JP2010211356A - 流動場解析プログラムおよび電場解析プログラム - Google Patents

流動場解析プログラムおよび電場解析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 解析速度の向上や解析負荷の軽減をさせた流動場解析プログラムおよび電場解析プログラムを提供する。
【解決手段】 流動データ記憶部と、圧力項を除いた流体力学における運動量保存の式を時間積分して得られる式(1)を空間的に離散化し、流動場データ記憶部から読み出した流速データを代入して暫定的な流速を計算する暫定流速計算部と、運動量保存の式と質量保存の式とを連成し、かつ暫定的な流速に係る係数部にダルシー則抵抗を加えて得られる式(2)を空間的に離散化し、流動場データ記憶部から読み出した圧力データおよび前記暫定的な流速を代入して、圧力が収束するまで繰り返し計算をする圧力計算部と、式(3)に、前記暫定的な流速と圧力計算部により計算された圧力の値とを代入して所定時刻後の流速に補正する流速補正部としてコンピュータを機能させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池等に利用可能な流動場解析プログラムおよび電場解析プログラムの解析速度の向上や解析負荷の軽減に関するものである。
燃料電池は、電力発生に伴うCO排出のないクリーンな次世代エネルギーとして注目されている。この燃料電池は、多孔質材や電解質膜等から構成されており、水素等の燃料剤と酸素等の酸化剤を化学反応させることにより電力を取り出すシステムである。従来、この燃料電池の発電効率向上を目的として、燃料電池内の化学反応解析や流動解析等を行うプログラムの開発がなされている。
例えば、特開2005−44602号公報においては、燃料電池の物理的及び化学的特性の解析方法並びにプログラムが提案されている(特許文献1)。この特許文献1に記載のプログラムは、はじめに初期値の設定を行い、その後、酸素濃度、電流密度、水素濃度等、温度分布、化学反応をそれぞれ解析し、これらのデータをもとに燃料電池全体の電位が釣り合うか否かの判別をし、さらに電流値が実験値と一致するか否かの判別を行うものであり、電気化学的拘束条件下の熱と流れを容易に、かつ精度よく解析することができると記載されている。
特開2005−44602号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明を含む、これまでの燃料電池の数値解析プログラムは以下の問題点を有している。
1.燃料剤等の流動の解析において、多孔質材の内部では一般的に用いられる圧力や流速の時間変化が主に対流項に支配されているとする仮定ができないため、圧力計算の収束が悪くなる。
2.電気化学反応の解析において、解析結果が設定する初期値に依存してしまう。そのため、初期値によっては収束性が悪くなったり、解が得られない場合がある。
3.電気化学反応の解析において、解析精度が多孔質材と電解質膜との間にある薄い触媒層近傍の格子解像度に依存する。そのため、格子を十分に小さくする必要があり、計算負荷が大きくなる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、解析速度の向上や解析負荷の軽減をさせた流動場解析プログラムおよび電場解析プログラムを提供することを目的としている。
本発明に係る流動場解析プログラムは、流体力学における運動量保存の式と流体力学における質量保存の式とを連成させて所定の流動場の流速および圧力を計算する流動場解析プログラムであって、
流速データ(v)および圧力データ(p)を記憶する流動データ記憶部と、
圧力項を除いた流体力学における運動量保存の式を時間積分して得られる以下の式(1)を空間的に離散化し、前記流動場データ記憶部から読み出した流速データ(v)を代入して暫定的な流速(v*)を計算する暫定流速計算部と、
Figure 2010211356
前記運動量保存の式と前記質量保存の式とを連成し、かつ右辺第1項の前記暫定流速計算部により計算された暫定的な流速(v*)に係る係数部にダルシー則抵抗を加えて得られる以下の式(2)を空間的に離散化し、前記流動場データ記憶部から読み出した圧力データ(p)および前記暫定流速計算部により計算された暫定的な流速(v*)を代入して、圧力(p*)が収束するまで繰り返し計算をする圧力計算部と、
Figure 2010211356
以下の式(3)に、前記暫定流速計算部により計算された前記暫定的な流速(v*)と前記圧力計算部により計算された圧力の値(p*)とを代入して時間刻み幅(Δt)後の流速(vk+1)に補正する流速補正部と
Figure 2010211356
してコンピュータを機能させる。
また、本発明に係る電場解析プログラムは、電気化学反応により電力を発生させる陰極側多孔質層、陰極側触媒層、電解質膜、陽極側触媒層および陽極側多孔質層からなる電場の電子ポテンシャルおよびイオンポテンシャルを計算する電場解析プログラムであって、
電子ポテンシャル(φs)、イオンポテンシャル(φf)、前記電子ポテンシャル(φs)と前記イオンポテンシャル(φf)との差であるポテンシャル差(η)、陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を記憶する電場データ記憶部と、
以下の式(4)および式(5)に、前記電場データ記憶部から読み出した前記ポテンシャル差(η)を代入して暫定的な陰極側の輸送電流(J)および暫定的な陽極側の輸送電流(J)を計算する暫定輸送電流計算部と、
Figure 2010211356
Figure 2010211356
以下の式(6)を空間的に離散化し、外部電位を境界条件として、前記暫定的な陰極側の輸送電流(J)および前記暫定的な陽極側の輸送電流(J)を代入して暫定的な電子ポテンシャル(φs)を計算する暫定電子ポテンシャル計算部と、
Figure 2010211356
以下の式(7)を空間的に離散化し、陰極側の境界条件を自由端とするとともに、陽極側の境界条件を前記暫定的な電子ポテンシャル(φs)から前記ポテンシャル差(η)を引いた固定端として、前記暫定的な陰極側の輸送電流(J)および前記暫定的な陽極側の輸送電流(J)を代入して暫定的なイオンポテンシャル(φf)を計算する暫定イオンポテンシャル計算部と、
Figure 2010211356
前記式(7)の逆関数に前記暫定的なイオンポテンシャル(φf)を代入してポテンシャル差(η)を計算するポテンシャル差計算部と、
前記式(4)および前記式(5)に前記ポテンシャル差計算部により得られたポテンシャル差(η)を代入して陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算する輸送電流計算部と してコンピュータを機能させる。
