JP2010219874A - 音響電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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Shingo Masuko
子 真 吾 増
Ryoichi Ohara
原 亮 一 尾
Kenya Sano
野 賢 也 佐
Yasuaki Yasumoto
本 恭 章 安
Naoko Yanase
瀬 直 子 梁
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Abstract

【課題】ボンディング信頼性の高いワイヤパッドを備える音響電子部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】音響電子部品は、実装基板101と、実装基板上に配置されたウェハチップ102と、ウェハチップ上に形成されたワイヤパッド104と、ワイヤパッドに接続されたワイヤ105とを備える。ワイヤパッドは、ウェハチップ上に形成された圧電膜131と、圧電膜上に形成され、ワイヤパッドの表層を形成する導電膜132とを備える。ワイヤは、圧電膜の上方において、導電膜に接続されている。圧電膜は、酸素及び窒素の少なくともいずれかを含有し、圧電膜のヤング率は、200×10[N/m]以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、音響電子部品及びその製造方法に関し、例えば、チップの表面に圧電素子が設けられ、チップの裏面に裏面空洞が設けられた音響トランスデューサに関する。
近年、携帯電話機等の通信機器には、マイク、フィルタ、発振器等の電子部品が数多く用いられている。そして、これらの電子部品に対しては、小型化及び高信頼性が強く求められている。また、これらの電子部品は、これらから製品を組み立てる際に、歩留まりよく組み立てができることも求められている。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により製造されるMEMSマイクロフォンが注目されている。MEMSマイクロフォンの例であるシリコンマイクロフォンは、シリコン基板上又はSOI(Silicon On Insulator)基板上に、薄膜の圧電膜を電極で挟み込んだ圧電素子を形成することで作製される。シリコンマイクロフォンでは、圧電素子が音圧を感知することで、電極間に電荷が発生する。このようにして、機械振動が電気信号に変換される。
シリコンマイクロフォンでは一般に、シリコン基板上又はSOI基板上に、圧電素子とワイヤパッドが設けられる。ワイヤパッドは、アルミニウム等の金属で形成され、ボンディングワイヤによる接合形成用に用いられる。
しかしながら、金属は延性材料であり、弾性変形や塑性変形が生じ得る。ワイヤパッドとワイヤとを接続する際にこれらの変形がワイヤパッドに生じると、接合形成のために投入した機械エネルギー(荷重エネルギー及び超音波エネルギー)の損失が起き、十分な接合強度が取れずに接合信頼性が下がる。そのため、従来、パッド膜厚等のパッド構成を変更する場合には、種々の条件を最適化することで接合信頼性を得る必要があった。しかしながら、最適化の条件マージンは狭いため、最適化に伴うボンディング信頼性の低下等の問題が生じていた。
なお、特許文献1には、下部電極と圧電膜と上部電極とを備え、下部電極及び上部電極の少なくともいずれかが、アルミニウムを主成分とする合金からなる電子素子が記載されている。この電子素子には、圧電膜に設けられた導通ビアを介して、下部電極と電気的に接続されたパッド(電極引き出し線)と、上部電極と電気的に接続されたパッド(電極引き出し線)とが設けられている。
また、特許文献2には、圧電膜と第1電極を有する可動梁と、第2電極を有する固定梁とを備える圧電駆動型MEMS素子が記載されている。このMEMS素子では、圧電膜を挟む第1の上部電極と第1の下部電極とが、第1のビアホールを通じて電気的に接続されており、当該圧電膜を挟む第2の上部電極と第2の下部電極とが、第2のビアホールを通じて電気的に接続されている。
特開2007−335977号公報 特開2005−313274号公報
