JP2010210524A - 電子体温計及び表示制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子体温計において、体温を測定する際の利便性を損なうことなく、ユーザにとってより見やすい表示を省電力により実現することを目的とする。
【解決手段】 配列された複数のLEDを備える発光部252と、電子体温計100が振られたことを検出する振れ検出部230と、周辺光を受光する周辺環境検出部270と、各LEDの発光を制御する表示制御部244と、を備え、表示制御部244は、更に、発光ドットパターンを生成する手段と、振れ検出部230による検出結果に基づいて算出された、LEDの1ドット列当たりの発光時間を算出する手段と、受光された周辺光の光量に対応する発光量を決定する手段と、を備え、発光部252が、前記生成された発光ドットパターンと、前記算出された1ドット列当たりの発光時間とに基づいて、前記決定された発光量により発光されるよう、各LEDの発光を制御することを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】 配列された複数のLEDを備える発光部252と、電子体温計100が振られたことを検出する振れ検出部230と、周辺光を受光する周辺環境検出部270と、各LEDの発光を制御する表示制御部244と、を備え、表示制御部244は、更に、発光ドットパターンを生成する手段と、振れ検出部230による検出結果に基づいて算出された、LEDの1ドット列当たりの発光時間を算出する手段と、受光された周辺光の光量に対応する発光量を決定する手段と、を備え、発光部252が、前記生成された発光ドットパターンと、前記算出された1ドット列当たりの発光時間とに基づいて、前記決定された発光量により発光されるよう、各LEDの発光を制御することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、被検者の体温を測定する電子体温計に関するものである。
従来より、電子体温計にはLCD等の表示部が設けられており、測定された被検者の体温等の情報をユーザに表示することができるよう構成されている(例えば、下記特許文献1参照)。
しかしながら、近年、その表示部は、電子体温計の軽量・小型化に伴って、大きさが制約される傾向にあり、ユーザにとっては、必ずしも見やすい表示となっていない。特に、周辺環境が暗い場合にあっては、表示された情報を読み取ることが困難な状況となっている。
一方、寸法を大きくしたり、LCDのバックライトを明るくしたりすることで、ユーザにとってより見やすい表示部を実現することは可能であるが、この場合、電子体温計の外形が大きくなったり、消費電力が増大し電池交換が頻繁に必要になるなど、ユーザにとっての利便性が損なわれる結果となる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、電子体温計において、ユーザの利便性を損なうことなく、より見やすい表示を省電力で実現することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る電子体温計は以下のような構成を備える。即ち、
被検者の体温を測定する電子体温計であって、
配列された複数の発光素子を備える発光手段と、
前記電子体温計が振られたことを検出する振れ検出手段と、
前記電子体温計の周辺光を受光する受光手段と、
前記発光手段が備える各発光素子の発光を制御する発光制御手段と、を備え、
前記発光制御手段は、
測定された前記被検者の体温に関する情報に基づいて発光ドットパターンを生成する生成手段と、
前記振れ検出手段による検出結果に基づいて算出された、前記電子体温計の所定方向の振れ時間と、前記発光ドットパターンを表現するのに必要な前記所定方向の発光素子のドット列数とに基づいて、前記発光素子の1ドット列当たりの発光時間を算出する算出手段と、
前記受光手段により受光された周辺光の光量に基づいて、前記発光素子の発光量を決定する決定手段と、を備え、
前記振れ検出手段が前記電子体温計が振られたことを検出した場合に、前記生成された発光ドットパターンと、前記算出された1ドット列当たりの発光時間とに基づいて、前記決定された発光量により発光されるよう、前記各発光素子の発光を制御することを特徴とする。
被検者の体温を測定する電子体温計であって、
配列された複数の発光素子を備える発光手段と、
前記電子体温計が振られたことを検出する振れ検出手段と、
前記電子体温計の周辺光を受光する受光手段と、
前記発光手段が備える各発光素子の発光を制御する発光制御手段と、を備え、
前記発光制御手段は、
測定された前記被検者の体温に関する情報に基づいて発光ドットパターンを生成する生成手段と、
前記振れ検出手段による検出結果に基づいて算出された、前記電子体温計の所定方向の振れ時間と、前記発光ドットパターンを表現するのに必要な前記所定方向の発光素子のドット列数とに基づいて、前記発光素子の1ドット列当たりの発光時間を算出する算出手段と、
前記受光手段により受光された周辺光の光量に基づいて、前記発光素子の発光量を決定する決定手段と、を備え、
前記振れ検出手段が前記電子体温計が振られたことを検出した場合に、前記生成された発光ドットパターンと、前記算出された1ドット列当たりの発光時間とに基づいて、前記決定された発光量により発光されるよう、前記各発光素子の発光を制御することを特徴とする。
本発明によれば、電子体温計において、ユーザの利便性を損なうことなく、より見やすい表示を省電力で実現することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
1.電子体温計の外観構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子体温計100の外観構成の一例を示す図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子体温計100の外観構成の一例を示す図である。
図1において、101は、被検者の体温に関する情報を表示する表示部であり、例えば、LCD等により構成されている。
102は発光部であり、LED等の発光素子が電子体温計100の長手方向に一列に配列されている。なお、図1の例では、発光部102としてLEDが7個配列された場合について図示しているが、発光部102に含まれるLEDの数は7個に限られない。また、図1の例では、発光部102としてLEDを1列に配列した場合について図示しているが、LEDの配列数は1列に限られず、複数列であってもよい。
103はエンドキャップであり、内蔵された温度計測部(詳細は後述)に対して被検者の体温が伝導しやすいように、ステンレスなどの金属により構成されている。
104はON/OFFスイッチであり、体温の測定を開始する際、又は体温の測定を終了した後に押すことで、電子体温計100の電源を制御する。
105は後述する周辺環境検出部を構成するレンズであり、電子体温計100の周辺光を受光する。周辺環境検出部では、レンズ105を介して受光した周辺光の明るさ(光量)を解析し、周辺環境検出結果として出力する。
2.電子体温計のシステム構成
次に、電子体温計のシステム構成について図2を参照しながら説明する。
次に、電子体温計のシステム構成について図2を参照しながら説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電子体温計100のシステム構成を示す図である。
電子体温計100は、電源部210と温度計測部220と振れ検出部230と演算制御部240と、出力部250と、ブザー260と、周辺環境検出部270とに大別することができる。
電源部210は、従来の使い捨て式又は充電式の電池を内蔵しており、電子体温計100の各部に電源を供給する。
温度計測部220は、サーミスタ、コンデンサ、測温用CR発振回路等から構成されており、サーミスタにより検出された温度を発振信号として出力する。出力された発振信号はカウンタ245においてカウントされることで、デジタル量として出力される。なお、温度計測部220の構成は一例であって、これに限定されるものではない。
演算制御部240は、体温測定に必要なパラメータを格納したEEPROM241、計測した温度を時系列で記憶するためのRAM242、予測式の体温測定プログラム等を格納したROM243、出力部250を制御するための表示制御部244、温度計測部220より出力された発振信号をカウントするカウンタ245、ROM243の体温測定プログラムに従いEEPROM241に格納されたパラメータに従って演算を行う演算処理部246、カウンタ245や表示制御部244を制御する制御回路247等を備える。
ブザー260は、体温測定が終了したことを、鳴動により被検者に知らせる。
周辺環境検出部270は、レンズ271(図1の105に対応する)と光電変換/解析部272とを備える。レンズ271は、受光した電子体温計100の周辺光を集光させる。光電変換/解析部272は、レンズ271により集光された周辺光を光電変換し、周辺光の光量を取得し、周辺環境検出結果として表示制御部244に出力する。
振れ検出部230は、モーション・センサ231と、信号処理部232とを備える。モーション・センサ231としては、例えば、加速度センサや傾斜センサ等が用いられるものとする。
信号処理部232は、モーション・センサ231が検出した電子体温計100の振れを信号として受信し、当該信号に基づいて、発光部252の発光開始のタイミングならびに各発光素子の1ドット列当たりの発光時間を規定するための信号(振れ方向の変更タイミングを示す信号(詳細は後述))を表示制御部244に出力する。
出力部250は、従来の表示方法(LCD等)で体温に関する情報を表示する表示部251と、ユーザの目の残像効果を利用して体温に関する情報を可視化する発光部252とを含む。
表示部251(図1の表示部101に対応する)は、LCD等により構成され、表示制御部244から受信した体温に関する情報を表示する。
発光部252(図1の発光部102に対応する)では、電子体温計100が往復で振られた(往復運動した)際に、被検者の体温に関する情報をユーザが視認できるように、表示制御部244にて生成された発光ドットパターン、発光時間及び発光開始タイミング/発光完了タイミングに基づいて、周辺環境検出結果に対応する発光量により、各発光素子252Aが発光する(詳細は後述)。つまり、表示制御部244は、表示部251の表示を制御する表示制御機能と、発光部252の各発光素子252Aの発光量を決定する発光量決定機能と、発光部252の各発光素子252Aの発光を制御する発光制御機能とを有している。