さらに、本発明に係る電場解析プログラムは、電子ポテンシャル(φs)、イオンポテンシャル(φf)、前記電子ポテンシャル(φs)と前記イオンポテンシャル(φf)との差であるポテンシャル差(η)、陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を記憶する電場データ記憶部と、
前記式(4)および前記式(5)に、前記電場データ記憶部から読み出した前記ポテンシャル差(η)を代入して陰極側の固体層と触媒層との陰極側境界面における暫定的な輸送電流(J)、および陽極側の固体層と触媒層との陽極側境界面における暫定的な輸送電流(J)を計算する境界面暫定輸送電流計算部と、
以下の式(8)を空間的に離散化し、外部電位を境界条件として、前記陰極側境界面における輸送電流(J)および陽極側境界面における輸送電流(J)を代入して暫定的な電子ポテンシャル(φs)を計算する暫定電子ポテンシャル計算部と、
Figure 2010211356
以下の式(9)を空間的に離散化し、陰極側境界面における境界条件を自由端とするとともに、陽極側の境界面における境界条件を前記暫定的な電子ポテンシャル(φs)から前記ポテンシャル差(η)を引いた固定端として、前記陰極側境界面における輸送電流(J)および陽極側境界面における輸送電流(J)を代入して各境界面における暫定的なイオンポテンシャル(φf)を計算する暫定イオンポテンシャル計算部と、
Figure 2010211356
前記式(9)の逆関数に陰極側境界面における前記暫定的なイオンポテンシャル(φf)を代入してポテンシャル差(η)を計算するポテンシャル差計算部と、
前記式(4)および前記式(5)に前記ポテンシャル差計算部により得られたポテンシャル差(η)を代入して陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算する輸送電流計算部としてコンピュータを機能させる。
本発明によれば、流動場や電場におけるシミュレーション解析の解析速度を向上させたり、解析負荷を軽減させたりすることができる。
本発明に係る第1実施形態の流動場解析プログラムおよび電場解析プログラムを機能させるコンピュータ解析システムの構成を示すブロック図である。 燃料電池の概略構成を示す概略構成図である。 本第1実施形態における流動場解析機能の処理を示すフローチャートである。 本第1実施形態における電場解析機能の処理を示すフローチャートである。 本発明に係る第2実施形態の流動場解析プログラムおよび電場解析プログラムを機能させるコンピュータ解析システムの構成を示すブロック図である。 本第2実施形態における電場解析機能の処理を示すフローチャートである。 従来の流動場解析プログラムによる圧力計算の解析結果を示すグラフである。 本発明に係る第1実施形態の流動場解析プログラムによる圧力計算の解析結果を示すグラフである。 繰り返し計算の回数に対する従来の流動場解析プログラムと本発明に係る第1実施形態の流動場解析プログラムとによる圧力計算の解析結果の二乗平均の値を比較して示すグラフである。 従来の電場解析プログラムによる陽極側多孔質層内および陽極側触媒層内における電子ポテンシャルの解析結果を示すグラフである。 従来の電場解析プログラムによる陰極側多孔質層内および陰極側触媒層内における電子ポテンシャルの解析結果を示すグラフである。 従来の電場解析プログラムによる電解質膜内におけるイオンポテンシャルの解析結果を示すグラフである。 本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムによる陽極側多孔質層内および陽極側触媒層内における電子ポテンシャルの解析結果を示すグラフである。 本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムによる陰極側多孔質層内および陰極側触媒層内における電子ポテンシャルの解析結果を示すグラフである。 本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムによる電解質膜内におけるイオンポテンシャルの解析結果を示すグラフである。 繰り返し計算の回数に対する、従来の電場解析プログラムと本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムとによる陽極側多孔質層内および陽極側触媒層内における電子ポテンシャルの解析結果の二乗平均の値を比較して示すグラフである。 繰り返し計算の回数に対する、従来の電場解析プログラムと本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムとによる陰極側多孔質層内および陰極側触媒層内における電子ポテンシャルの解析結果の二乗平均の値を比較して示すグラフである。 繰り返し計算の回数に対する、従来の電場解析プログラムと本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムとによる電解質膜内におけるイオンポテンシャルの解析結果の二乗平均の値を比較して示すグラフである。 本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムによる陽極側多孔質層内における電子ポテンシャルの解析結果を示すグラフである。 本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムによる陰極側多孔質層内における電子ポテンシャルの解析結果を示すグラフである。 本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムによる電解質膜内におけるイオンポテンシャルの解析結果を示すグラフである。 繰り返し計算の回数に対する、本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムによる陽極側多孔質層内における電子ポテンシャルの解析結果の二乗平均の値を示すグラフである。 繰り返し計算の回数に対する、本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムによる陰極側多孔質層内における電子ポテンシャルの解析結果の二乗平均の値を示すグラフである。 繰り返し計算の回数に対する、本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムによる電解質膜内におけるイオンポテンシャルの解析結果の二乗平均の値を示すグラフである。
以下、本発明に係る流動場解析プログラムおよび電場解析プログラムの実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、第1実施形態の流動場解析プログラム1aおよび電場解析プログラム1bを機能させるコンピュータ解析システム1Aの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本第1実施形態のコンピュータ解析システム1Aは、表示手段2、入力手段3、記憶手段4および演算処理手段5から構成される。
