JP2010217222A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大画面パネルであっても駆動電圧を大きく上昇させることなく、かつ安定した書込み放電を発生させつつ、黒輝度を抑えてコントラストをさらに高めた画像表示を行う。
【解決手段】走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたパネルの駆動方法であって、放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作と、放電セルで書込み放電を発生させる書込み動作と、放電セルで維持放電を発生させる維持動作とを行うサブフィールドを複数用いて1フィールドを構成し、サブフィールドの少なくとも1つにおいて、走査電極の少なくとも1つに下り傾斜波形電圧を複数回に分けて印加して初期化動作を行うとともに、時間的に後に印加する下り傾斜波形電圧の勾配は時間的に先に印加する下り傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかに設定されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、交流面放電型のプラズマディスプレイパネルの駆動方法およびそれを用いたプラズマディスプレイ装置に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が複数形成された前面基板と、複数の平行なデータ電極が形成された背面基板とを対向配置し、その間に多数の放電セルが形成されている。そして放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールドを複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。各サブフィールドでは、初期化動作、書込み動作および維持動作を行う。初期化動作は初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を形成する動作である。初期化動作には、直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる全セル初期化動作と、直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルで初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。書込み動作は表示する画像に応じて放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する動作であり、維持動作は表示電極対に交互に維持パルスを印加して維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させる動作である。
サブフィールド法の中でも、全セル初期化動作を行うサブフィールドを1フィールドに1回とし、緩やかに変化する傾斜波形電圧を用いて全セル初期化動作を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしてコントラストを向上させた駆動方法が、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2000−242224号公報
近年、パネルはますます大画面化、高精細化され、それに伴い表示画像のさらなる高コントラスト化、高画質化が求められている。
サブフィールド法を用いてパネルを駆動する場合、多数の走査電極に走査パルスを順次印加して書込み動作を行う。従って、複数の放電セルのうち走査パルスが印加される順番が遅い放電セルでは、初期化動作を行ってから走査パルスが印加されるまでの時間が長くなる。
初期化放電よって放電セルに形成された壁電荷は書込みパルスの影響を受けて徐々に減少する傾向がある。そのため、走査パルスが印加される順番が遅い放電セルほど壁電荷が減少し、その放電セルに走査パルスおよび書込みパルスを印加しても書込み放電が発生せず、書込み動作ができなくなるといった動作不良が発生する場合があった。
書込み放電を発生させるためには、各電極に印加する駆動電圧を上げればよいが、これは消費電力を増大させる一因となる。
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、大画面パネルであっても駆動電圧を大きく上昇させることなく、かつ安定した書込み放電を発生させつつ、黒輝度を抑えてコントラストを高めた画像表示が可能なパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたパネルの駆動方法であって、放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作と書込み放電を発生させる書込み動作と維持放電を発生させる維持動作とを行うサブフィールドを複数用いて1フィールドを構成し、サブフィールドの少なくとも1つにおいて、走査電極の少なくとも1つに下り傾斜波形電圧を複数回に分けて印加して初期化動作を行うとともに、時間的に後に印加する下り傾斜波形電圧の勾配を時間的に先に印加する下り傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかに設定することを特徴とする。この方法により、大画面パネルであっても駆動電圧を大きく上昇させることなく、かつ安定した書込み放電を発生させつつ、黒輝度を抑えてコントラストを高めた画像表示が可能なパネルの駆動方法を提供することができる。
また本発明のパネルの駆動方法は、走査電極を第1走査電極群および第2走査電極群を含む複数の走査電極群に分け、サブフィールドの少なくとも1つにおいて、第1走査電極群に属する走査電極に下り傾斜波形電圧を印加して初期化動作を行うとともに第2走査電極群に属する走査電極に1回目の下り傾斜波形電圧を印加し、その後に、第1走査電極群に属する走査電極に走査パルスを印加して書込み動作を行い、その後、第2走査電極群に属する走査電極に2回目の下り傾斜波形電圧を印加して初期化動作を行った後に、第2走査電極群に属する走査電極に走査パルスを印加して書込み動作を行ってもよい。
