる。ペプチドおよび内因性標
的に対する特異的溶解活性を示す培養物を選択し、5×10 CD8細胞を、以下を
含むT25フラスコに添加する:RPMI−1640(10%(v/v)ヒトAB血清、
非必須AA、ピルビン酸ナトリウム、25mM 2−ME、L−グルタミンおよびゲンタ
マイシンを含有する)1ml中、1×10自己PBMC/ml(10μg/ml ペプ
チドを用いて37℃にて2時間ペプチドパルスし、そして照射(4,200rad)した
);2×10照射(8,000rad)EBV形質転換細胞/ml。
(A2スーパーモチーフ保有ペプチドの免疫原性)
A2スーパーモチーフ交叉反応性結合ペプチドを、正常個体におけるペプチド特異的C
TLを誘導する能力について細胞アッセイにて試験する。この分析において、ペプチドは
、代表的には、少なくとも個体においてペプチド特異的CTLを誘導し、好ましくは、内
因的に発現されたペプチドもまた認識する場合、エピトープであると考えられる。
98P4B6を発現する腫瘍を保有する患者から単離されたPBMCを使用して、免疫
原性もまた確認し得る。簡潔には、PBMCを患者から単離し、ペプチドパルスした単球
を用いて再刺激し、ペプチドパルスした標的細胞および抗原を内因的に発現するトランス
フェクト細胞を認識する能力についてアッセイする。
(A03/A11免疫原性の評価)
HLA−A3スーパーモチーフ保有交叉反応性結合ペプチドもまた、HLA−A2スー
パーモチーフペプチドの免疫原性を評価するために使用される方法と同様の方法を使用し
て、免疫原性について評価する。
(B7免疫原性の評価)
本明細書中で示されるように同定されたB7スーパータイプ交叉反応性結合ペプチドの
免疫原性スクリーニングを、A2スーパーモチーフおよびA3スーパーモチーフを保有す
るペプチドの確認と類似する様式で確認する。
他のスーパーモチーフ/モチーフ(例えば、HLA−A1、HLA−A24など)を保
有するペプチドもまた、同様の方法論を使用して確認する。
(実施例15:アナログを作製することによるネイティブエピトープの結合能力を改善
するための伸長したスーパーモチーフの実行)
HLAモチーフおよびスーパーモチーフ(一次残基および/または二次残基を含む)は
、本明細書中に実証されるように、高度に交叉反応性のネイティブペプチドの同定および
調製において有用である。さらに、HLAモチーフおよびスーパーモチーフの規定はまた
、ネイティブペプチド配列内の残基を同定することにより高度に交叉反応性のエピトープ
を操作することを可能にする。このネイティブペプチド配列は、ペプチドに特定の特性(
例えば、スーパータイプを含むHLA分子の群内のより大きな交叉反応性および/または
それらのHLA分子のいくつかまたは全てに対するより大きな結合親和性)を付与するた
めにアナログ化され得る(analoged)。調節された結合親和性を示すアナログ化
ペプチドの例は、本実施例に示される。
(一次アンカー残基でのアナログ化)
ペプチド操作ストラテジーを、エピトープの交叉反応性をさらに増大させるために実行
する。例えば、A2スーパーモチーフ保有ペプチドの主要アンカーを、例えば、2位にて
好ましいL、I、VまたはMを、およびC末端にて好ましいIまたはVを導入するために
改変する。
アナログペプチドの交叉反応性を分析するために、各操作アナログを、最初に、プロト
タイプA2スーパータイプ対立遺伝子A0201に対する結合について、次いで、A
0201結合能力が維持されていれば、A2スーパータイプ交叉反応性について試験する
あるいは、ペプチドを、1つまたは全てのスーパータイプメンバーを結合すると確認し
、次いで、スーパータイプメンバーのいずれか1つ(または1以上)に対する結合親和性
を調節するためにアナログ化して、集団範囲を付加する。
細胞スクリーニング分析における免疫原性についてのアナログ選択は、代表的には、親
野生型(WT)ペプチドが、3以上のA2スーパータイプ対立遺伝子に少なくとも弱く結
合する(すなわち、5000nM以下のIC50にて結合する)能力によってさらに制限
される。この要件についての原理は、WTペプチドが生物学的に関連するに十分な量にて
内因的に存在しなければならないということである。アナログ化ペプチドは、親エピトー
プに特異的なT細胞による増大した免疫原性および交叉反応性を有することが示された(
例えば、Parkhurstら、J.Immunol.157:2539,1996;お
よびPogueら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:8166,
1995を参照のこと)。
これらのペプチドアナログの細胞スクリーニングにおいて、アナログ特異的CTLもま
た、野生型ペプチド、および可能である場合は、このエピトープを内因的に発現する標的
細胞を認識することが可能であることを確認することが重要である。
(HLA−A3およびB7のスーパーモチーフを保有するペプチドのアナログ化)
HLA−A3スーパーモチーフ保有エピトープのアナログは、HLA−A2スーパーモ
チーフ保有ペプチドのアナログ化において使用されるストラテジーと同様のストラテジー
を使用して生成される。例えば、A3スーパータイプ分子の3/5に結合するペプチドは
、2位に好ましい残基(V、S、MまたはA)を保有するように一次アンカー残基にて操
作される。
次いで、このアナログペプチドは、A03およびA11(プロトタイプA3スーパ
ータイプ対立遺伝子)を結合する能力について試験される。次いで、≦500nMの結合
能を示すペプチドは、A3スーパータイプ交叉反応性を有すると確認される。
A2モチーフ保有ペプチドおよびA3モチーフ保有ペプチドに類似して、3以上のB7
スーパータイプ対立遺伝子を結合するペプチドを改善して、可能な場合、増大した交叉反
応結合性またはより大きな結合親和性もしくは結合半減期を達成し得る。B7スーパーモ
チーフを保有するペプチドは、Sidneyら(J.Immunol.157:3480
−3490,1996)に示されるように、例えば、C末端一次アンカー位置にて好まし
い残基(V、I、LまたはF)を有するように操作される。
他のモチーフ保有エピトープおよび/またはスーパーモチーフ保有エピトープの一次ア
ンカー残基でのアナログ化は、同様の様式で実施される。
次いで、アナログペプチドは、代表的には、細胞スクリーニングアッセイにおいて免疫
原性について確認される。繰り返すと、アナログ特異的CTLもまた、野生型ペプチド、
および可能な場合、このエピトープを内因的に発現する標的を認識することが可能である
ことを実証することが一般に重要である。
(二次アンカー残基でのアナログ化)
さらに、HLAスーパーモチーフは、高度に交叉反応性のペプチドおよび/または増大
した親和性でHLA分子を結合するペプチドを、このような特性と関連する二次アンカー
位置での特定の残基を同定することにより、操作することにおいて価値がある。例えば、
1位にF残基を有するB7スーパーモチーフ保有ペプチドの結合能力を分析する。次いで
、このペプチドを、例えば、1位のFをLで置換するようにアナログ化する。このアナロ
グ化ペプチドを、増大した結合親和性、結合半減期および/または増大した交叉反応性に
ついて評価する。このような手順は、増強した特性を有するアナログ化ペプチドを同定す
る。
十分に改善された結合能力または交叉反応性を有する操作されたアナログを、例えば、
IFA免疫またはリポペプチド免疫の後に、HLA−B7トランスジェニックマウスにお
いて免疫原性についてもまた試験し得る。アナログ化ペプチドを、98P4B6発現腫瘍
を有する患者由来のPBMCを使用してリコール(recall)応答を刺激する能力に
ついてさらに試験する。
(他のアナログ化ストラテジー)
ペプチドアナログ化の別の形態は、アンカー位置とは無関係に、システインを、α−ア
ミノ酪酸で置換することを包含する。その化学的性質に起因して、システインは、ジスル
フィド架橋を形成し、かつ結合能力を減少させるに十分、ペプチドを構造的に変化させる
特性を有する。システインの代わりにα−アミノ酪酸での置換は、この問題を軽減するだ
けでなく、いくつかの場合において、結合能力および交叉結合能力を改善することもまた
示される(例えば、Setteら、Persistent Viral Infecti
ons,R.AhmedおよびI.Chen編,John Wiley & Sons,
England,1999による総説を参照のこと)。
従って、単一アミノ酸置換の使用により、HLAスーパータイプ分子に対するペプチド
リガンドの結合特性および/または交叉反応性が調節され得る。
(実施例16:HLA−DR結合モチーフを有する98P4B6由来配列の同定および
確認)
HLAクラスIIスーパーモチーフまたはHLAクラスIIモチーフを有するペプチド
エピトープは、HLAクラスIペプチドについて記載された方法論と類似の方法論を使用
して、以下に概説されるように同定および確認される。
(HLA−DRスーパーモチーフ保有エピトープの選択)
98P4B6由来のHLAクラスII HTLエピトープを同定するために、98P4
B6抗原を、HLA−DRモチーフまたはHLA−DRスーパーモチーフを保有する配列
の存在について分析する。具体的には、DRスーパーモチーフを含む(9マーのコアおよ
び3残基のN末端および3残基のC末端隣接領域を含む(計15アミノ酸))15マーの
配列を選択する。
DR分子に結合するペプチドを推定するためのプロトコルが開発されている(Sout
hwoodら,J.Immunol.160:3363−3373,1998)。個々の
DR分子に対して特異的なこれらのプロトコルは、9マーコア領域のスコア付けおよび順
位付けを可能にする。各プロトコルは、9マーコア内のDRスーパーモチーフ一次アンカ
ー(すなわち、1位および6位)の存在についてペプチド配列をスコア付けするのみなら
ず、二次アンカーの存在についての配列もさらに評価する。対立遺伝子特異的選択表(例
えば、Southwoodら,同書を参照のこと)を使用して、これらのプロトコルが、
特定のDR分子を結合する確率が高いペプチド配列を効率的に選択することを見いだした
。さらに、これらのプロトコルを連携して(in tandem)実施することは、具体
的に、DR1、DR4w4、およびDR7に対する実施が、DR交叉反応性ペプチドを効
率的に選択し得ることを見いだした。
上記で同定された98P4B6由来ペプチドは、種々の一般的なHLA−DR分子につ
いてのそれら結合能力について試験される。全てのペプチドは、一次パネル:DR1、D
R4w4およびDR7においてDR分子に対する結合について最初に試験される。次いで
、これら3つのDR分子のうちの少なくとも2つを結合するペプチドを、二次アッセイに
おいてDR2w2β1分子、DR2w2β2分子、DR6w19分子、およびDR9分子
に対する結合について試験する。最後に、この4つの二次パネルDR分子のうちの少なく
とも2つを結合するペプチド、従って、7つの異なるDR分子のうちの少なくとも4つを
累積的に結合するペプチドは、DR4w15分子、DR5w11分子、およびDR8w2
分子に対する結合について三次アッセイにおいてスクリーニングされる。一次スクリーニ
ングアッセイ、二次スクリーニングアッセイおよび三次スクリーニングアッセイを含む、
この10個のDR分子のうちの少なくとも7つを結合するペプチドは、交叉反応性DR結
合因子(binder)と考えられる。一般的なHLA−DR対立遺伝子を結合すること
が見いだされた98P4B6由来のペプチドは、特に興味深い。
(DR3モチーフペプチドの選択)
HLA−DR3は白色人種集団、黒色人種集団およびラテンアメリカ系集団において優
勢である対立遺伝子であるので、DR3結合能力は、HTLエピトープの選択において適
切な基準である。従って、候補であることが示されたペプチドはまた、それらのDR3結
合能力についてアッセイされ得る。しかし、DR3モチーフの結合特異性を考慮すると、
DR3に対してのみ結合するペプチドはまた、ワクチン処方物中に含めるための候補物と
考えられ得る。
DR3を結合するペプチドを効率的に同定するために、標的98P4B6抗原を、Ge
lukら(J.Immunol.152:5742−5748,1994)により報告さ
れた2つのDR3特異的結合モチーフのうちの1つを有する配列について分析する。次い
で、対応するペプチドを合成し、1μMまたはより良好な(すなわち、1μM未満)の親
和性でDR3を結合する能力を有すると確認する。この結合基準を満たし、HLAクラス
II高親和性結合因子として適格とされるペプチドが見いだされる。
このようにして同定されるDR3結合エピトープは、DRスーパーモチーフ保有ペプチ
ドエピトープとともにワクチン組成物中に含められる。
HLAクラスIモチーフ保有ペプチドの場合と同様に、クラスIIモチーフ保有ペプチ
ドは、親和性または交叉反応性を改善するようにアナログ化される。例えば、9マーコア
配列の4位のアスパラギン酸は、DR3結合についての最適残基であり、その残基につい
ての置換は、しばしば、DR3結合を改善する。
(実施例17:98P4B6由来HTLエピトープの免疫原性)
この実施例は、本明細書中で記載された方法論を使用して同定されたものの中から、免
疫原性のDRスーパーモチーフ保有エピトープおよびDR3モチーフ保有エピトープを決
定する。
HTLエピトープの免疫原性を、HTL応答を刺激する能力を評価することにより、そ
して/または適切なトランスジェニックマウスモデルを使用することにより、CTLエピ
トープの免疫原性の決定に類似の様式にて確認する。免疫原性を、以下についてスクリー
ニングすることにより決定する:1.)正常PBMCを使用するインビトロ初代誘導また
は2.)98P4B6発現腫瘍を有する患者からのリコール応答。
(実施例18:集団の範囲の幅を決定するための種々の人種バックグラウンドにおける
HLAスーパータイプの表現型頻度の算出)
この実施例は、複数のスーパーモチーフおよび/またはモチーフを含む複数のエピトー
プから構成されるワクチン組成物の集団範囲の幅の評価を示す。
集団範囲を分析するために、HLA対立遺伝子の遺伝子頻度を決定する。各HLA対立
遺伝子の遺伝子頻度を、二項分布式gf=1−(SQRT(1−af))を利用し、抗原
または対立遺伝子頻度から計算する(例えば、Sidneyら,Human Immun
ol.45:79−93,1996を参照のこと)。全体の表現型頻度を得るために、累
積的遺伝子頻度を計算し、累積的抗原頻度を、逆方程式(inverse formul
a)[af=1−(1−Cgf)]を使用することにより導出する。
頻度データがDNA型決定のレベルにて利用可能でない場合、血清学的に規定された抗
原頻度に対する対応が想定される。潜在的スーパータイプ集団範囲全体を得るために、連
鎖不平衡は想定されず、スーパータイプの各々に属すると確認された対立遺伝子のみが含
められる(最小評価(minimal estimate))。遺伝子座間の組み合わせ
により達成される潜在的な範囲全体の評価を、考慮されたB対立遺伝子により包含される
と予測され得るAに含まれない集団の割合をA範囲に加えることにより行う(例えば、合
計=A+B(1−A))。A3様スーパータイプの確認されたメンバーは、A3、A1
1、A31、A3301、およびA6801である。A3様スーパータイプは、A3
4、A66、およびA7401もまた含み得るが、これらの対立遺伝子は、頻度計算全
体には含められなかった。同様に、A2様スーパータイプファミリーの確認されたメンバ
ーは、A0201、A0202、A0203、A0204、A0205、A
0206、A0207、A6802、およびA6901である。最後に、B7様ス
ーパータイプの確認された対立遺伝子は、B7、B3501−03、B51、B53
01、B5401、B5501−2、B5601、B6701、およびB78
01である(B1401、B3504−06、B4201、およびB5602も
潜在的にはメンバーである)。
A2スーパータイプ、A3スーパータイプおよびB7スーパータイプを組み合わせるこ
とにより達成される集団範囲は、5つの主要な人種群において約86%である。範囲は、
A1モチーフおよびA24モチーフを保有するペプチドを含めることにより拡げられ得る
。平均すると、A1は、5つの異なる主要人種群(白人、北アメリカの黒人、中国人、日
本人、およびラテンアメリカ系人)にまたがる集団の12%に存在し、A24は、29%
に存在する。まとめると、これらの対立遺伝子は、これらの同じ人種集団において39%
の平均頻度に相当する。A1およびA24が、A2スーパータイプ対立遺伝子、A3スー
パータイプ対立遺伝子およびB7スーパータイプ対立遺伝子の範囲と組み合わせられると
、主要人種にまたがる合計範囲は、95%を超える(表IV(G)を参照のこと)。類似
のアプローチが、クラスIIモチーフ保有エピトープの組み合わせにより達成される集団
範囲を評価するために使用され得る。
ヒトにおける免疫原性研究(例えば、Bertoniら,J.Clin.Invest
.100:503,1997;Doolanら,Immunity 7:97,1997
;およびThrelkeldら,J.Immunol.159:1648,1997)は
、高度に交叉反応性の結合ペプチドが、エピトープとしてほぼ常に認識されることを示し
た。高度に交叉反応性の結合ペプチドを使用することは、多様な集団において免疫原性で
あるワクチンに含めるための候補エピトープを同定することにおける重要な選択基準であ
る。
(本明細書中開示されるとおりであり、そして当該分野による)十分な数のエピトープ
を用いることにより、平均集団範囲は、5つの主要人種集団の各々において95%を超え
ると推定される。ゲーム理論であるモンテカルロシミュレーション分析(これは、当該分
野で公知である(例えば、Osborne,M.J.およびRubinstein,A.