表示手段2は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等から構成されており、流動場や電場に関する各種のデータや燃料電池内の流動や起電力のシミュレーション結果を表示するものである。また、入力手段3としては、マウスやキーボード等から構成されている。
記憶手段4は、各種のデータやプログラムを記憶するものであり、ハードディスク、フラッシュメモリおよびRAM(Random Access Memory)等から構成されている。本第1実施形態において、記憶手段4は、プログラム記憶部41、流動場データ記憶部42、電場データ記憶部43、エネルギーデータ記憶部44および化学種保存データ記憶部45を有している。前記プログラム記憶部41には、流動場解析プログラム1a、電場解析プログラム1bおよびオプション計算プログラム1cがインストールされている。また、前記流動場データ記憶部42には、初期値としての流速データ(v)および圧力データ(p)が記憶されており、前記電場データ記憶部43には、初期値としての電子ポテンシャル(φs)とイオンポテンシャル(φf)との差であるポテンシャル差(η)および外部電位の各種データが記憶されている。
演算処理手段5は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、記憶手段4にインストールされた流動場解析プログラム1a、電場解析プログラム1bおよびオプション計算プログラム1cを実行させることにより、流動場解析機能6、電場解析機能7Aおよびオプション機能8とを実現するようになっている。以下、各機能を実現するための各構成部についてより詳細に説明する。
流動場解析機能6は、以下の式(10)に示す流体力学における質量保存の式と、式(11)に示す流体力学における運動量保存の式とを連成させて、所定の流動場の流速や圧力を計算する機能であり、暫定流速計算部61と、圧力計算部62と、流速補正部63とを有している。
Figure 2010211356
Figure 2010211356
なお、上記式(11)は、右辺第1項が圧力項、右辺第2項が対流項、右辺第3項が外力項および右辺第4項がダルシー則抵抗を表す項である。
暫定流速計算部61は、式(11)の圧力項を除いて時間積分することにより得られる以下の式(1)を空間的に離散化した式を用い、前記流動場データ記憶部42から読み出した初期値としての流速データ(v)を代入して暫定的な流速(v*)を計算するものである。
Figure 2010211356
圧力計算部62は、前記式(11)と前記式(10)とを連成し、かつ右辺第1項の前記暫定流速計算部61により計算された暫定的な流速(v*)に係る係数部にダルシー則抵抗を加えて得られる以下の式(2)を空間的に離散化した式を用い、前記流動場データ記憶部42から読み出した初期値としての圧力データ(p)および前記暫定流速計算部61により計算された暫定的な流速(v*)を代入して、圧力(p*)が収束するまで繰り返し計算をするものである。
Figure 2010211356
なお、従来の解析方法では、圧力や流速の時間変化が主に対流項に支配されていると仮定されている。しかし、多孔質材内の流路が狭い場所を流れる場合には、対流項が小さくダルシー則抵抗の項が支配的となり、この仮定は成り立たなくなる。そこで、本第1実施形態における圧力計算部62では、圧力とダルシー則抵抗が力学的に釣り合う状況を仮定して、右辺第1項の流速(v*)に係る係数部にダルシー則抵抗を直接的に加えることにより、圧力(p*)の計算を行っている。なお、流動場に多孔質材が含まれない場合において、本第1実施形態における前記式(2)は、右辺第1項のダルシー則抵抗の分母の浸透率κが無限大、分子の多孔率εがゼロとなり、その値をゼロとして扱えるため、従来の解析方法の圧力計算で用いられる式と同じ式として扱える。
流速補正部63は、以下の式(3)に、前記暫定流速計算部61により計算された暫定的な流速(v*)と前記圧力計算部62により計算された圧力の値(p*)とを代入して時間刻み幅(Δt)後の流速(vk+1)に補正するものである。
Figure 2010211356
なお、本第1実施形態における流動解析機能6では、前記流動場データ記憶部42に記憶されている流速データ(v)および圧力データ(p)を、前記圧力計算部62および前記流速補正部63により計算された流速(vk+1)および圧力(p*)のデータに置き換え、それを初期値として、時間刻み幅(Δt)毎の解析が行われる。
つぎに、電場解析機能7Aおよびその各構成部について詳細に説明する。
電場解析機能7Aは、図2に示すような燃料電池における陰極側の多孔質層、この陰極側の多孔質層と電解質膜との間の陰極側触媒層、電解質膜、陽極側の多孔質層と電解質膜との間の陽極側触媒層および陽極側多孔質層からなる電場において、電子ポテンシャル(φs)、イオンポテンシャル(φf)、ポテンシャル差(η)、陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算する機能である。
本第1実施形態の電場解析機能7Aは、暫定輸送電流計算部71と、暫定電子ポテンシャル計算部72と、暫定イオンポテンシャル計算部73と、ポテンシャル差計算部74と、輸送電流計算部75とを有している。
暫定輸送電流計算部71は、陰極側の輸送電流(J)を示す以下の式(4)と、陽極側の輸送電流(J)を示す以下の式(5)とに、前記電場データ記憶部43から読み出した初期値としての前記ポテンシャル差(η)を代入して暫定的な陰極側の輸送電流(J)および暫定的な陽極側の輸送電流(J)を計算するものである。
Figure 2010211356
Figure 2010211356
なお、図2に示す陰極側流路および陰極側多孔質層を流れる気体が水素であり、陽極側流路および陽極側多孔質層を流れる気体が酸素である場合、上記式(4)および上記式(5)の各基準電流(i0 ±)は、以下の式(12)および式(13)により算出される定数値である。
Figure 2010211356
Figure 2010211356
また、前記式(5)の自由エネルギーポテンシャル(U0)は以下の式(14)により算出される定数値である。
Figure 2010211356
暫定電子ポテンシャル計算部72は、以下の式(6)を空間的に離散化した式に、境界条件として外部電位を与え、かつ前記暫定的な陰極側の輸送電流(J)および前記暫定的な陽極側の輸送電流(J)を代入して暫定的な電子ポテンシャル(φs)を計算するものである。この式(6)は、陽極側触媒層および陰極側触媒層において、電子ポテンシャル(φs)の空間的な勾配と各輸送電流(J±)とが等しくなることを示すものであり、陽極側触媒層では前記式(5)で求められる輸送電流(J)が発生し、陰極側触媒層では前記式(4)で求められる輸送電流(J)が消滅し、その他の領域では電子の発生や消滅が無いため電子ポテンシャル(φs)の勾配がゼロであることを示している。なお、外部電位は、図2に示す燃料電池により起動される外部機器に必要とされる電位であり、任意に設定されるものである。