また本発明のパネルの駆動方法は、走査電極の少なくとも1つに下り傾斜波形電圧を複数回に分けて印加して行う初期化動作が、直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる全セル初期化動作であってもよい。
また本発明のプラズマディスプレイ装置は、走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたパネルと、パネルを駆動する駆動回路とを備え、駆動回路は、放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作と書込み放電を発生させる書込み動作と維持放電を発生させる維持動作とを行うサブフィールドを複数用いて1フィールドを構成してパネルを駆動し、サブフィールドの少なくとも1つにおいて、走査電極の少なくとも1つに下り傾斜波形電圧を複数回に分けて印加して初期化動作を行うとともに、時間的に後に印加する下り傾斜波形電圧の勾配を、時間的に先に印加する下り傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかにするように構成されていることを特徴とする。この構成により、大画面パネルであっても駆動電圧を大きく上昇させることなく、かつ安定した書込み放電を発生させつつ、黒輝度を抑えてコントラストを高めた画像表示が可能なプラズマディスプレイ装置を提供することができる。
本発明によれば、大画面パネルであっても駆動電圧を大きく上昇させることなく、かつ安定した書込み放電を発生させつつ、黒輝度を抑えてコントラストを高めた画像表示が可能なパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置に用いるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして表示電極対24を覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面基板21と背面基板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
図2は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置に用いるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。
n本の走査電極SC1〜SCnは、複数の走査電極群に分けられている。本実施の形態においては、図2に示したように、表示画面の上半分に位置する走査電極SC1〜SCn/2を第1走査電極群、表示画面の下半分に位置する走査電極SCn/2+1〜SCnを第2走査電極群とした。以下では走査電極の数nを、n=1080本として、走査電極SC1〜SC540が第1走査電極群に属し、走査電極SC541〜SC1080が第2走査電極群に属するとして説明する。しかし走査電極の数、走査電極群の数、走査電極群の分け方等は上記に限定されるものではない。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について説明する。プラズマディスプレイ装置は、サブフィールド法、すなわち1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって画像を表示する。それぞれのサブフィールドでは初期化動作、書込み動作および維持動作を行う。初期化動作は初期化放電を発生し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する動作である。このときの初期化動作には、直前のサブフィールドの動作にかかわらず放電セルで初期化放電を発生させる全セル初期化動作と、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルで初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。書込み動作は、発光させるべき放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する動作である。そして維持動作は、サブフィールド毎にあらかじめ決められた輝度重みに応じた数の維持パルスを表示電極対に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる動作である。
本実施の形態においては、第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540を有する放電セル(以下、「第1放電セル」と略記する)で初期化動作を完了させて書込み動作を行った後に、第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080を有する放電セル(以下、「第2放電セル」と略記する)で初期化動作を完了させて書込み動作を行っている。
サブフィールド構成としては、例えば、1フィールドを10のサブフィールド(SF1、SF2、・・・、SF10)に分割し、各サブフィールドはそれぞれ、(1、2、3、6、11、18、30、44、60、80)の輝度重みを持つものとする。またSF1において全セル初期化動作を行い、SF2〜SF10において選択初期化動作を行うものとする。しかし、本発明が上記のサブフィールド構成に限定されるものではない。
図3は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の各電極に印加する駆動電圧波形図である。
SF1の最初に全セル初期化動作の前半を行う。具体的には、まずデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SU1080にも電圧0(V)を印加する。そして走査電極SC1〜SC1080には、維持電極SU1〜SU1080に対する放電開始電圧以下の電圧Vi1から放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を印加する。すると、走査電極SC1〜SC1080と維持電極SU1〜SU1080との間、走査電極SC1〜SC1080とデータ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こり、走査電極SC1〜SC1080上に負の壁電圧が蓄積されるとともにデータ電極D1〜Dm上および維持電極SU1〜SU1080上に正の壁電圧が蓄積される。ここで電極上の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