「A course in game theory」MIT Press,1994を
参照のこと))は、白人、北アメリカ黒人、日本人、中国人、およびラテンアメリカ人の
人種群から構成される集団中のどの程度の百分率の個体が本明細書中に記載されるワクチ
ンエピトープを認識するかを推定するために使用され得る。好ましい百分率は、90%で
ある。より好ましい百分率は、95%である。
(実施例19:プライミング後に内因的にプロセシングされた抗原のCTL認識)
この実施例では、本明細書中で記載されるように同定および選択されたネイティブペプ
チドまたはアナログ化ペプチドのエピトープにより誘導されたCTLが、内因的に合成さ
れた抗原(すなわち、ネイティブ抗原)を認識することを確認する。
ペプチドエピトープ(例えば、HLA−A2スーパーモチーフ保有エピトープ)で免疫
したトランスジェニックマウスから単離したエフェクター細胞を、ペプチドでコーティン
グした刺激性因子細胞(stimulator cell)を用いてインビトロで再刺激
する。6日後、エフェクター細胞を、細胞傷害性についてアッセイし、ペプチド特異的細
胞傷害性活性を含む細胞株を、さらに再刺激する。さらに6日後、これらの細胞株を、ペ
プチドの存在下または非存在下で51Cr標識Jurkat−A2.1/K標的細胞に
対する細胞傷害性活性について試験し、内因的に合成された抗原を有する51Cr標識標
的細胞(すなわち、98P4B6発現ベクターで安定にトランスフェクトされた細胞)に
対しても試験する。
結果は、ペプチドエピトープでプライムされた動物から得られたCTL株が、内因的に
合成された98P4B6抗原を認識することを実証する。このような分析のために使用さ
れるトランスジェニックマウスモデルの選択は、評価されるエピトープに依存する。HL
A−A0201/Kトランスジェニックマウスに加えて、ヒトA11(これはまた、
A3エピトープを評価するために使用され得る)およびB7対立遺伝子を有するマウスを
含むいくつかの他のトランスジェニックマウスモデルが特徴付けられ、他(例えば、HL
A−A1およびHLA−A24についてのトランスジェニックマウス)が開発されている
。HLA−DR1およびHLA−DR3のマウスモデルもまた開発され、これらは、HT
Lエピトープを評価するために使用され得る。
(実施例20:トランスジェニックマウスにおけるCTL−HTL結合体化エピトープ
の活性)
この実施例は、98P4B6由来のCTLおよびHTLのペプチドワクチン組成物の使
用による、トランスジェニックマウスにおけるCTLおよびHTLの誘導を示す。本明細
書中で使用されるワクチン組成物は、98P4B6発現腫瘍を有する患者に投与されるべ
きペプチドを含む。このペプチド組成物は、複数のCTLエピトープおよび/またはHT
Lエピトープを含み得る。これらのエピトープは、本明細書中に記載される方法論を用い
て同定される。この実施例はまた、増強された免疫原性が、CTLワクチン組成物中に1
以上のHTLエピトープを含めることにより達成され得ることを示す;このようなペプチ
ド組成物は、CTLエピトープに結合体化されたHTLエピトープを含み得る。このCT
Lエピトープは、500nM以下の親和性にて、複数のHLAファミリーメンバーに結合
するエピトープまたはそのエピトープのアナログであり得る。これらのペプチドは、所望
であれば、脂質化(lipidated)され得る。
免疫手順:トランスジェニックマウスの免疫を、記載(Alexanderら,J.I
mmunol.159:4753−4761,1997)のように行う。例えば、A2/
マウス(これは、ヒトHLA A2.1対立遺伝子についてトランスジェニックであ
り、かつHLA−A0201モチーフまたはHLA−A2スーパーモチーフを保有する
エピトープの免疫原性を確認するために使用される)を、フロイント不完全アジュバント
中、あるいはこのペプチド組成物が脂質化CTL/HTL結合体である場合は、DMSO
/生理食塩水中、またはこのペプチド組成物がポリペプチドである場合はPBSもしくは
フロイント不完全アジュバント中で、0.1mlのペプチドを用いて皮下で(尾の基部)
プライムする。プライムして7日後、これらの動物から得た脾細胞を、ペプチドでコーテ
ィングした同系の照射LPS活性化リンパ芽球で再刺激する。
細胞株:ペプチド特異的細胞傷害性アッセイのための標的細胞は、HLA−A2.1/
キメラ遺伝子(例えば、Vitielloら,J.Exp.Med.173:100
7,1991)を使用してトランスフェクトしたJurkat細胞である。
インビトロでのCTL活性化:プライムして1週間後、10mlの培養培地/T25フ
ラスコ中にて脾臓細胞(30×10細胞/フラスコ)を、37℃にて同系の照射(30
00rad)ペプチドコーティングリンパ芽球(10×10細胞/フラスコ)とともに
共存培養する。6日後、エフェクター細胞を採取し、細胞傷害性活性についてアッセイす
る。
細胞傷害性活性についてのアッセイ:標的細胞(1.0〜1.5×10)を、200
μlの51Crの存在下で、37℃にてインキュベートする。60分後、細胞を3回洗浄
し、R10培地中に再懸濁する。ペプチドを、必要であれば1μg/mlの濃度にて添加
する。アッセイのために、1051Cr標識標的細胞を、U底96ウェルプレート中
の異なる濃度のエフェクター細胞(最終容積は200μl)に添加する。37℃にて6時
間インキュベートした後、上清の0.1mlのアリコートを各ウェルから取り出し、放射
能を、Micromedic自動ガンマカウンタにて測定する。特異的溶解%を、以下の
式により決定する:%特異的放出=100×(実験的放出−自発的放出)/(最大放出−
自発的放出)。同じ条件下で行った別個のCTLアッセイの間の比較を容易にするために
、%51Cr放出データを、溶解単位/10細胞として表す。1溶解単位は、6時間の
51Cr放出アッセイにおいて10,000個の標的細胞の30%溶解を達成するために
要したエフェクター細胞の数として任意に規定される。特異的溶解単位/10を得るた
めに、ペプチドの非存在下で得た溶解単位/10を、ペプチドの存在下で得た溶解単位
/10から差し引く。例えば、30%の51Cr放出が、ペプチドの非存在下では、5
0:1のエフェクター(E):標的(T)比(すなわち、10,000個の標的に対して
5×10個のエフェクター細胞)にて得られ、そしてペプチドの存在下では5:1(す
なわち、10,000個の標的に対して5×10個のエフェクター細胞)にて得られる
場合、特異的溶解単位は、以下の通りである:[(1/50,000)−(1/500,
000)]×10=18LU。
結果を分析して、免疫原性CTL/HTL結合体ワクチン調製物を注射した動物のCT
L応答の大きさを評価し、実施例標題「免疫原性の確認」において上記で概説したように
、例えば、CTLエピトープを使用して達成されたCTL応答の大きさと比較する。これ
と類似の分析を行って、複数のCTLエピトープおよび/または複数のHTLエピトープ
を含むペプチド結合体の免疫原性を確認し得る。これらの手順に従って、CTL応答が誘
導され、同時に、HTL応答がこのような組成物の投与の際に誘導されることが見いださ
れる。
(実施例21:98P4B6特異的ワクチン中に含めるためのCTLエピトープおよび
HTLエピトープの選択)
この実施例は、本発明のワクチン組成物のためのペプチドエピトープを選択するための
手順を示す。この組成物中のペプチドは、ペプチドをコードする単一の配列または1以上
の配列(すなわち、ミニ遺伝子)のいずれかの核酸配列の形態であり得るか、あるいは単
一エピトープおよび/またはポリエピトープのペプチドであり得る。
以下の原理を、ワクチン組成物中に含めるための複数のエピトープを選択する場合に利
用する。以下の原理の各々を、選択を行うために釣り合わせる。
投与の際に、98P4B6クリアランスと相関する免疫応答を模倣するエピトープを選
択する。使用されるエピトープの数は、自発的に98P4B6を浄化する患者の観察に依
存する。例えば、自発的に98P4B6発現細胞を浄化する患者が、98P4B6抗原由
来の少なくとも3つのエピトープに対する免疫応答を生じることが観察された場合、HL
AクラスIについて少なくとも3つのエピトープが含められるべきである。同様の原理が
、HLAクラスIIエピトープを決定するために使用される。
しばしば、HLAクラスI分子については500nM以下のIC50、もしくはクラス
IIについては1000nM以下のIC50という結合親和性を有するエピトープ;また
はBIMASウェブサイト(URL bimas.dcrt.nih.gov/)からの
高い結合スコアを有するHLAクラスIペプチドが選択される。
多様な集団全体を通じたワクチンの広い範囲を達成するために、十分なスーパーモチー
フ保有ペプチド、または対立遺伝子特異的モチーフ保有ペプチドの十分なアレイを選択し
て、広い集団範囲が与えられる。1つの実施形態において、エピトープは、少なくとも8
0%の集団範囲を提供するように選択される。モンテカルロ分析(当該分野で公知の統計
学的評価法)は、集団範囲の幅、すなわち冗長性を評価するために使用され得る。
ポリエピトープ組成物、またはこれをコードするミニ遺伝子を作製する場合、目的のエ
ピトープを含む、可能性のある最も小さなペプチドを生成することが代表的に所望される
。使用される原理は、ネスト化された(nested)エピトープを含むペプチドを選択
する場合に使用されるものと同じでないとしても、同様である。例えば、ワクチン組成物
についてのタンパク質配列は、この配列が、配列内に含まれるエピトープの最大数を有す
る(すなわち、高濃度のエピトープを有する)ので、選択される。エピトープは、ネスト
化されてもよいし、重複(すなわち、互いにフレームシフトしている)していてもよい。
例えば、重複するエピトープを使用する場合、2つの9マーエピトープおよび1つの10
マーエピトープが、10アミノ酸ペプチド中に存在し得る。各エピトープは露出され得、
このようなペプチドの投与の際にHLA分子により結合される。マルチエピトープのペプ
チドは、合成により、組換えにより、またはネイティブの供給源からの切断により生成さ
れ得る。あるいは、このネイティブ配列からアナログが生成され得、それにより1以上の
エピトープは、このポリエピトープペプチドの交叉反応性特性および/または結合親和性
特性を変化させる置換を含む。このようなワクチン組成物は、治療目的または予防目的の
ために投与される。この実施形態は、免疫系の未だ発見されていない局面として、プロセ
シングをネイティブのネスト化された配列に適用し、それにより治療的または予防的免疫
応答誘導ワクチン組成物の生成を容易にするという可能性を提供する。さらに、このよう
な実施形態は、現在未知のHLA構造についてのモチーフ保有エピトープの可能性を提供
する。さらに、この実施形態(アナログを作製しない)は、免疫応答を、98P4B6中
に実際存在する複数のペプチド配列に向け、従って、何らかの連結エピトープを評価する
必要性が避けられる。最後に、この実施形態は、核酸ワクチン組成物を生成する際のスケ
ールの経済性を提供する。この実施形態に関連して、コンピュータープログラムが当該分
野の原理に従って導出され得、このプログラムは、標的配列において配列長さあたりのエ
ピトープの最大数を同定する。
選択されたペプチドから構成されるワクチン組成物は、投与される場合、安全で、有効
であり、かつ98P4B6を有するか、またはこれを過剰発現する細胞を制御または消去
する免疫応答と類似の大きさの免疫応答を惹起する。
(実施例22:「ミニ遺伝子」マルチエピトープDNAプラスミドの構築)
本実施例は、ミニ遺伝子発現プラスミドの構築を議論する。ミニ遺伝子プラスミドは、
当然、本明細書中に記載される種々の構成のB細胞エピトープ、CTLエピトープおよび
/またはHTLエピトープまたはB細胞エピトープアナログ、CTLエピトープアナログ
および/またはHTLエピトープアナログを含み得る。
ミニ遺伝子発現プラスミドは、代表的に、複数のCTLペプチドエピトープおよびHT
Lペプチドエピトープを含む。本実施例において、HLA−A2スーパーモチーフ保有ペ
プチドエピトープ、HLA−A3スーパーモチーフ保有ペプチドエピトープ、HLA−B
7スーパーモチーフ保有ペプチドエピトープならびにHLA−A1モチーフ保有ペプチド
エピトープおよびHLA−A24モチーフ保有ペプチドエピトープを、DRスーパーモチ
ーフ保有エピトープおよび/またはDR3エピトープと組み合わせて使用する。98P4
B6由来のHLAクラスIスーパーモチーフまたはHLAクラスIモチーフを保有するペ
プチドエピトープを、複数のスーパーモチーフ/モチーフが提示されて広範な集団の範囲
を確実にするように、選択する。同様に、HLAクラスIIエピトープを、広範な集団の
範囲を提供するように、98P4B6から選択する。すなわち、HLA DR−1−4−
7スーパーモチーフ保有エピトープおよびHLA DR−3モチーフ保有エピトープの両
方を、ミニ遺伝子構築物に含有させるために選択する。選択されたCTLエピトープおよ
びHTLエピトープを、次いで、発現ベクターにおける発現のためにミニ遺伝子へと組み
込む。
このような構築物は、HTLエピトープを小胞体に指向させる配列をさらに含み得る。
例えば、Iiタンパク質(Ii protein)は、当該分野において記載されるよう
に1つ以上のHTLエピトープに融合され得、ここでこのIiタンパク質のCLIP配列
は、除去され、そしてHLAクラスIIエピトープ配列と置換され、その結果、HLAク
ラスIIエピトープが、小胞体に指向され、このエピトープは、HLAクラスII分子に
結合する。
本実施例は、ミニ遺伝子保有発現プラスミドの構築のために使用される方法を例示する
。ミニ遺伝子組成物のために使用され得る他の発現ベクターは、当業者に利用可能であり
、かつ公知である。
本実施例のミニ遺伝子DNAプラスミドは、コンセンサスKozak配列およびコンセ
ンサスマウスκIg軽鎖シグナル配列と、それに続く本明細書中に開示される原理に従い
選択されるCTLエピトープおよび/またはHTLエピトープを含む。この配列は、pc
DNA3.1Myc−HisベクターによりコードされるMycおよびHisの抗体エピ
トープタグに融合されたオープンリーディングフレームをコードする。
例えば、15ヌクレオチドがオーバーラップしている、平均約70ヌクレオチド長であ
り得るオーバーラップオリゴヌクレオチドを合成し、そしてHPLC精製する。これらの
オリゴヌクレオチドは、選択されたペプチドエピトープならびに適切なリンカーヌクレオ
チド、Kozak配列、およびシグナル配列をコードする。最終的なマルチエピトープミ
ニ遺伝子を、PCRを用いる3セットの反応においてオーバーラップオリゴヌクレオチド
を伸長することによってアセンブリする。Perkin/Elmer 9600 PCR
機を用い、そして合計30サイクルを、以下の条件を用いて実施する:95℃で15秒、
(各々のプライマー対の最も低い計算値Tmより5℃低い)アニーリング温度で30秒、
そして72℃で1分間。
例えば、ミニ遺伝子を以下のように調製する。第一のPCR反応において、各々5μg
の2つのオリゴヌクレオチドを、アニーリングし、そして伸長する。8つのオリゴヌクレ
オド(すなわち、4対のプライマー)を使用する実施例において、オリゴヌクレオチド1
とオリゴヌクレオチド2、オリゴヌクレオチド3とオリゴヌクレオチド4、オリゴヌクレ
オチド5とオリゴヌクレオチド6、およびオリゴヌクレオチド7とオリゴヌクレオチド8
とを、Pfuポリメラーゼ緩衝液(1×=10mM KCL、10mM(NH4)SO
、20mM Tris−クロリド(pH 8.75)、2mM MgSO、0.1%
Triton X−100、100μg/ml BSA)、各々の0.25mMのdN
TP、および2.5UのPfuポリメラーゼを含む100μlの反応物中で合わせる。全
長二量体産物を、ゲル精製し、そして1と2および3と4との産物、ならびに5と6およ
び7と8との産物を含む2つの反応物を混合し、アニーリングし、そして10サイクルに
わたり伸長する。次いで、2つの反応物の半分を混合し、そして隣接するプライマーを添
加して、全長の産物を増幅する前に5サイクルのアニーリングおよび伸長を実施する。こ
の全長産物を、ゲル精製し、pCR−blunt(Invitrogen)中にクローニ
ングし、そして個々のクローンを配列決定によりスクリーニングする。
(実施例23:プラスミド構築物およびそのプラスミド構築物が免疫原性を誘導する程
度)
プラスミド構築物(例えば、前出の実施例に従い構築されたプラスミド)が免疫原性を
誘導し得る程度を、エピトープ発現核酸構築物を用いてAPCを形質導入またはトランス
フェクトした後、このAPCによるエピトープ提示を決定することによりインビトロで確
認する。このような研究により「抗原性」を決定し、そしてヒトAPCの使用を可能とす
る。このアッセイによりこの細胞表面上のエピトープ−HLAクラスI複合体の密度を定
量することによって、T細胞により認識される状態においてAPCにより提示されるエピ
トープの能力を決定する。定量を、APCから溶出されたペプチドの量を直接測定するこ
とにより実施し得る(例えば、Sijtsら、J.Immunol.156:683〜6
92、1996;Demotzら、Nature 342:682〜684、1989を
参照のこと)か;またはペプチド−HLAクラスI複合体の数を、罹患したかまたはトラ
ンスフェクトされた標的細胞により誘導された溶解またはリンホカインの放出の量を測定
し、次いで等しいレベルの溶解またはリンホカインの放出を得るために必要なペプチドの
濃度を決定することにより、評価し得る(例えば、Kageyamaら、J.Immun
ol.154:567〜576、1995を参照のこと)。
あるいは、免疫原性を、マウスへのインビボでの注射、引き続くCTL活性およびHT
L活性(これらの活性を、細胞傷害性および細胞増殖性のアッセイ(それぞれ、例えば、
Alexanderら、Immunity 1:751〜761、1994において詳述
される)を用いて分析する)のインビトロでの評価を介して確認する。
例えば、少なくとも1つのHLA−A2スーパーモチーフペプチドを有するDNAミニ
遺伝子構築物がCTLをインビボで誘導する能力を確認するために、例えば、HLA−A
2.1/Kトランスジェニックマウスを、100μgの裸のcDNAを用いて筋肉内で
免疫する。cDNA免疫により誘導されたCTLのレベルを比較する手段として、コント
ロール群の動物もまた、複数のエピトープがミニ遺伝子によりコードされるので、単一の
ポリペプチドとして合成された複数のエピトープを含む実際のペプチド組成物そのものを
用いて免疫する。
免疫した動物由来の脾臓細胞を、各々の組成物(ミニ遺伝子においてコードされるペプ
チドエピトープまたはポリエピトープペプチド)をそれぞれ用いて2回刺激し、次いで
Cr放出アッセイにおいてペプチド特異的な細胞傷害性活性についてアッセイする。こ
れらの結果は、A2拘束エピトープに対するCTL応答の大きさを示し、従ってミニ遺伝
子ワクチンおよびポリエピトープワクチンのインビボでの免疫原性を示す。
従って、ミニ遺伝子が、ポリエピトープペプチドワクチンが誘発するような、HLA−
A2スーパーモチーフペプチドエピトープに対する免疫応答を誘発することが見いだされ
る。HLA−A3およびHLA−B7のモチーフエピトープまたはスーパーモチーフエピ
トープによるCTL誘導を評価するために他のHLA−A3トランスジェニックマウスモ
デルおよびHLA−B7トランスジェニックマウスモデルを用いて同様の分析もまた実施
され、それにより、このミニ遺伝子が、提供されたエピトープに対して指向される適切な
免疫応答を誘発することもまた見出される。
クラスIIエピトープをコードするミニ遺伝子がHTLをインビボで誘導する能力を確
認するためには、DRトランスジェニックマウスにか、または適切なマウスMHC分子と
交叉反応するエピトープについては、例えば、I−A拘束マウスに、100μgのプラ
スミドDNAを筋肉内免疫する。DNA免疫により誘導されたHTLのレベルを比較する
手段として、コントロール動物の群も、フロイント完全アジュバンド中に乳化した実際の
ペプチド組成物で免疫する。CD4+T細胞(すなわちHTL)を、免疫した動物の脾臓
細胞から精製し、そして各々の組成物(ミニ遺伝子中にコードされるペプチド)のそれぞ
れを用いて刺激する。HTL応答を、H−チミジン取り込み増殖アッセイを用いて測定
する(例えば、Alexanderら、Immunity 1:751〜761、199
4を参照のこと)。この結果は、HTL応答の大きさを示し、従って、このミニ遺伝子の
インビボでの免疫原性を実証する。
前出の実施例において記載されるように構築されたDNAミニ遺伝子をまた、プライム
ブーストプロトコル(prime boost protocol)を用いてブースト剤
と組み合わせたワクチンとして確認し得る。このブースト剤は、組み換えタンパク質(例
