160ヌクレオチドの24P4C12 SSH配列。
24P4C12改変体1(「24P4C12 v.1」または「24P4C12改変体1」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Aに示す。開始メチオニンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体1(「24P4C12 v.1」または「24P4C12改変体1」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Aに示す。開始メチオニンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体2(「24P4C12 v.2」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Bに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体2(「24P4C12 v.2」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Bに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体3(「24P4C12 v.3」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Cに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体3(「24P4C12 v.3」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Cに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体3(「24P4C12 v.3」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Cに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体4(「24P4C12 v.4」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Dに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体4(「24P4C12 v.4」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Dに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体4(「24P4C12 v.4」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Dに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体5(「24P4C12 v.5」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Eに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体5(「24P4C12 v.5」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Eに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体5(「24P4C12 v.5」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Eに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体6(「24P4C12 v.6」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Fに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体6(「24P4C12 v.6」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Fに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体6(「24P4C12 v.6」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Fに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2138にまたがる。
24P4C12改変体7(「24P4C12 v.7」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Gに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜1802にまたがる。
24P4C12改変体7(「24P4C12 v.7」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Gに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜1802にまたがる。
24P4C12改変体8(「24P4C12 v.8」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Hに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2174にまたがる。
24P4C12改変体8(「24P4C12 v.8」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Hに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2174にまたがる。
24P4C12改変体8(「24P4C12 v.8」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Hに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2174にまたがる。
24P4C12改変体9(「24P4C12 v.9」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Iに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2144にまたがる。
24P4C12改変体9(「24P4C12 v.9」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Iに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2144にまたがる。
24P4C12改変体9(「24P4C12 v.9」とも呼ばれる)のcDNA配列およびアミノ酸配列を、図2Iに示す。開始メチオニンに対するコドンに下線を付す。このオープンリーディングフレームは、停止コドンを含め、核酸6〜2144にまたがる。
24P4C12 V.1のアミノ酸配列が図3Aに示される;これは710アミノ酸を有する。24P4C12 V.3のアミノ酸配列が図3Bに示される;これは710アミノ酸を有する。24P4C12 V.5のアミノ酸配列が図3Cに示される;これは710アミノ酸を有する。
24P4C12 V.6のアミノ酸配列が図3Dに示される;これは710アミノ酸を有する。24P4C12 V.7のアミノ酸配列が図3Eに示される;これは598アミノ酸を有する。24P4C12 V.8のアミノ酸配列が図3Fに示される;これは722アミノ酸を有する。
24P4C12 V.9のアミノ酸配列が図3Gに示される;これは712アミノ酸を有する。本明細書中で使用される場合、24P4C12に対する参照は、その全ての改変体を含み、これは、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、図2、図3、図10、および図11に示される改変体を含む。
24P4C12とヒトコリントランスポーター様タンパク質4(CTL4)(gi│14249468)とのアライメント。
24P4C12とヒトコリントランスポーター様タンパク質4(CTL4)(gi│14249468)とのアライメント。
ExPasy分子生物学サーバを通したワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるHoppおよびWoodsの方法(Hopp T.P.,Woods K.R.,1981.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828)を用いてコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定された、24P4C12の親水性アミノ酸プロフィール。
ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるKyteおよびDoolittleの方法(Kyte J.,Doolittle R.F.,1982.J.Mol.Biol.157:105−132)を用いたコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定された、24P4C12のヒドロパシーアミノ酸プロフィール。
ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるJaninの方法(Janin J.,1979 Nature 277:491−492)を用いてコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定された、24P4C12のパーセント接触可能残基アミノ酸プロフィール。
ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるBhaskaranおよびPonnuswamyの方法(Bhaskaran R.,およびPonnuswamy P.K.,1988.Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255)を用いてコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定された、24P4C12の平均可橈性アミノ酸プロフィール。
ExPasy分子生物学サーバを通してワールドワイドウェブ(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)に位置するProtScaleウェブサイト上でアクセスされるDeleageおよびRouxの方法(Deleage,G.,Roux B.1987 Protein Engineering 1:289−294)を用いてコンピューターアルゴリズム配列分析によって決定された、24P4C12のβ−ターンアミノ酸プロフィール。
24P4C12のSNP改変体の図式的アライメント。改変体24P4C12 v.2〜改変体24P4C12 v.6は、単一のヌクレオチド差を有する改変体である。これらのSNP改変体を別々に示すが、それらはまた、その塩基対を含む任意の組み合わせおよび任意の転写改変体において生じ得る。番号は、24P4C12 v.1に対応する。黒四角は、24P4C12 v.1と同じ配列を示す。SNPは、この四角で上に示される。
24P4C12のタンパク質改変体の図式的アライメント。タンパク質改変体は、ヌクレオチド改変体に対応する。図10におけるヌクレオチド改変体24P4C12 v.2およびヌクレオチド改変体24P4C12 v.4は、24P4C12 v.1と同じタンパク質をコードする。ヌクレオチド改変体24P4C12 v.7およびヌクレオチド改変体24P4C12 v.8およびヌクレオチド改変体24P4C12 v.9は、図12に示されるv.1のスプライス改変体である。単一のアミノ酸差は、四角で上に示した。黒四角は、24P4C12v.1と同じ配列を示す。四角の下の数字は、24P4C12v.1に対応する。
24P4C12の転写改変体のエキソン組成。改変体24P4C12 v.7および改変体24P4C12 v.8および改変体24P4C12 v.9は、24P4C12 v.1の転写改変体である。改変体24P4C12 v.7は、改変体24P4C12 v.1のエキソン10およびエキソン11を有さない。改変体24P4C12 v.8は、改変体24P4C12 v.1のエキソン20の3’末端にある36bpまでおよぶ。改変体24P4C12 v.9は、改変体24P4C12 v.1と比較して、より長いエキソン12およびより短いエキソン13を有する。四角の下の「()」の中の番号は、24P4C12 v.1の番号に対応する。イントロンおよびエキソンの長さは、比例しない。
24P4C12タンパク質改変体1(配列番号112)の二次構造予測および膜貫通ドメイン予測。A:24P4C12タンパク質改変体1の二次構造は、ExPasy分子生物学サーバ(http://www.expasy.ch/tools/)からアクセスされるHNN−Hierarchical Neural Network法(Guermeur,1997,http://pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl?page=npsa_nn.html)を用いて予測された。この方法は、タンパク質の一次配列から、αへリックス、伸長鎖、およびランダムコイルの存在および位置を予測する。与えられた二次構造中のこのタンパク質のパーセントがまた、列挙された。
24P4C12タンパク質改変体1(配列番号112)の二次構造予測および膜貫通ドメイン予測。B:TMBASEを利用するHofmannおよびStoffelのTMpredアルゴリズム(K.Hoffmann,W.Stoffel.TMBASE−A database of membrane spanning protein segments Biol.Chem.Hoppe−Seyler 374:166,1993)を基にした24P4C12改変体1の、膜貫通領域および位置の存在の確率の図式的表示。
24P4C12タンパク質改変体1(配列番号112)の二次構造予測および膜貫通ドメイン予測。C:Sonnhammer、von Heijne、およびKroghのTMHMMアルゴリズム(Eric L.L.Sonnhammer,Gunnar von Heijne,and Anders Krogh:A hidden Markov model for predicting transmembrane helices in protein sequences.In Proc.of Sixth Int.Conf.on Intelligent Systems for Molecular Biology,p175−182 Ed J. Glasgow,T.Littlejohn,F.Major,R.Lathrop,D.Sankoff,and C.Sensen Menlo Park,CA:AAAI Press,1988)を基にした24P4C12改変体1の、膜貫通領域ならびに細胞外位置および細胞内位置の存在の確率の図式の表示。このTMpredアルゴリズムおよびTMHMMアルゴリズムは、ExPasy分子生物学サーバ(http://www.expasy.ch/tools/)からアクセスされる。
RT−PCRによる24P4C12の発現。第一鎖cDNAは、生体のプール1(腎臓、肝臓および肺)、生体のプール2(結腸、膵臓および胃)、前立腺癌異種移植片のプール(LAPC−4AD、LAPCー4AI、LAPC−9ADおよびLAPC−9AI)、前立腺癌のプール、膀胱癌のプール、腎臓癌のプール、結腸癌のプール、卵巣癌のプール、乳癌のプール、および癌転移のプールから作製された。標準化は、アクチンに対するプライマーを用いてPCRによって行われた。24P4C12に対するプライマーを用いた半定量的PCRが、26および30の増幅サイクルで行われた。結果は、前立腺癌プールおよび卵巣癌プールにおいて、24P4C12の強い発現を示す。発現はまた、前立腺癌異種移植片、膀胱癌のプール、腎臓癌のプール、結腸癌のプール、乳癌のプール、癌転移のプール、生体のプール1、および生体のプール2において検出された。
正常組織における24P4C12の発現。1レーンにつき2μgのmRNAを用いた2つの複数細胞組織ノーザンブロット(Clontech)の両方は、24P4C12配列について検索された。キロベース(kb)におけるサイズの基準は、その片側に示される。結果は、前立腺、腎臓、および結腸において、24P4C12の発現を示す。低い発現は、試験された全ての16の正常組織の間で、膵臓、肺、および胎盤において検出される。
前立腺癌異種移植片および前立腺癌細胞株における24P4C12の発現。RNAは、細胞株および前立腺癌異種移植片(PrEC、LAPC−4AD、LAPC−4AI、LAPC−9AD、LAPC−9AI、LNCaP、PC−3、DU145、TsuPr、およびLAPC−4CL)のパネルから抽出された。1レーンにつき10μgの総RNAを用いたノーザンブロットは、24P4C12 SSH配列について検索された。キロベース(kb)におけるサイズの基準は、その片側に示される。この24P4C12転写物は、LAPC−4AD、LAPC−4AI、LAPC−9AD、LAPC−9AI、LNCaP、およびLAPC−4 CLにおいて検出された。
患者の癌標本および正常組織における24P4C12の発現。RNAは、前立腺癌標本、膀胱癌標本、結腸癌標本、卵巣癌標本、乳癌標本、および癌転移標本、ならびに、正常な前立腺(NP)由来標本、正常な膀胱(NB)由来標本、正常な腎臓(NK)由来標本、および正常な結腸(NC)由来標本から抽出された。1レーンにつき10μgの総RNAを用いたノーザンブロットは、24P4C12 SSH配列について探索された。キロベース(kb)におけるサイズの基準は、その片側に示される。24P4C12転写物の強い発現は、患者の癌のプール標本、および正常な前立腺において検出されたが、試験された他の正常な組織においては、検出されなかった。
前立腺癌患者標本における24P4C12の発現。RNAは、正常な前立腺(N)、前立腺癌患者の腫瘍(T)およびそれらに対応する正常隣接組織(normal adjacent tissues)(Nat)から抽出された。10μgの総RNAを用いたノーザンブロットは、この24P4C12 SSHフラグメントについて検索された。キロベースにおけるサイズの基準は、その片側に示される。結果は、正常な前立腺、または試験された全ての前立腺癌において、24P4C12の発現を示す。
結腸癌患者標本における24P4C12の発現。RNAは、結腸癌細胞株(CL:Colo 205,LoVoおよびSK−CO−)、正常な結腸(N)、結腸癌患者の腫瘍(T)およびそれらに対応する正常隣接組織(Nat)から抽出された。10μgの総RNAを用いたノーザンブロットは、この24P4C12 SSHフラグメントについて検索された。キロベースにおけるサイズの基準は、その片側に示される。結果は、正常な結腸および試験された全ての結腸患者の腫瘍において、24P4C12の発現を示す。発現は、細胞株Colo 205および細胞株SK−CO−において検出されたが、細胞株LoVoでは検出されなかった。
肺癌患者標本における24P4C12の発現。RNAは、肺癌細胞株(CL:CALU−1、A427、NCI−H82、NCI−H146)、正常な肺(N)、肺癌患者の腫瘍(T)およびそれらに対応する正常隣接組織(Nat)から抽出された。10μgのトータルRNAを用いたノーザンブロットは、この24P4C12 SSHフラグメントについて検索される。キロベースにおけるサイズの基準は、その片側に示される。結果は、試験された肺患者の腫瘍において、24P4C12の発現を示すが、正常な肺においては、発現を示さない。発現はまた、CALU−1において検出されたが、他の細胞株A427、NCI−H82およびNCI−H146においては、検出されなかった。
ヒト乳癌標本およびヒト胃癌標本における24P4C12の発現。24P4C12の発現は、RNAドットブロットの上で、ヒト胃癌およびヒト乳癌(T)、およびそれらにそれぞれ対応した正常組織(N)のパネルにおいて分析された。24P4C12発現は、胃癌および乳癌の両方において見られた。(病気組織から単離された)正常隣接組織においては検出されるが、(健康な提供者から単離された)正常組織においては検出されない発現は、これらの組織が、十分に正常ではなく、および24P4C12が腫瘍の初期段階で発現され得ることを示し得る。
患者の癌標本の大きいパネルにおける24P4C12発現。第一鎖cDNAは、卵巣癌患者標本(A)、子宮癌患者標本(B)、前立腺癌標本(C)、膀胱癌患者標本(D)、肺癌患者標本(E)、膵臓癌患者標本(F)、結腸癌標本(G)、および腎臓癌標本(H)のパネルから調製された。標準化は、アクチンに対するプライマーを用いて、PCRによって行われた。24P4C12に対するプライマーを用いた半定量的PCRが、26および30の増幅サイクルで行われた。サンプルは、アガロースゲル上で泳動され、そしてPCR産物はAlphaImagerソフトウェアを用いて定量された。発現は、無、低、中または強として記録された。結果は、試験された癌患者標本の大部分、卵巣癌患者標本の73.3%、子宮癌患者標本の83.3%、前立腺癌患者標本の95.0%、膀胱癌患者標本の61.1%、肺癌患者標本の80.6%、膵臓癌患者の87.5%、結腸癌標本の87.5%、明細胞腎臓癌の68.4%、乳頭腎臓細胞癌(papillary renal cell carcinoma)の100%において、24P4C12の発現を示す。
患者の癌標本の大きいパネルにおける24P4C12発現。第一鎖cDNAは、卵巣癌患者標本(A)、子宮癌患者標本(B)、前立腺癌標本(C)、膀胱癌患者標本(D)、肺癌患者標本(E)、膵臓癌患者標本(F)、結腸癌標本(G)、および腎臓癌標本(H)のパネルから調製された。標準化は、アクチンに対するプライマーを用いて、PCRによって行われた。24P4C12に対するプライマーを用いた半定量的PCRが、26および30の増幅サイクルで行われた。サンプルは、アガロースゲル上で泳動され、そしてPCR産物はAlphaImagerソフトウェアを用いて定量された。発現は、無、低、中または強として記録された。結果は、試験された癌患者標本の大部分、卵巣癌患者標本の73.3%、子宮癌患者標本の83.3%、前立腺癌患者標本の95.0%、膀胱癌患者標本の61.1%、肺癌患者標本の80.6%、膵臓癌患者の87.5%、結腸癌標本の87.5%、明細胞腎臓癌の68.4%、乳頭腎臓細胞癌(papillary renal cell carcinoma)の100%において、24P4C12の発現を示す。
患者の癌標本の大きいパネルにおける24P4C12発現。第一鎖cDNAは、卵巣癌患者標本(A)、子宮癌患者標本(B)、前立腺癌標本(C)、膀胱癌患者標本(D)、肺癌患者標本(E)、膵臓癌患者標本(F)、結腸癌標本(G)、および腎臓癌標本(H)のパネルから調製された。標準化は、アクチンに対するプライマーを用いて、PCRによって行われた。24P4C12に対するプライマーを用いた半定量的PCRが、26および30の増幅サイクルで行われた。サンプルは、アガロースゲル上で泳動され、そしてPCR産物はAlphaImagerソフトウェアを用いて定量された。発現は、無、低、中または強として記録された。結果は、試験された癌患者標本の大部分、卵巣癌患者標本の73.3%、子宮癌患者標本の83.3%、前立腺癌患者標本の95.0%、膀胱癌患者標本の61.1%、肺癌患者標本の80.6%、膵臓癌患者の87.5%、結腸癌標本の87.5%、明細胞腎臓癌の68.4%、乳頭腎臓細胞癌(papillary renal cell carcinoma)の100%において、24P4C12の発現を示す。
患者の癌標本の大きいパネルにおける24P4C12発現。第一鎖cDNAは、卵巣癌患者標本(A)、子宮癌患者標本(B)、前立腺癌標本(C)、膀胱癌患者標本(D)、肺癌患者標本(E)、膵臓癌患者標本(F)、結腸癌標本(G)、および腎臓癌標本(H)のパネルから調製された。標準化は、アクチンに対するプライマーを用いて、PCRによって行われた。24P4C12に対するプライマーを用いた半定量的PCRが、26および30の増幅サイクルで行われた。サンプルは、アガロースゲル上で泳動され、そしてPCR産物はAlphaImagerソフトウェアを用いて定量された。発現は、無、低、中または強として記録された。結果は、試験された癌患者標本の大部分、卵巣癌患者標本の73.3%、子宮癌患者標本の83.3%、前立腺癌患者標本の95.0%、膀胱癌患者標本の61.1%、肺癌患者標本の80.6%、膵臓癌患者の87.5%、結腸癌標本の87.5%、明細胞腎臓癌の68.4%、乳頭腎臓細胞癌(papillary renal cell carcinoma)の100%において、24P4C12の発現を示す。
形質導入細胞における24P4C12の発現。PC3前立腺癌細胞、NIH−3T3マウス細胞、および300.19マウス細胞は、24P4C12 pSRaレトロウイルスベクターを用いて形質導入された。細胞は、安定な細胞株の産生のためにネオマイシン中で選択された。RNAは、ネオマイシン中における選択の後に抽出された。10μgの総RNAを用いたノーザンブロットは、24P4C12 SSHフラグメントについて検索された。結果は、24P4C12 pSRaを形質導入されたPC3細胞、3T3細胞および300.19細胞において強い発現を示したが、親のpSRa構造物を用いて形質導入されたコントロール細胞では、発現を示さなかった。
293T細胞における24P4C12の発現。293T細胞は、pCDNA3.1 Myc−Hisタグ化発現ベクター、24P4C12改変体1 cDNAまたはコントロールネオベクターをそれぞれコードするpSRα発現ベクターのいずれかを用いて、一過的にトランスフェクトされた。細胞は、2日後に収集され、そして抗24P4C12 pAbまたは抗His pAb(そのあとにPE結合体化抗ウサギIgG二次抗体(Ab)が続く)のいずれかを用いて、固定されかつ浸透された293T細胞上において、抗24P4C12 pAbを用いたウエスタンブロット(A)、またはフローサイトメトリー(B)によって分析された。細胞内NH3末端およびCOOH末端それぞれに対する抗24P4C12および抗His pAbを用いて染色した場合、コントロールネオ細胞と比較して、ウエスタンブロットおよび24P4C12−293T細胞の蛍光シフトによって、24P4C12の単量体形態および凝集された形態の発現が示される。
安定して形質導入されたPC3細胞における24P4C12の発現および検出。PC3細胞を、24P4C12改変体1 cDNAをコードするレトロウイルスに感染させ、そして安定して形質導入された細胞は、G418セレクションによって誘導された。細胞は、次いで、抗24P4C12 pAbを用いて、ウエスタンブロット(A)または免疫組織染色(B)によって分析された。ウエスタンブロットの矢印によって、PC3−24P4C12細胞において、約94kDバンドの発現(24P4C12が発現したことを表す)を示すが、コントロールネオ細胞では示されない。免疫組織染色分析は、24P4C12−PC3細胞の特異的な染色を示し、およびpAbが誘導される競合ペプチド(competitor peptide)と競争しない(competed away)PC−3ネオ細胞では示されなかった。
293T細胞における組み換え24P4C12抗原の発現。293T細胞は、一過的に、24P4C12改変体1のアミノ酸59〜227または319〜453のいずれかをコードするTag5 Hisタグ化発現ベクターまたはコントロールベクターを用いてトランスフェクトされた。2日後、上清を収集し、そして細胞を収集して溶解した。上清および溶解物は、次いで、抗His pAbを用いてウエスタンブロット分析された。上清および溶解物の両方において組み換えTag5 59〜227タンパク質の発現、および細胞溶解物においてTag5 319〜453タンパク質の発現が示される。これらのタンパク質は、精製され、そして24P4C12−特異的抗体の産生に対する抗原として使用される。
フローサイトメトリーによって293T細胞における24P4C12タンパク質発現を検出するモノクローナル抗体。293T細胞は、24P4C12に対するpCDNA 3.1 Hisタグ化発現ベクターまたはコントロールネオベクターのいずれかを用いてトランスフェクトされ、そして2日後収集された。細胞は、固定され、透過され、そして300.19−24P4C12細胞または抗His pAbを用いて免疫されたマウスから産生される、指し示されたハイブリドーマの上清の1:2希釈を用いて染色された。次いで、細胞は、PE結合体化二次抗体を用いて染色され、そしてフローサイトメトリーによって分析された。293T−24P4C12細胞の蛍光シフトによって、ハイブリドーマの上清は24P4C12タンパク質の特異的認識を示したが、コントロールネオ細胞は示さなかった。
24P4C12促進増殖の発現を示す。PC3および3T3は、一晩中、低FBS中で培養された。次いで、細胞は、図で示すように、低FBSまたは10%FBSにおいてインキュベートされた。増殖は、Alamar Blueによって測定された。
前立腺癌患者標本における免疫組織染色による24P4C12タンパク質の検出。前立腺癌組織およびそれに対応する正常隣接組織は、前立腺癌患者から得られた。この結果は、腫瘍細胞および前立腺癌患者組織の正常上皮において強く24P4C12の発現を示した。(パネル(A)低レベル前立腺癌、パネル(B)高レベル前立腺癌、パネル(C)腫瘍に隣接する正常組織)。この発現は、細胞膜の周辺に多く検出されたことより、24P4C12は、前立腺組織に関連する膜であることが示される。
種々の癌患者標本における免疫組織染色による24P4C12タンパク質の検出。組織は、結腸腺癌、乳管癌、肺腺癌、膀胱移行上皮癌、腎臓明細胞癌、および膵臓腺癌を有する患者から得られた。この結果は、癌患者の組織の腫瘍細胞において24P4C12の発現を示した。(パネル(A)結腸腺癌、パネル(B)肺線癌、パネル(C)乳管癌、パネル(D)膀胱移行上皮癌、パネル(E)腎臓明細胞癌、パネル(F)膵臓腺癌)
SCIDマウスの24P4C12促進腫瘍増殖を示す。1×106 PC3−24P4C12細胞は、マトリゲルと混合され、そして1グループにつき4匹のオスのSCIDマウスの左右の脇腹に皮下注射した。それぞれのデータ点は、腫瘍体積の平均値を表す(n=8)。
SCIDマウスの24P4C12促進腫瘍増殖を示す。1×106 3T3−24P4C12細胞は、マトリゲルと混合され、そして1グループにつき7匹のオスのSCIDマウスの右の脇腹に皮下注射した。それぞれのデータ点は、腫瘍容積の平均値を表す(n=6)。
(発明の詳細な説明)
(節の概要)
I.)定義
II.)24P4C12ポリヌクレオチド
II.A.)24P4C12ポリヌクレオチドの使用
II.A.1.)遺伝的異常のモニタリング
II.A.2.)アンチセンスの実施形態
II.A.3.)プライマーおよびプライマー対
II.A.4.)24P4C12コード核酸分子の単離
II.A.5.)組換え核酸分子および宿主−ベクター系
III.)24P4C12関連タンパク質
III.A.)モチーフ保有タンパク質の実施形態
III.B.)24P4C12関連タンパク質の発現
III.C.)24P4C12関連タンパク質の改変
III.D.)24P4C12関連タンパク質の使用
IV.)24P4C12抗体
V.)24P4C12細胞免疫応答
VI.)24P4C12トランスジェニック動物
VII.)24P4C12の検出方法
VIII.)24P4C12関連遺伝子およびそれらの産物の状態をモニタリングするための方法
IX.)24P4C12と相互作用する分子の同定
X.)治療法および組成物
X.A.)抗癌ワクチン
X.B.)抗体ベースの治療のための標的としての24P4C12
X.C.)細胞免疫応答のための標的としての24P4C12
X.C.1.ミニ遺伝子ワクチン
X.C.2.ヘルパーペプチドとCTLペプチドとの組み合わせ
X.C.3.T細胞プライミング剤とCTLペプチドとの組み合わせ
X.C.4.CTLペプチドおよび/またはHTLペプチドでパルスしたDCを含むワクチン組成物
X.D.)養子免疫療法
X.E.)治療目的または予防目的のためのワクチンの投与
XI.)24P4C12の診断的実施形態および予後的実施形態
XII.)24P4C12タンパク質機能の阻害
XII.A.)細胞内抗体を用いた24P4C12の阻害
XII.B.)組換えタンパク質を用いた24P4C12の阻害
XII.C.)24P4C12の転写または翻訳の阻害
XII.D.)治療的ストラテジーのための一般的考慮
XIII.)24P4C12の調節因子の同定、特徴付けおよび使用
XIV.)キット/製造物品。
(I.)定義)
他に規定しない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語、表記、および他の科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって共通して理解される意味を有することが意図される。いくつかの場合において、共通して理解される意味を有する語句は、明確さおよび/または迅速な参照のために本明細書中で定義され、そしてこのような定義の本明細書中への包含は、当該分野において一般に理解されることにわたって実質的な相違を表すとは必ずしも解釈されるべきではない。本明細書中に記載または参照される多くの技術および手順は、一般に、従来の方法論(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual 第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor,N.Y.に記載されている、広く利用されている分子クローニングの方法論)を用いて、当業者によって十分に理解されかつ共通して用いられる。適切な場合、市販のキットおよび試薬の使用を含む手順は、他に注記されない限り、一般に、製造業者によって規定されるプロトコルおよび/またはパラメーターに従って実行される。
本明細書中で使用される場合、用語「進行した前立腺癌」、「局所的に進行した前立腺癌」、「進行した疾患」および「局所的に進行した疾患」とは、前立腺被膜を通して伸長した前立腺癌を意味し、そして米国泌尿器学会(AUA)システムの下でのステージC疾患、Whitmore−Jewettシステムの下でのステージC1−C2疾患、およびTNM(腫瘍、節、転移)システムの下でのステージT3−T4およびN+疾患を含むことが意味される。一般に、手術は、局所的に進行した疾患を有する患者のためには推奨されず、そしてこれらの患者は、臨床的に局在化している(器官が限定されている)前立腺癌を有する患者と比較して、実質的により好ましくない結果を有する。局所的に進行した疾患は、前立腺の側縁を超える硬化の明白な証拠、または前立腺基部上の非対称もしくは硬化によって臨床的に同定される。局所的に進行した前立腺癌は、腫瘍が前立腺被膜に侵入するかもしくは浸透するか、外科的な境界まで伸長するか、または精嚢に侵入する場合、現在、徹底的な前立腺切除後に生理学的に診断される。
「ネイティブなグリコシル化パターンを改変すること」は、本明細書中の目的のために、ネイティブ配列の24P4C12において見出される1つ以上の炭水化物部分を除去すること(内在するグリコシル化部位を除去することによってか、または化学的手段および/もしくは酵素的手段によってグリコシル化を除去することによってのいずれかで)、および/あるいはネイティブ配列の24P4C12に存在しない1つ以上のグリコシル化部位を付加することを意味することを意図する。さらに、この句は、ネイティブタンパク質のグリコシル化の質的な変化を含み、種々の炭水化物部分の存在の性質および比率の変化に関する。
用語「アナログ」は、構造的に類似するか、または別の分子と類似する特性もしくは一致する特性を共有する分子をいう(例えば、24P4C12関連タンパク質)。例えば、24P4C12タンパク質のアナログは、24P4C12に特異的に結合する抗体またはT細胞によって特異的に結合され得る。
用語「抗体」は、最も広範な意味で使用される。従って、「抗体」は、天然に存在し得るか、または従来のハイブリドーマ技術によって産生されるモノクローナル抗体のような人工であり得る。抗24P4C12抗体は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体ならびに抗原結合ドメインおよび/またはこれらの抗体の1つ以上の相補的決定領域を含むフラグメントを含む。
「抗体フラグメント」は、標的に結合する免疫グロブリン分子の可変領域の少なくとも一部分(すなわち、抗原結合領域)として定義される。1つの実施形態において、これは、具体的には単一の抗24P4C12抗体およびそのクローン(アゴニスト、アンタゴニストおよび中和抗体が挙げられる)ならびにポリエピトープの(polyepitopic)特異性を有する抗24P4C12抗体組成物を包含する。
用語「コドン最適化配列」は、約20%未満の使用頻度を有する任意のコドンを置換することによって特定の宿主種について最適化されたヌクレオチド配列をいう。コドン最適化に加えて偽ポリアデニル化配列の除去、エキソン/イントロンスプライシングシグナルの除去、トランスポゾン様反復の除去および/またはGC含量の最適化によって、所定の宿主種における発現について最適化されたヌクレオチド配列は、本明細書中で「発現増強配列」と呼ばれる。
「コンビナトリアルライブラリー」は、試薬のような多数の化学的「基礎単位」を組み合せることによる化学合成または生合成のいずれかによって生成された、多様な化学化合物の集合体である。例えば、直鎖上のコンビナトリアル化学ライブラリー(例えば、ポリペプチド(例えば、ムテイン)ライブラリー)は、所定の化合物の長さ(すなわち、ポリペプチド化合物におけるアミノ酸の数)についての可能なあらゆる方法でアミノ酸と呼ばれる化学的基礎単位を併用することによって形成される。多数の化学化合物が、このような化学基礎単位のコンビナトリアル混合を通して合成される(Gallopら、J.Med.Chem.37(9):1233−1251(1994))。
コンビナトリアルライブラリーの調製およびスクリーニングは、当業者に周知である。
このようなコンビナトリアル化学ライブラリーとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ペプチドライブラリー(例えば、米国特許第5,010,175号、Furka,Pept.Prot.Res.37:487−493(1991),Houghtonら、Nature,354:84−88(1991)を参照のこと)、ペプトイド(PCT公開番号WO91/19735)、コードペプチド(PCT公開WO 93/20242)、ランダムバイオ−オリゴマー(PCT公開WO 92/00091)、ベンゾジアゼピン(米国特許第5,288,514号)、ディバーソマー(diversomer)(例えば、ヒダントイン、ベンゾジアゼピンおよびジペプチド(Hobbsら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA90:6909−6913(1993))、ビニルロゴアス(vinylogous)ポリペプチド(Hagiharaら、J.Amer.Chem.Soc.114:6568(1992))、β−D−グルコース骨格を有する非ペプチダルペプチド模倣物(Hirschmannら、J.Amer.Chem.Soc.114:9217−9218(1992))、類似の小化合物ライブラリーの有機合成(Chenら、J.Amer.Chem.Soc.116:2661(1994))、オリゴカーボネート(Choら、Science 261:1303(1993))および/またはペプチジルホスホネート(Campbellら、J.Org.Chem.59:658(1994))。一般的に、Gordonら、J.Med.Chem.37:1385(1994)、核酸ライブラリー(例えば、Stratagene,Corp.を参照のこと)、ペプチド核酸ライブラリー(例えば、米国特許第5,539,083号を参照のこと)、抗体ライブラリー(例えば、Vaughnら、Nature Biotechnology 14(3):309−314(1996)およびPCT/US96/10287を参照のこと)、炭水化物ライブラリー(例えば、Liangら、Science 274:1520−1522(1996)および米国特許第5,593,853号を参照のこと)および有機低分子ライブラリー(例えば、ベンゾジアゼピン、Baum,C & EN,1月18日,33頁(1993);イソプレノイド、米国特許第5,569,588号;チアゾリジノンおよびメタチアザノン、米国特許第5,549,974号;ピロリジン、米国特許第5,525,735号および同第5,519,134号;モルホリノ化合物、米国特許第5,506,337号;ベンゾジアゼピン、米国特許第5,288,514号;などを参照のこと。
コンビナトリアルライブラリーの調製のためのデバイスは、市販されている(例えば、357 NIPS、390 NIPS、Advanced Chem Tech,Louisville KY;Symphony,Rainin,Woburn,MA;433A,Applied Biosystems,Foster City,CA;9050,Plus,Millipore,Bedford,NIA)。多数の周知のロボットシステムもまた、液相の化学のために開発されている。これらのシステムとしては、自動化ワークステーション(例えば、Takeda Chemical Industries,LTD.(Osaka,Japan)によって開発された自動化合成装置)およびロボットアームを利用する多くのロボットシステム(Zymate H,Zymark Corporation,Hopkinton,Mass.;Orca,Hewlett−Packard,Palo Alto,Calif.)(これは、化学者によって実行される手動合成操作を模倣する))が挙げられる。任意の上記のデバイスは、本発明で使用するのに適切である。本明細書中に記載されるように作動し得るように、これらのデバイスに対する性質および実施の改変(ある場合)は、当業者に理解される。さらに、多数のコンビナトリアルライブラリーは、それら自体が市販されている(例えば、ComGenex,Princeton,NJ;Asinex,Moscow,RU;Tripos,Inc.,St.Louis,MO;ChemStar,Ltd,Moscow,RU;3D Pharmaceuticals,Exton,PA;Martek Biosciences,Columbia,MD;など)。
用語「細胞傷害性薬剤」は、細胞の発現活性、細胞の機能を阻害するかまたは防止し、そして/あるいは細胞の破壊を引き起こす物質をいう。この用語は、放射活性同位体化学療法剤および毒素(例えば、低分子毒素または細菌起源、真菌起源、植物起源または動物起源の酵素的活性毒素)(フラグメントおよび/またはその改変体を含む)を含むことが意図される。細胞傷害性薬剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アウリスタチン(auristatin)、アウロマイシン(auromycin)、マイタンシノイド(maytansinoid)、イットリウム、ビスマス、リシン、リシンA鎖、コンブレスタチン(combrestatin)、デゥオカルマイシン(duocarmycin)、ドロスタチン(dolostatin)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、タキソール、シスプラチン、cc1065、エチジウムブロマイド、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、アクチノマイシン、ジフテリア毒素、Pseudomonas外毒素(PE)A、PE40、アブリン、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、α−サルシン(sarcin)、ゲロニン(gelonin)、マイトゲリン(mitogellin)、レトストリクトシン(retstrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン、クリシン(curicin)、クロチン(crotin)、カリケアマイシン(calicheamicin)、Sapaonaria officinalisインヒビター、およびグルココルチコイド、ならびに他の化学療法剤、ならびに放射性同位元素(例えばAt211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212またはBi213、P32およびLuの放射性同位体(Lu177を含む))。抗体はまた、活性形態にプロドラッグを変換し得る抗癌プロドラッグ活性化酵素に結合され得る。
「遺伝子産物」は、本明細書中でタンパク質またはmRNAと称されることもある。例えば、「本発明の遺伝子産物」は、本明細書中で「癌アミノ酸配列」、「癌タンパク質」、「表Iに列挙される癌のタンパク質」、「癌mRNA」、「表Iに列挙される癌のmRNA」などと称されることもある。1つの実施形態において、癌タンパク質は、図2の核酸によってコードされる。癌タンパク質は、フラグメントであり得、あるいは図2の核酸によってコードされるフラグメントに対する全長タンパク質であり得る。1つの実施形態において、配列同一性または配列類似性を決定するために癌アミノ酸配列が使用される。
別の実施形態において、配列は、図2の核酸によってコードされるタンパク質の天然に存在する対立遺伝子改変体である。別の実施形態において、配列は、本明細書中にさらに記載されるような配列改変体である。
特定の核酸またはタンパク質産物の存在、非存在、定量化または他の特性についての「高スループットスクリーニング」アッセイは、当業者に周知である。同様に、結合アッセイおよびレポーター遺伝子アッセイは周知である。従って、米国特許第5,559,410号は、タンパク質の高スループットスクリーニング方法を開示し;米国特許第5,585,639号は、核酸結合(すなわち、アレイにおいて)についての高スループットスクリーニング方法を開示し;一方、米国特許第5,576,220号および同第5,541,061号は、リガンド/抗体結合についての高スループットスクリーニング法を開示する。
さらに、高スループットスクリーニングシステムは、市販されている(例えば、Amersham Biosciences,Piscataway,NJ;Zymark Corp.,Hopkinton,MA;Air Technical Industries,Mentor,OH;Beckman Instruments,Inc.Fullerton,CA;Precision Systems,Inc.,Natick,MA;などを参照のこと)。これらのシステムは、代表的には、全てのサンプルおよび試薬をピペッティングする工程、液体を調合する工程、定時インキュベーションの工程および最終的にアッセイに適切な検出器でマイクロプレートを読み取る工程を包含する全体の手順を自動化する。これらの構造化可能なシステムは、高スループットおよび迅速な起動ならびに高度な順応性および特別生産性(customization)を提供する。このようなシステムの製造は、種々の高スループットシステムについて詳細なプロトコルを提供する。従って、例えば、Zymark Corp.は、遺伝子転写、リガンド結合などの調節を検出するためのスクリーニングシステムを記載する技術的な提示を提供する。
用語「ホモログ」は、別の分子(例えば、対応する位置で同様かまたは類似である化学残基の配列を有する分子)と相同性を示す、分子をいう。
「ヒト白血球抗原」または「HLA」は、ヒトのクラスIまたはクラスIIの主要組織適合抗原複合体(MHC)タンパク質である(例えば、Stitesら、IMMUNOLOGY,第8編.,Lange Publishing,Los Altos,CA(1994)を参照のこと)。
ポリヌクレオチドの状況で使用される、用語「ハイブリダイズする(hybridize)」、「ハイブリダイズする(hybridizing)」、「ハイブリダイズする(hybridizes)」などは、従来のハイブリダイゼーション条件(好ましくは、例えば、50%のホルムアミド/6×SSC/0.1%のSDS/100μg/mlのssDNA中でのハイブリダイゼーション)をいうことが意味される。ここでは、ハイブリダイゼーションの温度は37℃を超え、そして0.1×SSC/0.1%のSDS中での洗浄のための温度は55℃より高い。
句「単離された」または「生物学的に純粋」は、ネイティブな状態で見出されるような物質を通常伴う構成要素を実質的にまたは本質的に含まない物質をいう。従って、本発明に従う単離されたペプチドは、好ましくはインサイチュ環境においてペプチドに通常付随する物質を含まない。例えば、ポリヌクレオチドは、24P4C12遺伝子以外の遺伝子に対応するかまたは相補的であるか、あるいは24P4C12遺伝子産物またはそのフラグメント以外のポリペプチドをコードする混入物のポリヌクレオチドから実質的に分離される場合、「単離される」と言われる。当業者は、単離された24P4C12ポリヌクレオチドを得るために核酸単離手順を容易に利用し得る。タンパク質は、例えば、物理的方法、機械的方法または化学的方法が、タンパク質に通常付随する細胞の成分から24P4C12タンパク質を除去するために利用される場合、「単離された」と言われる。当業者は、単離された24P4C12タンパク質を得るために標準的な精製方法を容易に利用し得る。あるいは、単離されたタンパク質は、化学的手段によって調製され得る。
用語「哺乳動物」は、哺乳動物(マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマおよびヒトを含む)に分類される任意の生物をいう。本発明の1つの実施形態において、哺乳動物はマウスである。本発明の別の実施形態において、哺乳動物はヒトである。
用語「転移性の前立腺癌」および「転移性の疾患」は、局所的なリンパ節または離れた部位に拡大した前立腺癌を意味し、そしてAUAシステムのもとでのステージDの疾患、およびTNMシステムのもとでのステージT×N×M+を含むように意味される。局所的に進行した前立腺癌の症例における場合には、外科手術は、一般的には、転移性の疾患を有している患者については意図されず、そしてホルモン(アンドロゲンの切除)治療が、好ましい処置様式である。転移性の前立腺癌を有している患者は、最終的には、処置の開始の12〜18ヶ月以内のアンドロゲン治療不応性状態を発症する。これらのアンドロゲン治療不応性の患者のほぼ半分が、その状態の発症後6ヶ月以内に死亡する。前立腺癌の転移の最も一般的な部位は骨である。前立腺癌の骨転移は、しばしば、骨溶解よりもむしろ骨芽細胞性(すなわち、正味の骨の形成を生じる)である。骨転移は、脊椎においてもっとも頻繁に見出され、大腿骨、骨盤、肋骨郭(rib cage)、頭蓋骨、および上腕骨が続く。他の一般的な転移の部位として、リンパ節、肺、肝臓、および脳が挙げられる。転移性の前立腺癌は、代表的には、開放性骨盤リンパ腺切除または腹腔鏡による骨盤リンパ腺切除、全身の放射性核種スキャン、骨格のレントゲン撮影、および/あるいは骨の病変の生検によって、診断される。
本明細書中で使用する場合、用語「モジュレーター」もしくは「試験化合物」もしくは「薬物候補」またはそれらの同義語(grammatical equivalents)は、癌の表現型もしくは癌配列の発現(例えば、核酸配列またはタンパク質配列)、または癌配列の影響(例えば、シグナル伝達、遺伝子発現、タンパク質相互作用など)を直接的または間接的に変更する能力について試験される任意の分子(例えば、タンパク質、オリゴペプチド、有機低分子、多糖類、ポリヌクレオチドなど)を意味する。1つの局面において、モジュレーターは、本発明の癌タンパク質の影響を中和する。「中和する」は、タンパク質の活性が、細胞に対する持続的な効果と共に、阻害またはブロックされることを意味する。別の局面において、モジュレーターは、本発明の遺伝子、およびその対応するタンパク質の影響を、そのタンパク質レベルを正常にすることによって、中和する。
好ましい実施形態において、モジュレーターは、発現プロフィール、または本明細書中で提供される核酸もしくはタンパク質の発現プロフィール、または下流のエフェクター経路を変更する。1つの実施形態において、モジュレーターは、癌の表現型(例えば、正常な組織フィンガープリントに対する表現型)を抑制する。別の実施形態において、モジュレーターは、癌の表現型を誘導する。一般的に、複数のアッセイ混合物が、異なる試薬濃度で平行に実施され、種々の濃度に対する異なる応答が得られる。代表的には、これらの濃度のうちの1つが、ネガティブコントロール(すなわち、ゼロ濃度または検出レベル以下)として機能する。
モジュレーター、薬物候補、または試験化合物は、多くの化学クラスを含むが、代表的に、それらは、有機分子、好ましくは、100ダルトンより大きく約2,500ダルトンよりも小さい分子量を有する小さい有機化合物である。好ましい低分子は、2000D未満、または1500D未満または1000D未満または500D未満である。候補因子は、タンパク質との構造的相互作用(特に、水素結合)に必要な官能基を含み、そして代表的には、少なくとも1つのアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基を含み、好ましくは、少なくとも2つの機能的化学基を含む。候補因子は、頻繁に、上記官能基の1つ以上で置換された環炭素もしくは複素環構造および/または芳香族構造もしくは多芳香族構造を含む。モジュレーターはまた、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造的アナログ、またはそれらの組み合わせのような生体分子を含む。ペプチドが特に好ましい。1つのモジュレーターのクラスは、ペプチド、例えば、約5〜約35アミノ酸のペプチドであり、約5〜約20アミノ酸が好ましく、約7〜約15アミノ酸が特に好ましい。好ましくは、癌モジュレータータンパク質は、可溶性であり、非膜貫通領域を含み、そして/または可溶性を補助するN末端Cysを有する。1つの実施形態において、フラグメントのC末端は、遊離酸として維持され、そしてN末端は、カップリング(すなわち、システインへのカップリング)を補助するための遊離アミンである。1つの実施形態において、本発明の癌タンパク質は、本明細書中で議論されるような免疫原性因子に結合される。1つの実施形態において、癌タンパク質は、BSAに結合される。本発明のポリペプチド(例えば、好ましい長さのポリペプチド)は、互いに連結され得るか、または他のアミノ酸に連結され、より長いペプチド/タンパク質を生成し得る。モジュレーターペプチドは、上記で概説されるような、天然に存在するタンパク質の消化産物、ランダムペプチド、または「偏った」ランダムペプチドであり得る。好ましい実施形態において、ペプチド/タンパク質ベースのモジュレーターは、本明細書中で定義されるような抗体およびそのフラグメントである。
癌のモジュレーターは、また、核酸であり得る。核酸調節因子は、天然に存在する核酸、ランダム核酸、または「偏った」ランダム核酸であり得る。例えば、原核生物ゲノムまたは真核生物ゲノムの消化産物は、タンパク質について上述したのと類似のアプローチで使用され得る。
用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体をいう。すなわち、この集団を含む抗体は、天然に存在するあり得る変異(少量で存在する)を除いて同一である)をいう。
24P4C12関連タンパク質の生物学的モチーフとしての「モチーフ」は、タンパク質の一次配列の一部を形成するアミノ酸の任意のパターン(特定の機能(例えば、タンパク質−タンパク質相互作用、タンパク質−DNA相互作用など)、または改変(例えば、リン酸化、グリコシル化、もしくはアミド化)、または局在(例えば、分泌配列、核局在化配列など)に関連する)、あるいは免疫原性(体液性または細胞性のいずれか)と関連する配列をいう。モチーフは、一般的に特定の機能または特性に関連する特定の位置に隣接するか、または整列し得るかのいずれかであり得る。HLAモチーフの前後関係において、「モチーフ」とは、特定のHLA分子によって認識される、規定された長さのペプチドにおける残基(通常、クラスI HLAモチーフに対する約8〜約13のアミノ酸、およびクラスII HLAモチーフに対する約6〜約25のアミノ酸のペプチド)のパターンをいう。HLA結合についてのペプチドモチーフは、代表的に、各ヒトHLA対立遺伝子によってコードされる各タンパク質について異なり、そして一次アンカー残基および二次アンカー残基のパターンにおいて異なる。
「薬学的な賦形剤」とは、アジュバント、キャリア、pH調整剤および緩衝剤、等張剤、湿潤剤、保存剤などのような物質を含む。
「薬学的に受容可能な」とは、非毒性、不活性および/またはヒトもしくは他の哺乳動物と生理学的に適合する組成物をいう。
用語「ポリヌクレオチド」は、少なくとも10個の塩基または塩基対の長さのヌクレオチドの多型性の形態(リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドのいずれか、あるいはいずれかのヌクレオチドの型の改変された形態)を意味し、そして一本鎖および二本鎖の形態のDNAおよび/またはRNAを含むことを意味する。当該分野において、この用語は、必要であれば、しばしば「オリゴヌクレオチド」と相互に使用される。ポリヌクレオチドは、本明細書中で開示されたヌクレオチド配列を含み得、ここでチミジン(T)(例えば、図2に示されるような)はまたウラシル(U)であり得る;この定義は、DNAおよびRNAの化学的構造間の違い、特に4つの主な塩基のうち1つがRNAでは、チミジン(T)の代わりにウラシル(U)であるという知見に関連する。
用語「ポリペプチド」は、少なくとも約4、5、6、7または8アミノ酸のポリマーを意味する。本明細書を通して、アミノ酸についての標準的な3文字表記または1文字表記が使用される。当該分野において、この用語は、しばしば「ペプチド」または「タンパク質」と相互に使用される。
HLAの「一次アンカー残基」は、免疫原性ペプチドとHLA分子との間に接触点を提供することが理解される、ペプチド配列に沿う特定の位置でのアミノ酸である。1〜3つ、通常2つの、規定された長さのペプチド内の一次アンカー残基は、一般的に、免疫原性ペプチドに対する「モチーフ」を規定する。これらの残基は、HLA分子のペプチド結合グルーブと、この結合グローブの特異的ポケットに埋め込まれたそれらの側鎖とを密接に接触して適合されることが理解される。1つの実施形態において、例えば、HLAクラスI分子についての一次アンカー残基は、本発明に従って、(アミノ末端位置から)2位、そしてカルボキシ末端位置の残基ペプチドエピトープ8位、9位、10位、11位または12位に局在される。あるいは、別の実施形態において、HLAクラスII分子に結合するペプチドの一次アンカー残基は、ペプチドの末端ではなく、互いに関連して間隔をおいて配置される。ここで、ペプチドは、一般に少なくとも9アミノ酸長である。各モチーフおよびスーパーモチーフ(supermotif)についての一次アンカーの位置は、表IVに示される。例えば、アナログペプチドは、表IVに示される、一次アンカーの位置および/または二次アンカーの位置における特定の残基の存在または非存在を変更することによって作製され得る。このようなアナログは、特定のHLAモチーフまたはスーパーモチーフを含むペプチドの結合親和性および/または集団範囲(population coverage)を調節するために使用される。
「放射性同位体」としては以下が挙げられるが、これらに限定されない(非限定的な例示的用途もまた示される):
医療用アイソトープの例:
アイソトープ
使用の説明
アクチニウム−225
(AC−225)
トリウム−229(Th−229)参照のこと
アクチニウム−227
(AC−227)
癌(すなわち、乳癌および前立腺癌)および癌放射免疫療法から生じる骨格内の転移の処置、に使用するα放射体であるラジウム−223(Ra−223)の親
ビスマス−212
(Bi−212)
トリウム−228(Th−228)参照のこと
ビスマス−213
(Bi−213)
トリウム−229(Th−229)参照のこと
カドミウム−109
(Cd−109)
癌検出
コバルト−60
(Co−60)
癌の放射線治療、食品照射、および医薬品の殺菌のための放射線源
銅−64
(Cu−64)
癌治療およびSPECT画像診断に使用される陽電子放射体
銅−67
(Cu−67)
癌放射免疫療法および診断検査(すなわち、乳癌、結腸癌およびリンパ腫)に用いられるβ/γ放射体
ジスプロシウム−166
(Dy−166)
癌放射免疫療法
エルビウム−169
(Er−169)
特に手指および足指と結合している小さな関節についての関節リウマチ治療
ユーロピウム−152
(Eu−152)
食品照射、および医薬品の殺菌のための放射線源
ユーロピウム−154
(Eu−154)
食品照射、および医薬品の殺菌のための放射線源
ガドリニウム−153
(Gd−153)
骨粗鬆症検出および原子力の医学的品質保証デバイス
金−198
(Au−198)
移植ならびに卵巣癌、前立腺癌、および脳癌の腔内治療
ホルミウム−166
(Ho−166)
標的化された骨治療における多発性骨髄腫治療、癌放射免疫療法、骨髄切断、および関節リウマチ治療
ヨウ素−125
(I−125)
骨粗鬆症検出、画像診断、追跡薬物、脳癌治療、放射標識、腫瘍画像診断、脳内の受容体のマッピング、間質放射治療、前立腺癌治療の近接照射療法、糸球体濾過速度(GFR)の測定、血漿量の測定、脚の深部静脈血栓の検出
ヨウ素−131
(I−131)
甲状腺機能評価、甲状腺疾患の検出、甲状腺癌および別の非悪性甲状腺疾患(すなわち、グレーヴズ疾患、甲状腺腫、および甲状腺機能亢進症)の治療、放射免疫療法を用いた白血病、リンパ腫、および別の癌の形態(例えば、乳癌)の治療
イリジウム−192
(Ir−192)
近接照射療法、脳腫瘍および脊髄腫の治療、動脈閉塞(すなわち、動脈硬化症および再狭窄)の治療、ならびに胸部腫瘍および前立腺腫瘍のためのインプラント
ルテチウム−177
(Lu−177)
癌放射免疫療法および動脈閉塞の治療(すなわち、動脈硬化症および再狭窄)
モリブデン−99
(Mo−99)
脳、肝臓、肺、心臓、および別の器官の画像診断に使用されるテクネチウム−99m(Tc−99m)の親。現在、Tc−99mは、脳、心臓、肝臓、肺を含む種々の癌および疾患の画像診断のために使用される;また、脚の深部静脈血栓の検出に使用される放射性同位体のうち最も広く使用されている。
オスミウム−194
(Os−194)
癌放射免疫療法
パラジウム−103
(Pd−103)
前立腺癌治療
白金−195m
(Pt−195m)
シスプラチン、化学療法薬物の体内分布および代謝の検査
リン−32
(P−32)
真性多血症(血球疾患)および白血病の治療、骨の癌の診断/治療;結腸癌、膵臓癌、および肝臓癌の治療;インビトロ検査のための核酸の放射標識、表面腫瘍の診断、動脈閉塞(すなわち、動脈硬化症および再狭窄)の治療、ならびに体腔内治療
リン−33
(P−33)
白血病治療、骨疾患の診断/治療、放射標識、および動脈閉塞(すなわち、動脈硬化症および再狭窄)の治療
ラジウム−223
(Ra−223)
アクチニウム−227(Ac−227)参照
レニウム−186
(Re−186)
骨の癌の疼痛の軽減、関節リウマチ治療、ならびに放射免疫療法を用いたリンパ腫、骨の癌、乳癌、結腸癌、および肝臓癌の診断、および治療
レニウム−188
(Re−188)
放射免疫療法を用いた癌の診断および治療、骨の癌の疼痛の軽減、慢性関節リウマチの治療、および前立腺癌の治療
ロジウム−105
(Rh−105)
癌放射免疫療法
サマリウム−145
(Sm−145)
眼の癌の治療
サマリウム−153
(Sm−153)
癌放射免疫療法および骨の癌の疼痛の軽減
スカンジウム−47
(Sc−47)
癌放射免疫療法および骨の癌の疼痛の軽減
セレニウム−75
(Se−75)
脳の検査に用いられる放射性トレーサー、γ−シンチグラフィーを用いた副腎皮質の画像診断、ステロイド分泌腫瘍の側方位置、膵臓のスキャンニング、副甲状腺機能亢進症の検出、内因性プールからの胆汁酸減少率の測定
ストロンチウム−85
(Sr−85)
骨の癌の検出および脳のスキャン
ストロンチウム−89
(Sr−89)
骨の癌の疼痛の軽減,多発性骨髄腫治療、および骨芽細胞の治療
テクネチウム−99m
(Tc−99m)
モリブデン−99(Mo−99)参照のこと
トリウム−228
(Th−228)
癌放射免疫療法に用いられるα放射体であるビスマス−212(Bi−212)の親
トリウム−229
(Th−229)
癌放射免疫療法に用いられるα放射体であるアクチニウム−225(Ac−225)の親およびビスマス−213(Bi−213)の祖父母
ツリウム−170
(Tm−170)
血液照射器のためのγ線源、移植用の医学的デバイスのためのエネルギー源
スズ−117m
(Sn−117m)
癌放射免疫療法および骨の癌の疼痛の軽減
タングステン−188
(W−188)
癌の診断/治療、骨の癌の疼痛の軽減、慢性関節リウマチ治療、および動脈閉塞(すなわち、動脈硬化症および再狭窄)の治療に使用されるレニウム−188(Re−188)に対する親
キセノン−127
(Xe−127)
脳障害の神経画像診断、高解像度SPECT検査、肺機能検査、および脳血流検査
イッテルビウム−175
(Yb−175)
癌放射免疫療法
イットリウム−90
(Y−90)
肝臓癌治療ためのイットリウム−89(Y−89)の照射から得られるマイクロ種
イットリウム−91
(Y−91)
癌放射免疫療法(すなわち、リンパ腫、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、ならびに手術不能の肝臓癌)に使用されるイットリウム−90(Y−90)のγ放射標識
核酸およびタンパク質において本明細書中で適用される、「無作為化(ランダム化)(された)」、またはその文法的に等価なものは、それぞれ、核酸およびペプチドの各々が、本質的に無作為化された、ヌクレオチドおよびアミノ酸からなることを意味する。これらの無作為化されたペプチド(または、本明細書中で議論されるような核酸)は、任意の位置で任意のヌクレオチドまたはアミノ酸を取り込み得る。この合成プロセスは、無作為したタンパク質または核酸を生成して、配列の長さ部分にわたって可能な組合せの全てまたは殆どの形成を可能にし、それによって無作為化された候補生物活性タンパク質性薬剤のライブラリーを形成するように設計され得る。
1つの実施形態において、ライブラリーが「完全に無作為化され」、いずれの位置においても、配列の傾向または配列の一定性は存在しない。別の実施形態において、このライブラリーは、「偏って無作為化」されたライブラリーである。すなわち、この配列内のいくつかの場所は、一定となるように保持されるかまたは、限定された確率で選択されるかのいずれかである。例えば、ヌクレオチド残基またはアミノ酸残基は、例えば、核酸結合ドメインの生成、架橋のためシステインの生成、SH3ドメインのためのプロリン、リン酸化部位などのためのセリン、スレオニン、チロシンまたはヒスチジンなど、あるいはプリンなどに対して、疎水性アミノ酸残基、親水性アミノ酸残基、空間的に偏りをもった(小さいかまたは大きいかのいずれか)の残基である、規定されたクラスの中で無作為化される。
「組換え」DNA分子またはRNA分子は、インビトロでの分子操作に供されるDNA分子またはRNA分子である。
低分子の非限定的な例としては、24P4C12リガンドに結合または相互作用する化合物(ホルモン、神経ペプチド、ケモカイン、臭気剤、リン脂質、および結合し、そして好ましくは24P4C12タンパク質機能を阻害するそれらの機能等価物が挙げられる)が挙げられる。このような非限定的な低分子は、好ましくは約10kDa未満の分子量、より好ましくは約9kDa、約8kDa、約7kDa、約6kDa、約5kDaまたは約4kDa未満の分子量を有する。特定の実施形態において、低分子は、24P4C12タンパク質と物理的に会合するか、または24P4C12タンパク質に結合する;天然に存在する代謝経路において見出されない;そして/または非水溶液よりも水溶液により可溶性である。
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容易に決定可能であり、そして一般的には、プローブの長さ、洗浄温度、および塩濃度に依存する経験的な計算である。一般的には、より長いプローブは、適切なアニーリングのためにより高い温度を必要とし、一方、より短いプローブは、より低い温度を必要とする。ハイブリダイゼーションは、一般的には、それらの融解温度未満の環境下に相補鎖が存在する場合に、変性された核酸配列が再度アニーリングする能力に依存する。プローブとハイブリダイズ可能な配列との間で所望される相同性の程度が高ければ高いほど、使用され得る相対的な温度は高くなる。結果として、より高い相対的な温度が、反応条件をよりストリンジェントにする傾向があり、一方、より低い温度はあまりそうではないという結果になる。
ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーのさらなる詳細および説明については、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley Interscience Publishers,(1995)を参照のこと。
「ストリンジェントな条件」、または「高ストリンジェントな条件」は、本明細書中で定義される場合は、以下によって同定され得るがこれらに限定されない:(1)洗浄のために低いイオン強度および高温(例えば、0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウム、50℃)を使用する;(2)変性剤(例えば、ホルムアミド)をハイブリダイゼーションの間に使用する(例えば、0.1%のウシの血清アルブミンを有する50%(v/v)のホルムアミド/0.1%のFicoll/0.1%のポリビニルピロリドン/750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムを有するpH6.5の50mMの燐酸ナトリウム緩衝液、42℃);または(3)50%のホルムアミド、5×SSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、超音波処理したサケの精子のDNA(50μg/ml)、0.1%のSDS、および10%のデキストラン硫酸を42℃で使用し、0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中で42℃で、そして50%のホルムアミド中で55℃で洗浄し、続いて55℃でEDTAを含有する0.1×SSCから構成される高ストリンジェンシーな洗浄を行う。「中程度のストリンジェントな条件」は、限定されないが、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、New York:Cold Spring Harbor Press、1989によって記載され、そして上記に記載されているハイブリダイゼーション条件よりもストリンジェントの低い洗浄溶液およびハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度および%SDS)の使用を含む。中程度のストリンジェントの条件の例は、20%のホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%のデキストラン硫酸、および20mg/mLの変性された剪断されたサケの精子のDNAを含有している溶液中で37℃での一晩のインキュベーション、続く1×SSC中での約37℃〜50℃でのフィルターの洗浄である。当業者は、プローブの長さなどの因子に順応させることが必要とされる場合には、温度、イオン強度などを調節するための方法を認識する。