本発明は、ボンディング信頼性の高いワイヤパッドを備える音響電子部品及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の一の態様は、例えば、実装基板と、前記実装基板上に配置されたウェハチップと、前記ウェハチップ上に形成されたワイヤパッドと、前記ワイヤパッドに接続されたワイヤとを備え、前記ワイヤパッドは、前記ウェハチップ上に形成された圧電膜と、前記圧電膜上に形成され、前記ワイヤパッドの表層を形成する導電膜とを備え、前記ワイヤは、前記圧電膜の上方において、前記導電膜に接続されていることを特徴とする音響電子部品である。
本発明の別の態様は、例えば、ウェハ上に圧電膜を形成し、前記圧電膜上に導電膜を形成し、前記圧電膜と前記導電膜とをエッチング加工して、前記圧電膜と前記導電膜とを含み、前記導電膜を表層とするワイヤパッドと、前記圧電膜と前記導電膜とを含み、前記導電膜を上部電極とする圧電素子とを形成し、前記ウェハのダイシング及びダイボンディングを行い、前記ワイヤパッド内の前記圧電膜の上方において、前記ワイヤパッド内の前記導電膜にワイヤを接続する、ことを特徴とする音響電子部品の製造方法である。
本発明によれば、ボンディング信頼性の高いワイヤパッドを備える音響電子部品及びその製造方法を提供することが可能になる。
第1実施形態の音響トランスデューサの構成を示す上面図である。 図1のA−A’線に沿った側方断面図である。 比較例の音響トランスデューサの構造を示す側方断面図である。 種々の材料のヤング率を示した表である。 第1実施形態の音響トランスデューサの製造方法を示す工程図(1/3)である。 第1実施形態の音響トランスデューサの製造方法を示す工程図(2/3)である。 第1実施形態の音響トランスデューサの製造方法を示す工程図(3/3)である。 第2、第3実施形態の音響トランスデューサの構造を示す側方断面図である。
本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の音響トランスデューサの構成を示す上面図である。また、図2は、図1のA−A’線に沿った側方断面図である。図1及び図2に示した本実施形態の音響トランスデューサは、本発明の音響電子部品の例である。
本実施形態の音響トランスデューサは、実装基板101と、本発明のウェハチップの例であるSOI(Silicon On Insulator)基板102と、実装基板101上のワイヤパッド103と、SOI基板102上のワイヤパッド104と、ワイヤ105と、圧電素子111とを備える。
実装基板101は、種々の半導体素子を実装するための基板である。実装基板101はここでは、樹脂基板である。実装基板101には、蓋接着部材107により蓋106が接着されている。図1には更に、音響トランスデューサに設けられた音孔108が示されている。
SOI基板102は、実装基板101上に配置されている。SOI基板102は、SOIウェハがダイシングされたSOIチップであり、シリコン基板121と、埋込絶縁膜122と、シリコン層123とを備える。SOI基板102を構成するシリコン基板121の面積、厚さはそれぞれ、2.5×2.5mm、0.43mmとなっている。実装基板101とSOI基板102は、ダイボンド材109により接合されている。
ワイヤパッド103、104はそれぞれ、実装基板101上、SOI基板102上に設けられている。ワイヤ105の一端は、ワイヤパッド103に接続されており、他端は、ワイヤパッド104に接続されている。ワイヤ105はここでは、金ワイヤである。
図2では、SOI基板102の表面がS1で示され、SOI基板102の裏面がS2で示されている。
SOI基板102の表面S1には、音響素子として機能する圧電素子111が設けられている。これにより、本実施形態の音響トランスデューサは、MEMSマイクロフォンとなっている。
また、SOI基板102の裏面S2には、音響容量として機能する裏面空洞201が設けられている。裏面空洞201は、圧電素子111の下部に設けられている。裏面空洞201の面積、高さはそれぞれ、1.5×1.5mm、0.43mmとなっている。
ここで、SOI基板102上に形成されたワイヤパッド104と圧電素子111の構造について説明する。
