JP2010211748A - 資源配分システム - Google Patents

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Abstract

【課題】それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数存在する配分先のいずれかに機械的に配分する。
【解決手段】〔手順11〕各配分先情報の暫定満足度を初期化する(S305)。〔手順12〕資源情報を価値の降順に整列し(S310)、割当対象を設定する(S315)。〔手順13〕割当先候補を設定する(S320)。〔手順14〕各割当先候補に対し割当対象の割当確率を設定し(S325)、所定範囲内の擬似乱数値を取得した上で(S330)、割当確率に基づいて割当対象の割当先を決定する(S335)。〔手順15〕割当結果を出力する(S340)とともに、配分先情報の必要項目を更新する(S345)。〔手順16〕全ての資源情報の割当先が決定したか否かを判定し(S350)、割当先が決定していない資源情報があれば上記〔手順12〕の割当対象を設定する処理(S315)以降を繰り返す。
【選択図】図3

Description

本発明は、資源を配分するシステムに関し、特に、複数ある資源の各々を複数存在する配分先のいずれかに配分する処理に関するものである。
広告代理店には、テレビ局からテレビ通販用の放送時間枠を一括で購入し、これを一定の放送時間枠に分割して各々に価格を設定した上で顧客(通販事業者)に販売する、という業務がある。この業務では、複数存在する顧客に対し、複数ある放送時間枠を適切に配分する必要がある。
従来、放送時間枠の配分作業は、広告代理店の担当者が、各顧客の希望を適度に取り入れつつ、テレビ局側・広告代理店側の事情も考慮しながら、手作業で行っていた。
<先行技術1>
問題事象に対する各要因の関係性を考慮して、各対策を実施するために必要な資源を効果的に配分する資源配分支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のシステムでは、例えば、機器の停止という問題に対して保全コストを効果的に配分するため、機器の停止の要因となる事象の発生確率とそれに対応する保全の実施回数及びコストとから算出した当該事象の発生確率と保全コストとの間の相関(「使用資源関数」)を用いる(同文献図1の3a,図4,段落0015,0016,0020等参照)。
<先行技術2>
上位の配分希望ができるだけかなうように工夫して、資源全体の満足度が高くなるように資源を配分する資源配分先決定システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
上記のシステムでは、例えば、多数の学生に履修を希望する科目の申請をさせ学生を履修科目ごとにふるい分けて配分するに当たり、履修科目のクラスの開講に利用可能な各教室の定員数を考慮しつつ、上位の希望の履修申請が外れた場合に次点の希望の履修申請がかなう学生数が最大となるように調整する(処理の概念について同文献図7〜図10、処理の流れについて同文献図11等参照)。
<先行技術3>
テレビ放送枠の予約・購入を受け付ける放送枠販売システムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
上記のシステムでは、放送枠を予約しようとするユーザに対して予め空き情報を示し、空きのある放送枠の予約を要求したユーザにその放送枠を割り当てている(同文献図9のS25〜S27,図11(a),段落0032〜0034等参照)。
<先行技術4>
一様分布性の高い擬似乱数を生成する擬似乱数生成アルゴリズムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
上記のアルゴリズム又はこれにより生成される擬似乱数値には、例えば、次のような特徴がある(非特許文献2参照)。
・長周期(周期219937−1)
・高次元均等分布(623次元超立方体の中に均等に分布する)
・生成速度がかなり速い
・メモリ効率が良い
<先行技術5>
自然界の物理現象を利用した物理乱数生成装置が知られている(例えば、特許文献4,特許文献5参照)。
物理乱数生成装置には、(1)乱数の元になる物理現象(半導体内部で発生する電気的ノイズ等),(2)アナログの物理現象を電気的に観測してデジタル情報に変換する機能及び(3)物理現象から取り出された乱数の品質を改善する機能が必要とされる(例えば、特許文献5の段落0002)。
乱数品質(一様性)の改善に関し、特許文献4には、(a)互いに相関をもたない複数の物理乱数生成回路を同時に作動させて生成した各乱数データを一連の乱数に結合する点(図1,段落0031等),(b)互いに相関をもたない複数の物理乱数生成回路を同時に作動させて生成した各乱数データと、品位向上用の物理乱数生成回路により生成した乱数データとの排他的論理和を行う点(図3,段落0033等)等が記載されている。
同様に、特許文献5には、(a)乱数生成部により生成された乱数と加算部により生成された加算結果との加算を任意の回数繰り返す点(図10(a),段落0077〜0078等),(b)乱数生成部により生成された乱数と加算部により生成された加算結果との排他的論理和を求める点(図10(b),段落0086等)等が記載されている。
特開2005−032202号公報 特開2007−122532号公報 特開2004−129190号公報 特開2007−323135号公報 特開2008−269314号公報
"Mersenne Twister: A random number generator (since 1997/10)"、[online]、インターネット<URL: http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/~m-mat/MT/mt.html> "What & how is MT?"、[online]、インターネット<URL: http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/~m-mat/MT/what-is-mt.html>
テレビ通販の広告効果は放送時間帯や視聴可能地域によって変動しやすいため、放送時間枠の配分作業には相応の公平性が必要とされる。また、配分作業が特定の者の勘と経験に依存している状態は、業務の継続性という観点で望ましいものではない。
こうした事情から、個別に価格が設定されている複数の放送時間枠の配分を、人手を介さず機械的に行う仕組みが求められている。
上記<先行技術1>のシステムでは、「保全コスト」すなわち価値自体が配分対象の資源として想定されている。配分対象の資源がそれぞれ価値を有しているのではない。
上記<先行技術2>のシステムでは、人的資源(学生)の配分先(履修科目)を決定するに当たり、容量体の物理的制限(教室の収納可能人数)が考慮されている。つまり、資源の「数」を問題としているのであり、資源の「価値」を全く考慮していない。
上記<先行技術3>のシステムでは、希望者に対して各放送枠を先着順で割り当てている。放送枠の配分先をシステムが主体的に決定しているのではない。
本発明が解決しようとする課題は、それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数存在する配分先のいずれかに機械的に配分することである。