HLAの「スーパーモチーフ」は、2つ以上のHLA対立遺伝子によってコードされるHLA分子によって共有されるペプチド結合特異的である。様々な人種集団におけるHLAスーパータイプの全表現型の頻度は、表IV(F)に示される。種々のスーパータイプの非限定的な構成要素は、以下のとおりである:
異なるHLAスーパータイプの組み合わせによって得られる計算された集団の適用範囲は、表IV(G)に示される。
本明細書中で使用される場合、「処置すること」または「処置的な」および文法的に関連する用語は、疾患の任意の結果(例えば、延長した生存、より少ない罹患率、および/または副作用(代替的な治療形式の副産物;疾患の完全な撲滅が必要とされない)の減少)の任意の改善をいう。
「トランスジェニック動物」(例えば、マウスまたはラット)は、導入遺伝子を含む細胞を有する動物であり、この導入遺伝子は、動物に導入されたか、または出生前(例えば、胚の段階)に動物の先祖に導入された。「導入遺伝子」は、トランスジェニック動物が発生する細胞のゲノム中に組込まれるDNAである。
本明細書中で使用する場合、HLAまたは細胞性免疫応答「ワクチン」は、本発明の1つ以上のペプチドを含むか、またはコードする組成物をいう。このようなワクチン(例えば1つ以上の別個のペプチド;ポリエピトープペプチドによって含まれる、本発明の1つ以上のペプチド;あるいはこのような別個のペプチドまたはポリエピトープ(例えば、ポリエピトープペプチドをコードするミニ遺伝子)をコードする核酸)の多数の実施形態が存在する。「1つ以上のペプチド」は、1〜150またはそれ以上(例えば、本発明の少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、または150以上のペプチド)の任意の全整数単位が挙げられ得る。ペプチドまたはポリペプチドは、必要に応じて、(例えば、脂質化、標的化配列または他の配列の付加によって)改変され得る。本発明のHLAクラスIペプチドは、細胞傷害性Tリンパ球およびヘルパーTリンパ球の両方の活性化を促進させるために、HLAクラスIIペプチドと混合または連結され得る。HLAワクチンはまた、ペプチドパルス抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)を含み得る。
用語「改変体」とは、記載される型または基準(例えば、特に記載されるタンパク質(例えば、図2または図3に示される24P4C12タンパク質)の対応部分に、1つ以上の異なるアミノ酸残基を有するタンパク質)からの改変を示す分子をいう。アナログは、改変タンパク質の例である。スプライシングアイソフォームおよび一塩基多型(SNP)は、改変体のさらなる例である。
本発明の「24P4C12関連タンパク質」としては、本明細書中で具体的に同定されたタンパク質、ならびに対立遺伝子改変体、(本明細書中に概説される方法または当該分野で用意に利用可能な方法に従って実験を実施することなく、単離/生成され得、そして特徴付けられ得る)保存的置換改変体、アナログおよびホモログが挙げられる。異なる24P4C12タンパク質またはそのフラグメントの一部分に結合する融合タンパク質、ならびに24P4C12タンパク質および異種ポリペプチドの融合タンパク質もまた、含まれる。このような24P4C12タンパク質は、本発明のタンパク質である24P4C12関連タンパク質、または24P4C12として集合的に称される。用語「24P4C12関連タンパク質」とは、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または25より多いアミノ酸;あるいは少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650または664以上のアミノ酸の、ポリペプチドフラグメントまたは24P4C12タンパク質配列をいう。
(II.)24P4C12ポリヌクレオチド)
本発明の1つの局面は、24P4C12の遺伝子、mRNAおよび/またはコード配列の全てまたは一部に対応するかまたは相補的な、好ましくは単離形態のポリヌクレオチドを提供し、これには、24P4C12関連タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびそのフラグメント、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、および関連分子、24P4C12の遺伝子もしくはmRNA配列に相補的なポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドまたはその一部、ならびに24P4C12の遺伝子、mRNA、または24P4C12コードポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチド(集合的に「24P4C12ポリヌクレオチド」)が挙げられる。この節において参照される場合、全ての例において、Tは、図2において、Uでもあり得る。
24P4C12ポリヌクレオチドの実施形態としては、以下が挙げられる:図2に示される配列を有する24P4C12ポリヌクレオチド、図2に示されるような24P4C12ヌクレオチド配列(ここで、TはUである);図2に示されるような配列を有するポリヌクレオチドの少なくとも10個連続するヌクレオチド;または図2に示される配列を有するポリヌクレオチドの少なくとも10個連続するヌクレオチド(ここで、TはUである)。例えば、24P4C12ヌクレオチドの実施形態は、限定ではなく、以下を含む:
(I)図2に示されるような配列を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(II)図2Aに示されるような配列の、ヌクレオチド残基番号6〜ヌクレオチド残基番号2138(終止コドンを含む)を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(III)図2Bに示されるような配列の、ヌクレオチド残基番号6〜ヌクレオチド残基番号2138(終止コドンを含む)を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(IV)図2Cに示されるような配列の、ヌクレオチド残基番号6〜ヌクレオチド残基番号2138(終止コドンを含む)を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(V)図2Dに示されるような配列の、ヌクレオチド残基番号6〜ヌクレオチド残基番号2138(終止コドンを含む)を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(VI)図2Eに示されるような配列の、ヌクレオチド残基番号6〜ヌクレオチド残基番号2138(終止コドンを含む)を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(VII)図2Fに示されるような配列の、ヌクレオチド残基番号6〜ヌクレオチド残基番号2138(終止コドンを含む)を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(VIII)図2Gに示されるような配列の、ヌクレオチド残基番号6〜ヌクレオチド残基番号1802(終止コドンを含む)を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(IX)図2Hに示されるような配列の、ヌクレオチド残基番号6〜ヌクレオチド残基番号2174(終止コドンを含む)を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(X)図2Iに示されるような配列の、ヌクレオチド残基番号6〜ヌクレオチド残基番号2144(終止コドンを含む)を含むか、実質的にこのような配列からなるか、またはこのような配列からなる、ポリヌクレオチド(ここで、TはUでもあり得る);
(XI)図2A〜Iに示される全長アミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%相同な24P4C12関連タンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(XII)図2A〜Iに示される全長アミノ酸配列に対して少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%同一な24P4C12関連タンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(XIII)表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXに示される少なくとも1つのペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(XIV)図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A〜Dのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、710までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XV)図6の疎水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A〜Dのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、710までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XVI)図7の接近可能残基の%プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A〜Dのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、710までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XVII)図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A〜Dのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、710までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XVIII)図9のβ−ターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3A〜Dのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、710までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XIX)図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、598までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XX)図6の疎水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、598までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXI)図7の接近可能残基の%プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、598までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXII)図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、598までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXIII)図9のβ−ターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Eのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、598までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXIV)図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Fのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、722までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXV)図6の疎水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Fのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、722までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXVI)図7の接近可能残基の%プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Fのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、722までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXVII)図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Fのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、722までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXVIII)図9のβ−ターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Fのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、722までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXIX)図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Gのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、712までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXX)図6の疎水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Gのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、712までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXXI)図7の接近可能残基の%プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Gのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、712までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXXII)図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Gのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、712までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXXIII)図9のβ−ターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸位置を含む、図3Gのペプチドの少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸から、712までの任意の整数の増分のペプチド領域をコードする、ポリヌクレオチド;
(XXXIV)(I)〜(XXXIII)のいずれか1つのポリヌクレオチドに完全に相補的なポリヌクレオチド;
(XXXV)(I)〜(XXXIII)のいずれかによってコードされるペプチド;および
(XXXVI)薬学的賦形剤と一緒になったか、そして/またはヒトの単位投薬形態中での、(I)〜(XXXIV)のうちのいずれかのポリヌクレオチドまたは(XXXV)のペプチドを含む組成物。
(XXXVII)24P4C12を発現する細胞を調節する方法における(I)〜(XXXIV)のうちのいずれかのポリヌクレオチドもしくは(XXXV)のペプチドまたは(XXXVI)の組成物を使用する方法;
(XXXVIII)24P4C12を発現する細胞を有する個体を診断、予防、予後もしくは処置する方法における(I)〜(XXXIV)のうちのいずれかのポリヌクレオチドもしくは(XXXV)のペプチドまたは(XXXVI)の組成物を使用する方法;
(XXXIX)24P4C12を発現する細胞(表Iに列挙される組織の癌由来の細胞)を有する個体を診断、予防、予後もしくは処置する方法における(I)〜(XXXIV)のうちのいずれかのポリヌクレオチドもしくは(XXXV)のペプチドまたは(XXXVI)の組成物を使用する方法;
(XL)癌を診断、予防、予後もしくは処置する方法における(I)〜(XXXIV)のうちのいずれかのポリヌクレオチドもしくは(XXXV)のペプチドまたは(XXXVI)の組成物を使用する方法;
(XLI)表Iに列挙される組織の癌を診断、予防、予後もしくは処置する方法における(I)〜(XXXIV)のうちのいずれかのポリヌクレオチドもしくは(XXXV)のペプチドまたは(XXXVI)の組成物を使用する方法;および
(XLII)24P4C12を発現する細胞の調節因子を同定もしくは特徴付ける方法における(I)〜(XXXIV)のうちのいずれかのポリヌクレオチドもしくは(XXXV)のペプチドまたは(XXXVI)の組成物を使用する方法。
本明細書中で使用する場合、ある範囲は、その全単位位置の全てを具体的に開示することが理解される。
本明細書中に開示される発明の代表的な実施形態としては、タンパク質および/またはそのフラグメントをコードするような24P4C12 mRNA配列の特定の部分をコードする24P4C12ポリヌクレオチド(およびこのような配列に相補的なポリヌクレオチド)が挙げられる(例えば:
(a)24P4C12改変体1の、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、710個またはそれ以上連続するアミノ酸;他の改変体に対して関連する最長の長さは:改変体3、710アミノ酸:改変体5、710アミノ酸:改変体6、710アミノ酸:改変体7、598アミノ酸:改変体8、722アミノ酸および改変体9、712アミノ酸である。)
例えば、本明細書中に開示される発明の代表的な実施形態としては、以下が挙げられる:図2または図3に示されるカルボキシル末端アミノ酸の末端に約10アミノ酸を加えた、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸1〜約アミノ酸10をコードする、ポリヌクレオチドおよびコードされたペプチド自体、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸10〜約アミノ酸20をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸20〜約アミノ酸30をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸30〜約アミノ酸40をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸40〜約アミノ酸50をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸50〜約アミノ酸60をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸60〜約アミノ酸70をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸70〜約アミノ酸80をコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸80〜約アミノ酸90をコードするポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の約アミノ酸90〜約アミノ酸100をコードするポリヌクレオチド。従って、24P4C12タンパク質のアミノ酸100〜カルボキシル末端アミノ酸の(約10アミノ酸の)アミノ酸配列の部分をコードするポリヌクレオチドは、本発明の実施形態である。ここで、各特定のアミノ酸位置は、±5アミノ酸残基の位置を開示することが理解される。
24P4C12タンパク質の比較的長い部分をコードするポリヌクレオチドもまた、本発明の範囲内である。例えば、図2または図3に示される24P4C12タンパク質またはその「改変体」の、約アミノ酸1(または20または30または40など)〜約アミノ酸20(または30または40または50など)をコードするポリヌクレオチドは、当該分野で周知の種々の技術によって生成され得る。これらのポリヌクレオチドフラグメントは、図2に示されるような24P4C12配列の任意の部分を含み得る。
本明細書中に開示される発明のさらなる例示的実施形態としては、24P4C12タンパク質配列または「改変体」配列内に含まれる1以上の生物学的モチーフをコードする24P4C12ポリヌクレオチドフラグメントが挙げられ、これには、表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXに示される24P4C12タンパク質または「改変体」の、1以上のモチーフ保有部分配列が挙げられる。別の実施形態において、本発明の代表的なポリヌクレオチドフラグメントは、既知の分子に対する相同性を示す24P4C12のタンパク質または改変体の、1以上の領域をコードする。本発明の別の実施形態において、代表的なポリヌクレオチドフラグメントは、24P4C12のタンパク質または改変体のN−グリコシル化部位、cAMP依存性およびcGMP依存性のプロテインキナーゼリン酸化部位、カゼインキナーゼIIリン酸化部位またはN−ミリストイル化部位、ならびにアミド化部位のうち1以上をコードし得る。
その親タンパク質(例えば、改変体1、改変体2など)に対する、表VIII〜XXIおよび表XXII〜XLIX(集合的に、HLAペプチド表)に示される任意のペプチドのそれぞれの開始位置を決定するために、以下の3つの因子について言及がなされることに留意のこと:特定の改変体、HLAペプチド表中のペプチドの長さ、表LVIIに列挙される検索ペプチド。一般に、独自の検索ペプチドが、特定の改変体についてのHLAペプチドを得るために使用される。そのそれぞれの親分子に関する各検索ペプチドの位置は、表VIIに列挙される。従って、検索ペプチドが位置「X」で開始する場合、それらの親分子中のHLAペプチドの実際の位置を得るために、表VIII〜XXIおよび表XXII〜IL中の各位置に、「X−1」の値を加算しなければならない。例えば、特定の検索ペプチドがその親分子の位置150にて開始する場合、親分子中のアミノ酸の位置を計算するために、150−1(すなわち、149)を、各HLAペプチドのアミノ酸位置に加算しなければならない。
(II.A.)24P4C12ポリヌクレオチドの用途)
(II.A.1.)遺伝子異常のモニタリング)
上記項目のポリヌクレオチドは、多数の異なる特定の用途を有する。ヒト24P4C12遺伝子は、「24P4C12の染色体マッピング」との表題の実施例において示される染色体位置にマッピングされる。例えば、24P4C12遺伝子は、この染色体にマッピングされるので、24P4C12タンパク質の異なる領域をコードするポリヌクレオチドは、この染色体位置の細胞発生異常(例えば、種々の癌に関連するとして同定された異常)を特徴付けるために使用される。特定の遺伝子において、再編成を含む種々の染色体異常が、多数の異なる癌における頻繁な細胞発生的異常として同定されている(例えば、Krajinovicら、Mutat.Res.382(3−4):81−83(1998);Johanssonら、Blood 86(10):3905−3914(1995)およびFingerら、P.N.A.S.85(23):9158−9162(1988)を参照のこと)。従って、24P4C12タンパク質の特定の領域をコードするポリヌクレオチドは、悪性の表現型に寄与し得る、24P4C12をコードする染色体領域における細胞発生的異常を説明するために使用され得る、以前に可能であったツールよりもより正確な、新たなツールを提供する。この文脈において、これらのポリヌクレオチドは、より微妙な染色体異常およびあまり一般的でない染色体異常を同定するために、染色体スクリーニングの感受性を拡大することについての、当該分野における必要性を満たす(例えば、Evansら、Am.J.Obstet.Gynecol 171(4):1055−1057(1994)を参照のこと)。
さらに、24P4C12は、膀胱癌および他の癌において高度に発現されることが示されているので、24P4C12ポリヌクレオチドは、正常組織 対 癌性組織における24P4C12遺伝子産物の状態を評価する方法において使用される。代表的に、24P4C12タンパク質の特定の領域をコードするポリヌクレオチドは、24P4C12遺伝子の特定の領域(例えば、1以上のモチーフを含む領域)における乱れ(例えば、抗原の喪失などを生じる欠失、挿入、点変異または改変)の存在を評価するために使用される。例示的なアッセイとしては、RT−PCRアッセイおよび一本鎖コンホメーション多型(SSCP)分析(例えば、Marrogiら、J.Cutan.Pathol.26(8):369−378(1999)を参照のこと)の両方が挙げられ、これらは両方とも、タンパク質内のこれらの領域を試験するために、タンパク質内の特定の領域をコードするポリヌクレオチドを利用する。
(II.A.2.)アンチセンスの実施形態)
本明細書中に開示される本発明の、他の具体的に企図された核酸に関する実施形態は、ゲノムDNA、cDNA、リボザイムおよびアンチセンス分子、ならびに天然供給源由来であるか合成であるかにかかわらない、代替骨格に基づく核酸分子または代替塩基を含む核酸分子であり、そしてこれには、24P4C12のRNA発現またはタンパク質発現を阻害し得る分子が含まれる。例えば、アンチセンス分子は、塩基対依存的な様式でDNAまたはRNAに特異的に結合する、ペプチド核酸(PNA)または非核酸分子(例えば、ホスホロチオエート誘導体)を含む、RNAまたは他の分子であり得る。当業者は、本明細書中に開示される24P4C12のポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチド配列を使用して、これらのクラスの核酸分子を容易に獲得し得る。
アンチセンス技術は、細胞内に位置する標的ポリヌクレオチドに結合する外因性オリゴヌクレオチドの投与を伴う。用語「アンチセンス」は、このようなオリゴヌクレオチドが、その細胞内標的(例えば、24P4C12)に相補的であるという事実をいう。例えば、Jack Cohen、Oligodeoxynucleotides,Antisense Inhibitiors of Gene Expression、CRC Press、1989;およびSynthesis 1:1−5(1988)を参照のこと。本発明の24P4C12アンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、誘導体(例えば、S−オリゴヌクレオチド(ホスホロチオエート誘導体またはS−オリゴ、Jack Cohen(前出)を参照のこと)が挙げられ、これは、増強された癌細胞増殖阻害活性を示す。S−オリゴ(ヌクレオシドホスホロチオエート)は、リン酸基の非架橋酸素原子が硫黄原子によって置換されている、オリゴヌクレオチド(O−オリゴ)の等電子アナログである。本発明のS−オリゴは、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド(これは、硫黄転移試薬である)での対応するO−オリゴの処理によって調製され得る。例えば、Iyer,R.P.ら、J.Org.Chem.55:4693−4698(1990);およびIyer,R.P.ら、J.Am.Chem.Soc.112:1253−1254(1990)。本発明のさらなる24P4C12アンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、当該分野で公知のモルホリノアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられる(例えば、Partridgeら、1996、Antisense & Nucleic Acid Drug Development 6:169−175を参照のこと)。
本発明の24P4C12アンチセンスオリゴヌクレオチドは、代表的に、24P4C12ゲノム配列または対応するmRNAの最初の100個の5’側コドンまたは最後の100個の3’側コドンに相補的であり、かつこれらと安定にハイブリダイズする、RNAまたはDNAであり得る。完全な相補性は必要ないが、高度な相補性が好ましい。この領域に相補的なオリゴヌクレオチドの使用によって、24P4C12 mRNAへの選択的なハイブリダイゼーションは可能になるが、プロテインキナーゼの他の調節サブユニットを指定するmRNAへの選択的なハイブリダイゼーションは可能にならない。1つの実施形態において、本発明の24P4C12アンチセンスオリゴヌクレオチドは、24P4C12 mRNAにハイブリダイズする配列を有するアンチセンスDNA分子の15〜30マーのフラグメントである。必要に応じて、24P4C12アンチセンスオリゴヌクレオチドは、24P4C12の最初の10個の5’側コドンまたは最後の10個の3’側コドン中の領域に相補的な30マーのオリゴヌクレオチドである。あるいは、このアンチセンス分子は、24P4C12発現の阻害においてリボザイムを使用するように改変される(例えば、L.A.Couture & D.T.Stinchcomb;Trends Genet 12:510−515(1996)を参照のこと)。
(II.A.3.)プライマーおよびプライマー対)
本発明のこのヌクレオチドのさらに特定の実施形態としては、プライマーおよびプライマー対(これらは、本発明のポリヌクレオチドまたはその任意の特定の部分の特異的増幅を可能にする)、ならびにプローブ(これは、本発明の核酸分子またはその任意の部分に選択的にかまたは特異的にハイブリダイズする)が挙げられる。プローブは、検出可能なマーカー(例えば、放射性同位体、蛍光化合物、生体発光化合物、化学発光化合物、金属キレート剤または酵素)で標識され得る。このようなプローブおよびプライマーは、サンプル中の24P4C12ポリヌクレオチドの存在を検出するため、および24P4C12タンパク質を発現する細胞を検出するための手段として使用される。
このようなプローブの例としては、図2に示されるヒト24P4C12 cDNA配列の全てまたは一部を含むポリヌクレオチドが挙げられる。24P4C12 mRNAを特異的に増幅し得るプライマー対の例もまた、実施例に記載される。当業者によって理解されるように、非常に多数の異なるプライマーおよびプローブが、本明細書中に提供される配列に基づいて調製され得、そして24P4C12 mRNAを増幅および/または検出するために有効に使用され得る。
本発明の24P4C12ポリヌクレオチドは、種々の目的のために有用であり、その用途としては、限定ではなく以下が挙げられる:24P4C12遺伝子、mRNAもしくはそのフラグメントの増幅および/または検出のためのプローブおよびプライマーとして;前立腺癌および他の癌の診断および/または予後のための試薬として;24P4C12ポリペプチドの発現を指向し得るコード配列として;24P4C12遺伝子の発現および/または24P4C12転写物の翻訳を調節または阻害するためのツールとして;そして治療剤として。
本発明は、天然に存在する供給源(例えば、ヒトまたは他の哺乳動物)由来の24P4C12核酸配列または24P4C12関連核酸配列を同定および単離するための、本明細書中に記載されるような任意のプローブの使用、ならびに単離された核酸配列自体(これは、使用されるプローブ中に見出される配列の全てまたはほとんどを含む)を包含する。
(II.A.4.)24P4C12コード核酸分子の単離)
本明細書中に記載される24P4C12 cDNA配列は、24P4C12遺伝子産物をコードする他のポリヌクレオチドの単離、ならびに24P4C12遺伝子産物ホモログ、選択的スプライシングされたアイソフォーム、対立遺伝子改変体および24P4C12遺伝子産物の変異形態をコードするポリヌクレオチドの単離、ならびに24P4C12関連タンパク質のアナログをコードするポリヌクレオチドの単離を可能にする。24P4C12遺伝子をコードする全長cDNAを単離するために使用され得る種々の分子クローニング方法が周知である(例えば、Sambrook,J.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第二版、Cold Spring Harbor Press、New York、1989;Current Protocols in Molecular Biology.Ausubelら(編)、Wiley and Sons、1995を参照のこと)。例えば、λファージクローニング方法論は、市販のクローニングシステム(例えば、Lambda ZAP Express、Stratagene)を使用して、簡便に使用され得る。24P4C12遺伝子のcDNAを含むファージクローンは、標識された24P4C12 cDNAまたはそのフラグメントを用いて探索することによって、同定され得る。例えば、1つの実施形態において、24P4C12 cDNA(例えば、図2)またはその一部が、合成され得、そして24P4C12遺伝子に対する重複および24P4C12遺伝子に対応する全長cDNAを検索するためのプローブとして使用され得る。24P4C12遺伝子自体は、ゲノムDNAライブラリー、細菌人工染色体ライブラリー(BAC)、酵母人工染色体ライブラリー(YAC)などを、24P4C12 DNAのプローブまたはプライマーを用いてスクリーニングすることによって、単離され得る。
(II.A.5.)組換え核酸分子および宿主−ベクター系)
本発明はまた、24P4C12ポリヌクレオチド、そのフラグメント、アナログ、またはホモログを含む組換えDNA分子またはRNA分子(ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、YAC、BAC、ならびに当該分野で周知の種々のウイルスベクターおよび非ウイルスベクターを含むがこれらに限定されない)、およびこのような組換えDNA分子またはRNA分子で形質転換またはトランスフェクトされた細胞を提供する。このような分子を生成する方法は、周知である(例えば、Sambrookら、1989、前出を参照のこと)。
本発明はさらに、適切な原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞中に24P4C12ポリヌクレオチド、そのフラグメント、アナログ、またはホモログを含む組換えDNA分子を含む、宿主−ベクター系を提供する。適切な真核生物宿主細胞の例としては、酵母細胞、植物細胞、または動物細胞(例えば、哺乳動物細胞または昆虫細胞(例えば、Sf9細胞またはHighFive細胞のようなバキュロウイルス感染性細胞)が挙げられる。
適切な哺乳動物細胞の例としては、種々の前立腺癌細胞株(例えば、DU145およびTsuPr1)、他のトランスフェクト可能または形質導入可能な前立腺癌細胞株、一次細胞(PrEC)、ならびに組換えタンパク質の発現のために慣用的に使用される多くの哺乳動物細胞(例えば、COS細胞、CHO細胞、293細胞、293T細胞)が挙げられる。より詳細には、24P4C12のコード配列を含むポリヌクレオチド、またはそのフラグメント、アナログ、もしくはホモログは、当該分野で慣用的に使用され、そして広範に知られている任意の数の宿主−ベクター系を用いて、24P4C12タンパク質またはそのフラグメントを生成するために使用され得る。
24P4C12タンパク質またはそのフラグメントの発現に適切な広範な範囲の宿主−ベクター系が利用可能である(例えば、Sambrookら、1989、前出;Current Protocols in Molecular Biology、1995、前出を参照のこと)。哺乳動物での発現に好ましいベクターとしては、pcDNA3.1 myc−His−tag(Invitrogen)およびレトロウイルスベクターpSRαtkneo(Mullerら、1991、MCB 11:1785)が挙げられるがこれらに限定されない。これらの発現ベクターを用いて、24P4C12は、いくつかの前立腺癌細胞株および非前立腺細胞株(例えば、293、293T、rat−1、NIH 3T3、およびTsuPr1を含む)において発現され得る。本発明の宿主−ベクター系は、24P4C12タンパク質またはそのフラグメントを生成するのに有用である。このような宿主−ベクター系は、24P4C12および24P4C12改変体もしくはアナログの機能的特性を研究するために使用され得る。
組換えヒト24P4C12タンパク質またはそのアナログもしくはホモログもしくはフラグメントは、24P4C12関連ヌクレオチドをコードする構築物でトランスフェクトされた哺乳動物細胞により産生され得る。例えば、293T細胞は、24P4C12またはそのフラグメント、アナログ、もしくはホモログをコードする発現プラスミドでトランスフェクトされ得、24P4C12関連タンパク質が、293T細胞中で発現され、そして組換え24P4C12タンパク質が、標準的な精製方法(例えば、抗24P4C12抗体を用いるアフィニティー精製)を用いて単離される。別の実施形態において、24P4C12コード配列は、レトロウイルスベクターpSRαMSVtkneo中にサブクローニングされ、そして24P4C12発現細胞株を樹立するために、種々の哺乳動物細胞株(例えば、NIH 3T3、TsuPr1、293、およびrat−1)を感染するために使用される。当該分野で周知の種々の他の発現系もまた、使用され得る。24P4C12コード配列にインフレームで連結されたリーダーペプチドをコードする発現構築物は、分泌形態の組換え24P4C12タンパク質の生成のために使用され得る。
本明細書中で議論されるように、遺伝コードの重複性は、24P4C12遺伝子配列におけるバリエーションを許容する。詳細には、特定の宿主種は、しばしば、特定のコドン優先性を有することが、当該分野で公知であり、従って、当業者は、開示された配列を、所望の宿主で優先されるよう適合し得る。例えば、優先されるアナログコドン配列は、代表的に、より高頻度のコドンと置きかえられた稀なコドン(すなわち、所望の宿主の公知の配列において約20%未満の使用頻度を有するコドン)を有する。特定種についてのコドン優先性は、例えば、インターネット上(例えば、URL dna.affrc.go.jp/〜nakamura/codon.html)で利用可能なコドン使用表を用いることによって算出される。
さらなる配列の改変は、細胞性宿主におけるタンパク質発現を増強することが知られている。これらとしては、偽ポリアデニル化シグナルをコードする配列の除去、エキソン/イントロンスプライス部位シグナル、トランスポゾン様反復、および/または遺伝子発現に対して有害な他のこのような十分特徴付けられた配列が挙げられる。配列のGC含量は、所定の細胞性宿主について平均的なレベル(その宿主細胞において発現される公知の遺伝子を参照することによって算出される)に調整される。可能な場合、配列は、予測されるヘアピン二次mRNA構造を回避するよう改変される。他の有用な改変としては、Kozak、Mol.Cell.Biol.、9:5073−5080(1989)に記載されるような、オープンリーディングフレームの開始点での翻訳開始コンセンサス配列の追加が挙げられる。当業者は、真核生物リボソームが5’近位のAUGコドンで排他的に翻訳を開始という一般的な役割が、稀な条件下でのみ排除されることを理解する(例えば、Kozak PNAS 92(7):2662−2666、(1995)およびKozak NAR 15(20):8125−8148(1987)を参照のこと)。
(III.)24P4C12関連タンパク質)
本発明の別の局面は、24P4C12関連タンパク質を提供する。24P4C12タンパク質の特定の実施形態は、図2または図3に示されるようなヒト24P4C12のアミノ酸配列の全てまたは一部を有するポリペプチドを包含する。あるいは、24P4C12タンパク質の実施形態は、図2または図3に示される24P4C12のアミノ酸配列中に変更を有する改変体、ホモログ、またはアナログポリペプチドを包含する。
24P4C12ポリペプチドの実施形態は、以下を含む:図2に示される配列を有する24P4C12ポリペプチド、図2に示される24P4C12のペプチド配列(ここで、TはU);図2に示される配列を有するポリペプチドの、少なくとも10個の連続したヌクレオチド;または図2に示される配列を有するポリペプチドの、少なくとも10個の連続したペプチド(ここでTはU)。例えば、24P4C12ペプチドの実施形態は、限定しないが、以下を含む:
(I)図2A−Iまたは図3A−Gに示されるアミノ酸配列を含むか、本質的にそれらのアミノ酸配列からなるかまたは、それらのアミノ酸配列からなるタンパク質;
(II)図2A−Iに示されるアミノ酸配列全体と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相同な24P4C12関連タンパク質;
(III)図2A−Iまたは図3A−Gに示されるアミノ酸配列全体と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である24P4C12関連タンパク質;
(IV)表VIII〜XLIXに記載の少なくとも1つのペプチド(ただし、必要に応じて、このタンパク質は、図2のタンパク質全体ではない)を含むタンパク質;
(V)まとめて、表VIII〜XXIに記載の少なくとも1つのペプチドを含むタンパク質であり、このペプチドはまた、まとめて、表XXII〜XLIXに記載され、ただし、このタンパク質は、必要に応じて図2のタンパク質全体ではない;
(VI)表VIII〜XLIXに記載のペプチドから選択される少なくとも2つのペプチドを含むタンパク質(ただし、必要に応じて、このタンパク質は、図2のタンパク質全体ではない);
(VII)まとめて、表VIII〜XLIXに記載のペプチドから選択される少なくとも2つのペプチドを含むタンパク質(ただし、このタンパク質は、図2のアミノ酸配列由来の連続配列ではない);
(VIII)表VIII〜XXIに記載のペプチドから選択される少なくとも1つのペプチドを含むタンパク質;および表XXII〜XLIXに記載のペプチドから選択される少なくとも1つのペプチチドを含むタンパク質であって、ただし、このタンパク質は、図2のアミノ酸配列由来の連続配列ではない;
(IX)図3A、3B、3C、3D、3E、3Fまたは3G(任意の全数の増加がそれぞれ710、710、710、710、598、722または712まで)のタンパク質の、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸を含むポリペプチドであって、このペプチドは、図5の親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なくとも1,2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35のアミノ酸位置を含む;
(X)図3A、3B、3C、3D、3E、3Fまたは3G(任意の全数の増加がそれぞれ710、710、710、710、598、722または712まで)のタンパク質の少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35個のアミノ酸を含むポリペプチドであって、このポリペプチドは、図6の疎水性プロフィールにおいて0.5未満の値を有する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35のアミノ酸位置を含む;
(XI)図3A、3B、3C、3D、3E、3Fまたは3G(任意の全数の増加がそれぞれ710、710、710、710、598、722または712まで)のタンパク質の、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸を含むポリペプチドであって、このポリペプチドは、図7の接近可能残基の%プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35のアミノ酸位置を含む;
(XII)図3A、3B、3C、3D、3E、3Fまたは3G(任意の全数の増加がそれぞれ710、710、710、710、598、722または712まで)のタンパク質の、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸を含むポリペプチドであって、このポリペプチドは、図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35のアミノ酸位置を含む;
(XIII)図3A、3B、3C、3D、3E、3Fまたは3G(任意の全数の増加がそれぞれ710、710、710、710、598、722または712まで)のタンパク質の少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35アミノ酸を含むポリペプチドであって、このポリペプチドは、図9のβターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35のアミノ酸位置を含む;
(XIV)まとめて、表VIII〜XXIおよび表XXII〜XLIX中に少なくとも2回現れるペプチド;
(XV)まとめて、表VIII〜XXIおよび表XXII〜XLIX中に少なくとも3回現れるペプチド;
(XVI)まとめて、表VIII〜XXIおよび表XXII〜XLIX中に少なくとも4回現れるペプチド;
(XVII)まとめて、表VIII〜XXIおよび表XXII〜XLIX中に少なくとも5回現れるペプチド;
(XVIII)表VIII〜XXI中に少なくとも1回、そして表XXII〜XLIX中に少なくとも1回現れるペプチド;
(XIX)表VIII〜XXI中に少なくとも1回、そして表XXII〜XLIX中に少なくとも2回現れるペプチド;
(XX)表VIII〜XXI中に少なくとも2回、そして表XXII〜XLIX中に少なくとも1回現れるペプチド;
(XXI)表VIII〜XXI中に少なくとも2回、そして表XXII〜XLIX中に少なくとも2回現れるペプチド;
(XXII)以下の特徴の1個、2個、3個、4個、または5個を含むかまたは、そのようなペプチドをコードするオリゴヌクレオチドを含むペプチド:
i)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるタンパク質の全長までの任意の全数の増加において)であって、この領域は、図5の親水性プロフィールにおいて、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9と等しいかもしくはこれらの値より大きい値を有するか、または1.0と等しい値を有するアミノ酸位置を含む;
ii)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるタンパク質の全長までの任意の全数の増加において)であって、この領域は、図6の疎水性プロフィールにおいて、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1と等しいかもしくはこれらの値より小さい値を有するか、または0.0と等しい値を有するアミノ酸位置を含む; iii)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるタンパク質の全長までの任意の全数の増加において)であって、この領域は、図7の接近可能残基の%プロフィールにおいて、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9と等しいかもしくは、これらの値より大きい値を有するか、または1.0と等しい値を有するアミノ酸位置を含む;
iv)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるタンパク質の全長までの任意の全数の増加において)であって、この領域は、図8の平均可撓性プロフィールにおいて、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9と等しいかもしくは、これらの値より大きい値を有するか、または1.0と等しい値を有するアミノ酸位置を含む;
v)図3の特定のペプチドの少なくとも5アミノ酸の領域(図3におけるタンパク質の全長までの任意の全数の増加において)であって、この領域は、図9のβターンプロフィールにおいて、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9と等しいかもしくは、これらの値より大きい値を有するか、または1.0と等しい値を有するアミノ酸位置を含む;
(XXIII)薬学的賦形剤と共に、かつ/またはヒト単位容量形態で、(I)〜(XXII)のペプチド、または抗体もしくはその結合領域を含む、組成物;
(XXIV)24P4C12を発現する細胞を調節するための方法における、(I)〜(XXII)のペプチド、または抗体もしくはその結合領域または(XXIII)の組成物を用いる、方法;
(XXV)24P4C12を発現する細胞を有する個体を診断、予防、予知または処置するための方法における、(I)〜(XXII)のペプチド、または抗体もしくはその結合領域、または(XXIII)の組成物を用いる、方法;
(XXVI)24P4C12を発現する細胞(表Iに列挙される組織の癌からの前記の細胞)を有する個体の診断、予防、予知、または処置するための方法における、(I)〜(XXII)のペプチド、または抗体もしくはその結合領域、あるいは(XXIII)の組成物を用いる、方法;
(XXVII)癌を診断、予防、予知、または処置するための方法における、(I)〜(XXII)のペプチド、または抗体もしくはその結合領域、または(XXIII)の組成物を用いる、方法;
(XXVIII)表Iに列挙される組織の癌の診断、予防、予知、または処置するための方法における、(I)〜(XXII)のペプチド、または抗体もしくはその結合領域、または(XXIII)の組成物を用いた、方法;および、
(XXIX)24P4C12を発現する細胞の調節因子を同定するか、または特徴付けるための方法における、(I)〜(XXII)のペプチド、または抗体もしくはその結合領域、または(XXIII)の組成物を用いる、方法。
本明細書中で使用する場合、ある範囲は、その全単位位置の全てを具体的に開示することが理解される。
本明細書中に開示される発明の代表的な実施形態としては、24P4C12のmRNA配列の特定の部分をコードする24P4C12ポリヌクレオチド(およびこのような配列に相補的なポリヌクレオチド)が挙げられる(例えば、(a)24P4C12改変体1の、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、710またはそれ以上の連続するアミノ酸の、タンパク質および/またはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;他の改変体に関する最大長は:改変体3、710アミノ酸;改変体5、710アミノ酸;改変体6、710;改変体7、598アミノ酸:改変体8、722アミノ酸、および改変体9、712アミノ酸である)。
一般的に、ヒト24P4C12の天然に存在する対立遺伝子改変体は、高い程度の構造的同一性および相同性(例えば、90%以上の相同性)を共有する。代表的に、24P4C12タンパク質の対立遺伝子改変体は、本明細書中に記載される24P4C12配列中に保存的アミノ酸置換を含むか、または24P4C12のホモログにおいて対応する位置からのアミノ酸の置換を含む。24P4C12対立遺伝子改変体の1つのクラスは、特定の24P4C12アミノ酸配列の少なくとも小部分と高い程度の相同性を共有するが、その配列由来の根本的な逸脱(例えば、非保存的置換、短縮、挿入、またはフレームシフト)をさらに含むタンパク質である。タンパク質配列の比較において、用語、類似性、同一性、および相同性は、各々、遺伝学分野で理解されるのと別個の意味を有する。さらに、オルソロジーおよびパラロジーは、ある生物における所定のタンパク質ファミリーのメンバーの、他の生物における同じファミリーのメンバーに対する関係を記載する重要な概念であり得る。
アミノ酸略号は、表IIに提供される。保存的アミノ酸置換は、しばしば、そのタンパク質のコンホメーションまたは機能のいずれも変更することなくタンパク質中で起こり得る。本発明のタンパク質は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15の保存的置換を含み得る。このような変更としては、イソロイシン(I)、バリン(V)、およびロイシン(L)のいずれかの、これらの疎水性アミノ酸の他のいずれかでの置換;グルタミン酸(E)でのアスパラギン酸(D)の置換およびその逆;アスパラギン(N)でのグルタミン(Q)の置換およびその逆;ならびにスレオニン(T)でのセリン(S)の置換およびその逆が挙げられる。他の置換もまた、特定のアミノ酸の環境およびそのタンパク質の三次元構造におけるその役割に依存して、保存的であるとみなされ得る。例えば、グリシン(G)およびアラニン(A)は、しばしば、交換可能であり得、アラニン(A)およびバリン(V)も同様であり得る。比較的疎水性のメチオニン(M)は、しばしば、ロイシンおよびイソロイシンと交換され得、そして時々、バリンと交換され得る。リジン(K)およびアルギニン(R)は、しばしば、そのアミノ酸残基の重要な特徴がその電荷であり、これら2つのアミノ酸残基の異なるpKが重要でない位置で交換可能である。さらに他の変更は、特定の環境で「保存的」であるとみなされ得る(例えば、本明細書中の表III;13〜15頁「Biochemistry」第2版、Lubert Stryer編(Stanford University);Henikoffら、PNAS 1992 Vol89 10915−10919;Leiら、J Biol Chem 1995年5月19日;270(20):11882−6を参照のこと)。
本明細書中に開示される発明の実施形態として、24P4C12タンパク質の広範な種々の当該分野で受け入れられる改変体またはアナログ(例えば、アミノ酸の挿入、欠失、および置換を有するポリペプチド)が挙げられる。24P4C12改変体は、当該分野で公知の方法(例えば、部位特異的変異誘発、アラニンスキャンニング、およびPCR変異誘発)を用いて作製され得る。部位特異的変異誘発(Carterら、Nucl.Acids Res.、13:4331(1986);Zollerら、Nucl.Acids Res.、10:6487(1987))、カセット変異誘発(Wellsら、Gene、34:315(1985))、制限選択変異誘発(Wellsら、Philos.Trans.R.Soc.London SerA、317:415(1986))、または他の公知の技術が、24P4C12改変体DNAを生成するために、クローニングしたDNAにおいて実施され得る。
スキャンニングアミノ酸分析はまた、特定の生物学的活性(例えば、タンパク質−タンパク質相互作用)に関連する連続配列に沿って1つ以上のアミノ酸を同定するのに使用され得る。比較的小さく、中性のアミノ酸が、好ましいスキャンニングアミノ酸に含まれる。このようなアミノ酸としては、アラニン、グリシン、セリン、およびシステインが挙げられる。アラニンは、代表的に、この群の中で好ましいスキャンニングアミノ酸である。
なぜならば、アラニンは、β炭素の後ろの側鎖を排除し、そして改変体の主鎖のコンホメーションを変更する可能性がより低いからである。アラニンはまた、代表的に、それが、最も一般的なアミノ酸であるので好ましい。さらに、アラニンは、しばしば、埋もれた位置および露出した位置の両方において見出される(Creighton、The Proteins、(W.H.Freeman & Co.、N.Y.);Chothia,J.Mol.Biol.、150:1(1976))。アラニン置換が、十分な量の改変体を生じない場合、等比体積のアミノ酸が使用され得る。
本明細書中で規定される場合、24P4C12改変体、アナログ、またはホモログは、図3のアミノ酸配列を有する24P4C12タンパク質と「交叉反応性」である少なくとも1つのエピトープを有するという特徴的な特性を有する。この文で使用される場合、「交叉反応性」は、24P4C12改変体に特異的に結合する抗体またはT細胞がまた、図3に示されるアミノ酸配列を有する24P4C12タンパク質に特異的に結合することを意味する。ポリペプチドは、出発24P4C12タンパク質に特異的に結合する抗体またはT細胞により認識され得るいかなるエピトープも含まない場合、図3に示すタンパク質の改変体でなくなる。当業者は、タンパク質を認識する抗体が、異なる大きさのエピトープに結合し、そして約4または5アミノ酸オーダーの一群(連続していようとしていまいと)が、最小エピトープにおける代表的な数のアミノ酸とみなされることを理解する。例えば、Nairら、J.Immunol 2000 165(12):6949−6955;Hebbesら、Mol Immunol(1989)26(9):865−73;Schwartzら、J Immunol(1985)135(4):2598−608を参照のこと。
他のクラスの24P4C12関連タンパク質改変体は、図3のアミノ酸配列またはそのフラグメントと、70%、75%、80%、85%、または90%以上の類似性を共有する。別の特定のクラスの24P4C12タンパク質改変体またはアナログは、本明細書中に記載されるかまたは当該分野で現在公知の24P4C12の生物学的モチーフの1つ以上を含む。従って、最初のフラグメントと比較して変更された機能的(例えば、免疫原性)特性を有する24P4C12フラグメント(核酸またはアミノ酸)のアナログは、本発明に包含される。現在当該分野の一部であるかまたは当該分野の一部となるモチーフが図2または図3の核酸配列またはアミノ酸配列に適用されることが理解される。
本明細書中で議論されるように、本発明の実施形態は、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の全長未満のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。例えば、本発明の代表的な実施形態は、図2または図3に示される24P4C12タンパク質の任意の4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ以上の連続するアミノ酸を有するペプチド/タンパク質を含む。
さらに、本明細書中に開示される本発明の代表的な実施形態は、24P4C12アミノ酸配列全体を通して、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約1〜アミノ酸約10からなるポリペプチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約10〜アミノ酸約20からなるポリペプチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約20〜アミノ酸約30からなるポリペプチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約30〜アミノ酸約40からなるポリペプチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約40〜アミノ酸約50からなるポリペプチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約50〜アミノ酸約60からなるポリペプチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約60〜アミノ酸約70からなるポリペプチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約70〜アミノ酸約80からなるポリペプチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約80〜アミノ酸約90からなるポリペプチド、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約90〜アミノ酸約100からなるポリペプチドなどを含む。さらに、図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸約1(または20または30または40など)〜アミノ酸約20(または130または140または150など)からなるポリペプチドが、本発明の実施形態である。この段落における開始位置および停止位置は、特定の位置およびその位置プラス5または残基マイナス5残基の位置をいうことが理解されるべきである。
24P4C12関連タンパク質は、標準的なペプチド合成技術を用いてかまたは当該分野で周知の化学切断方法を用いて生成される。あるいは、組み換え方法が、24P4C12関連タンパク質をコードする核酸分子を生成するのに使用され得る。1つの実施形態において、核酸分子は、24P4C12タンパク質(またはその改変体、ホモログ、またはアナログ)の規定されたフラグメントを生成する手段を提供する。
(III.A.)モチーフ保有タンパク質の実施形態)
本明細書中に開示される本発明のさらなる例示の実施形態は、図2または図3に示される24P4C12ポリペプチド配列中に含まれる1つ以上の生物学的モチーフのアミノ酸残基を含む24P4C12ポリペプチドを包含する。種々のモチーフが当該分野で公知であり、そしてタンパク質は、多くの公に利用可能なインターネットサイト(例えば、URLアドレス:pfam.wustl.edu/;searchlauncher.bcm.tmc.edu/seq−search/struc−predict.html;psort.ims.u−tokyo.ac.jp/;cbs.dtu.dk/;ebi.ac.uk/interpro/scan.html;expasy.ch/tools/scnpsit1.html;EpimatrixTMおよびEpimerTM、Brown University、brown.edu/Research/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.html;およびBIMAS、bimas.dcrt.nih.gov/を参照のこと)により、このようなモチーフの存在について評価され得る。
すべての24P4C12改変タンパク質の配列を保有するモチーフは、表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXにおいて示され、そして同定される。
表Vは、pfamサーチ(URLアドレスpfam.wustl.edu/を参照のこと)に基づくいくつかの頻繁に生じるモチーフを示す。表Vのカラムは、(1)モチーフ名の略称、(2)このモチーフファミリーの異なるメンバーの間で見出された同一性(%)、(3)モチーフ名または詳細、および(4)最も一般的な機能を列挙し;位置情報は、そのモチーフが位置に関連性がある場合に含まれる。
先に議論された1つ以上の24P4C12モチーフを含むポリペプチドは、先に議論された24P4C12モチーフが増殖調節不全に関連するという観察の観点で、および24P4C12が特定の癌で過剰発現されるという理由から、悪性の表現型の特異的な特徴を解明するのに有用である(例えば、表Iを参照のこと)。カゼインキナーゼII、cAMPおよびcamp依存性プロテインキナーゼ、ならびにプロテインキナーゼCは、例えば、悪性の表現型の発現に関連することが公知である酵素である(例えば、Chenら、Lab Invest.、78(2):165−174(1998);Gaiddonら、Endocrinology 136(10):4331−4338(1995);Hallら、Nucleic Acids Research 24(6):1119−1126(1996);Peterzielら、Oncogene 18(46):6322−6329(1999)、およびO’Brian、Oncol.Rep.5(2):305−309(1998)を参照のこと)。さらに、グリコシル化およびミリストイル化の両方は、癌および癌の進行にも関連するタンパク質修飾である(例えば、Dennisら、Biochem.Biophys.Acta 1473(1):21−34(1999);Rajuら、Exp.Cell Res.235(1):145−154(1997)を参照のこと)。アミド化は、癌および癌の進行にも関連する別のタンパク質修飾である(例えば、Trestonら、J.Natl.Cancer Inst.Mon
ogr.(13):169−175(1992)を参照のこと)。
別の実施形態において、本発明のタンパク質は、当該分野で認知された方法に従って同定された1つ以上の免疫反応性エピトープ(例えば、表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXに示されるペプチド)を含む。CTLエピトープは、特定のHLA対立遺伝子に最適に結合し得る24P4C12タンパク質中のペプチドを同定するための特定のアルゴリズムを用いて決定され得る(例えば、表IV:EpimatrixTMおよびEpimerTM、Brown University、URL brown.edu/Research/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.html;およびBIMAS、URL bimas.dcrt.nih.gov/)。さらに、HLA分子に対して十分な結合親和性を有し、そして免疫原性エピトープであることに関連するペプチドを同定するためのプロセスが当該分野で周知であり、そして過度の実験を行うことなく実施される。さらに、免疫原性エピトープであるペプチドを同定するためのプロセスが、当該分野で周知であり、そしてインビトロまたはインビボのいずれかで、過度の実験を行わずに実施される。
免疫原性を調節するために、このようなエピトープのアナログを作製するための原理もまた、当該分野で公知である。例えば、当業者は、CTLまたはHTLモチーフ(例えば、表IVのHLAクラスIおよびHLAクラスIIモチーフ/スーパーモチーフを参照のこと)を有するエピトープを用いて開始する。このエピトープは、特定の位置のうちの1つのアミノ酸を置換し、そしてそれをその位置のために特定された別のアミノ酸で置き換えることにより、アナログを作製される。例えば、表IVに規定される残基に基づき、当業者は、任意の他の残基(例えば、優先性の残基)に有利となるように、有害な残基を置換し得る;優先性の低い残基を、優先性の残基で置換するか;または最初から存在する優先性の残基を、別の優先性の残基で置換し得る。置換は、ペプチド中の主要なアンカー位置または他の位置で生じ得る;例えば、表IVを参照のこと。
種々の参考文献は、目的のタンパク質およびそのアナログにおけるエピトープの同定および生成に関する技術を反映している。例えば、Chesnutらに対するWO97/33602;Sette、Immunogenetics 1999 50(3−4):201−212;Setteら、J.Immunol.2001 166(2):1389−1397;Sidneyら、Hum.Immunol.1997 58(1):12−20;Kondoら、Immunogenetics 1997 45(4):249−258;Sidneyら、J.Immunol.1996 157(8):3480−90;およびFalkら、Nature 351:290−6(1991);Huntら、Science 255:1261−3(1992);Parkerら、J.Immunol.149:3580−7(1992);Parkerら、J.Immunol.152:163−75(1994);Kastら、1994 152(8):3904−12;Borras−Cuestaら、Hum.Immunol.2000 61(3):266−278;Alexanderら、J.Immunol.2000 164(3);164(3):1625−1633;Alexanderら、PMID:7895164、UI:95202582;O’Sullivanら、J.Immunol.1991 147(8):2663−2669;Alexanderら、Immunity 1994 1(9):751−761、およびAlexanderら、Immunol.Res.1998 18(2):79−92を参照のこと。
本発明の関連の実施形態は、表VIに示される異なるモチーフ、ならびに/または表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXの1つ以上の推定CTLエピトープ、ならびに/または表XLVI〜XLIXの1つ以上の推定HTLエピトープ、ならびに/または当該分野で公知の1つ以上のT細胞結合モチーフの組み合わせを含むポリペプチドを包含する。好ましい実施形態は、このポリペプチドのモチーフ内または介在配列内のいずれにも、挿入、欠失、または置換を含まない。さらに、これらのモチーフのいずれかの側に、多くのN末端および/またはC末端アミノ酸残基のいずれかを含む実施形態が、望ましくあり得る(例えば、モチーフが位置するポリペプチド構造のより大きな部分を含むために)。代表的に、モチーフのいずれかの側のN末端および/またはC末端アミノ酸残基の数は、約1〜約100アミノ酸残基の間、好ましくは、5〜約50アミノ酸残基の間である。
24P4C12関連タンパク質は、多くの形態、好ましくは、単離された形態で具体化される。精製された24P4C12タンパク質分子は、抗体、T細胞または他のリガンドへの24P4C12の結合を害する、他のタンパク質または分子を、実質的に含まない。
単離および精製の性質および程度は、意図される用途に依存する。24P4C12関連タンパク質の実施形態は、精製された24P4C12関連タンパク質、および機能的な可溶性24P4C12関連タンパク質を含む。1つの実施形態において、機能的な可溶性24P4C12タンパク質またはそのフラグメントは、抗体、T細胞または他のリガンドによって結合される能力を維持する。
