JP2010219743A - 画像形成装置、そのγ補正テーブル作成方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】離散的なγ補正データを多次元関数により補間して連続的なγ補正テーブルを作成するときに、傾きの逆転を生じず、かつ滑らかなγ補正テーブルを得る。
【解決手段】単調増加もしくは単調減少の離散的なγ補正データを元に、その入力階調値の所定の区間毎に多次元関数を割り当て、離散的なγ補正データを補間することにより連続的なγ補正データを算出する(S11〜14)。算出された連続的なγ補正データの前記区間毎に傾きの逆転の有無を判定し(S15,16)、逆転ありと判断された部分を含む区間について、逆転を生じない補間処理により連続的なγ補正データを算出する(S18)。逆転を生じない補間処理によりγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点においてγ補正データが滑らかに接続されるよう、前者以外の区間のγ補正データを、離散的なγ補正データの区間毎に多次元関数を割り当てて補間処理によって連続的なγ補正データを算出し直す(S19,13,14)。
【選択図】 図3
【解決手段】単調増加もしくは単調減少の離散的なγ補正データを元に、その入力階調値の所定の区間毎に多次元関数を割り当て、離散的なγ補正データを補間することにより連続的なγ補正データを算出する(S11〜14)。算出された連続的なγ補正データの前記区間毎に傾きの逆転の有無を判定し(S15,16)、逆転ありと判断された部分を含む区間について、逆転を生じない補間処理により連続的なγ補正データを算出する(S18)。逆転を生じない補間処理によりγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点においてγ補正データが滑らかに接続されるよう、前者以外の区間のγ補正データを、離散的なγ補正データの区間毎に多次元関数を割り当てて補間処理によって連続的なγ補正データを算出し直す(S19,13,14)。
【選択図】 図3
Description
本発明は、デジタル複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、そのγ補正テーブル作成方法およびプログラムに関する。
デジタル複写機等の画像形成装置は、原稿をCCD(電荷結合素子)等のイメージセンサにより読み取り、電気信号に変換した後、レーザープリンタ、インクジェットプリンタ、熱転写プリンタ等の出力装置を用いて印字記録することで複写画像を得るものである。
この場合、読み取った原稿画像に忠実な画像を複製する必要がある。しかし、特に出力装置においては、その記録特性がロットや環境によって異なり、また経時的に変動するため、原稿画像に対して複写画像の忠実性が損なわれるという問題がある。この忠実性は、写真画像のような階調性が要求される画像において特に厳しく、さらにカラー画像を形成する場合にはモノクロ画像よりも高い品質が要求される。
このため、画像形成装置は、γ補正機能を備え、適宜γ補正データを調整できるように構成されている。まず、図6を用いてγ補正の原理について説明する。
図6において、第1象限(1)は、印刷データの出力レベル(VOUT)と画像形成装置が形成する画像濃度との関係を表し、プリンタの現状のγ特性を示す。第3象限(3)は、所定の出力レベル(VIN)に対して期待される画像濃度を表す。即ち目標γ特性である。この現状のγ特性から目標のγ特性へと変換するのが、第4象限(4)に示すγ補正カーブである。第2象限(2)には恒等変換テーブルが示されている。
ここでγ補正カーブデータは、出力レベルVIN,VOUT が8ビットデータの場合、256段の入力値に対して256値の出力値の対応を規定するテーブルであるから、256バイトのデータ量となる。このデータは、次にγ補正データが調整されるまで、不揮発性のメモリに保存しておく必要がある。このときに必要なメモリ容量を減らすために、図6の第4象限(4)に示すように、丸印でプロットした点(8点ある)のみ記憶すれば、入出力の座標データが1バイトずつなので、合計16バイトのメモリで済むことになる。
ここで、離散的なデータを補間して連続的なテーブルを作成するため、3次スプライン関数のように区分的に3次関数の係数を決めることで、多次元関数の次数を制限して計算の負荷を軽減しつつ、柔軟なカーブに対応する方法が知られている。