ワイヤパッド104は、図2に示すように、圧電膜131と、導電膜132とを含んでいる。圧電膜131は、SOI基板102上に形成されている。本実施形態では、圧電膜131は、AlN(窒化アルミニウム)膜であり、膜厚は1.0μmである。また、導電膜132は、圧電膜131上に形成され、ワイヤパッド104の表層を形成している。本実施形態では、導電膜132は、Al(アルミニウム)膜であり、膜厚は0.3μmである。ワイヤ105は、図2に示すように、圧電膜131の上方において、導電膜132に接続されている。
一方、圧電素子111は、図2に示すように、下部電極141と、圧電膜142と、上部電極143とを含んでいる。
下部電極141は、シリコン層123内に形成された活性層である。活性層は、シリコン層123の表面へのイオン注入により形成される。活性層は例えば、シリコン層123の表面にイオン注入マスクパターンを形成し、シリコン層123にリンイオンを打ち込むことで形成される。リンイオンの打ち込み条件は例えば、180keV及び1×1015atoms/cm2とする。これにより、下部電極141として機能する活性層が形成される。なお、下部電極141は、シリコン層123上に形成されたメタル層でも構わない。
圧電膜142は、下部電極141上に形成されている。また、圧電膜142は、ワイヤパッド104内の圧電膜131と同一組成を有する。即ち、圧電膜142は、AlN膜となっている。これは、後述のように、圧電膜131と圧電膜142とが同じAlN堆積膜から形成されることに起因する。
上部電極143は、圧電膜142上に形成されている。また、上部電極143は、ワイヤパッド104内の導電膜132と同一組成を有する。即ち、上部電極143は、Al膜となっている。これも、後述のように、導電膜132と上部電極143とが同じAl堆積膜から形成されることに起因する。
ここで、本実施形態におけるワイヤパッド104と、比較例におけるワイヤパッドとの比較を行う。
図3は、比較例の音響トランスデューサの構造を示す側方断面図である。図3には、SOI基板302と、SOI基板302上に形成されたワイヤパッド304と、ワイヤパッド304に接続されたワイヤ305とが示されている。
図3には更に、ワイヤパッド304を構成する導電膜(Al膜)312と、ワイヤパッド304の外部に位置する圧電膜(AlN膜)311とが示されている。本実施形態のワイヤパッド104が、圧電膜131と導電膜132とを備えるのに対し、比較例のワイヤパッド304は、導電膜312のみを備える。本実施形態では、ワイヤ105と導電膜132との接続位置の下部に、圧電膜131が存在しているが、比較例では、ワイヤ305と導電膜312との接続位置の下部に、圧電膜311は存在していない。
このように、比較例のワイヤパッド304は、図3に示すように、Al膜(金属膜)である導電膜312のみを備える。しかしながら、金属は延性材料であり、弾性変形や塑性変形が生じ得る。そのため、比較例のワイヤパッド304には、ボンディング信頼性が低いという問題がある。
これに対し、本実施形態のワイヤパッド104は、図2に示すように、AlN膜(金属窒化膜)である圧電膜131と、Al膜(金属膜)である導電膜132とを備える。
金属は、延性材料であり、塑性変形が生じ得るのに対し、窒化物や酸化物は、脆性材料であり、塑性変形が起こらない。そのため、本実施形態では、表層の導電膜132以外は塑性変形をせずに、ワイヤパッド104へのボンディングを行うことが可能である。その結果、本実施形態では、接合形成の際に投入する機械エネルギーの散逸を減少させ、機械エネルギーを効率的に使用することができる。従って、本実施形態では、プロセスウィンドウを大きくすることができ、条件マージンを大きくすることができる。
この観点から言えば、圧電膜131は、AlN膜以外の酸化膜又は窒化膜でも構わない。即ち、圧電膜131は、酸素(O)及び窒素(N)の少なくともいずれかを含有する膜とすることができる。