えば、Barnettら、Aids Res.and Human Retroviru
ses 14、Supplement 3:S299〜S309、1998)または例え
ば、完全な目的のタンパク質をコードするミニ遺伝子もしくはDNAを発現する組み換え
ワクチン(例えば、Hankeら、Vaccine 16:439〜445、1998;
Sedegahら、Proc.Natl.Acad.Sci USA 95:7648〜
53、1998;HankeおよびMcMichael、Immunol.Letter
s 66:177〜181、1999;ならびにRobinsonら、Nature M
ed.5:526〜34、1999を参照のこと)からなり得る。
例えば、プライムブーストプロトコルにて用いられるDNAミニ遺伝子の有効性を、最
初に、トランスジェニックマウスにおいて評価する。本実施例において、A2.1/K
トランスジェニックマウスを、免疫原性ペプチド(少なくとも1つのHLA−A2スーパ
ーモチーフ保有ペプチドを含む)をコードする100μgのDNAミニ遺伝子でIM免疫
する。インキュベーション期間(3〜9週間の範囲をとる)の後、このマウスを、DNA
ミニ遺伝子によりコードされるのと同じ配列を発現する10pfu/マウスの組み換え
ワクシニアウイルスを用いてIPでブーストする。コントロールマウスを、ミニ遺伝子配
列を有さない100μgのDNAもしくは組み換えワクシニアをもちいるか、またはこの
ミニ遺伝子をコードするDNAを用いるが、ワクシニアブーストを伴わずに免疫する。2
週間のさらなるインキュベーション期間の後、このマウス由来の脾臓細胞を、ELISP
OTアッセイにおいてペプチド特異的な活性について直ちにアッセイする。さらに、脾臓
細胞を、ミニ遺伝子中にコードされるA2拘束ペプチドエピトープおよび組み換えワクシ
ニアを用いてインビトロで刺激し、次いでαIFN ELISA、βIFN ELISA
、および/またはγIFN ELISAにおいてペプチド特異的な活性についてアッセイ
する。
プライムブーストプロトコルにおいて利用されるミニ遺伝子が、HLA−A2スーパー
モチーフペプチドに対してDNA単独より高い免疫応答を誘発することが見出される。そ
のような分析をまた、HLA−A3またはHLA−B7のモチーフエピトープまたはスー
パーモチーフエピトープによるCTL誘導を評価するために、HLA−A11トランスジ
ェニックマウスモデルまたはHLA−B7トランスジェニックマウスモデルを用いて実施
し得る。ヒトにおけるプライムブーストプロトコルの使用を、「プライムブーストプロト
コルを用いるCTL応答の誘導」と題した以下の実施例において記載する。
(実施例24:予防使用のためのペプチド組成物)
本発明のワクチン組成物を使用して、この抗原を保有する腫瘍についての危険性を有す
るヒトにおける98P4B6発現を予防し得る。例えば、上記実施例において選択される
エピトープのような複数のCTLエピトープおよびHTLエピトープを含むポリエピトー
プペプチドエピトープ組成物(またはポリエピトープペプチドエピトープを含む核酸)(
これらはまた、集団の80%より多くを標的化するように選択される)を、98P4B6
関連腫瘍についての危険性がある個体に投与する。
例えば、ペプチドベースの組成物を、複数のエピトープを含む単一のポリペプチドとし
て提供する。代表的には、アジュバント(例えば、フロイントの不完全アジュバンド)を
含む生理学的溶液中でワクチンを投与する。最初の免疫のためのペプチド用量は、70k
gの患者について約1μg〜約50,000μgであり、一般的には100μg〜5,0
00μgである。ワクチンの最初の投与に引き続いて、4週間目にブースター投与をし、
さらに引き続いてPBMCサンプル中のエピトープ特異的CTL集団の存在を決定する技
術により患者における免疫応答の大きさの評価をする。さらなるブースター用量を、必要
である場合に投与する。この組成物は、98P4B6関連疾患に対する予防薬として安全
かつ効果的であることが見出される。
あるいは、代表的にトランスフェクト薬剤を含む組成物を、当該分野において公知の方
法論および本明細書中で開示される方法論に従い、核酸ベースのワクチンの投与のために
使用する。
(実施例25:ネイティブの98P4B6配列由来のポリエピトープワクチン組成物)
ネイティブの98P4B6ポリタンパク質配列を、複数のエピトープを含むポリタンパ
ク質の「比較的短い」領域を同定するために、好ましくは、各々のクラスIおよび/また
はクラスIIのスーパーモチーフまたはモチーフについて規定されるコンピューターアル
ゴリズムを用いて分析する。好ましくは、この「比較的短い」領域は、全長のネイティブ
の抗原より長さが短い。複数の別個の、またはオーバーラップする「ネスト化された(n
ested)」エピトープを含むこの比較的短い領域を、ミニ遺伝子構築物を作製するた
めに使用し得る。この構築物を、ネイティブのタンパク質配列に対応するペプチドを発現
するように操作する。この「比較的短い」ペプチドは、一般的に250アミノ酸長未満で
あり、しばしば100アミノ酸長未満であり、好ましくは75アミノ酸長未満であり、よ
り好ましくは50アミノ酸長未満である。このワクチン組成物のタンパク質配列は、この
配列中に含有される最大数のエピトープを有する(すなわち、それは、高濃度のエピトー
プを有する)ので、このワクチン組成物のタンパク質配列を選択する。本明細書中に示さ
れるように、エピトープモチーフは、ネスト化されていても、オーバーラップしてもよい
(すなわち、互いに対してフレームシフトしてもよい)。例えば、オーバーラップエピト
ープを用いて、2つの9マーエピトープおよび1つの10マーエピトープが、10アミノ
酸のペプチド中に存在し得る。そのようなワクチン組成物を、治療目的または予防目的の
ために投与する。
このワクチン組成物としては、例えば、98P4B6抗原由来の複数のCTLエピトー
プおよび少なくとも1つのHTLエピトープが挙げられる。このポリエピトープネイティ
ブ配列を、ペプチドとしてかまたはこのペプチドをコードする核酸配列としてかのいずれ
かで投与する。あるいは、アナログを、そのネイティブ配列から作製し得、それにより1
つ以上のエピトープが、そのポリエピトープペプチドの交叉反応性特性および/または結
合親和性特性を変化させる置換を含む。
本実施例の実施形態は、免疫系プロセシングの未だ発見されていない局面を、ネイティ
ブのネスト化された配列に適用し、それにより治療的または予防的な免疫応答を誘導する
ワクチン組成物の産生を容易にする可能性を提供する。さらに、そのような実施形態は、
現在未知のHLA構造についてのモチーフ保有エピトープの可能性を提供する。さらに、
この実施形態(類似の実施形態を除く)は、免疫応答をネイティブの98P4B6中に実
際に存在する複数のペプチド配列に向け、従って、任意の連結するエピトープを評価する
必要性を除外する。最後に、この実施形態は、ペプチドワクチン組成物または核酸ワクチ
ン組成物を産生する場合の規模の経済を提供する。
この実施形態に関して、標的配列において、配列長あたり最も多数のエピトープを同定
するために使用され得るコンピュータープログラムが、当該分野において利用可能である
(実施例26:複数の抗原由来のポリエピトープワクチン組成物)
本発明の98P4B6ペプチドエピトープを、他の標的腫瘍関連抗原由来のエピトープ
と組み合わせて使用して、98P4B6およびそのような他の抗原を発現する癌の予防お
よび処置に有用なワクチン組成物を作製する。例えば、ワクチン組成物を、98P4B6
由来の複数のエピトープおよび98P4B6発現に関連する標的の癌でしばしば発現され
る腫瘍関連抗原を組み込む、単一のポリペプチドとして提供し得るか、または1つ以上の
別個のエピトープのカクテルを含む組成物として投与し得る。あるいは、このワクチンを
、ミニ遺伝子構築物として、またはインビトロでペプチドエピトープを充填した樹状細胞
として投与し得る。
(実施例27:免疫応答を評価するためのペプチドの使用)
本発明のペプチドを、98P4B6に対する特異的抗体、CTLまたはHTLの存在に
ついての免疫応答を分析するために使用し得る。そのような分析を、Oggら、Scie
nce 279:2103〜2106、1998に記載される様式で実施し得る。本実施
例において、本発明に従うペプチドを、診断目的または予防目的のための試薬として(免
疫原としてではなく)使用する。
本実施例において、高度に感受性なヒト白血球抗原四量複合体(「四量体))を、例え
ば、疾患の異なる病期またはA0201モチーフを含む98P4B6ペプチドを含む免
疫後でのHLA A0201陽性個体由来の98P4B6 HLA−A0201特異
的CTL頻度の横断解析のために使用する。四量体複合体を、記載される(Museyら
、N.Engl.J.Med.337:1267、1997)ように合成する。簡単には
、精製したHLA重鎖(本実施例におけるA0201)およびβ2−ミクログロブリン
を、原核生物発現系によって合成する。この重鎖を、膜貫通−細胞質ゾルテールの欠失お
よびBirA酵素ビオチン化部位を含む配列のCOOH末端付加により改変する。重鎖、
β2−ミクログロブリン、およびペプチドを、希釈により再折り畳みをする。この45k
Dの再折り畳み産物を、高速タンパク質液体クロマトグラフィーを用いて単離し、次いで
ビオチン(Sigma、St.Louis、Missouri)、アデノシン5’三リン
酸およびマグネシウムの存在下でBirAによりビオチン化する。ストレプトアビジン−
フィコエリトリン結合体を、1:4のモル比で添加し、四量体産物を1mg/mlまで濃
縮する。得られた産物を、四量体−フェコエリトリンという。
患者の血液サンプルの分析のために、約100万個のPBMCを、300gで5分間遠
心分離し、50μlの冷リン酸緩衝化生理食塩水に再懸濁する。三色分析を、抗CD8−
トリカラー(Tricolor)、および抗CD38と共に四量体−フィコエリトリンを
用いて実施する。PBMCを、氷上で四量体および抗体と共に30〜60分間インキュベ
ートし、次いでホルムアルデヒド固定の前に2回洗浄する。99.98%より多くのコン
トロールサンプルを含むようなゲートを適用する。四量体についてのコントロールは、A
0201陰性の個体およびA0201陽性の罹患していないドナーの両方を含む。次
いで、この四量体を用いて染色された細胞の百分率を、フローサイトメトリーを用いて決
定する。この結果は、PBMCサンプル中のエピトープ拘束CTL含有細胞の数を示し、
これにより98P4B6エピトープに対する免疫応答の程度、従って、98P4B6への
曝露の状態、または予防的応答もしくは治療的応答を誘発するワクチンへの曝露の状態を
容易に示す。
(実施例28:リコール(recall)応答を評価するためのペプチドエピトープの
使用)
本発明のペプチドエピトープを、患者におけるT細胞応答(例えば、急性またはリコー
ル応答)を評価するための試薬として使用する。そのような分析を、98P4B6関連疾
患から回復した患者または98P4B6ワクチンでワクチン接種した患者において実施し
得る。
例えば、ワクチン接種したヒトのクラスI拘束CTL応答を分析し得る。このワクチン
は、任意の98P4B6ワクチンでよい。PBMCを、ワクチン接種した個体から回収し
、HLA型決定する。次いで、複合的HLAスーパータイプファミリーメンバーに交叉反
応性を提供するためのスーパーモチーフを必要に応じて保有する本発明の適切なペプチド
エピトープを、そのHLA型を保有する個体由来のサンプルの分析のために使用する。
ワクチン接種した個体由来のPBMCを、Ficoll−Histopaque密度勾
配(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)上で分離し、H
BSS(GIBCO Laboratories)中で3回洗浄し、熱で不活性化した1
0%のヒトAB血清を含む、L−グルタミン(2mM)、ペニシリン(50U/ml)、
ストレプトマイシン(50μg/ml)およびHepes(10mM)を補充したRPM
I−1640(GIBCO Laboratories)(完全RPMI)中に再懸濁し
、マイクロ培養形式を用いてプレートする。本発明のエピトープを含む合成ペプチドを、
各々のウェルに10μg/mlで添加し、そしてHBVコア128〜140エピトープを
、刺激の第一週目の間、T細胞ヘルプの供給源として各々のウェルに1μg/ml添加す
る。
マイクロ培養形式において、4×10PBMCを、100μl/ウェルの完全RPM
Iの96ウェルの丸底プレート中で、8つの複製培養物中にてペプチドで刺激する。3日
目および10日目に、100μlの完全RPMIおよび20U/mlの最終濃度のrIL
−2を、各々のウェルに添加する。7日目に、この培養物を、96ウェルの平底プレート
に移し、そしてペプチド、rIL−2および10の放射性(3,000rad)の自己
フィーダー細胞を用いて再刺激する。この培養物を、14日目に細胞傷害性について試験
する。陽性CTL応答は、以前に記載されるような(Rehermannら、Natur
e Med.2:1104、1108、1996;Rehermannら、J.Clin
.Invest.97:1655〜1665、1996;およびRehermannら、
J.Clin.Invest.98:1432〜1440、1996)罹患していないコ
ントロール被験体との比較に基づいて、8つの複製培養物のうち2つ以上が10%より多
い特異的51Cr放出を示すことを必要とする。
標的細胞株は、自己由来かつ同種異系のEBV形質転換したB−LCLであり、これら
は、両方American Society for Histocompatibil
ity and Immunogenetics(ASHI、Boston、MA)から
購入されたか、または記載されるように(Guilhotら、J.Virol.66:2
670〜2678、1992)患者のプールから樹立されるかのいずれかである。
細胞傷害性アッセイを、以下の様式で実施する。標的細胞は、同種異系のHLA適合性
Bリンパ芽球細胞株または自己由来のEBV形質転換Bリンパ芽球細胞株のいずれかから
なり、これらを、10μMの本発明の合成ペプチドエピトープと共に一晩インキュベート
し、そして100μCiの51Cr(Amersham Corp.、Arlingto
n Heights、IL)を用いて1時間にわたり標識し、その後これらを、HBSS
を用いて4回洗浄する。
細胞傷害活性を、3,000標的/ウェルを含むU底の96ウェルプレートを用いる標
準的な4時間の、別々のウェルの51Cr放出アッセイにおいて決定する。刺激されたP
BMCを、20〜50:1のエフェクター/標的(E/T)の比率で14日目に試験する
。細胞傷害性%を、式:100×[(実験的放出−自発的放出)/(最大放出−自発的放
出)]から決定する。最大放出を、界面活性剤(2%Triton X−100;Sig
ma Chemical Co.、St.Louis、MO)による標的の溶解により決
定する。自発的放出は、全ての実験について最大放出の25%未満である。
このような分析の結果は、HLA拘束CTL集団が、98P4B6または98P4B6
ワクチンへの以前の曝露により刺激された程度を示す。
同様に、クラスII拘束HTL応答もまた分析し得る。精製されたPBMCを、1.5
×10細胞/ウェルの密度の96ウェルの平底プレート中で培養し、10μg/mlの
本発明の合成ペプチド、98P4B6抗原全体、またはPHAを用いて刺激する。細胞を
、各々の条件について4〜6ウェルのレプリカとして慣用的にプレートする。7日間の培
養の後、培地を除去し、そして10U/mlのIL−2を含む新しい培地と置換する。2
日後、1μCiのHチミジンを、各々のウェルに添加し、そしてさらに18時間にわた
りインキュベーションを続ける。次いで、細胞DNAを、ガラスファイバーマット上に回
収し、そしてHチミジン取り込みについて分析する。抗原特異的T細胞増殖を、抗原の
存在下でのHチミジン取り込みを抗原の非存在下でのHチミジン取り込みで割った比
として計算する。
(実施例29:ヒトにおける特異的CTL応答の誘導)
本発明のCTLエピトープおよびHTLエピトープを含む免疫原性組成物についてのヒ
ト臨床試験を、IND第I相、用量上昇研究として設定し、そして無作為化した二重盲検
偽薬制御試験として実施する。そのような試験を、例えば、以下のように設計する:
全体で約27人の個体を登録し、そして3つのグループに分ける;
グループI:3人の被験体に偽薬を注射し、そして6人の被験体に5μgのペプチド組
成物を注射する;
グループII:3人の被験体に偽薬を注射し、そして6人の被験体に50μgのペプチ
ド組成物を注射する;
グループIII:3人の被験体に偽薬を注射し、そして6人の被験体に500μgのペ
プチド組成物を注射する。
最初の注射の4週間後に、全ての被験体に同じ投与量で追加免疫接種した。
この研究において測定される終点は、このペプチド組成物の安全性および許容性、なら
びにその免疫原性に関連する。このペプチド組成物に対する細胞性免疫応答は、このペプ
チド組成物の固有の活性の指標であり、従って生物学的有効性の尺度として見られ得る。
以下は、安全性および有効性の終点に関する臨床データおよび研究室データを要約する。
安全性:有害な事象の発生率を、偽薬処置群および薬物処置群においてモニターし、そ
してその程度および可逆性をもって評価する。
ワクチン有効性の評価:ワクチン有効性の評価のために、注射前後に、被験体から採血
する。末梢血液単核細胞を、Ficoll−Hypaque密度勾配遠心分離により新し
いヘパリン化血液から単離し、凍結媒体中にアリコート化し、そして凍結保存する。サン
プルを、CTL活性およびHTL活性についてアッセイする。
ワクチンが、安全でありかつ有効であることが見出される。
(実施例30:98P4B6を発現する患者における第II相試験)
第II相試験を、98P4B6を発現する癌を有する患者へのCTL−HTLペプチド
組成物の投与の効果を研究するために実施する。この試験の主要な目的は、98P4B6
を発現する癌患者においてCTLを誘導するために有効な用量とレジメンを決定すること
、これらの患者においてCTL応答およびHTL応答を誘導することの安全性を樹立する
こと、ならびに、どの程度のCTLの活性化が、(例えば、病巣の減少および/または萎
縮により)明らかになるような、これらの患者の臨床像を改善するかをみることである。
このような研究を、例えば、以下のように設計する。
この研究を、複数の施設において実施する。この試験の設計は、オープンラベルの未制
御用量上昇プロトコルであり、ここで、このペプチド組成物を、単回容量として投与し、
続いて、6週間後に同じ用量の単回の追加免疫注射を行う。この投与量は、注射一回あた
り50μg、500μg、および5,000μgである。薬物関連の有害な効果(重篤度
および可逆性)を記録する。
3つの患者のグループが存在する。第一のグループに50μgのこのペプチド組成物を
注射し、第二および第三のグループにそれぞれ、500μgおよび5,000μgのペプ
チド組成物を注射する。各々のグループ内の患者は、21歳〜65歳の範囲であり、そし
て種々の人種集団バックグラウンドを示す。彼らの全ては、98P4B6を発現する腫瘍
を有する。
臨床的発現または抗原特異的T細胞応答を、このペプチド組成物を投与することの効果
を評価するためにモニタリングする。このワクチン組成物が、98P4B6関連疾患の処
置において安全かつ有効であることが見出される。
(実施例31:プライムブーストプロトコルを用いるCTL応答の誘導)
「プラスミド構築物およびそのプラスミド構築物が免疫原性を誘導する程度」と題され
た実施例において記載されるような、トランスジェニックマウスにおけるDNAワクチン
の有効性を確認するために使用されるプロトコルと根底にある原理が類似するプライムブ
ーストプロトコルをまた、ヒトにワクチンを投与するために使用し得る。そのようなワク
チンレジメンは、例えば、裸のDNAの最初の投与と、そのワクチンをコードする組み換
えウイルス、またはアジュバント中で投与される組み換えタンパク質/ポリペプチドもし
くはペプチド混合物の投与を用いるその後のブーストを含み得る。
例えば、最初の免疫を、発現ベクター(例えば、「ミニ遺伝子」マルチエピトープDN
Aプラスミドの構築」と題した実施例を、複数の部位で0.5mg〜5mgの量でIM(
またはSCまたはID)投与される裸の核酸の形態において構築されるような発現ベクタ
ー)用いて実施し得る。この核酸(0.1μg〜1000μg)をまた、遺伝子ガンを用
いて投与し得る。3〜4週間のインキュベーション期間の後、次いで、ブースター用量を
投与する。このブースターは、5×10pfu〜5×10pfuの用量で投与される
組み換え鶏痘ウイルスであり得る。代替的な組み換えウイルス(例えば、MVAウイルス
、カナリア痘ウイルス、アデノウイルス、またはアデノ随伴ウイルス)をまた、ブースタ
