JP2010211255A - 撮像装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮像装置100であって、背景内に被写体が存在する被写体存在画像の周縁部分の非平坦度を演算する非平坦度演算部6と、演算された被写体存在画像の周縁部分の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する非平坦度判定部8aと、非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、被写体存在画像の周縁部分から被写体存在画像中の被写体が含まれる被写体領域の抽出用の抽出用背景画像を生成する背景生成部8bと、抽出用背景画像と被写体存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、被写体存在画像から被写体領域を抽出する切抜画像生成部8eとを備えている。
【選択図】図1
Description
背景内に被写体が存在する被写体存在画像を撮像する第1撮像手段と、前記第1撮像手段により撮像された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度を演算する第1非平坦度演算手段と、前記第1非平坦度演算手段により演算された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記被写体存在画像中の被写体が含まれる被写体領域の抽出用の抽出用背景画像を生成する背景生成手段と、前記抽出用背景画像と前記被写体存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出する被写体抽出手段と、を備えたことを特徴としている。
前記被写体存在画像の周縁部分を複数の画像領域に分割する分割手段を更に備え、前記第1非平坦度演算手段は、前記分割手段により分割された前記複数の画像領域の各々の非平坦度を演算し、前記第1判定手段は、前記第1非平坦度演算手段により演算された前記複数の画像領域の各々について非平坦度が所定値以下であるか否かを判定し、前記背景生成手段は、前記第1判定手段により非平坦度が所定値以下であると判定された画像領域が複数ある場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記抽出用背景画像を生成することを特徴としている。
前記第1非平坦度演算手段は、前記非平坦度として、前記分割手段により分割された前記複数の画像領域の各々の特徴点を抽出し、前記第1判定手段は、更に、前記第1非平坦度演算手段により抽出された前記複数の画像領域の特徴点が所定値以下であるか否かを判定し、前記背景生成手段は、更に、前記第1判定手段により特徴点が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記抽出用背景画像を生成することを特徴としている。
前記第1非平坦度演算手段は、前記非平坦度として、前記分割手段により分割された前記複数の画像領域内の画素値のばらつき量を演算し、前記第1判定手段は、更に、前記第1非平坦度演算手段により演算された前記複数の画像領域内の画素値のばらつき量が所定値以下であるか否かを判定し、前記背景生成手段は、更に、前記第1判定手段により画素値のばらつき量が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記抽出用背景画像を生成することを特徴としている。
前記背景生成手段は、前記被写体存在画像の周縁部分の色と同じ色の前記抽出用背景画像を生成することを特徴としている。
前記抽出用背景画像と前記被写体存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出するためのマスク画像を生成するマスク生成手段を更に備え、前記被写体抽出手段は、前記マスク生成手段により生成されたマスク画像を用いて前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出することを特徴としている。
被写体が存在しない背景画像を撮像して当該背景画像の画像フレームを順次生成する背景撮像手段と、前記背景画像の画像フレームの非平坦度を演算する第2非平坦度演算手段と、前記第2非平坦度演算手段により演算された前記背景画像の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する第2判定手段と、を更に備え、前記第1撮像手段は、前記第2判定手段により非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、前記背景画像と略同一の背景内に被写体が存在する被写体存在画像を撮像することを特徴としている。