上記の課題を解決するため、本発明は、それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数ある配分先のいずれかに配分する資源配分システムであって、資源の識別情報と、該資源の価値とを少なくとも含む資源情報を複数件記憶する資源情報記憶手段と、配分先の識別情報と、該配分先が資源を取得するための対価とを少なくとも含む配分先情報を複数件記憶する配分先情報記憶手段とを有し、配分処理の開始要求を入力する配分要求入力手段と、前記開始要求を入力した後、配分先が決定していない資源のうち価値が最大の資源の識別情報を前記資源情報記憶手段より読み出し、割当対象に設定する割当対象設定手段と、対価が前記割当対象に対応する価値以上であることを第一の絞込条件とし、該第一の絞込条件を満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、割当先候補に設定する割当先候補設定手段と、前記各割当先候補に対応する対価を前記配分先情報記憶手段より読み出し、該各対価を用いて、該各割当先候補に対し、次の式で定義する対価比率に正比例するように前記割当対象の割当確率を設定する割当確率設定手段と、所定の数値範囲を割当確率の大きさに応じて前記割当先候補ごとに区分し、該数値範囲内の擬似乱数値又は物理乱数値を1つ取得し、該取得した乱数値を含む区分に対応する割当先候補を前記割当対象の割当先に決定する割当先抽選手段と、前記割当先を前記割当対象に対応させて出力する割当結果出力手段と、前記配分先情報記憶手段に記憶している前記割当先に対応する対価から、前記割当対象に対応する価値を減算する対価更新手段とを備え、前記割当対象設定手段は、前記対価更新手段による対価の更新後、配分先が決定していない資源があれば、割当対象を新たに設定することを特徴とする。
Figure 2010211748
前記資源情報は、前記資源の種別をさらに含み、前記配分先情報は、該配分先に割当済みの各資源の価値の合計値を示す割当済資源合計値と、該配分先に割当済みの各資源に対し該配分先が見込む期待収益の合計値を示す割当済期待収益合計値と、暫定満足度とをさらに含み、前記配分先の識別情報と前記資源の種別との組ごとに平均期待収益率を記憶する期待収益率設定情報記憶手段をさらに有し、前記配分先情報記憶手段に記憶している前記割当先に対応する割当済資源合計値に、前記割当対象に対応する資源の価値を加算する割当済資源合計値更新手段と、前記割当先に決定した配分先の識別情報と前記割当対象に対応する資源の種別との組に対応する平均期待収益率を前記期待収益率設定情報記憶手段より読み出し、前記配分先情報記憶手段に記憶している該割当先に対応する割当済期待収益合計値に、該割当対象に対応する資源の価値に該平均期待収益率を乗じて得られる額を加算する割当済期待収益合計値更新手段と、前記更新後の割当済資源合計値と前記更新後の割当済期待収益合計値とを用いて、次の式で定義する暫定満足度を算出し、前記配分先情報記憶手段に書き込む暫定満足度更新手段とをさらに備え、前記割当確率設定手段は、前記各割当先候補に対し、前記対価比率に正比例し、かつ、前記配分先情報記憶手段に記憶している該各割当先候補の暫定満足度に反比例するように前記割当対象の割当確率を設定してもよい。
Figure 2010211748
前記開始要求を入力したとき、配分先ごとに、該配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、各資源の価値及び種別を前記資源情報記憶手段より読み出し、該識別情報と該種別との組に対応する平均期待収益率を前記期待収益率設定情報記憶手段より読み出し、該各資源の価値と該各資源に対する平均期待収益率とを用いて、次の式で定義する暫定満足度の初期値を算出し、前記配分先情報記憶手段に書き込む暫定満足度初期化手段をさらに備えていてもよい。
Figure 2010211748
前記配分先の識別情報と前記資源の種別との組ごとに期待収益カテゴリを記憶する期待収益カテゴリ設定情報記憶手段をさらに有し、前記期待収益率設定情報記憶手段は、前記配分先の識別情報と前記期待収益カテゴリとの組ごとに平均期待収益率を記憶し、前記暫定満足度初期化手段は、配分先ごとに、該配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、各資源の価値及び種別を前記資源情報記憶手段より読み出し、該識別情報と該各種別との組に対応する期待収益カテゴリを前記期待収益カテゴリ設定情報記憶手段より読み出し、該識別情報と該各期待収益カテゴリとの組に対応する平均期待収益率を前記期待収益率設定情報記憶手段より読み出し、該各資源の価値と該各平均期待収益率とを用いて前記暫定満足度の初期値を算出し、前記割当済期待収益合計値更新手段は、前記割当先に決定した配分先の識別情報と前記割当対象に対応する資源の種別との組に対応する期待収益カテゴリを前記期待収益カテゴリ設定情報記憶手段より読み出し、該識別情報と該各期待収益カテゴリとの組に対応する平均期待収益率を前記期待収益率設定情報記憶手段より読み出し、該平均期待収益率を用いて前記割当済期待収益合計値を更新してもよい。
前記期待収益カテゴリごとに期待収益カテゴリの優先度に対応する優先度係数を記憶する優先度係数設定情報記憶手段をさらに有し、前記割当先候補設定手段は、前記割当対象に対応する資源の種別に対して設定している期待収益カテゴリの優先度係数が最も大きいことを第二の絞込条件とし、前記第一の絞込条件を満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より絞り込み、前記優先度係数設定情報記憶手段に記憶している各優先度係数を参照して、該第一の絞込条件により絞り込んだ識別情報のうち該第二の絞込条件をさらに満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、割当先候補に設定してもよい。
前記割当確率設定手段は、前記各割当先候補が前記割当対象に対応する資源の種別に対して設定している期待収益カテゴリの優先度係数kを前記優先度係数設定情報記憶手段より読み出し、該各割当先候補に対し、前記対価比率に正比例し、かつ、前記配分先情報記憶手段に記憶している該各割当先候補の暫定満足度のk乗に反比例するように前記割当対象の割当確率を設定してもよい。
前記割当先抽選手段は、0以上1未満の数値範囲内の擬似乱数値又は物理乱数値を1つ取得し、前記各割当先候補の割当確率に対応する小数値を1つずつ加算して該取得した乱数値と順次比較し、該小数値の累計が該取得した乱数値を上回ったとき最後に加算した小数値に対応する割当先候補を前記割当対象の割当先に決定するとよい。
また、上記課題を解決するため、本発明は、それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数ある配分先のいずれかに配分する資源配分方法であって、資源の識別情報と、該資源の価値とを少なくとも含む資源情報を複数件記憶する資源情報記憶手段と、配分先の識別情報と、該配分先が資源を取得するための対価とを少なくとも含む配分先情報を複数件記憶する配分先情報記憶手段とを有する資源配分システムが、配分処理の開始要求を入力する配分要求入力ステップと、前記開始要求を入力した後、配分先が決定していない資源のうち価値が最大の資源の識別情報を前記資源情報記憶手段より読み出し、割当対象に設定する割当対象設定ステップと、対価が前記割当対象に対応する価値以上であることを第一の絞込条件とし、該第一の絞込条件を満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、割当先候補に設定する割当先候補設定ステップと、前記各割当先候補に対応する対価を前記配分先情報記憶手段より読み出し、該各対価を用いて、該各割当先候補に対し、次の式で定義する対価比率に正比例するように前記割当対象の割当確率を設定する割当確率設定ステップと、所定の数値範囲を割当確率の大きさに応じて前記割当先候補ごとに区分し、該数値範囲内の擬似乱数値又は物理乱数値を1つ取得し、該取得した乱数値を含む区分に対応する割当先候補を前記割当対象の割当先に決定する割当先抽選ステップと、前記割当先を前記割当対象に対応させて出力する割当結果出力ステップと、前記配分先情報記憶手段に記憶している前記割当先に対応する対価から、前記割当対象に対応する価値を減算する対価更新ステップとから成り、前記資源配分システムは、前記対価更新ステップにおいて対価を更新した後、配分先が決定していない資源があれば、前記割当対象設定ステップにおいて割当対象を新たに設定することを特徴とする。
Figure 2010211748