本発明はまた、図2または図3に示される24P4C12アミノ酸配列の生物学的に活性なフラグメントを含む24P4C12タンパク質を提供する。このようなタンパク質は、以下のような出発24P4C12タンパク質の特性を示す:出発24P4C12タンパク質に関連するエピトープに特異的に結合する抗体の産生を誘発する能力;このような抗体に結合される能力;HTLまたはCTLの活性化を誘発する能力;ならびに/あるいは、この出発タンパク質にもまた特異的に結合するHTLまたはCTLによって認識される能力。
特定の興味深い構造を含む24P4C12関連ポリペプチドは、当該分野で周知の種々の分析技術(例えば、Chou−Fasman、Garnier−Robson、Kyte−Doolittle、Eisenberg、Karplus−SchultzまたはJameson−Wolf分析の方法が挙げられる)を使用してかまたは免疫原性に基づいて、予測および/または同定され得る。このような構造を含むフラグメントは、サブユニット特異的な抗24P4C12抗体またはT細胞の作製において、あるいは、24P4C12に結合する細胞因子の同定において特に有用である。例えば、親水性プロフィールが作製され得、そして免疫原性ペプチドフラグメントは、Hopp,T.P.およびWoods,K.R.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A.78:3824−3828の方法を使用して、同定され得る。ヒドロパシー(hydropathicity)プロフィールが作製され得、そして免疫原性ペプチドフラグメントは、Kyte,J.およびDoolittle,R.F.,1982,J.Mol.Biol.157:105−132の方法を使用して、同定され得る。接近可能残基の%のプロフィールが作製され得、そして、免疫原性ペプチドフラグメントは、Janin J.,1979,Nature 277:491−492の方法を使用して、同定され得る。
平均可撓性プロフィールが作製され得、そしてBhaskaran R.,Ponnuswamy P.K.,1988,Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255の方法を使用して、免疫原性ペプチドフラグメントが同定され得る。β−ターンプロフィールが作製され得、そして免疫原性ペプチドフラグメントは、Deleage,G.,Roux B.,1987,Protein Engineering 1:289−294の方法を使用して、同定され得る。
CTLエピトープは、指定されたHLA対立遺伝子に必要に応じて結合し得る24P4C12タンパク質内のポリペプチドを同定するために、特定のアルゴリズムを使用して(例えば、World Wide Web URL syfpeithi.bmi−heidelberg.com/のSYFPEITHIサイト;表IV(A)〜(E)の表;EpimatrixTMおよびEpimerTM、Brown University,URL(World Wide Web URL brown.edu/Research/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.html);ならびに、BIMAS,URL bimas.dcrt.nih.gov/を使用することによって)決定され得る。これを例示すると、ヒトMHCクラスI分子の状況において示される24P4C12由来のペプチドエピトープ(例えば、HLA−A1、A2、A3、A11、A24、B7およびB35)が、予測された(例えば、表VIII〜XXI、XXII〜XLIXを参照のこと)。具体的には、24P4C12タンパク質の完全なアミノ酸配列および他の改変体の関連部分(すなわち、HLAクラスIの予測については、この改変体に対応する点変異またはエキソン接合部のいずれかの側に位置する9隣接残基、およびHLAクラスIIの予測については、点変異またはエキソン結合部のいずれかの側に位置する14隣接残基)を、上記のBioinformatics and Molecular Analysis Section(BIMAS)ウェブサイト(URL syfpeithi.bmi−heidelberg.com/のサイトSYFPEITHIに加えて)において見出されるHLA Peptide Motif Searchアルゴリズムに入力した。
このHLAペプチドモチーフ検索アルゴリズムは、HLAクラスI分子、特に、HLA−A2のグルーブにおける特定のペプチド配列の結合に基づいて、Dr.Ken Parkerによって開発された(例えば、Falkら、Nature 351:290−6(1991);Huntら、Science 255:1261−3(1992);Parkerら、J.Immunol.149:3580−7(1992);Parkerら、J.Immunol.152:163−75(1994)を参照のこと)。このアルゴリズムは、HLA−A2および他の多くのHLAクラスI分子への予測される結合についての完全なタンパク質配列から、8マー、9マー、および10マーのペプチドを位置決定およびランク付けすることを可能にする。多数のHLAクラスI結合ペプチドは、8マー、9マー、10マーまたは11マーである。例えば、クラスI HLA−A2について、エピトープは、好ましくは、2位においてロイシン(L)またはメチオニン(M)を含み、そしてC末端においてバリン(V)またはロイシン(L)を含む(例えば、Parkerら、J.Immunol.149:3580−7(1992)を参照のこと)。24P4C12予測結合ペプチドの選択結果は、本明細書中の表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXに示される。表VIII〜XXIおよびXXII〜XLVIIにおいて、各ファミリーメンバーに対して選択される候補物である9マーおよび10マーが、それらの位置、各特定のペプチドのアミノ酸配列、および推定結合スコアとともに示される。表XLVI〜XLIXにおいて、各ファミリーメンバーに対して選択される候補物である15マーが、それらの位置、各特定のペプチドのアミノ酸配列、および推定結合スコアとともに示される。この結合スコアは、37℃、pH6.5においてペプチドを含む複合体の解離の推定半減期に対応する。最も高い結合スコアを有するペプチドは、最良の期間にわたって、細胞表面上でHLAクラスIに最も密接して結合され、そしてT細胞認識のための最良の免疫原性標的を示すと予測される。
HLA対立遺伝子へのペプチドの実際の結合は、抗原プロセシング欠損細胞株T2上でのHLA発現を安定化させることによって評価され得る(例えば、Xueら、Prostate 30:73−8(1997)およびPeshwaら、Prostate 36:129−38(1998)を参照のこと)。特定のペプチドの免疫原性は、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)の存在下におけるCD+8細胞障害性Tリンパ球(CTL)を刺激することによって、インビトロで評価され得る。
BIMASサイト、EpimerTMサイトおよびEpimatrixTMサイトによって予測されるか、あるいは当該分野で利用可能であるかまたは表IVに示されるような分野の一部である、HLAクラスIモチーフまたはHLAクラスIIモチーフによって指定される(あるいは、World Wide Web site URL syfpeithi.bmi−heidelberg.com/またはBIMAS,bimas.dcrt.nih.gov/を使用して決定される)、全てのエピトープは、本発明に従って、24P4C12タンパク質に「適用」されることが理解される。この文脈において使用される場合、「適用される」とは、例えば、可視によってかまたは当業者によって理解されるような、コンピューターベースのパターン認定方法によって、24P4C12タンパク質が評価されることを意味する。HLAクラスIモチーフを保有する、8、9、10もしくは11のアミノ酸残基の24P4C12タンパク質の全ての部分配列、またはHLAクラスIIモチーフを保有する9アミノ酸残基以上の部分配列は、本発明の範囲内である。
(III.B.)24P4C12関連タンパク質の発現)
以下の実施例において記載される実施形態において、24P4C12は、市販の発現ベクター(例えば、C末端6×HisおよびMYCタグ(pcDNA3.1/mycHIS,InvitrogenまたはTag5,GenHunter Corporation,Nashville TN)を用いて24P4C12をコードする、CMV駆動発現ベクター)でトランスフェクトした細胞(例えば、293T細胞)中で簡便に発現され得る。Tag5ベクターは、IgGK分泌シグナルを提供し、このシグナルを使用して、トランスフェクト細胞中の分泌される24P4C12タンパク質の生成を容易にし得る。培養培地中の分泌されたHISタグ化24P4C12は、例えば、標準技術を使用するニッケルカラムを使用して、精製され得る。
(III.C.)24P4C12関連タンパク質の改変)
24P4C12関連タンパク質の改変(例えば、共有結合的改変)は、本発明の範囲内に含まれる。共有結合的改変の1つの型は、24P4C12ポリペプチドの標的化アミノ酸残基を、有機誘導体化因子(これは、24P4C12タンパク質の選択される側鎖残基またはN末端もしくはC末端の残基と反応し得る)と反応させることを包含する。本発明の範囲内に含まれる24P4C12ポリペプチドの共有結合的改変の別の型は、本発明のタンパク質のネイティブなグリコシル化パターンを変化させることを包含する。24P4C12の共有結合的改変の別の型は、24P4C12ポリペプチドを、種々の非タンパク様ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレン)のうちの1つに、米国特許第4,640,835号;同第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第号4,791,192号;または同第4,179,337号に示される様式で連結させることを包含する。
本発明の24P4C12関連タンパク質はまた、キメラ分子を形成するように改変され得、このキメラ分子は、別の異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列に融合された24P4C12を含む。このようなキメラ分子は、化学的にかまたは組換え的に、合成され得る。
キメラ分子は、別の腫瘍関連抗原またはそのフラグメントに融合された本発明のタンパク質を有し得る。あるいは、本発明に従うタンパク質は、24P4C12配列のフラグメントの融合体(アミノ酸または核酸)を含み得、その結果、その長さにわたって、図2または図3に示されるアミノ酸配列または核酸配列に直接的に相同でない分子が作製される。
このようなキメラ分子は、24P4C12の複数の同じ部分配列を含み得る。キメラ分子は、24P4C12関連タンパク質の、ポリヒスチジンエピトープタグとの融合体を含み得、これは、固定化されたニッケルが選択的に結合し得るエピトープに、サイトカインまたは増殖因子を提供する。エピトープタグは、一般に、24P4C12タンパク質のアミノ末端またはカルボキシル末端に配置される。代替の実施形態において、キメラ分子は、24P4C12関連タンパク質の、免疫グロブリンまたは免疫グロブリンの特定の領域との融合体を含み得る。二価の形態のキメラ分子(「免疫接着因子(immunoadhesin)とも呼ばれる」)について、このような融合体は、IgG分子のFc領域に対するものであり得る。このIg融合体は、好ましくは、Ig分子内の少なくとも1つの可変領域に代わる、可溶性(膜貫通ドメインを欠失または不活性化した)形態の24P4C12ポリペプチドでの置換を含む。好ましい実施形態において、免疫グロブリン融合体は、IgGI分子のヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域、またはヒンジ領域、CH1領域、CH2領域およびCH3領域を含む。免疫グロブリン融合体の産生については、例えば、米国特許第5,428,130号(1995年6月27日発行)を参照のこと。
(III.D.)24P4C12関連タンパク質の用途)
本発明のタンパク質は、多くの異なる特定の用途を有する。24P4C12が前立腺癌および他の癌において高度に発現される場合、24P4C12関連タンパク質は、癌組織に対して、正常な24P4C12遺伝子産物の状態を評価する方法において使用され、それによって悪性表現型が明らかになる。代表的には、24P4C12タンパク質の特定の領域由来のポリペプチドが、それらの領域(例えば、1つ以上のモチーフを含む領域)における摂動(例えば、欠失、挿入、点変異など)の存在を評価するために使用される。例示的なアッセイは、癌性組織に対して正常な領域の特徴を評価するか、またはエピトープに対する免疫応答を惹起させるために、抗体、または24P4C12ポリペプチド配列に含まれる1つ以上の生物学的モチーフのアミノ酸残基を含むT細胞標的化24P4C12関連タンパク質を用いる。あるいは、24P4C12タンパク質において1つ以上の生物学的モチーフのアミノ酸残基を含む24P4C12関連タンパク質を使用して、24P4C12の領域と相互作用する因子についてスクリーニングする。
24P4C12タンパク質フラグメント/部分配列は、ドメイン特異的抗体(例えば、24P4C12タンパク質の細胞外エピトープまたは細胞内エピトープを認識する抗体)を作製しそして特徴付ける際に、24P4C12またはその特定の構造ドメインに結合する薬剤または細胞因子を同定するために、そして種々の治療状況および診断状況(診断アッセイ、癌ワクチンおよびこのようなワクチンを調製する方法が挙げられるがこれらの限定されない)において、特に有用である。
24P4C12遺伝子によってコードされるタンパク質、またはそれらのアナログ、ホモログもしくはフラグメントによってコードされるタンパク質は、種々の用途を有し、これらの用途としては、抗体の作製、ならびに24P4C12遺伝子産物に結合する、リガンドおよび他の薬剤および細胞構築物を同定するための方法が挙げられるがこれらに限定されない。24P4C12タンパク質またはそのフラグメントに対して惹起される抗体は、診断アッセイおよび予後アッセイ、ならびに24P4C12タンパク質の発現によって特徴付けられるヒト癌(例えば、表Iに列挙されるような癌)の管理における画像化方法に有用である。このような抗体は、細胞内で発現され得、そしてこのような癌を有する患者を処置する方法において使用され得る。24P4C12関連核酸または24P4C12関連タンパク質はまた、HTL応答またはCTL応答を生じさせる際に使用される。
24P4C12タンパク質を検出するために有用な種々の免疫学的アッセイが、使用され、これらのアッセイとしては、種々の型の放射免疫アッセイ、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、酵素結合免疫蛍光アッセイ(ELIFA)、免疫細胞化学方法などが挙げられるがこれらに限定されない。抗体は、24P4C12発現細胞を検出し得る免疫学的画像化試薬として(例えば、放射性核種(radioscintigraphic)画像化方法において)、標識および使用され得る。24P4C12タンパク質はまた、本明細書中でさらに記載されるように、癌ワクチンを作製する際に、特に有用である。
(IV.)24P4C12抗体)
本発明の別の局面は、24P4C12関連タンパク質に結合する抗体を提供する。好ましい抗体は、24P4C12関連タンパク質に特異的に結合し、そして24P4C12関連タンパク質ではないペプチドまたはタンパク質には結合しない(または弱く結合する)。例えば、24P4C12に結合する抗体は、24P4C12関連タンパク質(例えば、それらのホモログまたはアナログ)に結合し得る。
本発明の24P4C12抗体は、癌(例えば、表Iを参照のこと)の診断アッセイおよび予後アッセイ、および画像化方法論において、特に有用である。同様に、このような抗体は、24P4C12がまた、これらの他の癌において発現されるかまたは過剰に発現される程度まで、他の癌を処置、診断および/または予後診断する際に有用である。さらに、細胞内で発現される抗体(例えば、一本鎖抗体)は、24P4C12の発現が関与する癌(例えば、進行性または転移性の前立腺癌)の処置において、治療学的に有用である。
本発明はまた、24P4C12タンパク質および変異24P4C12関連タンパク質の検出および定量化のために有用な種々の免疫学的アッセイを提供する。このようなアッセイは、適切な場合、24P4C12関連タンパク質を認識および結合し得る、1種以上の24P4C12抗体を含み得る。これらのアッセイは、当該分野で周知の種々の免疫学的アッセイ様式の範囲内で実施され得、これらのアッセイとしては、種々の型の放射免疫アッセイ、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、酵素結合免疫蛍光アッセイ(ELIFA)などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の免疫学的非抗体アッセイはまた、T細胞免疫原性アッセイ(阻害性または刺激性)ならびに主要組織適合複合体(MHC)結合アッセイも含む。
さらに、24P4C12を発現する前立腺癌および他の癌を検出し得る免疫学的画像化方法もまた、本発明によって提供され、これらとしては、標識された24P4C12抗体を使用する、放射性核種画像化方法が挙げられるがこれらに限定されない。このようなアッセイは、24P4C12を発現する癌(例えば、前立腺癌)の検出、モニタリング、および予後診断において、臨床学的に有用である。
24P4C12抗体はまた、24P4C12関連タンパク質を精製するための方法、ならびに24P4C12ホモログおよび24P4C12関連分子を単離するための方法において使用され得る。例えば、24P4C12関連タンパク質を精製する方法は、以下の工程を包含する:固体マトリクスに結合している24P4C12抗体を、溶解物または24P4C12関連タンパク質を含有する他の溶液とともに、24P4C12抗体が24P4C12関連タンパク質に結合することが可能な条件下でインキュベートする工程;この固体マトリクスを洗浄して、不純物を取り除く工程;ならびに、結合している抗体から、24P4C12関連タンパク質を溶出する工程。本発明に従う、24P4C12抗体の他の用途としては、24P4C12タンパク質を模倣する抗イディオタイプ抗体を作製することが挙げられる。
抗体を調製するための種々の方法が、当該分野で周知である。例えば、抗体は、24P4C12関連タンパク質、ペプチド、またはフラグメントを使用して、適切な哺乳動物宿主を免疫することによって、単離形態または免疫結合体化形態で、調製され得る(Antibodies:A Laboratory Manual,CSH Press,編,Harlow,and Lane(1988);Harlow,Antibodies,Cold Spring Harbor Press,NY(1989))。さらに、24P4C12 GST融合タンパク質のような24P4C12融合タンパク質もまた、使用され得る。特定の実施形態において、図2または図3のアミノ酸配列の全てまたは大部分を含むGST融合タンパク質が生成され、次いで、これを免疫原として使用して、適切な抗体を作製する。別の実施形態において、24P4C12関連タンパク質が合成され、そして免疫原として使用される。
さらに、当該分野で公知の裸のDNA免疫技術が使用され(精製された24P4C12関連タンパク質または24P4C12発現細胞を用いてかまたは用いずに)、そのコードされた免疫原に対する免疫応答を生じる(総説としては、Donnellyら、1997,Ann.Rev.Immunol.15:617−648を参照のこと)。
図2または図3に示される24P4C12タンパク質のアミノ酸配列を分析して抗体を作製するための、24P4C12タンパク質の特定の領域を選択し得る。例えば、24P4C12アミノ酸配列の疎水性分析および親水性分析を使用して、24P4C12構造における親水性領域を同定する。免疫原構造を示す24P4C12タンパク質の領域、ならびに他の領域およびドメインは、当該分野で公知の種々の他の方法(例えば、Chou−Fasman、Garnier−Robson、Kyte−Doolittle、Eisenberg、Karplus−SchultzまたはJameson−Wolf分析)を使用して、容易に同定され得る。親水性プロフィールは、Hopp,T.P.およびWoods,K.R.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828の方法を使用して、産生され得る。ヒドロパシープロフィールは、Kyte,J.およびDoolittle,R.F.,1982,J.Mol.Biol.157:105−132の方法を使用して、産生され得る。アクセス可能なパーセント(%)残基プロフィールは、Janin J.,1979,Nature 277:491−492の方法を使用して、産生され得る。平均可撓性プロフィールは、Bhaskaran R.,Ponnuswamy P.K.,1988,Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255の方法を使用して、産生され得る。βターンプロフィールは、Deleage,G.,Roux B.,1987,Protein Engineering 1:289−294の方法を使用して、産生され得る。
従って、これらのプログラムまたは方法のいずれかによって同定される各領域は、本発明の範囲内である。24P4C12抗体を作製するための方法は、本明細書中で提供される実施例によって、さらに例示される。免疫原として使用するためのタンパク質またはポリペプチドを調製するための方法は、当該分野で周知である。キャリア(例えば、BSK、KLHまたは他のキャリアタンパク質)とタンパク質との免疫原性結合体を調製するための方法もまた、当該分野で周知である。いくつかの状況において、例えば、カルボジイミド試薬を使用する直接的結合体化が使用され;他の例においては、Pierce Chemical Co.,Rockford,ILによって供給される結合試薬が有効である。24P4C12免疫原の投与は、当該分野で理解されるように、多くの場合、適切な期間にわたって、適切なアジュバントを使用して注射することによって、行われる。免疫スケジュールの間、抗体の力価を収集して、抗体形成の妥当性を決定し得る。
24P4C12モノクローナル抗体は、当該分野で周知の種々の手段によって生成され得る。例えば、所望のモノクローナル抗体を分泌する不死化細胞株は、KohlerおよびMilsteinの標準的なハイブリドーマ技術、または一般に公知のように、抗体産生B細胞を不死化する改変を使用して、調製される。所望の抗体を分泌する不死化細胞株は、免疫アッセイによってスクリーニングされる(このアッセイにおいて、抗原は、24P4C12関連タンパク質である)。適切な不死化細胞培養物が同定される場合、この細胞が拡大され得、そしてインビトロ培養物または腹水のいずれかから、抗体が生成され得る。
本発明の抗体またはフラグメントはまた、組換え手段によっても生成され得る。24P4C12タンパク質の所望の領域に特異的に結合する領域はまた、複数の種起源のキメラ抗体または相補性決定領域(CDR)グラフト化(grafted)抗体の状況下で産生され得る。ヒト化24P4C12抗体またはヒト24P4C12抗体もまた産生され得、そして治療的状況下での使用のために好ましい。1つ以上の非ヒト抗体CDRを、対応するヒト抗体配列と置換することによる、マウス抗体および他の非ヒト抗体をヒト化するための方法は、周知である(例えば、Jonesら、1986、Nature 321:522−525;Riechmannら、1988、Nature 332:323−327;Verhoeyenら、1988、Science 239:1534−1536を参照のこと)。Carterら、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4285、およびSimsら、1993、J.Immunol.151:2296もまた参照のこと。
完全なヒトモノクローナル抗体を産生するための方法としては、ファージディスプレイ方法およびトランスジェニック方法が挙げられる(概要については、Vaughanら、1998、Nature Biotechnology 16:535−539を参照のこと)。完全なヒト24P4C12モノクローナル抗体は、大きいヒトIg遺伝子コンビナトリアルライブラリー(すなわち、ファージディスプレイ)を使用するクローニング技術を使用して生成され得る(Protein Engineering of Antibody Molecules for Prophylactic and Therapeutic Applications(Man.Clark,M.編)、Nottingham Academic、45−64頁(1993)のGriffithsおよびHoogenboom、Building an in vitro immune
system:human antibodies from phage display libraries;BurtonおよびBarbas、Human Antibodies from combinatorial libraries(同書)65−82頁)。完全なヒト24P4C12モノクローナル抗体はまた、1997年12月3日公開のPCT特許出願WO98/24893(KucherlapatiおよびJakobovitsら)に記載されるように、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むように操作されたトランスジェニックマウスを使用して産生され得る(Jakobovits、1998、Exp.Opin.Invest.Drugs 7(4):607−614;米国特許第6,162,963号(2000年12月19日発行);米国特許第6,150,584号(2000年11月12日発行);および米国特許第6,114,598号(2000年9月5日発行)もまた参照のこと)。この方法は、ファージディスプレイ技術に必要とされるインビトロ操作を回避し、そして高い親和性の真正ヒト抗体を効率的に産生する。
24P4C12抗体の24P4C12関連タンパク質との反応性は、多数の周知方法によって確立され得、これらの方法としては、適切な場合、24P4C12関連タンパク質、24P4C12発現細胞またはそれらの抽出物を使用する、ウェスタンブロット、免疫沈降、ELISA、およびFACS分析が挙げられるがこれらに限定されない。24P4C12抗体またはそれらのフラグメントは、検出可能なマーカーで標識され得るか、または第二の分子に結合体化され得る。適切な検出可能なマーカーとしては、放射性同位体、蛍光化合物、生物発光化合物、化学発光化合物、金属キレート剤または酵素が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、2つ以上の24P4C12エピトープに特異的な二重特異性(bi−specific)抗体が、当該分野で一般に公知の方法を使用して、作製される。ホモダイマー抗体もまた、当該分野で公知の架橋技術によって、作製され得る(例えば、Wolffら、Cancer Res.53:2560−2565)。
(V.)24P4C12細胞免疫応答)
T細胞が抗原を認識する機構は、解明されている。本発明の有効なペプチドエピトープワクチン組成物は、世界中の集団の非常に広範な区分において治療的免疫応答または予防的免疫応答を誘導する。細胞免疫応答を誘導する本発明の組成物の価値および効力の理解のために、免疫学関連技術の簡単な総説を示す。
HLA分子とペプチド抗原との複合体は、HLA拘束T細胞によって認識されるリガンドとして作用する(Buus,Sら、Cell 47:1071,1986;Babbitt,B.P.ら,Nature 317:359,1985;Townsend,A.およびBodmer,H.,Annu.Rev.Immunol.7:601,1989;Germain,R.N.,Annu.Rev.Immunol.11:403,1993)。単一のアミノ酸が置換された抗原アナログおよび内因性結合した天然でプロセシングされたペプチドの配列決定の研究を通して、HLA抗原分子への特異的結合に必要なモチーフに対応する重要な残基が、同定されており、表IVに記載される(例えば、Southwoodら、J.Immunol.160:3363,1998;Rammenseeら、Immunogenetics 41:178,1995;Rammenseeら、SYFPEITHI(World Wide Webを介してURL 134.2.96.221/scripts.hlaserver.dll/home.htmにアクセスのこと);Sette,A.およびSidney,J.Curr.Opin.Immunol.10:478,1998;Engelhard,V.H.,Curr.Opin.Immunol.6:13,1994;Sette,A.およびGrey,H.M.,Curr.Opin.Immunol.4:79,1992;Sinigaglia,F.およびHammer,J.Curr.Biol.6:52,1994;Ruppertら、Cell 74:929−937,1993;Kondoら、J.Immunol.155:4307−4312,1995;Sidneyら、J.Immunol.157:3480−3490,1996;Sidneyら、Human Immunol.45:79−93,1996;Sette,A.およびSidney,J.Immunogenetics 1999 Nov;50(3−4):201−12、総説を参照のこと)。
さらに、HLA−ペプチド複合体のX線結晶学的分析は、対立遺伝子特異的様式においてペプチドリガンドにより保有される残基を収容するHLA分子のペプチド結合間隙/溝部内のポケットを明らかにし;次いで、これらの残基は、この残基が存在するペプチドのHLA結合能を決定する(例えば、Madden,D.R.Annu.Rev.Immunol.13:587,1995;Smithら、Immunity 4:203,1996;Fremontら、Immunity 8:305,1998;Sternら、Structure 2:245,1994;Jones,E.Y.Curr.Opin.Immunol.9:75,1997;Brown,J.H.ら、Nature 364:33,1993;Guo,H.C.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8053,1993;Guo,H.C.ら、Nature 360:364,1992;Silver,M.L.ら、Nature 360:367,1992;Matsumura,M.ら、Science 257:927,1992;Maddenら、Cell 70:1035,1992;Fremont,D.H.ら、Science 257:919,1992;Saper,M.A,Bjorkman,P.J.およびWiley,D.C.,J.Mol.Biol.219:277,1991を参照のこと)。
従って、クラスIおよびクラスIの対立遺伝子特異的HLA結合モチーフ、またはクラスIもしくはクラスIIのスーパーモチーフの定義は、特定のHLA抗原への結合と関連するタンパク質内の領域の同定を可能にする。
従って、HLAモチーフの同定プロセスによって、エピトープベースのワクチンの候補が、同定されている;このような候補は、エピトープとその対応するHLA分子との会合の結合親和性および/または期間を決定するために、HLA−ペプチド結合アッセイによりさらに評価され得る。これらのワクチン候補の中から、集団適用範囲および/または免疫原性の観点で好ましい特徴を有するエピトープを選択するために、さらなる確証実験が行われ得る。
種々のストラテジーが、細胞免疫原性を評価するために使用され得、これには以下が挙げられる:
1)正常な個体由来の一次T細胞培養物の評価(例えば、Wentworth,P.A.ら,Mol,Immunol.32:603,1995;Celis,E.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:2105,1994;Tsai,V.ら、J.Immunol.158:1796,1997;Kawashima,I.ら、Human Immunol.59:1,1998を参照のこと)。この手順は、抗原提示細胞の存在下で、インビトロで数週間の期間にわたって、正常な被験体由来の末梢血リンパ球(PBL)を試験ペプチドで刺激することを包含する。このペプチドに特異的なT細胞は、この時間の間に活性化され、そして例えば、ペプチドで感作された標的細胞を含むリンホカイン放出アッセイまたは51Cr放出アッセイを使用して、検出される。
2)HLAトランスジェニックマウスの免疫処置(例えば、Wentworth,P.Aら、J.Immunol.26:97,1996;Wentworth,P.A.ら、Int.Immunol.8:651,1996;Alexander,J.ら、J.Immunol.159:4753,1997を参照のこと)。例えば、このような方法において、不完全フロイントアジュバント中のペプチドが、HLAトランスジェニックマウスに皮下投与される。免疫処置の数週間後、脾細胞が取り出され、そして試験ペプチドの存在下で、約1週間インビトロで培養される。ペプチド特異的T細胞は、例えば、ペプチドで感作された標的細胞および内因的に生成された抗原を発現する標的細胞を含む、51Cr放出アッセイを使用して、検出される。
3)効果的にワクチン接種された免疫個体および/または慢性的に病気の患者のいずれか由来のリコールT細胞応答の証明(例えば、Rehermann,B.ら、J.Exp.Med.181:1047,1995;Doolan,D.L.ら、Immunity 7:97,1997;Bertoni,R.ら、J.Clin.Invest.100:503,1997;Threlkeld,S.C.ら、J.Immunol.159:1648,1997;Diepolder,H.M.ら、J.Virol.71:6011,1997を参照のこと)。従って、リコール応答は、疾患に起因して抗原に曝露され、従って「自然に」免疫応答を生成した被験体由来のPBL、または抗原に対してワクチン接種された患者由来のPBLを培養することによって、検出される。被験体由来のPBLは、試験ペプチド+抗原提示細胞(APC)の存在下で1〜2週間、インビトロで培養され、「未刺激」T細胞と比較して「記憶」T細胞の活性化を可能にする。この培養期間の最後に、T細胞活性が、ペプチドで感作した標的を含む51Cr放出、T細胞増殖またはリンホカイン放出を含むアッセイを使用して、検出される。
(VI.)24P4C12トランスジェニック動物)
24P4C12関連タンパク質をコードする核酸はまた、トランスジェニック動物または「ノックアウト」動物のいずれかを作製するために使用され得、この動物は、次いで、治療的に有用な試薬の開発およびスクリーニングにおいて有用である。確立された技術によって、24P4C12をコードするcDNAが、24P4C12をコードするゲノムDNAをクローン化するために使用され得る。次いで、このクローン化されたゲノム配列は、24P4C12をコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を作製するために使用され得る。トランスジェニック動物(特に、マウスまたはラットのような動物)を作製するための方法は、当該分野で慣習的になっており、そして例えば、米国特許第4,736,866号(1988年4月12日発行)および同第4,870,009号(1989年9月26日発行)において記載されている。代表的には、特定の細胞が、組織特異的エンハンサーを用いる24P4C12導入遺伝子組込みのために標的化される。
24P4C12をコードする1コピーの導入遺伝子を含むトランスジェニック動物は、24P4C12をコードするDNAの発現を増加する効果を試験するために使用され得る。このような動物は、例えば、その過剰発現に関連する病理学的状態からの防御を付与すると考えられる試薬についてのテスター動物として使用され得る。本発明のこの局面によると、動物は、試薬で処置され、そしてこの導入遺伝子を有する未処置の動物と比較して減少した病理学的状態の発生率は、この病理学的状態に対する潜在的な治療的介入を示す。
あるいは、24P4C12の非ヒトホモログは、24P4C12「ノックアウト」動物を構築するために使用され得、この24P4C12「ノックアウト」動物は、24P4C12をコードする内在性遺伝子と、この動物の胚性細胞に導入された24P4C12をコードする変化したゲノムDNAとの間の相同組換えの結果として、24P4C12をコードする欠損遺伝子または変化した遺伝子を有する。例えば、24P4C12をコードするcDNAは、確立された技術に従って、24P4C12をコードするゲノムDNAをクローン化するために使用され得る。24P4C12をコードするゲノムDNAの一部は、欠失され得るか、または別の遺伝子(例えば、組込みをモニタリングするために使用され得る選択マーカーをコードする遺伝子)で置換され得る。代表的には、数キロベースの変化していない隣接DNA(5’末端と3’末端との両方)が、ベクター中に含まれる(例えば、相同組換えベクターの説明については、ThomasおよびCapecchi,Cell,51:503(1987)を参照のこと)。このベクターは、胚性幹細胞株に(例えば、エレクトロポレーションによって)導入され、そしてこの導入されたDNAが内因性DNAと相同組換えされた細胞が、選択される(例えば、Liら、Cell,69:915(1992)を参照のこと)。ついで、この選択された細胞は、動物(例えば、マウスまたはラット)の胚盤胞に注入されて、凝集キメラが形成される(例えば、Bradley,Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approach,E.J.Robertson編(IRL,Oxford,1987),pp.113−152を参照のこと)。キメラ胚は、次いで、適切な偽妊娠雌性代理母動物に移植され得、そしてこの胚は、出産されて、「ノックアウト」動物が作製される。生殖細胞中に相同組換えされたDNAを有する子孫が、標準的な技術によって同定され得、そして全ての細胞が相同組み替えされたDNAを含む動物を育種させるために使用され得る。ノックアウト動物は、例えば、特定の病理学的状態に対して防御する能力について、または24P4C12ポリペプチドの非存在に起因する病理学的状態の発症について、特徴付けされ得る。
(VII.)24P4C12の検出方法)
本発明の別の局面は、24P4C12ポリヌクレオチドおよび24P4C12関連タンパク質を検出するための方法、ならびに24P4C12を発現する細胞を同定するための方法に関する。24P4C12の発現プロファイルは、24P4C12を、転移した疾患についての診断マーカーにする。従って、24P4C12遺伝子産物の状態は、進行した病期の疾患に対する感受性、進行速度および/または腫瘍の攻撃性を含む種々の因子を推定するために有用な情報を提供する。本明細書中で詳細に議論されるように、患者サンプル中の24P4C12遺伝子産物の状態が、当該分野で周知の種々のプロトコルによって分析され得、このプロトコルとしては、免疫組織化学分析、種々のノーザンブロット技術(インサイチュハイブリダイゼーションを含む)、RT−PCR分析(例えば、レーザー捕捉微小解剖サンプルについて)、ウェスタンブロット分析および組織アレイ分析が挙げられる。
より詳細には、本発明は、生物学的サンプル(例えば、血清、骨、前立腺および他の組織、尿、精液、細胞調製物など)中の24P4C12ポリヌクレオチドの検出のためのアッセイを提供する。検出可能な24P4C12ポリヌクレオチドとしては、例えば、24P4C12遺伝子またはそのフラグメント、24P4C12 mRNA、選択的スプライス改変体24P4C12 mRNA、および24P4C12ポリヌクレオチドを含む組換えDNA分子またはRNA分子が挙げられる。24P4C12ポリヌクレオチドを増幅し、そして/または24P4C12ポリヌクレオチドの存在を検出するための多数の方法が、当該分野で周知であり、本発明のこの局面の実施において用いられ得る。
一実施形態において、生物学的サンプル中の24P4C12 mRNAを検出するための方法は、少なくとも1つのプライマーを使用して、逆転写によりこのサンプルからcDNAを生成する工程;センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして24P4C12ポリヌクレオチドを使用して、このようにして生成されたcDNAを増幅して、その中の24P4C12 cDNAを増幅する工程;およびこの増幅された24P4C12 cDNAの存在を検出する工程、を包含する。必要に応じて、この増幅された24P4C12 cDNAの配列が、決定され得る。
別の実施形態において、生物学的サンプル中の24P4C12遺伝子を検出する方法は、第1に、このサンプルからゲノムDNAを単離する工程;センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとして24P4C12ポリヌクレオチドを使用して、この単離されたゲノムDNAを増幅する工程;およびこの増幅された24P4C12遺伝子の存在を検出する工程、を包含する。多数の適切なセンスプローブとアンチセンスプローブとの組合せが、24P4C12ヌクレオチド配列(例えば、図2を参照のこと)から設計され得、そしてこの目的のために使用され得る。
本発明はまた、組織または他の生物学的サンプル(例えば、血清、精液、骨、前立腺、尿、細胞調製物など)中の24P4C12タンパク質の存在を検出するためのアッセイを提供する。24P4C12関連タンパク質を検出するための方法もまた、周知であり、これには、例えば、免疫沈降、免疫組織化学分析、ウェスタンブロット分析、分子結合アッセイ、ELISA、ELIFAなどが挙げられる。例えば、生物学的サンプル中の24P4C12関連タンパク質の存在を検出する方法は、第1に、このサンプルと、24P4C12抗体、その24P4C12反応性フラグメント、または24P4C12抗体の抗原結合領域を含む組換えタンパク質とを接触させる工程;次いで、このサンプル中の24P4C12関連タンパク質の結合を検出する工程、を包含する。
24P4C12を発現する細胞を同定するための方法もまた、本発明の範囲内である。
一実施形態において、24P4C12遺伝子を発現する細胞を同定するためのアッセイは、この細胞中の24P4C12 mRNAの存在を検出する工程を包含する。細胞中の特定のmRNAを検出するための方法は、周知であり、そして例えば、相補的DNAプローブを使用するハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、標識された24P4C12リボプローブを使用するインサイチュハイブリダイゼーション、ノーザンブロットおよび関連の技術)、および種々の核酸増幅アッセイ(例えば、24P4C12に対して特異的な相補的プライマーを使用するRT−PCR、および他の増幅型検出方法(例えば、分枝状DNA、SISBA、TMAなど))が挙げられる。あるいは、24P4C12遺伝子を発現する細胞を同定するためのアッセイは、この細胞中に存在するか、またはこの細胞により分泌される24P4C12関連タンパク質の存在を検出する工程を包含する。タンパク質の検出のための種々の方法が、当該分野で周知であり、そして24P4C12関連タンパク質の検出のためおよび24P4C12関連タンパク質を発現する細胞の検出のために用いられる。
24P4C12発現分析はまた、24P4C12遺伝子発現を調節する因子を同定および評価するための手段として有用である。例えば、24P4C12発現は、前立腺癌において有意にアップレギュレートされ、そして表Iに列挙される組織の癌において発現される。癌細胞における24P4C12発現または24P4C12過剰発現を阻害する分子または生物学的因子の同定は、治療的価値を有する。例えば、このような因子は、RT−PCR、核酸ハイブリダイゼーションまたは抗体結合により24P4C12発現を定量するスクリーニングを使用することによって、同定され得る。
(VIII.)24P4C12関連遺伝子およびそれらの産物の状態をモニタリングするための方法)
腫瘍形成は、細胞増殖が次第に調節不全になり、細胞が正常な生理学的状態から前癌状態まで進行し、次いで癌状態まで進行する、多段階プロセスであることが知られている(例えば、Alersら、Lab Invest.77(5):437−438(1997)およびIsaacsら、Cancer Surv.23:19−32(1995)を参照のこと)。この状況において、生物学的サンプルを調節不全性の細胞増殖の証拠(例えば、癌における異常な24P4C12発現)について試験することにより、癌のような病理学的状態が、治療選択肢がより制限される段階まで進行する前、そして/または予後が悪化する前に、このような異常な生理学を早期に検出することが可能になる。このような試験において、目的の生物学的サンプル中の24P4C12の状態が、例えば、対応する正常なサンプル(例えば、病理により影響を受けていない、この個体または代替の別の個体由来のサンプル)中の24P4C12の状態と比較され得る。生物学的サンプル中の24P4C12の状態における(正常なサンプルと比較した場合の)変化は、調節不全性の細胞増殖の証拠を提供する。病理により影響を受けていない生物学的サンプルを正常なサンプルとして使用することに加えて、所定の規範値(例えば、mRNA発現の所定の正常なレベル)(例えば、Greverら、J.Comp.Neurol.1996年12月9日;376(2):306−14および米国特許第5,837,501号を参照のこと)もまた、サンプル中の24P4C12の状態を比較するために使用し得る。
この文脈において、用語「状態」は、当該分野で認められた意味に従って使用され、遺伝子およびその産物の状態(condition)または状態(state)をいう。代表的には、当業者は、多数のパラメーターを使用して、遺伝子およびその産物の状態(condition)または状態(state)を評価する。これには、発現された遺伝子産物の位置(24P4C12発現細胞の位置を含む)、ならびに発現された遺伝子産物(例えば、24P4C12 mRNA、ポリヌクレオチドおよびポリペプチド)のレベルおよび生物学的活性が挙げられるが、これらに限定されない。代表的には、24P4C12の状態における変化は、24P4C12および/または24P4C12発現細胞の位置における変化、ならびに/あるいは24P4C12 mRNAおよび/または24P4C12タンパク質の発現の増加を含む。
サンプル中の24P4C12の状態は、当該分野で周知の多数の手段によって分析され得、この手段としては、免疫組織化学分析、インサイチュハイブリダイゼーション、レーザー捕捉微小解剖サンプルに対するRT−PCR分析、ウェスタンブロット分析および組織アレイ分析が挙げられるが、これらに限定されない。24P4C12遺伝子および遺伝子産物の状態を評価するための代表的なプロトコルは、例えば、Ausubelら編、1995,Current Protocols In Molecular Biology,Units 2(Northern Blotting),4(Southern Blotting),15(Immunoblotting)および18(PCR Analysis)に見出される。従って、生物学的サンプル中の24P4C12の状態は、当業者により使用される種々の方法によって評価され、これらの方法としては、ゲノムサザン分析(例えば、24P4C12遺伝子中の摂動(perturbation)を試験するため)、24P4C12 mRNAのノーザン分析および/またはPCR分析(例えば、ポリヌクレオチド配列または24P4C12 mRNAの発現レベルにおける変化を試験するため)、ならびにウェスタン分析および/または免疫組織化学分析(例えば、ポリペプチド配列における変更、サンプル内のポリペプチドの局在化における変化、24P4C12タンパク質の発現レベルにおける変化、および/または24P4C12タンパク質とポリペプチド結合パートナーとの会合を試験するため)が挙げられるが、これらに限定されない。検出可能な24P4C12ポリヌクレオチドとしては、例えば、24P4C12遺伝子またはそのフラグメント、24P4C12 mRNA、選択的スプライス改変体、24P4C12 mRNA、および24P4C12ポリヌクレオチドを含む組換えDNA分子または組換えRNA分子が挙げられる。
24P4C12の発現プロファイルは、24P4C12を局所疾患および/または転移性疾患についての診断マーカーとし、そして生物学的サンプルの増殖または腫瘍形成の可能性についての情報を提供する。特に、24P4C12の状態は、特定の疾患段階、進行および/または腫瘍の攻撃性に対する感受性を推定するために有用な情報を提供する。本発明は、24P4C12の状態を決定し、24P4C12を発現する癌(例えば、表Iに列挙される組織の癌)を診断するための方法およびアッセイを提供する。例えば、24P4C12 mRNAは、正常な前立腺組織と比較して前立腺癌および他の癌において高度に発現されるので、生物学的サンプル中の24P4C12 mRNA転写産物または24P4C12タンパク質のレベルを評価するアッセイが、24P4C12の調節不全と関連する疾患を診断するために使用され得、そして適切な治療選択肢を規定する際に有用な予後情報を提供し得る。
24P4C12の発現状態は、形成異常細胞、前癌状態の細胞および癌細胞の存在、病期および位置を含む、種々の段階の疾患に対する感受性を予測する情報、および/または腫瘍の攻撃性を評価するための情報を提供する。さらに、発現プロファイルは、24P4C12を、転移性疾患のための画像化試薬として有用にする。結果的に、本発明の局面は、生物学的サンプル(例えば、調節不全性の細胞増殖により特徴付けられる病理(例えば、癌)に罹患している個体由来のサンプル、またはこのような病理に罹患している疑いのある個体由来のサンプル)中の24P4C12の状態を試験するための種々の分子予後方法および分子診断方法に関する。
上記のように、生物学的サンプル中の24P4C12の状態は、当該分野で周知の多数の手順によって試験され得る。例えば、身体の特定の位置から採取された生物学的サンプル中の24P4C12の状態は、このサンプルを、24P4C12発現細胞(例えば、24P4C12 mRNAまたは24P4C12タンパク質を発現する細胞)の存在または非存在について評価することによって、試験され得る。この試験は、例えば、24P4C12発現細胞が、通常ではこのような細胞を含まない生物学的サンプル(例えば、リンパ節)中に見出された場合、調節不全性の細胞増殖の証拠を提供し得る。なぜなら、生物学的サンプル中の24P4C12の状態におけるこのような変化は、しばしば、調節不全性の細胞増殖に関連するからである。詳細には、調節不全性の細胞増殖の1つの指標は、起源の器官(例えば、前立腺)から身体の異なる領域(例えば、リンパ節)への癌細胞の転移である。この状況において、調節不全性の細胞増殖の証拠は、重要である。なぜなら、例えば、前立腺癌を有する患者のうちのかなりの比率において、潜伏性リンパ節転移が検出され得、そしてこのような転移は、疾患の進行の既知の予測因子と関連するからである(例えば、Murphyら、Prostate 42(4):315−317(2000);Suら、Semin.Surg.Oncol.18(1):17−28(2000)およびFreemanら、J Urol 1995 Aug 154(2 Pt 1):474−8を参照のこと)。
1つの局面において、本発明は、調節不全性の細胞増殖に関連する疾患(例えば、過形成または癌)を有すると疑われる個体由来の細胞により発現される24P4C12遺伝子産物の状態を決定し、次いでこのように決定した状態を、対応する正常なサンプル中の24P4C12遺伝子産物の状態と比較することによって、24P4C12遺伝子産物をモニタリングするための方法を提供する。正常なサンプルと比較して、試験サンプル中の異常な24P4C12遺伝子産物の存在は、個体の細胞内の調節不全性の細胞増殖の存在の指標を提供する。
別の局面において、本発明は、個体における癌の存在を決定する際に有用なアッセイを提供し、このアッセイは、対応する正常な細胞または正常な組織における発現レベルと比較して、試験細胞サンプルまたは試験組織サンプル中の24P4C12 mRNAまたはタンパク質の発現の有意な増加を検出する工程を包含する。例えば、24P4C12 mRNAの存在は、表Iに列挙される組織サンプルを包含するがそれに限定されない組織において評価され得る。これらの組織のいずれかにおける有意な24P4C12発現の存在は、癌の発症、存在および/または重篤度を示すために有用である。なぜなら、対応する正常な組織は、24P4C12 mRNAを発現しないか、これを低レベルでしか発現しないからである。
関連の実施形態において、24P4C12の状態は、核酸レベルでよりもむしろタンパク質レベルで決定される。例えば、このような方法は、試験組織サンプル中の細胞により発現される24P4C12タンパク質のレベルを決定し、このように決定されたレベルを、対応する正常なサンプルにおいて発現される24P4C12のレベルと比較する工程を包含する。一実施形態において、24P4C12タンパク質の存在は、例えば、免疫組織化学方法を使用して、評価される。24P4C12タンパク質発現を検出し得る24P4C12抗体または24P4C12結合パートナーが、この目的のために、当該分野で周知の種々のアッセイ様式で使用される。
さらなる実施形態において、生物学的サンプル中の24P4C12ヌクレオチド配列および24P4C12アミノ酸配列の状態が、これらの分子の構造における変動を同定するために、評価され得る。これらの変動としては、挿入、欠失、置換などが挙げられ得る。
このような評価は、有用である。なぜなら、ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列における変動は、増殖調節不全性の表現型と関連する多数のタンパク質において観察されるからである(例えば、Marrogiら、1999,J.Cutan.Pathol.26(8):369−378を参照のこと)。例えば、24P4C12の配列における変異は、腫瘍の存在または発癌補助作用を示し得る。従って、このようなアッセイは、24P4C12における変異が潜在的な機能喪失または腫瘍増殖の増加を示す場合、診断的価値および予測的価値を有する。
ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列における変動を観察するための広範な種々のアッセイが、当該分野で周知である。例えば、24P4C12遺伝子産物の核酸配列またはアミノ酸配列のサイズおよび構造は、本明細書中で考察されるノーザンプロトコル、サザンプロトコル、ウェスタンプロトコル、PCRプロトコルおよびDNA配列決定プロトコルにより観察される。さらに、ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列における変動を観察するための他の方法(例えば、単鎖高次構造多型分析)が、当該分野で周知である(例えば、米国特許第5,382,510号(1999年9月7日発行)および同第5,952,170号(1995年1月17日発行)を参照のこと)。
さらに、生物学的サンプル中の24P4C12遺伝子のメチル化状態が試験され得る。
遺伝子の5’調節領域中のCpGアイランドの異常な脱メチル化および/または過剰メチル化が、しばしば、不死化細胞および形質転換細胞において生じ、種々の遺伝子の変化した発現を生じ得る。例えば、πクラスのグルタチオンS−トランスフェラーゼ(正常な前立腺において発現されるタンパク質であり、前立腺癌の90%より多くにおいては発現されない)のプロモーター過剰メチル化は、この遺伝子の転写を永久的に止めるようであり、最も頻繁に検出される前立腺癌におけるゲノム変化である(De Marzoら、Am.J.Pathol.155(6):1985−1992(1999))。さらに、この変化は、高度な前立腺上皮内新形成(PIN)の症例のうちの少なくとも70%において存在する(Brooksら、Cancer Epidemiol.Biomarkers Prev.,1998,7:531−536)。別の例において、LAGE−I腫瘍特異的遺伝子の発現(これは、正常な前立腺においては発現されないが、前立腺癌の20〜50%において発現される)は、リンパ芽球細胞においてデオキシ−アザシチジンにより誘導され、このことは、腫瘍発現が脱メチル化に起因することを示唆している(Letheら、Int.J.Cancer 76(6):903−908(1998))。遺伝子のメチル化状態を試験するための種々のアッセイが、当該分野で周知である。例えば、サザンハイブリダイゼーションアプローチにおいて、メチル化されたCpG部位を含む配列を切断し得ないメチル化感受性制限酵素を使用して、CpGアイランドのメチル化状態を評価し得る。さらに、MSP(メチル化特異的PCR)は、所定の遺伝子のCpGアイランド中に存在する全てのCpG部位のメチル化状態を迅速にプロファイルし得る。この手順は、亜硫酸水素ナトリウム(これはメチル化されていない全てのシトシンをウラシルに変換する)によりまずDNAを改変し、続いてメチル化されていないDNAに対してメチル化されたDNAに特異的なプライマーを使用して増幅することを包含する。メチル化干渉を含むプロトコルはまた、例えば、Current Protocols In Molecular Biology,Unit 12,Frederick M.Ausubelら編、1995において見出され得る。
遺伝子増幅は、24P4C12の状態を評価するためのさらなる方法である。遺伝子増幅は、本明細書中で提供される配列に基づいて、例えば、適切に標識されたプローブを使用して、mRNAの転写を定量するための従来のサザンブロッティングまたはノーザンブロッティング(Thomas,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:5201−5205)、ドットブロッティング(DNA分析)、またはインサイチュハイブリダイゼーションによってサンプル中で直接測定される。あるいは、特定の二重鎖(DNA二重鎖、RNA二重鎖、およびDNA−RNAハイブリッド二重鎖またはDNA−タンパク質二重鎖を含む)を認識する抗体が、使用される。次いで、この抗体は、標識され、そしてアッセイが実施され、このアッセイにおいて、この二重鎖は、表面に結合され、その結果、この表面上で二重鎖が形成されると、この二重鎖に結合した抗体の存在が、検出され得る。
生検組織または末梢血が、例えば、ノーザン分析、ドットブロット分析またはRT−PCR分析を使用して、癌細胞の存在について簡便にアッセイされて、24P4C12発現が検出され得る。RT−PCR増幅可能な24P4C12 mRNAの存在は、癌の存在の指標を提供する。RT−PCRアッセイは、当該分野で周知である。末梢血中の腫瘍細胞のためのRT−PCR検出アッセイは、多数のヒト固形腫瘍の診断および管理において使用するために、現在評価されている。前立腺癌の分野において、このアッセイには、PSAおよびPSMを発現する細胞の検出のためのRT−PCRアッセイが挙げられる(Verkaikら、1997,Urol.Res.25:373−384;Ghosseinら,1995,J.Clin.Oncol.13:1195−2000;Hestonら,1995,Clin.Chem.41:1687−1688)。
本発明のさらなる局面は、発症中の癌に対して個体が有する感受性の評価である。一実施形態において、癌に対する感受性を予想するための方法は、組織サンプル中の24P4C12 mRNAまたは24P4C12タンパク質(その存在は、癌に対する感受性を示す)を検出する工程を包含し、ここで、24P4C12 mRNA発現の程度は、感受性の程度と相関する。特定の実施形態において、前立腺または他の組織中の24P4C12の存在が、試験され、ここで、このサンプル中の24P4C12の存在は、前立腺癌感受性(または前立腺腫瘍の発症もしくは存在)の指標を提供する。同様に、生物学的サンプル中の24P4C12ヌクレオチド配列および24P4C12アミノ酸配列の完全性を評価して、これらの分子の構造における変動(例えば、挿入、欠失、置換など)を同定し得る。サンプル中の24P4C12遺伝子産物の1つ以上の変動の存在は、癌感受性(または腫瘍の発症もしくは存在)の指標である。
本発明はまた、腫瘍の攻撃性を評価するための方法を包含する。一実施形態において、腫瘍の攻撃性を評価するための方法は、腫瘍細胞によって発現される24P4C12 mRNAまたは24P4C12タンパク質のレベルを決定する工程、このように決定したレベルを、同じ個体もしくは正常な組織参照サンプルから採取した対応する正常な組織において発現される24P4C12 mRNAまたは24P4C12タンパク質のレベルと比較する工程を包含し、ここで正常なサンプルに対する腫瘍サンプルにおける24P4C12 mRNAまたは24P4C12タンパク質の発現の程度は、攻撃性の程度を示す。特定の実施形態において、腫瘍の攻撃性は、24P4C12が腫瘍細胞において発現される程度を決定することによって評価され、ここでより高い発現レベルは、より攻撃性の腫瘍を示す。別の実施形態は、24P4C12ヌクレオチドおよびアミノ酸の構造における変動(例えば、挿入、欠失、置換など)を同定するための、生物学的サンプル中のこの24P4C12ヌクレオチドおよびアミノ酸配列の完全性の評価である。1つ以上の変動の存在は、より攻撃性の腫瘍を示す。
本発明の別の実施形態は、個体における悪性腫瘍の進行を経時的に観察するための方法に関する。一実施形態において、個体における悪性腫瘍の進行を経時的に観察するための方法は、腫瘍のサンプル中の細胞により発現される24P4C12 mRNAまたは24P4C12タンパク質のレベルを決定する工程、このようにして決定されたレベルを、異なる時間に同じ個体から採取した同等な組織サンプルにおいて発現される24P4C12 mRNAまたは24P4C12タンパク質のレベルと比較する工程、を包含し、ここで、経時的な腫瘍サンプルにおける24P4C12 mRNAまたは24P4C12タンパク質の発現の程度は、癌の進行についての情報を提供する。特定の実施形態において、癌の進行は、腫瘍細胞における24P4C12の発現を経時的に決定することにより評価され、ここで経時的に増加した発現は、癌の進行を示す。また、生物学的サンプル中の24P4C12ヌクレオチド配列および24P4C12アミノ酸配列の完全性を評価して、これらの分子の構造における変動(例えば、挿入、欠失、置換など)を同定し得、ここで、1つ以上の変動の存在は、癌の進行を示す。
上記の診断アプローチは、当該分野で公知の広範な種々の予後プロトコルおよび診断プロトコルのいずれか1つと組み合わされ得る。例えば、本発明の別の実施形態は、24P4C12遺伝子の発現および24P4C12遺伝子産物の発現(または24P4C12遺伝子の変動および24P4C12遺伝子産物における変動)と、組織サンプルの状態を診断および予想するための手段としての悪性腫瘍に関連する因子との間の同時発生を観察する方法に関する。悪性腫瘍に関連する広範な種々の因子(例えば、悪性腫瘍に関連する遺伝子(例えば、前立腺癌についてのPSA、PSCAおよびPSMの発現など)、ならびに肉眼で見える細胞学的知見)が、使用され得る(例えば、Bockingら、1984,Anal.Quant.Cytol.6(2):74−88;Epstein,1995,Hum.Pathol.26(2):223−9;Thorsonら、1998,Mod.Pathol.11(6):543−51;Baisdenら、1999,Am.J.Surg.Pathol.23(8);918−24を参照のこと)。24P4C12遺伝子の発現および24P4C12遺伝子産物の発現(または、24P4C12遺伝子および24P4C12遺伝子産物における変動)と、悪性腫瘍に関連する別の因子との間の同時発生を観察するための方法は、有用である。なぜなら、例えば、疾患と同時に生じる特定の因子のセットの存在は、組織サンプルの状態を診断および予測するために重要な情報を提供するからである。
一実施形態において、24P4C12遺伝子の発現と24P4C12遺伝子産物の発現(または、24P4C12遺伝子および24P4C12遺伝子産物における変動)と、悪性腫瘍に関連する別の因子との間の同時発生を観察するための方法は、組織サンプル中の24P4C12 mRNAまたは24P4C12タンパク質の過剰発現を検出すること、組織サンプル中のPSA mRNAまたはPSAタンパク質の過剰発現(またはPSCA発現もしくはPSM発現)を検出すること、および24P4C12 mRNAもしくは24P4C12タンパク質の過剰発現と、PSA mRNAもしくはPSAタンパク質の過剰発現(またはPSCA発現もしくはPSM発現)との同時発生を観察することを伴う。
特定の実施形態において、前立腺組織における24P4C12 mRNAおよびPSA mRNAの発現が、試験され、ここで、このサンプル中の24P4C12 mRNA過剰発現とPSA mRNA過剰発現との同時発生は、前立腺癌の存在、前立腺癌感受性または前立腺腫瘍の発症もしくは状態を示す。
24P4C12 mRNAまたはタンパク質の発現を検出および定量するための方法が、本明細書中に記載されており、そして標準核酸およびタンパク質の検出技術および定量技術は、当該分野で周知である。24P4C12 mRNAの検出および定量するための標準方法としては、標識24P4C12リボプローブを使用するインサイチュハイブリダイゼーション、24P4C12ポリヌクレオチドプローブを使用するノーザンブロットおよび関連する技術、24P4C12に対して特異的なプライマーを使用するRT−PCR分析、並びに他の増幅型検出方法(例えば、分枝DNA、SISBA、TMAなど)が挙げられる。特定の実施形態において、半定量的RT−PCRを使用して、24P4C12 mRNA発現を検出および定量する。24P4C12を増幅し得る任意の数のプライマーを、この目的のために使用し得、このプライマーとしては、本明細書中で具体的に記載される種々のプライマーセットが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、野生型24P4C12タンパク質と特異的に反応するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を、生検組織の免疫組織化学アッセイにおいて使用し得る。
(IX.24P4C12と相互作用する分子の同定)
本明細書中に開示される24P4C12タンパク質および核酸配列は、当業者が、24P4C12と相互作用するタンパク質、低分子および他の薬剤、ならびに種々の分野で受け入れられたプロトコルのうちのいずれか1つを介して、24P4C12によって活性化される経路を同定することを可能にする。例えば、いわゆる相互作用トラップ系(「2ハイブリッドアッセイ」とも呼ばれる)のうちの1つを利用し得る。このような系において、分子は、レポーター遺伝子の発現を指向する転写因子と相互作用し、そして再構成し、一方でこのレポーター遺伝子の発現をアッセイする。他の系は、真核生物転写活性化因子の再構築を介して、インビボでタンパク質−タンパク質相互作用を同定する(例えば、1999年9月21日に発行された米国特許第5,955,280号、1999年7月20日に発行された同第5,925,523号、1998年12月8日に発行された同第5,846,722号、および1999年12月21日に発行された同第6,004,746号を参照のこと)。アルゴリズムもまた、タンパク質機能のゲノムベースの予測のために当該分野で利用可能である(例えば、Marcotteら,Nature 402:1999年11月4日,83−86を参照のこと)。
あるいは、24P4C12タンパク質配列と相互作用する分子を同定するために、ペプチドライブラリをスクリーニングし得る。このような方法において、24P4C12に結合するペプチドは、アミノ酸のランダムな収集物または制御された収集物をコードするライブラリーをスクリーニングすることによって同定される。このライブラリーによってコードされたペプチドは、バクテリオファージコートタンパク質の融合タンパク質として発現され、次いで、このバクテリオファージ粒子は、24P4C12タンパク質に対してスクリーニングされる。
従って、広範な種々の用途(例えば、治療剤、予後剤または診断剤)を有するペプチドは、予想されるリガンド分子またはレセプター分子の構造に関する以前の情報なしで同定される。24P4C12タンパク質配列と相互作用する分子を同定するために使用され得る、代表的なペプチドライブラリおよびスクリーニング方法は、例えば、1998年3月3日に発行された米国特許第5,723,286号、および1998年3月31日に発行された同第5,733,731号で開示される。
あるいは、24P4C12を発現する細胞株は、24P4C12によって媒介されるタンパク質−タンパク質相互作用を同定するために使用される。このような相互作用は、免疫沈降技術(例えば、Hamilton B.J.ら,Biochem.Biophys.Res.Commun,1999,261:646−51を参照のこと)を使用して試験され得る。24P4C12タンパク質は、抗24P4C12抗体を使用する24P4C12発現細胞株から免疫沈降され得る。あるいは、His−tagに対する抗体は、24P4C12およびHis−tag(上記のベクター)の融合物を発現するように操作された細胞株中で使用され得る。この免疫沈降複合体は、ウェスタンブロット、タンパク質の35S−メチオニン標識、タンパク質のマイクロシークエンシング、銀染色および2次元ゲル電気泳動のような手順に沿ってタンパク質に関して試験され得る。
24P4C12と相互作用する低分子およびリガンドは、このようなスクリーニングアッセイの関連する実施形態を介して同定され得る。例えば、低分子(リン酸化および脱リン酸化を媒介し得る24P4C12の能力に干渉する分子を含む)により、タンパク質機能との干渉が、細胞サイクル、第2メッセンジャーシグナル伝達、または腫瘍形成の調節の指標としてのDNA分子またはRNA分子との相互作用として同定され得る。同様に、24P4C12関連イオンチャネル、タンパク質ポンプ、または細胞連絡機能を調節する低分子を、24P4C12を発現する癌を有する患者を処置するために、同定および使用する(例えば、Hille,B.,Ionic Channels of Excitable Membranes 第2版,Sinauer Assoc.,Sunderland,MA,1992を参照のこと)。さらに、24P4C12機能を調節するリガンドは、24P4C12に結合し、そしてレポーター構築物を活性化するためのそれらの能力に基づいて同定され得る。代表的な方法は、例えば、1999年7月27日に発行された米国特許第5,928,868号において議論されており、そして少なくとも1つのリガンドが低分子である、ハイブリッドリガンドを形成するための方法を含む。例示の実施形態において、24P4C12の融合タンパク質およびDNA結合タンパク質を発現するために操作された細胞を使用して、ハイブリッドリガンド/低分子の融合タンパク質およびcDNAライブラリー転写活性化タンパク質を共発現する。この細胞は、レポーター遺伝子(この発現は、第1融合タンパク質および第2融合タンパク質の互いに隣接して調整される)をさらに含み、この事象は、ハイブリッドリガンドが、両方のハイブリッドタンパク質の標的部位に結合する場合のみ生じる。レポーター遺伝子を発現するこれらの細胞を選択し、そして未知の低分子または未知のリガンドを同定する。この方法は、24P4C12を活性化または阻害する、調節因子を同定する手段を提供する。