前記第2非平坦度演算手段は、前記非平坦度として、前記背景画像から特徴点を抽出し、前記第2判定手段は、更に、前記第2非平坦度演算手段により抽出された前記背景画像の複数の画像領域の特徴点が所定値以下であるか否かを判定し、前記第1撮像手段は、更に、前記第2判定手段により特徴点が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像を撮像することを特徴としている。
前記第2非平坦度演算手段は、前記非平坦度として、前記背景画像の複数の画像領域内の画素値のばらつき量を演算し、前記第2判定手段は、更に、前記第2非平坦度演算手段により演算された前記背景画像の複数の画像領域内の画素値のばらつき量が所定値以下であるか否かを判定し、前記第1撮像手段は、更に、前記第2判定手段により画像領域の画素値のばらつき量が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像を撮像することを特徴としている。
前記第2判定手段により非平坦度が所定値よりも多いと判定された場合に、前記被写体存在画像の撮像後、当該被写体存在画像の背景と同一の背景内に前記被写体の存在しない被写体非存在画像を撮像する第2撮像手段と、前記被写体存在画像と前記被写体非存在画像との位置合わせを行う位置合わせ手段と、を更に備え、前記被写体抽出手段は、前記位置合わせ手段により位置合わせされた前記被写体存在画像と前記被写体非存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出することを特徴としている。
背景内に被写体が存在する被写体存在画像を撮像する撮像手段を備える撮像装置に、前記撮像手段により撮像された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度を演算する処理と、演算された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する処理と、非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記被写体存在画像中の被写体が含まれる被写体領域の抽出用の抽出用背景画像を生成する処理と、前記抽出用背景画像と前記被写体存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出する処理と、を実行させることを特徴としている。
背景内に被写体が存在する被写体存在画像を撮像する撮像手段を備える撮像装置のコンピュータを、前記撮像手段により撮像された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度を演算する非平坦度演算手段、前記非平坦度演算手段により演算された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する判定手段、前記判定手段により非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記被写体存在画像中の被写体が含まれる被写体領域の抽出用の抽出用背景画像を生成する背景生成手段、前記抽出用背景画像と前記被写体存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出する被写体抽出手段、として機能させることを特徴としている。
図1は、本発明を適用した一実施形態の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。
具体的には、図1に示すように、撮像装置100は、レンズ部1と、電子撮像部2と、撮像制御部3と、画像データ生成部4と、画像メモリ5と、非平坦度演算部6と、ブロックマッチング部7と、画像処理部8と、記録媒体9と、表示制御部10と、表示部11と、操作入力部12と、CPU13とを備えている。
また、撮像制御部3と、非平坦度演算部6と、ブロックマッチング部7と、画像処理部8と、CPU13は、例えば、カスタムLSI1Aとして設計されている。
また、レンズ部1は、図示は省略するが、被写体Sの撮像の際に、ズームレンズを光軸方向に移動させるズーム駆動部、フォーカスレンズを光軸方向に移動させる合焦駆動部等を備えていても良い。
また、撮像制御部3は、AF(自動合焦処理)、AE(自動露出処理)、AWB(自動ホワイトバランス)等の被写体Sの撮像条件の調整制御を行う。
ここで、撮像レンズ部1、電子撮像部2及び撮像制御部3は、被写体Sが存在しない背景画像P2を撮像して画像フレームを順次生成する背景撮像手段を構成している。
ここで、撮像レンズ部1、電子撮像部2及び撮像制御部3は、背景内に被写体Sが存在する被写体存在画像P1aを撮像する第1撮像手段を構成している。
ここで、撮像レンズ部1、電子撮像部2及び撮像制御部3は、判定処理にて非平坦度が所定値よりも多いと判定された場合に、被写体存在画像P1bの撮像後、当該被写体存在画像P1bの背景と同一の背景内に前記被写体Sの存在しない被写体非存在画像P3を撮像する第2撮像手段を構成している。