また、上記課題を解決するため、本発明は、それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数ある配分先のいずれかに配分する資源配分プログラムであって、資源の識別情報と、該資源の価値とを少なくとも含む資源情報を複数件記憶する資源情報記憶手段と、配分先の識別情報と、該配分先が資源を取得するための対価とを少なくとも含む配分先情報を複数件記憶する配分先情報記憶手段とを有する資源配分システムに、配分処理の開始要求を入力する配分要求入力ステップと、前記開始要求を入力した後、配分先が決定していない資源のうち価値が最大の資源の識別情報を前記資源情報記憶手段より読み出し、割当対象に設定する割当対象設定ステップと、対価が前記割当対象に対応する価値以上であることを第一の絞込条件とし、該第一の絞込条件を満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、割当先候補に設定する割当先候補設定ステップと、前記各割当先候補に対応する対価を前記配分先情報記憶手段より読み出し、該各対価を用いて、該各割当先候補に対し、次の式で定義する対価比率に正比例するように前記割当対象の割当確率を設定する割当確率設定ステップと、所定の数値範囲を割当確率の大きさに応じて前記割当先候補ごとに区分し、該数値範囲内の擬似乱数値又は物理乱数値を1つ取得し、該取得した乱数値を含む区分に対応する割当先候補を前記割当対象の割当先に決定する割当先抽選ステップと、前記割当先を前記割当対象に対応させて出力する割当結果出力ステップと、前記配分先情報記憶手段に記憶している前記割当先に対応する対価から、前記割当対象に対応する価値を減算する対価更新ステップとを実行させ、前記対価更新ステップにおいて対価を更新した後、配分先が決定していない資源があれば、前記割当対象設定ステップにおいて割当対象を新たに設定させることを特徴とする。
Figure 2010211748
本発明の資源配分システムは、配分先が決定していない資源のうち価値が最大の資源の識別情報を割当対象に設定し、対価が前記割当対象に対応する価値以上である全ての配分先の識別情報を割当先候補に設定し、各割当先候補に対し対価比率に正比例するように割当対象の割当確率を設定し、各割当確率と擬似乱数値又は物理乱数値とを用いて割当先候補のうちいずれかを割当対象の割当先に決定した上で、割当先に対応する対価から割当対象に対応する価値を減算する、という一連の処理を全ての資源の割当先が決定するまで繰り返す。
したがって、本発明の資源配分システムを用いれば、それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数存在する配分先のいずれかに機械的に配分することが可能になる。
また、本発明の資源配分システムは、割当確率と擬似乱数値又は物理乱数値とを用いて割当対象の割当先を決定する。そのため、特定の配分先が過度に有利/不利になったり、特定の資源が繰り返し特定の配分先に割り当てられたりといった偏った結果は、事実上発生しない。
したがって、本発明の資源配分システムを用いれば、それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数存在する配分先のいずれかに公平に配分することも可能になる。とりわけ、分布の一様性が高い擬似乱数値(例えば、上記<先行技術4>の擬似乱数生成アルゴリズムにより生成された擬似乱数値)を利用することにより、資源配分の公平性を確実に担保することができる。
システム構成を示すブロック図である。 (a)資源情報,(b)配分先情報,(c)期待収益カテゴリ設定情報,(d)期待収益率設定情報,(e)優先度係数設定情報,(f)期待収益率設定情報の変形例に含まれる項目の説明図である。 資源配分処理の手順を示すフローチャートである。(実施形態1) (a)暫定満足度の初期値,(b)暫定満足度,(c)対価比率の説明図である。 (a)割当先候補の絞込条件,(b)割当先候補の絞込条件の変形例の説明図である。 (a)割当確率,(b)割当確率の変形例1,(c)割当確率の変形例2の説明図である。 資源配分処理の手順を示すフローチャートである。(実施形態2) 資源配分処理の手順を示すフローチャートである。(実施形態3) 資源配分システムの使用形態の変形例を示すブロック図である。
<定義>
以下の説明中で使用される用語の意義は、それぞれ次の定義の通りとする。
・割当…1つの資源をいずれか1つの配分先に対応付けること。
・配分…複数ある資源の各々を複数ある配分先のいずれかに割り当てること。
・割当対象…配分処理において割当の対象となっている資源又はこれに対応する情報。
・割当先…ある資源が割り当てられた配分先又はこれに対応する情報。
・割当先候補…配分処理においてある割当対象の割当先の候補となっている配分先又はこれに対応する情報。
<実施形態1>
[1.実施形態1の概要]
実施形態1は、それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数存在する配分先のいずれかに配分する資源配分システムである。主要な特徴として、配分処理の過程で刻々と変化する配分先の候補の特性(対価の残存比率)に応じて割当確率を設定する点、配分先と資源との関係(資源に対する各配分先の費用対効果の予測)に応じて当該割当確率を補正している点が挙げられる。
以下の説明は、それぞれ価格を有する複数の放送時間枠の各々を複数存在する顧客(通販事業者)のいずれかに配分することを想定したものである。なお、資源配分処理は、一定の期間ごと(例えば、1月ごと)に実行することを想定している。
[2.システム構成]
実施形態1のシステムの構成を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、資源配分システム10は、制御部11,記憶部12,入力部13及び出力部14を有している。
資源配分システム10は、既存の情報処理装置(例えば、パソコン,サーバ等の電子計算機)でよい。なお、資源配分システム10は、他の装置と接続していなくてもよいし、通信ネットワークを介して他の装置(例えば、サーバ装置,クライアント端末等)と接続していてもよい。
[2−1.制御部]
制御部11は、資源配分システム10全体を制御するとともに、資源配分処理(後述)を実行する部分である。例えば、処理装置(MPU等),主記憶装置(メインメモリ)等が制御部11に含まれる。
また、制御部11は、記憶部12,入力部13及び出力部14とそれぞれ接続しており、例えば下記(a)〜(c)の処理の実行主体となる。
(a)入力部13を介して入力された種々のデータを記憶部12に書き込む。
(b)入力部13を介して入力されたデータを契機として、記憶部12にアクセスしつつ、資源配分処理(後述)を実行する。
(c)資源配分処理の結果を出力部14を介して出力する。
[2−2.記憶部]
記憶部12は、種々のデータ(後述)を記憶する部分である。例えば、パソコン内部の補助記憶装置(HDD,SSD等)が記憶部12に該当する。
記憶部12は、資源配分システム10の外部に存在する記録媒体(外付けのハードディスク,フラッシュメモリ,DVD−RAM等),通信ネットワーク(LAN,インターネット等)を介して接続された他の情報処理装置(例えば、パソコン,サーバ等の電子計算機)の補助記憶装置,通信ネットワーク(LAN,インターネット等)を介して接続されたデータベース等であってもよい。要するに、資源配分システム10の制御部11からの命令に基づいてデータの書き込み・読み出しが可能であればよい。
なお、記憶部12は、資源配分処理で利用するデータと、資源配分システム10に資源配分処理を実行させるためのプログラムを記憶しているものとする。
[2−3.入力部・出力部]
入力部13は、記憶部12に記憶するデータ(後述),資源配分処理(後述)の開始を指示するデータ(開始要求)等を入力する部分である。例えば、データ入力装置(キーボード,マウス等)が入力部13に該当する。
出力部14は、資源配分処理(後述)による資源の配分結果(割当結果)等のデータを出力する部分である。例えば、データ出力装置(ディスプレイ,プリンタ等)が出力部14に該当する。
なお、データの入出力は、所定形式のデータの読み書き,通信ネットワーク(LAN,インターネット等)を介したデータの送受信であってもよい。
[3.データ項目]
実施形態1で用いるデータの項目を、図2((a)〜(e))を参照して説明する。