なお、発光部252の各発光素子252Aが発光している状態で、ユーザが電子体温計100を往復で振ることで、ユーザは、目の残像効果の影響により、被検者の体温に関する情報を空間上において視認することができる。
なお、電子体温計100のように発光部102を備える構成の場合、必ずしも表示部251を設ける必要はなく、表示部251は省略しても良い。このように、表示部251を省略することで、電子体温計100では、表示部を配するための幅又は大きさを維持する必要が無くなるため、外形寸法を更に小さくすることが可能となる。
3.発光部の発光により視認される表示内容
次に、電子体温計100の発光部252の発光素子列の発光により視認される表示内容について、図面を参照しながら説明する。
次に、電子体温計100の発光部252の発光素子列の発光により視認される表示内容について、図面を参照しながら説明する。
図3は電子体温計100を長手方向と略直交する方向(以下、横方向と称す)に、電子体温計100の姿勢を維持した状態で、電子体温計100を往復で振った場合に、発光部252の各発光素子252Aの発光によってユーザに視認される表示内容の一例を示した図である。
発光部252では、電子体温計100が横方向に往復で振られているうちの、所定方向の振れ(ここでは、紙面左側から右側への振れ、以下、右振れと称す)の間、被検者の体温に関する情報に対応する発光ドットパターンと、後述する1ドット列あたりの発光時間とに基づいて、周辺環境検出結果に対応する発光量により、各発光素子252Aが発光する。これにより、その発光を見たユーザは、目の残像効果の影響により、該被検者の体温に関する情報を視認することができる。
なお、図3の例は、電子体温計100を横方向に往復で振ることで、振れ範囲内の空間上に、“38.5℃”という表示が浮かび上がって見える様子を示している。
図3に示すように、電子体温計100の発光部252を構成する各発光素子252Aは、電子体温計100の右振れが完了するまでの間に、それぞれ対応する発光タイミングにおいて発光する。なお、本実施形態では紙面右側から左側への振れ(以下、左振れと称す)の間は、各発光素子252Aは発光しないものとする。
このように、各発光素子252Aは、対応する発光タイミングにおいて、一瞬(1ドット列当たりの発光時間分)発光するだけであるが、ユーザの目の残像効果の影響により、それぞれの発光タイミングで発光した光が残像として残るため、ユーザには、連続した文字として視認されることとなる。以下、電子体温計100を横方向に往復で振った場合の、信号処理部232及び表示制御部244における処理の詳細について説明する。
4.信号処理部における信号処理
まず、発光部252における発光開始/発光完了のタイミングならびに各発光素子の発光時間を規定するための信号(振れ方向の変更タイミングを示す信号)を出力する信号処理部232における信号処理の内容について説明する。
まず、発光部252における発光開始/発光完了のタイミングならびに各発光素子の発光時間を規定するための信号(振れ方向の変更タイミングを示す信号)を出力する信号処理部232における信号処理の内容について説明する。
図4は、信号処理部232における信号処理の内容を説明するための図である。図4の(A−1)は、モーション・センサ231が傾斜センサであった場合に、ユーザによって電子体温計100が往復で振られた際のモーション・センサ231の出力を示した図である。また、図4の(A−2)は、モーション・センサ231が加速度センサであった場合に、ユーザによって電子体温計100が往復で振られた際のモーション・センサ231の出力を示した図である。
上述したように、電子体温計100では、横方向の往復の振れのうち、右振れの間、発光部252の発光素子列の発光を制御する。これに対応するため、信号処理部232では、左振れしていた電子体温計100の振れ方向が右振れに変更されたタイミング(振れ方向の変更タイミング)を検出する。
図4の(A−1)に示すように、本実施形態に係る傾斜センサでは、左振れしていた電子体温計100の振れ方向が、右振れに変更された場合に、これを検出し、ON信号として出力するよう構成されている。
このため、信号処理部232では、傾斜センサより出力されたON信号を検出し、これを表示制御部244に出力する(図4の(B)参照)。
一方、モーション・センサ231が加速度センサであった場合には、図4の(A−2)に示すように、電子体温計100の往復の振れに応じて、正弦波状の信号が出力される。
このため、信号処理部232では、加速度センサより出力された信号を微分処理し、微分処理の結果がゼロになるタイミング(つまり、加速度センサより出力された信号の傾きがゼロになるタイミング)を検出する。
ここで、加速度センサより出力された信号の傾きがゼロになるタイミングとしては、左振れしていた電子体温計100の振れ方向が、右振れに変更されたタイミングと、右振れしていた電子体温計100の振れ方向が、左振れに変更されたタイミングの、2種類がある。
このうち、信号処理部232では、左振れしていた電子体温計100の振れ方向が、右振れに変更されたタイミングのみを抽出して、表示制御部244に出力する(図4の(B)参照)。
なお、本発明は、モーション・センサ231として上述のような傾斜センサや加速度センサが用いられることに限定されるものではなく、例えば角速度センサ(ジャイロスコープ)のように、電子体温計100の振れを検出できる他のセンサが用いられるようにしてもよい。
5.表示制御部において生成される発光ドットパターン
次に、表示制御部244において生成される発光ドットパターンについて説明する。図5は、表示制御部244において生成される発光ドットパターンの一例を示す図である。
次に、表示制御部244において生成される発光ドットパターンについて説明する。図5は、表示制御部244において生成される発光ドットパターンの一例を示す図である。
図5に示すように、発光ドットパターンは、発光部252の各発光素子により可視化される仮想的な表示領域における表示であり、配列された発光素子の数と、所定の方向に振られている間の発光素子の発光回数であるドット列数とにより規定される。
図5において、黒い丸及び白い丸は、電子体温計100が横方向の振れに伴って移動した場合の、各発光タイミングにおける発光素子の位置を示している。本実施形態では、1文字(ただし、「点」は除く)を表現するのに、横方向5ドットと縦方向7ドット(7つの発光素子)とを用いるものとする。また、横方向の文字と文字の間には、2ドット列数分の発光素子の空白が設けられているものとする。
このため、体温に関する情報として、例えば“38.5℃”の5文字(“3”、“8”、“.”、“5”及び“℃”)を可視化するためには、
(1文字あたりの横方向ドット列数(=5ドット))×4文字
+(「点」の横方向ドット列数(=1ドット))×1文字
+(空白列のドット列数(=2ドット))×(5文字+1)
=33ドット列数が必要となる。
(1文字あたりの横方向ドット列数(=5ドット))×4文字
+(「点」の横方向ドット列数(=1ドット))×1文字
+(空白列のドット列数(=2ドット))×(5文字+1)
=33ドット列数が必要となる。
つまり、電子体温計100の右振れが開始してから完了するまでの間に、各発光素子は、33ドット列数からなる発光ドットパターンを出力することとなる。このため、1ドット列数分の発光時間(つまり、各発光素子の1ドット列当たりの発光時間t)は、電子体温計100の右振れが開始してから完了するまでにかかる振れ時間をTとすると、T/33となる。
ここで、電子体温計100の右振れが開始してから完了するまでにかかる振れ時間Tは、モーション・センサ231の出力に基づいて信号処理部232が検出した検出結果(振れ方向の変更タイミング)に基づいて算出することができる。
具体的には、信号処理部232から出力されたON信号とON信号との間隔の1/2を算出することにより求めることができる。
なお、モーション・センサ231が加速度センサの場合には、左方向に振られた電子体温計100の振れ方向が、右方向の振れに変更された振れ方向の変更タイミングと、右方向に振られた電子体温計100の振れ方向が左方向の振れに変更された振れ方向の変更タイミングとの間隔を算出することができるため、これに基づいて求めるように構成してもよい。
このように、表示制御部244では、体温に関する情報を可視化するために以下のように動作する。
・発光部252において可視化すべき体温に関する情報を受信し、これを表現するための発光ドットパターンを生成する。
・信号処理部232からの信号の出力間隔に基づいて算出された振れ時間Tと、体温に関する情報を表現するのに必要な横方向の発光素子のドット列数とに基づいて、次回の右振れにおける1ドット列当たりの発光時間tを算出する。
・周辺環境検出部270から送信された周辺光の光量(周辺環境検出結果)に基づいて、可視化する際の発光量を決定し、当該発光量を実現するための電流値を設定する。
・信号処理部232からの信号(振れ方向の変更タイミング)の出力を発光開始タイミングとして、各発光素子を、生成された発光ドットパターンと、算出された1ドット列数あたりの発光時間tとに基づいて、設定された電流値の電流を印加することにより発光させる。
・発光部252において可視化すべき体温に関する情報を受信し、これを表現するための発光ドットパターンを生成する。
・信号処理部232からの信号の出力間隔に基づいて算出された振れ時間Tと、体温に関する情報を表現するのに必要な横方向の発光素子のドット列数とに基づいて、次回の右振れにおける1ドット列当たりの発光時間tを算出する。
・周辺環境検出部270から送信された周辺光の光量(周辺環境検出結果)に基づいて、可視化する際の発光量を決定し、当該発光量を実現するための電流値を設定する。
・信号処理部232からの信号(振れ方向の変更タイミング)の出力を発光開始タイミングとして、各発光素子を、生成された発光ドットパターンと、算出された1ドット列数あたりの発光時間tとに基づいて、設定された電流値の電流を印加することにより発光させる。