次に、第1放電セルに対する全セル初期化動作の後半を行う。具体的には、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SU1080には電圧Veを印加する。そして第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540に電圧Vi3から電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加する。すると第1放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SC1〜SC540上および維持電極SU1〜SU540上の壁電圧が弱められる。またデータ電極D1〜Dmの壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。このようにして第1放電セルでは全セル初期化動作が完了する。
この間、第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080にも電圧Vi3から緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加するが、電圧Vi4よりも高い電圧Vi5で電圧の降下を停止する。そのため、第2走査電極群に属する走査電極541〜SC1080に印加される1回目の下り傾斜波形電圧により微弱な初期化放電が発生するものの、走査電極SC541〜SC1080上および維持電極SU541〜SU1080上には高い壁電圧が残っており、またデータ電極D1〜Dm上にも過剰な壁電圧が残留したままである。このように、第2放電セルでは全セル初期化動作が完了しない状態で保持される。
続いて第1放電セルで書込み動作を行う。具体的には、まず走査電極SC1〜SC1080に電圧Vcを印加する。次に、1行目の走査電極SC1に電圧Vaの走査パルスを印加するとともに、発光すべき放電セルに対応するデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加する。すると、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間で書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルスを印加しなかったデータ電極と走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
次に、2行目の走査電極SC2に走査パルスを印加するとともに、発光すべき放電セルに対応するデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加して各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作を行う。以下、540行目の走査電極SC540に至るまで同様の書込み動作を行う。
このように第1走査電極群に対する書込み動作では、走査電極SC1、SC2、・・・、SC540に電圧Vaの走査パルスを順次印加するとともに、第1放電セルのうち、発光すべき放電セルに対応するデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加して書込み放電を発生させ、続く維持放電に必要な壁電荷を形成する。
この間、第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080には走査パルスを印加しないので、第2放電セルでは放電は発生しない。
次に、第2放電セルに対して全セル初期化動作の後半を行う。具体的には、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SU1080には電圧Veを印加する。そして第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080に電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加する。この第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080に印加する2回目の下り傾斜波形電圧により、第2放電セルでは再び微弱な初期化放電が発生し、走査電極SC541〜SC1080上および維持電極SU541〜SU1080上の壁電圧が弱められる。またデータ電極D1〜Dmの壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。このようにして第2放電セルでも全セル初期化動作が完了する。
このとき走査電極SC541〜SC1080に印加する下り傾斜波形電圧の勾配は、第1放電セルに対する全セル初期化動作の後半部で第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080に印加する下り傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかに設定されている。上述したように、第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080には、第1放電セルの全セル初期化動作時と第2放電セルの全セル初期化動作時との2回に分けて下り傾斜波形電圧が印加される。このように、書込み動作を行う前に、下り傾斜波形電圧を複数回に分けて印加して初期化動作を行う場合には、傾斜波形電圧の勾配を後になるほど緩やかに設定することが重要である。詳細は後述するが、時間的に後に印加する傾斜波形電圧の勾配を時間的に先に印加する傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかに設定することで、初期化放電を安定して発生させることができる。