図2(a)〜(e)に示すように、実施形態1では、「資源情報」,「配分先情報」,「期待収益カテゴリ設定情報」,「期待収益率設定情報」及び「優先度係数設定情報」を記憶部12に記憶している。
なお、図2に示した項目は、それぞれ1件分の情報を構成する項目であり、記憶部12には各情報がそれぞれ複数件ずつ(少なくとも必要な分だけ)記憶される。
[3−1.資源情報]
図2(a)に、資源情報の主要な項目を示す。
図2(a)に示すように、1件の資源情報は、キー項目の「資源ID」と、これに対応付けられた「資源価値」,「資源種別」及び「割当先」とを少なくとも含む。
ここで、「資源価値」は、その資源の価値を示す数値である。「資源種別」は、その資源の種別である。「割当先」は、その資源の割当先の配分先ID(後述)であり、割当先の決定後に書き込まれる。なお、資源が放送時間枠であるとき、「資源価値」,「資源種別」をそれぞれ放送枠の価格,放送波の種類とするとよい。
その他、資源情報には、資源(放送時間枠)に関連する情報(例えば、放送局名,放送開始日時,放送時間等)が含まれていてもよい。
[3−2.配分先情報]
図2(b)に、配分先情報の主要な項目を示す。
図2(b)に示すように、1件の配分先情報は、キー項目の「配分先ID」と、これに対応付けられた「資源対価」,「割当済資源合計値」,「割当済期待収益合計値」及び「暫定満足度」とを少なくとも含む。
ここで、「資源対価」は、その配分先が資源を取得するための対価を示す数値である。「割当済資源合計値」は、その配分先に割当済みの資源の価値の合計値(初期値0)である。「割当済期待収益合計値」は、その配分先に割当済みの資源に対しその配分先が見込む期待収益の合計値(初期値0)である。「暫定満足度」は、その配分先の満足度を示す数値であり、図4(a)又は(b)に定義する期待収益率に相当する(算出処理等の詳細は後述)。なお、配分先が顧客(通販事業者)であるとき、「資源対価」を資源を購入するための予算の残額とするとよい。
その他、配分先情報には、配分先(顧客)に関連する情報(例えば、顧客名,取扱商品又は提供サービスの分野等)が含まれていてもよい。
[3−3.期待収益カテゴリ設定情報]
図2(c)に、期待収益カテゴリ設定情報の項目を示す。
図2(c)に示すように、1件の期待収益カテゴリ設定情報は、キー項目の「配分先ID」及び「資源種別」と、これらの組に対応付けられた「期待収益カテゴリ」とを含む。
ここで、「配分先ID」,「資源種別」は、配分先情報(図2(b))の「配分先ID」,資源情報(図2(a))の「資源種別」にそれぞれ対応する。「期待収益カテゴリ」は、配分先が資源ごと(ここでは、資源種別ごと)に設定する期待収益率の区分を示す。
[3−4.期待収益率設定情報]
図2(d)に、期待収益率設定情報の項目を示す。
図2(d)に示すように、1件の期待収益率設定情報は、キー項目の「配分先ID」及び「期待収益カテゴリ」と、これらの組に対応付けられた「平均期待収益率」とを含む。
ここで、「配分先ID」,「期待収益カテゴリ」は、配分先情報(図2(b))の「配分先ID」,期待収益カテゴリ設定情報(図2(c))の「期待収益カテゴリ」にそれぞれ対応する。「平均期待収益率」は、その期待収益カテゴリに区分される資源に対するその配分先の期待収益率の平均値である。
なお、平均期待収益率と損益との関係は、概ね次のようになる。
・(平均期待収益率>1のとき)その期待収益カテゴリに区分される資源を取得すれば、利益が発生する。
・(平均期待収益率<1のとき)その期待収益カテゴリに区分される資源を取得すると、損失が発生する。
・(平均期待収益率=1のとき)その期待収益カテゴリに区分される資源を取得しても、利益・損失は発生しない。
[3−5.優先度係数設定情報]
図2(e)に、優先度係数設定情報の項目を示す。
図2(e)に示すように、1件の優先度係数設定情報は、キー項目の「期待収益カテゴリ」と、これに対応付けられた「優先度係数k」とを含む。
ここで、「期待収益カテゴリ」は、期待収益カテゴリ設定情報(図2(c))の「期待収益カテゴリ」に対応する。「優先度係数k」は、期待収益カテゴリの優先度を示すとともに、資源の割当確率を補正するための一定の数値(実数)である。
[表1]に、「期待収益カテゴリ」と「優先度係数」との対応関係を例示する。
[表1]に示す例では、カテゴリを5区分(A〜E)とし、それぞれに整数値(−2,−1,0,1,2)を対応させている。
期待収益カテゴリの優先度は、優先度係数の大小に対応するものとする。すなわち、[表1]に示す例では、カテゴリAの優先度が最高であり、以下カテゴリB,C,D,Eの順に優先度が低下する。なお、個別の配分先(顧客)においては、優先度係数が大きい期待収益カテゴリほど、平均期待収益率が大きいことを示す。
Figure 2010211748
[4.資源配分処理の手順]
実施形態1の資源配分処理の手順を、図3のフローチャートを参照して説明する。
前提として、記憶部12は、複数件の「資源情報」及びn件(nは2以上の自然数)の「配分先情報」を記憶しているものとする。また、記憶部12は、「期待収益カテゴリ設定情報」,「期待収益率設定情報」及び「優先度係数設定情報」を少なくとも必要な分だけ記憶しているものとする。
なお、図3には、参照すべき他の図面の番号が付記されている。必要に応じて、当該他の図面を参照されたい。
[4−1.資源配分処理の概要]
図3に示すように、制御部11は、下記〔手順11〕〜〔手順16〕により資源を配分する。
〔手順11〕各配分先情報の暫定満足度を初期化する(S305)。
〔手順12〕資源情報を価値の降順に整列し(S310)、割当対象を設定する(S315)。
〔手順13〕割当先候補を設定する(S320)。
〔手順14〕各割当先候補に対し割当対象の割当確率を設定し(S325)、所定範囲内の擬似乱数値を取得した上で(S330)、割当確率に基づいて割当対象の割当先を決定する(S335)。
〔手順15〕割当結果を出力する(S340)とともに、配分先情報の必要項目を更新する(S345)。
〔手順16〕全ての資源情報の割当先が決定したか否かを判定し(S350)、割当先が決定していない資源情報があれば上記〔手順12〕の割当対象を設定する処理(S315)以降を繰り返す。
[4−2.資源配分処理の詳細]
[〔手順11〕暫定満足度の初期化]
各配分先情報の暫定満足度を初期化する(S305)。
具体的には、図4(a)に示すように、「配分先jの各資源に対する期待収益の合計値」を「各資源の価値の合計値」で除して得られる値を配分先j(j=1,2,…,n)の暫定満足度Sの初期値とする。この値は、全ての資源が配分先jに割り当てられたと仮定したときに、割り当てられた全ての資源に対して配分先jが見込む期待収益率に相当する。
なお、図4(a)中「配分先jの各資源に対する期待収益の合計値」は、次のように算出する。
(1)配分先jの配分先IDと、資源の資源種別との組に対応する期待収益カテゴリを記憶部12の期待収益カテゴリ設定情報より読み出す。
(2)配分先jの配分先IDと、上記(1)で読み出した期待収益カテゴリとの組に対応する平均期待収益率を記憶部12の期待収益率設定情報より読み出す。
(3)資源の価値に上記(2)で読み出した平均期待収益率を乗じてその資源に対する配分先jの期待収益を得る。
(4)上記(1)〜(3)の処理を全ての資源について実行し、各資源に対する配分先jの期待収益を合計して「配分先jの各資源に対する期待収益の合計値」を得る。
[〔手順12〕割当対象の設定]
資源情報を価値の降順に整列し(S310)、割当対象を設定する(S315)。
具体的には、資源情報を資源価値の降順に整列した上で、割当先が決定していない資源情報のうち資源価値が最大のものを割当対象に設定する。ここでは、割当対象とする資源IDを変数に格納する。
このように、価値の大きい資源から順に割当先を決定していくことにより、ある資源の割当先が資源の価値以上の対価を有する配分先に限られるという制約の下で、単価の大きい資源の割当先が決まらずに残るという事態を回避することができる。
なお、資源情報を価値の降順に整列しなくても、割当先が決定していない資源情報のうち資源価値が最大のものを抽出することができる。ただし、配分処理を高速に実行するため、予め資源情報を価値の降順に整列しておくのが好ましい。