Figure 2010211356
暫定イオンポテンシャル計算部73は、以下の式(7)を空間的に離散化した式に、陰極側の境界条件を自由端として与えるとともに、陽極側の境界条件を前記暫定的な電子ポテンシャル(φs)から前記ポテンシャル差(η)を引いた固定端として与え、かつ前記暫定的な陰極側の輸送電流(J)および前記暫定的な陽極側の輸送電流(J)を代入して暫定的なイオンポテンシャル(φf)を計算するものである。この式(7)は、陽極側触媒層および陰極側触媒層において、イオンポテンシャル(φf)の空間的な勾配と各輸送電流(J±)とが等しくなることを示すものであり、陽極側触媒層では式(5)で求められる輸送電流(J)が消滅し、陰極側触媒層では前記式(4)求められる輸送電流(J)が発生し、その他の解析領域ではイオンの発生や消滅が無いためイオンポテンシャル(φf)の勾配がゼロであることを示している。
Figure 2010211356
なお、従来の解析方法では、このイオンポテンシャル(φf)の計算において、陰極側と陽極側の両側の境界条件を自由端として計算をしている。しかし、両側の境界条件を自由端とすると、得られるイオンポテンシャル(φf)は暫定電子ポテンシャル計算部で代入される初期値としてのポテンシャル差(η)に依存してしまう。そのため、得られるイオンポテンシャル(φf)が正しいか否かは、実験値との比較等を行わなければならない。そこで、本第1実施形態では、陽極側の境界条件を前記暫定的な電子ポテンシャル(φs)から前記ポテンシャル差(η)を引いた固定端として与えている。
ポテンシャル差計算部74は、前記式(4)と前記式(7)とを連成させた式について、さらにポテンシャル差(η)が解となる逆関数の式を求め、前記暫定的なイオンポテンシャル(φf)を代入してポテンシャル差(η)を計算する。なお、前記式(5)と前記式(7)とを連成させて、その逆関数の式からもポテンシャル差(η)を計算することも可能であるが、前記式(5)は指数関数で表現されており、逆関数を求める際に数値的な誤差が含まれてしまう。よって、計算精度の点から、本第1実施形態のように前記式(4)を用いることが望ましい。
輸送電流計算部75は、前記式(4)および前記式(5)に前記ポテンシャル差計算部により得られたポテンシャル差(η)を代入して陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算するものである。
つぎに、オプション機能8について説明する。オプション機能8とは、前記流動場解析機能6や前記電場解析機能7Aにより得られた、圧力、流速、電子ポテンシャル、イオンポテンシャル等に基づいて、各種物理量を計算するための機能である。本第1実施形態において、オプション機能8は、エネルギー計算部81と、化学種保存式計算部82とを有している。
エネルギー計算部81は、多孔質層内のジュール熱や電気化学反応による仕事量のエネルギーバランスを計算するためのものである。本第1実施形態におけるエネルギー計算部81は、以下の式(15)に前記流動場解析機能6により得られた流速(v)および圧力(p)と、前記電場解析機能7Aにより得られた各輸送電流(J±)およびポテンシャル差(η)とを代入して所定の領域のエネルギーを計算することが可能である。
Figure 2010211356
化学種保存式計算部82は、各触媒層における化学反応の生成を計算するためのものであり、以下の式(16)に前記流動場解析機能6により得られた流速(v)と、前記電場解析機能7Aにより得られた各輸送電流(J±)とを代入して化学種の保存を計算することが可能である。
Figure 2010211356
なお、オプション機能8については、計算させる内容が上記エネルギー計算等に限定されるものではなく、その他の温度場の計算等をさせてもよい。
つぎに、本第1実施形態の流動場解析機能6、電場解析機能7Aおよびオプション機能8の作用について、図3および図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、図3を参照しつつ流動場解析機能6の処理フローについて説明する。ステップS11では、暫定流速計算部61が、流動場データ記憶部42から流速データ(v)を読み出し、この流速データ(v)を式(1)に代入して流速(v*)を計算し、これを暫定的な流速(v*)として流動場データ記憶部42に記憶させる。
つぎに、ステップS12では、圧力計算部62が、流動場データ記憶部42から圧力データ(p)を読み出し、かつ暫定流速計算部61によりステップS11で得られた暫定的な流速(v*)を式(2)に代入して圧力(p*)を計算する。
ステップS13では、ステップS12の処理における圧力(p*)の計算が収束したか否かを判別する。本第1実施形態においては、流動場データ記憶部42から読み出された圧力データ(p)とステップS12で計算された圧力(p*)との差の合計が所定の値より小さいか否かで判別する。当該圧力の差の合計が所定の値より小さい場合には、圧力(p*)の計算が収束したと判別し、計算された圧力(p*)を前記流動場データ記憶部42の圧力データ(p)に置き換えてステップS14へ進む(ステップS13:YES)。一方、当該圧力の差の合計が所定の値より大きい場合には、圧力(p*)の計算が収束していないと判別し、計算された圧力(p*)を前記流動場データ記憶部42の圧力データ(p)に置き換えてステップS12へ戻り(ステップS13:NO)、収束するまで圧力(p*)を求める計算と収束判別処理が繰り返される。
なお、本第1実施形態における式(2)には、流速(v*)に係る係数部にダルシー則抵抗の項が直接的に加えられているため、対流項が小さくダルシー則抵抗の項が支配的な場合においてもダルシー則抵抗の影響を直接的に圧力計算に反映させることとなり、ステップS12〜ステップS13の収束性が向上する。また、前述のように、式(2)に加えられたダルシー則抵抗の項は、対流項が支配的な場合にはゼロとして扱えるため、従来の方法の計算方法と等価になる。
ステップS14では、暫定流速計算部61により計算された暫定的な流速(v*)と圧力計算部62により計算された圧力の値(p*)とを代入して時間刻み幅(Δt)後の流速(vk+1)に補正する計算を行う。以上の各ステップS11〜S14により時間刻み幅(Δt)後の流速(vk+1)および圧力の値(p*)を計算することができる。
なお、所定時間経過後の流速(v)および圧力(p)を得るには、ステップS14の後、前記流動場データ記憶部42の流速データ(v)および圧力データ(p)を、前記流速補正部63および前記圧力計算部62により計算された流速(vk+1)および圧力(p*)のデータに置き換え、各ステップS11〜S14を所定時間まで順次計算することになる。
