JP2010215788A - インクジェット用水性インク、該インクを用いた記録ユニットおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

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貴志 今井
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Abstract

【課題】 インクが濡れやすい吐出ノズル面に対して、樹脂の付着を抑制し、吐出ノズル面の表面特性の変化を低減させることで、吐出方向の不安定化を抑制させたインクジェット記録用水性インクを提供すること。
【解決手段】 記録ヘッドの吐出ノズル面に撥水処理を施していない記録ヘッドのノズルからインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に記録を行うインクジェット記録装置に用いることができるインクであって、顔料、水溶性樹脂及び、界面活性剤を含んでなり、且つ、該インクの顔料と水溶性樹脂及び、界面活性剤を用いた混合溶液における表面張力値が式(1)を満たし、また、表面張力値を40mN/mに調整した該界面活性剤と純水による混合水溶液の、該吐出ノズル面に対する付着エネルギーが3.5mJ/m以上となる、ことを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット用水性インク、該インクを用いた記録ユニット及び、インクジェット記録方法に関するものであって、特に、吐出ノズル面の特性変化及び、それによる吐出特性の変化を抑制することができるインクジェット用水性インクに関する。
インクジェット記録方法は、記録液(インク)の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて記録を行うものである。特に、吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させる方法によれば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化が容易に実現でき、高解像度、高品質の画像を高速で記録できる。
近年、インクジェット用インクを用いて形成された画像は、銀塩写真と同レベルの堅牢性(耐光性・耐ガス性・耐擦過性)が求められている。このような状況の中、着色剤として顔料および樹脂を含むインクを用いることで、堅牢性に優れた画像を得られることが知られている。
一方、インクを吐出する記録ヘッドに関しては、精度よくインクを吐出する必要性から、吐出ノズル面に撥水処理を施す方法がある。しかし、処理を施す為にヘッド製造工程が増すことや、撥水処理面の削れ及び、剥がれにより表面特性が変わることで、吐出方向の不安定化といった吐出特性に対する懸念がある。
また、吐出ノズル面に撥水処理を施さない場合、削れ及び剥がれといった要因による表面特性変化は避ける事ができるが、吐出ノズル面に対する樹脂の付着及び剥離によって引き起こる付着樹脂の不均一化による表面特性の変化は避けることができず、それによって吐出方向の不安定化が起こる懸念点が残る。
このような、吐出の不安定化といった課題に対して、顔料インクにフッ素系界面活性剤を添加することで吐出の不安定化を抑制する提案がある(特許文献1参照)。
特開平4−248880号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1では、本発明者らの検討により、インクが濡れやすい吐出ノズル面を持つインク吐出装置に対しての効果は不十分であることが分かった。
従って、本発明の目的は、インクが濡れやすい吐出ノズル面に対して、樹脂の付着を抑制し、吐出ノズル面の表面特性の変化を低減させることで、吐出方向の不安定化を抑制させたインクジェット記録用水性インクを提供することにある。
本発明者らは、前記したような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったものである。具体的には記録ヘッドの吐出ノズル面に撥水処理を施していない記録ヘッドのノズルからインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に記録を行うインクジェット記録装置に用いることができるインクであって、顔料、水溶性樹脂及び、界面活性剤を含んでなり、且つ、該インクの顔料と水溶性樹脂及び、界面活性剤を用いた混合溶液における表面張力値が下記式(1)を満たし、また、表面張力値を40mN/mに調整した該界面活性剤と純水による混合水溶液の、該吐出ノズル面に対する付着エネルギーが3.5mJ/m以上となることを特徴とするインクジェット記録用水性インクである。
本発明のインクを用いることで、従来よりも、吐出ノズル面に対して、樹脂の付着を抑制させることができる。その結果、該吐出ノズル面の表面特性の変化を低減させ、吐出方向の不安定化を抑制できる。
本発明において、吐出ノズル面に不均一に樹脂が付着することで表面特性が変化し、吐出方向が不安定化することに関して、以下に詳しく説明する。
印字環境、吐出ノズル面の凹凸形状や表面温度の不均一性、回復動作におけるインクのふき取りムラから、該吐出ノズル面に付着するインク中の樹脂は、不均一な付着及び脱離を起こす。これにより、吐出ノズル面の表面特性に変化が生じ、吐出インク滴が不均一に付着している樹脂付着物で引っ張られることで起こる吐出方向の不安定化をもたらすということである。
また、本発明のインクを用いることで樹脂の付着を抑制できるメカニズムについては判明していないが、以下のように推測している。