6.周辺光の光量と発光量との関係
次に、可視化する際の発光量の決定方法について説明する。図6は周辺環境検出部270において検出された周辺環境検出結果と各発光素子の発光量との関係を示したグラフである。図6に示すグラフは、表示制御部244に予め格納されており、表示制御部244では、周辺環境検出部270より出力された周辺環境検出結果(周辺光の光量)に基づいて、当該グラフを用いて発光量を決定する。
次に、可視化する際の発光量の決定方法について説明する。図6は周辺環境検出部270において検出された周辺環境検出結果と各発光素子の発光量との関係を示したグラフである。図6に示すグラフは、表示制御部244に予め格納されており、表示制御部244では、周辺環境検出部270より出力された周辺環境検出結果(周辺光の光量)に基づいて、当該グラフを用いて発光量を決定する。
図6の例では、周辺光の光量が増加するにつれて(つまり、周辺環境が明るくなるにつれて)、発光量が増加する。これは、周辺環境が明るい場合、発光素子の発光が見えにくくなるため、発光量を増加させることにより、これに対応するためである。
このように、本実施形態に係る電子体温計100では、周辺光の光量に適した発光量により発光させる構成とすることで、ユーザにとってより見やすい表示を実現すると共に、消費電力の削減を実現している。
なお、発光素子における光量の増加には限度があるため、周辺光の光量が基準値H以上となった場合には、発光量は一定となる。また、発光素子を発光させるためには、一定量以上の電流を印加させる必要があるため、周辺光の光量が基準値L以下の場合にも、発光量は一定となる。
なお、図6に示すグラフは一例であり、周辺光の光量と発光量との関係は図6に示すグラフに限られるものではなく、周辺光に対して、ユーザが見やすい最適な発光量が決定されるようなグラフであればよい。
7.発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容
次に、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
次に、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
図7は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図7において、(A)は振れ方向の変更タイミングにおいて発光を開始した状態を示している。また、(B)及び(C)は、振れ時間Tの1/3が経過した状態及び2/3が経過した状態をそれぞれ示している。さらに、(D)は振れ時間Tが経過し、発光が完了した状態を示している。
図7の例は、周辺光の光量が小さい(暗い)と判断され、各発光素子252Aの発光量が低く決定されている場合を示している。各発光素子252Aは、発光ドットパターンのうち、発光開始タイミングからの経過時間に対応するドット列に基づく低発光量の発光を行うよう制御される。
同様に、図8は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図7との違いは、図8の場合、周辺光の光量が中程度であると判断され、各発光素子252Aの発光量が中程度に決定されている点である(図8中の白丸の大きさは、発光量の違いを表しており、白丸が大きいほど発光量が大きいことを示している)。各発光素子252Aは、発光ドットパターンのうち、発光開始タイミングからの経過時間に対応するドット列に基づく中発光量の発光を行うよう制御される。
同様に、図9は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図7との違いは、図9の場合、周辺光の光量が大きい(明るい)と判断され、各発光素子252Aの発光量が高く決定されている点である。各発光素子252Aは、発光ドットパターンのうち、発光開始タイミングからの経過時間に対応するドット列に基づく高発光量の発光を行うよう制御される。
一方、図10は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図であるが、図7との違いは、振れ時間Tが図7の振れ時間Tより小さい点にある。
なお、振れ時間Tが小さい場合とは、振れ速度が同じで振れ幅が小さい場合と、振れ幅が同じで振れ速度が大きい場合とが考えられるが、どちらの場合も発光制御処理の内容としては同じである。このため、図10では、振れ速度が同じで振れ幅が小さい場合について示している。
図10に示すように、振れ時間Tが図7の振れ時間Tより小さい場合、発光時間tは、図7の発光時間よりも短くなり、結果として、表現される文字の大きさ(横方向の大きさ)は、小さくなる。このように、本実施形態に係る電子体温計100では、ユーザが小さく振った場合に、それに対応して、より小さい文字により体温に関する情報を可視化させることができる。
なお、振れ幅が同じで振れ速度が大きい場合には、発光時間tは、図7の発光時間よりも短くなるが、振れ速度が大きい分、短い発光時間の間に移動する距離が大きくなるため、結果として、表現される文字の大きさ(横方向の大きさ)は、図7の場合と同じとなる。
同様に、図11は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図7との違いは、図11の場合、振れ時間Tが図7の振れ時間Tより大きい点にある。
なお、振れ時間Tが大きい場合とは、振れ速度が同じで振れ幅が大きい場合と、振れ幅が同じで振れ速度が小さい場合とが考えられるが、どちらの場合も発光制御処理の内容としては同じである。このため、図11では、振れ速度が同じで振れ幅が大きい場合について示している。
図11に示すように、振れ時間Tが図7の振れ時間Tより大きい場合、発光時間tは、図7の発光時間よりも長くなり、結果として、表現される文字の大きさ(横方向の大きさ)は、大きくなる。このように、本実施形態に係る電子体温計100では、ユーザが大きく振った場合に、それに対応して、より大きい文字により体温に関する情報を可視化させることができる。
なお、振れ幅が同じで振れ速度が小さい場合には、発光時間tは、図7の発光時間よりも長くなるが、振れ速度が小さい分、長い発光時間の間に移動できる距離は小さくなるため、結果として、表示される文字の大きさ(横方向の大きさ)は、図7の場合と同じとなる。
このように、各発光素子は、信号処理部232からの信号(振れ方向の変更タイミングを示す信号)の出力を発光開始タイミングとして、それぞれのタイミングで発光すべき発光ドットパターンを、算出された1ドット列当たりの発光時間分だけ周辺環境検出結果に対応した発光量により発光させることで、電子体温計100では右振れが完了するまでの間に、例えば“38.5℃”なる文字を周辺の明るさに応じた発光量で可視化させることができる。つまり、ユーザが振った場合の各振れ時間のばらつきを考慮して文字を可視化させることができ、かつ、そのとき可視化された文字は、周辺光の光量に対応する発光量により視認することができる。
8.電子体温計の体温測定手順
続いて、図12を用いて電子体温計100における体温測定処理の流れを説明する。図12は電子体温計100の体温測定処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態では、例えば、特開2007−24530号公報などに開示された予測式の体温測定方法を用いて体温測定を行うものとする。
続いて、図12を用いて電子体温計100における体温測定処理の流れを説明する。図12は電子体温計100の体温測定処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態では、例えば、特開2007−24530号公報などに開示された予測式の体温測定方法を用いて体温測定を行うものとする。
ON/OFFスイッチ104が押下されると、電子体温計100の電源がONとなり、ステップS1201に進む。
ステップS1201では、電子体温計100の初期化が行われ、温度計測部220による温度値の検出が開始される。例えば、0.5秒おきに温度計測部220を用いて温度値が検出される。
ステップS1202では、例えば、前回実測値(つまり0.5秒前の実測値)からの上昇が所定の値(例えば1度)以上となる温度値を計測した時点を、予測式の基準点(t=0)と設定し、RAM242に特定タイミングと実測値のデータ(時系列データ)として記憶を開始する。つまり、急激な温度上昇を検出することにより、被検者の所定の測定部位に電子体温計100が装着されたとみなす。
ステップS1203からステップS1207までは、周知の予測式の体温測定方法を用いて体温を予測する処理であり、その詳細に関しては、例えば、特開2007−24530号公報などに記載されているため、ここでは簡潔に説明することとする。
ステップS1203では、測定中に計測温度の低下が観測されたか否かを判断する。所定の温度低下が見られる場合は、ステップS1212に進み、所定の温度低下が見られない場合にはステップS1204に進む。
ステップS1212では、計測されたデータの補正処理を行う。補正処理が正常に行われた場合にはステップS1202に戻る。一方、補正処理が正常に終了しない場合には、ステップS1213に進む。ステップS1213では、エラーを告げるブザー260を鳴動し、体温測定処理を終了する。
一方、ステップS1204では、ステップS1202で記憶されたデータを用いて、前述した予測式の体温測定方法を用いて逐次予測値を導出(例えば、0.5秒間隔で導出)する。
ステップS1205では、基準点(t=0)から所定時間(例えば16秒)だけ経過した後、例えばステップS1204で導出した複数の群に対応するそれぞれの予測値の変化に基づいて群分け判定を行う。
ステップS1206では、ステップS1205によって決定された群以外の演算を停止し、判定された群における予測演算を引き続き所定の時間導出する。
ステップS1207では、基準点(t=0)から所定時間(例えば30秒)だけ経過した時点で、ステップS1206における処理の結果導出された一定区間(例えばt=25〜30秒)における予測値があらかじめ設定された予測成立条件を満たすかどうかをチェックする。具体的には、所定の範囲(例えば0.1度)に収まっているか否かをチェックする。