本発明の実施形態は、図2または図3に示される24P4C12アミノ酸配列と相互作用する分子についてスクリーニングする方法を含み、この方法は、一群の分子と24P4C12アミノ酸配列とを接触させる工程、上記一群の分子と上記24P4C12アミノ酸配列とを、相互作用を容易にする条件下で相互作用させる工程、24P4C12アミノ酸配列と相互作用する分子の存在を決定する工程、次いで、24P4C12アミノ酸配列と相互作用しない分子を、24P4C12アミノ酸配列と相互作用する分子から分離する工程を包含する。特定の実施形態において、この方法は、24P4C12アミノ酸配列と相互作用する分子を精製する工程、特徴付けする工程および同定する工程をさらに包含する。この同定された分子は、24P4C12によって実施される機能を調節するために使用され得る。好ましい実施形態において、24P4C12アミノ酸配列は、ペプチドライブラリと接触される。
(X.治療法および組成物)
限定されたセットの組織において正常に発現されるが、前立腺癌および他の癌においても発現されるタンパク質のような24P4C12の同定により、多数の治療アプローチをこのような癌の処置に広げる。本明細書において企図されるように、24P4C12は、腫瘍促進遺伝子を活性化すること、または腫瘍形成をブロックする遺伝子を抑制することに関連する転写因子として機能する。
従って、24P4C12タンパク質の活性を阻害する治療アプローチは、24P4C12を発現する癌に罹患した患者に有用である。このような治療アプローチは、一般に、2つのクラスに入る。一つのクラスは、24P4C12タンパク質とその結合パートナーまたは他のタンパク質との結合または会合を阻害するための種々の方法を含む。別のクラスは、24P4C12遺伝子の転写または24P4C12 mRNAの翻訳を阻害するための種々の方法を含む。
(X.A.抗癌ワクチン)
本発明は、24P4C12関連タンパク質または24P4C12関連核酸を含む、癌ワクチンを提供する。24P4C12の発現に関して、癌ワクチンは、非標的組織に対して最小の効果を有するかまたは効果を有さずに、24P4C12発現癌を予防および/または処置する。抗癌治療として、体液性免疫応答および/または細胞媒介免疫応答を生じるワクチンにおける腫瘍抗原の使用は、当該分野で周知であり、ヒトPSMAおよびげっ歯PAP免疫原を使用して前立腺癌において利用されている(Hodgeら,1995,Int.J.Cancer 63:231−237;Fongら,1997,J.Immunol.159:3113−3117)。
このような方法は、24P4C12関連タンパク質、または24P4C12コード核酸分子および24P4C12免疫原(これは、代表的に、多数の抗体またはT細胞エピトープを含む)を発現および提示し得る組換えベクターを利用することによって容易に実施され得る。当業者は、免疫反応性エピトープの送達のための広範な種々のワクチン系が当該分野で公知であることを理解する(例えば、Herylnら,Ann Med 1999 Feb 31(1):66−78;Maruyamaら,Cancer Immunol Immunother 2000 Jun 49(3):123−32を参照のこと)。簡潔には、哺乳動物において、免疫応答(例えば、体液性免疫応答および/または細胞媒介免疫応答)を生じるこのような方法は、以下の工程を包含する:免疫反応性エピトープ(例えば、エピトープは、図3に示される24P4C12タンパク質、またはそのアナログもしくはホモログ中に存在する)に哺乳動物の免疫系を曝露し、その結果、この哺乳動物に、エピトープに対して特異的な免疫応答を生じさせる(例えば、このエピトープを特異的に認識する抗体を生じさせる)工程。好ましい方法において、24P4C12免疫原は、生物学的モチーフを含む(例えば、表VIII〜表XXIおよび表XXII〜表XLIX、または図5、図6、図7、図8、および図9に示される24P4C12由来の一定サイズ範囲のペプチドを参照のこと)。
24P4C12タンパク質全体、免疫原性領域またはそれらのエピトープを、種々の手段によって合わせ、そして送達し得る。このようなワクチン組成物としては、例えば、以下が挙げられ得る:リポペプチド(例えば、Vitiello,A.ら,J.Clin.Invest.95:341,1995)、ポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)(「PLG」)ミクロスフェア中にカプセル化されたペプチド組成物(例えば、Eldridgeら,Molec.Immunol.28:287−294,1991:Alonsoら,Vaccine 12:299−306,1994;Jonesら,Vaccine 13:675−681,1995を参照のこと)、免疫刺激複合体(ISCOMS)に含まれたペプチド組成物(例えば、Takahashiら,Nature 344:873−875,1990;Huら,Clin Exp Immunol.113:235−243,1998を参照のこと)、多抗原ペプチド系(MAP)(例えば、Tam,J.P.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:5409−5413,1988;Tam,J.P.,J.Immunol.Methods 196:17−32,1996を参照のこと)、多価ペプチドとして処方されたペプチド、弾道送達系において使用するためのペプチド(代表的に、結晶化したペプチド)、ウイルス送達ベクター(Perkus,M.E.ら,Concepts in vaccine development,Kaufmann,S.H.E.編,第379頁,1996;Chakrabarti,S.ら,Nature 320:535,1986;Hu,S.L.ら,Nature 320:537,1986;Kiney,M.−P.ら,AIDS Bio/Technology 4:790,1986;Top,F.H.ら,J.Infect.Dis.124:148,1971;Chanda,P.K.ら,Virology 175:535,1990)、ウイルス起源または合成起源の粒子(例えば、Kofler,N.ら,J.Immunol.Methods.192:25,1996;Eldrige,J.H.ら,Sem.Hematol.30:16,1993;Falo,L.D.,Jr.ら,Nature Med.7:649,1995)、アジュバント(Warren,H.S.,Vogel,F.R.およびChedid,L.A.Annu.Rev.Immunol.4:369,1986;Gupta,R.K.ら,Vaccine 11:293,1993)、リポソーム(Reddy,R.ら,J.Immunol.148:1585,1992;Rock,K.L.,Immunol.Today 17:131,1996)または裸のcDNAもしくは粒子吸収cDNA(Ulmer,J.B.ら,Science 259:1745,1993;Robinson,H.L.,Hunt,L.A.およびWebster,R.G.,Vaccine 11:957,1993;Shiver,J.W.ら,Concepts in vaccine development,Kaufmann,S.H.E.編,第423頁,1996;Cease,K.B.およびBerzofsky,J.A.,Annu.Rev.Immunol.12:923,1994およびEldridge,J.H.ら,Sem.Hematol.30:16,1993)。毒素標的送達技術(レセプター媒介標的化(例えば、Avant Immunotherapeutics,Inc.(Needham,Massachusetts)としても公知))もまた、使用され得る。
24P4C12に関連する癌を有する患者において、本発明のワクチン組成物はまた、癌のために使用される他の処置(例えば、外科手術、化学療法、薬物治療、放射線治療など)と合わせて使用され得る(IL−2、IL−12、GM−CSFなどのような免疫アジュバントと組み合わせた使用を含む)。
(細胞ワクチン)
CTLエピトープは、対応するHLA対立遺伝子に結合する24P4C12タンパク質内のペプチドを同定するための特定のアルゴリズムを使用して決定され得る:(例えば表IV;EpimerTMおよびEpimatrixTM,Brown University(URL brown.edu/Research/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.html);およびBIMAS(URL bimas.dcrt.nih.gov/;SYFPEITHI at URL syfpeithi.bmi−heidelberg.com/)を参照のこと)。好ましい実施形態において、24P4C12免疫原は、当該分野で周知の技術を使用して同定された1種以上のアミノ酸配列を含み、これらは、表VIII〜表XXIおよび表XXII〜表XLIXに示される配列、またはHLAクラスIモチーフ/スーパーモチーフ(例えば、表IV(A)、表IV(D)、または表IV(E))によって特定された8個、9個、10個もしくは11個のアミノ酸のペプチド、および/またはHLAクラスIIモチーフ/スーパーモチーフ(例えば、表IV(B)、または表IV(C))を含む、少なくとも9個のアミノ酸のペプチドである。当該分野で理解されているように、HLAクラスI結合溝は、本質的に、閉鎖的に終結され、その結果、特定のサイズ範囲のみのペプチドが、溝に適合し、かつ、結合され得、一般に、HLAクラスIエピトープは、8個、9個、10個、または11個のアミノ酸長である。対照的に、HLAクラスII結合溝は、本質的に、開放的に終結され、それによって、約9個以上のアミノ酸のペプチドは、HLAクラスII分子によって結合され得る。HLAクラスIとHLAクラスIIとの間の結合溝の差異に起因して、HLAクラスIモチーフは、長さ特異的である。すなわち、クラスIモチーフの2位は、このペプチドのアミノ方向からカルボキシル方向の第2アミノ酸である。クラスIIモチーフのアミノ酸位置は、互いに対してのみ相関し、全体のペプチドに対して相関していない。すなわち、さらなるアミノ酸は、モチーフ保有配列のアミノ末端および/またはカルボキシル末端に付着され得る。HLAクラスIIエピトープは、しばしば、9アミノ酸長、10アミノ酸長、11アミノ酸長、12アミノ酸長、13アミノ酸長、14アミノ酸長、15アミノ酸長、16アミノ酸長、17アミノ酸長、18アミノ酸長、19アミノ酸長、20アミノ酸長、21アミノ酸長、22アミノ酸長、23アミノ酸長、24アミノ酸長、または25アミノ酸長、または25アミノ酸長よりも長い。
(抗体ベースのワクチン)
哺乳動物において免疫応答を発生するための広範な種々の方法は、(例えば、ハイブリドーマの発生における第1工程として)当該分野で公知である。哺乳動物における免疫応答を発生させる方法は、タンパク質(例えば、24P4C12タンパク質)上の免疫原性エピトープに哺乳動物の免疫系を曝露し、その結果、免疫応答を発生させる工程を包含する。代表的な実施形態は、十分な量の少なくとも1つの24P4C12B細胞もしくは細胞傷害性T細胞エピトープまたはそれらのアナログを宿主と接触させ;そして少なくとも1回の周期的な間隔の後、24P4C12B細胞もしくは細胞傷害性T細胞エピトープまたはそれらのアナログを宿主と再び接触させることによって、宿主において、24P4C12に対する免疫応答を発生させるための方法からなる。特定の実施形態は、24P4C12関連タンパク質または人工多エピトープペプチドに対して免疫応答を発生する方法からなり、この方法は、24P4C12免疫原(例えば、24P4C12タンパク質またはそのペプチドフラグメント、24P4C12融合タンパク質またはアナログなど)を、ヒトまたは別の哺乳動物に対してワクチン調製物として投与する工程を包含する。代表的に、このようなワクチン調製物は、適切なアジュバント(例えば、米国特許第6,146,635号を参照のこと)またはPADRETMペプチドのような汎用ヘルパーエピトープ(Epimmune Inc.,San Diego,CA;例えば、Alexanderら,J.Immunol.2000 164(3);164(3):1625−1633;Alexanderら,Immunity 1994 1(9):751−761およびAlexanderら,Immunol.Res.1998 18(2):79−92を参照のこと)をさらに含む。代替方法は、24P4C12免疫原をコードするDNA配列、DNA配列の発現を制御する調節配列に作動可能に連結されたDNA配列を含むDNA分子を、個々の身体の筋肉または皮膚にインビボで投与することによって、24P4C12免疫原に対して個々の免疫応答を発生させる工程を包含し;ここで、このDNA分子は、細胞によって取り込まれ、DNA配列は、この細胞において発現され、そして免疫応答を、免疫原に対して発生する(例えば、米国特許第5,962,428号を参照のこと)。必要に応じて、遺伝子ワクチン促進因子(facilitator)(例えば、アニオン性脂質;サポニン;レクチン;エストロゲン化合物;ヒドロキシル化低級アルキル;ジメチルスルホキシド;および尿素)がまた、投与される。さらに、標的抗原に対して応答を発生させるために、24P4C12を模倣する抗イディオタイプの抗体が、投与され得る。
(核酸ワクチン)
本発明のワクチン組成物は、核酸媒介様式を含む。本発明のタンパク質をコードするDNAまたはRNAは、患者に投与され得る。遺伝子免疫方法は、24P4C12を発現する癌細胞に対する、予防的または治療的な体液性免疫応答および細胞性免疫応答を発生させるために利用され得る。24P4C12関連タンパク質/免疫原をコードするDNAを含む構成物および適切な調節配列は、個体の筋肉または皮膚に直接注射され得、その結果、筋肉または皮膚の細胞は、この構成物を取り込み、そしてコードされた24P4C12タンパク質/免疫原を発現する。あるいは、ワクチンは、24P4C12関連タンパク質を含む。24P4C12関連タンパク質免疫原の発現は、24P4C12タンパク質を保有する細胞に対する、予防的または治療的な体液性免疫および細胞性免疫の発生を生じる。当該分野で公知の、種々の予防的および治療的な遺伝子免疫技術は、使用され得る(総説については、インターネットアドレスgenweb.comで公開されている情報および参考文献を参照のこと)。核酸ベース送達は、例えば、Wolffら,Science 247:1465(1990)および米国特許第5,580,859号;同第5,589,466号;同第5,804,566号;同第5,739,118号;同第5,736,524号;同第5,679,647号;WO 98/04720に記載されている。DNAベースの送達技術の例としては、「裸のDNA」、促進された(ブピバカイン(bupivicaine)、ポリマー、ペプチド媒介)送達、カチオン性脂質複合体、および粒子媒介送達(「遺伝子銃」)または圧力媒介送達(例えば、米国特許第5,922,687号を参照のこと)を含む。
治療的または予防的な免疫の目的のために、本発明のタンパク質は、ウイルスベクターまたは細菌ベクターを介して発現され得る。本発明の実施において使用され得る種々のウイルス遺伝子送達系としては、ワクシニアウイルス、鶏痘ウイルス、カナリア痘ウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、およびシンドビスウイルス(例えば、Restifo、1996、Curr.Opin.Immunol.8:658−663;Tsangら,J.Natl.Cancer Inst.87:982−990(1995)を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。非ウイルス送達系もまた、抗腫瘍応答を誘導するために患者に、24P4C12関連タンパク質をコードする裸のDNAを(例えば筋内または皮内で)患者に導入することにより利用され得る。
ワクチンウイルスは、例えば、本発明のペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現するためのベクターとして使用される。宿主への導入の際に、組換えワクチンウイルスは、タンパク質免疫原性ペプチドを発現し、そしてこれによって、宿主免疫応答を惹起する。免疫プロトコルにおいて有用なワクチンベクターおよび方法は、例えば、米国特許第4,722,848号に記載されている。別のベクターは、BCG(Bacille Calmette Guerin)である。BCGベクターは、Stoverら,Nature 351:456−460(1991)に記載されている。本発明のペプチドの治療的投与または免疫のための有用な、広範な種々の他のベクター(例えば、アデノウイルスベクターおよびアデノ関連ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、Salmonella typhiベクター、無毒化炭疽毒素ベクターなど)は、本明細書の記載から当業者に明らかである。
従って、遺伝子送達系は、24P4C12関連核酸分子を送達するために使用される。
一つの実施形態において、全長ヒト24P4C12 cDNAを使用する。別の実施形態において、特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)および/または抗体エピトープをコードする24P4C12核酸分子を使用する。
(エキソビボワクチン)
種々のエキソビボストラテジーを利用して、免疫応答もまた発生させ得る。一つのアプローチは、患者の免疫系に対して24P4C12抗原を提示する樹状細胞(DC)のような抗原提示細胞(APC)の使用に関する。樹状細胞は、MHCクラスI分子およびMHCクラスII分子、B7補助刺激因子、ならびにIL−12を発現し、従って、高度に特異的な抗原提示細胞である。前立腺癌において、前立腺特異的膜抗原(PSMA)のペプチドによりパルスされる自己樹状細胞が、前立腺癌患者の免疫系を刺激するために、フェーズI臨床試験において使用される(Tjoaら,1996,Prostate 28:65−69;Murphyら,1996,Prostate 29:371−380)。
従って、樹状細胞は、MHCクラスI分子またはMHCクラスII分子の内容物中で、24P4C12ペプチドをT細胞に提示するために使用され得る。一つの実施形態において、自己樹状細胞は、MHCクラスI分子および/またはMHCクラスII分子に結合し得る24P4C12ペプチドでパルスされる。別の実施形態において、樹状細胞は、完全24P4C12タンパク質でパルスされる。なお別の実施形態は、当該分野で公知の種々の実行ベクターを使用する樹状細胞中で、24P4C12遺伝子の過剰発現を操作することに関する(例えば、アデノウイルス(Arthurら,1997,Cancer Gene Ther.4:17−25)、レトロウイルス(Hendersonら,1996,Cancer Res.56:3763−3770)、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルス、DNAトランスフェクション(Ribasら,1997,Cancer Res.57:2865−2869)、または腫瘍誘導RNAトランスフェクション(Ashleyら,1997,J.Exp.Med.186:1177−1182))。24P4C12を発現する細胞はまた、免疫調節因子(例えば、GM−CSF)を発現するように操作され得、そして免疫剤として使用され得る。
(X.B.抗体ベースの治療のための標的としての24P4C12)
24P4C12は、抗体ベースの治療ストラテジーのための魅力的な標的である。多数の抗体ストラテジーは、細胞外分子と細胞内分子との両方を標的するために、当該分野で公知である(例えば、相補体およびADCC媒介の死滅および身体内での使用を参照のこと)。24P4C12は、対応する正常な細胞に対する種々の系統の癌細胞によって発現されるので、免疫活性組成物を非標的器官および組織に結合することによって生じる、毒性効果、非特異的効果および/または非標的効果なしで、優れた感受性を示す、24P4C12免疫活性組成物の全身投与を調製する。24P4C12のドメインと特異的に反応する抗体は、トキシンまたは治療剤と組み合わせてか、または細胞増殖または機能を阻害し得る裸の抗体としてのいずれかで、全身的に24P4C12を発生する癌を処置するために有用である。
24P4C12抗体は、抗体が24P4C12に結合し、そして機能(例えば、結合パートナーとの相互作用)を調節し、そして結果として腫瘍細胞の破壊を媒介し、そして/または腫瘍細胞の増殖を阻害するように、患者に導入され得る。このような抗体が治療効果を発揮する機構としては、補体媒介性細胞溶解、抗体依存性細胞性細胞傷害、24P4C12の生理学的機能を調節すること、リガンド結合またはシグナル伝達経路を阻害すること、腫瘍細胞分化を調節すること、腫瘍脈管形成因子プロフィールを変化させること、および/またはアポトーシスを包含し得る。
当業者は、抗体が、免疫原性分子(例えば、図2または図3に示される24P4C12配列の免疫原性領域)を特異的に標的および結合するために使用され得ることを理解する。さらに、当業者は、抗体を細胞傷害性薬剤に結合体化することは慣用的であることを理解する(例えば、Sleversら,Blood 93:11 3678−3684(1999年6月1日)を参照のこと)。細胞傷害性薬剤および/または治療剤が、例えば、この細胞(例えば、24P4C12)によって発現される分子に対して特異的な抗体にそれらの薬剤を結合体化させることによって、細胞に直接送達される場合、この細胞傷害性薬剤は、それらの細胞上において公知の生物学的効果(例えば、細胞傷害性)を発揮する。
抗体−細胞傷害性薬剤結合体を使用して細胞を死滅させるための広範な種々の組成物および方法が、当該分野で公知である。癌の状況において、代表的な方法は、腫瘍を有する哺乳動物に、生物学的に有効な量の結合体を投与する工程を包含し、この結合体は、発現されたか、結合に接触可能か、または細胞表面上に局在化された、マーカー(例えば、24P4C12)に結合する標的試薬(例えば、抗24P4C12抗体)に連結される、選択された細胞傷害性薬剤および/または治療剤を含む。代表的な実施形態は、細胞傷害性薬剤および/または治療剤を、24P4C12を発現する細胞に送達する方法であり、この方法は、24P4C12エピトープに免疫特異的に結合する抗体に細胞傷害性薬剤を結合体化させる工程、および抗体薬剤結合体に細胞を曝露する工程を包含する。別の例示的な実施形態は、転移癌を患ったと疑われる個体を処置する方法であり、この方法は、細胞傷害性薬剤および/または治療剤に結合体化された、治療有効量の抗体を含む薬学的組成物を個体に非経口的に投与する工程を包含する。
抗24P4C12抗体を使用する癌免疫治療は、他の型の癌の処置に首尾良く使用される種々のアプローチに従ってなされ、この癌としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:結腸癌(Arlenら、1998、Crit.Rev.Immunol.18:133〜138)、多発性骨髄腫(Ozakiら、1997、Blood 90:3179〜3186;Tsunenariら、1997、Blood 90:2437〜2444)、胃癌(Kasprzykら、1992、Cancer Res.52:2771〜2776)、B細胞リンパ腫(Funakoshiら、1996、J.Immunother.Emphasis Tumor Immunol.19:93〜101)、白血病(Zhongら、1996、Leuk.Res.20:581〜589)、結腸直腸癌(Mounら、1994、Cancer Res.54:6160〜6166;Veldersら、1995、Cancer Res.55:4398〜4403)、および乳癌(Shepardら、1991、J.Clin.Immunol.11:117〜127)。いくつかの治療アプローチは、毒素または放射性同位体への裸の抗体の結合(例えば、抗CD20抗体へのY91またはI131の結合(例えば、ZevalinTM、IDEC Pharmaceuticals Corp.、またはBexxarTM、Coulter Pharmaceuticals))を含むが、一方他のアプローチは、抗体と他の治療薬剤との(例えば、HerceptinTM(トラスツズマブ(trastuzumab)とパクリタキセル(Genentech,Inc.)との)共投与を含む。この抗体は、治療薬剤に結合体化され得る。前立腺癌の処置のために、例えば、24P4C12抗体が、照射、化学療法またはホルモン切除と組み合わせて、投与され得る。また、抗体は、カリミアミチン(calicheamicin)(例えば、MylotargTM、Wyeth−Ayerst、Madison、NJ、抗腫瘍抗体カリキアミチンに結合体化された組換えヒト化IgG4カッパー抗体)、またはメイタンシノイド(maytansinoid)(例えば、タキサンベースの腫瘍活性化プロドラッグ、TAP、プラットフォーム、免疫原、Cambridge、MA、また、例えば、米国特許第5,416,064号を参照のこと)のような毒素に結合体化され得る。
24P4C12抗体治療は、癌の全てのステージに対して有用であるが、進行癌または転移癌において特に適切であり得る。本発明の抗体治療を用いた処置は、1つ以上の一連の化学療法を受けている患者に示される。あるいは、本発明の抗体療法は、化学療法処置を受けていない患者のために、化学療法レジメンまたは照射レジメンと組み合わせられる。さらに、抗体療法は、減少した投薬量の共化学療法の使用を、特に、その化学療法薬剤の毒性をあまり許容しない患者にとって、可能にし得る。Fanら(Cancer Res.53:4637−4642、1993)、Prewettら(International J.of Onco.9:217−224、1996)、およびHancockら(Cancer Res.51:4575−4580、1991)は、化学療法薬剤と共の種々の抗体の使用を記載する。
24P4C12抗体治療は、癌の全てのステージに対して有用であるが、進行癌または転移癌において特に適切であり得る。本発明の抗体治療を用いた処置は、1つ以上の一連の化学療法を受けている患者に示される。あるいは、本発明の抗体療法は、化学療法処置を受けていない患者のために、化学療法レジメンまたは照射レジメンと組み合わせられる。さらに、抗体療法は、減少した投薬量の共化学療法の使用を、特に、その化学療法薬剤の毒性をあまり許容しない患者にとって、可能にし得る。
癌患者は、好ましくは、腫瘍組織の免疫組織化学的評価、定量的24P4C12画像化、または24P4C12発現の存在および程度を確かに示し得る他の技術を使用して、24P4C12発現の存在およびレベルについて評価され得る。腫瘍生検または外科的標本の免疫組織化学分析が、この目的に好ましい。腫瘍組織の免疫組織化学的分析のための方法は、当該分野で周知である。
前立腺癌および他の癌を処置する抗24P4C12モノクローナル抗体としては、その腫瘍に対する強力な免疫応答を開始し得る抗体、または直接細胞傷害性であり得る抗体が挙げられる。これに関して、抗24P4C12モノクローナル抗体(mAb)は、補体媒介性細胞傷害または抗体依存性細胞傷害(ADCC)のいずれかの機構によって、腫瘍細胞溶解を惹起し得、これらの機構の両方が、補体タンパク質上のエフェクター細胞Fcレセプター部位との相互作用のために、その免疫グロブリン分子のインタクトなFc部分を必要とする。さらに、腫瘍増殖に対して直接の生物学的効果を発揮する抗24P4C12 mAbが、24P4C12を発現する癌を処置するのに有用である。直接的に細胞傷害性mAbが作用する機構としては、細胞増殖の阻害、細胞分化の調節、腫瘍脈管形成因子プロフィールの調節、およびアポトーシスの誘導が、挙げられる。特定の抗24P4C12 mAbが抗腫瘍効果を発揮する機構は、当該分野で一般的に知られているように、ADCC、ADMMC、補体媒介性細胞溶解などの細胞死を評価する、任意の数のインビトロアッセイを使用して、評価される。
何人かの患者において、マウスまたは他の非ヒトのモノクローナル抗体の使用、あるいはヒト/マウスキメラmAbの使用が、非ヒト抗体に対する中程度から強力な免疫応答を誘導し得る。これは、循環からの抗体のクリアランスおよび減少した効力をもたらし得る。最も深刻な場合において、このような免疫応答は、潜在的に腎不全を引き起こし得る、免疫複合体の広範な形成をもたらし得る。従って、本発明の治療法の方法において使用される好ましいモノクローナル抗体は、高い親和性で標的24P4C12抗原に特異的に結合するが、患者において低い抗原性を示すかまたは全く抗原性を示さない、完全にヒトであるかまたはヒト化されているかのいずれかである抗体である。
本発明の治療法は、単一の抗24P4C12 mAbの投与、ならびに異なるmAbの組み合わせまたはカクテルの投与を意図する。このようなmAbカクテルは、それらが、異なるエピトープを標的とするmAb含むか、異なるエフェクター機構を使用するか、または免疫エフェクター機能性に依存するmAbと直接細胞傷害性mAbを組み合わせるので、特定の利点を有し得る。組み合わせたこのようなmAbは、相乗的治療効果を示し得る。さらに、抗24P4C12 mAbは、種々の化学療法薬剤、アンドロゲン遮断薬、免疫調節因子(例えば、IL−2、GM−CSF)、手術または放射線を含むがこれらに限定されない、他の治療薬剤と同時に投与され得る。抗24P4C12 mAbは、その「裸」の形態または非結合形態で投与され得るか、またはそれらに結合した治療薬剤を有し得る。
抗24P4C12抗体処方物は、腫瘍細胞に抗体を送達し得る任意の経路を介して投与される。投与の経路としては、静脈内経路、腹腔内経路、筋肉内経路、腫瘍内経路、皮内経路などが挙げられるが、これらに限定されない。処置は一般的に、代表的に、体重1kgあたり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、または25mgの範囲の用量で、受容可能な投与経路(例えば、静脈内注射(IV))を介する、抗24P4C12抗体調製物の繰り返し投与を含む。一般に、1週間に10〜1000mg mAbの範囲の用量が、効果的であり得かつ十分に許容され得る。
転移性乳癌の処置においてHerceptinTM mAbを用いる臨床実験に基づいて、抗24P4C12 mAb調製物の約4mg/kg患者体重(IV)の初回負荷用量に引き続いて、約2mg/kg(IV)の毎週の用量が、受容可能な投薬レジメンを示す。好ましくは、この初回負荷用量が、90分以上の注入として投与される。その初回用量が十分に許容された場合、周期的維持用量が、30分以上の注入として投与される。当業者が理解するように、種々の因子が、特定の場合における理想的な用量レジメンに影響し得る。このような因子としては、例えば、使用されるAbまたはmAbの結合親和性および半減期、患者における24P4C12発現の程度、循環する放出された(shed)24P4C12抗原の程度、所望される安定状態の抗体濃度レベル、処置の頻度、および本発明の処置方法と組み合わせて使用される化学療法薬剤または他の因子の影響ならびに特定の患者の健康状態が、挙げられる。
必要に応じて、患者は、最も有効な投与レジメンなどの決定を補助するために、所定のサンプル中の24P4C12のレベル(例えば、循環する24P4C12抗原および/または24P4C12発現細胞のレベル)について評価されるべきである。このような評価はまた、治療全体を通じてのモニタリングの目的で使用され、そして他のパラメーター(例えば、膀胱癌治療における尿細胞学および/またはImmunoCytレベル、あるいは、類推されるところによれば、前立腺癌治療における血清PSAレベル)を評価することと組合せて治療的成功を評価するために有用である。
抗イディオタイプ抗24P4C12抗体はまた、抗癌療法において、24P4C12関連タンパク質を発現する細胞に対する免疫応答を惹起するためのワクチンとして使用され得る。詳細には、抗イディオタイプ抗体の生成は、当該分野で周知であり;この方法論は、24P4C12関連タンパク質上のエピトープを模倣する抗イディオタイプ抗24P4C12抗体を生成するように容易に適合され得る(例えば、Wagnerら、1997、Hybridoma 16:33〜40;Foonら、1995、J.Clin.Invest.96:334〜342;Herlynら、1996、Cancer Immunol.Immunother.43:65〜76を参照のこと)。このような抗イディオタイプ抗体は、癌ワクチンストラテジーにおいて使用され得る。
(X.C.細胞免疫応答についての標的としての24P4C12)
本明細書に記載される、免疫原的に有効量の1つ以上のHLA結合ペプチドを含むワクチンおよびこのワクチンを調製する方法は、本発明のさらなる実施形態である。さらに、本発明に従うワクチンは、1つ以上の特許請求されるペプチドの組成物を含む。ペプチドは、ワクチンにおいて個々に存在し得る。あるいは、ペプチドは、同じペプチドの複数コピーを含むホモポリマーとして、または種々のペプチドのヘテロポリマーとして存在し得る。ポリマーは、増加した免疫学的反応の利点を有し、そして異なるペプチドエピトープがポリマーを構成するために使用される場合、免疫応答を標的化する病原性生物または腫瘍関連ペプチドの異なる抗原決定基と反応する抗体および/またはCTLを誘導するというさらなる能力を有する。この組成物は、抗原の天然に存在する領域であり得るか、または例えば、組換えもしくは化学合成によって調製され得る。
本発明のワクチンとともに使用され得るキャリアは、当業者に周知であり、そして例えば、サイログロブリン、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、破傷風トキソイド、ポリアミノ酸(例えば、ポリL−リジン、ポリL−グルタミン酸)、インフルエンザ、B型肝炎ウイルスコアタンパク質などが挙げられる。ワクチンは、生理学的に許容可能(すなわち、受容可能)な希釈剤(例えば、水、または生理食塩水、好ましくは、リン酸緩化衝生理食塩水)を含み得る。ワクチンはまた、代表的に、アジュバントを含む。不完全フロイントアジュバント、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、またはミョウバンのようなアジュバントは、当該分野で周知の材料の例である。さらに、本明細書中で開示されるように、CTL応答は、本発明のペプチドを脂質(例えば、トリパルミトイル−S−グリセリルシステイニルセリル−セリン(P3CSS))に結合体化することによって、初回刺激され得る。さらに、アジュバント(例えば、合成シトシン−ホスホロチオール化グアニン含有(CpG)オリゴヌクレオチド)は、CTL応答を10〜100倍増加することが見出された(例えば、DavilaおよびCelis、J.Immunol.165:539〜547(2000)を参照のこと)。
注射、エアロゾル、経口、経皮、経粘膜、胸内、髄腔内、または他の適切な経路による、本発明に従うペプチド組成物での免疫に際して、宿主の免疫系は、所望の抗原に特異的な、大量のCTLおよび/またはHTLを産生することによってワクチンに応答する。結果として、宿主は、24P4C12抗原を発現するかまたは過剰発現する細胞の後期発生に少なくとも部分的に免疫されるか、あるいは抗原が腫瘍関連であった場合、少なくともいくつかの治療的利益を導く。
いくつかの実施形態において、クラスIペプチド成分を、標的抗原に対する中和抗体および/またはヘルパーT細胞応答を誘導するかまたは促進する成分と組み合わせることが望ましくあり得る。このような組成物の好ましい実施形態は、本発明に従うクラスIエピトープおよびクラスIIエピトープを含む。このような組成物の代替の実施形態は、交叉反応性HTLエピトープ(例えば、PADRETM(Epimmune、San Diego、CA)分子(例えば、米国特許第5,736,142号に記載される))とともに、本発明に従うクラスIエピトープおよび/またはクラスIIエピトープを含む。
本発明のワクチンはまた、抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞(DC))を、本発明のペプチドを提示するためのビヒクルとして含み得る。樹状細胞を動員(mobilization)し、そして収集し、これによって、樹状細胞の負荷をインビトロで生じさせた後に、ワクチン組成物が、インビトロで作製され得る。例えば、樹状細胞は、例えば、本発明に従うミニ遺伝子でトランスフェクトされるか、またはペプチドでパルスされる。次いで、樹状細胞は、インビボで免疫応答を惹起するために患者に投与され得る。
ワクチン組成物(DNAベースまたはペプチドベースのいずれか)はまた、樹状細胞動員とともにインビボで投与され得、これによって、樹状細胞の負荷がインビボで生じる。
好ましくは、以下の原理が、ワクチンにおける使用のためのポリエピトープ組成物中での封入のために、あるいはワクチンに含まれるべき、そして/または核酸(例えば、ミニ遺伝子)によってコードされるべき別々のエピトープを選択するために、エピトープのアレイを選択する場合に利用される。以下の原理のそれぞれが選択を行うためにバランスをとられることが好ましい。所定のワクチン組成物に組み込まれるマルチエピトープは、エピトープが由来するネイティブ抗原において連続した配列であり得るが、そうである必要はない。
1.)投与のとき、腫瘍クリアランスと相関して観測された免疫応答を模倣するエピトープが選択される。HLAクラスIについて、これは、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)に由来する3〜4エピトープを含む。HLAクラスIIについて、類似の原理が使用される;再び、3〜4エピトープは、少なくとも1つのTAAから選択される(例えば、Rosenbergら、Science 278:1447〜1450を参照のこと)。1つのTAAからのエピトープは、1つ以上のさらなるTAAからのエピトープと組み合わせて使用され、頻繁に発現されるTAAの種々の発現パターンを有する腫瘍を標的化するワクチンを産生し得る。
2.)免疫原性と関連することが確証された必須の結合親和性を有するエピトープが選択される:HLAクラスIについて、500nM以下(しばしば、200nM以下)のIC50;およびクラスIIについて、1000nM以下のIC50。
3.)十分なスーパーモチーフ保有ペプチド、または対立遺伝子特異的モチーフ保有ペプチドの十分なアレイが、広い集団範囲を与えるように選択される。例えば、少なくとも80%の集団範囲を有することが好ましい。モンテカルロ分析(当該分野で公知の統計的評価)を使用して、集団範囲の幅または重複性を評価し得る。
4.)癌関連抗原由来のエピトープが選択される場合、アナログを選択することがしばしば有用である。なぜなら、患者は、ネイティブのエピトープに対して耐性を発達させている場合があるからである。
5.)「ネスト化エピトープ(nested epitope)」と呼ばれるエピトープが、特に関連する。ネスト化エピトープは、少なくとも2つのエピトープが所定のペプチド配列で重なる場合に生じる。ネスト化ペプチド配列は、B細胞エピトープ、HLAクラスIエピトープおよび/またはHLAクラスIIエピトープを含み得る。ネスト化エピトープを提供する場合、一般的な目的は、配列当たり最も多くの数のエピトープを提供することである。従って、1つの局面は、ペプチド中のアミノ末端エピトープのアミノ末端およびカルボキシル末端エピトープのカルボキシル末端よりもいくらかでも長いペプチドを提供することを避けることである。マルチエピトープ配列(例えば、ネスト化エピトープを含む配列)を提供する場合、病理学的なまたは他の有害な生物学的特性を有さないことを保証するために、配列をスクリーニングすることが一般的に重要である。
6.)ポリエピトープタンパク質を作製する場合、またはミニ遺伝子を作製する場合、目的は、目的のエピトープを含む最小のペプチドを作製することである。この原理は、ネスト化エピトープを含むペプチドを選択する場合に使用される原理と同じでない場合、類似する。しかし、人工ポリエピトープペプチドを用いる場合、サイズ最小化の目的は、ポリエピトープタンパク質中のエピトープ間に任意のスペーサー配列を組み込む必要性に対してバランスがとられる。例えば、スペーサーアミノ酸残基は、接合エピトープ(junctional epitope)(免疫系によって認識され、標的抗原に存在せず、かつエピトープの人工並置によってのみ作製されるエピトープ)を避けるためにか、またはエピトープ間の切断を容易にし、それによって、エピトープ提示を増強するために導入され得る。接合エピトープは、一般的に、避けられるべきである。なぜなら、レシピエントは、その非ネイティブなエピトープに対する免疫応答を生成し得るからである。「優性エピトープ」である接合エピトープに対し、特に関心が高い。優性エピトープは、他のエピトープに対する免疫応答が減少されるかまたは抑制されるような強い(zealous)応答を導き得る。
7.)同じ標的タンパク質の複数の改変体の配列が存在する場合、潜在的なペプチドエピトープはまた、それらの保存性に基づいて選択され得る。例えば、保存性についての基準は、HLAクラスI結合ペプチドの配列全体またはクラスII結合ペプチドの9マーのコア全体が、特定のタンパク質抗原について評価される配列の指定された割合で保存されることを規定し得る。
(X.C.1.ミニ遺伝子ワクチン)
複数のエピトープの共送達を可能にする多くの異なるアプローチが利用可能である。本発明のペプチドをコードする核酸は、本発明の特に有用な実施形態である。ミニ遺伝子中への封入のためのエピトープは、好ましくは、前の章に記載されるガイドラインに従って選択される。本発明のペプチドをコードする核酸を投与する好ましい手段は、本発明の1つのエピトープまたはマルチエピトープを含むペプチドをコードするミニ遺伝子構築物を使用する。
マルチエピトープミニ遺伝子の使用は、以下およびIshiokaら、J.Immunol.162:3915〜3925、1999;An,L.およびWhitton,J.L.,J.Virol.71:2292,1997;Thomson,S.A.ら、J.Immunol.157:822,1996;Whitton,J.L.ら、J.Virol.67:348,1993;Hanke,R.ら、Vaccine 16:426,1998に記載される。例えば、24P4C12由来のスーパーモチーフ保有エピトープおよび/またはモチーフ保有エピトープをコードするマルチエピトープDNAプラスミド、PADRE(登録商標)ユニバーサルヘルパーT細胞エピトープまたは24P4C12由来の複数のHTLエピトープ(例えば、表VIII〜XXIおよびXXII〜XLIXを参照のこと)、および小胞体トランスロケーションシグナル配列が操作され得る。ワクチンはまた、他のTAA由来のエピトープを含み得る。
マルチエピトープミニ遺伝子の免疫原性は、試験されるエピトープに対するCTL誘導応答の大きさを評価するためにトランスジェニックマウスで確認され得る。さらに、インビボのDNAコードエピトープの免疫原性は、DNAプラスミドでトランスフェクトされた標的細胞に対する特定のCTL株のインビトロ応答と相関し得る。従って、これらの実験は、ミニ遺伝子が、1)CTL応答を生成すること、および2)誘導されたCTLが、コードされたエピトープを発現する細胞を認識することの両方に役立つことを示し得る。
例えば、ヒト細胞における発現のために選択されたエピトープ(ミニ遺伝子)をコードするDNA配列を作製するために、エピトープのアミノ酸配列は、逆翻訳され得る。ヒトコドン使用頻度表は、各アミノ酸に対するコドン選択の指針のために使用され得る。これらのエピトープコードDNA配列は、直接隣接し得、その結果、翻訳された場合に、連続したポリペプチド配列が作製される。発現および/または免疫原性を最適化するために、さらなるエレメントが、ミニ遺伝子設計に組み込まれ得る。ミニ遺伝子配列に逆翻訳され得、そして含まれ得るアミノ酸配列の例としては、以下が挙げられる:HLAクラスIエピトープ、HLAクラスIIエピトープ、抗体エピトープ、ユビキチン化シグナル配列、および/または小胞体標的化シグナル。さらに、CTLおよびHTLエピトープのHLA提示は、CTLまたはHTLエピトープに隣接する、合成(例えば、ポリ−アラニン)または天然に存在する隣接配列を含むことによって改善され得る;エピトープを含むこれらのより大きなペプチドは、本発明の範囲内である。
ミニ遺伝子配列は、ミニ遺伝子のプラス鎖およびマイナス鎖をコードするオリゴヌクレオチドを組み立てることによってDNAに変換され得る。重複オリゴヌクレオチド(30〜100塩基長)は、周知技術を使用して、適切な条件下で、合成され得、リン酸化され得、精製され得、そしてアニールされ得る。オリゴヌクレオチドの末端は、例えば、T4 DNAリガーゼを使用して結合され得る。次いで、この合成ミニ遺伝子(エピトープポリペプチドをコードする)は、所望の発現ベクターにクローン化され得る。
当業者に周知の標準的な調節配列は、好ましくは、標的細胞における発現を確実にするためにベクターに含まれる。いくつかのベクターエレメントが、望ましい:ミニ遺伝子挿入のための下流クローニング部位を有するプロモーター;効率的な転写終結のためのポリアデニル化シグナル;E.coli複製起点;およびE.coli選択マーカー(例えば、アンピシリン耐性またはカナマイシン耐性)。多くのプロモーター(例えば、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)プロモーター)がこの目的のために使用され得る。他の適切なプロモーター配列について、例えば、米国特許第5,580,859号および同第5,589,466号を参照のこと。
さらなるベクター改変は、ミニ遺伝子発現および免疫原性を最適化するために所望され得る。いくつかの場合において、イントロンは、効率的な遺伝子発現に必要とされ、そして1つ以上の合成イントロンまたは天然に存在するイントロンが、ミニ遺伝子の転写領域に組み込まれ得る。mRNA安定化配列および哺乳動物細胞における複製のための配列を含むこともまた、ミニ遺伝子発現を増加するために考慮され得る。
一旦、発現ベクターが選択されると、ミニ遺伝子は、プロモーターの下流のポリリンカー領域にクローン化される。このプラスミドは、適切なE.coli株に形質転換され、そしてDNAは、標準的な技術を使用して調製される。ミニ遺伝子の方向およびDNA配列、ならびにベクターに含まれる全ての他のエレメントは、制限マッピングおよびDNA配列分析を使用して確認される。正しいプラスミドを有する細菌細胞は、マスター細胞バンクおよび作業細胞バンクとして保存され得る。
さらに、免疫刺激配列(ISSまたはCpG)は、DNAワクチンの免疫原性において役割を果たすようである。これらの配列は、免疫原性を増強することが望ましい場合に、ミニ遺伝子コード配列の外側で、ベクターに含まれ得る。
いくつかの実施形態において、ミニ遺伝子コードエピトープおよび第2タンパク質(免疫原性を増強または減少するために含まれる)の両方の産生を可能にするビシストロニック(bi−cistronic)発現ベクターが使用され得る。共発現される場合に免疫応答を有利に増強し得るタンパク質またはポリペプチドの例としては、サイトカイン(例えば、IL−2、IL−12、GM−CSF)、サイトカイン誘導分子(例えば、LeIF)、共刺激分子、または、HTL応答について、pan−DR結合タンパク質(PADRETM、Epimmune、San Diego、CA)が挙げられる。ヘルパー(HTL)エピトープは、細胞内標的化シグナルに結合され得、そして発現されるCTLエピトープから別々に発現され得る;これは、CTLエピトープとは異なる細胞区画へのHTLエピトープの方向付けを可能にする。必要とされる場合、これは、HTLエピトープのHLAクラスII経路へのより効率的な進入を促進し得、それによって、HTL誘導を改善する。HTL誘導またはCTL誘導と対照的に、免疫抑制分子分子(例えば、TGF−β)の共発現によって免疫応答を特異的に減少させることは、特定の疾患において有益であり得る。
治療的な量のプラスミドDNAは、例えば、E.coliにおける発酵、続く精製によって生成され得る。運用中の細胞バンクからのアリコートを使用して、増殖培地に播種し、そして周知技術に従ってシェーカーフラスコまたはバイオリアクターで飽和まで増殖される。プラスミドDNAは、QIAGEN,Inc.(Valencia,California)によって供給される固相アニオン交換樹脂のような標準的な生物分離技術を使用して精製され得る。必要な場合、スーパーコイルDNAは、ゲル電気泳動または他の方法を使用して、開環状形態および線形形態から単離され得る。
精製プラスミドDNAは、種々の処方物を使用して注射のために調製され得る。これらのうち最も簡単なものは、滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中での凍結乾燥されたDNAの再構成である。このアプローチ(「裸(naked)のDNA」として公知である)は、臨床試験における筋肉内(IM)投与のために現在使用される。ミニ遺伝子DNAワクチンの免疫治療効果を最大化するために、精製プラスミドDNAを処方するための代替方法が、望ましくあり得る。種々の方法が記載されており、そして新規な技術が利用可能となり得る。カチオン性脂質、糖脂質、および膜融合(fusogenic)リポソームもまた、処方物中で使用され得る(例えば、WO93/24640;Mannino & Gould−Fogerite、BioTechniques 6(7):682(1988);米国特許第5,279,833号;WO91/06309;およびFelgnerら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA84:7413(1987)による記載を参照のこと)。さらに、保護性の相互作用性非凝縮化合物(PINC)として総称されるペプチドおよび化合物もまた、安定性、筋肉内分散性、あるいは特定の器官または細胞型への輸送のような変数に影響するように、精製プラスミドDNAに複合化され得る。
標的細胞感作は、ミニ遺伝子コードCTLエピトープの発現およびHLAクラスI提示についての機能性アッセイとして使用され得る。例えば、プラスミドDNAは、標準的なCTLクロム放出アッセイのための標的として適切な哺乳動物細胞株に導入される。使用されるトランスフェクション方法は、最終処方物に依存する。エレクトロポレーションは、「裸」のDNAのために使用され得るが、カチオン性脂質は、直接的なインビトロトランスフェクションを可能とする。緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するプラスミドは、蛍光細胞活性化細胞分別(FACS)を使用して、トランスフェクトされた細胞の濃縮を可能にするために共トランスフェクトされ得る。次いで、これらの細胞は、クロム−51(51Cr)標識され、そしてエピトープ特異的CTL株に対する標的細胞として使用され;細胞溶解(51Cr放出によって検出される)は、ミニ遺伝子コード化CTLエピトープの産生およびHLA提示の両方を示す。HTLエピトープの発現は、HTL活性を評価するためのアッセイを使用して、類似の様式で評価され得る。
インビボ免疫原性は、ミニ遺伝子DNA処方物の機能試験についての第2のアプローチである。適切なヒトHLAタンパク質を発現するトランスジェニックマウスを、DNA産物を用いて免疫する。用量および投与経路は、処方物に依存する(例えば、PBS中のDNAについてIM、脂質複合化DNAについて腹腔内(i.p.))。免疫の21日後、脾細胞を収集し、そして試験される各エピトープをコードするペプチドの存在下で1週間、再刺激する。その後、CTLエフェクター細胞について、標準的技術を使用して、ペプチド負荷51Cr標識標的細胞の細胞溶解についてのアッセイを行う。ミニ遺伝子コードエピトープに対応するペプチドエピトープを負荷されたHLAによって感作された標的細胞の溶解は、CTLのインビボ導入についてのDNAワクチン機能を実証する。HTLエピトープの免疫原性は、類似の方法で、トランスジェニックマウスにおいて確認される。
あるいは、核酸は、例えば、米国特許第5,204,253号に記載されるように、弾道的(ballistic)送達を使用して投与され得る。この技術を使用して、DNAのみから構成される粒子が投与される。さらなる代替の実施形態において、DNAは、粒子(例えば、金粒子)に接着され得る。
ミニ遺伝子はまた、当該分野で周知の他の細菌送達系またはウイルス送達系を使用して送達され得る(例えば、本発明のエピトープをコードする発現構築物が、ワクシニアのようなウイルスベクターに組み込まれ得る)。
(X.C.2.)CTLペプチドとヘルパーペプチドとの組合せ)
本発明のCTLペプチドを含むワクチン組成物は、所望の性状(例えば、改善された血清半減期、広げられた集団適用範囲、または増強された免疫原性)を提供するために改変(例えば、アナログ化)され得る。
例えば、ペプチドがCTL活性を誘導する能力は、ペプチドを、Tヘルパー細胞応答を誘導し得る少なくとも1つのエピトープを含む配列に連結することによって増強され得る。CTLペプチドは直接Tヘルパーペプチドに連結され得るが、しばしば、CTLエピトープ/HTLエピトープ結合体は、スペーサー分子によって連結される。スペーサーは、代表的に、比較的小さな中性の分子(例えば、アミノ酸またはアミノ酸模倣物)(これは、生理学的条件下において、実質的に荷電されていない)から構成される。スペーサーは、代表的に、例えば、Ala、Gly、あるいは非極性アミノ酸または中性極性アミノ酸の他の中性スペーサーから選択される。任意に存在するスペーサーが同じ残基から構成される必要はなく、従って、ヘテロオリゴマーまたはホモオリゴマーであり得ることが理解される。存在する場合、スペーサーは、通常、少なくとも1つまたは2つの残基、より通常には、3〜6個の残基、ときどき、10以上の残基である。CTLペプチドエピトープは、CTLペプチドのアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかにおいて、直接的またはスペーサーを介してのいずれかで、Tヘルパーペプチドに連結され得る。免疫原性ペプチドまたはTヘルパーペプチドのいずれかのアミノ末端は、アシル化され得る。
特定の実施形態において、Tヘルパーペプチドは、遺伝的に多様な集団の大部分に存在するTヘルパー細胞によって認識されるペプチドである。これは、多くの、ほとんどの、または全てのHLAクラスII分子に結合するペプチドを選択することによって達成され得る。多くのHLAクラスII分子に結合するこのようなアミノ酸の例は、破傷風トキソイドの830〜843位QYIKANSKFIGITE(配列番号29)、Plasmodium falciparumサーカムスポロゾイト(circumsporozoite)(CS)タンパク質の378〜398位DIEKKIAKMEKASSVFNVVNS(配列番号30)、およびStreptococcus 18kDタンパク質の116〜131位GAVDSILGGVATYGAA(配列番号31)のような抗原由来の配列を含む。他の例としては、DR 1−4−7スーパーモチーフ、またはDR3モチーフのいずれかを有するペプチドを含む。
あるいは、天然に見出されないアミノ酸配列を使用して、緩いHLA拘束様式(loosely HLA−restricted fashion)で、Tヘルパーリンパ球を刺激し得る合成ペプチドを調製することが可能である(例えば、PCT公開WO95/07707を参照のこと)。Pan−DR結合エピトープ(例えば、PADRETM、Epimmune,Inc.,San Diego,CA)と呼ばれるこれらの合成化合物は、大部分のHLA−DR(ヒトHLAクラスII)分子に最も好ましく結合するように設計される。例えば、式:AKXVAAWTLKAAA(配列番号32)(ここで、「X」は、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、またはチロシンのいずれかであり、そしてaは、D−アラニンまたはL−アラニンのいずれかである)を有するpan−DR結合エピトープペプチドは、大部分のHLA−DR対立遺伝子に結合し、そしてそれらのHLA型に関わりなく、大部分の個体由来のTヘルパーリンパ球の応答を刺激することが見出された。pan−DR結合エピトープの代替物は、全て「L」天然アミノ酸を含み、そしてエピトープをコードする核酸の形態で提供され得る。
HTLペプチドエピトープはまた、それらの生物学的特性を変更するために改変され得る。例えば、これらは、プロテアーゼに対するそれらの耐性を増加し、従って、それらの血清半減期を拡大するためにD−アミノ酸を含むように改変され得るか、あるいはこれらは、それらの生物学的活性を増加させるために、脂質、タンパク質、炭水化物などのような他の分子に結合され得る。例えば、Tヘルパーペプチドは、アミノ末端またはカルボキシル末端のいずれかにおいて、1つ以上のパルミチン酸鎖に結合体化され得る。
(X.C.3.)CTLペプチドとT細胞プライミング剤との組合せ)
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物中に、Bリンパ球またはTリンパ球をプライミングする少なくとも1つの成分を含むことが望ましくあり得る。脂質は、CTLをインビボでプライミングし得る薬剤として同定されている。例えば、パルミチン酸残基は、リジン残基のε−アミノ基およびα−アミノ基に結合され得、次いで、例えば、Gly、Gly−Gly、Ser、Ser−Serなどのような1つ以上の連結残基を介して免疫原性ペプチドに連結され得る。次いで、脂質化ペプチドは、ミセルまたは粒子で直接的に投与され得るか、リポソームに組み込まれ得るか、またはアジュバント(例えば、不完全フロイントアジュバント)中で乳化され得るかのいずれかで投与され得る。好ましい実施形態において、特に有効な免疫原性組成物は、Lysのε−アミノ基およびα−アミノ基に結合されたパルミチン酸(これは、免疫原性ペプチドのアミノ末端に連結(例えば、Ser−Ser)を介して結合される)を含む。
CTL応答の脂質プライミングの別の例として、E.coliリポタンパク質(例えば、トリパルミトイル−S−グリセリルシステイニルセリル−セリン(P3CSS))は、適切なペプチドに共有結合される場合、ウイルス特異的CTLをプライミングするために使用され得る(例えば、Deresら、Nature 342:561,1989を参照のこと)。本発明のペプチドは、例えば、P3CSSに結合され得、そしてこのリポペプチドは、標的抗原に免疫応答を特異的にプライミングするために個体に投与され得る。さらに、中和抗体の導入がまたP3CSS結合エピトープを用いてプライミングされ得るので、2つのこのような組成物は、体液性応答および細胞媒介応答の両方をより効率的に惹起するように組み合わせられ得る。
(X.C.4.)CTLペプチドおよび/またはHTLペプチドでパルスされたDCを含むワクチン組成物)
本発明に従うワクチン組成物の実施形態は、患者血液由来のPBMC、またはそれら由来の単離されたDCに対する、エピトープ保有ペプチドのカクテルのエキソビボ投与を含む。DCの収集を容易にする薬物(例えば、ProgenipoietinTM(Pharmacia−Monsanto,St.Louis,MO)またはGM−CSF/IL−4)が使用され得る。DCをペプチドでパルスした後、そして患者に再注入する前に、未結合ペプチドを除去するためにDCを洗浄する。この実施形態において、ワクチンは、それらの表面に、HLA分子を複合体化した、パルスされたペプチドエピトープを提示するペプチドパルス化DCを含む。
DCは、ペプチドのカクテルを用いてエキソビボでパルスされ得、これらのうちのいくつかは、24P4C12に対するCTL応答を刺激する。必要に応じて、ヘルパーT細胞(HTL)ペプチド(例えば、天然または人工の緩い拘束性HLAクラスIIペプチド)は、CTL応答を促進するために含まれ得る。従って、本発明に従うワクチンは、24P4C12を発現するかまたは過剰発現する癌を処置するために使用される。
(X.D.)養子免疫療法)
抗原性24P4C12関連ペプチドは、エキソビボでCTL応答および/またはHTL応答もまた惹起するために使用される。得られるCTL細胞またはHTL細胞は、他の従来の形式の治療に応答しないか、または本発明に従う治療ワクチンペプチドまたは核酸に応答しない患者の腫瘍を処置するために使用され得る。特定の抗原に対するエキソビボCTL応答またはHTL応答は、組織培養物中において、患者のまたは遺伝的に適合性のCTL前駆細胞またはHTL前駆細胞を、抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞)の供給源および適切な免疫原性ペプチドとともにインキュベートすることによって誘導される。適切なインキュベーション時間(代表的には、約7〜28日)(ここで、前駆細胞が、活性化され、そして効果細胞へと拡大する)後に、細胞は、患者に注入して戻され、ここで、これらは、特定の標的細胞(例えば、腫瘍細胞)を破壊する(CTL)か、または破壊を促進する(HTL)。トランスフェクトされた樹状細胞はまた、抗原提示細胞として使用され得る。
(X.E.)治療目的または予防目的のためのワクチンの投与)
本発明の薬学的組成物およびワクチン組成物は、代表的に、24P4C12を発現するかまたは過剰発現する癌を処置および/または予防するために使用される。治療適用において、ペプチド組成物および/または核酸組成物は、抗原に対して有効なB細胞応答、CTL応答および/またはHTL応答を誘発し、そして症状および/または合併症を治癒するかあるいは少なくとも部分的に停止または遅延させるのに十分な量で患者に投与される。これを達成するのに適切な量は、「治療的有効用量」として規定される。この使用のための有効量は、例えば、投与される特定の組成物、投与方法、処置される疾患の病期および重篤度、患者の体重および全身状態、ならびに処方する医師の判断に依存する。
薬学的組成物について、本発明の免疫原性ペプチド、またはそれらをコードするDNAは、一般的に、24P4C12を発現する腫瘍をすでに有する個体に投与される。ペプチドまたはそれらをコードするDNAは、個々に、または1つ以上のペプチド配列の融合物として投与され得る。患者は、適切なように、別々にまたは他の処置(例えば、外科手術)とともに、免疫原性ペプチドを用いて処置され得る。
治療的使用のために、投与は、一般的に、24P4C12関連癌の第1の診断において開始すべきである。これは、少なくとも症状が実質的に停止するまで、そしてその後の一定期間の間、用量をブーストすることによって続けられる。患者に送達されるワクチン組成物の実施形態(すなわち、ペプチドカクテル、ポリエピトープポリペプチド、ミニ遺伝子、またはTAA特異的CTLまたはパルスされた樹状細胞のような実施形態を含むが、これらに限定されない)は、疾患の病期または患者の健康状態に従って、変化し得る。例えば、24P4C12を発現する腫瘍を有する患者において、24P4C12特異的CTLを含むワクチンは、代替の実施形態よりも進行した疾患を有する患者において腫瘍細胞を殺す際に、より有効であり得る。
細胞傷害性T細胞応答を効率的に刺激するのに十分な投与の様式によって送達されるペプチドエピトープの量を提供することが一般的に重要である;ヘルパーT細胞応答を刺激する組成物はまた、本発明のこの実施形態に従って、与えられ得る。
最初の治療的免疫化のための投薬量は、一般的に、下限値が約1μg、5μg、50μg、500μg、または1,000μgであり、かつ上限値が約10,000μg;20,000μg;30,000μg;または50,000μgである単位用量範囲で存在する。ヒトのための投薬量値は、代表的に、70kgの患者当たり、約500μg〜約50,000μgの範囲である。数週間〜数ヶ月にわたるブーストレジメンに従って、約1.0μg〜約50,000μgの間のブースト投薬量のペプチドが、患者の血液から得られたCTLおよびHTLの比活性を測定することによって決定されるような患者の応答および状態に依存して投与され得る。投与は、少なくとも臨床的症状または実験室の試験によって、新生物形成が、排除されるかまたは減少することを示すまで、そしてその後、一定期間続けられるべきである。投薬量、投与の経路、および用量スケジュールは、当該分野に公知の方法論に従って調整される。
特定の実施形態において、本発明のペプチドおよび組成物は、重篤な疾患状態(すなわち、生命を脅かすかまたは潜在的に生命を脅かす状態)で使用される。このような場合、本発明の好ましい組成物では、外来性物質が最小量でありそしてペプチドが比較的非毒性の性質であることの結果として、これらの記載された投薬量と比較してかなり過剰のこれらのペプチド組成物を投与することが可能であり、そして処置する医師によって望ましく感じられら得る。
本発明のワクチン組成物はまた、純粋に予防薬剤として使用され得る。一般的に、初回の予防免疫のための投薬量は一般に、低い値が約1、5、50、500または1000μgでありかつ高い値が約10,000;20,000;30,000;または50,000μgである単位投薬量範囲で存在する。ヒトのための投薬量の値は、代表的に、70kgの患者あたりで約500μg〜約50,000μgの範囲である。これに続いて、初回のワクチン投与から約4週間後〜6ヵ月後の規定された間隔で、約1.0μg〜約50,000μgの間のペプチドのブースト投薬量が投与される。ワクチンの免疫原性は、患者の血液サンプルから得られるCTLおよびHTLの比活性を測定することによって評価され得る。
治療的処置のための薬学的組成物は、非経口投与、局所的(topical)投与、経口投与、経鼻投与、クモ膜下腔内(intrathecal)投与、または局部的(local)投与(例えば、クリームまたは局所的軟膏として)のために意図される。好ましくは、この薬学的組成物は、非経口的(例えば、静脈内、皮下的、皮内、または筋内)に投与される。従って、本発明は、受容可能なキャリア(好ましくは、水性キャリア)中に溶解または懸濁された免疫原性ペプチドの溶液を含む、非経口投与のための組成物を提供する。
種々の水性キャリア(例えば、水、緩衝化水、0.8%生理食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸など)が使用され得る。これらの組成物は、従来からの周知の滅菌技術によって滅菌され得るか、または濾過滅菌され得る。得られた水溶液は、使用のためにその状態のままでパッケージされ得るか、または凍結乾燥され得る(この凍結乾燥された調製物は、投与前に滅菌溶液と合わせられる)。
この組成物は、必要に応じて、生理的条件に近づけるために、薬学的に受容可能な補助物質(例えば、pH調整剤および緩衝化剤、張度調整剤、湿潤剤、防腐薬など(例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミンなど))を含み得る。
薬学的処方物における本発明のペプチドの濃度は、広範に(すなわち、約0.1重量%未満から、通常は、約2重量%であるかもしくは少なくとも約2重量%から、20重量%〜50重量%ほど多くまで、またはそれより多くまで)変動し得、そして選択された特定の投与様式に従って、主に流体容量、粘度などにより選択される。
組成物のヒト単位用量形態は、代表的に、ヒト単位用量の受容可能なキャリア(1つの実施形態では、水性キャリア)を含む薬学的組成物中に含まれ、そしてヒトへのこのような組成物の投与のために使用されることが当業者に公知(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,編者A.Gennaro,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania,1985を参照のこと)の容量/量で投与される。例えば、初回免疫のためのペプチド用量は、70kgの患者について、約1〜約50,000μg、一般的には、100〜5,000μgであり得る。例えば、核酸については、初回免疫は、裸の核酸の形態で発現ベクターを使用して実施され得、複数の部位に0.5〜5mgの量でIM(またはSCもしくはID)投与され得る。核酸(0.1〜1000μg)もまた、遺伝子銃を使用して投与され得る。3〜4週間のインキュベーション期間後に、次いで、ブースター用量が投与される。ブースターは、5×107〜5×109pfuの用量で投与される組換え鶏痘ウイルスであり得る。
抗体について、処置は一般に、静脈内注射(IV)のような受容可能な投与経路を介して、代表的には約0.1〜約10mg/kg体重の範囲の用量で、抗24P4C12抗体調製物を反復投与することを包含する。一般的には、1週間あたり10〜500mg mAbの範囲の用量が有効であり、かつ十分に許容される。さらに、抗24P4C12 mAb調製物を、IVで約4mg/kg患者体重の初回負荷用量で与え、次いで毎週、IVで約2mg/kgの用量を与えることは、受容可能な投薬レジメンを表す。当業者に理解されるように、種々の要因が、特定の場合における理想的な用量に影響を及ぼし得る。このような要因としては、例えば、組成物の半減期、Abの結合親和性、物質の免疫原性、患者における24P4C12の発現程度、循環しているシェッド(shed)24P4C12抗原の程度、所望される定常状態の濃度レベル、処置の頻度、および本発明の処置方法と組み合わせて使用される化学療法剤または他の薬剤の影響、ならびに特定の患者の健康状態が挙げられる。限定ではない好まれるヒト単位の用量は、例えば、500μl〜1mg、1mg〜50mg、50mg〜100mg、100mg〜200mg、200mg〜300mg、400mg〜500mg、500mg〜600mg、600mg〜700mg、700mg〜800mg、800mg〜900mg、900mg〜1g、または1mg〜700mgである。特定の実施形態においては、用量は、以下の範囲である:2〜5mg/kg体重(例えば、毎週1〜3mg/kgの用量);0.5mg、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10mg/kg体重(例えば、毎週の用量で2、3または4週間);0.5〜10mg/kg体重(例えば、毎週の用量で2、3または4週間);毎週の225、250、275、300、325、350、375、400mg m2体表面積;毎週の1〜600mg m2体表面積;毎週の225〜400mg m2体表面積;これらは、2、3、4、5、6、7、8、9、19、11、12またはそれ以上の週の間、毎週の用量によって従われ得る。
1つの実施形態では、ポリヌクレオチドのヒト単位投薬形態は、任意の治療的効果を与える適切な投薬量範囲または有効量を含む。当業者に理解されるように、治療的効果は、ポリヌクレオチドの配列、ポリヌクレオチドの分子量、および投与経路を含む多数の要因に依存する。投薬量は一般的に、症状の重篤度、患者の病歴などのような、当該分野で公知の種々のパラメーターに従って、医師または他の医療専門家により選択される。一般的には、約20塩基のポリヌクレオチドについて、投薬量範囲は、例えば、約0.1、0.25、0.5、1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400または500mg/kgのような独立して選択される下限から、その下限よりも大きな約60、80、100、200、300、400、500、750、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10,000mg/kgの独立して選択される上限までの中から選択され得る。例えば、用量は、以下のほぼいずれかであり得る:0.1〜100mg/kg、0.1〜50mg/kg、0.1〜25mg/kg、0.1〜10mg/kg、1〜500mg/kg、100〜400mg/kg、200〜300mg/kg、1〜100mg/kg、100〜200mg/kg、300〜400mg/kg、400〜500mg/kg、500〜1000mg/kg、500〜5000mg/kg、または500〜10,000mg/kg。一般的に、非経口的な投与経路は、疾患組織に対するより直接的なポリヌクレオチドの適用(より長いポリヌクレオチドで行う場合)と比較して、より多い用量のポリヌクレオチドを必要とし得る。