ーのために使用し得るか、またはポリエピトープタンパク質もしくはこれらのペプチドの
混合物を投与し得る。ワクチン有効性の評価のために、免疫前ならびに最初のワクチンお
よびワクチンのブースター用量の投与後に、間隔を空けて患者の血液サンプルを得る。末
梢血液単核細胞を、Ficoll−Hypaque密度勾配遠心分離により新しいヘパリ
ン化血液から単離し、凍結培体中にアリコート化し、そして凍結保存する。サンプルを、
CTL活性およびHTL活性についてアッセイする。
これらの結果の分析は、98P4B6に対する治療的免疫または保護免疫を達成するの
に十分な強度の応答が産生されることを示す。
(実施例32:樹状細胞(DC)を用いるワクチン組成物の投与)
本発明のペプチドエピトープを含むワクチンを、APCまたは「プロフェッショナル」
APC(例えば、DC)を用いて投与し得る。本実施例において、ペプチドパルスされた
DCを、患者に投与して、インビボでCTL応答を刺激する。この方法において、樹状細
胞を、単離し、拡張させ、そして本発明のペプチドCTLエピトープおよびペプチドHT
Lエピトープを含むワクチンでパルスする。これらの樹状細胞を患者に注入して戻し、イ
ンビボでCTL応答およびHLT応答を誘発させる。次いで、誘導されたCTLおよびH
TLは、このワクチン中のエピトープが由来する98P4B6タンパク質を保有する標的
細胞をそれぞれ破壊するか、または破壊を促進する。
例えば、エピトープ含有ペプチドのカクテルを、PBMCにエキソビボで投与するか、
またはそれから単離したDCを投与する。DCの回収を容易にするための医薬(例えば、
ProgenipoietinTM(Monsanto、St.Louis、MO)また
はGM−CSF/IL−4)を用い得る。ペプチドを用いてDCをパルスした後、および
患者への再注入の前に、このDCを洗浄して、結合していないペプチドを除去する。
臨床的に理解され、そして臨床的結果に基づいて当業者により容易に決定されるように
、患者に再注入されるDCの数は変化し得る(例えば、Nature Med.4:32
8、1998;Nature Med.2:52、1996およびProstate 3
2:272、1997を参照のこと)。患者1人あたり2〜50×10個のDCを代表
的に投与するが、より多い数のDC(例えば、10または10)もまた、提供し得る
。そのような細胞集団は、代表的に、50%〜90%の間のDCを含む。
いくつかの実施形態において、ペプチド負荷したPBMCを、DCを精製することなく
患者に注射する。例えば、薬剤(例えば、ProgenipoietinTM)での処理
の後に産生されたPBMCを、DCを精製することなく患者に注射する。投与されるPB
MCの総数は、しばしば、10〜1010の範囲をとる。一般的に、患者に注射される
細胞用量は、例えば、特異的な抗DC抗体を用いる免疫蛍光分析により決定されるような
、各々の患者の血液中のDCのパーセンテージに基づく。従って、例えば、Progen
ipoietinTMが所定の患者の末梢血液中の2%のDCを動員し、そしてその患者
が5×10DCを受容している場合、この患者に、合計2.5×10ペプチド負荷し
たPBMCを注射する。薬剤(例えば、ProgenipoietinTM)により動員
されたDC%は、代表的に、2〜10%の間であると評価されるが、当業者に理解される
ように変化し得る。
(エキソビボでのCTL/HTL応答の活性化)
あるいは、98P4B6抗原に対するエキソビボでのCTL応答またはHTL応答は、
DCのようなAPCの供給源および免疫原性ペプチドと共に、患者の、または遺伝的に適
合性のCTL前駆体細胞またはHTL前駆体細胞を、組織培養中でインキュベーションす
ることによって誘導され得る。適切なインキュベーション時間(典型的には約7〜28日
間)後、その前駆該細胞は活性化され、そしてエフェクター細胞中へと拡大される。この
エフェクター細胞は患者中に注入され、特異的標的細胞(すなわち、腫瘍細胞)を破壊す
る(CTL)かまたは破壊を促進する(HTL)。
(実施例33:モチーフ保有ペプチドの同定および確認の代替方法)
モチーフ保有ペプチドを同定および確認する別の方法は、規定されたMHC分子を保有
する細胞からそのペプチドを溶出することである。例えば、組織型決定に使用されるEB
Vで形質転換されたB細胞株は、どのHLA分子をこれらが発現するかを決定するように
広範に特徴付けられている。特定の場合において、これらの細胞は、HLA分子の単一型
のみを発現する。これらの細胞は、目的の抗原(例えば、98P4B6)を発現する核酸
でトランスフェクトされ得る。次いで、トランスフェクションの結果として産生されるペ
プチドの内因性抗原プロセシングによって産生されるペプチドは、細胞内のHLA分子に
結合し、そして輸送されて細胞表面に提示される。次いで、温和な酸条件にさらすことに
よって、ペプチドをHLA分子から溶出し、そしてこれらのアミノ酸配列を、例えば、質
量分析(例えば、Kuboら,J.Immunol.152:3913,1994)を使
用して決定する。特定のHLA分子に結合するペプチドの大部分はモチーフを保有してい
るために、これは、細胞上で発現される特定のHLA分子と関連するモチーフ保有ペプチ
ドを得るための代替の様式である。
あるいは、内在性HLA分子を発現しない細胞株が、単一のHLA対立遺伝子をコード
する発現構築物でトランスフェクトされ得る。次いで、これらの細胞は、記載されるよう
に使用され得る(すなわち、これらの細胞は、細胞表面上に提示された98P4B6に対
応するペプチドを単離するために、98P4B6をコードする核酸でトランスフェクトさ
れ得る)。このような分析から得られたペプチドは、細胞中で発現される単一のHLA対
立遺伝子への結合に対応するモチーフを保有する。
当業者に理解されるように、1つより多いHLA対立遺伝子を保有する細胞における同
様の分析、そしてそれに続く発現された各々のHLA対立遺伝子に対して特異的なペプチ
ドの決定が実施され得る。さらに、当業者はまた、タンパク質抗原でのローディングのよ
うなトランスフェクション以外の手段が、細胞に対する抗原供給源の提供のために使用さ
れ得ることを認識する。
(実施例34:相補性ポリヌクレオチド)
98P4B6コード配列またはその任意の部分に相補的な配列を使用して、天然に存在
する98P4B6の発現を検出するか、減少するか、または阻害する。約15〜30塩基
対を含むオリゴヌクレオチドの使用が記載されるが、より小さい配列フラグメントまたは
より大きい配列フラグメントを用いて実質的に同一の手段を使用する。適切なオリゴヌク
レオチドが、例えば、OLIGO4.06ソフトウェア(National Biosc
iences)および98P4B6のコード配列を使用して設計される。転写を阻害する
ために、相補性オリゴヌクレオチドを、最も独特な5’側配列から設計し、そしてその相
補オリゴヌクレオチドを使用して、コード配列へのプロモーターの結合を阻止する。翻訳
を阻害するために、相補性オリゴヌクレオチドを設計して、98P4B6をコードする転
写産物へのリボソーム結合を阻止する。
(実施例35:98P4B6特異的抗体を使用する、天然に存在する98P4B6また
は組換え98P4B6の精製)
天然に存在する98P4B6または組換え98P4B6を、98P4B6に特異的な抗
体を使用して、免疫親和性クロマトグラフィーによって実質的に精製する。免疫親和性カ
ラムを、活性化されたクロマトグラフィー樹脂(例えば、CNBr−活性化SEPHAR
OSE(Amersham Pharmacia Biotech))に抗98P4B6
抗体を共有結合させることによって構築する。この結合後、樹脂をブロックし、そして製
造者の指示書に従って洗浄する。
98P4B6を含む媒体を、免疫親和性カラムを通過させ、そしてそのカラムを98P
4B6を優先的に吸着する条件下(例えば、界面活性剤の存在下における高イオン強度緩
衝液)で洗浄する。このカラムを、抗体/98P4B6の結合を妨害する条件下(例えば
、pH2〜pH3の緩衝液、または高濃度のカオトロープ(例えば、尿素またはチオシア
ネートイオン))で溶出し、そしてGCR.Pを回収する。
(実施例36:98P4B6と相互作用する分子の同定)
98P4B6または生物学的に活性なそのフラグメントを、121 1 Bolton
−Hunter試薬で標識する。(例えば、Boltonら(1973)Biochem
.J.133:529.を参照のこと。)マルチウエルプレートのウェル中に事前に並べ
られた候補分子を、標識した98P4B6とともにインキュベートし、洗浄し、そして標
識された98P4B6複合体を含む任意のウェルをアッセイする。異なる濃度の98P4
B6を使用して得られたデータを使用して、98P4B6の数、親和性、および98P4
B6と候補分子との会合の値を算出する。
(実施例37:98P4B6腫瘍増殖促進についてのインビボアッセイ)
腫瘍細胞増殖に対する98P4B6タンパク質の効果を、腫瘍保有マウスでの遺伝子の
過剰発現によってインビボで評価する。例えば、SCIDマウスに、1×10個の、3
T3細胞、前立腺癌細胞株(例えば、PC3細胞)、膀胱癌細胞株(例えば、UM−UC
3細胞)、腎臓癌細胞株(例えば、CaKi細胞)、または肺癌細胞株(例えば、A42
7細胞)のいずれか(tkNeo空ベクター(empty vector)または98P
4B6を含む)を、各側腹部に皮下注射する。以下の少なくとも2つのストラテジーを使
用し得る:(1)ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス(UK2,211,504(198
9年7月5日公開))、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシパピローマ
ウイルス、鳥類肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイル
スおよびシミアンウイルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから得られる構築
プロモーター、または異種哺乳動物プロモーター(例えば、アクチンプロモーターまたは
免疫グロブリンプロモーター)(これらのプロモーターが宿主細胞系と適合性である限り
)から得られる構築プロモーターのようなプロモーターの制御下での構成的98P4B6
の発現、ならびに(2)誘導性ベクター系(例えば、エクジソン、tetなど)の制御下
での調節された発現(これらのプロモーターが宿主細胞系と適合性である限り)。次いで
、腫瘍体積を、明らかな腫瘍の出現においてモニターし、経時的に追跡する。その後、9
8P4B6発現細胞がより早い速度で増殖し、98P4B6発現細胞によって産生される
腫瘍が変化した攻撃性(例えば、増強した転移、血管新生、化学療法薬物に対する減少し
た応答)の特徴を示すことを、確認する。
さらに、マウスに1×10個の同じ細胞を同所移植して、98P4B6が、前立腺に
おける局所増殖に対する効果、および/またはその細胞が、例えば、肺、リンパ節、およ
び骨髄に特異的に転移する能力に対する効果を有するか否かを決定し得る。
このアッセイはまた、候補治療組成物(例えば、低分子薬物、98P4B6細胞内発現
抗体(intrabody)、98P4B6アンチセンス分子およびリボザイム)の98
P4B6阻害効果を決定するために有用である。
(実施例38:インビボにおける前立腺腫瘍の98P4B6モノクローナル抗体媒介性
阻害)
癌組織における98P4B6の有意な発現は、細胞表面発現を伴う正常組織におけるそ
の制限された発現とともに、98P4B6を、抗体治療の優れた標的にする。同様に98
P4B6は、T細胞ベースの免疫治療のための標的である。従って、ヒト癌異種移植片マ
ウスモデルにおける抗98P4B6mAbの治療有効性を、表1に列挙される前立腺癌、
肺癌、膀胱癌、腎臓癌および他の98P4B6癌を含め、組換え細胞株(例えば、PC3
−98P4B6、UM−UC3−98P4B6、CaKi−98P4B6、A427−9
8P4B6および3T3−98P4B6)(例えば、Kaighn,M.E.ら、Inv
est Urol,1979.17(1):16−23頁を参照のこと)、ならびにヒト
前立腺異種移植片モデル、ヒト腎臓異種移植片モデル、およびヒト膀胱異種移植片モデル
(例えば、LAPC 9AD、AGS−K3およびAGS−B1)(Saffran,D
.ら,PNAS 1999,10:1073−1078)を使用することにより評価する
腫瘍増殖および転移形成に対する抗体効果は、例えば、マウスの同所前立腺癌異種移植
モデル、腎臓異種移植モデル、膀胱異種移植片モデルおよび肺異種移植片モデルにおいて
研究される。この抗体は、本実施例において考察されるように非結合型であっても、また
は当該分野に理解されるように、治療様式に組み合わされてもよい。抗98P4B6 m
Abは、前立腺異種移植片、腎臓異種移植片、膀胱異種移植片および肺異種移植片におい
て腫瘍の形成を阻害する。抗98P4B6 mAbはまた、腫瘍保有マウスの樹立された
同所性腫瘍の増殖を遅らせ、腫瘍保有マウスの生存を延長した。これらの結果は、これら
の結果は、いくつかの固形腫瘍の局在的段階および進行した段階の処置における抗98P
4B6 mAbの有用性を示す(例えば、Saffran,D.ら,PNAS 10:1
073−1078またはワールドワイドウェブURL pnas.org/cgi/do
i/10.1073/pnas.051624698を参照のこと)。
抗98P4B6 mAbの投与は、樹立された同所性腫瘍増殖を遅らせ、そして離れた
部位への転移を阻害し、腫瘍保有マウスの生存の有意な延長を生じる。これらの研究は、
98P4B6が、免疫治療のための魅力的な標的であることを示し、そして局所性および
転移性の前立腺癌の処置のための抗98P4B6 mAbの治療用途を示す。この実施例
は、SCIDマウス中で増殖されるヒト前立腺腫瘍異種移植片、ヒト腎臓腫瘍異種移植片
、ヒト膀胱腫瘍異種移植片、およびヒト肺腫瘍異種移植片の増殖を阻害するために、非結
合体化98P4B6モノクローナル抗体が有効であることを示す。
(複数の非結合体化98P4B6 mAbを使用する腫瘍阻害)
(材料および方法)
(98P4B6モノクローナル抗体):
表題「98P4B6モノクローナル抗体(mAb)の生成」の実施例に記載されるよう
に、モノクローナル抗体が、98P4B6に対して惹起される。この抗体は、98P4B
6に結合し得るそれらの能力について、ELISA、ウェスタンブロット、FACS、お
よび免疫沈降によって特徴付けられる。ELISAおよびウェスタン分析によって測定さ
れるような抗98P4B6 mAbについてのエピトープマッピングデータは、98P4
B6タンパク質上のエピトープを認識する。前立腺癌組織、腎臓癌組織、膀胱癌組織、お
よび肺癌組織、ならびに細胞の免疫組織化学分析を、これらの抗体を用いて実施する。
モノクローナル抗体を、プロテインGセファロースクロマトグラフィーによって腹水ま
たはハイブリドーマ組織培養上清から精製し、PBSに対して透析し、フィルター滅菌し
、そして−20℃で貯蔵する。タンパク質測定をBradfordアッセイ(Bio−R
ad,Hercules,CA)によって実施する。治療モノクローナル抗体または個々
のモノクローナル抗体の混合物を含むカクテルを調製し、PC3腫瘍異種移植片、UM−
UC3腫瘍異種移植片、CaKi腫瘍異種移植片およびA427腫瘍異種移植片の皮下注
射または同所注射を受けるマウスの処置のために使用する。
(癌異種移植片および細胞株)
LAPC−9異種移植片(これは、野生型アンドロゲンレセプターを発現し、かつ前立
腺特異的抗原(PSA)を生成する)を、6〜8週齢の雄ICR重症複合型免疫不全(S
CID)マウス(Taconic Farms)において、皮下トロカール移植(Cra
ft,N.ら、上記)によって継代する。前立腺癌細胞株(PC3)、肺癌細胞株(AA
27)、卵巣癌細胞株(PA1)(American Type Culture Co
llection)を、L−グルタミンおよび10%FBSを補充したRPMIまたはD
MEM中で維持する。
PC3−98P4B6細胞集団、A427−98P4B6細胞集団、PA1−98P4
B6細胞集団、および3T3−98P4B6細胞集団を、Hubert,R.S.ら,S
TEAP:A Prostate−specific Cell−surface An
tigen Highly Expressed in Human Prostate
Tumors(Proc Natl Acad Sci U S A,1999.96
(25):14523−8頁)に記載されるようにレトロウイルス遺伝子の移入によって
作製する。LAPC−9異種移植片(野生型アンドロゲンレセプターを発現し、そして前
立腺特異的抗原(PSA)を産生する)を、皮下トロカール移植により、6〜8週齢の雄
性ICR重症複合免疫不全(SCID)マウス(Taconic Farms)において
継代する(Craft,N.ら、Nat Med.1999:5:280)。LAPC−
9腫瘍細胞の単一細胞懸濁液を、Craftらに記載されるように調製する。同様に、腎
臓(AGS−K3)および膀胱(AGS−B1)患者由来の異種移植片を、6〜8週齢の
雄性ICR−SCIDマウスにおいて継代する。
(異種移植片マウスモデル)
皮下(s.c.)腫瘍を、雄SCIDマウスの右脇腹に、Matrigel(Coll
aborative Research)と1:1の希釈で混合された2×10個のL
APC−9細胞、PC3細胞、PC3−98P4B6細胞、A427細胞、A427−9
8P4B6細胞、PA1細胞、PA1−98P4B6細胞、3T3細胞または3T3−9
8P4B6細胞を注射することによって作製する。腫瘍形成に対する抗体効果を試験する
ために、i.p.抗体注射を、腫瘍細胞注射と同じ日に開始する。コントロールとして、
マウスに、精製マウスIgG(ICN)もしくはPBS;またはヒト細胞中に発現されな
い無関係の抗原を認識する精製モノクローナル抗体のいずれかを注射する。予備研究にお
いて、腫瘍増殖に対して、マウスIgGまたはPBSの間に差異は見られない。腫瘍サイ
ズは、ノギス測定によって決定され、そして腫瘍体積は、長さ×幅×高さとして算出され
る。1.5cmよりも大きい直径のs.c.腫瘍を有するマウスを屠殺する。PSAレベ
ルを、PSA ELISAキット(Anogen,Missisauga,Ontari
o)を使用することにより決定する。抗98P4B6 mAbレベルの計算は、捕捉EL
ISAキット(Bethyl Laboratories,Montgomery,TX
)により決定する(例えば、Saffran,D.ら、PNAS 10:1073〜10
78またはワールドワイドウェブpnas.org/cgi/doi/10.1073/
pnas.051624698に位置するURLを参照のこと)。
ケタミン/キシラジンを使用することによって、麻酔下で同所性注射を行う。前立腺同
所性研究のために、腹部切開を行い、前立腺を露出させ、LAPC腫瘍細胞またはPC3
腫瘍細胞(5×10)をMatrigelと混合して、10μl容量で前立腺嚢(pr
ostate capsule)に注射する。腫瘍増殖をモニターするために、マウスを
触診し、血液を1週間に1回を基本として採取し、PSAレベルを測定する。腎臓同所性
モデルについては、腹筋切開を行い、腎臓を露出させる。Matrigelと混合したA
GS−K3細胞を、腎臓嚢(kidney capsule)の下に注射する。マウスを
適切な処置のために群分けし、抗98P4B6 mAbまたはコントロールmAbを、i
.p.注射する。
(抗98P4B6 mAbは、98P4B6発現異種移植片癌腫瘍の増殖を阻害する)
腫瘍形成に対する抗98P4B6 mAbの効果を、LAPC−9−98P4B6およ
びPC3−98P4B6同所性モデルを使用することによって試験する。s.c.腫瘍モ
デルと比較される場合、同所性モデルは、マウス器官(例えば、前立腺、膀胱、腎臓また
は肺)において直接腫瘍を注射することが必要であり、局所的な腫瘍増殖、遠位部位にお
ける転移発生、マウスの健康状態の低下、およびその後の死亡(Saffran,D.ら
、PNAS 前出)を生じる。その特徴により、同所性モデルがヒト疾患進行をよりよく
表し、本発明者らが、臨床的に関連する終点に対するmAbの治療効果を追跡することが
可能になる。
従って、腫瘍細胞をマウス前立腺、肺、または卵巣に注射し、2日後、2つの群に分け
、以下のいずれかで処置した:2〜5週間にわたって、1週間につき3回のa)200〜
500μgの抗98P4B6 Ab、またはb)PBS。
同所性癌モデルの主要な利点は、転移発生を研究する能力である。樹立された同所性腫
瘍を有するマウスにおける転移の形成は、LAPC−9異種移植片において高レベルで発
現される前立腺特異的細胞表面タンパク質STEAPに対する抗体(Hubert,R.
