JP2010210034A - 常時噛合式変速機 - Google Patents

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Koji Nishimura
浩二 西村
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Abstract

【課題】 フォークリフト等の荷役車両に適用される前進二段後進一段や前進二段後進二段の常時噛合式変速機に於て、構造をよりコンパクトに且つ軽量にする。
【解決手段】 駆動歯車列Aと従動歯車列Bとクラッチ列Cとを備え、駆動歯車列Aと従動歯車列Bとがクラッチ列Cの片側に寄せて配置されている。その結果、ケース2を、クラッチ列C側の外径とこれより通常大径な歯車列(駆動歯車列A及び従動歯車列B)側の外径との夫々に呼応させたテーパ箱状にする事ができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばフォークリフト等の荷役車両に適用される前進二段後進一段や前進二段後進二段の常時噛合式変速機(トランスミッション)の改良に関する。
従来、この種の常時噛合式変速機としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
当該常時噛合式変速機は、基本的には、駆動歯車列と従動歯車列とクラッチ列とを備え、駆動歯車列と従動歯車列との間にクラッチ列を配置したものである。
特許第3579851号公報
ところが、この様なものは、駆動歯車列と従動歯車列との間にクラッチ列が配置されているので、これらを収容するケースは、クラッチ列側の外径より通常大径な歯車列(駆動歯車列や従動歯車列)側の外径を基準にしてこれに呼応させたストレート箱状を呈して居り、構造をよりコンパクトに且つ軽量にする事ができなかった。
本発明は、以上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、構造をよりコンパクトに且つ軽量にする事ができる常時噛合式変速機を提供する事にある。
本発明の常時噛合式変速機は、基本的には、駆動歯車列と従動歯車列とクラッチ列とを備え、駆動歯車列と従動歯車列とがクラッチ列の片側に寄せて配置されている事に特徴が存する。
駆動歯車列と従動歯車列とがクラッチ列の片側に寄せて配置されているので、ケースを、クラッチ列側の外径とこれより通常大径な歯車列(駆動歯車列及び従動歯車列)側の外径との夫々に呼応させたテーパ箱状にする事ができる。この為、歯車列(駆動歯車列及び従動歯車列)側の最大径に合わせたストレート箱状のケースより容積が小さくなり、それだけ構造をよりコンパクトに且つ軽量にする事ができる。
加えて、ケースを、テーパ箱状にする事ができるので、出力軸の設置スペースが確保し易くなる。又、ケースを鋳物で作製する場合には、成形品の割れやカジリ等を防ぐ事ができる。
駆動歯車列は、入力軸に固着された入力歯車と、第一中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第一駆動歯車と、第二中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第二駆動歯車とを備え、従動歯車列は、出力軸に固着された出力歯車と、入力軸に枢着されて出力歯車に噛合される主従動歯車と、第一中間軸に枢着されて出力歯車に噛合される第一従動歯車と、第二中間軸に枢着されて出力歯車に噛合される第二従動歯車とを備え、クラッチ列は、入力軸と主従動歯車との間に設けられた後進クラッチと、第一中間軸と第一従動歯車との間に設けられた前進一速クラッチと、第二中間軸と第二従動歯車との間に設けられた前進二速クラッチとを備えているのが好ましい。この様にすれば、前進二段後進一段の常時噛合式変速機にする事ができる。加えて、回転方向を反転させる反転歯車が不要になるので、より一層、構造が簡略化されて小型化と軽量化を図る事ができる。
駆動歯車列は、入力軸に固着された入力歯車と、第一中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第一駆動歯車と、第二中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第二駆動歯車と、第三中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第三駆動歯車とを備え、従動歯車列は、出力軸に固着された出力歯車と、入力軸に枢着されて出力歯車に噛合される主従動歯車と、第一中間軸に枢着されて出力歯車に噛合される第一従動歯車と、第二中間軸に枢着されて出力歯車に噛合される第二従動歯車と、第三中間軸に枢着されて主従動歯車に噛合される第三従動歯車とを備え、クラッチ列は、入力軸と主従動歯車との間に設けられた後進一速クラッチと、第一中間軸と第一従動歯車との間に設けられた前進一速クラッチと、第二中間軸と第二従動歯車との間に設けられた前進二速クラッチと、第三中間軸と第三従動歯車との間に設けられた後進二速クラッチとを備えているのが好ましい。この様にすれば、前進二段後進二段の常時噛合式変速機にする事ができる。加えて、回転方向を反転させる反転歯車が不要になるので、より一層、構造が簡略化されて小型化と軽量化を図る事ができる。
