JP2010219863A - 超音波流量計及び超音波流量計用ノイズ波除去器 - Google Patents

超音波流量計及び超音波流量計用ノイズ波除去器 Download PDF

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Abstract

【課題】従来より精度よく計測することができる超音波流量計及び超音波流量計用ノイズ波除去器の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係る超音波流量計10は、計測流路13から分岐し計測用超音波を送受波可能な超音波送受波器20を奥部に備えた素子受容凹部15と、その円筒内面16の中間部に近似波長ノイズ波除去溝17とを備えている。そして、近似波長ノイズ波除去溝17の溝幅を計測用超音波の半波長の整数倍としたことで、計測用超音波に近似した波長のノイズ波が計測流路13内を伝播しても、そのノイズ波が近似波長ノイズ波除去溝17が形成された領域R1を通過する際に低減又は除去することができる。これにより、ノイズ波の影響を抑えた計測が可能になり、従来より計測精度を上げることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波流量計及び超音波流量計に取り付けられるノイズ波除去器に関する。
一般に、超音波流量計は、流体送給パイプの途中に取り付けられ、その流体送給パイプ内を流れる流体に、所定の波長の計測用超音波を伝播させて流量を計測する(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−111690号公報(段落[0002]、[0027],第2図、第9図)
しかしながら、上記した流体送給パイプには、超音波流量計の近傍に、バルブが取り付けられていたり、パイプ同士の接続溝が存在していて、そこで生じた乱流によって計測用超音波に近似した波長又は同じ波長のノイズ波が発生する場合がある。そして、超音波流量計により計測を行う際に、ノイズ波と計測用超音波とが混在して流体を伝播した状態になり、計測精度が低下する場合が生じ得た。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ノイズ波の影響を抑えて、従来より計測精度を向上させることが可能な超音波流量計及び超音波流量計用ノイズ波除去器の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る超音波流量計は、流体が通過する流路の内面に1対の素子受容凹部を陥没形成し、それら1対の素子受容凹部の奥部に備えた1対の超音波素子の間で計測用超音波を送受波して、流体の流量を計測する超音波流量計において、受波側の超音波素子を備えた素子受容凹部には、流路の内面側の開口から奥部まで延びた筒形内面と、筒形内面の中間部に溝状に陥没形成されかつその溝幅が計測用超音波の半波長の整数倍にされて計測用超音波と異なる波長のノイズ波を低減又は除去可能な近似波長ノイズ波除去溝とが備えられてところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の超音波流量計において、流路のうち1対の素子受容凹部の上流側又は下流側の一方或いは両方に、流路の中間部を溝状に陥没させてかつその溝幅を計測用超音波の半波長の整数倍からずらして計測用超音波と同じ波長のノイズ波を低減又は除去可能とした同波長ノイズ波除去流路溝を設けたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の超音波流量計において、流路が内側を直線状に貫通したベース部を備え、素子受容凹部の筒形内面は、流路の軸方向と斜めに交差する方向に延びた円筒内面とされ、近似波長ノイズ波除去溝は、円筒内面の中間部を拡径した環状溝構造になっているところに特徴を有する。