また、価値が同一の資源情報の順序は、例えば資源IDの昇順又は降順とする。ただし、実施形態1では割当確率と擬似乱数値とを用いて資源の割当先を決定するため前後関係がほとんど問題にならないから、価値が同一の資源情報の順序は任意でよい。
[〔手順13〕割当先候補の設定]
割当先候補を設定する(S320)。
具体的には、図5(a)に示すように、「資源対価」が割当対象の資源価値以上である配分先情報(〔条件A〕)の中で、割当対象の資源種別に対して設定している期待収益カテゴリの優先度係数が最も大きい配分先情報(〔条件B〕)を記憶部12より全て読み出し、これらを割当先候補に設定する。ここでは、割当先候補とする配分先IDを配列に格納する。
なお、割当先候補が1件のみであれば、次の〔手順14〕を省略することができる。以降の説明では、割当先候補がm件(2≦m≦n)であるものとする。
例えば、上記[表1]のように優先度係数が設定されているという前提のもと、ある割当対象Xに関し、資源対価が割当対象Xの資源価値以上である配分先が7件存在し、各配分先が割当対象Xに対応する資源種別に対して期待収益カテゴリをそれぞれA,A,A,A,B,B,Cと設定している場合を考える。この場合、期待収益カテゴリAを設定している4件の配分先が割当対象Xの割当先候補となる。
同様の前提のもと、ある割当対象Yに関し、資源対価が割当対象Yの資源価値以上である配分先が6件存在し、各配分先が割当対象Yに対応する資源種別に対して期待収益カテゴリをそれぞれC,C,D,D,D,Eと設定している場合を考える。この場合、期待収益カテゴリCを設定している2件の配分先が割当対象Yの割当先候補となる。
このように、「資源対価」が割当対象の資源価値以上であること(〔条件A〕)を割当先候補の絞込条件とすることにより、資源対価が比較的少ない配分先に対しても価値の大きい資源(単価の高い放送時間枠)の取得機会を与えることができる。同時に、割当対象の資源を取得し得ない配分先を除外することができる。
また、期待収益カテゴリの優先度係数が最も大きいこと(〔条件B〕)を割当先候補の絞込条件とすることにより、配分先(顧客)の希望を資源の配分処理に反映させることができる。
[〔手順14〕割当先の決定]
各割当先候補に対し割当対象の割当確率を設定する(S325)。
具体的には、図6(a)に示すように、割当先候補i(i=1,2,…,m)の対価比率をB,暫定満足度をS,割当先候補x(x=1,2,…,m)の対価比率をB,暫定満足度をS,各割当先候補が割当対象に対応する資源種別に対して設定している期待収益カテゴリの優先度係数をkとし、(BをSのk乗で除して得られる値)が{各割当先候補の(BをSのk乗で除して得られる値)の合計}に占める割合を割当先候補iに対する割当対象の割当確率Pとする。
なお、割当先候補iの対価比率Bは、図4(c)に示すように、(割当先候補iの対価)が(各割当先候補の対価の合計値)に占める割合である。
図6(a)の定義式によれば、対価比率B及び暫定満足度Sと、割当確率Pとの関係は、次のようになる。
・(優先度係数k>0のとき)割当確率Pは、対価比率Bが大きいほど高くなり、暫定満足度Sが大きいほど低くなる。
・(優先度係数k<0のとき)割当確率Pは、対価比率Bが大きいほど高くなり、暫定満足度Sが大きいほど高くなる。
・(優先度係数k=0のとき)割当確率Pは、対価比率Bが大きいほど高くなり、暫定満足度Sの大小とは無関係になる。
このように、割当確率Pを対価比率Bに正比例させることにより、価値の大きい資源(単価の高い放送時間枠)が対価の大きい配分先に割り当てられやすくなる。これにより、対価の小さい配分先(予算の少ない顧客)が価値の大きい資源(単価の高い放送時間枠)をいくつか取得したがために他の資源を取得できなくなる等の不都合が生じる可能性を抑えることができる。
また、割当確率Pを暫定満足度Sのk乗(kは優先度係数)に反比例するように補正することにより、優先度係数kが正数である資源(多くの配分先にとって利益が見込める優先度の高い資源)が暫定満足度S(期待収益率)の小さい配分先に割り当てられやすくなり、優先度係数kが負数である資源(多くの配分先にとって損失が見込まれる優先度の低い資源)が暫定満足度S(期待収益率)の大きい配分先に割り当てられやすくなるように調整している。
続いて、所定範囲内の擬似乱数値を取得する(S330)。
具体的には、擬似乱数生成アルゴリズム(例えば、メルセンヌ・ツイスタ(上記<先行技術4>)等)により0以上1未満の擬似乱数値をひとつ生成し、変数rに格納する。
擬似乱数値に代えて物理乱数値を利用してもよい。物理乱数値は例えば、Linuxであれば、/dev/randomから取得することができる。また、制御部11に接続した物理乱数生成用の専用ハードウェア(市販されているものでよい)から取得してもよい。
なお、分布の一様性等の点で、メルセンヌ・ツイスタにより生成した擬似乱数値を利用することが特に好ましい。
続いて、割当確率に基づいて割当対象の割当先を決定する(S335)。
具体的には、割当確率P(y=1,2,…,m)に対応する小数値を1つずつ加算して擬似乱数値rと順次比較し、累計値が擬似乱数値rを超えたとき最後に加算した割当確率Pに対応する割当先候補yを割当対象の割当先に決定する。
なお、次のように全体を「割当確率の分母」で乗じてから計算してもよい。すなわち、0以上「割当確率の分母」未満の擬似乱数値を1つ取得し、「割当確率の分子」を1つずつ加算して擬似乱数値と順次比較し、累計値が擬似乱数値を超えたとき最後に加算した「割当確率の分子」に対応する割当先候補を割当対象の割当先に決定しても同様の効果が得られる。
[〔手順15〕割当結果の出力・データの更新]
割当結果を出力する(S340)。
具体的には、割当先の配分先IDを割当対象の資源IDに対応させて出力する。ここでは、割当対象に対応する資源情報(図2(a))に割当先の配分先IDを書き込む。
なお、割当結果の出力は、画面への表示,用紙への印刷,データの送信,外部データベースへの書き込み等、割当結果を視認可能又は再現可能にする処理の少なくともいずれかであればよい。また、出力のタイミングは、次の配分先情報の必要項目を更新する(S345)の後でもよい。
続いて、配分先情報の必要項目を更新する(S345)。
具体的には、割当先に対応する配分先情報(図2(b))を次のように更新する。
(1)「資源対価」から割当対象の資源価値を減算する。
(2)割当対象の資源価値を「割当済資源合計値」に加算する。
(3)割当先の配分先IDと、その割当先が割当対象に対応する資源種別に対して設定している期待収益カテゴリとの組に対応する平均期待収益率を記憶部12の期待収益率設定情報より読み出し、割当対象の資源価値に平均期待収益率を乗じて得られる額を「割当済期待収益合計値」に加算する。
(4)図4(b)に示すように、「割当済期待収益合計値」を「割当済資源合計値」で除して得られる数を「暫定満足度」に上書きする。
[〔手順16〕終了条件の判定]
全ての資源情報の割当先が決定したか否かを判定する(S350)。
具体的には、「割当先」に配分先IDが書き込まれていない資源情報があるか否かを判定する。割当先が決定していない資源情報があれば(S350でNo)、割当対象を設定する処理(S315)以降を繰り返す。一方、割当先が決定していない資源情報がなければ(S350でYes)、配分処理を終了する。
なお、当該判定処理を次のように変形してもよい。
(a)資源価値0の資源情報(ダミーデータ)を記憶しておき、当該ダミーデータが割当対象となった時点で終了する。
(b)資源情報の件数を予め取得しておき、割当先が決定した割当対象の数が予め取得した資源情報の数に到達した時点で終了する。
[4−3.優先度係数設定情報の変形例]
実施形態1では、優先度係数を利用して割当確率を補正している(図6(a))。
これに対し、割当確率の補正に優先度係数を利用しなくてもよい。例えば、図6(b)に示すように、(BをSで除して得られる値)が{各割当候補の(BをSで除して得られる値)の合計値}に占める割合を割当先候補iに対する割当対象の割当確率Pとしてもよい(後述の実施形態2と同様)。
<実施形態2>
[1.実施形態2の概要]