このように、本実施形態のワイヤパッド104では、金属膜である導電膜132の下部に、酸化膜又は窒化膜である圧電膜131を形成することで、機械エネルギーが効率的に使用され、比較的小さい機械エネルギーでも未付着が生じにくくなり、ワイヤボンディング性を向上することができる。これは特に、導電膜132の厚さが薄いときのボンディング性の向上に効果的である。また、圧電膜131はさらに、バリアメタル層としても機能する。圧電膜131のバリアメタル効果は、圧電膜131が厚膜のときに特に強く発揮される。ワイヤボンディングでは、荷重及び超音波印加による機械的エネルギーと、加熱による熱エネルギーにより、接合が形成される。
一方、ある材料が弾性変形するか否かを判断する際には、弾性変形のしやすさの尺度である、その材料のヤング率が指標となる。圧電膜131のヤング率が低いと、ボンディングの際に圧電膜131の弾性変形が生じやすくなるため、圧電膜131のヤング率は、高い方が望ましい。後述のように、本発明者らの鋭意検討によれば、圧電膜131のヤング率が200×10[N/m]以上のときに、ワイヤパッド104のボンディング信頼性は良好になることが解った。
図4は、種々の材料のヤング率を示した表である。図4に示すように、AlNのヤング率は、395×10[N/m]であり、200×10[N/m]より大きい。そのため、本実施形態では、ワイヤパッド104の弾性変形が生じにくくなっており、ワイヤパッド104のボンディング信頼性を良好にすることができる。
この観点から言えば、圧電膜131は、200×10[N/m]以上のヤング率を有するAlN膜以外の膜でも構わない。そして、弾性変形及び塑性変形の両方を抑制する観点から言えば、圧電膜131は、200×10[N/m]以上のヤング率を有する酸化膜又は窒化膜とすることが望ましい。
このように、本実施形態のワイヤパッド104は、導電膜132の下地層として、ヤング率が200×10[N/m]以上の酸化膜又は窒化膜を有することが望ましい。この酸化膜又は窒化膜は、圧電膜でなくても構わないが、本実施形態のように圧電膜とすることが望ましい。理由は、圧電素子111の圧電膜とワイヤパッド104の圧電膜とを同じ堆積膜から形成することで、圧電素子111及びワイヤパッド104の形成工程を簡略化することが可能になるからである。これは、圧電素子111の上部電極とワイヤパッド104の導電膜についても、同様である。
また、本実施形態のワイヤパッド104は、Al膜である導電膜132を含むと共に、シリコン層123上に形成されている。この場合、導電膜132とシリコン層123とが広範に接触していると、ウェハ工程中にウェハに印加される熱により、導電膜132中のアルミニウムとシリコン層123中のシリコンとの混ざり合いが起こり、ワイヤ105の未付着が多発してしまう。
しかしながら、本実施形態では、導電膜132とシリコン層123との間に、AlN膜である圧電膜131が介在している。これにより、本実施形態では、ウェハの加熱時に、導電膜132中のアルミニウムとシリコン層123中のシリコンとが混ざり合うのを抑制することができる。これにより、本実施形態では、シリコンの混入によるワイヤパッド104へのダメージを低減することができ、ワイヤ接合の信頼性を向上することができる。本実施形態のワイヤパッド104に全自動金ワイヤボールボンダを用いてワイヤ105を接続したところ、ワイヤ105の未付着が発生せず、ワイヤパッド104にワイヤ105を適切に接続することができた。
本実施形態では、圧電膜131は、AlN膜であるが、AlN膜以外の圧電膜でも構わない。このような圧電膜の例として、PZT、Pb(MgXNbY)O3、Pb(MnXSbY)O3、Pb(CoXNbY)O3、Pb(MnXNbY)O3、Pb(NiXNbY)O3、Pb(SbXSnY)O3、Pb(CoXWY)O3、Pb(MgXWY)O3、ZnO、PbTiO3、BaTiO3等が挙げられる。
以下、本実施形態のワイヤパッド104の構成例について説明する。
本発明者らは、本実施形態のワイヤパッド104に関し、いくつかの構成例を比較検討し、図2に示す構成が望ましいとの結論に至った。ここでは、本発明者らによる検討結果について説明する。
まず、ワイヤパッド104の構造を、Cu/Ni/Alという積層構造にし、樹脂基板上に形成した。Cu/Ni/Auとの表記は、Cu,Ni,Auがそれぞれ、下位層,中位層,上位層であることを意味する。Cu,Ni,Auの厚さはそれぞれ、30μm,3μm,0.3μmに設定した。Cu,Ni,Auのヤング率はそれぞれ、110×109[N/m2],207×109[N/m2], 80×109[N/m2]である。このワイヤパッド104に金ワイヤを接続したところ、良好な接続が得られた。