請求項4の発明に係る超音波流量計は、流体が通過する流路の途中に備えた1対の超音波素子の間で計測用超音波を送受波して、流体の流量を計測する超音波流量計において、流路のうち1対の超音波素子の上流側又は下流側の一方或いは両方に、流路の中間部を溝状に陥没させてかつその溝幅を計測用超音波の半波長の整数倍からずらし、計測用超音波と同じ波長のノイズ波を低減又は除去可能な同波長ノイズ波除去流路溝にしたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載の超音波流量計において、流路のうち1対の超音波素子の上流側又は下流側の一方或いは両方に、流路の中間部を溝状に陥没させかつその溝幅を計測用超音波の半波長の整数倍にして計測用超音波と異なる波長のノイズ波を低減又は除去可能とした近似波長ノイズ波除去流路溝を設けたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項2,4又は5の何れか1の請求項に記載の超音波流量計において、同波長ノイズ波除去流路溝の溝幅は、計測用超音波の1/4波長の奇数倍であるところに特徴を有する。
請求項7の発明に係る超音波流量計用ノイズ波除去器は、流体が流れるパイプの途中に超音波流量計と共に取り付けられ、内側を通過する流体のノイズ波を除去するための超音波流量計用ノイズ波除去器であって、パイプ内の流路と超音波流量計内の流路との間を連絡する中継流路を内側に備え、中継流路の内面の中間部を溝状に陥没させてその溝幅を超音波流量計で使用する計測用超音波の半波長の整数倍からずらし、計測用超音波と同じ波長のノイズ波を低減又は除去可能な同波長ノイズ波除去流路溝にしたところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項7に記載の超音波流量計用ノイズ波除去器において、同波長ノイズ波除去流路溝の溝幅は、計測用超音波の1/4波長の奇数倍であるところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の超音波流量計では、計測用超音波に近似した波長のノイズ波が、超音波流量計の流路又はその流路に繋がる外部流路の何れかの場所で発生して、そのノイズ波と計測用超音波とが混在して流体を伝播しても、受波側の超音波素子を備えた素子受容凹部内の近似波長ノイズ波除去溝によりノイズ波が低減又は除去される。これにより、計測用超音波と近似した波長のノイズ波の影響を抑えた計測が可能になり、従来より計測精度が向上する。
[請求項2の発明]
請求項2の超音波流量計では、流路のうち1対の素子受容凹部の上流側又は下流側で計測用超音波と同じ波長のノイズ波が発生しても、そのノイズ波を同波長ノイズ波除去流路溝にて低減又は除去することができる。これにより、計測用超音波と同じ波長のノイズ波の影響を抑えた計測が可能になり、従来より計測精度が向上する。
[請求項3の発明]
請求項3の超音波流量計では、ベース部を直線状に貫通した流路の軸方向に流体が流れ、その流路の軸方向と斜めに交差する方向に延びた円筒内面を有する素子受容凹部内では流体が滞留する。そして、その滞留した流体を計測用超音波が伝播する際に、受波側の超音波素子を備えた素子受容凹部内の近似波長ノイズ波除去溝によりノイズ波が低減又は除去される。
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、超音波流量計における1対の超音波素子の上流側又は下流側で、計測用超音波と同じ波長のノイズ波が発生しても、そのノイズ波を同波長ノイズ波除去流路溝にて低減又は除去することができる。これにより、計測用超音波と同じ波長のノイズ波の影響を抑えた計測が可能になり、従来より計測精度が向上する。
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、超音波流量計における1対の超音波素子の上流側又は下流側で、計測用超音波と近似した波長のノイズ波が発生して、そのノイズ波を同波長ノイズ波除去流路溝にて低減又は除去することができる。これにより、計測用超音波と近似した波長のノイズ波の影響を抑えた計測が可能になり、従来より計測精度が向上する。
[請求項6の発明]
請求項6の構成では、同波長ノイズ波除去流路溝の溝幅を、計測用超音波の1/4波長の奇数倍にしたので、計測用超音波と同じ波長のノイズ波を最も効果的に低減又は除去することができる。
[請求項7の発明]
請求項7の超音波流量計用ノイズ波除去器は、超音波流量計と組み合わせて流体が流れるパイプの途中に取り付けることで、計測用超音波と同じ波長のノイズ波が、超音波流量計側に伝播することを防ぐことができる。これにより、計測用超音波と同じ波長のノイズ波の影響を抑えた計測が可能になり、従来より計測精度が向上する。