本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) 駆動歯車列と従動歯車列とクラッチ列とを備え、駆動歯車列と従動歯車列とがクラッチ列の片側に寄せて配置されているので、ケースを、クラッチ列側の外径とこれより通常大径な歯車列側の外径との夫々に呼応させたテーパ箱状にする事ができ、構造をよりコンパクトに且つ軽量にする事ができる。
(2) ケースを、クラッチ列側の外径とこれより通常大径な歯車列側の外径との夫々に呼応させたテーパ箱状にする事ができるので、出力軸の設置スペースが確保し易くなる。
(3) ケースを、クラッチ列側の外径とこれより通常大径な歯車列側の外径との夫々に呼応させたテーパ箱状にする事ができるので、ケースを鋳物で作製する場合には、成形品の割れやカジリ等を防ぐ事ができる。
本発明の常時噛合式変速機の第一例を示す縦断側面図。 図1の正面図。 本発明の常時噛合式変速機の第二例を示す縦断側面図。 図3の正面図。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の常時噛合式変速機の第一例を示す縦断側面図。図2は、図1の正面図である。
常時噛合式変速機1は、駆動歯車列Aと従動歯車列Bとクラッチ列Cとを備え、駆動歯車列Aと従動歯車列Bとがクラッチ列Cの片側に寄せて配置されて居り、フォークリフト等の荷役車両に適用される。
常時噛合式変速機1は、この例では、駆動歯車列Aとクラッチ列Cとの間に従動歯車列Bが配置され、所謂駆動歯車列A、従動歯車列B、クラッチ列Cの順で配置されている。
常時噛合式変速機1は、駆動歯車列Aと従動歯車列Bとクラッチ列Cとを収容するケース2と、これに水平軸廻りに回転可能に設けられて夫々平行状態を為す入力軸3と第一中間軸4と第二中間軸5と出力軸6とを備えている。
図2に於て、入力軸3は、ケース2の上側に配置されていると共に、第一中間軸4は、入力軸3の左下側に配置されている。第二中間軸5は、入力軸3の右下側に配置されていると共に、出力軸6は、入力軸3の下側に配置されている。
駆動歯車列Aは、入力軸3に固着された入力歯車7と、第一中間軸4に固着されて入力歯車7に噛合される第一駆動歯車8と、第二中間軸5に固着されて入力歯車7に噛合される第二駆動歯車9とを備えている。
従動歯車列Bは、出力軸6に固着された出力歯車10と、入力軸3に枢着されて出力歯車10に噛合される主従動歯車11と、第一中間軸4に枢着されて出力歯車10に噛合される第一従動歯車12と、第二中間軸5に枢着されて出力歯車10に噛合される第二従動歯車13とを備えている。
クラッチ列Cは、入力軸3と主従動歯車11との間に設けられた後進クラッチ14と、第一中間軸4と第一従動歯車12との間に設けられた前進一速クラッチ15と、第二中間軸5と第二従動歯車13との間に設けられた前進二速クラッチ16とを備えて居り、入力軸3の位置には後進クラッチ14が、第一中間軸4の位置には前進一速クラッチ15が、第二中間軸5の位置には前進二速クラッチ16が夫々配置されている。
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
前進一速クラッチ15が接合されると、入力軸3からの動力は、入力歯車7→第一駆動歯車8→第一中間軸4→前進一速クラッチ15→第一従動歯車12→出力歯車10→出力軸6へと伝達され、前進一速状態が得られる。
前進二速クラッチ16が接合されると、入力軸3からの動力は、入力歯車7→第二駆動歯車9→第二中間軸5→前進二速クラッチ16→第二従動歯車13→出力歯車10→出力軸6へと伝達され、前進二速状態が得られる。
後進クラッチ14が接合されると、入力軸3からの動力は、後進クラッチ14→主従動歯車11→出力歯車10→出力軸6へと伝達され、後進(後進一速)状態が得られる。
図1に示す如く、駆動歯車列Aと従動歯車列Bとがクラッチ列Cの片側に寄せて配置されているので、ケース2を、従来の様に、クラッチ列C側の外径より大径な歯車列(駆動歯車列A及び従動歯車列B)側の外径に全て合わせたストレート箱状にする必要がなく、クラッチ列C側の外径とこれより大径な歯車列(駆動歯車列A及び従動歯車列B)側の外径とに夫々合わせたテーパ箱状にする事ができる。
入力軸3の位置に後進クラッチ14が配置され、入力歯車7に第一駆動歯車8と第二駆動歯車9とが噛合されると共に、出力歯車10に主従動歯車11と第一従動歯車12と第二従動歯車13とが噛合される様にしたので、回転方向を反転させる反転歯車が不要になる。
次に、本発明の第二例を、図3及び図4に基づいて説明する。
図3は、本発明の常時噛合式変速機の第二例を示す縦断側面図。図4は、図3の正面図である。
第二例は、前進二速後進二速の常時噛合式変速機1にしたものである。