ステップS1207において予測成立条件を満たしたと判定された場合には、ステップS1208に進む。一方、予測成立条件を満たさない場合は、ステップS1214に進む。
ステップS1214では、例えばタイマーなどで計測開始から所定時間(例えば45秒)が経過したか否かを監視し、経過した時は、強制的に予測を成立させ、ステップS1208に進む。つまり、その時点で導出されている予測値をそのまま最終予測値と見なす。
ステップS1208では予測成立を告げるブザー260を鳴らし、ステップS1209に進む。ステップS1209では、導出された体温の予測値を測定結果として出力部250の表示部251に表示する。
ステップS1210では、電子体温計100が横方向に往復で振られているか否かを判定する。横方向に往復で振られていると判定された場合には、ステップS1215に進み、横方向に往復で振られていないと判定された場合には、ステップS1211に進む。
ステップS1215では、表示制御部244が、測定された体温の予測値を発光部252において可視化するための可視化処理(可視化処理のフローの詳細は後述)を実行する。
ステップS1211では、体温測定終了の指示を受け付けたか否かを判定する。体温測定終了の指示は、例えば、電源ON/OFFスイッチ104が押下されたか否かに基づいて判定してもよいし、ステップS1209における表示から一定時間経過した場合に体温測定終了の指示があったとみなすようにしてもよい。以上のステップを経て、体温測定処理を終了し、電源をOFFにする。
9.可視化処理の流れ
次に、図13を用いて、測定された体温の予測値を発光部252において可視化するための表示制御部244における処理の流れについて説明する。
次に、図13を用いて、測定された体温の予測値を発光部252において可視化するための表示制御部244における処理の流れについて説明する。
図12のステップS1210において、電子体温計100において横方向に往復で振られていると判定されると、図13に示す処理が開始される。
ステップS1301では、周辺環境検出部270が受光した周辺光の光量を周辺環境検出結果として取得する。
ステップS1302では、表示制御部244が、周辺環境検出部270から取得した周辺環境検出結果に基づいて、発光量を決定し、当該発光量を実現するための電流値を設定する。
ステップS1303では、信号処理部232からの信号の出力間隔に基づいて、電子体温計100の右振れの振れ時間Tを算出する。
ステップS1304では、測定された体温の予測値に基づいて、発光部252において可視化すべき体温に関する情報を表現するための発光ドットパターンを生成する。
ステップS1305では、ステップS1303において算出された右振れの振れ時間Tと、ステップS1304において生成された発光ドットパターンを表現するのに必要な右振れ方向の発光素子のドット列数とに基づいて、1ドット列当たりの発光時間tを算出する。
ステップS1306では、信号処理部232からの信号の出力を受信したタイミングで、生成された発光ドットパターンと、算出された1ドット列当たりの発光時間tとに基づいて、設定された電流値により各発光素子の発光制御を開始する。
ステップS1307では、信号処理部232からの信号の出力が継続しているか否かを判定し、継続していると判定された場合には、ステップS1301に戻る。このように、ステップS1301まで戻ることにより、電子体温計100を振っている間に、周辺光の光量が変化した場合でも、ただちに発光量を変化させることが可能となり、ユーザは、常に周辺光に対して見やすい発光量の文字で、体温に関する情報を視認することができる。
一方、信号処理部232からの信号の出力がないと判定された場合には、可視化処理を終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る電子体温計100では、配列された複数の発光素子を備える発光部252と、電子体温計100の振れを検出するモーション・センサ231と、周辺光の光量に応じた発光量により、各発光素子の発光を制御する表示制御部244とを備える構成とした。
そして、電子体温計が横方向に往復で振られている際に、各発光素子の発光を適切に制御することで、ユーザが、測定された被検者の体温を、周辺光の光量に応じた発光量により空間上で視認できる構成とした。
この結果、電子体温計において、体温を測定する際の利便性を損なうことなく、ユーザにとってより見やすい表示を実現することが可能となった。特に、当該電子体温計によれば、周辺光の光量に応じて発光量が変わるため、ユーザは、どのような環境下においても容易に体温に関する情報を視認することができる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、周辺光の光量が基準値H以上であった場合には、一定の発光量により各発光素子を発光させることとしていた。しかしながら、この場合、周辺光の光量が、基準値Hを大きく上回った場合、見やすさが低下することとなる。
上記第1の実施形態では、周辺光の光量が基準値H以上であった場合には、一定の発光量により各発光素子を発光させることとしていた。しかしながら、この場合、周辺光の光量が、基準値Hを大きく上回った場合、見やすさが低下することとなる。
そこで、本実施形態では、周辺光の光量が基準値Hを上回った場合における見やすさの改善を行うべく、左振れの際にも発光素子を発光させるよう構成することとする。このように構成することで、個々の発光素子の発光量は同じであっても、往復の振れの間にユーザが感じる可視化された文字の明るさは2倍になるため、ユーザの残像効果が大きくなり、ユーザにとっては見やすくなるからである。
以下、本実施形態の詳細について説明する。なお、説明は、上記第1の実施形態と異なる点を中心に行うものとする。
1.周辺環境検出結果とユーザが感じる可視化された文字の明るさとの関係
はじめに、可視化する際の発光量の決定方法について説明する。図14Aは周辺環境検出結果とユーザが感じる可視化された文字の明るさとの関係を示したグラフである。図14Aに示すグラフは、表示制御部244に予め格納されており、表示制御部244では、周辺環境検出部270より出力された周辺環境検出結果に基づいて、当該グラフに基づいて発光量を決定する。
はじめに、可視化する際の発光量の決定方法について説明する。図14Aは周辺環境検出結果とユーザが感じる可視化された文字の明るさとの関係を示したグラフである。図14Aに示すグラフは、表示制御部244に予め格納されており、表示制御部244では、周辺環境検出部270より出力された周辺環境検出結果に基づいて、当該グラフに基づいて発光量を決定する。
図14Aの例では、周辺光の光量が増加するにつれて(つまり、周辺環境が明るくなるにつれて)、発光量が増加する。そして、発光素子の最大発光量に到達した後は、右振れ時のみならず、左振れ時にも発光させることで(つまり、往復発光させることで)、ユーザが感じる可視化された文字の明るさが連続的に増加するようにしている。
具体的には、発光素子の最大発光量に到達した後は、1回あたりの発光量が、最大発光量の1/2となるように電流値を設定するとともに、往復発光に切り替える。以降、更なる周辺光の光量の増加に対応して、往復発光に切り替えたまま発光素子の発光量を(最大発光量の1/2から)増加させる。
このような構成とすることにより、ユーザが感じる可視化された文字の明るさは、連続的に増加することとなる。
なお、図14Aに示す関係は一例であり、周辺光の光量とユーザが感じる可視化された文字の明るさとの関係は、図14Aに示すものに限られるものではなく、右振れ時のみ発光、または右振れ時及び左振れ時に発光、ならびに各発光素子の発光量の組合せとしては、様々な組合せが考えられる。そして、周辺の明るさに対してユーザが見やすい発光量が決定されるような組合せであれば、いずれの組合せであってもよい。
2.表示制御部において生成される左振れ時の発光ドットパターンの構成
次に、表示制御部244において生成される、左振れ時の発光ドットパターンについて説明する。図14Bは、表示制御部244において生成される、左振れ時の発光ドットパターンの一例を示す図である。
次に、表示制御部244において生成される、左振れ時の発光ドットパターンについて説明する。図14Bは、表示制御部244において生成される、左振れ時の発光ドットパターンの一例を示す図である。
図14Bに示すように、左振れ時の発光ドットパターンは、右振れ時の発光ドットパターンにより可視化される仮想的な表示領域における表示に対して重畳するように規定される。このため、左振れ時の発光ドットパターンは、右振れ時の発光ドットパターンと鏡像関係にある発光ドットパターンとなる。
図14Bの場合、紙面左側から右側への時間の経過とともに、各ドット列に規定された発光ドットパターンが発光されることとなり、これにより右振れ時に可視化された体温に関する情報(“38.5℃”の5文字)に重畳させることが可能となる。
このように、表示制御部244では、往復発光にて体温に関する情報を可視化するために以下のように動作する。
・発光部252において可視化すべき体温に関する情報を受信し、これを表現するための右振れ時の発光ドットパターン及び左振れ時の発光ドットパターンを生成する。
・信号処理部232からの信号の出力間隔に基づいて算出された振れ時間Tと、体温に関する情報を表現するのに必要な横方向の発光素子のドット列数とに基づいて、次回の振れにおける1ドット列当たりの発光時間tを算出する。
・周辺環境検出部270から出力された周辺光の光量(周辺環境検出結果)に基づいて、可視化する際の発光量を決定し、当該発光量を実現するための電流値を設定する。
・信号処理部232からの信号(左振れから右振れに変更された振れ方向の変更タイミング及び右振れから左振れに変更された振れ方向の変更タイミング)の出力を発光開始タイミングとして、各発光素子を、生成されたいずれかの発光ドットパターンと、算出された1ドット列数あたりの発光時間tとに基づいて、設定された電流値を印加することにより発光させる。
・発光部252において可視化すべき体温に関する情報を受信し、これを表現するための右振れ時の発光ドットパターン及び左振れ時の発光ドットパターンを生成する。
・信号処理部232からの信号の出力間隔に基づいて算出された振れ時間Tと、体温に関する情報を表現するのに必要な横方向の発光素子のドット列数とに基づいて、次回の振れにおける1ドット列当たりの発光時間tを算出する。