1つの実施形態では、T細胞のヒト単位投薬形態は、任意の治療的効果を与える適切な投薬量範囲または有効量を含む。当業者に理解されるように、治療的効果は、多数の要因に依存する。投薬量は一般的に、症状の重篤度、患者の病歴などのような、当該分野で公知の種々のパラメーターに従って、医師または他の医療専門家により選択される。用量は、約104細胞〜約106細胞、約106細胞〜約108細胞、約108細胞〜約1011細胞、または約108細胞〜約5×1010細胞であり得る。用量はまた、約106細胞/m2〜約1010細胞/m2、または約106細胞/m2〜約108細胞/m2であり得る。
本発明のタンパク質(1つまたは複数)および/またはそのタンパク質(1つまたは複数)をコードする核酸はまた、リポソームを介して投与され得、それらはまた以下のために役立ち得る:1)リンパ系組織のような特定組織へのタンパク質(1つまたは複数)の標的化;2)疾患細胞に対する選択的な標的化;または、3)ペプチド組成物の半減期の増加。リポソームとしては、エマルジョン、泡沫体(foam)、ミセル、不溶性単層、液晶、リン脂質分散体、層状層などが挙げられる。これらの調製物において、送達されるペプチドは、単独でかあるいはリンパ系細胞に蔓延しているレセプターに結合する分子(例えば、CD45抗原に結合するモノクローナル抗体)と組み合わせてかまたは他の治療用組成物もしくは免疫原性組成物と組み合わせて、リポソームの部分として組み込まれる。従って、本発明の所望のペプチドを充填しているかまたは施されているかのいずれかであるリポソームは、リンパ系細胞の部位に指向され得、次いで、このリンパ系細胞に、リポソームはペプチド組成物を送達する。本発明に従って使用するためのリポソームは、標準的な小胞形成脂質から形成され、これは一般的に、中性リン脂質および負に荷電したリン脂質、ならびにステロール(例えば、コレステロール)を含む。脂質の選択は一般的に、例えば、リポソームのサイズ、酸不安定性、および血流中でのリポソームの安定性の考慮により導かれる。リポソームを調製するためには、例えば、Szokaら、Ann.Rev.Biophys.Bioeng.9:467(1980)ならびに米国特許第4,235,871号、同第4,501,728号、同第4,837,028号、および同第5,019,369号に記載されているように、種々の方法が利用可能である。
免疫系の細胞を標的化するために、リポソームに取り込まれるべきリガンドとしては、例えば、所望される免疫系細胞の細胞表面決定基に特異的な抗体またはそのフラグメントが挙げられ得る。ペプチドを含むリポソーム懸濁物は、とりわけ、投与様式、送達されるペプチド、および処置される疾患の病期に従って変動する用量において、静脈内投与、局部的(locally)投与、局所的(topically)投与などによって投与され得る。
固形組成物については、従来の非毒性の固形キャリアが使用され得、これには、例えば、製薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。経口投与のために、薬学的に受容可能な非毒性の組成物は、任意の通常使用される賦形剤(例えば、先に列挙されたキャリアなど)と、一般的に10〜95%の活性成分(すなわち、本発明の1つ以上のペプチド)そしてより好ましくは、25%〜75%の濃度の活性成分とを組み込むことによって形成される。
エアロゾル投与のために、免疫原性ペプチドは好ましくは、界面活性剤および噴霧剤と共に細かく分割された形態で供給される。ペプチドの代表的なパーセンテージは、約0.01重量%〜20重量%、好ましくは、約1%〜10%である。当然ながら、界面活性剤は非毒性でなければならず、そして好ましくは、噴霧剤に可溶性でなければならない。このような薬剤の代表例は、脂肪族多価アルコールまたはその環状無水物を有する、約6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸(例えば、カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリック酸(olesteric acid)、およびオレイン酸)のエステルおよび部分エステルである。混合エステル(例えば、混合グリセリドまたは天然のグリセリド)が使用され得る。界面活性剤は、その組成物の約0.1重量%〜20重量%、好ましくは、約0.25〜5%を構成し得る。組成物の残りは通常、噴霧剤である。キャリアもまた、例えば、鼻腔内送達のためのレシチンの場合のように、所望の場合に含まれ得る。
(XI.)24P4C12の診断的実施形態および予後的実施形態)
本明細書中で開示されるように、24P4C12ポリヌクレオチド、24P4C12ポリペプチド、24P4C12反応性の細胞傷害性T細胞(CTL)、24P4C12反応性のヘルパーT細胞(HTL)および抗ポリペプチド抗体は、癌のような調節不全性の細胞増殖と関連した状態、特に、表Iに列挙された癌(例えば、その組織発現の特異的パターン、ならびに、例えば、「正常組織、および患者検体における24P4C12の発現分析」と表題を付けられた実施例における例に記載されているような特定の癌におけるその過剰発現の両方を参照のこと)を試験する周知の診断的アッセイ、予後的アッセイ、および治療的アッセイにおいて使用される。
24P4C12は、前立腺関連抗原であるPSAに類似し得る。PSAは、前立腺癌の存在を同定およびモニターするために数年間にわたり医療従事者により使用されてきた原型マーカーである(例えば、Merrillら,J.Urol.163(2):503−5120(2000);Polascikら,J.Urol.Aug;162(2):293−306(1999)およびFortierら,J.Nat.Cancer Inst.91(19):1635−1640(1999)を参照のこと)。種々の他の診断マーカーもまた、同様の状況下で使用され、これらにはp53およびK−rasが挙げられる(例えば、Tulchinskyら,Int J Mol Med 1999 Jul 4(1):99−102およびMinimotoら,Cancer Detect Prev 2000;24(1):1−12を参照のこと)。従って、24P4C12ポリヌクレオチドおよび24P4C12ポリペプチド(ならびに、これらの分子の存在を同定するために使用される24P4C12ポリヌクレオチドプローブおよび抗24P4C12抗体)ならびにそれらの特性に関する本開示により、当業者は、使用された方法と類似した方法において(例えば、癌に関連した状態を試験することに関する種々の診断アッセイにおいて)これらの分子を利用することが可能となる。
24P4C12ポリヌクレオチド、24P4C12ポリペプチド、24P4C12と反応性のT細胞および抗体を利用する診断方法の代表的な実施形態は、例えば、PSAポリヌクレオチド、PSAポリペプチドならびにPSAと反応性のT細胞および抗体を使用する十分に確立された診断アッセイ由来の方法と類似する。例えば、PSAの過剰発現または前立腺癌の転移をモニターする方法において、PSA mRNAの存在および/またはレベルを観察するために、PSAポリヌクレオチドを、プローブ(例えば、ノーザン分析において(例えば、Shariefら、Biochem.Mol.Biol.Int.33(3):567〜74(1994)を参照のこと))およびプライマー(例えば、PCR分析において(例えば、Okegawaら、J.Urol.163(4):1189〜1190(2000)を参照のこと))として使用するのとまさしく同じように、本明細書中に記載される24P4C12ポリヌクレオチドは、24P4C12の過剰発現またはこの遺伝子を発現する前立腺癌および他の癌の転移を検出するために、同じ様式で利用され得る。あるいは、PSAポリペプチドを使用してPSAに特異的な抗体を生成し、次いで、この抗体を、PSAタンパク質の過剰発現(例えば、Stephanら、Urology 55(4):560〜3(2000)を参照のこと)または前立腺細胞の転移(例えば、Alanenら、Pathol.Res.Pract.192(3):233〜7(1996)を参照のこと)をモニターする方法においてPSAタンパク質の存在および/またはレベルを観察するために使用するのとまさしく同じように、本明細書中に記載される24P4C12ポリペプチドは、24P4C12の過剰発現またはこの遺伝子を発現する前立腺細胞および他の癌細胞の転移の検出する際に使用するための抗体を生成するために使用され得る。
詳細には、転移は、元々の器官(例えば、肺または前立腺など)から身体の異なる領域(例えば、リンパ節)への癌細胞の移動を包含するので、24P4C12ポリヌクレオチドおよび/または24P4C12ポリペプチドを発現する細胞の存在について生物学的サンプルを試験するアッセイが、転移の証拠を提供するために使用され得る。例えば、24P4C12発現細胞を通常含まない組織(リンパ節)由来の生物学的サンプルが、LAPC4およびLAPC9(それぞれ、リンパ節および骨の転移から単離された異種移植片)に見られる24P4C12発現のような、24P4C12発現細胞を含むことが見出される場合、この発見は転移を示す。
あるいは、24P4C12ポリヌクレオチドおよび/または24P4C12ポリペプチドは、例えば、通常24P4C12を発現しないかまたは異なるレベルで24P4C12を発現する生物学的サンプル中の細胞が、24P4C12を発現するかまたは24P4C12の増加した発現を有することが見出された場合(例えば、表Iに列挙された癌および添付の図面に示される患者サンプルなどにおける24P4C12の発現を参照のこと)に、癌の証拠を提供するために使用され得る。このようなアッセイにおいて、当業者は、(24P4C12に加えて)第二の組織制限マーカー(例えば、PSA、PSCAなど)の存在について生物学的サンプルを試験することによって、転移に関する補足的な証拠を生み出すことをさらに所望し得る(例えば、Alanenら、Pathol.Res.Pract.192(3):233−237(1996)を参照のこと)。
PSAポリヌクレオチドフラグメントおよびPSAポリヌクレオチド改変体が、PSAをモニターする方法における使用のために当業者によって利用されるのとまさしく同じように、24P4C12ポリヌクレオチドフラグメントおよび24P4C12ポリヌクレチド改変体は、類似の様式で使用される。特に、PSAをモニターする方法において使用される代表的なPSAポリヌクレオチドは、PSA cDNA配列のフラグメントから構成されるプローブまたはプライマーである。これを例にとると、PSAポリヌクレオチドをPCR増幅するために使用されるプライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応において機能するように、PSA配列全体よりも短い配列を含まなくてはならない。このようなPCR反応の状況において、当業者は一般に、目的のポリヌクレオチドの異なる部分を増幅するためにかまたは増幅反応を最適化するためにプライマーとして使用され得る、種々の異なるポリヌクレオチドフラグメントを作製する(例えば、Caetano−Anolles,G.Biotechniques 25(3):472−476,478−480(1998);Robertsonら,Methods Mol.Biol.98:121−154(1998)を参照のこと)。このようなフラグメントの使用のさらなる例示が、「正常組織、および患者試料における24P4C12の発現分析」と表題を付けられた実施例に提供され、ここで、24P4C12ポリヌクレオチドフラグメントは、癌細胞における24P4C12 RNAの発現を示すためのプローブとして使用される。さらに、改変体ポリヌクレオチド配列は、代表的に、PCR分析およびノーザン分析において、対応するmRNAについてのプライマーおよびプローブとして使用される(例えば、Sawaiら,Fetal Diagn.Ther.1996 Nov−Dec;11(6):407−13およびCurrent Protocols In Molecular Biology,Volume 2,Unit 2,Frederick M.Ausubelら編,1995を参照のこと)。ポリヌクレオチドフラグメントおよび改変体は、それらが、高ストリンジェンシー条件下で、標的ポリヌクレオチド配列(例えば、図2に示される24P4C12ポリヌクレオチドまたはその改変体)に結合し得る状況下において有用である。
さらに、抗体によって認識され得るエピトープを含むPSAポリペプチドまたはそのエピトープに特異的に結合するT細胞が、PSAをモニターする方法において使用される。
24P4C12ポリペプチドフラグメント、および24P4C12ポリペプチドアナログまたは改変体もまた、類似の様式で使用され得る。ポリペプチドフラグメントまたはポリペプチド改変体を使用して抗体(例えば、抗PSA抗体またはT細胞)を生成するこの実施は、開業医によって使用されている融合タンパク質のような広範な種々の系と共に当該分野の技術において代表的である(例えば、Current Protocols In Molecular Biology,Volume 2,Unit 16,Frederick M.Ausubelら編,1995を参照のこと)。この状況において、各エピトープ(単数または複数)は、抗体またはT細胞と反応性である構造体を提供するように機能する。代表的に、当業者は、目的のポリペプチドの異なる部分に特異的な免疫応答を生成するために使用され得る種々の異なるポリペプチドフラグメントを生成する(例えば、米国特許第5,840,501号および米国特許第5,939,533号を参照のこと)。例えば、本明細書中に考察される24P4C12の生物学的モチーフまたは当該分野で利用可能なモチーフに基づいて当業者により容易に同定されるモチーフ保有部分配列の1つを含むポリペプチドを利用することが好適であり得る。ポリペプチドのフラグメント、改変体またはアナログは代表的に、これらが標的ポリペプチド配列(例えば、図3に示される24P4C12ポリペプチド)に特異的な抗体またはT細胞を生成し得るエピトープを含む限りにおいて、この状況で有用である。
本明細書中に示されるように、24P4C12ポリヌクレオチドおよび24P4C12ポリペプチド(ならびに、これらの分子の存在を同定するために使用される24P4C12ポリヌクレオチドプローブおよび抗24P4C12抗体またはT細胞)は、表Iに列挙された癌のような癌を診断するにおいてそれらを有用なものとする特異的特性を示す。前立腺癌のような、本明細書中に記載の疾患状態の存在または発症を評価するために、24P4C12遺伝子産物の存在を測定する診断アッセイは、PSAを用いて非常に首尾よく行われているように、予防的な測定またはさらなるモニタリングのために、患者を同定するのに使用される。さらに、これらの物質は、例えば、前立腺起源の転移の明確な診断がPSAのみについての試験に基づいてなされ得ず(例えば、Alanenら、Pathol.Res.Pract.192(3):233−237(1996)を参照のこと)、そしてその結果、24P4C12ポリヌクレオチドおよび24P4C12ポリペプチド(ならびに、これらの分子の存在を同定するために使用される24P4C12ポリヌクレオチドプローブおよび抗24P4C12抗体)のような物質が、前立腺起源の転移を確認するために使用されることが必要である状況において、PSAに対して類似した特徴または補足的な特徴を有する分子についての当該分野での必要性を満たす。
最後に、診断アッセイにおけるそれらの使用に加えて、本明細書中に開示される24P4C12ポリヌクレオチドは、24P4C12遺伝子がマッピングされる染色体領域(以下の実施例、表題「24P4C12の染色体マッピング」を参照のこと)におけるオンコジーン関連染色体異常の同定におけるそれらの使用のような、多くの他の用途を有する。
さらに、診断アッセイにおけるそれらの使用に加えて、本明細書中に開示される24P4C12関連タンパク質および24P4C12関連ポリヌクレオチドは、起源未知の組織の法医学的分析におけるそれらの使用のような他の有用性を有する(例えば、Takahama K Forensic Sci Int 1996 Jun 28;80(1−2):63−9を参照のこと)。
さらに、本発明の24P4C12関連タンパク質または24P4C12関連ポリヌクレオチドを使用して、24P4C12の過剰発現により特徴付けられる病理学的状態を処置し得る。例えば、図2もしくは図3のアミノ酸配列もしくは核酸配列、またはいずれかのフラグメントを使用して、24P4C12抗原に対する免疫応答を生成し得る。24P4C12と反応性の抗体または他の分子を使用して、この分子の機能を調節し得、それにより治療的利益を提供し得る。
(XII.)24P4C12タンパク質機能の阻害)
本発明は、24P4C12のその結合パートナーへの結合を阻害するためまたは他のタンパク質(単数または複数)とのその結合を阻害するための種々の方法および組成物、ならびに、24P4C12の機能を阻害するための方法を含む。
(XII.A.)細胞内抗体を用いた24P4C12の阻害)
1つのアプローチにおいて、24P4C12に特異的に結合する単鎖抗体をコードする組換えベクターが、24P4C12を発現する細胞へと遺伝子移入技術を介して導入される。それにより、そのコードされた単鎖抗24P4C12抗体は細胞内で発現され、24P4C12タンパク質に結合し、そしてそれによりその機能を阻害する。このような細胞内単鎖抗体を操作するための方法は周知である。このような細胞内抗体(「内部抗体(intrabody)」としても公知)は、その細胞内の特定の区画に特異的に標的化され、その処置の阻害活性が焦点をあわせられる箇所に対する制御を与える。この技術は、当該分野で首尾良く適用されている(概説として、RichardsonおよびMarasco、1995、TIBTECH、第13巻を参照のこと)。内部抗体は、他の豊富な細胞表面レセプターの発現を実質的に排除することが示されている(例えば、Richardsonら、1995、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:3137〜3141;Beerliら、1994、J.Biol.Chem.289:23931〜23936;Deshaneら、1994、Gene Ther.1:332〜337を参照のこと)。
単鎖抗体は、可撓性のリンカーポリペプチドにより連結された重鎖および軽鎖の可変ドメインを含み、そして単一のポリペプチドとして発現される。必要に応じて、単鎖抗体は、その軽鎖定常領域に連結された単鎖可変領域フラグメントとして発現される。周知の細胞内輸送シグナルが、内部抗体を所望の細胞内区画に対して正確に標的化するために、このような単鎖抗体をコードする組換えポリヌクレオチドベクター中に操作される。例えば、小胞体(ER)に標的化された内部抗体は、リーダーペプチドを組み込むように、そして必要に応じて、C末端ER保持シグナル(例えば、KDELアミノ酸モチーフ)を組み込むように、操作される。核において活性を発揮することが意図される内部抗体は、核局在化シグナルを含むように操作される。脂質部分が、形質膜の細胞質ゾル側に内部抗体をつなぐために、その内部抗体に連結される。内部抗体はまた、細胞質ゾルにおいて機能を発揮するように標的化され得る。例えば、細胞質ゾル内部抗体を使用して、細胞質ゾル内に因子を隔離し、それによりそれらの因子がその天然での細胞中の目的地に輸送されることを防ぐ。
1つの実施形態では、内部抗体を使用して、核に24P4C12を捕捉し、それにより核内でその活性を妨げる。核標的化シグナルが、所望の標的化を達成するために、このような24P4C12内部抗体に操作される。このような24P4C12内部抗体は、特定の24P4C12ドメインに特異的に結合するように設計される。別の実施形態において、24P4C12タンパク質に特異的に結合する細胞質ゾル内部抗体を使用して、24P4C12が核に近づくことを妨げ、それにより、24P4C12が、核内においていかなる生物学的活性を発揮することをも妨げる(例えば、24P4C12が他の因子と転写複合体を形成するのを妨げる)。
このような内部抗体の発現を特定の細胞に特異的に指向するために、その内部抗体の転写は、適切な腫瘍特異的プロモーターおよび/またはエンハンサーの調節制御下に配置される。内部抗体の発現を前立腺に特異的に標的化するために、例えば、PSAプロモーターおよび/またはプロモーター/エンハンサーが、利用され得る(例えば、1999年7月6日付けで発行された、米国特許第5,919,652号を参照のこと)。
(XII.B.)組換えタンパク質を用いた24P4C12の阻害)
別のアプローチにおいて、組換え分子は、24P4C12に結合し、それにより24P4C12の機能を妨げる。例えば、このような組換え分子は、24P4C12が、その結合パートナー(単数または複数)に接近/結合すること、または他のタンパク質(1つまたは複数)と結合することを防止または阻害する。このような組換え分子は、例えば、24P4C12特異的抗体分子の反応性部分(単数または複数)を含み得る。特定の実施形態において、24P4C12結合パートナーの24P4C12結合ドメインは、二量体融合タンパク質へと操作され、これによってこの融合タンパク質は、ヒトIgG(例えば、ヒトIgG1)のFc部分に連結された2つの24P4C12リガンド結合ドメインを含む。このようなIgG部分は、例えば、CH2ドメインおよびCH3ドメインならびにヒンジ領域を含み得るが、CH1ドメインは含まない。このような二量体融合タンパク質は、24P4C12の発現と関連する癌に罹患している患者に可溶性形態で投与され、それによりこの二量体融合タンパク質は24P4C12に特異的に結合し、そして24P4C12の結合パートナーとの相互作用をブロックする。このような二量体融合タンパク質はさらに、公知の抗体連結技術を使用して、多量体タンパク質へと組み合わされる。
(XII.C.)24P4C12の転写または翻訳の阻害)
本発明はまた、24P4C12遺伝子の転写を阻害するための種々の方法および組成物を含む。同様に、本発明はまた、24P4C12 mRNAからタンパク質への翻訳を阻害するための方法および組成物を提供する。
1つのアプローチにおいて、24P4C12遺伝子の転写を阻害する方法は、24P4C12遺伝子を24P4C12アンチセンスポリヌクレオチドと接触させる工程を包含する。別のアプローチにおいて、24P4C12 mRNAの翻訳を阻害する方法は、24P4C12 mRNAをアンチセンスポリヌクレオチドと接触させる工程を包含する。別のアプローチにおいて、24P4C12特異的リボザイムが、24P4C12メッセージを切断し、それにより翻訳を阻害するために使用される。このようなアンチセンスに基づく方法およびリボザイムに基づく方法はまた、24P4C12遺伝子の調節領域(例えば、24P4C12プロモーターエレメントおよび/またはエンハンサーエレメント)に関し得る。同様に、24P4C12遺伝子転写因子を阻害し得るタンパク質が、24P4C12 mRNAの転写を阻害するために使用される。上述の方法において有用な種々のポリヌクレオチドおよび組成物が、上記で記載されている。転写および翻訳を阻害するためのアンチセンス分子およびリボザイム分子の使用は、当該分野で周知である。
24P4C12の転写活性化を妨害することにより24P4C12の転写を阻害する他の因子もまた、24P4C12を発現する癌を処置するために有用である。同様に、24P4C12のプロセシングに干渉する因子は、24P4C12を発現する癌を処置するために有用である。このような因子を利用する癌の処置方法もまた、本発明の範囲内である。
(XII.D.)治療的ストラテジーについての一般的な考慮事項)
遺伝子移入および遺伝子治療の技術が、24P4C12を合成している腫瘍細胞に、治療用ポリヌクレオチド分子(すなわち、アンチセンス、リボザイム、内部抗体をコードするポリヌクレオチド、および他の24P4C12阻害分子)を送達するために使用され得る。多数の遺伝子治療アプローチが、当該分野で公知である。24P4C12アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、24P4C12の転写に干渉し得る因子などをコードする組換えベクターが、このような遺伝子治療アプローチを使用して標的腫瘍細胞に送達され得る。
上記の治療的アプローチは、広範な種々の外科的レジメン、化学療法的レジメンまたは放射線療法レジメンのいずれか1つと組み合わされ得る。本発明の治療的アプローチは、すべての患者に対して、そして特に、化学療法剤の毒性に十分に耐性ではない患者に対して利点となる、化学療法(または他の療法)の減少した投薬量の使用および/またはより低頻度の投与の使用を可能にし得る。
特定の組成物(例えば、アンチセンス、リボザイム、内部抗体)、またはこのような組成物の組合せの抗腫瘍活性は、種々のインビトロアッセイ系およびインビボアッセイ系を使用して評価され得る。治療的活性を評価するインビトロアッセイとしては、細胞増殖アッセイ、軟寒天アッセイおよび腫瘍促進活性を示す他のアッセイ、治療用組成物が結合パートナーへの24P4C12の結合を阻害する程度を決定し得る結合アッセイなどが挙げられる。
インビボでは、24P4C12治療用組成物の効力は、適切な動物モデルにおいて評価され得る。例えば、異種間前立腺癌モデル(ここで、ヒト前立腺癌の外植片または継代された異種移植片組織が、免疫無防備状態の動物(例えば、ヌードマウスまたはSCIDマウス)に導入される)が使用され得る(Kleinら、1997,Nature Medicine 3:402〜408)。例えば、PCT特許出願WO98/16628および米国特許第6,107,540号は、原発性腫瘍の発生、微小転移、および疾患の後期段階に特徴的な骨芽細胞性転移の形成を反復し得るヒト前立腺癌の種々の異種移植片モデルを記載する。効力は、腫瘍形成、腫瘍後退または転移などの阻害を測定するアッセイを使用して予測され得る。
アポトーシスの促進を評価するインビボアッセイが、治療用組成物の評価において有用である。1つの実施形態において、治療用組成物で処置された腫瘍保有マウス由来の異種移植片は、アポトーシス性病巣の存在について試験され得、そして未処置のコントロール異種移植片保有マウスと比較され得る。アポトーシス性病巣が処置マウスの腫瘍に見出される度合いが、この組成物の治療的効力の指標を提供する。
前述の方法の実施において使用される治療用組成物は、所望の送達方法に適切なキャリアを含む薬学的組成物に処方され得る。適切なキャリアとしては、治療用組成物と組み合わされる場合に、その治療用組成物の抗腫瘍機能を保持し、かつ患者の免疫系と一般に無反応性である、任意の物質が挙げられる。例としては、任意の多数の標準的な薬学的キャリア(例えば、滅菌リン酸緩衝化生理食塩水溶液、静菌水など)が挙げられるがこれに限定されない(一般には、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第16版),A.Osal.編、1980を参照のこと)。
治療用処方物は、可溶化され得、そして腫瘍部位に治療用組成物を送達し得る任意の経路を介して投与され得る。潜在的に有効な投与経路としては、静脈内、非経口、腹腔内、筋内、腫瘍内、皮内、器官内、同所性(orthotopic)などが挙げられるがこれらに限定されない。静脈内注射に好ましい処方物は、保存静菌水、滅菌非保存水の溶液中および/または注射用0.9%滅菌塩化ナトリウムを含むポリビニルクロリド製またはポリエチレン製のバッグ(USP)に希釈された治療用組成物を含む。治療用タンパク質調製物は、凍結乾燥され得、そして滅菌粉末として、好ましくは減圧下で保存され得、次いで注射する前に、静菌水(例えば、ベンジルアルコール防腐剤を含む)または滅菌水中で再構築され得る。
前述の方法を使用する癌の処置についての投薬量および投与プロトコルは、方法および標的の癌とともに変動し、そして一般に、当該分野で理解される多数の他の要因に依存する。
(XIII.)24P4C12の調節因子の同定、性質決定、および使用)
(同定の方法および調節因子の使用)
1つの実施形態において、特定の発現プロフィールを誘導または抑制する、特定の経路を誘導または抑制する、好ましくは、それによって関連する表現型を生成する、調節因子を同定するためにスクリーニングを行う。別の実施形態において、特定の状態において重要な、差次的に発現する遺伝子を同定する場合;個々の遺伝子の発現を変更する(増大させるかまたは減少させる)調節因子を同定するためにスクリーニングを実行する。別の実施形態において、差次的に発現した遺伝子の発現産物の生物学的機能を変更する調節因子を同定するためにスクリーニングを実施する。再度、特定の状態での遺伝子の重要性を同定する際に、その遺伝子産物に結合し、そして/またはその遺伝子産物の生物学的活性を調節する因子を同定するためにスクリーニングを実施する。
さらに、スクリーニングを、候補薬剤に応答して誘導される遺伝子に対して行う。調節因子(正常な発現パターンを引き起こす癌発現パターンを抑制する調節因子、または正常な組織におけるように、遺伝子の発現を引き起こす癌遺伝子の調節因子)を同定した後、スクリーニングを実施して、薬剤に応答して特異的に調節される遺伝子を同定する。正常な組織と薬剤で処置した癌組織との間の発現プロフィールの比較により、正常な組織でも癌組織でも発現されないが、薬剤で処置した組織において発現される、またはその逆の遺伝子が明らかとなる。これらの薬剤特異的配列は、癌遺伝子または癌タンパク質について本明細書中で記載される方法により、同定および使用される。特に、これらの配列およびこの配列がコードするタンパク質が、薬剤で処置した細胞の作製または同定において使用される。さらに、抗体が、薬剤誘導性タンパク質に対して惹起され、そして新規の治療剤を処置した癌組織サンプルに標的化するために使用される。
(調節因子に関連する同定およびスクリーニングアッセイ)
(遺伝子発現に関連するアッセイ)
本発明のタンパク質、核酸および抗体が、スクリーニングアッセイに使用される。癌関連のタンパク質、抗体、核酸、改変されたタンパク質およびこれらの配列を含む細胞が、スクリーニングアッセイ(例えば、「遺伝子発現プロフィール」、ポリペプチドの発現プロフィールまたは生物学的機能の変更に対する薬物候補の効果の評価)において使用される。一実施形態において、発現プロフィールは、好ましくは、候補薬剤で処置した後の遺伝子を、発現プロフィールについてモニタリングするために、ハイスループットスクリーニング技術と組合せて使用される(例えば、Davis,GFら、J Biol Screen 7:69(2002);Zlokarnikら,Science 279:84−8(1998);Heid,Genome Res 6:986−94,1996)。
癌タンパク質、抗体、核酸、改変されたタンパク質、およびネイティブまたは改変された癌タンパク質または遺伝子を含む細胞が、スクリーニングアッセイにおいて使用される。すなわち、本発明は、本発明の癌タンパク質の癌表現型または生理学的機能を調節する組成物についてスクリーニングするための方法を包含する。これは、遺伝子自体について行われるか、あるいは「遺伝子発現プロフィール」または生物学的機能に対する薬物候補の効果を評価することによって行われる。一実施形態において、発現プロフィールは、好ましくは、候補薬剤で処理した後のモニタリングを可能にするハイスループットスクリーニング技術と組み合わせて使用される。Zlokamik(前出)を参照のこと。
種々のアッセイが、本発明の遺伝子およびタンパク質に対して実施される。個々の核酸またはタンパク質のレベルについて、アッセイが行われる。すなわち、一旦、特定の遺伝子が癌においてアップレギュレートされると同定されると、試験化合物が、遺伝子発現を調節する能力について、または本発明の癌タンパク質への結合についてスクリーニングされる。この状況に置いて、「調節」は、遺伝子発現の増加または減少を含む。調節の好ましい量は、正常な組織 対 癌に罹患した組織における遺伝子発現の本来の変化に基づき、この変化は、少なくとも10%、好ましくは50%、より好ましくは100〜300%、およびいくつかの実施形態においては300〜1000%またはそれ以上である。従って、遺伝子が、正常な組織と比較して、癌組織において4倍の増加を示す場合、約4倍の減少が、しばしば所望され;同様に、遺伝子が、正常な組織と比較して、癌組織において10倍の減少を示す場合、試験化合物による発現における10倍の増加の目標値が、しばしば所望される。癌において観察される遺伝子発現の型を悪化する調節因子もまた、例えば、さらなる分析において、上方制御される標的として有用である。
遺伝子発現の量は、核酸プローブおよび遺伝子発現レベルの定量化を使用してモニタリングされるか、あるいは、遺伝子産物自体が、例えば、癌タンパク質に対する抗体および標準的な免疫アッセイを使用することによって、モニタリングされる。
(遺伝子発現を改変する化合物を同定するための発現モニタリング)
一実施形態において、遺伝子発現のモニタリング(すなわち、発現プロフィール)は、多数の実体について同時にモニタリングされる。このようなプロフィールは、代表的に、図2の遺伝子の1つ以上を含む。この実施形態において、例えば、癌核酸プローブは、特定の細胞における癌配列を検出および定量化するために、バイオチップに結合される。あるいは、PCRが、使用され得る。従って、例えば、一連のマイクロタイタープレートのウェルが、所望のウェルに分配されたプライマーと共に使用され得る。次いで、PCR反応が実施され、そして各ウェルについて分析される。
発現モニタリングは、1つ以上の癌関連配列(例えば、図2に記載のポリヌクレオチド配列)の発現を改変する化合物を同定するために実施される。一般に、試験調節因子は、分析の前に、細胞に加えられる。さらに、スクリーンもまた、癌を調節するか、本発明の癌タンパク質を調節するか、本発明の癌タンパク質に結合するか、または本発明の癌タンパク質および抗体もしくは他の結合パートナーの結合を妨害する薬剤を同定するために提供される。
一実施形態において、ハイスループットスクリーニング方法は、多数の潜在的な治療化合物(候補化合物)を含むライブラリーを提供する工程を包含する。次いで、このような「コンビナトリアルケミカルライブラリー」が、1つ以上のアッセイにおいてスクリーニングされて、所望の特徴的な活性を示すライブラリーメンバー(特定の化学種またはサブクラス)が同定される。このように同定された化合物は、従来の「リード化合物」として、スクリーニングのための化合物として、または治療剤として働き得る。
特定の実施形態において、潜在的な調節因子のコンビナトリアルライブラリーは、癌ポリペプチドに結合する能力、または活性を調節する能力についてスクリーニングされる。
従来、有用な特性を有する新たな化学実体が、何らかの所望の特性または活性(例えば、阻害活性)を有する化合物(「リード化合物」と呼ばれる)を同定し、このリード化合物の改変体を作製し、そしてこれらの改変体化合物の特性および活性を評価することによって、生成される。しばしば、ハイスループットスクリーニング(HTS)法が、このような分析のために用いられる。
上記のように、遺伝子発現モニタリングは、候補調節因子(例えば、タンパク質、核酸または低分子)を試験するために、都合良く用いられる。候補化合物を加え、そして細胞をある期間インキュベートした後、分析されるべき標的配列を含むサンプルが、例えば、バイオチップに添加される。
所望の場合、標的配列は、公知の技術を使用して調製される。例えば、サンプルは、公知の溶解緩衝液、エレクトロポレーションなどを使用して、細胞を溶解するために処理され、精製および/または増幅(例えば、PCR)が、必要に応じて実施される。例えば、ヌクレオチドに供給結合された標識を用いるインビトロ転写が実施される。一般に、これらの核酸は、ビオチン−FITCまたはPEで、あるいはcy3またはcy5で標識される。
標的配列は、プローブへの標的配列の特異的結合を検出する手段を提供するために、例えば、蛍光シグナル、化学発光シグナル、化学シグナルまたは放射性シグナルで標識され得る。この標識はまた、酵素(例えば、アルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ)であり得、これは、適切な基質が提供された場合、産物を生成し、この産物が検出される。あるいは、この標識は、標識された化合物または低分子(例えば、酵素に結合するが、酵素によって触媒または変更されない酵素インヒビター)である。この標識はまた、部分または化合物(例えば、エピトープタグまたはストレプトアビジンに特異的に結合するビオチン)であり得る。ビオチンの例について、ストレプトアビジンは、上記のようにして標識され、それにより、検出可能なシグナルを結合標的配列に提供する。未結合の標識ストレプトアビジンは、代表的に、分析の前に除去される。
当業者により理解されるように、これらのアッセイは、直接ハイブリダイゼーションアッセイであり得るか、または「サンドイッチアッセイ」を含み得、この「サンドイッチアッセイ」は、多数のプローブの使用を含み、一般に、以下の米国特許に概説される:米国特許第5,681,702号;同第5,597,909号;同第5,545,730号;同第5,594,117号;同第5,591,584号;同第5,571,670号;同第5,580,731号;同第5,571,670号;同第5,591,584号;同第5,624,802号;同第5,635,352号;同第5,594,118号;同第5,359,100号;同第5,124,246号;および同第5,681,697号。この実施形態において、一般的に、標的核酸は、上で概説されたように調製され、次いで、ハイブリダイゼーション複合体の形成を可能にする条件下で、複数の核酸プローブを含むバイオチップに添加される。
上で概説されるような様々なハイブリダイゼーション条件(高いストリンジェンシー条件、中程度のストリンジェンシー条件および低いストリンジェンシー条件を含む)が、本発明において使用される。これらのアッセイは、一般的に、標的の存在下のみで、標識プローブハイブリダイゼーション複合体の形成を可能にするストリンジェンシー条件下で実施される。ストリンジェンシーは、熱力学的変数である工程パラメーター(温度、ホルムアミドの濃度、塩濃度、カオトロピック塩の濃度、pH、有機溶媒の濃度などが挙げられるが、これらに限定されない)を変更することによって、制御され得る。これらのパラメーターはまた、米国特許第5,681,697号に一般的に概説されるように、非特異的結合を制御するために使用され得る。従って、特定の工程を、より高いストリンジェンシー条件で実施して、非特異的結合を減少することが所望され得る。
本明細書中で概説される反応は、種々の様式で達成され得る。これらの反応の成分は、同時にまたは異なる順序で連続的に加えられ得、好ましい実施形態は、以下に概説される。さらに、この反応は、種々の他の試薬を含み得る。これとしては、塩、緩衝液、中性タンパク質(例えば、アルブミン)、界面活性剤などが挙げられ、これらは、最適なハイブリダイゼーションおよび検出を容易にするため、そして/または非特異的相互作用もしくはバックグラウンド相互作用を減少するために使用され得る。他の場合にはアッセイの効率を改善する試薬(例えば、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌剤など)もまた、サンプル調製方法および標的の純度に依存して、必要に応じて使用され得る。アッセイデータが分析されて、個々の遺伝子の発現レベル、および状態間の発現レベルの変化が決定されて、遺伝子発現プロフィールが作製される。
(生物学的活性に関連するアッセイ)
本発明は、本発明の癌関連遺伝子またはタンパク質の活性を調節する化合物を同定またはスクリーニングする方法を提供する。この方法は、上記のような試験化合物を、本発明の癌タンパク質を含む細胞に添加する工程を包含する。これらの細胞は、本発明の癌タンパク質をコードする組換え核酸を含む。別の実施形態において、候補薬剤のライブラリーが、複数の細胞について試験される。
1つの局面において、このアッセイは、生理学的シグナル(例えば、ホルモン、抗体、ペプチド、抗原、サイトカイン、増殖因子、活動電位、化学療法薬を含む薬理学的薬剤、放射線、発癌性または他の細胞(すなわち、細胞−細胞接触))の以前のまたは後の曝露の存在もしくは非存在下または曝露の前もしくは後で評価される。別の例において、この決定は、細胞周期プロセスの異なる段階で行われる。この様式において、本発明の遺伝子またはタンパク質を調節する化合物が、同定される。薬理学的活性を有する化合物は、本発明の癌タンパク質の活性を増大し得るか、本発明の癌タンパク質の活性を干渉し得る。
一旦同定されると、類似の構造が、この化合物の重要な構造特性を同定するために評価される。
一実施形態において、癌細胞の分裂を調節(例えば、阻害)する方法が、提供され;この方法は、癌調節因子の投与を包含する。別の実施形態において、癌を調節(例えば、阻害)する方法が提供され;この方法は、癌調節因子の投与を包含する。さらなる実施形態において、癌を有する細胞または個体を処置する方法が提供され;この方法は、癌調節因子の投与を包含する。
一実施形態において、本発明の遺伝子を発現する細胞の状態を調節するための方法が提供される。本明細書中で使用される場合、状態は、細胞の、成長、増殖、生存、機能、アポトーシス、老化、位置、酵素的活性、シグナル伝達などのような当該分野で受け入れられたパラメーターを含む。一実施形態において、癌インヒビターは、上で考察されたような抗体である。別の実施形態において、癌インヒビターは、アンチセンス分子である。種々の細胞成長、増殖、および転移アッセイが、本明細書中に記載されるように、当業者に公知である。
(調節因子を同定するためのハイスループットスクリーニング)
適切な調節因子を同定するためのアッセイは、ハイスループットスクリーニングに受け入れられる。従って、好ましいアッセイは、癌遺伝子の転写の増大または阻害、ポリペプチド発現の阻害または増大、およびポリペプチド活性の阻害または増大を検出する。
一実施形態において、ハイスループットスクリーニング法において評価される調節因子は、タンパク質であり、しばしば、天然に存在するタンパク質、または天然に存在するタンパク質のフラグメントである。従って、例えば、タンパク質を含む細胞抽出物、またはタンパク質性の細胞抽出物のランダム消化物もしくは指向された消化物が、使用される。
この様式において、タンパク質のライブラリーが、本発明の方法におけるスクリーニングのために作製される。細菌タンパク質、真菌タンパク質、ウイルスタンパク質および哺乳動物タンパク質のライブラリーが、この実施形態において特に好ましく、後者が、好ましく、そしてヒトタンパク質が、特に好ましい。特に有用な試験化合物は、標的が属するクラスのタンパク質(例えば、酵素に対する基質、またはリガンドおよびレセプター)に指向される。
(調節因子を同定および特徴付けするための軟寒天増殖およびコロニー形成の使用)
正常な細胞は、結合および増殖するために固体支持体を必要とする。細胞が形質転換される場合、これらは、その表現型を失い、そして成長して、この支持体から脱離する。例えば、形質転換細胞は、撹拌懸濁培養液中で増殖し得るか、または半固体培地(例えば、半固体寒天または軟寒天)中に懸濁され得る。この形質転換細胞は、腫瘍抑制遺伝子でトランスフェクトされた場合、正常な表現型を再生し得、そして再び、結合して増殖するために、固体支持体を必要とする。アッセイにおける軟寒天増殖またはコロニー形成は、宿主細胞において発現した場合、異常な細胞増殖および形質転換を阻害する癌配列の調節因子を同定するために使用される。調節因子は、固体または半固体の培地(例えば、寒天)に懸濁された宿主細胞が増殖する能力を低下または排除する。
懸濁アッセイにおける軟寒天増殖またはコロニー形成のための技術は、Freshney,Culture of Animal Cells a Manual of Basic Technique(第3版、1994)に記載される。Garkavtsevら(1996)(前出)の方法の節もまた参照のこと。
(調節因子を同定および特徴付けするための接触阻害および増殖密度制限の評価)
正常な細胞は、代表的に、細胞培養物中で平らな組織化されたパターンで、この細胞が他の細胞と接触するまで増殖する。この細胞が、別の細胞と接触した場合、これらは、接触阻害され、そして増殖を停止する。しかし、形質転換細胞は、接触阻害されず、そして、組織化されていない病巣において高密度まで増殖し続ける。従って、形質転換細胞は、対応する正常な細胞よりも高い飽和密度まで増殖する。これは、細胞の方向付けされていない単層の形成または病巣における細胞によって、形態学的に検出される。あるいは、飽和密度における(3H)−チミジンでの標識指数が、増殖の密度制限を測定するために使用され、同様に、MTTアッセイまたはAlamarブルーアッセイが、細胞の増殖能および調節因子がこの細胞の増殖能に影響する能力を明らかにする。Freshney(1994)(前出)を参照のこと。形質転換細胞は、腫瘍抑制因子でトランスフェクトされた場合、正常な表現型を再生し得、そして接触阻害されて、低密度まで増殖する。
このアッセイにおいて、飽和密度における(3H)−チミジンでの標識指数は、増殖の密度制限を測定する好ましい方法である。形質転換宿主細胞は、癌関連配列でトランスフェクトされ、そして非制限培地条件で、飽和密度で24時間増殖される。(3H)−チミジンでの細胞標識の割合は、組み込まれたcpmによって決定される。
接触非依存性増殖は、異常な細胞増殖および形質転換を生じた癌配列の調節因子を同定するために使用される。調節因子は、接触非依存性増殖を減少または排除し、そして細胞を正常な表現型に戻す。
(調節因子を同定および特徴付けするための増殖因子または血清依存性の評価)
形質転換細胞は、その正常な対応物よりも低い血清依存性を有する(例えば、Temin,J.Natl.Cancer Inst.37:167−175(1966);Eagleら,J.Exp.Med 131:836−879(1970);Freshney,(前出)を参照のこと)。このことは、形質転換細胞による種々の増殖因子の放出に起因する。形質転換宿主細胞の増殖因子または血清依存性の程度は、制御下にあるものと比較され得る。例えば、細胞の増殖因子または血清依存性は、本発明の癌関連配列を調節する化合物を同定および特徴付けするための方法においてモニタリングされる。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、腫瘍特異的マーカーレベルの使用)
腫瘍細胞は、それらの正常な対応物より増加した量の特定の因子(本明細書中以下において「腫瘍特異的マーカー」)を放出する。例えば、プラスミノゲンアクチベーター(PA)は、正常な脳細胞からより高レベルで、ヒト神経膠腫から放出される(例えば、Gullino,Angiogenesis,Tumor Vascularization,and Potential interference with Tumor Growth,in Biological Responses in Cancer,178−184頁(Mihich(編)1985)を参照のこと)。同様に、腫瘍脈管形成因子(TAF)は、正常な対応物より高レベルで、腫瘍細胞において放出される。例えば、Folkman,Angiogenesis and Cancer,Sem Cancer Biol.(1992))を参照のこと。一方で、bFGFは、内皮細胞腫瘍から放出される(Ensoli,Bら)。
これらの因子の放出を測定する、種々の技術が、Freshney (1994)(前出)に記載されている。Unklessら,J.Biol.Chem.249:4295〜4305(1974);Strickland & Beers,J.Biol.Chem.251:5694〜5702(1976);Whurら,Br.J.Cancer 42:305 312(1980);Gullino,Angiogenesis,Tumor Vascularization,and Potential Interference with Tumor Growth,Biological Responses in Cancer,178〜184頁(Mihich(編)1985);Freshney,Anticancer Res.5:111−130(1985)もまた参照のこと。例えば、腫瘍特異的マーカーレベルは、本発明の癌関連配列を調節する化合物を同定および特徴付けるための方法でモニターされる。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、マトリゲル(matrigel)への侵襲性)
マトリゲルまたは細胞外マトリックス成分への侵襲性の程度は、癌関連配列を調節する化合物を同定および特徴付けするためのアッセイとして使用され得る。腫瘍細胞は、悪性と、マトリゲル内または何らかの他の細胞外マトリックス成分内への細胞の侵襲性との間のポジティブな相関を示す。このアッセイにおいて、腫瘍形成性の細胞が、代表的に、宿主細胞として使用される。これらの宿主細胞中での腫瘍抑制因子の発現は、宿主細胞の侵襲性を減少させる。Cancer Res.1999;59:6010;Freshney(1994)(前出)に記載される技術が使用され得る。簡単にいえば、宿主細胞の侵襲のレベルは、マトリゲルまたは何らかの他の細胞外マトリックス成分でコーティングされたフィルターを使用することによって、測定される。ゲル内への浸透、またはフィルターの遠位側を通しての浸透は、侵襲性と定格され、そして細胞の数および移動した距離によってか、または細胞を125Iで予め標識し、そしてフィルターの遠位側またはディッシュの底部の放射能を計数することによって、組織学的に定格される。例えば、Freshney(1984)(前出)を参照のこと。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、インビボでの腫瘍増殖の評価)
細胞増殖に対する癌関連配列の影響は、トランスジェニック生物または免疫抑制された生物において試験される。トランスジェニック生物は、当該分野で認容された種々の様式で調製される。例えば、癌遺伝子が破壊されたかまたは癌遺伝子が挿入された、ノックアウトトランスジェニック生物(例えば、マウスのような哺乳動物)が作製される。ノックアウトトランスジェニックマウスは、マーカー遺伝子または他の異種遺伝子を、相同組換えを介して、マウスゲノムにおける内因性癌遺伝子部位に挿入することによって、作製される。このようなマウスはまた、内因性癌遺伝子を変異バージョンの癌遺伝子で置き換えることによって、または内因性癌遺伝子を、例えば発癌物質に曝露することによって変異させることによって、作製され得る。
トランスジェニックキメラ動物(例えば、マウス)を調製するためには、DNA構築物が、胚幹細胞の核に導入される。新たに操作された遺伝的損傷を含む細胞が、宿主マウス胚に注入され、これが、レシピエントの雌性に再移植される。これらの胚のいくつかは、いくつかの生殖細胞が変異体細胞株由来であるキメラマウスに発育する。従って、このキメラマウスを繁殖させることによって、導入された遺伝的損傷を含む新たな株のマウスを得ることが可能である(例えば、Capecchiら,Science 244:1288(1989)を参照のこと)。キメラマウスは、2002年4月2日に発行された米国特許第6,365,797号;2000年8月22日に発行された米国特許第6,107,540号;Hoganら,Manipulating the Mouse Embryo:A laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1988)およびTeratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approach,Robertson,編,IRL Press,Washington,D.C.,(1987)に従って、誘導され得る。
あるいは、種々の免疫抑制宿主動物または免疫不全宿主動物が、使用され得る。例えば、遺伝的に無胸腺の「ヌード」マウス(例えば、Giovanellaら,J.Natl.Cancer Inst.52:921(1974)を参照のこと)、SCIDマウス、胸腺切除されたマウス、または照射されたマウス(例えば、Bradleyら,Br.J.Cancer 38:263(1978);Selbyら,Br.J.Cancer 41:52(1980)を参照のこと)が、宿主として使用され得る。同系の宿主に注入された、移植可能な腫瘍細胞(代表的に、約106個の細胞)は、高い割合の場合において、侵襲性の腫瘍を産生し、一方で、類似の起源の正常細胞は、侵襲性の腫瘍を産生しない。侵襲性の腫瘍を発達させた宿主において、癌関連配列を発現する細胞が、皮下注射または正常位で注射される。次いで、マウスが、コントロール群および処理実験群(例えば、調節因子で処理された)を含む群に分離される。適切な長さの時間(好ましくは、4〜8週間)の後に、腫瘍増殖が測定され(例えば、体積またはその2つの最大寸法、もしくは重量によって)、そしてコントロールと比較される。統計学的に有意な減少を有する腫瘍(例えば、Studentのt検定を使用する)は、阻害された増殖を有するといわれる。
(調節因子を同定しそして特徴付けるためのインビトロアッセイ)
調節活性を有する化合物を同定するためのアッセイは、インビトロで実施され得る。例えば、癌ポリペプチドがまず潜在的な調節因子と接触され、そして適切な量の時間(例えば、0.5〜48時間)にわたってインキュベートされる。1つの実施形態において、癌ポリペプチドのレベルは、タンパク質またはmRNAのレベルを測定することによって、インビトロで決定される。タンパク質のレベルは、癌ポリペプチドまたはそのフラグメントに選択的に結合する抗体を用いる、免疫アッセイ(例えば、ウェスタンブロッティング、ELISAなど)を使用して測定される。mRNAの測定のためには、増幅(例えば、PCR、LCR、またはハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ノーザンハイブリダイゼーション、RNAse保護、ドットブロッティング))が好ましい。タンパク質またはmRNAのレベルは、直接的にかまたは間接的に標識された検出試薬(例えば、本明細書中に記載されるような、蛍光標識または放射活性標識された核酸、放射活性的にまたは酵素的に標識した抗体など)を使用して、検出される。
あるいは、レポーター遺伝子系が、レポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質、CAT、またはP−gal)に作動可能に連結された癌タンパク質プロモーターを使用して発明(devise)され得る。レポーター構築物は、代表的に、細胞内にトランスフェクトされる。潜在的な調節因子での処理後、レポーター遺伝子の転写、翻訳、または活性の量が、当業者に公知である標準的な技術に従って測定される(Davis GF,前出;Gonzalez,J.& Negulescu,P.Curr.Opin.Biotechnol.1998:9:624)。
上で概説されたように、インビトロスクリーニングは、個々の遺伝子および遺伝子産物に対してなされる。すなわち、特定の差次的に発現される遺伝子が特定の状態において重要であると同定されると、この遺伝子または遺伝子産物自体の発現の調節因子のスクリーニングが実施される。
1つの実施形態において、特定の遺伝子の発現の調節因子についてのスクリーニングが実施される。代表的に、ほんの1つまたは少数の遺伝子の発現が、評価される。別の実施形態において、スクリーニングは、差次的に発現されるタンパク質に結合する化合物をまず発見するように、設計される。次いで、これらの化合物が、差次的に発現される活性を調節する能力について評価される。さらに、一旦、最初の候補化合物が同定されると、構造と活性の関係をよりよく評価するために、改変体が、さらにスクリーニングされ得る。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、結合アッセイ)
本発明に従う結合アッセイにおいて、精製されたかまたは単離された本発明の遺伝子産物が、一般に使用される。例えば、抗体が、本発明のタンパク質に対して生成され、そして免疫アッセイが実施されて、タンパク質の量および/または位置を決定する。あるいは、癌タンパク質を含む細胞が、アッセイにおいて使用される。
従って、これらの方法は、本発明の癌タンパク質を、リガンドのような候補化合物と混合する工程、および本発明の癌タンパク質に対する、この化合物の結合を決定する工程を包含する。好ましい実施形態は、ヒト癌タンパク質を利用する;ヒト疾患の動物モデルもまた、開発および使用され得る。また、他の類似の哺乳動物タンパク質もまた、当業者によって理解されるように、使用され得る。さらに、いくつかの実施形態において、改変体または誘導癌タンパク質が、使用される。
一般に、本発明の癌タンパク質またはリガンドは、不溶性支持体に拡散不可能に結合される。この支持体は、例えば、単離されたサンプルを受容する領域を有するもの(マイクロタイタープレート、アレイなど)であり得る。不溶性の支持体は、組成物が結合され得る任意の組成物から作製され得、可溶性材料から容易に分離され、そしてスクリーニングの方法全体とその他の点で適合性である。このような支持体の表面は、中実または多孔性であり得、そして任意の好都合な形状であり得る。
適切な不溶性の支持体の例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、膜およびビーズが挙げられる。これらは代表的に、ガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン)、多糖、ナイロン、ニトロセルロース、またはTeflon(登録商標)などで作製される。マイクロタイタープレートおよびアレイは、特に好都合である。なぜなら、少量の試薬およびサンプルを使用して、多数のアッセイが同時に実施され得るからである。組成物を支持体に結合させる特定の様式は、試薬および本発明の方法全体と適合性であり、組成物の活性を維持し、そして拡散不可能である限り、重要ではない。結合の好ましい方法としては、タンパク質を支持体に付着させる場合に(「粘着」支持体またはイオン性支持体への直接結合、化学架橋、表面上でのタンパク質または薬剤の合成など)、リガンド結合部位も活性化配列も立体的にブロックしない抗体の使用が挙げられる。タンパク質またはリガンド/結合剤の、支持体への結合に続いて、過剰の未結合物質が、洗浄によって除去される。次いで、サンプル受容領域は、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインまたは他の無害なタンパク質もしくは他の部分と共にインキュベーションすることによって、ブロックされ得る。
一旦、本発明の癌タンパク質が支持体に結合すると、試験化合物がアッセイに添加される。あるいは、候補結合剤が支持体に結合され、次いで、本発明の癌タンパク質が添加される。結合剤としては、特異的抗体、化学ライブラリーのスクリーニングによって同定された非天然結合剤、ペプチドアナログなどが挙げられる。
ヒト細胞に対して低い毒性を有する薬剤を同定するためのアッセイが、特に興味深い。
広範な種々のアッセイが、この目的で使用され得、このアッセイとしては、増殖アッセイ、cAMPアッセイ、標識されたインビトロでのタンパク質−タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合についての免疫アッセイ、機能的アッセイ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。
試験化合物(リガンド、結合剤、調節因子など)の、本発明の癌タンパク質への結合の決定は、多数の様式でなされ得る。試験化合物が標識され得、そして結合が、例えば、本発明の癌タンパク質のすべてまたは一部を固体支持体に付着させ、標識された候補化合物(例えば、蛍光標識)を添加し、過剰の試薬を洗浄除去し、そして標識が固体支持体上に存在するか否かを決定することによって、直接決定され得る。種々のブロック工程および洗浄工程が、適切なように利用され得る。
特定の実施形態において、成分の1つのみが標識される。例えば、本発明のタンパク質またはリガンドが標識される。あるいは、1つより多い成分が、異なる標識で標識される(例えば、タンパク質に対してI125、および化合物に対して発蛍光団)。近接試薬(例えば、クエンチング剤またはエネルギー移動剤)もまた、有用である。
(調節因子を同定しそして特徴付けるための、競合結合)
1つの実施形態において、「試験化合物」の結合は、「競合物質」を用いる競合結合アッセイによって決定される。競合物質とは、標的分子(例えば、本発明の癌タンパク質)に結合する結合部分である。競合物質としては、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガンドなどのような化合物が挙げられる。特定の状況下では、試験化合物と競合物質との間の競合結合は、試験化合物に取って代わる。1つの実施形態において、試験化合物が標識される。試験化合物、競合物質のいずれか、または両方が、結合を可能にするために十分な時間にわたって、タンパク質に添加される。インキュベーションが、最適な活性を容易にする温度(代表的に、4℃と40℃との間)で実施される。インキュベーション時間は、代表的に、例えば、スクリーニングの迅速なハイスループットを容易にするように、最適化される;代表的に、0時間と1時間との間で十分である。過剰の試薬が、一般に、除去または洗浄除去される。次いで、第二の成分が添加され、そして標識された成分の存在または非存在が、結合を示すために追跡される。
1つの実施形態において、競合物質がまず添加され、次いで試験化合物が添加される。
競合物質の置き換えは、試験化合物が癌タンパク質に結合することの指標であり、従って、癌タンパク質に結合し得、そして癌タンパク質の活性を潜在的に調節し得る。この実施形態において、いずれかの成分が標識され得る。従って、例えば、競合物質が標識される場合、試験後化合物洗浄溶液中の標識の存在が、試験化合物による置き換えを示す。あるいは、試験化合物が標識される場合、支持体上の標識の存在が、置き換えの指標である。
代替の実施形態において、試験化合物がまず添加され、インキュベーションおよび洗浄され、次いで、競合物質が添加される。競合物質による結合の非存在は、試験化合物が、競合物質より高い親和性で、癌タンパク質に結合することを示す。従って、試験化合物が標識される場合、支持体上の標識の存在(競合物質の結合の欠如と組み合わせられる)が、試験化合物が本発明の癌タンパク質に結合し、従って潜在的に調節することの指標である。
従って、競合結合方法は、本発明の癌タンパク質の活性を調節し得る薬剤を同定するための、差次的スクリーニングを包含する。この実施形態において、この方法は、癌タンパク質および競合物質を、第一のサンプル中で混合する工程を包含する。第二のサンプルは、試験化合物、癌タンパク質、および競合物質を含有する。競合物質の結合が、両方のサンプルについて決定され、そしてこれら2つのサンプル間での結合の変化、または差異が、癌タンパク質に結合し得、そしてその活性を潜在的に調節し得る薬剤の存在を示す。すなわち、競合物質の結合が、第一のサンプルに対して第二のサンプルにおいて異なる場合、この薬剤は、癌タンパク質に結合し得る。
あるいは、差次的スクリーニングが、ネイティブの癌タンパク質に結合するが改変癌タンパク質に結合し得ない薬物候補を同定するために用いられる。例えば、癌タンパク質の構造はモデル化されて、合理的薬物設計において、その部位と相互作用する因子、すなわち部位改変タンパク質(site−modified protein)に一般的に結合しない因子を合成するために用いられる。さらに、ネイティブの癌タンパク質の活性に影響するような薬物候補はまた、そのようなタンパク質の活性の増強または減少のいずれかをする能力について薬物をスクリーニングすることによって同定される。
陽性コントロールおよび陰性コントロールが、このアッセイにおいて用いられ得る。好ましくは、コントロールおよび試験サンプルは、統計的に有意な結果を得るために少なくとも三連で実施される。全てのサンプルのインキュベーションは、タンパク質へのこの因子の結合を可能にするのに十分な時間、行われる。インキュベーションに続いて、サンプルを洗浄して非特異的結合物質を含まないようにし、そして結合した、遺伝的に標識した因子の量を決定する。例えば、放射標識を用いる場合、これらのサンプルをシンチレーションカウンターを用いて計数して、結合した化合物の量を決定し得る。
種々の他の試薬がこのスクリーニングアッセイに関与し得る。これらの試薬としては、最適なタンパク質−タンパク質結合を容易にし、そして/または非特異的相互作用もしくはバックグラウンド相互作用を減少するために用いられる塩、中性タンパク質(例えば、アルブミン)界面活性剤などのような試薬が挙げられる。このアッセイの効率を他の方法で改善する試薬(例えば、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌剤など)もまた用いられ得る。成分の混合物が、必須の結合を提供する順番で添加される。
(本発明のタンパク質をダウンレギュレートまたは阻害するためのポリヌクレオチドの使用)
癌のポリヌクレオチド調節因子が、WO 91/04753に記載されるように、リガンド結合分子との結合体の形成によって、標的ヌクレオチド配列を含む細胞へと導入され得る。適切なリガンド結合分子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:細胞表面レセプター、増殖因子、他のサイトカイン、または細胞表面レセプターに結合する他のリガンド。好ましくは、リガンド結合分子の結合体は、リガンド結合分子がその対応する分子またはレセプターに結合する能力を十分には干渉しないか、あるいは、細胞へのセンスオリゴヌクレオチドもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその結合体バージョンの進入を十分にはブロックしない。あるいは、癌のポリヌクレオチド調節因子が、例えば、WO 90/10448に記載されるように、ポリヌクレオチド−脂質複合体の形成によって標的核酸配列を含む細胞内に導入され得る。アンチセンス分子またはノックアウトモデルおよびノックインモデルの使用もまた、処理方法に加えて、上で議論されるようなスクリーニングアッセイにおいて用いられ得ることが理解される。
(阻害およびアンチセンスヌクレオチド)
特定の実施形態において、癌関連タンパク質の活性が、アンチセンスポリヌクレオチドまたは阻害性小核RNA(snRNA)(すなわちコードmRNA核酸配列(例えば、本発明の癌タンパク質、mRNA、またはそれらの部分配列)に相補的であり、そして好ましくは、これらに特異的にハイブリダイズし得る核酸)の使用により、ダウンレギュレートされるか、または完全に阻害される。mRNAへのアンチセンスポリヌクレオチドの結合は、mRNAの翻訳および/または安定性を減少させる。
本発明の文脈において、アンチセンスポリヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオチド、または天然に存在するサブユニットもしくはこれらの近縁のホモログから形成される合成種を含み得る。アンチセンスポリヌクレオチドはまた、変化した糖部分または糖間の連結を有し得る。当該分野において使用されることが公知のホスホロチオエートおよび他の硫黄含有種が、例示的にこれらの中に含まれる。アナログは、これらが本発明のヌクレオチドとハイブリダイズするように有効に機能する限り本発明に含まれる。例えば、Isis Pharmaceuticals、Carlsbad、CA;Sequitor、Inc.、Natick、MAを参照のこと。
そのようなアンチセンスポリヌクレオチドは、組換え手段を用いて容易に合成され得るか、またはインビトロで合成され得る。そのような合成についての装置は、種々の販売者(Applied Biosystemsが挙げられる)から販売されている。他のオリゴヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエートおよびアルキル化誘導体)の調製もまた、当業者に周知である。
本明細書中で使用される場合、アンチセンス分子は、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドを含む。センスオリゴヌクレオチドは、例えば、アンチセンス鎖への結合により転写をブロックするために用いられ得る。このアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびセンスオリゴヌクレオチドは、癌分子についての標的mRNA(センス)配列または標的DNA(アンチセンス)配列に結合し得る一本鎖核酸配列(RNAまたはDNAのいずれか)を含む。本発明によるアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドは、一般的に、少なくとも約12ヌクレオチド、好ましくは、約12ヌクレオチド〜約30ヌクレオチドのフラグメントを含む。所定のタンパク質をコードするcDNA配列に基づくアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドを誘導する能力は、例えば、Stein&Cohen(Cancer Res.48:2659(1988)およびvan der Krolら、(BioTechniques 6:958(1988)に記載されている。
(リボザイム)
アンチセンスポリヌクレオチドに加えて、リボザイムが、癌関連ヌクレオチド配列の転写を標的化または阻害するために用いられ得る。リボザイムは、他のRNA分子を触媒的に切断するRNA分子である。種々の種類のリボザイムが記載されている。これらのリボザイムとしては、グループIリボザイム、ハンマーヘッドリボザイム、ヘアピンリボザイム、RNase P、およびアックスヘッドリボザイムが挙げられる(例えば、種々のリボザイムの特性の一般的な概説についてはCastanottoら、Adv.in Pharmacology 25:289〜317(1994)を参照のこと)。
ヘアピンリボザイムの遺伝的特徴は、例えば、Hampelら、Nucl.Acid Res.18:299〜304(1990);欧州特許出願番号0360257;米国特許第5,254,678号に記載されている。調製方法は、当業者に周知である(例えば、WO 94/26877;Ojwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6340〜6344(1993);Yamadaら、Human Gene Therapy 1:39〜45(1994);Leavittら、Proc.Natl.Acad Sci.USA 92:699〜703(1995);Leavittら、Human Gene Therapy 5:1151〜120(1994);およびYamadaら、Virology 205:121〜126(1994)を参照のこと)。
(表現型スクリーニングにおける調節因子の使用)
1つの実施形態において、試験化合物が、関連する癌発現プロフィールを有する癌細胞の集団に投与される。本明細書において「投与する」または「接触させる」とは、調節因子を、取り込み作用および細胞内作用によってか、または細胞表面での作用によって、細胞に対して作用させるような様式で、この調節因子をその細胞に添加することを意味する。いくつかの実施形態において、タンパク質様因子(すなわち、ペプチド)をコードする核酸がウイルス構築物(例えば、アデノウイルス構築物またはレトロウイルス構築物)へと付加され、そして細胞へと添加されてこのペプチド因子の発現が達成される(例えば、PCT US97/01019)。調節可能な遺伝子治療系もまた、用いられ得る。一旦、調節因子を細胞に投与した後、これらの細胞を、所望の場合洗浄し、そして好ましい生理学的条件下で、いくらかの期間インキュベートする。次いで、これらの細胞を、収集し、そして新しい遺伝子発現プロフィールを作製する。従って、例えば、癌組織を、癌の表現型を調節(例えば、誘導または抑制)する因子についてスクリーニングする。発現プロフィールの少なくとも1つの遺伝子、好ましくは多くの遺伝子における変化は、この因子が、癌の活性に対して効果を有することを示す。同様に、生物学的機能またはシグナル伝達経路を変化させることは、調節因子の活性を示す。癌の表現型についてのそのようなシグネチャーを規定することにより、表現型を変化させる新規の薬物についてのスクリーニングが考案される。このアプローチにおいて、薬物標的は既知である必要はなく、元の遺伝子/タンパク質発現スクリーニングプラットフォームにおいて表されている必要もなく、標的タンパク質に対する転写物のレベルが変化する必要もない。機能を阻害する調節因子は、代理マーカーとしての役割を果たす。