実施形態1では、記憶部12に「優先度係数設定情報」(図2(e))を記憶しており、割当先候補の設定処理及び割当確率の設定処理において優先度を考慮している(図3のS320及び図5(a),図3のS335及び図6(a))。
これに対し、実施形態2では、割当先候補の設定処理及び割当確率の設定処理において優先度を考慮しない(図7のS720及び図5(b),図7のS725及び図6(b))。その他の点は、実施形態1と同様である。
[2.資源配分処理手順]
実施形態2の資源配分処理の手順を、図7のフローチャートを参照して説明する。
前提として、記憶部12は、複数件の「資源情報」及びn件(nは2以上の自然数)の「配分先情報」を記憶しているものとする。また、記憶部12は、「期待収益カテゴリ設定情報」及び「期待収益率設定情報」を必要な分だけ記憶しているものとし、「優先度係数設定情報」は記憶していない。
なお、図7中の処理のうち図3と同一の符号が付されているものは、同様の処理である。また、図7には、参照すべき他の図面の番号が付記されている。必要に応じて、当該他の図面を参照されたい。
[2−1.資源配分処理の概要]
図7に示すように、制御部11は、下記〔手順21〕〜〔手順26〕により資源を配分する。
〔手順21〕各配分先情報の暫定満足度を初期化する(S305)。
〔手順22〕資源情報を価値の降順に整列し(S310)、割当対象を設定する(S315)。
〔手順23〕割当先候補を設定する(S720)。
〔手順24〕各割当先候補に対し割当対象の割当確率を設定し(S725)、所定範囲内の擬似乱数値を取得した上で(S330)、割当確率に基づいて割当対象の割当先を決定する(S335)。
〔手順25〕割当結果を出力する(S340)とともに、配分先情報の必要項目を更新する(S345)。
〔手順26〕全ての資源情報の割当先が決定したか否かを判定し(S350)、割当先が決定していない資源情報があれば上記〔手順22〕の割当対象を設定する処理(S315)以降を繰り返す。
[2−2.相違点の詳細]
[〔手順23〕割当先候補の設定]
割当先候補を設定する(S720)。
具体的には、図5(b)に示すように、「資源対価」が割当対象の資源価値以上である配分先情報(〔条件A〕)を記憶部12より全て読み出し、これらを割当先候補に設定する。ここでは、割当先候補とする配分先IDを配列に格納する。
このように、「資源対価」が割当対象の資源価値以上であること(〔条件A〕)を割当先候補の絞込条件とすることにより、資源対価が比較的少ない配分先に対しても価値の大きい資源(単価の高い放送時間枠)の取得機会を与えることができる。同時に、割当対象の資源を取得し得ない配分先を除外することができる。
[〔手順24〕割当先の決定における割当確率の設定]
各割当先候補に対し割当対象の割当確率を設定する(S725)。
具体的には、図6(b)に示すように、割当先候補i(i=1,2,…,m)(2≦m≦n)の対価比率をB,暫定満足度をS,割当先候補x(x=1,2,…,m)(2≦m≦n)の対価比率をB,暫定満足度をSとし、(BをSで除して得られる値)が{各割当先候補の(BをSで除して得られる値)の合計値}に占める割合を割当先候補iに対する割当対象の割当確率Pとする。
なお、対価比率は、図4(c)に示すように、(割当先候補iの対価)が(各割当先候補の対価の合計値)に占める割合である。
図6(b)の定義式によれば、割当確率Pは、対価比率Bが大きいほど高くなり、暫定満足度Sが大きいほど低くなる。
このように、割当確率Pを対価比率Bに正比例させることにより、価値の大きい資源(単価の高い放送時間枠)が、対価の多い配分先に割り当てられやすくなる。これにより、対価の小さい配分先(予算の少ない顧客)が価値の大きい資源(単価の高い放送時間枠)をいくつか取得したがために他の資源を取得できなくなる等の不都合が生じる可能性を抑えることができる。また、割当確率Pが暫定満足度Sに反比例するように補正することにより、暫定満足度S(期待収益率)の小さい配分先に資源が優先的に割り当てられるように調整している。
[3.期待収益率設定情報の変形例]
実施形態2では、配分先IDと期待収益カテゴリとの組ごとに平均期待収益率を設定している(図2(d))。これは、各配分先が資源種別ごとの平均期待収益率(費用対効果)を把握するのは比較的困難であるという実情を考慮したものである。
これに対し、各配分先が資源種別ごとの平均期待収益率(費用対効果)を詳細に把握しているならば、配分先IDと資源種別との組ごとに平均期待収益率を設定しておいてもよい(図2(f))。これにより、各配分先の平均期待収益率を割当確率の設定処理により正確に反映させることができる。なお、この場合には、記憶部12に期待収益カテゴリ設定情報を記憶しておかない。
図2(f)に、期待収益率設定情報(変形例)の主要な項目を示す。
図2(f)に示すように、1件の期待収益率設定情報は、キー項目の「配分先ID」及び「資源種別」と、これらの組に対応付けられた「平均期待収益率」とを含む。
ここで、「配分先ID」,「資源種別」は、配分先情報(図2(b))の「配分先ID」,資源情報(図2(a))の「資源種別」に対応する。「平均期待収益率」は、その資源種別に対するその配分先の期待収益率の平均値である。
<実施形態3>
[1.実施形態3の概要]
実施形態1では、記憶部12の「配分先情報」に「暫定満足度」を記憶しており、割当確率の設定処理において暫定満足度を考慮している(図3のS325,図4(a)(b)及び図6(a))。実施形態2も同様である(図7のS725,図4(a)(b)及び図6(b))。
これに対し、実施形態3では、割当確率の設定処理において暫定満足度を考慮しない(図8のS825及び図6(c))。このため、記憶部12の配分先情報に「割当済資源合計値」,「割当済期待収益合計値」及び「暫定満足度」を記憶しておらず、暫定満足度の初期化処理(図3,7のS305)及び更新処理(図3,7のS345の一部)を省略している。
[2.資源配分処理手順]
実施形態3の資源配分処理の手順を、図8のフローチャートを参照して説明する。
前提として、記憶部12は、複数件の「資源情報」及びn件(nは2以上の自然数)の「配分先情報」を記憶しているものとする。
なお、図8中の処理のうち図3又は図7と同一の符号が付されているものは、同様の処理である。また、図8には、参照すべき他の図面の番号が付記されている。必要に応じて、当該他の図面を参照されたい。
[2−1.資源配分処理の概要]
図8に示すように、制御部11は、下記〔手順32〕〜〔手順36〕により資源を配分する。
〔手順32〕資源情報を価値の降順に整列し(S310)、割当対象を設定する(S315)。
〔手順33〕割当先候補を設定する(S720)。
〔手順34〕各割当先候補に対し割当対象の割当確率を設定し(S825)、所定範囲内の擬似乱数値を取得した上で(S330)、割当確率に基づいて割当対象の割当先を決定する(S335)。
〔手順35〕割当結果を出力する(S340)とともに、配分先情報の必要項目を更新する(S845)。
〔手順36〕全ての資源情報の割当先が決定したか否かを判定し(S350)、割当先が決定していない資源情報があれば上記〔手順32〕の割当対象を設定する処理(S315)以降を繰り返す。
[2−2.相違点の詳細]
[〔手順34〕割当先の決定における割当確率の設定]
各割当先候補に対し割当対象の割当確率を設定する(S825)。
具体的には、図6(c)に示すように、割当先候補i(i=1,2,…,m)(2≦m≦n)の対価比率をBとし、Bを割当先候補iに対する割当対象の割当確率Pとする。
なお、対価比率は、図4(c)に示すように、(割当先候補iの対価)が(各割当先候補の対価の合計値)に占める割合である。
図6(c)の定義式によれば、割当確率Pは、対価比率Bが大きいほど高くなる。
このように、割当確率Pを対価比率Bに正比例させることにより、価値の大きい資源(単価の高い放送時間枠)が、対価の多い配分先に割り当てられやすくなる。これにより、対価の小さい配分先(予算の少ない顧客)が価値の大きい資源(単価の高い放送時間枠)をいくつか取得したがために他の資源を取得できなくなる等の不都合が生じる可能性を抑えることができる。
<その他の変形例>
[1.平均期待収益率に関して]