カラープロセス回路から出力される輝度信号Y及び色差信号Cb,Crは、図示しないDMAコントローラを介して、バッファメモリとして使用される画像メモリ5にDMA転送される。
特徴量演算部6aは、背景画像P2や被写体存在画像P1aから特徴点を抽出する特徴抽出処理を行う。
具体的には、特徴量演算部6aは、ライブビュー画像表示用の画像フレームとして生成された背景画像P2のYUVデータに基づいて、高周波成分の多い特徴の高いブロック領域(例えば、16×16画素の正方形)を特徴点として抽出する。
また、非平坦度演算部6は、背景生成処理にて、被写体存在画像P1aのYUVデータに基づいて、当該被写体存在画像P1aの周縁部分(図7(a)参照)を複数の画像ブロックBに分割する分割部6bを具備する。特徴量演算部6aは、この分割部6bにより分割された各画像ブロックBの特徴点を抽出する。ここで、分割部6bは、被写体存在画像P1aの周縁部分を複数の画像ブロック(画像領域)Bに分割する分割手段を構成している。
ばらつき量算出部6cは、ライブビュー画像表示用の画像フレームとして生成された背景画像P2の各ブロック領域内のばらつき量として、標準偏差を下記式(1)に従って算出する。
また、ばらつき量算出部6cは、背景生成処理にて、被写体存在画像P1aの周縁部分の複数の画像ブロックBの各々についてのばらつき量として、標準偏差を下記式(1)に従って算出する。
つまり、特徴量演算部6aは、非平坦度として、被写体存在画像P1aの周縁部分の特徴点や、背景画像P2の特徴点を抽出する。また、ばらつき量算出部6cは、非平坦度として、被写体存在画像P1aの周縁部分の複数の画像ブロック(画像領域)内の画素値のばらつき量や、背景画像P2の複数のブロック領域(画像領域)内のばらつき量を演算する。
非平坦度判定部8aは、ライブビュー画像表示用の画像フレームとして生成された背景画像P2の特徴点、即ち、特徴量演算部6aにより抽出された特徴の高いブロック領域が所定値以下であるか否か(背景画像P2の特徴量が多いか否か)を判定する。また、非平坦度判定部8aは、ばらつき量算出部6cにより算出された背景画像P2のブロック内の画素値のばらつき量が所定値以下であるか否かを判定する。
ここで、非平坦度判定部8aは、背景画像P2の特徴点が所定値以下であるか否か、及び、背景画像P2のブロック内の画素値のばらつき量が所定値以下であるか否かを判定する第2判定手段を構成している。
さらに、非平坦度判定部8aは、特徴点が所定値以下であり、且つ、ブロック内の画素値のばらつき量が所定値以下であると判定された画像ブロックBを計数して、画像ブロックBが複数あるか否かを判定する。
ここで、非平坦度判定部8aは、被写体存在画像P1aの周縁部分の特徴点が所定値以下であるか否か、及び、周縁部分の複数の画像ブロックBのブロック内の画素値のばらつき量が所定値以下であるか否かを判定する第1判定手段を構成している。
背景生成部8bは、非平坦度判定部8aによって、被写体存在画像P1aの周縁部分の特徴点が所定値以下であり、且つ、ブロック内の画素値のばらつき量が所定値以下である画像ブロックB、即ち、特徴量の少ない画像ブロックBが複数あると判定された場合に、当該画像ブロックBの色と同じ色を背景色とする抽出用背景画像を生成する。例えば、図6(b)に示すように、特徴量の少ない無地の背景をバックに被写体Sを撮影した場合には、被写体存在画像P1aの周縁部分の特徴量が少なくなり、当該被写体存在画像P1aの周縁部分と同じ色の抽出用背景画像を生成する。
なお、クロマキーとは、特定の色背景を用いて一の画像データから被写体Sを切り抜く手法である。クロマキーでは、通常、背景に被写体Sと補色の関係にある青や緑のスクリーンを用いるようになっており、被写体存在画像P1aの周縁部分と同じ色の抽出用背景画像を生成することで、抽出用背景画像と被写体存在画像P1aの色情報を基にして背景部分と被写体部分を分離することができる。
ここで、背景生成部8bは、被写体存在画像P1aの周縁部分の非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、当該被写体存在画像P1aの周縁部分から被写体存在画像P1a中の被写体Sが含まれる被写体領域の抽出用の抽出用背景画像を生成する背景生成手段を構成している。
位置合わせ部8cは、被写体非存在画像P3から抽出した特徴点に基づいて、被写体存在画像P1bと被写体非存在画像P3との位置合わせを行う。即ち、位置合わせ部8cは、被写体非存在画像P3から抽出した特徴点に基づいて、被写体非存在画像P3に対する被写体存在画像P1bの各画素の座標変換式(射影変換行列)を算出し、当該座標変換式に従って被写体存在画像P1bを座標変換して被写体非存在画像P3と位置合わせを行う。