上で概説したとおり、遺伝子または遺伝子産物を評価するために、スクリーニングを実施する。すなわち、特定の差次的に発現された遺伝子を、特定の状態において重要であると同定する工程、遺伝子または遺伝子産物自体の発現のいずれかの調節因子をスクリーニングする工程を実施する。
(本発明のペプチドに影響する調節因子の使用)
癌ポリペプチドの活性、または癌表現型の測定を、種々のアッセイを用いて実施する。
例えば、癌ポリペプチドの機能に対する調節因子の効果を、上記のパラメーターを試験することにより測定する。活性に影響する生理学的変化が、本発明のポリペプチドに対する試験化合物の影響を評価するために用いられる。インタクトな細胞または動物を用いて機能的結果が決定される場合、種々の効果が、(例えば、固形腫瘍、腫瘍増殖、腫瘍転移、新生血管形成、ホルモン放出、(例えば、ノーザンプロットによる)既知の遺伝マーカーおよび特徴付けられていない遺伝マーカーの両方に対する転写の変化に関連する癌の場合、細胞代謝における変化(例えば、細胞増殖またはpH変化)および細胞内二次的メッセンジャー(例えば、cGNIP)の変化の場合に)評価され得る。
(癌関連配列を同定、特徴付けする方法)
種々の遺伝子配列の発現が、癌に関連する。従って、変異体癌遺伝子または改変体癌遺伝子に基づく障害を決定する。1つの実施形態において、本発明は、改変体癌遺伝子を含む細胞を同定する(例えば、細胞内の少なくとも1つの内因性癌遺伝子の配列の全てまたは一部の存在を決定する)ための方法を提供する。これは、任意の配列決定技術を用いて達成される。本発明は、個体の癌の遺伝子型を同定する(例えば、個体における少なくとも1つの本発明の遺伝子の配列の全てまたは一部を決定する)方法を包含する。これは、一般的に、個体の少なくとも1つの組織(例えば、表Iに示される組織)において行われ、そして多数の組織または同じ組織の異なるサンプルの評価を含み得る。この方法は、配列決定した遺伝子の配列を、既知の癌遺伝子(すなわち、野生型遺伝子)の配列と比較して、ファミリーメンバー、ホモログ、変異体、または改変体の存在を決定する工程を包含し得る。次いで、この遺伝子の全てまたは一部の配列を、既知の癌遺伝子の配列と比較して、任意の差異が存在するか否かを決定し得る。これは、任意の既知の相同性プログラム(例えば、BLAST、Bestfitなど)を用いて行われる。患者の癌遺伝子と既知の癌遺伝子との間の配列の差異の存在は、本明細書中で概説されるように、疾患状態または疾患状態についての傾向に関連する。
好ましい実施形態において、これらの癌遺伝子は、ゲノム中の癌遺伝子のコピー数を決定するためのプローブとして用いられる。これらの癌遺伝子は、癌遺伝子の染色体位置を決定するためのプローブとして用いられる。染色体位置のような情報は、特に、染色体異常(例えば、転座など)が癌遺伝子座において同定された場合、診断または予後診断の提供における使用を見出す。
(XIV.)キット/製造の物品)
本明細書中に記載される診断適用および治療適用における使用のために、キットもまた、本発明の範囲内である。そのようなキットは、キャリア、パッケージまたは1つ以上の容器(例えば、バイアル、チューブなど)を受容するように区画に分けられた容器を備え得、これらの容器の各々は、この方法において用いられる1つの別個のエレメントを含む。例えば、容器は、検出可能に標識されているかまたは標識され得るプローブを含み得る。そのようなプローブは、それぞれ、図2に関連するタンパク質もしくは図2の遺伝子またはメッセージに特異的な抗体またはポリヌクレオチドであり得る。この方法が、標的核酸を検出するための核酸ハイブリダイゼーションを使用する場合、このキットはまた、標的核酸配列を増幅するためのヌクレオチドを含む容器および/またはレポーター手段(例えば、レポーター分子(例えば、酵素標識、蛍光標識、または放射標識)に結合したビオチン結合タンパク質(例えば、アビジンまたはストレプトアビジン))を含む容器も有し得る。このキットは、図2または図3におけるアミノ酸配列の全てもしくは一部またはこれらのアナログ、あるいはそのようなアミノ酸配列をコードする核酸分子を含み得る。
本発明のキットは、代表的に、上記の容器および商業的立場およびの使用者の立場から所望される物質(緩衝液、希釈液、ろ紙、針、シリンジ;キャリア、パッケージ、容器、バイアルおよび/またはチューブ、内容物を列挙したラベル、および/または使用のための指示書、ならびに使用のための指示書を有するパッケージ挿入物が挙げられる)を含む1つ以上の他の容器を含む。
ラベルは、容器上に存在して、この組成物が特定の治療または非治療適用(例えば、診断適用または研究適用)に用いられることを示し得、そしてインビボまたはインビトロでの使用(例えば、本明細書中に記載される使用)のための指示を示し得る。指示および/または他の情報はまた、このキットと共にかまたはこのキット上に備えられた挿入物またはラベル上に含まれ得る。
用語「キット」および「製造の物品」は、類義語として用いられ得る。
本発明の別の実施形態において、組成物(例えば、アミノ酸配列、低分子、核酸配列、および/または抗体(例えば、表Iに示されるような組織の新形成の診断、予後診断、予防および/または処置のために有用な物質)を備える製造の物品が提供される。製造の物品は、代表的に、少なくとも1つの容器および少なくとも1つのラベルを備える。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が挙げられる。これらの容器は、種々の材料(例えば、ガラスまたはプラスチック)から形成され得る。この容器は、アミノ酸配列、低分子、核酸配列、および/または抗体を保持し得、1つの実施形態において、この容器は、細胞のmRNA発現プロフィールの試験において用いるためのポリヌクレオチドを、この目的のために用いられる試薬とともに保持し得る。
この容器は、代替的に、状態を処置、診断、予後診断または予防するために有効な組成物を含み得、そして滅菌アクセスポートを備え得る(例えば、この容器は、静脈内溶液バッグまたは皮下注射針により貫通可能なストッパーを有するバイアルであり得る)。この組成物中の活性因子は、24P4C12を特異的に結合し得、かつ24P4C12の機能を調節し得る抗体であり得る。
このラベルは、容器上にあるか、または容器に添えられ得る。このラベルを形成する文字、番号または他の特徴が容器自体に形成されているかまたはエッチングされている場合、ラベルは、容器上にあり得;それがこの容器をまた保持する容器(receptacle)またはキャリアの中に存在する場合(例えば、パッケージ挿入物)、ラベルは、容器に添えられ得る。このラベルは、この組成物が、ある状態(例えば、表Iに示す組織の新形成)を診断、処置、予防または予後診断するために用いられることを示し得る。製造の物品は、さらに、第二の容器を備え得、この第二の容器は、薬学的に受容可能な緩衝液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水、リンガー溶液、および/またはデキストロース溶液)を含む。その容器は、商業的立場および使用者の立場から所望される他の物質(他の緩衝液、希釈液、ろ紙、攪拌子、針、シリンジ、ならびに/または指示を有するパッケージ挿入物および/もしくは使用のための指示書が挙げられる)さらに備える。
本発明の種々の局面を、以下の複数の実施例によりさらに記載および例証する。これらの実施例のいずれも、本発明の範囲に限定することを意図しない。
(実施例1:24P4C12遺伝子のcDNAフラグメントのSSHにより得られる単離)
抑制サブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)を使用して、前立腺癌において差次的に発現され得る遺伝子に対応するcDNAを同定する。このSSH反応は、LAPC−9 AD前立腺癌異種移植物に由来するcDNAを利用した。この24P4C12遺伝子を、LAPC−9 ADマウス−前立腺過形成実験から誘導した。
160bpの24P4C12 SSH cDNAを、図1に挙げる。この全長24P4C12 cDNAおよびORFを、図3に挙げたこのタンパク質配列と共に図2に記載する。
(材料および方法)
(ヒト組織)
患者の癌組織および正常組織を、異なる供給源(例えばNDRI(Philadelphia, PA))から購入した。いくつかの正常組織についてのmRNAを、Clontech, Palo Alto, CAから購入した。
(RNAの単離)
組織を、Trizol試薬(Life Technologies,Gibco BRL)中で、10ml/gの組織単離物をホモジナイズして、総RNAを単離した。ポリA RNAを、QiagenのOligotex mRNA MiniおよびMidiキットを使用して、総RNAから精製した。総RNAおよびmRNAを、分光光度分析(O.D.260/280nm)によって定量し、そしてゲル電気泳動によって分析した。
(オリゴヌクレオチド)
以下のHPLC精製したオリゴヌクレオチドを、使用した。
(DPNCDN(cDNA合成プライマー))
5’TTTTGATCAAGCTT303’(配列番号33)
(アダプター1)
5’CTAATACGACTCACTATAGGGCTCGAGCGGCCGCCCGGGCAG3’(配列番号34)
3’GGCCCGTCCTAG5’(配列番号35)
(アダプター2)
5’GTAATACGACTCACTATAGGGCAGCGTGGTCGCGGCCGAG3’(配列番号36)
3’CGGCTCCTAG5’(配列番号37)
(PCRプライマー1)
5’CTAATACGACTCACTATAGGGC3’(配列番号38)
(ネステッドプライマー(NP)1)
5’TCGAGCGGCCGCCCGGGCAGGA3’(配列番号39)
(ネステッドプライマー(NP)2)
5’AGCGTGGTCGCGGCCGAGGA3’(配列番号40)
(抑制サブトラクティブハイブリダイゼーション)
抑制サブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)を使用して、前立腺癌において差次的に発現し得る遺伝子に対応するcDNAを同定した。このSSH反応は、前立腺癌組織および正常組織に由来するcDNAを利用した。
24P4C12遺伝子の配列は、LAPC−4AD前立腺癌異種移植片−良性前立腺過形成のcDNAサブトラクションから誘導した。このSSHのcDNA配列(図1)を、同定した。
正常組織および良性前立腺増殖症のプールに由来するcDNAを、「ドライバー」cDNAの供給源として使用し、一方LAPC−4AD異種移植に由来するcDNAを、「テスター」cDNAの供給源として使用した。テスターcDNAに対応する二本鎖cDNAおよびドライバーcDNAに対応する二本鎖cDNAを、上に記載したような、関連する異種移植組織から、CLONTECHのPCR−Select cDNA Subtraction Kitを使用して単離した2μgのポリ(A)+RNAおよびプライマーとして1ngのオリゴヌクレオチドDPNCDNから合成した。第1鎖合成および第2鎖合成を、キットの使用者マニュアルプロトコル(CLONTECHプロトコル番号PT1117−1、カタログ番号K1804−1)に記載されるようにして行った。得られたcDNAを、37℃で3時間、DpnIIで消化した。消化されたcDNAを、フェノール/クロロホルム(1:1)で抽出し、そしてエタノールで沈殿させた。
ドライバーのcDNAを、1:1の比率で、関連する組織供給源(上を参照)に由来するDpnIIで消化したcDNAと、9つの正常組織(胃、骨格筋、肺、脳、肝臓、腎臓、脾臓、小腸、および心臓)に由来する消化したcDNAの混合物とを組み合わせることにより作製した。
関連の組織供給源(上記を参照のこと)(400ng)由来の、DpnIIで消化したcDNA(1μl)を、5μlの水中に希釈することによって、テスターcDNAを作製した。次いで、この希釈したcDNA(2μl、160ng)を、400uのT4 DNAリガーゼ(CLONTECH)を使用して、別個のライゲーション反応で、10μlの全容量で、16℃で一晩、2μlのAdaptor 1およびAdaptor 2(10μM)にライゲーションした。1μlの0.2M EDTAを用いて、72℃で5分間加熱して、ライゲーションを終了させた。
第1のハイブリダイゼーションを、ドライバーcDNA(1.5μl、600ng)を、1.5μl(20ng)のAdaptor 1連結テスターcDNAおよびAdaptor 2連結テスターcDNAを含む2つのチューブのそれぞれに添加することによって実施した。4μlの最終容量で、これらのサンプルを鉱油で覆い、MJ Researchサーマルサイクラーで、98℃で1.5分間変性し、次いで68℃で8時間ハイブリダイズさせた。次いで、2つのハイブリダイゼーション産物を、追加の新たな変性ドライバーcDNA(1μl)と混合し、そして68℃で一晩ハイブリダイズさせた。次いで、この第2のハイブリダイゼーション産物を、20mM Hepes(pH8.3)、50mM NaCl、0.2mM EDTA(200μl)中で希釈し、70℃で7分間加熱し、そして−20℃で貯蔵した。
(SSHから作製した遺伝子フラグメントのPCR増幅、クローニングおよび配列決定)
SSH反応から得られた遺伝子フラグメントを増幅するために、2回のPCR増幅を行った。第1のPCR反応において、希釈した最終ハイブリダイゼーション混合物(1μl)を、1μlのPCRプライマー1(10μM)、0.5μlのdNTP混合物(10μM)、2.5μlの10×反応緩衝液(CLONTECH)および0.5μlの50×Advantage cDNAポリメラーゼ混合物(CLONTECH)に、最終容量25μlで添加した。PCR1を、以下の条件を使用して実施した:75℃で5分間、94℃で25秒間、次いで27サイクルの94℃で10秒間、66℃で30秒間、72℃で1.5分間。5つの別個の第1のPCR反応を、各実験について実施した。その生成物をプールし、そして水で1:10に希釈した。第二のPCR反応のために、プールしたものから1μlおよび希釈した最初のPCR反応物を、プライマーNP1およびNP2(10μM)をPCR1プライマーの代わりに使用することを除いて、PCR1に使用したとのと同一の反応混合物へ添加した。PCR2を、10〜12サイクルの94℃で10秒間、68℃で30秒間および72℃で1.5分間を使用して実施した。このPCR生成物を、2%アガロースゲル電気泳動を使用して分析した。
このPCR生成物を、T/Aベクタークローニングキット(Invitrogen)を使用して、pCR2.1に挿入した。形質転換したE.coliを、青/白選別およびアンピシリン選別に供した。白色コロニーを、選択して採取し、そして96ウェルプレートに配置し、そして液体培養液中で一晩増殖させた。挿入物を同定するために、PCR増幅を、PCR1の条件を使用し、NP1およびNP2をプライマーとして使用して、細菌培養液1μlについて実施した。PCR生成物を、2%アガロースゲル電気泳動を使用して分析した。
細菌クローンを、96ウェル様式で、20%グリセロール中で貯蔵した。プラスミドDNAを、調製し、配列を決定し、そしてGenBankデータベース、dBestデータベース、およびNCI−CGAPデータベースの核酸相同性検索にかけた。
(RT−PCRの発現分析)
Gibco−BRL Superscript Preamplificationシステムを使用するオリゴ(dT)12−18のプライミングを用いて、第1の鎖cDNAを、1μgのmRNAから作製し得る。逆転写酵素と共に42℃で50分間インキュベートし、次いで、37℃で20分間、RNAse H処理を行うことを含む製造者のプロトコルを使用した。この反応が完了した後、その容量を、正規化の前に、水で200μlまで増やし得た。16の異なる正常なヒト組織由来の第1の鎖cDNAを、Clontechから入手し得る。
複数の組織由来の第1の鎖cDNAの正規化を、プライマー5’atatcgccgcgctcgtcgtcgacaa3’(配列番号41)および5’agccacacgcagctcattgtagaagg 3’(配列番号42)を使用して、β−アクチンを増幅することにより、実施した。第1の鎖cDNA(5μl)を、50μlの総容量(0.4μMのプライマー、各々0.2μMのdNTP、1×PCR緩衝液(Clontech,10mM Tris−HCl、1.5mM MgCl2、50mM KCl、pH8.3)および1×Klentaq DNAポリメラーゼ(Clontech)を含む)で増幅した。5μlのPCR反応物を、18サイクル、20サイクルおよび22サイクルで取り出し、そしてアガロースゲル電気泳動に使用し得る。PCRを、MJ Researchサーマルサイクラーを使用して、以下の条件下で実施した:最初の変性工程が、94℃で15秒間、続いて、18サイクル、20サイクルおよび22サイクルの94℃で15分間、65℃で2分間、72℃で5秒間であり得る。72℃での最後の伸長工程を、2分間行った。アガロースゲル電気泳動の後、複数の組織由来の283b.p.のβ−アクチンのバンドのバンド強度を、目視検査により比較した。第1の鎖cDNAの希釈率を、計算して、22サイクルのPCR後に、全ての組織において等しいβ−アクチンバンド強度を得た。22サイクルのPCR後に、全ての組織において等しいバンド強度を達成するために、3回の正規化が必要であり得る。
24P4C12遺伝子の発現レベルを決定するために、5μlの正規化した第1の鎖cDNAを、26サイクルおよび30サイクルの増幅を使用するPCRによって分析した。
半定量的発現分析を、軽いバンド強度を与えるサイクル数において、PCR産物を比較することによって達成し得る。RT−PCRに使用するプライマーを、24P4C12 SSH配列を使用して設計した。それを以下に挙げる:
(24P4C12.1)
5’−AGATGAGGAGGAGGACAAAGGTG−3’(配列番号43)
(24P4C12.2)
5’−ACTGCTGGGAGGAGTACCGAGTG−3’(配列番号44)
(実施例2:全長24P4C12をコードするcDNAの単離)
24P4C12 SSH cDNAの配列は、LAPC−4AD異種移植片から良性前立腺過形成症を差し引いたものよりなるサブトラクションから誘導した。このSSH cDNAの配列(図1)を、24P4C12と命名した。
160bpの単離した遺伝子フラグメントは、53アミノ酸の推定されるオープンリーディングフレーム(ORF)をコードし、そして結腸癌のライブラリーに由来するESTに対し顕著な相同性を示す。より大きな二つのcDNAクローンを、遺伝子トラッパー実験により得た(GTE9およびGTF8)。このORFは、マウスのNG22遺伝子およびC.elegansのCEESB82F遺伝子に対する顕著な相同性を示した。NG22は近年、ゲノムBACクローン内の多数のORFの内の一つとして同定された。このゲノムBACクローンは、マウスのゲノムにおけるMHCクラスIIIを含む。NG22およびCEESB82Fの両者は、12個の膜貫通ドメインを含む遺伝子であるようである。これは、24P4C12をコードする遺伝子が、12個の膜貫通ドメインを含み、そしてマウスのNG22およびC.elegansのCEESB82Fのヒトホモログであることを示唆する。C.elegansにおける機能的研究が、これらホモログの生物学的な役割を示し得る。24P4C12が、細胞表面マーカーである場合、前立腺癌における潜在的な画像化剤および/または治療的標的としての用途を有し得る。
2587bpの24P4C12 v.1は、710アミノ酸のタンパク質をコードする(図2および図3)。24P4C12の他の改変体をまた、同定した。これらを図2および図3に列挙する。24P4C12 v.1タンパク質、24P4C12 v.2タンパク質、24P4C12 v.3タンパク質、24P4C12 v.5タンパク質、24P4C12 v.6タンパク質は、710アミノ酸の長さであり、図11に示すように一アミノ酸だけ互いと異なる。24P4C12 v.2および24P4C12 v.4は、24P4C12 v.1と同一のタンパク質をコードする。24P4C12 v.7、24P4C12 v.8および24P4C12 v.9は、選択的スプライス改変体でありかつそれぞれ598アミノ酸、722アミノ酸および712アミノ酸の長さのタンパク質をコードする。
(実施例3:24P4C12の染色体マッピング)
染色体の位置決定は、疾患の病因に遺伝子を関連付け得る。いくつかの染色体マッピングアプローチが利用可能であり、これには、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、ヒト/ハムスター放射線ハイブリッド(RH)パネル(Walterら、1994;Nature Genetics 7:22;Research Genetics,Huntsville AI)、ヒト−げっ歯類体細胞ハイブリッドパネル(例えば、Coriell Institute(Camden,New Jersey)から入手可能なようなもの)、および配列決定されそしてマッピングされたゲノムクローンに対するBLAST相同性を使用するゲノムビュアー(NCBI,Bethesda,Maryland)が挙げられる。24P4C12は、24P4C12配列およびNCBI BLASTツール(ワールドワイドウェブ(.ncbi.nlm.nih.gov/genome/seq/page.cgi?F=HsBlast.html&&ORG=Hs)にある)を使用して、染色体6q21.3にマッピングされる。
(実施例4:24P4C12の発現分析)
RT−PCRによる発現分析は、24P4C12が、前立腺癌患者および卵巣癌患者の標本において強く発現することを示した(図14)。第1の鎖cDNAを、生体プール1(腎臓、肝臓および肺)、生体プール2(結腸、脾臓および胃)、前立腺癌異種移植片のプール(LAPC−4AD、LAPC−4AI、LAPC−9ADおよびLAPC−9AI)、前立腺癌のプール、膀胱癌のプール、腎臓癌のプール、結腸癌のプール、卵巣癌のプール、乳癌のプール、ならびに癌転移のプールから作製した。正規化をアクチンに対するプライマーを使用するPCRによって、実施した。24P4C12に対するプライマーを使用する半定量的PCRを、26サイクルおよび30サイクルの増幅で行った。結果は、前立腺癌のプールおよび卵巣癌のプールにおいて24P4C12の強い発現を示す。発現を、前立腺癌異種移植片、膀胱癌のプール、腎臓癌のプール、結腸癌のプール、乳癌のプール、癌転移のプール、生体プール1ならびに生体プール2においても検出した。
複数のヒト正常組織における24P4C12の広範なノーザンブロット分析を、図15に示す。共に1レーンあたり2μgのmRNAを用いる二つの複数組織ノーザンブロット(Clontech)を、24P4C12のSSHの配列を用いてプロービングした。24P4C12の発現を、前立腺、腎臓、および結腸において検出した。より低い発現を、試験した16個の全ての正常組織の内の膵臓、肺、および胎盤において検出した。
24P4C12の発現を、前立腺異種移植片および細胞株において試験した。RNAを、細胞株ならびに前立腺癌異種移植片群(PrEC,LAPC−4AD,LAPC−4AI,LAPC−9AD,LAPC−9AI,LNCaP,PC−3,DU145,TsuPr,およびLAPC−4CL)から抽出した。1レーンあたり10μgの総RNAを用いるノーザンブロットを、24P4C12 SSH配列を用いてプロービングした。キロベース(kb)単位のサイズ標準物を、端に示す。24P4C12転写物を、LAPC−4AD,LAPC−4AI,LAPC−9AD,LAPC−9AI,LNCaP,およびLAPC−4 CLに検出した。
患者の癌標本およびヒト正常組織における24P4C12の発現を、図16に示す。RNAを、前立腺癌の標本、膀胱癌の標本、結腸癌の標本、卵巣癌の標本、乳癌の標本、および癌転移の標本のプール、ならびに正常前立腺(NP),正常膀胱(NB)、正常腎臓(NK)、および正常結腸(NC)から抽出した。1レーンあたり10μgの総RNAを用いるノーザンブロットを、24P4C12 SSH配列を用いてプロービングした。キロベース(kb)単位のサイズ標準物を、端に示す。24P4C12転写物の強い発現を、患者の癌のプール標本および正常な前立腺において検出したが、試験した他の正常組織においては、検出しなかった。
24P4C12の発現を、個々の前立腺癌患者の標本においても検出した(図17)。
RNAを、正常前立腺(N)、前立腺癌患者の腫瘍(T)およびその適合する隣接する正常組織(Nat)から抽出した。10μgの総RNAを用いたノーザンブロットを、24P4C12 SSHフラグメントを用いてプロービングした。キロベース(kb)単位のサイズ標準物を、端に示す。結果は、正常前立腺および試験した全ての前立腺患者腫瘍における24P4C12の発現を示す。
結腸癌患者の標本における24P4C12の発現を、図18に示す。RNAを、結腸癌細胞株(CL:Colo 205,LoVo,およびSK−CO−)、正常結腸(N)、結腸癌患者の腫瘍(T)ならびにこれらの適合する隣接する正常組織(Nat)から抽出した。10μgの総RNAを用いたノーザンブロットを、24P4C12 SSHフラグメントを用いてプロービングした。キロベース(kb)単位あたりの標準物を、端に示す。結果は、正常結腸および調べた全ての結腸患者腫瘍において24P4C12の発現を示した。発現を、細胞株Colo 205およびSK−CO−において検出したが、LoVoにおいては検出しなかった。
図20は、肺癌患者の標本における24P4C12の結果を示す。RNAを、肺癌細胞株(CL:CALU−1,A427,NCI−H82,NCI−H146)、正常肺(N)、肺癌患者の腫瘍(T)ならびにこれらの適合する隣接する正常組織(Nat)から抽出した。10μgの総RNAを用いたノーザンブロットを、24P4C12 SSHフラグメントを用いて精査した。キロベース(kb)単位の標準物を、端に示す。結果は、試験した肺患者腫瘍において24P4C12の発現を示したが、正常肺においては発現を示さなかった。発現を、CALU−1においても検出したが、他の細胞株(A427,NOI−H82,およびNCI−H146)においては検出しなかった。
24P4C12を、RNAドットブロットにおいて、一群のヒト胃癌および乳癌(T)ならびにこれらそれぞれの適合する正常組織(N)においてアッセイした。24P4C12の発現を、胃癌および乳癌において観察した。この発現を、正常隣接組織(疾患組織から単離された)において検出したが、正常組織(健康なドナーから単離した)においては検出しなかった。これは、これらの正常隣接組織が、完全には正常ではなく、そして24P4C12が、初期腫瘍において発現し得ることを示し得る。
24P4C12の発現レベルを、一群の患者の癌組織において分析し、定量した。第一の鎖cDNAを、一群の卵巣癌患者標本(A)、子宮癌患者標本(B)、前立腺癌標本(C)、膀胱癌患者標本(D)、肺癌患者標本(E)、膵臓癌患者標本(F)、結腸癌標本(G)、および腎臓癌標本(H)から調製した。正規化を、アクチンに対するプライマーを使用するPCRによって実施した。24P4C12に対するプライマーを使用する半定量的PCRを、26サイクルおよび30サイクルの増幅で行った。サンプルをアガロースゲル上で電気泳動し、そしてPCR産物を、Alphalmagerソフトウェアを使用して定量化した。発現を、非存在、低い、中程度、または強いとして記録した。結果は、試験した患者癌標本の大部分において24P4C12の発現を示し、73.3%の卵巣癌患者標本、83.3%の子宮癌患者標本、95.0%の前立腺癌標本、61.1%の膀胱癌患者標本、80.6%の肺癌患者標本、87.5%の脾臓癌患者標本、87.5%の結腸癌標本、68.4%の明細胞腎癌、100%の乳頭状腎臓細胞癌において、24P4C12の発現を示す。
正常組織における24P4C12の制限された発現、ならびに前立腺癌、卵巣癌、膀胱癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、子宮癌、腎臓癌、胃癌および乳房癌において検出される発現は、24P4C12が、ヒト癌についての潜在的な治療標的および診断マーカーであることを示唆する。
(実施例5:24P4C12の転写改変体)
転写改変体は、選択的転写または選択的スプライシングにより生じる同一遺伝子からの成熟mRNAの改変体である。選択的転写産物は、同一遺伝子からの転写産物であるが、異なる点で転写を開始する。スプライシング改変体は、同一転写産物から差示的にスプライシングされたmRNA改変体である。真核生物において、複数のエキソンを有する遺伝子(multi−exon gene)が、ゲノムDNAから転写される場合、最初のRNAがスプライシングされて、エキソンのみを有しかつアミノ酸配列への翻訳に使用される機能的mRNAを産生する。従って、所定の遺伝子は、0個〜多くの選択的転写産物を有し得、そして各転写産物は、0個〜多くのスプライシング改変体を有し得る。各転写改変体は、独特のエキソン構成(makeup)を有し、そしてオリジナルの転写産物由来の異なるコード部分および/または非コード部分(5’末端または3’末端)を有し得る。転写改変体は、同一または同様の機能を有する同様または異なるタンパク質をコードしても、異なる機能を有するタンパク質をコードしてもよく、そして同一の時点で同一組織に発現しても、同一の時点で異なる組織に発現しても、異なる時点で同一の組織に発現しても、異なる時点で異なる組織に発現してもよい。転写改変体によりコードされるタンパク質は、同様または異なる細胞内局在または細胞外局在(例えば、分泌型対細胞内)を有し得る。
転写改変体は、当該分野において受容された種々の方法によって同定される。例えば、選択的転写産物およびスプライシング改変体は、全長クローニング実験によって、または全長転写産物およびEST配列の使用によって、同定される。第1に、全てのヒトESTを、互いと直接的または間接的に同一性を示すクラスターにグループ化した。第2に、同一クラスター中のESTをさらに、サブクラスターにグループ化し、そしてコンセンサス配列に集合させた。オリジナルの遺伝子配列を、コンセンサス配列または他の全長配列と比較する。各コンセンサス配列は、その遺伝子についての潜在的なスプライシング改変体である。全長クローンではない改変体が同定された場合でさえ、その改変体のその部分は、当該分野において公知の技術を使用する抗原生成および全長スプライシング改変体のさらなるクローニングに非常に有用である。
さらに、ゲノム配列に基づいて転写改変体を同定するコンピュータープログラムが当該分野において利用可能である。ゲノムベースの転写改変体同定プログラムとしては、FgenesH(A.SalamovおよびV.Solovyev,「Ab initio gene finding in Drosophila genomic DNA,」Genome Research.2000 April;10(4):516−22);Grail(URL compbio.oml.gov/Grail−bin/EmptyGrailForm)およびGenScan(URL genes.mit.edu/GENSCAN.html)が挙げられる。スプライシング改変体同定プロトコルの一般的議論については、例えば、以下を参照のこと:Southan,C.,A genomic perspective on human proteases,FEBS Lett.2001 Jun 8;498(2−3):214−8;de Souza,S.J.ら,Identification of human chromosome 22 transcribed sequences with ORF expressed sequence tags,Proc.Natl Acad Sci USA.2000 Nov 7;97(23):12690−3。
転写改変体のパラメーターをさらに確認するために、種々の技術(例えば、全長クローニング、プロテオーム確認(proteomic validation)、PCRベースの確認、および5’RACE確認など)が当該分野において利用可能である(例えば、プロテオーム確認:Brennan,S.O.ら,Albumin banks peninsula:a new termination variant characterized by electrospray mass spectrometry,Biochem Biophys Acta.1999 Aug 17;1433(1−2):321−6;Ferranti Pら,Differential splicing of pre−messenger RNA produces multiple forms of mature caprine alpha(s1)−casein,Eur J Biochem.1997 Oct 1;249(1):1〜7を、PCRベースの確認については:Wellmann Sら,Specific reverse transcription−PCR quantification of vascular endothelial growth factor(VEGF) splice variants by LightCycler technology,Clin Chem.2001 Apr;47(4):654−60;Jia,H.P.ら,Discovery of new human beta−defensins using a genomics−based approach,Gene.2001 Jan 24;263(1−2):211〜8を、PCRベースの確認および5’RACE確認については:Brigle,K.E.ら,Organization of the murine reduced folate carrier gene and identification of variant splice forms,Biochem Biophys Acta.1997 Aug 7;1353(2):191−8を参照のこと)。
ゲノム領域が癌において調節されることは、当該分野において公知である。遺伝子がマッピングされるゲノム領域が特定の癌において調節される場合、その遺伝子の選択的な転写産物またはスプライシング改変体もまた調節される。24P4C12は癌に関連する特定の発現プロフィールを有するということが、本明細書中に開示される。24P4C12の選択的な転写産物およびスプライシング改変体はまた、同一または異なる組織における癌に関与し得、従って腫瘍関連マーカー/抗原として役立つ。
オリジナルの転写産物のエキソン組成物(24P4C12v.1と指名する)を、表L1に示す。全長遺伝子およびEST配列を使用して、3つの転写改変体が、同定され、24P4C12 v.7、24P4C12 v.8、および24P4C12 v.9と名付けられた。24P4C12 v.1と比較して、転写改変体24P4C12 v.7は、図12に示すように、改変体24P4C12 v.1から、エキソン10およびエキソン11がスプライシングした。改変体24P4C12 v.8は、改変体24P4C12 v.1の位置1931と1932との間に36bpを挿入し、そして改変体24P4C12 v.9は、改変体24P4C12 v.1のセグメント1136〜1163を36bpと置換した。理論的には、空間的順序において、エキソンの各々の異なる組合せ(例えば、エキソン2およびエキソン3)は、潜在的なスプライシング改変体である。図12は、4つの転写物改変体のエキソンの模式的なアライメントを示す。
表LII〜LXIIIは、改変体ごとに示される。表LII、表LVIおよび表LXは、転写改変体のヌクレオチド配列を示す。表LIII、表LVIIおよび表LXIは、転写改変体と24P4C12 v.1の核酸配列とのアライメントを示す。表LIV、表LVIIIおよび表LVXIIは、同定されたリーディングフレーム方向について転写改変体のアミノ酸翻訳を説明する。表LV、表LIXおよび表LVIIIは、スプライシング改変体によってコードされるアミノ酸配列と24P4C12 v.1のアミノ酸配列とのアライメントを示す。
(実施例6:24P4C12の単一ヌクレオチド多型)
単一ヌクレオチド多型(SNP)は、ヌクレオチド配列中の任意の所定の位置での単一塩基対改変である。ゲノムの特定の点で、可能性のある4つのヌクレオチド塩基対(A/T、C/G、G/CおよびT/A)が存在する。遺伝子型とは、個体のゲノム中の1つ以上の位置の特定の塩基対配列をいう。ハプロタイプとは、しばしば、1つの遺伝子の文脈またはいくつかの密接に連結する遺伝子の文脈で、同一のDNA分子(または高等生物における同一の染色体)上の1つより多い位置の塩基対配列をいう。cDNA上に生じるSNPは、cSNPと呼ばれる。これらのcSNPは、その遺伝子によってコードされるタンパク質のアミノ酸を変化し得、従ってそのタンパク質の機能を変化し得る。いくつかのSNPは、遺伝的疾患を生じ、他は、個体間の表現型および環境因子(食餌および薬物を含む)に対する応答における定量的バリエーションに寄与する。従って、SNPおよび/または対立遺伝子の組合わせ(ハプロタイプと呼ばれる)は、多くの適用(遺伝的疾患の診断、薬物反応および投薬量の決定、疾患の原因である遺伝子の同定、および個体間での遺伝的関係の分析を含む)を有する(P.Nowotny,J.M.KwonおよびA.M.Goate,「SNP analysis to dissect human traits」Curr.Opin.Neurobiol.2001 Oct;11(5):637−641;M.PirmohamedおよびB.K.Park,「Genetic susceptibility to adverse drug reactions」Trends Pharmacol.Sci.2001 Jun;22(6):298−305;J.H.Riley,C.J.Allan,E.LaiおよびA.Roses,「The use of single nucleotide polymorphisms in the isolation of common disease genes」Pharmacogenomics.2000 Feb;1(1):39−47;R.Judson,J.C.StephensおよびA.Windemuth,「The predictive power of haplotypes in clinical response」Pharmacogenomics.2000 feb;1(1): 15−26)。
SNPは、当該分野において受容された種々の方法によって同定される(P.Bean,「The promising voyage of SNP target discovery」Am.Clin.Lab.2001 Oct−Nov;20(9):18−20;K.M.Weiss,「In search of human variation」Genome Res.1998 Jul;8(7):691−697:M.M.She,「Enabling large−scale pharmacogenetic studies by high−throughput mutation detection and genotyping technologies」Clin.Chem.2001 Feb;47(2):164−172)。例えば、SNPは、ゲルベースの方法(例えば、制限フラグメント長多型(RFLP)および変性勾配ゲル電気泳動(DGGE))によって多型を示すDNAフラグメントを配列決定することによって同定される。これらはまた、異なる個体からプールされたDNAサンプルの直接配列決定によってか、または異なるDNAサンプルからの配列を比較することによって、見出され得る。公的データベースおよび私的データベースにおける配列データの迅速な蓄積を用いて、コンピュータープログラム(Z.Gu,L.HillierおよびP.Y.Kwok,「Single nucleotide polymorphism hunting in cyberspace」Hum.Mutat.1998;12(4):221−225)を使用して配列を比較することによって、SNPが見出され得る。SNPが確認され得、そして個体の遺伝型またはハプロタイプは、直接配列決定およびハイスループットマイクロアレイを含む種々の方法によって決定され得る(P.Y.Kwok,「Methods for genotyping single nucleotide polymorphisms」Annu.Rev.Genomics Hum.Genet.2001;2:235−258;M.Kokoris,K.Dix,K.Moynihan,J.Mathis,B.Erwin,P.Grass,B.HinesおよびA.Duesterhoeft,「High−throughput SNP genotyping with the Masscode system」Mol.Diagn.2000 Dec;5(4):329−340)。上記の方法を使用して、5つのSNPを、元の転写物24P4C12 v.1において、位置542(G/A)、564(G/A)、818(C/T)、981(A/G)および1312(A/C)において同定した。代替的対立遺伝子を有する転写物またはタンパク質は、それぞれ、24P4C12 v.2、24P4C12 v.3、24P4C12 v.4、24P4C12 v.5および24P4C12 v.6として指名した。図10は、SNP改変体の概略的アライメントを示す。図11は、ヌクレオチド改変体に対応する、タンパク質改変体の概略的アライメントを示す。改変体1と同じアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列改変体は、図11に示されない。ここでは、別に示されているが、SNPのこれらの対立遺伝子は、異なる組合せ(ハプト型)で、そして転写改変体のいずれか1つ(例えば、24P4C12 v.7)(SNPの配列の内容を含む)で、生じ得る。
(実施例7:原核生物系における組換え24P4C12改変体の産生)
原核生物細胞において組換え24P4C12および24P4C12改変体を発現させるために、全長または部分長の24P4C12 cDNA配列および24P4C12改変体cDNA配列を、当該分野において公知の種々の発現ベクターのいずれか1つ中にクローニングする。全長cDNA、あるいは24P4C12、その改変体もしくはアナログ由来の任意の8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、またはそれより多く連続するアミノ酸を、使用する。
(A.インビトロ転写構築物およびインビトロ翻訳構築物)
pCRII:RNAインサイチュ研究のための24P4C12センスRNAプローブおよび24P4C12アンチセンスRNAプローブを作製するために、pCRII構築物(Invitrogen,Carlsbad CA)を作製する(これは、24P4C12 cDNAの全体またはフラグメントのいずれかをコードする)。pCRIIベクターは、RNAインサイチュハイブリダイゼーション実験におけるプローブとして使用するための24P4C12 RNAの転写を駆動するために、挿入物に隣接するSp6プロモーターおよびT7プロモーターを有する。これらのプローブは、RNAレベルでの24P4C12の細胞発現および組織発現を分析するために用いられる。24P4C12遺伝子のcDNAアミノ酸コード領域を表す、転写された24P4C12 RNAを、24P4C12タンパク質を合成するためにTnTTM Coupled Reticulolysate System(Promega,Corp.,Madison,WI)のようなインビトロで翻訳系において用いる。
(B.細菌構築物)
pGEX構築物:細菌において組換え24P4C12タンパク質(これは、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)タンパク質に融合される)を産生するために、24P4C12 cDNAもしくは改変体の全てまたは一部を、pGEXファミリーのGST−融合ベクター(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)中にクローニングする。これらの構築物は、アミノ末端で融合したGSTおよびカルボキシル末端の6つのヒスチジンエピトープ(6×His)を有する組換え24P4C12タンパク質配列の制御された発現を可能にする。このGSTおよび6×Hisタグは、適切なアフィニティーマトリクスを用いる、誘導された細菌からのその組換え融合タンパク質の精製を可能にし、そして抗GST抗体および抗His抗体を用いるその融合タンパク質の認識を可能にする。6×Hisタグは、例えば、オープンリーディングフレーム(ORF)の3’末端のクローニングプライマーへ6つのヒスチジンコドンを付加することにより作製される。タンパク質切断部位(例えば、pGEX−6P−1中のPreScissionTM認識部位)を、24P4C12関連タンパク質からのGSTタグの切断を可能にするように使用し得る。アンピシリン耐性遺伝子およびpBR322起点は、E.coli中でのpGEXプラスミドの選択および維持を可能にする。
pMAL構築物:細菌において、マルトース結合タンパク質(MBP)に融合される組換え24P4C12タンパク質を産生するために、24P4C12 cDNAタンパク質コード配列の全てまたは一部は、pMAL−c2XベクターおよびpMAL−p2Xベクター(New England Biolabs,Beverly,MA)へとクローニングすることによりMBP遺伝子に融合される。これらの構築物は、アミノ末端で融合したMBPおよびカルボキシル末端の6×Hisエピトープタグを有する組換え24P4C12タンパク質配列の制御された発現を可能にする。このMBPおよび6×Hisタグは、適切なアフィニティーマトリクスを用いる、誘導された細菌からのその組換え融合タンパク質の精製を可能にし、そして抗MBP抗体および抗His抗体を用いるその融合タンパク質の認識を可能にする。6×Hisエピトープタグは、3’クローニングプライマーへの6つのヒスチジンコドンの付加により作製される。Xa因子認識部位は、24P4C12からのpMALタグの切断を可能にする。pMAL−c2XベクターおよびpMAL−p2Xベクターは、それぞれ、細胞質または周辺質において組換えタンパク質を発現するように最適化される。周辺質発現は、ジスルフィド結合を有するタンパク質の折畳みを増大させる。
pET構築物:細菌細胞において24P4C12を発現させるために、24P4C12cDNAタンパク質コード配列の全てまたは一部は、pETファミリーのベクター(Novagen,Madison,WI)へとクローニングされる。これらのベクターは、可溶性を増大させるタンパク質(例えば、NusAおよびチオレドキシン(Trx))、および組換えタンパク質の精製および検出を補助するエピトープタグ(例えば、6×HisおよびS−TagTM)への融合を用いておよび用いずに、細菌における組換え24P4C12タンパク質の緊密に制御された発現を可能にする。例えば、構築物を、pET NusA融合系43.1を利用して作製して、その結果、24P4C12タンパク質の領域が、NusAへのアミノ末端融合物として発現される。
(C.酵母構築物)
pESC構築物:組換えタンパク質の作製および機能の研究のために、酵母種Saccharomyces cerevisiaeにおいて24P4C12を発現させるために、24P4C12 cDNAタンパク質コード配列の全てまたは一部を、pESCファミリーのベクター(これらの各々は、HIS3、TRP1、LEU2、およびURA3という4つの選択マーカーの内1つを含む)(Stratagene,La Jolla,CA)中にクローニングする。これらのベクターは同じプラスミドからの、同じ酵母細胞中にFlagTMまたはMycエピトープタグのいずれかを含む2つまでの異なる遺伝子またはクローニングされた配列の、制御された発現を可能にする。この系は、24P4C12のタンパク質−タンパク質相互作用を確認するために有用である。さらに、酵母における発現は、真核生物細胞において発現される場合に見出される類似した翻訳後修飾(例えば、グリコシル化およびリン酸化)を生じる。
pESP構築物:酵母種Saccharomyces pombeにおいて24P4C12を発現させるために、24P4C12 cDNAタンパク質コード配列の全てまたは一部を、pESPファミリーのベクターにクローニングする。これらのベクターは、アミノ末端またはカルボキシル末端のいずれかにおいて、組換えタンパク質の精製を補助するGSTへ融合される、24P4C12タンパク質配列の制御された高レベル発現を可能にする。FlagTMエピトープタグは、抗FlagTM抗体を用いる組換えタンパク質の検出を可能にする。
(実施例8:高等真核生物系における組換え24P4C12の産生)
(A.哺乳動物構築物)
真核生物細胞において組換え24P4C12を発現させるために、24P4C12 cDNA配列の全長または部分長を、当該分野で公知の種々の発現ベクターのいずれか1つの中にクローニングし得る。24P4C12の以下の領域の1つ以上が、これらの構築物において発現される:24P4C12 v.1〜24P4C12 v.6に由来するアミノ酸1〜710;または任意の8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個以上の連続するアミノ酸;24P4C12 v.7由来するアミノ酸1〜598;または任意の8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個以上の連続するアミノ酸;24P4C12 v.8に由来するアミノ酸1〜722;または任意の8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個以上の連続するアミノ酸;24P4C12 v.9、改変体、またはその類似体に由来するアミノ酸1〜712;または任意の8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個以上連続するアミノ酸。
これらの構築物を、293T細胞のような広範な種々の哺乳動物細胞のいずれか1つの中にトランスフェクトし得る。トランスフェクトされた293T細胞溶解物を、本明細書中に記載される抗24P4C12ポリクローナル血清を用いてプロービングし得る。
pcDNA3.1/MycHis構築物:哺乳動物細胞において24P4C12を発現させるために、コンセンサスKozak翻訳開始部位を有する24P4C12の、24P4C12 ORFまたはその一部を、pcDNA3.1/MycHis Version A(Invitrogen,Carlsbad,CA)中にクローニングした。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターから駆動される。この組換えタンパク質は、そのカルボキシル末端に融合されたmycエピトープおよび6×Hisエピトープを有する。pcDNA3.1/MycHisベクターはまた、ラージT抗原を発現する細胞株におけるエピソーム複製および単純なベクターレスキューのためのSV40起点と共に、mRNA安定性を増大するための、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列を含む。ネオマイシン耐性遺伝子を用い得る。なぜならば、ネオマイシン耐性遺伝子は、そのタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子およびColE1起点は、E.coliにおけるそのプラスミドの選択および維持を可能にするからである。図24は、一過性トランスフェクトした293T細胞におけるpcDNA3.1/MycHis構築物からの24P4C12の発現を示す。
pcDNA4/HisMax構築物:哺乳動物細胞において24P4C12を発現させるために、24P4C12の、24P4C12 ORFまたはその一部を、pcDNA4/HisMax Version A(Invitrogen,Carlsbad,CA)中にクローニングする。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよびSP16翻訳エンハンサーから駆動される。この組換えタンパク質は、そのアミノ末端に融合されたXpressTMおよび6×Hisエピトープを有する。pcDNA4/HisMaxベクターはまた、ラージT抗原を発現する細胞株におけるエピソーム複製および単純なベクターレスキューのためのSV40起点と共に、mRNA安定性を増大するための、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列を含む。ゼオシン耐性遺伝子は、そのタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子およびColE1起点は、E.coliにおけるそのプラスミドの選択および維持を可能にする。
pcDNA3.1/CT−GFP−TOPO構築物:哺乳動物細胞において24P4C12を発現させるために、そして蛍光を用いるその組換えタンパク質の検出を可能にするために、コンセンサスKozak翻訳開始部位を有する24P4C12のORF、またはその一部を、pcDNA3.1/CT−GFP−TOPO (Invitrogen,CA)へクローニングする。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターから駆動される。組換えタンパク質は、非侵襲的なインビボでの検出および細胞生物学研究を容易にする、カルボキシル末端に融合された緑色蛍光タンパク質(GFP)を有する。pcDNA3.1/CT−GFP−TOPOベクターはまた、ラージT抗原を発現する細胞株におけるエピソーム複製および単純なベクターレスキューのためのSV40起点と共に、mRNA安定性を増大するための、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列を含む。ネオマイシン耐性遺伝子は、そのタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子およびColE1起源は、E.coliにおけるそのプラスミドの選択および維持を可能にする。アミノ末端GFP融合物を有するさらなる構築物を、24P4C12タンパク質の全体の長さにわたってpcDNA3.1/NT−GFP−TOPO中に作製する。
pTag5:24P4C12 ORFまたはその一部を、pTag−5中にクローニングした。このベクターは、pAPtagに類似するが、アルカリホスファターゼ融合物を含まない。この構築物は、アミノ末端IgGκシグナル配列、ならびに検出およびアフィニティー精製を容易にするカルボキシル末端のmycおよび6×Hisエピトープタグを有する、24P4C12タンパク質を産生する。得られた組換え24P4C12タンパク質を、トランスフェクトした哺乳動物細胞の培地への分泌のために最適化した。そしてそれを免疫原またはリガンドとして使用して、24P4C12タンパク質と相互作用するリガンドまたはレセプターのようなタンパク質を同定する。タンパク質発現は、CMVプロモーターから駆動される。ベクター中に存在するゼオシン耐性遺伝子は、そのタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子は、E.coli中のそのプラスミドの選択を可能にする。図26は、二つの異なるpTag5構築物からの24P4C12の発現を示す。
PAPtag:24P4C12 ORFまたはその一部を、pAPtag(GenHunter Corp.Nashville,TN)へクローニングする。この構築物は、24P4C12タンパク質のカルボキシル末端でのアルカリホスファターゼ融合物(これは、一方で、アミノ末端にIgGκシグナル配列を融合している)を生成する。アミノ末端IgGκシグナル配列を有するアルカリホスファターゼが24P4C12タンパク質のアミノ末端に融合されている構築物もまた作製する。得られた組換え24P4C12タンパク質を、トランスフェクトされた哺乳動物細胞の培地への分泌のために最適化し、そしてそれを使用して24P4C12タンパク質と相互作用するリガンドまたはレセプターのようなタンパク質を同定し得る。タンパク質発現は、CMVプロモーターから駆動され、そして組換えタンパク質はまた、検出および精製を容易にするカルボキシル末端で融合されたmycおよび6×Hisエピトープを含む。ベクター中に存在するゼオシン耐性遺伝子は、その組換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子は、E.coli中のそのプラスミドの選択を可能にする。
PsecFc:24P4C12 ORFまたはその一部をまた、psecFc中にクローニングする。このpsecFcベクターを、ヒト免疫グロブリンG1(IgG)Fc(ヒンジ領域、CH2領域、CH3領域)をpSecTag2(Invitrogen,California)中にクローニングすることにより、アセンブリした。この構築物は、24P4C12タンパク質のカルボキシル末端のIgG1 Fc融合物を生成し、同時にN−末端にIgGKシグナル配列を融合する。マウスIgG1 Fc領域を利用する24P4C12融合物もまた、使用される。得られた組換え24P4C12タンパク質を、トランスフェクトした哺乳動物細胞の培地へ分泌のために最適化し、そして免疫原としてか、または24P4C12タンパク質と相互作用するリガンドまたはレセプターのようなタンパク質を同定するために、用い得る。タンパク質発現は、CMVプロモーターから駆動される。ベクター中に存在するハイグロマイシン耐性遺伝子は、組換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子は、E.coli中のプラスミドの選択を可能にする。
pSRα構築物:24P4C12を構成的に発現する哺乳動物細胞株を、作製するために、24P4C12の24P4C12 ORFまたはその一部を、pSRα構築物中にクローニングした。両栄養性レトロウイルスおよび環境栄養性レトロウイルスを、それぞれ、293T−10A1パッケージング株中へのpSRα構築物のトランスフェクション、またはpSRαおよびヘルパープラスミド(欠失したパッケージング配列を含む)の293細胞中への共トランスフェクションにより、作製した。このレトロウイルスを用いて、種々の哺乳動物細胞株に感染させ、クローニングされた遺伝子である24P4C12の宿主細胞株への組みこみを生じさせる。タンパク質発現は、長末端反復配列(LTR)から駆動される。ベクター中に存在するネオマイシン耐性遺伝子は、タンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にし、そしてアンピシリン耐性遺伝子およびColE1起点は、E.coli中のプラスミドの選択および維持を可能にする。その後、このレトロウイルスベクターを、例えば、PC3細胞、NIH 3T3細胞、TsuPr1細胞、293細胞またはrat−1細胞のような種々の細胞株の感染および産生のために用いた。図23は、安定してトランスフェクトされたPC3細胞、3T3細胞、および300.19細胞内における24P4C12.pSRa構築物から駆動される24P4C12のRNAの発現を示す。図25は、24P4C12.pSRa構築物を用いて安定に形質導入されたPC3細胞における24P4C12タンパク質の発現を示す。
さらなるpSRα構築物を作製した。これらは、FLAGTMタグのようなエピトープタグを24P4C12配列のカルボキシル末端に融合しており、抗Flag抗体を使用する検出を可能とする。例えば、FLAGTM配列の5’gat tac aag gat gac gac gat aag 3’(配列番号45)を、ORFの3’末端のクローニングプライマーに加える。さらなるpSRα構築物を作製し、全長24P4C12のアミノ末端のGFP融合タンパク質ならびにカルボキシル末端のGFPおよびmyc/6×His融合タンパク質の両者を産生する。
さらなるウイルスベクター:さらなる構築物を、ウイルス媒介送達および24P4C12の発現のために作製する。24P4C12の高レベル発現につながる高ウイルス力価は、アデノウイルスベクターおよびヘルペスアンプリコンベクターのようなウイルス送達系において達成される。24P4C12コード配列またはそのフラグメントは、PCRにより増幅され、そしてAdEasyシャトルベクター(Stratagene)へとサブクローニングされる。組換えおよびウイルスパッケージングを、アデノウイルスベクターを作製するための製造業者の指示書に従って実施する。あるいは、24P4C12コード配列またはそのフラグメントを、HSV−Iベクター(Imgenex)へとクローニングして、ヘルペスウイルスベクターを作製する。その後、このウイルスベクターを、PC3細胞、NIH 3T3細胞、293細胞またはrat−1細胞のような種々の細胞株の感染のために用いる。
調節された発現系:哺乳動物細胞における24P4C12の発現を制御するために、24P4C12のコード配列またはその一部を、T−Rex System(Invitrogen)、GeneSwitch System(Invitrogen)、およびtightly−regulated Ecdysone System(Stratagene)のような調節された哺乳動物発現系中にクローニングする。これらの系は、組換え24P4C12の時間依存的効果および濃度依存的効果の研究を可能にする。その後、これらのベクターは、PC3細胞、NIH 3T3細胞、293細胞、またはrat−1細胞のような種々の細胞株における24P4C12の発現を制御するために用いられる。
(B.バキュロウイルス発現系)
バキュロウイルス発現系において組換え24P4C12タンパク質を産生するために、24P4C12 ORF、またはその一部を、バキュロウイルス移入ベクターであるpBlueBac 4.5(Invitrogen)(これは、N末端にHisタグを提供する)中にクローニングする。具体的には、pBlueBac−24P4C12は、ヘルパープラスミドpBac−N−Blue(Invitrogen)とともに、SF9(Spodoptera frugiperda)昆虫細胞へと共トランスフェクトされて、組換えバキュロウイルスを作製する(詳細については、Invitrogenの指示マニュアルを参照のこと)。次いで、バキュロウイルスを、細胞上清から収集し、そしてプラークアッセイにより精製する。
次いで、組換え24P4C12タンパク質を、精製したバキュロウイルスを用いるHighFive昆虫細胞(Invitrogen)の感染により、作製する。組換え24P4C12タンパク質を、抗24P4C12抗体または抗Hisタグ抗体を用いて検出し得る。24P4C12タンパク質を、精製し、そして種々の細胞ベースのアッセイにおいて、または24P4C12に特異的なポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を作製するための免疫原として、用い得る。
(実施例9 抗原性プロフィールおよび二次構造)
図5〜図9は、24P4C12改変体アミノ酸配列の5つのアミノ酸プロフィール(各評価は、ExPasy分子生物学サーバのProtScaleウェブサイト(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)にあるワールドワイドウェブに位置する)にアクセスすることにより利用可能な評価である)を図示する。
これらのプロフィール:図5、親水性、(Hopp T.P.,Woods K.R.,1981.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828);図6、ヒドロパシー、(Kyte J.,Doolittle R.F.,1982.J.Mol.Biol.157:105−132);図7、接触可能残基の%、(Janin J.,1979 Nature 277:491−492);図8、平均可撓性、(Bhaskaran R.,およびPonnuswamy P.K.1988.Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255);図9、βターン(Deleage,G.,Roux B.1987 Protein Engineering 1:289−294);および、必要に応じて、例えば、ProtScaleウェブサイトにあるような、当該分野で利用可能な他のプロフィールを用いて、24P4C12タンパク質の抗原性領域を同定した。24P4C12の上記のアミノ酸プロフィールの各々を、分析のために以下のProtScaleパラメーターを用いて作製した:1)ウィンドウサイズ9;2)ウィンドウセンターと比較したウィンドウエッジの100%ウェイト;および3)0と1との間にあるように正規化されたアミノ酸プロフィール値。
疎水性プロフィール(図5)、ヒドロパシープロフィール(図6)および接触可能残基の%のプロフィール(図7)を使用して、疎水性アミノ酸(すなわち、ヒドロパシープロフィールおよび接触可能残基の%のプロフィールにて値が0.5より大きく、ヒドロパシープロフィールにて値が0.5より小さい)のストレッチを決定した。そのような領域は、水性環境に曝される可能性があり、タンパク質表面上に存在する可能性があり、したがって、(例えば、抗体による)免疫認識に利用可能である。
平均可撓性プロフィール(図8)およびβターンプロフィール(図9)は、二次構造(例えば、βシートおよびαヘリックス)に拘束されていないアミノ酸(すなわち、βターンプロフィールおよび平均可撓性プロフィールにて値が0.5より大きい)のストレッチを決定する。そのような領域はまた、そのタンパク質上に露出した部分である可能性が高く、従って、(例えば、抗体による)免疫認識に利用可能である。
例えば、図5、図6、図7、図8、および/または図9に示されるプロフィールにより示される、24P4C12タンパク質およびその改変体タンパク質の抗原性配列を使用して、免疫原(ペプチド、またはそのペプチドをコードする核酸のいずれか)を調製して、治療用および診断用の抗24P4C12抗体を生成する。その免疫原は、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、または50個より長く連続する、図2および図3に挙げた24P4C12タンパク質改変体由来の任意のアミノ酸、またはそれをコードする対応核酸であり得る。特に、本発明のペプチド免疫原は、以下を含み得る:図5の疎水性プロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置を含む、任意の整数の増分における図2および図3の少なくとも5個のアミノ酸のペプチド領域;図6のヒドロパシープロフィールにおいて0.5未満の値を有するアミノ酸位置を含む、任意の整数の増分における図2および図3の少なくとも5個のアミノ酸のペプチド領域;図7の接触可能残基の%のプロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置を含む、任意の整数の増分における図2および図3の少なくとも5個のアミノ酸のペプチド領域;図8の平均可撓性プロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置を含む、任意の整数の増分における図2および図3の少なくとも5個のアミノ酸のペプチド領域;および図9のβ−ターンプロフィールにおいて0.5を超える値を有するアミノ酸位置を含む、任意の整数の増分における図2および図3の少なくとも5個のアミノ酸のペプチド領域。本発明のペプチド免疫原はまた、上記のいずれかをコードする核酸を含み得る。
本発明の免疫原、ペプチド、または核酸はすべて、ヒト単位用量形態で実施され得るか、またはヒトの生理に適合する薬学的賦形剤を含む組成物により含有され得る。
24P4C12の改変体1の二次構造(すなわち、αヘリックス、伸長鎖、およびランダムコイルの推定される存在および位置)は、HNN−Hierarchical Neural Network法(Guermeur,1997,http://pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl?page=npsa_nn.html)(ExPasy分子生物学サーバ(http://www.expasy.ch/tools/)からアクセスされる)を使用して、個々の一次アミノ酸配列から推定される。この分析は、24P4C12改変体1が、53.94%のαヘリックス、9.44%の伸長鎖、および36.62%のランダムコイルから構成されることを示す(図13a)。
24P4C12改変体中の膜貫通ドメインの存在可能性についての分析を、ExPasy分子生物学サーバ(http://www.expasy.ch/tools/)からアクセスされる種々の膜貫通推定アルゴリズムを使用して実行した。TMpredプログラム(図13b)およびTMHMMプログラム(図13c)を使用して10回膜貫通型ドメインの存在および位置を示す改変体1の分析の結果を図示する。各プログラムの結果は、つまり膜貫通ドメインをコードするアミノ酸を、表Lに要約する。
(実施例10:24P4C12ポリクローナル抗体の生成)
ポリクローナル抗体を、例えば、免疫因子および(所望される場合は)アジュバントの1回以上の注射によって、哺乳動物において惹起し得る。代表的には、その免疫因子および/またはアジュバントを、複数回の皮下注射または腹腔内注射によって、その哺乳動物中に注射する。全長24P4C12タンパク質で免疫することに加えて、アミノ酸配列分析に基づいて、抗原性でありかつ免疫される宿主の免疫系による認識に利用可能である特性を備える免疫原の設計において、コンピューターアルゴリズムが使用される(「抗原性プロファイル」と題する実施例を参照のこと)。そのような領域は、親水性であり、可撓性であり、β−ターン立体構造の状態であり、そしてそのタンパク質の表面上に露出されていると推定される(例えば、24P4C12およびその改変体のそのような領域を示すアミノ酸プロファイルについて、図5、図6、図7、図8、または図9を参照のこと)。
例えば、24P4C12改変体タンパク質の親水性、可撓性、β−ターン領域を含む、24P4C12細菌組換え融合タンパク質または24P4C12細菌組換え融合ペプチドを、New Zealand白色ウサギにおいてポリクローナル抗体を生成するための抗原として使用する。例えば、そのような領域には、24P4C12改変体1のアミノ酸1〜34、アミノ酸118〜135、アミノ酸194〜224、アミノ酸280〜290、アミノ酸690〜710が挙げられるが、これらに限定されない。免疫される哺乳動物において免疫原性であることが既知のタンパク質に、その免疫因子を結合体化することが有用である。そのような免疫原性タンパク質の例としては、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、およびダイズトリプシンインヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、24P4C12改変体1のアミノ酸1〜14をコードするペプチドを、KLHに結合体化し、ウサギを免疫するために使用した。この抗血清は、そのペプチド(>10,000)に対して高い力価を示し、トランスフェクトされた293T細胞中の24P4C12を、ウェスタンブロットおよびフローサイトメトリー(図24)により、そして安定な組み換えPC3細胞中の24P4C12を、ウェスタンブロットおよび免疫組織化学(図25)により認識した。あるいは、その免疫因子は、24P4C12改変体タンパク質、そのアナログまたは融合タンパク質のすべてもしくは一部を含み得る。例えば、24P4C12改変体1のアミノ酸配列を、当該分野で周知の種々の融合タンパク質パートナー(例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)タグ化融合タンパク質およびHISタグ化融合タンパク質)の任意の1つに、組換えDNA技術を使用して融合し得る。そのような融合タンパク質を、適切な親和性マトリックスを使用して誘導した細菌から精製する。