・周辺環境検出部270から出力された周辺光の光量(周辺環境検出結果)に基づいて、可視化する際の発光量を決定し、当該発光量を実現するための電流値を設定する。
・信号処理部232からの信号(左振れから右振れに変更された振れ方向の変更タイミング及び右振れから左振れに変更された振れ方向の変更タイミング)の出力を発光開始タイミングとして、各発光素子を、生成されたいずれかの発光ドットパターンと、算出された1ドット列数あたりの発光時間tとに基づいて、設定された電流値を印加することにより発光させる。
3.発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容
次に、往復発光させる場合の、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
次に、往復発光させる場合の、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
図15Aは、表示制御部244における、右振れ時の発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。なお、右振れ時の発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容は、図7と同様であるためここでは説明を省略する。
図15Bは、表示制御部244における、左振れ時の発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図15Bにおいて、(A)は振れ方向の変更タイミングにおいて発光を開始した状態を示している。また、(B)及び(C)は、振れ時間Tの1/3が経過した状態及び2/3が経過した状態をそれぞれ示している。さらに、(D)は振れ時間Tが経過し、発光が完了した状態を示している。
このように、左振れ時の発光ドットパターン(図14B)のうち、発光開始タイミング(右振れから左振れに変更された振れ方向の変更タイミング)からの経過時間に対応するドット列に基づいて、順次発光させていくことにより、右振れ時に可視化された体温に関する情報と重畳させることが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る電子体温計では、右振れ時と左振れ時の発光ドットパターンを生成し、所定の条件の場合に、往復発光させることにより、ユーザが感じる可視化された文字の明るさを増加させる構成とした。
この結果、周辺光の光量が大きい場合でも、ユーザは、容易に体温に関する情報を視認することができるようになる。
なお、本実施形態の説明では、周辺光の光量が基準値H以上となった場合に自動的に往復発光に切り替えるように制御する構成としたが、本発明はこれに限定されず、切り替えスイッチ等を設け、ユーザが手動で切り替えるように構成してもよい。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、周辺光の光量が小さくなった場合、発光量を低下させることで、ユーザにとっての見やすさを維持しつつ、消費電力を低減させることとした。
上記第1の実施形態では、周辺光の光量が小さくなった場合、発光量を低下させることで、ユーザにとっての見やすさを維持しつつ、消費電力を低減させることとした。
しかしながら、この場合でも、周辺光の光量が基準値L以下では、消費電力の削減の効果には限界がある。
そこで、本実施形態では、周辺光の光量が基準値Lを下回った場合でも、消費電力を削減すべく、発光素子の間引き駆動を行う構成とする。以下、本実施形態の詳細について説明する。なお、説明は、上記第1の実施形態と異なる点を中心に行うものとする。
1.表示制御部において生成される発光ドットパターンの構成
図16は、表示制御部244において生成される発光ドットパターンの構成を示す図である。図5との違いは、生成された発光ドットパターン上において、間引きされるドット列が規定されている点である。
図16は、表示制御部244において生成される発光ドットパターンの構成を示す図である。図5との違いは、生成された発光ドットパターン上において、間引きされるドット列が規定されている点である。
図16の1601〜1606は、間引きされるドット列(間引きドット列)を示している。図16の例では、間引きドット列1601〜1606は、発光素子が3回連続して発光する場合において、その2回目の発光を間引くように規定されている。
このように間引きを規定することにより、体温に関する情報を可視化した場合に、ユーザが可視化された文字を識別できなくなるといった事態を回避することができる(仮に、これ以外のドット列を間引くこととすると、ユーザが、“38.5℃”といる文字を正しく認識することができなくなってしまう可能性がある)。
つまり、表示制御部244では、可視化された文字がユーザによって識別できなかったり、誤認識されたりするといった事態が生じることがないように間引きドット列を規定している。
2.発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容
次に、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
次に、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
図17は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図17において、(A)は振れ方向の変更タイミングにおいて発光を開始した状態を示している。また、(B)及び(C)は、振れ時間Tの1/3が経過した状態及び2/3が経過した状態をそれぞれ示している。さらに、(D)は振れ時間Tが経過し、発光が完了した状態を示している。
図17の例では、振れ時間Tの1/3が経過した状態で、間引きドット列1601及び1602が間引かれて発光している。また、振れ時間Tの2/3が経過した状態で、間引きドット列1603及び1604が間引かれて発光している。さらに、振れ時間Tが経過した状態で、間引きドット列1605及び1606が間引かれて発光している。図17の例からわかるように、間引きドット列1601〜1606を間引いた場合でも、ユーザは、“38.5℃”という文字を視認することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る電子体温計100では、周辺光の光量が基準値L以下の場合に、各発光素子の間引き駆動を行う構成とした。この結果、周辺光の光量が基準値Lを下回った場合でも、体温に関する情報を適切に可視化しつつ、消費電力の削減に一定の効果を上げることが可能となる。
なお、本実施形態の説明では、周辺光の光量が基準値L以下となった場合に自動的に間引き駆動するように制御される構成としたが、本発明はこれに限定されず、切り替えスイッチ等を設け、ユーザが手動で切り替えるように構成してもよい。
また、電源部210の電源残量を監視し、一定の残量以下になった場合には、周辺光の光量が基準値L以下であるか否かに関わらず、間引き駆動を開始するように構成してもよい。
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、モーション・センサ231の出力に基づいて、信号処理部232が振れ方向の変更タイミングを出力する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。
上記第1の実施形態では、モーション・センサ231の出力に基づいて、信号処理部232が振れ方向の変更タイミングを出力する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えばモーション・センサ231として加速度センサを用いた場合にあっては、信号処理部232において、電子体温計の振れ方向の変更位置ならびに振れ方向の変更位置からの距離を出力するように構成してもよい。
更に、信号処理部232から、電子体温計の振れ方向の変更位置ならびに振れ方向の変更位置からの距離が出力されることに対応して、表示制御部244では、該振れ方向の変更位置からの距離に応じた発光を行うように発光部252を制御するよう構成してもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。なお、説明は、上記第1の実施形態と異なる点を中心に行うものとする。
1.信号処理部における信号処理
はじめに、発光部252における発光開始/発光完了の位置を規定するための信号(振れ方向の変更位置を示す信号)ならびに該振れ方向の変更位置からの距離を示す信号を出力する信号処理部232における信号処理の内容について説明する。
はじめに、発光部252における発光開始/発光完了の位置を規定するための信号(振れ方向の変更位置を示す信号)ならびに該振れ方向の変更位置からの距離を示す信号を出力する信号処理部232における信号処理の内容について説明する。
図18は、信号処理部232における信号処理の内容を説明するための図である。図18の(A)は、モーション・センサ231が加速度センサである場合に、ユーザによって電子体温計100が往復で振られた際のモーション・センサ231の出力を示した図である。
上述したように、電子体温計100では、横方向の往復の振れのうち、右振れの間、発光部252の各発光素子252Aの発光を制御する。このため、信号処理部232では、左振れしていた電子体温計100の振れ方向が右振れに変更された位置(振れ方向の変更位置)を検出する。また、右振れ中における振れ方向の変更位置からの距離を算出する。
図18の(A)に示すように、電子体温計100の往復の振れに応じて、加速度センサからは正弦波状の信号が出力される。
このため、信号処理部232では、加速度センサより出力された信号の傾きがゼロになるタイミング(つまり、振れ速度がゼロになるタイミング)を検出する。
ここで、加速度センサより出力された信号の傾きがゼロになるタイミングとしては、左振れしていた電子体温計100の振れ方向が、右振れに変更されたタイミングと、右振れしていた電子体温計100の振れ方向が、左振れに変更されたタイミングの、2種類がある。信号処理部232では、これら2種類のタイミングを抽出し、その信号(振れ方向の変更位置を示す信号)を表示制御部244に出力する。
