JP2010207753A - 反応装置およびシート状部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】低圧力損失かつ高効率での反応を実現することができる長寿命の反応装置を提供する。
【解決手段】反応装置10は、一以上のシート状部材30が重ねられることによって形成された積層構造体20を有する。シート状部材は、ベース部35と、ベース部から立ち上がった複数の突出片40と、を含む。突出片の基端部41における幅w1が先端部42における幅w2よりも狭い。積層構造体において、突出片がその一方の側から立ち上がっているベース部の他方の側の面に、別のベース部から立ち上がった突出片の先端部が接触している。
【選択図】図4

Description

本発明は、被処理流体を反応させる反応装置に係り、低圧力損失かつ高効率での反応を実現することができる長寿命の反応装置に関する。
また、本発明は、被処理流体を反応させる反応装置に用いられるシート状部材であって、反応装置内における圧力損失を低減するとともに反応を高効率化させることができ、且つ、反応装置の寿命を長くすることができるシート状部材に関する。
従来、被処理流体(処理されるべき気体や液体等)を触媒により反応させる反応装置(反応器)が、種々の分野において、広く用いられている。一例として、自動車等のエンジンから排気される排気ガスを触媒反応させて無害化させる反応装置がよく知られている。
エンジンからの排気ガスを処理するために現在用いられているほとんどの反応装置においては、セラミック担体またはメタル担体が、触媒作用を及ぼし得る触媒層を保持するため担体として組み込まれている(例えば、非特許文献1)。これらの担体は、ハニカム形状またはモリノス形状と呼ばれる直線状に延びる細孔の集合体として、形成されている。そして、触媒層が各細孔内の壁面にコーティングされており、排気ガス(被処理流体)は細孔内を通過する際に反応を促進されるようになる。
しかしながら、このような反応装置においては、被処理流体は細孔内を直線状にしか流れない。したがって、細孔の内壁に保持された触媒層によって被処理流体の反応を効率的に促進することはできない。細孔を細くすれば、被処理流体の反応を効率的に促進させることができるようになる。ただしこの場合、被処理流体が反応装置の細孔を通過する際の圧力損失が大幅に上昇してしまうという別の問題が発生する。
同様に、被処理流体が細孔の長手方向に流れていくため、細孔内の各位置において反応が均一に行われ得ない。具体的には、細孔の入口側で反応が起こりやすく、細孔の出口側では反応が起こりにくい。このように反応装置内で局所的に反応が起こるようになると、当該局所における触媒層の劣化が進む。この結果、一部分を除き触媒層が十分な触媒作用を発揮し得るにもかかわらず、反応装置全体を交換しなければならなくなる。上述したように反応の促進を目的として細孔を細くすると、細孔に詰まりが生じやすくなり、結果として、反応装置をさらに短寿命化させてしまうことになる。
とりわけ、被処理流体がエンジンからの排気ガスである場合、被処理流体に炭素微粒子からなる粒子状物質(いわゆるPM)が含まれる。この粒子状物質は粘着性を有しているため、上述した不具合がより顕著に生じるようになる。
このような従来の反応装置に対する種々の改良が提案され、且つ、新たな形式の反応装置に関する種々の研究も行われている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
中島泰夫・村中重雄著「新・自動車用ガソリンエンジン」(山海堂)
特開2005−307944 特開2007−278159
特許文献1には、凹凸を有する金属網と、邪魔板を設けられ微細孔を有する金属板と、を重ねて巻き取ることによって形成された微粒子除去装置が、開示されている。この微粒子除去装置では、二つの金属板間に金属網が配置されるようになるため、金属板間の離間間隔を十分に保つことができる。そして、金属板間に導入された排気ガスは、触媒層を保持した邪魔板に衝突し得るとともに、微細孔を通過して三次元的に移動することもできる。特許文献1によれば、このような構成の微粒子除去装置は、圧力損失を低く保ちながら、触媒層による触媒作用が排気ガスに対して効果的に及ぼされるようにすることができる、とされている。
確かに、この微粒子除去装置によれば、凹凸を有した金属網によって、隣り合う金属板が接触してしまうことを確実に防止することができる。このため、少なくとも使用開始時には、現在使用されているハニカム形状(モリノス形状)の担体と比較して、圧力損失を大幅に低減することができる。しかしながら、本件発明者らが実験を行ったところ、排気ガスに含まれる粘着性を有した粒子状物資(PM)が金属網に滞積しやすく、隣り合う金属板間に詰まりが使用開始後の短期間で生じてしまった。
一方、特許文献2の段落0039〜0043および図3には、切起加工によって切起片および切起開口が形成された薄板材を巻き取ることによって形成された触媒担持体が、開示されている。この触媒担持体には、上述の特許文献1に開示された装置とは異なり、金属網が設けられていない。したがって、金属網に粒子状物資(PM)が滞積して詰まりが生じるといった原因で、寿命を短期化させることはない。
しかしながら、切起加工を施された薄板材が巻き取られると、薄板材の一部分から突出する突出片が、当該薄板材の一部分に隣り合う薄板材の他の部分に形成された切起開口に入り込んでしまうことがある。このため、触媒担持体の巻き取られた薄板材の離間間隔が不均一となり、これにともなって、触媒担持体内において、粒子状物質を含む排気ガスが流れやすい領域と流れにくい領域とが形成されてしまう。したがって、特許文献2に開示された触媒担持体では、期待した程度に、圧力損失を低下させることができない。また、触媒担持体内の偏った領域において被処理流体の反応が活性化されるようになったり、触媒担持体内の特定の位置に詰まりが生じやすくなったりする。このため、特許文献2に開示された触媒担持体では、期待した程度に、被処理流体を効率的に処理すること、および、長寿命化させることはできない。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、低圧力損失かつ高効率での反応を実現することができる長寿命の反応装置を提供することを目的とする。また、本発明は、このような反応装置に用いられるシート状部材を提供することを目的とする。
本発明による第1の反応装置は、一以上のシート状部材を含む積層構造体であって、前記シート状部材が重ねられることによって形成された積層構造体を備え、前記積層構造体は、被処理流体を供給されるようになる入口側と、当該積層構造体内を通過した後に前記流体が排出されるようになる出口側と、を含み、前記シート状部材は、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を含み、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、前記突出片の前記基端部における幅が、前記ベース部から最も離間した前記突出片の先端部における幅よりも狭く、前記積層構造体において、前記突出片がその一方の側から立ち上がっている前記ベース部の他方の側の面に、別のベース部から立ち上がった突出片の先端部が接触していることを特徴とする。本発明による反応装置において、前記積層構造体に組み込まれた前記シート状部材の前記複数の突出片の各基端部は、同一の方向に延びていてもよい。
本発明による第1の反応装置において、前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なる第1突出片および第2突出片を含むようにしてもよい。
また、本発明による第1の反応装置において、前記突出片は平面視台形形状を有し、前記台形形状の平行な二つの辺のうちの短い方の辺によって前記基端部が形成されるとともに、前記台形形状の平行な二つの辺のうちの長い方の辺によって前記先端部が形成されていてもよい。
本発明による第2の反応装置は、一以上のシート状部材を含む積層構造体であって、前記シート状部材が重ねられることによって形成された積層構造体を備え、前記積層構造体は、被処理流体を供給されるようになる入口側と、当該積層構造体内を通過した後に前記流体が排出されるようになる出口側と、を含み、前記シート状部材は、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を含み、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なり且つ前記先端部における幅が互いに異なる第1突出片および第2突出片を含み、前記積層構造体において、前記突出片がその一方の側から立ち上がっている前記ベース部の他方の側の面に、別のベース部から立ち上がった突出片の先端部が接触していることを特徴とする。
本発明による第1または第2の反応装置において、前記複数の突出片は、前記シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、前記シート状部材のシート面上の一方向と平行に延び、前記積層構造体に組み込まれた前記シート状部材の前記一方向は、前記積層構造体の前記入口側と前記出口側とを結ぶ方向に対し、45°以上90°未満の角度で傾斜していてもよい。
また、本発明による第1または第2の反応装置において、前記積層構造体は、第1のシート状部材と、前記第1のシート状部材と隣接して重ねられ第1シート状部材と同一の構成を有する第2のシート状部材と、を含み、前記第1シート状部材および前記第2シート状部材において、前記複数の突出片は、各シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、各シート状部材のシート面上の一方向と平行に延び、前記積層構造体において、前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向が、前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向に対して交差するように、前記第1シート状部材は、その法線方向と平行な軸線を中心として前記第2シート状部材に対して回転した状態で、前記第2シート状部材と重ねられていてもよい。