しかしながら、このような多次元関数を用いた補間方法においては、滑らかなγ補正カーブを作成できるものの、そのカーブに予期しない振動が生じる場合がある。例えば図7に示すような入、出力階調特性を持つ離散的なγ補正データを補間して連続的なγ補正テーブルを作成した場合、図8に示すようになる。図9は図8のγ補正テーブルの傾き(一次微分)であり、入力階調値129から140の間で負の値を取っている、すなわち逆転していることを示している。つまり、元となる離散点データは、単調に増加しているにもかかわらず、γ補正テーブルでは入力階調値が129から140の間で減少してしまうため、このγ補正テーブルを用いてγ補正処理を行った場合、画像上においても濃度の逆転が生じるという不具合が発生し、所望の出力画像を得ることができないという問題がある。
このような問題に対処した画像形成装置として、多次元関数によって補間データを区間毎に作成し、傾き逆転が発生している区間では、作成されたγ補正データを直線補間データで置き換えることにより、画像上においても濃度の逆転がなく、かつ滑らかなγ補正テーブルを作成し、良好な再生画像を得ることのできる画像形成装置がある(特許文献1参照)。図10は、このように作成されたγ補正テーブルであり、図11はその傾きを示すグラフである。
ところが、このγ補正テーブルの場合、逆転が発生している区間では直線補間により作成されたγ補正データと置き換えることで逆転のないγ補正データを得ることが出来るが、多次元関数によって作成された区間と、直線補間により作成された区間との境界部でγ補正テーブルの傾きが一致しないことにより、急激な階調変化をもたらす可能性がある。図10からも明らかなように、図9のγ補正テーブルでは、特に入力階調値159付近で急激に出力階調値が変化している。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、離散的なγ補正データを多次元関数により補間して連続的なγ補正テーブルを作成するときに、傾きの逆転を生じず、かつ滑らかなγ補正テーブルが得られるようにすることである。
本発明の画像形成装置は、離散的なγ補正データを補間することで、連続的なγ補正テーブルを作成するγ補正テーブル作成手段と、そのγ補正テーブルを用いて、画像データの階調特性を変換するγ変換手段とを備えた画像形成装置であって、前記γ補正テーブル作成手段は、前記画像データの階調値が取り得る値の範囲で単調増加もしくは単調減少のいずれかである離散的なγ補正データを元に、その離散的なγ補正データの入力階調値の所定の区間毎に多次元関数を割り当て、前記離散的なγ補正データを補間することにより連続的なγ補正データを算出する第1のγ補正データ算出手段と、その算出された連続的なγ補正データの前記区間毎に傾きの逆転の有無を判定する逆転判定手段と、傾きの逆転があると判定された部分を含む区間について、前記多次元関数による補間処理に代えて傾きの逆転を生じない補間処理によって連続的なγ補正データを算出する第2のγ補正データ算出手段と、その第2のγ補正データ算出手段がγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点においてγ補正データが滑らかに接続されるよう、前者以外の区間のγ補正データを、離散的なγ補正データの区間毎に多次元関数を割り当てて補間処理によって連続的なγ補正データを算出し直す第3のγ補正データ算出手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明のγ補正テーブル作成方法は、画像データの階調特性を変換するためのγ変換に用いるγ補正テーブルを作成する方法であって、前記画像データの階調値が取り得る値の範囲で単調増加もしくは単調減少のいずれかである離散的なγ補正データを元に、その離散的なγ補正データの入力階調値の所定の区間毎に多次元関数を割り当て、前記離散的なγ補正データを補間することにより連続的なγ補正データを算出する第1のγ補正データ算出ステップと、その算出された連続的なγ補正データの前記区間毎に傾きの逆転の有無を判定する逆転判定ステップと、傾きの逆転があると判断された部分を含む区間について、前記多次元関数による補間処理に代えて傾きの逆転を生じない補間処理によって連続的なγ補正データを算出する第2のγ補正データ算出ステップと、その第2のγ補正データ算出ステップでγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点においてγ補正データが滑らかに接続されるよう、前者以外の区間のγ補正データを、離散的なγ補正データの区間毎に多次元関数を割り当てて補間処理によって連続的なγ補正データを算出し直す第3のγ補正データ算出ステップとを有することを特徴とするγ補正テーブル作成方法である。