さらに、左振れしていた電子体温計100の振れ方向が、右振れに変更されたタイミングにおける電子体温計100の位置(振れ方向の変更位置1801)を基準位置として、加速度センサより出力された信号を2回積分することにより、もう一方の振れ方向の変更位置1802(右振れしていた電子体温計100の振れ方向が、左振れに変更されたタイミングにおける電子体温計100の位置)までの、該基準位置からの距離を算出する(図18の(B)参照)。算出された基準位置からの距離を示す信号は、表示制御部244に出力される。
なお、本発明は、振れ方向の変更位置からの距離を検出するモーション・センサ231として、上述のような加速度センサを用いることに限定されるものではなく、振れ方向の変更位置からの距離を検出することが可能であれば、他のセンサを用いてもよい。
2.表示制御部において生成される発光ドットパターン
次に、表示制御部244において生成される発光ドットパターンについて説明する。図19は、表示制御部244において生成される発光ドットパターンの一例を示す図である。
次に、表示制御部244において生成される発光ドットパターンについて説明する。図19は、表示制御部244において生成される発光ドットパターンの一例を示す図である。
図19に示すように、発光ドットパターンは、発光素子により可視化される仮想的な表示領域における表示であり、配列された発光素子の数と、所定の方向に振られている間の発光素子の発光回数であるドット列数と、各ドット列の振れ方向の変更位置1801からの距離とにより規定される。
図19において、黒い丸及び白い丸は、電子体温計100が横方向の振れに伴って移動した場合の、各発光タイミングにおける発光素子のOFF/ONを示している。本実施形態では、1文字(ただし、「点」は除く)を表現するのに、横方向5ドットと縦方向7ドット(7つの発光素子)とを用いるものとする。また、横方向の文字と文字の間には、2ドット列数分の発光素子の空白が設けられるものとする。
このため、体温に関する情報として、例えば“38.5℃”の5文字(“3”、“8”、“.”、“5”及び“℃”)を表現するためには、
(1文字あたりの横方向ドット列数(=5ドット))×4文字
+(「点」の横方向ドット列数(=1ドット))×1文字
+(空白列のドット列数(=2ドット))×(5文字+1)
=33ドット列数が必要となる。
(1文字あたりの横方向ドット列数(=5ドット))×4文字
+(「点」の横方向ドット列数(=1ドット))×1文字
+(空白列のドット列数(=2ドット))×(5文字+1)
=33ドット列数が必要となる。
つまり、電子体温計100の右振れが開始してから完了するまでの間に、発光素子は、33ドット列数からなる発光ドットパターンを出力することとなる。このとき各ドット列の発光位置は、各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離x1、x2、・・・、x33により規定される。
具体的には、
x1=(L/33)×0
x2=(L/33)×1
x3=(L/33)×2
・・・
x33=(L/33)×32
となる。
x1=(L/33)×0
x2=(L/33)×1
x3=(L/33)×2
・・・
x33=(L/33)×32
となる。
このように、表示制御部244では、体温に関する情報を可視化するために以下のように動作する。
・発光部252において可視化すべき体温に関する情報を受信し、これを表現するための発光ドットパターンを生成する。
・発光ドットパターンにおいて各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離を規定する。
・周辺環境検出部270から出力された周辺光の光量(周辺環境検出結果)に基づいて、可視化する際の発光量を決定し、当該発光量を実現するための電流値を設定する。
・信号処理部232から出力された振れ方向の変更位置を示す信号の出力を発光開始位置として制御を開始し、信号処理部232から出力された振れ方向の変更位置からの距離を示す信号が、規定された各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離と一致した場合に、各発光素子を、設定された電流値の電流を印加することにより、対応するドット列に従って発光させる。
・発光部252において可視化すべき体温に関する情報を受信し、これを表現するための発光ドットパターンを生成する。
・発光ドットパターンにおいて各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離を規定する。
・周辺環境検出部270から出力された周辺光の光量(周辺環境検出結果)に基づいて、可視化する際の発光量を決定し、当該発光量を実現するための電流値を設定する。
・信号処理部232から出力された振れ方向の変更位置を示す信号の出力を発光開始位置として制御を開始し、信号処理部232から出力された振れ方向の変更位置からの距離を示す信号が、規定された各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離と一致した場合に、各発光素子を、設定された電流値の電流を印加することにより、対応するドット列に従って発光させる。
なお、所定のドット列に基づく発光は、電子体温計100が次のドット列に基づく発光が行われる位置に到達するまでの間、継続される。
3.発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容
次に、本実施形態における発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
次に、本実施形態における発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
図20は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図20において、(A)は振れ方向の変更位置において発光を開始した状態を示している。また、(B)及び(C)は、振れ幅Lの1/3の位置に到達した状態及び2/3の位置に到達した状態をそれぞれ示している。さらに、(D)は振れ幅Lの位置に到達し、発光が完了した状態を示している。
図20の例では、周辺光の光量が小さい(暗い)と判断され、各発光素子252Aの発光量が低く決定されている場合を示している。各発光素子252Aは、振れ方向の変更位置からの距離に対応するドット列に従って低発光量で発光するよう制御される。
同様に、図21は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図20との違いは、図21の場合、周辺光の光量が中程度であると判断され、各発光素子252Aの発光量が中程度に決定されている点である(図21中の白丸の大きさは発光量の違いを表しており、白丸が大きいほど発光量が大きいことを示している)。各発光素子252Aは、発光ドットパターンのうち、発光開始タイミングからの経過時間に対応するドット列に基づく中発光量の発光を行うよう制御される。
同様に、図22は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図20との違いは、図22の場合、周辺光の光量が大きい(明るい)と判断され、発光素子列252Aの発光量が高く制御されている点である。発光素子列252Aは、発光ドットパターンのうち、発光開始タイミングからの経過時間に対応するドット列に基づく高発光量の発光を行うよう制御される。
一方、図23は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。本実施形態において用いられる発光ドットパターンは、振れ幅(L1)に応じて各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離を規定しているため、図23の場合、図20の場合と比較して、表現される文字の大きさ(横方向の大きさ)は、小さくなる。
同様に、図24は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。本実施形態において用いられる発光ドットパターンは、振れ幅(L2)に応じて各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離を規定しているため、図20の場合と比較して、表現される文字の大きさ(横方向の大きさ)は、大きくなる。
このように、本実施形態の場合、信号処理部232からの信号(振れ方向の変更位置)の出力を発光開始位置として制御を開始し、規定された振れ方向の変更位置からの距離に到達するごとに、対応するドット列に従って周辺環境検出結果に対応した発光量で各発光素子を順次発光させていくため、ユーザが電子体温計を振る場合に生じる、振れ幅や振れ速度のばらつきを吸収することができる。また、第1の実施形態と同様に、周辺光の光量に対応する発光量により発光されるため、ユーザは、どのような明るさの環境下においても、電池の消耗を抑えながら容易に体温に関する情報を視認することができる。
4.可視化処理の流れ
次に、図25を用いて、本実施形態における可視化処理の流れについて説明する。図12のステップS1210において、電子体温計100が横方向に往復で振られていると判定されると、図25に示す処理が開始される。
次に、図25を用いて、本実施形態における可視化処理の流れについて説明する。図12のステップS1210において、電子体温計100が横方向に往復で振られていると判定されると、図25に示す処理が開始される。
ステップS1301〜ステップS1302に示す処理は、図13のステップS1301〜ステップS1302に示す処理と同じであるため、ここでは説明を省略する。
ステップS2503では、信号処理部232からの信号(振れ方向の変更位置を示す信号)に基づいて、電子体温計100の振れ幅を算出する。
ステップS2504では、測定された体温の予測値に基づいて、発光部252において可視化すべき体温に関する情報を表現するための発光ドットパターンを生成する。このとき、各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離を、ステップS2503において算出された振れ幅に基づいて規定する。
ステップS2505では、信号処理部232からの信号に基づいて、電子体温計100の振れ方向の変更位置を識別する。