S.ら、Proc.Natl Acad.Sci USA,1999,96(25):1
4523〜8)を使用して、肺切片に対するIHC分析によって研究される。
樹立された同所性LAPC−9−98P4B6またはPC3−98P4B6腫瘍を有す
るマウスに、4週間にわたって、抗98P4B6 mAbまたはPBSのいずれかの10
00μg注射を投与する。両方の群のマウスに、高腫瘍負荷を樹立し、マウス肺における
高い頻度の転移形成を確実にする。次いで、マウスを屠殺し、それらの前立腺および肺を
、ICH分析によって腫瘍細胞の存在について分析する。
これらの研究により、異種移植片マウスモデルにおける前立腺癌の開始および進行に対
する、抗98P4B6抗体の広い抗腫瘍効力が示される。抗98P4B6抗体は、腫瘍形
成を阻害し、既に樹立された腫瘍の増殖を遅らせ、処置されたマウスの生存を長期化する
。さらに、抗98P4B6 mAbは、大きな腫瘍負荷があっても、局所的な前立腺腫瘍
の遠位への拡がりに対する劇的な蘇我以降かを示す。従って、抗98P4B6 mAbは
、主な臨床的に関連する終点(腫瘍増殖)、生存の長期化、および健康に対して有効であ
る。
(実施例39:ヒトにおける抗98P4B6抗体の治癒的使用および診断的使用)
抗98P4B6モノクローナル抗体は安全であり、ヒトにおける診断、予防、予後およ
び/または治療目的のために有効に使用される。抗98P4B6mAbを使用した、癌組
織および癌異種移植片のウェスタンブロットおよび免疫組織化学的な分析は、癌において
強く広範囲の着色が示されるが、正常組織において有意に低いかまたは検出不可能なレベ
ルである。癌および転移疾患における98P4B6の検出は、診断指標および/または予
後指標としてのmAbの有用性を示す。抗98P4B6抗体は、従って診断適用(例えば
、疑わしい患者からの癌を検出するための腎臓生体標本の免疫組織学)において使用され
る。
フローサイトメトリーで測定されるように、抗98P4B6mAbは、特異的に癌細胞
に結合する。従って、抗98P4B6抗体は、98P4B6の発現を示す局所性癌および
転移性癌の検出のために診断的全身画像化適用(例えば、放射免疫シンチグラフィーおよ
び放射免疫治療)において使用される(例えば、Potamianos Sら、Anti
cancer Res 20(2A):925〜948(2000)を参照のこと)。9
8P4B6の細胞外ドメインの細胞外環境への発散または放出(例えば、アルカリホスフ
ァターゼB10に見られる(Meerson,N,R,Hepatology 27:5
63〜568(1998)))は、疑わしい患者からの血清および/または尿サンプルに
おいて、抗98P4B6抗体による98P4B6の診断的検出を可能にする。
98P4B6を特異的に結合する抗98P4B6抗体は、98P4B6を発現する癌の
処置のために、治療的な適用において使用される。抗98P4B6抗体は、非結合モダリ
ティーおよび、抗体が当該分野で周知の様々な治療的モダリティーまたは画像化モダリテ
ィーの1つと結合される、結合モダリティー(例えば、プロドラッグ、酵素または放射性
同位体)として使用される。前臨床の研究において、非結合および結合抗抗体は、SCI
Dマウス癌異種移植モデル(例えば、腎臓癌モデルAGS−K3およびAGS−K6)に
おける腫瘍予防および成長阻害の効能について試験される(例えば、「インビボでの膀胱
腫瘍および肺腫瘍の98P4B6モノクローナル抗体媒介性阻害」と題される実施例を参
照のこと)。結合抗98P4B6抗体および非結合抗98P4B6抗体のいずれかは、ヒ
ト臨床試験における治療的モダリティーとして単独、または以下の実施例において記載さ
れるような他の治療と組み合わせのいずれかで使用される。
(実施例40:インビボでのヒト抗98P4B6抗体の使用を介した、ヒト癌腫の処置
および診断のためのヒト臨床試験)
98P4B6上のエピトープを認識する抗体を本発明に従って使用し、そしてこの抗体
を、表1に列挙されるような特定の腫瘍の処置において使用する。多数の因子 (98P
4B6発現レベルを含む)に基づいて、表1に列挙されるような腫瘍は、現在好ましい指
標である。これらの指標の各々と関連して、3つの臨床的アプローチを、首尾よく実行す
る。
I.)補助的治療:補助的治療において、患者を、化学療法剤もしくは抗新生物剤およ
び/または放射線療法と組み合わせて、抗98P4B6抗体で処置する。表Iに列挙され
るような原発性癌標的を、第一の系および第二の系の標準的な治療に、抗98P4B6抗
体を付加することによって、標準的なプロトコルの下で処置する。プロトコルの設計は、
腫瘍塊の減少によって評価されるような有効性および通常用量の標準的な化学療法を低減
する能力を扱う。これらの投薬量の低減は、化学療法剤の用量関連毒性を低減することに
よって、さらなる治療および/または延長された治療を可能にする。抗98P4B6抗体
は、化学療法剤または抗新生物剤のアドリアマイシン(進行した前立腺癌腫)、シスプラ
チン(進行した頭部および頸部の癌腫、ならびに肺癌腫)、タキソール(乳癌)およびド
キソルビシン(臨床前)と組み合わせて、いくつかの補助的臨床試験において利用される
II.)単独療法(monotherapy):腫瘍の単独療法における抗98P4B
6抗体の使用に関連して、これらの抗体は、化学療法剤も抗新生物剤も伴わずに、患者に
投与される。1実施形態において単独療法は、広範な転移性疾患に罹患する、末期の癌患
者において、臨床的に実施される。患者は、いくらかの疾患安定化を示す。試験は、癌性
腫瘍を有する治療抵抗性患者において有効性を実証する。
III.)造影剤:放射性核種(例えば、ヨウ素またはイットリウム(I131、Y
))を抗98P4B6抗体に結合させることによって、放射性標識した抗体を、診断剤
および/または造影剤として利用する。このような役割において、標識された抗体は、固
形腫瘍ならびに98P4B6発現細胞の転移性病変の両方に局在する。造影剤としての抗
98P4B6抗体の使用に関連して、これらの抗体は、手術前スクリーニングならびにど
の腫瘍が残存および/または復帰するかを決定するための術後追跡の両方として、固形腫
瘍の外科的処置の補助として使用される。1実施形態において、(111In)98P4
B6抗体を、98P4B6を発現する癌腫を有する患者における、第I相ヒト臨床試験に
おいて造影剤として使用する(類推として、例えば、Divgiら、J.Natl.Ca
ncer Inst.83:97−104(1991)を参照のこと)。患者を、標準的
な前方γ線カメラおよび後方γ線カメラで追跡する。これらの結果は、原発性病変および
転移性病変が同定されることを示す。
(投与用量および投与経路)
当業者によって理解されるように、投薬考慮は、診療所において存在する類似の製品と
比較して決定され得る。従って、抗98P4B6抗体は、5〜400mg/mの範囲の
投薬量で投与され得、例えば、安全性試験に関しては、より低い投薬量で使用される。そ
の標的に対する既知の抗体の親和性と比較した抗98P4B6抗体の親和性は、類似の投
薬量レジメンを決定するために当業者によって使用される1つのパラメーターである。さ
らに、完全にヒト抗体である抗98P4B6抗体は、キメラ抗体と比較する場合、よりゆ
っくりしたクリアランスを有する;従って、このような完全なヒト抗体である抗98P4
B6抗体を用いる、患者における投薬は、おそらく50〜300mg/mの範囲におい
て、より低くあり得、なお有効なままであり得る。mg/kgでの従来の容量測定と反対
に、mg/mでの投薬は、表面積に基づく測定であり、そして幼児から成人までの全て
のサイズの患者を含むように設計された便利な投薬測定である。
3つの別個の送達アプローチが、抗98P4B6抗体の送達に有用である。従来の静脈
内送達は、多くの腫瘍についての1つの標準的な送達技術である。しかし、腹腔内の腫瘍
(例えば、卵巣、胆管、他の管などの腫瘍)に関して、腹膜腔内投与は、腫瘍において高
い用量の抗体を得るために、そしてまた抗体クリアランスを最小にするために好都合であ
ることを証明し得る。同様の様式で、特定の固形腫瘍は、局所的灌流に適切な脈管構造を
有する。局所的灌流は、腫瘍部位における抗体の高い用量を可能にし、そして抗体の短期
クリアランスを最小にする。
(臨床的開発計画(CDP))
概論:CDPは、補助的治療、単独療法に関して、および造影剤として、抗98P4B
6抗体の処置を追跡および開発する。試験は、最初に安全性を実証し、その後反復投薬で
効力を確認する。試験は、標準的な化学療法を、標準的治療+抗98P4B6抗体と比較
する、オープンラベルである。理解されるように、患者の登録に関して利用され得る1つ
の基準は、生検によって決定されるような、患者の腫瘍における98P4B6の発現レベ
ルである。
任意のタンパク質または抗体注入ベースの治療を用いるときのように、安全性の考慮は
、主に以下に関連する:(i)サイトカイン放出症候群(すなわち、低血圧、発熱、振せ
ん(shakings)、悪寒;(ii)物質に対する免疫応答の発生(すなわち、患者
による、抗体療法に対するヒト抗体の惹起、またはHAHA応答);および (iii)
98P4B6を発現する正常細胞に対する毒性。標準的な試験および追跡を、これらの安
全性の考慮の各々をモニタリングするために利用する。抗98P4B6抗体は、ヒト投与
の際に安全であることが見出される。
(実施例41:ヒト抗98P4B6抗体および化学療法剤を用いる、ヒト臨床試験補助
治療)
第I期のヒト臨床試験を、固形腫瘍(例えば、表Iに列挙される組織の癌)の処置に関
して、ヒト抗98P4B6抗体の6つの静脈内用量の安全性を評価するために開始する。
この研究において、本明細書中で規定される抗新生物剤または化学療法剤(例えば、シス
プラチン、トポテカン、ドキソルビシン、アドリアマイシン、タキソールなどであるが、
これらに限定されない)に対する補助的治療として利用される場合、抗98P4B6抗体
の単回用量の安全性を、評価する。試験設計は、抗98P4B6抗体の6つの単回用量の
送達を含み、抗体の投薬量は、以下のスケジュールに従う処置過程にわたって、ほぼ約2
5mg/mから約275mg/mまで増大する:
Figure 2010220621
抗体および化学治療剤のそれぞれの投与後、患者を1週間密接に追跡する。特に、上記
の安全性の問題:(i)サイトカイン放出症候群(すなわち、低血圧、発熱、振せん(s
haking)、悪寒);(ii)その物質に対する免疫原性応答の発生(すなわち、ヒ
ト抗体治療剤に対する、患者によるヒト抗体の発生、またはHAHA応答);ならびに(
iii)98P4B6を発現する正常細胞に対する毒性について、患者を評価する。標準
的な試験および追跡試験を利用して、これらの安全性の問題のそれぞれをモニターする。
患者はまた、臨床結果について、そして特に、MRIまたは他の画像化によって証明され
るような腫瘍塊の低減について、評価される。
この抗98P4B6抗体は、安全かつ有効であることが実証され、臨床試験の第II期
はこの有効性を確認し、そして最適な投薬を洗練する。
(実施例42:ヒト臨床試験:ヒト抗98P4B6抗体を用いる単独治療法(mono
therapy))
抗98P4B6抗体は、上で考察した補助試験に関して安全であり、第II期ヒト臨床
試験は、単独治療法についての有効性および最適な投薬を確認する。このような試験が達
成され、そして患者が抗98P4B6抗体の複数の用量を受けると同時に化学療法を受け
ないこと以外は、上記の補助試験と同じ安全性および結果の分析を包含する。
(実施例43:ヒト臨床試験:抗98P4B6抗体を用いる診断的画像化)
繰り返すと、上で考察した補助治療法が上で考察した安全性の判定基準内で安全である
場合、ヒト臨床試験は、診断的造影剤としての抗98P4B6抗体の使用に関して行われ
る。このプロトコルは、当該分野で記載される様式と実質的に類似の様式で設計される(
例えば、Divgiら、J.Natl.Cancer Inst.83:97−104(
1991))。この抗体は、診断モダリティーとして使用される場合、安全かつ有効であ
ることが見出される。
(実施例44:既知配列との98P4B6の相同性の比較)
98P4B6タンパク質は、既知のヒトタンパク質(すなわち、ヒトSTAMP1(g
i 15418732)(Korkmarz,K.S.ら、J.Biol.Chem.2
002,277:36689)に対して相同性であり、この遺伝子に対して99%同一性
および99%相同性を示す(図4)。この98P4B6タンパク質はまた、別のヒト前立
腺2の6回膜貫通上皮抗原(gi23308593)(Walker,M.G.ら、Ge
nome Res.1999,9:1198;Porkka,K.P.,Heleniu
s,M.A.およびVisakorpi,T.Lab.Invest.2002,82:
1573)に対して99%同一性および99%相同性を示す。98P4B6に対して最も
近いマウスホモログは、前立腺2の6回膜貫通上皮抗原(gi28501136)であり
、97%同一性および99%相同性である。本発明者らは、98P4B6のいくつかの改
変体(4つのスプライス改変体および3つのSNPを含む)を同定した(図11)。98
P4B6 v.1は、454アミノ酸からなり、計算上の分子量52DaおよびpI 8
.7を有する。これは、6回膜貫通タンパク質であり、細胞表面に、またはおそらく小胞
体に局在化し得る(表VI)。いくつかの98P4B6改変体(v.1、v.5〜8、v
.13、v.14、v.21、v.25を含む)は、同様の特徴(機能的に重要なタンパ
ク質もチーフ、および構造的共通性(例えば、複数回膜貫通ドメイン)を共有する。98
P4B6 v.2は、既知のモチーフを含まない短いタンパク質である。
モチーフ分析により、いくつかの公知のモチーフ(オキシドレダクターゼ、へもシステ
インヒドロラーゼ、およびヅヅリン(dudulin)モチーフを含む)の存在が、明ら
かになった。改変体v.7およびこの改変体のSNPはまた、しばしば転写活性を関係す
るEtsモチーフを保有する。
いくつかのオキシドレダクターゼ(NADH/キノンオキシドレダクターゼ)が、哺乳
動物細胞において同定されている。このタンパク質は、細胞膜に結合し、プロトン/Na
+ポンプとして機能する。これは、腫瘍サプレッサーp53のタンパク質分解を調節し、
酸化的ストレス、細胞傷害性、および変異原から哺乳動物細胞を保護する(Asher
G.ら、Proc Natl Acad Sci USA 2002,99:13125
;Jaiswal Ak、Arch Biochem Biophys 2000、37
5:62、Yano T,Mol Aspects Med 2002,23:345)
。ホモシステインヒドロラーゼは、S−アデノシルホモシステインからホモシステインお
よびアデニンへの分解を触媒し、最終的にはトランスメチル化を調節し、それによりタン
パク質発現、細胞周期および増殖を調節することが公知である酵素である(Tumer
MAら、Cell Biochem Biophys 2000;33:101;Zha
ngら、J Biol Chem.2001;276:35867)。
この情報は、98P4B6が、哺乳動物細胞の細胞増殖において役割を果たし、遺伝子
転写ならびに電子および低分子の輸送を調節することを示す。従って、98P4B6が細
胞増殖、腫瘍形成の調節因子として機能するか、または炎症、腫瘍形成、もしくは増殖に
関係する遺伝子を活性化することに関与する転写の調節因子として機能する場合、98P
4B6は、治療目的、診断目的、予後判定目的、および/または予防目的のために有用で
ある。さらに、98P4B6の分子(例えば、改変体または多型)が、癌性組織において
発現される場合、これは、治療目的、診断目的、予後判定目的、および/または予防目的
のために使用される。
(実施例45:STEAP−2発現の表現型効果)
図2に示されるアミノ酸配列を有し、1999年7月2日にAmerican Typ
e Culture Collectionに寄託されてATCC受託番号PTA−31
1を割当てられたプラスミド中のcDNAインサートによりコードされる、STEAP−
2タンパク質の発現に関する実験。コード配列から推定されるように、そのオープンリー
ディングフレームは、6つの膜貫通ドメインを有する454アミノ酸をコードする。ST
EAP−2タンパク質に関係する特徴の要旨が、図19に示される。
本特許出願に示されるデータは、特定の型の前立腺腫瘍ならびに他の腫瘍について、正
常組織の中でも前立腺に優先的に特異的なSTEAP−2タンパク質の発現プロフィール
を提供する。この証拠は、ノーザンブロッティングを使用してメッセンジャーRNAを検
出することに基づく。この産業における標準的実施を維持することにおいて、ノーザンブ
ロットを慣用的に使用して、遺伝子発現を評価する。なぜなら、これは、関連タンパク質
を合成し、抗体を惹起し、抗体の特異性を確認し、タンパク質のウェスタンブロッティン
グを必要とし、組織を組織学的検査するという、時間がかかるプロセスを必要としないか
らである。ノーザンブロッティングは、RNA発現および発現レベルを評価することにお
いて、信頼できかつ効率的な方法を提供する。
本実施例は、STEAP−2タンパク質が、実際に産生されることを示す。要約すると
、これらの実験は、STEAP−2についての発現系を含むように改変されたPC−3細
胞おおび3T3細胞が、一般に、チロシンリン酸化、特にERKタンパク質のリン酸化の
レベル増強を示したことを示す。このデータはまた、STEAP−2についての発現系を
含むPC−3細胞が、改変カルシウム流出、パクリタキセルに対する改変応答、および薬
物誘導性アポトーシスの全体的阻害を示したことを示す。これらは、タンパク質レベルに
て示される効果であるが、これらのデータ単独では、STEAP−2タンパク質が示す可
能性である。
さらに、このような表現型効果は、タンパク質媒介性であるが、さらなる証拠は、ST
EAP−2タンパク質自体が、これらの効果の媒介物質であることを示す。この証拠は、
改変STEAP−2タンパク質を利用することによって得られる。発現系は、PC3細胞
および3T3細胞中に安定に導入され、これにより、STEAP−2の改変継代(STE
AP−2CFl(「Fl」は、フラッグを表す)と呼ぶ)の発現が可能になる。STEA
P−2CFlは、このタンパク質の物理的立体構造を変化させるペプチド伸長(すなわち
、Flagエピトープ)を有するSTEAP−2タンパク質である。このFlagエピト
ープは、一列の8アミノ酸であり、しばしば、操作した細胞における組換えタンパク質を
同定して追跡する手段として、タンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端に導入され
る(Slootstra JWら、Mol Divers 1997,2:156)。ほ
とんどの場合、タンパク質のいずれかの末端でのFlagエピトープの導入は、そのタン
パク質の天然機能および位置に対してほとんど影響を有さない(Molloy SSら、
EMBO J 1994,13:18)。しかし、これは、Flagタグ化されているタ
ンパク質の特徴に依存する。最近の研究は、Flagタグが、選択したタンパク質(例え
ば、CLN3タンパク質)の機能および立体構造に影響することが示された(例えば、H
askell REら、Mol Genet Metab 1999,66:253)。
CLN3を用いると、STEAP−2のC末端にFlagエピトープを導入すると、この
タンパク質の物理的立体構造および特性を変化させる。C−Flagエピトープを用いる
STEAP−2タンパク質の変化は、そうしなければ観察される効果(ERKのリン酸化
、および薬物誘導体細胞死に対する抵抗性)の有意な減少を生じた。このデータは、これ
らの表現型効果を媒介するのが、STEAP−2タンパク質であることを示す。最終的に
、ウサギ網状赤血球溶解物を使用するインビトロ翻訳は、STEAP−2タンパク質が、
翻訳されて、予期される分子量を示すことを示した。
図20および図21は、PC−3細胞および3T3細胞をそれぞれ改変して、示される
タンパク質(STEAP−1、STEAP−2およびSTEAP−2CFlを含む)を含
むように改変した場合に得られた結果を示す。遺伝子特異的発現は、長末端反復(LTR
)から駆動された。ネオマイシン耐性遺伝子を使用して、上記タンパク質を安定に発現す
る哺乳動物細胞を選択した。PC−3細胞および3T3細胞に、レトロウイルスを形質導
入し、G418の存在下で選択し、STEAP−2コード配列の発現を可能にする条件下
で培養した。その細胞を、低濃度のFBS(0.5〜1%FBS)中で一晩増殖させ、そ
の後、10%FBSで茂樹した。その細胞を、EIPA緩衝液中で溶解し、タンパク質濃
度について定量した。全細胞用怪物を、SDS−PAGEにより分離し、抗ホスホ−ER
K(Cell Signaling Inc.)または抗ホスホチロシン(UBI)抗体
を使用するウェスタンブロッティングにより分析した(図20、21、および22)。図
20に示されるように、非形質転換PC−3細胞と比較して、STEAP−2を含むよう
に改変した細胞は、増加した量のリン酸化チロシンを含む。3T3細胞に対する同様の実
験からの同様の結果を、3頁に示す。この後者の実験において、STEAP−2CFl発
現系もおまた、3T3細胞中にトランスフェクトした。この細胞をコントロールとして使
用した。図21において示されるように、ネイティブSTEAP−2の存在下で見出され
るリン酸化増強が、このタンパク質の立体構造を変化させた場合には、有意に減少した。
従って、これらの結果は、STEAP−2タンパク質が、産生され、上記表現型効果を媒
介したことを、結論的には示す。
図22は、ERKのリン酸化が特異的に検出されるPC−3細胞および3T3細胞の両
方において、同様の結果を示す。このプロトコルは、上記段落5に示されるものと同様で
あるが、但し、ホスホチロシン特異的抗体を用いてゲルをプロービングするのではなく、
ゲルを、抗ERK抗体および抗ホスホERK抗体の両方を用いてプロービングする。図2
2に示されるように、10% FBSの存在下で、STEAP−2を発現するように改変
したPC−3細胞および3T3細胞の両方が、STEAP−2CFlを含むように形質転
換された細胞において検出可能ではないERKのリン酸化を示した。バックグラウンドE
RKリン酸化を示さないコントロールPC−3細胞とは対照的に、コントロール3T3−
neo細胞は、低レベルの内因性ERKリン酸化を示す。10%FBSによる処理は、S
TEAP−2を発現する細胞におけるERKタンパク質のリン酸化を、3T3−neo細
胞と比較して増加したが、改変STEAP−2(すなわち、STEAP−2 CFl)を
発現する3T3細胞において、ERKリン酸化の増加は、観察されなかった。
STEAP−2発現系を含むように改変された細胞における細胞代謝に対する他の効果
もまた、本発明者らのデータに示される。図23は、STEAP−2についての発現系を
含む細胞および含まない細胞を、LPAの存在下でのカルシウム流出について測定した場
合、STEAP−2含有細胞においてカルシウム流出が増強された。FACS分析および
市販の指示薬(Molecular Probs)を使用して、親細胞およびSTEAP
−2を発現する細胞を、それらがカルシウムを輸送する能力について比較した。PC3−
neo細胞およびPC3−STEAP−2細胞に、カルシウム応答性指示薬であるFlu
o4およびFura redをロードし、カルシウムおよびLPAの存在下でまたは非存
在下でインキュベートし、そしてフローサイトメトリーにより分析した。公知のカルシウ
ム輸送因子を発現するPC3細胞(PC3−83P3H3 pCatT)を、ポジティブ
コントロールとして使用した(Biochem Biohys Res Commun.
2001,282:729)。図23の表は、STEAP−2が、LPAに応答してカル
シウム流出を媒介すること、およびカルシウム流出の大きさは、既知のカルシウムチャネ
ルにより生成される大きさに匹敵することを、示す。
さらに、STEAP−2発現PC3細胞は、PC3−neo細胞と比較した、アガトキ
シン(カルシウムチャネルブロッカー)に対する感受性の増加を示した。これらの結果は
、STEAP−2発現が、PC3細胞を、Ca2+チャネルインヒビターによる処理に対
して感受性にすることを示す。上記の実験から誘導される情報は、癌細胞が調節される機
構を提供する。これは、カルシウムの場合に特に関連がある。なぜなら、カルシウムチャ
ネルインヒビターは、特定の癌細胞(前立腺癌細胞株を含む)の死を誘導すると報告され
ているからである(例えば、Batra S.,Popper LD,Hartley−
Asp B.Prostate 1991,19:299参照)。
図24は、STEAP−2発現系でトランスフェクトした細胞が、パクリタキセルに対
する曝露を生存する能力の増加を有することを示す。生存に対するSTEAP−2の効果
を決定するために、STEAP−2を欠くPC3またはSTEAP−2を発現するPC3
細胞を、パクリタキセルで60時間処理し、FITCに結合体化したアネキシンVおよび
ヨウ化プロピジウム染色を使用して、アポトーシスについてアッセイした。アポトーシス
細胞において、膜リン脂質であるホスファチジルセリン(PS)は、膜の内側リーフレッ
トから外側リーフレットへとトランスロケートし、それにより、PSを、外部細胞環境に
曝露する。PSは、アネキシンVにより認識されて結合され、それにより、プログラムさ
れた細胞死を経験する細胞を同定する信頼できる手段を科学者に提供する。ヨウ化プロピ
ジウム染色により、死細胞が同定される。図25は、STEAP−2の発現が、パクリタ
キセル処理PC3−neo細胞と比較して、パクリタキセル媒介アポトーシスを45%祖
愛することを示す。STEAP−2の防御効果は、STEAP−2が、図26のようにそ
のC末端にFlagが存在することにより改変された場合に、阻害される。
公に入手可能な文献は、STEAP−2を発現するPC3細胞において観察されるのと
類似する表現型特徴を示す、前立腺癌および他の癌のいくつかの例を含む。特に、臨床研
究は、パクリタキセルで処置した患者における一過性腫瘍後退および/または部分的に過
ぎない応答を報告した。例えば、パクリタキセルの単一薬剤臨床試験に入った前立腺癌患
者のうちのほんの約50%しか、グレード3およびグレード4の細胞傷害性を誘導した用
量のパクリタキセルで処理した場合に、PSAレベルの減少を示さず、かなり高いレベル
の応答が、この用量レベルに基づいて予期された。従って、このデータは、前立腺癌患者
におけるパクリタキセル耐性の発生を示す(Beer TMら、Ann Oncol 2
001、12:1273)。減少した応答性および進行性腫瘍の再発といった類似する現
象が、他の研究において観察された(例えば、Obasajy C.およびHudes
GR.Hematol Oncol Clin North Am 2001、15:5
25)。さらに、STEAP−2を内因性発現する細胞(例えば、LNCあP細胞)にお
けるカルシウム流出の阻害は、その細胞死を誘導する(Sktyma Rら、J Phy
siol.2000、527:71)。
従って、STEAP−2タンパク質を、試験した細胞において産生するだけではなく、
mRNAの存在が示されている非改変腫瘍細胞または非改変前立腺細胞においても産生す
る。本出願におけるノーザンブロットのデータは、STEAP−2をコードするメッセン
ジャーRNAが、特定の前立腺細胞および腫瘍細胞において産生されることを明らかに示
す。それ自体が腫瘍細胞である3T3細胞およびPC3細胞は、メッセンジャーRNAを
タンパク質へと翻訳することが可能である。mRNAが産生されることが示された腫瘍細
胞および前立腺細胞と類似する細胞中でこのメッセンジャーを翻訳することに障害は存在
しないことが示されているので、mRNAが産生されるという事実を考慮すると、上記タ
ンパク質自体は、非改変腫瘍細胞または前立腺細胞において検出され得ることが、適切に
結論付けられ得る。この結論はまた、STEAP−2を発現するように特に改変された細
胞において観察される表現型変化のパターンにより支持され、これらの変化は、癌細胞に
おいて観察される変化と一致する。上記のデータに基づいて、STEAP−2をコードす
るmRNAを産生する細胞および組織はまた、そのタンパク質自体を産生することを、化
学的に結論付けられる。
(実施例46:潜在的なシグナル伝達経路の同定および確認)
多くの哺乳動物のタンパク質は、シグナル伝達分子と相互作用し、そしてシグナル伝達
経路の調節に関与することが報告されている(J Neurochem.2001;76
:217−223)。免疫沈降およびウェスタンブロッティング技術を使用して、98P
4B6と結合し、かつシグナル伝達事象を媒介するタンパク質を同定する。リン脂質経路
(例えば、PI3K、AKTなど)、接着経路および移動経路(FAK、Rho、Rac
−1、カテニンなどを含む)、ならびにERK、p38などのような有糸分裂/生存カス
ケードを含む、癌の生物学において役割を果たすことが知られるいくつかの経路が、98
P4B6によって調節され得る(Cell Growth Differ.2000,1
1:279;J Biol Chem.1999,274:801;Oncogene.