本発明のγ補正テーブル作成方法は、画像データの階調特性を変換するためのγ変換に用いるγ補正テーブルを作成する方法であって、前記画像データの階調値が取り得る値の範囲で単調増加もしくは単調減少のいずれかである離散的なγ補正データを元に、その離散的なγ補正データの入力階調値の所定の区間毎に多次元関数を割り当て、前記離散的なγ補正データを補間することにより連続的なγ補正データを算出する第1のγ補正データ算出ステップと、その算出された連続的なγ補正データの前記区間毎に傾きの逆転の有無を判定する逆転判定ステップと、傾きの逆転があると判断された部分を含む区間について、前記多次元関数による補間処理に代えて傾きの逆転を生じない補間処理によって連続的なγ補正データを算出する第2のγ補正データ算出ステップと、その第2のγ補正データ算出ステップでγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点においてγ補正データが滑らかに接続されるよう、前者以外の区間のγ補正データを、離散的なγ補正データの区間毎に多次元関数を割り当てて補間処理によって連続的なγ補正データを算出し直す第3のγ補正データ算出ステップとを有することを特徴とするγ補正テーブル作成方法である。
[作用]
本発明によれば、離散的なγ補正データを多次元関数により補間して連続的なγ補正テーブルを作成するときに、画像データの階調値が取り得る値の範囲で単調増加もしくは単調減少のいずれかである離散的なγ補正データを元に、その離散的なγ補正データの入力階調値の所定の区間毎に多次元関数を割り当て、前記離散的なγ補正データを補間することにより連続的なγ補正データを算出し、その算出された連続的なγ補正データの前記区間毎に傾きの逆転の有無を判定し、傾きの逆転があると判断された部分を含む区間について、前記多次元関数による補間処理に代えて傾きの逆転を生じない補間処理によって連続的なγ補正データを算出し、その第2のγ補正データ算出ステップでγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点においてγ補正データが滑らかに接続されるよう、前者以外の区間のγ補正データを、離散的なγ補正データの区間毎に多次元関数を割り当てて補間処理によって連続的なγ補正データを算出し直すことにより、γ補正テーブルを作成する。
本発明によれば、離散的なγ補正データを多次元関数により補間して連続的なγ補正テーブルを作成するときに、画像データの階調値が取り得る値の範囲で単調増加もしくは単調減少のいずれかである離散的なγ補正データを元に、その離散的なγ補正データの入力階調値の所定の区間毎に多次元関数を割り当て、前記離散的なγ補正データを補間することにより連続的なγ補正データを算出し、その算出された連続的なγ補正データの前記区間毎に傾きの逆転の有無を判定し、傾きの逆転があると判断された部分を含む区間について、前記多次元関数による補間処理に代えて傾きの逆転を生じない補間処理によって連続的なγ補正データを算出し、その第2のγ補正データ算出ステップでγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点においてγ補正データが滑らかに接続されるよう、前者以外の区間のγ補正データを、離散的なγ補正データの区間毎に多次元関数を割り当てて補間処理によって連続的なγ補正データを算出し直すことにより、γ補正テーブルを作成する。
本発明によれば、離散的なγ補正データを多次元関数により補間して連続的なγ補正テーブルを作成するときに、傾きの逆転を生じず、かつ滑らかなγ補正テーブルが得られる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、本実施形態の画像形成装置は、スキャナ1と、CPU2と、スキャナγ変換回路3と、遅延メモリ4と、拡張IPU5と、空間フィルタ処理、色補正処理、UCR/UCA処理、テストパターン発生処理6と、変倍回路7と、プリンタγ変換回路8と、階調処理回路9と、特定原稿検出回路10と、像域自動分離回路/カラー原稿自動検知回路11と、FIFO12と、I/F(インタフェース)回路13と、プリンタ14とを有する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、本実施形態の画像形成装置は、スキャナ1と、CPU2と、スキャナγ変換回路3と、遅延メモリ4と、拡張IPU5と、空間フィルタ処理、色補正処理、UCR/UCA処理、テストパターン発生処理6と、変倍回路7と、プリンタγ変換回路8と、階調処理回路9と、特定原稿検出回路10と、像域自動分離回路/カラー原稿自動検知回路11と、FIFO12と、I/F(インタフェース)回路13と、プリンタ14とを有する。
スキャナ1は、例えば、原稿載置台に載置された原稿を読み取るための機構であり、ADF(自動原稿送り装置)が設けられている場合には、1枚ずつ搬出されてくる原稿を読み取る。CPU2は、画像形成装置全体の動作制御を司るため、図示されていないROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、当該読み出されたプログラムに基づいて、各回路における動作制御命令を送出する。スキャナγ変換回路3は、スキャナ1により読み取った原稿の画像データのγ特性を変換する。