あるいは、本発明による第1または第2の反応装置において、前記積層構造体は、第1のシート状部材と、前記第1のシート状部材と隣接して重ねられ第1シート状部材と異なる構成を有する第2のシート状部材と、を少なくとも含み、前記第1シート状部材において、前記複数の突出片は、前記第1シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、前記第1シート状部材のシート面上のある方向と平行に延び、前記第2シート状部材において、前記複数の突出片は、前記第2シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、前記第2シート状部材のシート面上のある方向と平行に延び、前記積層構造体において、前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向が、前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向に対して交差するように、前記第1シート状部材と前記第2シート状部材とが重ねられていてもよい。このような本発明による第1または第2の反応装置において、前記第1シート状部材と前記第2シート状部材とは鏡面対称に構成されていてもよい。
このような本発明による第1または第2の反応装置において、前記積層構造体に組み込まれた前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向、および、前記積層構造体に組み込まれた前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向は、前記積層構造の前記入口側と前記出口側とを結ぶ方向に対して、同一角度で異なる向きに傾斜していてもよい。
さらに、本発明による第1または第2の反応装置において、一枚の前記シート状部材、或いは、重ねられた複数枚の前記シート状部材を巻き上げることによって積層構造体が形成されていてもよい。
このような本発明による第1または第2の反応装置において、前記複数の突出片は、前記シート状部材を巻き上げる際の巻き取り軸線と直交する方向に並べて配置され、前記複数の突出片の各基端部は、前記シート状部材のシート面上の一方向と平行に延びていてもよい。
また、このような本発明による第1または第2の反応装置において、前記一以上のシート状部材を巻き上げてなる積層構造体の外周面を形成するようになるシート状部材のベース部の外周面形成領域には、前記突出片および前記貫通孔が形成されていないようにしてもよい。
さらに、このような本発明による第1または第2の反応装置が、筒状部材をさらに備え、前記一以上のシート状部材は、筒状部材に巻き上げられていてもよい。
さらに、このような本発明による第1または第2の反応装置において、前記複数の突出片は、前記シート状部材を巻き上げる際の巻き取り軸線に対して0°以上45°以下の角度をなす方向に延びる互いに平行な複数の仮想列上に並べて配列され、前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なる第1突出片および第2突出片を含み、少なくとも一つの前記仮想列について、当該列上に並べられた前記突出片は、すべて、前記第1突出片および前記第2突出片のうちの前記基端部から前記先端部までの長さが長い方の突出片であってもよい。
本発明による第3の反応装置は、第1のシート状部材および第2のシート状部材を含む積層構造体であって、前記第1のシート状部材および前記第2のシート状部材が交互に重ねられることによって形成された積層構造体を備え、前記積層構造体は、被処理流体を供給されるようになる入口側と、当該積層構造体内を通過した後に前記流体が排出されるようになる出口側と、を含み、前記第1シート状部材は、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を含み、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、前記第1シート状部材において、前記複数の突出片は、当該シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、当該シート状部材のシート面上のある方向と平行に延び、前記第2シート状部材は、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を含み、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、前記第2シート状部材において、前記複数の突出片は、当該シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、当該シート状部材のシート面上のある方向と平行に延び、前記第1シート状部材および前記第2シート状部材のうちの一方のシート状部材の前記ベース部の前記突出片が立ち上がっていない側の面に、前記第1シート状部材および前記第2シート状部材のうちの他方のシート状部材の前記ベース部から立ち上がった突出片の先端部が接触し、前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向が、前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向に対して交差していることを特徴とする。
本発明による第3の反応装置において、前記第1シート状部材および前記第2シート状部材は同一の構成を有し、前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向が、前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向に対して交差するように、前記第1シート状部材は、その法線方向と平行な軸線を中心として前記第2シート状部材に対して回転した状態で、前記第2シート状部材と重ねられていてもよい。あるいは、本発明による第3の反応装置において、前記第1シート状部材と前記第2シート状部材とは鏡面対称に構成されていてもよい。このような本発明による第3の反応装置において、前記積層構造体に組み込まれた前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向、および、前記積層構造体に組み込まれた前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向は、前記積層構造の前記入口側と前記出口側とを結ぶ方向に対して、同一角度で異なる向きに傾斜していてもよい。
また、本発明による第3の反応装置において、前記第1シート状部材および前記第2シート状部材の少なくともいずれか一方について、前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なる第1突出片および第2突出片を含むようにしてもよい。
さらに、本発明による第3の反応装置において、前記第1シート状部材および前記第2シート状部材の少なくともいずれか一方について、前記突出片は平面視台形形状を有し、前記台形形状の平行な二つの辺のうちの短い方の辺によって前記基端部が形成されるとともに、前記台形形状の平行な二つの辺のうちの長い方の辺によって前記先端部が形成されていてもよい。
さらに、本発明による第3の反応装置において、前記積層構造体に組み込まれた前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向、および、前記積層構造体に組み込まれた前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向は、それぞれ、前記積層構造の前記入口側と前記出口側とを結ぶ方向に対して45°以上90°未満の角度で傾斜していてもよい。
さらに、本発明による第3の反応装置において、重ねられた一組以上の前記第1シート状部材および前記第2シート状部材を巻き上げることによって積層構造体が形成されていてもよい。
このような本発明による第3の反応装置において、前記第1シート状部材の前記複数の突出片は、前記シート状部材を巻き上げる際の巻き取り軸線と直交する方向に並べて配置され、且つ、前記第1シート状部材の前記複数の突出片の各基端部は、前記第1シート状部材のシート面上の一方向と平行に延び、前記第2シート状部材の前記複数の突出片は、前記シート状部材を巻き上げる際の巻き取り軸線と直交する方向に並べて配置され、且つ、前記第2シート状部材の前記複数の突出片の各基端部は、前記第1シート状部材のシート面上の一方向と平行に延びていてもよい。
また、このような本発明による第3の反応装置において、前記重ねられたシート状部材を巻き上げてなる積層構造体の外周面を形成するようになるシート状部材のベース部の外周面形成領域には、前記突出片および前記貫通孔が形成されていないようにしてもよい。
さらに、このような本発明による第3の反応装置は、筒状部材をさらに備え、前記重ねられたシート状部材は、筒状部材に巻き上げられていてもよい。
さらに、このような本発明による第3の反応装置において、前記複数の突出片は、前記シート状部材を巻き上げる際の巻き取り軸線に対して0°以上45°以下の角度をなす方向に延びる互いに平行な複数の仮想列上に並べて配列され、前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なる第1突出片および第2突出片を含み、少なくとも一つの前記仮想列について、当該列上に並べられた前記突出片は、すべて、前記第1突出片および前記第2突出片のうちの前記基端部から前記先端部までの長さが長い方の突出片であるようにしてもよい。
本発明による第1のシート状部材は、反応装置の積層構造体の形成に用いられるシート状部材であって、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を備え、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、前記突出片の前記基端部における幅が、前記ベース部から最も離間した前記突出片の先端部における幅よりも狭くてもよい。
本発明による第2のシート状部材は、反応装置の積層構造体の形成に用いられるシート状部材であって、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を備え、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なり且つ前記先端部における幅が互いに異なる第1突出片および第2突出片を含むようにしてもよい。
本発明によれば、低圧力損失かつ高効率での反応を実現することができるとともに、反応装置の寿命を長期化させることもできる。