つぎに、電場解析機能7Aの各構成部における作用について図4のフローチャートを参照しつつ説明する。まずステップS21において、暫定輸送電流計算部71が、電場データ記憶部43からポテンシャル差(η)を読み出し、このポテンシャル差(η)を式(4)および式(5)に代入して、暫定的な陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算する。
つぎにステップS22では、暫定電子ポテンシャル計算部72が、電場データ記憶部43から外部電位を読み出し、この外部電位、前記ステップS21で計算された暫定的な陰極側の輸送電流(J)および暫定的な陽極側の輸送電流(J)をそれぞれ式(6)に代入して暫定的な電子ポテンシャル(φs)を計算する。
また、ステップS23では、暫定イオンポテンシャル計算部73が、式(7)に暫定的な陰極側の輸送電流(J)および暫定的な陽極側の輸送電流(J)を代入して暫定的なイオンポテンシャル(φf)を計算する。このとき、陰極側の境界条件を自由端とするとともに、陽極側の境界条件を前記暫定的な電子ポテンシャル(φs)から前記ポテンシャル差(η)を引いた固定端とする。
ステップS24では、ポテンシャル差計算部74が、前記ステップ23で得られた暫定的なイオンポテンシャル(φf)を式(4)と式(7)とを連成させた式の逆関数の式に代入してポテンシャル差(η)を計算する。
ステップS25では、輸送電流計算部75が、ステップS24で得られたポテンシャル差(η)を前記式(4)および前記式(5)に代入することにより陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算する。
なお、本第1実施形態における電場解析機能7Aでは、ステップS26において、ステップ24の処理におけるポテンシャル差(η)の計算が収束したか否かを判別する。本第1実施形態においては、電場データ記憶部から読み出されたポテンシャル差(η)とステップ24で計算されたポテンシャル差(η)との差の合計が所定の値より小さいか否かで判別する。当該ポテンシャル差(η)の差の合計が所定の値より小さい場合には、ポテンシャル差(η)の計算が収束したと判別し、計算されたポテンシャル差(η)を前記電場データ記憶部43のポテンシャル差(η)に置き換えて計算を終了する(ステップS26:YES)。一方、当該ポテンシャル差(η)の差の合計が所定の値より大きい場合には、ポテンシャル差(η)の計算が収束していないと判別し、計算されたポテンシャル差(η)を前記電場データ記憶部43のポテンシャル差(η)に置き換えてステップS21へ戻り(ステップS26:NO)、収束するまで各種データを求める計算と収束判別処理が繰り返される。
つぎに、オプション機能8の各構成部における作用について説明する。エネルギー計算部81は、上記ステップS11〜ステップS14で求めた流動場における流速および圧力と、上記ステップS21〜ステップS26で求めた電場におけるポテンシャル差(η)、陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)とを式(15)に代入し、流動場と電場とが等しく存在する場合のエネルギーを計算する。
また、化学種保存式計算部82は、上記ステップS11〜ステップS14で求めた流動場における流速と、上記ステップS21〜ステップS26で求めた電場における陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)とを式(16)に代入し、流動場と電場とが等しく存在する場合の化学種の保存に関する値を計算する。
なお、本第1実施形態において、流動場解析機能6、電場解析機能7Aと順次に行った後にエネルギー計算81等を行ったが、計算順はこれに限定されるものではなく、例えば、流動場解析機能6と電場解析機能7Aの解析順は逆でもよく、流動場解析機能6と電場解析機能7Aとを同時並列に計算するようにしてもよい。
つぎに、本発明に係る電場解析プログラムの第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態のうち、前述した第1実施形態の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図5は、本第2実施形態における、流動場解析プログラム1aおよび電場解析プログラム1dとして機能するコンピュータ解析システム1Bの構成を示すブロック図である。本第2実施形態のコンピュータ解析システム1Bは、表示手段2、入力手段3、記憶手段4および演算処理手段5から構成されている。本第2実施形態の特徴は、前述した第1実施形態における演算処理手段5の電場解析機能7Bにおいて、暫定輸送電流計算部71に代えて、触媒層と多孔質層との境界における暫定的な輸送電流を算出するための境界面暫定輸送電流計算部76を備えた点にある。
すなわち、本第2実施形態における電場解析機能7Bは、陰極側触媒層および陽極側触媒層が十分に薄く、かつ電気ポテンシャル(φs)が陰極側触媒層と陰極側多孔質層の境界および陽極側触媒層と陽極側多孔質層の境界で不連続に変化すると仮定することにより、電場の格子間隔を各触媒層と等しいかそれ以上の幅に設定し、各触媒層内の計算をせずに電子ポテンシャル(φs)、イオンポテンシャル(φf)、ポテンシャル差(η)、陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算するためのものである。このため、本第2実施形態における電場解析機能7Bは、境界面暫定輸送電流計算部76と、暫定電子ポテンシャル計算部72と、暫定イオンポテンシャル計算部73と、ポテンシャル差計算部74と、輸送電流計算部75とを有している。
境界面暫定輸送電流計算部76は、前記式(4)および前記式(5)に、前記電場データ記憶部43から読み出した初期値としての前記ポテンシャル差(η)を代入して陰極側の固体層と触媒層との陰極側境界面における暫定的な輸送電流(J)、および陽極側の固体層と触媒層との陽極側境界面における暫定的な輸送電流(J)を計算するものである。
本第2実施形態における暫定電子ポテンシャル計算部72は、以下の式(8)を空間的に離散化した式に、境界条件として外部電力を与え、前記境界面暫定輸送電流計算部76により得られた陰極側境界面における暫定的な輸送電流(J)および陽極側境界面における暫定的な輸送電流(J)を代入して暫定的な電子ポテンシャル(φs)を計算するものである。
Figure 2010211356
本第2実施形態における暫定イオンポテンシャル計算部73は、以下の式(9)を空間的に離散化した式に、陰極側境界面における境界条件を自由端とするとともに、陽極側の境界面における境界条件を前記暫定的な電子ポテンシャル(φs)から前記ポテンシャル差(η)を引いた固定端として、前記陰極側境界面における暫定的な輸送電流(J)および陽極側境界面における暫定的な輸送電流(J)を代入して各境界面における暫定的なイオンポテンシャル(φf)を計算するものである。
Figure 2010211356