1つの実施形態において、改変体1の推定される第3の細胞外ループを含むアミノ酸379〜453をコードするGST−融合タンパク質を、生成し、精製し、そして免疫原として使用する。使用し得る他の組換え細菌融合タンパク質としては、マルトース結合タンパク質、LacZ、チオレドキシン、NusA、または免疫グロブリン定常領域が挙げられる(「原核生物系における24P4C12の生成」と題する節、ならびにCurrent Protocols In Molecular Biology,Volume 2,Unit 16,Frederick M.Ausubulら編、1995;Linsley,P.S.,Brady,W.,Urnes,M.,Grosmaire,L.,Damle,N.,およびLedbetter,L.(1991)J.Exp.Med.174,561〜566を参照のこと)。
細菌由来融合タンパク質に加えて、哺乳動物により発現されるタンパク質抗原もまた、使用される。これらの抗原を、哺乳動物発現ベクター(例えば、Tag5融合ベクターおよびFc融合ベクター)から発現させる(「真核生物系における組換え24P4C12の生成」と題する実施例を参照のこと)。これらの抗原は、ネイティブタンパク質で見出される翻訳後修飾(例えば、グリコシル化)を保持する。二つの実施形態において、改変体1の、推定される第1の細胞外ループおよび第3の細胞外ループ(それぞれ、アミノ酸59〜227、アミノ酸379〜453)を、各々Tag5哺乳動物分泌ベクター中にクローニングし、293T細胞において発現させた(図26)。その後、各々の組み換えタンパク質を、組織培養上清および/またはその組み換えベクターを安定に発現する293T細胞の溶解産物から、金属キレートクロマトグラフィーによって精製する。その後、その精製されたTag5 24P4C12タンパク質を、免疫原として使用する。
その免疫プロトコールの間、宿主動物の免疫応答を高めるアジュバント中の抗原を混合または乳状にすることは有用である。アジュバントの例には、フロイント完全アジュバント(CFA)およびMPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロースジコリノミコレート)が挙げられるが、これらに限定されない。
代表的プロトコルにおいて、ウサギに、完全フロイントアジュバント(CFA)中に混合したKLHに結合体化した、200μgまで(代表的には、100〜200μg)の融合タンパク質または融合ペプチドを、まず皮下免疫する。その後、ウサギに、不完全フロイントアジュバント(IFA)中の200μgまで(代表的には、100〜200μg)の免疫原を、2週間ごとに皮下注射する。各免疫の約7〜10日後に、試験採血を採取し、そしてELISAにより抗血清の力価をモニターするために使用する。
免疫血清(例えば、改変体1のアミノ酸1〜14をコードするKLH結合体化ペプチドによる免疫処置由来のウサギ血清)の反応性および特異性を試験するために、全長24P4C12改変体1 cDNAを、pCDNA3.1 myc−his発現ベクターまたはレトロウイルス発現ベクター(Invitrogen)中にクローニングする(「真核生物系における組換え24P4C12の生成」と題する実施例を参照のこと)。293T細胞中にその構築物をトランスフェクションするか、または24P4C12レトロウイルスを用いてPC3を形質導入した後、細胞溶解物を、抗24P4C12血清および抗His抗体(Santa Cruz Biotechnologies,Santa Cruz,CA)でプローブし、ウェスタンブロット技術を使用して変性24P4C12タンパク質に対する特異的反応性を決定する。図24および図25に示されるように、その抗血清は、293T細胞およびPC3細胞における24P4C12タンパク質を特異的に認識する。さらに、その免疫血清を、蛍光顕微鏡、フローサイトメトリーならびに免疫組織化学(図25)および293T細胞ならびに他の組換え24P4C12発現細胞に対する免疫沈降により試験し、ネイティブタンパク質の特異的な認識を決定する。24P4C12を内因性に発現する細胞を使用して、ウェスタンブロット、免疫沈降、蛍光顕微鏡、免疫組織化学、およびフローサイトメトリー技術を実施して、反応性および特異性を試験する。
24P4C12改変体融合タンパク質(例えば、GST融合タンパク質およびMBP融合タンパク質)で免疫されたウサギ由来の抗血清を、融合パートナーを単独でかまたは不適切な融合タンパク質の状況で含む親和性カラムを通すことにより、融合パートナー配列に対して反応性である抗体を除去することによって精製する。例えば、改変体1のアミノ酸379−453をコードする、GST−24P4C12融合タンパク質由来の抗血清は、まずAffiGelマトリックス(BioRad,Hercules,Calif.)に共有結合したGSTタンパク質のカラムの通過により精製する。その後、抗血清を、Affigelマトリックスに共有結合したアミノ酸379〜453を同様にコードするMBP融合タンパク質から構成されるカラムの通過により、親和性精製する。その後、さらにその血清を、プロテインG親和性クロマトグラフィーにより精製して、IgG画分を単離する。他のHisタグ化抗原およびペプチドで免疫したウサギ由来の血清、ならびに融合パートナー除去血清を、もとのタンパク質免疫原または遊離ペプチドから構成されるカラムマトリックスを通すことによって親和性精製する。
(実施例11:24P4C12モノクローナル抗体(mAb)の生成)
1つの実施形態において、24P4C12改変体に対する治療mAbは、各々の改変体タンパク質に特異的なエピトープあるいは24P4C12改変体の生物学的機能を破壊または調節する改変体(例えば、リガンドおよび基質との相互作用を破壊する改変体もしくは生物学的活性を破壊する改変体)の間で共通の配列に特異的なエピトープと反応するmAb、例えば、リガンドおよび基質との相互作用を崩壊するか、または関与するリガンドもしくはタンパク質との相互作用を破壊するタンパク質エピトープと反応するmAbを包含する。そのようなmAbの生成のための免疫原としては、24P4C12タンパク質改変体配列全体をコードするかもしくは含むように設計された免疫原、またはアミノ酸配列のコンピューター分析から抗原性であると推定される24P4C12タンパク質改変体領域をコードするかもしくは含むように設計された免疫原が挙げられる(例えば、図5、図6、図7、図8、または図9、および「抗原性プロファイル」と題する実施例を参照のこと)。免疫原としては、ペプチド、組換え細菌タンパク質、ならびに哺乳動物で発現されるTag5タンパク質、ならびにヒトIgG Fc融合タンパク質およびマウスIgG Fc融合タンパク質が挙げられる。さらに、高レベルの各々の24P4C12改変体を発現するように遺伝子操作された細胞(例えば、293T−24P4C12改変体1または300,19−24P4C12改変体1のマウスプレB細胞)を使用して、マウスを免疫する。
24P4C12改変体に対するmAbを生成するために、マウスに、代表的には、完全フロイントアジュバント中に混合した10〜50μgのタンパク質免疫原または107個の24P4C12発現細胞を、まず腹腔内(IP)免疫する。その後、マウスに、代表的には、不完全フロイントアジュバント中に混合した10〜50μgのタンパク質免疫原または107個の細胞を、2〜4週間ごとに腹腔内(IP)免疫する。あるいは、MPL−TDMアジュバントを、免疫に使用する。一つの実施形態では、マウスを上記のように完全フロイントアジュバント中の300.19−24P4C12細胞およびその後不完全フロイントアジュバント中の300.19−24P4C12細胞で免疫した。その後、そのマウスを屠殺し、脾臓を採取し、融合およびハイブリドーマの産生に用いた。図27に観察され得るように、フローサイトメトリーにより293T細胞において発現される24P4C12タンパク質を抗体が特異的に認識する、2つのハイブリドーマを生成した。
上記のタンパク質ベースの免疫ストラテジーおよび細胞ベースの免疫ストラテジーに加えて、24P4C12改変体配列をコードする哺乳動物発現ベクターを使用してプラスミドDNAの直接注射によりマウスを免疫する、DNAベースの免疫プロトコルを使用する。
一つの実施形態では、改変体1の配列のアミノ酸59〜227(図26)をコードするTag5哺乳動物分泌ベクターを使用して、マウスを免疫した。次いで、後のブースター免疫処置を、その精製タンパク質を用いて実施する。別の例において、同一のアミノ酸を、Fc−融合分泌ベクター中にクローニングする。そのベクターにおいて、24P4C12改変体1配列がアミノ末端でIgKリーダー配列に融合しており、カルボキシ末端でヒトIgG Fc領域またはマウスIgG Fc領域のコード配列に融合している。その後、この組換えベクターを免疫原として使用する。プラスミド免疫プロトコルを、上記の精製タンパク質および各々の24P4C12改変体を発現する細胞と組み合わせて使用する。
その免疫プロトコルの間に、試験採血を、注射の7〜10日後に行って、その免疫応答の力価および特異性をモニターする。一旦適切な反応性および特異性を、ELISA、ウェスタンブロッティング、免疫沈降、蛍光顕微鏡、免疫組織化学、およびフローサイトメトリー分析により決定して得ると、融合物およびハイブリドーマの生成を、当該分野で周知の確立された手順(例えば、HarlowおよびLane、1988を参照のこと)を用いて実行する。
24P4C12改変体8特異的モノクローナル抗体を生成するための1つの実施形態において、24P4C12改変体8のアミノ酸643〜654(RNPITPTGHVFQ)(配列番号46)をコードするペプチドを合成し、KLHに共役させ、免疫原として使用する。Balb Cマウスに、最初、完全フロイントアジュバント中に混合した25μgのKLH−24P4C12改変体8ペプチドで腹腔内免疫する。その後、マウスに、合計3回の免疫にわたって、不完全フロイントアジュバント中に混合した25μgの抗原で2週間ごとに免疫する。遊離ペプチドを使用するELISAによって、免疫したマウス由来の血清の反応性を決定する。全長24P4C12改変体8タンパク質に対する血清の反応性および特異性を、24P4C12改変体8 cDNAをコードする発現ベクターでトランスフェクトした293T細胞を使用して、ウェスタンブロッティング、免疫沈降、およびフローサイトメトリーによってモニターし、他の24P4C12改変体でトランスフェクトした細胞と比較する(例えば、「真核生物系における組換え24P4C12の生成」と題する実施例を参照のこと)。他の組換え24P4C12改変体8発現細胞または24P4C12改変体8を内因性に発現する細胞もまた、使用する。24P4C12改変体8に対して最強の特異的反応性を示すマウスを、休止させ、そしてPBS中の抗原で最終注射し、そして4日後に屠殺する。屠殺したマウスの脾臓を採取し、そして標準的手順(HarlowおよびLane、1988)を使用してSPO/2ミエローマ細胞に融合させる。HAT選択した増殖ウェル由来の上清を、ELISA、ウェスタンブロット、免疫沈降、蛍光顕微鏡、およびフローサイトメトリーによってスクリーニングして、24P4C12改変体8特異的抗体生成クローンを同定する。アミノ酸379〜388(PLPTQPATLG)(配列番号47)を含むペプチドを用いた同様の戦略をまた使って、24P4C12改変体9特異的抗体を得る。
24P4C12モノクローナル抗体の結合親和性を、標準的技術を使用して決定する。
親和性測定によって、エピトープ結合に対する抗体の強度を定量し、そしてその親和性測定を使用して、どの24P4C12モノクローナル抗体が、当業者により認識されるような診断用途または治療用途のために好ましいかを規定するのを補助する。BIAcoreシステム(Uppsala,Sweden)は、結合親和性を決定するために好ましい方法である。このBIAcoreシステムは、表面プラスモン共鳴(SPR,Welford K.1991,Opt.Quant.Elect.23:1;MortonおよびMyszka,1998,Methods in Enzymology 295:268)を使用して、リアルタイムで生体分子相互作用をモニターする。BIAcore分析は、便利よく、結合速度定数、解離速度定数、平衡解離定数、および親和性定数をもたらす。
(実施例12:HLAクラスI結合アッセイおよびHLAクラスII結合アッセイ)
精製HLA分子を使用するHLAクラスI結合アッセイおよびHLAクラスII結合アッセイを、開示されたプロトコル(例えば、PCT公開WO94/20127およびWO94/03205;Sidneyら、Current Protocols in Immunology 18.3.1(1998);Sidneyら、J.Immunol.154:247(1995);Setteら、Mol.Immunol.31:813(1994))に従って、実施する。簡単に述べると、記載されるように、精製MHC分子(5〜500nM)を、種々の非標識ペプチドインヒビターおよび1〜10nMの125I放射標識プローブペプチドとともにインキュベートする。インキュベーション後、MHC−ペプチド複合体を、ゲル濾過により遊離ペプチドから分離し、そして結合ペプチドの画分を、測定する。代表的には、予備実験において、各MHC調製物を、一定量の放射標識ペプチドの存在下で力価決定して、全放射能のうちの10〜20%を結合するのに必要なHLA分子の濃度を決定する。その後のすべての阻害アッセイおよび直接結合アッセイを、これらのHLA濃度を使用して実施する。
これらの条件下では[標識]<[HLA]かつIC50≧[HLA]であるので、測定したIC50値は、真のKD値の妥当な近似である。ペプチドインヒビターを、代表的には、120μg/ml〜1.2ng/mlの範囲の濃度で試験し、そして完全に独立した2つ〜4つの実験において試験する。種々の実験において得られたデータの比較を可能にするために、相対的結合数を、各ペプチドについて計算する。この計算は、阻害についてのポジティブコントロールのIC50を、試験した各ペプチドについてのIC50(代表的には、放射標識プローブペプチドの非標識バージョン)で除算することによる。データベース目的のため、そして実験間比較のために、相対的結合値を集計する。これらの値を、その後、IC50nM値へと変換して戻し得る。この変換は、阻害についてのポジティブコントロールのIC50nMを、目的のペプチドの相対的結合によって除算することによる。このデータ集計方法は、正確であり、そして異なる日に試験したペプチドまたは異なるロットの精製MHCを用いて試験したペプチドの比較について、一貫性がある。
上記に概説したような結合アッセイを使用して、HLAスーパーモチーフ保有ペプチドおよび/またはHLAモチーフ保有ペプチドを分析し得る(表IVを参照のこと)。
(実施例13:HLAスーパーモチーフ保有CTL候補エピトープおよびHLAモチーフ保有CTL候補エピトープの同定)
本発明のHLAワクチン組成物は、複数のエピトープを含み得る。それらの複数のエピトープは、広範な集団範囲を達成するように、複数のHLAスーパーモチーフまたはHLAモチーフを含み得る。本実施例は、そのようなワクチン組成物中に含めるための、スーパーモチーフ保有エピトープおよびモチーフ保有エピトープの同定および確認を示す。集団範囲の計算を、下記のストラテジーを使用して実施する。
(スーパーモチーフ保有エピトープおよび/またはモチーフ保有エピトープの同定のためのコンピューター検索およびアルゴリズム)
「抗原性プロフィール」と題する実施例ならびに表VIII−XXIおよび表XXII−XLIXにおいてモチーフ保有ペプチド配列を同定するために実施する検索は、図2および図3に示される24P4C12の遺伝子産物からのタンパク質配列データを使用する。その表を生み出すために用いられた特異的検索ペプチドを、表VIIに記載する。
HLAクラスIスーパーモチーフもしくはHLAクラスIモチーフまたはHLAクラスIIスーパーモチーフもしくはHLAクラスIIモチーフを保有するエピトープについてのコンピューター検索を、以下のように実施する。翻訳される全ての24P4C12タンパク質配列を、文字列検索ソフトウェアプログラムを使用して分析して、適切なHLA結合モチーフを含む可能性のあるペプチド配列を同定する;そのようなプログラムは、公知のモチーフ/スーパーモチーフの開示を考慮して、当該分野における情報に従って容易に作成される。さらに、そのような計算は、頭でなし得る。
同定したA2スーパーモチーフ配列、A3スーパーモチーフ配列、およびDRスーパーモチーフ配列を、多項アルゴリズムを使用してスコア付けして、それらのモチーフが、特定のHLA−クラスI分子またはHLA−クラスII分子に結合する能力を推測する。これらの多項アルゴリズムは、種々の位置にある異なるアミノ酸の影響を考慮する。これらの多項アルゴリズムは、ペプチド−HLA分子相互作用の全親和性(またはΔG)は、
「ΔG」=a1i×a2i×a3i...×ani
の型の線形多項関数として近似され得るという前提に本質的に基づき、ここで、ajiは、nアミノ酸のペプチド配列に沿った所定の位置(i)における所定のアミノ酸(j)の存在の効果を示す係数である。この方法の重大な仮定は、各位置での効果は、互いに本質的に独立している(すなわち、個々の側鎖の独立した結合である)ということである。残基jが、そのペプチド中の位置iに存在する場合、そのペプチドの残りの配列とは関係なく、そのペプチドの結合の自由エネルギーに一定量jiで寄与すると仮定する。
特定のアルゴリズム係数の誘導方法は、Gulukotaら、J.Mol.Biol.267:1258〜126,1997に記載されている(Sidneyら、Human Immunol.45:79〜93,1996;およびSouthwoodら、J.Immunol.160:3363〜3373,1998もまた参照のこと)。簡単に述べると、全てのi位置について、アンカーおよび非アンカーも同様に、jを保有する全てのペプチドの平均相対結合(ARB)の相乗平均を、その群の残りに対して計算し、そしてjiの推定値として使用する。クラスIIペプチドについて、複数のアライメントが可能である場合、反復手順に従って、最高スコアリングアライメントのみを利用する。試験セット中の所定のペプチドのアルゴリズムスコアを計算するために、そのペプチドの配列に対応するARB値を乗算する。この積が、選択した閾値を超える場合、そのペプチドは結合すると推定される。適切な閾値を、望ましい推定のストリンジェンシーの程度の関数として選択する。
(HLA−A2スーパータイプ交叉反応性ペプチドの選択)
24P4C12由来のタンパク質配列を、モチーフ同定ソフトウェアを利用してスキャンして、HLA−A2スーパーモチーフ主要アンカー特異性を含む、8マー配列、9マー配列、10マー配列、および11マー配列を同定する。代表的には、次いで、これらの配列を、上記のプロトコルを使用してスコア付けし、そして正のスコアを持つ配列に対応するペプチドを合成し、これらのインビトロでの精製HLA−A*0201分子を結合する能力について試験する(HLA−A*0201は、プロトタイプA2スーパータイプ分子とみなされる)。
次いで、これらのペプチドを、さらなるA2スーパータイプ分子(A*0202、A*0203、A*0206、およびA*6802)に結合する能力について試験する。試験した5つのA2スーパータイプ対立遺伝子のうちの少なくとも3つに結合するペプチドを、代表的には、A2スーパータイプ交叉反応性の結合するものと見なす。好ましいペプチドは、3つ以上のHLA−A2スーパータイプ分子に500nM以下の親和性で結合する。
(HLA−A3スーパーモチーフ保有エピトープの選択)
上記でスキャンする24P4C12タンパク質配列を、HLA−A3スーパーモチーフ主要アンカーを有するペプチドの存在についても試験する。次いで、HLA−A3スーパーモチーフ保有配列に対応するペプチドを合成し、そしてHLA−A*0301分子およびHLA−A*1101分子(最も有力な2つのA3スーパータイプ対立遺伝子によりコードされる分子)への結合について試験する。次いで、≦500nM、しばしば≦200nMの結合親和性でその2つの対立遺伝子のうちの少なくとも1つに結合するペプチドを、他の一般的なA3スーパータイプ対立遺伝子(例えば、A*3101、A*3301およびA*6801)に対する結合交叉反応性について試験して、試験する5つのHLA−A3スーパータイプ分子のうちの少なくとも3つに結合し得る分子を同定する。
(HLA−B7スーパーモチーフ保有エピトープの選択)
上記でスキャンする24P4C12タンパク質を、HLA−B7スーパーモチーフを含む、8マーペプチド、9マーペプチド、10マーペプチド、または11マーペプチドの存在についても分析する。対応するペプチドを合成し、そしてHLA−B*0702(最も一般的なB7スーパータイプ対立遺伝子(すなわち、プロトタイプB7スーパータイプ対立遺伝子)によりコードされる分子)への結合について試験する。IC50≦500nMでB*0702を結合するペプチドを、標準的方法を使用して同定する。次いで、これらのペプチドを、他の一般的なB7スーパータイプ分子(例えば、B*3501、B*5101、B*5301およびB*5401)への結合について試験する。それによって、試験する5つのB7スーパータイプ対立遺伝子のうちの3つ以上に結合し得るぺプチドを、同定する。
(A1モチーフ保有エピトープおよびA24モチーフ保有エピトープの選択)
集団範囲をさらに増大するために、HLA−A1エピトープおよびHLA−A24エピトープをまた、ワクチン組成物中に組み込み得る。24P4C12タンパク質の分析もまた、HLA−A1モチーフ含有配列およびHLA−A24モチーフ含有配列を同定するために実施し得る。
他のモチーフおよび/またはスーパーモチーフを保有する、高親和性結合エピトープおよび/または交叉反応性結合エピトープを、類似する方法論を使用して同定する。
(実施例14:免疫原性の確認)
本明細書中に記載されるように同定される交叉反応性候補CTL A2スーパーモチーフ保有ペプチドを、インビトロでの免疫原性を確認するために選択する。以下の方法論を使用して確認を実施する。
(細胞スクリーニングのための標的細胞株)
HLA−A2.1遺伝子を、HLA−A、HLA−B、HLA−Cヌル変異体ヒトBリンパ芽球細胞株である721.221に移入することによって生成した221A2.1細胞株を、HLA−A2.1拘束CTLの活性を測定するためのペプチド負荷標的として使用する。この細胞株を、抗生物質、ピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、および10%(v/v)熱不活性化FCSを補充したRPMI−1640培地中で増殖させる。目的の抗原を発現する細胞、または目的の抗原をコードする遺伝子を含むトランスフェクタントを、ペプチド特異的CTLが内因性抗原を認識する能力を確認するための標的細胞として使用し得る。
(一次CTL誘導培養)
(樹状細胞(DC)の産生) PBMCを、30μg/mlのDNAseを含むRPMI中で解凍し、完全培地(RPMI−1640+5% ABヒト血清、非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、L−グルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシン)で2回洗浄し、この完全培地中に再懸濁する。その単球を、6ウェルプレート中に10×106PBMC/ウェルでプレートすることによって精製する。37℃にて2時間後、そのプレートを穏やかに振盪し、その上清を吸引することによって、非接着細胞を除去する。ウェルを、3mlのRPMIで合計3回洗浄して、非接着細胞および緩く接着する細胞のほとんどを除去する。その後、50ng/mlのGM−CSFおよび1,000U/mlのIL−4を含む3mlの完全培地を、各ウェルに添加する。6日目に、75ng/mlにてTNFαを、DCに添加し、7日目に、その細胞を、CTL誘導培養に使用する。
(DCおよびペプチドを用いてのCTLの誘導) CD8+T細胞を、Dynal免疫磁気ビーズ(Dynabeads(登録商標)M−450)およびdetacha−bead(登録商標)試薬を用いるポジティブ選択によって単離する。代表的には、約200×106個〜250×106個のPBMCを、24×106個のCD8+T細胞(48ウェルプレート培養のために十分である)を得るために処理する。簡単に述べると、PBMCを、30μg/mlのDNAseを含むRPMI中で解凍し、そして1%ヒトAB血清を含むPBSで1回洗浄し、そしてPBS/1%AB血清中に、濃度20×106細胞/mlで再懸濁する。磁気ビーズを、PBS/AB血清を用いて3回洗浄し、細胞(140μlビーズ/20×106細胞)に添加し、そして継続して混合しながら4℃で1時間インキュベートする。そのビーズおよび細胞を、PBS/AB血清を用いて4回洗浄して、非接着細胞を除去し、そして100μl/ml detacha−bead(登録商標)試薬および30μg/ml DNAseを含むPBS/AB血清中に、100×106細胞/ml(もとの細胞数に基づく)で懸濁する。その混合物を、継続して混合しながら室温にて1時間インキュベートする。そのビーズを、PBS/AB/DNAseで再び洗浄し、CD8+T細胞を収集する。DCを収集し、そして1300rpmにて5〜7分間遠心分離し、1%BSAを含むPBSで1回洗浄し、計数し、そして3μg/mlのβ2−ミクログロブリンの存在下で、20℃で4時間、細胞濃度1×106〜2×106/mlで、40μg/mlのペプチドを用いてパルスする。その後、そのDCを照射(4,200rad)し、培地で1回洗浄し、そして再び計数する。
(誘導培養の設定) 0.25mlのサイトカイン産生DC(1×105細胞/ml)を、10ng/mlのIL−7の存在下で、48ウェルプレートの各ウェル中で0.25mlのCD8+T細胞(2×106細胞/ml)とともに共培養する。翌日、組換えヒトIL−10を、最終濃度10ng/mlで添加し、48時間後に、rヒトIL−2を、10IU/mlで添加する。
(ペプチドでパルスした接着細胞を用いる、誘導培養物の再刺激) 一次誘導の7日後および14日後に、その細胞を、ペプチドでパルスした接着細胞を用いて再刺激する。そのPBMCを解凍し、RPMIおよびDNAseで2回洗浄する。その細胞を、5×106細胞/mlで再懸濁し、そして約4200radで照射する。PBMCを、1ウェルあたり0.5ml完全培地中2×106にてプレートし、37℃で2時間インキュベートする。そのプレートを穏やかにタッピングすることによってRPMIで2回洗浄して非接着細胞を除去し、0.25mlのRPMI/5%AB/ウェル中3μg/mlのβ2ミクログロブリンの存在下で10μg/mlのペプチドで接着細胞を、37℃で2時間パルスする。各ウェルからペプチド溶液を吸引し、そのウェルを、RPMIで1回洗浄する。その培地のほとんどを、誘導培養物(CD8+細胞)から吸引し、そして新鮮な培地で0.5mlにする。その後、その細胞を、ペプチドでパルスした接着細胞を含むウェルへと移す。24時間後に、組換えヒトIL−10を、最終濃度10ng/mlで添加し、そして翌日および2〜3日後に再度、組換えヒトIL2を、50IU/mlで添加する(Tsaiら、Critical Reviews in Immunology 18(1〜2):65〜75,1998)。7日後に、その培養物を、51Cr放出アッセイにおいてCTL活性についてアッセイする。いくつかの実験において、その培養物を、2回目の再刺激の際にインサイチュIFNγ ELISAにおけるペプチド特異的認識についてアッセイし、7日後に、内因的認識のアッセイを行う。増殖後、並列比較のために両方のアッセイにおいて活性を測定する。
(51Cr放出によるCTL溶解活性の測定)
2回目の再刺激の7日後、単一のE:Tにて個々のウェルをアッセイすることによって、標準的(5時間)51Cr放出アッセイにおいて細胞傷害性を測定する。細胞を10μg/mlペプチドとともに37℃で一晩インキュベートすることによって、ペプチドでパルスした標的を調製する。
接着標的細胞を、トリプシン−EDTAを用いて培養フラスコから除去する。標的細胞を、200μCiの51Crクロム酸ナトリウム(Dupont,Wilmington,DE)を用いて37℃で1時間標識する。標識した標的細胞を、1mlあたり106で再懸濁し、濃度3.3×106/mlのK562細胞(非特異的溶解を減少するために使用されるNK感受性赤芽球株)を用いて1:10希釈する。標的細胞(100μl)およびエフェクター(100μl)を、96ウェル丸底プレート中にプレートし、そして37℃で5時間インキュベートする。その時、100μlの上清を各ウェルから収集し、そして式:
[(試験サンプルのcpm−自然発生51Cr放出サンプルのcpm)/(最大51Cr放出サンプルのcpm−自然発生51Cr放出サンプルのcpm)]×100
に従って、溶解パーセントを決定する。
最大放出および自然発生放出を、それぞれ、標識標的を、1%Triton X−100および培地単独とともにインキュベートすることによって、決定する。特異性溶解(サンプル−バックグラウンド)が個々のウェルの場合10%以上であり、増殖した培養物をアッセイする場合には最高の2つのE:T比にて15%以上である培養物として、ポジティブ培養物を規定する。
(ペプチド特異的かつ内因性認識の指標としてのヒトIFNγ産生のインサイチュ測定)
Immulon2プレートを、マウス抗ヒトIFNγモノクローナル抗体(4μg/ml 0.1M NaHCO3、pH8.2)を使用して、4℃にて一晩コーティングする。このプレートをCa2+、Mg2+非含有PBS/0.05% Tween20で洗浄し、PBS/10% FCSを使用して2時間ブロッキングし、その後、CTL(100μl/ウェル)および標的(100μl/ウェル)を各ウェルに添加し、標準物質およびブランクのためのウェルは、(培地のみを入れ)空にしておく。標的細胞(ペプチドパルスまたは内因性標的のいずれか)を1×106細胞/mlの濃度にて使用する。プレートを、5% CO2の存在下で37℃にて48時間インキュベートする。
組換えヒトIFN−γを、400pg/100μl/ウェルまたは1200pg/100μl/ウェルにて開始して標準ウェルに添加し、プレートを37℃にて2時間インキュベートする。プレートを洗浄し、100μlのビオチン化マウス抗ヒトIFN−γモノクローナル抗体(PBS/3%FCS/0.05%Tween20中に2μg/ml)を添加し、室温にて2時間インキュベートする。再び洗浄した後、100μlのHRP−ストレプトアビジン(1:4000)を添加し、プレートを室温にて1時間インキュベートする。次いで、このプレートを洗浄緩衝液で6回洗浄し、100μl/ウェルの発色溶液(TMB 1:1)を添加し、プレートを5〜15分間、発色させる。50μl/ウェル 1M H3PO4を使用して反応を停止し、OD450にて読み取る。少なくとも50pgのIFN−γ/ウェルが、バックグラウンドより上で測定されかつ発現のバックグラウンドレベルの2倍である場合、培養をポジティブとみなす。
(CTL増殖)
ペプチドパルスした標的および/または腫瘍標的に対する特異的溶解活性を示す培養物を、抗CD3とともに2週間にわたり増殖させる。簡潔には、5×104 CD8+細胞を、以下を含むT25フラスコに添加する:RPMI−1640(10%(v/v)ヒトAB血清、非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、25μM 2−メルカプトエタノール、L−グルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシンを含有する)1ml中、1×106照射(4,200rad)PBMC(自己または同種異系)/ml、2×105照射(8,000rad)EBV形質転換細胞/ml、および30ng/mlのOKT3(抗CD3)。組換えヒトIL2を200IU/mlの最終濃度にて24時間後に添加し、その後3日間毎に、50IU/mlにて新たな培地を加える。細胞濃度が1×106/mlを超えたら細胞を分け、培養物を、51Cr放出アッセイにて30:1、10:1、3:1および1:1のE:T比で13〜15日の間にアッセイするか、または増殖前と同じ標的を使用してインサイチュIFNγアッセイにて1×106/mlでアッセイする。
培養物を、以下の通り、抗CD3+の非存在下で増殖させる。ペプチドおよび内因性標的に対する特異的溶解活性を示す培養物を選択し、5×104 CD8+細胞を、以下を含むT25フラスコに添加する:RPMI−1640(10%(v/v)ヒトAB血清、非必須AA、ピルビン酸ナトリウム、25mM 2−ME、L−グルタミンおよびゲンタマイシンを含有する)1ml中、1×106自己PBMC/ml(10μg/ml ペプチドを用いて37℃にて2時間ペプチドパルスし、かつ照射(4,200rad)した);2×105照射(8,000rad)EBV形質転換細胞/ml。
(A2スーパーモチーフ保有ペプチドの免疫原性)
A2スーパーモチーフ交叉反応性結合ペプチドを、正常個体におけるペプチド特異的CTLを誘導する能力について細胞アッセイにて試験する。この分析において、ペプチドは、代表的には、少なくとも個体におけるペプチド特異的CTLを誘導し、好ましくは、内因性に発現されたペプチドもまた認識する場合、エピトープであると考えられる。
24P4C12を発現する腫瘍を保有する患者から単離されたPBMCを使用して、免疫原性もまた確認し得る。簡潔には、PBMCを患者から単離し、ペプチドパルスした単球を用いて再刺激し、ペプチドパルスした標的細胞および抗原を内因性に発現するトランスフェクト細胞を認識する能力についてアッセイする。
(A*03/A11免疫原性の評価)
HLA−A3スーパーモチーフ保有交叉反応性結合ペプチドもまた、HLA−A2スーパーモチーフペプチドの免疫原性を評価するために使用される方法と同様の方法を使用して、免疫原性について評価する。
(B7免疫原性の評価)
本明細書中で示されるように同定されたB7スーパータイプ交叉反応性結合ペプチドの免疫原性スクリーニングを、A2スーパーモチーフおよびA3スーパーモチーフを保有するペプチドの確認と類似する様式で確認する。
他のスーパーモチーフ/モチーフ(例えば、HLA−A1、HLA−A24など)を保有するペプチドもまた、同様の方法論を使用して確認する。
(実施例15:アナログを作製することによるネイティブエピトープの結合能力を改良するための伸長したスーパーモチーフの実行)
HLAモチーフおよびHLAスーパーモチーフ(一次残基および/または二次残基を含む)は、本明細書中に実証されるように、高度に交叉反応性のネイティブペプチドの同定および調製において有用である。さらに、HLAモチーフおよびHLAスーパーモチーフの規定はまた、ネイティブペプチド配列内の残基を同定することにより高度に交叉反応性のエピトープを操作することを可能にする。このネイティブペプチド配列を、ペプチドに特定の特性(例えば、スーパータイプを含むHLA分子の群内のより大きな交叉反応性および/またはそれらのHLA分子のいくつかもしくは全てに対するより大きな結合親和性)を付与するためにアナログ化し得る(analoged)。調節された結合親和性を示すアナログ化ペプチドの例を、本実施例に示す。
(一次アンカー残基でのアナログ化)
ペプチド操作ストラテジーを、エピトープの交叉反応性をさらに増大させるために実行する。例えば、A2スーパーモチーフ保有ペプチドの主要アンカーを、例えば、2位に好ましいL、I、VまたはM、およびC末端にIまたはVを導入するために改変する。
アナログペプチドの交叉反応性を分析するために、各操作アナログを、最初に、プロトタイプA2スーパータイプ対立遺伝子A*0201に対する結合について、次いで、A*0201結合能力が維持されていれば、A2スーパータイプ交叉反応性について試験する。
あるいは、ペプチドを、1つまたは全てのスーパータイプメンバーを結合すると確認し、次いで、スーパータイプメンバーのいずれか1つ(または1以上)に対する結合親和性を調節するためにアナログ化して、集団範囲を付加する。
細胞スクリーニング分析における免疫原性についてのアナログ選択を、代表的には、親野生型(WT)ペプチドが、3つ以上のA2スーパータイプ対立遺伝子に少なくとも弱く結合する(すなわち、5000nM以下のIC50にて結合する)能力によりさらに制限する。この要件についての原理は、WTペプチドが生物学的に関連するに十分な量にて内因性に存在しなければならないということである。アナログ化ペプチドは、親エピトープに特異的なT細胞によって免疫原性および交叉反応性を増大させたことが示されている(例えば、Parkhurstら、J.Immunol.157:2539,1996;およびPogueら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:8166,1995を参照のこと)。
これらのペプチドアナログの細胞スクリーニングにおいて、アナログ特異的CTLもまた、野生型ペプチド、および可能である場合は、このエピトープを内因性に発現する標的細胞を認識し得ることを確認することが重要である。
(HLA−A3スーパーモチーフ保有ペプチドおよびB7スーパーモチーフ保有ペプチドのアナログ化)
HLA−A3スーパーモチーフ保有エピトープのアナログを、HLA−A2スーパーモチーフ保有ペプチドのアナログ化において使用するストラテジーと同様のストラテジーを使用して生成する。例えば、A3スーパータイプ分子の3/5に結合するペプチドを、2位に好ましい残基(V、S、MまたはA)を保有するように一次アンカー残基にて操作する。
次いで、このアナログペプチドを、A*03およびA*11(プロトタイプA3スーパータイプ対立遺伝子)を結合する能力について試験する。次いで、≦500nMの結合能を示すペプチドを、A3スーパータイプ交叉反応性を有すると確認する。
A2モチーフ保有ペプチドおよびA3モチーフ保有ペプチドと同様に、3以上のB7スーパータイプ対立遺伝子を結合するペプチドを改良して、可能な場合、増大した交叉反応結合性またはより大きな結合親和性もしくは結合半減期を、達成し得る。B7スーパーモチーフ保有ペプチドを、Sidneyら(J.Immunol.157:3480−3490,1996)に示されるように、例えば、C末端一次アンカー位置にて好ましい残基(V、I、LまたはF)を有するように操作する。
他のモチーフ保有エピトープおよび/または他のスーパーモチーフ保有エピトープの一次アンカー残基でのアナログ化を、同様の様式で実施する。
次いで、アナログペプチドを、代表的には、細胞スクリーニングアッセイにおいて免疫原性について確認する。繰り返すと、アナログ特異的CTLもまた、野生型ペプチド、および可能な場合、このエピトープを内因性に発現する標的を認識することが可能であることを実証することが、一般に重要である。
(二次アンカー残基でのアナログ化)
さらに、HLAスーパーモチーフは、高度に交叉反応性のペプチドおよび/または増大した親和性でHLA分子を結合するペプチドを操作することに価値があり、この操作は、これらのような特性と関連する二次アンカー位置での特定の残基を同定することによる。
操作することにおいて価値がある。例えば、1位にF残基を有するB7スーパーモチーフ保有ペプチドの結合能力を分析する。次いで、このペプチドを、例えば、1位のFをLで置換するようにアナログ化する。このアナログ化ペプチドを、増大した結合親和性、結合半減期および/または増大した交叉反応性について評価する。このような手順は、増強した特性を有するアナログ化ペプチドを同定する。
十分に改良された結合能力または交叉反応性を有する操作されたアナログを、例えば、IFA免疫化またはリポペプチド免疫化に従って、HLA−B7トランスジェニックマウスにおける免疫原性についてもまた、試験し得る。アナログ化ペプチドを、24P4C12発現腫瘍を有する患者由来のPBMCを使用したリコール(recall)応答を刺激する能力について、さらに試験する。
(他のアナログ化ストラテジー)
ペプチドアナログ化の別の形態は、アンカー位置とは無関係に、システインを、α−アミノ酪酸で置換することを包含する。その化学的性質に起因して、システインは、ジスルフィド架橋を形成し、そしてペプチドを構造的に十分に変化させる特性を有し、結合能力を減少させる。システインの代わりのα−アミノ酪酸での置換は、この問題を軽減するだけでなく、いくつかの場合において、結合能力および交叉結合能力を改良することもまた示されている(例えば、Setteら、Persistent Viral Infections,R.AhmedおよびI.Chen編,John Wiley & Sons,England,1999による総説を参照のこと)。
従って、単一アミノ酸置換の使用により、HLAスーパータイプ分子に対するペプチドリガンドの結合特性および/または交叉反応性が、調節され得る。
(実施例16:HLA−DR結合モチーフを有する24P4C12由来配列の同定および確認)
HLAクラスIIスーパーモチーフまたはHLAクラスIIモチーフを有するペプチドエピトープを、HLAクラスIペプチドについて記載された方法論と類似の方法論を使用して、以下に概説するように同定および確認する。
(HLA−DRスーパーモチーフ保有エピトープの選択)
24P4C12由来のHLAクラスII HTLエピトープを同定するために、24P4C12抗原を、HLA−DRモチーフまたはHLA−DRスーパーモチーフを保有する配列の存在について分析する。具体的には、DRスーパーモチーフを含む15マーの配列を選択する(9マーのコアならびに3残基のN末端隣接領域および3残基のC末端隣接領域を含む(計15アミノ酸))。
DR分子に結合するペプチドを推定するためのプロトコルが開発されている(Southwoodら,J.Immunol.160:3363−3373,1998)。個々のDR分子に対して特異的なこれらのプロトコルは、9マーコア領域のスコア付けおよび順位付けを可能にする。各プロトコルは、9マーコア内のDRスーパーモチーフ一次アンカー(すなわち、1位および6位)の存在についてペプチド配列をスコア付けするのみならず、二次アンカーの存在について配列をさらにまた評価する。対立遺伝子特異的選択表(例えば、Southwoodら,同書を参照のこと)を使用して、これらのプロトコルが、特定のDR分子を結合する確率が高いペプチド配列を効率的に選択することを、見出した。さらに、これらのプロトコルを連携して(in tandem)実施することは、特に、DR1、DR4w4、およびDR7に対する実施が、DR交叉反応性ペプチドを効率的に選択し得ることを、見出した。
上記で同定された24P4C12由来ペプチドを、種々の一般的なHLA−DR分子に対するそれらの結合能力について、試験する。全てのペプチドを、一次パネル:DR1、DR4w4およびDR7において、これらDR分子に対する結合について最初に試験する。次いで、これら3つのDR分子のうちの少なくとも2つを結合するペプチドを、二次アッセイにおいて、DR2w2β1分子、DR2w2β2分子、DR6w19分子、およびDR9分子に対する結合について試験する。最後に、この4つの二次パネルDR分子のうちの少なくとも2つ(従って、累積的に7つの異なるDR分子のうちの少なくとも4つ)を結合するペプチドを、DR4w15、DR5w11、およびDR8w2分子に対する結合について三次アッセイにおいてスクリーニングする。一次スクリーニングアッセイ、二次スクリーニングアッセイおよび三次スクリーニングアッセイを含め、この10個のDR分子のうちの少なくとも7つを結合するペプチドを、交叉反応性DR結合因子(binder)とみなす。一般的なHLA−DR対立遺伝子を結合することが見出された24P4C12由来のペプチドは、特に重要である。
(DR3モチーフペプチドの選択)
HLA−DR3が白色人種集団、黒色人種集団およびラテンアメリカ系集団において優勢である対立遺伝子であるので、DR3結合能力は、HTLエピトープの選択において適切な基準である。従って、候補であることが示されたペプチドをまた、それらのDR3結合能力についてアッセイし得る。しかし、DR3モチーフの結合特異性を考慮すると、DR3に対してのみ結合するペプチドをまた、ワクチン処方物中に含めるための候補物と考え得る。
DR3を結合するペプチドを効率的に同定するために、標的24P4C12抗原を、Gelukら(J.Immunol.152:5742−5748,1994)により報告された2つのDR3特異的結合モチーフのうちの1つを有する配列について、分析する。
次いで、対応するペプチドを合成し、1μMまたはより良好な(すなわち、1μM未満)の親和性でDR3を結合する能力を有するものを確認する。この結合基準を満たし、かつHLAクラスII高親和性結合因子とみなされるペプチドを、見出す。
このようにして同定されるDR3結合エピトープを、DRスーパーモチーフ保有ペプチドエピトープとともにワクチン組成物中に含める。
HLAクラスIモチーフ保有ペプチドの場合と同様に、クラスIIモチーフ保有ペプチドを、親和性または交叉反応性を改良するようにアナログ化する。例えば、9マーコア配列のうちの4位でのアスパラギン酸は、DR3結合についての最適化残基であり、そしてこの残基についての置換は、しばしば、DR3結合を改良する。
(実施例17:24P4C12由来HTLエピトープの免疫原性)
この実施例は、本明細書中で記載された方法論を使用して同定されたものの中から、免疫原性のDRスーパーモチーフ保有エピトープおよびDR3モチーフ保有エピトープを決定する。
HTLエピトープの免疫原性を、HTL応答を刺激する能力を評価することにより、そして/または適切なトランスジェニックマウスモデルを使用することにより、CTLエピトープの免疫原性の決定に類似の様式にて、確認する。免疫原性を、以下についてスクリーニングすることにより決定する:1.)正常PBMCを使用するインビトロ初代誘導または2.)24P4C12発現腫瘍を有する患者からのリコール応答。
(実施例18:集団範囲の幅を決定するための種々の人種バックグラウンドにおけるHLAスーパータイプの表現型頻度の算出)
この実施例は、複数のスーパーモチーフおよび/または複数のモチーフを含む複数のエピトープから構成されるワクチン組成物の集団範囲の幅の評価を示す。
集団範囲を分析するために、HLA対立遺伝子の遺伝子頻度を決定する。各HLA対立遺伝子の遺伝子頻度を、二項分布式gf=1−(SQRT(1−af))を利用し、抗原頻度または対立遺伝子頻度から計算する(例えば、Sidneyら,Human Immunol.45:79−93,1996を参照のこと)。表現型頻度全体を得るために、累積的遺伝子頻度を計算し、累積的抗原頻度を、逆数方程式(inverse formula)[af=1−(1−Cgf)2]を使用することにより導く。
頻度データがDNA型決定のレベルにて利用可能でない場合、血清学的に規定された抗原頻度に対する相当が仮定される。潜在的スーパータイプ集団範囲全体を得るためには、結合不均衡は仮定されず、スーパータイプの各々に属すると確認された対立遺伝子のみが含められる(最小評価(minimal estimate))。遺伝子座間の組み合わせにより達成される潜在的な範囲全体の評価を、考慮されたB対立遺伝子により包含されると期待され得る非A包含集団の割合を、A範囲に加えることにより行う(例えば、合計=A+B*(1−A))。A3様スーパータイプの確認されたメンバーは、A3、A11、A31、A*3301、およびA*6801である。A3様スーパータイプは、A34、A66、およびA*7401もまた含み得るが、これらの対立遺伝子は、頻度計算全体には含められなかった。同様に、A2様スーパータイプファミリーの確認されたメンバーは、A*0201、A*0202、A*0203、A*0204、A*0205、A*0206、A*0207、A*6802、およびA*6901である。最後に、B7様スーパータイプの確認された対立遺伝子は、B7、B*3501−03、B51、B*5301、B*5401、B*5501−2、B*5601、B*6701、およびB*7801である(B*1401、B*3504−06、B*4201、およびB*5602も潜在的にはメンバーである)。
A2スーパータイプ、A3スーパータイプおよびB7スーパータイプを組み合わせることにより達成される集団範囲は、5つの主要な人種群において約86%である。範囲は、A1モチーフおよびA24モチーフを保有するペプチドを含めることにより拡げられ得る。平均すると、A1は、5つの異なる主要人種群(白人、北アメリカの黒人、中国人、日本人、およびラテンアメリカ系人)にまたがる集団の12%に存在し、A24は、これらの集団の29%に存在する。まとめると、これらの対立遺伝子は、これらの同じ人種集団において平均頻度39%で表される。A1およびA24が、A2スーパータイプ対立遺伝子、A3スーパータイプ対立遺伝子およびB7スーパータイプ対立遺伝子の範囲と組み合わせられると、主要人種にまたがる合計範囲は、95%を超える。例えば、表IVの(G)を参照のこと。類似のアプローチが、クラスIIモチーフ保有エピトープの組み合わせにより達成される集団範囲を評価するために使用され得る。
ヒトにおける免疫原性研究(例えば、Bertoniら,J.Clin.Invest.100:503,1997;Doolanら,Immunity 7:97,1997;およびThrelkeldら,J.Immunol.159:1648,1997)は、高度に交叉反応性の結合ペプチドが、エピトープとしてほぼ常に認識されることを示した。高度に交叉反応性の結合ペプチドを使用することは、多様な集団において免疫原性である、ワクチンに含めるための候補エピトープを同定することにおいて重要な選択基準である。
(本明細書中開示されるように、そして従来技術により)十分な数のエピトープを用いることにより、平均集団範囲は、5つの主要人種集団の各々において95%を超えると推定される。ゲームの理論であるモンテカルロシミュレーション分析(これは、当該分野で公知である(例えば、Osborne,M.J.およびRubinstein,A.「A course in game theory」MIT Press,1994を参照のこと))は、白人、北アメリカ黒人、日本人、中国人、およびラテンアメリカ人の人種群から構成される集団中のどの程度の百分率の個体が本明細書中に記載されるワクチンエピトープを認識するかを推定するために使用され得る。好ましい百分率は、90%である。より好ましい百分率は、95%である。
(実施例19:プライミング後に内因性にプロセシングされた抗原のCTL認識)
この実施例では、本明細書中で記載されるように同定され、そして選択されたネイティブペプチドエピトープまたはアナログ化ペプチドエピトープにより誘導されたCTLが、内因性に合成された抗原(すなわち、ネイティブ抗原)を認識することを確認する。
ペプチドエピトープ(例えば、HLA−A2スーパーモチーフ保有エピトープ)で免疫したトランスジェニックマウスから単離したエフェクター細胞を、ペプチドでコーティングした刺激性因子細胞(stimulator cell)を用いてインビトロで再刺激する。6日後、エフェクター細胞を、細胞傷害性についてアッセイし、そしてペプチド特異的細胞傷害性活性を含む細胞株を、さらに再刺激する。さらに6日後、これらの細胞株を、ペプチドの存在下または非存在下で51Cr標識化Jurkat−A2.1/Kb標的細胞に対する細胞傷害性活性について試験し、そしてまた、内因性に合成された抗原を有する51Cr標識化標的細胞(すなわち、24P4C12発現ベクターで安定にトランスフェクトされた細胞)に対して試験する。
この結果は、ペプチドエピトープでプライムされた動物から得られたCTL株が、内因性に合成された24P4C12抗原を認識することを実証する。このような分析のために使用されるトランスジェニックマウスモデルの選択は、評価されているエピトープに依存する。HLA−A*0201/Kbトランスジェニックマウスに加えて、ヒトA11対立遺伝子(これはまた、A3エピトープを評価するために使用され得る)およびヒトB7対立遺伝子を有するマウスを含むいくつかの他のトランスジェニックマウスモデルが特徴付けられており、そして他のもの(例えば、HLA−A1およびA24についてのトランスジェニックマウス)が開発されている。HLA−DR1およびHLA−DR3のマウスモデルもまた開発されており、これらは、HTLエピトープを評価するために使用され得る。
(実施例20:トランスジェニックマウスにおけるCTL−HTL結合体化エピトープの活性)
この実施例は、24P4C12由来のCTLおよびHTLのペプチドワクチン組成物の使用による、トランスジェニックマウスにおけるCTLおよびHTLの誘導を示す。本明細書中で使用されるワクチン組成物は、24P4C12発現腫瘍を有する患者に投与されるべきペプチドを含む。このペプチド組成物は、複数のCTLエピトープおよび/またはHTLエピトープを含み得る。これらのエピトープは、本明細書中に記載される方法論を用いて同定される。この実施例はまた、増強された免疫原性が、CTLワクチン組成物中に1以上のHTLエピトープを含めることにより達成され得ることを示す;このようなペプチド組成物は、CTLエピトープに結合体化されたHTLエピトープを含み得る。このCTLエピトープは、500nM以下の親和性にて、複数のHLAファミリーメンバーに結合するエピトープまたはそのエピトープのアナログであり得る。これらのペプチドは、所望であれば、脂質化(lipidated)され得る。
免疫手順:トランスジェニックマウスの免疫を、記載(Alexanderら,J.Immunol.159:4753−4761,1997)のように行う。例えば、A2/Kbマウス(これは、ヒトHLA A2.1対立遺伝子についてトランスジェニックであり、かつHLA−A*0201モチーフまたはHLA−A2スーパーモチーフを保有するエピトープの免疫原性を確認するために使用される)を、フロイント不完全アジュバント中、あるいはこのペプチド組成物が脂質化CTL/HTL結合体である場合は、DMSO/生理食塩水中、またはこのペプチド組成物がポリペプチドである場合はPBSもしくはフロイント不完全アジュバント中で、0.1mlのペプチドを用いて皮下で(尾の基部)プライムする。プライムして7日後、これらの動物から得た脾細胞を、ペプチドでコーティングした同系の照射LPS活性化リンパ芽球で再刺激する。
細胞株:ペプチド特異的細胞傷害性アッセイのための標的細胞は、HLA−A2.1/Kbキメラ遺伝子(例えば、Vitielloら,J.Exp.Med.173:1007,1991)を使用してトランスフェクトしたJurkat細胞である。
インビトロでのCTL活性化:プライムして1週間後、10mlの培養培地/T25フラスコ中にて脾臓細胞(30×106細胞/フラスコ)を、37℃にて同系の照射(3000rad)ペプチドコーティングリンパ芽球(10×106細胞/フラスコ)とともに共培養する。6日後、エフェクター細胞を採取し、細胞傷害性活性についてアッセイする。
細胞傷害性活性についてのアッセイ:標的細胞(1.0〜1.5×106)を、200μlの51Crの存在下で、37℃にてインキュベートする。60分後、細胞を3回洗浄し、R10培地中に再懸濁する。ペプチドを、必要であれば1μg/mlの濃度にて添加する。アッセイのために、104の51Cr標識標的細胞を、U底96ウェルプレート中の異なる濃度のエフェクター細胞(最終体積は200μl)に添加する。37℃にて6時間インキュベートした後、上清の0.1mlのアリコートを各ウェルから取り出し、放射能を、Micromedic自動ガンマカウンタにて測定する。特異的溶解%を、以下の式により決定する:特異的放出%=100×(実験的放出−自発的放出)/(最大放出−自発的放出)。同じ条件下で行った別個のCTLアッセイの間の比較を容易にするために、51Cr放出%データを、溶解単位/106細胞として表す。1溶解単位は、6時間の51Cr放出アッセイにおいて10,000個の標的細胞の30%溶解を達成するために要したエフェクター細胞の数として任意に規定される。特異的溶解単位/106を得るために、ペプチドの非存在下で得た溶解単位/106を、ペプチドの存在下で得た溶解単位/106から差し引く。例えば、30%の51Cr放出が、ペプチドの非存在下では、50:1のエフェクター(E):標的(T)比(すなわち、10,000個の標的に対して5×105個のエフェクター細胞)にて得られ、そしてペプチドの存在下では5:1(すなわち、10,000個の標的に対して5×104個のエフェクター細胞)にて得られる場合、特異的溶解単位は、以下の通りである:[(1/50,000)−(1/500,000)]×106=18LU。
結果を分析して、免疫原性CTL/HTL結合体ワクチン調製物を注射した動物のCTL応答の大きさを評価し、「免疫原性の確認」と題した実施例において上記で概説したように、例えば、CTLエピトープを使用して達成されたCTL応答の大きさと比較する。
これと類似の分析を行って、複数のCTLエピトープおよび/または複数のHTLエピトープを含むペプチド結合体の免疫原性を確認し得る。これらの手順に従って、CTL応答が誘導され、同時に、HTL応答がこのような組成物の投与の際に誘導されることが見いだされる。
(実施例21:24P4C12特異的ワクチン中に含めるためのCTLエピトープおよびHTLエピトープの選択)
この実施例は、本発明のワクチン組成物のためのペプチドエピトープを選択するための手順を示す。この組成物中のペプチドは、ペプチドをコードする単一の配列または1以上の配列(すなわち、ミニ遺伝子)のいずれかの核酸配列の形態であり得るか、あるいは単一エピトープおよび/またはポリエピトープのペプチドであり得る。
以下の原理を、ワクチン組成物中に含めるための複数のエピトープを選択する場合に利用する。以下の原理の各々を、選択を行うために釣り合わせる。
投与の際に、24P4C12クリアランスと相関する免疫応答を模倣するエピトープを選択する。使用されるエピトープの数は、自発的に24P4C12を排除する患者の観察に依存する。例えば、自発的に24P4C12発現細胞を排除する患者が、24P4C12抗原由来の少なくとも3つのエピトープに対する免疫応答を生じることが観察された場合、HLAクラスIについて少なくとも3つのエピトープが含められるべきである。同様の原理が、HLAクラスIIエピトープを決定するために使用される。
しばしば、HLAクラスI分子については500nM以下のIC50、もしくはクラスIIについては1000nM以下のIC50という結合親和性を有するエピトープ;またはBIMASウェブサイト(URL bimas.dcrt.nih.gov/)からの高い結合スコアを有するHLAクラスIペプチドが選択される。
多様な集団全体を通じたワクチンの広い範囲を達成するために、十分なスーパーモチーフ保有ペプチド、または対立遺伝子特異的モチーフ保有ペプチドの十分なアレイを選択して、広い集団範囲が与えられる。1つの実施形態において、エピトープは、少なくとも80%の集団範囲を提供するように選択される。モンテカルロ分析(当該分野で公知の統計学的評価法)は、集団範囲の幅、すなわち冗長性を評価するために使用され得る。
ポリエピトープ組成物、またはこれをコードするミニ遺伝子を作製する場合、目的のエピトープを含む、可能性のある最も小さなペプチドを生成することが代表的に所望される。使用される原理は、ネスト化された(nested)エピトープを含むペプチドを選択する場合に使用されるものと同じでないとしても、同様である。例えば、ワクチン組成物についてのタンパク質配列は、この配列が、配列内に含まれるエピトープの最大数を有する(すなわち、高濃度のエピトープを有する)ので、選択される。エピトープは、ネスト化されてもよいし、重複(すなわち、互いにフレームシフトしている)していてもよい。
例えば、重複するエピトープを使用する場合、2つの9マーエピトープおよび1つの10マーエピトープが、10アミノ酸ペプチド中に存在し得る。各エピトープは露出され得、このようなペプチドの投与の際にHLA分子により結合される。マルチエピトープのペプチドは、合成的にか、組換え的にか、またはネイティブの供給源からの切断を介して生成され得る。あるいは、このネイティブ配列からアナログが生成され得、それにより1以上のエピトープは、このポリエピトープペプチドの交叉反応性特性および/または結合親和性特性を変化させる置換を含む。このようなワクチン組成物は、治療目的または予防目的のために投与される。この実施形態は、免疫系プロセシングの未だ発見されていない局面を、ネイティブのネスト化された配列に適用し、それにより治療的または予防的免疫応答誘導ワクチン組成物の生成を容易にするという可能性を提供する。さらに、このような実施形態は、現在未知のHLA構造についてのモチーフ保有エピトープの可能性を提供する。さらに、この実施形態(いかなるアナログも作製しない)は、免疫応答を、24P4C12中に実際存在する複数のペプチド配列に向け、従って、何らかの連結エピトープを評価する必要性を避ける。最後に、この実施形態は、核酸ワクチン組成物を生成する場合の規模の経済性を提供する。この実施形態に関連して、コンピュータープログラムが当該分野の原理に従って導出され得、このプログラムは、標的配列において配列長さあたりのエピトープの最大数を同定する。
選択されたペプチドから構成されるワクチン組成物は、投与される場合、安全で、有効であり、かつ24P4C12を有するか、またはこれを過剰発現する細胞を制御または消去する免疫応答と類似の大きさの免疫応答を惹起する。
(実施例22:「ミニ遺伝子」マルチエピトープDNAプラスミドの構築)
本実施例は、ミニ遺伝子発現プラスミドの構築を議論する。ミニ遺伝子プラスミドは、当然、本明細書中に記載される種々の構成のB細胞エピトープ、CTLエピトープおよび/もしくはHTLエピトープまたはB細胞エピトープアナログ、CTLエピトープアナログおよび/もしくはHTLエピトープアナログを含み得る。
ミニ遺伝子発現プラスミドは、代表的に、複数のCTLペプチドエピトープおよびHTLペプチドエピトープを含む。本実施例において、HLA−A2スーパーモチーフ保有ペプチドエピトープ、HLA−A3スーパーモチーフ保有ペプチドエピトープ、HLA−B7スーパーモチーフ保有ペプチドエピトープならびにHLA−A1モチーフ保有ペプチドエピトープおよびHLA−A24モチーフ保有ペプチドエピトープを、DRスーパーモチーフ保有エピトープおよび/またはDR3エピトープと組み合わせて使用する。24P4C12由来のHLAクラスIスーパーモチーフまたはHLAクラスIモチーフを保有するペプチドエピトープを、複数のスーパーモチーフ/モチーフが提示されて広範な集団の範囲を確実にするように、選択する。同様に、HLAクラスIIエピトープを、広範な集団の範囲を提供するように、24P4C12から選択する。すなわち、HLA DR−1−4−7スーパーモチーフ保有エピトープおよびHLA DR−3モチーフ保有エピトープの両方を、ミニ遺伝子構築物に含ませるために選択する。選択されたCTLエピトープおよびHTLエピトープを、次いで、発現ベクターにおける発現のためにミニ遺伝子へと組み込む。
このような構築物は、HTLエピトープを小胞体に指向させる配列をさらに含み得る。
例えば、Iiタンパク質(Ii protein)は、当該分野において記載されるように1つ以上のHTLエピトープに融合され得、ここでこのIiタンパク質のCLIP配列は、除去され、そしてHLAクラスIIエピトープ配列と置換され、その結果、HLAクラスIIエピトープが、小胞体に指向され、このエピトープは、HLAクラスII分子に結合する。
本実施例は、ミニ遺伝子保有発現プラスミドの構築のために使用される方法を例示する。ミニ遺伝子組成物のために使用され得る他の発現ベクターは、当業者に利用可能であり、かつ公知である。
本実施例のミニ遺伝子DNAプラスミドは、コンセンサスKozak配列およびコンセンサスマウスκIg軽鎖シグナル配列と、それに続く本明細書中に開示される原理に従い選択されるCTLエピトープおよび/またはHTLエピトープを含む。この配列は、pcDNA3.1 Myc−HisベクターによりコードされるMycおよびHisの抗体エピトープタグに融合されたオープンリーディングフレームをコードする。
例えば、15ヌクレオチドが重複している、平均約70ヌクレオチド長であり得る重複オリゴヌクレオチドを合成し、そしてHPLC精製する。これらのオリゴヌクレオチドは、選択されたペプチドエピトープならびに適切なリンカーヌクレオチド、Kozak配列、およびシグナル配列をコードする。最終的なマルチエピトープミニ遺伝子を、PCRを用いる3セットの反応において重複オリゴヌクレオチドを伸長することによってアセンブリする。Perkin/Elmer 9600 PCR機を用い、そして合計30サイクルを、以下の条件を用いて実施する:95℃で15秒間、(各々のプライマー対の最も低いTmの計算値より5℃低い)アニーリング温度で30秒間、そして72℃で1分間。
例えば、ミニ遺伝子を以下のように調製する。第一のPCR反応において、各々5μgの2つのオリゴヌクレオチドを、アニールし、そして伸長する。8つのオリゴヌクレオド(すなわち、4対のプライマー)を使用する実施例において、オリゴヌクレオチド1およびオリゴヌクレオチド2、オリゴヌクレオチド3およびオリゴヌクレオチド4、オリゴヌクレオチド5およびオリゴヌクレオチド6、ならびにオリゴヌクレオチド7およびオリゴヌクレオチド8を、Pfuポリメラーゼ緩衝液(1×=10mM KCL、10mM(NH4)2SO4、20mM Tris−クロリド(pH 8.75)、2mM MgSO4、0.1% Triton X−100、100μg/ml BSA)、0.25mMの各々のdNTP、ならびに2.5UのPfuポリメラーゼを含む100μlの反応物中で合わせる。全長の二量体産物を、ゲル精製し、そして1および2ならびに3および4の産物、5および6ならびに7および8の産物とを含む2つの反応物を混合し、アニールし、そして10サイクルにわたり伸長する。次いで、2つの反応物の半分を混合し、そして隣接するプライマーを添加して、全長の産物を増幅する前に5サイクルのアニーリングおよび伸長を実施する。この全長産物を、ゲル精製し、pCR−blunt(Invitrogen)中にクローニングし、そして個々のクローンを配列決定によりスクリーニングする。
(実施例23:プラスミド構築物およびそのプラスミド構築物が免疫原性を誘導する程度)
プラスミド構築物(例えば、前出の実施例に従い構築されたプラスミド)が免疫原性を誘導し得る程度を、エピトープ発現核酸構築物を用いてAPCを形質導入またはトランスフェクトした後、このAPCによるエピトープ提示を決定することによりインビトロで確認する。このような研究により「抗原性」を決定し、そしてヒトAPCの使用を可能とする。このアッセイによりこの細胞表面上のエピトープ−HLAクラスI複合体の密度を定量することによって、T細胞により認識される状態においてAPCにより提示されるエピトープの能力を決定する。定量を、APCから溶出されたペプチドの量を直接測定することにより実施し得る(例えば、Sijtsら、J.Immunol.156:683〜692、1996;Demotzら、Nature 342:682〜684、1989を参照のこと)か;またはペプチド−HLAクラスI複合体の数を、罹患したかまたはトランスフェクトされた標的細胞により誘導された溶解またはリンホカインの放出の量を測定し、次いで等しいレベルの溶解またはリンホカインの放出を得るために必要なペプチドの濃度を決定することにより、評価し得る(例えば、Kageyamaら、J.Immunol.154:567〜576、1995を参照のこと)。
あるいは、免疫原性を、マウスへのインビボでの注射、引き続くCTL活性およびHTL活性(これらの活性を、細胞傷害性および細胞増殖性のアッセイ(それぞれ、例えば、Alexanderら、Immunity 1:751〜761、1994において詳述される)を用いて分析する)のインビトロでの評価を介して確認する。
例えば、少なくとも1つのHLA−A2スーパーモチーフペプチドを有するDNAミニ遺伝子構築物がCTLをインビボで誘導する能力を確認するために、例えば、HLA−A2.1/Kbトランスジェニックマウスを、100μgの裸のcDNAを用いて筋肉内で免疫する。cDNA免疫により誘導されたCTLのレベルを比較する手段として、コントロール群の動物もまた、複数のエピトープがミニ遺伝子によりコードされるので、単一のポリペプチドとして合成された複数のエピトープを含む実際のペプチド組成物を用いて免疫する。
免疫した動物由来の脾細胞を、各々の組成物(ミニ遺伝子においてコードされるペプチドエピトープまたはポリエピトープペプチド)をそれぞれ用いて2回刺激し、次いで51Cr放出アッセイにおいてペプチド特異的な細胞傷害性活性についてアッセイする。これらの結果は、A2拘束性エピトープに対するCTL応答の大きさを示し、従ってミニ遺伝子ワクチンおよびポリエピトープワクチンのインビボでの免疫原性を示す。
従って、ミニ遺伝子が、ポリエピトープペプチドワクチンが誘発するような、HLA−A2スーパーモチーフペプチドエピトープに対する免疫応答を誘発することが見いだされる。HLA−A3およびHLA−B7のモチーフエピトープまたはスーパーモチーフエピトープによるCTL誘導を評価するために他のHLA−A3トランスジェニックマウスモデルおよびHLA−B7トランスジェニックマウスモデルを用いて同様の分析もまた実施され、それにより、このミニ遺伝子が、提供されたエピトープに対して指向される適切な免疫応答を誘発することもまた見出される。
クラスIIエピトープをコードするミニ遺伝子がHTLをインビボで誘導する能力を確認するためには、DRトランスジェニックマウスにか、または適切なマウスMHC分子と交叉反応するエピトープについては、例えば、I−Ab拘束性マウスに、100μgのプラスミドDNAを筋肉内免疫する。DNA免疫により誘導されたHTLのレベルを比較する手段として、コントロール動物の群も、フロイント完全アジュバンド中に乳化した実際のペプチド組成物で免疫する。CD4+T細胞(すなわちHTL)を、免疫した動物の脾臓細胞から精製し、そして各々の組成物(ミニ遺伝子中にコードされるペプチド)のそれぞれを用いて刺激する。HTL応答を、3H−チミジン取り込み増殖アッセイを用いて測定する(例えば、Alexanderら、Immunity 1:751〜761、1994を参照のこと)。この結果は、HTL応答の大きさを示し、従って、このミニ遺伝子のインビボでの免疫原性を実証する。
前出の実施例において記載されるように構築されたDNAミニ遺伝子をまた、プライムブーストプロトコル(prime boost protocol)を用いてブースト剤と組み合わせたワクチンとして確認し得る。このブースト剤は、組み換えタンパク質(例えば、Barnettら、Aids Res.and Human Retroviruses 14、補遺3:S299〜S309、1998)または例えば、完全な目的のタンパク質をコードするミニ遺伝子もしくはDNAを発現する組み換えワクチン(例えば、Hankeら、Vaccine 16:439〜445、1998;Sedegahら、Proc.Natl.Acad.Sci USA 95:7648〜53、1998;HankeおよびMcMichael、Immunol.Letters 66:177〜181、1999;ならびにRobinsonら、Nature Med.5:526〜34、1999を参照のこと)からなり得る。