この間、本実施の形態においては、第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540にも電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加する。このようにしても、第1放電セルのうちすでに書込み放電を発生した放電セルでは、走査電極上に正の壁電圧が蓄積されて維持電極上およびデータ電極上に負の壁電圧が蓄積されているため初期化放電は発生しない。また書込み放電を発生しなかった放電セルでは第1走査電極群に対する初期化動作終了時における壁電荷がそのまま保たれるため初期化放電は発生しない。このように、第1放電セルでは初期化放電は発生しない。
しかしながら、この間、第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540には放電が発生しない範囲の任意の電圧を印加してもよく、またフローティング状態としてもよい。
続いて第2放電セルで書込み動作を行う。具体的には、まず走査電極SC541、SC542、・・・、SC1080に電圧Vaの走査パルスを順次印加するとともに、第2放電セルのうち、発光すべき放電セルに対応するデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加して書込み放電を発生させ、続く維持放電に必要な壁電荷を形成する。
この間、第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540には走査パルスを印加しないので、第1放電セルでは書込み放電は発生しない。
続いて第1放電セルおよび第2放電セルで維持放電を行う。具体的には、維持電極SU1〜SU1080に電圧0(V)を印加するとともに走査電極SC1〜SC1080に電圧Vsの維持パルスを印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差は電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差を加算したものとなり放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。一方、書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化動作の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜SC1080に電圧0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SU1080に電圧Vsの維持パルスを印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは再び維持放電が起こり、蛍光体層35が発光する。そして維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜SC1080と維持電極SU1〜SU1080とに交互に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加し、書込み放電を起こした放電セルで維持放電を継続して発生させる。
そして維持動作の後には、電圧Vrに向かって緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を走査電極SC1〜SC1080に印加する。すると維持放電を行った放電セルでは消去放電が発生して、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が消去される。
なお、輝度重みに応じた維持パルスの数が「0」の場合には、走査電極SC1〜SC1080および維持電極SU1〜SU1080に維持パルスを印加することなく、電圧Vrに向かって緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を走査電極SC1〜SC1080に印加して消去放電を発生させる。こうして維持動作を終了する。
SF2では、まず第1走査電極群に対する選択初期化動作を行う。具体的には、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SU1080には電圧Veを印加する。そして第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540に電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加する。すると第1放電セルのうち、直前のサブフィールドにおいて維持放電を発生した放電セルで微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が弱められる。またデータ電極Dkの壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。このようにして第1放電セルでは選択初期化動作が完了する。
この間、第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080には下り傾斜波形電圧を印加しないので、第2放電セルでは初期化放電は発生しない。
続いて第1放電セルで書込み動作を行う。具体的には、走査電極SC1、SC2、・・・、SC540に電圧Vaの走査パルスを順次印加するとともに、第1放電セルのうち、発光すべき放電セルに対応するデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加して書込み放電を発生させ、続く維持放電に必要な壁電荷を形成する。
この間、第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080には走査パルスを印加しないので、第2放電セルでは放電は発生しない。
続いて第2放電セルで選択初期化動作を行う。具体的には、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SU1080には電圧Veを印加する。そして第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080に電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加する。すると第2放電セルのうち直前のサブフィールドにおいて維持放電を発生した放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が弱められる。またデータ電極Dkの壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。