遅延メモリ4は、入力された画像データと像域信号とのタイミングを調整するために、CPU2からの動作指示に基づいて入力された画像データを所定時間遅延させる。拡張IPU5は、色変換等の加工処理を行う。画像処理部6は、平滑化処理やエッジ強調処理等を行うため、空間フィルタ、色補正処理、UCR/UCA処理、テストパターン発生処理等を行う。変倍回路7は、主走査方向における変倍を行う。プリンタγ変換回路8は、プリンタ14におけるγ特性を変換する。階調処理回路9は、離散的な階調変換処理を行う。特定原稿検出回路10は、紙幣や株券などの通常法的に複写することを禁じられている原稿が載置されているか否かを認識する。像域自動分離回路・カラー原稿自動検知回路11は、スキャナ1により読み取られた原稿の画像データから像形成されている領域を分離したり、カラー原稿であるか否かの判定を行ったりする。
FIFO12は、階調処理回路9にて階調変換処理を行われた画像データの出力タイミングを調整するために設けられている。I/F回路13は、プリンタ14と接続するためのインタフェースユニットである。
上述した各部は、パラメータを設定して処理条件の変更を行うため、必要に応じてCPUバスと接続されている。ここで、プリンタγ補正カーブデータをプリンタγ変換回路8に設定することで、図6の第3象限(3)に示される目標特性を所望のプリンタγ特性に調整することができる。
スキャナ1で読み取られた原稿の画像データは、スキャナγ変換回路3、遅延メモリ4、拡張IPU5、画像処理部6、変倍回路7と、プリンタγ変換回路8、階調処理回路9、特定原稿検出回路10、および像域自動分離回路・カラー原稿自動検知回路11とにより適宜処理を施され、FIFO12、I/F回路13を介してプリンタ14に送られて画像が再生される。
図2は、本実施形態における画像処理の概略を示すフローチャートである。この図に示すように、本実施形態の画像処理は、画像入力工程(ステップS1)、γ補正工程(ステップS2)、画像出力工程(ステップS3)からなる。
画像入力工程(ステップS1)は画像を一画素ずつ入力する。ここで画像データは、0以上255以下の整数値の階調値を一画素毎に持つ。γ補正工程(ステップS2)は後述のγ補正テーブル算出手段が算出したγ補正テーブルに基づき、画像入力工程(ステップS1)で生成された画像データの階調値を一画素ずつ目標階調値に変換する。画像出力工程(ステップS3)はγ補正工程で変換された階調値を一画素ずつ出力する。
γ補正テーブル算出手段について説明する。この手段はCPU2により実行される演算の機能により実現される手段であり、その結果得られたγ補正テーブルは、プリンタγ変換回路8に設定される。図3は、γ補正テーブル算出手段の動作のフローチャートである。ここでは、多次元関数による補間には三次関数を用い、傾きの逆転しない補間関数として直線補間を用いる。
ステップS11では、測定などにより予め算出し、単調増加するよう整形した離散γテーブルを入力する。ここでは、離散γテーブルとして図7に示すテーブルを入力したものとする。ステップS12では、三次関数を求めるために両端、即ち、入力値0と入力値255における条件を指定する。ここでは、両端における二次微分値が0である、自然スプラインを用いたものとする。
ステップS13では、与えられた離散γテーブルと両端条件を用いて、区間0から区間7に対して、C++言語プログラムを用いて、区間毎の三次関数を算出する。ここで、区間0は入力値0から31、区間1は入力値32から63、区間2は入力値64から95、区間3は入力値96から126、区間4は入力値127から158、区間5は入力値159から190、区間6は入力値191から222、区間7は入力値223から255とする。
区間毎の三次関数は、各区間の最小値をx0として、
f(x)=a・(x-x0)3+b・(x-x0)2+c・(x-x0)+d …式[1]
と表現した場合に、xにおける一次微分値f'(x)は、
f'(x)=3a・(x-x0)2+2b・(x-x0)+c …式[2]
で示され、二次微分値f''(x)は、
f''(x)=6a・(x-x0)+2b …式[3]
で示される。
f(x)=a・(x-x0)3+b・(x-x0)2+c・(x-x0)+d …式[1]
と表現した場合に、xにおける一次微分値f'(x)は、
f'(x)=3a・(x-x0)2+2b・(x-x0)+c …式[2]
で示され、二次微分値f''(x)は、
f''(x)=6a・(x-x0)+2b …式[3]
で示される。