すなわち、本第2実施形態の電場解析機能7Bは、電子ポテンシャル(φs)およびイオンポテンシャル(φf)の発生および消滅が陰極側境界面および陽極側境界面で不連続であとして、触媒層内の解を求めないことにより、計算負荷を軽減したものである。
本第2実施形態におけるポテンシャル差計算部74は、前記式(4)と前記式(9)とを連成させ、ポテンシャル差(η)が解となる逆関数に、陰極側境界面における前記暫定的なイオンポテンシャル(φf)を代入してポテンシャル差(η)を計算するものである。
本第2実施形態における輸送電流計算部75は、前記式(4)および前記式(5)に本第2実施形態におけるポテンシャル差計算部74により得られたポテンシャル差(η)を代入して陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算するものである。
つぎに、本第2実施形態における電場解析機能7Bの各構成部における作用について図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
ステップS31では、境界面暫定輸送電流計算部76が、電場データ記憶部43からポテンシャル差(η)を読み出し、このポテンシャル差(η)を式(4)および式(5)に代入して、陰極側境界面における暫定的な輸送電流(J)および暫定的な陽極側境界面における輸送電流(J)を計算する。
つぎにステップS32では、暫定電子ポテンシャル計算部72が、電場データ記憶部43から外部電位を読み出し、この外部電位と、前記ステップS31で計算された陰極側境界面における暫定的な輸送電流(J)および陽極側境界面における暫定的な輸送電流(J)を式(8)に代入して暫定的な電子ポテンシャル(φs)を計算する。
ステップS33では、暫定イオンポテンシャル計算部73が、式(9)に前記陰極側境界面における暫定的な輸送電流(J)および前記陽極側境界面における暫定的な輸送電流(J)を代入して暫定的なイオンポテンシャル(φf)を計算する。ただし、陰極側境界面における境界条件を自由端とするとともに、陽極側の境界面における境界条件を前記暫定的な電子ポテンシャル(φs)から前記ポテンシャル差(η)を引いた固定端とする。
ステップS34では、ポテンシャル差計算部74が、前記ステップ33で得られた暫定的なイオンポテンシャル(φf)を式(4)と式(9)とを連成させた式の逆関数の式に代入してポテンシャル差(η)を計算する。
ステップS35では、輸送電流計算部75が、ステップS34で得られたポテンシャル差(η)を、前記式(4)および前記式(5)に代入することにより陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算する。
なお、本第2実施形態における電場解析機能7Bでは、ステップS36において、ステップ34の処理におけるポテンシャル差(η)の計算が収束したか否かを判別する。本第2実施形態においては、電場データ記憶部から読み出されたポテンシャル差(η)とステップ34で計算されたポテンシャル差(η)との差の合計が所定の値より小さいか否かで判別する。当該ポテンシャル差(η)の差の合計が所定の値より小さい場合には、ポテンシャル差(η)の計算が収束したと判別し、計算されたポテンシャル差(η)を前記電場データ記憶部43のポテンシャル差(η)に置き換えて計算を終了する(ステップS36:YES)。一方、当該ポテンシャル差(η)の差の合計が所定の値より大きい場合には、ポテンシャル差(η)の計算が収束していないと判別し、計算されたポテンシャル差(η)を前記電場データ記憶部43のポテンシャル差(η)に置き換えてステップS31へ戻り(ステップS36:NO)、収束するまで各種データを求める計算と収束判別処理が繰り返される。
以上のような本第1実施形態および第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
1.多孔質材を含む流動場における計算の収束性を向上することができる。
2.電場の解析において、初期値に対する解の依存性を軽減することができる。
3.電場の解析において、格子解像度をある程度大きくとることにより、計算負荷を軽減することができる。
このような作用効果を奏することにより、燃料電池などの電気化学反応装置における電気化学ポテンシャルと流動が連成する問題において収束性がよく、計算速度の速いシミュレーションが実現できる。
つぎに、本発明に係る流動場解析プログラムの実施例を図面を用いて説明する。
本実施例1では、従来の方法の流動解析プログラムと、本発明に係る流動解析プログラムとにより多孔質材を含む流動場の計算を行い、圧力計算の収束性を比較検討した。ただし、流体の密度(ρ)を1.2kg/m3、粘性係数(μ)を1.0*10-5Pa・s、多孔質材の多孔率(ε)を0.8、多孔質材の浸透率(κ)を1.0*10-11m2、出口の圧力データ(p)を0N/m2、入口の流速データ(v)を0.005m/s、時間刻み幅(Δt)を1.0*10-6s、格子間隔(Δx)を1.0*10-5m、格子数(N)を1000とし、格子数(N)が325〜750の間を多孔質材として計算を行った。
図7および図8は、従来の方法の流動解析プログラムと、本発明に係る流動解析プログラムとにより、それぞれ100000回の繰り返し計算を行ったときの圧力分布を示すグラフであって、繰り返し数が1000回目、5000回目、10000回目、15000回目、20000回目、25000回目、30000回目および100000回目の圧力分布を示している。なお、図7および図8の横軸は格子数(N)を示しており、縦軸は圧力(p*)を示している。本実施例1では、従来の方法の流動解析プログラムおよび本発明に係る流動解析プログラムともに、100000回繰り返し計算した結果を十分に収束したものとした。
図7および図8に示すように、従来の方法の流動解析プログラムの解析結果方および本発明に係る流動解析プログラムの解析結果のいずれも、繰り返し計算の回数が増加するにつれて収束値に漸近していく。しかし、本発明の流動解析結果の方がより小さい回数で収束値に近づいており、たとえば繰り返し計算の回数30000回目を比較すると、本発明の流動解析結果は収束値と略同一の値まで漸近しているのに対し、従来法による流動解析結果は収束値との差が存在し、収束していない。
ここで、従来法の流動解析プログラムと、本発明に係る流動解析プログラムとの収束性の差を、収束値と各結果の値との差の二乗平均により示す。
図9は、従来法の流動解析結果と、本発明の流動解析結果とにおける前記二乗平均の値を示している。横軸は繰り返し計算の回数を対数で示しており、縦軸は前記二乗平均を対数で示している。図9に示すように、従来法の流動解析結果および本発明の流動解析結果のいずれも、繰り返し計算の回数が増加するにつれて二乗平均の値が次第に小さくなっている。しかし、本発明の流動解析結果の方が従来法の流動解析結果に比べて前記二乗平均の値がより早く小さくなっている。例えば、前記二乗平均の値が0.0001以下になるための繰り返し計算の回数は、本発明の流動解析結果では、10000回以下であるのに対し、従来法の流動解析結果では、約30000回以上でなければならないことが確認された。