[請求項8の発明]
請求項8の構成では、同波長ノイズ波除去流路溝の溝幅を、計測用超音波の1/4波長の奇数倍にしたので、計測用超音波と同じ波長のノイズ波を最も効果的に低減又は除去することができる。
本発明の第1実施形態に係る超音波流量計の側断面図 第2実施形態に係る超音波流量計の側断面図 第3実施形態に係る超音波流量計の側断面図 本発明の変形例に係る超音波流量計の側断面図 本発明の変形例に係る超音波流量計の側断面図 本発明の変形例に係る超音波流量計の側断面図
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。本実施形態の超音波流量計10は、円筒状の計測スリーブ11の両端部からフランジ11F,11Fを側方に張り出した構造のベース部12を備えている。また、計測スリーブ11の内側が、流量計測の対象の流体を流すための計測流路13になっている。そして、このベース部12は、例えば、都市ガス用のガス管80の途中に固定されている。具体的には、ガス管80の途中部分が分断されて、その分断部分における各ガス管80の先端にフランジ80Fが設けられている。そして、各ガス管80のフランジ80Fと、ベース部12の両端のフランジ11Fとが間にパッキン80Pを挟んでボルト(図示せず)にて固定されている。これにより、分断されたガス管80,80の間が計測スリーブ11によって連絡され計測流路13を流体としてのガスが流れる。
計測スリーブ11の外面には、1対の分岐管14,14が設けられている。これら1対の分岐管14,14は、例えば、計測スリーブ11より小径の円筒状をなし、計測スリーブ11の中心軸に対して斜めに交差する直線上に配置されて、計測スリーブ11から互いに異なる方向に突出している。また、各分岐管14の先端部は、終端壁14Aにて閉塞される一方、分岐管14の基端部は、計測スリーブ11内に連絡されている。そして、それら各分岐管14の内側部分が、計測スリーブ11の内面から陥没した本発明に係る素子受容凹部15になっている。
各素子受容凹部15の内側面は、本発明に係る円筒内面16になっている。その円筒内面16には、終端壁14A寄り位置に、素子係止溝15Aが形成されている。そして、各素子係止溝15Aに、超音波送受波器20(本発明の「超音波素子」に相当する)がそれぞれ係止し、これにより、1対の超音波送受波器20,20が、計測流路13を間に挟んで同軸上に配置されている。詳細には、超音波送受波器20は、受波器本体部20Hから円板状の取付フランジ20Fを張り出した形状をなし、その取付フランジ20Fの外縁部が素子係止溝15A内に係止している。また、超音波送受波器20Hから終端壁14A側に延びた延びたケーブル20Cは、終端壁14Aに形成された図示しないケーブル挿通孔を介して外部へ引き出され、図示しない信号処理回路に接続されている。なお、ケーブル挿通孔には、気密シールが施されている。
信号処理回路は、1対の超音波送受波器20,20の間で双方向で、本発明に係る「計測用超音波」を送受波させる。そして、一方の超音波送受波器20から送波された計測用超音波が、各素子受容凹部15内及び計測流路13内のガスを伝播して他方の超音波送受波器20に到達するまでの伝播時間と、その逆方向に計測用超音波が伝播した際の伝播時間とを信号処理回路が演算して、それら伝播時間に基づき、計測流路13内を流れる流体の流量を計測する。
さて、素子受容凹部15の円筒内面16には、計測流路13側の端部と素子係止溝15Aと間に、本発明に係る近似波長ノイズ波除去溝17が形成されている。具体的には、各分岐管14のうち軸方向の中間部分を側方に膨出させて鍔状膨出部14Kを形成し、その鍔状膨出部14Kの内側部分が近似波長ノイズ波除去溝17になっている。
素子受容凹部15の円筒内面16に対しては、近似波長ノイズ波除去溝17は円筒内面16を段付き状に拡径させた環状溝構造をなし、近似波長ノイズ波除去溝17の溝幅は、計測用超音波の1/2波長の整数倍になっている。即ち、近似波長ノイズ波除去溝17の溝幅をW1、計測用超音波の波長をλとすると、近似波長ノイズ波除去溝17の溝幅W1は、以下の関係式(1)を満たしている。
W1=1/2・λ・n (n=1,2,3,・・・) ・・・(1)