図1は、本発明による反応装置の一実施の形態を示す縦断面図である。 図2は、図1の反応装置に組み込まれた積層構造体を示す斜視図である。 図3は、図2の積層構造体の製造方法を説明するための斜視図である。 図4は、図2の積層構造体を形成する前におけるシート状部材を示す斜視図である。 図5は、図2のV−V線に沿った断面図である。 図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、図2の積層構造体の各層における作用を説明するための図であって、積層構造体内におけるシート状部材を平らに広げた状態で示す図である。 図8は、第1の変形例の一例を説明するための図であって、積層構造体の構成を、この積層構造体に用いられるシート状部材の斜視図とともに、示す図である。 図9は、第1の変形例の他の例を説明するための図であって、積層構造体の構成を、この積層構造体に用いられるシート状部材の斜視図とともに、示す図である。 図10は、図6に対応する断面において、図9の積層構造体を示す断面図である。 図11は、第2の変形例の一例を説明するための図であって、シート状部材を示す上面図である。 図12は、図6に対応する断面において、図11のシート状部材を用いて構成された積層構造体を示す断面図である。 図13は、第3の変形例の一例を説明するための図であって、積層構造体に用いられる二つのシート状部材を重ね合わせた状態で示す上面図である。 図14は、第3の変形例の他の例を説明するための図であって、積層構造体に用いられる二つのシート状部材を重ね合わせた状態で示す上面図である。 図15は、図1に対応する図であって、第5の変形例を説明するための図である。 図16は、図5に対応する断面において、積層構造体と、この積層構造体とともに反応装置を構成する筒状部材と、を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態およびその一変形例について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、以下に説明する実施の形態においては、本発明による反応装置およびシート状部材を、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスを反応させて無害化する装置に適用した例を示す。とりわけ、ディーゼルエンジンからの排気ガスに含まれる炭素微粒子からなる粒子状物質(いわゆるPM)を触媒燃焼させて除去するための反応装置に、本発明を適用した例を説明する。ただし、本発明は、ディーゼルエンジンからの排気ガスを処理する装置に適用される例に限定されることなく、排気ガス以外の被処理流体(気体や液体等)を反応させる装置に広く適用され得る。
図1〜図16は、一実施の形態およびその変形例を説明するための図である。このうち図1〜図7は一実施の形態を説明するための図である。図1は反応装置を示す断面図であり、図2は図1の反応装置に組み込まれた積層構造体を示す斜視図であり、図3は図2の積層構造体の作製方法を概略的に示す斜視図である。また、図4は図2の積層構造体を形成する前のシート状部材を示す斜視図であり、図5および図6は積層構造体を示す断面図であり、図7はシート状部材を示す上面図である。
図1〜図7に示すように、反応装置10は、層間を流れる被処理流体を反応させるように構成された積層構造体20と、積層構造体20を収容するケーシング15と、を有している。積層構造体20は、気体や液体等からなる被処理流体がその層間に導入されるようになる入口側と、層間を通過した後に当該流体が排出されるようになる出口側と、を含んでいる。
一方、ケーシング15は、積層構造体20を周囲から取り囲んで収容する胴部17bと、胴部17の上流側に配置された上流側案内部16と、胴部17の下流側に配置された下流側案内部18と、を含んでいる。上流側案内部16は、エンジン(図示せず)に連結されエンジンからの排気ガスを受ける上流側排気管5aに連結され、排気ガスを胴部17b内に収容された積層構造体20の入口側に誘導する。一方、上流側案内部16は、大気開放された下流側排気管5bに連結され、積層構造体20の出口側から排出された排気ガスを下流側排気管5bに誘導する。このようなケーシング15は、例えば、ステンレス等の金属から構成され得る。
なお、図1においては、上流側案内部16が胴部17に向けて拡径し、下流側案内部18が胴部17から縮径していく例を示しているが、これに限られない。後述するように積層構造体20が十分に高い効率で被処理流体を反応させることができれば、積層構造体20の断面積を小さくするとともに、上流側案内部16、胴部17および下流側案内部18を、上流側排気管5aおよび下流側排気管5bと同一径に構成することも可能である。
次に、積層構造体20について詳述する。図2に示すように、本実施の形態における積層構造体20は円柱状の外輪郭を有している。この円柱形状の二つの端面が、積層構造体20の入口側の端面21aおよび出口側の端面21bをそれぞれ形成している。
図4〜図7によく示されているように、積層構造体20は、表面上に触媒層22を形成されたシート状部材30と、を有している。図4および図6に示すように、積層構造体20は、一以上の触媒層22を保持したシート状部材30を多層化または多重化するように重ね合わせることによって、形成されている。図3に示すように、本実施の形態においては、触媒層22を保持した一枚のシート状部材30を巻き上げることによってシート状部材30を重ね合わせ、積層構造体20が形成されている。
シート状部材30は、シート状のベース部35と、ベース部35から立ち上がった多数の突出片40と、を有している。ベース部35には、多数の貫通孔36が形成されている。各突出片40は、いずれか一つの貫通孔36に隣接する位置において、ベース部35から立ち上がっている。言い換えると、ベース部35との接続箇所をなす各突出片40の基端部41に隣接して、一つの貫通孔36がベース部35に形成されている。
図4に示すように、本実施の形態において、突出片40はベース部35と一体的に形成されている。そして、積層構造体20内で起こる反応に起因した温度上昇に耐え得る材料、例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属から構成され得る。
このようなシート状部材30は、一例として、金属製の板材に切り起こし加工を施すことによって、作製されている。なお、切り起こし加工とは、元材の対象となる部分について、その輪郭の一部分を除いて、元材に切り込みを入れるとともに、さらに、当該切り込まれていない前記輪郭の一部分を曲げ軸線として、切り込まれた対象となる部分を元材に対して折り曲げる加工のことを意味している。また、切り起こし加工は、切り曲げ加工または切り上げ加工とも呼ばれる。切り起こし加工によれば、元材のうちの対象となる部分を、その一部において元材に接続された状態で、元材の元の位置から取り去るとともに元材から立ち上げることができる。
図5および図7に示すように、切り起こし加工によって作製されたシート状部材30において、突出片40は、切り起こし加工を施される元材としての金属板と同様に、板状に形成される。また、図4〜7に示すように、突出片40の平面視形状(すなわち、突出片40の板面への法線方向から当該突出片40を観察した場合における突出片40の形状)は、貫通孔36の平面視形状(すなわち、シート状からなるベース部35のシート面への法線方向から当該貫通孔36を観察した場合における貫通孔36の形状)と一致するようになる。また、突出片40の基端部41は、切り起こし加工における突出片40の折り曲げ軸線に相当する。
なお、本明細書において、「シート面(板面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状の部材の平面方向と一致する面のことを指す。したがって、本実施の形態において、シート状部材のシート面とベース部のシート面とは平行となる。
図4〜6に示すように、本実施の形態において、全ての突出片40が、ベース部35から一方の側に突出している。また、板状からなる各突出片40は、同様に板状からなるベース部35に対して略直交するようにして、当該ベース部35から立ち上がっている。なお、各突出片40のベース部35に対する折り曲げ角度は、本実施の形態にように90°であることが好ましい。シート状部材30を重ね合わせてなる積層構造体20内において、突出片40がベース部35と平行になる方向に、曲げられ、積層構造体20の層間を維持することができなくなることを防止するためである。
図4および図7に示すように、本実施の形態において、突出片40の基端部41における幅w1は、ベース部35から最も離間した突出片40の先端部42における幅w2よりも狭くなっている。また、突出片40の基端部41および先端部42は互いに並行に延びる直線状に形成されている。すなわち、図4および図6に示すように、本実施の形態において、突出片40は、平面視台形形状を有している。そして、台形形状の平行な二つの辺のうちの短い方の辺によって突出片40の基端部41が形成されるとともに、台形形状の平行な二つの辺のうちの長い方の辺によって突出片40の先端部42が形成されている。
図4および図7に示すように、本実施の形態において、全ての突出片40が同様に構成され、これにともなって、全ての貫通孔36が同様に構成されている。具体的には、全ての突出片40が同一の平面視形状を有するように構成され、これにともなって、全ての貫通孔36が同一の平面視形状を有するように構成されている。
また、本実施の形態において、図4および図7に示すように、多数の突出片40および多数の貫通孔36は、シート状からなるベース部35のシート面上において、互いに異なる第1配列方向および第2配列方向のそれぞれに並べて配列されている。突出片40および貫通孔36は、それぞれ、第1配列方向に一定の配列ピッチで並べて配置されるとともに、第2配列方向に一定の配列ピッチで並べて配置されている。とりわけ本実施の形態において、第1配列方向は、シート状部材30を巻き上げる際の巻き取り軸線d1と直交し、結果として、積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向と直交するようになる。また、第2配列方向は、第1配列方向と直交している。すなわち、第2配列方向は、シート状部材30を巻き上げる際の巻き取り軸線d1と平行に延び、結果として、積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向と平行となる。