具体的には、位置合わせ部8cは、ブロックマッチング部7により算出された複数のテンプレートの動きベクトルを多数決により演算して、統計的に所定%(例えば、50%)以上となると判断された動きベクトルを全体の動きベクトルとして、当該動きベクトルに係る特徴点対応を用いて被写体存在画像P1bの射影変換行列を算出する。そして、位置合わせ部8cは、射影変換行列に従って被写体存在画像P1bを座標変換して被写体非存在画像P3と位置合わせを行う。
ここで、位置合わせ部8cは、被写体存在画像P1bと被写体非存在画像P3との位置合わせを行う位置合わせ手段を構成している。
マスク生成部8dは、背景画像P2(抽出用背景画像や被写体非存在画像P3)と被写体存在画像P1a(P1b)の対応する各画素の相違度Dを下記式(2)に従って算出して相違度マップを生成する。
そして、マスク生成部8dは、生成した相違度マップを所定の閾値で二値化(0、255)してマスク画像を生成する。
ここで、マスク生成部8dは、抽出用背景画像と被写体存在画像P1a(P1b)の対応する各画素の相違度(差分情報)Dに基づいて、被写体存在画像P1aから被写体領域を抽出するためのマスク画像を生成するマスク生成手段を構成している。
切抜画像生成部8eは、クロマキー技術を利用して、マスク生成部8dにより生成されたマスク画像を用いて被写体存在画像P1a(P1b)から被写体領域を切り出して、単一色背景画像P5と合成して被写体切り抜き画像P4の画像データを生成する。なお、マスク画像の縁部分には、合成階調がつけられているため、切り出された被写体領域と単一色背景画像P5との境界部分がはっきりしていない自然な感じに合成することができる。
ここで、切抜画像生成部8eは、抽出用背景画像と被写体存在画像P1a(P1b)の対応する各画素の差分情報に基づいて、被写体存在画像P1aから被写体領域を抽出する被写体抽出手段を構成している。
また、記録媒体9は、画像処理部8のマスク生成部8dにより生成されたマスク画像と、被写体切り抜き画像P4の画像データをそれぞれ圧縮した上で対応付けて、当該被写体切り抜き画像P4の画像データの拡張子を「.jpe」として保存する。
具体的には、表示制御部10は、VRAM、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダなどを備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、CPU13の制御下にて画像メモリ5から読み出されてVRAM(図示略)に記憶されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから定期的に読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部11に出力する。
図2及び図3は、被写体切り抜き処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
図2に示すように、先ず、CPU13は、画像メモリのフラグテーブル(図示略)に背景撮影フラグ=0を書き込んだ後(ステップS1)、表示制御部10に、撮像レンズ部1、電子撮像部2及び撮像制御部3による被写体Sの撮像により順次生成された画像フレームに基づいてライブビュー画像を表示部11の表示画面11aに表示させるとともに、当該ライブビュー画像に重畳させて、背景指示メッセージ(例えば、「背景に向けてください」等)を表示部11の表示画面11aに表示させる(ステップS2;図6(a)参照)。
ここで、特徴点及び当該ブロック内の画素値のばらつき量がないと判断されると(ステップS5;YES)、即ち、例えば、特徴量の少ない無地の背景をバックに被写体Sを撮影する場合(図6(b)参照)、CPU13は、表示制御部10に、ライブビュー画像に重畳させて撮像指示メッセージ(例えば、「被写体Sを撮影してください」等)を表示部11の表示画面11aに表示させる(ステップS6)。
この後、ユーザは、被写体Sを画角内に移動させる、或いは被写体Sが移動するのを待った後(図6(c)参照)、ステップS8にて、シャッタボタン12aが撮像指示操作されたと判定されると(ステップS8;YES)、CPU13は、被写体存在画像P1aの光学像を所定の撮像条件で電子撮像部2により撮像させ、電子撮像部2から転送された被写体存在画像P1aの画像フレームに基づいて、被写体存在画像P1aのYUVデータを画像データ生成部4に生成させて、当該YUVデータを画像メモリ5に一時記憶させる(ステップS9)。
これにより、特徴量の少ない背景をバックに被写体Sが撮影された被写体存在画像P1aが生成される。
ここで、シャッタボタン12aが撮像指示操作されていないと判定されると(ステップS10;NO)、CPU13は、処理をステップS3に移行させる。一方、シャッタボタン12aが撮像指示操作されたと判定されると(ステップS10;YES)、CPU13は、画像メモリのフラグテーブル(図示略)に背景撮影フラグ=1を書き込んだ後(ステップS11)、処理をステップS9に移行させて、被写体Sの撮影を行う。
これにより、特徴量の多い背景をバックに被写体Sが撮影された被写体存在画像P1bが生成される。