実施形態1,2において、平均期待収益率は、配分先IDと資源種別との組ごとに対応している(実施形態1,2について図2(c)及び(d)、実施形態2の変形例について図2(f))。
これに対し、平均期待収益率を配分先種別と資源種別との組に対応させてもよい。配分先種別は、例えば各配分先の取扱商品・提供サービスに基づく区分とするとよい。
[2.暫定満足度の初期値に関して]
実施形態1,2では、暫定満足度の初期値を特別に定義している(図4(a))。これは、資源が1つも割り当てられていない段階では、暫定満足度(割当済みの資源に対して見込まれる期待収益率)が観念できないからである(なお、図4(b)の定義式によると、割当済みの資源が1つもないと、右辺の分母が0になる。)。
これに対し、暫定満足度の初期値は一定の値でもよい。例えば、各配分先の暫定満足度の初期値を「1」として予め配分先情報に記憶しておく。この場合、暫定満足度の初期化処理(実施形態1の〔手順11〕(図3のS305),実施形態2の〔手順21〕(図7のS305))は省略可能である。
[3.暫定満足度の定義に関して]
実施形態1,2では、資源の「価値」に基づいて算出される期待収益率(資源に対する各配分先の費用対効果の予測)を暫定満足度としている(図4(b))。
これに対し、資源の「数」に基づいて暫定満足度を定義してもよい。例えば、「希望する資源の数のうち取得することができた資源の数の割合」を暫定満足度としてもよい。具体的には、期待収益率又は期待収益カテゴリが一定値以上の資源種別の資源IDについて、配分先候補になった回数と実際に配分先になった回数とを配分先ごとに記憶しておいて、これらの比を暫定満足度としてもよい。
[4.暫定満足度の算出方法に関して]
実施形態1,2では、暫定満足度(図4(b))の算出に用いる「割当済期待収益合計値」及び「割当済資源合計値」を配分先情報の項目として設け、資源が割り当てられるたびにこれらの値を更新している(図2(b),図3又は図7のS345)。
これに対し、配分先情報の項目として「割当済期待収益合計値」及び「割当済資源合計値」を設けず、暫定満足度の更新処理(図3又は図7のS345)のたびに次のように「割当済期待収益合計値」及び「割当済資源合計値」を算出した上で、暫定満足度(図4(b))を算出することも可能である。ただし、処理の効率性等の点で、「割当済期待収益合計値」及び「割当済資源合計値」を記憶部12に記憶しておくのが好ましい。
(1)その割当先(配分先)に割当済みの各資源について(価値×平均期待収益率)を算出し、これらを合計した値を「割当済期待収益合計値」とする。
(2)その割当先(配分先)に割当済みの各資源の価値の合計値を算出し、この値を「割当済資源合計値」とする。
(3)上記(1)で算出した「割当済期待収益合計値」を上記(2)で算出した「割当済資源合計値」で除して得られる数を「暫定満足度」とする。
[5.割当先の決定手法に関して]
実施形態1では、各割当先候補に対し割当対象の割当確率を設定し(図3のS325)、所定範囲内の擬似乱数値を取得した上で(図3のS330)、割当確率に基づいて割当対象の割当先を決定している(図3のS335)。
これに対し、予め定めた割当先の選定条件を利用して割当対象の割当先を決定してもよい。例えば、「割当確率が最も大きい割当先候補」を割当対象の割当先に決定してもよい。
[6.資源配分システムの使用形態に関して]
資源配分システム10は、通信ネットワーク40(例えば、LAN,WAN,インターネット)を介してクライアント端末20と接続可能なサーバ装置でもよい(図9(a))。例えば、資源配分システム10は、クライアント端末20からの開始要求に応じて資源配分処理を実行し、データベース12aに割当結果を格納する。また、クライアント端末20からのアクセス要求に応じて、割当結果をクライアント端末20に送信する。
また、資源配分システム10は、通信ネットワーク40(例えば、LAN,WAN,インターネット)を介してサーバ装置30と接続可能なクライアント端末でもよい(図9(b))。例えば、資源配分システム10は、サーバ装置30から受信したプログラム(例えば、JavaScriptで記載されたスクリプト)に基づいてWebブラウザ上で資源配分処理を実行し、サーバ装置30が有するデータベース12bに割当結果を格納する。
10 資源配分システム
11 制御部
12 記憶部
12a データベース
12b データベース
13 入力部
14 出力部
20 クライアント端末
30 サーバ装置
40 通信ネットワーク

Claims (9)

  1. それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数ある配分先のいずれかに配分する資源配分システムであって、
    資源の識別情報と、該資源の価値とを少なくとも含む資源情報を複数件記憶する資源情報記憶手段と、
    配分先の識別情報と、該配分先が資源を取得するための対価とを少なくとも含む配分先情報を複数件記憶する配分先情報記憶手段と
    を有し、
    配分処理の開始要求を入力する配分要求入力手段と、
    前記開始要求を入力した後、配分先が決定していない資源のうち価値が最大の資源の識別情報を前記資源情報記憶手段より読み出し、割当対象に設定する割当対象設定手段と、
    対価が前記割当対象に対応する価値以上であることを第一の絞込条件とし、該第一の絞込条件を満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、割当先候補に設定する割当先候補設定手段と、
    前記各割当先候補に対応する対価を前記配分先情報記憶手段より読み出し、該各対価を用いて、該各割当先候補に対し、次の式で定義する対価比率に正比例するように前記割当対象の割当確率を設定する割当確率設定手段と、
    Figure 2010211748
    所定の数値範囲を割当確率の大きさに応じて前記割当先候補ごとに区分し、該数値範囲内の擬似乱数値又は物理乱数値を1つ取得し、該取得した乱数値を含む区分に対応する割当先候補を前記割当対象の割当先に決定する割当先抽選手段と、
    前記割当先を前記割当対象に対応させて出力する割当結果出力手段と、
    前記配分先情報記憶手段に記憶している前記割当先に対応する対価から、前記割当対象に対応する価値を減算する対価更新手段と
    を備え、
    前記割当対象設定手段は、前記対価更新手段による対価の更新後、配分先が決定していない資源があれば、割当対象を新たに設定する
    ことを特徴とする資源配分システム。
  2. 請求項1に記載の資源配分システムにおいて、
    前記資源情報は、前記資源の種別をさらに含み、
    前記配分先情報は、該配分先に割当済みの各資源の価値の合計値を示す割当済資源合計値と、該配分先に割当済みの各資源に対し該配分先が見込む期待収益の合計値を示す割当済期待収益合計値と、暫定満足度とをさらに含み、
    前記配分先の識別情報と前記資源の種別との組ごとに平均期待収益率を記憶する期待収益率設定情報記憶手段をさらに有し、
    前記配分先情報記憶手段に記憶している前記割当先に対応する割当済資源合計値に、前記割当対象に対応する資源の価値を加算する割当済資源合計値更新手段と、
    前記割当先に決定した配分先の識別情報と前記割当対象に対応する資源の種別との組に対応する平均期待収益率を前記期待収益率設定情報記憶手段より読み出し、前記配分先情報記憶手段に記憶している該割当先に対応する割当済期待収益合計値に、該割当対象に対応する資源の価値に該平均期待収益率を乗じて得られる額を加算する割当済期待収益合計値更新手段と、
    前記更新後の割当済資源合計値と前記更新後の割当済期待収益合計値とを用いて、次の式で定義する暫定満足度を算出し、前記配分先情報記憶手段に書き込む暫定満足度更新手段と
    Figure 2010211748
    をさらに備え、
    前記割当確率設定手段は、前記各割当先候補に対し、前記対価比率に正比例し、かつ、前記配分先情報記憶手段に記憶している該各割当先候補の暫定満足度に反比例するように前記割当対象の割当確率を設定する
    ことを特徴とする資源配分システム。
  3. 請求項2に記載の資源配分システムにおいて、