さらに、本実施の形態においては、多数の突出片40の各基端部41は、ベース部のシート面上の同一のある一つの方向に延びている。図7に示すように、基端部41が延びる一方向は、突出片40が並べられている第1配列方向と平行となっている。すなわち、多数の突出片40の各基端部41は、シート状部材30を巻き上げる際の巻き取り軸線d1と直交する方向に延び、結果として、積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向に直交する方向に延びるようになる。
反応装置10がディーゼルエンジンから排出される排気ガスを処理するために用いられる場合、上述した構成からなるシート状部材30の具体例として、最も接近して隣り合う二つの突出片40の配列ピッチを500μm〜3000μmとし、突出片40の幅および高さを、それぞれ、300μm〜1500μmとすることができる。この際、突出片40の基端部41における幅w1と先端部42における幅w2との差を5μm〜50μmとすることにより、後述する効果を期待することができる。また、ベース部35の厚みを20μm〜1000μmとすることができる。
なお、上述したように、シート状部材30は、その表面上に、排気ガスの処理を行うための触媒層22を保持している。触媒層22は、例えば、シート状部材30の表面上に形成された多孔質層と、多孔質層に担持された触媒作用を有した粒子と、によって構成される。一例として、多孔質層は、酸化アルミニウムや二酸化ケイ素をシート状部材30の表面上にウォッシュコートすることにより形成される。また、反応装置10がディーゼルエンジンから排出される排気ガスを処理するために用いられる場合には、白金を多孔質層に含浸させてなる触媒粒子を採用することができる。ディーゼルエンジンからの排気ガスには、炭素微粒子からなる粒子状物質(いわゆるPM)が多く含まれている。上述した白金粒子からなる触媒は、炭素微粒子からなる粒子状物質の燃焼反応を促進させることができる。
図5および図6に示すように、突出片40が一方の側の面から立ち上がっているベース部35の他方の側の面に、異なる層に属するベース部35から立ち上がった突出片40の先端部42が接触するようにして、図5に示すように、触媒層22を保持したシート状部材30が巻き上げられて積層構造体20を形成している。
ところで、図3に示すように、シート状部材30を巻き上げてなる積層構造体20の外周面を形成するようになるシート状部材30の外周面形成領域31には、切り起こし加工が施されていない。すなわち、シート状部材30のベース部35のうちの外周面形成領域31には、突出片40および貫通孔36が形成されていない。このような態様によれば、図2に示すように、例えばスポット溶接や接着剤等の簡易な接合手段を用いて、シート状部材30を巻き上げた状態に維持することが可能となる。また、作製された円柱状の積層構造体20の外周面は、凹凸を含まない滑らかな面となる。これにより、積層構造体20をケーシング15の胴部17に収容する作業を簡単かつ短時間で行うことができるようになる。
なお、シート状部材30の外周面形成領域31は、積層構造体20の外周面を形成し、触媒反応を生じさせる積層構造体20の層を形成しない。したがって、シート状部材30の外周面形成領域31には、触媒層22も形成する必要はない。
次に、以上のような構成からなる反応装置20によって、被処理流体を反応させる際の作用について説明する。
まず、上流側排気管5aから反応装置10のケーシング15内に被処理流体である排気ガスが流れ込む。排気ガスは、上流側案内部16を通過して、胴部17内に収容された積層構造体20に向かう。被処理流体20は、入口側端面21から積層構造体20の層間に流入して積層構造体20内を流れる。
被処理流体20は、積層構造体20内を流れる際に、触媒層22によって反応を促進される。被処理流体がエンジンからの排気ガスである場合には、主として、被処理流体に含まれる炭素微粒子からなる粒子状物質が、シート状部材30に保持された触媒層22に捕集され、触媒層22の触媒粒子によって酸化燃焼反応を促進される。粒子状物質は、積層構造体20内において燃焼反応を複数回繰り返すことにより、排気ガスから完全に燃焼除去されるようになる。このようにして、排気ガスは、反応を促進させられながら積層構造体20の層間を流れ、無害化されていく。
無害化された排気ガスは、積層構造体20の出口側端面21bからケーシング15の下流側案内部18に流れ込む。その後、排気ガスは、下流側排気管5bを介して大気解放される。
以上が、反応装置10内において被処理流体に及ぼされる概略的な作用である。そして、本実施の形態によれば、上述した反応装置10の構成、とりわけ積層構造体20およびシート状部材30の構成に起因して、以下のような有用な作用効果を期待することができる。
上述したように、切り起こし加工によって形成された突出片40の基端部41における幅w1が突出片40の先端部42における幅w2よりも狭くなっている。したがって、このシート状部材30が重ねられて形成された積層構造体20において、シート状部材30の一部分から一方の側に立ち上がった突出片40の幅広の先端部42が、当該一部分に重ねられたシート状部材30の他の部分に形成された貫通孔36に、入り込んでしまう可能性が、大幅に低減されるようになる。これにより、積層構造体20において層間を形成する隣り合うシート状部材30の二つの部分は突出片40によって離間した状態に維持され、その離間間隔は突出片40の突出量によって決定されるようになる。そして、この突出片40は、積層構造体20の入口側から出口側までの種々の位置に配置されている。したがって、積層構造体20の全領域において、被処理流体が通過し得る領域を、積層構造体20の層間に期待した通りに形成することができる。これにより、被処理流体が積層構造体20を入口側から出口側へと進む際に生じる圧力損失を、期待した通りに、低下させることが可能となる。また、積層構造体20内の偏った領域で被処理流体の反応が促進されること、および、積層構造体20内に詰まりが生じてしまうこと、を効果的に防止することもできる。
とりわけ本実施の形態においては、積層構造体20に組み込まれたシート状部材30の複数の突出片30の各基端部41は、同一の方向に延びている。したがって、シート状部材30の一部分から突出する突出片40の幅広の先端部42が、シート状部材30の他の部分に形成された貫通孔36に、入り込んでしまう可能性を効果的に低減することができる。さらに、積層構造体20に組み込まれたシート状部材30の複数の突出片30の各基端部41が同一の方向に延びていることに加え、複数の突出片40が、シート状部材30を巻き上げる際の巻き取り軸線d1と直交する方向に並べて配置されている。したがって、シート状部材30の一部分から突出する突出片40の幅広の先端部42が、シート状部材30の他の部分に形成された貫通孔36に、入り込んでしまうことを防止することすら可能となる。この結果、被処理流体が通過する領域を、積層構造体20の層間に期待した通りに安定して確保することができる。
また、積層構造体20の層間には、触媒層22を保持した突出片40が立ちはだかっている。このため、図7に示すように、層間を流れる被処理流体Fは、触媒層22を保持した突出片40に衝突しやすくなっている。被処理流体は、触媒層22を保持した突出片40との衝突時に、触媒反応を起こすようになる。すなわち、触媒層22から極めて効果的に触媒作用を及ぼして、被処理流体を効率的に反応させることができる。
なお、被処理流体がエンジンから排出される排気ガスである場合には、図7に示すように、炭素微粒子からなる粒子状物質Mが排気ガスFに含まれるが、この粒子状物質Mは、排気ガスF中に同様に含まれているガス分子等と比較して、極めて大きな質量を有するようになる。具体的には、粒子状物質が直径1μmの球形状であると仮定すると、その質量は10-11のオーダーとなる。その一方で、プロピレンC66は、1モルで42gであり、一つの分子の質量は10-22のオーダーとなる。このように粒子状物質の質量はガス分子の質量と比較して極めて大きくなる。したがって、図7に示すように、排気ガスFが、積層構造体20内の層間において、突出片40を滑らかに迂回するような流路が形成されたとしても、当該排気ガスFに含まれている運動量の大きい粒子状物質Mは、直線的に移動して突出片40へ衝突し、触媒反応を起こすようになる。
また、図7に示すように、質量の大きい物質Mが被処理流体に含まれている場合であっても、この質量の大きい物質Mが突出片40に複数回衝突することにより、当該物質を完全に反応させることができる。例えば、被処理流体がエンジンから排出される排気ガスである場合、炭素微粒子を含む粒子状物質(PM)を数回にわたって触媒燃焼させることにより、粒子状物質をしだいに小さくしていき、最終的には、この粒子状物質を完全に燃焼除去することが可能となる。すなわち、本実施の形態によれば、触媒層22を効果的に用いることにより、種々の被処理流体を効果的に反応させることができる。
さらに、積層構造体20内を流れる被処理流体は、層間に突出している突出片40によって、その流路を曲げられるようになる。そして、上述したように、先端部42が基端部41の幅w1よりも広い幅w2を有している突出片40によって、層間が所定の間隔に維持されていることから、被処理流体が積層構造体20の層間の全領域を流れることが可能となる。このため、積層構造体20内の各位置において反応が引き起こされ、被処理流体を効率的に反応させることが可能となる。すなわち、積層構造体20の上流側の領域だけでなく、下流側の領域においても、触媒層22によって被処理流体の反応を促進させることが可能となる。この結果、積層構造体20内に保持された触媒層22のすべてを有効に利用することができるようになり、これにより、被処理流体を効率的に反応させることができる。また、積層構造体内の各領域において触媒層22を利用することができるため、局所的な触媒層22の劣化を防止し、反応装置10の寿命を適切に長期化させることが可能となる。