2000,19:3003;J.Cell Biol.1997,138:913)。
98P4B6が細胞における既知のシグナル伝達経路を直接的に活性化するのか、また
は間接的に活性化するのかを確認するために、個々の遺伝子を発現する細胞において、ル
シフェラーゼ(luc)ベースの転写レポーターアッセイを行う。これらの転写レポータ
ーは、十分に特徴付けられたシグナル伝達経路の下流に位置する、既知の転写因子に対す
るコンセンサス結合部位を含む。これらの関連転写因子、シグナル伝達経路および活性化
刺激のレポーターおよび例を、以下に列挙する。
1.NFκB−luc、NFκB/Rel;Iκ−キナーゼ/SAPK;増殖/アポト
ーシス/ストレス
2.SRE−luc、SRF/TCF/ELK1;MAPK/SAPK;増殖/分化
3.AP−1−luc、FOS/JUN;MAPK/SAPK/PKC;増殖/アポト
ーシス/ストレス
4.ARE−luc、アンドロゲンレセプター;ステロイド/MAPK;増殖/分化/
アポトーシス
5.p53−luc、p53;SAPK;増殖/分化/アポトーシス
6.CRE−luc、CREB/ATF2;PKA/p38;増殖/アポトーシス/ス
トレス。
遺伝子媒介性の影響を、mRNA発現を示す細胞においてアッセイし得る。ルシフェラ
ーゼレポータープラスミドを、脂質媒介性トランスフェクション(TFX−50、Pro
mega)によって導入し得る。細胞抽出物をルシフェリン基質と共にインキュベートす
ることによって、相対的な転写活性の指標であるルシフェラーゼ活性を測定し、そしてこ
の反応の発光をルミノメーターでモニタリングする。
98P4B6によって活性化されるシグナル伝達経路をマッピングし、そして治療標的
の同定および確認のために使用する。98P4B6が細胞シグナル伝達に関与する場合、
これは、診断目的、予後目的、予防目的および/または治療目的のための標的として使用
される。
(実施例47:98P4B6は、プロトンまたは低分子の輸送因子として機能する)
98P4B6の配列および相同性の分析は、98P4B6が、輸送因子として機能し得
ることを示す。STEAP−1が鉄チャネルとして機能することを確認するために、FA
CS分析および蛍光顕微鏡技術を、使用する(Gergely L.ら、Clin Di
agn Lab Immunol.1997;4:70;Skryma Rら、J Ph
ysiol.2000.527:71)。FACS分析および市販の支持薬(Molec
ular Probs)を使用して、親細胞および98P4B6を発現する細胞を、それ
らがカルシウムを輸送する能力について比較する。例えば、PC3細胞およびPC3−9
8P4B6細胞に、カルシウム応答性指示薬であるFluo4およびFura redを
ロードし、カルシウムおよびLPAの存在下でまたは非存在下でインキュベートし、そし
てフローサイトメトリーにより分析する。イオンフラックスは、癌細胞が調節される重要
な機構である。これは、カルシウムの場合に、特に当てはまる。なぜなら、カルシウムチ
ャネルインヒビターは、特定の癌細胞(前立腺癌細胞を含む)の死を誘導すると報告され
ているからである(Batra S,Poppper LD、Hartley−Asp
B.Prostate 1991,19:299)。同様の結果が、ナトリウム、カリウ
ム、pHなどの指示薬を使用して結論付けられる。
オキシドレダクターゼに対するその相同性に起因して、98P4B6は、低分子を固定
および輸送することによって、薬物耐性を付与することに関与し得る。低分子輸送に対す
る98P4B6の効果は、改変MDRアッセイを使用して調査する。コントロール細胞お
よび98P4B6発現細胞に、蛍光低分子(例えば、カルセインAM)をロードする。そ
の細胞からのカルセインの流出を、蛍光化合物について上清を試験することによって測定
する。MDR様活性が、MDRインヒビターを使用して確認される。
98P4B6が輸送因子として機能する場合、それは、診断目的、予後判定目的、予防
目的、および/または治療目的として使用される。
(実施例48:腫瘍進行の改善)
98P4B6遺伝子は、癌細胞の増殖に寄与し得る。腫瘍増殖における98P4B6の
役割を、種々の原発性細胞株およびトランスフェクト細胞株(98P4B6を安定に発現
するように操作された、前立腺細胞およびNIH 3T3細胞を含む)において確認する
。98P4B6を欠く親細胞および98P4B6発現細胞を、十分に記載された増殖アッ
セイ(Fraser SP、Grimes JA,Dkamgoz MB、Prosta
te 2000;44:61、Johnson DE、Ochieng J,Evans
SL、Anticancer Drugs.1996、7:288)を使用して、細胞
増殖について評価する。
形質転換目的における98P4B6の役割を確認するために、コロニー形成アッセイに
おけるその効果を、調査する。98P4B6を欠く親NIH−3T3細胞を、98P4B
6を発現するNIH−3T3細胞と、ストリンジェントな条件およびより許容性の条件下
で、軟寒天アッセイを使用して比較する(Song Zら、Cancer Res.20
00;60:6730)。
癌細胞の浸潤および転移における98P4B6の役割を確認するために、十分に確立さ
れたアッセイ(例えば、一過性インサートシステムアッセイ(Becton Dicki
nson)(Cancer Res.1999;59:6010)を使用する。コントロ
ール細胞(98P4B6を欠く、前立腺細胞および線維芽細胞を含む)を、98P4B6
発現細胞と比較する。細胞に、蛍光色素であるカルセインをロードし、基底膜アナログで
コートした一過性インサートの上部ウェルに配置する。浸潤を、細胞集団全体の蛍光と比
較した下部チャンバ中の細胞の蛍光により決定する。
98P4B6はまた、細胞周期およびアポトーシスにおいても役割を果たし得る。親細
胞および98P4B6発現細胞を、十分に確立されたBrdUアッセイ(Abdel−M
alek ZA.J Cell Physiol.1988,136:247)を使用し
て、細胞周期調節の差異について比較する。簡単に述べると、細胞を、最適条件(完全血
清)および限定(低血清)条件の両方で増殖させ、BrdUで標識し、抗BrdU Ab
およびヨウ化プロピジウムで染色する。細胞を、細胞周期のG1期、S期、およびG2M
期に入るのについて分析する。あるいは、アポトーシスに対するストレスの影響を、コン
トロール親細胞および98P4B6発現細胞(正常細胞および腫瘍前立腺細胞を含む)に
おいて評価する。操作細胞および親細胞を、種々の化学療法剤(例えば、エトポシド、フ
ルタミドなど)およびタンパク質合成インヒビター(例えば、シクロヘキシミド)で処理
する。細胞を、アネキシンV−FITCで染色し、細胞死を、FACS分析により測定す
る。98P4B6による細胞死の調節は、腫瘍進行および腫瘍ロードを調節する際に、重
要な役割を果たし得る。
98P4B6が、細胞増殖、細胞形質転換、細胞の浸潤またはアポトーシスにおいて役
割を果たす場合、これは、診断目的、予後判定目的、予防目的、および/または治療目的
のための標的として使用される。
(実施例49:新脈管形成の改善)
新脈管形成または新規な毛細血管形成は、腫瘍増殖のために必要である(Hanaha
n D,Folkman J.Cell.1996,86:353;Folkman J
.Endocrinology.1998 139:441)。内皮細胞に対するホスホ
字エステラーゼインヒビターに効果に基づいて、98P4B6は、親脈管形成において役
割を果たす(DeFouw Lら、Microvasc.Res.2001,62:26
3)。いくつかのアッセイ(例えば、組織培養アッセイ、内皮細胞管形成および内皮細胞
増殖)が、インビトロおよびインビボで親脈管形成を測定するために開発されている。こ
れらのアッセイ、およびインビトロ新脈管形成を使用して、親脈管形成における98P4
B6の役割(増強または阻害)を、確認する。
例えば、98P4B6を発現するように操作した内皮細胞を、管形成および増殖アッセ
イを使用して、評価する。98P4B6の効果はまた、インビボで動物モデルにて確認す
る。例えば、98P4B6を発現する細胞または98P4B6を欠く細胞のいずれかを、
免疫無防備状態のマウスにおいて皮下移植する。内皮細胞遊走および親脈管形成を、免疫
組織化学技術を使用して、5〜15日間後に評価する。98P4B6は、親脈管形成に影
響する。これは、診断目的、予後判定目的、予防目的、および/または治療目的のために
標的として使用する。
(実施例50:転写の調節)
98P4B6の局在化およびヒドロラーゼに対するその類似性、ならびにそのEtsモ
チーフ(v.7)は、98P4B6が、真核生物遺伝子の転写調節の調節因子として有効
に使用されることを示す。遺伝子発現の調節を、例えば、98P4B6発現細胞または9
8P4B6を欠く細胞における遺伝子発現を研究することによって、確認する。このため
に、2つの型の実験を実施する。
第1の組の実験において、親細胞および98P4B6発現細胞に由来するRNAを、抽
出し、市販の遺伝子アレイ(Clontech)に対してハイブリダイズする(Smit
−Koopman Eら、Br J Cancer.2000.83:246)。休止細
胞およびFBS処理細胞またはアンドロゲン処理細胞を、比較する。差次的に発現される
遺伝子を、当該分野で公知の手順に従って同定する。その後、差次的に発現される遺伝子
を、生物学的経路に対してマッピングする(Chen Kら、Thyroid.2001
.11:41)。
第2組の実験において、特異的転写経路活性化を、市販の(Stratagene)ル
シフェラーゼレポーター構築物(NFκB−luc、SRE−luc、ELK1−luc
、ARE−lucおよびCRE−lucを含む)を使用して評価する。これらの転写レポ
ーターは、十分に特徴付けられたシグナル伝達経路の下流に存在する既知の転写因子のコ
ンセンサス結合部位を含み、経路活性化を確証するために、および経路活性化の正の調節
因子および負の調節因子についてスクリーニングするために、良好なツールを示す。
従って、98P4B6は、遺伝子調節において役割を果たす。98P4B6が遺伝子調
節に関与する場合、それは、診断目的、予後判定目的、予防目的、および/または治療目
的のための標的として使用される。
(実施例51:タンパク質−タンパク質結合)
いくつかの6回膜貫通(TM)タンパク質は、他のタンパク質と相互作用し、それによ
り、シグナル伝達、遺伝子転写、形質転換、および細胞接着を調節することが示されてい
る。免疫沈澱技術および酵母ツーハイブリッドシステムを使用して、98P4B6と結合
するタンパク質が、同定される。98P4B6発現細胞および98P4B6を欠く細胞か
らの免疫沈澱物を、特異的タンパク質−タンパク質結合について比較する。
98P4B6とエフェクター分子(例えば、核タンパク質、転写因子、キナーゼ、ホス
フェートなど)との結合の程度を確認するための研究を実施する。98P4B6陽性細胞
と98P4B6陰性細胞とを比較する研究、ならびに非刺激細胞/休止細胞と、上皮細胞
アクチベーター(例えば、システイン、増殖因子、アンドロゲン、および抗インテグリン
Ab)で処理した細胞とを比較する研究は、独特に相互作用を明らかにする。
さらに、タンパク質−タンパク質相互作用を、酵母ツーハイブリッド方法(Curr
Opin Chem Biol.1999,3:64)を使用して確認する。転写因子の
活性化ドメインに融合したタンパク質ライブラリーを保有するベクターを、98P4B6
−DNA結合ドメイン融合タンパク質およびレポーター構築物を発現する酵母中に導入す
る。タンパク質−タンパク質相互作用を、比色レポーター活性により検出する。エフェク
ター分子および転写因子との特異的結合は、当業者を98P4B6の作用様式に向け、従
って、癌の治療標的、予後判定標的、予防標的および/または診断標的を同定する。この
アッセイおよび同様のアッセイはまた、98P4B6と相互作用する低分子を同定および
スクリーニングするために使用される。
従って、98P4B6は、タンパク質および低分子と結合することが、見出される。従
って、98P4B6およびこれらのタンパク質および低分子は、診断目的、予後判定目的
、予防目的、および/または治療目的のために使用される。
本出願全体を通して、種々のウェブサイトデータの内容、刊行物、特許出願、および特
許が、参照される(ウェブサイトは、そのURL(ワールドワイドウェブ上でのアドレス
)により参照される)。これらの参考文献の各々の開示は、その全体が、本明細書中に参
考として援用される。
本発明は、本明細書中に開示される実施形態によって範囲を限定されるべきものではな
い。これらの実施形態は、本発明の個々の局面の単なる例示として意図され、そして機能
的に等価である任意のものが、本発明の範囲内にある。本発明のモデルおよび方法に対す
る種々の改変が、本明細書中に記載されるモデルおよび方法に加えて、上記の説明および
教示から当業者にとって明らかになる。これらは、同様に、本発明の範囲内にあることが
意図される。そのような改変形または他の実施形態は、本発明の真の範囲および趣旨から
逸脱することなく、実施され得る。
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183ヌクレオチドの98P4B6 SSH配列。 98P4B6改変体1(「98P4B6 v.1」または「98P4B6改変体1」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Aに示す。開始メチオニンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体1(「98P4B6 v.1」または「98P4B6改変体1」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Aに示す。開始メチオニンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体2(「98P4B6 v.2」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Bに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸4〜138にまたがる。 98P4B6改変体2(「98P4B6 v.2」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Bに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸4〜138にまたがる。 98P4B6改変体2(「98P4B6 v.2」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Bに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸4〜138にまたがる。 98P4B6改変体3(「98P4B6 v.3」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Cに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸188〜1552にまたがる。 98P4B6改変体3(「98P4B6 v.3」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Cに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸188〜1552にまたがる。 98P4B6改変体4(「98P4B6 v.4」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Dに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸318〜1682にまたがる。 98P4B6改変体4(「98P4B6 v.4」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Dに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸318〜1682にまたがる。 98P4B6改変体4(「98P4B6 v.4」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Dに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸318〜1682にまたがる。 98P4B6改変体5(「98P4B6 v.5」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Eに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸318〜1577にまたがる。 98P4B6改変体5(「98P4B6 v.5」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Eに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸318〜1577にまたがる。 98P4B6改変体6(「98P4B6 v.6」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Fに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸318〜1790にまたがる。 98P4B6改変体6(「98P4B6 v.6」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Fに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸318〜1790にまたがる。 98P4B6改変体6(「98P4B6 v.6」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Fに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸318〜1790にまたがる。 98P4B6改変体7(「98P4B6 v.7」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Fに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体7(「98P4B6 v.7」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Fに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体7(「98P4B6 v.7」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Fに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体8(「98P4B6 v.8」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Hに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体8(「98P4B6 v.8」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Hに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体8(「98P4B6 v.8」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Hに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体8(「98P4B6 v.8」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Hに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体8(「98P4B6 v.8」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Hに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体9(「98P4B6 v.9」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Iに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体9(「98P4B6 v.9」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Iに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体10(「98P4B6 v.10」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Jに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体10(「98P4B6 v.10」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Jに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体10(「98P4B6 v.10」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Jに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体11(「98P4B6 v.11」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Kに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体11(「98P4B6 v.11」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Kに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体12(「98P4B6 v.12」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Lに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体12(「98P4B6 v.12」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Lに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体12(「98P4B6 v.12」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Lに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体13(「98P4B6 v.13」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Mに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体13(「98P4B6 v.13」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Mに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体13(「98P4B6 v.13」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Mに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体14(「98P4B6 v.14」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Nに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体14(「98P4B6 v.14」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Nに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体15(「98P4B6 v.15」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Oに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体15(「98P4B6 v.15」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Oに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体15(「98P4B6 v.15」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Oに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体16(「98P4B6 v.16」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Pに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体16(「98P4B6 v.16」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Pに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体16(「98P4B6 v.16」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Pに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体17(「98P4B6 v.17」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Qに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体17(「98P4B6 v.17」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Qに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体18(「98P4B6 v.18」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Rに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体18(「98P4B6 v.18」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Rに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体18(「98P4B6 v.18」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Rに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体19(「98P4B6 v.19」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Sに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体19(「98P4B6 v.19」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Sに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体19(「98P4B6 v.19」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Sに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸355〜1719にまたがる。 98P4B6改変体20(「98P4B6 v.20」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Tに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体20(「98P4B6 v.20」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Tに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体21(「98P4B6 v.21」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Uに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体21(「98P4B6 v.21」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Uに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体21(「98P4B6 v.21」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Uに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体22(「98P4B6 v.22」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Vに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体22(「98P4B6 v.22」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Vに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体22(「98P4B6 v.22」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Vに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体23(「98P4B6 v.23」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Wに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体23(「98P4B6 v.23」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Wに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体24(「98P4B6 v.24」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Xに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体24(「98P4B6 v.24」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Xに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体24(「98P4B6 v.24」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Xに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸295〜2025にまたがる。 