以上に示したように、本実施例1における図7〜図9に示した結果によると、多孔質材を含む流動場の計算において、本発明に係る流動解析プログラムは、従来の方法の流動解析プログラムに比べ、収束性が高いことが示された。
つぎに、本発明に係る電場解析プログラムの実施例2を図面を用いて説明する。本実施例2では、従来の方法の電場解析プログラムと、本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムと、本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムとにより陽極側多孔質層、陽極側触媒層、電解質膜、陰極側触媒層および陰極側多孔質層からなる電場の計算を行い、各多孔質層内および各触媒層内の電子ポテンシャル(φs)と、電解質膜内のイオンポテンシャル(φf)の計算の収束性を比較検討した。
ただし、各プログラムにおいて、電子コンダクティビティ(σs)を300Ω-1m-1、イオンコンダクティビティ(σf)を10Ω-1m-1、外部電位を0.65V、アノード移動係数(αa)を108A/m3、カソード移動係数(αc)を104A/m3、各多孔質層の厚さを50*10-6m、触媒層の厚さ(δ)を5*10-6m、電解質膜の厚さを50*10-6m、格子間隔(Δx)を0.5*10-6m、温度を353.0Kとして計算を行った。
図10は、従来の方法による電場解析プログラムの解析結果の陽極側多孔質層および陽極側触媒層の電子ポテンシャル(φs)を示すものである。また、図11は、従来法による電場解析結果の陰極側多孔質層および陰極側触媒層の電子ポテンシャル(φs)を示すものであり、図12は従来法による電場解析結果の電解質膜のイオンポテンシャル(φf)を示すものである。なお、図10〜図12の横軸は格子数(N)を示しており、縦軸は、図10および図11では電子ポテンシャル(φs)、図12ではイオンポテンシャル(φf)を示している。
図10〜図12に示すように、従来法による電場解析結果では、電子ポテンシャル(φs)およびイオンポテンシャル(φf)は、繰り返し計算の回数が10000000回目であっても十分に収束することはなかった。特に、電解質膜のイオンポテンシャル(φf)に関しては、収束せずに解が発散してしまうという結果になった。
以上のような従来法の電場解析結果に対し、図13は、本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムによる解析結果において陽極側多孔質層および陽極側触媒層の電子ポテンシャル(φs)を示すものである。また、図14は、第1実施形態による電場解析結果において陰極側多孔質層および陰極側触媒層の電子ポテンシャル(φs)を示すものであり、図15は第1実施形態による電場解析結果において電解質膜のイオンポテンシャル(φf)を示すものである。
図13〜図15に示すように、第1実施形態による電場解析結果は、陽極側多孔質層および陽極側触媒層の電子ポテンシャル(φs)、陰極側多孔質層および陰極側触媒層の電子ポテンシャル(φs)および電解質膜のイオンポテンシャル(φf)のいずれの場合においても解の収束が確認された。
ここで、前記実施例1と同様に、従来法の電場解析プログラムと本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムとの収束性の差を、収束値と各結果の値との差の二乗平均により示す。
図16は、従来法による電場解析結果および第1実施形態による電場解析結果における、陽極側多孔質層および陽極側触媒層の電子ポテンシャル(φs)の前記二乗平均の値である。なお、横軸は繰り返し計算の回数を対数で示しており、縦軸は前記二乗平均を対数で示している。同様に、図17は各結果における陰極側多孔質層および陰極側触媒層の電子ポテンシャル(φs)の前記二乗平均の値、図18は各結果における電解質膜のイオンポテンシャル(φf)の前記二乗平均の値を示している。なお、前記収束値には、10000000回繰り返し計算したときの第1実施形態による電場解析結果を用いた。
これら図16〜図18のいずれの場合においても見られるように、第1実施形態による電場解析結果の前記二乗平均の値が、従来法による電場解析結果の前記二乗平均の値に比べて明らかに早く小さくなっている。すなわち、本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムは、従来法の電場解析プログラムと比べて極めて収束性が高いことが確認された。
つぎに、本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムにより、陽極側触媒層内および陰極側触媒層内の計算を行わずに陽極側多孔質層の電子ポテンシャル(φs)、陰極側多孔質層の電子ポテンシャル(φs)および電解質膜のイオンポテンシャル(φf)の解析を行った。
図19は、本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムによる解析結果において陽極側多孔質層の電子ポテンシャル(φs)を示すものである。また、図20は、第2実施形態による電場解析結果において陰極側多孔質層の電子ポテンシャル(φs)を示すものであり、図21は第2実施形態による電場解析結果において電解質膜のイオンポテンシャル(φf)を示すものである。
また、図22は、第2実施形態による電場解析結果において陽極側多孔質層および陽極側触媒層の電子ポテンシャル(φs)の前記二乗平均の値であり、図23は第2実施形態による電場解析結果において陰極側多孔質層の電子ポテンシャル(φs)の前記二乗平均の値、図24は第2実施形態による電場解析結果において電解質膜のイオンポテンシャル(φf)の前記二乗平均の値を示している。なお、前記収束値には、10000000回繰り返し計算したときの解析結果を用いた。
図19〜図21に示すように、第2実施形態による電場解析結果は、第1実施形態の電場解析結果と同様に、陽極側多孔質層の電子ポテンシャル(φs)、陰極側多孔質層の電子ポテンシャル(φs)および電解質膜のイオンポテンシャル(φf)のいずれの場合においても、解析結果の収束が確認された。
また、図21と図18に示す電解質膜のイオンポテンシャル(φf)における二乗平均の値を例に、本発明に係る第1実施形態の電場解析プログラムおよび本発明に係る第2実施形態の電場解析プログラムの収束性について比較を行った。
それぞれの、繰り返し計算の回数が100000回目の二乗平均の値を比較すると、第1実施形態による電場解析結果の場合は二乗平均値が10-6 程度であるのに対し、第2実施形態による電場解析結果の場合は二乗平均値が10-7 程度であることがわかった。
すなわち、本実施例2においては、第2実施形態の電場解析プログラムの方が、第1実施形態の電場解析プログラムより収束性が高いことが確認された。