さらに、突出片40は切り起こし加工によって形成され、ベース部35のうちの、各突出片40の基端部41に隣接する位置に貫通孔36が形成されている。上述したように、突出片40は被処理流体Fの流路を大きく変化させるように作用する(図5および図7参照)。したがって、図5に示すように、突出片40が立ち上がる側であるベース部35の一側から貫通孔36に対面する領域(例えば、図5における貫通孔36の上方側の領域)と、突出片40が立ち上がっていない側であるベース部35の他側から貫通孔36に対面する領域(例えば、図5における貫通孔36の下方側の領域)と、では、被処理流体の流れ方、具体的には、被処理流体の流れる方向および流れる速度等が大きく異なるようになる。これにより、貫通孔36に対面するベース部35の一方の側の領域と、当該貫通孔36に対面するベース部35の他方の側の領域と、の間では圧力差が生じる。この結果、被処理流体が、貫通孔36を通過して、ベース部35の一方の側から他方の側へと流れるようになる。すなわち、積層構造体20内では、被処理流体が、上述したベース部35のシート面と平行な層間内を流れるだけでなく、貫通孔36を通過してベース部35を横断して流れるようになる。したがって、被処理流体が積層構造体20内の全域を三次元的に流れることが可能となり、これにより、積層構造体20内の各位置において被処理流体の反応を引き起こし、被処理流体をより効率的に反応させることが可能となる。すなわち、積層構造体20内に保持された触媒層のすべてをより有効に利用することができるようになり、これにより、反応装置10の寿命をより長期化させることが可能となる。
以上のような実施の形態によれば、低圧力損失かつ高効率での反応を実現することができるとともに、反応装置10の寿命を長期化させることもできる。
以上の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について、図8〜図16を参照しながら、説明する。なお、図8〜図16は上述した実施の形態に対する変形の一例を示す図であり、図8〜図16において、上述した実施の形態と同一に構成され得る部分には同一の符号を付している。
(第1の変形例)
上述した実施の形態において、多数の突出片40が、平面視形状においてすべて同一に構成されている例を示したが、これに限られず、異なる平面視形状を有した複数種類の突出片40が一枚のシート状部材30に形成されていてもよい。例えば、図8〜図10に示すように、シート状部材30に形成された突出片40が、互いに異なる平面視形状を有する第1突出片および第2突出片を含むようにしてもよい。第1突出片および第2突出片は、基端部41から先端部42までの長さが互いに異なっている。なお、図8および図9は、それぞれ、図3に対応する図であるとともに、積層構造体20に組み込まれる前のシート状部材の変形例を示す拡大部分斜視図を含む図である。また、図10は、図6に対応する図であって、図9のシート状部材の変形例を示す図である。
図8に示す変形例において、突出片40は、基端部41から先端部42までの長さが互いに異なる第1突出片40a1および第2突出片40b1を含んでいる。すなわち、図8に示された変形例において、シート状部材30は、ベース部35に対して同一の角度で折り曲げられた際におけるベース部35からの突出量が互いに異なる第1突出片40a1および第2突出片40b1を有している。これにともなって、第1突出部40a1に隣接してベース部35に形成された第1貫通孔36a1と、第2突出部40b1に隣接してベース部35に形成された第2貫通孔36b1と、は異なる平面視形状を有するようになる。
このシート状部材30が重ねられて形成された積層構造体20においては、シート状部材30の一つの領域から一方の側に立ち上がった基端部41と先端部42との間の長さが長い一方の突出片(例えば、第2突出片40b1)が、当該一つの領域に重ねられたシート状部材30の他の領域に形成された貫通孔36a1,36b1に、入り込んでしまったとしても、基端部41と先端部42との間の長さが短い他方の突出片(例えば、第1突出片40a1)が貫通孔36a1,36b1に入り込んでいなければ、積層構造体20の層間を形成する隣り合うシート状部材30の二つの領域の離間間隔を十分な長さに維持することができる。すなわち、本実施の形態においては、シート状部材30を重ねた際に、隣り合うシート状部材30の間に十分な間隔の空間が形成されなくなる可能性を低減することができるようになる。したがって、このような変形例によれば、被処理流体が積層構造体20内を入口側から出口側へと進む際に生じる圧力損失をより確実に低下させながら、積層構造体20内の偏った領域で被処理流体の反応が促進されること、および、積層構造体20内に詰まりが生じてしまうこと、を効果的に防止することができる。
また、シート状部材30の一つの領域から一方の側に立ち上がった基端部41と先端部42との間の長さが長い一方の突出片(例えば、第2突出片40b1)が、当該一つの領域に重ねられたシート状部材の他の領域に形成された貫通孔36a1,36b1に、入り込んでしまった状態においては、当該隣り合うシート状部材の二つの領域が、シート面に沿った方向(すなわち、積層構造体20の巻き取り軸線d1を中心とした円周方向)に、相対移動することを防止することができる。したがって、シート状部材30を巻き上げてなる積層構造体40の巻き戻りを効果的に防止することもできる。結果として、さらに他の突出片40a1,40b1の先端部42が当接するベース部35に形成された貫通孔36a1,36b1に入り込んでしまうことを防止することができる。
なお、図8に示す変形例において、第1突出片40a1は、上述した実施の形態で説明した突出片40と同様に構成されている。つまり、第1突出片40a1の基端部41の幅w1は先端部42の幅w2よりも狭くなっている。しかしながら、上述したように、基端部41から先端部42までの長さが、第1突出片40a1と第2突出片40b1との間で互いに異なるといった構成によって、積層構造体20の層間を形成する隣り合うシート状部材30の二つの領域を安定して十分に離間させることが可能となる。したがって、シート状部材30が、同一の角度でベース部35に対して折り曲げられた際にベース部35からの長さが互いに異なる第1突出片40a1および第2突出片40b1を含んでいる場合には、突出片40a1,40b1の基端部41の幅w1を先端部42の幅w2よりも狭くする必要はない。本変形例において、第1突出片40a1が、第2突出片40b1と同様に、基端部41から先端部42へ向けて一定の幅を有するようにしてもよい。
また、この変形例においては、図9および図10に示すように、シート状部材30に形成された多数の突出片40が、基端部41から先端部42までの長さla,lbが互いに異なり且つ先端部42における幅wa,wbが互いに異なる第1突出片40a2および第2突出片40b2を含むようにしてもよい。図9および図10に示す変形において、第1突出片40a2および第2突出片40b2は、それぞれ、基端部41から先端部42まで一定の幅wa,wbを有している。そして、基端部から先端部までの長さlaが短い第1突出片40a2の幅waは、基端部41から先端部42までの長さlbが長い第2突出片40b2の幅wbよりも広くなっている。このような変形例によれば、図10に示すように、基端部41から先端部42までの長さlbが長い第2突出片40b2の先端部42が、基端部41から先端部42までの長さlaが短い第1突出片40a2に対応する貫通孔36a2に入り込みやすくなる。これにより、上述した重なり合うシート状部材30の二つの領域が、シート面に沿った方向に互いに相対移動することを、より効果的に防止することができる。
その一方で、図9および図10に示された例とは逆に、基端部41から先端部42までの長さlaが短い第1突出片40a2の幅waが、基端部41から先端部42までの長さlbが長い第2突出片40b2の幅wbよりも狭くなっていてもよい。このような変形例によれば、基端部41から先端部42までの長さが長い第2突出片40b2の先端部42が、当接するベース部35に形成された第1突出片40a2に対応する貫通孔36a2に入り込むこと自体を防止することができる。したがって、このような変形例によれば、積層構造体20の層間に安定して十分な離間間隔を維持することが可能となる。
ところで、以上のような変形例は、図8および図9に示すように、第1突出片40a1,40a2および第2突出片40b1,40b2を含む多数の突出片40が、シート状部材30を巻き上げる際の巻き取り軸線d1に対して0°以上45°以下の角度をなす方向に延びる互いに平行な多数の仮想列lx上に並べて配列され、且つ、多数の仮想列lxのうちの少なくとも一つの仮想列lx上に並べられた突出片40が、すべて、基端部41から先端部42までの長さlaが長い方の突出片(本変形例では、第2突出片40b1,40b2)となっていることが好ましい。この場合、基端部41から先端部42までの長さlaが長い一方の突出片40b1,40b2が、基端部41から先端部42までの長さlaが短い他方の突出片40a1,40a2に対応した貫通孔36a1,36a2に対面しやすくすることができる。これにより、上述してきた本変形例の作用効果を期待することが可能となる。
とりわけ図8および図9に示す例においては、多数の突出部40は、巻き取り軸線d1と平行な方向(上述した実施の形態の第2配列方向(図4参照))、すなわち、巻き取り軸線d1に対して0°の角度をなす方向に延びる互いに平行な多数の仮想列lx上に並べて配列されている。このような例によれば、上述してきた本変形例の作用効果がより奏されやすくすることができる。
なお、本変形例において、第1突出片40a1,40a2の基端部41から先端部42までの長さと、第2突出片40b1,40b2の基端部41から先端部42までの長さと、のうちのいずれか長い方の長さの短い方の長さに対する割合が100%よりも大きく120%以下の範囲に設定されていることが好ましい。第1突出片40a1,40a2および第2突出片40b1,40b2の基端部41から先端部42までの長さをこのような範囲に設定した場合、上述した作用効果を有効にすることができるともに、第1突出片40a1,40a2と第2突出片40b1,40b2との間における基端部41から先端部42までの長さの相違に起因した、積層構造体20の層間の離間間隔の変動が、被処理流体の流れに悪影響を及ぼすことを十分に防止することができる。
(第2の変形例)
上述した実施の形態におけるシート状部材30上における突出片40の配列および向きは、例示に過ぎず、適宜変更することが可能である。なお、本変形例2は、上述した実施の形態だけでなく、上述した変形例1に対しても適用可能な変形例である。