この間、本実施の形態においては、第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540にも電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加しているが、第1放電セルでは放電は発生しない。
続いて第2放電セルで書込み動作を行う。具体的には、走査電極SC541、SC542、・・・、SC1080に電圧Vaの走査パルスを順次印加するとともに、第2放電セルのうち、発光すべき放電セルに対応するデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加して書込み放電を発生させ、続く維持放電に必要な壁電荷を形成する。
この間、第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540には走査パルスを印加しないので、第1放電セルでは書込み放電は発生しない。
続くSF2の維持動作では、輝度重みに応じた数の維持パルスを表示電極対に印加し、書込み放電を起こした放電セルで維持放電を発生させる。そして維持放電の後には、電圧Vrに向かって緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を走査電極SC1〜SCnに印加して、壁電圧を消去する消去放電を行う。
続くSF3〜SF10における動作は、維持パルス数を除きSF2の動作とほぼ同様であるため説明を省略する。
なお、本実施の形態においては、電圧Vi1は150(V)、電圧Vi2は350(V)、電圧Vi3は210(V)、電圧Vi4は−180(V)、電圧Vcは−50(V)、電圧Vaは−200(V)、電圧Vsは210(V)、電圧Vrは210(V)、電圧Veは140(V)、電圧Vdは75(V)である。また走査電極SC1〜SC1080に印加する上り傾斜波形電圧の勾配は10(V/μ)、走査電極SC541〜SC1080に最初に印加する下り傾斜波形電圧の勾配は2.5(V/μ)、その次に印加する下り傾斜波形電圧の勾配は1.0(V/μ)である。しかしこれらの電圧値、勾配は上述した値に限定されるものではなく、パネルの放電特性やプラズマディスプレイ装置の仕様にもとづき最適に設定することが望ましい。
このように、本実施の形態においては、走査電極SC1〜SC1080を少なくとも第1走査電極群および第2走査電極群を含む複数の走査電極群に分け、第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540に下り傾斜波形電圧を印加して初期化動作を行うとともに第2走査電極群に属する走査電極SC540〜SC1080にも1回目の下り傾斜波形電圧を印加し、その後に第1放電セルの書込み動作を行い、その後、第2走査電極群に属する走査電極SC540〜SC1080に2回目の下り傾斜波形電圧を印加して初期化動作を行った後に第2放電セルで書込み動作を行い、その後維持動作を行っている。このような駆動方法を、以下「2相駆動」と略記する。これにより、大画面パネルであっても駆動電圧を大きく上昇させることなく書込み放電を発生させることができる。以下にその理由について説明する。
図4は、書込み放電を発生させるために必要な走査パルスの振幅と走査の順番との関係を示す概略特性図であり、図4(a)は、本実施の形態における駆動方法、すなわち2相駆動を行った場合を示し、図4(b)は、2相駆動を行わなかった場合を示している。なお、図4は、初期化動作後の時間経過と、そのとき書込み放電を発生させるために必要な走査パルスの振幅の最低値との関係を測定した結果を示した図であり、走査パルスの振幅を走査電極毎に変えているわけではない。このように、書込み放電を発生させるために必要な走査パルスの振幅は、初期化動作を行ってからの時間経過が長くなるほど大きくなる。
さらに、初期化動作時にプライミングが多いとこの傾向がさらに大きくなる。例えば低い階調を表示する放電セルであって、近傍に高い階調を表示する放電セル、すなわち輝度重みの大きい最後のサブフィールドで維持放電を発生する放電セルが存在する場合に、この傾向が大きくなる。
これは、初期化放電よって放電セルに形成された壁電荷が、時間の経過とともに徐々に減少するためと考えられる。この壁電荷の減少は、例えば表示画像に応じた書込みパルスが各データ電極に印加され暗電流が流れて発生する。そのため走査の順番が遅い放電セルほど壁電荷は減少し、その分、走査パルス電圧を大きくしなければならなくなると考えられる。
仮に2相駆動を行わなかったと仮定すると、図4(b)に示すように、最初に走査パルスを印加する走査電極SC1と最後に走査パルスを印加する走査電極SC1080との電圧差は約34(V)になることが実験により確認された。
しかしながら本実施の形態においては2相駆動を行っている。そのため、最初に走査パルスを印加する走査電極SC1、SC541と最後に走査パルスを印加する走査電極SC540、SC1080との時間差は2相駆動を行わなかった場合の1/2に短縮される。その結果、最初に走査パルスを印加する走査電極SC1、SC541と最後に走査パルスを印加する走査電極SC540、SC1080との電圧差は約14(V)になり、2相駆動を行わなかった場合と比較して約20(V)低減できることが実験により確認された。
このように、本実施の形態においては2相駆動を行うことにより、書込み放電を発生させるために必要な走査パルスの振幅を低減することが可能となる。
また本実施の形態においては、全セル初期化動作を行うための下り傾斜波形電圧を複数回に分けて印加し、かつ時間的に後に印加する下り傾斜波形電圧の勾配を、時間的に先に印加する下り傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかに設定している。これにより初期化放電を安定して発生させることができる。以下にその理由について説明する。