ステップS2506では、ステップS2505において識別された振れ方向の変更位置を基準として制御を開始する。具体的には、信号処理部232からの信号(振れ方向の変更位置からの距離を示す信号)が、ステップS2504において生成された発光ドットパターンを構成する各ドット列について規定された距離に一致した場合に、対応するドット列に従って、各発光素子を、ステップS1302において決定された発光量により、発光させる。
ステップS1307に示す処理は、図13のステップS1307に示す処理と同じであるため、ここでは説明を省略する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る電子体温計では、配列された複数の発光素子を備える発光部252と、電子体温計100の振れを検出するモーション・センサ231と、周辺光の光量に応じた発光量により、各発光素子の発光を制御する表示制御部244とを備える構成とした。
そして、電子体温計が横方向に往復で振られている際に、各発光素子の発光を適切に制御することで、ユーザが、測定された被検者の体温を、周辺光の光量に応じた発光量により空間上で視認できる構成とした。
この結果、電子体温計において、体温を測定する際の利便性を損なうことなく、ユーザにとってより見やすい表示を実現することが可能となった。特に、当該電子体温計によれば、周辺光の光量に応じて発光量が変わるため、ユーザは、どのような環境下においても、電池の消耗を抑えながら容易に体温に関する情報を視認することができる。
[第5の実施形態]
上記第4の実施形態では、周辺光の光量が基準値H以上であった場合には、一定の発光量により各発光素子を発光させることを前提としていた。しかしながら、この場合、周辺光の光量が、基準値Hを大きく上回った場合、見やすさが低下することとなる。
上記第4の実施形態では、周辺光の光量が基準値H以上であった場合には、一定の発光量により各発光素子を発光させることを前提としていた。しかしながら、この場合、周辺光の光量が、基準値Hを大きく上回った場合、見やすさが低下することとなる。
そこで、本実施形態では、上記第2の実施形態と同様に、周辺光の光量が基準値Hを上回った場合における見やすさの改善を行うべく、左振れの際にも発光素子を発光させるよう構成することとする。
このように構成することで、個々の発光素子の発光量は同じであっても、往復の振れの間にユーザが感じる可視化された文字の明るさは2倍になるため、ユーザの残像効果が大きくなり、ユーザにとってはより見やすくなるからである。
以下、本実施形態の詳細について説明する。なお、説明は、上記第2の実施形態と異なる点を中心に行うものとする。
1.表示制御部において生成される左振れ時の発光ドットパターンの構成
はじめに、表示制御部244において生成される、左振れ時の発光ドットパターンについて説明する。図26は、表示制御部244において生成される、左振れ時の発光ドットパターンの一例を示す図である。
はじめに、表示制御部244において生成される、左振れ時の発光ドットパターンについて説明する。図26は、表示制御部244において生成される、左振れ時の発光ドットパターンの一例を示す図である。
図26に示すように、左振れ時の発光ドットパターンは、右振れ時の発光ドットパターンにより可視化される仮想的な表示領域における表示に対して重畳するように、振れ方向の変更位置1801からの距離x1、x2、・・・、x33が規定される。
具体的には、
x1=L−(L/33)×0
x2=L−(L/33)×1
x3=L−(L/33)×2
・・・
x33=L−(L/33)×32
となる。
x1=L−(L/33)×0
x2=L−(L/33)×1
x3=L−(L/33)×2
・・・
x33=L−(L/33)×32
となる。
図26の場合、振れ方向の変更位置1801からの距離が、x1、x2、・・・x33に到達するごとに、対応するドット列に基づいて、各発光素子を発光させていくことにより、右振れ時に可視化された体温に関する情報(“38.5℃”の5文字)に重畳させることが可能となる。
このように、表示制御部244では、往復発光にて体温に関する情報を可視化するために以下のように動作する。
・発光部252において可視化すべき体温に関する情報を受信し、これを表現するための右振れ時の発光ドットパターン及び左振れ時の発光ドットパターンを生成する。
・発光ドットパターンにおいて各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離を規定する。
・周辺環境検出部270から出力された周辺光の光量(周辺環境検出結果)に基づいて、可視化する際の発光量を決定し、当該発光量を実現するための電流値を設定する。
・信号処理部232から出力された振れ方向の変更位置1801、1802を示す信号の出力をそれぞれ発光開始位置として制御を開始し、信号処理部232から出力された振れ方向の変更位置からの距離を示す信号が、対応する発光ドットパターンに規定された各ドット列の振れ方向の変更位置1801からの距離と一致した場合に、、対応するドット列に従って、各発光素子を、設定された電流値の電流を印加することにより発光させる。
・発光部252において可視化すべき体温に関する情報を受信し、これを表現するための右振れ時の発光ドットパターン及び左振れ時の発光ドットパターンを生成する。
・発光ドットパターンにおいて各ドット列の振れ方向の変更位置からの距離を規定する。
・周辺環境検出部270から出力された周辺光の光量(周辺環境検出結果)に基づいて、可視化する際の発光量を決定し、当該発光量を実現するための電流値を設定する。
・信号処理部232から出力された振れ方向の変更位置1801、1802を示す信号の出力をそれぞれ発光開始位置として制御を開始し、信号処理部232から出力された振れ方向の変更位置からの距離を示す信号が、対応する発光ドットパターンに規定された各ドット列の振れ方向の変更位置1801からの距離と一致した場合に、、対応するドット列に従って、各発光素子を、設定された電流値の電流を印加することにより発光させる。
2.発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容
次に、往復発光させる場合の、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
次に、往復発光させる場合の、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
図27Aは、表示制御部244における、右振れ時の発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。なお、右振れ時の発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容は、図20と同様であるためここでは説明を省略する。
図27Bは、表示制御部244における、左振れ時の発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図27Bにおいて、(A)は振れ方向の変更位置において発光を開始した状態を示している。また、(B)及び(C)は、振れ幅の1/3の位置に到達した状態及び2/3の位置に到達した状態をそれぞれ示している。さらに、(D)は振れ幅Lの位置に到達し、発光が完了した状態を示している。
このように、左振れ時の発光ドットパターン(図26)のうち、発光開始位置(右振れから左振れに変更された振れ方向の変更位置)からの距離に対応するドット列に基づいて、順次発光させていくことにより、右振れ時に可視化された体温に関する情報と重畳させることが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る電子体温計では、右振れ時と左振れ時の発光ドットパターンを生成し、所定の条件の場合に、往復発光させることにより、ユーザが感じる可視化された文字の明るさを増加させる構成とした。
この結果、周辺光の光量が大きい場合でも、ユーザは、容易に体温に関する情報を視認することができるようになる。
特に、本実施形態の場合、振れ方向の変更位置からの距離に基づいて各発光素子を発光させるため、上記第2の実施形態の場合とは異なり、右振れ時と左振れ時とで振れ速度が異なっていた場合であっても、可視化された文字をずれることなく重畳させることが可能となる。
なお、本実施形態の説明では、周辺光の光量が基準値H以上となった場合に自動的に往復発光に切り替えるように制御する構成としたが、本発明はこれに限定されず、切り替えスイッチ等を設け、ユーザが手動で切り替えるように構成してもよい。
[第6の実施形態]
上記第4の実施形態では、周辺光の光量が小さくなった場合、発光量を低下させることで、ユーザにとっての見やすさを維持しつつ、消費電力を低減させることとした。
上記第4の実施形態では、周辺光の光量が小さくなった場合、発光量を低下させることで、ユーザにとっての見やすさを維持しつつ、消費電力を低減させることとした。
しかしながら、この場合でも、周辺光の光量が基準値L以下では、消費電力の削減の効果には限界がある。
そこで、本実施形態では、上記第3の実施形態と同様に、周辺光の光量が基準値Lを下回った場合でも、消費電力を削減すべく、各発光素子の間引き駆動を行う構成とする。以下、本実施形態の詳細について説明する。なお、説明は、上記第4の実施形態と異なる点を中心に行うものとする。
1.表示制御部において生成される発光ドットパターンの構成
図28は、表示制御部244において生成される発光ドットパターンの構成を示す図である。図19との違いは、生成された発光ドットパターン上において、間引きされるドット列が規定されている点である。
図28は、表示制御部244において生成される発光ドットパターンの構成を示す図である。図19との違いは、生成された発光ドットパターン上において、間引きされるドット列が規定されている点である。
図28の2801〜2806は、間引きされるドット列(間引きドット列)を示している。図28の例では、間引きドット列2801〜2806は、発光素子が3回連続して発光する場合において、その2回目の発光を間引くように規定されている。