例えば、上述した実施の形態において、多数の突出片40の各基端部41が、シート状部材30を巻き上げる際の巻き取り軸線d1と直交する方向、言い換えると、積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向と直交する方向に延びている例を、説明した。しかしながら、このような突出片40の向きを、一例として、図11に示すように変形してもよい。図11に示す例において、多数の突出片40は、シート状部材30のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、多数の突出片40の各基端部41は、シート状部材30のシート面上の一方向daと平行に延びている。そして、突出片40の基端部41と平行に延びる前記一方向daは、積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向に対し、45°以上90°未満、より好ましくは、45°以上80°以下の角度θaで傾斜している。
このような変形例によれば、図11に示すように、積層構造体20の層間に導入された被処理流体を、入口側と出口側とを結ぶ方向に対して傾斜する方向に誘導することができる。これにより、被処理流体が積層構造体20の層間の全領域を流れわたるようになり、被処理流体をさらに効率的に反応させることが可能となる。すなわち、積層構造体20内に保持された触媒層22のすべてをさらに有効に利用することができるようになる。また、突出片40の基端部41と平行に延びる前記一方向daが、積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向に対して傾斜していることから、積層構造体20内での圧力損失を効果的に低減することができるようになる。さらに、突出片40の基端部41と平行に延びる前記一方向daの積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向に対する傾斜角度θaが、45°以上であれば、上述した被処理流体(とりわけ、被処理流体に含まれる粒子状物質)を突出辺40で捕集する効果を維持することができ、これにより、被処理流体を効率的に反応させることができる。
とりわけ、積層構造体20が一以上のシート状部材30を巻き上げることによって形成されている場合には、被処理流体が積層構造体20の入口側から出口側へ向けて螺旋状の経路をたどって流れるようにし向けることができる。このような積層構造体20においては、触媒層22のすべてを有効に利用して、被処理流体を効率的に反応させることができる。
加えて、図11に示すように、突出片40の基端部41が積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向に対して傾斜している場合には、被処理流体が平板状からなる突出片40の板面に沿って流れるようになる。この変形例において、図12に示すように、積層構造体20の出口側に近い側の突出辺40の基端部41と先端部42とを結ぶ端辺49が、シート状部材30の法線方向ndに対して傾斜していると、いわゆるシャークフィン効果を期待することができる。すなわち、突出片40と平行に流れる被処理流体の流れを、当該突出片40の下流側において安定化させることを期待することができる。これにより、被処理流体が積層構造体20を入口側から出口側へと進む際に生じる圧力損失を、さらに低下させることが可能となる。
また、上述した実施の形態において、図4に示すように、多数の突出片40が、入口側と出口側とを結ぶ方向に直交する第1配列方向(巻き取り軸線d1に直交する方向)と、入口側と出口側とを結ぶ方向と平行な第2配列方向(巻き取り軸線d1と平行な方向)と、の二つの方向のそれぞれに並べて配列される例を、説明したがこれに限られない。一例として、図11に示すように、多数の突出片40が、入口側と出口側とを結ぶ方向に直交する第1配列方向(巻き取り軸線d1に直交する方向)と、この第1配列方向および入口側と出口側とを結ぶ方向の両方に対して傾斜した第2配列方向と、の二つの方向のそれぞれに並べて配列されるようにしてもよい。
さらには、多数の突出片40がシート状部材30のベース部35上にランダムに配列されるようにしてもよい。また、多数の突出片40がシート状部材30のベース部35上に規則的に配置され、多数の突出片40の各基端部41が延びる方向がランダムとなっていてもよい。
(変形例3)
また、上述した実施の形態において、積層構造体20が一枚のシート状部材30から形成される例を示したが、これに限られない。なお、本変形例3は、上述した実施の形態に適用可能であるだけでなく、上述した変形例1、変形例2およびこれらの組み合わせとも組み合わせ可能な変形例である。
例えば、図13および図14に示すように、第1のシート状部材および第1のシート状部材と隣接して重ねられた第2のシート状部材を含む少なくとも二枚のシート状部材を巻き上げることによって、積層構造体20が形成されるようにしてもよい。
図13に示す例においては、積層構造体20は、互いに異なる構成を有した第1シート状部材30a1および第2シート状部材30b1を含んでいる。第1シート状部材30a1において、複数の突出片40は、第1シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、複数の突出片40の各基端部41は、第1シート状部材30a1のシート面上の第1の方向da1と平行に延びている。また、第2シート状部材30b1において、複数の突出片40は、第2シート状部材30b1のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、複数の突出片40の各基端部41は、第2シート状部材30b1のシート面上の第2の方向db1と平行に延びている。そして、積層構造体20において、第1シート状部材30a1に含まれる突出片40の基端部41が延びる方向da1が、第2シート状部材30b1に含まれる突出片40の基端部41が延びる方向db1に対して交差するように、第1シート状部材30a1と第2シート状部材30b1とが重ね合わせられている。
また、図14に示す例において、積層構造体20は、互いに同一の構成を有した第1シート状部材30a2および第2シート状部材30b2を含んでいる。第1シート状部材30a2および第2シート状部材30b2において、複数の突出片40は、各シート状部材30a2,30b2のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、複数の突出片40の各基端部41は、各シート状部材30a2,30b2のシート面上の一方向da2,db2と平行に延びている。そして、積層構造体20において、第1シート状部材30a2に含まれる突出片40の基端部41が延びる方向da2が、第2シート状部材30b2に含まれる突出片40の基端部41が延びる方向db2に対して傾斜するように、第1シート状部材30a2は、その法線方向と平行な軸線を中心として第2シート状部材30b2に対して回転した状態で、第2シート状部材30b2と重ねられている。
図13および図14に示すように、突出片40の向きが隣接する二つのシート状部材間で互いに異なる場合、積層構造体20の一つの層内における被処理流体の流れと、当該一つの層に隣接する層内における被処理流体の流れと、が異なるようになる。これにより、層間に位置するベース部35に形成された貫通孔36の両側における圧力差がより大きくなり、被処理流体の貫通孔36を通過する移動を活発化させることができる。この結果、積層構造体20内の各位置において被処理流体の反応を引き起こし、被処理流体をさらに効率的に反応させることが可能となる。すなわち、積層構造体20内に保持された触媒層22のすべてをさらに有効に利用することができるようになる。
また、第1シート状部材30a1,30a2の多数の突出片40の基端部41が第1の方向da1,da2に延びるととともに、第1シート状部材30a1,30a2に隣接する第2シート状部材30b1,30b2の多数の突出片40の基端部41が第2の方向db1,db2に延びる場合、第1シート状部材30a1,30a2の一定の領域内から立ち上がった複数の突出片40の先端部42が、同時に、当該領域に対面する領域に位置する第2シート状部材30b1,30b2の貫通孔36に入り込む可能性は低い。同様に、第2シート状部材30b1,30b2の一定の領域内から立ち上がった複数の突出片40の先端部42が、同時に、当該領域に対面する領域に位置する第1シート状部材30a1,30a2の貫通孔36に入り込む可能性は低い。すなわち、突出片40の向きが隣接する二つのシート状部材間で互いに異なる構成によって、積層構造体20の層間を形成する二つのシート状部材30a,30bを安定して離間させることが可能となる。
したがって、第1シート状部材30a1,30a2に含まれる突出片40の基端部41が延びる方向da1,da2が、第2シート状部材30b1,30b2に含まれる突出片40の基端部41が延びる方向db1,db2に対して傾斜している場合には、上述した実施の形態のように突出片40の基端部41の幅w1が先端部42の幅w2よりも狭くなっている必要はない。したがって、図13および図14に示すように、第1シート状部材30a1,30a2の突出片40、並びに、第2シート状部材30b1,30b2の突出片40が、基端部41から先端部42へ向けて一定の幅を有するようにしてもよい。
なお、突出片40がランダムな配列またはランダムな向きでベース部35上に形成されたシート状部材40を巻き上げることによって積層構造体20を形成した場合においても、同様に、積層構造体20の層間を形成する二つのシート状部材を安定して離間させることが或る程度可能となる。しかしながら、突出片40の配列および向きをベース部35上においてランダムにすると、積層構造体20内での被処理流体の流れが乱れ過ぎて、圧力損失を期待した程度に低下させることができない、あるいは、積層構造体20内での被処理流体が特定の領域内で活発に流れるようになって、すべての触媒層22を有効に利用することができない、といった可能性がある。とりわけ、被処理流体が質量の大きい粒子状物質を含んでいる場合には、粒子状物質が特定の位置に滞積して、流路に詰まりを生じさせやすくなる可能性もある。
一方、本変形例では、積層構造体20の各層を形成するようになる一つのシート状部材において、突出片40が規則性を持ってベース部35上に配置されている。したがって、被処理流体は、上述したように積層構造体20の層間をまたいで活発に流れるようになるだけでなく、或る程度整流化された状態で積層構造体20の各層内の全領域を流れわたるようにもなる。すなわち、突出片40の配列または向きをランダムにしたシート状部材を用いる場合と比較して、図13および図14に示された変形例によれば、圧力損失を低減しながら、積層構造体20内に保持された触媒層22のすべてを有効に利用して被処理流体を効率的に反応させることができる。