そこで、図7の入力値と出力値の関係と、入力値0と入力値255における二次微分値0を条件として与えることで、各区間における各係数が図4のように求まる。また、図4には左右端における一次微分値、二次微分値も併せて示す。
この係数は上記のように条件を与えて連立方程式を解くことで求まる。詳細な方法については例えば、「Cによるスプライン関数」、菅野敬祐ほか、東京電機大学出版局(1993年)の44ページから52ページで解説されている。
ステップS14では、ステップS13で算出した区間毎の三次関数に基づいて、階調値0から255まで1刻みで入力値と出力値を対応付けたγ補正テーブルを算出する。これにより図8のγ補正テーブルが求まる。
ステップS15では、γ補正テーブルの傾きに逆転がないか否か、即ち、入力値iに対応する出力値をf(i)で表すとして、入力値aに対して、f(a)>f(a+1)となる部分がないか否か、区間毎に検査する。なお、この検査はγ補正テーブルで求めても良いし、得られた区間毎の三次関数の一次微分値が、区間内で負となることがあるか否かを計算で求めても良い。
ステップS16では、ステップS15で逆転した区間があるか否かにより分岐する。逆転した区間がない場合は、ステップS17へ進み、γ補正テーブルを出力する。逆転した区間がある場合は、ステップS18に進む。このステップでは、逆転した区間を直線補間で置き換える。図8では、入力値127から158の区間4において逆転しているため、この区間を直線補間とする。
次のステップS19では、ステップS18にて直線補間で置き換えた区間の傾きを、境界条件に利用する。ここでは、直線補間で置き換えた区間4の傾きは、左端が(入力,出力)=(127,119)、右端が(159,132)であるから、(132-119)÷(159-127)=0.40625である。
そこで、区間0から区間3に対しては左端で二次微分値が0、右端で一次微分値が0.40625、また、区間5から区間7に対しては左端で一次微分値が0.40625、右端で二次微分値が0となるよう条件を与える。
次いで、ステップS13で、区間0から区間3に対して区間毎にC++言語プログラムを用いて三次関数を求め、また、区間5から区間7に対して区間毎にC++言語プログラムを用いて三次関数を求める。以下は同様に、ステップS14でγ補正テーブルを算出し、ステップS15で逆転を検知して、逆転区間がある場合は再度逆転区間に対して直線補間を行い、三次関数を求める。そして、ステップS16で、全ての区間で逆転区間がなくなったと判定した場合、γ補正テーブルを出力する。
なお、三次関数が一意に定まるためには4点が与えられている必要があるが、4点未満の点しか与えられていない以下のような条件では、区間毎にそれぞれ直線補間を行う。例えば、図5のステップS16において、区間0から区間7のうち区間2のみで逆転が生じていた場合、区間2に対して直線補間を行い、区間3から区間7までに対しては、それぞれ区間毎に三次関数による補間を行う。そして、区間0から区間1に対しては、三次関数による補間を用いずに区間毎に直線補間を行う。
以上のように、本発明の第1の実施形態の画像形成装置によれば、傾きの逆転を生じず、かつ、滑らかなγ補正テーブルを得ることができる。
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態の画像形成装置におけるγ補正テーブル算出手段の動作のフローチャートである。この図において、図3(第1の実施形態)と同じステップには、図3と同じ参照符号を付した。また、本実施形態の画像形成装置の概略構成は第1の実施形態(図1)と同じである。
図5は、本発明の第2の実施形態の画像形成装置におけるγ補正テーブル算出手段の動作のフローチャートである。この図において、図3(第1の実施形態)と同じステップには、図3と同じ参照符号を付した。また、本実施形態の画像形成装置の概略構成は第1の実施形態(図1)と同じである。
本実施形態は、図3のステップS19の次にステップS20を追加したものである。このステップでは、直線補間することとなった区間と、その区間に隣接する区間の傾きを比較し、差が閾値未満である場合は区間毎の三次関数を改めて算出しないことを決定する。
前記閾値を0.5とすると、区間4の傾きは直線補間化されたことで0.40625となり、区間3の右端での一次微分値は図4に示すとおり0.038950である。直線補間する区間4の一次微分値と、それに隣接する三次関数を用いて補間する区間3の右端での一次微分値との差の絶対値0.3673が閾値0.5より小さいため区間0から区間3に対しては三次関数を改めて算出しない。一方、区間4の一次微分値と、区間5の左端での一次微分値との差の絶対値1.38582は閾値0.5より大きいため、区間5から区間7に対しては実施例1と同様に三次関数を改めて算出する。