この構成により、素子受容凹部15内のガスを伝播して超音波送受波器20に向かう音波のうち、計測用超音波と異なる波長のノイズ波は、近似波長ノイズ波除去溝17によって低減又は除去される一方、計測用超音波は、近似波長ノイズ波除去溝17にて実質的に低減又は除去されることなく超音波送受波器20に到達する。その原理は、以下のとおりである。
即ち、素子受容凹部15内を超音波送受波器20に向かって伝播する音波は、素子受容凹部15の軸方向において近似波長ノイズ波除去溝17が形成された範囲の円柱状のノイズフィルタ領域R1を通過する際に、近似波長ノイズ波除去溝17における溝側面17S,17Sで反射する。このとき、溝側面17S,17Sの間を往復して超音波送受波器20に向かって進む音波(以下、「遅延波」という)は、溝側面17Sによって反射されずに超音波送受波器20に向かって進む音波(以下、「正規波」という)と比して、近似波長ノイズ波除去溝17の溝幅W1を往復した分だけ遅れて進む。ここで、上記関係式(1)を満たす計測用超音波に関しては、遅延波が正規波から1波長(1周期)の整数倍だけ遅れることになり、両者の位相は同じになる。この結果、正規波は遅延波によって低減又は除去されることなくノイズフィルタ領域R1を通過して超音波送受波器20に到達する。一方、計測用超音波と異なる波長のノイズ波では、上記関係式(1)を満たしていないので、遅延波の遅れが1波長(1周期)の整数倍からずれ、正規波と遅延波の位相がずれる。これにより、正規波は遅延波によって低減又は除去され、ノイズ波が超音波流量計20に到達することが規制される。
本実施形態の超音波流量計10の構成に関する説明は以上である。次に、この超音波流量計10の作用効果について説明する。本実施形態の超音波流量計10は、例えば、都市ガスの幹線路に配置されてガス管80を流れるガスの流量を検出する。ここで、都市ガスの幹線路の途中に流量調整バルブが備えられていると、その流量調整バルブを通過する際にガスが乱流になり、計測用超音波に近い周波数のノイズ波が発生する場合がある。又は、ガス管80,80同士を接続した接続部のパッキンが、例えばガス管80の内側に突出して障壁となり、そこでガスが乱流になって計測用超音波に近い周波数のノイズ波が発生する場合がある。
このように、ガス管80の任意の場所で発生したノイズは、ガス管80内のガスを伝播してノイズ波発生源から離れた上流及び下流に向かって進む。そして、そのようなノイズ波発生源の近くに超音波流量計10が配置されると、超音波流量計10のガスにもノイズ波は伝播する。
このとき、超音波流量計10でガスの流量を計測していると、超音波流量計10のガスにはノイズ波と計測用超音波とが混在して流体を伝播することになる。しかしながら、本実施形態の超音波流量計10では、受波側の超音波送受波器20の近傍に配置された素子受容凹部15内の近似波長ノイズ波除去溝17により、計測用超音波と異なる周波数のノイズ波が低減又は除去される。一方、計測用超音波は、近似波長ノイズ波除去溝17により実質的に低減又は除去されることなく、超音波送受波器20に受波される。これにより、計測用超音波と近似した波長のノイズ波の影響を抑えた計測が可能になり、従来より流量の計測精度が向上する。また、本実施形態の超音波流量計10では、超音波送受波器20を受容した素子受容凹部15内に近似波長ノイズ波除去溝17を配置したので、効率良くノイズ波を低減又は除去することができると共に、計測スリーブ11の途中に設けた場合に比べて、近似波長ノイズ波除去溝17を小型化にすることができる。
[第2実施形態]
本実施形態の超音波流量計10Vは、図2に示されており、前記第1実施形態の超音波流量計10のうち計測スリーブ11における両端寄り位置に本発明に係る同波長ノイズ波除去流路溝30,30を備えた構造になっている。具体的には、計測スリーブ11のうち両端寄り位置で計測スリーブ11の一部を側方に膨出させて鍔状膨出部11K,11Kをそれぞれ形成し、それら各鍔状膨出部11Kの内側部分が同波長ノイズ波除去流路溝30になっている。そして、各同波長ノイズ波除去流路溝30は、計測流路13の内周面を段付き状に拡径させた環状溝構造をなし、同波長ノイズ波除去流路溝30の溝幅は、計測用超音波の1/2波長の整数倍からずらした大きさになっている。具体的には、同波長ノイズ波除去流路溝30の溝幅は、計測用超音波の1/4波長の奇数倍になっている。即ち、同波長ノイズ波除去流路溝30の溝幅W2は、以下の関係式(2)を満たしている。