加えて、図13に示された変形例において、重ね合わせられた二つのシート状部材30a1,30b1は鏡面対称に構成されている。また、図14に示された変形例において、同一構成を有した二つのシート状部材30a2,30b2は、シート状部材30a2,30b2の法線方向に延びる軸線を中心として、互いに対して180°回転させられている。したがって、図13に示された変形例および図14に示された変形例の両方において、積層構造体20に組み込まれた第1シート状部材30a1,30a2に含まれる突出片40の基端部41が延びる方向da1,da2、および、積層構造体20に組み込まれた第2シート状部材30b1,30b2に含まれる突出片40の基端部41が延びる方向db1,db2は、積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向(巻き取り軸線d1)に対して、同一角度θa1,θa2,θb1,θb2で異なる向きに傾斜している。すなわち、第1シート状部材30a1,30a2の突出片40の基端部41が延びる方向da1,da2と、第2シート状部材30b1,30b2の突出片40の基端部41が延びる方向db1,db2と、が積層構造体20の入口側と出口側とを結ぶ方向(巻き取り軸線d1)を対称軸として線対称になっている。このような変形例によれば、積層構造体20の一つの層内における被処理流体の流れと、当該一つの層に隣接する層内における被処理流体の流れと、が、ベース部35の法線方向から観察した場合に、概ね、入口側と出口側とを結ぶ直線を対称軸とする線対称となる。この場合、積層構造体20内における被処理流体の流れを必要以上に乱すことを防止し、圧力損失を低く維持することができる。
さらに、図14に示された変形例によれば、積層構造体20が一種類のシート状部材から構成されている。したがって、この積層構造体20は安価に作製され得る。
なお、図13および図14に示す変形例において、第1シート状部材30a1,30a2および第2シート状部材30b1,30b2が一枚ずつ配置される例を示したが、これに限られない。すなわち、重ね合わせられた第1シート状部材30a1,30a2および第2シート状部材30b1,30b2を複数組準備し、複数組の第1シート状部材30a1,30a2および第2シート状部材30b1,30b2を巻き取って積層構造体20を形成してもよい。このようにして得られた積層構造体20においても、上述した作用効果と同様の作用効果を期待することができる。
(変形例4)
また、上述した実施の形態でも説明したように、反応装置(反応器)10は、ディーゼルエンジンからの排気ガスを処理する装置に適用される例に限定されることなく、排気ガス以外の被処理流体(気体や液体等)を処理する装置に広く適用され得る。なお、本変形例4は、上述した実施の形態に適用可能であるだけでなく、上述した変形例1〜3およびこれらの変形例の組み合わせとも組み合わせ可能な変形例である。
一例として、炭化水素を含む被処理流体を反応装置10に供給し、反応装置10の積層構造体20の層間で炭化水素を部分酸化反応させることによって、水素を生成することができる。生成された水素は、例えば、燃料電池の燃料として使用され得る。ここで、炭化水素を含む被処理流体としては、天然ガス、都市ガス、アルコール類、石油等が挙げられる。具体的には、被処理流体中のメタン(CH4)を、以下の式(1)のように反応させることができる。この際、触媒層22の触媒粒子としては、ロジウムが選択され得る。なお、「部分酸化」とは、触媒反応の技術分野において一般的に用いられている用語における意味として解釈され、以下の式(1)のような反応であって、式(2)のような水素が生成されることのない完全な酸化とは区別される。
CH4 + 1/2O2 → CO + 2H2 ・・・式(1)
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O ・・・式(2)
(変形例5)
さらに、反応装置41が筒状部材50をさらに備え、一枚のシート状部材または複数枚の重ね合わせられたシート状部材が筒状部材50に巻き取られるようにしてもよい。なお、本変形例5は、上述した実施の形態に適用可能であるだけでなく、上述した変形例1〜4およびこれらの変形例の組み合わせとも組み合わせ可能な変形例である。
図15および図16に示す例においては、筒状部材50がケーシング15内を通過しており、シート状部材30が筒状部材50に巻き取られている。すなわち、筒状部材50の外方に積層構造体20が形成されている。
このような反応装置(反応器)10内においては、筒状部材50と積層構造体20との間での熱交換が可能となる。一例として、反応装置(反応器)10内で促進される反応が吸熱反応である場合に、筒状部材52から積層構造体20に熱が伝達されるようにすることができる。図16に示すように、筒状部材50の内壁には、触媒層52が保持されている。この触媒層52によって、筒状部材50内における発熱反応が促進されるようになっている。このような構成によれば、外部から熱を供給することなく、積層構造体20内での吸熱反応を促進することが可能となる。
一例として、炭化水素を水蒸気と反応させる水蒸気改質を積層構造体20内で行うとともに、筒状部材50内において発熱反応を行うようにすることができる。この例では、筒状部材50内にメタンと酸素とが供給され、以下の式(3)に示す発熱反応が促進される。この際、筒状部材50の内壁に保持された触媒層52は、酸化アルミニウム等の多孔質体と、多孔質体に担持された、白金属元素(例えば、ルテウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt))、ニッケル(Ni)、銅(Cu)等の粒子と、から構成され得る。筒状部材50内での発熱反応により発生した熱は、筒状部材50の壁面を介して、積層構造体20に伝達される。したがって、筒状部材50は、銅やアルミ等の熱を移動させやすい材料から構成されていることが好ましい。
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O ・・・式(3)
一方、積層構造体20には、天然ガス、都市ガス、アルコール類、石油等の炭化水素を含む被処理流体が、水蒸気とともに送り込まれる。積層構造体20内で水蒸気と反応する炭化水素がメタンである場合、触媒層22および筒状部材50からの熱によって促進される積層構造体20内での反応は、以下の式(4)のようになる。この際、積層構造体20に保持された触媒層22は、酸化アルミニウム等からなる多孔質体と、多孔質体に保持された、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、白金属元素(例えば、ルテウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt))等の粒子と、から構成され得る。
CH4 + 2H2O(g) → CO2 + 4H2 ・・・式(4)
このようにして、反応装置(反応器)10から水素が得られるようになる。得られた水素は、例えば、燃料電池の燃料として使用され得る。従来における水蒸気改質の問題点は、エネルギ生成のための燃料となる水素を得るためにエネルギを供給する必要があり、燃料作製を考慮した場合における燃料電池による発電効率が低くなってしまうことだった。図15および図16に示された反応装置10(積層構造体20)によれば、この問題を解消することができる。
なお、図15および図16に示す例において、積層構造体20の上流側から下流側へ向けた向きと、筒状部材50の上流側から下流側へ向けた向きと、が逆方向になっている。このような反応装置10によれば、筒状部材50内で発熱反応が活発に起こりやすくなっている筒状部材50の上流側領域は、積層構造体20内において幾分反応が活性化しにくくなる積層構造体20の下流側に、対面している。すなわち、積層構造体20内において幾分反応が活性化しにくくなる積層構造体20の領域に、より多量の熱が供給されやすくなっている。したがって、積層構造体20内の各領域において、反応がより均一に起こりやすくなり、被処理流体をより効率的に反応させることができる。すなわち、積層構造体20内の触媒層22のすべてを利用し、積層構造体20内の各位置にて被処理流体を反応させることができる。
(変形例6)
さらに、上述した実施の形態および変形例1〜5において、一枚のシート状部材または複数枚のシート状部材を巻き上げることによって、積層構造体を形成する例を示したが、これに限られない。複数枚の枚葉状のシート状部材を重ね合わせることによって、積層構造体を形成してもよい。このような本変形例6は、上述した実施の形態に適用可能であるだけでなく、上述した変形例1〜4およびこれらの変形例の組み合わせとも組み合わせ可能な変形例である。
また、複数枚の枚葉状のシート状部材を筒状部材とともに重ね合わせて反応装置を構成してもよい。この場合、上述の変形例5のように、反応装置10内において、積層構造体と筒状部材との間での熱交換等を可能にすることができる。
10 反応装置(反応器)
15 ケーシング
20 積層構造体
22 触媒層
30 シート状部材
30a1,30a2 シート状部材(第1シート状部材)
30b1,30b2 シート状部材(第2シート状部材)
31 外周面形成領域
35 ベース部
36 貫通孔
36a1,36a2 貫通孔
36b1,36b2 貫通孔
40 突出片
40a1,40a2 突出片(第1突出片)
40b1,40b2 突出片(第2突出片)
41 基端部
42 先端部
43 外周面形成領域
49 端辺
50 筒状部材
52 触媒層

Claims (17)

  1. 一以上のシート状部材を含む積層構造体であって、前記シート状部材が重ねられることによって形成された積層構造体を備え、
    前記積層構造体は、被処理流体を供給されるようになる入口側と、当該積層構造体内を通過した後に前記流体が排出されるようになる出口側と、を含み、
    前記シート状部材は、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を含み、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、
    前記突出片の前記基端部における幅が、前記ベース部から最も離間した前記突出片の先端部における幅よりも狭く、
    前記積層構造体において、前記突出片がその一方の側から立ち上がっている前記ベース部の他方の側の面に、別のベース部から立ち上がった突出片の先端部が接触している
    ことを特徴とする反応装置。