インク中に存在する、顔料及び樹脂と吸着していない界面活性剤が吐出ノズル面との付着力が大きいと、界面活性剤が吐出ノズル面上に吸着して配向し、樹脂と吐出ノズル面との直接的な吸着を防ぐ。即ち、樹脂付着による表面特性の変化を低減させることができると推測している。また、吸着した界面活性剤は、回復動作などで容易に除去できる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
[界面活性剤]
本発明で用いられる界面活性剤は、インクの顔料と水溶性樹脂における混合水溶液と、インクの顔料と水溶性樹脂と界面活性剤における混合水溶液の表面張力値が、下記式(1)を満たせば、特に限定されない。
一般に、溶液中に界面活性剤が存在すると、表面張力が低下するといった変化を及ぼすが、これは界面活性剤が界面に吸着することによる影響である。
実際にインク中では、界面活性剤が顔料及び樹脂との吸着に用いられ、界面に吸着する界面活性剤量は顔料及び樹脂との量及び種類で異なる。
上記式(1)において、分母は、インク中に存在する界面活性剤によって表面張力が変化する最大変化量を表している。また、分子は、実際にインク中に存在する顔料、水溶性樹脂及び界面活性剤の量比で、界面活性剤によって表面張力が変化する変化量を示している。
界面活性剤が顔料及び水溶性樹脂と吸着せず、界面に吸着する量が多ければ、表面張力の変化が大きくなり、分子の変化量が分母の最大変化量に近づく為、上記式(1)での値は大きくなる。逆に界面活性剤が顔料及び水溶性樹脂と吸着しやすく、界面に吸着する量が少なくなると、表面張力の変化量は小さくなり、上記式(1)での値は小さくなる。
即ち、上記式(1)はインク中に存在する界面活性剤に対して、界面に吸着する界面活性剤の量を表している。
上記式(1)を満たせば、吐出ノズル面に吸着し、樹脂と吐出ノズル面との直接的な吸着を防ぐ為の界面活性剤量がインク中に確保できると考えられる。
さらに、表面張力値を40mN/mに調整した界面活性剤と純水による混合水溶液の、撥水処理を施していない記録ヘッドの吐出ノズル面に対する付着エネルギーが3.5mJ/m以上でなければ、効果が得られない。
ここで述べている後退接触角値は、固液界面解析装置DropMaster700(協和界面化学株式会社製)を用いて得ることができる。具体的には、液滴サイズ30μl、最大傾斜90°、滑落認識設定を2dotとした時の条件で、液滴滑落時の後退接触角値が得られる。ここで用いた液滴は純水である。
また、付着エネルギー値も同様に、固液界面解析装置DropMaster700(協和界面化学株式会社製)を用いて得ることができる。具体的には、まず、液滴サイズ30μl、最大傾斜90°、滑落認識設定を2dotとした時の条件で、液滴滑落時の滑落角値及び、該吐出ノズル面に対する着滴半径が得られる。ここで用いた液滴は、表面張力値を40mN/mに調整した界面活性剤水溶液である。その後、実測値によって得られた滑落角値、着滴半径値を用い、下記式(2)により付着エネルギー値を算出して得られる。
付着エネルギーは、吐出ノズル面と界面活性剤水溶液の固液界面における付着性を表している。ここで、各々の界面活性剤水溶液に対して表面張力といった物理特性を揃えた場合、吐出ノズル面上に対する付着エネルギーの差は、固液界面における界面活性剤の付着性の差を表していると推定される。なお、測定の容易さを考慮し、揃える表面張力値を40mN/mとした。
本発明において、付着エネルギー値が3.5mJ/m未満であれば、上記式(1)を満たし、効果を得る為の界面活性剤量を確保しても、界面活性剤が吐出ノズル面に十分に吸着しない為、樹脂と吐出ノズル面との直接的な吸着を防ぐことができず、本発明の効果が得られない。
さらに、インク中に添加する上記規定の界面活性剤の量は、3.0%以上8.0%未満であることが好ましい。これは界面活性剤による樹脂付着抑制効果により、吐出方向を安定化させる最適量の範囲を示している。
界面活性剤量が3.0%未満であれば、樹脂付着抑制効果が十分ではなく、また、8.0%以上であれば、樹脂付着抑制効果はあるが、顔料の分散が不安定化する為好ましくない。
[水溶性樹脂]
本発明のインクに用いることができる水溶性樹脂としては、特に親水性単量体と疎水性単量体からなる共重合体もしくは親水基と疎水基を併せ持った単量体からなる重合体が好ましい。疎水性単量体の具体的な例として、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等が挙げられる。親水性単量体の具体的な例として、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等が挙げられる。水溶性樹脂の具体例としては、これら親水性および疎水性単量体からなるランダム共重合体、或いはブロック共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。
また、樹脂の酸価に関しては電位差滴定により求めることができる。本発明の樹脂の酸価としては50以上350未満が好ましい。酸価が50未満では、インクのインクジェット吐出性が不十分であり好ましくない。酸価が350以上では、インクの保存安定性が不十分となり好ましくない。酸価が80以上250未満であればさらに好ましい。
また、樹脂の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、多分散度Mw/Mnの測定は、JISハンドブック化学分析 K0124に準じ、サイズ排除クロマト法(GPC法)からを求めることができる。分子量の好ましい範囲としては重量平均分子量で1000以上30000以下である。より好ましくは3000以上15000以下であることが好ましい。また、多分散度(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mn)については1.0以上3.0以下であることが好ましい。また、樹脂の中和にはKOH等を用い、実測された酸価に対しモル0.8等量以上1.2等量以下の量で中和することが好ましい。