なお、本発明に係る流動場解析プログラムは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、式(2)に加えられるダルシー則抵抗の項は、高次精度で離散化したものを使用してもよい。
1A、1B コンピュータ解析システム
1a 流動解析プログラム
1b、1d 電場解析プログラム
1c オプション計算プログラム
2 表示手段
3 入力手段
4 記憶手段
5 演算処理手段
6 流動場解析機能
7A、7B 電場解析機能
8 オプション機能
41 プログラム記憶部
42 流動場データ記憶部
43 電場データ記憶部
44 エネルギーデータ記憶部
45 化学種保存データ記憶部
61 暫定流速計算部
62 圧力計算部
63 流速補正部
71 暫定輸送電流計算部
72 暫定電子ポテンシャル計算部
73 暫定イオンポテンシャル計算部
74 ポテンシャル差計算部
75 輸送電流計算部
81 エネルギー計算部
82 化学種保存式計算部

Claims (3)

  1. 流体力学における運動量保存の式と流体力学における質量保存の式とを連成させて所定の流動場の流速および圧力を計算する流動場解析プログラムであって、
    流速データ(v)および圧力データ(p)を記憶する流動データ記憶部と、
    圧力項を除いた流体力学における運動量保存の式を時間積分して得られる以下の式(1)を空間的に離散化し、前記流動場データ記憶部から読み出した流速データ(v)を代入して暫定的な流速(v*)を計算する暫定流速計算部と、
    Figure 2010211356
    前記運動量保存の式と前記質量保存の式とを連成し、かつ右辺第1項の前記暫定流速計算部により計算された暫定的な流速(v*)に係る係数部にダルシー則抵抗を加えて得られる以下の式(2)を空間的に離散化し、前記流動場データ記憶部から読み出した圧力データ(p)および前記暫定流速計算部により計算された暫定的な流速(v*)を代入して、圧力(p*)が収束するまで繰り返し計算をする圧力計算部と、
    Figure 2010211356
    以下の式(3)に、前記暫定流速計算部により計算された前記暫定的な流速(v*)と前記圧力計算部により計算された圧力の値(p*)とを代入して時間刻み幅(Δt)後の流速(vk+1)に補正する流速補正部と
    Figure 2010211356
    してコンピュータを機能させる流動場解析プログラム。
  2. 電気化学反応により電力を発生させる陰極側多孔質層、陰極側触媒層、電解質膜、陽極側触媒層および陽極側多孔質層からなる電場の電子ポテンシャルおよびイオンポテンシャルを計算する電場解析プログラムであって、
    電子ポテンシャル(φs)、イオンポテンシャル(φf)、前記電子ポテンシャル(φs)と前記イオンポテンシャル(φf)との差であるポテンシャル差(η)、陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を記憶する電場データ記憶部と、
    以下の式(4)および式(5)に、前記電場データ記憶部から読み出した前記ポテンシャル差(η)を代入して暫定的な陰極側の輸送電流(J)および暫定的な陽極側の輸送電流(J)を計算する暫定輸送電流計算部と、
    Figure 2010211356
    Figure 2010211356
    以下の式(6)を空間的に離散化し、外部電位を境界条件として、前記暫定的な陰極側の輸送電流(J)および前記暫定的な陽極側の輸送電流(J)を代入して暫定的な電子ポテンシャル(φs)を計算する暫定電子ポテンシャル計算部と、
    Figure 2010211356
    以下の式(7)を空間的に離散化し、陰極側の境界条件を自由端とするとともに、陽極側の境界条件を前記暫定的な電子ポテンシャル(φs)から前記ポテンシャル差(η)を引いた固定端として、前記暫定的な陰極側の輸送電流(J)および前記暫定的な陽極側の輸送電流(J)を代入して暫定的なイオンポテンシャル(φf)を計算する暫定イオンポテンシャル計算部と、
    Figure 2010211356
    前記式(7)の逆関数に前記暫定的なイオンポテンシャル(φf)を代入してポテンシャル差(η)を計算するポテンシャル差計算部と、
    前記式(4)および前記式(5)に前記ポテンシャル差計算部により得られたポテンシャル差(η)を代入して陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算する輸送電流計算部と
    してコンピュータを機能させる電場解析プログラム。
  3. 電気化学反応により電力を発生させる陰極側多孔質層、陰極側触媒層、電解質膜、陽極側触媒層および陽極側多孔質層からなる電場の電子ポテンシャルおよびイオンポテンシャルを計算する電場解析プログラムであって、
    電子ポテンシャル(φs)、イオンポテンシャル(φf)、前記電子ポテンシャル(φs)と前記イオンポテンシャル(φf)との差であるポテンシャル差(η)、陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を記憶する電場データ記憶部と、
    以下の式(4)および式(5)に、前記電場データ記憶部から読み出した前記ポテンシャル差(η)を代入して陰極側の固体層と触媒層との陰極側境界面における暫定的な輸送電流(J)、および陽極側の固体層と触媒層との陽極側境界面における暫定的な輸送電流(J)を計算する境界面暫定輸送電流計算部と、
    Figure 2010211356
    Figure 2010211356
    以下の式(8)を空間的に離散化し、外部電位を境界条件として、前記陰極側境界面における輸送電流(J)および陽極側境界面における輸送電流(J)を代入して暫定的な電子ポテンシャル(φs)を計算する暫定電子ポテンシャル計算部と、
    Figure 2010211356
    以下の式(9)を空間的に離散化し、陰極側境界面における境界条件を自由端とするとともに、陽極側の境界面における境界条件を前記暫定的な電子ポテンシャル(φs)から前記ポテンシャル差(η)を引いた固定端として、前記陰極側境界面における輸送電流(J)および陽極側境界面における輸送電流(J)を代入して各境界面における暫定的なイオンポテンシャル(φf)を計算する暫定イオンポテンシャル計算部と、
    Figure 2010211356
    前記式(9)の逆関数に陰極側境界面における前記暫定的なイオンポテンシャル(φf)を代入してポテンシャル差(η)を計算するポテンシャル差計算部と、
    前記式(4)および前記式(5)に前記ポテンシャル差計算部により得られたポテンシャル差(η)を代入して陰極側の輸送電流(J)および陽極側の輸送電流(J)を計算する輸送電流計算部と
    してコンピュータを機能させる電場解析プログラム。
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