ここで、背景撮影フラグ=0であると判定されると(ステップS12;YES)、CPU13は、非平坦度演算部6及び画像処理部に、被写体存在画像P1aから被写体領域を抽出するための抽出用背景画像を生成させる背景生成処理を行わせる(ステップS13)。
図4は、背景生成処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、非平坦度演算部6の分割部6bは、被写体存在画像P1aのYUVデータに基づいて、当該被写体存在画像P1aの周縁部分を複数の画像ブロックBに分割して(図7(a)参照)、各画像ブロックBの特徴点を抽出する(ステップS31)。
続けて、画像処理部のばらつき量算出部6cは、被写体存在画像P1aの周縁部分の複数の画像ブロックBの各々について画素値のばらつき量としての標準偏差を式(1)に従って算出する(ステップS32)。
ここで、ばらつきがなく、同じ色の画像ブロックBが所定値以上あると判断されると(ステップS33;YES)、背景生成部8bは、当該画像ブロックBの色と同じ色を背景色とする抽出用背景画像のYUVデータを生成(ステップS34)して、背景生成成功とする(ステップS35)。
これにより、背景生成処理を終了する。
ここで、背景生成が成功したと判定されると(ステップS14;YES)、CPU13は、画像処理部に、被写体存在画像P1aから被写体Sが含まれる被写体領域を検出する領域検出処理を行わせる(ステップS15)。
図5は、領域検出処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、画像処理部のマスク生成部8dは、抽出用背景画像(背景画像)のYUVデータと被写体存在画像P1aのYUVデータとの間で対応する各画素の相違度Dを式(2)に従って算出して相違度マップを生成する(ステップS41)。
ここで、二値化に成功したと判断されると(ステップS43;YES)、マスク生成部8dは、被写体領域の周辺部の残り過ぎを修正したり細かいノイズを除去するため、マスク画像データに対する収縮処理を行って所定値よりも小さい画素集合を除いた後(ステップS44)、収縮分を修正するための膨張処理を行う(ステップS45)。
その後、マスク生成部8dは、マスク画像データに対して平均化フィルタをかけて、被写体領域の縁部に合成階調をつけて(ステップS47)、領域検出成功とする(ステップS48)。
これにより、領域検出処理を終了する。
この後、ユーザは、被写体Sを画角外に移動させる、或いは被写体Sが移動するのを待った後(図8(b)参照)、ステップS8にて、シャッタボタン12aが撮像指示操作されたと判定されると(ステップS19;YES)、CPU13は、被写体存在画像P3の光学像を所定の撮像条件で電子撮像部2により撮像させ、電子撮像部2から転送された被写体存在画像P3の画像フレームに基づいて、被写体存在画像P3のYUVデータを画像データ生成部4に生成させて、当該YUVデータを画像メモリ5に一時記憶させる(ステップS20)。
これにより、被写体Sが存在しない特徴量の多い背景が撮影された被写体存在画像P3が生成される。
具体的には、特徴量演算部6aは、被写体非存在画像P3のYUVデータに基づいて、所定数(或いは、所定数以上)の特徴の高いブロック領域(特徴点)を選択して、当該ブロックの内容をテンプレートとして抽出する。そして、ブロックマッチング部7は、特徴抽出処理にて抽出されたテンプレートの画素値が最適にマッチする位置を被写体存在画像P1b内にて探索して、画素値の相違度の評価値が最も良かった被写体非存在画像P3と被写体存在画像P1b間の最適なオフセットを当該テンプレートの動きベクトルとして算出する。
そして、画像処理部8の位置合わせ部8cは、ブロックマッチング部7により算出された複数のテンプレートの動きベクトルに基づいて全体の動きベクトルを統計的に算出し、当該動きベクトルに係る特徴点対応を用いて被写体存在画像P1bの射影変換行列を算出した後、当該射影変換行例に基づいて被写体存在画像P1bを射影変換することで、被写体存在画像P1bのYUVデータと被写体非存在画像P3のYUVデータとを位置合わせする処理を行わせる。
ここでの領域検出処理は、背景画像として被写体非存在画像P3を用いる以外の点で上述した内容と略同一であり、その詳細な説明は省略する。即ち、マスク生成部8dは、背景画像としての被写体非存在画像P3のYUVデータと被写体存在画像P1bのYUVデータとの間で対応する各画素の相違度Dを式(2)に従って算出して相違度マップを生成する(ステップS41)。
ここで、被写体領域の検出が成功したと判定されると(ステップS23;YES)、CPU13は、切抜画像生成部8eに、クロマキー技術を利用して、領域検出処理にて生成されたマスク画像を用いて被写体存在画像P1a(P1b)から被写体領域を切り出して、所定の単一色背景画像P5と合成して被写体切り抜き画像P4(図7(b)参照)の画像データを生成させる(ステップS24)。