例えば、プライムブーストプロトコルにて用いられるDNAミニ遺伝子の有効性を、最初に、トランスジェニックマウスにおいて評価する。本実施例において、A2.1/Kbトランスジェニックマウスを、免疫原性ペプチド(少なくとも1つのHLA−A2スーパーモチーフ保有ペプチドを含む)をコードする100μgのDNAミニ遺伝子でIM免疫する。インキュベーション期間(3〜9週間の範囲をとる)の後、このマウスを、DNAミニ遺伝子によりコードされるのと同じ配列を発現する107pfu/マウスの組み換えワクシニアウイルスを用いてIPでブーストする。コントロールマウスを、ミニ遺伝子配列を有さない100μgのDNAもしくは組み換えワクシニアを用いるか、またはこのミニ遺伝子をコードするDNAを用いるがワクシニアブーストを用いずに免疫する。2週間のさらなるインキュベーション期間の後、このマウス由来の脾細胞を、ELISPOTアッセイにおいてペプチド特異的な活性について直ちにアッセイする。さらに、脾細胞を、ミニ遺伝子中にコードされるA2拘束性ペプチドエピトープおよび組み換えワクシニアを用いてインビトロで刺激し、次いでαIFN ELISA、βIFN ELISA、および/またはγIFN ELISAにおいてペプチド特異的な活性についてアッセイする。
プライムブーストプロトコルにおいて利用されるミニ遺伝子が、HLA−A2スーパーモチーフペプチドに対してDNA単独より高い免疫応答を誘発することが見出される。そのような分析をまた、HLA−A3またはHLA−B7のモチーフエピトープまたはスーパーモチーフエピトープによるCTL誘導を評価するために、HLA−A11トランスジェニックマウスモデルまたはHLA−B7トランスジェニックマウスモデルを用いて実施し得る。ヒトにおけるプライムブーストプロトコルの使用を、「プライムブーストプロトコルを用いるCTL応答の誘導」と題した以下の実施例において記載する。
(実施例24:予防使用のためのペプチド組成物)
本発明のワクチン組成物を使用して、この抗原を保有する腫瘍についての危険性を有するヒトにおける24P4C12発現を予防し得る。例えば、上記実施例において選択されるエピトープのような複数のCTLエピトープおよびHTLエピトープを含むポリエピトープペプチドエピトープ組成物(またはポリエピトープペプチドエピトープを含む核酸)(これらはまた、集団の80%より多くを標的化するように選択される)を、24P4C12関連腫瘍についての危険性がある個体に投与する。
例えば、ペプチドベースの組成物を、複数のエピトープを含む単一のポリペプチドとして提供する。代表的には、アジュバント(例えば、フロイント不完全アジュバンド)を含む生理学的溶液中でワクチンを投与する。最初の免疫のためのペプチド用量は、70kgの患者について約1μg〜約50,000μgであり、一般的には100μg〜5,000μgである。ワクチンの最初の投与に引き続いて、4週間目にブースター投与をし、さらに引き続いてPBMCサンプル中のエピトープ特異的CTL集団の存在を決定する技術により患者における免疫応答の大きさの評価をする。さらなるブースター用量を、必要である場合に投与する。この組成物は、24P4C12関連疾患に対する予防薬として安全かつ効果的であることが見出される。
あるいは、代表的にトランスフェクト薬剤を含む組成物を、当該分野において公知の方法論および本明細書中で開示される方法論に従い、核酸ベースのワクチンの投与のために使用する。
(実施例25:ネイティブの24P4C12配列由来のポリエピトープワクチン組成物)
ネイティブの24P4C12ポリタンパク質配列を、複数のエピトープを含むポリタンパク質の「比較的短い」領域を同定するために、好ましくは、各々のクラスIおよび/またはクラスIIのスーパーモチーフまたはモチーフについて規定されるコンピューターアルゴリズムを用いて分析する。好ましくは、この「比較的短い」領域は、全長のネイティブの抗原より長さが短い。複数の別個の、または重複する「ネスト化された(nested)」エピトープを含むこの比較的短い配列を、ミニ遺伝子構築物を作製するために使用し得る。この構築物を、ネイティブのタンパク質配列に対応するペプチドを発現するように操作する。この「比較的短い」ペプチドは、一般的に250アミノ酸長未満であり、しばしば100アミノ酸長未満であり、好ましくは75アミノ酸長未満であり、より好ましくは50アミノ酸長未満である。このワクチン組成物のタンパク質配列は、この配列中に含まれる最大数のエピトープを有する(すなわち、それは、高濃度のエピトープを有する)ので、このワクチン組成物のタンパク質配列を選択する。本明細書中に示されるように、エピトープモチーフは、ネスト化されていても、重複してもよい(すなわち、互いに対してフレームシフトしてもよい)。例えば、重複エピトープを用いて、2つの9マーエピトープおよび1つの10マーエピトープが、10アミノ酸のペプチド中に存在し得る。そのようなワクチン組成物を、治療目的または予防目的のために投与する。
このワクチン組成物としては、例えば、24P4C12抗原由来の複数のCTLエピトープおよび少なくとも1つのHTLエピトープが挙げられる。このポリエピトープネイティブ配列を、ペプチドとしてかまたはこのペプチドをコードする核酸配列としてかのいずれかで投与する。あるいは、アナログを、そのネイティブ配列から作製し得、それにより1つ以上のエピトープが、そのポリエピトープペプチドの交叉反応性特性および/または結合親和性特性を変化させる置換を含む。
本実施例の実施形態は、免疫系プロセシングの未だ発見されていない局面を、ネイティブのネスト化された配列に適用し、それにより治療的または予防的な免疫応答を誘導するワクチン組成物の産生を容易にする可能性を提供する。さらに、そのような実施形態は、現在未知のHLA構造についてのモチーフ保有エピトープの可能性を提供する。さらに、この実施形態(類似の実施形態を除く)は、免疫応答をネイティブの24P4C12中に実際に存在する複数のペプチド配列に向け、それにより、任意の連結するエピトープを評価する必要性を除外する。最後に、この実施形態は、ペプチドワクチン組成物または核酸ワクチン組成物を産生する場合の規模の経済性を提供する。
この実施形態に関して、標的配列において、配列長あたり最も多数のエピトープを同定するために使用され得るコンピュータープログラムが、当該分野において利用可能である。
(実施例26:複数の抗原由来のポリエピトープワクチン組成物)
本発明の24P4C12ペプチドエピトープを、他の標的腫瘍関連抗原由来のエピトープと組み合わせて使用して、24P4C12抗原およびそのような他の抗原を発現する癌の予防および処置に有用なワクチン組成物を作製する。例えば、ワクチン組成物を、24P4C12由来の複数のエピトープおよび24P4C12発現に関連する標的の癌でしばしば発現される腫瘍関連抗原を組み込む、単一のポリペプチドとして提供し得るか、または1つ以上の別個のエピトープのカクテルを含む組成物として投与し得る。あるいは、このワクチンを、ミニ遺伝子構築物として、またはインビトロでペプチドエピトープをロードした樹状細胞として投与し得る。
(実施例27:免疫応答を評価するためのペプチドの使用)
本発明のペプチドを、24P4C12に対する特異的抗体、CTLまたはHTLの存在についての免疫応答を分析するために使用し得る。そのような分析を、Oggら、Science 279:2103〜2106、1998に記載される様式で実施し得る。本実施例において、本発明に従うペプチドを、診断目的または予防目的のための試薬として(免疫原としてではなく)使用する。
本実施例において、高度に感受性なヒト白血球抗原四量複合体(「四量体))を、例えば、疾患の異なる病期またはA*0201モチーフを含む24P4C12ペプチドを含む免疫後のHLA A*0201陽性個体由来の24P4C12 HLA−A*0201特異的CTL頻度の横断解析のために使用する。四量体複合体を、記載される(Museyら、N.Engl.J.Med.337:1267、1997)ように合成する。簡単には、精製したHLA重鎖(本実施例におけるA*0201)およびβ2−ミクログロブリンを、原核生物発現系によって合成する。この重鎖を、膜貫通−細胞質ゾルテールの欠失およびBirA酵素ビオチン化部位を含む配列のCOOH末端付加により改変する。重鎖、β2−ミクログロブリン、およびペプチドを、希釈により再折り畳みする。この45kDの再折り畳み産物を、高速タンパク質液体クロマトグラフィーによって単離し、次いでビオチン(Sigma、St.Louis、Missouri)、アデノシン5’三リン酸およびマグネシウムの存在下でBirAによりビオチン化する。ストレプトアビジン−フィコエリトリン結合体を、1:4のモル比で添加し、四量体産物を1mg/mlまで濃縮する。得られた産物を、四量体−フェコエリトリンという。
患者の血液サンプルの分析のために、約100万個のPBMCを、300gで5分間遠心分離し、50μlの冷リン酸緩衝化生理食塩水に再懸濁する。三色分析を、抗CD8−トリカラー(Tricolor)、および抗CD38と共に四量体−フィコエリトリンを用いて実施する。PBMCを、氷上で四量体および抗体と共に30〜60分間インキュベートし、次いでホルムアルデヒド固定の前に2回洗浄する。99.98%より多くのコントロールサンプルを含むようなゲートを適用する。四量体についてのコントロールは、A*0201陰性の個体およびA*0201陽性の罹患していないドナーの両方を含む。次いで、この四量体を用いて染色された細胞の百分率を、フローサイトメトリーによって決定する。この結果は、PBMCサンプル中のエピトープ拘束性CTL含有細胞の数を示し、これにより24P4C12エピトープに対する免疫応答の程度、従って、24P4C12への曝露の状態、または予防的応答もしくは治療的応答を誘発するワクチンへの曝露の状態を容易に示す。
(実施例28:リコール(recall)応答を評価するためのペプチドエピトープの使用)
本発明のペプチドエピトープを、患者におけるT細胞応答(例えば、急性またはリコール応答)を評価するための試薬として使用する。そのような分析を、24P4C12関連疾患から回復した患者または24P4C12ワクチンでワクチン接種した患者において実施し得る。
例えば、ワクチン接種したヒトのクラスI拘束性CTL応答を分析し得る。このワクチンは、任意の24P4C12ワクチンでよい。PBMCを、ワクチン接種した個体から回収し、HLA型決定する。次いで、複数のHLAスーパータイプファミリーメンバーに交叉反応性を提供するためのスーパーモチーフを必要に応じて保有する本発明の適切なペプチドエピトープを、そのHLA型を保有する個体由来のサンプルの分析のために使用する。
ワクチン接種した個体由来のPBMCを、Ficoll−Histopaque密度勾配(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)で分離し、HBSS(GIBCO Laboratories)中で3回洗浄し、熱不活性化10%のヒトAB血清を含むL−グルタミン(2mM)、ペニシリン(50U/ml)、ストレプトマイシン(50μg/ml)およびHepes(10mM)を補充したRPMI−1640(GIBCO Laboratories)(完全RPMI)中に再懸濁し、マイクロ培養形式を用いてプレートする。本発明のエピトープを含む合成ペプチドを、各々のウェルに10μg/mlで添加し、そしてHBVコア128〜140エピトープを、刺激の第一週目の間、T細胞ヘルプの供給源として各々のウェルに1μg/ml添加する。
マイクロ培養形式において、4×105PBMCを、100μl/ウェルの完全RPMIの96ウェルの丸底プレート中で、8つの複製培養物中にてペプチドで刺激する。3日目および10日目に、100μlの完全RPMIおよび20U/mlの最終濃度のrIL−2を、各々のウェルに添加する。7日目に、この培養物を、96ウェルの平底プレートに移し、そしてペプチド、rIL−2および105の照射(3,000rad)の自己フィーダー細胞を用いて再刺激する。この培養物を、14日目に細胞傷害活性について試験する。陽性CTL応答は、前に記載されるような(Rehermannら、Nature Med.2:1104、1108、1996;Rehermannら、J.Clin.Invest.97:1655〜1665、1996;およびRehermannら、J.Clin.Invest.98:1432〜1440、1996)罹患していないコントロール被験体との比較に基づいて、8つの複製培養物のうち2つ以上が10%より多い特異的51Cr放出を示すことを必要とする。
標的細胞株は、自己由来かつ同種異系のEBV形質転換したB−LCLであり、これらは、両方American Society for Histocompatibility and Immunogenetics(ASHI、Boston、MA)から購入されるか、または記載されるように(Guilhotら、J.Virol.66:2670〜2678、1992)患者のプールから樹立されるかのいずれかである。
細胞傷害性アッセイを、以下の様式で実施する。標的細胞は、同種異系のHLA適合性Bリンパ芽球細胞株または自己由来のEBV形質転換Bリンパ芽球細胞株のいずれかからなり、これらを、10μMの本発明の合成ペプチドエピトープと共に一晩インキュベートし、そして100μCiの51Cr(Amersham Corp.、Arlington Heights、IL)を用いて1時間にわたり標識し、その後これらを、HBSSを用いて4回洗浄する。
細胞傷害活性を、3,000標的/ウェルを含むU底の96ウェルプレートを用いる標準的な4時間の、別々のウェルの51Cr放出アッセイにおいて決定する。刺激されたPBMCを、20〜50:1のエフェクター/標的(E/T)の比率で14日目に試験する。細胞傷害性%を、以下の式から決定する:100×[(実験的放出−自発的放出)/(最大放出−自発的放出)]。最大放出を、界面活性剤(2% Triton X−100;Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)による標的の溶解により決定する。自発的放出は、全ての実験について最大放出の25%未満である。
このような分析の結果は、HLA拘束性CTL集団が、24P4C12または24P4C12ワクチンへの以前の曝露により刺激された程度を示す。
同様に、クラスII拘束性HTL応答もまた分析し得る。精製されたPBMCを、1.5×105細胞/ウェルの密度の96ウェルの平底プレート中で培養し、10μg/mlの本発明の合成ペプチド、24P4C12抗原全体、またはPHAを用いて刺激する。細胞を、各々の条件について4〜6ウェルのレプリカとして慣用的にプレートする。7日間の培養の後、培地を除去し、そして10U/mlのIL−2を含む新しい培地と置換する。2日後、1μCiの3Hチミジンを、各々のウェルに添加し、そしてさらに18時間にわたりインキュベーションを続ける。次いで、細胞DNAを、ガラスファイバーマット上に回収し、そして3Hチミジン取り込みについて分析する。抗原特異的T細胞増殖を、抗原の存在下での3Hチミジン取り込みを抗原の非存在下での3Hチミジン取り込みで割った比として計算する。
(実施例29:ヒトにおける特異的CTL応答の誘導)
本発明のCTLエピトープおよびHTLエピトープを含む免疫原性組成物についてのヒト臨床試験を、IND第I相、用量上昇研究として設定し、そして無作為化した二重盲検偽薬制御試験として実施する。そのような試験を、例えば、以下のように設計する:
全体で約27人の個体を登録し、そして3つのグループに分ける;
グループI:3人の被験体に偽薬を注射し、そして6人の被験体に5μgのペプチド組成物を注射する;
グループII:3人の被験体に偽薬を注射し、そして6人の被験体に50μgのペプチド組成物を注射する;
グループIII:3人の被験体に偽薬を注射し、そして6人の被験体に500μgのペプチド組成物を注射する。
最初の注射の4週間後に、全ての被験体に同じ投与量で追加免疫接種した。
この研究において測定される終点は、このペプチド組成物の安全性および許容性、ならびにその免疫原性に関連する。このペプチド組成物に対する細胞性免疫応答は、このペプチド組成物の固有の活性の指標であり、従って生物学的有効性の尺度として見られ得る。
以下は、安全性および有効性の終点に関する臨床データおよび研究室データを要約する。
安全性:有害な事象の発生率を、偽薬処置群および薬物処置群においてモニターし、そしてその程度および可逆性をもって評価する。
ワクチン有効性の評価:ワクチン有効性の評価のために、注射前後に、被験体から採血する。末梢血液単核細胞を、Ficoll−Hypaque密度勾配遠心分離により新しいヘパリン化血液から単離し、凍結媒体中にアリコート化し、そして凍結保存する。サンプルを、CTL活性およびHTL活性についてアッセイする。
ワクチンが、安全でありかつ有効であることが見出される。
(実施例30:24P4C12を発現する患者における第II相試験)
第II相試験を、24P4C12を発現する癌を有する患者へのCTL−HTLペプチド組成物の投与の効果を研究するために実施する。この試験の主要な目的は、24P4C12を発現する癌患者においてCTLを誘導するために有効な用量とレジメンを決定すること、これらの患者においてCTL応答およびHTL応答を誘導することの安全性を樹立すること、ならびに、どの程度のCTLの活性化が、(例えば、病巣の減少および/または萎縮により明らかになるような)これらの患者の臨床像を改善するかをみることである。このような研究を、例えば、以下のように設計する。
この研究を、複数のセンターにおいて実施する。この試験の設計は、オープンラベルの未制御用量上昇プロトコルであり、ここで、このペプチド組成物を、単回容量として投与し、続いて、6週間後に同じ用量の単回の追加免疫注射を行う。この投与量は、注射一回あたり50μg、500μg、および5,000μgである。薬物関連の有害な効果(重篤度および可逆性)を記録する。
3つの患者のグループが存在する。第一のグループに50μgのこのペプチド組成物を注射し、第二および第三のグループにそれぞれ、500μgおよび5,000μgのペプチド組成物を注射する。各々のグループ内の患者は、21歳〜65歳の範囲であり、そして種々の人種集団バックグラウンドを示す。彼らの全ては、24P4C12を発現する腫瘍を有する。
臨床的発現または抗原特異的T細胞応答を、このペプチド組成物を投与することの効果を評価するためにモニタリングする。このワクチン組成物が、24P4C12関連疾患の処置において安全かつ有効であることが見出される。
(実施例31:プライムブーストプロトコルを用いるCTL応答の誘導)
「プラスミド構築物およびそのプラスミド構築物が免疫原性を誘導する程度」と題された実施例において上述したような、トランスジェニックマウスにおけるDNAワクチンの有効性を確認するために使用されるプロトコルと根底にある原理が類似するプライムブーストプロトコルをまた、ヒトにワクチンを投与するために使用し得る。そのようなワクチンレジメンは、例えば、裸のDNAの最初の投与と、その後の、そのワクチンをコードする組み換えウイルス、またはアジュバント中で投与される組み換えタンパク質/ポリペプチドもしくはペプチド混合物を用いるブーストを含み得る。
例えば、最初の免疫を、発現ベクター(例えば、「『遺伝子』マルチエピトープDNAプラスミドの構築」と題した実施例において、複数の部位で0.5mg〜5mgの量でIM(またはSCまたはID)投与される裸の核酸の形態で構築されるような発現ベクター)用いて実施し得る。この核酸(0.1μg〜1000μg)をまた、遺伝子ガンを用いて投与し得る。3〜4週間のインキュベーション期間の後、次いで、ブースター用量を投与する。このブースターは、5×107pfu〜5×109pfuの用量で投与される組み換え鶏痘ウイルスであり得る。代替的な組み換えウイルス(例えば、MVAウイルス、カナリア痘ウイルス、アデノウイルス、またはアデノ随伴ウイルス)をまた、ブースターのために使用し得るか、またはポリエピトープタンパク質もしくはこれらのペプチドの混合物を投与し得る。ワクチン有効性の評価のために、免疫前ならびに最初のワクチンおよびワクチンのブースター用量の投与後に、間隔を空けて患者の血液サンプルを得る。末梢血液単核細胞を、Ficoll−Hypaque密度勾配遠心分離により新しいヘパリン化血液から単離し、凍結培体中にアリコート化し、そして凍結保存する。サンプルを、CTL活性およびHTL活性についてアッセイする。
これらの結果の分析は、24P4C12に対する治療的免疫または保護免疫を達成するのに十分な強度の応答が産生されることを示す。
(実施例32:樹状細胞(DC)を用いるワクチン組成物の投与)
本発明のペプチドエピトープを含むワクチンを、APCまたは「プロフェッショナル」APC(例えば、DC)を用いて投与し得る。本実施例において、ペプチドパルスされたDCを、患者に投与して、インビボでCTL応答を刺激する。この方法において、樹状細胞を、単離し、拡大させ、そして本発明のペプチドCTLエピトープおよびペプチドHTLエピトープを含むワクチンでパルスする。これらの樹状細胞を患者に注入して戻し、インビボでCTL応答およびHLT応答を誘発させる。次いで、誘導されたCTLおよびHTLは、このワクチン中のエピトープが由来する24P4C12タンパク質を保有する標的細胞をそれぞれ破壊するか、または破壊を促進する。
例えば、エピトープを含むペプチドのカクテルを、PBMCまたはそれから単離したDCにエキソビボで投与する。DCの回収を容易にするための医薬(例えば、ProgenipoietinTM(Monsanto、St.Louis、MO)またはGM−CSF/IL−4)を用い得る。ペプチドを用いてDCをパルスした後、および患者への再注入の前に、このDCを洗浄して、結合していないペプチドを除去する。
臨床的に理解され、そして臨床的結果に基づいて当業者により容易に決定されるように、患者に再注入されるDCの数は変化し得る(例えば、Nature Med.4:328、1998;Nature Med.2:52、1996およびProstate 32:272、1997を参照のこと)。患者1人あたり2〜50×106個のDCを代表的に投与するが、より多い数のDC(例えば、107または108)もまた、提供し得る。そのような細胞集団は、代表的に、50%〜90%の間のDCを含む。
いくつかの実施形態において、ペプチドをロードしたPBMCを、DCを精製することなく患者に注射する。例えば、薬剤(例えば、ProgenipoietinTM)での処理の後に産生されたPBMCを、DCを精製することなく患者に注射する。投与されるPBMCの総数は、しばしば、108〜1010の範囲をとる。一般的に、患者に注射される細胞用量は、例えば、特異的な抗DC抗体を用いる免疫蛍光分析により決定されるような、各患者の血液中のDCのパーセンテージに基づく。従って、例えば、ProgenipoietinTMが所定の患者の末梢血液中の2%のDCを動員し、そしてその患者が5×106 DCを受容している場合、この患者に、合計2.5×108ペプチドをロードしたPBMCを注射する。薬剤(例えば、ProgenipoietinTM)により動員されたDC%は、代表的に、2〜10%の間であると評価されるが、当業者に理解されるように変化し得る。
(エキソビボでのCTL/HTL応答の活性化)
あるいは、24P4C12抗原に対するエキソビボでのCTL応答またはHTL応答は、DCのようなAPCの供給源および免疫原性ペプチドと共に、患者の、または遺伝的に適合性のCTL前駆体細胞またはHTL前駆体細胞を、組織培養中でインキュベーションすることによって誘導され得る。適切なインキュベーション時間(典型的には約7〜28日間)後、その前駆該細胞は活性化され、そしてエフェクター細胞中へと拡大される。このエフェクター細胞は患者中に注入され、特異的標的細胞(すなわち、腫瘍細胞)を破壊する(CTL)かまたは破壊を促進する(HTL)。
(実施例33:モチーフ保有ペプチドの同定および確認の代替方法)
モチーフ保有ペプチドを同定および確認する別の方法は、規定されたMHC分子を保有する細胞からそのペプチドを溶出することである。例えば、組織型決定に使用されるEBVで形質転換されたB細胞株は、どのHLA分子をこれらが発現するかを決定するように広範に特徴付けられている。特定の場合において、これらの細胞は、HLA分子の単一型のみを発現する。これらの細胞は、目的の抗原(例えば、24P4C12)を発現する核酸でトランスフェクトされ得る。次いで、トランスフェクションの結果として産生されるペプチドの内因性抗原プロセシングによって産生されるペプチドは、細胞内のHLA分子に結合し、そして輸送されて細胞表面に提示される。次いで、温和な酸条件にさらすことによって、ペプチドをHLA分子から溶出し、そしてこれらのアミノ酸配列を、例えば、質量分析(例えば、Kuboら,J.Immunol.152:3913,1994)によって決定する。特定のHLA分子に結合するペプチドの大部分はモチーフを保有していることから、これは、細胞上で発現される特定のHLA分子と関連するモチーフ保有ペプチドを得るための代替の様式である。
あるいは、内在性HLA分子を発現しない細胞株が、単一のHLA対立遺伝子をコードする発現構築物でトランスフェクトされ得る。次いで、これらの細胞は、記載されるように使用され得る(すなわち、これらの細胞は、細胞表面上に提示されている24P4C12に対応するペプチドを単離するために、24P4C12をコードする核酸でトランスフェクトされ得る)。このような分析から得られたペプチドは、細胞中で発現される単一のHLA対立遺伝子への結合に対応するモチーフを保有する。
当業者に理解されるように、1つより多いHLA対立遺伝子を保有する細胞において同様の分析を実施し得、そしてそれに続く発現された各HLA対立遺伝子に対して特異的なペプチドを決定し得る。さらに、当業者はまた、タンパク質抗原でのローディングのようなトランスフェクション以外の手段が、細胞に対する抗原供給源の提供のために使用され得ることを認識する。
(実施例34:相補ポリヌクレオチド)
24P4C12コード配列またはその任意の部分に相補的な配列を使用して、天然に存在する24P4C12の発現を検出するか、減少するか、または阻害する。約15〜30塩基対を含むオリゴヌクレオチドの使用が記載されるが、より小さい配列フラグメントまたはより大きい配列フラグメントを用いて実質的に同一の手段を使用する。適切なオリゴヌクレオチドを、例えば、OLIGO 4.06ソフトウェア(National Biosciences)および24P4C12のコード配列を使用して設計する。転写を阻害するために、相補オリゴヌクレオチドを、最も独特な5’側配列から設計し、そしてその相補オリゴヌクレオチドを使用して、コード配列へのプロモーターの結合を阻止する。
翻訳を阻害するために、相補オリゴヌクレオチドを設計して、24P4C12をコードする転写産物へのリボソーム結合を阻止する。
(実施例35:24P4C12特異的抗体を使用する、天然に存在する24P4C12または組換え24P4C12の精製)
天然に存在する24P4C12または組換え24P4C12を、24P4C12に特異的な抗体を使用して、免疫親和性クロマトグラフィーによって実質的に精製する。免疫親和性カラムを、活性化されたクロマトグラフィー樹脂(例えば、CNBr−活性化SEPHAROSE(Amersham Pharmacia Biotech))に抗24P4C12抗体を共有結合させることによって構築する。この結合後、樹脂をブロックし、そして製造者の指示書に従って洗浄する。
24P4C12を含む媒体を、免疫親和性カラムを通過させ、そしてそのカラムを24P4C12を優先的に吸着する条件下(例えば、界面活性剤の存在下における高イオン強度緩衝液)で洗浄する。このカラムを、抗体/24P4C12の結合を妨害する条件下(例えば、pH2〜pH3の緩衝液、または高濃度のカオトロープ(例えば、尿素またはチオシアネートイオン))で溶出し、そしてGCR.Pを回収する。
(実施例36:24P4C12と相互作用する分子の同定)
24P4C12または生物学的に活性なそのフラグメントを、121 1 Bolton−Hunter試薬で標識する。(例えば、Boltonら(1973)Biochem.J.133:529.を参照のこと。)マルチウエルプレートのウェル中に事前に並べられた候補分子を、標識した24P4C12とともにインキュベートし、洗浄し、そして標識された24P4C12複合体を含む任意のウェルをアッセイする。異なる濃度の24P4C12を使用して得られたデータを使用して、候補分子との24P4C12の数、親和性、および会合の値を算出する。
(実施例37:24P4C12腫瘍増殖促進についてのインビボアッセイ)
腫瘍細胞増殖に対する24P4C12タンパク質の効果を、24P4C12を発現しているか、または欠如している細胞の腫瘍発生および腫瘍増殖を評価することによって、インビボで評価する。例えば、SCIDマウスに、tkNeo空ベクターまたは24P4C12を含む1×106個の、3T3細胞株、前立腺癌細胞株、結腸癌細胞株、卵巣癌細胞株、肺癌細胞株、または膀胱癌細胞株(例えば、PC3細胞、Caco細胞、PA−1細胞、CaLu細胞、またはJ82細胞)のいずれかを、各側腹部に皮下注射する。以下の少なくとも2つの戦略を使用し得る:(1)ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス(UK 2,211,504(1989年7月5日公表))、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルス、鳥類肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよびシミアンウイルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから得られる構成的プロモーター、または異種哺乳動物プロモーター(例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーター)(但し、これらのプロモーターは宿主細胞系と適合性である)から得られる構成的プロモーターのようなプロモーターの制御下での構成的24P4C12の発現、ならびに(2)誘導性ベクター系(例えば、エクジソン、テトラサイクリンなど)の制御下での調節された発現(但し、このようなプロモーターは宿主細胞系と適合性である)。次いで、腫瘍体積を、明らかな腫瘍の出現においてノギス(Caliper)測定によってモニターし、経時的に追跡して、24P4C12発現細胞がより早い速度で増殖する場合、24P4C12発現細胞によって産生される腫瘍が変化した攻撃性(例えば、転移の増強、血管新生、化学療法薬物に対する応答の減少)の特徴を示すか否かを、決定する。図31および図32に示されるように、24P4C12はSCIDマウスにおける腫瘍増殖に対し著しい効果を有する。前立腺癌細胞PC3およびPC3−24P4C12をSCIDマウスの右側腹部に皮下注射した。腫瘍増殖をノギス測定によって評価した。腫瘍増殖における増大は、注射して47日以内に、PC3−24P4C12腫瘍において観察された(図31)。さらに、3T3−24P4C12の皮下注射により、SCIDマウスにおける腫瘍形成を誘導した(図32)。この知見は、コントロール3T3細胞は腫瘍を形成しないので、有意であり、24P4C12は、いくつかの腫瘍増強能力(形質転換ならびに腫瘍の開始および腫瘍の促進を含む)を有することを示す。
(実施例38:インビボにおける前立腺腫瘍の24P4C12モノクローナル抗体媒介性阻害)
癌組織における24P4C12の有意な発現は、正常組織におけるその制限された発現および細胞表面局在とともに、24P4C12を、抗体治療の優れた標的にする。同様に24P4C12は、T細胞ベースの免疫治療のための標的である。従って、ヒト前立腺癌異種移植片マウスモデルにおける抗24P4C12 mAbの治療有効性を、PC3−24P4C12および3T3−24P4C12のような組換え細胞株(Kaighn,M.E.,ら,Invest Urol,1979.17(1):p.16−23を参照のこと)ならびにLAPC9のようなヒト前立腺異種移植片モデル(Saffranら,Proc Natl Acad Sci U S A.2001,98:2658)を用いて評価する。同様に、抗24P4C12 mAbを、それぞれ、J82−24P4C12、Caco−24P4C12、PA−24P4C1、またはCaLu−24P4C12のような組換え細胞株を用いたヒトの膀胱癌、結腸癌、卵巣癌、または肺癌の異種移植片モデルで評価する。
腫瘍増殖および転移形成に対する抗体効力を、例えば、マウスの同所性膀胱癌異種移植片モデルおよび前立腺異種移植片モデルにおいて研究する。この抗体は、本実施例において議論されるように非結合型であってもよく、または当該分野で理解されるように、治療様式に対し結合型であってもよい。抗24P4C12 mAbは、前立腺および膀胱の異種移植片の形成を阻害する。抗24P4C12 mAbはまた、樹立された同所性腫瘍の増殖を遅らせ、そして腫瘍保有マウスの生存を延長させる。これらの結果は、前立腺癌、結腸癌、卵巣癌、肺癌、および膀胱癌の局在的段階および進行段階の処置における抗24P4C12 mAbの有用性を示す。(例えば、Saffran,D.ら,PNAS 10:1073−1078またはwww.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.051624698を参照のこと)。
抗24P4C12 mAbの投与は、樹立された同所性腫瘍増殖の遅延、および遠位部位への転移の阻害を導き、腫瘍保有マウスの生存の有意な延長を生じる。これらの研究は、24P4C12が、免疫治療のための魅力的な標的であることを示し、そして局所性および転移性の癌の処置のための抗24P4C12 mAbの治療可能性を実証する。この実施例は、非結合型の24P4C12モノクローナル抗体がSCIDマウス中で増殖される、ヒトの前立腺癌、結腸癌、卵巣癌、肺癌、または膀胱癌の腫瘍異種移植片の増殖を阻害するために有効であることを実証する;従って、このような効果的なモノクローナル抗体の組み合わせもまた、有効である。
(複数の非結合体化24P4C12 mAbを使用する腫瘍阻害)
(材料および方法)
(24P4C12モノクローナル抗体):
モノクローナル抗体は、表題「Generation of 24P4C12 Monoclonal Antibodies(mAbs)」の実施例に記載されるように、24P4C12に対して惹起される。この抗体は、24P4C12に結合するそれらの能力について、ELISA、ウェスタンブロット、FACS、および免疫沈降によって特徴付けられる。ELISAおよびウェスタン分析によって測定されるような抗24P4C12 mAbについてのエピトープマッピングデータは、24P4C12タンパク質上のエピトープを認識する。前立腺癌の組織および細胞の、これらの抗体を用いる免疫組織化学分析が実施される。
このモノクローナル抗体は、プロテインGセファロースクロマトグラフィー、PBSに対する透析、濾過滅菌、および−20℃での貯蔵によって、腹水またはハイブリドーマ組織培養上清から精製される。タンパク質測定をBrafordアッセイ(Bio−Rad,Hercules,CA)によって実施する。治療モノクローナル抗体、または個々のモノクローナル抗体の混合物を含むカクテルを調製し、SCABER、J82、A498、769P、CaOv1またはPA1の腫瘍異種移植片の皮下的または同所的な注射を受けるマウスの処置のために使用する。
(細胞株)
前立腺癌、結腸癌、卵巣癌、肺癌および膀胱癌の癌細胞株である、Caco、PA−1、CaLuまたはJ82、ならびに繊維芽細胞株NIH 3T3(アメリカンタイプカルチャーコレクション)を、L−グルタミンおよび10%FBSを補充した培地中で維持する。
PC3−24P4C12、Caco−24P4C12、PA−24P4C12、CaLu−24P4C12またはJ82−24P4C12細胞および3T3−24P4C12細胞集団を、Hubert,R.S.,ら,Proc Natl Acad Sci USA,1999.96(25):14523に記載されるようにレトロウイルス遺伝子の移送によって作製する。
(異種移植片マウスモデル)
皮下(s.c.)腫瘍を、雄性SCIDマウスの右脇腹に、Matrigel(Collaborative Research)と1:1の希釈で混合された1×106個の癌細胞を注射することによって作製する。腫瘍形成における抗体効力を試験するために、i.p.抗体注射を、腫瘍細胞注射と同じ日に開始する。コントロールとして、マウスに、精製マウスIgG(ICN)もしくはPBS;またはヒト細胞中に発現されない無関係の抗原を認識する精製モノクローナル抗体のいずれかを注射する。腫瘍サイズは、ノギス測定によって決定され、そして腫瘍体積は、長さ×幅×高さから算出される。1.5cmよりも大きい直径のs.c.腫瘍を有するマウスを屠殺する。
同所性の注射をケタミン/キシラジンを使用することによって、麻酔下で実施する。膀胱同所性研究のために、膀胱を露出させるために腹を通って切開し、Matrigelと混合された腫瘍細胞(5×105)を10μl容量で、膀胱壁に注射する。腫瘍成長をモニターするために、BTAレベルを測定するために1週間おきにマウスから採血する。前立腺同所性研究のために、膀胱および精嚢を露出させるために腹筋を通って切開し、前立腺背部を露出させるために切開を送達する。Matrigelと混合されたLAPC−9細胞(5×105)のような腫瘍細胞を10μl容量で前立腺に注射する(Yoshida Yら,Anticancer Res.1998,18:327;Ahnら,Tumour Biol.2001,22:146)。腫瘍成長をモニターするために、PSAレベルを測定するために1週間おきにマウスを採血する。同様の手順が、肺および卵巣の異種移植片モデルについて、後に続く。マウスを、i.p.注射される抗24P4C12またはコントロールmAbでの適切な処置のためにグループに分離する。
(抗24P4C12 mAbは、24P4C12発現異種移植片癌腫瘍の増殖を阻害する)
腫瘍形成に対する抗24P4C12 mAbの効果を、膀胱の増殖および進行、ならびにPC3−24P4C12、Caco−24P4C12、PA−24P4C12、CaLu−24P4C12またはJ82−24P4C12同所性モデルを使用して、前立腺癌異種移植片に関して試験する。s.c.腫瘍モデルと比較して、これらの同所性モデルは、それぞれのマウスの前立腺、結腸、卵巣、肺および膀胱における腫瘍細胞の直接的な注射を必要とし、局所的腫瘍増殖、遠位部位への転移の発生、マウスの健康の悪化、およびそれに続く死を生じる(Saffran,D.ら,PNAS(前出);Fu,X.ら,Int J Cancer,1992.52(6):p.987−90;Kubota,T.,J Cell Biochem,1994.56(1):p.4−8)。この特徴は、同所性モデルをより代表的なヒトの疾患進行のモデルとし、そして臨床的に関連する終点におけるmAbの治療効果を追跡することを可能にする。
従って、腫瘍細胞をマウスの器官に注射し、そして2日後、このマウスを2つのグループに分けて以下のいずれかで処理する:a)200〜500μgの抗24P4C12 Ab、またはb)PBS(2〜5週間にわたり1週間に3度)。
同所性癌モデルの主要な利点は、転移の発生を研究することができることである。確立された同所性腫瘍を保有するマウス中の転移の形成は、腫瘍特異的細胞表面タンパク質(例えば、膀胱癌についての抗CK20、前立腺癌モデルについての抗STEAP)に対する抗体を使用して肺切片におけるIHC分析によって研究される(Lin Sら,Cancer Detect Prev.2001;25:202;Saffran,D.,ら,PNAS(前出))。
確立された同所性腫瘍を保有するマウスは、4週間にわたって抗24P4C12 mAbまたはPBSのいずれかの1000μg注射を投与される。両方のグループのマウスは、高い全身腫瘍組織量を確立し得、マウスの肺における転移形成を確実に高頻度にさせる。次いで、マウスを殺傷し、それらの膀胱、肝臓、骨組織および肺をIHC分析によって腫瘍細胞の存在について分析する。
これらの研究は、異種移植片マウスモデル中の前立腺癌および腎臓癌の発生および進行に対する、抗24P4C12抗体の広範な抗腫瘍効力を示す。抗24P4C12抗体は、腫瘍形成を阻害し、既に確立された腫瘍の増殖を遅延化し、処置されたマウスの生存を延長させる。さらに、抗24P4C12 mAbは、大きい全身腫瘍組織量の存在下でさえも局所的な膀胱腫瘍および前立腺腫瘍の、遠位部位への拡散に対して劇的な阻害効果を示す。従って、抗24P4C12 mAbは、主要な臨床的に関連する終点(腫瘍増殖)、生存性の延長および健康に対して効能がある。
(実施例39:ヒトにおける抗24P4C12抗体の治療的使用および診断的使用)
抗24P4C12モノクローナル抗体は安全であり、ヒトにおける診断目的、予防目的、予後目的および/または治療目的のために有効に使用される。抗24P4C12mAbを使用した、癌組織および癌異種移植片のウェスタンブロットおよび免疫組織化学的な分析は、癌において強く広範囲の着色が示されるが、正常組織において有意に低いかまたは検出不可能なレベルを示す。癌および転移疾患における24P4C12の検出は、診断指標および/または予後指標としてのmAbの有用性を実証する。抗24P4C12抗体は、従って診断適用(例えば、疑わしい患者からの癌を検出するための腎臓生体標本の免疫組織学)において使用される。
フローサイトメトリーで測定されるように、抗24P4C12mAbは、特異的に癌細胞に結合する。従って、抗24P4C12抗体は、24P4C12の発現を示す局所性癌および転移の検出のために診断的全身画像化適用(例えば、放射免疫シンチグラフィーおよび放射免疫治療)において使用される(例えば、Potamianos Sら、Anticancer Res 20(2A):925〜948(2000)を参照のこと)。
24P4C12の細胞外ドメインの細胞外環境への発散または放出(例えば、アルカリホスファターゼB10に見られる(Meerson,N,R,Hepatology 27:563〜568(1998))は、疑わしい患者からの血清および/または尿サンプルにおいて、抗24P4C12抗体による24P4C12の診断的検出を可能にする。
24P4C12を特異的に結合する抗24P4C12抗体は、24P4C12を発現する癌の処置のために、治療的な適用において使用される。抗24P4C12抗体は、非結合様式および、抗体が当該分野で周知の様々な治療的様式または画像化様式(例えば、プロドラッグ、酵素または放射性同位体)の1つと結合される、結合体化形態として使用される。前臨床の研究において、非結合および結合抗24P4C12抗体は、SCIDマウス癌異種移植モデル(例えば、腎臓癌モデルAGS−K3およびAGS−K6)における腫瘍予防および成長阻害の効能について試験される(例えば、「24P4C12 Monoclonal Antibody−Mediated Inhibition of Bladder and Lung Tumors In Vivo」と題される実施例を参照のこと)。結合抗24P4C12抗体および非結合抗24P4C12抗体のいずれかが、ヒト臨床試験における治療的様式として単独、または以下の実施例において記載されるような他の治療と組み合わせのいずれかで使用される。
(実施例40:インビボでのヒト抗24P4C12抗体の使用を介した、ヒト癌腫の処置および診断のためのヒト臨床試験)
24P4C12上のエピトープを認識する抗体を本発明に従って使用し、そしてこの抗体を、表1に列挙されるような特定の腫瘍の処置において使用する。多数の因子 (24P4C12発現レベルを含む)に基づいて、表1に列挙されるような腫瘍は、現在好ましい指標である。これらの指標の各々と関連して、3つの臨床的アプローチを、首尾よく実行する。
I.)補助的治療: 補助的治療において、患者を、化学療法剤もしくは抗新生物剤および/または放射線療法と組み合わせて、抗24P4C12抗体で処置する。表Iに列挙されるような原発性癌標的を、第一の系および第二の系の標準的な治療に、抗24P4C12抗体を付加することによって、標準的なプロトコルの下で処置する。プロトコルの設計は、腫瘍塊の減少によって評価されるような有効性および通常用量の標準的な化学療法を低減する能力を扱う。これらの投薬量の低減は、化学療法剤の用量関連毒性を低減することによって、さらなる治療および/または延長された治療を可能にする。抗24P4C12抗体は、化学療法剤または抗新生物剤のアドリアマイシン(進行した前立腺癌腫)、シスプラチン(進行した頭部および頸部の癌腫、ならびに肺癌腫)、タキソール(乳癌)およびドキソルビシン(臨床前)と組み合わせて、いくつかの補助的臨床試験において利用される。
II.) 単独療法(monotherapy):腫瘍の単独療法における抗24P4C12抗体の使用に関連して、これらの抗体は、化学療法剤も抗新生物剤も伴わずに、患者に投与される。1つの実施形態において単独療法は、広範な転移性疾患に罹患する、末期の癌患者において、臨床的に実施される。患者は、いくらかの疾患安定化を示す。試験は、癌性腫瘍を有する治療抵抗性患者において有効性を実証する。
III.) 造影剤:放射性核種(例えば、ヨウ素またはイットリウム(I131、Y90))を抗24P4C12抗体に結合させることによって、放射性標識した抗体を、診断剤および/または造影剤として利用する。このような役割において、標識された抗体は、固形腫瘍ならびに24P4C12発現細胞の転移性病変の両方に局在する。造影剤としての抗24P4C12抗体の使用に関連して、これらの抗体は、手術前スクリーニングならびにどの腫瘍が残存および/または復帰するかを決定するための術後追跡の両方として、固形腫瘍の外科的処置の補助として使用される。1実施形態において、(111In)24P4C12抗体を、24P4C12を発現する癌腫を有する患者における、第I相ヒト臨床試験において造影剤として使用する(類推として、例えば、Divgiら、J.Natl.Cancer Inst.83:97−104(1991)を参照のこと)。患者を、標準的な前方γ線カメラおよび後方γ線カメラで追跡する。これらの結果は、原発性病変および転移性病変が同定されることを示す。
(投与用量および投与経路)
当業者によって理解されるように、投与上考慮すべき事柄は、診療所において存在する類似の製品と比較して決定され得る。従って、抗24P4C12抗体は、5〜400mg/m2の範囲の投薬量で投与され得、例えば、安全性試験に関しては、より低い投薬量で使用される。その標的に対する既知の抗体の親和性と比較した抗24P4C12抗体の親和性は、類似の投薬量レジメンを決定するために当業者によって使用される1つのパラメーターである。さらに、完全にヒト抗体である抗24P4C12抗体は、キメラ抗体と比較する場合、よりゆっくりしたクリアランスを有する;従って、このような完全なヒト抗体である抗24P4C12抗体を用いる、患者における投薬は、おそらく50〜300mg/m2の範囲において、より低くあり得、なお有効なままであり得る。mg/kgでの従来の容量測定と反対に、mg/m2での投薬は、表面積に基づく測定であり、そして幼児から成人までの全てのサイズの患者を含むように設計された便利な投薬測定である。
3つの別個の送達アプローチが、抗24P4C12抗体の送達に有用である。従来の静脈内送達は、多くの腫瘍についての1つの標準的な送達技術である。しかし、腹腔内の腫瘍(例えば、卵巣、胆管、他の管などの腫瘍)に関して、腹膜腔内投与は、腫瘍において高い用量の抗体を得るために、そしてまた抗体クリアランスを最小にするために好都合であることを証明し得る。同様の様式で、特定の固形腫瘍は、局所的灌流に適切な脈管構造を有する。局所的灌流は、腫瘍部位における抗体の高い用量を可能にし、そして抗体の短期クリアランスを最小にする。
(臨床的開発計画(CDP))
概論: CDPは、補助的治療、単独療法に関して、および造影剤として、抗24P4C12抗体の処置を追跡および開発する。試験は、最初に安全性を実証し、その後反復投薬で効力を確認する。試験は、標準的な化学療法を、標準的治療+抗24P4C12抗体と比較する、オープンラベルである。理解されるように、患者の登録に関して利用され得る1つの基準は、生検によって決定されるような、患者の腫瘍における24P4C12の発現レベルである。
任意のタンパク質または抗体注入ベースの治療を用いるときのように、安全性の考慮は、主に以下に関連する:(i)サイトカイン放出症候群(すなわち、低血圧、発熱、振せん(shaking)、悪寒;(ii)物質に対する免疫応答の発生(すなわち、患者による、抗体療法に対するヒト抗体の発生、またはHAHA応答);および(iii)24P4C12を発現する正常細胞に対する毒性。標準的な試験および追跡を、これらの安全性の考慮の各々をモニタリングするために利用する。抗24P4C12抗体は、ヒト投与の際に安全であることが見出される。
(実施例41:ヒト抗24P4C12抗体および化学療法剤を用いる、ヒト臨床試験補助治療)
第I相ヒト臨床試験を、固形腫瘍(例えば、表Iに列挙される組織の癌)の処置に関して、ヒト抗24P4C12抗体の6つの静脈内用量の安全性を評価するために開始する。
この研究において、本明細書中で規定される抗新生物剤または化学療法剤(例えば、シスプラチン、トポテカン、ドキソルビシン、アドリアマイシン、タキソールなどであるが、これらに限定されない)に対する補助的治療として利用される場合、抗24P4C12抗体の単回用量の安全性を、評価する。試験設計は、抗24P4C12抗体の6つの単回用量の送達を含み、抗体の投薬量は、以下のスケジュールに従う処置過程にわたって、ほぼ約25mg/m2〜約275mg/m2まで増大する:
抗体および化学治療剤のそれぞれの投与後、患者を1週間密接に追跡する。特に、上記の安全性の問題:(i)サイトカイン放出症候群(すなわち、低血圧、発熱、振せん、悪寒);(ii)その物質に対する免疫原性応答の発生(すなわち、ヒト抗体治療剤に対する、患者によるヒト抗体の発生、またはHAHA応答);ならびに(iii)24P4C12を発現する正常細胞に対する毒性について、患者を評価する。標準的な試験および追跡試験を利用して、これらの安全性の問題のそれぞれをモニターする。患者はまた、臨床結果について、そして特に、MRIまたは他の画像化によって証明されるような腫瘍塊の低減について、評価される。
この抗24P4C12抗体は、安全かつ有効であることが実証され、第II相臨床試験はこの有効性を確認し、そして最適な投薬をさらに正確にする。
(実施例42:ヒト臨床試験:ヒト抗24P4C12抗体を用いる単独治療法(monotherapy))
抗24P4C12抗体は、上で考察した補助試験に関して安全であり、第II相ヒト臨床試験は、単独治療法についての有効性および最適な投薬を確認する。このような試験が達成され、そして患者が抗24P4C12抗体の用量を受けると同時に化学療法を受けないこと以外は、上記の補助試験と同じ安全性および結果の分析を包含する。
(実施例43:ヒト臨床試験:抗24P4C12抗体を用いる診断的画像化)
繰り返すと、上で考察した補助治療法が上で考察した安全性の判定基準内で安全である場合、ヒト臨床試験は、診断的造影剤としての抗24P4C12抗体の使用に関して行われる。このプロトコルは、当該分野で記載される様式と実質的に類似の様式で設計される(例えば、Divgiら、J.Natl.Cancer Inst.83:97−104(1991))。この抗体は、診断様式として使用される場合、安全かつ有効の両方であることが見出される。
(実施例44:既知配列との24P4C12の相同性の比較)
図3の24P4C12タンパク質は、710アミノ酸を有し、算出された分子量は、79.3kDaであり、pIは、8.9である。24P4C12のいくつかの改変体は、同定されており、4個のSNP(すなわち、v.1、v.3、v.5、v.6)および3個のスプライシング改変体(すなわちv.7、v.8、およびv.9)が挙げられる(図10および図11)。24P4C12改変体であるv.3、v.5およびv.6は、24P4C12とそれぞれ1アミノ酸が異なっており、それは各々、位置187、位置326および位置436においてである。改変体v.7は、アミノ酸237において始まる111アミノ酸の欠失を有しており、一方、改変体v.8および改変体v.9は、各々アミノ酸642およびアミノ酸378において挿入物を含んでいる。この24P4C12タンパク質は、以前にクローニングされたヒト遺伝子(すなわち、コレン(chorine)トランスポーター様タンパク質4(gi 14249468)としても公知のNG22)と相同性を示す。それらは、99%の同一性を示し、そのタンパク質の長さを超えるCTL4タンパク質と99%相同性である(図4)。24P4C12は、複数膜貫通タンパク質であり、10個、11個、または13個の膜貫通ドメインを有すると予想される。バイオインフォマティクスの分析は、24P4C12タンパク質が、いくつかの小胞体局在とと一緒に細胞膜に局在化することを示す(表Lを参照のこと)。最近の文献証拠は、24P4C12タンパク質が、細胞表面に局在化する10回膜貫通タンパク質であることを示す(O’Regan SらPNAS 2000、97:1835)。
細胞膜の不可欠な成分としてのコリンは、正常細胞もしくは腫瘍細胞の細胞の完全性、増殖、および生存において、重要な役割を果たす。コリンは、正常な対応物と関連して、腫瘍細胞中で増大する濃度において蓄積し、従って、磁気共鳴画像法によって癌細胞を検出する(Kurhanewicz Jら、J Magn Reson Imaging 2002)ためのツールの性質がある。膜の完全性を維持することにおけるコリンの役割に加えて、コリンは、膜から核への情報伝達でさえ仲介する(Spiegel S、Milstien S.J Membr Biol.1995、146:225)。コリン代謝産物は、スフィンゴシルフォスフォリルコリンおよびリソホスファチジルコリンを含み、それらの両方ともが、活性Gタンパク質結合レセプターである(Xu FらBiochim Biophys Acta 2002、1582:81)。さらに、コリンは、Raf−1を含むキナーゼ経路の活性化をもたらす(Lee M、Han SS、Cell Signal 2002、14:373)。コリンはまた、DNAのメチル化および遺伝子発現の調節においても役割を果たす。例えば、コリン代謝産物は、腫瘍増殖のために不可欠なサイトカインまたはケモカインの発現を調節する(Schwartz BMら、Gynecol Oncol.2001、81:291;Denda Aら、Carcinogenesis.2002、23:245)。細胞シグナル伝達および遺伝子発現に対するコリンの効果のために、コリンは、細胞増殖および細胞生存を制御する(Holmes−McNary MQら、J Biol Chem.2001、276:41197;Albrightら、FASEB 1996、10:510)コリン欠乏は、細胞死、アポトーシスおよび形質転換をもたらすが、一方で、コリンの蓄積は、腫瘍増殖に関連する(Zeisei Sら、Carcinogenesis 1997、18:731)。
従って、24P4C12が腫瘍形成、細胞増殖、浸潤、または細胞シグナル伝達の調節因子として機能する場合、24P4C12は、治療目的、診断目的、予後目的および/または予防目的のために用いられる。
(実施例45:潜在的なシグナル伝達経路の同定および確認)
多くの哺乳動物のタンパク質は、シグナル伝達分子と相互作用し、そしてシグナル伝達経路の調節に関与することが報告されている(J Neurochem.2001;76:217−223)。特に、コリンは、MAKカスケードおよびGタンパク質を活性化させることが報告されており、かつDAGおよびセラミドおよびスフィンゴシルフォスフォリルコリンシグナル伝達経路に関連している(Cummingsら、上記)さらに、コリンは、コリンキナーゼおよびホスホリパーゼ活性を調節することにより、シグナルを伝達し、腫瘍形成効果を促進する結果となる(Ramirezら、Oncogene.2002、21:4317;Lucasら、Oncogene.2001、20:1110;Chung Tら、Cell Signal.2000、12:279)。
免疫沈降技術およびウェスタンブロッティング技術を使用して、24P4C12と結合し、かつシグナル伝達事象を媒介するタンパク質を同定する。リン脂質経路(例えば、PI3K、AKTなど)、接着経路および移動経路(FAK、Rho、Rac−1などを含む)、ならびにERK、p38などのような有糸分裂/生存カスケードを含む、癌の生物学において役割を果たすことが知られるいくつかの経路が、24P4C12によって調節され得る(Cell Growth Differ.2000,11:279;J Biol Chem.1999,274:801;Oncogene.2000,19:3003;J.Cell Biol.1997,138:913)。ウェスタンブロッティング技法および他の技法を用いて、24P4C12のこれらの経路を調節する能力を確認する。24P4C発現細胞または24P4C12を欠く細胞は、処置されないか、またはサイトカイン、アンドロゲンおよび抗インテグリン抗体で刺激される。細胞溶解産物を、抗ホスホ(phospho)特異的抗体(Cell Signaling、Santa Cruz Biotechnology)を用いて分析し、ERK、p38、AKT、PI3K、PLCおよび他のシグナル伝達分子のリン酸化および調節を検出する。
24P4C12が細胞内で、直接的または間接的に既知のシグナル伝達経路を活性化することを確認するために、個々の遺伝子を発現する細胞において、ルシフェラーゼ(luc)ベースの転写レポーターアッセイを行う。これらの転写レポーターは、十分に特徴付けられたシグナル伝達経路の下流に位置する、既知の転写因子に対するコンセンサス結合部位を含む。これらの関連転写因子、シグナル伝達経路および活性化刺激のレポーターおよび例を、以下に列挙する。
1.NFκB−luc、NFκB/Rel;Iκ−キナーゼ/SAPK;増殖/アポトーシス/ストレス
2.SRE−luc、SRF/TCF/ELK1;MAPK/SAPK;増殖/分化
3.AP−1−luc、FOS/JUN;MAPK/SAPK/PKC;増殖/アポトーシス/ストレス
4.ARE−luc、アンドロゲンレセプター;ステロイド/MAPK;増殖/分化/アポトーシス
5.p53−luc、p53;SAPK;増殖/分化/アポトーシス
6.CRE−luc、CREB/ATF2;PKA/p38;増殖/アポトーシス/ストレス
7.TCF−luc、TCF/Lef;β−カテニン、接着/浸潤
遺伝子媒介性の影響を、mRNA発現を示す細胞においてアッセイし得る。ルシフェラーゼレポータープラスミドを、脂質媒介性トランスフェクション(TFX−50、Promega)によって導入し得る。細胞抽出物をルシフェリン基質と共にインキュベートすることによって、相対的な転写活性の指標であるルシフェラーゼ活性を測定し、そしてこの反応の発光をルミノメーターでモニタリングする。
24P4C12によって活性化されるシグナル伝達経路をマッピングし、そして治療標的の同定および確認のために使用する。24P4C12が細胞シグナル伝達に関与する場合、これは、診断目的、予後目的、予防目的および/または治療目的のための標的として使用される。
(実施例46:コリントランスポーターとしての24P4C12機能)
24P4C12の配列分析および相同性分析は、24P4C12がトランスポートドメインを有し、そして24P4C12がコリントランスポーターとして機能することを示す。24P4C12がコリンをトランスポートすることを確認するために、前立腺、結腸、膀胱および肺の株を含む初代細胞ならびに腫瘍細胞を、3H−コリンの存在下および非存在下で増殖させる。放射性コリンの取り込みを、1分あたりの取り込まれた数(cpm)を数えることにより測定する。親の24P4C12陰性細胞を、本アッセイおよび同様のアッセイを用いて24P4C12発現細胞と比較する。同様に、親細胞および24P4C12発現細胞を、NMR分光法を用いてコリン含有量について比較し得る。これらのアッセイ系を、コリンの取り込みおよび/または24P4C12の機能を干渉する低分子および抗体を同定するために用い得る。
従って、24P4C12機能を阻害するために設計された化合物および低分子、ならびに下流のシグナル伝達事象を、治療目的、予後目的および/または予防目的のために用いる。
(実施例47:転写の調節)
24P4C12の細胞表面局在化およびDNAのメチル化を調節する能力は、24P4C12が、真核生遺伝子の転写調節の調節因子として有効に使用されることを示す。遺伝子発現の調節を、例えば、24P4C12を発現するかまたは欠損する細胞における遺伝子発現を研究することによって確認する。この目的のために、2つの型の実験を行う。
第1のセットの実験において、親細胞および24P4C12発現細胞由来のRNAを、抽出し、そして市販される遺伝子アレイ(Clontech)にハイブリダイズさせる(Smid−Koopman Eら、Br J Cancer.2000.83:246)。休止細胞とFBS、フェロモンまたは増殖因子で処理した細胞とを比較する。差次的に発現した遺伝子を、当該分野で公知の手順に従って同定する。次いで、差次的に発現した遺伝子を、生物学的経路にマッピングする(Chen Kら、Thyroid.2001.11:41.)。
第2のセットの実験において、特定の転写経路活性化を、市販のルシフェラーゼレポーター構築物(NFκB−luc、SRE−luc、ELK1−luc、ARE−luc、p53−lucおよびCRE−lucを含む)(Stratagene)を使用して評価する。これらの転写レポーターは、十分に特徴付けられたシグナル伝達経路の下流に位置する公知の転写因子に対するコンセンサス結合部位を含み、そして経路活性化を確かめるためならびに経路活性化の正の調節因子および負の調節因子についてスクリーニングするための良好なツールを表す。
従って、24P4C12は、遺伝子調節における役割を果たし、そして診断目的、予後目的、予防目的および/または治療目的のための標的として使用される。
(実施例48:腫瘍進行への関与)
24P4C12遺伝子は、癌細胞の増殖に寄与し得る。腫瘍増殖における24P4C12の役割は、種々の初代細胞株およびトランスフェクトした細胞株(24P4C12を安定に発現するよう操作された前立腺細胞株、結腸細胞株、膀胱細胞株、およびNIH 3T3細胞が挙げられる)において確認される。24P4C12を欠損した親細胞および24P4C12を発現する細胞を、十分に記載された増殖アッセイ(Fraser SP、ら、Prostate 2000;44:61、Johnson DE、Ochieng J、Evans SL.Anticancer Drugs.1996、7:288)を使用して細胞増殖について評価する。前立腺癌細胞に関するそのような研究が行われ、その結果を図28に示した。親PC3細胞およびPC3−24P4C12細胞の増殖を、低いFBS(0.1%)および10%FBSにおいて比較した。24P4C12の発現は、10%FBS中で増殖するPC3細胞に対して増殖の利点を与えた。同様に、NIH−3T3細胞における24P4C12の発現は、コントロールの3T3−neo細胞と比較して、これらの細胞の増殖を促進した。24P4C12の効果もまた、細胞周期の進行について観察され得る。コントロール細胞および24P4C12発現細胞を、低い血清において一晩増殖させ、10%FBSで48時間および72時間処置する。細胞は、FACS分析によるBrdUおよびプロピジウムのヨウ素の取り込みについて分析される。
形質転換プロセスにおける24P4C12の役割を確認するために、コロニー形成アッセイにおいてその影響を調査する。ストリンジェントな条件下およびより許容的な条件下での軟寒天アッセイ(Song Z.ら Cancer Res.2000;60:6730)を使用して、24P4C12を欠損した親NIH−3T3細胞を、24P4C12を発現するNIH−3T3細胞と比較する。
癌細胞の浸潤および転移における24P4C12の役割を確認するために、十分に確立されたアッセイを使用する。限定されない実施例は、細胞が浸潤されたかどうかを検出するために用いる基底膜またはその類似物を提供するアッセイの使用である(例えば、Transwell Insert Systemアッセイ(Becton Dickinson)(Cancer Res.1999、59:6010))。コントロール細胞(24P4C12を欠損する前立腺細胞株、および膀胱細胞株を含む)を、24P4C12を発現する細胞と比較する。細胞に、蛍光染料(カルセイン)をロードし、そして細胞を基底膜類似体でコートされた支持構造物の上部ウェルにプレートし(例えば、Transwell insert)、アッセイに用いる。浸潤を、細胞集団全体の蛍光に対する、下方チャンバー中の細胞の蛍光によって決定する。
24P4C12はまた、細胞周期およびアポトーシスにおいて役割を果たし得る。親細胞および24P4C12を発現する細胞を、十分に確立されたBrdUアッセイ(Abdel−Malek ZA.J Cell Physiol.1988,136:247)を使用して、細胞周期調節における差異について比較する。簡単に言えば、細胞を、最適な条件下(十分な血清)および限定された条件下(低血清)の両方で増殖させ、BrdUで標識し、そして抗BrdU Abおよびヨウ化プロピジウムで染色する。細胞を、細胞周期のG1期、S期およびG2M期への進入について分析する。あるいは、アポトーシスに関するストレスの効果を、コントロールの親細胞および24P4C12発現細胞(正常細胞および腫瘍前立腺細胞、腫瘍結腸細胞および腫瘍肺細胞)において評価される。操作された細胞および親細胞を、種々の化学療法剤(例えば、エトポシド、フルタミドなど、およびシクロヘキサミドのようなタンパク質合成阻害剤)で処置する。細胞を、アネキシンV−FITCで染色し、そして細胞死をFACS分析により測定する。24P4C12による細胞死の調節因子は、腫瘍進行および腫瘍ロード(load)の調節において重要な役割を果たし得る。
24P4C12が細胞増殖、形質転換、浸潤またはアポトーシスにおいて役割を果たす場合、24P4C12は、診断的目的、予後目的、予防目的および/または治療目的についての標的として用いる。
(実施例49:新脈管形成への関与)
新脈管形成または新しい毛細血管形成は、腫瘍増殖に必要である(Hanahan D.Folkman J.Cell.1996,86:353;Folkman J.Endocrinology.1998 139:441)。内皮細胞に対するホスホジエステラーゼインヒビターの影響に基づいて、24P4C12は、新脈管形成において役割を果たす(DeFouw Lら、Microvasc Res 2001、62:263)。いくつかのアッセイが、インビトロおよびインビボでの新脈管形成を測定するために開発された(例えば、内皮細胞管形成および内皮細胞増殖についての組織培養アッセイ)。
これらのアッセイおよびインビトロでの新生血管新生を使用して、新脈管形成における24P4C12の役割(増強または阻害)を確認する。
例えば、24P4C12を発現するように操作された内皮細胞を、管形成アッセイおよび増殖アッセイを使用して評価する。24P4C12の影響はまた、インビボの動物モデルにおいて確認する。例えば、24P4C12を発現するかまたは欠損するかいずれかである細胞を、免疫無防備状態マウスの皮下に移植する。内皮細胞の移動および新脈管形成を、5〜15日後、免疫組織化学的技術を使用して評価する。24P4C12は新脈管形成に影響し、これは、診断目的、予後目的、予防目的および/または治療目的のための標的として使用される。
(実施例50:細胞接着への関与)
細胞接着は、組織のコロニー形成および転移に重大な役割を果す。24P4C12におけるロイシンリッチモチーフおよびシステインリッチモチーフの存在は、細胞接着における24P4C12の役割を示している。24P4C12が細胞接着を調節することを確認するために、24P4C12を欠損するコントロール細胞を、以前に記載された技術を使用して、24P4C12を発現する細胞と比較する(例えば、Haierら、Br.J.Cancer.1999,80:1867;LehrおよびPienta,J.Natl.Cancer Inst.1998,90:118を参照のこと)。手短に言えば、1つの実施形態において、蛍光指示薬(例えば、カルセイン)で標識された細胞を、培地単独でか、またはマトリックスタンパク質でコートされた組織培養ウェル上でインキュベートする。接着性細胞を、蛍光定量分析によって検出し、接着のパーセントを計算する。これらの実験系は、細胞外マトリックスへの細胞接着および細胞−細胞相互作用を調節するタンパク質、抗体および/または低分子を同定するために用いられ得る。細胞接着は、腫瘍増殖、腫瘍進行およびコロニー形成において重要な役割を果たすので、このプロセスに関与する遺伝子は、診断様式、予防様式、および治療様式として役に立ち得る。
(実施例51:癌患者標本における24P4C12タンパク質の検出)
24P4C12タンパク質の発現を測定するために、種々の癌患者から標本を得て、そして、24P4C12改変体1のアミノ酸1〜14をコードするペプチドに対して惹起され、KLHに対して結合するアフィニティー精製のポリクローナルウサギ抗体(実施例10:24P4C12ポリクローナル抗体の生成を参照のこと)を用いて染色した。この抗血清は、そのペプチドに対して高い力価(>10,000)を示し、そしてトランスフェクトされた293T細胞においては、ウェスタンブロットおよびフローサイトメトリーにより24P4C12を認識し(図24)、安定な組み換えPC3細胞においては、ウェスタンブロットおよび免疫組織化学により24P4C12を認識した(図25)。ホルマリン固定され、パラフィン包埋された組織は、4ミクロン切片にカットされ、スライドガラス上にマウントされる。その切片を、脱ワックスし、再水和し、そして高温において抗原回収(retrieval)溶液(0.1M Tris、pH10)で処置する。次いで、その切片を、ポリクローナルウサギ抗24P4C12抗体中で3時間インキュベートした。そのスライドを、緩衝液中で3回洗浄し、さらに、DAKO EnVision+TMペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギ免疫グロブリン二次抗体とともに1時間インキュベートした(DAKO Corporation、Carpenteria、CA)。次いで、切片を緩衝液中で洗浄し、DABキット(SIGMA Chemicals)を用いて展開し、ヘマトキシリンを用いて対比染色し、明視野顕微鏡により分析した。この結果は、癌患者の組織において24P4C12の発現を示した(図29および図30)。前立腺癌患者由来の組織は、腫瘍細胞および腫瘍と隣接する正常組織の前立腺上皮において24P4C12の発現を示した(図29)。概して、24P4C12の発現は、すべての前立腺腫瘍において高く、主に細胞膜の周囲に発現しており、このことは、24P4C12が前立腺組織において膜関連性であることを示す。試験された前立腺サンプルのすべては、24P4C12に対して陽性であった。24P4C12に対して陽性である他の腫瘍としては、結腸腺癌、乳管癌、膵臓腺癌、肺腺癌、膀胱移行細胞癌、および腎臓明細胞癌が挙げられる(図30)。正常組織(心臓、骨格筋、肝臓、脳、脊髄、皮膚、副腎、リンパ節、脾臓、唾液腺、小腸および胎盤を含む)を、24P4C12の発現について調査した。免疫組織化学による24P4C12の発現は、いずれにも示されなかった。腫瘍組織と隣接する正常組織もまた、24P4C12タンパク質の存在を決定するために、免疫組織化学により研究された。これらには、乳房、肺、結腸、回腸、膀胱、腎臓、および膵臓が挙げられた。これらの器官由来の組織のいくつかにおいて、24P4C12の弱い発現が存在した。この発現は、そのサンプルが真に正常というわけでなく、前癌の変化を示し得るという事実と関連し得る。明らかな形態学的変化を起こしていない組織において悪性度を同定する能力は、癌状態および前癌状態のための重要な診断様式である。
これらの結果は、24P4C12が、癌における診断適用、予防適用、予後適用および治療適用についての標的であることを示す。
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