傾斜波形電圧を用いると微弱な放電を発生させることができることはよく知られている。本発明者らは、この傾斜波形電圧を用いた放電を詳細に調べた結果、傾斜波形電圧の印加を一旦中断し、その後傾斜波形電圧の印加を再開する場合に、同じ勾配で再開すると強い放電が発生する確率が高くなることを見出した。図5は、傾斜波形電圧を2回に分けて印加して微弱な放電を発生させるときの発光の様子を示す模式図であり、図5(a)は、2回目の傾斜波形電圧の勾配が1回目の傾斜波形電圧の勾配と等しい場合、図5(b)は2回目の傾斜波形電圧の勾配が1回目の傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかな場合を示している。
まず、1回目の傾斜波形電圧を印加した場合の放電について考える。この場合プライミングの減少した状態から放電が開始するため、印加電圧が放電開始電圧を超えた直後に放電が開始するのではなく、放電遅れ時間の後にまず弱い放電が発生する。その後はこの弱い放電で発生したプライミングを受けて微弱な放電が安定して発生する。そしてこの微弱な放電は傾斜波形電圧の勾配が小さいほど弱い放電となる。しかし傾斜波形電圧の勾配が一定であっても継続して印加される場合は、この微弱放電は時間の経過とともに強くなる傾向を示す。これは時間の経過とともに放電セル内部の放電領域が広がるためであると考えられる。
次に、微弱な放電がある程度継続した後、一旦中断し、その後2回目の傾斜波形電圧を印加した場合の放電について考える。1回目の傾斜波形電圧を中断した電圧を超えると放電開始電圧を超えるが、この場合もプライミングの減少した状態から放電が再開するため、印加電圧が放電開始電圧を超えてもすぐに放電が開始するのではなく、放電遅れ時間の後にまず弱い放電が発生する。しかしこのときの弱い放電は、放電領域が広がった状態から放電が再開するため、1回目の傾斜波形電圧を印加した場合に発生する弱い放電よりも強くなる。そしてこの弱い放電があまり強くなければ、図5(a)に実線で示したように、その後はこの弱い放電で発生したプライミングを受けて微弱な放電が安定して発生する。しかしながら、この弱い放電がある程度強い場合には過剰なプライミングを発生し、図5(a)に破線で示したように、放電領域を一気に拡大し強放電に成長すると考えられる。そしてこの弱い放電が強放電に成長すると初期化動作が正常に行われず、続く書込み動作、維持動作も正常に行われないので画像表示品質を低下させることになる。
しかしながら本実施の形態においては、図5(b)に示したように、2回目の傾斜波形電圧の勾配を1回目の傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかに設定している。そのため、放電領域が広がった状態から再開する放電であっても、放電遅れ時間の後に発生する弱い放電を弱めることができ、強放電に成長する確率を大幅に抑制することができる。このように、傾斜波形電圧を複数回に分けて印加する場合には、傾斜波形電圧の勾配を後になるほど緩やかに設定することで、安定した放電を発生させることができる。
次に、パネル10を駆動するための駆動回路とその動作について説明する。図6は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置40の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置40は、パネル10とその駆動回路とを備え、駆動回路は、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミング発生回路45および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
画像信号処理回路41は、入力された画像信号をサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。データ電極駆動回路42はサブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する書込みパルスに変換し各データ電極D1〜Dmに印加する。タイミング発生回路45は垂直および水平同期信号をもとにして各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。走査電極駆動回路43は、タイミング信号にもとづいて上述した駆動電圧波形を発生し各走査電極SC1〜SC1080のそれぞれに印加する。維持電極駆動回路44は、タイミング信号にもとづいて上述した駆動電圧波形を発生し維持電極SU1〜SU1080に印加する。
図7は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置40の走査電極駆動回路43の回路図である。走査電極駆動回路43は、維持パルス発生回路50と、傾斜波形電圧発生回路60と、走査パルス発生回路70とを備えている。
維持パルス発生回路50は、電力回収回路51と、スイッチング素子Q55と、スイッチング素子Q56と、スイッチング素子Q91とを有し、走査電極SC1〜SC1080に印加する維持パルスを発生する。電力回収回路51は走査電極SC1〜SC1080を駆動するときの電力を回収して再利用する。スイッチング素子Q55は走査電極SC1〜SC1080を電圧Vsにクランプし、スイッチング素子Q56は走査電極SC1〜SC1080を電圧0(V)にクランプする。スイッチング素子Q91は分離スイッチであり、走査電極駆動回路43を構成するスイッチング素子の寄生ダイオード等を介して電流が逆流するのを防止するために設けられている。
走査パルス発生回路70は、スイッチング素子Q71H1〜Q71H1080、Q71L1〜Q71L1080、スイッチング素子Q72を有する。そして電圧Vaの電源、および電圧Vaの電源に重畳された電圧Vpの電源をもとにして走査パルスを発生し、走査電極SC1〜SC1080のそれぞれに、図3に示したタイミングで走査パルスを順次印加する。なお、走査パルス発生回路70は、初期化動作時および維持動作時には維持パルス発生回路50および傾斜波形電圧発生回路60の出力電圧をそのまま出力する。すなわち、図7に示したA点の電圧を走査電極SC1〜SC1080へ出力する。