[水溶性有機溶剤]
インクジェットシステムとして安定的に使用する目的で、インク中には水溶性溶剤が添加される。インクジェット法で記録媒体に付着せしめる場合には、優れたインクジェット吐出特性を有するようにインク所望の粘度及び表面張力に調製することが好ましい。
本発明の水性インクに用いられる水溶性有機溶剤としては、下記に列挙したようなものの中から選択することができる。具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。又、水としては、脱イオン水を使用することが望ましい。
本発明にかかる水性インク中の水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、インク全質量に対して、好ましくは3〜50質量%の範囲とすることが好適である。又、インクに含有される水の量は、インク全質量に対して、好ましくは50〜95質量%の範囲とすることが好ましい。
[顔料]
本発明にかかる水性インクを構成する色材としては、水性インクとして用いることのできる顔料であれば、特に限定されるものではない。具体的には、分散剤を用いる樹脂分散タイプの顔料(樹脂分散型顔料)、顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合している改質された顔料(樹脂結合型自己分散顔料)、水不溶性色材自体の分散性を高めて分散剤等を用いることなく分散可能とした、マイクロカプセル型顔料等の顔料を用いることが出来る。色材のインク全量に対する割合としては、0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。以下、本発明に用いることのできるこれらの顔料について説明する。
黒色インクに使用される顔料としては、カーボンブラックが好適である。例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックをいずれも使用することができる。具体的には、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000ULTRA、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上、コロンビア社製)、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、モナク2000、ヴァルカンXC−72R(以上、キャボット社製)、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(Special Black)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上、デグサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等の市販品を使用することができる。(「RAVEN」「BLACK PEARLS」「REGAL」「MOGUL」「MONARCH」「VULCAN」「PRINTEX\プリンテックス」は登録商標)又、本発明のために別途新たに調製されたカーボンブラックを使用することもできる。しかし、本発明は、これらに限定されるものではなく、従来公知のカーボンブラックをいずれも使用することができる。又、カーボンブラックに限定されず、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子や、チタンブラック等を黒色顔料として用いてもよい。
有機顔料としては、具体的には、例えば、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料、インジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。勿論、これらに限定されず、その他の有機顔料であってもよい。
又、本発明で使用することのできる有機顔料を、カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。
又、顔料をインク中に分散させるための分散剤としては、水溶性樹脂であればどのようなものでも使用することができるが、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更には、3,000〜15,000の範囲のものが好ましい。このような分散剤として、具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つの単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。
[その他の成分]
本発明にかかる水性インクは、保湿性維持のために、上記した成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の保湿性固形分をインク成分として用いてもよい。尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン等の、保湿性固形分のインク中の含有量は、一般には、インクに対して0.1〜20.0質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは3.0〜10.0質量%の範囲である。
また、本発明のインクジェット記録装置用インクは、上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤等の、種々の添加剤を含有させてよい。
[吐出ノズル面]