W2=1/4・λ・(2n−1) (n=1,2,3,・・) ・・・(2)
この構成により、計測流路13の端部から超音波送受波器20に向かって伝播する音波は、計測流路13の軸方向において同波長ノイズ波除去流路溝30が形成された範囲の円柱状のノイズフィルタ領域R2を通過する際に、その同波長ノイズ波除去流路溝30における溝側面30S,30Sの間で反射する。このとき、上記関係式(2)を満たす音波に関しては、遅延波が正規波から半波長(半周期)の奇数倍遅れる。これにより、超音波流量計10V外から超音波流量計10の超音波送受波器20,20に向かう計測用超音波と同波長のノイズ波が同波長ノイズ波除去流路溝30,30によって低減又は除去される。
本実施形態の超音波流量計10Vの構成に関する説明は以上である。次に、この超音波流量計10Vの作用効果について説明する。本実施形態の超音波流量計10Vでは、超音波流量計10Vの上流側又は下流側で計測用超音波と同じ波長のノイズ波が発生しても、そのノイズ波を同波長ノイズ波除去流路溝30,30にて低減又は除去することができる。これにより、計測用超音波と同じ波長のノイズ波の影響を抑えた計測が可能になり、従来より計測精度が向上する。
なお、図示しないが、計測スリーブ11のうち各同波長ノイズ波除去流路溝30の隣に、同波長ノイズ波除去流路溝30とは溝幅のみが異なる近似波長ノイズ波除去流路溝をそれぞれ設けてもよい。そのような構成にすることで、上記効果に加え、超音波流量計10V外で発生した計測用超音波と近似した波長のノイズ波も低減又は除去することができる。これにより、計測用超音波と近似した波長のノイズ波の影響を抑えた計測が可能になり、従来より計測精度が向上する。
[第3実施形態]
本実施形態は図3に示されており、第1実施形態の超音波流量計10の両端部とガス管80,80との間に本発明に係る超音波流量計用ノイズ波除去器40(以下、単に「ノイズ波除去器40」という)を備えた構成になっている。このノイズ波除去器40は、全体が円盤状をなし、その中心に超音波流量計10における計測流路13の内径と同じ内径の貫通孔41が貫通形成され、貫通孔41の内側がガス管80内の流路と超音波流量計10内の計測流路13との間を連絡する中継流路42になっている。そして、ノイズ波除去器40の軸方向における中間部において、中継流路42の内面の一部を溝状に陥没させて、前記同波長ノイズ波除去流路溝30と同形状の同波長ノイズ波除去流路溝43が形成されている。
この構成によれば、前記第2実施形態と同様の作用効果を奏する。また、このノイズ波除去器40を、既存の超音波流量計とを組み合わせて流体が流れるパイプの途中に取り付けることで、既存の超音波流量計の計測精度を上げることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1〜第3の実施形態の超音波流量計10,10Vでは、近似波長ノイズ波除去溝17を備えた1対の素子受容凹部15,15が計測流路13を挟んで対向配置され、一方の超音波送受波器20から送波された計測用超音波が計測流路13を横切って他方の超音波送受波器20に到達する構成であったが、図4に示すように、近似波長ノイズ波除去溝17を備えた1対の素子受容凹部15T,15Tが計測流路13に対して同じ側に配され、一方の超音波送受波器20から送波された計測用超音波が計測流路13を挟んで反対側の計測スリーブ11の内面で反射し、他方の超音波送受波器20に到達する構成としてもよい。
(2)図5に示すように、U字形の計測流路63を内部に有するベース部62を備え、その底部両端から側方に延びる1対の分岐管64,64を設けてその内部に1対の素子受容凹部65,65が形成された超音波流量計60において、素子受容凹部65,65の内側面66,66に近似波長ノイズ波除去溝17,17が備えられてもよい。
(3)前記第1〜第3の実施形態の超音波流量計10,10Vでは、超音波送受波器20,20が、双方向で計測用超音波を送受波する構成であったが、計測用超音波の送波専用の超音波素子と受波専用の超音波素子とを備えて、一方向で計測用超音波を送受波する構成としてもよい。
(4)第2実施形態で同波長ノイズ波除去流路溝30を備えた超音波流量計10、及び、第3実施形態でノイズ波除去器40と組み合わせて使用される超音波流量計10は共に、超音波送受波器20の近傍に近似波長ノイズ波除去溝17を備えていたが、近似波長ノイズ波除去溝17を排除した構成にしてもよい。