本発明の第2の実施形態の画像形成装置によれば、階調の急激な変化を感じさせずに、高速にγ補正テーブルを得ることが出来る。
2・・・CPU、8・・・プリンタγ変換手段、S1・・・画像入力工程、S2・・・γ補正工程、S3・・・画像出力工程。
Claims (7)
- 離散的なγ補正データを補間することで、連続的なγ補正テーブルを作成するγ補正テーブル作成手段と、そのγ補正テーブルを用いて、画像データの階調特性を変換するγ変換手段とを備えた画像形成装置であって、
前記γ補正テーブル作成手段は、
前記画像データの階調値が取り得る値の範囲で単調増加もしくは単調減少のいずれかである離散的なγ補正データを元に、その離散的なγ補正データの入力階調値の所定の区間毎に多次元関数を割り当て、前記離散的なγ補正データを補間することにより連続的なγ補正データを算出する第1のγ補正データ算出手段と、
その算出された連続的なγ補正データの前記区間毎に傾きの逆転の有無を判定する逆転判定手段と、
傾きの逆転があると判定された部分を含む区間について、前記多次元関数による補間処理に代えて傾きの逆転を生じない補間処理によって連続的なγ補正データを算出する第2のγ補正データ算出手段と、
その第2のγ補正データ算出手段がγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点においてγ補正データが滑らかに接続されるよう、前者以外の区間のγ補正データを、離散的なγ補正データの区間毎に多次元関数を割り当てて補間処理によって連続的なγ補正データを算出し直す第3のγ補正データ算出手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載された画像形成装置において、
前記第1のγ補正データ算出手段および第3のγ補正データ算出手段は、三次スプライン補間により多次元関数を割り当てることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2に記載された画像形成装置において、
前記逆転を生じない補間処理は、直線補間処理であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記第3のγ補正データ算出手段は、前記第2のγ補正データ算出手段がγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点において傾きが一致するよう、γ補正データを算出し直すことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載された画像形成装置において、
前記接続する点において、前記第2のγ補正データ算出手段がγ補正データを算出した区間の傾きと、その区間に隣接する区間の傾きとの差が所定値より小さいか否かを判定する傾き差判定手段を有し、前記第3のγ補正データ算出手段は、前記傾きの差が所定値以上のときのみγ補正データを算出し直すことを特徴とする画像形成装置。 - 画像データの階調特性を変換するためのγ変換に用いるγ補正テーブルを作成する方法であって、
前記画像データの階調値が取り得る値の範囲で単調増加もしくは単調減少のいずれかである離散的なγ補正データを元に、その離散的なγ補正データの入力階調値の所定の区間毎に多次元関数を割り当て、前記離散的なγ補正データを補間することにより連続的なγ補正データを算出する第1のγ補正データ算出ステップと、
その算出された連続的なγ補正データの前記区間毎に傾きの逆転の有無を判定する逆転判定ステップと、
傾きの逆転があると判断された部分を含む区間について、前記多次元関数による補間処理に代えて傾きの逆転を生じない補間処理によって連続的なγ補正データを算出する第2のγ補正データ算出ステップと、
その第2のγ補正データ算出ステップでγ補正データを算出した区間と、その区間に隣接する区間とが接続する点においてγ補正データが滑らかに接続されるよう、前者以外の区間のγ補正データを、離散的なγ補正データの区間毎に多次元関数を割り当てて補間処理によって連続的なγ補正データを算出し直す第3のγ補正データ算出ステップと
を有することを特徴とするγ補正テーブル作成方法。 - 画像形成装置のコンピュータに、請求項6に記載されたγ補正テーブル作成方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
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JP2009062754A JP2010219743A (ja) | 2009-03-16 | 2009-03-16 | 画像形成装置、そのγ補正テーブル作成方法およびプログラム |
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