具体的には、切抜画像生成部8eは、被写体存在画像P1a(P1b)、単一色背景画像P5及びマスク画像データを読み出して画像メモリ5に展開した後、被写体存在画像P1a(P1b)のうち、マスク画像データの塗りつぶした部分(被写体S以外の部分)で覆われる画素については、単一色背景画像P5の所定の単一色で塗りつぶす一方で、被写体部分の画素については、何もせずに所定の単一色に対して透過させないようにする。なお、マスク画像の縁部分には、合成階調がつけられているため、切り出された被写体領域と単一色背景画像P5との境界部分がはっきりしていない自然な感じとなる。
その後、CPU13は、表示制御部10に、切抜画像生成部8eにより生成された被写体切り抜き画像P4の画像データに基づいて、所定の単一色背景画像P5に被写体Sが重畳された被写体切り抜き画像P4を表示部11の表示画面11aに表示させる(図7(c)参照)。
これにより、被写体切り抜き処理を終了する。
具体的には、被写体存在画像P1aの周縁部分を複数の画像ブロックBに分割して、複数の画像ブロックBの各々の特徴点を抽出し、複数の画像ブロックBの各々について特徴点が所定値以下であるか否かを判定する。また、複数の画像ブロックBのブロック内の画素値のばらつき量が所定値以下であるか否かを判定する。そして、特徴点が所定値以下であると判定され、且つ、ブロック内の画素値のばらつき量が所定値以下であると判定された画像ブロックBが複数ある場合に、被写体存在画像P1aの周縁部分の色と同じ色の抽出用背景画像を生成する。そして、抽出用背景画像と被写体存在画像P1aの対応する各画素の相違度Dに基づいてマスク画像を生成して、当該マスク画像を用いて被写体存在画像P1aから被写体領域を抽出する。
従って、被写体存在画像P1aの撮影を一回行うだけで、背景画像P2の撮像を別途行わなくとも抽出用背景画像を生成することができ、当該抽出用背景画像を用いて生成されたマスク画像を利用して被写体存在画像P1aから被写体領域を簡便に抽出することができる。
このように、ライブビュー画像表示用の画像フレームを利用することで、被写体Sの切り抜きに最適な環境を見つけることができ、より使い勝手の良い撮像装置を提供することができる。
これに対して、例えば、特徴量の多い背景をバックに被写体Sを撮影する場合のように(図8(a)参照)、特徴点が所定値よりも多いと判定されると、被写体存在画像P1bの撮像後、当該被写体存在画像P1bの背景と同一の背景内に被写体Sの存在しない被写体非存在画像P3を撮像することで、これら被写体存在画像P1bと被写体非存在画像P3との位置合わせを行った後、位置合わせされた被写体存在画像P1bと被写体非存在画像P3の対応する各画素の相違度Dに基づいて、被写体存在画像P1bから被写体領域を抽出することができる。
つまり、特徴量の多い背景をバックに被写体Sを撮影する場合であっても、被写体非存在画像P3を撮像することで、被写体存在画像P1bと被写体非存在画像P3の対応する各画素の相違度Dに基づいてマスク画像を生成して、当該マスク画像を用いて被写体存在画像P1bから被写体領域を抽出することができる。
例えば、抽出用背景画像の生成の際に、被写体存在画像P1aの周縁部分の複数の画像ブロックBの各々の特徴点及びブロック内の画素値のばらつき量の両方について所定値以下であるか否かを判定するようにしたが、これに限られるものではなく、特徴点及びばらつき量の少なくとも一方を判定することで画像ブロックBの非平坦度の判定を行って、非平坦度が所定値以下であると判定された場合に抽出用背景画像を生成するようにしても良い。
また、ライブビュー画像が表示されている際に、ライブビュー画像表示用として生成された背景画像P2の画像フレームの特徴点及びブロック内の画素値のばらつき量の両方について所定値以下であるか否かを判定するようにしたが、これに限られるものではなく、特徴点及びばらつき量の少なくとも一方を判定することで背景画像の非平坦度の判定を行って、非平坦度が所定値以下であると判定された場合に背景画像P2と略同一の背景内に被写体Sが存在する被写体存在画像P1aを撮像するようにしても良い。
この被写体合成画像を生成する処理においては、被写体切り抜き画像P4の画像データについて、マスク画像データの塗りつぶした部分(被写体S以外の部分)で覆われる画素については、背景用画像の色で塗りつぶし、一方、被写体部分の画素については、何もせずに所定の背景用画像の色に対して透過させないようにする。これにより、被写体切り抜き画像P4の被写体領域が所定の背景用画像(図示略)に重畳された被写体合成画像を生成することができる。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、非平坦度演算処理ルーチン、判定処理ルーチン、背景生成処理ルーチン、被写体抽出処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、非平坦度演算処理ルーチンによりCPU13を、撮像手段により撮像された被写体存在画像P1aの周縁部分の非平坦度を演算する非平坦度演算手段として機能させるようにしても良い。