傾斜波形電圧発生回路60は、ミラー積分回路61〜64を備え、図3に示した傾斜波形電圧を発生させる。ミラー積分回路61は、トランジスタQ61とコンデンサC61と抵抗R61とを有し、電圧Vtまで緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を発生する。ミラー積分回路62は、トランジスタQ62とコンデンサC62と抵抗R62と逆流防止用のダイオードD62とを有し、電圧Vrまで緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を発生する。ミラー積分回路63は、トランジスタQ63とコンデンサC63と抵抗R63とを有し、電圧Vi4まで緩やかに低下する下り傾斜波形電圧を発生する。ミラー積分回路64は、トランジスタQ64とコンデンサC64と抵抗R64とを有し、ミラー積分回路63と同様に電圧Vi4まで緩やかに低下する下り傾斜波形電圧を発生するが、ミラー積分回路63よりも緩やかに電圧を低下させる。なおスイッチング素子Q92も分離スイッチであり、走査電極駆動回路43を構成するスイッチング素子の寄生ダイオード等を介して電流が逆流するのを防止するために設けられている。
なお、これらのスイッチング素子およびトランジスタは、MOSFETやIGBT等の一般に知られた素子を用いて構成することができる。またこれらのスイッチング素子およびトランジスタは、タイミング発生回路45で発生したそれぞれのスイッチング素子およびトランジスタに対応するタイミング信号により制御される。
次に、走査電極駆動回路43の動作について説明する。なお本実施の形態においては、図3に示した電圧Vi1は電圧Vpに等しく、電圧Vi2は電圧(Vt+Vp)に等しく、電圧Vi3は電圧Vsに等しく、電圧Vcは電圧(Va+Vp)に等しいものとして説明する。しかしこれらの電圧は上記に限定されるものではなく、回路構成に応じて適宜設定することができる。
図8は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置40の走査電極駆動回路43の動作を説明するためのタイミングチャートである。
第1放電セルおよび第2放電セルで全セル初期化動作の前半を行うには、まずスイッチング素子Q56、スイッチング素子Q92、スイッチング素子Q71L1〜Q71L1080をオンにして走査電極SC1〜SC1080に電圧0(V)を印加する。次にスイッチング素子Q56、スイッチング素子Q71L1〜Q71L1080をオフ、スイッチング素子Q71H1〜Q71H1080をオンにして走査電極SC1〜SC1080に電圧Vpを印加する。そしてミラー積分回路61の入力端子IN61に所定の電圧を印加して、図7のB点の電圧を電圧Vtまで緩やかに上昇させて、走査電極SC1〜SC1080に電圧(Vt+Vp)まで緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を印加する。
第1放電セルで全セル初期化動作の後半を行うには、スイッチング素子Q71H1〜Q71H1080をオフ、スイッチング素子Q55、スイッチング素子Q91、スイッチング素子Q71L1〜Q71L1080をオンにして、まず走査電極SC1〜SC1080に電圧Vsを印加する。その後、スイッチング素子Q92をオフにするとともにミラー積分回路63の入力端子IN63に所定の電圧を印加してミラー積分回路63を動作させて、走査電極SC1〜SC1080の電圧を低下させる。このとき第1走査電極群に属する走査電極SC1〜SC540の電圧は、電圧Vi4まで低下させる。一方、第2走査電極群に属する走査電極SC541〜SC1080の電圧が電圧Vi5に達した時刻においてスイッチング素子Q71L541〜Q71L1080をオフにして、走査電極SC541〜SC1080をハイインピーダンス状態とする。
第1放電セルで書込み動作を行うには、まずミラー積分回路63のトランジスタQ63をオフ、スイッチング素子Q72をオンにしてA点の電圧を電圧Vaにするとともに、スイッチング素子Q71L1〜Q71L1080をオフ、スイッチング素子Q71H1〜Q71H1080をオンとして、走査電極SC1〜SC1080のそれぞれに電圧(Va+Vp)を印加する。
次に、スイッチング素子Q71H1をオフ、スイッチング素子Q71L1をオンにし、その後スイッチング素子Q71L1をオフ、スイッチング素子Q71H1をオンに戻す。このようにして走査電極SC1に電圧Vaの走査パルスを印加する。以下同様にして、第1走査電極群に属する走査電極SC540に至るまで走査パルスを順次印加する。
その後、まずスイッチング素子Q72、スイッチング素子Q71H1〜Q71H1080をオフ、スイッチング素子Q56、スイッチング素子Q92、スイッチング素子Q71L1〜Q71L1080をオンとして走査電極SC1〜SC1080に電圧0(V)を印加する。
次に第2放電セルで全セル初期化動作の後半を行うには、スイッチング素子Q56、Q92をオフに戻すとともに、ミラー積分回路64の入力端子IN64に所定の電圧を印加してミラー積分回路64を動作させて、電圧Vi4まで低下する傾斜波形電圧を走査電極SC1〜SC1080に印加する。
次に第2放電セルで書込み動作を行うには、まずミラー積分回路64のトランジスタQ64をオフ、スイッチング素子Q72をオンにしてA点の電圧を電圧Vaにするとともに、スイッチング素子Q71L1〜Q71L1080をオフ、スイッチング素子Q71H1〜Q71H1080をオンとして、走査電極SC1〜SC1080のそれぞれに電圧(Va+Vp)を印加する。
次に、スイッチング素子Q71H541をオフ、スイッチング素子Q71L541をオンにし、その後スイッチング素子Q71L541をオフ、スイッチング素子Q71H541をオンに戻す。このようにして走査電極SC541に電圧Vaの走査パルスを印加する。以下同様にして、第2走査電極群に属する走査電極SC1080に至るまで走査パルスを順次印加する。
その後、スイッチング素子Q72、スイッチング素子Q71H1〜Q71H1080をオフ、スイッチング素子Q56、スイッチング素子Q92、スイッチング素子Q71L1〜Q71L1080をオンにして走査電極SC1〜SC1080に電圧0(V)を印加する。
以上のようにして、走査電極駆動回路43を用いて2相駆動を行うことができる。
なお本実施の形態においては、SF1〜SF10で2相駆動を行うものとして説明した。しかし本発明はこれに限定されるものではない。2相駆動を行うサブフィールドと2相駆動を行わないサブフィールドとで1フィールドを構成してもよい。