  2. 前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なる第1突出片および第2突出片を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
  3. 前記突出片は平面視台形形状を有し、前記台形形状の平行な二つの辺のうちの短い方の辺によって前記基端部が形成されるとともに、前記台形形状の平行な二つの辺のうちの長い方の辺によって前記先端部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の反応装置。
  4. 一以上のシート状部材を含む積層構造体であって、前記シート状部材が重ねられることによって形成された積層構造体を備え、
    前記積層構造体は、被処理流体を供給されるようになる入口側と、当該積層構造体内を通過した後に前記流体が排出されるようになる出口側と、を含み、
    前記シート状部材は、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を含み、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、
    前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なり且つ前記先端部における幅が互いに異なる第1突出片および第2突出片を含み、
    前記積層構造体において、前記突出片がその一方の側から立ち上がっている前記ベース部の他方の側の面に、別のベース部から立ち上がった突出片の先端部が接触している
    ことを特徴とする反応装置。
  5. 前記複数の突出片は、前記シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、前記シート状部材のシート面上の一方向と平行に延び、
    前記積層構造体に組み込まれた前記シート状部材の前記一方向は、前記積層構造体の前記入口側と前記出口側とを結ぶ方向に対し、45°以上90°未満の角度で傾斜している
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の反応装置。
  6. 前記積層構造体は、第1のシート状部材と、前記第1のシート状部材と隣接して重ねられ第1シート状部材と同一の構成を有する第2のシート状部材と、を含み、
    前記第1シート状部材および前記第2シート状部材において、前記複数の突出片は、各シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、各シート状部材のシート面上の一方向と平行に延び、
    前記積層構造体において、前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向が、前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向に対して交差するように、前記第1シート状部材は、その法線方向と平行な軸線を中心として前記第2シート状部材に対して回転した状態で、前記第2シート状部材と重ねられている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の反応装置。
  7. 前記積層構造体は、第1のシート状部材と、前記第1のシート状部材と隣接して重ねられ第1シート状部材と異なる構成を有する第2のシート状部材と、を少なくとも含み、
    前記第1シート状部材において、前記複数の突出片は、前記第1シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、前記第1シート状部材のシート面上のある方向と平行に延び、
    前記第2シート状部材において、前記複数の突出片は、前記第2シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、前記第2シート状部材のシート面上のある方向と平行に延び、
    前記積層構造体において、前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向が、前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向に対して交差するように、前記第1シート状部材と前記第2シート状部材とが重ねられている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の反応装置。
  8. 前記第1シート状部材と前記第2シート状部材とは鏡面対称に構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の反応装置。
  9. 前記積層構造体に組み込まれた前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向、および、前記積層構造体に組み込まれた前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向は、前記積層構造の前記入口側と前記出口側とを結ぶ方向に対して、同一角度で異なる向きに傾斜している
    ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の反応装置。
  10. 一枚の前記シート状部材、或いは、重ねられた複数枚の前記シート状部材を巻き上げることによって積層構造体が形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の反応装置。
  11. 前記複数の突出片は、前記シート状部材を巻き上げる際の巻き取り軸線と直交する方向に並べて配置され、
    前記複数の突出片の各基端部は、前記シート状部材のシート面上の一方向と平行に延びている
    ことを特徴とする請求項10に記載の反応装置。
  12. 前記一以上のシート状部材を巻き上げてなる積層構造体の外周面を形成するようになるシート状部材のベース部の外周面形成領域には、前記突出片および前記貫通孔が形成されていない
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の反応装置。
  13. 筒状部材をさらに備え、
    前記一以上のシート状部材は、筒状部材に巻き上げられている
    ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の反応装置。
  14. 前記複数の突出片は、前記シート状部材を巻き上げる際の巻き取り軸線に対して0°以上45°以下の角度をなす方向に延びる互いに平行な複数の仮想列上に並べて配列され、
    前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なる第1突出片および第2突出片を含み、
    少なくとも一つの前記仮想列について、当該列上に並べられた前記突出片は、すべて、前記第1突出片および前記第2突出片のうちの前記基端部から前記先端部までの長さが長い方の突出片である
    ことを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の反応装置。
  15. 第1のシート状部材および第2のシート状部材を含む積層構造体であって、前記第1のシート状部材および前記第2のシート状部材が交互に重ねられることによって形成された積層構造体を備え、
    前記積層構造体は、被処理流体を供給されるようになる入口側と、当該積層構造体内を通過した後に前記流体が排出されるようになる出口側と、を含み、
    前記第1シート状部材は、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を含み、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、
    前記第1シート状部材において、前記複数の突出片は、当該シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、当該シート状部材のシート面上のある方向と平行に延び、
    前記第2シート状部材は、シート状のベース部と、前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を含み、前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、
    前記第2シート状部材において、前記複数の突出片は、当該シート状部材のシート面上の異なる二つの方向に並べて配列されるとともに、前記複数の突出片の各基端部は、当該シート状部材のシート面上のある方向と平行に延び、
    前記第1シート状部材および前記第2シート状部材のうちの一方のシート状部材の前記ベース部の前記突出片が立ち上がっていない側の面に、前記第1シート状部材および前記第2シート状部材のうちの他方のシート状部材の前記ベース部から立ち上がった突出片の先端部が接触し、
    前記第1シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向が、前記第2シート状部材に含まれる前記突出片の前記基端部が延びる方向に対して交差している
    ことを特徴とする反応装置。
  16. 反応装置の積層構造体の形成に用いられるシート状部材であって、
    シート状のベース部と、
    前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を備え、
    前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、
    前記突出片の前記基端部における幅が、前記ベース部から最も離間した前記突出片の先端部における幅よりも狭い
    ことを特徴とするシート状部材。
  17. 反応装置の積層構造体の形成に用いられるシート状部材であって、
    シート状のベース部と、
    前記ベース部から立ち上がった複数の突出片と、を備え、
    前記ベース部との接続箇所をなす各突出片の基端部に隣接して前記ベース部に貫通孔が形成され、
    前記複数の突出片は、前記基端部から前記先端部までの長さが互いに異なり且つ前記先端部における幅が互いに異なる第1突出片および第2突出片を含む
    ことを特徴とするシート状部材。
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