インク滴を吐出する記録ヘッドにおいては、吐出口を形成する材料と吐出ノズル面の材料が同一材料であるような記録ヘッドが使用される。好ましい構成材料としては、光硬化性エポキシ樹脂のカチオン重合化合物等が挙げられる。具体的にはSU−8等が知られている。例えば、特開2002−283580号公報、特登録03819217号等である。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。尚、文中「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
(分散体1の製造)
顔料(カーボンブラック、製品名:モナク1100 キャボット社製)10部
樹脂1(スチレンーアクリルーアクリル酸ブチル共重合体、酸価120、重量平均分子量7400)5部
2−ピロリドン 20部
純水 65部
上記成分を混合し、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填してペイントシェーカーで20時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調整物の顔料濃度が10%、重量平均粒子径が90nm程度のBk分散体を得た。
(試験用基板の作成)
シリコンウエハ上に光硬化性エポキシ樹脂(EPON SU−8 米国マイクロリソグラフィーコーポレーション製)をスピンコートによって塗布し、UV照射を行うことで、試験用基板を作成した。
また、本実施例で使用した界面活性剤の種類及び、表面張力値を40mN/mに調整した該界面活性剤水溶液の試験用基板に対する付着エネルギー値を下記表1に示す。
アセチレノールE100、ダイノール604;アセチレングリコール系界面活性剤
L101;ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物
EMALEX DAPE−0212、FINESURF7085;ポリオキシエチレンポリプロピレン合成アルコールエーテル
BC20;ポリオキシエチレンセチルエーテル
L−7604;ポリエーテル変性シリコン系界面活性剤
NOVEC FC−4430、FC−4432;2−(N−パーフルオロブチルスルホニル−N−メチルアミノ)エチル=アクリレイト・ポリ(オキシアルキレングリコール)=アクリレイト・ポリ(オキシアルキレングリコール)=ジアクリレイトの共重合体系のフッ素系界面活性剤(「アセチレノール」「ダイノール」「EMALEX\エマレックス」「ファインサーフ\FINESURF」「NOVEC」は登録商標)
(インクジェット記録用水性ブラックインクの調整)
上記で得られた分散体及び、上記した界面活性剤を用い、下記表2に示す組成からなるブラックインクをそれぞれ調整した。下記成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ3μmのミクロフィルター(富士フイルム製 FM300)にて加圧濾過をすることによりインクを作成した。
また、表2で作成したそれぞれのインクに対して、式(1)に用いられる計算式で算出した数値を以下表3に示す。
(表面特性変化抑制の評価)
上記作成した試験用基板を各インクに温度35℃にて密閉浸漬した。20時間後に取出し、基板を純水で30秒間流水洗浄後、その後純水の後退接触角を測定し、浸漬前後の後退接触角の差を測定することで界面活性剤による表面特性変化抑制の評価した。後退接触角の測定は、固液界面解析装置DropMaster700(協和界面化学製)を用い測定した。結果を表4に示す。
AA:浸漬前後の後退接触角差が0°以上5°未満
A :浸漬前後の後退接触角差が5°以上10°未満
C :浸漬前後の後退接触角差が10°以上
評価後の基板をキーエンス製VN−8000を用いて、付着物を確認したところ、後退接触角値が低下した基板には付着物が確認された。
上述した界面活性剤を含有したインクは、後退接接触角値の低下が非常に少ないことが分かる。
(吐出評価)
上記作成した各インクを、HP Photosmart Pro B9180 Printerに搭載し、印字をして、吐出方向の安定性評価を行った。(「PHOTOSMART」は登録商標)評価方法としては、画像を形成し、目視によって吐出の不安定化を評価した。
結果を表5に示す。
AA:吐出方向の不安定化はほとんど無く、画像形成上問題ない
A :吐出方向の不安定化はわずかに視認できるが、画像形成上問題ない
C :吐出方向の不安定化がはっきり視認できる。
以上、本発明におけるインクを用いた場合、吐出の不安定化を抑制できることが分かった。

Claims (4)

  1. 記録ヘッドの吐出ノズル面に撥水処理を施していない記録ヘッドのノズルからインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に記録を行うインクジェット記録装置に用いることができるインクであって、顔料、水溶性樹脂及び、界面活性剤を含んでなり、且つ、該インクの顔料と水溶性樹脂及び、界面活性剤を用いた混合溶液における表面張力値が下記式(1)を満たし、また、表面張力値を40mN/mに調整した該界面活性剤と純水による混合水溶液の、該吐出ノズル面に対する付着エネルギーが3.5mJ/m以上となる、ことを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. 前記インクジェット用水性インクの組成物である前記界面活性剤を3.0%以上8.0%未満含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに記載のインクを収容しているインク収容部と、上記インクを吐出させるためのインクジェットヘッドとを具備していることを特徴とする記録ユニット。
  4. 請求項1乃至2のいずれかに記載のインクを、インクジェット法で吐出する工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
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