このように間引きを規定することにより、体温に関する情報を可視化した場合に、ユーザが可視化された文字を識別できなくなるといった事態を回避することができる(仮に、これ以外のドット列を間引くこととすると、ユーザが、“38.5℃”といる文字を正しく認識することができなくなってしまう可能性がある)。
つまり、表示制御部244では、可視化された文字がユーザによって識別できなかったり、誤認識されたりするといった事態が生じることがないように間引きドット列を規定している。
2.発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容
次に、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
次に、発光開始から発光完了までの表示制御部244における発光制御処理の内容について説明する。
図29は、表示制御部244における、発光開始から発光完了までの発光制御処理の内容を説明するための図である。図29において、(A)は振れ方向の変更位置において発光を開始した状態を示している。また、(B)及び(C)は、振れ幅の1/3の位置に到達した状態及び2/3の位置に到達した状態をそれぞれ示している。さらに、(D)は振れ幅Lに到達し、発光が完了した状態を示している。
図29の例では、振れ幅の1/3の位置に到達した状態で、間引きドット列2801及び2802が間引かれて発光している。また、振れ幅Lの2/3の位置に到達した状態で、間引きドット列2803及び2804が間引かれて発光している。さらに、振れ幅Lの位置に到達した状態で、間引きドット列2805及び2806が間引かれて発光している。図29の例からわかるように、間引きドット列2801〜2806を間引いた場合でも、ユーザは、“38.5℃”という文字を視認することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る電子体温計100では、周辺光の光量が基準値L以下の場合に、各発光素子の間引き駆動を行う構成とした。この結果、周辺光の光量が基準値Lを下回った場合でも、体温に関する情報を適切に可視化しつつ、消費電力の削減に一定の効果を上げることが可能となる。
なお、本実施形態の説明では、周辺光の光量が基準値L以下となった場合に自動的に間引き駆動するように制御される構成としたが、本発明はこれに限定されず、切り替えスイッチ等を設け、ユーザが手動で切り替えるように構成してもよい。
また、電源部210の電源残量を監視し、一定の残量以下になった場合には、周辺光の光量が基準値L以下であるか否かに関わらず、間引き駆動を開始するように構成してもよい。
[第7の実施形態]
上記第1乃至第6の実施形態では、発光素子としてLEDを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、有機EL等、他の発光素子を用いるようにしてもよい。
上記第1乃至第6の実施形態では、発光素子としてLEDを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、有機EL等、他の発光素子を用いるようにしてもよい。
また、上記第1乃至第7の実施形態では、発光部により可視化された被検者の体温に関する情報として、予測された体温を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、実測された体温を用いるようにしてもよい。また、可視化される情報は、被検者の体温に限定されず、他の情報であってもよいことはいうまでもない。
また、上記第1乃至7の実施形態では、各文字を均等に配置するように発光ドットパターンを生成することとしたが、本発明はこれに限定されず、不均等に配置してもよいし、全体として右寄りに(あるいは左寄り)に配置するように構成してもよい。
Claims (9)
- 被検者の体温を測定する電子体温計であって、
配列された複数の発光素子を備える発光手段と、
前記電子体温計が振られたことを検出する振れ検出手段と、
前記電子体温計の周辺光を受光する受光手段と、
前記発光手段が備える各発光素子の発光を制御する発光制御手段と、を備え、
前記発光制御手段は、
測定された前記被検者の体温に関する情報に基づいて発光ドットパターンを生成する生成手段と、
前記振れ検出手段による検出結果に基づいて算出された、前記電子体温計の所定方向の振れ時間と、前記発光ドットパターンを表現するのに必要な前記所定方向の発光素子のドット列数とに基づいて、前記発光素子の1ドット列当たりの発光時間を算出する算出手段と、
前記受光手段により受光された周辺光の光量に基づいて、前記発光素子の発光量を決定する決定手段と、を備え、
前記振れ検出手段が前記電子体温計が振られたことを検出した場合に、前記生成された発光ドットパターンと、前記算出された1ドット列当たりの発光時間とに基づいて、前記決定された発光量により発光されるよう、前記各発光素子の発光を制御することを特徴とする電子体温計。 - 被検者の体温を測定する電子体温計であって、
配列された複数の発光素子を備える発光手段と、
前記電子体温計が振られたことを検出するとともに、振れ速度がゼロとなった位置を基準位置として、該基準位置からの距離を算出する振れ検出手段と、
前記電子体温計の周辺光を受光する受光手段と、
前記発光手段が備える各発光素子の発光を制御する発光制御手段と、を備え、
前記発光制御手段は、
測定された前記被検者の体温に関する情報を表現するために、前記電子体温計の振れ方向における前記発光素子のドット列から構成された発光ドットパターンであって、該各ドット列の前記基準位置からの距離が規定された発光ドットパターンを生成する生成手段と、
前記受光手段により受光された周辺光の光量に基づいて、前記発光素子の発光量を決定する決定手段と、を備え、
前記振れ検出手段により算出された距離が、前記発光ドットパターンを構成する各ドット列について規定された前記基準位置からの距離に一致した場合に、前記各発光素子を、対応するドット列に従って、前記決定された発光量により発光されるよう制御することを特徴とする電子体温計。 - 前記決定手段は、前記周辺光の光量の増減に比例した発光量を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の電子体温計。
- 前記生成手段は、
前記電子体温計が前記所定方向に振られた場合に、前記各発光素子の発光を制御するのに用いられる第1の発光ドットパターンと、前記電子体温計が前記所定方向と反対方向に振られた場合に、前記各発光素子の発光を制御するのに用いられる第2の発光ドットパターンとを生成し、
前記発光制御手段は、
前記電子体温計が前記所定方向に振られたことを前記振れ検出手段が検出した場合には、前記第1の発光ドットパターンを用いて前記各発光素子の発光を制御し、前記電子体温計が前記所定方向と反対方向に振られたことを前記振れ検出手段が検出した場合には、前記第2の発光ドットパターンを用いて前記各発光素子の発光を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電子体温計。 - 前記生成手段は、第1の発光ドットパターンに従って前記各発光素子が発光されることにより可視化される前記体温に関する情報と、前記第2の発光ドットパターンに従って前記各発光素子が発光されることにより可視化される前記体温に関する情報とが、空間上において互いに重畳するように、前記第1の発光ドットパターンと前記第2の発光ドットパターンとを生成することを特徴とする請求項4に記載の電子体温計。
- 前記生成手段は、生成した発光ドットパターンのうち、発光を行わないドット列を予め規定し、
前記発光制御手段は、
前記発光ドットパターンのうち、発光を行わないと規定されたドット列以外のドット列を用いて、前記各発光素子の発光を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電子体温計。 - 配列された複数の発光素子を備える発光手段と、電子体温計が振られたことを検出する振れ検出手段と、前記電子体温計の周辺光を受光する受光手段と、前記発光手段が備える各発光素子の発光を制御する発光制御手段と、を備え、被検者の体温を測定する電子体温計における表示制御方法であって、
測定された前記被検者の体温に関する情報に基づいて発光ドットパターンを生成する生成工程と、
前記振れ検出手段による検出結果に基づいて算出された、前記電子体温計の所定方向の振れ時間と、前記発光ドットパターンを表現するのに必要な前記所定方向の発光素子のドット列数とに基づいて、前記発光素子の1ドット列当たりの発光時間を算出する算出工程と、
前記受光手段により受光された周辺光の光量に基づいて、前記発光素子の発光量を決定する決定工程と、
前記振れ検出手段が前記電子体温計が振られたことを検出した場合に、前記生成された発光ドットパターンと、前記算出された1ドット列当たりの発光時間とに基づいて、前記決定された発光量により発光されるよう、前記各発光素子の発光を制御する制御工程と
を備えることを特徴とする表示制御方法。 - 配列された複数の発光素子を備える発光手段と、電子体温計が振られたことを検出するとともに、振れ速度がゼロとなった位置を基準位置として、該基準位置からの距離を算出する振れ検出手段と、前記電子体温計の周辺光を受光する受光手段と、前記発光手段が備える各発光素子の発光を制御する発光制御手段と、を備え、被検者の体温を測定する電子体温計における表示制御方法であって、
測定された前記被検者の体温に関する情報を表現するために、前記電子体温計の振れ方向における前記発光素子のドット列から構成された発光ドットパターンであって、該各ドット列の前記基準位置からの距離が規定された発光ドットパターンを生成する生成工程と、
前記受光手段により受光された周辺光の光量に基づいて、前記発光素子の発光量を決定する決定工程と、
前記振れ検出手段により算出された距離が、前記発光ドットパターンを構成する各ドット列について規定された前記基準位置からの距離に一致した場合に、前記各発光素子を、対応するドット列に従って、前記決定された発光量により発光されるよう制御する制御工程と
を備えることを特徴とする表示制御方法。 - 請求項7または8に記載の表示制御方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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