つまり、当該常時噛合式変速機1は、第一例に対して、後進クラッチ14を後進一速クラッチと呼び代えると共に、第三中間軸17と第三駆動歯車18と第三従動歯車19と後進二速クラッチ20とを追加したものである。第三中間軸17は、図4に於て、入力軸3の左上側に配置されている。第三駆動歯車18は、第三中間軸17に固着されて入力歯車7に噛合されている。第三従動歯車19は、第三中間軸17に枢着されて主従動歯車11に噛合されている。後進二速クラッチ20は、第三中間軸17と第三従動歯車19との間に設けられている。
この様なものは、前進一速クラッチ15が接合されると、入力軸3からの動力は、入力歯車7→第一駆動歯車8→第一中間軸4→前進一速クラッチ15→第一従動歯車12→出力歯車10→出力軸6へと伝達され、前進一速状態が得られる。
前進二速クラッチ16が接合されると、入力軸3からの動力は、入力歯車7→第二駆動歯車9→第二中間軸5→前進二速クラッチ16→第二従動歯車13→出力歯車10→出力軸6へと伝達され、前進二速状態が得られる。
後進一速クラッチ14が接合されると、入力軸3からの動力は、後進一速クラッチ14→主従動歯車11→出力歯車10→出力軸6へと伝達され、後進一速状態が得られる。
後進二速クラッチ20が接合されると、入力軸3からの動力は、入力歯車7→第三駆動歯車18→第三中間軸17→後進二速クラッチ20→第三従動歯車19→主従動歯車11→出力歯車10→出力軸6へと伝達され、後進二速状態が得られる。
この例に於ても、図3に示す如く、駆動歯車列Aと従動歯車列Bとがクラッチ列Cの片側に寄せて配置されているので、ケース2を、クラッチ列C側の外径とこれより大径な歯車列(駆動歯車列A及び従動歯車列B)側の外径とに夫々合わせたテーパ箱状にする事ができる。
入力軸3の位置に後進一速クラッチ14が配置され、入力歯車7に第一駆動歯車8と第二駆動歯車9と第三駆動歯車18とが噛合されると共に、出力歯車10に主従動歯車11と第一従動歯車12と第二従動歯車13とが噛合され、主従動歯車11に第三従動歯車19が噛合される様にしたので、回転方向を反転させる反転歯車が不要になる。
尚、常時噛合式変速機1は、先の例では、駆動歯車列A、従動歯車列B、クラッチ列Cの順で配置されていたが、これに限らず、例えば従動歯車列B、駆動歯車列A、クラッチ列Cの順で配置されていても良い。
1…常時噛合式変速機、2…ケース、3…入力軸、4…第一中間軸、5…第二中間軸、6…出力軸、7…入力歯車、8…第一駆動歯車、9…第二駆動歯車、10…出力歯車、11…主従動歯車、12…第一従動歯車、13…第二従動歯車、14…後進クラッチ(後進一速クラッチ)、15…前進一速クラッチ、16…前進二速クラッチ、17…第三中間軸、18…第三駆動歯車、19…第三従動歯車、20…後進二速クラッチ、A…駆動歯車列、B…従動歯車列、C…クラッチ列。

Claims (3)

  1. 駆動歯車列と従動歯車列とクラッチ列とを備え、駆動歯車列と従動歯車列とがクラッチ列の片側に寄せて配置されている事を特徴とする常時噛合式変速機。
  2. 駆動歯車列は、入力軸に固着された入力歯車と、第一中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第一駆動歯車と、第二中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第二駆動歯車ととを備え、従動歯車列は、出力軸に固着された出力歯車と、入力軸に枢着されて出力歯車に噛合される主従動歯車と、第一中間軸に枢着されて出力歯車に噛合される第一従動歯車と、第二中間軸に枢着されて出力歯車に噛合される第二従動歯車とを備え、クラッチ列は、入力軸と主従動歯車との間に設けられた後進クラッチと、第一中間軸と第一従動歯車との間に設けられた前進一速クラッチと、第二中間軸と第二従動歯車との間に設けられた前進二速クラッチとを備えている請求項1に記載の常時噛合式変速機。
  3. 駆動歯車列は、入力軸に固着された入力歯車と、第一中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第一駆動歯車と、第二中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第二駆動歯車と、第三中間軸に固着されて入力歯車に噛合される第三駆動歯車とを備え、従動歯車列は、出力軸に固着された出力歯車と、入力軸に枢着されて出力歯車に噛合される主従動歯車と、第一中間軸に枢着されて出力歯車に噛合される第一従動歯車と、第二中間軸に枢着されて出力歯車に噛合される第二従動歯車と、第三中間軸に枢着されて主従動歯車に噛合される第三従動歯車とを備え、クラッチ列は、入力軸と主従動歯車との間に設けられた後進一速クラッチと、第一中間軸と第一従動歯車との間に設けられた前進一速クラッチと、第二中間軸と第二従動歯車との間に設けられた前進二速クラッチと、第三中間軸と第三従動歯車との間に設けられた後進二速クラッチとを備えている請求項1に記載の常時噛合式変速機。
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