    前記開始要求を入力したとき、配分先ごとに、該配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、各資源の価値及び種別を前記資源情報記憶手段より読み出し、該識別情報と該種別との組に対応する平均期待収益率を前記期待収益率設定情報記憶手段より読み出し、該各資源の価値と該各資源に対する平均期待収益率とを用いて、次の式で定義する暫定満足度の初期値を算出し、前記配分先情報記憶手段に書き込む暫定満足度初期化手段をさらに備える
    Figure 2010211748
    ことを特徴とする資源配分システム。
  4. 請求項3に記載の資源配分システムにおいて、
    前記配分先の識別情報と前記資源の種別との組ごとに期待収益カテゴリを記憶する期待収益カテゴリ設定情報記憶手段をさらに有し、
    前記期待収益率設定情報記憶手段は、前記配分先の識別情報と前記期待収益カテゴリとの組ごとに平均期待収益率を記憶し、
    前記暫定満足度初期化手段は、配分先ごとに、該配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、各資源の価値及び種別を前記資源情報記憶手段より読み出し、該識別情報と該各種別との組に対応する期待収益カテゴリを前記期待収益カテゴリ設定情報記憶手段より読み出し、該識別情報と該各期待収益カテゴリとの組に対応する平均期待収益率を前記期待収益率設定情報記憶手段より読み出し、該各資源の価値と該各平均期待収益率とを用いて前記暫定満足度の初期値を算出し、
    前記割当済期待収益合計値更新手段は、前記割当先に決定した配分先の識別情報と前記割当対象に対応する資源の種別との組に対応する期待収益カテゴリを前記期待収益カテゴリ設定情報記憶手段より読み出し、該識別情報と該各期待収益カテゴリとの組に対応する平均期待収益率を前記期待収益率設定情報記憶手段より読み出し、該平均期待収益率を用いて前記割当済期待収益合計値を更新する
    ことを特徴とする資源配分システム。
  5. 請求項4に記載の資源配分システムにおいて、
    前記期待収益カテゴリごとに期待収益カテゴリの優先度に対応する優先度係数を記憶する優先度係数設定情報記憶手段をさらに有し、
    前記割当先候補設定手段は、前記割当対象に対応する資源の種別に対して設定している期待収益カテゴリの優先度係数が最も大きいことを第二の絞込条件とし、前記第一の絞込条件を満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より絞り込み、前記優先度係数設定情報記憶手段に記憶している各優先度係数を参照して、該第一の絞込条件により絞り込んだ識別情報のうち該第二の絞込条件をさらに満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、割当先候補に設定する
    ことを特徴とする資源配分システム。
  6. 請求項5に記載の資源配分システムにおいて、
    前記割当確率設定手段は、前記各割当先候補が前記割当対象に対応する資源の種別に対して設定している期待収益カテゴリの優先度係数kを前記優先度係数設定情報記憶手段より読み出し、該各割当先候補に対し、前記対価比率に正比例し、かつ、前記配分先情報記憶手段に記憶している該各割当先候補の暫定満足度のk乗に反比例するように前記割当対象の割当確率を設定する
    ことを特徴とする資源配分システム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の資源配分システムにおいて、
    前記割当先抽選手段は、0以上1未満の数値範囲内の擬似乱数値又は物理乱数値を1つ取得し、前記各割当先候補の割当確率に対応する小数値を1つずつ加算して該取得した乱数値と順次比較し、該小数値の累計が該取得した乱数値を上回ったとき最後に加算した小数値に対応する割当先候補を前記割当対象の割当先に決定する
    ことを特徴とする資源配分システム。
  8. それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数ある配分先のいずれかに配分する資源配分方法であって、
    資源の識別情報と、該資源の価値とを少なくとも含む資源情報を複数件記憶する資源情報記憶手段と、
    配分先の識別情報と、該配分先が資源を取得するための対価とを少なくとも含む配分先情報を複数件記憶する配分先情報記憶手段と
    を有する資源配分システムが、
    配分処理の開始要求を入力する配分要求入力ステップと、
    前記開始要求を入力した後、配分先が決定していない資源のうち価値が最大の資源の識別情報を前記資源情報記憶手段より読み出し、割当対象に設定する割当対象設定ステップと、
    対価が前記割当対象に対応する価値以上であることを第一の絞込条件とし、該第一の絞込条件を満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、割当先候補に設定する割当先候補設定ステップと、
    前記各割当先候補に対応する対価を前記配分先情報記憶手段より読み出し、該各対価を用いて、該各割当先候補に対し、次の式で定義する対価比率に正比例するように前記割当対象の割当確率を設定する割当確率設定ステップと、
    Figure 2010211748
    所定の数値範囲を割当確率の大きさに応じて前記割当先候補ごとに区分し、該数値範囲内の擬似乱数値又は物理乱数値を1つ取得し、該取得した乱数値を含む区分に対応する割当先候補を前記割当対象の割当先に決定する割当先抽選ステップと、
    前記割当先を前記割当対象に対応させて出力する割当結果出力ステップと、
    前記配分先情報記憶手段に記憶している前記割当先に対応する対価から、前記割当対象に対応する価値を減算する対価更新ステップと
    から成り、
    前記資源配分システムは、前記対価更新ステップにおいて対価を更新した後、配分先が決定していない資源があれば、前記割当対象設定ステップにおいて割当対象を新たに設定する
    ことを特徴とする資源配分方法。
  9. それぞれ価値を有する複数の資源の各々を複数ある配分先のいずれかに配分する資源配分プログラムであって、
    資源の識別情報と、該資源の価値とを少なくとも含む資源情報を複数件記憶する資源情報記憶手段と、
    配分先の識別情報と、該配分先が資源を取得するための対価とを少なくとも含む配分先情報を複数件記憶する配分先情報記憶手段と
    を有する資源配分システムに、
    配分処理の開始要求を入力する配分要求入力ステップと、
    前記開始要求を入力した後、配分先が決定していない資源のうち価値が最大の資源の識別情報を前記資源情報記憶手段より読み出し、割当対象に設定する割当対象設定ステップと、
    対価が前記割当対象に対応する価値以上であることを第一の絞込条件とし、該第一の絞込条件を満たす全ての配分先の識別情報を前記配分先情報記憶手段より読み出し、割当先候補に設定する割当先候補設定ステップと、
    前記各割当先候補に対応する対価を前記配分先情報記憶手段より読み出し、該各対価を用いて、該各割当先候補に対し、次の式で定義する対価比率に正比例するように前記割当対象の割当確率を設定する割当確率設定ステップと、
    Figure 2010211748
    所定の数値範囲を割当確率の大きさに応じて前記割当先候補ごとに区分し、該数値範囲内の擬似乱数値又は物理乱数値を1つ取得し、該取得した乱数値を含む区分に対応する割当先候補を前記割当対象の割当先に決定する割当先抽選ステップと、
    前記割当先を前記割当対象に対応させて出力する割当結果出力ステップと、
    前記配分先情報記憶手段に記憶している前記割当先に対応する対価から、前記割当対象に対応する価値を減算する対価更新ステップと
    を実行させ、
    前記対価更新ステップにおいて対価を更新した後、配分先が決定していない資源があれば、前記割当対象設定ステップにおいて割当対象を新たに設定させる
    ことを特徴とする資源配分プログラム。
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