次に、ワイヤパッド104を、Alのみで構成し、Si基板上に形成した。Si基板,Alの厚さはそれぞれ、400μm,0.3μmに設定した。Si,Alのヤング率はそれぞれ、131×109[N/m2],68×109[N/m2]である。このワイヤパッド104に金ワイヤを接続したところ、通常の条件では、良好なワイヤボンディングを行うことは難しいことが判明した。
次に、ワイヤパッド104を、AlN/Alという積層構造にし、Si基板上に形成した。AlN/Alとの表記は、AlN,Alがそれぞれ、下位層,上位層であることを意味する。Si基板,AlN,Alの厚さはそれぞれ、400μm,1.0μm,0.3μmに設定した。Si,AlN,Alのヤング率はそれぞれ、131×109[N/m2],395×109[N/m2],68×109[N/m2]である。このワイヤパッド104に金ワイヤを接続したところ、通常の条件で、ワイヤボンディングの良好な接続が得られることが判明した。
2番目の結果から、下地がSiであると、ヤング率が足りないことが確認された。また、1番目の結果では、Au及びCuのヤング率が、Siのヤング率より低いにもかかわらず、良好が接続が得られている。よって、下地がNiであると、ヤング率が足りていることが確認された。Niのヤング率は、207×109[N/m2]である。よって、下地の材料のヤング率は、200×109[N/m2]程度あれば十分であることが解った。また、3番目の結果から、下地がAlNであると、ヤング率が足りていることが確認された。AlNのヤング率は、395×109[N/m2]である。
このように、下地がAlN又はNiであれば、良好な接続が得られる。ただし、上述のように、Ni等の金属は塑性変形を起こすため、より条件マージンを得るためには、塑性変形を起こさない酸化物又は窒化物が、下地として望ましい。
なお、下地のヤング率の下限としては、Niのヤング率を採用して、200×109[N/m2]と規定した。上記の結果から、下地のヤング率は、Niのヤング率程度の値があれば、十分であることが判明したからである。
図5〜図7は、本実施形態の音響トランスデューサの製造方法を示す工程図である。
まず、SOI基板102を用意する(図5(A))。SOI基板102はここでは、6インチSOIウェハとする。SOI基板102は、シリコン基板(半導体基板)121と、シリコン基板121上に形成された埋込絶縁膜122と、埋込絶縁膜122上に形成されたシリコン層(半導体層)123とを備える。次に、シリコン層123へのイオン注入を行い、その後、SOI基板102を加熱して活性化処理を行う。これにより、シリコン層123内に下部電極141が形成される(図5(A))。
次に、スパッタリングにより、シリコン層123上に、圧電膜401を堆積する(図5(B))。圧電膜401はここでは、AlN膜である。次に、図5(B)に示すように、圧電膜401のエッチング加工を行い、圧電膜401をパターニングする。これにより、後述のように、圧電膜401から、ワイヤパッド104用の圧電膜131と、圧電素子111用の圧電膜142とが形成される(図6(C)参照)。
次に、スパッタリングにより、圧電膜401上に、導電膜402を堆積する(図5(C))。導電膜402はここでは、Al膜である。次に、図5(C)に示すように、導電膜402のエッチング加工を行い、導電膜402をパターニングする。これにより、後述のように、導電膜402から、ワイヤパッド104用の導電膜132と、圧電素子111用の上部電極143とが形成される(図6(C)参照)。更には、導電膜402を貫通する穴411が形成される(図5(C))。
次に、図6(A)に示すように、穴411内に露出した圧電膜401のエッチング加工を行う。これにより、穴411が圧電膜401及びシリコン層123を貫通する。
次に、図6(B)に示すように、SOI基板102の裏面側から、シリコン基板121の薄化を行う。これにより、シリコン基板121の裏面側の絶縁膜が除去される。