98P4B6改変体25(「98P4B6 v.25」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2に示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体25(「98P4B6 v.25」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2に示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体25(「98P4B6 v.25」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2に示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体25(「98P4B6 v.25」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2に示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体26(「98P4B6 v.26」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Zに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体26(「98P4B6 v.26」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Zに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体26(「98P4B6 v.26」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Zに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体26(「98P4B6 v.26」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Zに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体27(「98P4B6 v.27」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AAに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体27(「98P4B6 v.27」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AAに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体27(「98P4B6 v.27」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AAに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体27(「98P4B6 v.27」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AAに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体28(「98P4B6 v.28」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ABに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体28(「98P4B6 v.28」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ABに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体28(「98P4B6 v.28」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ABに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体28(「98P4B6 v.28」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ABに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体28(「98P4B6 v.28」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ABに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体29(「98P4B6 v.29」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ACに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体29(「98P4B6 v.29」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ACに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体29(「98P4B6 v.29」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ACに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体29(「98P4B6 v.29」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ACに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体30(「98P4B6 v.30」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ADに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体30(「98P4B6 v.30」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ADに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体30(「98P4B6 v.30」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ADに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体30(「98P4B6 v.30」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ADに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体30(「98P4B6 v.30」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ADに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体31(「98P4B6 v.31」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AEに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体31(「98P4B6 v.31」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AEに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体31(「98P4B6 v.31」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AEに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体31(「98P4B6 v.31」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AEに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体32(「98P4B6 v.32」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AFに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体32(「98P4B6 v.32」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AFに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体32(「98P4B6 v.32」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AFに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体32(「98P4B6 v.32」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AFに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体32(「98P4B6 v.32」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AFに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体33(「98P4B6 v.33」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AGに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体33(「98P4B6 v.33」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AGに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体33(「98P4B6 v.33」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AGに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体33(「98P4B6 v.33」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AGに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体34(「98P4B6 v.34」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AHに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体34(「98P4B6 v.34」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AHに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体34(「98P4B6 v.34」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AHに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体34(「98P4B6 v.34」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AHに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体34(「98P4B6 v.34」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AHに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体35(「98P4B6 v.35」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AIに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体35(「98P4B6 v.35」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AIに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体35(「98P4B6 v.35」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AIに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体35(「98P4B6 v.35」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AIに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体36(「98P4B6 v.36」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AJに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体36(「98P4B6 v.36」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AJに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体36(「98P4B6 v.36」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AJに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体36(「98P4B6 v.36」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AJに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体37(「98P4B6 v.37」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AKに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体37(「98P4B6 v.37」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AKに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体37(「98P4B6 v.37」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AKに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体37(「98P4B6 v.37」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2AKに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体(38「98P4B6 v.38」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ALに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体(38「98P4B6 v.38」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ALに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体(38「98P4B6 v.38」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ALに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6改変体(38「98P4B6 v.38」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2ALに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸394〜1866にまたがる。 98P4B6 V.1のアミノ酸配列が図3Aに示される;これは454アミノ酸を有する。 98P4B6 V.2のアミノ酸配列が図3Bに示される;これは45アミノ酸を有する。 98P4B6 V.5のアミノ酸配列が図3Cに示される;これは419アミノ酸を有する。 98P4B6 V.6のアミノ酸配列が図3Dに示される;これは490アミノ酸を有する。 98P4B6 V.7のアミノ酸配列が図3Eに示される;これは576アミノ酸を有する。 98P4B6 V.8のアミノ酸配列が図3Fに示される;これは490アミノ酸を有する。 98P4B6 V.13のアミノ酸配列が図3Gに示される;これは454アミノ酸を有する。 98P4B6 V.14のアミノ酸配列が図3Hに示される;これは454アミノ酸を有する。 98P4B6 V.14のアミノ酸配列が図3Hに示される;これは454アミノ酸を有する。 98P4B6 V.21のアミノ酸配列が図3Iに示される;これは576アミノ酸を有する。 98P4B6 V.25のアミノ酸配列が図3Eに示される;これは490アミノ酸を有する。
本明細書中で使用される場合、98P4B6に対する参照は、その全ての改変体を含み
、これは、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、図2、図3、図10、および図
11に示される改変体を含む。
98P4B6と既知の遺伝子とのアラインメント。ヒトSTAMP1、ヒトの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原、およびマウスの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原。図4A:ヒトSTAMP1(gi15418732)に対する98P4B6改変体1のアライメント。 98P4B6と既知の遺伝子とのアラインメント。ヒトSTAMP1、ヒトの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原、およびマウスの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原。図4B:ヒトSTAMP2(gi:23308593)に対する98P4B6改変体1のアライメント。 98P4B6と既知の遺伝子とのアラインメント。ヒトSTAMP1、ヒトの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原、およびマウスの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原。図4B:ヒトSTAMP2(gi:23308593)に対する98P4B6改変体1のアライメント。 98P4B6と既知の遺伝子とのアラインメント。ヒトSTAMP1、ヒトの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原、およびマウスの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原。図4C:98P4B6改変体1とマウスSTEAP2(gi28501136)のアライメント。 98P4B6と既知の遺伝子とのアラインメント。ヒトSTAMP1、ヒトの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原、およびマウスの前立腺2の6回膜貫通上皮抗原。図4D:上記3つの98P4B6改変体のクラスターアライメント。これは、98P4B6 V1Bが、そのN末端に、V1に対してさらなる62アミノ酸を含むこと、および98P4B6 V2が、V1に対してアミノ酸225において、I→T点変異を保有することを示す。 ExPasy分子生物学サーバを通したワールドワイドウェブ(expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるHoppおよびWoodsの方法(Hopp T.P.,Woods K.R.,1981.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828)を用いてコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の親水性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通したワールドワイドウェブ(expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるHoppおよびWoodsの方法(Hopp T.P.,Woods K.R.,1981.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828)を用いてコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の親水性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通したワールドワイドウェブ(expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるHoppおよびWoodsの方法(Hopp T.P.,Woods K.R.,1981.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828)を用いてコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の親水性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通したワールドワイドウェブ(expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるHoppおよびWoodsの方法(Hopp T.P.,Woods K.R.,1981.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828)を用いてコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の親水性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通したワールドワイドウェブ(expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるHoppおよびWoodsの方法(Hopp T.P.,Woods K.R.,1981.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828)を用いてコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の親水性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるKyteおよびDoolittleの方法(Kyte J.,Doolittle R.F.,1982.J.Mol.Biol.157:105−132)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のヒドロパシーアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるKyteおよびDoolittleの方法(Kyte J.,Doolittle R.F.,1982.J.Mol.Biol.157:105−132)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のヒドロパシーアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるKyteおよびDoolittleの方法(Kyte J.,Doolittle R.F.,1982.J.Mol.Biol.157:105−132)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のヒドロパシーアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるKyteおよびDoolittleの方法(Kyte J.,Doolittle R.F.,1982.J.Mol.Biol.157:105−132)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のヒドロパシーアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるKyteおよびDoolittleの方法(Kyte J.,Doolittle R.F.,1982.J.Mol.Biol.157:105−132)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のヒドロパシーアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるJaninの方法(Janin J.,1979 Nature 277:491−492)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の接触可能残基パーセントアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるJaninの方法(Janin J.,1979 Nature 277:491−492)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の接触可能残基パーセントアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるJaninの方法(Janin J.,1979 Nature 277:491−492)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の接触可能残基パーセントアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるJaninの方法(Janin J.,1979 Nature 277:491−492)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の接触可能残基パーセントアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるJaninの方法(Janin J.,1979 Nature 277:491−492)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の接触可能残基パーセントアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるBhaskaranおよびPonnuswamyの方法(Bhaskaran R.,およびPonnuswamy P.K.,1988.Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の平均可橈性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるBhaskaranおよびPonnuswamyの方法(Bhaskaran R.,およびPonnuswamy P.K.,1988.Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の平均可橈性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるBhaskaranおよびPonnuswamyの方法(Bhaskaran R.,およびPonnuswamy P.K.,1988.Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の平均可橈性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるBhaskaranおよびPonnuswamyの方法(Bhaskaran R.,およびPonnuswamy P.K.,1988.Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の平均可橈性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるBhaskaranおよびPonnuswamyの方法(Bhaskaran R.,およびPonnuswamy P.K.,1988.Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7の平均可橈性アミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスしたDeleageおよびRouxの方法(Deleage,G.,Roux B.1987 Protein Engineering 1:289−294)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のβ−ターンアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスしたDeleageおよびRouxの方法(Deleage,G.,Roux B.1987 Protein Engineering 1:289−294)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のβ−ターンアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスしたDeleageおよびRouxの方法(Deleage,G.,Roux B.1987 Protein Engineering 1:289−294)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のβ−ターンアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスしたDeleageおよびRouxの方法(Deleage,G.,Roux B.1987 Protein Engineering 1:289−294)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のβ−ターンアミノ酸プロフィール。 ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスしたDeleageおよびRouxの方法(Deleage,G.,Roux B.1987 Protein Engineering 1:289−294)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定した、98P4B6 v.1、v.2、v.5、v.6およびv.7のβ−ターンアミノ酸プロフィール。 98P4B6 v.1のSNP改変体の模式的アラインメント。改変体98P4B6 v.9〜改変体98P4B6 v.19は、v.1から、単一のヌクレオチド差を有する改変体であった。これらの改変体を別個に示したが、これらはまた、任意の組み合わせで、および図12に示されるように、上記の塩基を含む任意の転写物改変体の状態で存在し得る。他の転写物改変体(例えば、v.2、v.6およびv.8)は、v.1と共通しておらず、ここに示されなかった。黒四角は、98P4B6 v.1と同じ配列を示す。SNPは、四角で上に示される。 98P4B6 v.1のSNP改変体の模式的アラインメント。改変体98P4B6 v.9〜改変体98P4B6 v.19は、v.1から、単一のヌクレオチド差を有する改変体であった。これらの改変体を別個に示したが、これらはまた、任意の組み合わせで、および図12に示されるように、上記の塩基を含む任意の転写物改変体の状態で存在し得る。他の転写物改変体(例えば、v.2、v.6およびv.8)は、v.1と共通しておらず、ここに示されなかった。黒四角は、98P4B6 v.1と同じ配列を示す。SNPは、四角で上に示される。 98P4B6 v.7のSNP改変体の模式的アラインメント。改変体98P4B6 v.20〜改変体98P4B6 v.24は、v.7から、単一のヌクレオチド差を有する改変体であった。これらの改変体を別個に示したが、これらはまた、任意の組み合わせで、および図12に示されるように、上記の塩基を含む任意の転写物改変体の状態で存在し得る。v.1と共通していない領域中のSNPは、ここに示されなかった。番号は、98P4B6 v.7に対応する。黒四角は、98P4B6 v.7と同じ配列を示す。SNPは、四角で上に示される。 98P4B6 v.8のSNP改変体の模式的アラインメント。改変体98P4B6 v.25〜改変体98P4B6 v.38は、v.8から、単一のヌクレオチド差を有する改変体であった。これらの改変体を別個に示したが、これらはまた、任意の組み合わせで、および図12に示されるように、上記の塩基を含む任意の転写物改変体の状態で存在し得る。v.1と共通していない領域中のSNPは、ここに示されなかった。番号は、98P4B6 v.8に対応する。黒四角は、98P4B6 v.8と同じ配列を示す。SNPは、四角で上に示される。 98P4B6 v.8のSNP改変体の模式的アラインメント。改変体98P4B6 v.25〜改変体98P4B6 v.38は、v.8から、単一のヌクレオチド差を有する改変体であった。これらの改変体を別個に示したが、これらはまた、任意の組み合わせで、および図12に示されるように、上記の塩基を含む任意の転写物改変体の状態で存在し得る。v.1と共通していない領域中のSNPは、ここに示されなかった。番号は、98P4B6 v.8に対応する。黒四角は、98P4B6 v.8と同じ配列を示す。SNPは、四角で上に示される。 98P4B6 v.8のSNP改変体の模式的アラインメント。改変体98P4B6 v.25〜改変体98P4B6 v.38は、v.8から、単一のヌクレオチド差を有する改変体であった。これらの改変体を別個に示したが、これらはまた、任意の組み合わせで、および図12に示されるように、上記の塩基を含む任意の転写物改変体の状態で存在し得る。v.1と共通していない領域中のSNPは、ここに示されなかった。番号は、98P4B6 v.8に対応する。黒四角は、98P4B6 v.8と同じ配列を示す。SNPは、四角で上に示される。 98P4B6のタンパク質改変体の模式的アラインメント。タンパク質改変体は、ヌクレオチド改変体に対応する。ヌクレオチド改変体98P4B6 v.3、v.4、v.9〜v.12およびv.15〜v.19は、98P4B6 v.1と同じタンパク質をコードした。ヌクレオチド改変体98P4B6 v.6およびv.8は、v.8において「M」である475位の単一アミノ酸以外は同じタンパク質をコードした。改変体v.25は、v.8のSNP改変体であり565異に一アミノ酸差を有するv.25から翻訳された。同様に、v.21は、565位の1アミノ酸だけv.7とは異なった。単一のアミノ酸差は、四角で上に示した。黒四角は、98P4B6 v.1と同じ配列を示す。四角の下の数字は、98P4B6 v.1に対応する。 98P4B6のタンパク質改変体の模式的アラインメント。タンパク質改変体は、ヌクレオチド改変体に対応する。ヌクレオチド改変体98P4B6 v.3、v.4、v.9〜v.12およびv.15〜v.19は、98P4B6 v.1と同じタンパク質をコードした。ヌクレオチド改変体98P4B6 v.6およびv.8は、v.8において「M」である475位の単一アミノ酸以外は同じタンパク質をコードした。改変体v.25は、v.8のSNP改変体であり565異に一アミノ酸差を有するv.25から翻訳された。同様に、v.21は、565位の1アミノ酸だけv.7とは異なった。単一のアミノ酸差は、四角で上に示した。黒四角は、98P4B6 v.1と同じ配列を示す。四角の下の数字は、98P4B6 v.1に対応する。 98P4B6の転写物改変体の構造。改変体98P4B6 v.2〜v.8は、v.1の転写物改変体である。改変体v.2は、3’部分がv.1の最後のエキソンと同じである単一エキソン転写物であった。v.3の最初の2つのエキソンは、v.1のイントロン1中にあった。改変体v.4、v.5およびv.6は、v.1の最初のエキソン中の224〜334をスプライシングにより除去した(spliced out)。さらに、v.5は、エキソン5をスプライシングにより除去し、v.6は、エキソン6をスプライシングにより除去したが、v.1のエキソン5にまで延びた。改変体v.7は、選択的転写開始および異なる3’エキソンを使用した。改変体v.8は、5’末端に延び、v.1のイントロン5全体を維持した。v.1の最初の35塩基は、ヒトゲノムの現在のアセンブリにおいてv.1の5’領域近傍には存在しなかった。上記転写物中のエキソンの末端は、四角の上に示される。この遺伝子の潜在的エキソンは、ヒトゲノム上に順番に示される。ポリAテールおよび一ヌクレオチド差は、この図において示されない。四角の下の「()」の中の数字は、98P4B6 v.1の数字に対応する。イントロンおよびエキソンの長さは、比例していない。 98P4B6の転写物改変体の構造。改変体98P4B6 v.2〜v.8は、v.1の転写物改変体である。改変体v.2は、3’部分がv.1の最後のエキソンと同じである単一エキソン転写物であった。v.3の最初の2つのエキソンは、v.1のイントロン1中にあった。改変体v.4、v.5およびv.6は、v.1の最初のエキソン中の224〜334をスプライシングにより除去した(spliced out)。さらに、v.5は、エキソン5をスプライシングにより除去し、v.6は、エキソン6をスプライシングにより除去したが、v.1のエキソン5にまで延びた。改変体v.7は、選択的転写開始および異なる3’エキソンを使用した。改変体v.8は、5’末端に延び、v.1のイントロン5全体を維持した。v.1の最初の35塩基は、ヒトゲノムの現在のアセンブリにおいてv.1の5’領域近傍には存在しなかった。上記転写物中のエキソンの末端は、四角の上に示される。この遺伝子の潜在的エキソンは、ヒトゲノム上に順番に示される。ポリAテールおよび一ヌクレオチド差は、この図において示されない。四角の下の「()」の中の数字は、98P4B6 v.1の数字に対応する。イントロンおよびエキソンの長さは、比例していない。 図13A、図13B、図13C、図13D、図13E:98P4B6タンパク質改変体の二次構造および膜貫通ドメインの推定。