また本実施の形態においては、表示画面の上半分に対応する走査電極SC1〜SC540を第1走査電極群とし、表示画面の下半分に対応する走査電極SC541〜SC1080を第2走査電極群とした例について説明した。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、奇数番目に属する走査電極を第1走査電極群とし、偶数番目に属する走査電極を第2走査電極群としてもよい。
また本実施の形態においては、走査電極SC1〜SCnを2つの走査電極群に分け、2相駆動を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば走査電極SC1〜SCnを3つの走査電極群に分け、それぞれの走査電極群毎に初期化動作、書込み動作を順次行うように駆動してもよい。
さらに、パネルの表示領域を複数の領域に分け、複数の領域に対応して走査電極を複数の走査電極群に分け、第1フィールドの最後のサブフィールドの点灯率をそれぞれの領域において算出し、点灯率が大きい領域の順に、対応する走査電極群の選択初期化動作および書込み動作を行ってもよい。このように表示画像に応じて走査電極群の選択初期化動作および書込み動作の順序を切換えて駆動することで、安定した書込み放電を発生させるために必要な走査パルスの振幅をさらに抑制することができる。
また図6に示した駆動回路は、図3に示した駆動電圧波形を発生させる回路構成の一例であって、本発明のプラズマディスプレイ装置は、この回路構成に限定されるものではない。
また、本実施の形態において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
本発明は、大画面パネルであっても駆動電圧を大きく上昇させることなく、かつ安定した書込み放電を発生させつつ、黒輝度を抑えてコントラストを高めることができ、パネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置として有用である。
本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置に用いるパネルの構造を示す分解斜視図 同プラズマディスプレイ装置に用いるパネルの電極配列図 同プラズマディスプレイ装置の各電極に印加する駆動電圧波形図 書込み放電を発生させるために必要な走査パルスの振幅と走査の順番との関係を示す概略特性図 傾斜波形電圧を2回に分けて印加して微弱な放電を発生させるときの発光の様子を示す模式図 同プラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 同プラズマディスプレイ装置の走査電極駆動回路の回路図 同プラズマディスプレイ装置の走査電極駆動回路の動作を説明するためのタイミングチャート
10 パネル
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
32 データ電極
40 プラズマディスプレイ装置
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45 タイミング発生回路
50 維持パルス発生回路
60 傾斜波形電圧発生回路
61〜64 ミラー積分回路
70 走査パルス発生回路

Claims (4)

  1. 走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作と書込み放電を発生させる書込み動作と維持放電を発生させる維持動作とを行うサブフィールドを複数用いて1フィールドを構成し、
    前記サブフィールドの少なくとも1つにおいて、前記走査電極の少なくとも1つに下り傾斜波形電圧を複数回に分けて印加して前記初期化動作を行うとともに、時間的に後に印加する下り傾斜波形電圧の勾配を、時間的に先に印加する下り傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかに設定することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. 前記走査電極を、第1走査電極群および第2走査電極群を含む複数の走査電極群に分け、
    前記サブフィールドの少なくとも1つにおいて、前記第1走査電極群に属する走査電極に下り傾斜波形電圧を印加して初期化動作を行うとともに前記第2走査電極群に属する走査電極に1回目の下り傾斜波形電圧を印加し、その後に、前記第1走査電極群に属する走査電極に走査パルスを印加して書込み動作を行い、
    その後、前記第2走査電極群に属する走査電極に2回目の下り傾斜波形電圧を印加して初期化動作を行った後に、前記第2走査電極群に属する走査電極に走査パルスを印加して書込み動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  3. 前記走査電極の少なくとも1つに下り傾斜波形電圧を複数回に分けて印加して行う初期化動作は、直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる全セル初期化動作であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  4. 走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備え、
    前記駆動回路は、前記放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作と書込み放電を発生させる書込み動作と維持放電を発生させる維持動作とを行うサブフィールドを複数用いて1フィールドを構成して前記プラズマディスプレイパネルを駆動し、
    前記サブフィールドの少なくとも1つにおいて、前記走査電極に下り傾斜波形電圧を複数回に分けて印加して前記初期化動作を行うとともに、時間的に後に印加する下り傾斜波形電圧の勾配を、時間的に先に印加する下り傾斜波形電圧の勾配よりも緩やかにするように構成されていることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
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