次に、図6(C)に示すように、SOI基板102の裏面側から、シリコン基板121及び埋込絶縁膜122のエッチング加工を行う。これにより、シリコン基板121及び埋込絶縁膜122を貫通し、穴411とつながる裏面空洞201が形成される。
このように、図5(A)〜図6(C)の工程により、圧電膜131と導電膜132とを含み、導電膜132を表層とするワイヤパッド104と、下部電極141と圧電膜142と上部電極143と含む圧電素子111とが形成される。本実施形態では、圧電膜131と圧電膜142とを同じ堆積膜(401)から形成すると共に、導電膜132と下部電極143とを同じ堆積膜(402)から形成することで、ワイヤパッド104及び圧電素子111の形成工程が簡略化されている。
次に、SOI基板(SOIウェハ)102のダイシングを行う。これにより、SOI基板102が、複数のSOIチップに分割される(図7(A))。次に、SOI基板(SOIチップ)102のダイボンディングを行う。これにより、SOI基板102が、ダイボンド材109により実装基板101に接合される(図7(A))。図7(A)には、実装基板101上に設けられたワイヤパッド103が示されている。
次に、正ボンディングにより、ワイヤパッド103及び104のワイヤボンディングを行う。当該ワイヤボンディングではまず、SOI基板102上のワイヤパッド104上にファーストボンディングを行い、ワイヤ105の一端を、ワイヤパッド104に接続し、次に、実装基板101上のワイヤパッド103上にセカンドボンディングを行い、ワイヤ105の他端を、ワイヤパッド103に接続する。これにより、ワイヤパッド103とワイヤパッド104とが、ワイヤ105で繋がれる(図7(B))。図7(B)には、ファーストボンディングの際にワイヤパッド104上に生じた塊状のワイヤ部材が示されている。なお、ワイヤパッド104側では、ワイヤ105は、圧電膜131の上方において、導電膜132に接続される。
次に、実装基板101の封止を行う。これにより、実装基板101には、蓋接着部材107により蓋106が取り付けられる(図7(C))。図7(C)には、蓋106に設けられた音孔108が示されている。以上のようにして、本実施形態の音響トランスデューサが完成する。
以上のように、本実施形態では、ウェハチップ上のワイヤパッドは、ウェハチップ上に形成された圧電膜と、圧電膜上に形成され、ワイヤパッドの表層を形成する導電膜とを備える。これにより、本実施形態では、ボンディング信頼性の高いワイヤパッドを実現することが可能となる。このようなワイヤパッドは例えば、上記圧電膜を、ヤング率が200×10[N/m]以上の酸化膜又は窒化膜とすることで実現される。また、圧電素子の圧電膜とワイヤパッドの圧電膜とを同じ堆積膜から形成することで、圧電素子及びワイヤパッドの形成工程を簡略化することが可能となる。
なお、本実施形態では、音響電子部品の例として、音響トランスデューサを取り上げたが、本実施形態は、音響トランスデューサ以外の音響電子部品にも適用可能である。
以下、第2及び第3実施形態の音響トランスデューサについて説明する。第2及び第3実施形態は、第1実施形態の変形例であり、第2及び第3実施形態については、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
(第2及び第3実施形態)
図8(A)は、第2実施形態の音響トランスデューサの構造を示す側方断面図である。本実施形態の音響トランスデューサは、ワイヤパッド104に代わり、ワイヤパッド501を備える。
図2に示すワイヤパッド104では、導電膜132が、圧電膜131上にダイレクトに形成されている。これに対し、図8(A)に示すワイヤパッド501では、導電膜132が、バリアメタル層502を介して、圧電膜131上に形成されている。バリアメタル層502の例としては、Ti(チタン)層、Cu(銅)層、Ni(ニッケル)層、Zn(亜鉛)層、V(バナジウム)層等が挙げられる。このように、圧電膜131と導電膜132との間には、1層以上の何らかの層を介在させても構わない。第2実施形態には例えば、圧電膜131と導電膜132との密着力を向上できるという利点がある。
図8(B)は、第3実施形態の音響トランスデューサの構造を示す側方断面図である。本実施形態の音響トランスデューサは、SOI基板102に代わり、シリコン基板601を備える。