98P4B6タンパク質改変体1(配列番号193)、改変体2(配列番号194)、改変体5(配列番号195)、改変体6(配列番号196)および改変体7(配列番号197)の二次構造を、ワールドワイドウェブの.expasy.ch/tools/に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスした、HNN−Hierarchical Neural Network法(Guermeur,1997,http://pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl?page=npsa_nn.htmlを用いて推定した。この方法は、αヘリックス、伸長ストランド、およびコイルの位置および存在を、一次アミノ酸配列から推定する。所定の二次構造にある上記タンパク質のパーセントもまた、列挙される。 図13A、図13B、図13C、図13D、図13E:98P4B6タンパク質改変体の二次構造および膜貫通ドメインの推定。98P4B6タンパク質改変体1(配列番号193)、改変体2(配列番号194)、改変体5(配列番号195)、改変体6(配列番号196)および改変体7(配列番号197)の二次構造を、ワールドワイドウェブの.expasy.ch/tools/に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスした、HNN−Hierarchical Neural Network法(Guermeur,1997,http://pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl?page=npsa_nn.htmlを用いて推定した。この方法は、αヘリックス、伸長ストランド、およびコイルの位置および存在を、一次アミノ酸配列から推定する。所定の二次構造にある上記タンパク質のパーセントもまた、列挙される。 図13A、図13B、図13C、図13D、図13E:98P4B6タンパク質改変体の二次構造および膜貫通ドメインの推定。98P4B6タンパク質改変体1(配列番号193)、改変体2(配列番号194)、改変体5(配列番号195)、改変体6(配列番号196)および改変体7(配列番号197)の二次構造を、ワールドワイドウェブの.expasy.ch/tools/に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスした、HNN−Hierarchical Neural Network法(Guermeur,1997,http://pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl?page=npsa_nn.htmlを用いて推定した。この方法は、αヘリックス、伸長ストランド、およびコイルの位置および存在を、一次アミノ酸配列から推定する。所定の二次構造にある上記タンパク質のパーセントもまた、列挙される。 図13A、図13B、図13C、図13D、図13E:98P4B6タンパク質改変体の二次構造および膜貫通ドメインの推定。98P4B6タンパク質改変体1(配列番号193)、改変体2(配列番号194)、改変体5(配列番号195)、改変体6(配列番号196)および改変体7(配列番号197)の二次構造を、ワールドワイドウェブの.expasy.ch/tools/に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスした、HNN−Hierarchical Neural Network法(Guermeur,1997,http://pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl?page=npsa_nn.htmlを用いて推定した。この方法は、αヘリックス、伸長ストランド、およびコイルの位置および存在を、一次アミノ酸配列から推定する。所定の二次構造にある上記タンパク質のパーセントもまた、列挙される。 図13A、図13B、図13C、図13D、図13E:98P4B6タンパク質改変体の二次構造および膜貫通ドメインの推定。98P4B6タンパク質改変体1(配列番号193)、改変体2(配列番号194)、改変体5(配列番号195)、改変体6(配列番号196)および改変体7(配列番号197)の二次構造を、ワールドワイドウェブの.expasy.ch/tools/に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスした、HNN−Hierarchical Neural Network法(Guermeur,1997,http://pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl?page=npsa_nn.htmlを用いて推定した。この方法は、αヘリックス、伸長ストランド、およびコイルの位置および存在を、一次アミノ酸配列から推定する。所定の二次構造にある上記タンパク質のパーセントもまた、列挙される。 13F、13H、13J、13L、13N:TMBASE(K.Hofmann,W.Stofell.TMBASE−A database of membrane spannning protein segments Biol.Chem.Hoppe−Seyler 374:166,1993)を利用するHofmannおよびStoffelのTMpredアルゴリズムに基づいて、98P4B6の改変体1、2、5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性および配向の模式的表示。13G、13I、13K、13M、13O:Sonnhammer、von HeijneおよびKroughのTMHMMアルゴリズム(Erik L.L.Sonnhammer、Gunnar von HeijneおよびAnders Krough:A hidden Markov model for prdicting transmembrane herices in protein sequences、Proc of Sixth Int.Conf.on Intelligent Systems for Molecular Biology,p175−182 Ed.J.Glasgow,T.Littlejohn,F.Major,R.Lathrop,D.Sankoff,およびC.Sensen Menlo Park,CA:AAAI Press、1998)に基づいた、98P4B6の改変体1、改変体2、改変体5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性、ならびに細胞外配向および細胞内配向の模式的表示。TMpredアルゴリズムおよびTMHMMアルゴリズムは、ワールドワイドウェブ(.expasy.ch/tools/)に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスする。 13F、13H、13J、13L、13N:TMBASE(K.Hofmann,W.Stofell.TMBASE−A database of membrane spannning protein segments Biol.Chem.Hoppe−Seyler 374:166,1993)を利用するHofmannおよびStoffelのTMpredアルゴリズムに基づいて、98P4B6の改変体1、2、5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性および配向の模式的表示。13G、13I、13K、13M、13O:Sonnhammer、von HeijneおよびKroughのTMHMMアルゴリズム(Erik L.L.Sonnhammer、Gunnar von HeijneおよびAnders Krough:A hidden Markov model for prdicting transmembrane herices in protein sequences、Proc of Sixth Int.Conf.on Intelligent Systems for Molecular Biology,p175−182 Ed.J.Glasgow,T.Littlejohn,F.Major,R.Lathrop,D.Sankoff,およびC.Sensen Menlo Park,CA:AAAI Press、1998)に基づいた、98P4B6の改変体1、改変体2、改変体5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性、ならびに細胞外配向および細胞内配向の模式的表示。TMpredアルゴリズムおよびTMHMMアルゴリズムは、ワールドワイドウェブ(.expasy.ch/tools/)に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスする。 13F、13H、13J、13L、13N:TMBASE(K.Hofmann,W.Stofell.TMBASE−A database of membrane spannning protein segments Biol.Chem.Hoppe−Seyler 374:166,1993)を利用するHofmannおよびStoffelのTMpredアルゴリズムに基づいて、98P4B6の改変体1、2、5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性および配向の模式的表示。13G、13I、13K、13M、13O:Sonnhammer、von HeijneおよびKroughのTMHMMアルゴリズム(Erik L.L.Sonnhammer、Gunnar von HeijneおよびAnders Krough:A hidden Markov model for prdicting transmembrane herices in protein sequences、Proc of Sixth Int.Conf.on Intelligent Systems for Molecular Biology,p175−182 Ed.J.Glasgow,T.Littlejohn,F.Major,R.Lathrop,D.Sankoff,およびC.Sensen Menlo Park,CA:AAAI Press、1998)に基づいた、98P4B6の改変体1、改変体2、改変体5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性、ならびに細胞外配向および細胞内配向の模式的表示。TMpredアルゴリズムおよびTMHMMアルゴリズムは、ワールドワイドウェブ(.expasy.ch/tools/)に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスする。 13F、13H、13J、13L、13N:TMBASE(K.Hofmann,W.Stofell.TMBASE−A database of membrane spannning protein segments Biol.Chem.Hoppe−Seyler 374:166,1993)を利用するHofmannおよびStoffelのTMpredアルゴリズムに基づいて、98P4B6の改変体1、2、5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性および配向の模式的表示。13G、13I、13K、13M、13O:Sonnhammer、von HeijneおよびKroughのTMHMMアルゴリズム(Erik L.L.Sonnhammer、Gunnar von HeijneおよびAnders Krough:A hidden Markov model for prdicting transmembrane herices in protein sequences、Proc of Sixth Int.Conf.on Intelligent Systems for Molecular Biology,p175−182 Ed.J.Glasgow,T.Littlejohn,F.Major,R.Lathrop,D.Sankoff,およびC.Sensen Menlo Park,CA:AAAI Press、1998)に基づいた、98P4B6の改変体1、改変体2、改変体5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性、ならびに細胞外配向および細胞内配向の模式的表示。TMpredアルゴリズムおよびTMHMMアルゴリズムは、ワールドワイドウェブ(.expasy.ch/tools/)に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスする。 13F、13H、13J、13L、13N:TMBASE(K.Hofmann,W.Stofell.TMBASE−A database of membrane spannning protein segments Biol.Chem.Hoppe−Seyler 374:166,1993)を利用するHofmannおよびStoffelのTMpredアルゴリズムに基づいて、98P4B6の改変体1、2、5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性および配向の模式的表示。13G、13I、13K、13M、13O:Sonnhammer、von HeijneおよびKroughのTMHMMアルゴリズム(Erik L.L.Sonnhammer、Gunnar von HeijneおよびAnders Krough:A hidden Markov model for prdicting transmembrane herices in protein sequences、Proc of Sixth Int.Conf.on Intelligent Systems for Molecular Biology,p175−182 Ed.J.Glasgow,T.Littlejohn,F.Major,R.Lathrop,D.Sankoff,およびC.Sensen Menlo Park,CA:AAAI Press、1998)に基づいた、98P4B6の改変体1、改変体2、改変体5〜7それぞれの膜貫通領域が存在する可能性、ならびに細胞外配向および細胞内配向の模式的表示。TMpredアルゴリズムおよびTMHMMアルゴリズムは、ワールドワイドウェブ(.expasy.ch/tools/)に位置するExPasy分子生物学サーバからアクセスする。 ヒト正常組織および患者癌組織における98P4B6発現。第一鎖cDNAを、正常胃、正常脳、正常心臓、正常肝臓、正常骨格筋、正常精巣、正常前立腺、正常膀胱、正常腎臓、正常結腸、正常肺、正常膵臓、ならびに前立腺癌患者由来の癌標本プール、膀胱癌患者由来の癌標本プール、腎臓癌患者由来の癌標本プール、結腸癌患者由来の癌標本プール、肺癌患者由来の癌標本プール、膵臓癌患者由来の癌標本プール、ならびにリンパ節への前立腺転移の2人の患者のプールから生成した。正規化をアクチンに対するプライマーを用いるPCRによって実施した。98P4B6 v.1、v.13およびv.14に対するプライマー(A)またはスプライス改変体98P4B6 v.6およびv.8に特異的に対するプライマー(B)を用いる半定量的PCRを、26サイクルおよび30サイクルの増幅で実施した。サンプルをアガロースゲル上で泳動し、PCR産物を、AlphaImagerソフトウェアを使用して低量した。結果は、正常前立腺および前立腺癌において、98P4B6 v.1、v.13およびv.14、ならびにそのスプライス改変体v.6およびv.8の強力な発現を示す。発現はまた、膀胱癌、腎臓癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、癌転移、ならびにリンパ節標本への前立腺癌転移において、試験したすべての正常組織と比較して検出された。 ヒト正常組織および患者癌組織における98P4B6発現。第一鎖cDNAを、正常胃、正常脳、正常心臓、正常肝臓、正常骨格筋、正常精巣、正常前立腺、正常膀胱、正常腎臓、正常結腸、正常肺、正常膵臓、ならびに前立腺癌患者由来の癌標本プール、膀胱癌患者由来の癌標本プール、腎臓癌患者由来の癌標本プール、結腸癌患者由来の癌標本プール、肺癌患者由来の癌標本プール、膵臓癌患者由来の癌標本プール、ならびにリンパ節への前立腺転移の2人の患者のプールから生成した。正規化をアクチンに対するプライマーを用いるPCRによって実施した。98P4B6 v.1、v.13およびv.14に対するプライマー(A)またはスプライス改変体98P4B6 v.6およびv.8に特異的に対するプライマー(B)を用いる半定量的PCRを、26サイクルおよび30サイクルの増幅で実施した。サンプルをアガロースゲル上で泳動し、PCR産物を、AlphaImagerソフトウェアを使用して低量した。結果は、正常前立腺および前立腺癌において、98P4B6 v.1、v.13およびv.14、ならびにそのスプライス改変体v.6およびv.8の強力な発現を示す。発現はまた、膀胱癌、腎臓癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、癌転移、ならびにリンパ節標本への前立腺癌転移において、試験したすべての正常組織と比較して検出された。 肺、卵巣、前立腺、膀胱、子宮頸部、子宮、および膵臓の患者癌標本における発現。第1鎖cDNAを、一群の患者癌標本から調製した。正規化を、アクチンに対するプライマーを使用してPCRにより実施した。98P4B6 v.1、v.13およびv.14に対するプライマーを使用する半定量PCRを、26サイクルおよび30サイクルの増幅で実施した。サンプルをアガロースゲル上で泳動し、PCR産物をAlphaImagerソフトウェアを使用して低量した。発現を、ない、低い、中程度、または強いと記録した。結果は、試験したすべての患者癌標本の大部分における98P4B6の発現を示す。 胃癌患者標本における98P4B6の発現。(A)RNAを、正常胃(N)および10人の異なる癌患者標本(T)から抽出した。10μgの総RNA/レーンを用いたノーザンブロットを、98P4B6配列でプローブした。結果は、胃腫瘍組織における98P4B6の強い発現、および正常胃におけるより弱い発現を示す。(B)98P4B6の発現を、ヒト胃癌(T)群およびその個々の一致する正常組織(N)において、RNAドットブロットにてアッセイした。98P4B6は、8つの胃腫瘍のうちの7つで検出されたが、一致する正常組織では検出されなかった。 ポリクローナル抗体を用いる98P4B6発現の検出。293細胞を、98P4B6.GFP.pcDNA3.1/mycys構築物クローンA12またはクローンB12でトランスフェクトした。STEAP1.GFPベクターを、ポジティブコントロールとして使用した。ネガティブコントロールとして、空のベクターを使用した。40時間後、細胞溶解物を収集した。サンプルを、SDS−PAGEアクリルアミドゲルにて泳動し、ブロットし、そして抗GFP抗体(A)、アミノ酸198〜389に対して生成した抗98P4B6抗体(B)またはアミノ酸153〜165に対して生成した抗98P4B6のいずれかを用いて染色した。このブロットを、ECL化学発光キットを使用して発色してオートラジオグラフィーにより可視化した。結果は、抗GFP抗体により検出した場合、予測された98P4B6.GFP融合タンパク質の発現を示す。また、本発明者らは、BおよびCにおいて示されるように98P4B6.GFP融合タンパク質を認識する2つの異なるポリクローナル抗体を惹起可能であった。 ポリクローナル抗体を用いる98P4B6発現の検出。293細胞を、98P4B6.GFP.pcDNA3.1/mycys構築物クローンA12またはクローンB12でトランスフェクトした。98P4B6.GFP融合タンパク質の発現が、フローサイトメトリー(A)および蛍光顕微鏡(B)によって検出された。結果は、細胞の大部分における強力な緑色蛍光を示す。上記融合タンパク質は、核周囲領域および細胞膜に局在化した。 ポリクローナル抗体を用いる98P4B6発現の検出。293細胞を、98P4B6.GFP.pcDNA3.1/mycys構築物クローンA12またはクローンB12でトランスフェクトした。98P4B6.GFP融合タンパク質の発現が、フローサイトメトリー(A)および蛍光顕微鏡(B)によって検出された。結果は、細胞の大部分における強力な緑色蛍光を示す。上記融合タンパク質は、核周囲領域および細胞膜に局在化した。 STEAP−2特徴。正常組織におけるSTEAP−2の発現は、前立腺に優先的に制限された。STEAP−2は、いくつかの癌性組織において発現される。患者由来の前立腺癌標本、結腸癌標本、および肺癌標本、ならびに複数の癌細胞株(前立腺、結腸、ユーイング肉腫、肺、腎臓、膵臓、および精巣を含む)における。ISHによって、STEAP−2発現は、管上皮細胞に主に制限されるようである。 STEAP−2は、PC3細胞におけるチロシンリン酸化を誘導する。STEAP−2は、140〜150、120、75〜80、62および40kDaにおいて、タンパク質のチロシンリン酸化を誘導する。 STEAP−2は、NIH 3T3細胞におけるチロシンリン酸化を増強する。STEAP−2は、NIH 3T3細胞においてSTEAP−2によるp135〜140、p78〜75のリン酸化を増強する。STEAP−2 C−Flagは、p180のリン酸化を増強し、p132、p82およびp75の脱リン酸化を誘導する。 STEAP−2は、EPKリン酸化を誘導する。STEAP−2は、0.5% FBSおよび10% FBS中のPC3細胞および3T3細胞において、ERKリン酸化を誘導する。 STEAP−2は、PC3細胞におけるカルシウム流出を増強する。PC−STEAP−1およびPC3−STEAP−2は、LPAに対して応答してカルシウム流出の増強を示した。PC3−STEAP−1は、L型カルシウムチャネルインヒビターであるコノトキシンに対する感受性を示す。PC3−STEAP−2は、PQ型カルシウムチャネルインヒビターであるアゴトキシンに対する感受性を示す。PDGAおよびTEAは、PC3−STEAP−2細胞の増殖に対して何ら影響を有さなかった。 STEAP−2は、PC3細胞に対するパクリタキセルの影響を変化させる。STEAP発現細胞とコントロール細胞との間の差次的応答を生じない他の試験した化学療法剤は、フルタミド、ゲニステイン、ラパマイシンであった。STEAP−2は、PCR細胞においてパクリタキセルに対する部分的耐性を付与する。PC3−Neo細胞に対して、PC3−STEAP−2の生存パーセントの8倍を超える増加。 STEAP−2によるアポトーシスの阻害。PC3細胞を、パクリタキセルで60時間処理し、アネキシン−PI染色によりアポトーシスについて分析した。STEAP−2の発現は、パクリタキセルによるアポトーシスを部分的に阻害する。 STEAP−2は、パクリタキセル媒介性アポトーシスを減弱する。PC3細胞を、パクリタキセルで68時間処理してアポトーシスについて分析した。STEAP−2の発現は、パクリタキセルによるアポトーシスを部分的に阻害するが、STEAP−2CFlagの発現は、そうではない。

Claims (46)

  1. a)図2のタンパク質のうちの8個、9個、10個、または11個連続するアミノ酸の
    ペプチド;
    b)表VIIIからXXIのペプチド;
    c)表XXII〜XLVのペプチド;または
    d)表XLVI〜XLIXのペプチド
    を含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなる、組成物。
  2. 図2のタンパク質に関連するタンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 図2に示されるアミノ酸配列全体に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、
    94%、95%、96%、97%、98%、または99%相同である、請求項2に記載の
    タンパク質。
  4. 前記物質は、図2のタンパク質のアミノ酸配列に由来するCTLポリペプチドまたはその
    アナログを含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記エピトープは図2のアミノ酸配列全体ではないという但し書きによってさらに限定さ
    れる、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記ポリペプチドは図2のタンパク質のアミノ酸配列全体ではないという但し書きによっ
    てさらに限定される、請求項1に記載の組成物。
  7. 図2のアミノ酸配列に由来する抗体ポリペプチドエピトープを含む、請求項1に記載の組
    成物。
  8. 前記エピトープは図2のアミノ酸配列全体ではないという但し書きによってさらに限定さ
    れる、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記抗体エピトープは、前記ペプチドの末端までの任意の整数増分にて図2の少なくとも
    5アミノ酸のペプチド領域を含む、請求項7に記載の組成物であって、該エピトープは、
    a)図5の親水性プロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置、
    b)図6のヒドロパシープロフィールにおいて0.5未満の値を有するアミノ酸位置、
    c)図7の利用可能残基%プロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位
    置、
    d)図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置、
    e)図9のβ−ターンプロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置、
    f)a)〜e)のうちの少なくとも2つの組み合わせ、
    g)a)〜e)のうちの少なくとも3つの組み合わせ、
    h)a)〜e)のうちの少なくとも4つの組み合わせ、
    i)a)〜e)のうちの5つの組み合わせ、
    から選択されるアミノ酸位置を含む、組成物。
  10. 請求項1に記載のタンパク質をコードする、ポリヌクレオチド。
  11. 図2に示される核酸分子を含む、請求項10に記載のポリヌクレオチド。
  12. 前記コードされるタンパク質は図2のアミノ酸配列全体ではないという但し書きによって
    さらに限定される、請求項10に記載のポリヌクレオチド。
  13. 前記物質は、図2の核酸配列のコード配列を含むポリヌクレオチドを含む、請求項11に
    記載の組成物。
  14. 請求項1に記載のさらなるペプチドをコードするさらなるヌクレオチド配列をさらに含む
    、請求項22に記載のポリヌクレオチド。
  15. 請求項10に記載のポリヌクレオチドに完全に相補的なポリヌクレオチドを含む、組成物
  16. 図2のタンパク質に対する哺乳動物免疫応答を生成する方法であって、該方法は、
    a)98P4B6関連タンパク質、および/または
    b)該タンパク質をコードするヌクレオチド配列、
    の一部に、該哺乳動物の免疫系の細胞を曝し、
    それによって免疫応答が該タンパク質に対して生成される工程、
    を包含する、方法。
  17. 請求項16に記載の免疫応答を生成する方法であって、該方法は、
    少なくとも1つのT細胞エピトープまたは少なくとも1つのB細胞エピトープを含む9
    8P4B6関連タンパク質を提供する工程;および
    該エピトープを、哺乳動物免疫系T細胞またはB細胞それぞれと接触させ、それによっ
    て、該T細胞またはB細胞が活性化される工程、
    を包含する、方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、前記免疫系細胞が、B細胞であり、それによって前記
    誘導されたB細胞が、前記98P4B6関連タンパク質に対して特異的に結合する抗体を
    産生する、方法。
  19. 請求項17に記載の方法であって、前記免疫系細胞が、細胞傷害性T細胞(CTL)であ
    るT細胞であって、それによって、前記活性化されたCTLが、前記98P4B6関連タ
    ンパク質を発現する自己細胞を殺傷する、方法。
  20. 請求項17に記載の方法であって、前記免疫系細胞が、ヘルパーT細胞(HTL)である
    T細胞であって、それによって、前記活性化されたHTLが、サイトカインを分泌し、該
    サイトカインは、細胞傷害性T細胞(CTL)の細胞傷害性またはB細胞の抗体産生活性
    を助長する、方法。
  21. サンプル中において、98P4B6関連タンパク質または98P4B6関連ポリヌクレオ
    チドの存在を検出する方法であって、該方法は、
    該サンプルを、該98P4B6関連タンパク質または98P4B6関連ポリヌクレオチ
    ドそれぞれに特異的に結合する物質と接触させる工程、および
    該物質と該98P4B6関連タンパク質との複合体、または該物質と該98P4B6関
    連ポリヌクレオチドとの複合体、それぞれが存在することを決定する工程、
    を包含する、方法。
  22. サンプル中の98P4B6関連タンパク質の存在を検出するための、請求項21に記載の
    方法であって、該方法は、
    該サンプルを抗体またはそのフラグメントと接触させる工程であって、該抗体またはそ
    のフラグメントのいずれもが、該98P4B6関連タンパク質と特異的に結合する工程;
    および
    該抗体またはそのフラグメントと該98P4B6関連タンパク質との複合体が存在する
    ことを決定する工程
    を包含する、方法。
  23. 請求項21に記載の方法であって、
    癌に罹患している患者または癌に罹患していることが疑われる患者から前記サンプルを
    採取する工程
    をさらに包含する、方法。
  24. サンプル中の図2のmRNAのタンパク質の存在を検出するための請求項21に記載の方
    法であって、該方法は、
    少なくとも1つのプライマーを用いる逆転写によって該サンプルからcDNAを産生す
    る工程;
    該産生されたcDNAを、センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして98
    P4B6ポリヌクレオチドを使用して増幅する工程であって、ここで該センスプライマー
    およびアンチセンスプライマーとして使用される98P4B6ポリヌクレオチドが、98
    P4B6 cDNAを増幅するように作用する、工程;ならびに
    該増幅された98P4B6 cDNAの存在を検出する工程
    を包含する、方法。
  25. 癌に罹患している患者または癌に罹患していることが疑われる患者に由来する生物学的サ
    ンプル中の1つ以上の98P4B6遺伝子産物をモニタリングするための、請求項21に
    記載の方法であって、該方法は、
    個体に由来する組織サンプル中の細胞によって発現される1つ以上の98P4B6遺伝
    子産物の状態を決定する工程;
    該そのように決定された状態を、対応する正常サンプル中の1つ以上の98P4B6遺
    伝子産物の状態と比較する工程;および
    該正常サンプルに比較して、該サンプル中の1つ以上の98P4B6の異常な遺伝子産
    物の存在を同定する工程
    を包含する、方法。
  26. 請求項25に記載の方法であって、該方法は、
    98P4B6 mRNAの増加した遺伝子産物または98P4B6タンパク質が1つ以
    上存在するか否かを決定する工程であって、前記正常組織サンプルに対する前記試験サン
    プル中の増加した遺伝子産物が1つ以上存在することは、癌の存在または状態を示す工程

    をさらに包含する、方法。
  27. 前記癌が、表Iに示される組織に存在する、請求項26に記載の方法。
  28. a)図2のタンパク質の状態を調節する物質、または
    b)図2のタンパク質によって調節される分子
    を含み、図2のタンパク質を発現する細胞の状態が調節される、組成物。
  29. 生理学的に受容可能なキャリアをさらに含む、請求項28に記載の組成物。
  30. ヒト単位投与形態で請求項28に記載の組成物を含有する、薬学的組成物。
  31. 前記物質が、抗体またはそのフラグメントを含み、該抗体またはそのフラグメントは、図
    2のタンパク質に特異的に結合する、請求項28に記載の組成物。
  32. モノクローナルである、請求項31に記載の抗体またはそのフラグメント。
  33. ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項31に記載の抗体。
  34. 請求項31に記載の抗体を産生する、非ヒトトランスジェニック動物。
  35. 請求項32に記載の抗体を産生する、ハイブリドーマ。
  36. 図2のタンパク質を発現する細胞に対して細胞毒性薬剤または診断剤を送達する方法であ
    って、該方法は、
    請求項4に記載の抗体またはそのフラグメントに結合されている細胞毒性薬剤または診
    断剤を提供する工程;および、
    該細胞を、該抗体−薬剤結合体またはフラグメント−薬剤結合体に曝露する工程、
    を包含する、方法。
  37. 前記物質が、抗体またはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチドを含有し、該抗
    体またはそのフラグメントのいずれもが、図2のタンパク質に免疫特異的に結合する、請
    求項28に記載の組成物。
  38. 前記物質が、
    a)98P4B6コード配列を有するポリヌクレオチドを切断するリボザイム、または
    b)該リボザイムをコードする核酸分子と;
    生理学的に受容可能なキャリアと、
    を含有する、請求項28に記載の組成物。
  39. 前記物質が、ヒトT細胞を含み、ここで、該T細胞は、特定のHLA分子の状況で、98
    P4B6ペプチド部分配列を特異的に認識する、請求項28に記載の組成物。
  40. 図2のタンパク質を発現する癌細胞の増殖を阻害する方法であって、該方法は、
    請求項28に記載の組成物を該細胞に投与する工程
    を包含する、方法。
  41. 図2のタンパク質を発現する癌細胞の増殖を阻害する請求項40に記載の方法であって、
    該方法は、
    抗体またはそのフラグメントを該細胞に投与する工程
    を包含し、該抗体またはそのフラグメントのいずれもが、98P4B6関連タンパク質に
    特異的に結合する、方法。
  42. 図2のタンパク質を発現する癌細胞の増殖を阻害する請求項40に記載の方法であって、
    該方法は、
    98P4B6関連タンパク質を該細胞に投与する工程
    を包含する、方法。
  43. 図2のタンパク質を発現する癌細胞の増殖を阻害する請求項40に記載の方法であって、
    該方法は、
    98P4B6関連タンパク質のコード配列を含むポリヌクレオチド、または98P4B
    6関連タンパク質のコード配列に相補的であるポリヌクレオチドを、該細胞に投与する工

    を包含する、方法。
  44. 図2のタンパク質を発現する癌細胞の増殖を阻害する請求項40に記載の方法であって、
    該方法は、
    図2のタンパク質をコードするポリヌクレオチドを切断するリボザイムを該細胞に投与
    する工程
    を包含する、方法。
  45. 図2のタンパク質および特定のHLA分子を発現する癌細胞の増殖を阻害する請求項40
    に記載の方法であって、該方法は、
    ヒトT細胞を該癌細胞に投与する工程
    を包含し、ここで、該T細胞は、図2のタンパク質のペプチド部分配列を特異的に認識す
    る一方で、該部分配列は、該特定のHLA分子の状況下に存在する、方法。
  46. 請求項40に記載の方法であって、該方法は、
    単鎖モノクローナル抗体をコードするヌクレオチドを送達するベクターを投与し、それ
    によって該コードされる単鎖抗体が、図2のタンパク質を発現する癌細胞内で細胞内発現
    される工程
    を包含する、方法。
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