また、判定処理ルーチンによりCPU13を、抽出処理にて抽出された被写体存在画像P1aの周縁部分の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する判定手段として機能させるようにしても良い。また、背景生成処理ルーチンによりCPU13を、判定処理にて非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、被写体存在画像P1aの周縁部分から被写体存在画像P1a中の被写体Sが含まれる被写体領域の抽出用の抽出用背景画像を生成する背景生成手段として機能させるようにしても良い。また、被写体抽出処理ルーチンによりCPU13を、抽出用背景画像と被写体存在画像P1aの対応する各画素の差分情報に基づいて、被写体存在画像P1aから被写体領域を抽出する被写体抽出手段として機能させるようにしても良い。
1 レンズ部
2 電子撮像部
3 撮像制御部
6 非平坦度演算部
6a 特徴量演算部
6b 分割部
6c ばらつき量算出部
7 ブロックマッチング部
8 画像処理部
8a 非平坦度判定部
8b 背景生成部
8c 位置合わせ部
8d マスク生成部
8e 切抜画像生成部
11 表示部
13 CPU
Claims (12)
- 背景内に被写体が存在する被写体存在画像を撮像する第1撮像手段と、
前記第1撮像手段により撮像された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度を演算する第1非平坦度演算手段と、
前記第1非平坦度演算手段により演算された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段により非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記被写体存在画像中の被写体が含まれる被写体領域の抽出用の抽出用背景画像を生成する背景生成手段と、
前記抽出用背景画像と前記被写体存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出する被写体抽出手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記被写体存在画像の周縁部分を複数の画像領域に分割する分割手段を更に備え、
前記第1非平坦度演算手段は、
前記分割手段により分割された前記複数の画像領域の各々の非平坦度を演算し、
前記第1判定手段は、
前記第1非平坦度演算手段により演算された前記複数の画像領域の各々について非平坦度が所定値以下であるか否かを判定し、
前記背景生成手段は、
前記第1判定手段により非平坦度が所定値以下であると判定された画像領域が複数ある場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記抽出用背景画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記第1非平坦度演算手段は、
前記非平坦度として、前記分割手段により分割された前記複数の画像領域の各々の特徴点を抽出し、
前記第1判定手段は、
更に、前記第1非平坦度演算手段により抽出された前記複数の画像領域の特徴点が所定値以下であるか否かを判定し、
前記背景生成手段は、
更に、前記第1判定手段により特徴点が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記抽出用背景画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記第1非平坦度演算手段は、
前記非平坦度として、前記分割手段により分割された前記複数の画像領域内の画素値のばらつき量を演算し、
前記第1判定手段は、
更に、前記第1非平坦度演算手段により演算された前記複数の画像領域内の画素値のばらつき量が所定値以下であるか否かを判定し、
前記背景生成手段は、
更に、前記第1判定手段により画素値のばらつき量が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記抽出用背景画像を生成することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。 - 前記背景生成手段は、
前記被写体存在画像の周縁部分の色と同じ色の前記抽出用背景画像を生成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置。 - 前記抽出用背景画像と前記被写体存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出するためのマスク画像を生成するマスク生成手段を更に備え、