図2では、ワイヤパッド104及び圧電素子111が、SOI基板102を構成するシリコン層123の表面に形成されている。これに対し、図8(B)では、ワイヤパッド104及び圧電素子111が、シリコン基板601の表面に形成されている。第3実施形態には例えば、SOI基板102ではなくシリコン基板601を採用するため、基板を用意するコストが低減されるという利点がある。
なお、図2では、ワイヤパッド104を形成する際、SOI基板102を構成するシリコン基板121や埋込絶縁膜122を露出させて、ワイヤパッド104を、シリコン基板121や埋込絶縁膜122の表面に形成してもよい。
第2及び第3実施形態では、第1実施形態と同様、ウェハチップ上のワイヤパッドは、ウェハチップ上に形成された圧電膜と、圧電膜上に形成され、ワイヤパッドの表層を形成する導電膜とを備える。これにより、第2及び第3実施形態では、第1実施形態と同様、ボンディング信頼性の高いワイヤパッドを実現することが可能となる。なお、第1から第3実施形態では、ウェハチップ上のワイヤパッド上に保護膜を形成し、該ワイヤパッド内の導電膜がさびるのを防止してもよい。
以上、本発明の具体的な態様の例を、第1から第3実施形態により説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
101 実装基板
102 SOI基板
103 実装基板上のワイヤパッド
104 SOI基板上のワイヤパッド
105 ワイヤ
111 圧電素子
121 シリコン基板
122 埋込絶縁膜
123 シリコン層
131 圧電膜
132 導電膜
141 下部電極
142 圧電膜
143 上部電極
201 裏面空洞

Claims (5)

  1. 実装基板と、
    前記実装基板上に配置されたウェハチップと、
    前記ウェハチップ上に形成されたワイヤパッドと、
    前記ワイヤパッドに接続されたワイヤとを備え、
    前記ワイヤパッドは、
    前記ウェハチップ上に形成された圧電膜と、
    前記圧電膜上に形成され、前記ワイヤパッドの表層を形成する導電膜とを備え、
    前記ワイヤは、前記圧電膜の上方において、前記導電膜に接続されていることを特徴とする音響電子部品。
  2. 前記圧電膜は、酸素及び窒素の少なくともいずれかを含有することを特徴とする請求項1に記載の音響電子部品。
  3. 前記圧電膜のヤング率は、200×10[N/m]以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の音響電子部品。
  4. 更に、前記ウェハチップ上に形成された圧電素子を備え、
    前記圧電素子は、
    前記ウェハチップ上又は前記ウェハチップ内に形成された下部電極と、
    前記下部電極上に形成され、前記ワイヤパッド内の前記圧電膜と同一組成を有する圧電膜と、
    前記下部電極上の前記圧電膜上に形成され、前記ワイヤパッド内の前記導電膜と同一組成を有する上部電極と、
    を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の音響電子部品。
  5. ウェハ上に圧電膜を形成し、
    前記圧電膜上に導電膜を形成し、
    前記圧電膜と前記導電膜とをエッチング加工して、前記圧電膜と前記導電膜とを含み、前記導電膜を表層とするワイヤパッドと、前記圧電膜と前記導電膜とを含み、前記導電膜を上部電極とする圧電素子とを形成し、
    前記ウェハのダイシング及びダイボンディングを行い、
    前記ワイヤパッド内の前記圧電膜の上方において、前記ワイヤパッド内の前記導電膜にワイヤを接続する、
    ことを特徴とする音響電子部品の製造方法。
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JP2013115595A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Murata Mfg Co Ltd 音響素子

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