(5)図6に示した超音波流量計10Xのように、全体が円柱状のベース部70の芯部に形成した貫通孔73を前記第1実施形態の計測流路13と対応させてベース部70の内部に前記実施形態の超音波流量計10と同じ構成を設けてもよい。
(6)前記第1〜第3の実施形態の近似波長ノイズ波除去溝17又は同波長ノイズ波除去流路溝30,40の内周面にリング状の多孔質材(例えば、セラミック材)を嵌合して固定することで、ノイズ波除去効果の向上を図ってもよい。
10,10V,60 超音波流量計
13,63 計測流路
15,15T,65 素子受容凹部
16 円筒内面
17 近似波長ノイズ波除去溝
20 超音波送受波器
30,43 同波長ノイズ波除去流路溝
40 超音波流量計用ノイズ波除去器
42 中継流路
80,81 ガス管

Claims (8)

  1. 流体が通過する流路の内面に1対の素子受容凹部を陥没形成し、それら1対の素子受容凹部の奥部に備えた1対の超音波素子の間で計測用超音波を送受波して、前記流体の流量を計測する超音波流量計において、
    受波側の前記超音波素子を備えた前記素子受容凹部には、前記流路の内面側の開口から奥部まで延びた筒形内面と、前記筒形内面の中間部に溝状に陥没形成されかつその溝幅が前記計測用超音波の半波長の整数倍にされて前記計測用超音波と異なる波長のノイズ波を低減又は除去可能な近似波長ノイズ波除去溝とが備えられていることを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記流路のうち前記1対の素子受容凹部の上流側又は下流側の一方或いは両方に、前記流路の中間部を溝状に陥没させてかつその溝幅を前記計測用超音波の半波長の整数倍からずらして前記計測用超音波と同じ波長のノイズ波を低減又は除去可能とした同波長ノイズ波除去流路溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 前記流路が内側を直線状に貫通したベース部を備え、
    前記素子受容凹部の前記筒形内面は、前記流路の軸方向と斜めに交差する方向に延びた円筒内面とされ、前記近似波長ノイズ波除去溝は、前記円筒内面の中間部を拡径した環状溝構造になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  4. 流体が通過する流路の途中に備えた1対の超音波素子の間で計測用超音波を送受波して、前記流体の流量を計測する超音波流量計において、
    前記流路のうち前記1対の超音波素子の上流側又は下流側の一方或いは両方に、前記流路の中間部を溝状に陥没させてかつその溝幅を前記計測用超音波の半波長の整数倍からずらし、前記計測用超音波と同じ波長のノイズ波を低減又は除去可能な同波長ノイズ波除去流路溝にしたことを特徴とする超音波流量計。
  5. 前記流路のうち前記1対の超音波素子の上流側又は下流側の一方或いは両方に、前記流路の中間部を溝状に陥没させかつその溝幅を前記計測用超音波の半波長の整数倍にして前記計測用超音波と異なる波長のノイズ波を低減又は除去可能とした近似波長ノイズ波除去流路溝を設けたことを特徴とする請求項4に記載の超音波流量計。
  6. 前記同波長ノイズ波除去流路溝の溝幅は、前記計測用超音波の1/4波長の奇数倍であることを特徴とする請求項2,4又は5の何れか1の請求項に記載の超音波流量計。
  7. 流体が流れるパイプの途中に超音波流量計と共に取り付けられ、内側を通過する流体のノイズ波を除去するための超音波流量計用ノイズ波除去器であって、
    前記パイプ内の流路と前記超音波流量計内の流路との間を連絡する中継流路を内側に備え、前記中継流路の内面の中間部を溝状に陥没させてその溝幅を前記超音波流量計で使用する計測用超音波の半波長の整数倍からずらし、前記計測用超音波と同じ波長のノイズ波を低減又は除去可能な同波長ノイズ波除去流路溝にしたことを特徴とする超音波流量計用ノイズ波除去器。
  8. 前記同波長ノイズ波除去流路溝の溝幅は、前記計測用超音波の1/4波長の奇数倍であることを特徴とする請求項7に記載の超音波流量計用ノイズ波除去器。
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