前記被写体抽出手段は、
前記マスク生成手段により生成されたマスク画像を用いて前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の撮像装置。 - 被写体が存在しない背景画像を撮像して当該背景画像の画像フレームを順次生成する背景撮像手段と、
前記背景画像の画像フレームの非平坦度を演算する第2非平坦度演算手段と、
前記第2非平坦度演算手段により演算された前記背景画像の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する第2判定手段と、を更に備え、
前記第1撮像手段は、
前記第2判定手段により非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、前記背景画像と略同一の背景内に被写体が存在する被写体存在画像を撮像することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置。 - 前記第2非平坦度演算手段は、
前記非平坦度として、前記背景画像から特徴点を抽出し、
前記第2判定手段は、
更に、前記第2非平坦度演算手段により抽出された前記背景画像の複数の画像領域の特徴点が所定値以下であるか否かを判定し、
前記第1撮像手段は、
更に、前記第2判定手段により特徴点が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像を撮像することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。 - 前記第2非平坦度演算手段は、
前記非平坦度として、前記背景画像の複数の画像領域内の画素値のばらつき量を演算し、
前記第2判定手段は、
更に、前記第2非平坦度演算手段により演算された前記背景画像の複数の画像領域内の画素値のばらつき量が所定値以下であるか否かを判定し、
前記第1撮像手段は、
更に、前記第2判定手段により画像領域内の画素値のばらつき量が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像を撮像することを特徴とする請求項7又は8に記載の撮像装置。 - 前記第2判定手段により非平坦度が所定値よりも多いと判定された場合に、前記被写体存在画像の撮像後、当該被写体存在画像の背景と同一の背景内に前記被写体の存在しない被写体非存在画像を撮像する第2撮像手段と、
前記被写体存在画像と前記被写体非存在画像との位置合わせを行う位置合わせ手段と、を更に備え、
前記被写体抽出手段は、
前記位置合わせ手段により位置合わせされた前記被写体存在画像と前記被写体非存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出することを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の撮像装置。 - 背景内に被写体が存在する被写体存在画像を撮像する撮像手段を備える撮像装置に、
前記撮像手段により撮像された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度を演算する処理と、
演算された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する処理と、
非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記被写体存在画像中の被写体が含まれる被写体領域の抽出用の抽出用背景画像を生成する処理と、
前記抽出用背景画像と前記被写体存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出する処理と、
を実行させることを特徴とする画像処理方法。 - 背景内に被写体が存在する被写体存在画像を撮像する撮像手段を備える撮像装置のコンピュータを、
前記撮像手段により撮像された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度を演算する非平坦度演算手段、
前記非平坦度演算手段により演算された前記被写体存在画像の周縁部分の非平坦度が所定値以下であるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により非平坦度が所定値以下であると判定された場合に、前記被写体存在画像の周縁部分から前記被写体存在画像中の被写体が含まれる被写体領域の抽出用の抽出用背景画像を生成する背景生成手段、
前記抽出用背景画像と前記被写体存在画像の対応する各画素の差分情報に基づいて、前記被写体存在画像から前記被写体領域を抽出する被写体抽出手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
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